JP2020183006A - 切削加工機および原点の設定方法 - Google Patents

切削加工機および原点の設定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被加工物を所望の形状に切削加工すること。【解決手段】切削加工機10は、スピンドルと、回転保持部材70を有する保持部材と、制御装置80と、を備えている。制御装置80は、Z軸方向の第1位置に検出治具の検出部材が位置した状態で、検出ツールと検出部材とが接触した点の第1の座標値を取得する第1取得部82と、Z軸方向の第2位置に検出部材が位置する状態で、検出ツールと検出部材とが接触した点の第2の座標値を取得する第2取得部83と、第1の座標値および第2の座標値に基づいて、Z軸に直交する仮想直線LLとA軸とのなす特定角度αを算出する算出部84と、B軸回りに回転保持部材70を特定角度αだけ回転させて、Z軸とA軸とが直交するときの回転保持部材70の位置をB軸の原点に設定する原点設定部85と、を備えている。【選択図】図9

Description

本発明は、切削加工機および原点の設定方法に関する。
従来から、加工ツールをスピンドルの中心軸回り(以下S軸回りとする)に回転させて被加工物を切削加工する切削加工機が知られている。この種の切削加工機として、例えば、特許文献1には、被加工物を切削加工する加工ツールを把持するスピンドルと、被加工物を保持する保持部とを備えた切削加工機が開示されている。
スピンドルは、例えば、XYZ座標系のY軸方向およびZ軸方向に移動可能に設けられており、加工ツールをZ軸方向に延びるS軸回りに回転させるように構成されている。また、保持部は、XYZ座標系のX軸方向に移動可能に設けられており、被加工物をX軸方向に延びるA軸回りおよびY軸方向に延びるB軸回りに回転可能に保持するように構成されている。加工ツールと被加工物との相対的な位置関係を三次元で変化させて、加工ツールによって切削加工される被加工物の部位を適宜変更させることで、被加工物を所望の形状に加工することができる。
特開2017−13155号公報
ところで、切削加工機を組み立てる際に、Z軸とX軸とは直交するように設定される。ところが、部品の組み立て誤差や温度変化による熱膨張等によって、Z軸とX軸とのなす角度が90°から微小にずれることがあり得る。ここで、通常、A軸はX軸に平行となるように設けられている。このため、Z軸とX軸とのなす角度が90°ではない場合に被加工物をA軸回りに例えば180°回転させて一定の厚さの窪みを被加工物に切削加工すると、X軸方向の厚みに誤差が生じる虞がある。即ち、被加工物を所望の形状に切削加工することができない虞がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、Z軸とX軸とのなす角度が90°から微小にずれている場合であっても、被加工物を所望の形状に切削加工することができる切削加工機を提供することである。
本発明に係る切削加工機は、互いに交差する3軸をX軸、Y軸およびZ軸とする座標系を有し、かつ、前記X軸方向に延びる軸をA軸、前記Y軸方向に延びる軸をB軸、前記Z軸方向に延びる軸をS軸とする切削加工機である。前記切削加工機は、前記Z軸方向および前記Y軸方向に移動可能かつ前記S軸回りに回転可能に構成され、加工ツールおよび検出ツールのいずれか一方を着脱自在に把持するスピンドルと、前記加工ツールによって切削加工される被加工物または前記検出ツールによって検出される検出部材を有する検出治具を保持し、前記X軸方向に移動可能かつ前記A軸回りおよび前記B軸回りに回転可能に構成された回転保持部材を有する保持部材と、前記スピンドルおよび前記保持部材を制御する制御装置と、を備えている。前記制御装置は、前記Z軸方向の所定の第1位置に前記検出部材が位置するように、前記回転保持部材に保持された前記検出治具を前記A軸回りに回転させた状態で、前記検出ツールを把持した前記スピンドルを前記Z軸方向に移動させかつ前記回転保持部材を前記X軸方向に移動させることにより、前記検出ツールと前記検出部材とが接触した点の第1の座標値を取得する第1取得部と、前記第1位置とは異なる位置であって、前記Z軸方向の所定の第2位置に前記検出部材が位置するように、前記回転保持部材に保持された前記検出治具を前記A軸回りに回転させた状態で、前記検出ツールを把持した前記スピンドルを前記Z軸方向に移動させかつ前記回転保持部材を前記X軸方向に移動させることにより、前記検出ツールと前記検出部材とが接触した点の第2の座標値を取得する第2取得部と、前記第1の座標値および前記第2の座標値に基づいて、前記B軸方向から見て前記Z軸に直交する仮想直線と前記A軸とのなす特定角度を算出する算出部と、前記B軸回りに前記回転保持部材を前記特定角度だけ回転させて、前記Z軸と前記A軸とが直交するときの前記回転保持部材の位置を前記B軸の原点に設定する原点設定部と、を備えている。
本発明の切削加工機によると、原点設定部は、B軸回りに回転保持部材を特定角度だけ回転させて、Z軸とA軸とを直交させる。そして、原点設定部は、Z軸とA軸とが直交するときの回転保持部材の位置をB軸の原点に設定する。これにより、A軸回りに被加工物を回転させて被加工物の表から加工する場合と被加工物の裏から加工する場合とにおいて例えばX軸方向の厚みの誤差の発生を抑制することができる。このように、部品の組み立て誤差や温度変化による熱膨張等によって、Z軸とX軸とのなす角度が90°から微小にずれている場合であっても、被加工物を所望の形状に切削加工することができる。
本発明によれば、Z軸とX軸とのなす角度が90°から微小にずれている場合であっても、被加工物を所望の形状に切削加工することができる切削加工機を提供することができる。
