JP2020184916A - 非発酵ビールテイスト飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水溶性食物繊維を含有し、ホップを原料として使用しない非発酵ビールテイスト飲料において、ペーパー臭が感じられるのを抑制するとともに、ホップ様香も感じられるようにすることができる新規な技術を提供する。【解決手段】 水溶性食物繊維を含有し、ホップを原料として使用しない非発酵ビールテイスト飲料であって、リナロールおよびゲラニオールを含有し、リナロールの含有量が20μg/L以上300μg/L未満であり、ゲラニオールの含有量が20μg/L以上300μg/L未満であり、リナロールとゲラニオールの合計含有量が50μg/L以上である、非発酵ビールテイスト飲料。【選択図】 なし

Description

本発明は、非発酵ビールテイスト飲料に関し、特に水溶性食物繊維を含有し、ホップを原料として使用しない非発酵ビールテイスト飲料に関する。
酵母による発酵工程を経ず、発酵以外の手段によってビール様の風味を付与して製造される非発酵ビールテイスト飲料が知られている。非発酵ビールテイスト飲料は、一般的に、麦芽エキス、ホップエキス、酸味料、甘味料等の原料を混合し、得られた調合液に炭酸ガスを導入することにより製造される。
非発酵ビールテイスト飲料は、発酵装置や発酵工程を必要としないため、低コストで大量生産するのに向いている。また、使用する原料を選択、調整することによっての、カロリーや糖質等の含有量を所望の範囲内に調節されたビールテイスト飲料や、アルコールを含有しないビールテイスト飲料の製造にも適している。
一方で、非発酵ビールテイスト飲料は、発酵工程を経て製造されたビールやビールテイスト飲料に比べて、飲み応えに劣る傾向がある。特に、原料において麦芽使用量が少ないものはその傾向が顕著である。
そこで、非発酵ビールテイスト飲料に、水溶性食物繊維を含有させて飲み応えを向上させることが行われている。また、水溶性食物繊維は、その生理的機能からビールテイスト飲料に含有させる場合もある。
一方、水溶性食物繊維は、紙のような臭味であるペーパー臭を呈することが知られている(特許文献1)。このようなペーパー臭は、ホップやホップエキスを添加することで、風味に影響がない程度までマスキングすることが可能である。
特開2014−161292号公報
本発明は、水溶性食物繊維を含有し、ホップを原料として使用しない非発酵ビールテイスト飲料において、ペーパー臭が感じられるのを抑制するとともに、ホップ様香も感じられるようにすることができる新規な技術を提供することを目的とする。
上述のとおり、ペーパー臭は、ホップやホップエキスを添加することで、香味に影響がない程度までマスキングすることが可能である。
ところで、近年、ビールやホップの香味を、麦芽やホップを用いずに香気成分を含有させることによって再現しようとする試みがある。このような手法によれば、より低コストで、安定的にビールテイスト飲料を製造することが可能になる。しかしながら、該ビールテイスト飲料に水溶性食物繊維を含有させた場合は、ホップ等が添加されずに製造されるため、ペーパー臭が感じられるようになってしまう。
本発明者は、水溶性食物繊維を含有し、ホップを原料として使用しない非発酵ビールテイスト飲料におけるペーパー臭の抑制について鋭意研究を行った。その結果、リナロール、ゲラニオールを飲料中に所定の含有量で含有させることで、ペーパー臭を抑制でき、さらにホップ様香も感じられるようにすることができることを見出し、本発明を完成させた。
なお、本明細書において、ペーパー臭とは上述のとおり飲んだときに感じられる紙をイメージさせる臭いをいい、ホップ様香とは、飲んだときに感じられるホップをイメージさせる香りをいう。
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] 水溶性食物繊維を含有し、ホップを原料として使用しない非発酵ビールテイスト飲料であって、
リナロールおよびゲラニオールを含有し、
リナロールの含有量が20μg/L以上300μg/L未満であり、
ゲラニオールの含有量が20μg/L以上300μg/L未満であり、
