以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係るスピンドルユニットおよび切削加工装置を説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
図1は、切削加工装置10の斜視図である。図2は、切削加工装置10の正面図である。図3は、切削加工装置10の断面図である。以下の説明では、切削加工装置10を正面から見たときに、切削加工装置10から遠ざかる方を前方、切削加工装置10に近づく方を後方とする。左、右、上、下とは、切削加工装置10を正面から見たときの左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。また、図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を意味するものとする。本実施形態では、切削加工装置10は、XYZ直交座標系に配置されている。ここでは、X軸は前後方向に延びる軸である。図3に示すように、本実施形態ではX軸は水平方向からθだけ傾いている。なお、X軸は、水平方向と同じ方向に延びていてもよい。Y軸は左右方向に延びる軸である。Z軸は上下方向に延びる軸である。図3に示すように、本実施形態ではZ軸は鉛直方向からθだけ傾いている。なお、Z軸は、鉛直方向と同じ方向に延びていてもよい。また、符号θX、θY、θZは、それぞれX軸周り、Y軸周り、Z軸周りの回転方向を示している。ただし、上述した方向は、説明の便宜上定めた方向に過ぎず、切削加工装置10の設置態様を何ら限定するものではなく、本発明を何ら限定するものではない。
切削加工装置10は、被加工物5(図4参照)を加工(例えば切削)および必要に応じて研磨する装置である。切削加工装置10は、例えば、被加工物5を加工して歯冠補綴物を作製する。被加工物5の形状は、例えば、ブロック状(例えば角柱状)である。被加工物5は、円板状であってもよい。被加工物5は、ジルコニア、ワックス、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ハイブリッドレジン、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン樹脂)、石膏などの各種の材料によって形成されている。被加工物5の材料としてジルコニアを用いるときには、例えば、半焼結したジルコニアが用いられる。ただし、被加工物5の形状および材料は特に限定されない。
図4に示すように、本実施形態では、被加工物5にはアダプタ8(ホルダーともいう)が取り付けられている。アダプタ8が取り付けられた状態で、被加工物5は、切削加工装置10に収容され、かつ、加工される。ここでは、アダプタ8は、板状部材8Aと、連結ピン8Bとを備えている。板状部材8Aは、被加工物5に接続している。連結ピン8Bは、板状部材8Aから突出している。連結ピン8Bは、後述するクランプ50の挿入孔50A(図3参照)に挿入される。アダプタ8は、被加工物5を保持する。
図1に示すように、切削加工装置10は、箱状に形成されている。切削加工装置10は、ケース本体12と、フロントカバー25、制御装置48とを備えている。ケース本体12は、下壁13と、左壁14(図2参照)と、右壁15と、後壁16(図3も参照)と、上壁17と、前壁18と、区画底壁19(図3参照)と、区画後壁20(図2参照)と、区画上壁21(図3参照)と、区画側壁23(図3参照)とを有している。左壁14は、下壁13の左端から上方に向かって延びている。右壁15は、下壁13の右端から上方に向かって延びている。後壁16は、下壁13の後端から上方に向かって延びている。後壁16の左端は左壁14の後端に接続され、後壁16の右端は右壁15の後端に接続されている。前壁18は、下壁13の前端から上方に向かって延びている。前壁18の左端は左壁14の前端に接続され、前壁18の右端は右壁15の前端に接続されている。前壁18には、開口18A(図2参照)が形成されている。上壁17は、左壁14、右壁15、後壁16および前壁18のそれぞれの上端に接続されている。図3に示すように、区画底壁19は、下壁13より上方に配置されている。区画上壁21は、区画底壁19より上方かつ上壁17より下方に配置されている。区画後壁20は、後壁16より前方かつ前壁18より後方に配置されている。区画側壁23は、左壁14より右方かつ右壁15より左方に配置されている。区画側壁23は、区画底壁19から上方に延びる。区画側壁23は、区画底壁19と区画上壁21と区画後壁20とに接続されている。
図3に示すように、切削加工装置10には、区画底壁19、左壁14(図2参照)、区画後壁20、区画上壁21、区画側壁23、前壁18によって囲まれた内部空間26が形成されている。内部空間26は、被加工物5の加工が行われる加工エリアである。切削加工装置10には、区画底壁19、右壁15(図2参照)、区画後壁20、区画上壁21、区画側壁23、前壁18によって囲まれた収容空間27(図2参照)が形成されている。収容空間27には、後述する移動機構58が収容される。
