JP2020180229A - 粘着剤組成物及びそれを用いた液晶表示パネル - Google Patents

粘着剤組成物及びそれを用いた液晶表示パネル Download PDF

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充紀 萩原
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Abstract

【課題】偏光板の変色を抑制することができる粘着剤組成物、及び、前記粘着剤組成物を用いて、画像表示面の変色が抑制された液晶表示パネルを提供する。【解決手段】粘着剤組成物は、酸価が1以下の粘着性化合物及びカルボジイミド化合物を含む。液晶表示パネルは、平行に設置された二枚の透明基板の間に、液晶層が設けられる構造を含む液晶セルである。前記液晶セルの、片側又は両側の前記透明基板の表面に、前記粘着剤組成物を含む粘着剤層が設けられる。前記粘着剤層の表面に偏光板が接着される。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤組成物及びそれを用いた液晶表示パネルに関する。
液晶表示パネルは、パソコンのディスプレイ、カーナビゲーションシステム等の画像の表示に広く使用されている。液晶表示パネルは、一般的に、ガラス基板等の透明基板で液晶を上下から挟み、更にその両面に、粘着剤を介して偏光板が接着される構造を有する。この二枚の偏光板のいずれか一方が画像表示面となる。
液晶表示パネルは、長期間使用することにより、画像表示面が赤色に変色するという問題がある。この問題は、偏光板に使用されるポリビニルアルコール(PVA)の変色が原因である。
液晶表示パネルに使用される偏光板は、PVAのフィルムに、保護層としてトリアセチルセルロース(TAC)を貼合したものが一般的である(特許文献1)。
PVAは、熱、紫外線等に長期間さらされると、脱水反応によるポリエン化が進行し、赤色に変色する。これが偏光板の変色として現れる。
最近の薄型化された液晶表示パネルは、熱の影響を受けやすい。特に、カーナビゲーションシステムのように車載される機器は、高温及び紫外線に長時間さらされる環境下にあるので、上記したような画像表示面の変色が起こる可能性が高い。
液晶表示パネルにおける偏光板の変色の対策は種々の提案がある。特許文献2には、第一粘着剤層、厚みが23μm以下のポリビニルアルコール系偏光子を含んでなる偏光板、及び第二粘着剤層を備え、光学積層体中に含まれる全ての粘着剤層の総厚み(T1)に対する偏光子の厚み(T2)の比率(T2/T1)が0.6以下である光学積層体が開示されている。
特開2019−015926号公報 特開2018−025764号公報
特許文献2に記載の光学積層体は、画像表示装置が高温にさらされることにより、偏光板の原材料であるPVAのポリエン化が進行することに着目した発明である(特許文献2[0004])。特許文献2に記載の光学積層体は、偏光子の厚みと粘着剤層の総厚みとの比率を一定の範囲内に調整することによって、偏光板の変色を抑制する効果を得る(特許文献2[0007]、[0014])。
一方、本発明者は、偏光板の中央付近で顕著に変色が生じることに着目した。これは、偏光板の保護層に使用されるトリアセチルセルロース(TAC)から生じる酢酸が原因である。
TACが紫外線、熱、湿気等に長期間さらされると、分子中の酢酸エステル部分が分解して、酢酸が発生する。酢酸は、偏光子を構成するポリビニルアルコール(PVA)の脱水反応の触媒として作用して、PVAを変色させる。
酢酸は揮発性が高いが、偏光板を接着している粘着剤が存在するために、揮発が妨げられる。特に偏光板とカバーパネルを接着する構成の場合、上部側の偏光板は粘着剤層で挟まれるため、揮発がより困難になる。
粘着剤層の端面では酢酸が揮発しやすいので、液晶表示パネルの端部付近は、偏光板の変色の程度が低い。しかしながら、酢酸が揮発しにくい液晶表示パネル中央付近では、内部に酢酸が留まり蓄積される。そのために偏光板の中央付近では、PVAのポリエン化が進行しやすく、変色が顕著に現れる。
このような観点から、本発明者は偏光板の変色を防止するために鋭意検討を行った。その結果、偏光板を接着する粘着剤として、酸性を示さない粘着性化合物にカルボジイミド化合物を配合した粘着剤組成物を使用することにより、偏光板の変色を抑制できることを見出し、本発明に到達した。
従って本発明の第一の目的は、偏光板の変色を抑制することができる粘着剤組成物を提供することにある。
また、本発明の第二の目的は、上記粘着剤組成物を用いて、画像表示面の変色が抑制された液晶表示パネルを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の第一の観点に係る粘着剤組成物は、酸価が1以下の粘着性化合物及びカルボジイミド化合物を含む。
前記粘着性化合物は、ヒドロキシ基、チオール基、シラノール基、(メタ)アクリロイル基、ビニル基及びグリシジル基から選択される少なくとも1種の官能基を有する高分子化合物であることが好ましい。前記粘着性化合物は、ヒドロキシ基、(メタ)アクリロイル基及びビニル基から選択される少なくとも1種の官能基を有する高分子化合物であることが更に好ましい。
