JP2020182904A - カルボキシメチルセルロースを含む乳化剤 - Google Patents

カルボキシメチルセルロースを含む乳化剤 Download PDF

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Abstract

【課題】カルボキシメチルセルロースを含む乳化剤を提供する。【解決手段】カルボキシメチル置換度が0.20以上であり、セルロースI型の結晶化度が50%以上であり、メディアン径が10.0〜150.0μmであるカルボキシメチルセルロースを含む乳化剤。乳化剤はさらに水系媒体を含んでいてもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、カルボキシメチルセルロースを含む乳化剤に関する。詳細には、特定のカルボキシメチル置換度、セルロースI型の結晶化度、及びメディアン径を有するカルボキシメチルセルロースを含む乳化剤に関する。
カルボキシメチルセルロースは、セルロースの誘導体であり、セルロースの骨格を構成するグルコース残基中の水酸基の一部にカルボキシメチル基をエーテル結合させたものである。カルボキシメチルセルロースは、毒性がなく、また、その増粘性やチクソトロピー性(以下、「チクソ性」とも呼ぶ。)の性質から、飲食品や化粧品、医薬品、工業、建築などの様々な分野で、増粘剤、分散安定剤などとして使用されている。
特許文献1には、カルボキシメチルセルロース(以下、「CMC」とも呼ぶ。)を、例えば、エマルジョンの乳化剤や保護コロイド、塗料、接着剤、パップ剤、コーティング剤など、また、合成洗剤のビルダー、ソフトクリームやジャムなどの安定剤、乳剤、クリーム、軟こうの安定剤、膨張性下剤、錠剤製造時の結合剤として使用することが記載されている。
特開2000−34301号公報
カルボキシメチルセルロースは、その増粘性、吸水性、保水性等の性質から、飲食品、化粧品、水系塗料など、様々な分野において添加剤として使用されている。これらの汎用されるカルボキシメチルセルロースは、一般に、セルロースの結晶性を有さない水溶性の高分子である。これに対し、セルロースの結晶性を残存させ水中で完全には溶解せずに繊維状の形状を一部維持するようなカルボキシメチルセルロースは、その形状や結晶性等の特徴から、保形性がより高いなど、新たな効果が得られることが期待される。
しかし、セルロースの結晶性を残存させたカルボキシメチルセルロースは、不均質となりやすく、例えば、分散が不安定となったり、水中でダマを形成しやすいなどの問題が見られた。このような現象は、特に、セルロースの結晶性を残存させるためにカルボキシメチル置換度を低くした場合に顕著であった。これは、少ない量のカルボキシメチル基を、セルロースに均一に(すなわち、一箇所または数箇所に密集するような局所的な形態ではなく)導入することが困難であり、カルボキシメチル基が局所的に密集した部分が水に溶解しやすくなる一方で、カルボキシメチル基が少ない部分が溶解しないことなどにより、品質にばらつきが生じるためと考えられた。したがって、水系媒体に分散させることができる安定な品質のカルボキシメチルセルロースを得るためには、一定以上のカルボキシメチル置換度は必要であると考えられた。しかし、カルボキシメチル置換度を0.20以上にした場合には、例えば、セルロースI型の結晶化度を50%以上に維持することは困難であった。
本発明者らは、鋭意検討した結果、セルロースI型の結晶化度50%以上を維持しながら、カルボキシメチル置換度を0.20以上に高めることができるカルボキシメチルセルロースの製造方法を発見した。また、こうして得られたカルボキシメチル置換度が0.20以上であり、セルロースI型の結晶化度が50%以上であり、メディアン径が10.0〜150.0μmであるカルボキシメチルセルロースは、水系媒体と油系媒体との混合物に添加して家庭用ミキサー程度の撹拌力(回転数1000〜15000rpm)で撹拌、混合した際に、水系媒体と油系媒体との乳化を促進し、長期間安定な(すなわち、水系媒体と油系媒体とが長期にわたって分離しにくい)乳化物を形成できることがわかった。
本発明としては、以下に限定されないが、次のものが挙げられる。
[1]カルボキシメチル置換度が0.20以上であり、かつ、セルロースI型の結晶化度が50%以上であり、メディアン径が10.0〜150.0μmであるカルボキシメチルセルロースを含む乳化剤。
[2]カルボキシメチルセルロースにおけるカルボキシメチル置換度が0.50以下である、[1]に記載の乳化剤。
[3]カルボキシメチルセルロースが、水を主とする溶媒下でマーセル化反応を行い、次いで、水と有機溶媒との混合溶媒下でカルボキシメチル化反応を行うことにより製造されたものである、[1]または[2]に記載の乳化剤。
[4]前記水を主とする溶媒が、水を50質量%より多く含む溶媒である、[3]に記載の乳化剤。
[5]前記混合溶媒における有機溶媒の割合が、水と有機溶媒との総和に対して、50〜99質量%である、[3]または[4]に記載の乳化剤。
[6]さらに水系媒体を含む、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の乳化剤。
[7][1]〜[6]のいずれか1項に記載の乳化剤を含有する飲食品。
[8][1]〜[6]のいずれか1項に記載の乳化剤を含有する化粧品。
[9][1]〜[6]のいずれか1項に記載の乳化剤を含有する塗料。
[10][1]〜[6]のいずれか1項に記載の乳化剤を、水系媒体及び油系媒体の混合物に添加して、前記乳化剤、水系媒体、及び油系媒体の混合物を準備する工程、及び
前記乳化剤、水系媒体、及び油系媒体の混合物を撹拌して、水系媒体及び油系媒体が乳化した乳化物を調製する工程、
を含む、乳化物の製造方法。
[11]前記乳化剤、水系媒体、及び油系媒体の混合物を準備する工程において、前記乳化物におけるカルボキシメチルセルロースの固形分が、0.05〜1.00質量%となるように前記乳化剤を添加することを含む、[10]に記載の乳化物の製造方法。
[12]前記乳化物を調製する工程において、撹拌を、回転数1000〜15000rpmで1分間以上行うことを含む、[11]または[12]に記載の乳化物の製造方法。
本発明の乳化剤は、セルロースI型の結晶性が残存していながらも安定な品質を有しており、水系媒体及び油系媒体の混合物に添加して撹拌、混合した場合に、安定な乳化物の形成を促進することができる。乳化物の形成を必要とする様々な分野、例えば、これらに限定されないが、食品、化粧品、塗料などの分野における乳化剤として使用するのに適しているといえる。
<カルボキシメチルセルロース>
本発明は、カルボキシメチル置換度が0.20以上であり、セルロースI型の結晶化度が50%以上であり、メディアン径が10.0〜150.0μmであるカルボキシメチルセルロースを含む乳化剤に関する。
