JP2020179958A - 搬送ローラー、印刷装置、及び搬送ローラーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷装置において、記録材を搬送するための搬送ローラーとして、円筒外周面の真円度が高く、ねじり強度が高く、製造が容易な金属性のローラーが求められていた。【解決手段】金属を材料とする円筒部材(3)を備えた搬送ローラー(2)において、前記円筒部材(3)は、中心軸と直交する面で切った断面において、内周面(6)と外周面(7)を連絡するように径方向に沿って延在する第一の界面(5)と、前記第一の界面(5)とは離間し、前記内周面(6)と前記外周面(7)の間の一部分のみに径方向に沿って延在する第二の界面(8)と、を備えることを特徴とする搬送ローラー(2)である。【選択図】図2
Description
本発明は、インクジェットプリンタなどの印刷装置に於いて、紙などの記録媒体を搬送する搬送ローラーに関する。より詳しくは、金属を材料とする円筒状の搬送ローラーに関する。さらに、当該搬送ローラーを備えた印刷装置、及び当該搬送ローラーの製造方法に関する。
近年、インクジェットプリンタをはじめとする印刷装置に於いては、画質や印刷速度を向上させるため、紙などの記録媒体を高い位置決め精度で高速に搬送することが求められている。そのため、記録媒体を搬送するのに用いられる搬送ローラーには、搬送面たる外周面の真円度が高く、長期間使用しても変形しない強度や耐久性を有することが求められている。かかる要請に答えるため、従来は金属材料を加工して作成した丸棒を搬送ローラーとして用いていた。
しかし、金属の丸棒は重量が大きく、しかも製造コストが高いという課題があるため、軽量化とコスト低減のために金属板を曲げ加工して円筒状に成形して中空の搬送ローラーを作成する方法が検討されている。
しかし、金属の丸棒は重量が大きく、しかも製造コストが高いという課題があるため、軽量化とコスト低減のために金属板を曲げ加工して円筒状に成形して中空の搬送ローラーを作成する方法が検討されている。
特許文献1には、円柱状の芯金の周囲に金属板を巻き付けて曲げ成形し、芯金の形状に倣った円筒状の搬送ローラーを作成する方法が開示されている。搬送面となる外周面に隙間や不整を発生させないために、特許文献1では、金属板の端面に傾斜を設けておき、芯金に巻きつけて曲げ加工する際の外面側と内面側の周差を傾斜により調整して、円筒の外周面に不整が出来ないようにする方法が開示されている。
特許文献1の製造方法では、端面に傾斜を設けた板材を曲げ加工して端面同士をつき合わせるが、外周面側の形状精度を担保するため十分な傾斜を設けておくと、搬送ローラーの内周面側には楔状の隙間が形成される。このため、ノッチ効果により応力が搬送ローラーの外周面側のつき合わせ部に集中し、ねじり強度が低下してしまう問題があった。ねじり強度が低下すると、搬送ローラーが駆動時に変形して紙送り精度が悪化したり、ジャム等のトラブルが発生した時に紙詰まりを取り出す際の負荷により変形してしまう問題があった。
また、曲げ成形をする際に、芯金の外周形状を搬送ローラーとなる金属円筒の内周に転写する必要があるが、転写精度を出すために板材を芯金に強く押しつけると成形後に芯金に貼り付いて芯金の取り外しが困難になり、歩留まりが低下する場合がある。
そこで、円筒外周面の真円度が高く、ねじり強度が高く、製造が容易な金属性の搬送ローラーが求められていた。
そこで、円筒外周面の真円度が高く、ねじり強度が高く、製造が容易な金属性の搬送ローラーが求められていた。
本発明は、金属を材料とする円筒部材を備えた搬送ローラーにおいて、前記円筒部材は、
中心軸と直交する面で切った断面において、内周面と外周面を連絡するように径方向に沿って延在する第一の界面と、前記第一の界面とは離間し、前記内周面と前記外周面の間の一部分のみに径方向に沿って延在する第二の界面と、を備える、ことを特徴とする搬送ローラーである。
中心軸と直交する面で切った断面において、内周面と外周面を連絡するように径方向に沿って延在する第一の界面と、前記第一の界面とは離間し、前記内周面と前記外周面の間の一部分のみに径方向に沿って延在する第二の界面と、を備える、ことを特徴とする搬送ローラーである。
また、本発明は、板状の金属材の一方の主面に、側端面と平行な溝を形成する溝形成工程と、前記溝が形成された主面が凸型と対向する向きになるよう前記金属材を凸型と凹型の間に配置し、前記凸型と前記凹型とで挟んで型締めし、U字状金属板を形成するU曲げ工程と、前記U字状金属板を一対の凹型で挟んで型締めして円筒部材に成形し、両側の前記側端面を当接させて前記円筒部材の中心軸と平行に内周面と外周面を連絡するように径方向に沿って延在する第一の界面を形成するとともに、前記溝の両側の側面を当接させて、前記中心軸と平行に前記内周面と前記外周面の間の一部分のみに径方向に沿って延在する第二の界面を形成するO曲げ工程と、を有する、ことを特徴とする搬送ローラーの製造方法である。
本発明は、円筒外周面の真円度が高く、ねじり強度が高く、製造が容易な金属性の搬送ローラーと、それを実装した印刷装置、及び当該搬送ローラーの製造方法を提供する。
図面を参照して、本発明の実施形態である印刷装置について説明する。尚、以下の実施形態及び実施例の説明において参照する図面においては、特に但し書きがない限り、同一の機能を有する部材については同一の参照番号を付して示すものとする。
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態にかかる搬送ローラー2を実装した印刷装置1の紙搬送機構を示す斜視図である。インクジェット式プリンタである印刷装置1の紙送りローラーとして、本発明の実施形態にかかる搬送ローラー2を実装している。搬送ローラー2は、記録材である紙を所定の印刷位置に正確に搬送するためのローラーであって、給紙ユニットの給紙方向と直交する方向且つ水平方向に延在し、円筒形状を有している。搬送ローラー2は、略U字型の一対の軸受けに回転自在に支持され、駆動部から駆動力を受けて回転する。
図1は、本発明の実施形態にかかる搬送ローラー2を実装した印刷装置1の紙搬送機構を示す斜視図である。インクジェット式プリンタである印刷装置1の紙送りローラーとして、本発明の実施形態にかかる搬送ローラー2を実装している。搬送ローラー2は、記録材である紙を所定の印刷位置に正確に搬送するためのローラーであって、給紙ユニットの給紙方向と直交する方向且つ水平方向に延在し、円筒形状を有している。搬送ローラー2は、略U字型の一対の軸受けに回転自在に支持され、駆動部から駆動力を受けて回転する。