一実施形態に係る切削加工機の斜視図である。 一実施形態に係る切削加工機の正面図である。 一実施形態に係る切削加工機の断面図である。 一実施形態に係る回転保持部材および回転支持部材の平面図である。 一実施形態に係る回転保持部材および回転支持部材の平面図であり、回転保持部材に保持具が取り付けられている状態を示す図である。 一実施形態に係るツールマガジンの斜視図である。 一実施形態に係る移動機構の斜視図である。 一実施形態に係る検出治具の斜視図である。 一実施形態に係る切削加工機の制御系のブロック図である。 一実施形態に係る加工ツールおよび検出ツールを示す模式図である。 Z軸に対して垂直にB軸の原点を設定する手順を示したフローチャートである。 一実施形態に係る検出治具の検出部材が第1位置にある状態を示す斜視図である。 一実施形態に係る検出治具の検出部材が第2位置にある状態を示す斜視図である。 特定角度を算出する手順を説明する説明図である。 一実施形態に係る回転保持部材の側面図である。 X軸に対して水平にB軸の原点を設定した後に被加工物を切削した状態を示す模式図である。 一実施形態に係る回転保持部材の側面図である。 Z軸に対して垂直にB軸の原点を設定した後に被加工物を切削した状態を示す模式図である。 一実施形態に係る回転保持部材の側面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る切削加工機を説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
図1は、切削加工機10の斜視図である。図2は、切削加工機10の正面図である。図3は、切削加工機10の断面図である。以下の説明では、切削加工機10を正面から見たときに、切削加工機10から遠ざかる方を前方、切削加工機10に近づく方を後方とする。左、右、上、下とは、切削加工機10を正面から見たときの左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。また、図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を意味するものとする。本実施形態では、切削加工機10は、互いに交差する3軸をX軸、Y軸およびZ軸とするXYZ座標系に配置されている。ここでは、X軸は前後方向に延びる軸である。図3に示すように、本実施形態ではX軸は水平方向からθだけ傾いている。なお、X軸は、水平方向と同じ方向に延びていてもよい。Y軸は左右方向に延びる軸である。Z軸は上下方向に延びる軸である。図3に示すように、本実施形態ではZ軸とX軸とのなす角度をθαとする。なお、Z軸は、鉛直方向と同じ方向に延びていてもよい。また、切削加工機10において、X軸方向に延びる軸をA軸、Y軸方向に延びる軸をB軸、Z軸方向に延びる軸をS軸とする。S軸は、後述するスピンドル60(図2参照)の中心軸である。B軸は、例えば、Y軸に平行に設けられている。S軸は、例えば、Z軸に平行に設けられている。符号θA、θB、θSは、それぞれA軸回り、B軸回り、S軸回りの回転方向を示している。ただし、上述した方向は、説明の便宜上定めた方向に過ぎず、切削加工機10の設置態様を何ら限定するものではなく、本発明を何ら限定するものではない。
切削加工機10は、被加工物5(図4参照)を切削加工および必要に応じて研磨する装置である。切削加工機10は、例えば、被加工物5を切削加工して歯冠補綴物を作製する。被加工物5の形状は、例えば、円板状である。被加工物5は、ブロック状(例えば角柱状)であってもよい。被加工物5は、ジルコニア、ワックス、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ハイブリッドレジン、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン樹脂)、石膏などの各種の材料によって形成されている。被加工物5の材料としてジルコニアを用いるときには、例えば、半焼結したジルコニアが用いられる。ただし、被加工物5の形状および材料は特に限定されない。
図4に示すように、本実施形態では、被加工物5には保持具8が取り付けられている。被加工物5は、保持具8が取り付けられた状態で切削加工機10(図1参照)に収容され、かつ、切削加工される。ここでは、保持具8の中央部分には、挿入孔8aが形成されている。この挿入孔8aに被加工物5が挿入されることで、保持具8に被加工物5が取り付けられる。保持具8は、被加工物5を保持する。
図4に示すように、保持具8の後部左側には、保持具8から後方に向かって突出する第1係止突起8bが形成されている。保持具8の前部左側には、保持具8から前方に向かって突出する第2係止突起8cが形成されている。保持具8の後部右側には、第1押し当て溝8dが形成されている。第1押し当て溝8dは、保持具8の後面から前方へ向かって凹んでいる。保持具8の前部右側には、第2押し当て溝8eが形成されている。第2押し当て溝8eは、保持具8の前面から後方に向かって凹んでいる。保持具8の右端部には、2つの位置決め溝8fが形成されている。2つの位置決め溝8fは、保持具8の右面から左方に向かってそれぞれ凹んでいる。
