JP2020184889A - 核酸検出方法 - Google Patents

核酸検出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020184889A
JP2020184889A JP2019089658A JP2019089658A JP2020184889A JP 2020184889 A JP2020184889 A JP 2020184889A JP 2019089658 A JP2019089658 A JP 2019089658A JP 2019089658 A JP2019089658 A JP 2019089658A JP 2020184889 A JP2020184889 A JP 2020184889A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nucleic acid
internal control
rhodamine
carboxy
probe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019089658A
Other languages
English (en)
Inventor
千恵 川井
Chie Kawai
千恵 川井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2019089658A priority Critical patent/JP2020184889A/ja
Publication of JP2020184889A publication Critical patent/JP2020184889A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

【課題】 PCR(qPCRを含む)法において、測定機器の特性に依らずにインターナルコントロールの検出を可能とし、データの堅牢性を向上させる手法を提供させること。【解決手段】 インターナルコントロール核酸と、該インターナルコントロール核酸を増幅するための1セット以上のプライマーセットと、該1セット以上のプライマーセットで増幅されるインターナルコントロール核酸由来の二本鎖のいずれか一方の鎖に対して相補的な塩基配列を含み、且つ、蛍光物質を含む標識で修飾された2種以上のインターナルコントロールプローブであってそれぞれ異なる標識で修飾されている2種以上のインターナルコントロールプローブを共存させるようにして、核酸増幅反応に用いるための試薬を調製する。【選択図】 なし

Description

本発明は、PCR(Polymerase Chain Reaction)法において、反応液中で増幅反応が行われていることを検出するための試薬、及び当該試薬を用いて核酸を増幅する方法等に関する。
核酸増幅法は数コピーの標的核酸を可視化可能なレベル、すなわち数億コピー以上に増幅する技術であり、生命科学研究分野のみならず、遺伝子診断、臨床検査といった医療分野、あるいは、食品や環境中の微生物検査等においても、広く用いられている。
代表的な核酸増幅法は、PCR(Polymerase Chain Reaction)である。PCRは、(1)熱処理によるDNA変性(2本鎖DNAから1本鎖DNAへの解離)、(2)鋳型1本鎖DNAへのプライマーのアニーリング、(3)DNAポリメラーゼを用いた前記プライマーの伸長、という3ステップを1サイクルとし、このサイクルを繰り返すことによって、試料中の標的核酸を増幅する方法である。アニーリングと伸長を同温度で、2ステップで行う場合もある。
PCRでは、近年、測定感度の高さや迅速性から、増幅産物の生成過程を経時的にモニタリングすることが可能な定量的PCR(以下「qPCR」と略す)の一種であるリアルタイムPCRが広く実施されている。主なqPCRには、各種蛍光プローブを用いて、PCRをハイブリダイゼーションプロービングと組み合わせた手法がある。プローブを用いたqPCRとして、TaqMan(登録商標)、Molecular Beacon、Hybridization Probe、Cycling Probeなどの方法が存在し、蛍光エネルギー転移などの技術を利用して、増幅核酸の量に相関して蛍光が増減するように工夫されている。
一般的に広く普及しているTaqMan(登録商標)プローブ法は、5’末端に蛍光物質を、3’末端に消光物質(クエンチャー)を結合させたプローブを使用する方法である。このプローブは鋳型にアニールするが、励起光を照射してもクエンチャーにより蛍光は抑制されている。相補鎖が伸長される際、DNAポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性によりプローブが加水分解され、蛍光物質がプローブから遊離し、クエンチャーから離れることにより蛍光を発する。この蛍光を検出することで、増幅による蛍光強度の増加をモニタリングすることができる。
一般的に、増幅対象となる1つの核酸(標的核酸、インターナルコントロール核酸等)の検出は、対象となる核酸をPCR増幅するための1セットのプライマーと、増幅された配列に結合する配列を蛍光色素で標識した1種類のプローブで検出する。
qPCRにおいて反応および検出に使用される機器は各社から発売されており、各機器で励起光学、蛍光光学が異なる。そのため使用出来る蛍光色素は各機器で異なる。これらの機器は、一般的には2チャンネル〜5チャンネルを有し、各チャンネルの励起波長、蛍光波長に合う蛍光色素を使用する。一般的にカルボキシフルオレセインまたはそれらの類似体(例えば、FAMとして市販される)、5−カルボキシ−X−ローダミンおよび/もしくは6−カルボキシ−X−ローダミンまたはそれらの類似体(例えば、ROXとして市販される)等の蛍光色素は使用可能であることが多く、機器によってはこれら以外の蛍光色素を使用することが出来る場合もある。
例えば、PCR(qPCRを含む)の検出機器ではその設計の違いにより、一部の機器は蛍光色素として高濃度のROX色素(例えば、5−カルボキシ−X−ローダミン色素または6−カルボキシ−X−ローダミン色素)を検出する一方で、他の機器は低濃度でも前記ROX色素を検出できる、またはROX色素をかならずしも必要としない場合もある。例えば、AB7900(Applied Biosystems社製)、StepOnePlus(Applied Biosystems社製)などは、高濃度のROX色素を必要とする機器(これを、「高ROX機器」と称することがある)として知られ、CFX(Bio−rad社製)、DICE(タカラバイオ社製)などは低濃度でもROX色素を検出できる機器(これらを纏めて、「低ROX機器」と称することがある)として知られている。典型的には、高ROX機器での検出に必要とされるROX濃度は、低ROX機器での検出に必要とされるROX濃度より約10倍高い濃度が必要とも報告されている(特許文献1)。
PCRでは、サンプルに含まれる阻害要因、手技、使用する試薬の劣化、容器の蛍光特性などを原因とし、増幅が一定効率で行われない、増幅が見られない、増幅が上手く検出され難い等の問題が発生することがある。そのため、臨床検査や食品検査で行われるqPCR試験においては、反応溶液中に注目している核酸を含むかどうか試験したいサンプルの他に、インターナルコントロールとして外来性の核酸(本明細書では、これを「インターナルコントロール核酸」ともいう)と、このインターナルコントロール核酸の塩基配列又はその相補鎖に対応するプライマー及び蛍光標識プローブとを加えて増幅反応を実施することにより、インターナルコントロールの増幅をもって反応が適切に進んでいることの確認することがある。その際、使用する機器が備えているチャネルに応じて、インターナルコントロール核酸のプローブに用いる蛍光標識を選択する必要がある。さらに5−又は6−カルボキシ−X−ローダミン色素等のROX色素で標識されたプローブを、標的核酸又はインターナルコントロール核酸の検出のためのプローブとしてqPCRに使用する場合、ROXを検出可能なチャネルを備えているかに加えて、機器ごとに検出に適切なROX濃度が異なることも考慮する必要があった。そのため、それぞれの機種にあわせて反応液を用意しなければならず、作業が煩雑であった。
特許第5985503号公報
qPCR等の核酸増幅法を実施するにおいて、反応および検出に使用する機器が異なると使用出来る蛍光色素が異なり、また、5−および/または6−カルボキシ−X−ローダミンが使える機器においても高ROX機器、低ROX機器のタイプがあることから、確実に検出することが望まれるインターナルコントロール核酸を検出するためには、それぞれの測定機種の蛍光検出チャネルの特性にあわせて反応液を用意しなければならず、作業が煩雑であった。従って、核酸増幅法の実施に使用する測定機器が備えている種々の蛍光検出チャネルに適用でき、インターナルコントロール核酸の簡便且つ確実な検出を可能にする、新たな手法の開発が求められていた。
