JP2020186124A - エレベータの利用者検知システム - Google Patents

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Abstract

【課題】カメラセンサによる乗場環境の依存性をカバーにして利用者を正しく検知する。【解決手段】一実施形態に係るエレベータの利用者検知システムは、第1の検知部22と、第2の検知部23と、出力制御部25とを備える。第1の検知部22は、乗りかご11のドア付近に設置されたカメラセンサ12を用いて、ドア付近の利用者または物を検知する。第2の検知部23は、乗りかご11のドア付近に設置され、カメラセンサ12とは別の検知機能を有する付加センサを用いて、ドア付近の利用者または物を検知する。出力制御部25は、ドア付近の乗場の環境に応じて、第1の検知部22によって得られる検知結果と第2の検知部23によって得られる検知結果の出力を制御する。【選択図】 図2

Description

本発明の実施形態は、エレベータの利用者検知システムに関する。
通常、エレベータの乗りかごが乗場に到着して戸開すると、所定時間経過後に戸閉して出発する。その際、エレベータの利用者は乗りかごがいつ戸閉するのか分からないため、乗場から乗りかごに乗車するときに戸閉途中のドアにぶつかることがある。
このような乗車時のドアの衝突を回避するため、乗りかごにカメラセンサを設け、このカメラセンサによって乗りかごに乗車する利用者を検知することにより、その検知結果をドアの開閉制御に反映させる技術がある。
特開2002−308552号公報
しかしながら、上述したカメラセンサは、乗場環境の依存性が高い。このため、例えば乗場の照度が低い場合または高い場合、乗場の照明が停電している場合、カメラセンサでは、利用者を正しく検知できないことがある。
本発明が解決しようとする課題は、カメラセンサによる乗場環境の依存性をカバーにして利用者を正しく検知することのできるエレベータの利用者検知システムを提供することである。
一実施形態に係るエレベータの利用者検知システムは、第1の検知手段と、第2の検知手段と、出力制御手段とを備える。
上記第1の検知手段は、乗りかごのドア付近に設置されたカメラセンサを用いて、上記ドア付近の利用者または物を検知する。上記第2の検知手段は、上記乗りかごのドア付近に設置され、上記カメラセンサとは別の検知機能を有する付加センサを用いて、上記ドア付近の利用者または物を検知する。上記出力制御手段は、上記ドア付近の乗場の環境に応じて、上記第1の検知手段によって得られる検知結果と上記第2の検知手段によって得られる検知結果の出力を制御する。
図1は第1の実施形態に係るエレベータの利用者検知システムの構成を示す図である。 図2は同実施形態における検知制御装置の機能構成を示すブロック図である。 図3は同実施形態におけるカメラセンサの撮影画像の一例を示す図である。 図4は同実施形態における実空間での座標系を説明するための図である。 図5は同実施形態におけるカメラセンサの検知エリアと付加センサの検知エリアとの関係を示す図である。 図6は同実施形態における利用者検知システムの戸開時の利用者検知処理を示すフローチャートである。 図7は同実施形態における撮影画像をブロック単位で区切った状態を示す図である。 図8は第2の実施形態に係る検知制御装置の機能構成を示すブロック図である。 図9は同実施形態における戸開時の利用者検知処理を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係るエレベータの利用者検知システムの構成を示す図である。なお、ここでは、1台の乗りかごを例にして説明するが、複数台の乗りかごでも同様の構成である。
乗りかご11の出入口上部にカメラセンサ12が設置されている。具体的には、カメラセンサ12は、乗りかご11の出入口上部を覆う幕板11aの中にレンズ部分を直下方向、もしくは、乗場15側あるいは乗りかご11内部側に所定の角度だけ傾けて設置される。
カメラセンサ12は、例えば車載カメラ等の小型の監視用カメラからなり、広角レンズもしくは魚眼レンズを有し、1秒間に数コマ(例えば30コマ/秒)の画像を連続的に撮影可能である。カメラセンサ12は、乗りかご11が各階の乗場15に到着したときに起動され、かごドア13付近を含めて撮影する。
