JP2020181710A - 塗布剤、印刷物、及び印刷物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低抵抗率で且つ高アスペクトの印刷形状が得られる塗布剤、それを使用した印刷物を提供する。【解決手段】塗布剤は、導電体粉末50質量%以上70質量%以下、熱可塑性樹脂1質量%以上50質量%以下、熱硬化性樹脂1質量%以上50質量%以下、有機溶剤1質量%以上50質量%以下を含む導電性ペーストと、上記導電性ペースト100質量%に対し0.1質量%以上50質量%以下の割合で配合された上記導電性ペーストに不溶の溶媒と、上記導電性ペースト100質量%に対し0.1質量%以上30質量%以下の割合で配合された、上記導電性ペーストに可溶の分散媒と、を有する。【選択図】 なし

Description

本発明は、塗布剤、印刷物、及び印刷物の製造方法に関する。特に、本発明は、精密で均一な膜厚のラインパターンやストライプパターンや、立体的な構造のパターンが要求される技術分野に好適な技術である。
従来から、プリンタブルエレクトロニクス技術分野などでは、導電材料、絶縁材料をグラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、インクジェット、ノズルコートなどで、印刷パターンを形成する試みがなされている。
一般的にこれらの印刷法で形成した印刷パターンのアスペクト比は、低くなることが多い。例えば、導電材料の場合、断面形状のアスペクト比が高い(底辺が狭く、高さが高い)と、電子回路といった密集した配線を狭い面積に集約することができ、かつ、配線に流れる電流をより多く流すことが可能となる。
厚膜の印刷パターンを形成する代表的な印刷法としてスクリーン印刷がある。このスクリーン印刷で印刷パターンを形成した場合、一般的には印刷パターンの断面形状は、幅が数百μmに対して膜厚が数十μmである。つまり、スクリーン印刷で形成した印刷パターンのアスペクト比は0.1程度である。
また、高アスペクトの印刷パターンを得る方法として、高粘度の導電性エラストマーをストライプ塗布用のコーターで形成する検討がなされている(特許文献1,2)。その際、コーターヘッドへの吐出圧力を上げることで高アスペクトの印刷物を形成することが可能である。
特開2018−70854号公報 特開平11−207237号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、コーターヘッドと高粘度材料との摩擦が大きくなる傾向にある。このため、コーターヘッドの流路の流速について、中央の流速と壁面の流速とに差が生じる。その結果、高粘度材料がコーターヘッドの流路形状を追従できず、高アスペクトの印刷パターンを得ることは困難であった。
また、特許文献2に記載の方法は、導電性エラストマーでは抵抗率が高いことから、電子回路の配線の形成に採用することは出来ない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、低抵抗率で且つ高アスペクトの印刷形状が得られる塗布剤、それを使用した印刷物を提供することを目的とする。
課題を解決するために、本発明の一態様の塗布剤は、導電体粉末50質量%以上70質量%以下、熱可塑性樹脂1質量%以上50質量%以下、熱硬化性樹脂1質量%以上50質量%以下、有機溶剤1質量%以上50質量%以下を含む導電性ペーストと、上記導電性ペースト100質量%に対し0.1質量%以上50質量%以下の割合で配合される、上記導電性ペーストに不溶の溶媒と、上記導電性ペースト100質量%に対し0.1質量%以上30質量%以下の割合で配合される、上記導電性ペーストに可溶の分散媒と、を有することを要旨とする。
本発明の態様によれば、低抵抗率で、かつ塗布した際に高アスペクト形状が得られる塗布剤を提供することができる。
実施例1に係る塗布剤を被印刷物の上に塗布した塗布体の断面図である。 無処理の塗布剤を被印刷物上に塗布した塗布体を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、各部の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本実施形態の塗布剤は、導電性ペーストと、導電性ペーストに不溶の溶媒と、導電性ペーストに可溶の分散媒とを含む。
導電性ペーストは、導電体粉末50質量%以上70質量%以下、熱可塑性樹脂1質量%以上50質量%以下、熱硬化性樹脂1質量%以上50質量%以下、有機溶剤1質量%以上50質量%以下を含む。導電性ペーストは、金属、金属酸化物、及び導電性有機物から選ばれる少なくとも1種の導電性物質を含むことが好ましい。
溶媒は、導電性ペースト100質量%に対し0.1質量%以上50質量%以下の割合で配合される。
分散媒は、導電性ペースト100質量%に対し0.1質量%以上30質量%以下の割合で配合される。