図1に示すように、切削加工機10は、箱状に形成されている。切削加工機10は、ケース本体12と、フロントカバー25、制御装置80とを備えている。ケース本体12は、下壁13と、左壁14(図2も参照)と、右壁15と、後壁16(図3も参照)と、上壁17と、前壁18と、区画底壁19(図3参照)と、区画後壁20(図3参照)と、区画上壁21(図3参照)と、区画側壁23(図3参照)とを有している。左壁14は、下壁13の左端から上方に向かって延びている。右壁15は、下壁13の右端から上方に向かって延びている。後壁16は、下壁13の後端から上方に向かって延びている。後壁16の左端は左壁14の後端に接続され、後壁16の右端は右壁15の後端に接続されている。前壁18は、下壁13の前端から上方に向かって延びている。前壁18の左端は左壁14の前端に接続され、前壁18の右端は右壁15の前端に接続されている。前壁18には、開口18A(図2参照)が形成されている。上壁17は、左壁14、右壁15、後壁16および前壁18のそれぞれの上端に接続されている。図3に示すように、区画底壁19は、下壁13より上方に配置されている。区画上壁21は、区画底壁19より上方かつ上壁17より下方に配置されている。区画後壁20は、後壁16より前方かつ前壁18より後方に配置されている。区画側壁23は、左壁14より右方かつ右壁15より左方に配置されている。区画側壁23は、区画底壁19から上方に延びる。区画側壁23は、区画底壁19と区画上壁21と区画後壁20とに接続されている。
図3に示すように、切削加工機10には、区画底壁19、左壁14(図2参照)、区画後壁20、区画上壁21、区画側壁23、前壁18によって囲まれた内部空間26が形成されている。内部空間26は、被加工物5の切削加工が行われる加工エリアである。切削加工機10には、区画底壁19、右壁15(図2参照)、区画後壁20、区画上壁21、区画側壁23、前壁18によって囲まれた第1収容空間27(図2参照)が形成されている。第1収容空間27には、後述する移動機構58が収容される。
フロントカバー25は、左壁14の前端および右壁15の前端に上下方向に移動自在に設けられている。フロントカバー25が上方に移動してフロントカバー25が開くと、内部空間26が外部と連通する。フロントカバー25が下方に移動してフロントカバー25が閉じると、内部空間26は外部から隔離される。図2では、フロントカバー25が上方に移動して内部空間26が外部と連通している状態が示されている。フロントカバー25には、窓26Aが設けられている。窓26Aは、例えば、透明のアクリル板によって形成されている。作業者は、窓26Aを通じて内部空間26を視認することができる。
図2に示すように、切削加工機10は、スピンドル60と、キャリッジ38と、保持具8(図4参照)を保持する保持部材35と、保持部材35を移動させる移動機構58と、を備えている。図3に示すように、スピンドル60の一部およびキャリッジ38は、区画上壁21、左壁14、右壁15、区画後壁20、上壁17および前壁18によって囲まれた第2収容空間28(図3参照)に配置されている。スピンドル60の他の一部は、内部空間26に配置されている。スピンドル60は、区画上壁21に形成された開口21Hに挿通されている。保持部材35は、内部空間26に配置されている。
図2に示すように、スピンドル60は、キャリッジ38に搭載されている。スピンドル60は、キャリッジ38によってZ軸方向およびY軸方向に移動可能に構成されている。スピンドル60は、S軸回りθSに回転可能に構成されている。スピンドル60は、後述する加工ツール6Aおよび検出ツール6Bのいずれか一方を着脱自在に把持する。スピンドル60は、円柱状に形成された本体部62と、本体部62に設けられた回転部63と、回転部63の下端に設けられかつ加工ツール6Aおよび検出ツール6Bを把持する把持部64と、を備えている。回転部63が本体部62に対してS軸回りθSに相対的に回転することによって、加工ツール6AがS軸回りθSに回転する。回転部63は、制御装置80に制御される。
図10に示すように、被加工物5を切削加工するときには、加工ツール6Aが用いられる。加工ツール6Aにはフランジ7Cが設けられている。加工ツール6Aが後述するツールマガジン40の孔部42(図6参照)に挿入された状態において、フランジ7Cよりも上方に位置する被把持部7Aがツールマガジン40の上面40A(図6参照)から突出する。そして、この被把持部7Aがスピンドル60の把持部64に把持される。フランジ7Cよりも下方には、刃物部7Bが設けられている。回転状態の加工ツール6Aの刃物部7Bが被加工物5に接触することで、被加工物5が切削加工される。加工ツール6Aは、一般に被把持部7Aよりも刃物部7Bの直径DTが小さくなるよう形成されている。加工ツール6Aの刃物部7Bは、被加工物5の材質や、切削加工量に応じて徐々に摩耗する。加工ツール6Aが把持部64に把持されたときのフランジ7Cから刃物部7Bの下端(先端)までの長さLTは、加工ツール6Aごとに異なる。図10に示す例では、長さLTが相互に異なる3つの加工ツール6AA、6ABおよび6ACが図示されている。加工ツール6Aは、金属等の導電性材料により形成されている。
図10に示すように、切削加工機10の位置補正を行うときには、検出ツール6Bが用いられる。切削加工機10の位置補正とは、スピンドル60と保持部材35との相対的な位置関係を補正することであり、従来公知の方法で行われる。検出ツール6Bにはフランジ9Cが設けられている。検出ツール6Bがツールマガジン40の孔部42(図6参照)に挿入された状態において、フランジ9Cよりも上方に位置する被把持部9Aがツールマガジン40の上面40A(図6参照)から突出する。そして、この被把持部9Aがスピンドル60の把持部64に把持される。フランジ9Cよりも下方には、検出部9Bが設けられている。検出ツール6Bの検出部9Bは、後述する検出治具30の検出部材32(図8参照)と接触する。検出ツール6Bは、検出部9Bの直径DXが一定になるよう形成されている。検出部9Bの直径DXは、加工ツール6Aの刃物部7Bの直径DTより大きい。検出ツール6Bが把持部64に把持されたときのフランジ9Cから検出部9Bの下端(先端)までの長さLXは、加工ツール6Aにおけるフランジ7Cから刃物部7Bの下端(先端)までの長さLTよりも長いことがほとんどである。図10に示す例では、検出ツール6Bの長さLXと加工ツール6AAの長さLTと同じであり、検出ツール6Bの長さLXは加工ツール6ABの長さLTよりもΔP1だけ長く、検出ツール6Bの長さLXは加工ツール6ACの長さLTよりもΔP2だけ長い。検出ツール6Bは、金属等の導電性材料により形成されている。
