JP2020184845A - コンクリートバイブレータの電源部 - Google Patents
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Abstract
【課題】電源部の筐体内を効果的に冷却でき、かつ、筐体内への異物の侵入を好適に防止することができるコンクリートバイブレータの電源部を提供する。【解決手段】筐体2内に周波数変換器が収容され、入力された電源が周波数変換器によって適切な周波数及び電圧に変換されて出力されて、モーターに供給されるように構成され、筐体2の側部2aに通風孔3が形成され、放熱弁4を含む開閉機構によって通風孔3が自動的に開閉するように構成し、バイブレータの稼働時に筐体内の温度が過度に上昇した場合に、自動的に通風孔3を開放し、換気を行って筐体2内を冷却し、その他の場合には、通風孔3を閉鎖して、筐体内を密閉状態に維持し、筐体内への異物の侵入を防止できるように構成した。【選択図】図1
Description
本発明は、打設したコンクリートの中から気泡を除去して、コンクリートを型枠内に適切に充填させるために用いられるコンクリートバイブレータに関し、より詳細には、コンクリートバイブレータの電源部の筐体の構造に関する。
建設現場等においてコンクリートの打設作業が行われる場合、コンクリートバイブレータを用いてコンクリートの中から気泡を除去する作業が実施される。コンクリートバイブレータは、モーターと偏心錘を内蔵した振動筒を先端部に有しており、この振動筒を未硬化のコンクリートの中に挿入することによって、その周囲のコンクリートに振動を与え、コンクリートの中に存在する気泡を上昇させて除去できるように構成されている。
一般的なコンクリートバイブレータは、モーターを内蔵した振動筒を有しているほか、給電ケーブルを介してモーターに駆動電力を供給する電源部や、駆動電力の供給と停止を切り替えるスイッチ等を備えている。これらのうち電源部には、周波数変換器等が収容されており、電源コードを介して電源部に入力される商用電源が、周波数変換器によって適切な周波数及び電圧に変換されて、振動筒のモーターに供給されるように構成されている。
電源部の周波数変換器において周波数及び電圧の変換が行われる際、整流、蓄電、及び、半導体素子による高速スイッチング等の工程が実施されることになるが、それらの変換工程においては、電子部品から大量の熱が発生するため、バイブレータ使用時における作業者の安全性を確保するとともに、製品の耐久性の向上(長寿命化)を図るためには、発熱する電子部品とその周辺部、ひいては電源部の筐体内の空間全体を、効率的に冷却することが必要となる。
電源部の筐体内を冷却する方法としては、筐体自体を熱伝導率の高い素材によって構成し、或いは、ヒートシンク構造を採用する(例えば、筐体の表面に多数の放熱フィンを形成する)ことによって、筐体外側への放熱効率を向上させることなどが考えられるが、負荷の状態によっては限界がある。
また、筐体内に冷却ファンを配置するとともに、通風孔を形成し、筐体の内外で空気を流通させる方法も考えられるが、この場合、通風孔から水分等の異物が侵入する可能性があり、内部の電子部品に悪影響を与えかねないという問題がある。
本発明は、このような従来技術における問題を解決しようとするものであって、電源部の筐体内を効果的に冷却でき、かつ、筐体内への異物の侵入を好適に防止することができるコンクリートバイブレータの電源部を提供することを目的とする。
本発明に係るコンクリートバイブレータの電源部は、筐体内に周波数変換器が収容され、入力された電源が周波数変換器によって適切な周波数及び電圧に変換されて出力されて、モーターに供給されるように構成され、筐体のいずれかの部位に通風孔が形成され、予め設定された条件に応じて、放熱弁を含む開閉機構によって前記通風孔が自動的に開閉するように構成されていることを特徴としている。