カルボキシメチルセルロースは、セルロースを構成するグルコース残基中の水酸基の一部がカルボキシメチル基とエーテル結合した構造を有する。カルボキシメチルセルロースは、塩の形態をとる場合もあり、本発明に用いられるカルボキシメチルセルロースには、カルボキシメチルセルロースの塩も含まれるものとする。カルボキシメチルセルロースの塩としては、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム塩などの金属塩などが挙げられる。
<カルボキシメチル置換度>
本発明に用いられるカルボキシメチルセルロースは、セルロースの無水グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度が0.20以上である。好ましくは、カルボキシメチル置換度は0.23以上である。カルボキシメチル置換度が0.20未満であると、水系媒体及び油系媒体の混合物に添加した際に沈殿したり、また凝集を生じるなどして均一な乳化物を形成させることが困難である。カルボキシメチル置換度の上限値は、好ましくは0.50以下であり、より好ましくは0.40以下である。カルボキシメチル置換度が0.50を超えると水系媒体への溶解が起こりやすくなり、繊維形態を維持できなくなり、乳化促進効果と乳化物の安定化効果が低減する可能性がある。また、水系媒体中で粒径を測定することができなくなる。したがって、カルボキシメチル置換度は、0.20以上0.50以下の範囲であることが好ましい。なお、0.20以上0.50以下の範囲では、後述するセルロースI型の結晶化度が50%以上であるカルボキシメチルセルロースを得ること自体が特に従来の水媒法では困難であったが、本発明者らは、例えば後述する製法により、カルボキシメチル置換度0.20以上0.50以下であり、セルロースI型の結晶化度が50%以上であり、品質の安定したカルボキシメチルセルロースを製造できることを見出した。カルボキシメチル置換度は、反応させるカルボキシメチル化剤の添加量、マーセル化剤の量、水と有機溶媒の組成比率をコントロールすること等によって調整することができる。
本発明において無水グルコース単位とは、セルロースを構成する個々の無水グルコース(グルコース残基)を意味する。また、カルボキシメチル置換度(エーテル化度ともいう。)とは、セルロースを構成するグルコース残基中の水酸基のうちカルボキシメチルエーテル基に置換されているものの割合(1つのグルコース残基当たりのカルボキシメチルエーテル基の数)を示す。なお、カルボキシメチル置換度はDSと略すことがある。
カルボキシメチル置換度の測定方法は以下の通りである:
試料約2.0gを精秤して、300mL共栓付き三角フラスコに入れる。硝酸メタノール(メタノール1000mLに特級濃硝酸100mLを加えた液)100mLを加え、3時間振盪して、カルボキシメチル化セルロースの塩(CMC)をH−CMC(水素型カルボキシメチル化セルロース)に変換する。その絶乾H−CMCを1.5〜2.0g精秤し、300mL共栓付き三角フラスコに入れる。80%メタノール15mLでH−CMCを湿潤し、0.1N−NaOHを100mL加え、室温で3時間振盪する。指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1N−HSOで過剰のNaOHを逆滴定し、次式によってカルボキシメチル置換度(DS値)を算出する。
A=[(100×F’−0.1N−HSO(mL)×F)×0.1]/(H−CMCの絶乾質量(g))
カルボキシメチル置換度=0.162×A/(1−0.058×A)
F’:0.1N−HSOのファクター
F:0.1N−NaOHのファクター。
<セルロースI型の結晶化度>
本発明に用いられるカルボキシメチルセルロースにおけるセルロースI型の結晶化度は、50%以上である。好ましくは、上記結晶化度は60%以上である。セルロースI型の結晶化度が50%未満であると、所望の乳化促進効果が得られない。セルロースの結晶性は、マーセル化剤の濃度と処理時の温度、並びにカルボキシメチル化の度合によって制御できる。マーセル化及びカルボキシメチル化においては高濃度のアルカリが使用されるために、セルロースのI型結晶がII型に変換されやすいが、アルカリ(マーセル化剤)の使用量を調整するなどして変性の度合いを調整することによって、所望の結晶性を維持させることができる。セルロースI型の結晶化度の上限は特に限定されない。現実的には90%程度が上限となると考えられる。
カルボキシメチル化パルプのセルロースI型の結晶化度の測定方法は、以下の通りである:
試料をガラスセルに乗せ、X線回折測定装置(LabX XRD−6000、島津製作所製)を用いて測定する。結晶化度の算出はSegal等の手法を用いて行い、X線回折図の2θ=10゜〜30゜の回折強度をベースラインとして、2θ=22.6゜の002面の回折強度と2θ=18.5゜のアモルファス部分の回折強度から次式により算出する。
Xc=(I002c―Ia)/I002c×100
Xc=セルロースのI型の結晶化度(%)
I002c:2θ=22.6゜、002面の回折強度
Ia:2θ=18.5゜、アモルファス部分の回折強度。
カルボキシメチルセルロースは、一般に、セルロースをアルカリで処理(マーセル化)した後、得られたマーセル化セルロース(アルカリセルロースともいう。)を、カルボキシメチル化剤(エーテル化剤ともいう。)と反応させることにより製造することができる。
<メディアン径>
本発明に用いられるカルボキシメチルセルロースは、メディアン径が10.0〜150.0μmである。好ましくは、25.0〜100.0μm、さらに好ましくは、35.0〜70.0μmである。メディアン径が10.0μm未満であると、微粉のため粉が舞うなどして取り扱いが困難であり、150.0μmを超えると大きすぎることで嵩高くなり粉体の詰め作業が困難なので好ましくない。さらに、メディアン径が上記の範囲にあることで、カルボキシメチルセルロースの繊維長や繊維径が細くなりすぎず一定の範囲で保たれ、良好な乳化促進効果と、乳化物の長期安定性を発揮しやすくなると推測される。カルボキシメチルセルロースのメディアン径は、カルボキシメチルセルロースを湿式または乾式で粉砕することにより調整することができる。
なおメディアン径は、以下の手順により測定することができる:
分散媒としてメタノールを用い、散乱強度0.1〜20%となるようにサンプルを調製し、レーザー回折式粒度分布測定装置(マルバーン社製、マスターサイザー3000)にて測定する。
<粘度>
本発明に用いられるカルボキシメチルセルロースは、水中で高い粘度を示すものが好ましい。本明細書において、粘度の測定方法は、以下の通りである:
所定の濃度のカルボキシメチルセルロースを含有する水を分散媒とした分散体を調製する。25℃で撹拌機を用いて600rpmで3時間撹拌する。その後、JIS−Z−8803の方法に準じて、B型粘度計(東機産業社製)を用いて、所定の回転数で3分後の粘度を測定する。
本発明の乳化剤に用いられるカルボキシメチルセルロースの固形分を1%(w/v)(分散媒:水)とした際の回転数6rpmにおける粘度(25℃)は、1000mPa・s〜30000mPa・sであることが好ましく、2000mPa・s〜25000mPa・sがさらに好ましく、2500mPa・s〜20000mPa・sがさらに好ましい。また、回転数60rpmにおける粘度(25℃)は、100mPa・s〜10000mPa・sであることが好ましく、300mPa・s〜5000mPa・sがさらに好ましく、500mPa・s〜4000mPa・sがさらに好ましい。
<アニオン化度>
本発明に用いられるカルボキシメチルセルロースは、アニオン化度(アニオン電荷密度ともいう。)が0.00meq/g以上1.00meq/g以下であることが好ましい。アニオン化度の測定方法は、以下の通りである:
カルボキシメチルセルロースを水に分散し、固形分10g/Lの水分散体を調製し、マグネチックスターラーを用い一昼夜1000rpmにて撹拌する。得られたスラリーを0.1g/Lに希釈後、10ml採取し、流動電流検出器(Mutek Particle Charge Detector 03)用い、1/1000規定度のジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)で滴定して、流動電流がゼロになるまでのDADMACの添加量を用い、以下の式によりアニオン化度を算出する:
q=(V×c)/m
q:アニオン化度(meq/g)
V:流動電流がゼロになるまでのDADMACの添加量(L)
c:DADMACの濃度(meq/L)
m:測定試料中のカルボキシメチル化パルプの質量(g)。
本明細書において、「アニオン化度」とは、上記の測定方法から分かるように、単位質量のカルボキシメチルセルロースにおいて、アニオン性基を中和するのに要したDADMACの当量に相当し、単位質量のカルボキシメチルセルロースあたりのアニオンの当量に相当する。
カルボキシメチルセルロースのアニオン化度は、0.00meq/g以上1.00meq/g以下であることが好ましく、0.00meq/g以上0.80meq/g以下がさらに好ましく、0.00meq/g以上0.60meq/g以下がさらに好ましい。このような範囲のアニオン化度を有するカルボキシメチルセルロースは、アニオン化度が1.00meq/gよりも高いカルボキシメチルセルロースに比べて、カルボキシメチル基が、局所的ではなく、セルロース全体にわたり均一に導入されていると考えられ、本発明の効果をより安定に得ることができると考えられる。このようなアニオン化度を有するカルボキシメチルセルロースは、例えば、後述する方法により製造することができる。
<濾過残渣の割合>
本発明に用いられるカルボキシメチルセルロースは、水を分散媒として分散体としたときに(水分散体)、ダマ(塊)の形成が少ない(すなわち、濾過残渣を形成する割合が少ない)ものが好ましい。具体的には、水500gにカルボキシメチルセルロースを投入し、400rpmで5秒間撹拌した後、20メッシュのフィルターを用いて自然濾過した際のフィルター上の濾過残渣の乾燥質量が、水に投入したカルボキシメチルセルロースの乾燥質量に対して、0〜30質量%であることが好ましい(本明細書において、上記の方法で算出される水に投入したカルボキシメチルセルロースの乾燥質量に対する自然濾過後の濾過残渣の乾燥質量の割合を、「濾過残渣の割合」と呼ぶ。)。濾過残渣の割合の具体的な測定方法は、以下の通りである:
(1)濾過残渣の量の測定
1Lのビーカーに500gの水を採取する。カルボキシメチルセルロース5gを分取し、質量を記録する(カルボキシメチルセルロースの質量)。撹拌器(IKA(登録商標)EUROSTAR P CV S1(IKA社製))に撹拌羽をセットし、400rpmで水を撹拌しておく。質量を記録しておいたカルボキシメチルセルロースを、撹拌している水中に一気に投入し、投入後5秒間撹拌する。撹拌終了後、撹拌器の電源を切る。撹拌終了後、迅速に、あらかじめ質量を測定しておいた20メッシュのフィルターを用いて自然濾過を行う。自然濾過後、フィルターとその上の残渣をともに、バット上で100℃で2時間乾燥させる。フィルターとその上の残渣の質量を測定し、フィルターの質量を差し引くことで残渣の絶乾質量(g)を計算する(絶乾残渣質量)。
(2)カルボキシメチルセルロースの水分量の計算
秤量瓶を100℃で2時間加熱し、シリカゲルの入ったデシケーター内で冷却し、秤量瓶の絶乾質量を精秤する(絶乾秤量瓶質量)。カルボキシメチルセルロースを秤量瓶中に約1.5g量り取り、精秤する(乾燥前CMC質量)。秤量瓶のふたを開け、105℃で2時間加熱乾燥する。秤量瓶のふたを閉め、シリカゲルの入ったデシケーター内で15分間冷却する。乾燥後の秤量瓶質量(乾燥後のカルボキシメチルセルロースを含む)を精秤する(乾燥後CMC入り秤量瓶質量)。以下の式を用いて、カルボキシメチルセルロースの水分量を計算する:
カルボキシメチルセルロースの水分(%)=[{乾燥前CMC質量(g)−(乾燥後CMC入り秤量瓶質量(g)−絶乾秤量瓶質量(g))}/乾燥前CMC質量(g)] ×100。
(3)濾過残渣の割合の計算
(1)で測定したカルボキシメチル化セルロースの質量(g)及び絶乾残渣質量(g)、ならびに(2)で計算したカルボキシメチルセルロースの水分(%)を用いて、以下の式により、カルボキシメチルセルロースの濾過残渣の割合を計算する:
カルボキシメチルセルロースの濾過残渣の割合(%)=[絶乾残渣質量(g)/{カルボキシメチルセルロースの質量(g)×(100−カルボキシメチルセルロースの水分(%))/100}]×100。
上記式により算出されるカルボキシメチルセルロースの濾過残渣の割合は、0〜30%であることが好ましく、0〜20%であることがさらに好ましく、0〜10%であることがさらに好ましい。濾過残渣の割合の少ないカルボキシメチルセルロースは、分散させやすく、取扱い性に優れる。このような濾過残渣の割合の少ないカルボキシメチルセルロースは、例えば、後述する方法により製造することができる。
<ショッパー・リーグラろ水度>
本発明に用いられるカルボキシメチルセルロースは、ショッパー・リーグラろ水度が60.0゜SR以上であることが好ましい。ショッパー・リーグラろ水度の測定方法は、JISP 82121−1:2012に準じ、具体的には、以下の通りである:
カルボキシメチルセルロースを水に分散し、固形分10g/Lの水分散体を調製し、マグネチックスターラーを用い一昼夜1000rpmにて撹拌する。得られたスラリーを1g/Lに希釈する。ミューテック社製DFR−04に60メッシュスクリーン(ワイヤー太さ0.17mm)をセットし、1000mlの検液から、上記メッシュを通過する液量を60秒間計測し、JISP 8121−1:2012に準じた方法で、ショッパー・リーグラろ水度を算出する。
