JP2018011083A - プリンタブルエレクトロニクス用基材フィルム、回路基板の製造方法 - Google Patents

プリンタブルエレクトロニクス用基材フィルム、回路基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】印刷法により製造される回路基板(配線回路基板)の基材として使用することにより、基材に対する密着性と導電性とに優れ、なおかつ微細な細線で形成され集積化された配線回路(導電パターン)を簡単な工程で形成できるプリンタブルエレクトロニクス用基材フィルムを提供する。
【解決手段】プラスチックフィルムの少なくとも一方の表面にプライマーコート層を有するフィルムであって、前記プライマーコート層表面のATR−IRスペクトルにおいて、761cm-1付近と1675cm-1付近とにそれぞれ吸収ピークを有することを特徴とするプリンタブルエレクトロニクス用基材フィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリンタブルエレクトロニクスによる電子部品や電子製品の製造に使用されるプリンタブルエレクトロニクス用基材フィルム、及び該プリンタブルエレクトロニクス用基材フィルムを用いた回路基板の製造方法に関する。
従来、基材(基板)上に電子回路(配線回路)を形成する方法として、銅箔を全面に貼り付けた基板から不必要な部分を選択的に除去し、回路パターンを形成する手法(サブトラクティブ法)が使用されてきた。一方で、近年、生産性の向上、製造コストの低減、納期の短縮、小ロット対応等に適性のある印刷技術を用いた電子回路等の製造手法(プリンタブルエレクトロニクス)が検討されている。
プリンタブルエレクトロニクスは、印刷技術を用いて電子回路等を製造する手法であるため、従来のサブトラクティブ法に比べ、ロールトゥロールでの連続的な製造が可能なことから、(1)電子デバイスのフレキシブル化や低コスト化、軽量化等を実現する次世代技術として、また、(2)製造プロセスの低温化により省エネルギーを実現する環境対応技術として、薄膜ディスプレイ、電子ペーパー、有機EL照明等の製造プロセスに劇的な変革をもたらす手法として期待されている。
プリンタブルエレクトロニクスによる回路基板(配線回路基板)の製造においては、一般的に、スクリーン印刷のほか、インクジェット、オフセット、グラビア等の各種の印刷手法を用いて、導電性のあるインク(導電性インク)をフィルム等の基材に塗布して、その後、塗布した導電性インクを焼成することにより、配線回路(導電パターン)が形成される(特許文献1参照)。
特開2012−104613号公報
プリンタブルエレクトロニクスによる配線回路の形成に使用される導電性インクは、一般に、バインダーと金属粒子とを含むインクである。このような導電性インクを使用した基材上への配線回路の形成は、例えば、基材上に配線回路パターンに対応するように導電性インクを印刷した後、焼成を行うことによりバインダーを除去して、金属粒子が密集した配線回路を形成するといった手順で実施される。近年、上記基材としては、柔軟性を有し軽量であり、ロールトゥロールによる加工が可能な各種プラスチックフィルム(ポリマーフィルム)が好ましく使用される。
上述の配線回路を形成する際の焼成は、導電性インクのバインダーを除去する(昇華させる)ための操作であるため、かなりの高温(例えば、250℃程度)で加熱することにより実施される場合が多い。このような場合、焼成時に基材(プラスチックフィルム)からオリゴマーや可塑剤等がマイグレーションし、配線回路(導電性インクを焼成したもの)と基材の密着性が不足(低下)するという問題が生じていた。このため、従来は、基材と配線回路との密着性を確保するため、配線回路が形成される側の基材表面にはプライマーコート層が設けられることが通例であった。
しかしながら、基材表面にプライマーコート層を設けた場合には、基材に対する配線回路の密着強度は確かに確保されるものの、プライマーコート層に含まれる成分が焼成の際に配線回路が形成される部分にマイグレーションするためか、配線回路の電気抵抗が増大するという問題が生じていた。一方、プライマーコート層の種類によっては、配線回路の電気抵抗を増大させないものも存在するが、このようなプライマーコート層は基材に対する配線回路の密着性を十分に高めることができないものであった。このように、プリンタブルエレクトロニクスにより製造される回路基板として、配線回路の密着性とその導電性とが両立されたものを得ることは未だできていないのが現状である。
一方で、上記プラスチックフィルムを回路基板の基材として使用し、該プラスチックフィルムに対してインクジェット法により導電性インクを印刷する場合、プラスチックフィルム上で導電性インクにより形成したパターンが滲んでしまうという問題が生じていた。例えば、基材上に細線の導電性インクのパターンを形成しようとした場合には、細線のパターンの描画ができず、得られた回路基板において配線回路のショート(短絡)が起こっていた。このようなショートの問題を抑制するためには、導電性インクの吐出量を少なくすることが考えられるが、この場合には得られる配線回路の厚みが薄くなってしまい必要な導電量を確保できないという問題が生じる。これに対しては、導電性インクを反復して数回印刷することにより配線回路の厚みを厚くすることも考えられるが、工程時間が長くなったり、反復印刷により導電性インクのパターンが広がって所望のパターンを得ることができないという問題が生じる。
インクジェット法による配線回路の形成において細線が広がってしまう理由としては、インクジェット法では吐出時に導電性インクが略球状の形状を有するため、液滴(インキドット)が基材フィルムへの着弾と同時に基材表面で広がってしまうことが考えられる。特に、このような導電性インクの着弾時の広がりは、形成する配線回路が細くなればなるほど無視できない影響を及ぼすものとなる。上述の導電性インクの広がりは基材フィルム表面に対する導電性インクの濡れ性が関与するものと考えられ、導電性インクの表面張力γwと、導電性インクと基材の界面張力γwsと、基板フィルムの表面張力γsと、導電性インクの基材フィルムに対する接触角θとの間に、γs=γws+γw・cosθが成立することから、接触角θを十分に大きくすることによって基材フィルムに着弾した導電性インクの液滴の形状を半球状に近づけるほど、微細な細線の描画が可能となり、なおかつその十分な厚みの確保が可能になるものと考えられる。
しかしながら、一般に、導電性インクの基材フィルムに対する接触角θを大きくすることは、同時に配線回路の基材に対する密着性の低下を生じさせる。従って、従来、上記接触角θを大きくして微細な細線の形成を可能とすることと、形成される配線回路の基材に対する密着性を高めることとを両立させることは困難であった。
インクジェット法により細線の配線回路を形成する方法として、例えば、フッ素系撥液剤を使用した技術が提案されている(例えば、「第22回ファインテックジャパン(FPD製造技術展)」において提案されたダイキン工業(株)製の「オプトエース」を使用した方法等)。この技術は、フッ素系撥液剤をフォトレジストに添加してバンク(隔壁)パターンを形成すれば、その表面改質効果によりその後のインクジェットプロセスによるインクの着弾精度が補完されるというアイデアに基づくものである。即ち、フッ素系撥液剤を含むフォトレジストを基板上に塗布すると、フッ素系撥液剤成分がフォトレジスト膜表面に偏析して、表面が撥水性に変化するのに対し、バンクの側壁等のほかの部分は親水性を保持することを利用した技術である。具体的には、フッ素系撥液剤を添加したブラックレジストを基板上に塗布し、フォトリソグラフィによりブラックマトリクス(BM)を形成することにより、その後のインクジェットプロセスではフッ素系撥液剤を含むBM部分には導電性インクが定着せず、一方で、BMに囲まれた溝部分に導電性インクが付着することにより微細な細線を形成できる。しかしながら、このような技術は、フッ素系撥液剤を添加したブラックレジストを塗布し、フォトリソグラフィによりBMを形成するといったように、あらかじめフッ素系撥液剤が塗布される部分と塗布されない部分とを形成し分ける必要があり、工程が煩雑である。
