JP2020183647A - 削孔位置決め方法および削孔位置決め制御装置 - Google Patents
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Description
ここで、「発破パターン」には、削孔機が切羽を削孔する際の位置制御情報として、削孔ビットの切羽面における削孔始点の位置(孔口位置とも言う)、および削孔の差し角が含まれている。また、「最外周孔」とは、差し角を最小にした状態で、削孔機が切羽を削孔することができる、切羽の最外周部より内側の位置(所定位置)に位置する孔口を言う。
まず、図1〜図3を用いて、本発明の概念について説明する。
この余掘り量に応じて余掘りを低減させるように最外周孔の差し角を自動で変更するシステムを考案した。その概念は、図1〜図3のとおりである。
ここで、図1、図2は、いずれもトンネルの切羽の前面側から見たときの切羽の円周面(切羽面)の1/4の横断図(トンネル方向に対して垂直な断面図)を示している。また、切羽の円周面とは、図1、図2で示す横軸SLと縦軸CLとの交点を原点Oとして、トンネルの半径で円周を描いたときの設計堀削面(あるいは設計吹付け面)を言う。
また、図1、図2においては、切羽の円周面における削孔始点P1〜P7を表している。ここで、削孔始点P1〜P7は、切羽面における最外周孔の位置を表している。
すなわち、削孔始点に対応して設けられる削岩機の削孔ビットは、設計堀削面の外周側に存在する余掘りを、余掘量に応じて低減させるように、差し角を変更して行うため、余掘量が多い状態となってしまう場所の余掘量を低減できる。
図4に示すように、本実施形態における差し角変更システム100は、3Dスキャナ部10と、削孔位置決め制御装置20と、サーボ機構30と、を含んで構成される。
サーボ機構30は、公知の装置であり、削岩機内に内蔵され、削孔位置決め制御装置20からの位置制御信号(最外周孔の位置、および差し角)に基づいて、削岩機の削孔ビットを所定の削孔位置(最外周孔の位置)に誘導して位置決めし、削孔ビットによる削孔を実行する機能を有する。
平均余掘り深さ算出部21は、3Dスキャナ部10から取得したデータから、設計掘削面に対して、どの程度の余掘りが発生しているのか定量的に把握する。
そして、平均余掘り深さ算出部21は、切羽面の外周に設定される余掘り評価範囲における余掘り量の平均余掘り深さを算出する。
また、差し角算出部22は、平均余掘り深さ算出部21が算出した平均余掘り深さと、前回の削孔の差し角と、に基づいて、今回の削孔の差し角を算出する。
差し角算出部22は、記憶部23が記憶する前回の削孔位置および前回の削孔の差し角に基づいて、余掘り評価範囲に対応する、今回の削孔位置および今回の削孔の差し角を算出する。
図5(a)は、発破パターンにおける削孔始点P1〜P13(図1あるいは図2の削孔始点P1〜P7に対応する)の横断図を示している。また、図5(b)は、削孔始点P7における切羽(前回切羽および今回切羽)の縦断図を示している。また、図6は、削孔始点P7における前回削孔および今回削孔における差し角(差し角θnおよび差し角θn+1)を示している。
また、図中の1200は、設計堀削面の円形における余掘り評価範囲の角度Θを12度とした場合、12度×削孔始点数15=180度となるように決められた数値である。
ここで、削孔始点数15とは、余掘り評価範囲13個に対応する削孔始点P1〜P13の13個と、2個(削孔始点P1の半時計回り側に存在する削孔始点P0と、削孔始点P13の時計回り側に存在する削孔始点P14)とを合計した値である。
つまり、設計堀削面(あるいは設計吹付け面)は、例えば、原点Oより上側の半径5700(mm)の半円形と、原点Oより下側の高さ2200(mm)の直線と、を有した構成である。
なお、余掘り評価範囲No.1〜No.13に対応して設定される削孔始点P1〜P13は、設計堀削面の円形の原点Oからの位置が、削孔始点が所定の位置となるように(最外周孔となるように)設定されている。
なお、図5(b)は、図6に示す前回削孔での削項長(今回削孔で示す直線の削孔始点P7からの距離)が1100(mm)であったことを示している。
ここで、前回の差し角θnに対応する削孔始点P7の位置は、図6に示す前回切羽における最外周孔の位置を示している。
また、今回の差し角θn+1に対応する削孔始点P7の位置は、図6に示す今回切羽における最外周孔の位置を示している。
また、図6においては、平均余掘り深さΔの下方に吹付け厚t(図3に示す吹付けコンクリートに対応する余掘りの厚さ)があることを示している。
ここで、孔尻が掘削不足になっている可能性があるため、平均余掘り深さ算出部21は、3Dスキャナ部10から取得したデータから、前回切羽からα×lまでの範囲のデータ(図6の平均余掘りに対応するデータ)を使用して、平均余掘り深さΔnを算出する。
なお、αは、設定値であって、α≦1なる値である。
α×l×tanθn+1=α×l×tanθn−Δn…(1)
但し、式(1)により算出するのは、θn+1≧θminの場合(今回の削孔での差し角θn+1が最小差し角以上の場合)である。なお、最小差し角θminは、例えば、θmin=3°程度の機械特性による値である。