ショッパー・リーグラろ水度は、繊維の懸濁液の水切れの程度を測定するものであり、下限値は0゜SR、上限値は100゜SRであり、ショッパー・リーグラろ水度が100゜SRに近づくほど、水切れ(排水量)が少ないことを示し、すなわち、繊維の保水性が高いことを示す。
カルボキシメチルセルロースのショッパー・リーグラろ水度は、60.0゜SR以上であることが好ましく、65.0゜SR以上であることがさらに好ましい。上限は特に限定されないが、100.0゜SR以下であり、好ましくは、90.0゜SR以下である。ショッパー・リーグラろ水度が60.0゜SR以上であるカルボキシメチルセルロースは、保水性が高く、例えば、これらに限定されないが、飲食品、化粧品、塗料、医薬品などの様々な組成物において、保水剤としての効果も発揮すると考えられる。このようなショッパー・リーグラろ水度を有するカルボキシメチルセルロースは、例えば、後述する方法により製造することができる。
<カナディアンスタンダードフリーネス>
本発明に用いられるカルボキシメチルセルロースは、カナディアンスタンダードフリーネス(カナダ標準濾水度)が150ml以下であることが好ましく、120ml以下がより好ましく、110ml以下がさらに好ましい。このようなカナディアンスタンダードフリーネスを有するカルボキシメチルセルロースは、例えば、後述する方法により製造することができる。カナディアンスタンダードフリーネスは、繊維の懸濁液の水切れの程度を測定するものであり、値が小さいほど水切れ(排水量)が少ないことを示し、すなわち、繊維の保水性が高いことを示す。カナディアンスタンダードフリーネスの測定方法は、以下の通りである:
前述したショッパー・リーグラ濾水度と同様の方法で試料を調製し、ミューテック社製DFR−04に60メッシュスクリーン(ワイヤー太さ0.17mm)をセットし、1000mlの検液から、上記メッシュを通過する液量を60秒間計測し、JISP 8121−2:2012に準じた方法で、カナディアンスタンダードフリーネスを算出する。
<濾水量>
本発明に用いられるカルボキシメチルセルロースは、濾水量が400ml以下であることが好ましく、380ml以下がより好ましく、370ml以下がさらに好ましい。このような濾水量を有するカルボキシメチルセルロースは、例えば、後述する方法により製造することができる。濾水量は、繊維の懸濁液の水切れの程度を測定するものであり、値が小さいほど水切れ(排水量)が少ないことを示し、すなわち、繊維の保水性が高いことを示す。濾水量の測定方法は、以下の通りである:
前述したショッパー・リーグラ濾水度と同様の方法で試料を調整し、ミューテック社製DFR−04に60メッシュスクリーン(ワイヤー太さ0.17mm)をセットし、1000mlの検液から、上記メッシュを通過する液量を60秒間計測し、濾水量を算出した。
<カルボキシメチルセルロースの製法>
カルボキシメチルセルロースは、一般に、セルロースをアルカリで処理(マーセル化)した後、得られたマーセル化セルロース(アルカリセルロースともいう。)を、カルボキシメチル化剤(エーテル化剤ともいう。)と反応させることにより製造することができる。一般的なカルボキシメチルセルロースの製法としては、マーセル化とカルボキシメチル化の両方を水を溶媒として行う方法である水媒法と、マーセル化とカルボキシメチル化の両方を有機溶媒を主とする溶媒下で行う方法である溶媒法が知られている。一方、本発明に用いられる特定のカルボキシメチル置換度及びセルロースI型の結晶化度を有するカルボキシメチルセルロースは、これに限定されないが、例えば、マーセル化(セルロースのアルカリ処理)を水を主とする溶媒下で行い、その後、カルボキシメチル化(エーテル化ともいう。)を水と有機溶媒との混合溶媒下で行うことにより、製造することができる。このようにして得たカルボキシメチルセルロースは、従来の水媒法や溶媒法で得たカルボキシメチルセルロースでは達成しにくい、カルボキシメチル置換度を0.20以上としながら、高いセルロースI型の結晶化度を維持するという特徴を有する。
<セルロース>
本明細書においてセルロースとは、D−グルコピラノース(単に「グルコース残基」、「無水グルコース」ともいう。)がβ−1,4結合で連なった構造の多糖を意味する。セルロースは、一般に起源、製法等から、天然セルロース、再生セルロース、微細セルロース、非結晶領域を除いた微結晶セルロース等に分類される。本発明では、これらのセルロースのいずれも、マーセル化セルロースの原料として用いることができるが、カルボキシメチルセルロースにおいて50%以上のセルロースI型の結晶化度を維持するためには、セルロースI型の結晶化度が高いセルロースを原料として用いることが好ましい。原料となるセルロースのセルロースI型の結晶化度は、好ましくは、70%以上であり、さらに好ましくは80%以上である。セルロースI型の結晶化度の測定方法は、上述した通りである。
天然セルロースとしては、晒パルプまたは未晒パルプ(晒木材パルプまたは未晒木材パルプ);リンター、精製リンター;酢酸菌等の微生物によって生産されるセルロース等が例示される。晒パルプ又は未晒パルプの原料は特に限定されず、例えば、木材、木綿、わら、竹、麻、ジュート、ケナフ等が挙げられる。また、晒パルプ又は未晒パルプの製造方法も特に限定されず、機械的方法、化学的方法、あるいはその中間で二つを組み合せた方法でもよい。製造方法により分類される晒パルプ又は未晒パルプとしては例えば、メカニカルパルプ(サーモメカニカルパルプ(TMP)、砕木パルプ)、ケミカルパルプ(針葉樹未漂白サルファイトパルプ(NUSP)、針葉樹漂白サルファイトパルプ(NBSP)等の亜硫酸パルプ、針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)等のクラフトパルプ)等が挙げられる。さらに、製紙用パルプの他に溶解パルプを用いてもよい。溶解パルプとは、化学的に精製されたパルプであり、主として薬品に溶解して使用され、人造繊維、セロハンなどの主原料となる。
再生セルロースとしては、セルロースを銅アンモニア溶液、セルロースザンテート溶液、モルフォリン誘導体など何らかの溶媒に溶解し、改めて紡糸されたものが例示される。 微細セルロースとしては、上記天然セルロースや再生セルロースをはじめとする、セルロース系素材を、解重合処理(例えば、酸加水分解、アルカリ加水分解、酵素分解、爆砕処理、振動ボールミル処理等)して得られるものや、前記セルロース系素材を、機械的に処理して得られるものが例示される。
<マーセル化>
