JP2020182383A - シアリダーゼ活性を有する酵素剤及びその利用 - Google Patents

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Abstract

【課題】シアリダーゼ活性を有する酵素剤の提供。【解決手段】(a)特定のアミノ酸配列を有するタンパク質、(b)該アミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、シアリダーゼ活性を有するタンパク質、又は(c)該アミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が置換、挿入、欠失若しくは付加されたアミノ酸を有し、シアリダーゼ活性を有するタンパク質を含む、シアリダーゼ活性を有する酵素剤、並びに該酵素剤酵素剤を用いる、糖鎖の処理方法、糖鎖特性の決定方法、及び糖鎖分解産物の生産方法。【選択図】なし

Description

本明細書は、シアリダーゼ活性を有する酵素剤及びその利用に関する。
シアリダーゼは、シアル酸のO−グリコシド結合を加水分解してシアル酸を遊離させる酵素である。シアル酸は、ノイラミン酸を基本骨格としてそのアミノ基やヒドロキシ基の水素原子が置換された物質を総称するものであり、分子内にアミノ基とカルボキシ基とを備える9炭糖である。シアル酸は、生体内においては、概して、糖タンパク質や糖脂質にある糖鎖の非還元末端に存在している。シアル酸としては、例えば、ノイラミン酸の5位のアミノ基の水素原子がグリコール酸で置換されたN−グリコリルノイラミン酸(Neu5Gc)、同様に水素原子がアセチル基で置換されたN−アセチルノイラミン酸(Neu5Ac)、5位の窒素が水酸基に置換されたデアミノノイラミン酸(2−ケトー3−デオキシ−D−グリセロ−D−ガラクト ノノン酸、KDN)などが天然に存在している。
シアリダーゼは、バクテリアからヒトまで広く存在しており、バクテリアによる資化、宿主感染への関与、動物生体内代謝、ガラクトース残基の露出による細胞制御に関わっていると考えられている。また、シアリダーゼは、in vitro及びin vivoにおける研究や医療目的でのシアル酸除去にも用いられている。各種のシアリダーゼが提供されている(特許文献1、非特許文献1〜6)。
特開平8−9972号公報
Uchida Y, et al., Enzymatic properties of neuraminidases from Arthrobacter ureafaciens. J Biochem. Nov;86(5):1573-85(1979). Bouwstra JB, et al., Purification and kinetic properties of sialidase from Clostridium perfringens. Biol Chem Hoppe Seyler. Mar;368(3):269-75(1987). Ada, G. L. et al., Purification and properties of neuraminidase from Vibrio cholerae. J. Gen. Microbiol. 24, 409-421 (1961). Scanlon KL, et al.,. Purification and properties of Streptococcus pneumoniae neuraminidase. Enzyme. 41(3):143-50(1989). Rogerieux F, et al., Determination of the sialic acid linkage specificity of sialidases using lectins in a solid phase assay.Anal Biochem. Jun;211(2):200-4(1993). Corfield AP et al., The release of N-acetyl- and N-glycolloyl-neuraminic acid from soluble complex carbohydrates and erythrocytes by bacterial, viral and mammalian sialidases. Biochem J. Aug 1;197(2):293-9(1981).
しかしながら、多くのシアリダーゼは、pHが6.2以下の酸性側に至適pHを有しているほか、いくつかのシアリダーゼは、Neu5Acを基質とすることは判明しているものの他のシアル酸については不明である。また、加水分解対象となるグリコシド結合の結合態様も、α(2→3)結合、α(2→6)結合、α(2→8)結合が挙げられているものの、その程度は必ずしも明らかではない。
このように、現状においては、複数のシアル酸を好適な基質として脱離するシアリダーゼが提供されていない。糖鎖からシアル酸を脱離させる場合、複数のシアル酸基質を対象として脱離させることが研究等において有利な場合がある。
本明細書は、複数のシアル酸を好適な基質とするシアリダーゼ活性を有する酵素剤及びその利用を提供する。
本発明者らは、Sphingobacterium属に属する菌が有するタンパク質の一つをシアリダーゼと推測して、当該タンパク質を取得してその活性を確認したところ、新規な基質特異性を有するシアリダーゼであるという知見を得た。かかる知見に基づき、本明細書の開示は、以下の手段を提供する。
[1]以下の(a)〜(c)からなる群から選択される少なくとも1種のタンパク質を含むシアリダーゼ活性を有する酵素剤。
(a)配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列を有するタンパク質
(b)配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、シアリダーゼ活性を有するタンパク質
(c)配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が置換、挿入、欠失及及び/又は付加されたアミノ酸を有し、シアリダーゼ活性を有するタンパク質
[2]Neu5Ac、Neu5Gc及びKDNからなる群から選択される1種又は2種以上の基質に作用する、[1]に記載の酵素剤。
[3]α(2→3)結合、α(2→6)結合、α(2→8)結合及びα(2→9)結合のα−グリコシド結合したシアル酸残基の遊離活性を有する、[1]又は[2]に記載の酵素剤。
[4]さらに、至適pHが6.5以上7.5以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の酵素剤。
[5]糖鎖含有化合物を[1]〜[4]のいずれかに記載の酵素剤で処理する処理工程、を備える、糖鎖の処理方法。
[6]前記糖鎖含有化合物は、糖タンパク質及び糖脂質から選択される、[5]に記載の処理方法。