尚、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基」の略記である。
前記粘着性化合物の酸価は0であることが好ましい。
前記粘着剤組成物は、液状で紫外線硬化性又は熱硬化性であることが好ましい。
前記カルボジイミド化合物は、非黄変性カルボジイミド化合物であることが好ましい。
前記カルボジイミド化合物は、下記一般式(1)で表されるポリカルボジイミド化合物であることが好ましい。
Figure 2020180229
一般式(1)中のR、Rは同一でも異なっていてもよい、イソシアネート基と反応し得る官能基を1つ有する化合物の、前記イソシアネート基と反応し得る官能基を除いた残基を表す。前記化合物は、モノイソシアネート、モノアルコール、1級モノアミン、2級モノアミン及びモノカルボン酸から選択される少なくとも1種である。
、Xは同一でも異なっていてもよい、前記イソシアネート基と反応し得る官能基と、イソシアネート基との反応により生成される基を表す。
は不飽和結合を含まない、炭素数が4から20の脂肪族炭化水素基を表す。
nは2〜50の整数を表す。
本発明の第二の観点に係る液晶表示パネルは、平行に設置された二枚の透明基板の間に、液晶層が設けられる構造を含む液晶セルを有する。前記液晶セルの片側又は両側の前記透明基板の表面に、前記粘着剤組成物を含む粘着剤層が設けられる。前記粘着剤層の表面に偏光板が接着される。
また、前記液晶表示パネルは、一つの偏光板の上部に、更に、本発明の粘着剤組成物を含む粘着剤層が設けられ、前記粘着剤層の表面にカバーパネルが接着される構成とすることもできる。
本発明の粘着剤組成物により、偏光板の変色を抑制することができる。また、本発明の粘着剤組成物により、画像表示面の変色が抑制された液晶表示パネルを提供することができる。
本発明の液晶表示パネルの概略図 本発明の液晶表示パネルの概略図
本発明に使用する粘着性化合物は、一般的には、ゲル状で粘着性を有する高分子化合物である。また、液状の紫外線硬化性化合物又は熱硬化性化合物で、硬化後に粘着性を示す化合物も、粘着性化合物として使用できる。
本発明の粘着剤組成物中に含まれるカルボジイミド化合物は、偏光板の保護層に使用されているトリアセチルセルロース(TAC)から発生する酢酸を捕捉するために配合される。従って、粘着剤組成物中に含まれる酸性物質によってカルボジイミド化合物が消費されないことが好ましい。
このような観点から、本発明の粘着剤組成物に使用する粘着性化合物は、酸性物質が含まれていないことが最も好ましいが、不純物として含まれていても、本発明の効果を損なわない範囲内であれば問題ない。
従って、粘着性化合物の酸価は0であることが最も好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲内として、酸価を1以下とする。
「酸価」とは、酸性化合物1gを中和するのに必要な水酸化カリウム(KOH)の量(単位:mg)である。
また、本明細書における酸性物質とは、単に酸性を示す物質だけでなく、エステル化合物のように、加水分解反応等によって酸性物質が生じる可能性がある物質も含むものとする。
加水分解反応等によって酸性物質が生じる可能性がある物質としては、ポリエステル、ポリカーボネート等が挙げられる。
本発明に使用することができる粘着性化合物としては、例えば、ゴム系、シリコーン系、ウレタン系、アクリル系等の粘着性化合物が挙げられる。
ゴム系粘着性化合物としては、例えば、1種の共役ジエン化合物を重合することによって得られる共役ジエン系重合体、2種以上の共役ジエン化合物を重合することによって得られる共役ジエン系共重合体、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合することによって得られる共役ジエン系共重合体等を主成分とする化合物が挙げられる。
具体例としては、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ブタジエン−イソプレン−スチレンランダム共重合体、イソプレン−スチレンランダム共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SIS)、ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエンブロック共重合体(SEBS)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。これらを1種のみを使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
これらの中でも、イソプレン−スチレン共重合体を使用することが好ましい。また、これらの水素添加物も使用することがでる。