原料として前述のセルロースを用い、マーセル化剤(アルカリ)を添加することによりマーセル化セルロース(アルカリセルロースともいう。)を得る。本明細書に記載の方法にしたがって、このマーセル化反応における溶媒に水を主として用い、次のカルボキシメチル化の際に有機溶媒と水との混合溶媒を使用することにより、特定のカルボキシメチル置換度とセルロースI型の結晶化度を両立するカルボキシメチルセルロースを経済的に得ることができる。
溶媒に水を主として用いる(水を主とする溶媒)とは、水を50質量%より高い割合で含む溶媒をいう。水を主とする溶媒中の水は、好ましくは55質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上である。特に好ましくは水を主とする溶媒は、水が100質量%(すなわち、水)である。マーセル化時の水の割合が多いほど、カルボキシメチル基がセルロースにより均一に導入されるという利点が得られる。水を主とする溶媒中の水以外の(水と混合して用いられる)溶媒としては、後段のカルボキシメチル化の際の溶媒として用いられる有機溶媒が挙げられる。例えば、メタノール、エタノール、N−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、N−ブタノール、イソブタノール、第3級ブタノール等のアルコールや、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン、ならびに、ジオキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン、ジクロロメタンなどを挙げることができ、これらの単独または2種以上の混合物を水に50質量%未満の量で添加してマーセル化の際の溶媒として用いることができる。水を主とする溶媒中の有機溶媒は、好ましくは45質量%以下であり、さらに好ましくは40質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは0質量%である。
マーセル化剤としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物が挙げられ、これらのうちいずれか1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。マーセル化剤は、これに限定されないが、これらのアルカリ金属水酸化物を、例えば、1〜60質量%、好ましくは2〜45質量%、より好ましくは3〜25質量%の水溶液として反応器に添加することができる。
マーセル化剤の使用量は、カルボキシメチルセルロースにおけるカルボキシメチル置換度0.20以上及びセルロースI型の結晶化度50%以上を両立できる量であればよく特に限定されないが、一実施形態において、セルロース100g(絶乾)に対して0.1モル以上2.5モル以下であることが好ましく、0.3モル以上2.0モル以下であることがより好ましく、0.4モル以上1.5モル以下であることがさらに好ましい。
マーセル化の際の水を主とする溶媒の量は、原料の撹拌混合が可能な量であればよく特に限定されないが、セルロース原料に対し、1.5〜20質量倍が好ましく、2〜10質量倍であることがより好ましい。
マーセル化処理は、発底原料(セルロース)と水を主とする溶媒とを混合し、反応器の温度を0〜70℃、好ましくは10〜60℃、より好ましくは10〜40℃に調整して、マーセル化剤の水溶液を添加し、15分〜8時間、好ましくは30分〜7時間、より好ましくは30分〜3時間撹拌することにより行う。これによりマーセル化セルロース(アルカリセルロース)を得る。
マーセル化の際のpHは、9以上が好ましく、これによりマーセル化反応を進めることができる。該pHは、より好ましくは11以上であり、更に好ましくは12以上であり、13以上でもよい。pHの上限は特に限定されない。
マーセル化は、温度制御しつつ上記各成分を混合撹拌することができる反応機を用いて行うことができ、従来からマーセル化反応に用いられている各種の反応機を用いることができる。例えば、2本の軸が撹拌し、上記各成分を混合するようなバッチ型攪拌装置は、均一混合性と生産性の両観点から好ましい。
<カルボキシメチル化>
マーセル化セルロースに対し、カルボキシメチル化剤(エーテル化剤ともいう。)を添加することにより、カルボキシメチルセルロースを得る。本明細書に記載の方法にしたがって、マーセル化の際は水を主とする溶媒として用い、カルボキシメチル化の際には水と有機溶媒との混合溶媒を用いることにより、特定のカルボキシメチル置換度とセルロースI型の結晶化度を両立するカルボキシメチルセルロースを経済的に得ることができる。
カルボキシメチル化剤としては、モノクロロ酢酸、モノクロロ酢酸ナトリウム、モノクロロ酢酸メチル、モノクロロ酢酸エチル、モノクロロ酢酸イソプロピルなどが挙げられる。これらのうち、原料の入手しやすさという点でモノクロロ酢酸、またはモノクロロ酢酸ナトリウムが好ましい。
カルボキシメチル化剤の使用量は、カルボキシメチルセルロースにおけるカルボキシメチル置換度0.20以上及びセルロースI型の結晶化度50%以上を両立できる量であればよく特に限定されないが、一実施形態において、セルロースの無水グルコース単位当たり、0.5〜1.5モルの範囲で添加することが好ましい。上記範囲の下限はより好ましくは0.6モル以上、さらに好ましくは0.7モル以上であり、上限はより好ましくは1.3モル以下、さらに好ましくは1.1モル以下である。カルボキシメチル化剤は、これに限定されないが、例えば、5〜80質量%、より好ましくは30〜60質量%の水溶液として反応器に添加することができるし、溶解せず、粉末状態で添加することもできる。
マーセル化剤とカルボキシメチル化剤のモル比(マーセル化剤/カルボキシメチル化剤)は、カルボキシメチル化剤としてモノクロロ酢酸又はモノクロロ酢酸ナトリウムを使用する場合では、0.90〜2.45が一般的に採用される。その理由は、0.90未満であるとカルボキシメチル化反応が不十分となる可能性があり、未反応のモノクロロ酢酸又はモノクロロ酢酸ナトリウムが残って無駄が生じる可能性があること、及び2.45を超えると過剰のマーセル化剤とモノクロロ酢酸又はモノクロロ酢酸ナトリウムによる副反応が進行してグリコール酸アルカリ金属塩が生成する恐れがあるため、不経済となる可能性があることにある。
カルボキシメチル化において、カルボキシメチル化剤の有効利用率は、15%以上であることが好ましい。より好ましくは20%以上であり、さらに好ましくは25%以上であり、特に好ましくは30%以上である。カルボキシメチル化剤の有効利用率とは、カルボキシメチル化剤におけるカルボキシメチル基のうち、セルロースに導入されたカルボキシメチル基の割合を指す。マーセル化の際に水を主とする溶媒を用い、カルボキシメチル化の際に水と有機溶媒との混合溶媒を用いることにより、高いカルボキシメチル化剤の有効利用率で(すなわち、カルボキシメチル化剤の使用量を大きく増やすことなく、経済的に)、本発明に用いられるカルボキシメチルセルロースを得ることができる。カルボキシメチル化剤の有効利用率の上限は特に限定されないが、現実的には80%程度が上限となる。なお、カルボキシメチル化剤の有効利用率は、AMと略すことがある。