図2に示すように、キャリッジ38は、Z軸方向およびY軸方向に移動自在に設けられている。キャリッジ38は、スピンドル60をZ軸方向およびY軸方向に移動させる。キャリッジ38は、第1キャリッジ38Aと第2キャリッジ38Bとを備えている。第1キャリッジ38Aは、左右方向に延びる一対の第1ガイドシャフト39Aに支持されている。本実施形態では、第1ガイドシャフト39Aが伸びる方向をY軸に設定している。第1キャリッジ38Aは、第1駆動機構38C(図9参照)によって、第1ガイドシャフト39Aに沿ってY軸方向に移動することができる。第1ガイドシャフト39Aは、第2収容空間28(図3参照)内に設けられている。第1ガイドシャフト39Aの左端は、左壁14に接続している。第1ガイドシャフト39Aの右端は、右壁15に接続している。第2キャリッジ38Bは、上下方向に延びる一対の第2ガイドシャフト39Bに支持されている。本実施形態では、第2ガイドシャフト39Bが伸びる方向をZ軸に設定している。第2キャリッジ38Bは、第2駆動機構38D(図9参照)によって、第2ガイドシャフト39Bに沿ってZ軸方向に移動することができる。第2ガイドシャフト39Bは、第1キャリッジ38Aに設けられている。このため、第1キャリッジ38AがY軸方向に移動すると、第2キャリッジ38Bも同様にY軸方向に移動する。第1駆動機構38Cおよび第2駆動機構38Dは、制御装置80(図1参照)に制御される。
図2に示すように、保持部材35は、ツールマガジン40と、回転支持部材50と回転保持部材70(図4参照)とを備えている。図2に示すように、ツールマガジン40は、回転支持部材50と移動機構58との間に設けられている。ツールマガジン40は、移動機構58に接続されている。ツールマガジン40は、移動機構58がX軸方向に移動することによって、X軸方向に移動可能に構成されている。図6に示すように、ツールマガジン40は、複数の加工ツール6Aおよび1つの検出ツール6Bを収容することが可能な部材である。ツールマガジン40は、箱状に形成されている。ツールマガジン40の上面40Aには、加工ツール6Aおよび検出ツール6Bを収容する複数の孔部42が形成されている。加工ツール6Aおよび検出ツール6Bは、その上部が露出された状態で孔部42に挿入される。なお、加工ツール6Aまたは検出ツール6Bを交換する際には、スピンドル60の把持部64によって把持されている加工ツール6Aまたは検出ツール6Bを孔部42に戻す。そして、次に使用する加工ツール6Aまたは検出ツール6Bの上方の位置までスピンドル60を移動させ、把持部64の下方に位置する加工ツール6Aの被把持部7A(図10参照)または検出ツール6Bの被把持部9A(図10参照)を把持部64が把持する。
図6に示すように、ツールマガジン40の上面40Aには、加工ツール6Aまたは検出ツール6Bが接触したことを検知することができるツールセンサ45が設けられている。ツールセンサ45は、導電性材料から形成された上面45Aを有する。ツールセンサ45は、ツールマガジン40の上面40Aから突出するように形成されている。本実施形態では、加工ツール6Aおよび検出ツール6Bが導電性材料から形成されているため、ツールセンサ45は、加工ツール6Aまたは検出ツール6Bを把持するスピンドル60とツールセンサ45の上面45Aとの間が電気的に導通されることにより、ツールセンサ45と加工ツール6Aまたは検出ツール6Bとの接触を検知することができる。
図2に示すように、ツールマガジン40の右方には、保持部材35のツールマガジン40をX軸方向に移動させる移動機構58が設けられている。図7に示すように、移動機構58は、本体ケース59Aと、第3ガイドシャフト59Bと、ガイドキャリッジ59Cと、第1モータ59Dと、連結部材59Eとを備えている。本体ケース59Aは、直方体形状に形成されている。本体ケース59Aは、第1収容空間27(図2参照)に収容されている。第3ガイドシャフト59Bは、前後方向に延びる。本実施形態では、第3ガイドシャフト59Bが伸びる方向をX軸に設定している。第3ガイドシャフト59Bは、本体ケース59A内に配置されている。ガイドキャリッジ59Cは、第3ガイドシャフト59Bに摺動自在に支持されている。ガイドキャリッジ59Cは、第1モータ59Dを駆動することによって、第3ガイドシャフト59Bに沿ってX軸方向に移動することができる。第1モータ59Dは、制御装置80(図1参照)に制御される。ガイドキャリッジ59Cの左方には、ツールマガジン40とガイドキャリッジ59Cとを連結する連結部材59Eが設けられている。
図7に示すように、ツールマガジン40には、回転支持部材50を回転可能に支持する回転軸46が設けられている。回転軸46は、Y軸方向に延びている。図4に示すように、回転軸46には、回転支持部材50が連結されている。ツールマガジン40には、回転軸46をB軸回りθBに回転させる第2モータ47(図9参照)が設けられている。第2モータ47は、制御装置80(図1参照)に制御される。第2モータ47が駆動することで、回転軸46がB軸回りθBに回転する。そして、回転軸46の回転に伴い、回転支持部材50はB軸回りθBに回転する。