リナロールとゲラニオールの合計含有量が50μg/L以上である、非発酵ビールテイスト飲料。
[2] リナロールとゲラニオールの合計含有量が500μg/L以下である、[1]に記載の非発酵ビールテイスト飲料。
[3] リナロールの含有量が20μg/L以上200μg/L以下である、[1]または[2]に記載の非発酵ビールテイスト飲料。
[4] ゲラニオールの含有量が20μg/L以上200μg/L以下である、[1]から[3]のいずれか一つに記載の非発酵ビールテイスト飲料。
[5] リナロールの含有量≧ゲラニオールの含有量との関係を満足する、[1]から[4]のいずれか一つに記載の非発酵ビールテイスト飲料。
[6] ミルセンをさらに含有し、その含有量が8μg/L以下である、[1]から[5]のいずれか一つに記載の非発酵ビールテイスト飲料。
[7] 水溶性食物繊維の含有量が30g/L以下である、[1]から[6]のいずれか一つに記載の非発酵ビールテイスト飲料。
[8] 水溶性食物繊維として難消化性デキストリン又はポリデキストロースを含有する、[1]から[7]のいずれか一つに記載の非発酵ビールテイスト飲料。
[9] エタノールをさらに含有する、[1]から[8]のいずれか一つに記載の非発酵ビールテイスト飲料。
[10] 水溶性食物繊維を含有し、ホップを原料として使用しない非発酵ビールテイスト飲料において、リナロールの含有量を20μg/L以上300μg/L未満、ゲラニオールの含有量を20μg/L以上300μg/L未満、およびリナロールとゲラニオールの合計含有量を50μg/L以上としてリナロールおよびゲラニオールを含有させることを含む、ペーパー臭抑制およびホップ様香付与方法。
本発明によれば、水溶性食物繊維を含有し、ホップを原料として使用しない非発酵ビールテイスト飲料において、ペーパー臭を抑制するとともに、ホップ様香も感じられるようにすることができる新規な技術を提供することができる。
以下、本発明の1つの実施形態について、詳細に説明する。
本実施形態は水溶性食物繊維を含有し、ホップを原料として使用しない非発酵ビールテイスト飲料に関する。該非発酵ビールテイスト飲料は、リナロールおよびゲラニオールを含有し、リナロールの含有量が20μg/L以上300μg/L未満であり、ゲラニオールの含有量が20μg/L以上300μg/L未満であり、リナロールとゲラニオールの合計含有量が50μg/L以上である。
本明細書において、ビールテイスト飲料とは、炭酸ガスによる発泡性を有し、ビールと同様又は同類の香味を有するアルコール飲料およびノンアルコール飲料を意味する。なお、ビールテイスト飲料に該当するか否かは、酒税法上の分類、使用原料やその使用量にとらわれるものではない。
また、非発酵ビールテイスト飲料とは、発酵を経ずに製造されるビールテイスト飲料を意味する。
本実施形態の非発酵ビールテイスト飲料は、アルコール(エタノール)を含有するアルコール飲料であってもよく、アルコール含量が1容量%未満であるいわゆるノンアルコール飲料またはローアルコール飲料であってもよい。
非発酵ビールテイスト飲料として、具体的には、発泡酒、ローアルコール発泡性飲料、ノンアルコールビール等のビールテイスト飲料が挙げられる。その他、発酵工程を経ずに製造された飲料を、アルコール含有蒸留液及び炭酸ガスと混和して得られたリキュール類であってもよい。アルコール含有蒸留液とは、蒸留操作により得られたアルコールを含有する溶液であり、スピリッツ等の一般に蒸留酒に分類されるものを用いることができる。
本実施形態の非発酵ビールテイスト飲料は、アルコール飲料であることが好ましい。
本実施形態の非発酵ビールテイスト飲料は、麦芽や麦類を原料とすることができるほか、麦芽等を原料としないものであってもよく、特に限定されない。
ここで「原料が麦芽を含む」とは、非発酵ビールテイスト飲料に対し、麦芽由来成分を実質的な量で配合することを意味する。例えば、香料等の原料として麦芽が用いられており、麦芽が香料として非発酵ビールテイスト飲料に少量配合された場合は、「原料が麦芽を含む」ことに該当しない。これに対し、商品として販売されるときに原材料として麦芽等として明記される場合には、「原料が麦芽を含む」に該当する。