[7]前記処理工程は、細胞表面に提示される前記糖鎖含有化合物を前記酵素剤で処理する工程である、[5]又は[6]に記載の処理方法。
[8]糖鎖含有化合物を[1]〜[4]のいずれかに記載の酵素剤で処理する処理工程と、
前記酵素剤で処理によって脱離したシアル酸残基を検出する検出工程と、
を備える、糖鎖特性の決定方法。
[9]糖鎖分解産物の生産方法であって、
糖鎖含有化合物を[1]〜[4]のいずれかに記載の酵素剤で処理する処理工程と、
前記処理工程によって生じるシアル酸残基及び/又は前記シアル酸残基脱離物を回収する工程と、
を備える、生産方法。
[10]以下の(a)〜(c)からなる群から選択される少なくとも1種のタンパク質を含むシアリダーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAを備える、シアリダーゼ発現ベクター。
(a)配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列を有するタンパク質
(b)配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、シアリダーゼ活性を有するタンパク質
(c)配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が置換、挿入、欠失及及び/又は付加されたアミノ酸を有し、シアリダーゼ活性を有するタンパク質
[11]シアリダーゼ発現キットであって、
[10]に記載のシアリダーゼ発現ベクターを備える、キット。
本剤のシアリダーゼ活性の概要を示す図である。 組換え体シアリダーゼ(タグ付き)の精製結果示す図である。 組換え体シアリダーゼ(タグなし)の精製結果を示す図である。 組換え体シアリダーゼのシアリダーゼ活性のpH依存性を示す図である。 組換え体シアリダーゼのシアリダーゼ活性の温度依存性を示す図である。 組換え体シアリダーゼのシアリダーゼ活性の基質特異性(シアル酸分子種)を示す図である。 組換え体シアリダーゼのシアリダーゼ活性の基質特異性(結合様式特異性)を示す図である。 CHO細胞に対する組換え体シアリダーゼによる処理による細胞表面のポリシアル酸の変化を、抗ポリシアル酸抗体を用いたフローサイトメトリーにより評価した結果を示す図である。
本明細書は、シアリダーゼ活性を有する新規酵素剤及び当該酵素剤を用いた糖鎖含有化合物の処理方法、糖鎖特性の決定方法及び、糖鎖含有化合物の分解産物の生産方法等に関する。
本明細書に開示されるシアリダーゼ活性を有するタンパク質(以下、本タンパク質ともいう。)は、本発明者らが、Sphingobacterium属に属する菌(本発明者らが当該菌を取り扱っていた時点においてはSphingobacterium multivorumと推定された。)のゲノム情報から取得した配列番号1で表されるアミノ酸配列に関連している。このアミノ酸配列は、シアリダーゼのファミリーにおいて保存されている配列を含むが、その活性は知られていなかった。
本タンパク質は、配列番号1で表されるアミノ酸配列を有することができる。配列番号1で表されるアミノ酸配列で特定されるタンパク質は、CAZy(Carbohydrate active enzymes)という糖質関連酵素のデータベース上でアミノ酸配列の類似性によりGH33に分類されている。GH33の特徴としては、6-fold-β-propellerドメインを備えていることが挙げられる。このアミノ酸配列は、バクテリアのシアリダーゼが有するアスパラギン酸ボックス(S-X-D-X-G-X-T-W, Xは任意のアミノ酸)というモチーフを4個備えるとともに、そのアミノ酸配列のN末端付近にはシアリダーゼが有することが多いとされているRIP配列というモチーフも備えている。
したがって、このアミノ酸配列から、このタンパク質のシアリダーゼ活性を類推できないとはいえない。しかしながら、カビなどのシアリダーゼではアスパラギン酸ボックスを1個備えるだけでもシアリダーゼ活性を持つことが報告されているし、当該タンパク質と同様、Sphingobacterium属細菌ゲノム上において見出されたシアリダーゼ様の他のタンパク質は、いずれも、CAZyにおいてGH33に分類され、アスパラギン酸ボックスを1〜2個備えているにもかかわらず、シアリダーゼ活性が見出されていない。以上のことからすると、アミノ酸配列のみから、そのタンパク質がシアリダーゼ活性を有することを類推することは容易であるとはいえない。
また、たとえ、アミノ酸配列からそのタンパク質のシアリダーゼ活性を類推できたとしても、シアリダーゼの基質特異性を、アミノ酸配列や立体構造から推測することは現状においては極めて困難である。加えて、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質は、未だ報告例のないNeu5Ac、Neu5Gc、KDNの全てのシアル酸を基質とする新規な基質特異性を有しており、かかる基質特異性を類推することは当業者といえども不可能であった。
本発明者らによれば、本明細書に開示されるシアリダーゼ活性を有する酵素剤(以下、単に、本剤ともいう。)は、従来のシアリダーゼとは異なる基質特異性を有する新規シアリダーゼを提供することができる。本剤は、例えば、従来のシアリダーゼよりも広い基質活性を有することができる。さらに例えば、本剤は、至適pHもより中性側にあり、細胞表層の糖タンパク質、糖脂質であるガングリオシドに対するシアリダーゼ処理に有利である。さらに例えば、本剤は、鎖含有化合物の処理、糖鎖特性の決定及び糖鎖含有化合物の分解産物の生産方法等についても、広い基質特性等に基づいてより確実に実施することができる。
以下、本開示の代表的かつ非限定的な具体例について、適宜図面を参照して詳細に説明する。この詳細な説明は、本開示の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本開示の範囲を限定することを意図したものではない。また、以下に開示される追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された「シアリダーゼ活性を有する酵素剤及びその利用」を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本開示を実施する際に必須のものではなく、特に本開示の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、上記及び下記の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、独立及び従属クレームに記載されるものの様々な特徴は、本開示の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
本明細書及び/又はクレームに記載された全ての特徴は、実施例及び/又はクレームに記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
