JP2020184815A - ゲルアクチュエータ - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、アクチュエータ全体の変化量を大きくするため、電極をメッシュ構造にしたり(特許文献2)、電極自体に凹凸をつけたり(特許文献3)して、ゲルが変形することができる場所を設けることにより、大きな変異を許容する技術が開発されている。
また非特許文献1には、10mm×50mmのステンレス箔上に、2mm×2mmの大きさに分割したゲルを4個×20個に並べて配置したゲルアクチュエータが記載され、その分割の目的は、横にゲルが這い出す隙間を作ることを目的としている。
非特許文献1に記載の構造は、厚さ方向への変形を避ける構造が開示されているが、具体的な構造の要件については開示されておらず、どのような構造であっても、アクチュエータとして十分な力が得られるような構造ではなかった。
さを薄くすることができ、かつ大きな力を得ることのできるアクチュエータを提供することを課題とする。
すなわち、ゲルを分割して変形が可能な周長を増やし、かつ分割されたゲルひとつあたりの面積をある一定値以下とすることにより、アクチュエータとして十分な力が発揮できることを見出し、本発明に到達した。
また、複数のゲルの島の設置場所に応じてゲルの体積や電極との接触面積を変化させることにより、設置場所に応じて不均一な力が必要となる場合に対応できるアクチュエータを得ることができることを見出した。
[1] 誘電性高分子材料を含むゲル部を複数備えるゲル層と、前記ゲル層を厚さ方向に挟む陽極及び陰極とからなる単位構造を備え、電圧印加により前記ゲル層を変形させ、前記陽極と前記陰極との間隔を変化させるゲルアクチュエータであって、
電圧印加前のゲル部と吸着側電極との接触部の(周長/面積)が2mm−1より大きく、かつ、
電圧印加前の前記ゲル部と吸着側電極との接触部の周長が、電圧印加後に増大する、ゲルアクチュエータ。
[2] 前記電圧印加前のゲル部と吸着側電極との接触部の(1/面積)が0.32mm−2より大きい、[1]に記載のゲルアクチュエータ。
[3] 前記ゲル部が島状である、[1]又は[2]に記載のゲルアクチュエータ。
[4] 前記ゲル部が、設計上の最大変形時においても、隣接するゲル部に、接触しない間隔を空けている、[1]〜[3]のいずれかに記載のゲルアクチュエータ。
[5] 電圧印加前の前記ゲル部と吸着側電極との接触部の面積が、ゲル部によって異なる、[1]〜[4]のいずれかに記載のゲルアクチュエータ。
また、本発明において、特段限定するような記載をしていない場合、「2つの電極」とは陽極と陰極の組み合わせであることを示す。また、「一方の電極」及び「もう一方の電極」の組み合わせを用いた場合、いずれか一方が陽極であり、もう一方が陰極であることを示す。
また、図1〜4のアクチュエータは模式的に表されたものであり、本発明は、これらの図中で表される各部材の大きさや各部材間の大きさの比率に限定されない。
また、本発明における「ゲル部」の記載は、特段の断りがない限り、ゲル層に備えられる1つの独立したゲル状物質を示し、さらに、「ゲル層」の記載は、特段の断りが無い限り、1つのゲル層に備えられる全てのゲル部を含む概念である。
また、本発明におけるゲル層(又はゲル部)と電極との「接触面」又は「接触部の面積」の記載は、特段の断りがない限り、ゲル層(又はゲル部)と、陽極又は陰極のいずれか一方との接触面又は接触面積を示す。
また、「接触部」とは、特段の断りがない限り、ゲル部と吸着側電極とが接触する部分を意味する。
また、本発明において、「複数」とは、「2以上」を意味する。
図1は、本発明の一実施形態である、ゲル層と2つの電極とからなる単位構造を備えるアクチュエータ1の構成と作用とを模式的に表した図である。アクチュエータ1は、ゲル部10を備えるゲル層11と、該ゲル層11を厚さ方向に挟む電極12及び電極13とからなる単位構造を備える。当該アクチュエータ1は、図1に示すように、電圧を印加しない状態においては、2つの電極間のゲル層11が均一な厚さとなっており、厚さ方向に電圧を印加すると、ゲルが変位し、アクチュエータ1の全体の厚さが小さくなる。
このように、アクチュエータ1は、2つの電極12及び13の間に電圧を印加する操作をON−OFFすることにより、変位状態と元の厚さに復帰する状態とを切り替えること