カルボキシメチル化剤の有効利用率の算出方法は以下の通りである:
AM = (DS × セルロースのモル数)/ カルボキシメチル化剤のモル数
DS: カルボキシメチル置換度(測定方法は後述する)
セルロースのモル数:パルプ質量(100℃で60分間乾燥した際の乾燥質量)/162
(162はセルロースのグルコース単位当たりの分子量)。
カルボキシメチル化反応におけるセルロース原料の濃度は、特に限定されないが、カルボキシメチル化剤の有効利用率を高める観点から、1〜40%(w/v)であることが好ましい。
カルボキシメチル化剤を添加するのと同時に、あるいはカルボキシメチル化剤の添加の前または直後に、反応器に有機溶媒または有機溶媒の水溶液を適宜添加し、又は減圧などによりマーセル化処理時の水以外の有機溶媒等を適宜削減して、水と有機溶媒との混合溶媒を形成し、この水と有機溶媒との混合溶媒下で、カルボキシメチル化反応を進行させる。有機溶媒の添加または削減のタイミングは、マーセル化反応の終了後からカルボキシメチル化剤を添加した直後までの間であればよく、特に限定されないが、例えば、カルボキシメチル化剤を添加する前後30分以内が好ましい。
有機溶媒としては、メタノール、エタノール、N−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、N−ブタノール、イソブタノール、第3級ブタノール等のアルコールや、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン、ならびに、ジオキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン、ジクロロメタンなどを挙げることができ、これらの単独または2種以上の混合物を水に添加してカルボキシメチル化の際の溶媒として用いることができる。これらのうち、水との相溶性が優れることから、炭素数1〜4の一価アルコールが好ましく、炭素数1〜3の一価アルコールがさらに好ましい。
カルボキシメチル化の際の混合溶媒中の有機溶媒の割合は、水と有機溶媒との総和に対して有機溶媒が20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがよりましく、40質量%以上であることがさらに好ましく、45質量%以上であることがさらに好ましく、50質量%以上であることが特に好ましい。有機溶媒の割合が高いほど、均一なカルボキシメチル基の置換が起こりやすいなど、品質の安定したカルボキシメチルセルロースが得られるという利点が得られる。有機溶媒の割合の上限は限定されず、例えば、99質量%以下であってよい。添加する有機溶媒のコストを考慮すると、好ましくは90質量%以下であり、更に好ましくは85質量%以下であり、更に好ましくは80質量%以下であり、更に好ましくは70質量%以下である。
カルボキシメチル化の際の反応媒(セルロースを含まない、水と有機溶媒等との混合溶媒)は、マーセル化の際の反応媒よりも、水の割合が少ない(言い換えれば、有機溶媒の割合が多い)ことが好ましい。本範囲を満たすことで、得られるカルボキシメチルセルロースの結晶化度を維持しやすくなり、本発明に用いられるカルボキシメチルセルロースを、より効率的に得ることができるようになる。また、カルボキシメチル化の際の反応媒が、マーセル化の際の反応媒よりも水の割合が少ない(有機溶媒の割合が多い)場合、マーセル化反応からカルボキシメチル化反応に移行する際に、マーセル化反応終了後の反応系に所望の量の有機溶媒を添加するという簡便な手段でカルボキシメチル化反応用の混合溶媒を形成させることができるという利点も得られる。
水と有機溶媒との混合溶媒を形成し、マーセル化セルロースにカルボキシメチル化剤を投入した後、温度を好ましくは10〜40℃の範囲で一定に保ったまま15分〜4時間、好ましくは15分〜1時間程度撹拌する。マーセル化セルロースを含む液とカルボキシメチル化剤との混合は、反応混合物が高温になることを防止するために、複数回に分けて、または、滴下により行うことが好ましい。カルボキシメチル化剤を投入して一定時間撹拌した後、必要であれば昇温して、反応温度を30〜90℃、好ましくは40〜90℃、さらに好ましくは60〜80℃として、30分〜10時間、好ましくは1時間〜4時間、エーテル化(カルボキシメチル化)反応を行い、カルボキシメチルセルロースを得る。カルボキシメチル化反応時に昇温することにより、エーテル化反応を短時間で効率的に行えるという利点が得られる。
カルボキシメチル化の際には、マーセル化の際に用いた反応器をそのまま用いてもよく、あるいは、温度制御しつつ上記各成分を混合撹拌することが可能な別の反応器を用いてもよい。
反応終了後、残存するアルカリ金属塩を鉱酸または有機酸で中和してもよい。また、必要に応じて、副生する無機塩、有機酸塩等を含水メタノールで洗浄して除去してもよい。その後、カルボキシメチルセルロースを乾燥して分級し、所定のメディアン径のカルボキシメチルセルロースを得るが、乾燥の前または後に粉砕(湿式粉砕または乾式粉砕)を行ってよい。湿式粉砕で用いる装置としてはホモジナイザー、マスコロイダー、パールミル等の装置が例示される。乾式粉砕で用いる装置としてはハンマーミル、ピンミル等の衝撃式ミル、ボールミル、タワーミル等の媒体ミル、ジェットミル等が例示される。
<乳化剤>
本発明の乳化剤は、上述のカルボキシメチル置換度が0.20以上であり、セルロースI型の結晶化度が50%以上であり、メディアン径が10.0〜150.0μmであるカルボキシメチルセルロースを含む。乳化剤とは、水系媒体と油系媒体との混合物に添加して撹拌、混合した際に、水系媒体と油系媒体との乳化を促進し、また、乳化を安定化させる作用を有する剤をいう。剤が「乳化を促進する」とは、その剤がある場合に、その剤が無い場合と比べて、より少ないエネルギー(ミキサーの少ない回転数、少ない処理時間など)で乳化を形成できることをいう。また、剤が「乳化を安定化させる」とは、その剤がある場合に、その剤が無い場合と比べて、乳化物がより長期にわたり水系媒体と油系媒体とに分離せずに保持されることをいう。
乳化剤は、粉末状またはペレット状などの固体の形態であってもよく、また、液状またはゲル状などの水分を含んだ形態であってもよい。乳化剤が固体の形態である場合には、乳化剤は上述のカルボキシメチルセルロース自体であってもよい(すなわち、乳化剤の100質量%が上述のカルボキシメチルセルロースからなっていてもよい)し、上述のカルボキシメチルセルロースに加えて、色素、賦形剤などを含んでいても良い。乳化剤が、固体の形態である場合には、上述のカルボキシメチルセルロースが乳化剤の50質量%以上を占めることが好ましく、80質量%以上を占めることがさらに好ましく、95質量%以上を占めることがさらに好ましく、また、上述した通り、100質量%であってもよい。