図2に示すように、回転支持部材50は、回転軸46を介してツールマガジン40に接続されている。回転支持部材50は、B軸回りθBに回転可能に構成されている。回転支持部材50は、回転保持部材70をA軸回りθAに回転可能に支持している。図4に示すように、回転支持部材50は、平面視において、略U字形状に形成されている。回転支持部材50は、第1部分51と、第2部分52と、第3部分53とを備えている。第1部分51は、X軸方向に延びている。第1部分51には、回転軸46が連結されている。第2部分52は、第1部分51の後端から左方に向かって延びている。第3部分53は、第1部分51の前端から左方に向かって延びている。第2部分52と第3部分53とは、互いに対向している。回転保持部材70は、第2部分52の左部、および、第3部分53の左部に回転可能に支持されている。なお、第3部分53には、第3モータ55を収容するケース56が設けられている。第3モータ55は、回転保持部材70をA軸回りθAに回転させる。第3モータ55は、制御装置80(図1参照)に制御される。回転支持部材50は、移動機構58(図2参照)がX軸方向に移動することによって、X軸方向に移動する。
図5に示すように、回転保持部材70は、保持具8を着脱自在に保持する。即ち、回転保持部材70は、保持具8を介して被加工物5および検出治具(図8参照)を着脱自在に保持する。回転保持部材70は、X軸方向に移動可能に構成されている。即ち、回転保持部材70は、移動機構58(図2参照)がX軸方向に移動することによって、X軸方向に移動する。回転保持部材70は、A軸回りθAおよびB軸回りθBに回転可能に構成されている。回転保持部材70は、保持本体71と、第1位置決め部72と、第2位置決め部73と、第1固定機構74と、第2固定機構75と、第3位置決め部76とを備えている。
図4に示すように、保持本体71は、平面視において、略U字形状に形成されている。保持本体71は、保持具8を介して被加工物5および検出治具30(図8参照)を保持する。
図5に示すように、第1位置決め部72、第2位置決め部73および第3位置決め部76は、回転保持部材70の保持本体71に対する保持具8の位置決めを行う機能を有する。第1位置決め部72、第2位置決め部73および第3位置決め部76は、保持本体71に設けられている。例えば、保持具8を図4の矢印Y1の方向に移動させて、保持具8を回転保持部材70に取り付けるとき、保持具8の第1係止突起8bは第1位置決め部72に接触し、保持具8の第2係止突起8cは第2位置決め部73に接触し、保持具8の位置決め溝8fに第3位置決め部76が接触する。これにより、回転保持部材70の保持本体71に対する保持具8の位置決めが行われる。
第1固定機構74および第2固定機構75は、手動により操作される。第1固定機構74および第2固定機構75は、保持具8を保持本体71に固定する機能を有する。回転保持部材70の保持本体71に対する保持具8の位置決めがされている状態で、作業者が第1固定機構74および第2固定機構75を図5の矢印H1の方向に回転させることによって、第1固定機構74が保持具8の第1押し当て溝8dに押し当てられて係止し、第2固定機構74が保持具8の第2押し当て溝8eに押し当てられて係止する。これにより、保持具8は回転保持部材70に保持される。なお、保持具8を回転保持部材70から取り外すときには、作業者は第1固定機構74および第2固定機構75を図5の矢印H2の方向に回転させて、保持具8を図5の矢印Y2の方向に移動させる。
図8に示すように、本実施形態では、検出治具30には、保持具8が取り付けられている。検出治具30は、保持具8が取り付けられた状態で回転保持部材70(図4参照)に保持される。検出治具30は、保持具8の挿入孔8aに挿入されて保持されている。検出治具30は、円板状に形成された本体部31と、本体部31に形成された検出部材32と、を備えている。本体部31は、第1平面部31Aと、第1平面部31Aの裏側に位置する第2平面部31Bとを有している。検出部材32は、第1平面部31Aから第2平面部31Bの反対方向に突出するように形成されている。即ち、検出部材32は、第1平面部31Aから上方に向けて突出している。検出部材32は、円柱状に形成されている。検出部材32は、本体部31の前側左方に形成されている。
図8に示すように、本体部31には、第1平面部31Aから第2平面部31Bに亘って1つの第1貫通孔33Aと2つの第2貫通孔33Bとが貫通形成されている。第1貫通孔33Aは、X軸方向に延びる長孔である。第2貫通孔33Bは、Y軸方向に延びる長孔である。検出治具30は、Y軸方向に延びかつ第1貫通孔33Aに配置された第1棒部材34Aと、X軸方向に延びかつ第2貫通孔33Bに配置された第2棒部材34Bとを備えている。
図9に示すように、切削加工機10の全体の動作は、制御装置80によって制御されている。制御装置80の構成は特に限定されない。制御装置80は、例えばマイクロコンピュータである。マイクロコンピュータのハードウェアの構成は特に限定されないが、例えば、ホストコンピュータなどの外部機器から印刷データなどを受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU:central processing unit)と、CPUが実行するプログラムを格納したROM(read only memory)と、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAM(random access memory)と、プログラムや各種データを格納するメモリなどの記憶装置と、を備えている。図1に示すように、制御装置80は、ケース本体12の内部に設けられている。ただし、制御装置80はケース本体12の内部に設けられていなくてもよい。
図9に示すように、制御装置80は、回転部63、第1駆動機構38C、第2駆動機構38D、第1モータ59D、第2モータ47および第3モータ55と通信可能に接続され、これらを制御する。制御装置80は、スピンドル60のZ軸方向およびY軸方向の移動、加工ツール6AのS軸回りθSの回転、および、保持部材35の移動および回転(即ちツールマガジン40のX軸方向の移動と回転支持部材50のB軸回りθBの回転と回転保持部材70のA軸回りθAの回転)を制御する。