このときの撮影範囲はL1+L2に調整されている(L1≫L2)。L1は乗場側の撮影範囲であり、かごドア13から乗場15に向けて所定の距離を有する。L2はかご側の撮影範囲であり、かごドア13からかご背面に向けて所定の距離を有する。なお、L1,L2は奥行き方向の範囲であり、幅方向(奥行き方向と直交する方向)の範囲については少なくとも乗りかご11の横幅より大きいものとする。
各階の乗場15において、乗りかご11の到着口には乗場ドア14が開閉自在に設置されている。乗場ドア14は、乗りかご11の到着時にかごドア13に係合して開閉動作する。なお、動力源(ドアモータ)は乗りかご11側にあり、乗場ドア14はかごドア13に追従して開閉するだけである。以下の説明においては、かごドア13を戸開している時には乗場ドア14も戸開しており、かごドア13が戸閉している時には乗場ドア14も戸閉しているものとする。
ここで、本実施形態では、乗りかご11の出入口上部にカメラセンサ12とは別に付加センサ16が設置されている。付加センサ16は、メインセンサであるカメラセンサ12とは別の方法で利用者または物を補助的に検知するためのサブセンサであり、カメラセンサ12と共に幕板11aの中に乗場15に向けて設置されている。付加センサ16は、例えば赤外線センサ、超音波センサなどからなり、乗場15の照度に影響されずに、利用者または物を検知可能な機能を有する。なお、付加センサ16は1つに限らず、検知方式が異なる複数種類のセンサを組み合わせて用いても良い。
検知制御装置20は、カメラセンサ12を用いた検知処理と、付加センサ16を用いた検知処理を行う。図1では、便宜的に検知制御装置20を乗りかご11から取り出して示しているが、実際には、検知制御装置20はカメラセンサ12と共に幕板11aの中に収納されている。
図2は検知制御装置20の機能構成を示すブロック図である。
検知制御装置20は、記憶部21、第1の検知部22、第2の検知部23、照度算出部24、出力制御部25を備える。
記憶部21は、カメラセンサ12によって撮影された画像を逐次保存すると共に、第1の検知部22の処理に必要なデータを一時的に保存しておくためのバッファエリアを有する。なお、記憶部21には、撮影画像に対する前処理として、歪み補正や拡大縮小、一部切り取り等の処理が施された画像が保存されるとしても良い。
第1の検知部22は、記憶部21に記憶された撮影画像から後述する検知エリアE1内の画像を解析処理して、乗りかご11のかごドア13前にいる利用者または物を検知する。ここで言う「物」とは、例えば利用者の衣服や荷物、さらに車椅子等の移動体を含む。
第2の検知部23は、付加センサ16の検知信号を用いて、乗りかご11のかごドア13前にいる利用者または物の有無を検知する。例えば、付加センサ16が赤外線センサであれば、第2の検知部23は、乗りかご11の出入口から乗場15に向けて照射される赤外線の反射量を測定処理することにより、後述する検知エリアE2内で利用者または物を検知する。また、付加センサ16が超音波センサであれば、第2の検知部23は、乗りかご11の出入口から乗場15に向けて照射される超音波の反射波を測定処理することにより、後述する検知エリアE2内で利用者または物を検知する。
照度算出部24は、カメラセンサ12によって撮影された画像から後述する検知エリアE1内における乗場15の照度を算出する。「乗場15の照度」とは、乗場15の床面が照明機器等で照らされているときの明るさの度合いのことである。
出力制御部25は、乗場15の環境に応じて、第1の検知部22によって得られる検知結果と第2の検知部23によって得られる検知結果の出力を制御する。詳しくは、出力制御部25は、照度算出部24によって算出された乗場15の照度を示す照度信号aと図示せぬビルシステムから停電時に出力される停電信号bとに基づいて、かごドア13付近の乗場15の環境を判断する。乗場15がカメラセンサ12に適さない環境であった場合に、出力制御部25は、第1の検知部22の検知結果を無効として、第2の検知部23の検知結果を選択してかご制御装置30に出力する。
なお、検知制御装置20の一部あるいは全部の機能をかご制御装置30に持たせることでも良い。