従って、本発明の目的は、印刷法により製造される回路基板(配線回路基板)の基材として使用することにより、基材に対する密着性と導電性とに優れ、なおかつ微細な細線で形成され集積化された配線回路(導電パターン)を簡単な工程で形成できるプリンタブルエレクトロニクス用基材フィルムを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、基材に対する密着性と導電性とに優れ、なおかつ微細な細線で形成され集積化された配線回路を基材上に有する回路基板を、簡便かつ高い生産性で製造できる回路基板の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、プラスチックフィルムの少なくとも一方の表面にプライマーコート層を有するフィルムであって、上記プライマーコート層表面のATR−IRスペクトルにおいて特定の吸収ピークを示す基材フィルムを、印刷法により製造される回路基板(配線回路基板)の基材として使用することにより、基材に対する密着性と導電性とに優れ、なおかつ微細な細線で形成され集積化された配線回路を簡単な工程で形成できることを見出した。また、本発明者らは、上記基材フィルムを回路基板の基材として使用する特定の工程を含む回路基板の製造方法によると、基材に対する密着性と導電性とに優れ、なおかつ微細な細線で形成され集積化された配線回路を基材上に有する回路基板を、簡便かつ高い生産性で製造できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、プラスチックフィルムの少なくとも一方の表面にプライマーコート層を有するフィルムであって、前記プライマーコート層表面のATR−IRスペクトルにおいて、761cm-1付近と1675cm-1付近とにそれぞれ吸収ピークを有することを特徴とするプリンタブルエレクトロニクス用基材フィルムを提供する。
さらに、前記プライマーコート層表面のESCAにより分析される表面元素中に窒素元素が存在する前記のプリンタブルエレクトロニクス用基材フィルムを提供する。
さらに、前記プライマーコート層表面に対するn−ヘキサデカンの接触角が32〜65°である前記のプリンタブルエレクトロニクス用基材フィルムを提供する。
さらに、前記プライマーコート層表面に対するn−ヘキサデカンの接触角が40〜60°である前記のプリンタブルエレクトロニクス用基材フィルムを提供する。
また、本発明は、プラスチックフィルムの少なくとも一方の表面にプライマーコート層を有するフィルムであって、前記プライマーコート層が、下記式(1)で表されるイソシアヌル酸誘導体を含むプライマーコート剤により形成されたプライマーコート層であることを特徴とするプリンタブルエレクトロニクス用基材フィルムを提供する。
さらに、前記プライマーコート剤がフッ素化合物を含む前記のプリンタブルエレクトロニクス用基材フィルムを提供する。
さらに、前記プラスチックフィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、又は環状ポリオレフィンフィルムである前記のプリンタブルエレクトロニクス用基材フィルムを提供する。
また、本発明は、前記のプリンタブルエレクトロニクス用基材フィルムと、該基材フィルムの前記プライマーコート層上に形成された配線回路とを有する回路基板の製造方法であって、下記の工程(A)及び工程(B)を含むことを特徴とする回路基板の製造方法を提供する。
工程(A):印刷法により、前記基材フィルムの前記プライマーコート層上に導電性インクのパターンを形成する工程
工程(B):前記導電性インクのパターンを焼成して配線回路を形成する工程
また、本発明は、前記の回路基板の製造方法により製造される回路基板を提供する。
本発明のプリンタブルエレクトロニクス用基材フィルムは上記構成を有するため、印刷法により製造される回路基板(配線回路基板)の基材として使用することにより、基材に対する密着性と導電性とに優れ、なおかつ微細な細線で形成され集積化された配線回路(導電パターン)を簡単な工程で形成することができる。また、本発明の回路基板の製造方法は上記構成を有するため、基材に対する密着性と導電性とに優れ、なおかつ微細な細線で形成され集積化された配線回路を基材上に有する回路基板を、簡便かつ高い生産性で製造することができる。
本発明のプリンタブルエレクトロニクス用基材フィルムの一例(プラスチックフィルムの一方の表面にプライマーコート層を有する場合)を示す概略図(断面図)である。 実施例1で得られたプリンタブルエレクトロニクス用基材フィルムのプライマーコート層表面のATR−IRスペクトル(全反射型赤外吸収スペクトル)のチャートである。 比較例1で得られた基材フィルムの硬化物層表面のATR−IRスペクトルのチャートである。 比較例2で使用したPETフィルム(商品名「コスモシャインA4300」)表面のATR−IRスペクトルのチャートである。
<プリンタブルエレクトロニクス用基材フィルム>
本発明のプリンタブルエレクトロニクス用基材フィルム(単に「本発明の基材フィルム」と称する場合がある)は、プラスチックフィルムの少なくとも一方の表面にプライマーコート層を有する積層構成を有するフィルム(積層フィルム)である。図1は、本発明の基材フィルムの一例を示す概略図(断面図)であり(1は基材フィルムである)、2はプラスチックフィルムを示し、3はプライマーコート層を示す。但し、本発明の基材フィルムは図1に示す構成に限定されず、例えば、該基材フィルムの両面に配線回路を形成する場合には、プラスチックフィルムの両方の表面にプライマーコート層を有する、「プライマーコート層/プラスチックフィルム/プライマーコート層」の積層構成を有する基材フィルム等であってもよい。
[プラスチックフィルム]
本発明の基材フィルムにおけるプラスチックフィルムは、本発明の基材フィルム及び該基材フィルム上に配線回路(導電パターン)を形成することにより得られる回路基板の支持体(ベースフィルム)として機能する。
上記プラスチックフィルムを構成する材料は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル;ポリイミド;ポリカーボネート;ポリアミド;ポリアセタール;ポリフェニレンオキサイド;ポリフェニレンサルファイド;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルエーテルケトン;ノルボルネン系モノマーの単独重合体(付加重合体や開環重合体等)、ノルボルネンとエチレンの共重合体等のノルボルネン系モノマーとオレフィン系モノマーの共重合体(付加重合体や開環重合体等の環状オレフィンコポリマー等)、これらの誘導体等の環状ポリオレフィン;ビニル系重合体(例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等);ビニリデン系重合体(例えば、ポリ塩化ビニリデン等);エポキシ樹脂;フェノール樹脂;メラミン樹脂;ユリア樹脂;マレイミド樹脂;シリコーン等の各種プラスチック材料が挙げられる。中でも、耐熱性、機械強度の観点で、ポリエステル、ポリイミド、環状ポリオレフィンが好ましく、特に基材の透明性が要求される用途においては、PET、PEN、環状ポリオレフィンが好ましい。即ち、上記プラスチックフィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、環状ポリオレフィンフィルムが好ましく、PETフィルム、PENフィルム、環状ポリオレフィンフィルムが特に好ましい。なお、上記プラスチックフィルムを構成する材料は1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
上記プラスチックフィルムは、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、熱安定剤、結晶核剤、難燃剤、難燃助剤、充填剤、可塑剤、耐衝撃性改良剤、補強剤、分散剤、帯電防止剤、発泡剤、抗菌剤等のその他の添加剤を含んでいてもよい。なお、添加剤は1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
上記プラスチックフィルムは、単層の構成を有していてもよいし、多層(積層)の構成を有していてもよく、その構成(構造)は特に限定されない。また、上記プラスチックフィルムの表面の一部又は全部には、粗化処理、易接着処理、静電気防止処理、サンドブラスト処理(サンドマット処理)、コロナ放電処理、プラズマ処理、ケミカルエッチング処理、ウォーターマット処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理、酸化処理、紫外線照射処理、シランカップリング剤処理等の公知乃至慣用の表面処理が施されていてもよい。なお、上記プラスチックフィルムは、未延伸フィルムであってもよいし、延伸フィルム(一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルム等)であってもよい。
上記プラスチックフィルムは、例えば、上述のプラスチック材料をフィルム状に成形する等の公知乃至慣用の方法により製造することができる。また、上記プラスチックフィルムとしては、市販品を使用することもできる。
上記プラスチックフィルムの厚みは、特に限定されないが、例えば、0.01〜10000μmの範囲から適宜選択することができる。