図2(a)は搬送ローラー2の斜視図である。搬送ローラー2においては、金属円筒部材3の外周に被覆層4が設けられている。紙送り精度を担保するため、搬送ローラー2の回転に対する記録紙のすべりを抑制するように、摩擦係数の高い材料を用いて被覆層4が形成されている。
図2(b)は、被覆層4が形成される前の金属円筒部材3を示す斜視図である。また、図2(c)は、被覆層4が形成される前の金属円筒部材3を、中心軸と直交する面(図2(b)に示すA面)で切った断面図である。
図2(b)は、被覆層4が形成される前の金属円筒部材3を示す斜視図である。また、図2(c)は、被覆層4が形成される前の金属円筒部材3を、中心軸と直交する面(図2(b)に示すA面)で切った断面図である。
後述するように、金属円筒部材3は、金属板を曲げ加工して端面どうしを当接させて円筒形状に成形することにより得られるが、図2(b)に示すように金属板の端面どうしを当接させた部分である第一の界面5が円筒の軸方向と平行に延在している。金属板の一方の主面が金属円筒部材3の内周面6となり、他方の主面が外周面7となるが、界面5は、図2(c)に示すように、金属円筒部材3の内周面6から外周面7までを連絡するように存している。第一の界面5が金属円筒部材3の内周面6から外周面7までを連絡するように存するとは、曲げ加工された金属板の端面どうしが第一の界面5に沿って隙間なく当接していることを意味する。第一の界面5は、内周面6から外周面7まで貫通しているようにも見えることから、貫通界面と呼ぶこともできる。尚、第一の界面5の近傍の内周面6には、円筒の軸に向かって突出した凸部9が存在する場合がある。外周面が真円に近づくように曲げ加工してゆく際に、余剰金属が軸に向かって突出したものだが、本実施形態では後述するように曲げ加工時に芯金を用いないため、特許文献1の製造方法とは異なり凸部9が形成されても問題にはならない。
本実施形態は、特許文献1の搬送ローラーとは異なり、曲げ加工された金属板の端面どうしが、内周面6と外周面7の間において隙間なく当接しているため、ノッチ効果によりこの付近の局所に応力が集中してねじり強度が低下してしまうことがない。本実施形態の搬送ローラーは、ねじり強度が高いため、駆動時に変形して紙送り精度が悪化したり、ジャム等のトラブルが発生した時に紙詰まりを取り出す際の負荷により変形してしまうことがない。
また、図2(c)に示すように、金属円筒部材3の内周面6側には、第一の界面5から離れた位置に第二の界面8が存在する。第一の界面5と異なり、第二の界面8は内周面6から外周面7まで連絡しているわけではなく、内周面と外周面の間の一部分のみ、すなわち内周面6側から見て円筒の肉厚の50%以下の範囲のみに存している。内周面6側から外周面7側を見ると、第二の界面8には底があるようにも見えることから、第二の界面8を有底界面と呼ぶこともできる。
後述するように、本実施形態では、円筒形状に曲げ加工する前に、金属板の一方の主面に、所定の深さの凹部を予め設けておく。所定の深さの凹部は、円筒形状の中心軸となる方向と平行に延在するように設けられており、第二の界面8は、曲げ加工時にこの凹部の側面どうしが当接した部分である。詳しくは後述するが、円筒の内周面6となる側の金属板の主面に板厚の50%以下の深さの凹部を設けておくことにより、曲げ加工により円筒形状を形成する際に、内周と外周の周長差に起因する変形抵抗を軽減することができる。凹部の両側面が当接して第二の界面8が形成されるまで曲げることにより、搬送ローラーのねじり強度を確保しながら外周面7の真円度を高めることができる。すなわち、本実施形態の搬送ローラーでは、円筒の内面側に第二の界面8を備えているため、ねじり強度を確保しながら外周面7の形状精度を高くすることができ、製造歩留まりが高い。
図3(a)〜図3(c)を参照して、第二の界面8の形態について3種類の異なる態様を例示する。図3(a)〜図3(c)は、図2(c)の断面図において第二の界面8が存在する部分の近傍を拡大した拡大断面図である。
図3(a)に示す態様では、長さdaの第二の界面8aが、金属円筒部材3の内周面6から外周面7に向けて隙間なく延在している。第二の界面8aの円筒径方向の長さdaは、円筒の肉厚dの50%以下である。第二の界面8aが金属円筒部材3の内周面6から隙間なく延在しているため、ノッチ効果によりこの付近の局所に応力が集中してねじり強度が低下してしまうことがない。図3(a)〜図3(c)の中で、最もねじり強度が高い態様である。
図3(b)に示す態様では、長さdb2の第二の界面8bが、金属円筒部材3の内周面6のV字形の凹部の底から外周面7に向けて隙間なく延在している。内周面6から第二の界面8bの外周面7側の端部までの距離db1は、円筒の肉厚dの50%以下である。また、第二の界面8bの長さdb2は、距離db1の50%以上が望ましい。このようにすれば、内周面6と第二の界面8bとの間の凹部の深さを円筒の肉厚dの25%未満とすることが可能で、且つ界面8bが外周面7に到達していないため、搬送ローラーのねじり強度を実用上問題のないものとすることができる。
図3(c)に示す態様では、長さdc2の第二の界面8cが、金属円筒部材3の内周面6から外周面7に向けて隙間なく延在している。第二の界面8cの外周面7側の端部と外周面7の間には、微小空間が存在する。内周面6から微小空間の外周面7側の端部までの距離dc1は、円筒の肉厚dの50%以下である。また、第二の界面8cの長さdc2は、距離dc1の50%以上が望ましい。このようにすれば、第二の界面8cと外周面7の間の微小空間の長さを円筒の肉厚dの25%未満とすることが可能で、搬送ローラーのねじり強度を実用上問題のないものとすることができる。
以上の3つの第二の界面8の形態のなかでは、図3(a)に示す態様が最もねじり強度が高い。また、界面の長さが同じだとすれば、図3(c)に示す態様の方が、図3(b)に示す態様よりもねじり強度が高い。
第二の界面8は、金属円筒部材3の内周面側に1箇所、もしくは複数箇所に設ける。第二の界面8は、第一の界面5の近傍に設けるのが好ましく、第一の界面5からの距離は金属円筒部材3の肉厚dの5倍以下にするとよい。
次に図4のフローチャートを参照して、実施形態1の搬送ローラーの製造工程を説明する。
まず、溝形成工程S01では、母材となる金属板プリフォームを準備し、その一方の主面に第二の界面8を形成する起因となる溝を形成する。