かご制御装置30は、乗りかご11に設置される各種機器類(行先階ボタンや照明等)の動作を制御する。また、かご制御装置30は、戸開閉制御部31を備える。戸開閉制御部31は、乗りかご11が乗場15に到着したときのかごドア13の戸開閉を制御する。詳しくは、戸開閉制御部31は、乗りかご11が乗場15に到着したときにかごドア13を戸開し、所定時間経過後に戸閉する。ただし、かごドア13の戸閉動作中のときに、検知制御装置20によって利用者または物が検知された場合には、戸開閉制御部31は、かごドア13の戸閉動作を禁止して、かごドア13をリオープンして戸開状態を維持する。
図3はカメラセンサ12の撮影画像の一例を示す図である。図中のE1は検知エリアを表している。
図3の例では、2枚戸両開きタイプの乗りかご11を例にしている。かごドア13は、シル13c上を互いに逆方向に移動する2枚のドアパネル13a,13bを有する。乗場ドア14も同様であり、シル14c上を互いに逆方向に移動する2枚のドアパネル14a,14bを有する。乗場ドア14のドアパネル14a,14bは、かごドア13のドアパネル13a,13bと共に戸開閉方向に移動する。
カメラセンサ12は乗りかご11の出入口上部に設置されている。したがって、乗りかご11が乗場15で戸開したときに、乗場側の所定範囲(L1)とかご内の所定範囲(L2)が撮影される。このうち、乗場側の所定範囲(L1)に、乗りかご11に乗車する利用者を検知するための検知エリアE1が設定されている。
実空間において、検知エリアE1は、出入口(間口)から乗場方向に向かってL3の距離を有する(L3≦乗場側の撮影範囲L1)。全開時における検知エリアE1の横幅W1は、出入口(間口)の横幅W0以上の距離に設定されている。検知エリアE1の形状は長方形であっても良いし、図3に斜線で示すように、シル13c,14cを含み、三方枠17a,17bの死角を除く台形であっても良い。また、検知エリアE1の縦方向(Y方向)および横方向(X方向)のサイズは、固定であっても良いし、かごドア13の開閉動作に合わせて動的に変更されるものであっても良い。
図4に示すように、カメラセンサ12は、乗りかご11の出入口に設けられたかごドア13と水平の方向をX軸、かごドア13の中心から乗場15の方向(かごドア13に対して垂直の方向)をY軸、乗りかご11の高さ方向をZ軸とした画像を撮影する。このカメラセンサ12によって撮影された各画像において、検知エリアE1の部分をブロック単位で比較することで、かごドア13の中心から乗場15の方向、つまりY軸方向に移動中の利用者の足元位置の動きを検知する。
一方、図5に示すように、付加センサ16の検知エリアE2は、カメラセンサ12の検知エリアE1に含まれる。図5の例では、検知エリアE2は、乗りかご11の出入口(間口)から乗場方向に向かってL4の距離を有して扇状に広がっている。検知エリアE2の横幅の最大サイズはW2である。なお、検知エリアE2のサイズや形状は、付加センサ16の検知方式によって異なり、必ずしも図5の例に限らない。
次に、本システムの動作について説明する。
図6は本システムにおける戸開時の利用者検知処理を示すフローチャートである。
乗りかご11が任意の階の乗場15に到着すると(ステップA11のYes)、かご制御装置30は、かごドア13を戸開して乗りかご11に乗車する利用者を待つ(ステップA12)。
このとき、乗りかご11の出入口上部に設置されたカメラセンサ12によって乗場側の所定範囲(L1)とかご内の所定範囲(L2)が所定のフレームレート(例えば30コマ/秒)で撮影される。検知制御装置20は、カメラセンサ12で撮影された画像を時系列で取得し、これらの画像を記憶部21に逐次保存しながら、以下のような第1の検知処理をリアルタイムで実行する(ステップA13)。なお、撮影画像に対する前処理として、歪み補正や、拡大縮小、画像の一部の切り取りなどを行っても良い。
カメラセンサ12を用いた第1の検知処理は、検知制御装置20に備えられた第1の検知部22によって実行される。第1の検知部22は、カメラセンサ12によって時系列で得られる複数の撮影画像から検知エリアE1内の画像を抽出することにより、これらの画像に基づいて利用者または物の有無を検知する。
具体的には、図7に示すように、第1の検知部22は、撮影画像を所定のブロック単位でマトリックス状に分割し、これらのブロックの中で動きのあるブロックに着目して利用者または物の有無を検知する。
なお、原画像を一辺Wblockの格子状に区切ったものを「ブロック」と呼ぶ。図7の例では、ブロックの縦横の長さが同じであるが、縦と横の長さが異なっていても良い。また、画像全域に渡ってブロックを均一な大きさとしても良いし、例えば画像上部ほど縦(Y方向)の長さを短くするなどの不均一な大きさにしても良い。