なお、本明細書において、「以上」の語は、下限として以上のほか超としての意義を有する。また、「以下」の語は、上限値として以下のほか未満の意義を有する。したがって、「以上」及び「以下」として記載される範囲は、以上及び以上のほか、超及び以下、超及び未満、以上及び未満の意義を有する。
以下、本剤及びその利用に関し、各種実施形態を詳細に説明する。
(シアリダーゼ及び酵素剤)
本明細書において、シアリダーゼとは、O−グリコシド結合により結合したシアル酸残基を、O−グリコシド結合の加水分解により遊離させる酵素をいう。また、シアリダーゼ活性とは、O−グリコシド結合の加水分解によりシアル酸残基を遊離する活性をいう。
本剤が含むシアリダーゼ(以下、単に、本シアリダーゼともいう。)は、以下の(a)〜(c)からなる群から選択されるいずれかのタンパク質である。
(a)配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列を有するタンパク質
(b)配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、シアリダーゼ活性を有するタンパク質
(c)配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が置換、挿入、欠失及及び/又は付加されたアミノ酸を有し、シアリダーゼ活性を有するタンパク質
本シアリダーゼが有する配列番号1で表されるアミノ酸配列は、既述するように、Sphingobacterium属に属する菌(本発明者らが当該菌を取り扱っていた時点においてはSphingobacterium multivorumと推定された。)のゲノム情報から取得されたものである。また、配列番号2で表されるアミノ酸配列は、配列番号1で表されるアミノ酸配列の1〜19位を除いた配列である。この配列は、分泌シグナル配列であると考えられるが、分泌タンパク質として本シアリダーゼを製造する場合以外には、必ずしも必要ではない。
また、本シアリダーゼは、配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列と一定以上の同一性を有するアミノ酸配列を有するものであってもよい。
本明細書において、同一性又は類似性とは、当該技術分野で知られているとおり、配列を比較することにより決定される、2以上のタンパク質あるいは2以上のポリヌクレオチドの間の関係である。当該技術で“同一性”とは、タンパク質またはポリヌクレオチド配列の間のアラインメントによって、あるいは場合によっては、一続きのそのような配列間のアラインメントによって決定されるような、タンパク質またはポリヌクレオチド配列の間の配列不変性の程度を意味する。また、類似性とは、タンパク質またはポリヌクレオチド配列の間のアラインメントによって、あるいは場合によっては、一続きの部分的な配列間のアラインメントによって決定されるような、タンパク質またはポリヌクレオチド配列の間の相関性の程度を意味する。より具体的には、配列の同一性と保存性(配列中の特定アミノ酸又は配列における物理化学特性を維持する置換)によって決定される。なお、類似性は、後述するBLASTの配列相同性検索結果においてSimilarity と称される。同一性及び類似性を決定する方法は、対比する配列間で最も長くアラインメントするように設計される方法であることが好ましい。同一性及び類似性を決定するための方法は、公衆に利用可能なプログラムとして提供されている。例えば、AltschulらによるBLAST (Basic Local Alignment Search Tool) プログラム(たとえば、Altschul SF, Gish W, Miller W, Myers EW, Lipman DJ., J. Mol. Biol., 215: p403-410 (1990), Altschul SF, Madden TL, Schaffer AA, Zhang J, Miller W, Lipman DJ., Nucleic Acids Res. 25: p3389-3402 (1997))やUniProtKBのアライメント機能を利用し決定することができる。BLASTやUniProt KBのようなソフトウェアを用いる場合の条件は、特に限定するものではないが、デフォルト値を用いることができる。
本シアリダーゼは、例えば、配列番号1で表されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有することができるが、例えば、同85%以上、また例えば、同86%以上、また例えば、同87%以上、また例えば、同88%以上、また例えば、同89%以上、また例えば、同90%以上、また例えば、同91%以上、同92%以上、また例えば、同95%以上、また例えば同96%以上、また例えば、同97%以上、また例えば、同98%以上、また例えば、同99%以上、また例えば、99.5%以上である。
本シアリダーゼは、例えば、配列番号2で表されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有することができるが、例えば、同85%以上、また例えば、同86%以上、また例えば、同87%以上、また例えば、同88%以上、また例えば、同89%以上、また例えば、同90%以上、また例えば、同91%以上、同92%以上、また例えば、同95%以上、また例えば同96%以上、また例えば、同97%以上、また例えば、同98%以上、また例えば、同99%以上、また例えば、99.5%以上である。
本シアリダーゼは、配列番号1で表されるアミノ酸配列とアライメントしたとき、例えば、72位〜79位、140位〜147位、272位〜279位及び327位〜334位に対応する位置の1又は2以上、また例えば3以上、また例えば全てにおいて、アスパラギン酸ボックス(S-X-D-X-G-X-T-W, Xは任意のアミノ酸)を備えることができる。
本シアリダーゼは、また、配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸の変異を有するものであってもよい。アミノ酸の変異は、置換、挿入、欠失及及び付加から選択される1種又は2種以上である。また、変異数は、1個以上であるが、例えば、50個以下であり、また例えば、40個以下であり、また例えば、30個以下であり、また例えば、25個以下であり、また例えば、20個以下であり、また例えば、15個以下であり、また例えば、10個以下であり、また例えば、8個以下であり、また例えば、6個以下であり、また例えば、4個以下である。