フロントカバー25は、左壁14の前端および右壁15の前端に上下方向に移動自在に設けられている。フロントカバー25が上方に移動してフロントカバー25が開くと、内部空間26が外部と連通する。フロントカバー25が下方に移動してフロントカバー25が閉じると、内部空間26は外部から隔離される。図2では、フロントカバー25が上方に移動して内部空間26が外部と連通している状態が示されている。フロントカバー25には、窓26Aが設けられている。窓26Aは、例えば、透明のアクリル板によって形成されている。作業者は、窓26Aを通じて内部空間26を視認することができる。窓26Aは、前壁18に形成された開口18Aより小さい。
図2に示すように、切削加工装置10は、スピンドルユニット60と、キャリッジ38と、ツールマガジン40(図5も参照)と、クランプ50と、移動機構58と、を備えている。スピンドルユニット60の一部およびキャリッジ38は、区画上壁21、左壁14、右壁15、区画後壁20、上壁17および前壁18によって囲まれた収容空間28(図3参照)に配置されている。スピンドルユニット60の他の一部は、内部空間26に配置されている。スピンドルユニット60は、区画上壁21に形成された開口21Hに挿通されている。ツールマガジン40およびクランプ50は、内部空間26に配置されている。キャリッジ38は、ユニット移動装置の一例である。キャリッジ38には、スピンドルユニット60が搭載されている。キャリッジ38は、Z軸方向およびY軸方向に移動自在に設けられている。キャリッジ38は、スピンドルユニット60をZ軸方向およびY軸方向に移動させる。キャリッジ38は、第1キャリッジ38Aと第2キャリッジ38Bとを備えている。第1キャリッジ38Aは、Y軸方向に延びる一対の第1ガイドシャフト39Aに支持されている。第1キャリッジ38Aは、第1駆動機構38C(図15参照)によって、第1ガイドシャフト39Aに沿ってY軸方向に移動することができる。第1ガイドシャフト39Aは、収容空間28(図3参照)内に設けられている。第1ガイドシャフト39Aの左端は、左壁14に接続している。第1ガイドシャフト39Aの右端は、右壁15に接続している。第2キャリッジ38Bは、Z軸方向に延びる一対の第2ガイドシャフト39Bに支持されている。第2キャリッジ38Bは、第2駆動機構38D(図15参照)によって、第2ガイドシャフト39Bに沿ってZ軸方向に移動することができる。第2ガイドシャフト39Bは、第1キャリッジ38Aに設けられている。このため、第1キャリッジ38AがY軸方向に移動すると、第2キャリッジ38Bも同様にY軸方向に移動する。第1駆動機構38Cおよび第2駆動機構38Dは、制御装置48に制御される。
図2に示すように、移動機構58は、収容空間27に配置されている。移動機構58は、ツールマガジン40の右方に配置されている。移動機構58は、Y軸方向に延びる軸58Aを備えている。軸58Aの一部(右端部分)は、収容空間27に配置され、軸58Aの他の一部(左端部分)は、内部空間26に配置されている。ツールマガジン40は軸58Aの左端部分に設けられている。移動機構58は、第3駆動機構58B(図15参照)によって、X軸方向に移動可能に構成されている。移動機構58は、ツールマガジン40をX軸方向に移動させる機構である。第3駆動機構58Bは、制御装置48に制御される。
図5に示すように、ツールマガジン40は、複数の加工ツール6Aおよび検出ツール6Bを収容することが可能なものである。ツールマガジン40は、クランプ50と移動機構58との間に設けられている。ツールマガジン40は、移動機構58がX軸方向に移動することによって、X軸方向に移動する。ツールマガジン40は、加工ツール6Aおよび検出ツール6Bを収容する第1部分40Aと、第1部分40Aより後方に配置され、軸58Aに接続された第2部分40Bと、第2部分40Bより後方に配置された第3部分40Cとを備えている。ツールマガジン40の第1部分40Aには、加工ツール6Aを収容する複数(ここでは6個)の貫通孔部42Aが形成されている。貫通孔部42Aは、上下方向にツールマガジン40を貫通する。加工ツール6Aおよび検出ツール6Bは、その上部が露出された状態で貫通孔部42Aにそれぞれ挿入される。なお、加工ツール6Aまたは検出ツール6Bを交換する際には、後述するスピンドル62のコレットチャック67によって把持されている加工ツール6Aまたは検出ツール6Bを貫通孔部42Aに戻す。そして、次に使用する加工ツール6Aまたは検出ツール6Bの上方の位置までスピンドルユニット60を移動させ、コレットチャック67の下方に位置する加工ツール6Aまたは検出ツール6Bの上端をコレットチャック67が把持する。
加工ツール6Aは、棒状に形成されている。加工ツール6Aは、被加工物5を加工する際に用いられる。加工ツール6Aは、被加工物5を加工することによって徐々に摩耗する。加工ツール6Aは、金属等の導電性材料により形成されている。検出ツール6Bは、棒状に形成されている。検出ツール6Bは、被加工物5(即ちツールマガジン40やクランプ50)とスピンドルユニット60との相対的な位置関係を適切に補正する自動補正を行うときにのみ用いられる。検出ツール6Bは、金属等の導電性材料により形成されている。