第1の検知部22は、記憶部21に保持された各画像を時系列順に1枚ずつ読み出し、これらの画像の平均輝度値をブロック毎に算出する。その際、初期値として最初の画像が入力されたときに算出されたブロック毎の平均輝度値を記憶部21内の図示せぬ第1のバッファエリアに保持しておくものとする。
2枚目以降の画像が得られると、第1の検知部22は、現在の画像のブロック毎の平均輝度値と上記第1のバッファエリアに保持された1つ前の画像のブロック毎の平均輝度値とを比較する。その結果、現在の画像の中で予め設定された閾値以上の輝度差を有するブロックが存在した場合には、第1の検知部22は、当該ブロックを動きありのブロックとして判定する。
現在の画像に対する動きの有無を判定すると、第1の検知部22は、当該画像のブロック毎の平均輝度値を次の画像との比較用として上記第1のバッファエリアに保持する。以後同様にして、第1の検知部22は、各画像の輝度値を時系列順にブロック単位で比較しながら動きの有無を判定することを繰り返す。
第1の検知部22は、検知エリアE1内の画像に動きありのブロックがあるか否かをチェックする。その結果、検知エリアE1内の画像に動きありのブロックがあれば、第1の検知部22は、検知エリアE1内に人または物が存在するものと判断する。
また、かごドア13が戸開したときに、カメラセンサ12を用いた第1の検知処理とは別に、付加センサ16を用いた第2の検知処理が実行される(ステップA14)。付加センサ16を用いた第2の検知処理は、検知制御装置20に備えられた第2の検知部23によって実行される。
例えば付加センサ16として赤外線センサが設置されていた場合、第2の検知部23は、乗りかご11の出入口から乗場15に向けて照射される赤外線の反射量を測定処理し、その反射量の変化から図5に示した検知エリアE2内に進入した利用者または物の有無を検知する。
ここで、検知制御装置20に備えられた照度算出部24では、カメラセンサ12を利用して乗場15の照度を算出する(ステップA15)。詳しくは、照度算出部24は、記憶部21に記憶された撮影画像から検知エリアE1内の画像を抽出し、その抽出された画像の各画素の輝度値から当該検知エリアE1内における乗場15の照度を求める。この場合、カメラセンサ12が自動露出機能を備えていなければ、カメラセンサ12で撮影された画像の輝度値と撮影対象の照度はほぼ比例関係にあるので、所定の変換式を用いて画像の輝度値から撮影対象の照度を概算的に求めることができる。
なお、例えば乗場15に照度計を設置しておき、この照度計によって計測された照度を図示せぬエレベータ制御装置を介して検知制御装置20に与えることでも良い。
出力制御部25は、照度算出部24によって算出された乗場15の照度を示す照度信号aと図示せぬビルシステムから停電時に出力される停電信号bとに基づいて乗場15の環境を判断する。乗場15が停電状態ではなく(ステップA16のNo)、かつ、乗場15の照度が予め設定された適正範囲内であれば(ステップA17のYes)、出力制御部25は、乗場15がカメラセンサ12に適した環境にあると判断する(ステップA18)。
上記ステップA16の「停電状態」とは、少なくとも乗りかご11が停止中の階の乗場15において、その乗場15を照らしている照明機器等が停電している状態である。このとき、エレベータ(乗りかご11)には正常に電力が供給されているものとする。
上記ステップA17の「適正範囲」とは、カメラセンサ12によって乗場15を撮影したときに「黒飛び」や「白飛び」が発生しない適度な明るさのことであり、カメラセンサ12の感度によって決められる。
このようにして、停電の有無と乗場照度の関係から乗場15がカメラセンサ12に適した環境であると判断されると、出力制御部25は、第1の検知部22の検知結果を選択してかご制御装置30に出力する(ステップA19)。
一方、乗場15が停電状態(ステップA16のYes)、または、乗場15の照度が予め設定された適正範囲から外れる場合には(ステップA17のNo)、出力制御部25は、乗場15がカメラセンサ12に適さない環境にあると判断する(ステップA20)。乗場15がカメラセンサ12に適さない環境である場合、出力制御部25は、第1の検知部22の検知結果を無効とし、第2の検知部23の検知結果を選択してかご制御装置30に出力する(ステップA21)。