すなわち、下記式(2)により位置移動量δを算出し、算出した移動量δに基づいて、削孔始点P7の位置を前回の最外周点の位置から位置移動させる。
δ=β×Δn…(2)
ただし、設定値βはβ≦1であり、β=1とした場合は、計掘削面まで掘削できない可能性があるため、今後実験を行い、式(1)の右辺α×l×tanθn−ΔnのΔnを1/2×Δnや1/3×Δnに変更する可能性もあるため、β≦1としている。
平均余掘り深さ算出部21は、平均余掘り深さΔnを算出する(ステップS1)。
具体的には、平均余掘り深さ算出部21は、切羽面の外周に設定される余掘り評価範囲(No.1〜No.13)のうちの1つの余掘り評価範囲における余掘り量の平均余掘り深さΔnを算出する。
具体的には、差し角算出部22は、算出された平均余掘り深さΔnと、前回の削孔の差し角θnと、に基づいて、今回の削孔の差し角θn+1を、式(1)を用いて算出する。
具体的には、差し角算出部22は、今回の削孔の差し角θn+1が、最小差し角θmin以上であるか否かを判定する。
具体的には、差し角算出部22は、今回の削孔の差し角θn+1が、最小差し角θmin以上である場合、今回の削孔の差し角を、式(1)により算出した結果である今回の削孔の差し角θn+1とする。
そして、孔口の位置を変更しない(ステップS5)。
具体的には、差し角算出部22は、孔口を、前回の削孔の差し角θnを使用して削孔を行った最外周孔の位置から変更しない。
具体的には、差し角算出部22は、今回の削孔の差し角θn+1を最小差し角θminとする。
そして、孔口を、位置移動量δだけ位置移動させる(ステップS7)。
具体的には、差し角算出部22は、前回の削孔の差し角θnを使用して削孔を行った最外周孔の位置から、トンネルの半径方向の内面側に位置移動量δだけ位置移動させた位置を算出する。
具体的には、差し角算出部22は、ステップS4およびS5、またはステップS6およびS7において、算出した位置制御信号(最外周孔の位置、および差し角)を、サーボ機構30に対して出力する。
これにより、サーボ機構30は、差し角算出部22からの位置制御信号(最外周孔の位置、および差し角)に基づいて、削岩機の削孔ビットを所定の削孔位置(最外周孔の位置)に誘導して位置決めし、削孔ビットによる削孔を実行する。
削孔位置決め方法は、平均余掘り深さ算出工程と、差し角算出工程と、を備える。
平均余掘り深さ算出工程は、前記切羽面の外周に設定される余掘り評価範囲における余掘り量の平均余掘り深さを算出する工程である。
また、差し角算出工程は、算出された前記平均余掘り深さと、前回の削孔の差し角と、に基づいて、今回の削孔の差し角を算出する工程である。
20 削孔位置決め制御装置
30 サーボ機構
21 平均余掘り深さ算出部
22 差し角算出部
23 記憶部
Claims (6)
- トンネル工事に使用される削岩機が切羽面を削孔する際に、削孔する位置を算出する削孔位置決め方法であって、
前記切羽面の外周に設定される余掘り評価範囲における余掘り量の平均余掘り深さを算出する平均余掘り深さ算出工程と、
算出された前記平均余掘り深さと、前回の削孔の差し角と、に基づいて、今回の削孔の差し角を算出する差し角算出工程と、
を備えることを特徴とする削孔位置決め方法。 - 前記差し角算出工程は、
算出された前記今回の削孔の差し角が予め定めた最小差し角未満となる場合は、
差し角を前記最小差し角にし、
前記削孔する位置である孔口を、前記平均余掘り深さに基づいて、前記切羽面の半径方向の内面側に移動させる位置移動量を算出する位置移動量算出工程を
含むことを特徴とする請求項1に記載の削孔位置決め方法。 - 前記前回の削孔の差し角をθn、前記平均余掘り深さをΔn、前記今回の削孔の差し角をθn+1、1発破進行長をl、設定値をα(≦1)、β(≦1)とすると、
前記位置移動量算出工程は、α×l×tanθn+1=α×l×tanθn−β×Δnで表される式により前記位置移動量β×Δnを算出する工程である
ことを特徴とする請求項2に記載の削孔位置決め方法。 - トンネル工事に使用される削岩機が切羽面を削孔する際に、削孔する位置を算出する削孔位置決め制御装置であって、
前記切羽面の外周に設定される余掘り評価範囲における余掘り量の平均余掘り深さを算出する平均余掘り深さ算出部と、
算出された前記平均余掘り深さと、前回の削孔の差し角と、に基づいて、今回の削孔の差し角を算出する差し角算出部と、
を備えることを特徴とする削孔位置決め制御装置。 - 前記差し角算出部は、
算出された前記今回の削孔の差し角が予め定めた最小差し角未満となる場合は、
差し角を前記最小差し角にし、
前記削孔する位置である孔口を、前記平均余掘り深さに基づいて、前記切羽面の半径方向の内面側に移動させる位置移動量を算出する
ことを特徴とする請求項4に記載の削孔位置決め制御装置。 - 前記前回の削孔の差し角をθn、前記平均余掘り深さをΔn、前記今回の削孔の差し角をθn+1、1発破進行長をl、設定値をα(≦1)、β(≦1)とすると、
前記差し角算出部は、α×l×tanθn+1=α×l×tanθn−β×Δnで表される式により前記位置移動量β×Δnを算出する
ことを特徴とする請求項5に記載の削孔位置決め制御装置。
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