なお、変異個所は、特に限定するものではないが、例えば、配列番号1で表されるアミノ酸配列とアライメントしたとき、例えば、72位〜79位、140位〜147位、272位〜279位及び327位〜334位に対応する位置の1又は2以上、また例えば3以上、また例えばこれらの全ての位置においてアスパラギン酸ボックス(S-X-D-X-G-X-T-W)を有する場合には、当該アスパラギン酸ボックス以外の位置においてアミノ酸置換変位などを有することができる。また、例えば、72位〜79位、140位〜147位、272位〜279位及び327位〜334位に対応する位置の1又は2以上、また例えば3以上、また例えばこれらの全ての位置においてアスパラギン酸ボックスを有する場合において、当該アスパラギン酸ボックス(S-X-D-X-G-X-T-W)のX(任意のアミノ酸残基)に対応する位置においてアミノ酸置換変異などを有することができる。
例えば、こうした変異としてのアミノ酸置換の例としては、保存的置換が好ましく、具体的には以下のカッコ内のグループ内での置換が挙げられる。例えば、(グリシン、アラニン)(バリン、イソロイシン、ロイシン)(アスパラギン酸、グルタミン酸)(アスパラギン、グルタミン)(セリン、トレオニン)(リジン、アルギニン)(フェニルアラニン、チロシン)である。
(シアリダーゼ活性)
本シアリダーゼは、例えば、以下(1)〜(3)のいずれか1つ以上のシアリダーゼ活性を有する。
(1)Neu5Ac、Neu5Gc及びKDNからなる群から選択される1種又は2種以上のシアル酸分子種を基質とする
(2)α(2→3)結合、α(2→6)結合、α(2→8)結合及びα(2→9)結合のα−グリコシド結合したNeu5Acの遊離活性を有する
(3)至適pHが6.5以上7.5以下である
(4)至適温度が25℃以上40℃以下である
本シアリダーゼは、シアル酸の分子種として、Neu5Ac、Neu5Gc及びKDNから選択される1種又は2種以上を基質とすることができる。対象分子種は、それぞれのみを基質とすることができるほか、例えば、Neu5Ac及びNeu5Gcであり、また例えば、Neu5Ac及びKDNであり、また例えば、Neu5Gc及びKDNであり、また例えば、Neu5Ac、Neu5Gc及びKDNの全てを基質とすることができる。
本シアリダーゼが対象とするシアル酸分子種は、例えば、合成基質として4MU−Neu5Cなど、分子種に対応する合成基質を準備して反応させ、得られた分解生成物である4MUに基づく蛍光シグナルを検出することなどによって行うことができる。
なお、シアリダーゼについて、Neu5Gcについて分解対象分子種として明示しているもの報告は少なく、既存シアリダーゼでKDN特異的に分解するものが報告(特許文献1)されているが、他の分子種を分解対象とするシアリダーゼは知られていない。
例えば、Neu5Ac、Neu5Gc及びKDNの全てを対象とする分子種特性を有する場合、Neu5Acに対して他2種よりも高い活性を有していることがある。例えば、Neu5Acに対する活性を100として場合において、基質のみを変更して同条件で反応させたとき、Neu5Gsに対する遊離活性は、例えば15〜20であり、KDNに対する活性は、0超20である。
本シアリダーゼは、各種の結合様式のo−グリコシドを加水分解してシアル酸分子種を遊離することができる。例えば、α(2→3)結合、α(2→6)結合、α(2→8)結合及びα(2→9)結合のα−グリコシド結合した既述のシアル酸分子種の遊離活性を有することができる。既存のシアリダーゼに関して、α(2→3)、α(2→6)及びα(2→8)を対象結合様式とすることは記載されているが、α(2→9)を対象結合様式とするシアリダーゼは報告されていない。
例えば、Neu5Acについて、上記全ての結合様式のo−グリコシド結合を加水分解して当該分子種を遊離することができる。
本シアリダーゼが対象とする結合様式は、例えば、種々の結合様式の二糖類(一つはシアル酸である。)を準備して反応させ、その分解生成物を薄層クロマトグラフィーなどで分離検出することにより行うことができる。
本シアリダーゼは、例えば、至適pHが6.5以上7.0以下である。至適pHは、後述する実施例において記載される条件によって規定することができる。例えば、本シアリダーゼが対象とする分子種を用いて合成基質を準備して、当該合成基質に関して至適pHを取得できる。典型的には、4MU−Neu5Ac及び/又は4MU−KDNについての至適pHを参照することができる。また例えば、4MU−Neu5Acについての至適pHのみを参照することもできる。
既存のシアリダーゼは、より酸性側(最も中性側でも6.2)に至適pHをしている。本シアリダーゼは、より中性に近い条件でシアリダーゼ処理が可能であり、細胞障害性が低減された条件下でシアリダーゼ処理が可能となっている。
本シアリダーゼは、例えば、至適温度が30℃以上37℃以下である。至適温度は、後述する実施例において記載される条件によって規定することができる。例えば、本シアリダーゼが対象とする分子種を用いて合成基質を準備して、当該合成基質に関して至適温度を取得できる。典型的には、合成基質である4MU−Neu5Ac及び/又は4MU−KDNについての至適温度を参照することができる。また例えば、4MU−Neu5Acについての至適温度のみを参照することもできる。
本剤は、少なくとも本シアリダーゼを含んでいる。本剤は、本シアリダーゼのほか、同時に用いることができる他のシアル酸分子種特異性などを有するシアリダーゼを含んでいてもよい。さらに、本剤は、また、シアリダーゼ以外の他の酵素を含んでいてもよい。
(シアリダーゼの製造)
本シアリダーゼの製造方法は、特に限定するものではなく、公知のタンパク質の製造方法によって取得することができる。例えば、Sphingobacterium属細菌などを培養して、本シアリダーゼを分離精製することができるほか、化学合成により取得することもできる。
また例えば、遺伝子工学的手法により、本シアリダーゼを組換えタンパク質として取得することができる。すなわち、配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列、配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列に対して一定の同一性を有するアミノ酸配列、また例えば、配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列においてアミノ酸変異を有するアミノ酸配列をコードするDNAを合成又はSphingobacterium属細菌などのDNAを鋳型DNAとしてPCR法などの公知の方法により取得し、当該DNAを、適当な宿主細胞においてタンパク質をコードする遺伝子として発現可能に構成したDNAコンストラクトとして宿主細胞を形質転換し、当該宿主細胞を培養することで、培養産物として本シアリダーゼを取得することができる。
なお、配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列と一定の同一性や1以上のアミノ酸変異を有するタンパク質は、例えば、前記アミノ酸配列とコードするDNA又はその相補鎖の少なくとも一部をプローブとして用いたハイブリダイゼーション、エラープローンPCRや公知の変異導入方法に従い取得することができる。こうしたタンパク質については、そのアミノ酸配列及びシアリダーゼ活性を評価することで、本シアリダーゼであることを確認することができ、本シアリダーゼとして上記と同様に製造できる。