本実施形態の塗布剤と使用することで、塗布体の断面のアスペクト比を、0.5以上とすることができる。本明細書におけるアスペクト比とは、塗布体における、被印刷面に接触する部分の幅に対する被印刷面からの高さの比である。
塗布剤の塗布は、例えば、凸版印刷、凹版印刷、平版印刷、反転オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット、熱転写印刷、ディスペンサ、スピンコート、ダイコート、マイクログラビアコート、ディップコートのいずれかで行う。
本実施形態の塗布剤は、例えば配線用のインキとして使用され、被印刷物の表面に塗布(印刷など)されて塗布体(印刷体)となる。その塗布体が形成された被印刷物が印刷物となる。
被印刷物の面に塗布された塗布体は、例えば、印刷面上に、ラインパターン、立体的構造パターン、不連続パターンを形成する。
次に、各材料について詳説する。
<被印刷物>
被印刷物としては可撓性を有することが望ましい。被印刷物の材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネートなどのプラスチック材料が挙げられる。ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、エラストマーなどのストレッチャブル材料を用いても良い。また、石英などのガラス基板やシリコンウェハなども絶縁性の基材として用いることができる。
<塗布剤>
(導電体粉末)
本実施形態の導電体粉末としては、特に限定されるものではなく公知の導電体粉末を採用すればよい。導電体粉末としては、例えば、金属、導電性高分子(導電性有機物)が挙げられる。金属としては、金、白金、銀、銅、アニミニウム、ニッケル、インジウム錫酸化物(ITO)などが例示できる。導電性高分子としては、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS)やポリアニリンなどが例示できる。
導電体粉末は、本実施形態の導電性ペーストにおいて、ペーストに導電性を付与する役割を果たす。
導電体粉末は、導電性ペースト100質量%に対し、50質量%以上70質量%以下の割合で配合される。
導電体粉末の添加量が50質量%よりも少量である場合、十分な導電性を有する導電性ペーストを提供できないおそれがある。また、導電体粉末の添加量が70質量%より多量である場合、導電体粉末が均一な分散状態を維持することが出来ずに、導電性ペーストが固化してしまうおそれがある。
(熱可塑性樹脂)
本実施形態の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、PC/ABSアロイ樹脂、PC/AESアロイ樹脂、ABS樹脂、ACS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、ABS/PVCアロイ樹脂、ポリアセタール樹脂、液晶ポリマー樹脂、フッ素樹脂、EVA樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリブチレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、環状オレフィンコポリマー樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド610樹脂、ポリアミド612樹脂、ポリアミド46樹脂、強化ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、塩素化エチレン−プロピレン共重合体、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体等の塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アセトニトリル共重合体、ニトリル樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−マレイミド共重合体、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂、環状ポリオレフィン共重合体、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミドビスマレイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、アクリル樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリ乳酸樹脂、及びこれらを変性した樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂は、本実施形態の導電性ペーストにおいて、熱を加えることで導電性ペーストと被印刷物表面被印刷物との密着性を向上させる役割を果たす。
熱可塑性樹脂は、導電性ペースト100質量%に対し、1質量%以上50質量%以下の割合で配当される。