図5(a)に、板状の金属板プリフォーム10の外観斜視図を示す。2つの側端面12は、搬送ローラーの回転軸端となる端面である。金属板プリフォーム10の材料としては、SPCC(冷間圧延鋼板)、ステンレス鋼、アルミ合金などのように、冷間曲げ変形が可能で所定の強度を有する金属材料が好適に用いられるが、これに限定されることはない。金属板プリフォーム10は、帯状金属材料をプレス切断して製造することができるが、この製造方法に限定されることはなく、さらに機械加工を合わせて行うこともある。
まず、溝形成工程S01では、母材となる金属板プリフォームを準備し、その一方の主面に第二の界面8を形成する起因となる溝を形成する。
図5(a)に、板状の金属板プリフォーム10の外観斜視図を示す。2つの側端面12は、搬送ローラーの回転軸端となる端面である。金属板プリフォーム10の材料としては、SPCC(冷間圧延鋼板)、ステンレス鋼、アルミ合金などのように、冷間曲げ変形が可能で所定の強度を有する金属材料が好適に用いられるが、これに限定されることはない。金属板プリフォーム10は、帯状金属材料をプレス切断して製造することができるが、この製造方法に限定されることはなく、さらに機械加工を合わせて行うこともある。
金属板プリフォームが準備できたら、図6(a)〜図6(c)に示す手順で、溝形成用上型13と溝形成用下型14の間に金属板プリフォーム10を挟んで型締めし、金属板プリフォームの一方の主面に、第二の界面8を形成するための溝23を形成する。溝形成用上型13は型面が平面の平面型であり、溝形成用下型14は平面上に2本の凸条15が金属円筒部材3の軸となるべき方向と平行に延在している凸条型である。溝形成用上型13及び溝形成用下型14は焼き入れ鋼や超硬合金で作られ、凸条15は頂部が尖ったV字状もしくは頂部を丸めたU字状となっている。溝形成用上型13と溝形成用下型14の間隔が所定の厚みになるまで型締めすると、凸条が反転転写されて第二の界面8を形成するための溝23が形成されるとともに、側方に流動した余剰体積部17が端面に形成された中間成形品16を得る。
次に、図4に戻り、中間成形品16から余剰体積部17を除去する余剰体積調整工程S02を実施する。すなわち、図6(d)〜図6(f)に示す手順で、中間成形品16を余剰体積調整用上型18と余剰体積調整用下型19の間に挟んで保持し、切断型20で余剰体積部17を切断除去し、溝付き金属板プリフォーム22を得る。余剰体積調整用上型18及び余剰体積調整用下型19は、いずれも型面は平面である。余剰体積調整工程S02によって、余剰部が切断片21として除去されて、溝付き金属板プリフォーム22が得られる。
図5(b)は、作成した溝付き金属板プリフォーム22の外観斜視図である。尚、余剰体積調整工程S02では、溝付き金属板プリフォーム22の側端面12の幅gが、作成すべき金属円筒部材3の外周長と内周長の間の値となるように切断することが好ましい。切断により形成された2つの側端面11は、溝付き金属板プリフォーム22が曲げ加工により円筒形状に成形される際に、互いに当接して第一の界面5を形成する端面である。第二の界面8を形成するための溝23は、側端面11に略平行に延在している。
図7(a)は、溝付き金属板プリフォーム22を、図5(b)中のB-B´線に沿って切断した断面図である。溝23の断面形状は頂部が尖ったV字状もしくは頂部を丸めたU字状とする。V字状とした場合には、溝23の側面は曲げ加工により底部まで当接が容易になるため、第二の界面の形態は、図3(a)に示す第二の界面8aや、図3(b)に示す第二の界面8bとなる。溝23をU字状とした場合には、曲げ加工において溝の底部は当接が困難のため、第二の界面の形態は、図3(c)に示す第二の界面8cとなる。V字状でもU字状でも、第二の界面を形成する部分の側面は、当接しやすいように平坦面とするのがよい。
図7(b)は、図7(a)において円Cで囲まれた部分の拡大図であり、溝23の断面形状がV字状の場合を示している。V字の開角はθ1、V字の深さはe1、側端面11からV字の中心までの距離はf1、板厚はdである。0<θ1≦αの時、得られる金属円筒部材3の第二の界面は、図3(a)に示す第二の界面8aとなる。α<θ1≦45°の時には、得られる金属円筒部材3の第二の界面は、図3(b)に示す第二の界面8bとなる。
ここで、αは金属円筒部材3の材質やV字の深さe1によって決まる値である。θ1が45°を超えると、当接した界面の生成が困難となる。
側端面11からV字中心までの距離f1は、溝23が側端面11と交わらない範囲であればよい。溝23のV字中心が側端面11に近接しすぎてV字の斜面が側端面11と交わると、内周面6から外周面7まで連続した第一の界面5が形成されなくなってしまう。
ここで、αは金属円筒部材3の材質やV字の深さe1によって決まる値である。θ1が45°を超えると、当接した界面の生成が困難となる。
側端面11からV字中心までの距離f1は、溝23が側端面11と交わらない範囲であればよい。溝23のV字中心が側端面11に近接しすぎてV字の斜面が側端面11と交わると、内周面6から外周面7まで連続した第一の界面5が形成されなくなってしまう。
尚、溝付き金属板プリフォーム22を曲げ成形して金属円筒部材3を製造する際、溝23が形成されていなかったとすると、内周と外周の周長差に起因して側端面11が変形し、側端面11の全面を互いに当接させることは困難である。溝23が設けられていることによって、内周側から当接した溝付き金属板プリフォーム22の材料が流動して、側端面11の全面が当接して第一の界面5を形成することが可能となる。側端面11と交わらない範囲である限り、f1が小さく溝23が側端面11に近いほど材料の流動が容易であり、第一の界面5の形成に有利である。f1は、溝付き金属板プリフォーム22の側端面12の幅gの4分の1以下であることが好ましい。4分の1を超えると、側端面11から溝23の位置が遠ざかるため、材料が流動する効果が小さくなる。言い換えると、金属円筒部材3における第二の界面8の位置は、第一の界面5から開角が90°の範囲にあることが望ましい。
V字の深さe1は、板厚であるdの50%以下であることが必要である。50%を超えると、溝付き金属板プリフォーム22の強度が低下するために、後述するO曲げ成形工程において、成形品が座屈しやすくなり、形状精度の高い円筒が得られなくなるからである。