本実施形態の非発酵ビールテイスト飲料は、水溶性食物繊維を含有する。本明細書において、水溶性食物繊維とは、ヒトの消化酵素では消化されない多糖類を主体とした高分子成分のうち水溶性のものを意味する。
本実施形態の非発酵ビールテイスト飲料において含有される水溶性食物繊維は特に制限はなく、例えば難消化性デキストリン、イソマルトデキストリン、ペクチン、ポリデキストロース、アルギン酸、ラミナリン、グアーガム分解物、グルコマンナン、カラギーナン、フコイジンなどを挙げることができる。例えばこれらのうち1種または2種以上が本実施形態の非発酵ビールテイスト飲料に含有されるようにしてもよい。
このうち、本実施形態の非発酵ビールテイスト飲料の構成を適用することで他の水溶性食物繊維を用いる場合よりもペーパー臭をより抑えることができるため、水溶性食物繊維として難消化性デキストリンおよび/またはポリデキストロースが含有されることが好ましい。
本実施形態において水溶性食物繊維の含有量は特に限定されず適宜設定できるが、本実施形態の非発酵ビールテイスト飲料の構成を適用することでペーパー臭をより抑えることができるため、30g/L以下であることが好ましい。
飲料中の水溶性食物繊維濃度は、例えば製造に用いられる原材料に基づき算出することができるほか、平成11年4月26日衛新第13号(「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」)に記載の食物繊維の分析方法である高速液体クロマトグラフ法(酵素−HPLC法)などにより測定することができる。
また、本実施形態の非発酵ビールテイスト飲料は、リナロールおよびゲラニオールをさらに含有する。
本実施形態の非発酵ビールテイスト飲料において、リナロールの含有量は20μg/L以上300μg/L未満であり、ゲラニオールの含有量は20μg/L以上300μg/L未満であり、リナロールとゲラニオールの合計含有量は50μg/L以上である。
リナロールおよびゲラニオールについて上記関係を満足するように非発酵ビールテイスト飲料中に含有させることで、ペーパー臭が感じられるのを抑えることができ、且つホップ様香も感じられるようにすることができる。
ここで、リナロールとゲラニオールの合計含有量が500μg/L以下であることが、飲んだときの後味(飲料が口中を通過した後に感じられる味)を改善できるため、好ましい。
また、リナロールの含有量が20μg/L以上200μg/L以下であることが飲んだときの後味を改善できるため、好ましい。また同様に、飲んだときの後味を改善できるため、ゲラニオールの含有量が20μg/L以上200μg/L以下であることが、好ましい。
また、リナロールの含有量がゲラニオールの含有量以上である(すなわち、リナロールの含有量≧ゲラニオールの含有量との関係を満足する)ことが、リナロールとゲラニオールの合計含有量が同じでリナロールの含有量がゲラニオールの含有量未満のものと比較して、ホップ様香をより改善できるため、好ましい。また、同様の理由から、リナロールの含有量(μg/L)/ゲラニオールの含有量(μg/L)=1.0〜8.0との関係を満足することがより好ましく、1.2〜6.0であることがさらにより好ましく、1.5〜3.5であることがさらにより一層好ましい。
また、ホップ様香をより改善できるため、リナロールとゲラニオールの合計含有量が200μg/L以下であり、且つリナロールの含有量≧ゲラニオールの含有量との関係を満たすことが好ましい。また、同様の理由から、リナロールとゲラニオールの合計含有量が200μg/L以下であり、且つリナロールの含有量(μg/L)/ゲラニオールの含有量(μg/L)=1.0〜8.0(さらにより好ましくは1.2〜6.0、さらにより一層好ましくは1.5〜3.5)との関係を満たすことがより好ましい。
加えて、本実施形態の非発酵ビールテイスト飲料は、ホップ様香をより改善できるため、その含有量が8μg/L以下でミルセンをさらに含有することが好ましい。
本実施形態においては、本発明の効果を得ることができる範囲で必要に応じて他の成分を適宜、非発酵ビールテイスト飲料中に含ませることができる。
具体的な他の成分としては、酸味料(酸類)、甘味料、酵母エキス、香料、着色料、苦味料、香草等の原料を挙げることができる。