熱可塑性樹脂の添加量が1質量%より少量である場合、導電性ペーストと被印刷物表面との密着性が低下するおそれがある。また、熱可塑性樹脂の添加量が50質量%より多量である場合、熱可塑性樹脂は不導体であることから、導電性ペーストの導電性を低下させるおそれがある。
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂(FRP)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂(PF)、ポリウレタン樹脂(PU)、アミノ樹脂、例えばユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等、アルギド樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂(DAP)、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ビスエステル系エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フラン樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂は、本実施形態の導電性ペーストにおいて、熱を加えることで熱硬化性樹脂同士の化学結合が促進されて導電性ペーストで形成した印刷の固化、つまり形状維持性が向上する。
熱硬化性樹脂は、導電性ペースト100質量%に対し、1質量%以上50質量%以下の割合で配当される。
熱硬化性樹脂の添加量が1質量%以上より少量である場合、塗布剤を印刷面に塗布することで形成されると塗布体について、塗布体における導電性ペーストの化学結合が低下し、塗布体の形状維持性が低下するおそれがある。また、熱硬化性樹脂の添加量が50質量%以下より多量である場合、熱硬化性樹脂は不導体であることから、導電性ペーストの導電性を低下させるおそれがある。
(有機溶剤)
本実施形態で使用する有機溶剤を以下に挙げるが、特にこれらに限定されるものではない。有機溶剤としては、例えば、アルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、シクロヘキサノール)、グリコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カービトール、ブチルカービトール、メトキシブタノールなど)及びエステルエーテル類(酢酸セロソルブ、酢酸ブチルセロソルブ、酢酸カービトール、酢酸メトキシブチルなど)、エーテル類(テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、脂肪族炭化水素(ミネラルスピリットなど)、脂環族炭化水素(テレビン油など)、混合炭化水素(HAWS、ソルベット100、ソルベット150など)、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン、エチルベンゼンなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホンなど)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミルなど)、シリコーンオイル類(ポリジメチルシロキサン、部分オクチル置換ポリジメチルシロキサン、部分フェニル置換ポリジメチルシロキサンなど)、ハロゲン化炭化水素(クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルム、ブロモベンゼンなど)、フッ素化物類等が挙げられる。またこれらを2種以上混合してもよい。更に溶剤の量は、塗料として使用するのに適した粘度になるように調整すればよい。
有機溶剤は、本実施形態の導電性ペーストにおいて、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂を溶解して均一に分散させる役割を果たす。
有機溶剤は、導電性ペースト100質量%に対し、1質量%以上50質量%以下の割合で配当される。
有機溶剤の添加量が1質量%より少量である場合、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂を完全に溶解させることができない。また、有機溶剤の添加量が50質量%以下より多量である場合、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂を溶解させる事は可能であるが、導電性ペーストの分散状態が破壊されて導電体粉末を均一に分散させることができないおそれがある。
(導電性ペーストに不溶の溶媒)