ウレタン系粘着性化合物としては、ポリオールとポリイソシアネート化合物を反応させて得られるウレタン樹脂からなるものが挙げられる。ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオールなどが挙げられる。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
シリコーン系粘着剤としては、UV硬化型シリコーン粘着剤、付加反応硬化型シリコーン系粘着剤、過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤が挙げられる。過酸化物硬化型シリコーンの場合は、過酸化物の分解物が発生するのに対し、UV硬化型シリコーン粘着剤及び付加反応硬化型シリコーンの場合は、過酸化物由来の副生成物が生じない。従って、UV硬化型シリコーン粘着剤又は付加反応硬化型シリコーン系の粘着剤が好ましい。
前記UV硬化型シリコーンの硬化反応としては、一般的に、光重合開始材と、不飽和二重結合を有するシロキサン系高分子とを、UV照射によりラジカル反応させる方法がある。
前記付加反応硬化型シリコーンの硬化反応としては、一般的に、ポリアルキルハイドロジェンシロキサンと、不飽和二重結合を有する炭化水素化合物とを、白金触媒により付加反応させる方法がある。
アクリル系粘着剤としては、熱硬化型アクリル系粘着剤、UV硬化型アクリル系粘着剤が挙げられる。熱硬化型アクリル系粘着剤としては、アクリル酸ブチル(BA)、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(2HEA)、アクリル酸4−ヒドロキシブチル(4HBA)などを重合して得られる、アクリル系高分子を主成分とする化合物があげられる。
UV硬化型アクリル系粘着剤としては、ウレタン(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどを主成分とする化合物があげられる。
尚、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート及び/又はメタクリレート」の略記である。
一般的に熱硬化型アクリル系粘着剤は、溶液重合法により作られるため、有機溶剤を含有していることがある。有機溶剤を含有していると、粘着剤層の形成時に乾燥工程が必要となり、粘着剤層を厚くすることが困難になる。このため粘着剤層を厚くする用途の場合には、UV硬化型アクリル系粘着剤が好ましい。
本発明で使用する粘着性化合物は、ヒドロキシ基、チオール基、シラノール基、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、グリシジル基から選択される少なくとも1種の官能基を有する高分子化合物であることが好ましく、特に、低酸価・貯蔵安定性・コストなどの観点から、ヒドロキシ基、(メタ)アクリロイル基及びビニル基から選択される少なくとも1種の官能基を有する高分子化合物であることが好ましい。
本発明の粘着剤組成物に含まれるカルボジイミド化合物とは、カルボジイミド基(−N=C=N−)を有する化合物であり、酢酸とは下記式(2)表されるような反応を起こす。
Figure 2020180229
この反応後、酢酸の触媒作用が抑制される。そのため、偏光子を構成するポリビニルアルコール(PVA)のポリエン化及びそれに伴う変色が抑制される。これによって、偏光板の変色が抑制される。
更に、上記の反応は、酢酸と水酸化物との中和反応とは異なり、水などの副生成物が生じない。そのため、画像表示パネルの内部に異物が混在することを防ぐことができる。
またカルボジイミド基は極性を有するため、金属等の無機物との密着性が良好となる。例えば、液晶ディスプレイの支持台が金属製である場合、粘着剤組成物と支持台との密着性を良好にするために好適である。
カルボジイミド化合物は、脂肪族カルボジイミド化合物、芳香族カルボジイミド化合物があり、公知のものを使用することができる。
脂肪族カルボジイミド化合物としては、例えば、ジイソプロピルカルボジイミド、ジオクチルデシルカルボジイミド等の、直鎖型又は分岐型脂肪族カルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド等の脂環式カルボジイミド化合物が挙げられる。
更に、テトラメチレン−ビス(t−ブチルカルボジイミド)、シクロヘキサン−1,4−ビス(メチレン−t−ブチルカルボジイミド)などの分子中に2以上のカルボジイミド基を有する化合物、1−ビニル−3−エチル−カルボジイミド、1−ビニル−3−プロピル−カルボジイミド、1−ビニル−3−メトキシプロピル−カルボジイミド、1−ビニル−3−イソブチル−カルボジイミド、1−プロペニル−3−エチル−カルボジイミド、1−プロペニル−3−プロピル−カルボジイミド、1−プロペニル−3−メトキシプロピル−カルボジイミド、1−プロペニル−3−イソブチル−カルボジイミド等の、不飽和炭化水素基とカルボジイミド基とを有する化合物を使用してもよい。
芳香族カルボジイミド化合物としては、モノカルボジイミド化合物、ジカルボジイミド化合物及びポリカルボジイミド化合物が挙げられる。