[プライマーコート層]
本発明の基材フィルムにおけるプライマーコート層は、上記プラスチックフィルムの少なくとも一方の表面に形成される層であって、印刷法により上記プライマーコート層上に配線回路を形成して得られる回路基板において、配線回路の導電性を保持しつつ、該配線回路の基材に対する密着性を確保する役割を果たす。さらに、上記プライマーコート層は、後述のように、印刷法(特に、インクジェット法)によって導電性インクのパターンを形成する際には基材フィルムに着弾した導電性インクの広がりを抑制し、フッ素系撥液剤によるコーティング処理等の特殊な技術によることなく、微細な細線で形成された配線回路を簡便な工程で形成することを可能とする。
上記プライマーコート層は、本発明の基材フィルムの当該プライマーコート層表面のATR−IRスペクトル(全反射型赤外吸収スペクトル)において、761cm-1付近(例えば、755〜770cm-1)と1675cm-1付近(例えば、1670〜1690cm-1)とに、それぞれ吸収ピークを有するものであることを特徴としている。なお、上述のATR−IRスペクトルにおける761cm-1付近の吸収ピーク及び1675cm-1付近の吸収ピークは、C=C(炭素−炭素二重結合)の化学構造に帰属される吸収ピークであると推測される。上記ATR−IRスペクトルは、実施例と同様の方法及び条件で測定できる。
本発明の基材フィルムは、さらに、上記プライマーコート層表面のESCA(XPS;X線光電子分光分析)により分析される表面元素(表面の構成元素)中に窒素元素(窒素原子)が存在することが好ましい。即ち、本発明の基材フィルムのプライマーコート層表面には、窒素元素を有する成分が少なくとも含まれることが好ましい。なお、上記ESCAは、実施例と同様の方法で測定できる。
本発明の基材フィルムにおける上記プライマーコート層表面に対するn−ヘキサデカンの接触角は、特に限定されないが、32〜65°が好ましく、より好ましくは35〜60°である。特に、より細線の導電性インクのパターン及び配線回路の描画を可能とする観点では、上記n−ヘキサデカンの接触角は、40〜60°が好ましい。上記n−ヘキサデカンの接触角が32°未満であると、基材フィルムのプライマーコート層表面に対して導電性インクが滲みやすく、高い精度で導電性インクを着弾させることが難しくなり、微細な細線の配線回路を形成させることが困難となる傾向がある。一方、上記n−ヘキサデカンの接触角が65°を超えると、配線回路の基材に対する密着性の確保が困難となる傾向がある。なお、n−ヘキサデカンの接触角は、実施例と同様の方法及び条件で測定できる。
本発明者らは、ATR−IRスペクトルにおいて761cm-1付近と1675cm-1付近とにそれぞれ吸収ピークを有し、さらに好ましくはESCAにより分析される表面元素中に窒素原子が存在する表面を与えるプライマーコート層を少なくとも一方の表面に有する基材フィルム(本発明の基材フィルム)によると、フッ素系撥液剤を塗布する等の特殊な技術によることなく、導電性インクの着弾時の広がりが抑制され、高い着弾精度を確保でき、なおかつ配線回路の基材に対する密着性に優れた回路基板を製造できることを見出した。さらに、上記回路基板においては、配線回路の高い導電性も確保されている。一般に、導電性インクの着弾時の広がりを抑え、高い着弾精度を確保するためには、基材フィルムの表面に対する導電性インクの濡れ性が低い(換言すれば、導電性インクと基材フィルムの表面との親和性が小さい)ことが必要であり、基材フィルムの表面に対してこのような性質を付与するためには、表面にフッ素原子を含む層を形成することが好ましい。しかしながら、このようなフッ素原子を含む層を形成すると、多くの場合はフッ素原子を有する化合物が高い離型性を有するために、導電性インクのパターン(ひいては、当該パターンを焼成して形成される配線回路)と基材フィルムとの密着性を確保できない。
本発明の基材フィルムが上記プライマーコート層を有することによって、上述の導電性インクの高い着弾精度と配線回路の基材に対する密着性とが両立される機構は正確には理解されていないが、ATR−IRスペクトルにおける761cm-1付近と1675cm-1付近とに存在する吸収ピークがC=Cの化学構造に帰属される吸収ピークであり、上記プライマーコート層がこの化学構造を含むことによって導電性インクの濡れ性が低くなり、一方で、導電性インクのパターン形成後の焼成の過程で導電性インク中の成分と上記C=Cの一部が反応するためか、焼成後の導電性インク(配線回路)の基材に対する密着強度が高くなるものと推測される。本発明の基材フィルムにおいては、上述のATR−IRスペクトルにおける特定の吸収ピークが存在することが最も重要であり、例えば、仮に後述の式(1)で表されるイソシアヌル酸誘導体を使用して形成されたプライマーコート層であっても、当該プライマーコート層におけるC=Cの反応を何らかの方法(例えば、加熱アニーリング等)で進行させて、上述の特定の吸収ピークを消失させてしまうと、良好な密着性を得ることはできない。
また、本発明においては、プライマーコート層表面に窒素原子が認められることも重要であり、特に、後述の式(1)で表されるイソシアヌル酸誘導体のようなイソシアヌル酸構造(骨格)を有することが、導電性インクの濡れ性を低くして着弾時の広がりを抑制乃至防止することに寄与するものと考えられる。なお、プライマーコート層が、ATR−IRスペクトルにおいて761cm-1付近と1675cm-1付近とにそれぞれ吸収ピークを有し、かつESCAにより分析される表面元素中に窒素原子が存在する表面を有する層である場合には、当該プライマーコート層中に後述の式(1)で表されるイソシアヌル酸誘導体及び/又は該誘導体由来の構造(C=C構造を含む)が含まれるものと同定される。
本発明の基材フィルムにおけるプライマーコート層は、上述のように、表面のATR−IRスペクトルにおいて、761cm-1付近と1675cm-1付近とにそれぞれ吸収ピークを有するもの(好ましくはさらにESCAにより分析される表面元素中に窒素原子が存在するもの;より好ましくはさらにn−ヘキサデカンの接触角が32〜65°であるもの)であればよく、特に限定されない。上記特性を満たすプライマーコート層の具体的構成としては、例えば、後述の式(1)で表されるイソシアヌル酸誘導体を必須成分として含むプライマーコート剤により形成される層(プライマーコート層)等が挙げられる。但し、本発明の基材フィルムは、当該具体的構成のプライマーコート層を有するものに限定されない。
(プライマーコート剤)
上記具体的構成のプライマーコート層を形成するためのプライマーコート剤は、下記式(1)で表されるイソシアヌル酸誘導体を必須成分として含むプライマーコート剤である。
Figure 2018011083
式(1)中のR1、R2、及びR3(R1〜R3)は、同一又は異なって、アルケニル基又はアルキル基を示し、R1〜R3のうち少なくとも1つはアルケニル基である。上記アルケニル基としては、例えば、エテニル基(ビニル基)、1−プロペニル基、アリル基(2−プロペニル基)、1−メチルエテニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−デセニル基等の炭素数1〜12のアルケニル基(例えば、炭素数1〜6のアルケニル基)等が挙げられる。上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等の炭素数1〜12のアルキル基(例えば、炭素数1〜6のアルキル基)等が挙げられる。また、上記式(1)中のR1〜R3は、少なくとも1つがアルケニル基であればよいが、中でも、いずれか2つ又は3つ(特に、2つ)がアルケニル基であることが好ましい。
特に、配線回路の密着性、導電性、及び細線描画性の各特性のバランスの観点で、式(1)で表されるイソシアヌル酸誘導体としては、メチルジアリルイソシアヌル酸[1,3−ジアリル−5−メチル−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン]が好ましい。即ち、上記プライマーコート剤は、メチルジアリルイソシアヌル酸を必須成分として含むプライマーコート剤であることが好ましい。なお、式(1)で表されるイソシアヌル酸誘導体は1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