本実施形態の溶媒としては、水溶性の材料を使用することが望ましいが、特にこれらに限定されるものではない。溶媒としては、例えば、水、n−プロパノール、1,2,5,6−テトラヒドロベンジルアルコール、ジエチレングリコールエチルエーテル、3−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコール−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、乳酸エチルアセテート、ε−カプロラクトン、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、ジプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル等が挙げられる。
導電性ペーストに不溶の溶媒は、本実施形態の塗布剤に滑り性を付与する役割を果たす。つまり、本実施形態に係る塗布法において、印刷機内における、塗布剤が通過する流路において、上記の溶媒は、塗布剤と印刷機の流路壁面の摩擦力を大幅に低下させ、流路の形状を追従するように塗布剤が流路内を移動することを可能とする。
導電性ペーストに不溶の溶媒は、導電性ペースト100質量%に対し0.1質量%以上50質量%以下の割合で配合される。
導電性ペーストに不溶の溶媒の添加量が0.1質量%より少量である場合、塗布剤に滑り性を付与することが出来ないおそれがある。また、導電性ペーストに不溶の溶媒の添加量が50質量%より多量である場合、塗布剤中の導電性ペーストに不溶の溶媒が過剰に添加されている状態であるので、塗布法で印刷物を形成中に塗布剤に掛かる圧力で導電性ペーストに不溶の溶媒が染み出てきてしまうおそれがある。
(導電性ペーストに可溶の分散媒)
本実施形態の分散媒としては、非水溶性の材料を使用することが望ましいが、特にこれらに限定されるものではない。分散媒としては、例えば、トリアセチン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、1,4−ブタンジオールジアセテート、3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジアセテート、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、シクロヘキサノールアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、n−プロピルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メトキシブタノールアセテート、ブチルアセテート、イソプロピルアセテート、プロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル等が挙げられる。
導電性ペーストに可溶の分散媒は、本実施形態の導電性ペーストと、導電性ペーストに不溶の溶媒とを均一分散させる役割を果たす。
導電性ペーストに可溶の分散媒は、導電性ペースト100質量%に対し0.1質量%以上30質量%以下の割合で配合される。
導電性ペーストに可溶の分散媒の添加量が0.1質量%より少量である場合、導電性ペーストと、導電性ペーストに不溶の溶媒とを均一分散させることが出来ないおそれがある。また、導電性ペーストに可溶の分散媒の添加量が30質量%より多量である場合、導電性ペーストに可溶の分散媒同士が凝集を起こして塗布剤が固化してしまうおそれがある。
なお、本実施形態で用いる導電性ペーストには、各種の表面処理剤や分散剤による処理を施してもよい。この場合の処理剤としては例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などのカップリング剤や、非極性セグメントと極性セグメントのブロック又はグラフト共重合体などを使用することができる。
以上のように、本実施形態の塗布剤は、抵抗率が低い導電性ペーストに溶媒(滑り性付与)と分散媒(導電性ペーストを分散させる分散剤と分散剤に可溶な溶媒)を混錬することで、低抵抗率で、かつ高アスペクト形状が得られる塗布剤を提供することができる。
また、例えば、この本実施形態の塗布剤による塗布体を配線形成に適用した場合、より確実に、配線の断面のアスペクト比が高く、電子回路といった密集した配線を狭い面積に集約することができて、配線に流れる電流をより多く流すことが可能となる。
すなわち、本実施形態の塗布剤は、精密で均一な膜厚のラインパターンやストライプパターン又は立体的な構造のパターンが要求される分野において、例えば、抵抗器、コンデンサー等の小型電子部品、液晶表示素子(LCD)用のカラーフィルター、燃料電池電極、リチウムイオン電池電極、ストレッチャブル電極、センサーなどの構造体を、簡単に、品質よく、コストも安価に製造することができる等幾多の作用効果を示す。
被印刷物の表面にコーターヘッドに形成された吐出口を介して、一種類又は複数の種類の塗布剤、例えば、銀、カーボン、銅粉などで構成された導電ペースト、絶縁ペースト、ウレタン系素材などで開発されたストレッチャブル導電インキ、カーボンエラストマー材料、誘電エラストマー、貼着剤や非貼着剤等の塗布剤を吐出して被印刷物の表面にラインパターン、立体的構造パターン、ストライプ状に塗布剤を塗布する塗布装置に利用可能である。