図5に示すように、切削加工装置10は、導通箇所43を備えている。導通箇所43は、導通部材の一例である。導通箇所43は、検出ツール6Bと接触可能に設けられている。導通箇所43は、ツールマガジン40に設けられている。より詳細には、導通箇所43は、ツールマガジン40の第3部分40Cに設けられている。なお、導通箇所43は、ツールマガジン40の第1部分40Aまたは第2部分40Bに設けられていてもよい。導通箇所43は、クランプ50に設けられていてもよい。導通箇所43は、ツールマガジン40の上面から突出するように設けられている。導通箇所43は、電気的に導通することにより接触を検知することができる。本実施形態では、導通箇所43は、後述するプッシュロッド83(図7参照)に対して電気的に導通することにより検出ツール6Bが導通箇所43に接触したことを検知することができる。導通箇所43が接触を検知すると、検知したときのスピンドルユニット等の位置情報(例えばXYZ座標値や角度等)が制御装置48に送信される。
図2に示すように、軸58Aの内部には、クランプ50を回転可能に支持する回転軸44が設けられている。回転軸44は左右方向に延びており、クランプ50および移動機構58に連結している。移動機構58には、駆動モータ44A(図15も参照)が設けられている。駆動モータ44Aは、制御装置48に制御される。回転軸44は、駆動モータ44Aによって、Y軸回りθYに回転可能に構成されている。回転軸44がY軸回りθYに回転することによって、クランプ50はY軸回りθYに回転する。なお、回転軸44は、軸58Aに対して独立して回転可能に構成されている。即ち、回転軸44がY軸回りθYに回転しても、軸58AはY軸回りθYに回転しない。
図6に示すように、クランプ50は、回転軸44の左端に設けられている。クランプ50は、ツールマガジン40より左方に配置されている。クランプ50は、アダプタ8を着脱自在に保持する部材である。クランプ50は、アダプタ8を介して被加工物5を保持する。クランプ50は、保持部材の一例である。図3に示すように、クランプ50には、複数の挿入孔50Aが形成されている。ここでは、3つの挿入孔50Aが前後方向に並んでいる。挿入孔50Aには、アダプタ8の連結ピン8B(図4参照)が挿入される。挿入孔50Aに挿入された連結ピン8Bは、ネジ50Bによってクランプ50に固定される。クランプ50は、ツールマガジン40と共に移動可能に構成されている。即ち、移動機構58によって、ツールマガジン40およびクランプ50は、X軸方向に移動可能に構成されている。なお、クランプ50がY軸回りθYに回転しても、ツールマガジン40はY軸回りθYに回転しない。
図7に示すように、スピンドルユニット60は、スピンドル62と、アクチュエータ82とを備えている。アクチュエータ82は、スピンドル62の上部に着脱自在に設けられている。
図7に示すように、スピンドル62は、ハウジング63と、第1軸受64Aと、第2軸受64Bと、主軸65と、スピンドルモータ66と、コレットチャック67と、ドローバー68と、第1付勢部材70と、ストッパー71と、第1カバー部材72と、第2カバー部材73と、固定部材74とを備えている。
図8に示すように、ハウジング63は、略円筒形状に形成されている。図7に示すように、ハウジング63には、下側に位置する第1開口63Aと、上側に位置する第2開口63Bとが形成されている。第1開口63Aは、第2開口63Bより小さい。ハウジング63は、第1開口63A側に位置する第1軸受保持部63Cと、第2開口63B側に位置する第2軸受保持部63Dと、第1軸受保持部63Cから下方に向けて突出する突条部63Eとを有する。第1軸受保持部63Cは、第1軸受64Aの一部を保持する。第2軸受保持部63Dは、第2軸受64Bを保持する。突条部63Eは、リング状に形成されている。
図7に示すように、第1軸受64Aおよび第2軸受64Bは、ハウジング63に収容される。第1軸受64Aは、ハウジング63の第1開口63A側に位置する。第1軸受64Aは、第1軸受保持部63Cと第1カバー部材72とによって保持されている。第2軸受64Bは、ハウジング63の第2開口63B側に位置する。第2軸受64Bは、第2軸受保持部63Dによって保持されている。第1軸受64Aおよび第2軸受64Bは、主軸65を回転自在に支持する。第1軸受64Aおよび第2軸受64Bは、導電性を有さない材料から形成されている。第1軸受64Aおよび第2軸受64Bは、例えば、セラミック材料から形成されている。第1軸受64Aおよび第2軸受64Bは、例えば、セラミックベアリングである。