上記プライマーコート剤中の式(1)で表されるイソシアヌル酸誘導体の含有量(配合量)は、特に限定されないが、プライマーコート剤の不揮発分(固形分)の全量(100重量%)に対して、1〜100重量%が好ましく、より好ましくは3〜70重量%、さらに好ましくは5〜40重量%である。式(1)で表されるイソシアヌル酸誘導体の含有量が1重量%未満であると、回路基板における基材(詳しくはプライマーコート層)に対する配線回路の密着性が不十分となる場合がある。また、基材フィルムの導電性インクに対する撥液性(撥インク性)が不十分となり、細線の配線回路の描画が困難となる場合がある。なお、上述の「プライマーコート剤の不揮発分」とは、上記プライマーコート層を形成した段階で該プライマーコート層の構成成分として(そのままの状態で又は反応した状態で)残存する成分(残存成分)を意味する。上記残存成分は、通常、上記プライマーコート剤から溶媒を除去した残りの成分である。上記残存成分は、例えば、JIS K0067の乾燥減量試験の第1法に準じて測定することができる。
上記プライマーコート剤は、式(1)で表されるイソシアヌル酸誘導体以外にも、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、例えば、上記イソシアヌル酸誘導体のバインダーとしての重合体(樹脂)、又はバインダーとしての重合体を形成できる前駆体(例えば、硬化(重合)させることにより重合体を形成する硬化性化合物等)や、上記前駆体の重合反応を開始乃至進行させて重合体を形成するための重合開始剤等が挙げられる。なお、上記重合体の前駆体は、式(1)で表されるイソシアヌル酸誘導体と反応するものであってもよい。
上記プライマーコート剤が含んでいてもよい重合体としては、例えば、ポリオレフィン[例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン等]、ビニル系重合体[例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン等]、ポリアミド[例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン61、ナイロン6T、ナイロン9T等]、ポリエステル[例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等]、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。また、上記プライマーコート剤が含んでいてもよい重合体の前駆体としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、ビニルエステル樹脂、アリル樹脂(例えば、ジアリルフタレート樹脂等)、フェノール樹脂、ポリイミドの前駆体(ポリアミック酸等)、シアネート樹脂、マレイミド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、多官能モノマー(多官能アクリルモノマー等)等の硬化性化合物(硬化性樹脂)(例えば、熱硬化性化合物、光硬化性化合物等)等が挙げられる。中でも、上記プライマーコート剤は、取り扱い性、プライマーコート層の強度等の観点で、硬化性化合物を含むことが好ましく、硬化性化合物及び重合開始剤を含むことが特に好ましい。なお、上記プライマーコート剤において重合体や硬化性化合物は1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
上記硬化性化合物としては、例えば、分子内(一分子中)に1以上(好ましくは2以上)の重合性官能基を有する化合物が挙げられる。上記重合性官能基としては、ラジカル重合性基[例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、メタリル基等の炭素−炭素不飽和結合を含む基等]、カチオン重合性基[オキシラニル基、オキセタニル基等の環状エーテル基、ビニルエーテル基等]等の周知の重合性基が挙げられる。中でも、上記硬化性化合物としては、分子内に1以上(好ましくは2以上)のラジカル重合性基を有するラジカル重合性化合物が好ましい。なお、本明細書における上記「硬化性化合物」には、上述の式(1)で表されるイソシアヌル酸誘導体は含まれないものとする。
上記硬化性化合物や重合開始剤としては、コーティング材料等におけるバインダー等の原料として使用される公知乃至慣用の材料を使用でき、特に限定されないが、具体的には、例えば、特開2011−164363号公報に記載の硬化性化合物(ウレタン(メタ)アクリレート、ビニル系単量体等)や重合開始剤等を使用することができる。なお、例えば、硬化性化合物を含む組成物として、商品名「ノプコキュアSHC−017R」(サンノプコ(株)製)等の市販品を使用することもできる。
上記プライマーコート剤は、溶媒を含んでいてもよい。溶媒としては、プライマーコート剤の各構成成分を均一に溶解させることができるものを好ましく使用でき、例えば、水;ケトン[例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等];エーテル[例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン等];脂肪族炭化水素[例えば、ヘキサン等];脂環式炭化水素[例えば、シクロヘキサン等];芳香族炭化水素[例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等];ハロゲン化炭素[例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン等];エステル[例えば、酢酸メチル、酢酸エチル等];アルコール[例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール等];セロソルブ類[例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等];セロソルブアセテート類;アミド[例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等]等が挙げられる。なお、溶媒は1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。中でも、プライマーコート剤の各構成成分の溶解性、取り扱い性に優れる点で、ケトンが好ましい。
上記プライマーコート剤における溶媒の含有量(配合量)は、特に限定されないが、例えば、プライマーコート剤の不揮発分の全量100重量部に対して、0.1〜5000重量部の範囲から適宜選択することができる。
さらに、上記プライマーコート剤は、導電性インクの基材フィルムに対する着弾精度をいっそう高めてより細線の配線回路の形成を可能とするため、フッ素化合物を含むことが好ましい。上記フッ素化合物としては、分子内に1個以上のフッ素原子を有する公知乃至慣用のフッ素化合物を使用することができ、特に限定されないが、例えば、フッ素化アルキル基(アルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたアルキル基;例えば、パーフルオロアルキル基等)やフッ素化ポリエーテル基(ポリエーテル基(ポリオキシアルキレン基)の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたポリエーテル基;例えば、パーフルオロポリエーテル基等)を分子内に1個以上有する化合物等が挙げられる。
特に、上記フッ素化合物としては、分子内に1個以上の重合性官能基を有するフッ素化合物が好ましい。上記重合性官能基としては、上述のラジカル重合性基やカチオン重合性基等の周知の重合性基が挙げられる。中でも、上記フッ素化合物としては、分子内に1個以上(好ましくは2個以上)のラジカル重合性基を有するフッ素化合物が好ましい。即ち、上記フッ素化合物としては、具体的には、例えば、分子内に1個以上のラジカル重合性基と、分子内に1個以上のフッ素化アルキル基又はフッ素化ポリエーテル基とを有する化合物等が挙げられる。
より具体的には、上記フッ素化合物としては、(a)分子内に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物[化合物(a)]に対して、(b)分子内に1個以上の活性水素を有するフッ素化ポリアルキル化合物(フッ素化アルキル基を有する化合物)又は分子内に1個以上の活性水素を有するフッ素化ポリエーテル化合物(フッ素化ポリエーテル基を有する化合物)[化合物(b)]と、(c)分子内に1個以上の活性水素及び1個以上の重合性官能基を有する化合物[化合物(c)]とを反応させて得られる、分子内に2個以上の重合性官能基と1個以上のフッ素化アルキル基又はフッ素化ポリエーテル基とを有する化合物等が挙げられる。
上記化合物(a)としては、特に限定されないが、例えば、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物のヌレート型三量体等が挙げられる。