尚、このコンクリートバイブレータの電源部においては、筐体内に温度センサーが配置され、コンクリートバイブレータの稼働中において筐体内の温度が監視され、筐体内の温度が予め設定された温度を超えた場合に、前記開閉機構が作動して、前記通風孔が開放されるように構成され、コンクリートバイブレータの稼働中において筐体内の温度が予め設定された温度を下回る状態にあるとき、及び、コンクリートバイブレータが稼働していないときは、前記通風孔が閉鎖され、筐体内が密封状態となるように構成されていることが好ましい。
また、冷却ファンが、筐体内において、前記通風孔に向かって吹出口が開口する姿勢で固定され、筐体内の温度が予め設定された温度を超えた場合に、冷却ファンが駆動するように構成されていることが好ましく、更に、前記通風孔の外側開口部が、下向き又は斜め下向きに開口していることが好ましい。
また、前記通風孔の内側開口部の外周部に、シールリングが配置され、放熱弁が、前記通風孔の内側開口部を閉鎖する位置にあるとき、前記シールリングの本体から軸線方向へ弾性的に突出する環状のリップ部の先端が、放熱弁に対して全周的に密着するように構成されていることが好ましく、更に、前記通風孔のほかに、筐体のいずれかの部位に第二通風孔が形成され、予め設定された条件に応じて、放熱弁を含む第二開閉機構によって前記第二通風孔が自動的に開閉するように構成されていることが好ましい。
本発明に係るコンクリートバイブレータの電源部は、バイブレータの稼働時において、電子部品から発せられる熱によって筐体内の温度が過度に上昇したような場合において、自動的に通風孔を開放して換気を行い、筐体内を冷却することができるとともに、バイブレータの非稼働時においては、通風孔を閉鎖して、筐体内を密閉状態に維持し、水分等の異物の侵入を好適に防止することができる。
以下、本発明「コンクリートバイブレータの電源部」(以下、単に「電源部」と称する。)の実施形態について説明する。本発明に係る電源部は、筐体内に周波数変換器が収容されており、電源コードを介して電源部に入力された商用電源が、周波数変換器によって適切な周波数及び電圧に変換されて出力され、振動筒のモーターに供給されるように構成されている。
図1は、本発明に係る電源部の内部構造を示す部分断面図である。図示されているように、この電源部においては、筐体2の一つの側部2aに、換気用(排気用)の通風孔3が形成されている。この通風孔3の内側開口部3aは、予め設定された条件に応じて、筐体2内に配置された開閉機構(放熱弁4等)によって自動的に開閉するように構成されており、放熱弁4によって内側開口部3aを閉じることにより、筐体2内への異物(水分、塵埃等)の侵入を防止し、また、内側開口部3aを開放することにより、筐体2内の空気を通風孔3から外側へ排出して、筐体2内を冷却できるようになっている。尚、通風孔3の外側開口部3bは、通風孔3内への異物の侵入を可及的に防止できるように、下向き(斜め下向き)に開口している。
図2は、図1に示す放熱弁4を含む通風孔3の開閉機構の説明図である。この開閉機構は、放熱弁4、ソレノイド5(駆動手段)、リンク6、及び、バネ7(付勢手段)によって構成されている。これらのうち放熱弁4は、通風孔3の近傍位置において、筐体2の側部2a(図1参照)に対してピン4aにより枢着されており、ピン4aの中心軸線周りに、所定の角度範囲内(図2(2)に示す角度Aの範囲内)で回動可能なように構成されている。
ソレノイド5は、いわゆるプル型のソレノイドアクチュエータであり、内蔵するコイルへの通電により、プランジャ5a(可動鉄芯)が伸長状態から収縮状態に変位するように構成されている。より詳細には、プランジャ5aが、ソレノイド5の本体から外側へ大きく突出した状態(伸長状態)において、コイルへの通電が行われると、プランジャ5aが電磁力によって本体の内側方向(固定鉄芯側)へ引っ張られて、本体からのプランジャ5aの突出量が小さくなるように構成されている。
リンク6は、両端部が、放熱弁4とプランジャ5aの先端部にそれぞれ枢着されており、放熱弁4とプランジャ5aとを連結する手段として機能する。バネ7は、引張バネであり、一端が、放熱弁4とリンク6との枢着点(ピン4b)に係止され、他端が、放熱弁4(ピン4a)を基準としてソレノイド5とは反対側の位置(固定ピン7a)に固定されており、放熱弁4を、ソレノイド5とは反対側の方向へ常時付勢している。