図9に示すように、制御装置80は、記憶部81と、第1取得部82と、第2取得部83と、算出部84と、原点設定部85と、補正値算出部86と、位置補正部87とを備えている。制御装置80の各部の機能は、プログラムによって実現されている。このプログラムは、例えばCDやDVDなどの記録媒体から読み込まれる。なお、このプログラムは、インターネットを通じてダウンロードされるものであってもよい。また、制御装置80の各部の機能は、プロセッサおよび/または回路などによって実現可能なものであってもよい。なお、これら各部の具体的な機能については後述する。
記憶部81は、XYZ座標系の原点、A軸の原点、B軸の原点およびS軸の原点を記憶している。
次に、回転支持部材50の原点、即ち、B軸の原点を設定する手順について説明する。図11は、Z軸に対して垂直にB軸の原点を設定する手順を示したフローチャートである。
まず、ステップS10において、第1取得部82は、Z軸方向の所定の第1位置P1(図12参照)に検出治具30の検出部材32が位置するように、回転保持部材70に保持された検出治具30をA軸回りθAに回転させた状態で、検出ツール6Bを把持したスピンドル60をZ軸方向に移動させかつ回転保持部材70をX軸方向に移動させることにより、検出ツール6Bと検出部材32とが接触した点の第1の座標値C1(X1、Z1)(図14参照)を取得する。ここでは、ツールマガジン40をX軸方向に移動させることによって、回転保持部材70も同様にX軸方向に移動する。また、第1位置P1は、A軸方向から見てA軸より上方の位置である。検出ツール6Bと検出部材32とが接触したときには、電流が流れるように構成されているため、第1取得部82は、電流が流れたときのスピンドル60の位置に基づいて、第1の座標値C1(X1、Z1)を取得することができる。
ステップS20において、第2取得部83は、Z軸方向の所定の第2位置P2(図13参照)に検出治具30の検出部材32が位置するように、回転保持部材70に保持された検出治具30をA軸回りθAに回転させた状態で、検出ツール6Bを把持したスピンドル60をZ軸方向に移動させかつ回転保持部材70をX軸方向に移動させることにより、検出ツール6Bと検出部材32とが接触した点の第2の座標値C2(X2、Z2)(図14参照)を取得する。ここでは、第2位置P2は、第1位置P1と異なる位置である。第2位置P2は、A軸方向から見てA軸より下方の位置である。第2取得部83は、電流が流れたときのスピンドル60の位置に基づいて、第2の座標値C2(X2、Z2)を取得することができる。
ステップS30において、算出部84は、図14に示すように、第1の座標値C1(X1、Z1)および第2の座標値C2(X2、Z2)に基づいて、B軸方向(即ちY軸方向)から見てZ軸に直交する仮想直線LLとA軸とのなす特定角度αを算出する。図14では、B軸方向から見てZ軸に直交する仮想直線LLとA軸とのなす特定角度αを示している。特定角度αは、α=atan{(X1−X2)/(Z2−Z1)}=atan(ΔX/ΔZ)となる。
ステップS40において、原点設定部85は、B軸回りθBに回転保持部材70を特定角度αだけ回転させて、Z軸とA軸とが直交するときの回転保持部材70の位置をB軸の原点(即ち0°の位置)に設定する。ここでは、回転支持部材50をB軸回りθBに特定角度αだけ回転させることによって、回転保持部材70をB軸回りθBに特定角度αだけ回転させている(図17参照)。
例えば、図15に示すように、部品の組み立て誤差や温度変化による熱膨張等によって、Z軸とX軸とが直交していない場合があり得る。即ち、第2ガイドシャフト39Bと第3ガイドシャフト59Bとが直交していない場合があり得る。また、A軸は、通常、X軸と平行となるように設定されるが、A軸とX軸とが平行とならない場合があり得る。このような場合には、従来は、A軸とX軸とが平行となるように回転保持部材70をB軸回りθBに回転させていた。即ち、図15の一点鎖線で示すA軸を二点鎖線で示すA軸となるように、回転保持部材70をB軸回りθBに回転させていた。そして、X軸とA軸とが平行となるときの回転保持部材70の位置をB軸の原点に設定していた。即ち、X軸に対して水平にB軸の限定を設定していた。ところが、図16に示すように、Z軸とA軸とが直交していない状態においてB軸方向から見て被加工物5を四角形に切削加工しようとすると被加工物5は四角形にはならず平行四辺形状になってしまう(図16(a)参照)。このため、回転保持部材70をA軸回りθAに180°回転させると被加工物5はA軸に対して対称とならない(図16(b)参照)。この結果、被加工物5の裏面を切削加工すると、被加工物5の前部の長さLF1と後部の長さLR1とに大きなずれが生じ得る(図16(c)参照)。
一方、本実施形態の切削加工機10では、図17に示すように、Z軸とA軸とが直交するように回転保持部材70をB軸回りθBに特定角度αだけ回転させている。即ち、図17の一点鎖線で示すA軸を二点鎖線で示すA軸となるように、回転保持部材70をB軸回りθBに特定角度αだけ回転させている。そして、Z軸とA軸とが直交するときの回転保持部材70の位置をB軸の原点に設定している。即ち、Z軸に対して垂直にB軸の原点を設定している。これにより、図18に示すように、Z軸とA軸とが直交している状態においてB軸方向から見て被加工物5を四角形に切削加工することができる(図18(a)参照)。このため、回転保持部材70をA軸回りθAに180°回転させても被加工物5はA軸に対して対称である(図18(b)参照)。この結果、被加工物5の裏面を切削加工しても被加工物5の前部の長さLF2と後部の長さLR2とにずれが生じることが抑制される(図18(c)参照)。