上記化合物(b)における活性水素を有する基としては、特に限定されないが、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、メルカプト基等が挙げられる。また、上記化合物(b)におけるフッ素化ポリアルキル基又はフッ素化ポリエーテル基の分子量は、特に限定されないが、1000〜7000(より好ましくは1500〜3500)が好ましい。上記化合物(b)としては、例えば、下記式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2018011083
[式中、R4はフッ素原子を示す。R5及びR6は、同一又は異なって、フッ素原子又はトリフルオロメチル基を示す。pは1〜16の整数、qは0〜5の整数、r、s、t、u、及びvは、同一又は異なって、0〜200の整数、wは0〜16の整数を示す。]
上記化合物(c)における活性水素を有する基としては、特に限定されないが、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、メルカプト基等が挙げられる。上記化合物(c)としては、特に限定されないが、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、化合物(a)〜(c)は、それぞれ1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。化合物(a)〜(c)を反応させて得られる上記フッ素化合物としては、例えば、分子内にイソシアヌル酸骨格を有し、2個の重合性官能基と1個以上のパーフルオロポリエーテル基とを有する化合物等が挙げられ、より具体的には、下記式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2018011083
[式中、Rfは、パーフルオロポリエーテル基を示す。]
上記フッ素化合物は1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。また、上記フッ素化合物としては市販品(例えば、フッ素化合物を含む市販品等)を使用することもでき、例えば、商品名「オプツールDAC」、「オプツールDAC−HP」(以上、ダイキン工業(株)製);商品名「ライトアクリレートFA−108」(共栄社化学(株)製);商品名「RS−75」(DIC(株)製);商品名「モディパーF200」、「モディパーF600」、「モディパーF3035」(以上、日油(株)製);商品名「ハイパーラックFA−200」(日産化学工業(株)製)等が例示される。
上記プライマーコート剤における上記フッ素化合物の含有量(配合量)は、特に限定されないが、プライマーコート剤の不揮発分の全量(100重量%)に対して、0〜3重量%が好ましく、より好ましくは0.001〜1重量%である。フッ素化合物の含有量を0.001重量%以上とすることにより、より細線の配線回路の形成が可能となる傾向がある。一方、フッ素化合物の含有量が2重量%を超えると、基材に対する配線回路の密着性の確保が困難となる傾向がある。
上記プライマーコート剤における、式(1)で表されるイソシアヌル酸誘導体100重量部に対するフッ素化合物の割合は、特に限定されないが、0〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.04〜1重量部、さらに好ましくは0.04〜0.4重量部である。フッ素化合物の割合が5重量部を超えると、基材に対する配線回路の密着性の確保が困難となる傾向がある。一方、フッ素化合物の割合を0.04重量部以上とすることにより、より細線の配線回路の形成が容易となる傾向がある。
上記プライマーコート剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の添加剤等を含有していてもよい。上記添加剤としては、例えば、酸化防止剤や熱安定剤等の安定化剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤等の慣用の添加剤が挙げられる。なお、添加剤は1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。添加剤の含有量(配合量)は、目的とする性能等に応じて適宜選択することができる。
上記プライマーコート剤は、例えば、式(1)で表されるイソシアヌル酸誘導体と、さらに必要に応じて上述の重合体、硬化性化合物、溶剤、フッ素化合物等のその他の成分を混合し、均一に溶解させることにより得ることができる。混合に際しては、自転公転型ミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー、ディゾルバー等の公知乃至慣用の手段を使用できる。
本発明の基材フィルムにおけるプライマーコート層は、プライマーコート剤を用いた公知乃至慣用のコーティング層の形成方法により形成することができ、その形成方法は特に限定されないが、例えば、プラスチックフィルムの少なくとも一方の表面に上記プライマーコート剤を塗工(塗布)し、必要に応じて溶剤等の揮発分を加熱等により除去し、さらに必要に応じて活性エネルギー線照射等により硬化性化合物等の重合反応を行うことによって、プライマーコート層を形成することができる。なお、上記プライマーコート剤の塗工は、公知乃至慣用の手段を使用することができ、特に限定されないが、例えば、バーコーター、スピンコーター、グラビアコーター、リバースロールコーター、キスコーター、ロールナイフコーター、ダイコーター、ロッドコーター等の公知乃至慣用の塗工装置を使用することによって実施できる。なお、揮発分の除去、活性エネルギー線照射の条件等は、適宜設定可能であり特に限定されない。
本発明の基材フィルムは、例えば、上述の方法により、プラスチックフィルムの一方の表面又は両方の表面に上記プライマーコート層を形成することによって製造できる。なお、本発明の基材フィルムにおいてプライマーコート層は、プラスチックフィルムの表面の一部に形成されていてもよいし、全面に形成されていてもよい。
本発明の基材フィルムのプライマーコート層において式(1)で表されるイソシアヌル酸誘導体は、そのままの状態(未反応の状態)で含まれていてもよいし、互いに又はその他の成分(例えば、硬化性化合物やフッ素化合物等)と反応した状態で含まれていてもよい。特に、上記プライマーコート層において式(1)で表されるイソシアヌル酸誘導体は、上述のATR−IRスペクトルにおいて特定の吸収ピークが存在するような態様(即ち、C=Cの化学構造が残存するような態様)で含まれていることが重要である。
本発明の基材フィルムにおけるプライマーコート層の厚みは、特に限定されないが、例えば、1〜50μm(より好ましくは2〜20μm)の範囲から適宜選択することができる。プライマーコート層の厚みが1μm未満であると、回路基板における配線回路の導電性と、該配線回路の基材フィルムに対する密着性とを確保することが困難となる場合がある。一方、プライマーコート層の厚みが50μmを超えると、回路基板の生産性が低下したり、フレキシブルな回路基板を得ることが困難となる場合がある。
本発明の基材フィルムは、上述のプラスチックフィルムやプライマーコート層以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、さらにその他の層(例えば、プラスチックフィルムとプライマーコート層の間に設けられる中間層等)を有していてもよい。
本発明の基材フィルムの厚み(総厚み)は、特に限定されないが、0.01〜10000μmが好ましく、より好ましくは0.1〜1000μm、さらに好ましくは1〜500μmである。基材フィルムの厚みが0.01μm未満であると、機械強度が不足して破断しやすく、取り扱いが困難となる場合がある。一方、基材フィルムの厚みが10000μmを超えると、回路基板の生産性が低下したり、フレキシブルな回路基板を得ることが困難となる場合がある。
本発明の基材フィルムは、プリンタブルエレクトロニクス用(プリンテッドエレクトロニクス用)基材フィルムである。即ち、本発明の基材フィルムは、印刷法(例えば、インクジェット法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、マイクロコンタクト印刷法、ナノインプリント法等)を活用して電子デバイス(例えば、回路基板を有する電子デバイス;例えば、有機エレクトロルミネッセンスデバイス、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、電子ペーパー、太陽電池等)を製造するプリンタブルエレクトロニクスにおける基材フィルム(例えば、回路基板の基材等)として使用される。
<回路基板及びその製造方法>