酸味料としては、乳酸、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、フマル酸等の有機酸や、塩酸、リン酸等の鉱酸、及びこれらの塩類が例示できる。
なお、本実施形態の非発酵ビールテイスト飲料においてpHは特に限定されず、当業者が適宜設定できるが、微生物耐性の観点からpHを4.0以下とすることが好ましい。また、pHを低くすると劣化が早まるが、キレ(飲用後の後味がスッとなくなるような感触であり、甘味、苦味、酸味、うまみ、塩味も含めて飲用後の後味が無くなっていく感覚)をより感じられるようにする観点からpHを2.9〜3.5とすることが好ましく、3.0〜3.3とすることがより好ましい。
甘味料としては、糖類、糖アルコール類、甘味性のアミノ酸、高感度甘味料等が挙げられる。糖類としては、ぶどう糖、果糖、木糖、ソルボース、ガラクトース、異性化糖等の単糖類;スクロース、マルトース、ラクトース、異性化乳糖、イソマルツロース(パラチノース(登録商標))等の二糖類;フラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、カップリングシュガー等のオリゴ糖類等が挙げられる。糖アルコール類としては、例えば、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール等の単糖アルコール類;マルチトール、イソマルチトール、ラクチトール等の2糖アルコール類;マルトトリイトール、イソマルトトリイトール、パニトール等の3糖アルコール類;オリゴ糖アルコール等の4糖以上アルコール類等が挙げられる。甘味性のアミノ酸としては、グリシンまたはアラニンが挙げられる。高感度甘味料としては、アセスルファムK、アスパルテーム、ステビア、酵素処理ステビア、スクラロース等が挙げられる。
香料としては、モルトフレーバー、ホップフレーバー、ビールフレーバー、アルコールフレーバー、カラメルフレーバー等を挙げることができる。
着色料としては、カラメル等が挙げられる。
苦味料としては、例えば非発酵ビールテイスト飲料についてビールと同質若しくは近似する苦味を呈するようにするものを挙げることができる。該苦味料はホップ中に含まれている苦味成分であってもよく、ホップには含まれていない苦味成分であってもよい。苦味料として、具体的には、マグネシウム塩、カルシウム塩、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、ナリンジン、クワシン、イソα酸、テトライソα酸、β酸の酸化物、キニーネ、モモルデシン、クエルシトリン、テオブロミン、カフェイン等の苦味付与成分、およびゴーヤ、センブリ茶、苦丁茶、ニガヨモギ抽出物、ゲンチアナ抽出物、キナ抽出物等の苦味付与素材を例示することができる。
なお、苦味料を用いると、飲用中に苦味が蓄積して呈味が変化するため、苦味料を用いない方が好ましい。
本実施形態の非発酵ビールテイスト飲料の製造方法は特に限定されず、当業者が適宜設定でき、例えば非発酵ビールテイスト飲料を製造する際に通常行われる工程を包含する方法により製造することができる。
例えば、非発酵ビールテイスト飲料は、一次原料液を使用する方法により調製することができる。一次原料液は、水溶性食物繊維、リナロールおよびゲラニオールを含む原料水以外の原料を、飲料としたときにリナロール、ゲラニオールについて上記関係を満足するように混合して配合物を調製し、次いで、配合物に飲用水を所定量添加することにより、得ることができる。
麦芽をはじめとする穀物原料を原料として使用して製造される非発酵ビールテイスト飲料は、例えば、一次原料液を以下に説明する仕込工程で製造することができる。
まず、麦芽等の穀物原料及び水を含む混合物を糖化した後、煮沸して麦汁を調製する。具体的には、麦芽の破砕物や米やコーンスターチ等の澱粉質に、温水を加えて混合・加温し、主に麦芽の酵素を利用して、澱粉質を糖化させ、糖化液を得る。該糖化液に水溶性食物繊維、リナロールおよびゲラニオール等を添加し、一次原料液とする。
麦芽を原料とせず、液糖を使用する非発酵ビールテイスト飲料を製造する場合には、仕込工程として、まず、炭素源を含有する液糖、麦又は麦芽以外のアミノ酸含有材料としての窒素源、色素等を、温水と共に混合し、液糖溶液を調製する。液糖溶液に水溶性食物繊維、リナロールおよびゲラニオール等を添加し、一次原料液とする。