図7に示すように、主軸65は、上下方向に延びる。主軸65は、ハウジング63に収容される。主軸65は、第1軸受64Aおよび第2軸受64Bに回転自在に支持されている。主軸65には、軸方向K(ここでは上下方向)に貫通する貫通孔65Hが形成されている。主軸65は、第1端部65Aと、第2端部65Bとを有する。第1端部65Aは、軸方向Kの一方側(ここでは下方側)に位置する。第1端部65Aは、第1開口63A側に位置する。第1端部65Aは、ハウジング63の外部に位置する。主軸65の第1端部65A側の外周面には雄ねじ部65Mが形成されている。第2端部65Bは、軸方向Kの他方側(ここでは上方側)に位置する。第2端部65Bは、第2開口63B側に位置する。貫通孔65Hのうち、第1端部65A側では、下方に行くほど(即ち第2端部65Bから離れるほど)内径が大きくなるテーパー形状に形成されている。主軸65は、金属等の導電性材料により形成されている。
図7に示すように、スピンドルモータ66は、ハウジング63に収容される。スピンドルモータ66は、第1軸受64Aと第2軸受64Bとの間に配置されている。スピンドルモータ66は、ロータ66Aとステータ66Bとを備えている。ロータ66Aは、主軸65に一体的に設けられている。ステータ66Bは、ロータ66Aと対向する位置に配置されている。ステータ66Bに電流が流れると主軸65が高速で回転する。スピンドルモータ66は、制御装置48に制御される。
図7に示すように、コレットチャック67は、上下方向に延びる。コレットチャック67は、主軸65の貫通孔65Hに挿入されている。コレットチャック67は、軸方向Kに移動自在に構成されている。コレットチャック67は、第3端部67Aと、第4端部67Bとを有する。第3端部67Aは、主軸65の第1端部65A側(ここでは下方側)に位置する。第3端部67Aは、加工ツール6Aおよび検出ツール6Bのいずれか一方を把持する。第3端部67Aの一部は、主軸65の貫通孔65Hから外部に突出している。第4端部67Bは、主軸65の第2端部65B側(ここでは上方側)に位置する。第4端部67Bは、主軸65の貫通孔65H内に位置する。コレットチャック67は、金属等の導電性材料により形成されている。
コレットチャック67は、ドローバー68の軸方向Kの移動に伴って、把持位置M1と離反位置M2(図11参照)との間で移動可能に構成されている。離反位置M2は、把持位置M1から下方に所定の距離L(図12参照)だけ離れた位置である。把持位置M1とは、第3端部67Aが閉じて加工ツール6Aおよび検出ツール6Bのいずれか一方を把持するときのコレットチャック67の位置である。コレットチャック67が把持位置M1に位置するとき、コレットチャック67は、最も主軸65の貫通孔65H内に引き込まれている。離反位置M2とは、第3端部67Aが開いて把持された加工ツール6Aおよび検出ツール6Bのいずれか一方を離反するときのコレットチャック67の位置である。コレットチャック67が離反位置M2に位置するとき、コレットチャック67は、最も主軸65の貫通孔65Hから外部に突出している。
図7に示すように、ドローバー68は、上下方向に延びる。ドローバー68は、主軸65の貫通孔65Hに挿入されている。ドローバー68は、軸方向Kに移動自在に構成されている。ドローバー68は、コレットチャック67より上方に配置されている。ドローバー68は、第5端部68Aと、第6端部68Bとを有する。第5端部68Aは、主軸65の第1端部65A側(ここでは下方側)に位置する。第5端部68Aは、コレットチャック67の第4端部67Bと接続されている。第5端部68Aは、主軸65の貫通孔65H内に位置する。第6端部68Bは、主軸65の第2端部65B側(ここでは上方側)に位置する。第6端部68Bは、主軸65の貫通孔65Hから外部に突出している。第6端部68Bは、アクチュエータ82の後述するプッシュロッド83に押圧される。ドローバー68は、金属等の導電性材料により形成されている。
図7に示すように、ドローバー68は、本体部68Eと、突出片69とを備えている。本体部68Eは、軸方向Kに延びる。突出片69は、軸方向Kと交差する方向(例え直交する方向)に延びる。突出片69は、本体部68Eに設けられている。突出片69は、本体部68Eが挿通される挿通孔69Aを有するリング状に形成され、本体部68Eに固定されている。突出片69は、主軸65の第2端部65Bよりも第1方向側に位置する。第1方向とは、主軸65の第1端部65Aから第2端部65Bに向かう方向である。ここでは、第1方向は、図7の矢印K1で示される方向であり、上方である。即ち、突出片69は、主軸65の第2端部65Bよりも上方に位置する。突出片69は、例えば、ナット等の固定部材69Bによって、第1方向K1への移動が阻止されている。
図7に示すように、第1付勢部材70は、ドローバー68の周囲に設けられている。ここでは、第1付勢部材70は、ドローバー68の本体部68Eの周囲に設けられている。第1付勢部材70は、主軸65に取り付けられた固定部材74に支持されている。第1付勢部材70は、主軸65の第2端部65Bよりも上方に位置する。本実施形態では、第1付勢部材70は、複数の皿ばね(以下、皿ばね70ともいう。)を含む。ドローバー68は、皿ばね70に挿通されている。ここでは、ドローバー68の本体部68Eは、皿ばね70に挿通されている。第1付勢部材70は、ドローバー68と接触して、ドローバー68を第1方向K1に第1の付勢力で付勢する。ここでは、第1付勢部材70は、ドローバー68の突出片69と接触して、ドローバー68を第1方向K1に付勢する。即ち、第1付勢部材70は、突出片69を介して、ドローバー68を第1方向K1に付勢する。