乳化剤が液状またはゲル状の形態である場合には、乳化剤は、上述のカルボキシメチルセルロースに加えて、水系媒体をさらに含み、カルボキシメチルセルロースが水系媒体中に分散または懸濁している状態であることが好ましい。水系媒体とは、水と、水に任意の割合で混合可能な水溶性有機溶媒とを指し、具体的には、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール、グリセリン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、及びこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。好ましくは、水系媒体は、水である。
乳化剤が水系媒体を含む場合には、乳化剤(水系媒体を含む)中の上述のカルボキシメチルセルロースの濃度が、0.1〜5.0%(w/v)であることが好ましく、0.2〜3.0%(w/v)であることがさらに好ましく、0.3〜2.0%(w/v)であることがさらに好ましい。カルボキシメチルセルロースと水系媒体とを混合して乳化剤とする場合には、カルボキシメチルセルロースの濃度が上記の範囲となるようにカルボキシメチルセルロースと水系媒体とを混合して、任意の撹拌装置を用いて撹拌し、水系媒体中にカルボキシメチルセルロースを分散または懸濁させることが好ましい。
乳化剤が水系媒体を含む場合、乳化剤は、液状またはゲル状の形態を取りうるが、これらのうちでは、液状(カルボキシメチルセルロースが水系媒体中に懸濁しており、全体がゲル状には固まっておらず、流動性を有する状態)がより好ましい。乳化剤がゲル状であると、乳化対象である水系媒体と油系媒体の混合物に添加した際に、乳化剤が沈降して、うまく混ざり合わないことがある。したがって、乳化剤が水系媒体を含む場合、乳化剤の製造時には、乳化剤中のカルボキシメチルセルロースの量を乳化剤がゲル化しない程度の量とし、また、乳化剤がゲル化しない程度の撹拌力でカルボキシメチルセルロースと水系媒体とを混合することが好ましい。例えば、これに限定されないが、水系媒体として水を用いる場合、水中のカルボキシメチルセルロースの固形分量を0.5%(w/v)として、回転数10500rpmのミキサーで5分間撹拌、混合すると、カルボキシメチルセルロースが水中に懸濁した状態の液状の(ゲル化していない)乳化剤を製造することができる。なお、同条件で10分間撹拌、混合を行うと、ゲル化する。
本発明の乳化剤は、カルボキシメチル置換度が0.20以上及びセルロースI型の結晶化度50%以上を両立しながら品質が安定しており、また、適度なメディアン径を有するカルボキシメチルセルロースを含んでおり、ハンドリング性がよく、また、高い乳化促進効果と、乳化物の安定化効果を有することから、飲食品、化粧品、塗料、医薬品、飼料、製紙等の様々な分野における乳化剤として好適に使用することができる。
本発明の乳化剤は、飲食品に添加して使用することができる。飲食品としては、これらに限定されないが、ドレッシング、マヨネーズ、ホイップクリームなどが挙げられる。
本発明の乳化剤は、化粧品に添加して使用することができる。化粧品としては、これらに限定されないが、洗顔料、洗髪料、整髪料、ローション、クリーム、ネイルなどが挙げられる。
本発明の乳化剤は、塗料に添加して用いることができる。その他、乳化が行なわれるもの、例えば、医薬品における軟膏、飼料(例えば、牛用代用乳等)などに添加して用いることができる。
<乳化物の製造方法>
本発明の乳化剤を、水系媒体と油系媒体の混合物に添加して、撹拌、混合することにより、水系媒体と油系媒体との乳化を行わせ、乳化物を製造することができる。水系媒体とは、水及び水と任意の割合で混合可能な水溶性有機溶媒をいい、その例は、「乳化剤」の欄で上述した通りである。油系媒体とは、水に加えた際に混ざり合わない(分離する)常温で液状(粘性が高いが流動性があるものを含む)の物質をいう。水系媒体と油系媒体とは、それぞれ独立して、1種または複数の物質の混合物であってもよい。乳化対象である水系媒体と油系媒体との混合比率は特に限定されず、例えば、水系媒体:油系媒体(質量比)で1:99〜99:1の範囲であってもよい。
水系媒体と油系媒体の混合物に添加する乳化剤の割合は、用いる水系媒体や油系媒体の種類、水系媒体と油系媒体との混合比率などによって異なり、特に限定されないが、例えば、水系媒体と油系媒体と乳化剤の混合物(またはそれから得られる乳化物)の質量に対して、乳化剤由来のカルボキシメチルセルロースの質量が0.01〜5.00質量%となるような量で乳化剤を添加することは好ましく、0.02〜3.00質量%となるような量で乳化剤を添加することはさらに好ましく、0.05〜1.00質量%となるような量で乳化剤を添加することはさらに好ましい。水系媒体と油系媒体の混合物の種類に応じて、カルボキシメチルセルロースをこのような量となるように乳化剤を添加することにより、長期間安定な(水系媒体と油系媒体とが分離しにくい)乳化物を形成できると考えられる。カルボキシメチルセルロースの量が1.00質量%以下であると、乳化物中の泡の発生を抑えることができるという利点がある。
水系媒体と油系媒体の混合物に乳化剤を添加した後に、公知の混合、攪拌、乳化、または分散装置を用いて、水系媒体と油系媒体との乳化を行わせることができる。本発明の乳化剤に用いられる特定のカルボキシメチルセルロースは、水系媒体や油系媒体への混合性が良好であるため、高圧ホモジナイザーのような特殊な装置を用いることなく、家庭用のジューサーミキサー程度の撹拌力で乳化物を形成することができる。そのようなミキサーとしては、例えば、回転数が1000〜15000rpm、好ましくは3000〜12000ppm程度、より好ましくは5000〜12000rpm、さらに好ましくは6000〜12000rpmのミキサーが挙げられる。このようなミキサーを用いて、1分間以上、好ましくは2〜15分間程度、より好ましくは3〜10分間程度撹拌をすればよい。
高圧ホモジナイザーのような強力な剪断力が加えられる装置を用いると、カルボキシメチルセルロースの粒径は低下する傾向があるが、回転数1000〜15000rpm程度のミキサーを用いると、カルボキシメチルセルロースの粒径は大きくは変動しない。例えば、本発明に用いるカルボキシメチルセルロースを媒体中で回転数1000〜15000rpmで撹拌処理した際のカルボキシメチルセルロースのメディアン径は、撹拌処理をする前のカルボキシメチルセルロースのメディアン径をD50Aとし、撹拌処理後のカルボキシメチルセルロースのメディアン径をD50Bとした場合、