得られた一次原料液を煮沸後、必要に応じてアルコール(エタノール)を加え、カーボネーション工程によって炭酸ガスを導入することにより、非発酵ビールテイスト飲料を得ることができる。
一次原料液のカーボネーション工程に供する状態等は特に限定されず、当業者が適宜設定することができ、例えば一次原料液を濃厚な状態で作成した後に、炭酸水を添加してもよい。また、カーボネーション工程における炭酸ガスの添加方法等は、常法により行うことができる。
得られた非発酵ビールテイスト飲料は、通常、充填工程により容器詰めされる。
また、カーボネーション工程や炭酸水添加工程の前に濾過処理により沈殿を除去すると、オリや雑味の原因物質が除去でき、より好ましい。また、殺菌処理を行ってもよい。その他、カーボネーション工程や炭酸水添加工程の後に、必要に応じて濾過処理または殺菌処理を行ってもよい。
以上、本実施形態によれば、水溶性食物繊維を含有し、ホップを原料として使用しない非発酵ビールテイスト飲料において、リナロールおよびゲラニオールを含有させ、リナロールの含有量が20μg/L以上300μg/L未満、ゲラニオールの含有量が20μg/L以上300μg/L未満、リナロールとゲラニオールの合計含有量が50μg/L以上とすることにより、飲んだときに感じられるペーパー臭を抑制するとともに、ホップ様香が感じられるようにすることができる。その結果、非発酵ビールテイスト飲料の嗜好性の向上に寄与することが可能である。
また、本発明の一態様によれば、水溶性食物繊維を含有し、ホップを原料として使用しない非発酵ビールテイスト飲料において、リナロールの含有量を20μg/L以上300μg/L未満、ゲラニオールの含有量を20μg/L以上300μg/L未満、およびリナロールとゲラニオールの合計含有量を50μg/L以上としてリナロールおよびゲラニオールを含有させることを含む、ペーパー臭抑制およびホップ様香付与方法を提供することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
水に原料用アルコール(第一アルコール株式会社「酒類原料アルコール」;純度95%)を53.5g/Lと、難消化性デキストリン(松谷化学工業株式会社「ファイバーソル2」;純度85−95%)又はポリデキストロース(ダニスコ社「ライテスHF」;純度95%以上)を飲料としたときに表1〜3に示す含有量となるように加えてベース液を調製した。
調製したベース液に、リナロール、ゲラニオール、ミルセンを表1〜3に示す組成となるように加えて、サンプル1〜32とサンプル36〜43の飲料を製造した。また、調製したベース液にイソ化ホップエキス(Barth−Haas Group社「CO2 Hop Extract」)を加えてサンプル33〜35の飲料を製造した。表3においてサンプル33、35の飲料では上記ホップエキス由来のリナロール、ゲラニオール、ミルセンの含有量を示す。また、サンプル34の飲料については調製したベース液に上記ホップエキスを同量加えるとともに、ゲラニオールを別途の添加分が25μg/Lとなるように添加して製造した。
得られた飲料について「ペーパー臭」、「ホップらしさ」、「後味」、「厚み」、「アルコール味」について官能評価を行った。
官能評価は、ビール類専門のパネリスト5名によって行った。
「ペーパー臭」の項目については、ホップエキスを原料として使用した参考(サンプル33、以下他の評価項目においても同じ)と同程度まで「ペーパー臭」をマスキングできていれば○、ほとんどペーパー臭をマスキングできていなければ×、参考ほどまではマスキングできていないがある程度マスキングできているものは△とした。当該評価では〇と判断されている場合をペーパー臭が感じられるのを抑制できていると判定した。
「ホップらしさ」の項目(ホップ様香が感じられるか否か)については、ホップらしさを感じなければ(ホップ様香なし/不自然(人工的)さを伴い、ホップよりも香料をイメージしてしまう場合)×とした。また、「ホップらしさ」を感じられるものについては、さらに、自然なホップ様香が得られるか否かを5段階で評価した。すなわち、最もホップ様香が得られたものを5(参考と同程度)、ホップはイメージできるが不自然さも感じられるものを1として5段階で評価し、評価に係わる数値が大きくなるほど、ホップ様香が改善したと判定した。