図7に示すように、ストッパー71は、第1付勢部材70の側方に配置されている。ストッパー71は、第1付勢部材70の周囲に配置されている。ストッパー71は、主軸65の第2端部65Bよりも上方に位置する。ストッパー71は、突出片69よりも下方に位置する。図12に示すように、第1付勢部材70に後述するプッシュロッド83から押圧力が加わっていないとき、ストッパー71の軸方向Kの長さL1は、第1付勢部材70の軸方向Kの長さL2より小さい。ストッパー71は、ドローバー68と接触可能に設けられている。ストッパー71は、ドローバー68と接触することによりドローバー68の第2方向への所定量を超えた移動を制限する。第2方向とは、主軸65の第2端部65Bから第1端部65Aに向かう方向である。ここでは、第2方向は、図7の矢印K2で示される方向であり、下方である。即ち、ストッパー71は、ドローバー68の下方への所定量L(L2-L1)を超えた移動を制限する。ストッパー71は、ドローバー68の第2方向への所定量L以下の移動は許容する。所定量Lは、第1付勢部材70に押圧力が加わって第1付勢部材70が圧縮されたときに、第1付勢部材70が塑性変形しないように設定される。ここでは、ストッパー71は、ドローバー68の突出片69と接触可能に設けられている。ストッパー71は、例えば、剛性の高い金属材料から形成されている。
図7に示すように、固定部材74は、主軸65に固定されている。固定部材74は、主軸65の第2端部65Bに固定されている。固定部材74は、第2軸受64Bの軸方向Kの移動を規制する。固定部材74は、段差部74Aと、段差部74Aの周囲に位置する抑止壁74Bとを備えている。段差部74Aには、第1付勢部材70およびストッパー71が配置されている。抑止壁74Bは、ストッパー71の周囲に配置されかつストッパー71と接触する。固定部材74は、例えば、ナットである。
図7に示すように、第1カバー部材72は、ハウジング63の第1開口63Aを覆う。第1カバー部材72は、軸方向Kから見て、第1開口63Aの全体と重なる。第1カバー部材72は、第1軸受64Aを保持する。第1カバー部材72には、主軸65に形成された雄ねじ部65Mと係合する雌ねじ部72Mが形成されている。より詳細には、第1カバー部材72は、本体部72Aと、突出部72Bとを備えている。本体部72Aは、第1開口63Aを覆う。本体部72A、軸方向Kから見て、第1開口63Aの全体と重なる。突出部72Bは、本体部72Aから第1方向K1に向けて突出する。突出部72Bは、第1軸受64Aを保持する。雌ねじ部72Mは、本体部72Aおよび突出部72Bを軸方向Kに貫通するように形成されている。第1カバー部材72は、主軸65と共に回転する。
図7に示すように、第1カバー部材72には、溝72Cが形成されている。溝72Cは、第1カバー部材72の本体部72Aのうち第1方向K1側の面(即ち上面)に形成されている。溝72Cには、ハウジング63の突条部63Eが配置される。突条部63Eと第1カバー部材72とは接触しない。図9に示すように、第1カバー部材72には、主軸65の回転を調整するための重り(図示せず)を取り付けるための複数の取り付け孔72Dが形成されている。取り付け孔72Dは、同一の円周上に等間隔で形成されている。取り付け孔72Dは、第1カバー部材72の本体部72Aのうち第2方向K2側の面(即ち下面)に形成されている。
図7に示すように、第2カバー部材73は、第1カバー部材72に形成された複数の取り付け孔72D(図9参照)を覆う。第2カバー部材73には、主軸65が挿入される挿入孔73Aが形成されている。第2カバー部材73は、挿入孔73Aにおいて主軸65と主軸65の全周に亘って接触している。第2カバー部材73は、主軸65と共に回転する。第2カバー部材73は、弾性変形可能な樹脂材料から形成されている。
図7に示すように、アクチュエータ82は、プッシュロッド83と、移動装置85と、検出センサ90と、を備えている。
図7に示すように、プッシュロッド83は、上下方向に延びる。プッシュロッド83は、ドローバー68の第6端部68Bと接触可能に設けられている。プッシュロッド83は、ドローバー68を第2方向K2に押圧可能に設けられている。プッシュロッド83は、軸方向Kに移動自在に構成されている。プッシュロッド83は、後述する第1移動体88Aの第1面88Eに係止可能な第1係止片83Aと、後述する第1移動体の第2面88Fに係止可能な第2係止片83Bと、を備えている。プッシュロッド83は、金属等の導電性材料により形成されている。