宿主細胞としては、特に限定するものではなく、公知の宿主細胞を用いることができる。例えば、大腸菌、枯草菌等の細菌、カンディダ・ウチリス(Candida utilis)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccaromyces cerevisiae)、ピチア・パストリス(Pichia pastoris)等の酵母以外に、リゾープス・ニベウス(Rhizopus niveus)、リゾープス・デルマー(Rhizopus delemar)や高等真核生物(例えばCHO細胞など)を用いることができる。例えば、本シアリダーゼは、Rosetta gami2など大腸菌(K−12株)由来の宿主細胞を用いることで、シアリダーゼ活性を有し、かつ高い収量で取得することができる。
また、DNAコンストラクトとしてのベクターは、使用する宿主細胞の種類を勘案して適宜選択することができる。例えば、DNAコンストラクトは、プラスミド、コスミド、ウイルス性の発現ベクターであってもよい。DNAコンストラクトは、また、宿主細胞内で複製可能であってもよいし、宿主染色体に組み込まれて複製可能に構成されていてもよい。DNAコンストラクトは、適宜、商業的に入手可能な種々のプラスミドなどを用いて構築することができる。
なお、DNAコンストラクトは、遺伝子発現に必要な種々のDNA配列、例えば、プロモーター、ターミネーター、リボゾーム結合部位、転写終結シグナルなどの転写調節信号、翻訳調節信号などを有することができる。また、適宜、薬剤耐性遺伝子、栄養要求性遺伝子などの適宜選択マーカーを有することができる。以上のような、遺伝子工学的な手法については、当業者であれば、例えば、適宜、Molecular Cloning: A Laboratory Manualに記載の方法に準じて行なうことができる。
形質転換した宿主細胞の培養は、使用する宿主細胞に応じて一般的な方法を用いることができる。通常、1〜4日程度の培養により細胞内または細胞外の培養物中に酵素が生成され蓄積される。培養条件(培地、pH、温度等)に関しては、例えば、細菌では25〜37℃、酵母では25〜30℃、真核細胞では37℃程度が一般的である。培養条件については、例えば、遺伝子発現実験マニュアル(講談社)等を参照することができる。
形質転換体が産生した組み換え酵素の単離・精製は、常法に従い、公知の分離方法や精製方法を適当に組み合わせて行なうことができる。これらの分離・精製方法は、特に限定するものではないが、例えば、塩沈殿、溶媒沈殿のような溶解性の差を利用する方法、透析、限外濾過、ゲル濾過およびSDS−ポリアクリル電気泳動のような分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーのような電荷の差を利用する方法、疎水クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーのような疎水性の差を利用する方法、さらに等電点電気泳動のような等電点の差を利用する方法、このほかにアフィニティークロマトグラフィー等が挙げられる。実施例に記載した生成方法のほかに、一般的な分離・精製法に関しては、例えば蛋白質・酵素の基礎実験法(南江堂)等を参照することができる。
(シアリダーゼ発現ベクター及びキット)
本明細書によれば、シアリダーゼ発現ベクターのほか、シアリダーゼ発現ベクターを備える、シアリダーゼ発現キットも提供される。さらに、かかるキットは、シアリダーゼの発現などに適した大腸菌などの宿主細胞も備えることができる。さらにまた、この種の発現ベクターに用いる公知の他の試薬も適宜備えることができる。
(酵素剤の利用)
本剤は、そのシアリダーゼ活性を利用して、糖鎖含有化合物の処理、糖鎖特性の決定及び糖鎖分解産物の生産方法等に利用することができる。本剤によれば、そのシアル酸分子種特異性、結合様式特異性及び至適pHにより、より種々の糖鎖に作用して、シアル酸分子種を遊離させ、シアル酸残基が脱離させた糖鎖を調製したり、脱離したシアル酸残基の解析により糖鎖特性を決定したり、脱離したシアル酸分子種を取得したりできる。また、シアル酸の遊離前(シアル酸修飾状態)と、シアル酸遊離後の糖鎖含有化合物又はその当該化合物を提示する細胞の生理的機能の相違から、シアル酸修飾の意義について新たな知見を得ることができる。
(糖鎖の処理方法)
本明細書に開示される糖鎖の処理方法は、糖鎖含有化合物を本剤で処理する処理工程を備えることができる。本処理方法によれば、糖鎖含有化合物の有する糖鎖から効率的にシアル酸残基を遊離させて、シアル酸残基が除去された糖鎖含有化合物とすることができる。
本明細書において、「糖鎖」とは、糖がグリコシド結合によって連結した化合物をいう。糖鎖含有化合物とは、かかる糖鎖からなる化合物のほか、かかる糖鎖が他の化合物と結合した化合物をいい、例えば、タンパク質と糖鎖とが結合した糖タンパク質、脂質と糖鎖が結合した糖脂質及びプロテオグリカンなどの複合糖質が挙げられる。なお、糖鎖含有化合物における糖鎖は、1以上の単糖が結合したものであればよい。
ここで、糖タンパク質は、タンパク質を構成するアミノ酸の一部に1又は2以上の糖鎖が結合したものである。糖鎖は、概して、数本〜数十本であり、主として細胞膜タンパク質や分泌タンパク質である。糖鎖が結合するアミノ酸は、典型的には、アスパラギン(N型糖鎖)、セリン及びスレオニン(O型糖鎖)が挙げられる。また、糖タンパク質を構成する糖鎖の構成単糖としては、ガラクトース、マンノース、フコース、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミン、Neu5Ac及びキシロースなどが挙げられる。
プロテオグリカンとしては、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパラン硫酸、ケラタン硫酸などの100〜200程度の単糖からなる糖鎖を有し、グリコサミノグリカンがタンパク質に結合した複合体をいう。糖鎖は、二糖の繰り返し構造を概して備える。プロテオグリカンは、典型的には、線維タンパク質間を充填するように存在している。
糖脂質としては、糖鎖が結合した脂質をいい、糖とグリセリンとのエーテル結合を含むグリセロ糖脂質と糖とスフィンゴシンとのグリコシド結合を含むスフィンゴ糖脂質とに大別される。スフィンゴ糖脂質は、糖としてヘキソース1分子をもつ単純なセレブロシドのほか、ガラクトース、グルコース、N‐アセチルガラクトサミン、N‐アセチルグルコサミン、フコースなどのヘキソース糖やシアル酸を含むガングリオシド、硫酸化糖を含むスルファチドなどがある。