「後味」の項目については、不快味を感じない場合は○、不快味を強く感じる場合は×、わずかに不快味を感じる場合は△とした。
「厚み」の項目については、参考と同程度の厚みを感じる場合は○、ベース液に比べてほとんど厚みが増強されていない場合は×、参考ほどまで厚みが増強されていないがある程度厚みが増強されている場合は△とした。
「アルコール味」の項目については、参考と同程度にアルコールによる不快な風味がマイルドになっているものは○、ベース液と同様にアルコールの不快な風味を感じる場合は×、参考ほどまではマイルドになっていないがある程度マイルドになっている場合は△とした。
結果を表1〜3に示す。
表1〜3から理解できるとおり、水溶性食物繊維を含有し、ホップを原料として使用しない飲料において、リナロールの含有量:20μg/L以上300μg/L未満、ゲラニオールの含有量:20μg/L以上300μg/L未満、リナロールとゲラニオールの合計含有量:50μg/L以上とする場合には、飲んだときに感じられるペーパー臭が抑制されており、ホップ様香も感じられた。
上記表1〜3に示した飲料について、麦芽から抽出した香気成分を含む香料を添加し、酢酸エチル12mg/L、イソブタノール12mg/L、酢酸イソアミル2mg/L、イソアミルアルコール50mg/L、カプロン酸エチル0.1mg/カプリル酸エチル0.2mg、酢酸β‐フェネチル0.5mg/L、β‐フェネチルアルコール25mg/L、カプロン酸2mg/L、カプリル酸2mg/Lを含有するようにした。さらに、カラメル(天野実業株式会社「カラメルSP」)を0.1g/L、炭酸ガスを3.0gas vol.になるように加えて、ビールテイスト飲料を製造した。
製造したビールテイスト飲料について官能評価を行ったところ、全項目について上記表1〜3に示した飲料と同様の傾向を示した。

Claims (10)

  1. 水溶性食物繊維を含有し、ホップを原料として使用しない非発酵ビールテイスト飲料であって、
    リナロールおよびゲラニオールを含有し、
    リナロールの含有量が20μg/L以上300μg/L未満であり、
    ゲラニオールの含有量が20μg/L以上300μg/L未満であり、
    リナロールとゲラニオールの合計含有量が50μg/L以上である、非発酵ビールテイスト飲料。
  2. リナロールとゲラニオールの合計含有量が500μg/L以下である、請求項1に記載の非発酵ビールテイスト飲料。
  3. リナロールの含有量が20μg/L以上200μg/L以下である、請求項1または2に記載の非発酵ビールテイスト飲料。
  4. ゲラニオールの含有量が20μg/L以上200μg/L以下である、請求項1から3のいずれか一つに記載の非発酵ビールテイスト飲料。
  5. リナロールの含有量≧ゲラニオールの含有量との関係を満足する、請求項1から4のいずれか一つに記載の非発酵ビールテイスト飲料。
  6. ミルセンをさらに含有し、その含有量が8μg/L以下である、請求項1から5のいずれか一つに記載の非発酵ビールテイスト飲料。
  7. 水溶性食物繊維の含有量が30g/L以下である、請求項1から6のいずれか一つに記載の非発酵ビールテイスト飲料。
  8. 水溶性食物繊維として難消化性デキストリン又はポリデキストロースを含有する、請求項1から7のいずれか一つに記載の非発酵ビールテイスト飲料。
  9. エタノールをさらに含有する、請求項1から8のいずれか一つに記載の非発酵ビールテイスト飲料。
  10. 水溶性食物繊維を含有し、ホップを原料として使用しない非発酵ビールテイスト飲料において、リナロールの含有量を20μg/L以上300μg/L未満、ゲラニオールの含有量を20μg/L以上300μg/L未満、およびリナロールとゲラニオールの合計含有量を50μg/L以上としてリナロールおよびゲラニオールを含有させることを含む、ペーパー臭抑制およびホップ様香付与方法。
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