モノカルボジイミド化合物及びジカルボジイミド化合物としては、例えば、ジフェニルカルボジイミド、ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N−トリル−N’−フェニルカルボジイミド、ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、ジ−p−クロルフェニルカルボジイミド、ジ−p−メトキシフェニルカルボジイミド、ジ−3,4−ジクロルフェニルカルボジイミド、ジ−2,5−ジクロルフェニルカルボジイミド、ジ−o−クロルフェニルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジ−o−トリルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジシクロヘキシルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジ−p−クロルフェニルカルボジイミド、エチレン−ビス−ジフェニルカルボジイミド等が挙げられる。
ポリカルボジイミド化合物としては、例えば、ポリ(4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(3,5’−ジメチル−4,4’−ビフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(3,5’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(ナフチレンカルボジイミド)、ポリ(1,3−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(1−メチル−3,5−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(1,3,5−トリエチルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、p−フェニレン−ビス(2,6−キシリルカルボジイミド)等が挙げられる。
これらのカルボジイミド化合物は、1種のみを使用しても、2種以上を併用してもよい。また、カルボジイミド化合物は、イソシアネート化合物の脱炭酸反応による二量化によって得ることもできる。
カルボジイミド化合物の中には、黄変する種類と、ブリードアウトする種類とがある。本発明の粘着剤組成物において、カルボジイミド化合物自体が黄変したり、粘着剤組成物からブリードアウトしたりすることは、液晶パネルの表示機能を低下させる原因ともなり、好ましくない。従って、カルボジイミド化合物は非黄変性であることが好ましく、粘着剤化合物との相溶性が高いことが好ましい。
更に、下記一般式(1)で表されるポリカルボジイミド化合物であることが好ましい。
Figure 2020180229
一般式(1)中のR、Rは同一でも異なっていてもよい、イソシアネート基と反応し得る官能基を1つ有する化合物の、前記イソシアネート基と反応し得る官能基を除いた残基を表す。
前記化合物は、モノイソシアネート、モノアルコール、1級モノアミン、2級モノアミン及びモノカルボン酸から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
更に、ポリカルボジイミド化合物中のカルボジイミド基の含有率を高める観点から、モノイソシアネートを用いることがより好ましい。
、Xは同一でも異なっていてもよい、前記イソシアネート基と反応し得る官能基と、イソシアネート基との反応により生成される基を表す。
カルボジイミド化合物の非黄変性の観点から、一般式(1)中のRは、不飽和結合を含まない脂肪族系の炭化水素基であることが好ましい。更に、相溶性を良好にする観点から、Rの炭素数は、4から20であることが好ましい。
また、ブリードアウト対策の観点から、一般式(1)中のnは2〜50であることが好ましい。また、粘着性化合物との相溶性の観点から、Rは直鎖型の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
一般式(1)で表されるポリカルボジイミド化合物の製造方法としては、例えば、脂肪族イソシアネート化合物を脱炭酸反応により重合させて得られたポリカルボジイミド化合物に、前述したモノイソシアネート、モノアルコール、1級モノアミン、2級モノアミン又はモノカルボン酸を反応させて、末端のイソシアネート基を封鎖する方法がある。脂肪族イソシアネート化合物としては、例えば、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)、IPDI(イソホロンジイソシアネート)、NBDI(ノルボルナンジイソシアネート)、OCDI(ジオクチルシクロブタンジイソシアネート)、HMDI(ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート)、DDI(ジイソシアネートデカン)等が挙げられる。
カルボジイミド化合物の使用量は、粘着性化合物100質量部に対して0.01質量部から20質量部であることが好ましく、0.05質量部から15質量部であることより好ましく、0.1質量部から10質量部であることが最も好ましい。カルボジイミド化合物の使用量が0.01質量部より少ないと、効果が発現せず、20質量部より多いと、粘着性化合物との相溶性が低下し、粘着性化合物が白濁する。
