JP2020180078A - γ形グリシンの製造方法 - Google Patents

γ形グリシンの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020180078A
JP2020180078A JP2019084378A JP2019084378A JP2020180078A JP 2020180078 A JP2020180078 A JP 2020180078A JP 2019084378 A JP2019084378 A JP 2019084378A JP 2019084378 A JP2019084378 A JP 2019084378A JP 2020180078 A JP2020180078 A JP 2020180078A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glycine
type
crystals
concentration
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019084378A
Other languages
English (en)
Inventor
石井 究
Kiwamu Ishii
究 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tsukishima Kikai Co Ltd
Original Assignee
Tsukishima Kikai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tsukishima Kikai Co Ltd filed Critical Tsukishima Kikai Co Ltd
Priority to JP2019084378A priority Critical patent/JP2020180078A/ja
Publication of JP2020180078A publication Critical patent/JP2020180078A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】工業的かつ経済的にγ形グリシン結晶を得る。【解決手段】グリシンを含有するグリシン水溶液からグリシンの結晶を析出させるグリシン結晶の製造方法において、晶析槽において減圧条件下にて飽和濃度未満の前記グリシン水溶液を蒸発濃縮させ、γ形グリシン結晶を得る。【選択図】なし

Description

本発明は、γ形グリシンを晶析により製造するγ形グリシンの製造方法に関する。
グリシン結晶は食品添加物や医薬品、農薬の原料、工業製品としてのキレート剤等として使用されている。グリシン結晶には、α形、β形、γ形の3形態がある。
一般的に流通しているのはα形グリシンであり、α形グリシン結晶はしばしば保管中に強固に凝結し、使用に際してのハンドリングはもとより、製造プロセス及び保管、流通過程において大きな問題となることが知られている。
上記の問題に対してγ形グリシン結晶は凝結しにくい結晶性状を有していることが知られており、そのγ形グリシン結晶を得るためのいくつかの方法が知られている。
例えば、特許文献1は、グリシン水溶液を5℃/hr以下で徐冷することによりγ形グリシンを得る方法を提案するものである。
この方法は基本的にバッチ晶析操作となり大量生産のためには容量の大きな設備を要するため工業生産には適さない。
特許文献2には、α形結晶とγ形結晶の共存下でα形をγ形に転移する方法が提案されているが、その転移過程において上記凝結の問題を解消するに至っていない。
さらに、特許文献3には、α形グリシン結晶をpH7〜14に調整した水スラリー中に保持することでγ形グリシンに転移させる方法が紹介されている。pH調整方法としてはアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物等を添加する方法が提示されており、実施例では水酸化ナトリウムを使用した例が紹介されている。
しかしながら、pH調整に使用される水酸化ナトリウムは系全体量に対して微量ではあるが、例えばナトリウム存在下ではグリシンはナトリウム塩を形成するため、結晶製品純度の維持、向上という観点では好ましくない。
特公平2−9018号公報 特公平2−9019号公報 特許第3806951号公報
そこで、本発明の主たる課題は、前述の諸問題を解決し、γ形グリシン結晶の工業的かつ経済的な晶析方法を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
(基本形態)
本発明のγ形グリシンの製造方法は、グリシンを含有するグリシン水溶液からグリシンの結晶を析出させるグリシン結晶の製造方法において、晶析槽において減圧条件下にて飽和濃度未満の前記グリシン水溶液を蒸発濃縮させ、γ形グリシン結晶を得ることを特徴とするものである。
蒸発濃縮の操作温度を60℃以下とすることができる。
蒸発濃縮の操作圧力が20kPaA以下であるのが好適である。
以上のとおり、本発明によれば、低濃度のグリシン水溶液から工業的かつ経済的な方法で直接的にγ形グリシン結晶を得ることができる。
グリシンの溶解度曲線である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
グリシンを含有するグリシン水溶液は、一般的に知られているグリシンの合成反応工程及びその後の不純物除去工程から得られるグリシン水溶液を使用できる。
グリシンの合成反応としては、モノクロル酢酸のアミノ化法、ストレッカー法、ヒダントイン法等を使用できるが、これらに限定されない。