かご制御装置30に備えられた戸開閉制御部31は、検知制御装置20から出力される検知結果に基づいて、かごドア13の戸開閉制御を行う(ステップA22)。詳しくは、かごドア13が全戸開状態になると、戸開閉制御部31は戸開時間のカウント動作を開始し、所定の時間T(例えば1分)分をカウントした時点で戸閉を行う。この間にカメラセンサ12または付加センサ16によって乗りかご11のかごドア13前にいる利用者または物が検知されると、戸開閉制御部31はカウント動作を停止してカウント値をクリアする。これにより、上記時間Tの間、かごドア13の戸開状態が維持されることになる。
なお、この間に新たな利用者が検知されると、再度カウント値がクリアされ、上記時間Tの間、かごドア13の戸開状態が維持されることになる。ただし、上記時間Tの間に何度も利用者が来てしまうと、かごドア13をいつまでも戸閉できない状況が続いてしまうので、許容時間Tx(例えば3分)を設けておき、この許容時間Txを経過した場合にかごドア13を強制的に戸閉することが好ましい。
上記時間T分のカウント動作が終了すると、戸開閉制御部31はかごドア13を戸閉し、乗りかご11を目的階に向けて出発させる(ステップA23)。
なお、図6のフローチャートでは、第1および第2の検知処理の後に乗場環境を判定する処理を行うようにしたが(ステップA15−A17)、第1および第2の検知処理の前に乗場環境を判定する処理を行うことでも良い。
また、かごドア13の戸開時に利用者を検知する場合を想定して説明したが、戸閉時も同様であり、戸閉が開始されて全閉するまでの間(戸閉動作中)にカメラセンサ12または付加センサ16によって利用者または物が検知された場合に戸閉動作が一時中断される。
このように第1の実施形態によれば、カメラセンサ12を基本として、付加センサ16を補助的に使い、乗場15の環境に応じて両者の検知結果を選択出力する。例えば、乗場15が暗すぎる場合/明るすぎる場合や、停電が発生している場合など、乗場15がカメラセンサ12に適さない環境にあれば、カメラセンサ12による検知結果を無効にし、付加センサ16による検知結果を選択する。これにより、カメラセンサ12による乗場環境の依存性をカバーにして利用者を正しく検知して戸開閉制御に反映させることができる。
また、付加センサ16は、赤外線にしても超音波にしても、障害物等の影響を受けやすく、カメラセンサ12よりも検知精度が落ちる。したがって、乗場15がカメラセンサ12に適した環境にあれば、カメラセンサ12による検知結果を選択する。これにより、カメラセンサ12の特性を活かして、利用者を正確に検知して戸開閉制御に反映させることができる。
なお、図6のフローチャートでは、乗場15が停電している場合にカメラセンサ12に適さない環境と判断したが(ステップA16→A20)、例えば外光が乗場15に十分に入ってくる環境では、停電には関係なく、照度検知だけでカメラセンサ12に適する環境か否かを判断する構成としても良い。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
上記第1の実施形態では、カメラセンサ12と付加センサ16の両方を使い、乗場15の環境に応じて、どちらか一方の検知結果を選択的に出力する構成とした。第2の実施形態では、メインセンサであるカメラセンサ12による第1の検知処理を基本とし、乗場15の環境に応じて、付加センサ16を起動して第2の検知処理を実行するようにしたものである。
図8は第2の実施形態に係る検知制御装置20の機能構成を示すブロック図である。上記第1の実施形態における図2と同様に、検知制御装置20は、記憶部21、第1の検知部22、第2の検知部23、照度算出部24、出力制御部25を備える。
ここで、第2の実施形態において、付加センサ16は常時ONでなく、出力制御部25によって起動される。出力制御部25は、照度信号aと停電信号bに基づいて乗場15の環境を判断し、カメラセンサ12に適さない環境の場合に付加センサ16を起動して、第2の検知部23に第2の検知処理を実行させる。
図9は第2の実施形態における戸開時の利用者検知処理を示すフローチャートである。
乗りかご11が任意の階の乗場15に到着すると(ステップC11のYes)、かご制御装置30は、かごドア13を戸開して乗りかご11に乗車する利用者を待つ(ステップC12)。