また、図7(c)は、図7(a)において円Cで囲まれた部分の拡大図であり、溝23の断面形状がU字状の場合を示している。U字の開角はθ2、U字の深さはe2、側端面11からU字の中心までの距離はf2、板厚はdである。0<θ2≦βの時、得られる金属円筒部材3の第二の界面は、図3(c)に示す第二の界面8cとなる。βは金属円筒部材3の材質やU字の深さe2によって変動する値である。θ2がβを超えると、第二の界面8cの長さdc2を、dc1の50%以上にすることが困難となる。
側端面11からU字中心までの距離f2は、溝23が側端面11に交わらない位置であればよい。溝23のU字中心が側端面11に近接しすぎてU字の斜面が側端面11と交わると、内周面6から外周面7まで連続した第一の界面5が形成されなくなってしまう。
側端面11からU字中心までの距離f2は、溝23が側端面11に交わらない位置であればよい。溝23のU字中心が側端面11に近接しすぎてU字の斜面が側端面11と交わると、内周面6から外周面7まで連続した第一の界面5が形成されなくなってしまう。
尚、溝付き金属板プリフォーム22を曲げ成形して金属円筒部材3を製造する際、溝23が形成されていなかったとすると、内周と外周の周長差に起因して側端面11の全面が互いに当接することは困難である。溝23が設けられていることによって、内周側から当接した溝付き金属板プリフォーム22の材料が流動して、側端面11の全面が当接して第一の界面5を形成することが可能となる。f2が小さく、溝23が側端面11に近いほど材料の流動が容易であり、第一の界面5の形成に有利である。f2は、溝付き金属板プリフォーム22の側端面12の幅gの4分の1以下であることが好ましい。4分の1を超えると、側端面11から溝23の位置が遠ざかるため、材料が流動する効果が小さくなる。言い換えると、金属円筒部材3における第二の界面8の位置は、第一の界面5から開角が90°の範囲にあることが望ましい。
U字の深さe2は、板厚であるdの50%以下であることが必要である。50%を超えると、溝付き金属板プリフォーム22の強度が低下するために、後述するO曲げ成形工程において、成形品が座屈しやすくなり、形状精度の高い円筒が得られなくなるからである。
図4に戻り、溝付き金属板プリフォーム22の準備が出来たら、第一段階の曲げ工程であるU曲げ成形工程S03を実施する。U曲げ成形工程S03は、凹型と凸型で挟み込んだ溝付き金属板プリフォーム22の端部を段階的に曲げる工程と、溝付き金属板プリフォーム22の中央部を曲げる工程を含んでいる。
ここでは、図8(a)〜図8(c)を用いて端部近傍を段階的に曲げる工程を例示し、図9(a)を用いて中央部を曲げる工程を例示する。尚、U曲げ成形工程S03は、この例のように4工程で行う方法に限るわけではなく、必要に応じて工程数は変更して良い。
図8(a)〜図8(c)および図9(a)は、各々異なる上型と下型で溝付き金属板プリフォーム22を挟み、側端面11に近い側から段階的に曲げてゆく状態を説明するための模式的な断面図である。各図において、溝付き金属板プリフォーム22は、溝23が設けられている主面が下向き、すなわち凸型と対向する向きになるように成形型にセットされている。本明細書においては、端部近傍は、側端面11から所定の範囲(例えば5mm)以内の範囲のことであり、単に端部と称する場合がある。また、中央部近傍は、中心から所定の範囲(例えば中心から端部に向かってそれぞれ5mm)以内の範囲のことであり、単に中央部と称する場合がある。
ここでは、図8(a)〜図8(c)を用いて端部近傍を段階的に曲げる工程を例示し、図9(a)を用いて中央部を曲げる工程を例示する。尚、U曲げ成形工程S03は、この例のように4工程で行う方法に限るわけではなく、必要に応じて工程数は変更して良い。
図8(a)〜図8(c)および図9(a)は、各々異なる上型と下型で溝付き金属板プリフォーム22を挟み、側端面11に近い側から段階的に曲げてゆく状態を説明するための模式的な断面図である。各図において、溝付き金属板プリフォーム22は、溝23が設けられている主面が下向き、すなわち凸型と対向する向きになるように成形型にセットされている。本明細書においては、端部近傍は、側端面11から所定の範囲(例えば5mm)以内の範囲のことであり、単に端部と称する場合がある。また、中央部近傍は、中心から所定の範囲(例えば中心から端部に向かってそれぞれ5mm)以内の範囲のことであり、単に中央部と称する場合がある。
図8(a)〜図8(c)に示す端部曲げ工程は、溝付き金属板プリフォーム22の端部から段階的に曲げ幅が増加するように行われる。これは、後に行うO曲げ工程において金型への挿入が容易になるように、溝付き金属板プリフォーム22をU字型に成形することを目的としている。
図8(a)に示すように、まず第1U曲げ工程において、溝付き金属板プリフォーム22を、第一凹型であるU曲げ第1上型31と第一凸型であるU曲げ第1下型35で挟んで加圧する。
U曲げ第1上型31は、搬送ローラーの軸方向となる紙面垂直方向に沿って延びる溝(凹部)を有し、溝の中央には幅がm1の平面部32が溝に沿って延在している。溝の両側面には、湾曲した曲面部33が延在している。m1の大きさは、U曲げ工程を何段階に分けて行うかの工程数に応じて適宜設定される。曲面部33の曲率半径をR1とする。
U曲げ第1下型35は、搬送ローラーの軸方向となる紙面垂直方向に沿って延びる畝(凸部)を有し、畝の中央には幅がm1の平面部36が畝に沿って延在している。このように、U曲げ第1上型31とU曲げ第1下型35の平面部の幅は等しくm1に設定されている。畝の両側面には、湾曲した曲面部37が延在している。曲面部37の曲率半径をR1―dとする。
U曲げ第1上型31は、搬送ローラーの軸方向となる紙面垂直方向に沿って延びる溝(凹部)を有し、溝の中央には幅がm1の平面部32が溝に沿って延在している。溝の両側面には、湾曲した曲面部33が延在している。m1の大きさは、U曲げ工程を何段階に分けて行うかの工程数に応じて適宜設定される。曲面部33の曲率半径をR1とする。
U曲げ第1下型35は、搬送ローラーの軸方向となる紙面垂直方向に沿って延びる畝(凸部)を有し、畝の中央には幅がm1の平面部36が畝に沿って延在している。このように、U曲げ第1上型31とU曲げ第1下型35の平面部の幅は等しくm1に設定されている。畝の両側面には、湾曲した曲面部37が延在している。曲面部37の曲率半径をR1―dとする。
第1U曲げ工程では、U曲げ第1上型31とU曲げ第1下型35の間に挟まれた溝付き金属板プリフォーム22の端部が曲げられ、U曲げ第1中間成形品40が得られる。U曲げ第1中間成形品40の両側の端部は、凸面側(図中の上側)が曲率半径r1に、凹面側(図中の下側)が曲率半径r1―dとなるように成形される。