処理工程に供される糖鎖含有化合物としては、糖タンパク質や糖脂質が、シアル酸残基を含む場合が多いため、かかる複合糖質の処理に本剤は有用である。また、本処理方法の処理工程は、遊離した状態の糖鎖含有化合物を本剤で処理するほか、細胞表層に存在する糖鎖含有化合物を本剤で処理することを含む。本剤は、細胞障害性の低い条件で高いシアリダーゼ活性を発揮できるため、細胞の処理に有用である。
処理工程では、糖鎖含有化合物と本剤とを、本シアリダーゼのシアリダーゼ活性を発揮可能な条件下、液性媒体中で接触させることにより、そのシアリダーゼ活性によりシアル酸残基が遊離させることができる。処理工程における反応濃度は、本シアリダーゼが安定的に作用する温度域であれば特に限定するものではないが、例えば、30℃以上37℃以下又はこれらの近傍とすることができる。また、処理工程におけるpHは、本シアリダーゼが安定的に作用するpH域であれば特に限定するものではないが、例えば、pH6.5以上7.0又はこれらの近傍とすることができる。
また、処理工程における反応温度は、反応時間の全体を通して一定である必要はなく、反応時間の初期に併用するその他の酵素の活性を高めることが望ましい場合には、その酵素の活性が高くなる温度域に、反応初期の温度を設定し、反応時間の中期や後期には、本発明の酵素の活性が高くなる温度域に温度を設定するなど、適宜調整することができる。
処理工程における反応時間は、反応温度や基質の濃度、その他の酵素を併用する場合には使用する酵素の活性等を考慮して適宜決定できる。本シアリダーゼ単剤を利用する場合には、特に限定するものではないが、例えば、10分〜16時間の範囲で適宜設定することができる。
本処理方法によれば、本シアリダーゼによるシアリダーゼ活性が、従来になく広いシアル酸分子種及び結合様式でシアル酸残基を遊離させることができる。このため、これまでよりもシアル酸残基が脱離された糖鎖含有化合物を取得できる。したがって、例えば、シアル酸修飾による影響を評価しやすくなる。
本処理方法においては、適宜、本シアリダーゼ以外のシアリダーゼや他のグリコシダーゼ、例えば、ガラクトシダーゼ、ヘキソサミニダーゼ、フコシダーゼ、マンノシダーゼなどのエキソグリコシダーゼから選択される1種又は2種以上を同時にあるいは順次処理することもできる。
(糖鎖特性の決定方法)
本明細書に開示される糖鎖特性の決定方法(以下、単に、本決定方法ともいう。)は、糖鎖含有化合物を本剤で処理する処理工程と、本剤の処理によって脱離したシアル酸残基を検出する検出工程と、を備えることができる。ここで、糖鎖特性とは、糖鎖含有化合物の有する糖鎖の構成糖の組成や順序をいう。本決定方法における処理工程は、既述の本処理方法における処理工程と同様の態様で実施することができる。また、本決定方法における検出工程は、特に限定するものではないが、例えば、処理工程後の反応液中のシアル酸残基などを、各種マススペクトロメトリー、各種のクロマトグラフィー、各種NMR、各種電気泳動により分離同定する工程とすることができる。なお、分離同定に先立って、あるいは同時に、分離後に、遊離したシアル酸残基を、蛍光標識などのシグナル要素が付加された又は付加可能に形成されたレクチンや特異的抗体と結合させてもよい。こうした、糖鎖のフィンガープリントについては、適宜公知の手法を適用することができる。
また、さらに、本決定方法は、シアリダーゼ処理後の糖鎖化合物と糖転移酵素を作用させてその反応性や特異的抗体により、シアリダーゼ処理により露出された糖鎖末端を検出する工程を備えていてもよい。糖転移酵素としては、適宜、公知の糖転移酵素を用いることができる。
なお、本決定方法においても、本処理方法と同様、本シアリダーゼ以外のシアリダーゼ及び各種グリコシダーゼを、同時にあるいは順次処理することもできる。そして、これらのグリコシダーゼによって遊離される残基や残存末端を、それぞれ検出して、糖鎖特性を決定することもできる。
(糖鎖分解産物の生産方法)
本明細書に開示される糖鎖分解産物の生産方法(以下、本生産方法ともいう。)は、糖鎖含有化合物を本シアリダーゼで処理する処理工程と、前記処理工程によって生じるシアル酸残基及び/又は前記シアル酸残基脱離物を回収する回収工程と、を備えることができる。本生産方法における処理工程は、既述の本処理方法における処理工程と同様の態様を採ることができる。
本生産方法における回収工程は、処理工程における分解産物、すなわち、遊離したシアル酸残基及びシアル酸残基脱離物の少なくとも一部を分離回収する工程である。本生産方法は、予定される遊離シアル酸残基及びシアル酸残基脱離物の少なくとも一部を回収する工程であればよく、これらの分離回収方法は、例えば、本決定方法において決定に際して用いる分離同定工程を、回収工程として実施することができる。
なお、本生産方法においても、本処理方法と同様、本シアリダーゼ以外のシアリダーゼ及び各種グリコシダーゼを、同時にあるいは順次処理することもできる。そして、これらのグリコシダーゼによって遊離される残基や残存末端を、それぞれ回収することもできる。
なお、本明細書によれば、本剤を用いて、糖鎖含有化合物を処理後、残余の糖鎖末端に1又は2以上の糖転移酵素を用いて新たに糖鎖を結合する工程を備える、糖鎖の生産方法も提供される。
(キット)
本明細書に開示されるキットは、本シアリダーゼを備えることができる。本キットは、本シアリダーゼを用いて糖鎖含有化合物を処理し、糖鎖特性を決定し、又は、糖鎖分解産物を生産等に用いるためのキットである。本キットは、本シアリダーゼを備えるほか、その他のシアリダーゼを含む各種グリコシダーゼをさらに備えていてもよい。また、本キットは、そのほか、本キットの目的に応じて、遊離が予定されるシアル酸残基やシアル酸脱離後の糖鎖含有化合物に特異的に結合する標識されていてもよい抗体やレクチンなどを備えることもできる。本キットは、そのほか、糖鎖研究や糖鎖解析に適用される試薬やデバイスを備えることもできる。
以下、本開示を具現化した実施例について説明するが、本開示は、はこれらの例に限定されるものではない。なお、本明細書において、特に記載しない限り、「%」、「部」等は質量基準である。また、操作手順は特に記載しない限り、Molecular Cloning: A Laboratory Manual (Sambrook、 Maniatis ら、Cold Spring Harbour Laboratory Press(1989))に記載の方法に従った。
(組換え体シアリダーゼの調製)
配列番号1で表されるアミノ酸配列から分泌シグナルと推定される疎水性領域の配列(1〜19aa(1−57bp))を除いたアミノ酸配列に対応するcDNA配列(配列番号3)を準備した。このcDNA配列を、常法に従い、pET32aベクターにクローニングし、このベクターを用いてRosetta-gami2(DE3)(メルク株式会社)を形質転換し、LAプレート上でシングルコロニーを得た。シングルコロニーを5ml LA培地に植菌し、37℃、16時間振盪培養した。この培養液を200ml LA培地に全量移し、さらに37℃、2時間振盪培養を行いOD600が0.4付近になることを確認した。