本発明者は、上記事情に鑑みて鋭意研究を行った結果、インターナルコントロールとなる核酸と、該インターナルコントロールとなる核酸を増幅可能なプライマーセットと共に、該プライマーセットで増幅される産物を検出可能な異なる蛍光標識で修飾された2つ以上のインターナルコントロールプローブを含む反応混合物を用意し、これを使用して核酸増幅法にて検出すことにより、種々の蛍光検出チャネルの機器特性に適用でき、インターナルコントロールの簡便且つ確実な検出が可能になることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、代表的な本発明の構成を示すと以下の通りである。
[項1] インターナルコントロール核酸と、
該インターナルコントロール核酸を増幅するための1セット以上のプライマーセットと、
該1セット以上のプライマーセットで増幅されるインターナルコントロール核酸由来の二本鎖のいずれか一方の鎖に対して相補的な塩基配列を含み、且つ、蛍光物質を含む標識で修飾された2種以上のインターナルコントロールプローブと、
を含み、該2種以上のインターナルコントロールプローブはそれぞれ異なる標識で修飾されている、核酸増幅反応に用いるための試薬。
[項2] 前記標識に含まれる蛍光物質の1つが、5−カルボキシ−X−ローダミン、6−カルボキシ−X−ローダミン、ローダミン、テトラメチルローダミン、5−カルボキシローダミン6G、フルオロセイン、カルボキシフルオレセイン、6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ2’,7’−ジメトキシフルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、テトラクロロフルオレセイン、5’−ヘキサクロロ−フルオレセイン−CEホスホロアミダイト、VIC(登録商標)、BODIPY(登録商標)、Cy(登録商標)色素、及びこれらの誘導体、並びにこれらの塩からなる群より選択される化合物である、項1に記載の試薬。
[項3] 前記標識に含まれる蛍光物質の1つが、5−カルボキシ−X−ローダミン、6−カルボキシ−X−ローダミン、ローダミン、テトラメチルローダミン、5−カルボキシローダミン6G、及びこれらの誘導体、並びにこれらの塩からなる群より選択されるローダミン系化合物である、項1又は2に記載の試薬。
[項4] 前記2種以上のインターナルコントロールプローブが、
(1)5−カルボキシ−X−ローダミン、6−カルボキシ−X−ローダミン、ローダミン、テトラメチルローダミン、5−カルボキシローダミン6G、及びこれらの誘導体、並びにこれらの塩からなる群より選択されるローダミン系化合物を含む標識で修飾された第1のインターナルコントロールプローブ、並びに、
(2)フルオロセイン、カルボキシフルオレセイン、6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ2’,7’−ジメトキシフルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、テトラクロロフルオレセイン、5’−ヘキサクロロ−フルオレセイン−CEホスホロアミダイト、VIC(登録商標)、BODIPY(登録商標)、Cy(登録商標)色素、及びこれらの誘導体、並びにこれらの塩からなる群より選択される非ローダミン系化合物を含む標識で修飾された第2のインターナルコントロールプローブ、
を含む、項1〜3のいずれかに記載の試薬。
[項5] 前記2種以上のインターナルコントロールプローブがすべて、インターナルコントロール核酸由来の二本鎖のうちいずれか一方の同じ鎖に対して相補的な塩基配列を有する、項1〜4のいずれかに記載の試薬。
[項6] 前記2種以上のインターナルコントロールプローブが、前記インターナルコントロール核酸由来の二本鎖において異なる位置に相当する部位に相補的な塩基配列を有する、項1〜5のいずれかに記載の試薬。
[項7] 1種以上のヌクレオチド塩基、緩衝液、逆転写酵素、及びポリメラーゼからなる群より選択される少なくとも1つを更に含有する、項1〜6のいずれかに記載の試薬。
[項8] 前記ポリメラーゼがDNAポリメラーゼである、項7に記載の試薬。
[項9] 前記ポリメラーゼが、抗体と複合体化されている、項7又は8に記載の試薬。
[項10] 前記ポリメラーゼが、高温下で活性化する、項7〜9のいずれかに記載の試薬。
[項11] インターナルコントロール核酸以外の標的核酸配列を増幅するための1セット以上のプライマーセット、及び該プライマーセットで増幅された標的核酸配列のいずれか一方の鎖に相補的な塩基配列を含み、且つ、蛍光物質を含む標識で修飾された1種以上の標的プローブを更に含有する、項1〜10のいずれかに記載の試薬。
[項12] 項1〜11のいずれかに記載の試薬を用いることを特徴とする、核酸増幅方法。
[項13] インターナルコントロール核酸と、インターナルコントロール核酸以外の標的核酸とを同時に増幅させてリアルタイムPCR反応を行う、項12に記載の核酸増幅方法。
[項14] 生体由来試料又は環境由来試料を用いて行う、項12又は13に記載の核酸増幅方法。
[項15] 前記標的核酸が、生体由来試料又は環境由来試料に含まれる核酸である、項12〜14のいずれかに記載の核酸増幅方法。
[項16]
前記2種以上のインターナルコントロールプローブを修飾する標識のいずれか1つを検出することにより核酸増幅反応の確認を行う、項12〜15のいずれかに記載の方法。
[項17] 前記2種以上のインターナルコントロールプローブを修飾する標識のいずれか1つにより発生する蛍光を検出可能なチャネルを備えた機器により核酸増幅反応の確認を行う、項16に記載の方法。
[項18] 前記機器が、5−カルボキシ−X−ローダミン、6−カルボキシ−X−ローダミン、ローダミン、テトラメチルローダミン、5−カルボキシローダミン6G、及びこれらの誘導体、並びにこれらの塩からなる群より選択されるローダミン系化合物を0.5μM〜100μMの濃度で含む場合に検出可能なチャネルを備えている、項17に記載の方法。
[項19] 前記機器が、フルオロセイン、カルボキシフルオレセイン、6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ2’,7’−ジメトキシフルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、テトラクロロフルオレセイン、5’−ヘキサクロロ−フルオレセイン−CEホスホロアミダイト、VIC(登録商標)、BODIPY(登録商標)、Cy(登録商標)色素、及びこれらの誘導体、並びにこれらの塩からなる群より選択される非ローダミン系化合物を含む標識による蛍光を検出可能なチャネルを備えている、項17に記載の方法。
本発明によって、蛍光検出チャネルの特性が異なる機器が混在する状況においても、反応混合物を変えることなく、汎用的に対応でき、インターナルコントロールを簡便且つ確実に検出することが出来る。例えば、高ROX機種においてROX蛍光、低ROX機種においてその機種で使用出来るROX以外の蛍光を使用することで、インターナルコントロールを検出することができる。またその逆も可能であり、低ROX機種でROX蛍光、高ROX機種でその機種で使用出来るROX以外の蛍光を使用することで、インターナルコントロールを検出することが出来る。従って、本発明により、様々な蛍光検出チャネルを備えた多種類の測定機器に適用可能なqPCR反応試薬を提供することが可能となる。
図1は、実施例1において設計したインターナルコントロール核酸、その増幅のための1セットのプライマーセット、及びその増幅産物の検出のための2つの異なる蛍光標識で修飾されたインターナルコントロールプローブ(同じ位置に結合する2つのプローブ)のセットを示す模式図である。 図2は、実施例1のqPCRにおける蛍光検出結果を示すグラフである(左図:Step One Plusでの検出結果、右図:Dice Real Time System IIIでの検出結果)。 図3は、実施例2において設計したインターナルコントロール核酸、その増幅のための1セットのプライマーセット、及びその増幅産物の検出のための2つの異なる蛍光標識で修飾されたインターナルコントロールプローブ(異なる位置に結合する2つのプローブ)のセットを示す模式図である。 図4は、実施例2のqPCRにおける蛍光検出結果を示すグラフである(左図:Step One Plusでの検出結果、右図:Dice Real Time System IIIでの検出結果)。 図5は、実施例3において設計したインターナルコントロール核酸、その増幅のための2セットのプライマーセット、及びその各々の増幅産物の検出のための2つの異なる蛍光標識で修飾されたインターナルコントロールプローブ(異なる位置に結合する2つのプローブ)のセットを示す模式図である。 図6は、実施例3のqPCRにおける蛍光検出結果を示すグラフである(左図:Step One Plusでの検出結果、右図:Dice Real Time System IIIでの検出結果)。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形態、材料、構成要素、構成要素の配置位置、並びに、ステップ及びステップの順序などは、一例であって本開示を限定するものではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(核酸増幅反応に用いるための試薬)
一つの実施形態において、本発明は、少なくとも以下の(a)〜(c)を含む核酸増幅反応に用いるための試薬を提供する:
(a)インターナルコントロール核酸(本明細書ではこれを略して、「IC核酸」ともいう)、
(b)該インターナルコントロール核酸を増幅するための1セット以上のプライマーセット(本明細書ではこれを略して、「ICプライマーセット」ともいう)、及び
(c)該1セット以上のプライマーセットで増幅されるインターナルコントロール核酸由来の二本鎖のいずれか一方の鎖に対して相補的な塩基配列を含み、且つ、蛍光物質を含む標識で修飾された2種以上のインターナルコントロールプローブであって、それぞれ異なる標識で修飾されている、2種以上のインターナルコントロールプローブ(本明細書ではこれを略して、「ICプローブ」ともいう)。
従来、インターナルコントロールの検出においては、通常は1つのインターナルコントロールを検出すればよいことから、その検出のために用いる標識プローブは、1つの標識で修飾された1種類のインターナルコントロールプローブを用いることが一般的であった。これに対し、本発明は、インターナルコントロール核酸及びその増幅のための1セット以上のプライマーセットと共に、異なる標識で修飾されている2種以上のインターナルコントロールプローブを組み合わせて用いることを特徴の一つとする。本発明は、上記のような構成を採用することにより、蛍光検出チャネルの特性に応じてPCR(qPCRを含む)反応液の組成を変更する必要がなくなるので、簡便な手法でありながら異なる蛍光検出チャネル特性を有する複数の測定機種に対応可能となり、確実な検出が望まれるインターナルコントロールの検出を良好に行えるようになるというメリットを有する。
更に、図1〜図3を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。本発明は、一つの実施形態として、インターナルコントロール核酸1の検出のための混合物(例えば、試薬)を提供する。該混合物は、インターナルコントロール核酸を増幅するための1セット(7a,7b)、若しくは2セット(7a,7b,8a,8b)、又はそれより多いセット数のプライマーセット、それぞれに異なる蛍光物質(4,5)と必要に応じて消光物質(6a,6b)とから構成される標識で修飾された2つ以上のプローブ(2,3)を少なくとも含むことを特徴としている。
本明細書において、インターナルコントロールとは、PCR反応(特に、qPCR反応)が阻害物質等の影響を受けずに適切に実施され検出できていることを確認し、偽陰性の可能性を排除するために用いられる外来性コントロールのことをいう。本発明では、インターナルコントロールとして、インターナルコントロール核酸と、インターナルコントロール核酸を増幅し得る1セット以上のプライマーセットと、該プライマーセットで増幅された産物を検出可能な複数のインターナルコントロールプローブとで構成される。
<(a)インターナルコントロール核酸>
本発明に用いられるインターナルコントロール核酸(IC核酸)は、同じqPCR反応液に含まれ得るインターナルコントロール核酸以外の検出を意図する核酸(即ち、標的核酸)を増幅するためのプライマーセット(本明細書ではこれを、「標的プライマーセット」ともいう)もプローブ(本明細書ではこれを、「標的プローブ」ともいう)も結合しない塩基配列から構成されるものであればよい。ここで、標的プライマーセットも標的プローブも結合しない塩基配列とは、好ましくは、標的プライマーセットを構成する標的プライマーの塩基配列、標的プローブの塩基配列又はこれらと相補的な塩基配列に対して完全同一の塩基配列を含まないことをいう。また、インターナルコントロール核酸は任意の形態であり得、例えば、環状DNA、直鎖DNA、RNA等であり得るが、限定されない。
本発明において、核酸増幅反応液中に添加されるインターナルコントロール核酸の長さは、本発明の効果を奏する限り、特に限定されない。一例として、qPCRにおけるインターナルコントロール核酸は、40〜1000塩基長のものを用いることができ、好ましくは60〜200塩基長のものを利用することができる。インターナルコントロール核酸としては、任意の核酸を用いることができ、例えば、天然の遺伝子由来の塩基配列を有する核酸を用いてもよいし、人工的に合成した塩基配列を有する核酸を用いてもよい。インターナルコントロール核酸の例として、例えば、公知のヒト由来の遺伝子配列(例えば、ヒトGAPDH遺伝子の塩基配列、ヒトβアクチン遺伝子の塩基配列等)を挙げることができるが、これらに限定されない。
本発明において、核酸増幅反応液中に含まれるインターナルコントロール核酸の濃度は、本発明の効果を奏する限りにおいて特に限定されない。標的核酸の増幅への影響を抑えつつ、インターナルコントロール核酸の高感度な検出を可能にするという観点から、核酸増幅反応液50μl当りで換算して、例えば10〜10000コピー程度、好ましくは50〜8000コピー程度、より好ましくは100〜5000コピー程度とすることができる。核酸増幅反応液中に添加されるインターナルコントロール核酸のコピー数は、添加するインターナルコントロール核酸の長さ等によっても変動し得るが、当業者は適宜調整して決定することができる。
<(b)インターナルコントロール核酸を増幅するためのプライマーセット>
本発明に用いられるインターナルコントロール核酸を増幅するためのプライマーセット(ICプライマーセット)としては、一方のプライマーが他方のプライマーのDNA伸長生成物に互いに相補的である2種一対のプライマーが挙げられる。当該プライマーの長さは、2塩基またはそれ以上の任意の長さであり得る。より具体的には、例えば、qPCR反応に使用されるプライマーの長さは、約10塩基以上、好ましくは約13塩基以上、より好ましくは約15塩基以上であり得る。qPCR反応に使用されるプライマーの長さの上限もまた、本発明の効果を奏し得る限り、特に限定されないが、例えば、約50塩基以下、好ましくは約40塩基以下、より好ましくは約30塩基以下とすることができる。例えば、qPCR反応に使用するプライマーの例として、長さが約15〜30塩基のものとすることができる。
本発明において、核酸増幅反応液中に含まれるICプライマー濃度としては、qPCR反応においてIC核酸を増幅でき、本発明の効果を発揮できる限りにおいて、特に限定されない。標的核酸の増幅反応への影響を抑えつつ、インターナルコントロール核酸の高感度で正確な検出を可能にするという観点から、核酸増幅反応液50μl当りで換算して、好ましくは、フォワードプライマーの濃度が約0.01μM〜3μMであり、かつリバースプライマーの濃度が約0.01μM〜3μMであると良い。本発明において2セット以上のプライマーセットを用いる場合には、フォワードプライマーとそれに対応するリバースプライマーから構成される一対のプライマーセットが、上記濃度範囲となるような濃度で用いることが好ましい。
<(b’)標的核酸を増幅するためのプライマーセット>
特定の更なる実施形態において、本発明の核酸増幅反応に用いるための試薬は、インターナルコントロール核酸以外の標的核酸を増幅するためのプライマーセット(標的プライマーセット)を1つもしくは複数含むことが好ましい。このような標的核酸を増幅するためのプライマーセットもまた、標的核酸を増幅可能なように設計された一方の標的プライマーが他方の標的プライマーのDNA伸長生成物に互いに相補的である2種一対のプライマーが挙げられる。これらの標的プライマーの長さや反応液中終濃度等は、上記で説明したようなインターナルコントロール核酸を増幅するためのプライマーセットにおけるプライマーの長さと同様であり得る。さらに、インターナルコントロール以外の標的核酸を増幅するプライマーは、増幅対象となる標的核酸が亜型からなる場合には縮重プライマーを含んでもよい。
<(c)インターナルコントロールプローブ>
本発明に用いられるインターナルコントロールプローブ(ICプローブ)は、前記のようなICプライマーセットにより増幅されたインターナルコントロール核酸断片の塩基配列又はその相補的な塩基配列に結合し得る塩基配列を有する。このようなインターナルコントロール核酸断片に結合し得る塩基配列としては、通常は、増幅されるインターナルコントロール核酸断片の塩基配列と100%の同一性を有するものであることが好ましいが、特に限定されず、インターナルコントロール核酸と結合し得る限り、塩基配列の同一性は100%である必要はない。例えば、塩基配列の同一性は85%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上であり得る。また、Locked Nucleic Acid(LNA)などの修飾ヌクレオチド等を使用してもよい。
特定の好ましい実施形態において、本発明に用いる2種以上のインターナルコントロールプローブは、検出対象となるインターナルコントロール核酸由来の二本鎖のうちいずれか一方の同じ鎖に対して相補的な塩基配列を有するものとすることができる。即ち、この実施形態では、2種以上のインターナルコントロールプローブは、インターナルコントロール核酸由来の二本鎖のうち全て同じセンス鎖に対して相補的な塩基配列を有するものであってもよいし、インターナルコントロール核酸由来の二本鎖のうち全て同じアンチセンス鎖に対して相補的な塩基配列を有するものであってもよい。