グリシン水溶液を晶析槽を含む晶析工程へ供給するに際しては、前述の特許文献に記載されているような飽和液やスラリーでもよいが、これである必要はなく、むしろ配管閉塞を抑止し得る安定的な液移送や、晶析操作時の急激な脱過飽和を避けるためにも飽和濃度未満のグリシン水溶液であることが好ましい。
図1にグリシンの溶解度曲線を示した。
晶析槽に対するグリシン水溶液の供給方法としては、工業的な大量生産を考慮すると連続供給が好ましいが、フェドバッチ方式のような断続供給を行うことも可能である。
また、本発明は回分式の晶析方法であってもよい。
晶析操作を行う晶析槽において減圧条件下にて蒸発濃縮を行う。晶析槽を減圧するための手段としては、エジェクターや真空ポンプ等、工業的に汎用な方法を用いることができる。
晶析槽に供給するグリシン水溶液を予め予熱しておき晶析槽での蒸発量を調節することも可能である。
晶析槽は加熱手段を具備していることが好ましい。その加熱手段として、より具体的には晶析槽外部に設けられたジャケット、電気ヒーターあるいは電磁誘導加熱器、晶析槽内部に設けられた加熱エレメント等が挙げられる。
また、晶析槽外部に熱交換器を設置し、循環ポンプあるいはサーモサイフォン方式により循環液を加熱することも可能である。
γ形結晶を得るためには晶析操作温度を60℃以下とすることが好ましいが、60℃近傍で操作した場合は相当量のα形結晶が含まれるため、より好適には45℃以下で晶析操作を行うことが好ましい。
得られた結晶は、晶析槽からスラリーとして抜き出すことが現実的であり、スラリーの抜出し方法としては、抜出しポンプの必要NPSH(Net Positive Suction Head:正味吸込ヘッド)が得られる高さに晶析槽を設置し連続的に抜き出す方法が採用できる。
晶析槽の設置高さが十分に得られない場合、あるいは後段が回分式の固液分離機である等、機器の設置条件あるいはプロセスの構成条件によっては減圧可能な排出容器を設けて断続的にスラリーを抜き出すことも可能である。
スラリーから結晶を分離する固液分離方式としては、工業的に汎用な連続式あるいは回分式の濾過機あるいは遠心分離機を使用することができる。
更なる結晶純度向上を目的として、この固液分離工程において純水等により結晶洗浄を行うことも可能である。
固液分離方式により分離された濾液は、回収率向上、スラリー濃度調整、あるいは濾液を加熱して晶析操作温度を調整すること等を目的として、一部あるいは全量を晶析槽に返送することができる。
しかるに、蒸発濃縮晶析においては供給液に目的成分以外の不純物が含まれている場合、濾液を循環し続けると系内に不純物が蓄積するおそれがあるため、分離された濾液の一部を系外に排出することが好ましい。
固液分離された結晶は必要に応じて間接加熱方式あるいは直接加熱方式の工業的に汎用な乾燥機を用いて乾燥させ、乾燥結晶を得ることができる。
(実施例1)
グリシンの合成反応工程より得られた濃度17wt%のグリシン水溶液1Lを2Lのセパラブルフラスコに入れ、それをオイルバスに浸漬しマグネティックスターラーで攪拌しながら6〜7kPaAに減圧し、液温が40℃となるように調整しながら蒸発濃縮操作を行った。
蒸発した蒸気は5℃のチラー水を流通させたコンデンサーで凝縮し、凝縮水はコンデンサーに連結させた1Lのセパラブルフラスコに捕集した。
凝縮水が300mL留出したところで市販のγ形グリシン結晶を種晶として10g添加した。その後も蒸発濃縮操作を継続して結晶量を増やし、留出量が600mLとなったところで加熱及び減圧を停止した。
得られたスラリーを遠心分離機で分離し、液分と分離した結晶を80℃で12時間静置乾燥した。
得られた結晶をX線回析装置及びフーリエ変換赤外分光光度計で分析したところ、γ形グリシン結晶のピークを確認できた。
(比較例1)
合成反応工程より得られた濃度17wt%のグリシン水溶液1Lを2Lのセパラブルフラスコに入れ、それをオイルバスに浸漬しマグネティックスターラーで攪拌しながら42〜47kPaAに減圧し、液温が80℃となるように調整しながら蒸発濃縮操作を行った。
蒸発した蒸気は5℃のチラー水を流通させたコンデンサーで凝縮し、凝縮水はコンデンサーに連結させた1Lのセパラブルフラスコに捕集した。
凝縮水が530mL留出したところで市販のγ形グリシン結晶を種晶として10g添加した。その後も蒸発濃縮操作を継続して結晶量を増やし、留出量が690mLとなったところで加熱及び減圧を停止した。
得られたスラリーを遠心分離機で分離し、液分と分離した結晶を80℃で12時間静置乾燥した。
得られた結晶をX線回析装置及びフーリエ変換赤外分光光度計で分析したところ、α形グリシン結晶のピークであることを知った。
(比較例2)
グリシンの合成反応工程より得られた濃度17wt%のグリシン水溶液1Lを2Lのセパラブルフラスコに入れ、それをオイルバスに浸漬しマグネティックスターラーで攪拌しながら17〜20kPaAに減圧し、液温が60℃となるように調整しながら蒸発濃縮操作を行った。蒸発した蒸気は5℃のチラー水を流通させたコンデンサーで凝縮し、凝縮水はコンデンサーに連結させた1Lのセパラブルフラスコに捕集した。
凝縮水が450mL留出したところで市販のγ形グリシン結晶を種晶として10g添加した。その後も蒸発濃縮操作を継続して結晶量を増やし、留出量が670mLとなったところで加熱及び減圧を停止した。得られたスラリーを遠心分離機で分離し、液分と分離した結晶を80℃で12時間静置乾燥した。
得られた結晶をX線回析装置及びフーリエ変換赤外分光光度計で分析したところ、γ形グリシン結晶主体のα形−γ形の混合ピークであった。
本発明によって得られるグリシン結晶は、食品添加物、医薬品、農薬の原料、工業製品としてのキレート剤等として使用できる。
製造プロセス過程、保管過程及び流通過程において、凝結がなく、ハンドリング性に優れたものとなる。