ステップS50において、補正値算出部86は、B軸方向から見てA軸とX軸とのなす角度β(図19参照)に基づいて、スピンドル60のZ軸方向の補正値を算出する。図19に示すように、回転保持部材70はX軸に沿って移動するため、Z軸とB軸とが直交していないときには回転保持部材70の移動に伴ってA軸は移動する。即ち、スピンドル60のZ軸方向の位置と、回転保持部材70のZ軸方向の位置にΔZAだけずれが生じる。補正値算出部86は、ΔZAのずれを補正するための補正値(Z軸方向のオフセット量)を算出する。なお、図19では、移動前の回転保持部材70を一点鎖線で示し、移動後の回転保持部材70を実線で示している。
ステップS60において、位置補正部87は、スピンドル60の位置を補正値によって補正する。即ち、位置補正部87は、補正値を考慮して第2駆動機構38Dを制御し、スピンドル60をZ軸方向に移動させる。
以上のように、本実施形態の切削加工機10によると、原点設定部85は、B軸回りθBに回転保持部材70を特定角度αだけ回転させて、Z軸とA軸とを直交させる。そして、原点設定部85は、Z軸とA軸とが直交するときの回転保持部材70の位置をB軸の原点に設定する。これにより、A軸回りθAに被加工物5を回転させて被加工物5の表から加工する場合と被加工物の裏から加工する場合とにおいて例えばX軸方向の厚みLF2、LR2の誤差の発生を抑制することができる。このように、部品の組み立て誤差や温度変化による熱膨張等によって、Z軸とX軸とのなす角度が90°から微小にずれている場合であっても、被加工物5を所望の形状に切削加工することができる。
本実施形態の切削加工機10では、第1位置P1は、A軸方向から見てA軸より上方の位置であり、第2位置P2は、A軸方向から見てA軸より下方の位置である。これにより、算出部84は、Z軸方向から見てZ軸に直交する仮想直線LLとA軸とのなす特定角度αをより正確に算出することができる。
本実施形態の切削加工機10では、検出治具30の検出部材32は、第1平面部31Aから第2平面部31Bの反対方向に突出するように形成されている。即ち、検出部材32は、第1平面部31Aに突起状に形成されている。これにより、検出ツール6Bを容易に検出部材32に接触させることができる。
本実施形態の切削加工機10では、検出部材32は、円柱状に形成されている。これにより、第1の座標値C1(X1、Z1)および第2の座標値C2(X2、Z2)をより正確に取得することができる。
本実施形態の切削加工機10では、制御装置80は、B軸方向から見てA軸とX軸とのなす特定角度αに基づいて、スピンドル60のZ軸方向の補正値を算出する補正値算出部86と、スピンドル60の位置を補正値によって補正する位置補正部87と、を備えている。これにより、被加工物5に対するZ軸方向の切削加工をより正確に行うことができる。
本実施形態の切削加工機10では、保持部材35は、X軸方向に移動可能に構成され、加工ツール6Aおよび検出ツール6Bを収容可能なツールマガジン40と、ツールマガジン40に接続され、B軸回りθBに回転可能に構成され、回転保持部材70をA軸回りθAに回転可能に支持する回転支持部材50と、を備えている。回転保持部材70は回転支持部材50を介してツールマガジン40に取り付けられているため組み立て誤差が生じやすいが、このような構成であっても、上述のように、Z軸とA軸とが直交するときの回転保持部材70の位置がB軸の原点に設定されるため、被加工物5を所望の形状に切削加工することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上述の各実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。
上述した実施形態では、第1位置P1は、A軸方向から見てA軸より上方の位置であるが、A軸と同じ位置であってもよい。また、第2位置P2は、A軸方向から見てA軸より下方の位置であるが、A軸と同じ位置であってもよい。
上述した実施形態では、検出ツール6Bを検出部材32に接触させることによって、第1座標および第2座標を取得していたが、これに限定されない。例えば、第1棒部材34Aを検出部材32として用いてもよい。
5 被加工物
6A 加工ツール
6B 検出ツール
10 切削加工機
30 検出治具
32 検出部材
35 保持部材
40 ツールマガジン
50 回転支持部材
58 移動機構
60 スピンドル
70 回転保持部材
80 制御装置
82 第1取得部
83 第2取得部
84 算出部
85 原点設定部

Claims (12)

  1. 互いに交差する3軸をX軸、Y軸およびZ軸とする座標系を有し、かつ、前記X軸方向に延びる軸をA軸、前記Y軸方向に延びる軸をB軸、前記Z軸方向に延びる軸をS軸とする切削加工機であって、
    前記Z軸方向および前記Y軸方向に移動可能かつ前記S軸回りに回転可能に構成され、加工ツールおよび検出ツールのいずれか一方を着脱自在に把持するスピンドルと、
    前記加工ツールによって切削加工される被加工物または前記検出ツールによって検出される検出部材を有する検出治具を保持し、前記X軸方向に移動可能かつ前記A軸回りおよび前記B軸回りに回転可能に構成された回転保持部材を有する保持部材と、
    前記スピンドルおよび前記保持部材を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記Z軸方向の所定の第1位置に前記検出部材が位置するように、前記回転保持部材に保持された前記検出治具を前記A軸回りに回転させた状態で、前記検出ツールを把持した前記スピンドルを前記Z軸方向に移動させかつ前記回転保持部材を前記X軸方向に移動させることにより、前記検出ツールと前記検出部材とが接触した点の第1の座標値を取得する第1取得部と、