このとき、乗りかご11の出入口上部に設置されたカメラセンサ12によって乗場側の所定範囲(L1)とかご内の所定範囲(L2)が所定のフレームレート(例えば30コマ/秒)で撮影される。検知制御装置20は、カメラセンサ12で撮影された画像を時系列で取得し、これらの画像を記憶部21に逐次保存しながら、以下のような第1の検知処理をリアルタイムで実行する(ステップC13)。なお、撮影画像に対する前処理として、歪み補正や、拡大縮小、画像の一部の切り取りなどを行っても良い。
カメラセンサ12を用いた第1の検知処理は、検知制御装置20に備えられた第1の検知部22によって実行される。第1の検知部22は、カメラセンサ12によって時系列で得られる複数の撮影画像から検知エリアE1内の画像を抽出することにより、これらの画像に基づいて利用者または物の有無を検知する。
ここで、第2の実施形態では、検知制御装置20に備えられた照度算出部24によって乗場15の照度が求められる(ステップC14)。詳しくは、照度算出部24は、記憶部21に記憶された撮影画像から検知エリアE1内の画像を抽出し、その抽出された画像の各画素の輝度値から当該検知エリアE1内における乗場15の照度を求める。
出力制御部25は、照度算出部24によって算出された乗場15の照度を示す照度信号aと図示せぬビルシステムから停電時に出力される停電信号bとに基づいて乗場15の環境を判断する。乗場15が停電状態ではなく(ステップC15のNo)、かつ、乗場15の照度が予め設定された適正範囲内であれば(ステップC16のYes)、出力制御部25は、乗場15がカメラセンサ12に適した環境にあると判断する(ステップC17)。
乗場15がカメラセンサ12に適した環境であると判断されると、出力制御部25は、第1の検知部22によって得られた検知結果を選択してかご制御装置30に出力する(ステップC18)。
一方、乗場15が停電状態(ステップC15のYes)、または、乗場15の照度が予め設定された適正範囲内から外れる場合には(ステップC16のNo)、出力制御部25は、乗場15がカメラセンサ12に適さない環境にあると判断する(ステップC19)。乗場15がカメラセンサ12に適さない環境である場合、出力制御部25は、付加センサ16を起動して、第2の検知部23に第2の検知処理を実行させる(ステップC20)。
上述したように、例えば付加センサ16が赤外線センサであれば、第2の検知部23は、乗りかご11の出入口から乗場15に向けて照射される赤外線の反射量を測定処理し、その反射量の変化から図5に示した検知エリアE2内に進入した利用者または物の有無を検知する。
出力制御部25は、この第2の検知部23によって得られた検知結果を選択してかご制御装置30に出力する(ステップC21)。その際、上記第1の検知部22によって得られた検知結果を無効とすることでも良い。
以後は、上記第1の実施形態と同様であり、かご制御装置30に備えられた戸開閉制御部31は、検知制御装置20から出力される検知結果に基づいて、かごドア13の戸開閉制御を行う(ステップC22)。この場合、戸開中に利用者または物が検知されていれば、かごドア13の戸開状態が維持される。上記時間T分のカウント動作が終了後、戸開閉制御部31はかごドア13を戸閉し、乗りかご11を目的階に向けて出発させる(ステップC23)。
なお、図9のフローチャートでは、第1の検知処理の後に乗場環境を判定する処理を行うようにしたが(ステップC14−C16)、第1の検知処理の前に乗場環境を判定する処理を行うことでも良い。
また、かごドア13の戸開時に利用者を検知する場合を想定して説明したが、戸閉時も同様であり、戸閉が開始されて全閉するまでの間(戸閉動作中)にカメラセンサ12または付加センサ16によって利用者または物が検知された場合に戸閉動作が一時中断される。
このように、乗場15がカメラセンサ12に適さない環境にあった場合に付加センサ16を起動して第2の検知処理を実行することでも、上記第1の実施形態と同様に、カメラセンサ12による乗場環境の依存性をカバーにして利用者を正しく検知して戸開閉制御に反映させることができる。
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、カメラセンサによる乗場環境の依存性をカバーにして利用者を正しく検知することのできるエレベータの利用者検知システムを提供することができる。