本発明の基材フィルムを回路基板の基材として使用し該基材の表面(プライマーコート層表面)に配線回路を形成することによって、本発明の基材フィルムと、該基材フィルムのプライマーコート層上に形成された配線回路とを少なくとも有する回路基板(配線回路基板;「本発明の回路基板」と称する場合がある)が製造できる。本発明の回路基板は、本発明の基材フィルムのプライマーコート層上に配線回路を形成する公知乃至慣用の方法により製造することができ、特に限定されないが、例えば、下記の工程(A)及び工程(B)を必須の工程として含む回路基板の製造方法(「本発明の回路基板の製造方法」と称する場合がある)により製造することができる。
工程(A):印刷法により、本発明の基材フィルムのプライマーコート層上に導電性インクのパターンを形成(印刷)する工程
工程(B):工程(A)の後、上記導電性インクのパターンを焼成して配線回路(導電パターン)を形成する工程
[工程(A)]
本発明の回路基板の製造方法における工程(A)は、印刷法により、本発明の基材フィルムのプライマーコート層上に導電性インクのパターンを形成する工程である。上記導電性インクのパターンは、その後の工程(B)にて形成される配線回路(導電パターン)に対応した形状を有する。なお、上記導電性インクのパターンは、本発明の基材フィルムの両側の表面がプライマーコート層表面となっている場合には、一方の表面(片面)のみに形成されていてもよいし、両方の表面(両面)に形成されていてもよい。
(導電性インク)
上記導電性インクは、導電体を含むインクであり、本発明の回路基板の製造方法においては、公知乃至慣用の導電性インクを使用できる。上記導電体としては、特に限定されないが、例えば、銀、金、銅、ニッケル、ITO、カーボン、カーボンナノチューブ等の導電性を有する無機粒子;ポリアニリン、ポリチオフェン(例えば、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)等)、ポリアセチレン、ポリピロール等の導電性の有機高分子からなる粒子等が挙げられる。中でも、上記導電体としては、無機粒子が好ましく、導電性とコストのバランスの観点で、銀粒子、銅粒子が好ましい。なお、上記導電性インクにおける導電体は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
上記導電体の形状は、特に限定されないが、例えば、球状(真球状、略真球状、楕円球状等)、多面体状、棒状(円柱状、角柱状等)、平板状、りん片状、不定形状等が挙げられる。上記導電体の平均粒子径は、特に限定されないが、0.1〜1000nmが好ましく、より好ましくは1〜500nmである。なお、上記導電体の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によるメディアン径(d50)として測定することができる。
以下に、導電性インクの一例としての銀インクについてより具体的に説明するが、上記導電性インクはこれに限定されるものではない。
銀インクとしては、例えば、銀粒子、界面活性剤、バインダー、及び溶剤等を含む銀インクが挙げられる。また、銀インクの他の例としては、例えば、銀粒子の代わりに酸化銀を含む銀インクが挙げられ、このような銀インクを用いると、印刷した後、加熱により還元することによって銀配線を形成可能である。さらに、銀インクの他の例としては、例えば、有機銀化合物を含む銀インクが挙げられ、このような銀インクを用いると、印刷した後、加熱により分解することによって銀配線を形成可能である。有機銀化合物としては、溶剤に溶解するものも利用できる。銀インクにおいては、銀粒子、酸化銀、有機銀化合物等の導電体又はその前駆体の1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。また、異なる粒子径のものを組み合わせて使用することもできる。また、上記溶剤としては、特に限定されないが、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン等の脂肪族炭化水素(脂肪族炭化水素系溶剤);シクロヘキサン、シクロドデセン等の脂環式炭化水素(脂環式炭化水素系溶剤);トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素(芳香族炭化水素系溶剤);メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール(アルコール系溶剤);アセトニトリル等のニトリル(ニトリル系溶剤);テルピオネールC等のテルペン(テルペン系溶剤)等が使用できる。このような銀インクとしては、例えば、商品名「CA−2503」(大研化学工業(株)製);商品名「ナノ・ドータイトXA9053」(藤倉化成(株)製);商品名「NPS」、「NPS−J」(平均粒子径約5nm)(以上、ハリマ化成(株)製);商品名「ファインスフェアSVW102」(平均粒子径約30nm)(日本ペイント(株)製)等の市販品を使用することもできる。
また、上記導電性インクとしては、例えば、特開2012−246560号公報、特開2012−144796号公報、特開2012−144795号公報等に記載の導電性インク(銀インク)を使用することもできる。
本発明の基材フィルムに対して導電性インクを印刷する方法(印刷法)としては、公知乃至慣用の方法を適用することができ、特に限定されないが、例えば、インクジェット印刷法、スクリーン印刷法(シルクスクリーン印刷法)、凸版印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、マイクロコンタクト印刷法、ナノインプリント法等が挙げられる。中でも、版の使用が不要である点で、インクジェット印刷法が好ましい。導電性インクの印刷パターン、線幅、厚み等は、形成する配線回路のパターン、線幅、厚み等に応じて適宜設定することができ、特に限定されない。
工程(A)により、本発明の基材フィルムのプライマーコート層上に導電性インクのパターンが形成された構造体が得られる。
[工程(B)]
本発明の回路基板の製造方法における工程(B)は、工程(A)の後、上記構造体における導電性インクのパターンを焼成して配線回路(導電パターン)を形成する工程である。導電性インクを焼成する際の加熱温度(焼成温度)は、導電性インクの組成、導電体の粒子径等に応じて適宜選択でき、特に限定されないが、通常、100〜300℃程度の範囲内であることが多い。本発明の基材フィルムにおけるプラスチックフィルムが高い耐熱性を有しない場合(例えば、PETフィルム等の場合)には、劣化を抑制するために焼成温度を比較的低温とすることが好ましいが、一方で、配線回路の電気抵抗を小さくするためには、一般に高温で焼成することが好ましい。これらのバランスを考慮した上で、適当な硬化温度を有する導電性インクを選択して用いることが重要である。上記加熱処理(焼成)により、本発明の基材フィルム上(具体的には、プライマーコート層上)に配線回路が形成され、本発明の回路基板が得られる。
本発明の回路基板の製造方法は、上述の工程(A)及び工程(B)以外にも、その他の工程を含んでいてもよい。上記その他の工程としては、例えば、工程(A)の前に本発明の基材フィルムを製造する工程、工程(B)の後に回路基板に各種加工(例えば、下記の各種加工等)を施す工程等が挙げられる。なお、本発明の回路基板の製造方法における各工程は、一部又は全部の工程を連続的に実施することもできるし、一部又は全部の工程を非連続的に実施することもできる。
本発明の回路基板は、その他の加工が施された回路基板であってもよい。例えば、本発明の回路基板が両側の表面に配線回路を有する場合、両面の配線を接続するビアが形成されていてもよい。上記ビアにおけるビアホールは、ドリルやレーザー等の公知乃至慣用の方法により形成できる。また、上記ビアホール内の導電体としては、例えば、導電ペーストやメッキ等を使用することができ、特に限定されない。
本発明の回路基板における配線回路の表面は、さらに、メッキにより被覆されていてもよい。特に、銀配線は、銅配線と比較したときに、エレクトロマイグレーションやイオンマイグレーションを起こしやすいとの指摘がある(日経エレクトロニクス2002.6.17号75頁)。そのため、配線の信頼性を向上する目的で、銀インクで形成した配線回路の表面をメッキで被覆することが有効である。メッキとしては、銅メッキ、金メッキ、ニッケルメッキ等が挙げられる。メッキは公知の方法で形成することができる。
また、本発明の回路基板における配線回路の表面は、樹脂等の絶縁体により被覆されていてもよい。配線回路の表面を絶縁体によって被覆することにより、配線回路の保護、配線回路の絶縁、配線回路の酸化やマイグレーションの防止、屈曲性向上等の効果を得ることができる傾向がある。配線回路の表面を選択的に絶縁体(特に、樹脂)により被覆する方法としては、特に限定されないが、スポイトやディスペンサを用いた方法、スクリーン印刷、インクジェット印刷等の公知乃至慣用の方法を適用できる。