また、筐体2内には、図1に示すように冷却ファン8が配置されている。この冷却ファン8は、開閉機構の近傍位置(但し、開閉機構の開閉動作に干渉しない位置)において、吹出口8aが、通風孔3の内側開口部3aに向かって開口する姿勢で固定されている。更に、筐体2内には、温度センサー(図示せず)が配置されており、コンクリートバイブレータの稼働中において、筐体2内の温度が常時監視されるようになっている。また、筐体2の側部のうち、図1に示す側部2aとは反対側の側部にも、図1に示す通風孔3と同様の第二通風孔(吸気用)(図示せず)が形成されており、その近傍には、図1に示す開閉機構(放熱弁4等)と同様の第二開閉機構(図示せず)が配置されている。
ここで、上記のような構成に係る電源部の開閉機構の動作態様について簡単に説明すると、まず、ソレノイド5が非駆動状態である場合(無通電時)、放熱弁4は、バネ7によって固定ピン7a側(ソレノイド5とは反対側)に引っ張られ、図2(1)に示す位置に定位し、内側開口部3aが閉鎖され、筐体2内が密閉された状態に維持される。
尚、内側開口部3aの外周部には、合成ゴム製(例えば、ニトリルゴム製)のシールリング9が配置されている。このシールリング9は、図3に示すように、環状のリップ部9aが、本体から軸線方向へ弾性的に突出する構造となっている。そして、図2(1)に示すように、放熱弁4が内側開口部3aを閉鎖する位置にあるとき、シールリング9のリップ部9aの先端が、放熱弁4に対して全周的に密着するように構成されており、内側開口部3aと放熱弁4との隙間から筐体2内へ異物(水分等)が侵入することを好適に阻止することができる。
コンクリートバイブレータを稼働させると、電源部内の周波数変換器において周波数及び電圧の変換が行われ、その際に電子部品が発熱して筐体2内の温度が上昇することになる。尚、コンクリートバイブレータの稼働中においては、温度センサーによって筐体2内の温度が常時監視されている。そして、筐体2内の温度が予め設定された温度(例えば70℃)を超えた場合、温度センサーの検出値に基づいて、ソレノイド5(図2参照)、第二開閉機構のソレノイド(図示せず)、及び、冷却ファン8(図1参照)を駆動させるための信号が発せられる。
ソレノイド5においては、前記信号に従ってコイルへの通電が開始され、プランジャ5aが収縮状態に変位して、リンク6がソレノイド5側へ引っ張られる。そして、バネ7による付勢力に抗して放熱弁4が図2(2)において実線で示す位置まで回動し、通風孔3(内側開口部3a)が開放される。また、第二開閉機構のソレノイドも同様に動作して、第二通風孔が開放される。更に、冷却ファン8も、前記信号に従って通電が開始されて駆動状態となり、筐体2内の空気が吸引されて吹出口8aから吹き出され、通風孔3を通って筐体2の外側に排出される。そして、同量の外気が第二通風孔から筐体2内へ流入して換気が行われ、筐体2内が冷却される。
通風孔3等の開放、及び、冷却ファン8の駆動によって筐体2内が冷却され、筐体2内の温度が予め設定された温度を下回る状態に復帰した場合、温度センサーの検出値に基づいて、ソレノイド5、第二開閉機構のソレノイド、及び、冷却ファン8における通電が停止される。ソレノイド5(及び、第二開閉機構のソレノイド)において通電が停止されると、放熱弁4が、バネ7によって固定ピン7a側に引っ張られ、図2(1)に示す位置に復帰し、通風孔3(及び、第二通風孔)が閉鎖され、筐体2内が密封状態となる。
コンクリートバイブレータの停止中(非稼働時)においては、ソレノイド5(及び、第二開閉機構のソレノイド)において通電が行われることはなく、非駆動状態が継続され、放熱弁4は、図2(1)に示す位置に定位し、通風孔3(及び、第二通風孔)は閉鎖され、筐体2内は密閉状態に維持される。
尚、上記実施形態においては、通風孔3は、筐体2の側部2aに形成されているが、それ以外の部位(例えば、上面部、又は、下面部等)に形成してもよい。また、上記実施形態においては、通風孔3の開閉機構の駆動手段(放熱弁4を変位させるための駆動力を供給する手段)としてソレノイド5(プル型のソレノイドアクチュエータ)が採用されているが、他の駆動手段を採用することもできる。更に、開閉機構の付勢手段として、バネ7以外の付勢手段を採用することもできる。