移動装置85は、プッシュロッド83を軸方向Kに移動させる。移動装置85は、第1位置P1(図7参照)と、第2位置P2(図10参照)と、第3位置P3(図11参照)との間で、プッシュロッド83を移動させるように構成されている。図7に示すように、第1位置P1とは、プッシュロッド83とドローバー68とが非接触であるときのプッシュロッド83の位置である。プッシュロッド83が第1位置P1に位置するとき、コレットチャック67は、把持位置M1に位置する。図10に示すように、第2位置P2とは、プッシュロッド83とドローバー68とが接触しかつコレットチャック67の第3端部67Aが閉じているときのプッシュロッド83の位置である。第2位置P2は、第1位置P1より下方に位置する。プッシュロッド83が第2位置P2に位置するとき、コレットチャック67は、把持位置M1に位置する。図11に示すように、第3位置P3とは、プッシュロッド83とドローバー68とが接触しかつコレットチャック67の第3端部67Aが開いているときのプッシュロッド83の位置である。第3位置P3は、第2位置P2より下方に位置する。プッシュロッド83が第3位置P3に位置するとき、コレットチャック67は、離反位置M2に位置する。
図7に示すように、移動装置85は、第2付勢部材86と、押圧機構87とを備えている。第2付勢部材86は、プッシュロッド83の第1係止片83Aに接続されている。第2付勢部材86は、押圧機構87の一部に接続されている。第2付勢部材86は、プッシュロッド83を第2方向K2に第2の付勢力で付勢する。第2の付勢力は、第1付勢部材70の第1の付勢力より小さい。第2付勢部材86は、例えば、圧縮ばねである。
押圧機構87は、プッシュロッド83を第2方向K2に所定の押圧力で押圧可能に構成されている。押圧力は、第1付勢部材70の第1の付勢力より大きい。図7に示すように、押圧機構87は、移動部材88と、駆動モータ89(図3参照)とを備えている。移動部材88は、第1移動体88Aと、第2移動体88Bと、連結部材88Cと、支持軸88Dと、を備えている。移動部材88は、軸方向Kに移動可能に構成されている。第1移動体88Aは、移動体の一例である。
第1移動体88Aは、円板状に形成されている。第1移動体88Aには、軸方向Kに貫通するガイド孔88Hが形成されている。ガイド孔88Hには、プッシュロッド83の一部が挿通される。第1移動体88Aは、第2付勢部材86側に位置する第1面88Eと、ドローバー68側に位置する第2面88Fとを有する。第2移動体88Bは、円板状に形成されている。第2移動体88Bは、第1移動体88Aより上方に配置されている。第2移動体88Bは、支持軸88Dに摺動自在に設けられている。
連結部材88Cは、第1移動体88Aと第2移動体88Bとを連結している。即ち、連結部材88Cによって、第1移動体88Aと第2移動体88Bとは一体となって、軸方向Kに移動することができる。支持軸88Dは、軸方向Kに延びる。支持軸88Dには、駆動モータ89の駆動力が伝達される。支持軸88Dは、駆動モータ89の駆動力によって回転可能に構成されている。支持軸88Dが回転することによって、移動部材88は第1方向K1および第2方向K2に移動する。
駆動モータ89は、プッシュロッド83を第1方向K1および第2方向K2へ移動させる。即ち、駆動モータ89が駆動することによって、支持軸88Dが回転し、これに伴い、プッシュロッド83が第1方向K1および第2方向K2へ移動する。
図7に示すように、プッシュロッド83が第1位置P1に位置するとき、プッシュロッド83は、第2付勢部材86の第2の付勢力のみによって第2方向K2に付勢されている。即ち、プッシュロッド83には、押圧機構87の押圧力は付加されていない。ここで、押圧機構87が第1基準位置S1に位置するとき、移動部材88の第1移動体88Aによって、プッシュロッド83が第2方向K2に移動することが阻止されている。これにより、プッシュロッド83はドローバー68と非接触となる第1位置P1に位置することになる。このとき、プッシュロッド83の第1係止片83Aは第1移動体88Aの第1面88Eに係止しかつプッシュロッド83の第2係止片83Bは第1移動体88Aの第2面88Fに係止しない。
図12に示すように、プッシュロッド83が第1位置P1に位置するとき、プッシュロッド83とドローバー68とは非接触である。このとき、ドローバー68は、第1付勢部材70によって第1方向K1に付勢されている。これにより、コレットチャック67は把持位置M1に位置する。ストッパー71とドローバー68の突出片69とは、軸方向Kに関して距離Lだけ離れている。