次に、図8(b)に示すように、第1中間成形品40を、第二凹型であるU曲げ第2上型41と第二凸型であるU曲げ第2下型45で挟んで加圧する第2U曲げ工程を実施する。
U曲げ第2上型41は、U曲げ第1上型31と同様に、搬送ローラーの軸方向となる紙面垂直方向に沿って延びる溝(凹部)を有する。ただし、溝の中央に溝に沿って延在する平面部42の幅はm2であり、第1上型31の平面部32の幅m1よりも小さい。溝の両側面には、湾曲した曲面部43が延在している。m2の大きさは、U曲げ工程を何段階に分けて行うかの工程数に応じて適宜設定される。曲面部43の曲率半径をR2とする。
U曲げ第2下型45は、U曲げ第1下型35と同様に、搬送ローラーの軸方向となる紙面垂直方向に沿って延びる畝(凸部)を有し、畝の中央には幅がm2の平面部46が畝に沿って延在している。このように、U曲げ第2上型41とU曲げ第2下型45の平面部の幅は等しくm2に設定されている。畝の両側面には、湾曲した曲面部47が延在している。曲面部47の曲率半径をR2―dとする。
U曲げ第2上型41は、U曲げ第1上型31と同様に、搬送ローラーの軸方向となる紙面垂直方向に沿って延びる溝(凹部)を有する。ただし、溝の中央に溝に沿って延在する平面部42の幅はm2であり、第1上型31の平面部32の幅m1よりも小さい。溝の両側面には、湾曲した曲面部43が延在している。m2の大きさは、U曲げ工程を何段階に分けて行うかの工程数に応じて適宜設定される。曲面部43の曲率半径をR2とする。
U曲げ第2下型45は、U曲げ第1下型35と同様に、搬送ローラーの軸方向となる紙面垂直方向に沿って延びる畝(凸部)を有し、畝の中央には幅がm2の平面部46が畝に沿って延在している。このように、U曲げ第2上型41とU曲げ第2下型45の平面部の幅は等しくm2に設定されている。畝の両側面には、湾曲した曲面部47が延在している。曲面部47の曲率半径をR2―dとする。
第2U曲げ工程では、U曲げ第2上型41とU曲げ第2下型45の間に挟まれた第1中間成形品40の端部が曲げられ、U曲げ第2中間成形品50が得られる。U曲げ第2中間成形品50の両側の端部は、凸面側(図中の上側)が曲率半径r2に、凹面側(図中の下側)が曲率半径r2―dとなるように成形されている。
次に、図8(c)に示すように、第2中間成形品50をU曲げ第3上型51とU曲げ第3下型55で挟んで加圧する第3U曲げ工程を実施する。
U曲げ第3上型51は、U曲げ第2上型41と同様に、搬送ローラーの軸方向となる紙面垂直方向に沿って延びる溝(凹部)を有する。ただし、溝の中央に溝に沿って延在する平面部52の幅はm3であり、第2上型41の平面部42の幅m2よりも小さい。溝の両側面には、湾曲した曲面部53が延在している。m3の大きさは、U曲げ工程を何段階に分けて行うかの工程数に応じて適宜設定される。曲面部53の曲率半径をR3とする。
U曲げ第3下型55は、U曲げ第2下型45と同様に、搬送ローラーの軸方向となる紙面垂直方向に沿って延びる畝(凸部)を有し、畝の中央には幅がm3の平面部56が畝に沿って延在している。このように、U曲げ第3上型51とU曲げ第3下型55の平面部の幅は等しくm3に設定されている。畝の両側面には、湾曲した曲面部57が延在している。曲面部57の曲率半径をR3―dとする。
U曲げ第3上型51は、U曲げ第2上型41と同様に、搬送ローラーの軸方向となる紙面垂直方向に沿って延びる溝(凹部)を有する。ただし、溝の中央に溝に沿って延在する平面部52の幅はm3であり、第2上型41の平面部42の幅m2よりも小さい。溝の両側面には、湾曲した曲面部53が延在している。m3の大きさは、U曲げ工程を何段階に分けて行うかの工程数に応じて適宜設定される。曲面部53の曲率半径をR3とする。
U曲げ第3下型55は、U曲げ第2下型45と同様に、搬送ローラーの軸方向となる紙面垂直方向に沿って延びる畝(凸部)を有し、畝の中央には幅がm3の平面部56が畝に沿って延在している。このように、U曲げ第3上型51とU曲げ第3下型55の平面部の幅は等しくm3に設定されている。畝の両側面には、湾曲した曲面部57が延在している。曲面部57の曲率半径をR3―dとする。
第3U曲げ工程では、U曲げ第3上型51とU曲げ第3下型55の間に挟まれた第2中間成形品50の端部が曲げられ、U曲げ第3中間成形品60が得られる。U曲げ第3中間成形品60の両側の端部は、凸面側(図中の上側)が曲率半径r3に、凹面側(図中の下側)が曲率半径r3―dとなるように成形されている。
以上の第1U曲げ工程〜第3U曲げ工程においては、溝23の一部が閉じて両側面が当接し、第二の界面の一部が形成されるが、第3U曲げ工程の終了段階では内周面側には溝の一部(凹部)が残っている。
次に、図9(a)に示すように、第3中間成形品60をU曲げ第4上型61とU曲げ第4下型65で挟んで加圧する第4U曲げ工程を実施する。
U曲げ第4上型61は、搬送ローラーの軸方向となる紙面垂直方向に沿って延びる凹部62を有する。凹部62の内面は曲率半径がR4の曲面であり、凹部62の縁部63は中間成形品を傷つけないように滑らかに面取り加工がされている。
U曲げ第4下型65の中央部近傍には、シリンドリカル状の頂部66を有する凸条部67が紙面垂直方向に沿って延在している。頂部66の曲率半径はR4−dである。
第4U曲げ工程では、U曲げ第4上型61とU曲げ第4下型65の間に挟まれた第3中間成形品60の端部が曲げられ、U曲げ成形品70が得られる。
U曲げ第4上型61は、搬送ローラーの軸方向となる紙面垂直方向に沿って延びる凹部62を有する。凹部62の内面は曲率半径がR4の曲面であり、凹部62の縁部63は中間成形品を傷つけないように滑らかに面取り加工がされている。
U曲げ第4下型65の中央部近傍には、シリンドリカル状の頂部66を有する凸条部67が紙面垂直方向に沿って延在している。頂部66の曲率半径はR4−dである。
第4U曲げ工程では、U曲げ第4上型61とU曲げ第4下型65の間に挟まれた第3中間成形品60の端部が曲げられ、U曲げ成形品70が得られる。
U曲げ成形品70は、端部の近傍と中央部の近傍が曲面で、両曲面の間は平面で構成されている。第4下型65の凸条部67の幅nは、下限は曲げ変形時に破損しない寸法、上限はU曲げ第3中間成形品60が、曲げ変形に伴って開口部が狭くなったときに、凸条部67の側面に干渉しない寸法の間に設定される。型から取り出された後のU曲げ成形品70の中央部の外面の曲率半径はr4、内面の曲率半径はr4−dである。