    前記第1位置とは異なる位置であって、前記Z軸方向の所定の第2位置に前記検出部材が位置するように、前記回転保持部材に保持された前記検出治具を前記A軸回りに回転させた状態で、前記検出ツールを把持した前記スピンドルを前記Z軸方向に移動させかつ前記回転保持部材を前記X軸方向に移動させることにより、前記検出ツールと前記検出部材とが接触した点の第2の座標値を取得する第2取得部と、
    前記第1の座標値および前記第2の座標値に基づいて、前記B軸方向から見て前記Z軸に直交する仮想直線と前記A軸とのなす特定角度を算出する算出部と、
    前記B軸回りに前記回転保持部材を前記特定角度だけ回転させて、前記Z軸と前記A軸とが直交するときの前記回転保持部材の位置を前記B軸の原点に設定する原点設定部と、を備えている、切削加工機。
  2. 前記第1位置は、前記A軸方向から見て前記A軸と同じ位置または前記A軸方向から見て前記A軸より上方の位置であり、
    前記第2位置は、前記A軸方向から見て前記A軸と同じ位置または前記A軸方向から見て前記A軸より下方の位置である、請求項1に記載の切削加工機。
  3. 前記検出治具は、第1平面部と、前記第1平面部の裏側に位置する第2平面部と、を有し、
    前記検出部材は、前記第1平面部から前記第2平面部の反対方向に突出するように形成されている、請求項1または2に記載の切削加工機。
  4. 前記検出部材は、円柱状に形成されている、請求項3に記載の切削加工機。
  5. 前記制御装置は、
    前記B軸方向から見て前記A軸と前記X軸とのなす角度に基づいて、前記スピンドルの前記Z軸方向の補正値を算出する補正値算出部と、
    前記スピンドルの位置を前記補正値によって補正する位置補正部と、を備えている、請求項1から4のいずれか一項に記載の切削加工機。
  6. 前記保持部材は、
    前記X軸方向に移動可能に構成され、前記加工ツールおよび前記検出ツールを収容可能なツールマガジンと、
    前記ツールマガジンに接続され、前記B軸回りに回転可能に構成され、前記回転保持部材を前記A軸回りに回転可能に支持する回転支持部材と、を備えている、請求項1から5のいずれか一項に記載の切削加工機。
  7. 互いに交差する3軸をX軸、Y軸およびZ軸とする座標系を有し、かつ、前記X軸方向に延びる軸をA軸、前記Y軸方向に延びる軸をB軸、前記Z軸方向に延びる軸をS軸とする切削加工機であって、
    前記Z軸方向および前記Y軸方向に移動可能かつ前記S軸回りに回転可能に構成され、加工ツールおよび検出ツールのいずれか一方を着脱自在に把持するスピンドルと、
    前記加工ツールによって切削加工される被加工物または前記検出ツールによって検出される検出部材を有する検出治具を保持し、前記X軸方向に移動可能かつ前記A軸回りおよび前記B軸回りに回転可能に構成された回転保持部材を有する保持部材と、を備えた切削加工機において、前記B軸の原点を設定する方法であって、
    前記Z軸方向の所定の第1位置に前記検出部材が位置するように、前記回転保持部材に保持された前記検出治具を前記A軸回りに回転させた状態で、前記検出ツールを把持した前記スピンドルを前記Z軸方向に移動させかつ前記回転保持部材を前記X軸方向に移動させることにより、前記検出ツールと前記検出部材とが接触した点の第1の座標値を取得すること、
    前記第1位置とは異なる位置であって、前記Z軸方向の所定の第2位置に前記検出部材が位置するように、前記回転保持部材に保持された前記検出治具を前記A軸回りに回転させた状態で、前記検出ツールを把持した前記スピンドルを前記Z軸方向に移動させかつ前記回転保持部材を前記X軸方向に移動させることにより、前記検出ツールと前記検出部材とが接触した点の第2の座標値を取得すること、
    前記第1の座標値および前記第2の座標値に基づいて、前記B軸方向から見て前記Z軸に直交する仮想直線と前記A軸とのなす特定角度を算出すること、
    前記B軸回りに前記回転保持部材を前記特定角度だけ回転させて、前記Z軸と前記A軸とが直交するときの前記回転保持部材の位置を前記B軸の原点に設定すること、を包含する設定方法。
  8. 前記第1位置は、前記A軸方向から見て前記A軸と同じ位置または前記A軸方向から見て前記A軸より上方の位置であり、
    前記第2位置は、前記A軸方向から見て前記A軸と同じ位置または前記A軸方向から見て前記A軸より下方の位置である、請求項7に記載の設定方法。
  9. 前記検出治具は、第1平面部と、前記第1平面部の裏側に位置する第2平面部と、を有し、
    前記検出部材は、前記第1平面部から前記第2平面部の反対方向に突出するように形成されている、請求項7または8に記載の設定方法。
  10. 前記検出部材は、円柱状に形成されている、請求項9に記載の設定方法。
  11. 前記B軸方向から見て前記A軸と前記X軸とのなす角度に基づいて、前記スピンドルの前記Z軸方向の補正値を算出すること、
    前記スピンドルの位置を前記補正値によって補正すること、をさらに包含する、請求項7から10のいずれか一項に記載の設定方法。
  12. 前記保持部材は、
    前記X軸方向に移動可能に構成され、前記加工ツールおよび前記検出ツールを収容可能なツールマガジンと、
    前記ツールマガジンに接続され、前記B軸回りに回転可能に構成され、前記回転保持部材を前記A軸回りに回転可能に支持する回転支持部材と、を備えている、請求項7から11のいずれか一項に記載の設定方法。
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