本発明に用いる2種以上のインターナルコントロールプローブは、検出対象となるインターナルコントロール核酸由来の二本鎖において、例えば、同じ位置に相当する部位に相補的な塩基配列を有するものであってもよいし(図1を参照)、一部が重複する位置に相当する部位に相補的な塩基配列を有するものであってもよいし、異なる位置に相当する部位に相補的な塩基配列を有するものであってもよい(図3を参照)。特に限定されないが、例えば、本発明に用いる2種以上のインターナルコントロールプローブは、インターナルコントロール核酸由来の二本鎖の同じ位置と完全に相補的な塩基配列を有するものとすることができ、例えば、2種以上のインターナルコントロールプローブの塩基配列が互いに1塩基又は数塩基のみ異なるものではない塩基配列から構成されるものとしてもよい。更に、後述の実施例の結果に示されるように、2種以上のインターナルコントロールプローブは、インターナルコントロール核酸由来の二本鎖において、互いに異なる位置に相当する部位に結合する塩基配列を有するものである場合の方が、互いに同じ位置に相当する部位に結合する塩基配列を有するものである場合よりも高感度にインターナルコントロールを検出できるので好ましい。互いに異なる位置に相当する部位に結合する2種以上のインターナルコントロールプローブとする場合、これらのプローブが結合する塩基配列の位置は、例えば、互いに1bp以上離れた位置とすることができ、好ましくは5bp以上離れた位置とすることができ、より好ましくは10bp以上離れた位置とすることができる。
本発明に用いられるインターナルコントロールプローブの塩基配列の長さは、本発明の効果を奏する限り特に限定されず、2塩基またはそれ以上の任意の長さであり得る。より具体的には、例えば、qPCR反応に使用されるインターナルコントロールプローブの塩基配列の長さは、約5塩基以上、好ましくは約8塩基以上、より好ましくは約10塩基以上であり得る。qPCR反応に使用されるインターナルコントロールプローブの塩基配列の長さの上限もまた、本発明の効果を奏し得る限り、特に限定されないが、例えば、約30塩基以下、好ましくは約25塩基以下、より好ましくは約20塩基以下とすることができる。例えば、qPCR反応に使用するインターナルコントロールプローブの塩基配列の長さの一例として、約10〜30塩基長のものとすることができる。
本発明に用いるインターナルコントロールプローブは、少なくとも蛍光物質を含む標識で修飾されていることを一つの特徴とする。なかでも、インターナルコントロールプローブは、蛍光物質及び消光物質を含む標識で修飾されたものであることが好ましい。例えば、インターナルコントロールプローブの塩基配列の一方の末端を蛍光物質で修飾し、他方の末端を当該蛍光物質に対応した消光物質で修飾したものを用いることができる。蛍光物質を含む標識で修飾する核酸プローブとしては、例えば、TaqMan加水分解プローブ(米国特許第5,210,015号公報、米国特許第5,538,848号公報、米国特許第5,487,972号公報、米国特許第5,804,375号公報)、モレキュラービーコン(米国特許第5,118,801号公報)、FRETハイブリダイゼーションプローブ(国際公開第97/46707号パンフレット,国際公開第97/46712号パンフレット,国際公開第97/46714号パンフレット)などが当該分野で公知であり、本発明に好適に使用することができるが、これらに限定されない。
qPCR法において一般的に広く普及しているTaqManプローブ法においては、蛍光物質(4,5)は使用したいqPCR機器に合わせて選択すればよく、限定されない。例えば、ローダミン若しくはその誘導体(例えば、5−カルボキシ−X−ローダミン、6−カルボキシ−X−ローダミン、5−カルボキシローダミン6G(CR6G)、テトラメチルローダミン(TAMRA))、又はそれらの塩などのローダミン系化合物;フルオロセイン又はその誘導体(例えば、FAM(カルボキシフルオレセイン)、JOE(6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ2’,7’−ジメトキシフルオレセイン)、FITC(フルオレセインイソチオシアネート)、TET(テトラクロロフルオレセイン)、HEX(5’−ヘキサクロロ−フルオレセイン−CEホスホロアミダイト))、VIC(登録商標)、BODIPY(登録商標)シリーズ、ローダミン又はその誘導体(例えば、5−カルボキシローダミン6G(CR6G)やテトラメチルローダミン(TAMRA))、Cy(登録商標)色素(例えば、Cy3、Cy5)、若しくはそれらの誘導体、又はそれらの塩等の非ローダミン系化合物等があげられる。本発明においては、インターナルコントロールプローブを修飾する標識の少なくとも1つは、蛍光物質として、5−カルボキシ−X−ローダミン、6−カルボキシ−X−ローダミン、5−カルボキシローダミン6G(CR6G)、テトラメチルローダミン(TAMRA))、又はこれらの塩などのローダミン系化合物を含むものとすることができ、なかでも5−カルボキシ−X−ローダミン、6−カルボキシ−X−ローダミン又はこれらの塩を含むものとすることができる。これらのローダミン系化合物は、蛍光検出に必要とされる濃度調整等が通常必要とされるが、本発明によれば、必ずしもそのような煩雑な調整等を行わなくてもよいというメリットがある。さらに、必要に応じて、使用する蛍光物質にあった消光物質(6a,6b)を使用することができる。上記のような蛍光物質に対応した消光物質としては、例えば、TAMRA(テトラメチル−ローダミン)、DABCYL(4−(4−ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸)、BHQ1(BHQ:Black Hole Quencher(登録商標))、BHQ2、BHQ3等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明では、異なる標識で修飾されたインターナルコントロールプローブを2種以上用いることを特徴とする。本明細書において、異なる標識で修飾されたインターナルコントロールプローブとは、異なる蛍光物質を含む標識で修飾されたインターナルコントロールプローブのことをいう。従って、同じ消光物質(クエンチャー)を含む標識で修飾されたインターナルコントロールプローブであっても、当該標識を構成する蛍光物質が互いに異なる限り、異なる標識で修飾されたインターナルコントロールプローブに相当する。即ち、本発明では少なくとも、第1の蛍光物質を含む標識で修飾された第1のインターナルコントロールプローブ、及び、第1の蛍光物質とは異なる第2の蛍光物質を含む標識で修飾された第2のインターナルコントロールプローブを用いる。ここで、第1の蛍光物質と第2の蛍光物質の組合せは、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、例えば、第1の蛍光物質がローダミン系化合物であり、且つ、第2の蛍光物質がローダミン系化合物以外の非ローダミン系化合物(例えば、フルオレセイン系化合物、VIC系化合物、BODIPY系化合物、Cy系色素化合物等)である組合せなどであり得る。
特定の好ましい実施形態では、本発明は少なくとも、(1)5−カルボキシ−X−ローダミン、6−カルボキシ−X−ローダミン、ローダミン、テトラメチルローダミン、5−カルボキシローダミン6G、及びこれらの誘導体、並びにこれらの塩からなる群より選択されるローダミン系化合物を含む標識で修飾された第1のインターナルコントロールプローブ、並びに、(2)フルオロセイン、カルボキシフルオレセイン、6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ2’,7’−ジメトキシフルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、テトラクロロフルオレセイン、5’−ヘキサクロロ−フルオレセイン−CEホスホロアミダイト、VIC(登録商標)、BODIPY(登録商標)、Cy(登録商標)色素、及びこれらの誘導体、並びにこれらの塩からなる群より選択される非ローダミン系化合物を含む標識で修飾された第2のインターナルコントロールプローブを含むことが好適である。このような第1のインターナルコントロールプローブ及び第2のインターナルコントロールプローブの組合せとすることで、より確実にインターナルコントロールの定量検出が可能となり、汎用性の高いqPCR反応試薬とすることができる。
本発明において、核酸増幅反応に用いるための試薬中におけるインターナルコントロールプローブの濃度は、本発明の効果を奏する限り特に限定されず、使用する機器と蛍光によって当業者によって適宜決定され得る。例えば、インターナルコントロールプローブの増幅反応液中の終濃度は、0.01μM〜200μM程度とすることができる。偽陽性又は偽陰性の可能性を低減し、コストも抑えることができ、尚且つ高感度な検出も可能となるという観点から、インターナルコントロールプローブの反応液中終濃度は、好ましくは0.5〜100μM程度とすることができる。