Claims (3)

  1. グリシンを含有するグリシン水溶液からグリシンの結晶を析出させるグリシン結晶の製造方法において、
    晶析槽において減圧条件下にて飽和濃度未満の前記グリシン水溶液を蒸発濃縮させ、γ形グリシン結晶を得ることを特徴とするγ形グリシンの製造方法。
  2. 前記蒸発濃縮の操作温度が60℃以下である請求項1に記載のγ形グリシンの製造方法。
  3. 前記蒸発濃縮の操作圧力が20kPaA以下である請求項1に記載のγ形グリシンの製造方法。
JP2019084378A 2019-04-25 2019-04-25 γ形グリシンの製造方法 Pending JP2020180078A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019084378A JP2020180078A (ja) 2019-04-25 2019-04-25 γ形グリシンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019084378A JP2020180078A (ja) 2019-04-25 2019-04-25 γ形グリシンの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020180078A true JP2020180078A (ja) 2020-11-05

Family

ID=73023567

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019084378A Pending JP2020180078A (ja) 2019-04-25 2019-04-25 γ形グリシンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020180078A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0142488B1 (en) Liquid 2-hydroxy-methylthiobutyric acid and process for the preparation thereof
CN108568135B (zh) 硫酸锰蒸发结晶设备及工艺
RU2640656C2 (ru) Способ получения метионина
CN101489970B (zh) 琥珀酸的制备方法
CN205398770U (zh) 一种铼酸铵提纯结晶系统
CN111905398A (zh) 一种连续结晶生产镍钴盐、铵盐的工艺
EP0143100B1 (en) Process for the preparation of liquid 2-hydroxy-methylthiobutyric acid
JP2020180079A (ja) γ形グリシンの製造方法
JP2020180078A (ja) γ形グリシンの製造方法
EP0937701B1 (en) Process for producing 2,2'-bis (hydroxymethyl) alkanoic acid
US3362457A (en) Apparatus and method for concentrating solutions
RU2604375C1 (ru) Способ выделения формиата натрия из пентаэритрит-формиатного маточного раствора
CN109851515A (zh) 一种采用双极膜电渗析制备β-氨基丙酸工艺
US5338530A (en) Recovery of glycine and Glauber's salt from waste crystal liquors
CN106220520B (zh) 一种甜菜碱盐酸盐钙法生产工艺废母液的处理方法
CN106044868A (zh) 利用硫酸铜废液制备硫酸亚铁晶体的工艺方法及其装置
CN1227221A (zh) 一种丙烯酰胺晶体的制造方法
CN108147471A (zh) 一水合硫酸亚铁晶体的工业生产方法
RU2747639C1 (ru) Способ получения монокалийфосфата
RU2255046C1 (ru) Способ получения медного купороса
KR102364374B1 (ko) Build-Up 제조공정에서 발생되는 황산구리 폐기물의 재활용 방법 및 이로부터 제조되는 농업용 황산구리 비료
RU2712250C2 (ru) Способ получения кристаллического l-аланина
SU833506A1 (ru) Способ выделени хлорида натри
US3829472A (en) Method for the separation of methallyl sulfonate
US2245483A (en) Preparation of calcium alpha hydroxyisobutyrate