図10に示すように、プッシュロッド83が第2位置P2に位置しかつコレットチャック67の第3端部67Aが検出ツール6Bを把持しているとき、プッシュロッド83は、第2付勢部材86の第2の付勢力のみによって第2方向K2に付勢されている。即ち、プッシュロッド83には、押圧機構87の押圧力は付加されていない。ここで、押圧機構87を第1基準位置S1から第2基準位置S2に移動させるとき、第2付勢部材86の第2付勢力によって、プッシュロッド83が第2方向K2に移動する。これにより、プッシュロッド83は、ドローバー68と接触する第2位置P2に位置することになる。即ち、押圧機構87が第2基準位置S2に位置するとき、押圧機構87は、第2付勢部材86の第2付勢力によるプッシュロッド83の第2方向K2への移動を許容する。プッシュロッド83の第1係止片83Aは第1移動体88Aの第1面88Eに係止せず、かつプッシュロッド83の第2係止片83Bは第1移動体88Aの第2面88Fに係止しない。第2基準位置S2は、第1基準位置S1より下方に位置する。プッシュロッド83の移動量は、第1基準位置S1と第2基準位置S2との差分に等しい。
図13に示すように、プッシュロッド83が第2位置P2に位置するとき、プッシュロッド83とドローバー68とは接触するが、プッシュロッド83は、ドローバー68を第2方向K2に押圧していない。このとき、ドローバー68は、第1付勢部材70によって第1方向K1に付勢されている。これにより、コレットチャック67は把持位置M1に位置する。ストッパー71とドローバー68の突出片69とは、軸方向Kに関して距離Lだけ離れている。
図11に示すように、プッシュロッド83が第3位置P3に位置するとき、プッシュロッド83は、押圧機構87の押圧力のみによって第2方向K2に付勢されている。第2付勢部材86には、プッシュロッド83を介して押圧機構87の押圧力が付加されている。ここで、押圧機構87を第2基準位置S2から第3基準位置S3に移動させるとき、押圧機構87は、プッシュロッド83の第2係止片83Bが第1移動体88Aの第2面88Fに係止した状態でプッシュロッド83を第2方向K2へ押圧することによって、コレットチャック67を把持位置M1から離反位置M2に移動させる。プッシュロッド83の第1係止片83Aは第1移動体88Aの第1面88Eに係止せずかつプッシュロッド83の第2係止片83Bは第1移動体88Aの第2面88Fに係止する。第3基準位置S3は、第2基準位置S2より下方に位置する。
図14に示すように、プッシュロッド83が第2位置P2(図13参照)から第3位置P3に位置するとき、プッシュロッド83とドローバー68とは接触し、プッシュロッド83は、ドローバー68を第2方向K2に押圧する。ここで、第1付勢部材70の周囲にはストッパー71が設けられているため、ドローバー68は、第2方向K2に距離Lだけ移動することになる。これにより、コレットチャック67は離反位置M2に位置する。このように、第1付勢部材70の周囲にはストッパー71が設けられているため、プッシュロッド83の押圧力が仮に大きすぎることがあったとしても、第1付勢部材70が押し込まれる量は距離Lとなる。
検出センサ90は、プッシュロッド83とドローバー68とが非接触であることを検出する。図7に示すように、検出センサ90は、第1移動体88Aに押圧されたときに、プッシュロッド83とドローバー68とが非接触であることを検出するように構成されている。検出センサ90は、第1移動体88Aと第2移動体88Bとの間に配置されている。検出センサ90は、第2付勢部材86の側方に配置されている。検出センサ90は、プッシュロッド83とドローバー68とが非接触のときに、第1移動体88Aによって押圧される位置に配置される。
図15に示すように、切削加工装置10は、電流供給機構45を備えている。電流供給機構45は、ケース本体12内に配置されている。電流供給機構45は、プッシュロッド83(図7参照)に電流を供給する。電流供給機構45は、自動補正を行うときにプッシュロッド83に電流を供給する。電流供給機構45は、制御装置48に制御される。電流供給機構45は、例えば、電子回路によって構成されている。電流供給機構45は、プッシュロッド83に直接的に電流を供給してもよいし、アクチュエータ82の移動装置85等を介して間接的にプッシュロッド83に電流を供給してもよい。
図1に示すように、制御装置48は、ケース本体12内に配置されている。制御装置48は、第1駆動機構38C、第2駆動機構38D、第3駆動機構58B、駆動モータ44A、電流供給機構45、スピンドルモータ66、駆動モータ89を制御する。
制御装置48は、検出センサ90によってプッシュロッド83とドローバー68とが非接触であることが検出されているときに、駆動モータ89を所定の時間だけ駆動させてプッシュロッド83を第2方向K2へ移動させるように構成されている。ここで、所定の時間は、プッシュロッド83の押圧力によってドローバー68が第2方向K2に移動し、コレットチャック67が離反位置M2に位置するように設定される。
制御装置48は、被加工物5(即ちツールマガジン40やクランプ50)とスピンドルユニット60との相対的な位置関係を適切に補正する自動補正を行う。制御装置48は、プッシュロッド83が第2位置P2(図10参照)に位置しかつコレットチャック67の第3端部67Aが検出ツール6Bを把持しているときに、電流供給機構45を制御してプッシュロッド83に電流を供給すると共に、キャリッジ38を制御してスピンドルユニット60を所定の方向に移動させて検出ツール6Bを導通箇所43に接触させる。これにより、制御装置48は、ツールマガジン40とスピンドルユニット60との相対的な位置関係を取得することができ、予め定められた位置関係となるように、スピンドルユニット60やツールマガジン40等の位置や角度を調整するように構成されている。