例えば、インターナルコントロールの検出に高ROX機種においてROX蛍光、低ROX機種においてその機種で使用出来るROX以外の蛍光を使用する場合、5−及び/又は6−カルボキシ−X−ローダミン等のROX色素を含む標識で修飾されたインターナルコントロールプローブは、低ROX機器で測定するときよりも約10倍以上の濃度のROX色素の使用が必要となり、例えば約0.5μM〜100μMの濃度で使用できる。逆に、低ROX機種でROX蛍光、高ROX機種でその機種で使用出来るROX以外の蛍光を使用する場合、5−及び/又は6−カルボキシ−X−ローダミン等のROX色素を含む標識で修飾されたインターナルコントロールプローブは、例えば、約0.01〜0.1μM程度の濃度で使用出来る。
<(c’)標的プローブ>
特定の更なる実施形態において、本発明の核酸増幅反応に用いるための試薬は、インターナルコントロール核酸以外の標的核酸を検出するためのプローブ(標的プローブ)を1つ以上含むことが好ましい。インターナルコントロール核酸以外の標的核酸を検出するための標的プローブの塩基配列は、インターナルコントロール核酸以外の標的核酸を増幅するための標的プライマーのセット(標的プライマーセット)で増幅された核酸に結合し得る配列であればよいが、インターナルコントロール核酸を増幅するためのプライマーセットで増幅されるインターナルコントロール核酸断片の塩基配列又はその相補的な塩基配列に対して結合し得ない塩基配列を有するものがよく、インターナルコントロール核酸の全長の塩基配列又はその相補的な塩基配列に対して結合し得ない塩基配列を有するものとすることが好ましい。このような標的プローブの長さは、上記で説明したようなインターナルコントロールプローブの長さと同様であり得る。また、増幅対象となる標的核酸が亜型からなる場合には縮重プローブを含んでもよい。
本発明の核酸増幅反応に用いる試薬が上記のような標的プローブを含む場合、標的プローブは、通常は検出したい標的核酸と100%の同一性を有する塩基配列を有することが好ましいが、特に限定されず、標的核酸と結合し得る限り、塩基配列の同一性は100%である必要はない。例えば、塩基配列の同一性は85%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上であり得る。また、Locked Nucleic Acid(LNA)などの修飾ヌクレオチド等を使用してもよい。
本発明の核酸増幅反応に用いる試薬が標的プローブを含む場合、その標的プローブの濃度もまた、インターナルコントロールプローブと同様に、使用する機器と蛍光によって決定され得る。高感度な検出を可能にするという観点から、標的プローブ濃度は、増幅反応液中の終濃度が通常0.001μM〜200μM程度とすることができ、例えば、約0.005μM〜20μM程度であることが好ましく、約0.01μM〜1.5μM程度であることがより好ましいが、特に限定されない。
本発明に用いられるqPCR反応液には、インターナルコントロール核酸、インターナルコントロール核酸を増幅するためのプライマーセットとその検出のための2種以上の異なる標識で修飾されたインターナルコントロールプローブの他、qPCR反応に通常必要な他の任意の成分を含むことができる。例えば、本発明に用いられるqPCR反応液は、上記のようなIC核酸、ICプライマーセット、及び異なる標識で修飾された2種以上のICプローブに加えて、ポリメラーゼ、緩衝剤、適当な塩(例えば、マグネシウム塩又はマンガン塩)、デオキシヌクレオチド三リン酸、インターナルコントロール以外の注目している標的核酸を増幅するためのプライマーセットとその検出のための標識プローブ、さらに必要に応じて添加剤を含んでいてもよい。
本発明で使用され得るヌクレオチド塩基は、核酸の重合に有用な任意のヌクレオチドであり得る。ヌクレオチドは、天然に存在するヌクレオチドであってもよいし、人工的なヌクレオチドであってよい。一般的にはヌクレオチドはデオキシヌクレオシド三リン酸であり、dATP、dCTP、dGTP、dTTP、又はこれらの混合物(好ましくは等量混合物)が使用される。dTTPの代わり及び/又はその一部としてdUTPを使用することによって、クロスコンタミネーションを抑制することが可能となり得る。本発明の核酸増幅反応液が、ヌクレオチド塩基を含む場合、各ヌクレオチド塩基がそれぞれ0.1〜0.5mM、例えば0.2mM程度となるような濃度で加えられるのがよい。
本発明で使用され得る緩衝剤(緩衝液)としては、特に限定されないが、トリス(Tris)、トリシン(Tricine)、ビスートリシン(Bis−Tricine)、ビシン(Bicine)などが挙げられる。硫酸、塩酸、酢酸、リン酸などでpHを6〜9、より好ましくはpH7〜8に調整されたものであることが好ましい。また、添加する緩衝剤の濃度としては、一例として10〜200mM,より好ましくは20〜150mMで使用される。この際、反応に適当なイオン条件とするために、塩溶液が加えられることが好ましい。塩溶液としては、塩化カリウム、酢酸カリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、及び/又は酢酸アンモニウムなどが挙げられる。また、逆転写酵素やポリメラーゼに必要とされるマグネシウム塩やマンガン塩を添加する場合、マグネシウム塩としては、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、マンガン塩としては、塩化マンガン、硫酸マンガン、酢酸マンガンなどが例示され、1〜10mM程度加えられることが好ましい。
本発明で使用され得る逆転写酵素としては、RNAをDNAに変換できれば特に限定されないが、MMLV(Moloney Murine Leukemia Virus)−RT、AMV−RT(Avian Myeloblastosis Virus)、HIV−RT、RAV2−RT、EIAV−RT、カルボキシドサーマス・ハイドロゲノフォルマン(Carboxydothermus hydrogenoformam)DNAポリメラーゼ)やその変異体、TthおよびTth様DNAポリメラーゼ(Mn2+存在下で逆転写酵素として機能する)が例示される。特に好ましい例としては、MMLV−RT、AMV−RT、またはそれらのポリメラーゼ活性が失われていない変異体(例えば、90%以上、好ましくは95%以上のアミノ酸配列同一性を有し、且つポリメラーゼ活性が失われていない変異体等)が挙げられる。
本発明で使用され得るポリメラーゼは、どのようなポリメラーゼであってもよく、好ましくはDNA分子を複製することができるDNAポリメラーゼである。PCRにおいて代表的なポリメラーゼは、耐熱性ポリメラーゼである。耐熱性DNAポリメラーゼとしては、Taq、Tth,Bst,KOD,Pfu,Pwo、Tbr,Tfi,Tfl,Tma,Tne、Vent,Z05,DEEPVENTやこれらの変異体が挙げられるが、特に限定されない。耐熱性DNAポリメラーゼの量は、核酸反応液中の終濃度が少なくとも0.01U/μL以上であることが好ましい。より好ましくは、0.15U/μL以上である。
本発明に用いられ得るポリメラーゼは、非特異的反応抑制の効果を高めるため、高温下で活性化する性質を有するものであることが好ましい。本発明に用いられ得るポリメラーゼは、例えば、抗DNAポリメラーゼ抗体等の抗体と複合体化されたもの、あるいは化学修飾により熱不安定ブロック基のDNAポリメラーゼへ導入したものであることが好ましい。これによりポリメラーゼ反応が始まる前はポリメラーゼの酵素活性を抑制され、ホットスタートPCRへの適用ができるので好ましい。
本発明に使用され得る添加剤としては、例えば、当該技術分野でPCR増幅反応の効率を向上することが知られる物質を使用することができる。例えば、アミノ酸におけるアミノ基に3個のメチル基を付加した構造を有する第4級アンモニウム塩(ベタイン(例えば、トリメチルグリシン、L−カルニチン)など)、ウシ血清アルブミン、グリセロール、グリコール、多糖類およびゼラチン、サルコシンやトリメチルグリシンなどのオスモライトファミリーなどから選択されるが、限定するものではない。さらには、当該技術分野でRT−PCRを促進することが知られる物質と組み合わせて使用することもできる。例えば、グリセロール、ポリオール、プロテアーゼインヒビター、シングルストランド結合タンパク質(SSB)、T4遺伝子32タンパク質、tRNA、硫黄または酢酸含有化合物類、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ホルムアミド、アセトアミド、ベタイン、エクトイン、トレハロース、デキストラン、ポリビニルピロリドン(PVP),塩化テトラメチルアンモニウム(TMAC)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、酢酸テトラメチルアンモニウム(TMAA)、ポリエチレングリコール、トリトンX−100(TritonX−100)、トリトンX−114(TritonX−114)、ツイーン20(Tween20),ノニデットP40、Briji58などが挙げられるが、これらに限定されない。さらに反応阻害を低減するように、エチレングリコール−ビス(2−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−四酢酸(EGTA)、1,2−ビス(o−アミノフェノキシ)エタン−N,N,N’,N’−四酢酸(BAPTA)のようなキレート剤を含んでいてもよい。