ができる。すなわち、アクチュエータ1は、電圧の印加操作によって厚さ方向に変位するアクチュエータとして作用する。
本発明では、上記ゲル部の吸着作用により裾状に広がった側の電極(図1の電極13)を「吸着側電極」と称する。
また、ゲル層に備えられる各ゲル部の平面方向のサイズを小さくすることにより、電圧印加時の変形量を増大させることができ、また、ゲル部の個数を増加させて高分子ゲルの総面積を増大させることにより、復元力を大きくすることができる。
この観点からみたゲル部のサイズの基準は、電圧印加前のゲル部と吸着電極との接触部の(周長/面積)が2mm−1より大きいことである。この条件を満たす最も簡単な構造は、そのゲル部が直径2mm超の円である構造である。より具体的には、「(周長/面積)」とは、(電圧印加前のゲル部と吸着側電極との接触部の周長/電圧印加前のゲル部と吸着側電極との接触部の面積)である。
ここで、(周長/面積)とは、ゲル部の変形に寄与する割合の指標を意味し、当該数値が大きいと、変形に寄与する部分が増大する。
そして、(周長/面積)は、2mm−1より大きいことが必要であるが、2.5mm−1より大きいことが好ましく、3mm−1より大きいことがより好ましく、4mm−1より大きいことが特に好ましい。これは、変形部分が周辺500μm程度であることを考えれば、ほぼ全域が変形する直径1mmの円柱状のゲル部に相当する。また、(周長/面積)は、特段上限を設ける必要はないが、通常400mm−1以下である。
周長や面積は、ゲル部断面の寸法測定やCTスキャン等を用いることにより測定することができる。もし異なる形状、大きさのものが多数存在する場合には、画像処理により、平均面積と平均周長を求めればよい。
また、(周長/面積)が上記範囲を満たしていれば、本発明の効果を阻害しない範囲で、アクチュエータ全体の一部に、(周長/面積)が上記の範囲よりも小さいゲル部を、少数(例えば個数で全体の2割以下程度)含んでいてもよい。
さらに、平面の高さ方向に変形することを出力とするゲルアクチュエータにおいて、面内での出力を不均等としたい場合(あるいは負荷が面方向で均等でない場合)、ゲル部の位置、分布密度、経分布を調整することにより、所望の変位出力を容易に発生させることができる。
も、電圧印加前のゲル部と吸着側電極との接触部の(1/面積)が挙げられる。この場合、(1/面積)が0.32mm−2より大きいことが好ましい。この条件を満たす最も簡単な構造は、そのゲル部が直径2mm超の円である構造である。より具体的には、「(1/面積)」とは、(1/電圧印加前のゲル部と吸着側電極との接触部の面積)である。
ここで、(1/面積)とは、ゲル部1つ当たりの接触面積の逆数を意味し、当該数値が大きいと、変形量や復元力が大きくなる。
そして、(1/面積)は、0.32mm−2より大きいことが好ましく、0.5mm−2より大きいことがより好ましく、0.8mm−2より大きいことがさらに好ましく、1.27mm−2より大きいことが特に好ましい。これは、変形部分が周辺500μm程度であることを考えれば、ほぼ全域が変形する直径1mmの円柱状のゲル部に相当する。また、(1/面積)は、特段上限を設ける必要はないが、通常10000mm−2以下、好ましくは100mm−2以下である。
面積は、ゲル部断面の寸法測定やCTスキャン等を用いることにより測定することができる。もし異なる形状、大きさのものが多数存在する場合には、画像処理により、平均面積と平均周長を求めればよい。
また、(1/面積)が上記範囲を満たしていれば、本発明の効果を阻害しない範囲で、アクチュエータ全体の一部に、(1/面積)が上記の範囲よりも小さいゲル部を、少数(例えば個数で全体の2割以下程度)含んでいてもよい。
さらに、平面の高さ方向に変形することを出力とするゲルアクチュエータにおいて、面内での出力を不均等としたい場合(あるいは負荷が面方向で均等でない場合)、ゲル部の位置、分布密度、経分布を調整することにより、所望の変位出力を容易に発生させることができる。
は0.05mm以上であり、より好ましくは0.1mm以上であり、特に好ましくは0.5mm以上であり、最も好ましくは1mm以上である。一方で、上限については特段設定する必要はないが、通常10mm以下である。