以上のように、本実施形態のスピンドルユニット60によると、第1カバー部材72は、ハウジング63に形成された第1開口63Aを覆う。第1開口63A側には、加工ツール6Aを把持するコレットチャック67の第3端部67Aが位置するが、第1開口63Aは第1カバー部材72に覆われているため、加工ツール6Aによって被加工物5が加工されたときに発生し得る切削粉等(即ちコンタミネーション)が第1開口63Aを介してハウジング63内に侵入することが抑制される。ここで、第1カバー部材72と主軸65とは、第1カバー部材72の雌ねじ部72Mと主軸65の第1端部65A側の外周面に形成された雄ねじ部65Mとが係合することによって、相互に固定されている。このように、第1カバー部材72と主軸65とは機械的に強固に固定されているため、振動や熱によって第1カバー部材72が主軸65から突然外れてしまうことを抑制することができる。また、第1カバー部材72を主軸65に強固に固定した状態で、第1カバー部材72はハウジング63に収容された第1軸受64Aを保持するため、第1軸受64Aにズレが生じることを抑制することができる。
本実施形態のスピンドルユニット60では、第1カバー部材72は、第1開口63Aを覆う本体部72Aと、本体部72Aから第1方向K1に向けて突出し、第1軸受64Aを保持する突出部72Bとを備え、雌ねじ部72Mは、本体部72Aおよび突出部72Bを軸方向Kに貫通するように形成されている。これにより、突出部72Bによって第1軸受64Aを安定的に保持することができると共に、本体部72Aによって第1開口63Aを覆うことができる。
本実施形態のスピンドルユニット60では、ハウジング63は、第1軸受64Aの一部を保持する第1軸受保持部63Cと、第1軸受保持部63Cから第2方向K2に向けて突出する突条部63Eと、を備え、第1カバー部材72には、突条部63Eが配置される溝72Cが形成され、突条部63Eと第1カバー部材72とは接触しない。これにより、第1カバー部材72とハウジング63との間に形成される隙間の形状がより複雑化するため、第1開口63Aを介してハウジング63内に切削粉等が侵入することがより確実に抑制される。
本実施形態のスピンドルユニット60では、第1カバー部材72には、主軸65の回転を調整するための重りを取り付けるための複数の取り付け孔72Dが形成されており、スピンドルユニット60は、複数の取り付け孔72Dを覆う第2カバー部材73を備えている。取り付け孔72Dに切削粉等が付着してしまうと、主軸65の回転時のバランスを重りによって調整しているにも関わらず、主軸65の回転時のバランスが悪くなる虞がある。本実施形態では、第2カバー部材73は複数の取り付け孔72Dを覆うため、取り付け孔72Dに切削粉等が付着することが防止される。
本実施形態のスピンドルユニット60では、第2カバー部材73には、主軸65が挿入される挿入孔73Aが形成され、第2カバー部材73は、挿入孔73Aにおいて主軸65と主軸65の全周に亘って接触している。これにより、主軸65と第2カバー部材73との間から切削粉等が侵入することを抑制することができる。
本実施形態のスピンドルユニット60では、第2カバー部材73は、弾性変形可能な樹脂材料から形成されている。これにより、第2カバー部材73を主軸65から取り外すことが比較的容易になる。また、第2カバー部材73と主軸65との間のシール性が向上する。
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上述の各実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。
上述した実施形態では、第1付勢部材70およびストッパー71は、主軸65の第2端部65Bよりも上方に位置していたが、これに限定されない。第1付勢部材70およびストッパー71は、主軸65の貫通孔65H内に位置していてもよい。
上述した実施形態では、第1軸受64Aおよび第2軸受64Bは、導電性を有さない材料から形成されていたが、これに限定されない。第1軸受64Aおよび第2軸受64Bは、導電性を有する金属材料から形成されていてもよい。
上述した実施形態では、ドローバー68の突出片69は、本体部68Eと別体に形成されていたが、突出片69と本体部68Eとは一体的に形成されていてもよい。
上述した実施形態では、ドローバー68の突出片69は、本体部68Eの中途部に設けられていたが、突出片69は本体部68Eの先端部(即ち第6端部68B)に設けられていてもよい。この場合、プッシュロッド83は、ドローバー68の第6端部68B、即ち突出片69を押圧することになる。
上述した実施形態では、第1付勢部材70は、複数の皿ばねを備えていたが、皿ばねに代えて圧縮ばねを備えていてもよい。