図4に戻り、U字状金属板であるU曲げ成形品70が得られたら、第二段階の曲げ工程であるO曲げ成形工程S04を実施する。ここでは、図9(b)〜図9(c)および図10(a)〜図10(c)を参照して、O曲げ成形工程の各段階を説明してゆく。
まず、図9(b)に示すように、U曲げ成形品70をO曲げ第1上型71とO曲げ第1下型75の間にセットする。O曲げ第1上型71の中央には、搬送ローラーの軸方向となる紙面垂直方向に沿って延びる凹部72が設けられている。また、O曲げ第1下型75の中央には、搬送ローラーの軸方向となる紙面垂直方向に沿って延びる凹部76が設けられている。凹部72の縁部73、および凹部76の縁部77は、U曲げ成形品70を傷つけないように滑らかな面取り加工がされている。凹部72および凹部76の曲率半径をR5とする。
O曲げ第1上型71とO曲げ第1下型75を閉じてゆき、第1O曲げ工程を実施することにより、U曲げ成形品70は円筒形状に近づいてゆく。
O曲げ第1上型71とO曲げ第1下型75を閉じてゆき、第1O曲げ工程を実施することにより、U曲げ成形品70は円筒形状に近づいてゆく。
図9(c)に、O曲げ第1上型71とO曲げ第1下型75の型締めが完了した状態を示す。第1O曲げ工程により、O曲げ中間成形品80が得られる。型締めした状態においては、側端面11の当接に関しては、O曲げ中間成形品80の内周面には隙間がないが、外周面には内外周長差に起因する隙間78が残存している。また、U曲げ成形品70の一部が曲がりすぎて、金型の縁部73および縁部77の面取りされた空間に充填されてしまわないように、O曲げ第1上型71とO曲げ第1下型75の間隔が調整されている。O曲げ中間成形品80を型から取り出して開放すると、弾性回復により隙間78が拡大し、図10(a)に示す形状のO曲げ中間成形品85となる。O曲げ中間成形品85の中央部に形成される曲面の外周側の曲率半径はr5であり、内周側の曲率半径はr5−dである。
図10(a)は、第2O曲げ工程の開始段階を示しており、O曲げ中間成形品85がO曲げ第2上型81とO曲げ第2下型83の間にセットされている。O曲げ第2上型81の中央には、搬送ローラーの軸方向となる紙面垂直方向に沿って延びる凹部82が設けられている。また、O曲げ第2下型83の中央には、搬送ローラーの軸方向となる紙面垂直方向に沿って延びる凹部84が設けられている。凹部82及び凹部84の開口幅は、O曲げ中間成形品85の幅より大きく設定されているので、曲げ成形によってO曲げ中間成形品85がO曲げ第2上型81とO曲げ第2下型83の外にはみ出すことはない。金型の凹部82及び凹部84の曲率半径は、R6に設定されている。
図10(b)は、第2O曲げ工程の中間段階を示しており、O曲げ第2上型81とO曲げ第2下型83の型締めが途中まで進行し、O曲げ中間成形品85が変形してO曲げ中間成形品86となった状態である。O曲げ中間成形品86となった段階では、側端面11の内周面側は互いに当接しているが、外周面側には隙間87が存在しており、第一の界面5はまだ完成していない。
図10(c)は、第2O曲げ工程の完了段階を示しており、O曲げ第2上型81とO曲げ第2下型83の型締めが完了し、O曲げ中間成形品86が変形してO曲げ最終成形品88となった状態である。O曲げ最終成形品88は、金型から取り出され、被覆層4が形成される前の金属円筒部材3となる。金型から取り出されると、金属円筒部材3の外周面の半径は、弾性回復により搬送ローラーの外周面の設計値であるr0となる。
図10(c)の段階まで進むと、側端面11の全面が互いに当接して界面89が形成され、これにより第一の界面5が完成する。さらに、界面89と内周面の交差部の近傍には余剰体積が内周側にはみ出した膨らみ部90が形成される。これは溝23の両側面が当接して第二の界面を形成した後に、更なる曲げ変形で生じた余剰体積が流動したものである。本実施形態では、芯金を使用しないため、円筒の内周側の空間に余剰体積がはみ出すスペースがあり、図10(b)の段階で残存していた外周面側の隙間87を消失させるまで曲げ変形させることが可能である。すなわち、外周面を、隙間がなく真円度の高い形状に曲げ成形することが可能である。
界面89、すなわち第一の界面5の部分には、O曲げ工程により圧縮性の残留応力が残存するので、金型から取り出しても弾性回復により界面が分離してしまうことはない。
界面89、すなわち第一の界面5の部分には、O曲げ工程により圧縮性の残留応力が残存するので、金型から取り出しても弾性回復により界面が分離してしまうことはない。
条件によっては、界面89とO曲げ第2下型83の凹部84が接する位置で、わずかにO曲げ最終成形品88にたわみが発生し、凹部84とO曲げ最終成形品88の外周面が離間する場合がある。その場合には、第2O曲げ工程の後に、仕上げ加工として金属円筒部材3の外周面7を研削仕上げしてもよい。
第2O曲げ工程の終了後、O曲げ最終成形品88が型から取りだされて金属円筒部材3が得られる。
第2O曲げ工程の終了後、O曲げ最終成形品88が型から取りだされて金属円筒部材3が得られる。
図4に戻り、金属円筒部材3の外周面に被覆層4を被覆する被覆工程S05が実施されて搬送ローラー2が完成する。
次に、R1〜R6と、r0〜r5の相関関係について説明する。
まず、R6は、金属円筒部材3の外周面の設計値r0と、曲げ成形後の弾性回復を考慮して、数式1を満足するように決められる。
[数1]
R6=k6×r0 (ただしk6≦1)
まず、R6は、金属円筒部材3の外周面の設計値r0と、曲げ成形後の弾性回復を考慮して、数式1を満足するように決められる。
[数1]
R6=k6×r0 (ただしk6≦1)
k6は弾性回復量の係数であり、金属円筒部材3の材質や形状によって異なる値となる。k6は、O曲げ第2上型の凹部82及びO曲げ第2下型の凹部84と曲げ成形された金属円筒部材3の半径の比率をあらかじめ求めておくことにより決定する。
次にO曲げ中間成形品85が、O曲げ第2上型81とO曲げ第2下型83の凹部からはみ出すことがないように、数式2を満足するようにR6の範囲を決定する。
[数2]
R6>r5
[数2]
R6>r5
次に、R5は、r5と、曲げ成形後の弾性回復を考慮して、数式3を満足するように決められる。
[数3]
R5=k5×r5 (ただしk5≦1)
[数3]
R5=k5×r5 (ただしk5≦1)
k5は弾性回復量の係数であり、金属円筒部材3の材質や形状によって異なる値となる。k5は、O曲げ第1上型の凹部72及びO曲げ第1下型の凹部76とO曲げ中間成形品85の半径の比率をあらかじめ求めておくことにより決定する。