90≦D50B/D50A×100≦110
の式を満たす。
撹拌処理の前後でカルボキシメチルセルロースのメディアン径の変化が少ないことは、乳化物中においてカルボキシメチルセルロースが微細化されすぎないことを意味し、カルボキシメチルセルロースによる乳化安定化効果が保持されやすくなると考えられ、好ましい。したがって、回転数1000〜15000rpm程度のミキサーを用いることは、好ましい態様の1つであるといえる。しかし、これに限定されるものではなく、用途に応じて、高圧ホモジナイザーなどの剪断力の高い装置を用いて乳化を行ってもよい。
以下、本発明を実施例及び比較例をあげてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断らない限り、部および%は質量部および質量%を示す。
(実施例1)
回転数を100rpmに調節した二軸ニーダーに、水酸化ナトリウム20部を水100部に溶解したものとを加え、広葉樹パルプ(日本製紙(株)製、LBKP)を100℃60分間乾燥した際の乾燥質量で100部仕込んだ。30℃で90分間撹拌、混合しマーセル化セルロースを調製した。更に撹拌しつつイソプロパノール(IPA)230部と、モノクロロ酢酸ナトリウム60部を添加し、30分間撹拌した後、70℃に昇温して90分間カルボキシメチル化反応をさせた。カルボキシメチル化反応時の反応媒中のIPAの濃度は、70%である。反応終了後、酢酸でpH7程度になるよう中和し、脱液、乾燥、粉砕して、カルボキシメチル置換度0.24、セルロースI型の結晶化度71%、メディアン径59.0μmのカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩を得た。なお、カルボキシメチル置換度、セルロースI型の結晶化度、及びメディアン径の測定方法は、上述の通りである。
得られたカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩を水に添加し、カルボキシメチルセルロースの固形分1%(w/v)となるように調整した。得られたカルボキシメチルセルロースと水の混合物を、家庭用のジューサーミキサー(製品名:ミキサー YM-B12D1 メーカー:ハーブリラックス)で、回転数10500rpmで、5分間撹拌処理し、乳化剤とした。得られた乳化剤は、水中にカルボキシメチルセルロースが懸濁している液状の形態であった。
得られた乳化剤を、水:食用油(キャノーラ油)=50:50(質量比)の混合物に、水と食用油と乳化剤(水及びカルボキシメチルセルロースを含む)との合計に対してカルボキシメチルセルロースの割合が0.5質量%となるように、添加した。ホモミキサー(6000rpm)を用いて5分間撹拌して乳化物を調製し、室温で1週間静置して乳化状態を目視で確認したところ、水系媒体と油系媒体との分離は見られず、乳化を維持していた。
(実施例2)
実施例1で得られたカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩を、水:食用油(キャノーラ油)=50:50(質量比)の混合物に、水と食用油と乳化剤(水及びカルボキシメチルセルロースを含む)との合計に対してカルボキシメチルセルロースの割合が0.5質量%となるように、添加した。ジューサーミキサー(10500rpm)を用いて5分間撹拌して乳化物を調製し、室温で1週間静置して乳化状態を目視で確認したところ、水系媒体と油系媒体との分離は見られず、乳化を維持していた。
(比較例1)
実施例2のカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩の代わりに、粉末状セルロース KCフロックW-50GK(日本製紙社製、メディアン径45μm)を用いた以外は、実施例2と同様にした。ジューサーミキサーで撹拌したが、水系媒体と油系媒体が相分離したままであり、安定な乳化物は得られなかった。
実施例1、2及び比較例1の結果を表1に示す。
Figure 2020182904

Claims (12)

  1. カルボキシメチル置換度が0.20以上であり、かつ、セルロースI型の結晶化度が50%以上であり、メディアン径が10.0〜150.0μmであるカルボキシメチルセルロースを含む乳化剤。
  2. カルボキシメチルセルロースにおけるカルボキシメチル置換度が0.50以下である、請求項1に記載の乳化剤。
  3. カルボキシメチルセルロースが、水を主とする溶媒下でマーセル化反応を行い、次いで、水と有機溶媒との混合溶媒下でカルボキシメチル化反応を行うことにより製造されたものである、請求項1または2に記載の乳化剤。
  4. 前記水を主とする溶媒が、水を50質量%より多く含む溶媒である、請求項3に記載の乳化剤。
  5. 前記混合溶媒における有機溶媒の割合が、水と有機溶媒との総和に対して、50〜99質量%である、請求項3または4に記載の乳化剤。
  6. さらに水系媒体を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の乳化剤。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の乳化剤を含有する飲食品。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の乳化剤を含有する化粧品。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の乳化剤を含有する塗料。
  10. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の乳化剤を、水系媒体及び油系媒体の混合物に添加して、前記乳化剤、水系媒体、及び油系媒体の混合物を準備する工程、及び
    前記乳化剤、水系媒体、及び油系媒体の混合物を撹拌して、水系媒体及び油系媒体が乳化した乳化物を調製する工程、
    を含む、乳化物の製造方法。
  11. 前記乳化剤、水系媒体、及び油系媒体の混合物を準備する工程において、前記乳化物におけるカルボキシメチルセルロースの固形分が、0.05〜1.00質量%となるように前記乳化剤を添加することを含む、請求項10に記載の乳化物の製造方法。
  12. 前記乳化物を調製する工程において、撹拌を、回転数1000〜15000rpmで1分間以上行うことを含む、請求項11または12に記載の乳化物の製造方法。
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CN115926006A (zh) * 2022-12-26 2023-04-07 大连理工大学 一种pH敏感乳化剂及其制备方法
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