培養液に終濃度0.4mMになるようにIPTG(イソプロピルβ−D−1−チオガラクトシド)を加え、15℃、20時間さらに振盪培養した。培養液を6,000g、10分、4℃の遠心分離で菌体を回収し、40ml PBSで洗浄した。洗浄後、20ml平衡バッファ(5mMイミダゾール、0.5M NaCl、20mMトリス−塩酸(pH8.0))を加え、さらに終濃度1mMとなるようにPMSF(フッ化フェニルメチルスルホニル)、プロテアーゼ阻害剤カクテル(PIC:終濃度1μg/mlロイペプチン、2μg/mlアンチパイン、10μg/mlベンザミジン、1μg/mlペプスタチン、1μg/mlアプロチニン)を加え懸濁した。
細胞懸濁液を超音波破砕し、6,000g、10分、4℃の遠心分離で上清を粗精製画分として回収した。粗精製画分に終濃度50mMとなるようにイミダゾールを加え、平衡バッファであらかじめ平衡化した2ml Ni−NTAアガロースカラムに供し、4℃で15分回転混和した。通過画分(Flow through画分)を回収した後、8.5ml洗浄バッファ(10mMイミダゾール、1M NaCl、40mMトリス−塩酸(pH8.0))を加え、洗浄して洗浄画分(Wash画分)を回収した。さらに、7ml溶出バッファ(100mMイミダゾール,0.5M NaCl、20mMトリス−塩酸(pH8.0))を加え、ヒスタグ付きタンパク質が溶出される溶出画分(Elute画分)を回収した。最後に8mlストリップバッファ(1Mイミダゾール、0.5M NaCl、20mMトリス−塩酸(pH8.0))を加え、ストリップ画分(Strip画分)を回収した。溶出画分はVIVA SPIN20 (MWCO=10000)(ThermoFischer SCIENTIFIC社製)を用いて限外濾過し、0.75mlまで脱塩濃縮し精製画分(Purified画分)とした。
各画分に含まれるタンパク質は、SDS−PAGEを行いCBB染色によって確認した。結果を図2に示す。図2に示すように、タグ付きシアリダーゼは、溶出画分(Purified画分)に59kDaのタンパク質として精製されたことがわかった。
さらに、精製画分700μlに1.9unitのエンテロカイネースおよび10×反応バッファを加え、4℃、16時間回転混和を行い、N末端側に付加されたヒスタグを切断した。反応液に10μlベンズアミドセファロースを加え、4℃、1時間回転混和し、2,000g、5分、4℃で遠心分離することでエンテロカイネースを沈殿させ除去した。上清に対し、平衡バッファで平衡化したNi−NTA アガロース100μlを加え、4℃、1時間回転混和し、2,000g、5分、4℃で遠心分離をすることでタグ付きシアリダーゼを沈殿させ除去した。
この上清をVIVA SPIN20(MWCO=10000)を用いて550μlまで濃縮した。濃縮した画分は、10μlずつ分注し、−80℃に保存した。シアリダーゼのタグが外れたことを確認するためSDS−PAGEを行い、CBB染色によってエンテロカイネース消化前後でシアリダーゼがシフトしていることを確認した。同時に、タンパク質量既知のウシ血清アルブミン(BSA)に対してSDS−PAGEを行い、CS analyzer3.0(ATTO、Tokyo)を用いて輝度を測定することで検量線を作製し、タグなしシアリダーゼのタンパク質濃度を求めた。結果を図3に示す。
図3に示すように、エンテロカイネース処理により、タグなしのシアリダーゼが40kDaのタンパク質として精製されたことがわかった。また、タグなしシアリダーゼ濃度は、3.8μg/mlであり、タグなしシアリダーゼの収量が200ml菌体あたり、530μgであることがわかった。
2'−(4−メチルウンベリフェリル)−α−D−N−シアル酸ナトリウム(4MU-Sialic acid)を用いたシアリダーゼ活性測定
(1)pH依存性
96穴プレートであるマルチプレート96F(住友ベークライト、Tokyo)に10μlの各種0.5Mバッファを加えた。0.5Mバッファは、pH4.0〜6.0の範囲で酢酸ナトリウムバッファ、pH6.0〜8.0の範囲でHEPES−NaOHバッファ、pH8.0〜10.0の範囲でトリス−塩酸バッファを用いた。次に、40μlの反応溶液としてBSA(終濃度1ng/μl)、4MU−Neu5Acまたは4MU−KDN(終濃度20μM)、5.7ngの実施例1で調製したタグなしシアリダーゼ(以下、同じ)を加え、室温で30分間遮光しながら静置した。その後、50μlの0.25Mグリシン−NaOHバッファ(pH10.4)を加えて反応を停止させ、プレートリーダーEnspire(PerkinElmer, Waltham, MS, U.S.A.)を用いて、励起波長365nm、蛍光波長437nmの条件で遊離した4MUの蛍光を測定した。蛍光強度に基づく相対酵素活性の測定結果を図4に示す。
図4に示すように、双方の基質について、シアリダーゼの至適pHは、6.5以上7.5以下又は6.5以上7.0以下の範囲にあることがわかった。以上のことから、実施例1で得られたシアリダーゼは、従来のシアリダーゼに比してより中性側に至適pHを有していることがわかった。
(2)温度依存性
1.5mlエッペンドルフチューブに50μl反応溶液(0.1M HEPES−NaOH(pH6.5)、1ng/μl BSA、20μM 4MU−Neu5Acまたは4MU−KDN、3.8ngシアリダーゼ)を加え、遮光条件で30分、4、15、25、30、37、50℃で静置した。その後、50μlの0.25Mグリシン−NaOH緩衝液(pH10.4)を加え、プレートリーダーEnspireを用いて、励起波長365nm、蛍光波長437nmの条件で遊離した4MUの蛍光を測定した。結果を図5に示す。
図5に示すように、基質として4MU−Neu5Acを用いるとき、pH6.5において、シアリダーゼは、25℃以上40℃以下、より具体的には、30℃以上37℃以下で良好なシアリダーゼ活性を示した。基質として、4MU−KDNを用いる場合においても、活性は低いがほぼ同様の結果であった。
(3)基質特異性(シアル酸分子種)
シアリダーゼ3.84ng、Arthrobacter ureafaciens(A.u.)シアリダーゼ62.5μunit、Clostridium perfringens(C.p.)シアリダーゼ667μunit、Vibrio cholera (V.c.)シアリダーゼ1munit、Streptococcus pneumoniae(S.p.)シアリダーゼ8unitを含む10μlを96穴プレートに加えた。なお、ユニットの定義は各社のデータシートの定義に基づく。各ウェルに40μl反応溶液(0.1M HEPES−NaOH(pH7.0)または0.1M酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)、20μM4MU−Neu5Acまたは4MU−Neu5Gcまたは4MU−KDN)を加え、遮光条件下で30分、37℃で静置した。その後、50μlの0.25Mグリシン−NaOH緩衝液(pH10.4)を加え、プレートリーダーEnspireを用いて、励起波長365nm、蛍光波長437nmの条件で遊離した4MUの蛍光を測定した。結果を図6に示す。