本発明の回路基板は、印刷法により製造することができるため、ロールトゥロールで連続的に製造することが可能であり、生産性が高い。また、本発明の回路基板は、上述のプライマーコート層を有する本発明の基材フィルムを基材としているため、該プライマーコート層上に配線回路を形成することにより、加熱時(焼成時)のプラスチックフィルム(PET、PEN等)からのオリゴマーや可塑剤のマイグレーションが抑制されるためか、配線回路の電気抵抗の増大が抑制され、優れた導電性を有する。さらに、配線回路の基材(プライマーコート層)に対する密着性も確保されている。さらに、本発明の回路基板における基材は本発明の基材フィルムであるため、該基材フィルムに対する導電性インクの着弾精度が高く、フッ素系撥液剤を使用する方法等の特殊な技術によることなく簡単な工程で、微細な細線で形成され集積化された配線回路を有する回路基板とすることもできる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
[プリンタブルエレクトロニクス用基材フィルムの製造]
商品名「ノプコキュアSHC−017R」(サンノプコ(株)製、固形分濃度:60%)100重量部と、メチルジアリルイソシアヌル酸(MeDAIC)10重量部と、メチルエチルケトン(MEK)110重量部とを秤量し、遮光瓶に入れ、混合してプライマーコート剤(溶液)を得た。
上記プライマーコート剤を、ワイヤーバー#30を用いて、PENフィルム(帝人デュポン(株)製、商品名「テオネックス Q65FWA」、厚み125μm)上に流延させた後、70℃の乾燥機にて溶剤を揮発させ、乾燥させた。次いで、空気中にて、高圧水銀灯からの紫外線を約9秒間照射し、厚み10μmの硬化物(プライマーコート層)を形成させた。このようにして、「PENフィルム/プライマーコート層」の積層構成を有する基材フィルム(プリンタブルエレクトロニクス用基材フィルム)を得た。
[銀ナノ粒子の合成]
酢酸銀5.0g(0.03mol)をトルエン75mlに加え、次いでオレイルアミン48.1g(0.18mol)を添加し50℃で攪拌して、さらにオクタン酸4.3g(0.03mol)を添加し50℃で攪拌して、無色均一な混合液を調製した。この混合液にアセトヒドラジド2.4g(0.03mol)を粉末で添加し50℃で反応させたところ、反応液は徐々に茶色へと変色すると共に30分ほどでアセトヒドラジドの粉末が消失した。引き続き50℃で攪拌を継続し、アセトヒドラジドの添加から2時間後に攪拌を停止して、反応液中に銀ナノ粒子が分散した反応混合物を得た。
反応混合物を室温(25℃)に戻し、反応混合物を大過剰のメタノールに攪拌しながら添加した後、静置すると、銀ナノ粒子が沈殿した。この上澄み液を除去した後、再度大過剰のメタノールを加え、デカンテーションを行った。この銀ナノ粒子の洗浄操作を、さらに2回繰り返して、反応液が除去され且つメタノールで湿った精製銀ナノ粒子を得た。その後、得られた湿った精製銀ナノ粒子を25℃で真空下で8時間放置してメタノールなどの揮発成分を取り除き、乾燥銀ナノ粒子粉末を得た。得られた銀ナノ粒子の銀換算収率は97%であった。
得られた乾燥銀ナノ粒子粉末を透過型電子顕微鏡で観察したところ平均粒子径は6.6nmであった。
[インクの調製]
得られた乾燥銀ナノ粒子粉末をシクロドデセン/テトラデカン混合液中に分散し、銀濃度57wt%の分散液を調製した。その後、0.2μmの精密ろ過フィルター(アドバンテック社製、DISMIC−13HP)で濾過処理を行い、インクジェット用導電性インク(銀ナノインク)とした。
[回路基板(配線回路基板)の製造]
基材フィルムのプライマーコート層表面に、上記のインクを用いて、インクジェット装置(吐出量4pl)で、基材フィルム上に微小配線を描画した。銀ナノ粒子の凝集によるノズル詰まりもなく、塗布膜厚1μmでの配線パターンの印刷を実施できた。微小配線を描画した基材フィルムを180℃で1時間焼成して配線回路を形成し、回路基板を得た。
実施例2
PENフィルムの代わりに、PETフィルム(東洋紡績(株)製、商品名「コスモシャイン A4300」、厚み188μm)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、「PETフィルム/プライマーコート層」の積層構成を有する基材フィルム(プリンタブルエレクトロニクス用基材フィルム)を得た。
また、上記で得られた基材フィルムを回路基板の基材として使用したこと以外は実施例1と同様にして回路基板を得た。
実施例3
PENフィルムの代わりに、表面にコロナ放電処理(コロナ処理)を施した環状ポリオレフィンフィルム(商品名「TOPAS 6013」)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、「コロナ処理TOPAS/プライマーコート層」の積層構成を有する基材フィルム(プリンタブルエレクトロニクス用基材フィルム)を得た。なお、上記環状ポリオレフィンフィルムの濡れ指数は、コロナ処理前で34mN/mであり、コロナ処理後で46mN/mであった。
また、上記で得られた基材フィルムを回路基板の基材として使用したこと以外は実施例1と同様にして回路基板を得た。
実施例4
商品名「ノプコキュアSHC−017R」(サンノプコ(株)製)100重量部と、メチルジアリルイソシアヌル酸10重量部と、メチルエチルケトン110重量部とを秤量し、遮光瓶に入れ、混合させた。得られた溶液に対して、商品名「オプツールDAC」(ダイキン工業(株)製、フッ素系化合物、固形分濃度:20%)を、プライマーコート剤の全量における商品そのものの含有量として、0.01重量%となるように配合して混合し、プライマーコート剤(溶液)を得た。
上記プライマーコート剤を、ワイヤーバー#30を用いて、PENフィルム(帝人デュポン(株)製、商品名「テオネックス Q65FWA」、厚み125μm)上に流延させた後、70℃の乾燥機にて溶剤を揮発させ、乾燥させた。次いで、空気中にて、高圧水銀灯からの紫外線を照射し、厚み10μmの硬化物(プライマーコート層)を形成させた。このようにして、「PENフィルム/プライマーコート層」の積層構成を有する基材フィルム(プリンタブルエレクトロニクス用基材フィルム)を得た。
また、上記で得られた基材フィルムを回路基板の基材として使用したこと以外は実施例1と同様にして回路基板を得た。
実施例5〜7
オプツールDACの含有量を表1に示すように変更したこと以外は実施例4と同様にして、「PENフィルム/プライマーコート層」の積層構成を有する基材フィルム(プリンタブルエレクトロニクス用基材フィルム)を得た。
また、上記で得られた基材フィルムを回路基板の基材として使用したこと以外は実施例4と同様にして回路基板を得た。
実施例8、9
メチルジアリルイソシアヌル酸及びオプツールDACの含有量を表1に示すように変更したこと以外は実施例4と同様にして、「PENフィルム/プライマーコート層」の積層構成を有する基材フィルム(プリンタブルエレクトロニクス用基材フィルム)を得た。
また、上記で得られた基材フィルムを回路基板の基材として使用したこと以外は実施例4と同様にして回路基板を得た。
比較例1
商品名「ノプコキュアSHC−017R」(サンノプコ(株)製)100重量部と、メチルエチルケトン100重量部とを秤量し、遮光瓶に入れ、混合してプライマーコート剤(溶液)を得た。
上記で得たプライマーコート剤を、ワイヤーバー#30を用いて、PETフィルム(厚さ188μm、東洋紡績(株)製、商品名「コスモシャインA4300」)上に流延させた後、70℃の乾燥機にて溶剤を揮発させ、乾燥させた。次いで、空気中にて、高圧水銀灯からの紫外線を約9秒間照射し、厚み10μmの硬化物(硬化物層)を形成させた。このようにして、「PETフィルム/硬化物層」の積層構成を有する基材フィルムを得た。
さらに、上記で得た基材フィルムを回路基板の基材として使用したこと以外は実施例1と同様にして、回路基板を得た。
比較例2
実施例1の基材フィルムの代わりに、PETフィルム(東洋紡績(株)製、商品名「コスモシャインA4300」)(基材フィルム)を回路基板の基材として使用したこと以外は、実施例1と同様にして、回路基板を得た。
比較例3
PETフィルムの代わりにPENフィルム(帝人デュポン(株)製、商品名「テオネックス Q65FWA」)を使用したこと以外は、比較例1と同様にして基材フィルム(「PENフィルム/硬化物層」)を得た。
さらに、上記で得た基材フィルムを回路基板の基材として使用したこと以外は比較例1と同様にして、回路基板を得た。
比較例4