本発明の粘着剤組成物には、必要に応じて、可塑剤、界面活性剤、シランカップリング剤等を添加してもよい。
カルボジイミド化合物を粘着性化合物に混合する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を使用することができる。
また、粘着性化合物が、紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂である場合、カルボジイミド化合物を、硬化前に混合しても、硬化後に混合又は含浸してもよい。
本発明の粘着剤組成物は、透明性が高く、種々の光学部品の接着に使用することができる。本発明の粘着剤組成物は、OCA(optical clear adhesive:光学用透明粘着シート)として使用することが、保存及び取り扱いの容易性の観点から好適である。OCAは、カット品又はロール品とすることができる。
OCAは、粘着剤組成物をシート状にして、その両面を剥離フィルムによって覆うことによって得られる、基材を使用しない粘着剤シートである。剥離フィルムとしては、例えば、片面又は両面に剥離剤が塗布されたポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂のフィルムを使用することができる。
粘着剤組成物を用いてOCAを製造する方法は特に限定されない。例えばスピンコート法、ナイフコート法、ロールコート法、バーコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法の公知の方法を使用することができる。例えば、これらの方法により、粘着剤組成物が所定の厚さになるように剥離フィルムの剥離処理面に塗布し、硬化させ、塗布面にもう一枚の剥離フィルムを被せることにより、OCAが得られる。
本発明の第二の目的に係る液晶表示パネルの一例を、図を参照して説明する。
本発明の液晶表示パネル1に使用される液晶セル2は、平行に設置された二枚の透明基板21aと21bとの間に、液晶層22が設けられるという公知の構造でよく、特に限定されることはない。
透明基板21a、21bとしては、ガラス、透明プラスチック等の公知のものを使用することができる。液晶層22の液晶も、公知のものを使用することができる。
二枚の透明基板21a、22bの液晶層側の面には、通常、透明電極23a、23bが設置される。透明電極の設置方法及び材質は特に限定されない。透明電極はエッチング、スパッタリング、蒸着等の公知の方法で設置される。透明電極としては、酸化スズ、酸化インジウム、インジウムスズ酸化物(ITO)等を使用することが一般的である。
粘着剤層3a、3bは、液晶セル2の片側又は両側の透明基板の表面に設けられる。更に、粘着剤層3a、3bの表面に、偏光板4a、4bが接着される。
粘着剤層及び偏光板は、用途に応じて、液晶セルの片側のみに設ける場合と、両側に設ける場合とがある。
粘着剤層の表面に接着される偏光板としては、公知のものを使用することができる。例えば、ポリビニルアルコール(PVA)フィルムを一軸延伸し、ヨウ素系の色素を吸収させて得られたフィルムの片面又は両面に、保護層を設けた構成の偏光板を使用することができる。
保護層としては、透明性、機械強度及び熱安定性が高い樹脂を使用することが好ましい。具体的には、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂等を使用することができる。
一般的には、セルロース系樹脂が使用されており、例えば、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等の酢酸セルロース、セルローストリプロピオネート、セルロースジプロピオネート等のプロピオン酸セルロースが挙げられる。特にトリアセチルセルロースが好ましい。
図1に示されるように、液晶セルの両面に粘着剤層を設ける場合、本発明の粘着剤組成物を使用する粘着剤層は、片側だけに使用してもよいが、両側に使用することが好ましい。画像表示面側に位置する偏光板は、紫外線、湿気の影響が大きく、変色しやすい。従って、少なくとも液晶セルの画像表示面側に位置する粘着剤層には、本発明の粘着剤組成物を使用する。
本発明の液晶表示パネルには、画像表示面側の偏光板に、更に粘着剤層3cを設けて、カバーパネル5を有する構造とすることもできる(図2参照)。
カバーパネル5を設ける場合、本発明の粘着剤組成物は、粘着剤層3a〜3cのすべてに使用することが好ましい。特に、偏光板4bは変色が起こりやすいため、偏光板4bに隣接する、粘着剤層3b及び3cに使用すると効果的である。
図1及び図2の液晶表示パネルにおいて、粘着剤層3a、3bを液晶セル2の透明基板21a、21bの表面に設けて、偏光板4a、4bを接着する方法としては、前述した本発明の粘着剤組成物から製造されたOCAを、必要な大きさに裁断して接着する方法が簡便である。また、図2に示されるように、更に粘着剤層3cを設けてカバーパネル5を偏光板4bに接着する場合も同様である。