図6に示すように、本シアリダーゼは、Neu5Ac、Neu5Gc、KDNに対してシアリダーゼ活性を示した。これに対して、A.u.シアリダーゼ、C.p.シアリダーゼ、V.c.シアリダーゼは、Neu5Ac、Neu5Gcに対してシアリダーゼ活性を示したが、KDNに対してはシアリダーゼ活性を示さなかった。また、S.p.シアリダーゼはNeu5Acに対してのみシアリダーゼ活性を示した。
(4)シリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)によるシアリダーゼの結合様式特異性の評価
基質として、α2,3−シアリルラクトサミン、α2,6−シアリルラクトサミン、α2,8−ポリシアル酸、α2,9−ポリシアル酸をそれぞれ5μg(Neu5Ac換算)用いた。各基質に対し、0.1M HEPES−NaOH(pH6.5)、1ng/ml BSA、1.92μgシアリダーゼを含む反応液を50μlになるように添加し、30℃、12時間反応させた。反応液から1μg分(シアル酸換算)をTLCプレート上にスポットし、5時間展開した(1−プロパノール:アンモニア水:水=6:1:2.5)。展開後、レゾルシノール試薬(2mg/mlレゾルシノール、9.6N濃塩酸、0.25mM硫酸化銅)を噴霧し、100℃以上で熱し、展開後のスポットを検出した。結果を図7に示す。
図7に示すように、本シアリダーゼは、各種の結合様式、すなわち、α2,3−シアリルガラクトサミン、同2,6−シアリルラクトサミン、同2,8−ポリシアル酸及び同2,9−ポリシアル酸のNeu5Acをいずれも遊離した。以上のことから、本シアリダーゼは、α(2→9)o−グリコシド結合で結合したシアル酸残基を遊離できるシアリダーゼ活性を有していることがわかった。
(フローサイトメトリーによるin vivoにおけるシアリダーゼの利用性の評価)
細胞培養ディッシュ(φ10cm)上でCHO細胞を80%コンフルエントになるまで培養した。細胞を冷やしたPBSで3回洗浄し、セルスクレイパーにより細胞をはがして回収した。2,000g、5分、4℃の遠心分離により細胞を回収し、4%パラホルムアルデヒド中で8分、室温で静置し細胞膜を固定した。PBSで洗浄後、PBE(0.5%BSA、5mM EDTA含有PBS)でブロッキングを行った。次に19.2μg/mlとなるように実施例1で調製した組換え体シアリダーゼを添加し、37℃、30分間、揺らしながら反応させた。PBSで洗浄後、一次抗体として10μg/ml抗ポリシアル酸抗体(12E3)を添加し、30分、氷上で静置した。さらにPBSで洗浄後、二次抗体として抗マウスIgM抗体−Alexa488を添加し、30分、氷上で静置した。PBSで洗浄後、フローサイトメーターGallios(Beckman coulter,Tokyo)により細胞表面に抗ポリシアル酸抗体が結合した細胞数を計測した。シアリダーゼによる変化を見るため、シアリダーゼ処理をしていない細胞群、抗ポリシアル酸抗体の特異的な結合を見るため、二次抗体のみ添加した細胞群も同時に実施した。結果を図8に示す。
図8に示すように、フローサイトメトリーの結果、シアリダーゼ処理することにより、一次抗体及び二次抗体の結合する細胞数が減少したことがわかった。すなわち、細胞に対するシアリダーゼ処理により、細胞表面のシアル酸残基が遊離し、一次抗体が結合しなくなったことがわかった。以上の結果から、本シアリダーゼは、細胞表層に提示される糖鎖に対して有効に作用することがわかった。

Claims (11)

  1. 以下の(a)〜(c)からなる群から選択される少なくとも1種のタンパク質を含むシアリダーゼ活性を有する酵素剤。
    (a)配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列を有するタンパク質
    (b)配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、シアリダーゼ活性を有するタンパク質
    (c)配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が置換、挿入、欠失及及び/又は付加されたアミノ酸を有し、シアリダーゼ活性を有するタンパク質
  2. Neu5Ac、Neu5Gc及びKDNからなる群から選択される1種又は2種以上の基質に作用する、請求項1に記載の酵素剤。
  3. α(2→3)結合、α(2→6)結合、α(2→8)結合及びα(2→9)結合のα−グリコシド結合したシアル酸の遊離活性を有する、請求項1又は2に記載の酵素剤。
  4. さらに、至適pHが6.5以上7.5以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の酵素剤。
  5. 糖鎖含有化合物を請求項1〜4のいずれかに記載の酵素剤で処理する処理工程、を備える、糖鎖の処理方法。
  6. 前記糖鎖含有化合物は、糖タンパク質及び糖脂質から選択される、請求項5に記載の処理方法。
  7. 前記処理工程は、細胞表面に提示される前記糖鎖含有化合物を前記酵素剤で処理する工程である、請求項5又は6に記載の処理方法。
  8. 糖鎖含有化合物を請求項1〜4のいずれかに記載の酵素剤で処理する処理工程と、
    前記酵素剤で処理によって脱離したシアル酸残基を検出する検出工程と、
    を備える、糖鎖特性の決定方法。
  9. 糖鎖分解産物の生産方法であって、
    糖鎖含有化合物を請求項1〜4のいずれかに記載の酵素剤で処理する処理工程と、
    前記処理工程によって生じるシアル酸残基及び/又は前記シアル酸残基脱離物を回収する工程と、
    を備える、生産方法。
  10. 以下の(a)〜(c)からなる群から選択される少なくとも1種のタンパク質を含むシアリダーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNAを備える、シアリダーゼ発現ベクター。
    (a)配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列を有するタンパク質
    (b)配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列を有し、シアリダーゼ活性を有するタンパク質
    (c)配列番号1又は2で表されるアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が置換、挿入、欠失及及び/又は付加されたアミノ酸を有し、シアリダーゼ活性を有するタンパク質
  11. シアリダーゼ発現キットであって、
    請求項10に記載のシアリダーゼ発現ベクターを備える、キット。
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