また、ゲル部と電圧印加前の吸着側電極との接触面積は、ゲル層に備えられる全てのゲル部が同一であってもよいが、異なっていてもよく、複数のゲルの島の設置場所に応じてゲルの体積や電極との接触面積を変化させることにより、設置場所に応じて不均一な力が必要となる場合に対応しやすくなる。
なお、複数の島は、規則的に配置されてよく、不規則であってよい。また、複数の島は同一の大きさであってよく、異なってもよい。
設計上の最大変形時とは、アクチュエータの設計時に設定される、変形が最も大きくなる状態であり、通常は設計上の最大電圧を印加した時の変形量である。
製した積層型で用いることができる。積層型で用いる場合、図3に示すように、隣接するアクチュエータの間に絶縁層を備えて積層させる態様、また、図4に示すように、隣接するアクチュエータの間にゲル層を備えて積層させる態様とすることができる。
なお、アクチュエータと電源やスイッチとの接続の態様は、特段制限されず、積層型の場合、例えば、図3に示すように、単位構造であるアクチュエータ毎に電源やスイッチを設けて接続する態様、また、図4に示すように、積層された単位構造であるアクチュエータの各々の電極に接続された導線を一つの電源やスイッチに接続させ、一つのスイッチのON−OFFで複数のゲルの変位を制御するような態様とすることができる。
上記の絶縁層の種類は、特段限定されず、例えば、シリコンの熱酸化膜(SiO2)、Si3N4、ZrO2、Y2O3、ZnO、Al2O3等を用いることができる。また、絶縁層の厚さは、用途に応じて適宜選択することができるが、良好な絶縁性を保持しつつ小型化を可能とする観点から、通常10nm〜10mmであり、好ましくは1μm〜5mmである。
なお、積層型のアクチュエータにおいて、該アクチュエータを構成する各部材の特性は、積層型アクチュエータ全体で評価してもよく、ゲル層と該ゲル層を厚さ方向に挟む陽極及び陰極とからなる単位構造ごとに評価してもよい。
アクチュエータ全体の厚さに対するゲル層の厚さの割合は、アクチュエータの用途に応じて任意に選択できるが、通常0.1から99.98%であり、1〜95%であることが好ましく、5〜90%であることがより好ましく、10〜85%であることがさらに好ましい。上記の下限以上とすることにより、無課電状態でゲル層がメッシュ等の隙間に入り込んでしまうことにより、変位長が小さくなる影響を小さくできるため好ましく、また、上記の上限以下とすることにより、メッシュとの接触確率を十分に維持でき、変位に必要な電圧を低くすることができる。
<2−1.ゲル部の原料>
ゲル層に備えられるゲル部は、誘電性高分子材料を含んでいれば、特段限定されず、以下に示す態様以外だけでなく、特開2012−23843号公報や特開2014−32152号公報等に開示されるゲルの原料を用いることができる。また、ゲル層が備える複数のゲル部の材料は、同じであっても、異なっていてもよいが、印加電圧による変化量を均一にできる観点から、同じであることが好ましい。
ゲル部材料は、電気刺激により屈曲変形やクリープ変形をなし、また、電位差をかけると収縮する材料である。ゲル部に含まれる誘電性高分子材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラール、ポリメタクリル酸メチル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ナイロン6、ポリビニルアルコール、ポリカーボネイト、ポリエチレンテレフタレート、及びポリアクリロニトリル、シリコーンゴム等を用いることができる。これらの中でも、印加電圧による変位量や発生力がより大きく出力される物質の観点から、ポリ塩化ビニル及びポリビニルブチラールが好ましい。これらの誘電性高分子材料の製法は、特段限定されず、一般に市販されているものを用いることができる。
くは10重量%以上であり、さらに好ましくは12重量%以上であり、特に好ましくは15重量%以上であり、また、好ましくは60重量%以下であり、より好ましくは50重量%以下であり、さらに好ましくは45重量%以下であり、特に好ましくは40重量%以下である。
れたゲルが経時的に変化し電気的特性が安定しやすくなる。一方20万以下とすることにより、得られたゲルが固くなりすぎず、電圧をかけた時の変位長が十分に得られる。