次に、U曲げ成形品70がO曲げ第1上型71とO曲げ第1下型75の凹部からはみ出すことがないように、数式4を満足するようにR5の範囲を決定する。
[数4]
R5>r4
[数4]
R5>r4
次に、R4は、r4と、曲げ成形後の弾性回復を考慮して、数式5を満足するように決められる。
[数5]
R4=k4×r4 (ただしk4≦1)
[数5]
R4=k4×r4 (ただしk4≦1)
k4は弾性回復量の係数であり、金属円筒部材3の材質や形状によって異なる値となる。k4は、U曲げ第4上型61及びU曲げ第4下型65とU曲げ成形品70の半径の比率をあらかじめ求めておくことにより決定する。
次に、U曲げ第3中間成形品60が、U曲げ第4上型61及び第4下型凸条部の間で、安定した姿勢でセットされ、曲げ加工が行われるように、数式6を満たすようにR4の範囲を決定する。
[数6]
R4<r3
[数6]
R4<r3
次に、前記第1U曲げ工程〜第3U曲げ工程においては、数式7および数式8が満たされている。
[数7]
R1=R2=R3
[数8]
r1=r2=r3
[数7]
R1=R2=R3
[数8]
r1=r2=r3
次に、R1は弾性回復を考慮し、数式9を満たしている。
[数9]
R1=k1×r1 (ただしk1≦1)
[数9]
R1=k1×r1 (ただしk1≦1)
工程順から、数式10が満たされる。
[数10]
m1>m2>m3
[数10]
m1>m2>m3
さらに、m1、m2、m3は、後工程の第4U曲げ工程において第3U曲げ工程の中間成形品60の側端面11が、曲げ成形時に第4下型凸条部に接触しないように決定される。
[実施形態2]
次に、実施形態2として、ロール状にまかれた金属材料から金属円筒部材3を連続的に製造するための製造工程を説明する。
図11は、実施形態2の搬送ローラーの製造工程を説明するためのフローチャートである。図12は、説明の便宜上、成形型や成形装置は省略し、実施形態2の各工程における成形品の形状だけを抜き出して示した模式図である。ロール状にまかれた金属材料91から金属円筒部材104が得られるまでの各段階における成形品の形状を示している。
次に、実施形態2として、ロール状にまかれた金属材料から金属円筒部材3を連続的に製造するための製造工程を説明する。
図11は、実施形態2の搬送ローラーの製造工程を説明するためのフローチャートである。図12は、説明の便宜上、成形型や成形装置は省略し、実施形態2の各工程における成形品の形状だけを抜き出して示した模式図である。ロール状にまかれた金属材料91から金属円筒部材104が得られるまでの各段階における成形品の形状を示している。
まず、金属板プリフォーム打ち抜き工程S11により、原料となる連続した金属材料91から、連続した金属板プリフォーム95を打ち抜き加工により得る。打ち抜いた金属板プリフォーム95は、後で容易に切断可能な接続部93を介して、予め加工されている位置決め穴92の位置において保持枠94とつながっている。
次に、溝形成工程S12を実施し、金属板プリフォーム95に溝を形成して溝形成中間成形品96を得る。
次に、余剰体積調整工程S13を実施し、溝形成中間成形品96から余剰となった部分を除去して溝付き金属板プリフォーム97を得る。
次に、溝形成工程S12を実施し、金属板プリフォーム95に溝を形成して溝形成中間成形品96を得る。
次に、余剰体積調整工程S13を実施し、溝形成中間成形品96から余剰となった部分を除去して溝付き金属板プリフォーム97を得る。
次に、U曲げ成形工程S14を実施し、3段階の端部曲げ工程と1段階の中央部曲げ工程を順次行うことにより、U曲げ第1中間成形品98、U曲げ第2中間成形品99、U曲げ第3中間成形品100、U曲げ最終成形品101が順に形成される。
次に、O曲げ成形工程S15を実施し、2段階のO曲げ工程により、O曲げ中間成形品102、O曲げ最終成形品103が順に形成される。
次に、被覆工程S16を実施し、接続部93を切断して取り出した金属円筒部材104に高摩擦材料を被覆し、搬送ローラーを完成させる。
次に、O曲げ成形工程S15を実施し、2段階のO曲げ工程により、O曲げ中間成形品102、O曲げ最終成形品103が順に形成される。
次に、被覆工程S16を実施し、接続部93を切断して取り出した金属円筒部材104に高摩擦材料を被覆し、搬送ローラーを完成させる。
本実施形態の搬送ローラーも、実施形態1と同様に曲げ加工された金属板の端面どうしが、内周面と外周面の間において隙間なく当接しているため、ノッチ効果によりこの付近の局所に応力が集中してねじり強度が低下してしまうことがない。本実施形態の搬送ローラーは、ねじり強度が高いため、駆動時に変形して紙送り精度が悪化したり、ジャム等のトラブルが発生した時に紙詰まりを取り出す際の負荷により変形してしまうことがない。
また、溝部の両側面が当接して第二の界面が形成されるまで曲げることにより、搬送ローラーのねじり強度を確保しながら外周面の真円度を高めることができる。すなわち、本実施形態の搬送ローラーも、円筒の内面側に第二の界面を備えているため、ねじり強度を確保しながら外周面7の形状精度を高くすることができ、製造歩留まりが高い。
[他の実施形態]
なお、本発明は、以上説明した実施形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。
例えば、第二の界面の位置や数は、第一の界面を基準に見て周方向の開角が90度以内の範囲であれば、適宜設定することが可能である。また、第二の界面は、第一の界面を基準に見て周方向の片側のみに設けてもよいし、第二の界面の反対側に第二の界面と同様の形状の界面を第三の界面として設けてもよい。第三の界面を設ける場合には、第一の界面を基準に、第二の界面と線対称に配置するのが好ましい。
また、第二の界面を形成するためにプリフォームに溝を形成する方法は、凸条を型押しして反転転写する方法には限られず、切削や鋳造等の他の加工方法を用いてもよい。
なお、本発明は、以上説明した実施形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。
例えば、第二の界面の位置や数は、第一の界面を基準に見て周方向の開角が90度以内の範囲であれば、適宜設定することが可能である。また、第二の界面は、第一の界面を基準に見て周方向の片側のみに設けてもよいし、第二の界面の反対側に第二の界面と同様の形状の界面を第三の界面として設けてもよい。第三の界面を設ける場合には、第一の界面を基準に、第二の界面と線対称に配置するのが好ましい。
また、第二の界面を形成するためにプリフォームに溝を形成する方法は、凸条を型押しして反転転写する方法には限られず、切削や鋳造等の他の加工方法を用いてもよい。