(実施例1)
導電性ペーストとして銀ペースト「K−3330(ペルノックス社製)」を採用し、溶媒として水を選択した。そして導電性ペーストに対して0.1質量%〜50質量%の分量で水を混合した。
また、分散媒としてターピネオールを選択し、導電性ペーストに対して0.1質量%〜50質量%の分量でターピネオールを混合した。
以上によって、実施例1の塗布剤を作製した。
次に、実施例1の塗布剤を使ってディスペンスコントローラーと卓上ロボットに搭載した縦500μm×横500μmの矩形の吐出口径を1000μmピッチで7本形成したラインコーターヘッドから、被印刷物としての誘電エラストマーフィルム上へフィルム面から0.3mm吐出口を離した状態で、吐出圧360kPa、ヘッドスピード10mm/秒で6mm長のストライプパターンを吐出した。
上記誘電エラストマーフィルム上への塗布剤のライン吐出には、高粘度液体制御可能なディスペンスコントローラー(武蔵エンジニアリング社製)とXYZ軸制御可能な卓上ロボットとを用いた。
その塗布剤を塗布して誘電エラストマーフィルム上に形成した、塗布体の断面を顕微鏡にて観察した。その結果を図1に示す。
図1に示すように、高アスペクトの印刷体1を、フィルム上に形成することが出来た。
また、図1の各塗布体のアスペクト比を求めた。その求めた結果を表1に示す。表1中、L1〜L7は、各塗布体のサンプル番号である。
表1から分かるように、塗布体1のアスペクト比は全て0.5以上で、約0.8であった。この結果から、縦500μm×横500μmの矩形吐出口から実施例の塗布剤を吐出することで、吐出流路、吐出出口付近のコーターヘッドと塗布剤との摩擦が緩和され、吐出口の形状を追従する形状で塗布剤が吐出されたことが分かった。
更に、7本の塗布体の抵抗率を測定した結果を表2に示す。表2中、第1欄の数字は各塗布体のサンプル番号である。
表2から分かるように、実施例1の塗布剤で形成した各印刷体の抵抗率は10×−3 Ω cm台であった。銀ペースト「K−3330(ペルノックス社製)」のカタログ値は10×−4 Ω cm台であり本発明の塗布剤の抵抗率は1桁悪化したが、一般的な導電エラストマーの10 Ω cm台と比較すると十分に小さい値であり、電子回路といった密集した配線に使うことが可能である。
(比較例1)
導電性ペーストとしての銀ペースト「K−3330(ペルノックス社製)」に、溶媒と分散媒を混合しないものを塗布剤として、実施例と同条件でストライプパターンを吐出した。
塗布体の断面を顕微鏡にて観察した。その結果を、図2に示す。
図2に示すように、比較例1では、ストライプパターンは各々が独立せずに全ての塗布体が接触した状態であった。この結果から、縦500μm×横500μmの矩形吐出口から比較例の塗布剤を吐出すると吐出流路、吐出出口付近のコーターヘッドと塗布剤との間に働く摩擦が大きく、吐出口の形状を追従できずに印刷物が吐出されたことが分かった。
1…実施例1の塗布体
2…比較例1の塗布体

Claims (6)

  1. 導電体粉末50質量%以上70質量%以下、熱可塑性樹脂1質量%以上50質量%以下、熱硬化性樹脂1質量%以上50質量%以下、有機溶剤1質量%以上50質量%以下を含む導電性ペーストと、
    上記導電性ペースト100質量%に対し0.1質量%以上50質量%以下の割合で配合される、上記導電性ペーストに不溶の溶媒と、
    上記導電性ペースト100質量%に対し0.1質量%以上30質量%以下の割合で配合される、上記導電性ペーストに可溶の分散媒と、
    を有することを特徴とする塗布剤。
  2. 上記導電性ペーストが、金属、金属酸化物、及び導電性有機物から選ばれる少なくとも1種の導電性物質を含むことを特徴とする請求項1に記載の塗布剤。
  3. 被印刷物と、
    上記被印刷物の上に、請求項1又は2に記載の上記塗布剤で形成された塗布体と、
    を備える印刷物。
  4. 上記塗布体の断面のアスペクト比が0.5以上であることを特徴とした請求項3に記載の印刷物。
  5. 被印刷物の上に、請求項1又は請求項2に記載の上記塗布剤を塗布することを特徴とする印刷物の製造方法。
  6. 上記塗布の塗布法は、凸版印刷、凹版印刷、平版印刷、反転オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット、熱転写印刷、ディスペンサ、スピンコート、ダイコート、マイクログラビアコート、ディップコートのいずれかであることを特徴とする請求項5に記載の印刷物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH09188848A (ja) * 1995-12-22 1997-07-22 Herberts Gmbh 水性のコーティング組成物、プラスチック基材をコートする方法およびコーティング組成物の使用

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