上記の方法の他、粘着剤組成物を塗布して粘着剤層3a、3b、3cを設ける場合は、スピンコート法、ナイフコート法、ロールコート法、バーコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法、ディスペンス法等の公知の塗工方法を用いることができる。
例えば、上記の方法を用いて、粘着剤組成物を所望の厚さになるように塗布し、塗布面に、偏光板又はカバーパネルを載せて、硬化させることで、偏光板又はカバーパネルを接着することができる。
粘着剤層の厚さは、0.005mmから2mmであることが好ましく、0.01mmから1.5mmであることが更に好ましい。
また、液状で紫外線硬化性又は熱硬化性の粘着剤組成物を使用する場合は、型の内部に液状の粘着剤組成物を流し込む。次いで、液面に紫外線又は熱により硬化させてから貼合、もしくは貼合してから硬化させる。こうすることにより、粘着剤と偏光板又は液晶セルとの間に気泡が混入せず、粘着剤層の密着性を向上させることができる。
上記したカバーパネルの他、液晶表示パネルにタッチパネル、バックライトユニット等を取り付ける場合も、本発明の粘着剤組成物を使用することが好ましい。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。即ち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
本発明の粘着剤組成物は、偏光板の変色を抑制し、それによって、画像表示面の変色が抑制される。従って、本発明の粘着剤組成物は、パソコンのディスプレイ、カーナビゲーションシステム等に使用される液晶セルと偏光板との接着等、光学部品の接着に有用であり、産業上の利用価値が高い。
1 液晶表示パネル
2 液晶セル
3a 粘着剤層
3b 粘着剤層
3c 粘着剤層
4a 偏光板
4b 偏光板
5 カバーパネル
21a 透明基板
21b 透明基板
22 液晶層
23a 透明電極
23b 透明電極

Claims (9)

  1. 酸価が1以下の粘着性化合物及びカルボジイミド化合物を含むことを特徴とする粘着剤組成物。
  2. 前記粘着性化合物が、ヒドロキシ基、チオール基、シラノール基、(メタ)アクリロイル基、ビニル基及びグリシジル基から選択される少なくとも1種の官能基を有する高分子化合物である、請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 前記粘着性化合物が、ヒドロキシ基、(メタ)アクリロイル基及びビニル基から選択される少なくとも1種の官能基を有する高分子化合物である、請求項2に記載の粘着剤組成物。
  4. 前記粘着性化合物の酸価が0である、請求項1から3のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
  5. 液状で紫外線硬化性又は熱硬化性である、請求項1から4のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
  6. 前記カルボジイミド化合物が、非黄変性カルボジイミド化合物である、請求項1から5のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
  7. 前記カルボジイミド化合物が、下記一般式(1)で表されるポリカルボジイミド化合物である、請求項1から6のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
    Figure 2020180229
    一般式(1)中のR、Rは同一でも異なっていてもよい、イソシアネート基と反応し得る官能基を1つ有する化合物の、前記イソシアネート基と反応し得る官能基を除いた残基を表し、
    前記化合物は、モノイソシアネート、モノアルコール、1級モノアミン、2級モノアミン及びモノカルボン酸から選択される少なくとも1種であり、
    、Xは同一でも異なっていてもよい、前記イソシアネート基と反応し得る官能基と、イソシアネート基との反応により生成される基を表し、
    は不飽和結合を含まない、炭素数が4から20の脂肪族炭化水素基を表し、
    nは2〜50の整数を表す。
  8. 平行に設置された二枚の透明基板の間に、液晶層が設けられる構造を含む液晶セルの、片側又は両側の前記透明基板の表面に、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の粘着剤組成物を含む粘着剤層が設けられ、
    前記粘着剤層の表面に偏光板が接着される、
    構造を含むことを特徴とする液晶表示パネル。
  9. 前記液晶表示パネルの一つの前記偏光板の上部に、
    更に、請求項1から7のいずれか1項に記載の粘着剤組成物を含む粘着剤層が設けられ、
    前記粘着剤層の表面にカバーパネルが接着される、請求項8に記載の液晶表示パネル。
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