また、本発明を実施した搬送ローラーを実装する印刷装置は、インクジェットヘッドを記録エンジンとするインクジェット式プリンタには限られない。電子写真式の複写機、レーザービームプリンタ、熱転写型プリンタ、昇華性染料プリンタをはじめとし、各種の記録エンジンを備えた印刷装置において、記録媒体を搬送する搬送ローラーとして好適に用いることができる。
1・・・印刷装置/2・・・搬送ローラー/3・・・金属円筒部材/4・・・被覆層/5・・・第一の界面/6・・・内周面/7・・・外周面/8・・・第二の界面/9・・・凸部/23・・・溝
Claims (14)
- 金属を材料とする円筒部材を備えた搬送ローラーにおいて、
前記円筒部材は、
中心軸と直交する面で切った断面において、内周面と外周面を連絡するように径方向に沿って延在する第一の界面と、
前記第一の界面とは離間し、前記内周面と前記外周面の間の一部分のみに径方向に沿って延在する第二の界面と、を備える、
ことを特徴とする搬送ローラー。 - 前記第二の界面の径方向の長さは、前記円筒部材の肉厚の50%以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載の搬送ローラー。 - 前記内周面は、前記第一の界面との交差部において、前記中心軸に向かって突出している、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の搬送ローラー。 - 前記第二の界面は、前記第一の界面を基準に見て、周方向の開角が90度以内の位置に設けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の搬送ローラー。 - 前記第一の界面を基準に見て、前記第二の界面とは反対側に、前記第一の界面とは離間し、前記中心軸と平行に前記内周面と前記外周面の間の一部分のみに径方向に沿って延在する第三の界面を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の搬送ローラー。 - 前記円筒部材の外周面に、高摩擦材料の被覆層を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の搬送ローラー。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の搬送ローラーと、
記録エンジンと、を備える、
ことを特徴とする印刷装置。 - 板状の金属材の一方の主面に、側端面と平行な溝を形成する溝形成工程と、
前記溝が形成された主面が凸型と対向する向きになるよう前記金属材を凸型と凹型の間に配置し、前記凸型と前記凹型とで挟んで型締めし、U字状金属板を形成するU曲げ工程と、
前記U字状金属板を一対の凹型で挟んで型締めして円筒部材に成形し、両側の前記側端面を当接させて前記円筒部材の中心軸と平行に内周面と外周面を連絡するように径方向に沿って延在する第一の界面を形成するとともに、前記溝の両側の側面を当接させて、前記中心軸と平行に前記内周面と前記外周面の間の一部分のみに径方向に沿って延在する第二の界面を形成するO曲げ工程と、を有する、
ことを特徴とする搬送ローラーの製造方法。 - 前記溝形成工程は、
前記金属材を平面型と凸条を有する凸条型で挟み、前記凸条を前記金属材に反転転写して前記溝を形成する工程と、
前記溝を形成した前記金属材の端部を除去する工程と、を有する、
ことを特徴とする請求項8に記載の搬送ローラーの製造方法。 - 前記U曲げ工程は、
前記金属材を第一凸型と第一凹型とで挟んで型締めし、前記金属材の端部を曲げる工程と、
前記金属材を第一凸型と第一凹型とは異なる金型で挟んで型締めし、前記金属材の中央部を曲げる工程と、を含む、
ことを特徴とする請求項8または9に記載の搬送ローラーの製造方法。 - 前記金属材の端部を曲げる工程は、前記第一凸型と前記第一凹型とで挟んで型締めした後、曲げ幅がより大きな第二凸型と第二凹型とで挟んで型締めして前記端部を曲げる工程を含む、
ことを特徴とする請求項10に記載の搬送ローラーの製造方法。 - 前記O曲げ工程は、前記内周面が前記第一の界面との交差部において、前記中心軸に向かって突出するように曲げる工程である、
ことを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の搬送ローラーの製造方法。 - 帯状金属材料から、接続部でつながった前記板状の金属材を打ち抜く工程と、
前記接続部でつながった前記板状の金属材に前記U曲げ工程及び前記O曲げ工程を施して前記接続部でつながった前記円筒部材を成形する工程と、
前記接続部から前記円筒部材を切り離す工程と、を有する、
ことを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載の搬送ローラーの製造方法。 - 前記O曲げ工程の後、前記円筒部材の外周面に高摩擦材料を被覆する被覆工程を有する、
ことを特徴とする請求項8乃至13のいずれか1項に記載の搬送ローラーの製造方法。
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---|---|---|---|
JP2019083164A JP2020179958A (ja) | 2019-04-24 | 2019-04-24 | 搬送ローラー、印刷装置、及び搬送ローラーの製造方法 |
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JP2020179958A true JP2020179958A (ja) | 2020-11-05 |
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JP (1) | JP2020179958A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7471890B2 (ja) | 2020-03-27 | 2024-04-22 | 株式会社アマダ | 曲げ加工方法 |
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2019
- 2019-04-24 JP JP2019083164A patent/JP2020179958A/ja active Pending
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