<核酸増幅方法>
更なる実施形態として、本発明は、前記のような試薬を用いた核酸増幅方法を提供する。即ち、本発明の核酸増幅方法は、少なくとも、(a)インターナルコントロール核酸と、(b)該インターナルコントロール核酸を増幅するための1セット以上のプライマーセットと、(c)該1セット以上のプライマーセットで増幅されるインターナルコントロール核酸由来の二本鎖のいずれか一方の鎖に対して相補的な塩基配列を含み、且つ、蛍光物質を含む標識で修飾された2種以上のインターナルコントロールプローブであって、それぞれ異なる標識で修飾されている、2種以上のインターナルコントロールプローブを用いることを特徴とする。
上記のように(a)〜(c)成分を少なくとも用いて核酸増幅反応を行うことにより、様々な蛍光検出チャネルを備えた多種類の測定機器において、簡便且つ確実にインターナルコントロールを検出することが可能となり、標的核酸の検出において偽陰性又は偽陽性の発生を抑制することができ、またqPCR反応の定量性における確度を高めることができる。
上記の本発明の核酸増幅方法において用いられる(a)〜(c)成分、及び必要に応じて用いられる他の成分の種類又は濃度等は、上記核酸増幅反応に用いるための試薬において説明したものと同様であり得る。
特定の好ましい実施形態において、本発明の核酸増幅方法は、インターナルコントロール核酸(IC核酸)と、インターナルコントロール核酸以外の標的核酸とを同時に増幅させてPCR反応を行う方法である。なかでも、IC核酸と標的核酸とを同時に増幅させて定量的PCR反応(qPCR反応)を行う方法であることが好ましく、とりわけ定量的なリアルタイムPCR反応を行う方法であることが好ましい。ここで、IC核酸と標的核酸とを同時に増幅させるとは、両核酸の増幅反応を同時期に並行して行うことをいう。
更に特定の実施形態において、本発明の核酸増幅方法では、インターナルコントロールプローブ(ICプローブ)及び/又は標的プローブの検出を、特定の蛍光を定量的に検出できる蛍光検出チャネルを備えた測定機器を用いて行う。このような測定機器としては、高濃度のROX色素を必要とする高ROX機器や、低濃度でもROX色素を検出出来る低ROX機器等を適宜選択して使用することができる。一つの実施形態では、高ROX機器として、5−カルボキシ−X−ローダミン、6−カルボキシ−X−ローダミン、ローダミン、テトラメチルローダミン、5−カルボキシローダミン6G、及びこれらの誘導体、並びにこれらの塩からなる群より選択されるローダミン系化合物を約0.5μM〜100μMの濃度で含む場合に検出可能なチャネルを備えている測定機器を用いることができる。更に別の実施形態では、フルオロセイン、カルボキシフルオレセイン、6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ2’,7’−ジメトキシフルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、テトラクロロフルオレセイン、5’−ヘキサクロロ−フルオレセイン−CEホスホロアミダイト、VIC(登録商標)、BODIPY(登録商標)、Cy(登録商標)色素、及びこれらの誘導体、並びにこれらの塩からなる群より選択される非ローダミン系化合物を含む標識による蛍光を検出可能なチャネルを備えている測定機器を用いることができるが、これらに限定されない。
本発明は、任意の核酸増幅方法において実施することができ、例えば、生体由来試料又は環境由来試料に含まれ得る核酸の増幅を行う方法において実施され得る。本発明において用いられ得る生体由来試料(生物学的試料)として、例えばヒト由来であれば糞便(排泄便、直腸便)、嘔吐物、唾液などが挙げられ、ヒト以外の動植物由来であれば食肉、植物の組織の一部などが上げられるが、限定されるものではなく、生体に由来するもの全般に用いることが可能である。環境由来試料としては、下水、河川由来の試料(例えば、濃縮試料)、調理者の手や指からの拭き取り試料、トイレ等からの拭き取り試料などが含まれるが、限定されるものではない。また、これらは直接反応液に供しても良いし、qPCR反応への影響を低減し、より安定した検査結果を得るために、水、生理食塩水または緩衝液に前記試料を懸濁した試料、もしくは市販のキットで核酸を精製したりしてもよいが、これらの処理方法に限定されるものではない。
以下、実施例をもって、本発明を具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1.同じ位置に結合するプローブを用いた検出
以下に示される組成にインターナルコントロール核酸、プライマー液、プローブ液を変えて各機器で検出を実施した。
(1)使用機器
高ROX機器としてStepOnePlus(商標)(Applied Biosystems)、低ROX機種としてThermal Cycler Dice(商標) Real Time System III(タカラバイオ)を使用した。
StepOnePlusでは、FAM、JOE、NED、ROX、SYBR、TAMRA、VICの蛍光が選択可能であるが、FAM、ROX、VICを使用した。Dice Real Time System IIIはFAMとROXが使用可能であり、両方を使用した。
(2)反応混合物
反応液(ノロウイルス検出キットG1/G2−高速プローブ検出 Quick Step−添付(東洋紡))
酵素液(ノロウイルス検出キットG1/G2−高速プローブ検出 Quick Step−添付(東洋紡))
プライマー(インターナルコントロール)RTPrimerDB(http://www.rtprimerdb.org/index.php) ID:2021のForward primer(配列番号1)とReverse primer(配列番号2)をそれぞれ0.1μM
プライマー(ノロウイルス) 厚生労働省医薬食品局安全部監視安全課の通知(食安監1105001号)記載のCOG1F(配列番号3),COG1R(配列番号4)をそれぞれ0.4μM
プローブ(インターナルコントロール)RTPrimerDB ID:2021のprobe配列(配列番号5)で、3’ROX修飾−5’BHQ1修飾のプローブ、3’VIC修飾−5’BHQ1修飾のプローブをそれぞれ0.1μM
プローブ(ノロウイルス)厚生労働省医薬食品局安全部監視安全課の通知(食安監1105001号)記載のRING1−TP(a)(配列番号6)を0.34μM
サンプル(インターナルコントロール核酸)HumanGAPDH配列含有DNA(配列番号7)1000コピー
サンプル(インターナルコントロール以外の核酸)ノロウイルスG1の合成RNA(配列番号8)1000コピー
(3)反応
前記反応液30μLと酵素液5μLを混合し、各プライマー、プローブ、サンプルを所定濃度加え、液量が50μLになるよう水で調製した。これを、高ROX機器としてStepOnePlus(商標)(Applied Biosystems)、低ROX機種としてThermal Cycler Dice(商標) Real Time System III(タカラバイオ)を使用しリアルタイムPCR反応を実施した。
(StepOnePlus)
42℃ 4分(逆転写反応)、95℃ 10秒、
98℃ 1秒−52℃ 10秒 10サイクル(PCR)
98℃ 1秒−52℃ 20秒 30サイクル(PCR)
PCRの後半30サイクルの52℃伸長ステップにおいて、FAM、VIC、ROX蛍光の読み取りを行った。
(Dice Real Time System III)
42℃ 4分(逆転写反応)、95℃ 10秒、
98℃ 10秒−52℃ 30秒 10サイクル(PCR)
98℃ 10秒−52℃ 25秒 30サイクル(PCR)
PCRの後半30サイクルの52℃伸長ステップにおいて、FAM、ROX蛍光の読み取りを行った。
(4)結果
結果を図1に示す。StepOnePlus、Dice Real Time System IIIの両方において同じ溶液を用いてノロウイルスG1およびhumanGHPDHを検出した。StepOnePlusでは、機器上はROX蛍光も取得できるが、高ROX機器のためROX蛍光がほとんど確認されていない。そのため同じ遺伝子を検出するVIC蛍光色素を使用したプローブで検出した。それに対してDice Real Time System IIIではROX蛍光が確認されている。以上により、一つの溶液を用いて、励起光学、蛍光光学が異なる機器で検出できていることが確認できた。
実施例2.1つのプライマーセットと2つの異なる位置に結合するプローブを用いた検出
(1)使用機器
実施例1と同じ機器を使用した。
(2)反応混合物
反応液(ノロウイルス検出キットG1/G2−高速プローブ検出 Quick Step−添付(東洋紡))
酵素液(ノロウイルス検出キットG1/G2−高速プローブ検出 Quick Step−添付(東洋紡))
プライマー(インターナルコントロール)RTPrimerDB(http://www.rtprimerdb.org/index.php) ID:2021のForward primer(配列番号1)とReverse primer(配列番号2)をそれぞれ0.1μM