実施例1の基材フィルムの代わりに、PENフィルム(帝人デュポン(株)製、商品名「テオネックスQ65FWA」)(基材フィルム)を回路基板の基材として使用したこと以外は、実施例1と同様にして、回路基板を得た。
比較例5
商品名「Novec ECG−1720」(住友スリーエム(株)製、フッ素系撥液剤)25重量部と、商品名「Novec 7200」(住友スリーエム(株)製、ハイドロフルオロエーテル)75重量部とを秤量し、遮光瓶に入れ、混合させて、溶液を得た。
上記で得た溶液を、ワイヤーバー#3を用いて、PENフィルム(帝人デュポン(株)製、商品名「テオネックス Q65FWA」)上に流延させた後、80℃の乾燥機にて5分間、溶剤を揮発させ、乾燥させることによって、上記PENフィルムの撥液処理を行い、基材フィルムを得た。
上記で得られた撥液処理後の基材フィルムを回路基板の基材として使用したこと以外は実施例1と同様にして回路基板を得た。なお、回路基板における配線回路は、上記基材フィルムの撥液処理面に形成した。
実施例10、11
オプツールDACの含有量を表1に示すように変更したこと以外は実施例4と同様にして、「PENフィルム/プライマーコート層」の積層構成を有する基材フィルム(プリンタブルエレクトロニクス用基材フィルム)を得た。
また、上記で得られた基材フィルムを回路基板の基材として使用したこと以外は実施例4と同様にして回路基板を得た。
(ATR−IRスペクトルの測定)
実施例1で得られた基材フィルムのプライマーコート層表面のATR−IRスペクトル、比較例1で得られた基材フィルムの硬化物層表面のATR−IRスペクトル、比較例2で使用したPETフィルム(商品名「コスモシャインA4300」)表面のATR−IRスペクトルを測定した。得られたチャートを図2〜4に示す。
なお、ATR−IRスペクトル測定の測定装置としては、商品名「赤外分光光度計 FT−720」((株)堀場製作所製)を使用し、測定分解能:4cm-1、スキャン回数:16回、測定ゲイン:2の条件で測定した。
図2に示すように、実施例1で得られた基材フィルムのプライマーコート層表面のATR−IRスペクトルにおいては、約1685cm-1と約763cm-1に吸収ピークが確認された。
また、実施例2〜11で得られた基材フィルムのプライマーコート層表面のATR−IRスペクトルにおいても、実施例1で得られた基材フィルムの場合と同様に、約1685cm-1と約763cm-1に吸収ピークが確認された。一方、比較例1〜5で使用した基材フィルムの表面のATR−IRスペクトルにおいては、761cm-1付近と1675cm-1付近に吸収ピークは存在しなかった。
(ESCA(XPS)分析)
実施例1〜11で得られた基材フィルムのプライマーコート層表面のESCAを下記の測定装置で測定した。その結果、いずれの基材フィルムにおいても、プライマーコート層の表面元素中に窒素原子が確認された。
・測定装置:商品名「Physical Ecectronics PHI 5800 ESCA System」(アルバック・ファイ(株)製)
(n−ヘキサデカンの接触角測定)
実施例及び比較例で回路基板の基材として使用した基材フィルムについて、配線回路を形成した側の表面に対するn−ヘキサデカンの接触角を以下の測定条件で測定した。測定結果を表1に示す。
・測定条件:23℃、50%RH、滴下量2.5μl、着滴後に測定
(配線回路の密着性評価)
実施例及び比較例で得られた回路基板における配線回路の基材に対する密着性を、JIS K5600−5−6に準拠して評価した。具体的には、以下の手順で評価した。
まず、回路基板における配線回路に対して、1mm角の切れ目を碁盤目状に入れ、25個の1mm角の配線回路を形成した。次いで、接着テープ(ニチバン(株)製、セロテープ(登録商標))を貼り付け、その後、接着テープを引き剥がし、1mm角の配線回路25個中、基材上に残った配線回路の個数を計測した。
その結果、基材上に残った1mm角の配線回路の数が21〜25個であった場合を○(密着性が極めて良好)とし、基材上に残った1mm角の配線回路の数が11〜20個であった場合を△(密着性良好)、基材上に残った1mm角の配線回路の数が0〜10個であった場合を×(密着性不良)と評価した。評価結果を表1に示す。
(配線回路の導電性評価)
実施例及び比較例で得られた回路基板における配線回路の導電性(導通性)を、得られた銀焼成膜(配線回路)について、4端子法(ロレスタGP MCP−T610)により測定した。測定結果を表1に示す。
なお、電気抵抗率が50μΩ・cm以下である場合を導電性が良好と判断できる。
(インクジェット印刷描画可能線幅の評価)
実施例及び比較例で得られた基材フィルムを使用して、以下の手順でインクジェット印刷描画可能線幅の評価を行った。
銀ナノインクで、14ピコリットル/ドットのインクジェットヘッドでラインを連続で描画し、配線回路を形成した。その線幅をCCDカメラで描画可能線幅として測定することで、インクジェット印刷描画可能線幅の評価を行った。評価結果を表1に示す。
Figure 2018011083
表1に示すように、本発明の規定を満たす基材フィルム(実施例)を用いると、印刷法によって、基材に対する密着性及び導電性に優れた配線回路(導電パターン)を有する回路基板を製造できた。また、本発明の規定を満たす基材フィルム(実施例)はいずれも、インクジェット印刷による描画可能線幅が小さく、フッ素系撥液剤を使用する方法等の特殊な技術によることなく、微細な細線で形成された配線回路を簡単な方法(工程)で形成可能なものであった。特に、n−ヘキサデカンの接触角が適度に大きい場合(実施例4〜9)には、インクジェット印刷描画可能線幅が顕著に小さいにもかかわらず、なおかつ上述の密着性と導電性が確保されていた。
一方、プライマーコート層を有しない基材フィルム(比較例2、4)、メチルジアリルイソシアヌル酸を含有しないプライマーコート剤より形成された硬化物層を有する基材フィルム(比較例1、3)を使用した場合には、上述の密着性と導電性とを両立させることができなかった。さらに、これら基材フィルムはインクジェット印刷による描画可能線幅が比較的大きく、微細な配線回路形成の点においても、実施例で得られた基材フィルムよりも劣るものであった。また、比較例5のように、フッ素系撥液剤による撥液処理のみでは、焼成時にプラスチックフィルムから出てくるオリゴマー成分によるものと推測されるが、導電性が不良であった。なお、このような導電性の低下は、フッ素系撥液剤による撥液処理の前にプラスチックフィルム上にハードコート層を形成することで抑制することができると考えられるが、工程が煩雑となる。さらに、フッ素系撥液剤を使用した場合には、液状のフッ素系撥液剤が配線回路形成後の回路基板上に残存することにより、回路を保護するための封止材との密着性が悪化する等、後の工程で不具合が生じやすい。
1 : プリンタブルエレクトロニクス用基材フィルム
2 : プラスチックフィルム
3 : プライマーコート層

Claims (5)

  1. プラスチックフィルムの少なくとも一方の表面にプライマーコート層を有するフィルムであって、前記プライマーコート層表面のATR−IRスペクトルにおいて、761cm-1付近と1675cm-1付近とにそれぞれ吸収ピークを有し、前記プライマーコート層表面に対するn−ヘキサデカンの接触角が32〜65°であることを特徴とするプリンタブルエレクトロニクス用基材フィルム。
  2. 前記プライマーコート層表面のESCAにより分析される表面元素中に窒素元素が存在する請求項1に記載のプリンタブルエレクトロニクス用基材フィルム。
  3. 前記プライマーコート層表面に対するn−ヘキサデカンの接触角が40〜60°である請求項1又は2に記載のプリンタブルエレクトロニクス用基材フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のプリンタブルエレクトロニクス用基材フィルムと、該基材フィルムの前記プライマーコート層上に形成された配線回路とを有する回路基板の製造方法であって、下記の工程(A)及び工程(B)を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
    工程(A):印刷法により、前記基材フィルムの前記プライマーコート層上に導電性インクのパターンを形成する工程
    工程(B):前記導電性インクのパターンを焼成して配線回路を形成する工程
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のプリンタブルエレクトロニクス用基材フィルムと、該基材フィルムの前記プライマーコート層上に形成された配線回路とを有する回路基板。
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