なお、上記各実施形態では、エレベータの乗りかごに設けられるドアを想定して説明したが、例えばビルの玄関口などに設けられる自動ドアであっても本発明を適用することができる。すなわち、例えばビルの玄関口の自動ドアであれば、上記玄関口上部にカメラセンサと付加センサを設置し、ドア前の環境に応じてカメラセンサの検知結果と付加センサの検知結果の出力を制御してドアの開閉制御に反映させる構成とすれば良い。
要するに、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11…乗りかご、11a…幕板、12…カメラセンサ、13…かごドア、13a,13b…ドアパネル、13c…かごシル、14…乗場ドア、14a,14b…ドアパネル、14c…乗場シル、15…乗場、16…付加センサ、17a,17b…三方枠、20…検知制御装置、21…記憶部、22…第1の検知部、23…第2の検知部、24…照度算出部、25…出力制御部、30…かご制御装置、31…戸開閉制御部。
上記第1の検知手段は、乗りかごのドア付近に設置されたカメラセンサを用いて、上記ドア付近の利用者または物を検知する。上記第2の検知手段は、上記乗りかごのドア付近に設置され、上記カメラセンサとは別の検知機能を有する付加センサを用いて、上記ドア付近の利用者または物を検知する。上記出力制御手段は、上記ドア付近の乗場の照度に応じて、上記第1の検知手段によって得られる検知結果と上記第2の検知手段によって得られる検知結果の出力を制御する。

Claims (9)

  1. 乗りかごのドア付近に設置されたカメラセンサを用いて、上記ドア付近の利用者または物を検知する第1の検知手段と、
    上記乗りかごのドア付近に設置され、上記カメラセンサとは別の検知機能を有する付加センサを用いて、上記ドア付近の利用者または物を検知する第2の検知手段と、
    上記ドア付近の乗場の環境に応じて、上記第1の検知手段によって得られる検知結果と上記第2の検知手段によって得られる検知結果の出力を制御する出力制御手段と
    を具備したことを特徴とするエレベータの利用者検知システム。
  2. 上記出力制御手段は、
    上記乗場が上記カメラセンサに適さない環境にある場合に、上記第1の検知手段の検知結果を無効とし、上記第2の検知手段の検知結果を選択して出力することを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。
  3. 上記出力制御手段は、
    上記乗場が上記カメラセンサに適さない環境にある場合に、上記付加センサを起動することにより、上記第2の検知手段の検知結果を選択して出力することを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。
  4. 上記乗場の照度を算出する照度算出手段を備え、
    上記出力制御手段は、
    上記照度算出手段によって算出された上記乗場の照度が上記カメラセンサの感度に対応した適正範囲から外れる場合に、上記乗場が上記カメラセンサに適さない環境と判断することを特徴とする請求項2または3に記載のエレベータの利用者検知システム。
  5. 上記照度算出手段は、
    上記カメラセンサを利用して上記乗場の照度を算出することを特徴とする請求項4記載のエレベータの利用者検知システム。
  6. 上記出力制御手段は、
    上記乗場の照明が停電状態の場合に、上記乗場が上記カメラセンサに適さない環境と判断することを特徴とする請求項2または3に記載のエレベータの利用者検知システム。
  7. 上記付加センサは、少なくとも赤外線センサ、超音波センサのいずれか1つ以上を含むことを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。
  8. 上記カメラセンサおよび上記付加センサは、
    上記乗りかごの出入口上部に設置されることを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。
  9. 上記出力制御手段から出力される検知結果に基づいて、上記ドアの開閉動作を制御する戸開閉制御手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載のエレベータの利用者検知システム。
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