プライマー(ノロウイルス) 厚生労働省医薬食品局安全部監視安全課の通知(食安監1105001号)記載のCOG1F(配列番号3),COG1R(配列番号4)をそれぞれ0.4μM
プローブ(インターナルコントロール)RTPrimerDB ID:2021のprobe配列(配列番号5)で3’ROX修飾−5’BHQ1修飾のプローブ、RTPrimerDB ID:55のprobe配列(配列番号9)で3’VIC修飾−5’BHQ1修飾のプローブをそれぞれ0.1μM
プローブ(ノロウイルス)厚生労働省医薬食品局安全部監視安全課の通知(食安監1105001号)記載のRING1−TP(a)(配列番号6)を0.34μM
サンプル(インターナルコントロール核酸)HumanGAPDH配列含有DNA(配列番号7)1000コピー
サンプル(インターナルコントロール以外の核酸)ノロウイルスG1の合成RNA(配列番号8)1000コピー
(3)反応
前記反応液30μLと酵素液5μLを混合し、各プライマー、プローブ、サンプルを所定濃度加え、液量が50μLになるよう水で調製した。これを、高ROX機器としてStepOnePlus(商標)(Applied Biosystems)、低ROX機種としてThermal Cycler Dice(商標) Real Time System III(タカラバイオ)を使用しリアルタイムPCR反応を実施した。
(StepOnePlus)
42℃ 4分(逆転写反応)、95℃ 10秒、
98℃ 1秒−52℃ 10秒 10サイクル(PCR)
98℃ 1秒−52℃ 20秒 35サイクル(PCR)
PCRの後半35サイクルの52℃伸長ステップにおいて、FAM、VIC、ROX蛍光の読み取りを行った。
(Dice Real Time System III)
42℃ 4分(逆転写反応)、95℃ 10秒、
98℃ 10秒−52℃ 30秒 10サイクル(PCR)
98℃ 10秒−52℃ 25秒 35サイクル(PCR)
PCRの後半35サイクルの52℃伸長ステップにおいて、FAM、ROX蛍光の読み取りを行った。
(4)結果
結果を図2に示す。StepOnePlus、Dice Real Time System IIIの両方において同じ溶液を用いてノロウイルスG1およびhumanGHPDHを検出した。StepOnePlusでは、機器上はROX蛍光も取得できるが、高ROX機器のためROX蛍光がほとんど確認されていない。そのため同じ遺伝子を検出するVIC蛍光色素を使用したプローブで検出した。それに対してDice Real Time System IIIではROX蛍光が確認されている。以上により、一つの溶液を用いて、励起光学、蛍光光学が異なる機器で検出できている。
更に、二次効果として、1つのインターナルコントロール核酸遺伝子に結合する2つのプローブ位置が異なる本実施例の場合には、プローブ位置が同じである上記実施例1の場合と比べて蛍光強度が実施例1より高くなり、更に高感度に検出できることが明らかとなった。
実施例3.2つのプライマーセットと2つのプローブを用いた検出
(1)使用機器
実施例1と同じ機器を使用した。
(2)反応混合物
反応液(ノロウイルス検出キットG1/G2−高速プローブ検出 Quick Step−添付(東洋紡))
酵素液(ノロウイルス検出キットG1/G2−高速プローブ検出 Quick Step−添付(東洋紡))
プライマー(インターナルコントロール)RTPrimerDB(http://www.rtprimerdb.org/index.php) ID:2021のForward primer(配列番号1)とReverse primer(配列番号2)、ID:1448のForward primer(配列番号10)とReverse primer(配列番号11)をそれぞれ0.1μM
プライマー(ノロウイルス) 厚生労働省医薬食品局安全部監視安全課の通知(食安監1105001号)記載のCOG1F(配列番号3),COG1R(配列番号4)をそれぞれ0.4μM
プローブ(インターナルコントロール)RTPrimerDB ID:2021のprobe配列(配列番号5)で3’VIC修飾−5’BHQ1修飾のプローブ、RTPrimerDB ID:1448のprobe配列(配列番号12)で3’ROX修飾−5’BHQ1修飾のプローブをそれぞれ0.1μM
プローブ(ノロウイルス)厚生労働省医薬食品局安全部監視安全課の通知(食安監1105001号)記載のRING1−TP(a)(配列番号6)を0.34μM
サンプル(インターナルコントロール核酸)HumanGAPDH配列含有DNA(配列番号7)1000コピー
サンプル(インターナルコントロール以外の核酸)ノロウイルスG1の合成RNA(配列番号8)1000コピー
(3)反応
前記反応液30μLと酵素液5μLを混合し、各プライマー、プローブ、サンプルを所定濃度加え、液量が50μLになるよう水で調製した。これを、高ROX機器としてStepOnePlus(商標)(Applied Biosystems)、低ROX機種としてThermal Cycler Dice(商標) Real Time System III(タカラバイオ)を使用しリアルタイムPCR反応を実施した。
(StepOnePlus)
42℃ 4分(逆転写反応)、95℃ 10秒、
98℃ 1秒−52℃ 10秒 10サイクル(PCR)
98℃ 1秒−52℃ 20秒 30サイクル(PCR)
PCRの後半30サイクルの52℃伸長ステップにおいて、FAM、VIC、ROX蛍光の読み取りを行った。
(Dice Real Time System III)
42℃ 4分(逆転写反応)、95℃ 10秒、
98℃ 10秒−52℃ 30秒 10サイクル(PCR)
98℃ 10秒−52℃ 25秒 30サイクル(PCR)
PCRの後半30サイクルの52℃伸長ステップにおいて、FAM、ROX蛍光の読み取りを行った。
(4)結果
結果を図3に示す。StepOnePlus、Dice Real Time System IIIの両方において同じ溶液を用いてノロウイルスG1およびhumanGHPDHを検出した。StepOnePlusでは、機器上はROX蛍光も取得できるが、高ROX機器のためROX蛍光がほとんど確認されていない。そのため同じ遺伝子を検出するVIC蛍光色素を使用したプローブで検出した。それに対してDice Real Time System IIIではROX蛍光が確認されている。以上により、一つの溶液を用いて、励起光学、蛍光光学が異なる機器で検出できており、汎用性の高いqPCR反応試薬となることが明らかとなった。
本発明は、分子生物学研究、さらに臨床検査や食品衛生管理などを目的とした検査において、好適に用いられる。
1:インターナルコントロール核酸
2:第1のインターナルコントロールプローブ
3:第2のインターナルコントロールプローブ
4:第1の蛍光物質
5:第2の蛍光物質
6(6a,6b):消光物質
7(7a,7b):第1のインターナルコントロールプライマーセット
8(8a,8b):第2のインターナルコントロールプライマーセット

Claims (19)

  1. インターナルコントロール核酸と、
    該インターナルコントロール核酸を増幅するための1セット以上のプライマーセットと、
    該1セット以上のプライマーセットで増幅されるインターナルコントロール核酸由来の二本鎖のいずれか一方の鎖に対して相補的な塩基配列を含み、且つ、蛍光物質を含む標識で修飾された2種以上のインターナルコントロールプローブと、
    を含み、該2種以上のインターナルコントロールプローブはそれぞれ異なる標識で修飾されている、核酸増幅反応に用いるための試薬。
  2. 前記標識に含まれる蛍光物質の1つが、5−カルボキシ−X−ローダミン、6−カルボキシ−X−ローダミン、ローダミン、テトラメチルローダミン、5−カルボキシローダミン6G、フルオロセイン、カルボキシフルオレセイン、6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ2’,7’−ジメトキシフルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、テトラクロロフルオレセイン、5’−ヘキサクロロ−フルオレセイン−CEホスホロアミダイト、VIC(登録商標)、BODIPY(登録商標)、Cy(登録商標)色素、及びこれらの誘導体、並びにこれらの塩からなる群より選択される化合物である、請求項1に記載の試薬。
  3. 前記標識に含まれる蛍光物質の1つが、5−カルボキシ−X−ローダミン、6−カルボキシ−X−ローダミン、ローダミン、テトラメチルローダミン、5−カルボキシローダミン6G、及びこれらの誘導体、並びにこれらの塩からなる群より選択されるローダミン系化合物である、請求項1又は2に記載の試薬。
  4. 前記2種以上のインターナルコントロールプローブが、
    (1)5−カルボキシ−X−ローダミン、6−カルボキシ−X−ローダミン、ローダミン、テトラメチルローダミン、5−カルボキシローダミン6G、及びこれらの誘導体、並びにこれらの塩からなる群より選択されるローダミン系化合物を含む標識で修飾された第1のインターナルコントロールプローブ、並びに、