なお、ここでいう数平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によるポリ
スチレン換算の値を用いる。また市販品を使用する場合には、使用する製品によっては数平均分子量ではなく、計算分子量が記載されていることがあるが、数平均分子量と計算分子量は実質的に同様の値になるため、計算分子量も同様の範囲で用いることができる。
エチル(DESeb)、セバシン酸ジブチル(DBSeb)、セバシン酸ジオクチル(DOS
eb)等が挙げられる。これらの中でも、比較的取扱いやすく安定なゲル物質を得るため
の観点から、ジオールジエステル及びジカルボン酸ジエステルが好ましく、特に、誘電性高分子としてポリ塩化ビニルを用いた場合にはジオールジエステルやジカルボン酸ジエステルを用いることが好ましく、また、誘電性高分子としてポリビニルブチラールを用いた場合にはジカルボン酸ジエステルを用いることが好ましい。これらの誘電性高分子材料の製法は、特段限定されず、一般に市販されているものを用いることができる。
ゲル部の密度が上記範囲内であると、厚みが薄くなっても荷重を支えることが可能であり、厚みが厚くなってもアクチュエータの重量の増加を抑えることが可能であるという利点がある。なお、測定方法については、一般的な密度の測定方法を適用できる。
ゲル部の製造方法は、特段限定されず、特開2012−23843号公報や特開2014−32152号公報等に開示される一般的なゲルの製造方法により製造することができ、例えば、上述した各種原料に溶媒を加えた混合溶液を調製し、当該混合溶液をテフロン(登録商標)製シャーレ等の離型性のよい容器に移し、一定時間静置してゲル化させた後、容器から剥離することでゲル部を得ることができる。
前記ゲル層を厚さ方向に挟む陽極と陰極(これらをまとめて「2つの電極」とも称す)の形状は、特段制限されず、電圧の印加により変位したゲルが移動できる空間がある形状であってもよく、また、当該空間がない形状であってもよい。電圧の印加により変位したゲルが移動できる空間がある形状とは、例えば、電極の一部に切欠きを有する形状、凹凸を有する形状、網状の形状等が挙げられる。
上記の空間がある形状の場合、アクチュエータ全体の厚さを薄くすることができず、アクチュエータの大きさに対する変形量が小さくなってしまうため、空間がない形状である方が好ましい。
また、以下に示す電極の厚さや材料の種類は、陽極と陰極で同じであっても、異なっていてもよい。
ゲルアクチュエータは、自動車部品や電子部品、食品、医薬品、医療機器、製紙、検査機器等の種々の分野で用いられる機械部品において、入力されたエネルギー又はコンピュータが出力した電気信号を物理的運動に変換する機械・電気回路を構成する機械要素として用いることができる。特に、ゲルを用いたアクチュエータに特有の優れた伸縮性から、人工筋肉として応用することができ、人の動作を補助することを目的とする福祉機器や介護機器等に用いることができる。
10 ゲル部
11 ゲル層
12 電極
13 電極
14 絶縁層
Claims (5)
- 誘電性高分子材料を含むゲル部を複数備えるゲル層と、前記ゲル層を厚さ方向に挟む陽極及び陰極とからなる単位構造を備え、電圧印加により前記ゲル層を変形させ、前記陽極と前記陰極との間隔を変化させるゲルアクチュエータであって、
電圧印加前のゲル部と吸着側電極との接触部の(周長/面積)が2mm−1より大きく、かつ、
電圧印加前の前記ゲル部と吸着側電極との接触部の周長が、電圧印加後に増大する、ゲルアクチュエータ。 - 前記電圧印加前のゲル部と吸着側電極との接触部の(1/面積)が0.32mm−2より大きい、請求項1に記載のゲルアクチュエータ。
- 前記ゲル部が島状である、請求項1又は2に記載のゲルアクチュエータ。
- 前記ゲル部が、設計上の最大変形時においても、隣接するゲル部に、接触しない間隔を空けている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲルアクチュエータ。
- 電圧印加前の前記ゲル部と吸着側電極との接触部の面積が、ゲル部によって異なる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のゲルアクチュエータ。
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