2:筐体、
2a:側部、
3:通風孔、
3a:内側開口部、
3b:外側開口部、
4:放熱弁、
4a,4b:ピン、
5:ソレノイド、
5a:プランジャ、
6:リンク、
7:バネ、
7a:固定ピン、
8:冷却ファン、
8a:吹出口、
9:シールリング、
9a:リップ部
2a:側部、
3:通風孔、
3a:内側開口部、
3b:外側開口部、
4:放熱弁、
4a,4b:ピン、
5:ソレノイド、
5a:プランジャ、
6:リンク、
7:バネ、
7a:固定ピン、
8:冷却ファン、
8a:吹出口、
9:シールリング、
9a:リップ部
Claims (6)
- 筐体内に周波数変換器が収容され、入力された電源が周波数変換器によって適切な周波数及び電圧に変換されて出力されて、モーターに供給されるように構成されたコンクリートバイブレータの電源部であって、
筐体のいずれかの部位に通風孔が形成され、
予め設定された条件に応じて、放熱弁を含む開閉機構によって前記通風孔が自動的に開閉するように構成されていることを特徴とするコンクリートバイブレータの電源部。 - 筐体内に温度センサーが配置され、コンクリートバイブレータの稼働中において筐体内の温度が監視され、筐体内の温度が予め設定された温度を超えた場合に、前記開閉機構が作動して、前記通風孔が開放されるように構成され、
コンクリートバイブレータの稼働中において筐体内の温度が予め設定された温度を下回る状態にあるとき、及び、コンクリートバイブレータが稼働していないときは、前記通風孔が閉鎖され、筐体内が密封状態となるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のコンクリートバイブレータの電源部。 - 冷却ファンが、筐体内において、前記通風孔に向かって吹出口が開口する姿勢で固定され、筐体内の温度が予め設定された温度を超えた場合に、冷却ファンが駆動するように構成されていることを特徴とする、請求項2に記載のコンクリートバイブレータの電源部。
- 前記通風孔の外側開口部が、下向き又は斜め下向きに開口していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のコンクリートバイブレータの電源部。
- 前記通風孔の内側開口部の外周部に、シールリングが配置され、
放熱弁が、前記通風孔の内側開口部を閉鎖する位置にあるとき、前記シールリングの本体から軸線方向へ弾性的に突出する環状のリップ部の先端が、放熱弁に対して全周的に密着するように構成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のコンクリートバイブレータの電源部。 - 前記通風孔のほかに、筐体のいずれかの部位に第二通風孔が形成され、
予め設定された条件に応じて、放熱弁を含む第二開閉機構によって前記第二通風孔が自動的に開閉するように構成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のコンクリートバイブレータの電源部。
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JP2019088690A JP2020184845A (ja) | 2019-05-09 | 2019-05-09 | コンクリートバイブレータの電源部 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Family Applications (1)
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JP2019088690A Pending JP2020184845A (ja) | 2019-05-09 | 2019-05-09 | コンクリートバイブレータの電源部 |
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2019
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