    (2)フルオロセイン、カルボキシフルオレセイン、6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ2’,7’−ジメトキシフルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、テトラクロロフルオレセイン、5’−ヘキサクロロ−フルオレセイン−CEホスホロアミダイト、VIC(登録商標)、BODIPY(登録商標)、Cy(登録商標)色素、及びこれらの誘導体、並びにこれらの塩からなる群より選択される非ローダミン系化合物を含む標識で修飾された第2のインターナルコントロールプローブ、
    を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の試薬。
  5. 前記2種以上のインターナルコントロールプローブがすべて、インターナルコントロール核酸由来の二本鎖のうちいずれか一方の同じ鎖に対して相補的な塩基配列を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の試薬。
  6. 前記2種以上のインターナルコントロールプローブが、前記インターナルコントロール核酸由来の二本鎖において異なる位置に相当する部位に相補的な塩基配列を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の試薬。
  7. 1種以上のヌクレオチド塩基、緩衝液、逆転写酵素、及びポリメラーゼからなる群より選択される少なくとも1つを更に含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の試薬。
  8. 前記ポリメラーゼがDNAポリメラーゼである、請求項7に記載の試薬。
  9. 前記ポリメラーゼが、抗体と複合体化されている、請求項7又は8に記載の試薬。
  10. 前記ポリメラーゼが、高温下で活性化する、請求項7〜9のいずれかに記載の試薬。
  11. インターナルコントロール核酸以外の標的核酸配列を増幅するための1セット以上のプライマーセット、及び該プライマーセットで増幅された標的核酸配列のいずれか一方の鎖に相補的な塩基配列を含み、且つ、蛍光物質を含む標識で修飾された1種以上の標的プローブを更に含有する、請求項1〜10のいずれかに記載の試薬。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の試薬を用いることを特徴とする、核酸増幅方法。
  13. インターナルコントロール核酸と、インターナルコントロール核酸以外の標的核酸とを同時に増幅させてリアルタイムPCR反応を行う、請求項12に記載の核酸増幅方法。
  14. 生体由来試料又は環境由来試料を用いて行う、請求項12又は13に記載の核酸増幅方法。
  15. 前記標的核酸が、生体由来試料又は環境由来試料に含まれる核酸である、請求項12〜14のいずれかに記載の核酸増幅方法。
  16. 前記2種以上のインターナルコントロールプローブを修飾する標識のいずれか1つを検出することにより核酸増幅反応の確認を行う、請求項12〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記2種以上のインターナルコントロールプローブを修飾する標識のいずれか1つにより発生する蛍光を検出可能なチャネルを備えた機器により核酸増幅反応の確認を行う、請求項16に記載の方法。
  18. 前記機器が、5−カルボキシ−X−ローダミン、6−カルボキシ−X−ローダミン、ローダミン、テトラメチルローダミン、5−カルボキシローダミン6G、及びこれらの誘導体、並びにこれらの塩からなる群より選択されるローダミン系化合物を0.5μM〜100μMの濃度で含む場合に検出可能なチャネルを備えている、請求項17に記載の方法。
  19. 前記機器が、フルオロセイン、カルボキシフルオレセイン、6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ2’,7’−ジメトキシフルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、テトラクロロフルオレセイン、5’−ヘキサクロロ−フルオレセイン−CEホスホロアミダイト、VIC(登録商標)、BODIPY(登録商標)、Cy(登録商標)色素、及びこれらの誘導体、並びにこれらの塩からなる群より選択される非ローダミン系化合物を含む標識による蛍光を検出可能なチャネルを備えている、請求項17に記載の方法。
JP2019089658A 2019-05-10 2019-05-10 核酸検出方法 Pending JP2020184889A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019089658A JP2020184889A (ja) 2019-05-10 2019-05-10 核酸検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019089658A JP2020184889A (ja) 2019-05-10 2019-05-10 核酸検出方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020184889A true JP2020184889A (ja) 2020-11-19

Family

ID=73220568

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019089658A Pending JP2020184889A (ja) 2019-05-10 2019-05-10 核酸検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020184889A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2008200491B8 (en) Testing endosymbiont cellular organelles and compounds identifiable therewith
ES2385485T3 (es) Sonda de ácido nucleico lineal de doble hebra y usos de la misma
JP5945271B2 (ja) ニッキング酵素を用いたヘリカーゼ依存性等温増幅
ES2656958T3 (es) Medición de la longitud de telómeros en muestras fijadas en formalina, embebidas en parafina (FFPE) por PCR cuantitativa
JP6126381B2 (ja) 標的核酸の検出方法及びキット
KR101875662B1 (ko) 등온 핵산 증폭을 위한 리포터 염료, 퀀처가 포함되는 등온 기반 이중 기능성 올리고뉴클레오타이드 및 이를 이용한 핵산 증폭과 측정 방법
JP2006333739A (ja) 単分子計測による核酸分析方法
CA2790153A1 (en) Thd primer target detection
JP2001078768A (ja) 遺伝子発現の測定法
US20120045747A1 (en) Kit for detecting hepatitis b virus and method for detecting hepatitis b virus using the same
JP6467829B2 (ja) 改良されたrt−pcr反応
JP2022081563A (ja) Rnaを検出する方法およびrnaを検出するための試薬
JP2018108054A (ja) ノロウイルスg1型を検出するためのオリゴヌクレオチドプローブ
KR20120020067A (ko) 헤파티티스 c 바이러스 검출용 키트 및 이를 이용한 헤파티티스 c 바이러스의 검출 방법
JP2020533974A (ja) 呼吸器合胞体ウイルス種のニッキング及び伸長増幅反応(near)
JP2018108055A (ja) ノロウイルスg2型を検出するためのオリゴヌクレオチドプローブ
JP2018078806A (ja) ノロウイルスrnaの検出方法
JP2020184889A (ja) 核酸検出方法
CN116348614A (zh) 开关寡核苷酸
JP7391321B2 (ja) アクネ菌のdnaタイプの判別用オリゴヌクレオチドセット、キット及びアクネ菌のdnaタイプの判別方法
JP2006075167A (ja) ピロホスファターゼの添加を伴うリアルタイムpcr
JP6986015B2 (ja) 断片化核酸を連結するための方法及びキット
US9163289B2 (en) Kit for detecting HIV-1 and method for detecting HIV-1 using the same
KR20200048076A (ko) 중증 열성 혈소판 감소 증후군(sfts) 바이러스 감염 질환 진단용 키트
JP7472476B2 (ja) プライマー及び百日咳菌 rRNAの検出方法

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20190520