JP2020179471A - 流路加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】バリの発生が抑制され工数が低減された流路加工方法を提供する。【解決手段】ワークWに加工された垂直流路11の先端部に接続される水平流路の下穴を右ねじれドリル50を時計回りR1に回転させて穴あけし、右ねじれドリルよりも大径の左ねじれRドリル60を反時計回りR2に回転させ下穴21Aを切削する。ワークWは、ステンレス合金製である。【選択図】 図2
Description
本発明は、バルブ装置等の流体機器や流体機器と接続される流路部材に形成される流路の加工方法に関する。
ダイヤフラムバルブやマスフローコントローラ等の流体機器や、流体機器と接続されるブロック継手等の流路部材に流路が形成されるが、例えば、特許文献1等に開示されているように、垂直方向に延びる垂直流路と水平方向に延びる水平流路とが接続された流路が多用される。
このような方向の異なる流路が接続された流路の加工は、例えば、次のような手順で行われる。
先ず、垂直流路については、ボディとなるワークにセンタードリルでもみつけを行い、ドリルで下穴を穴あけしたのち、先端部に円弧状の切れ刃を有するRドリルで下穴を切削し、先端部がR形状のリーマで仕上げ加工を行う。水平流路についても同様に、センタードリルでもみつけを行い、垂直流路の先端部と接続するようにドリルで下穴を穴あけし、Rドリルで下穴を切削したのち、先端部がR形状のリーマで仕上げ加工を行い、流路表面を平滑化する。これにより、垂直流路と水平流路とが円弧状の湾曲面で接続された流路が形成される。
このような方向の異なる流路が接続された流路の加工は、例えば、次のような手順で行われる。
先ず、垂直流路については、ボディとなるワークにセンタードリルでもみつけを行い、ドリルで下穴を穴あけしたのち、先端部に円弧状の切れ刃を有するRドリルで下穴を切削し、先端部がR形状のリーマで仕上げ加工を行う。水平流路についても同様に、センタードリルでもみつけを行い、垂直流路の先端部と接続するようにドリルで下穴を穴あけし、Rドリルで下穴を切削したのち、先端部がR形状のリーマで仕上げ加工を行い、流路表面を平滑化する。これにより、垂直流路と水平流路とが円弧状の湾曲面で接続された流路が形成される。
上記したような流路加工方法では、垂直流路を加工したのち、水平流路をドリルおよびRドリルで加工したとき、垂直流路と水平流路が接続される接続部の交差稜線部付近にバリが発生する。ワークの材料としてステンレス合金を用いると、特に、硬くて大きなバリが発生し得る。このようなバリが存在する状態でリーマ仕上げをすると、仕上げ時間が長くなる。また、仕上げ時間が長くなることで、ワークが傷つき不良品となってしまう可能性がある。このため、従来においては、交差稜線部付近のバリを手作業で除去する必要があり、工数の増加を招いていた。
本発明の一の目的は、バリの発生が抑制され工数が低減された流路加工方法を提供することにある。
本発明の流路加工方法は、第1の方向に延在する第1の流路と、前記第1の方向と交差する第2の方向に延在し、かつ、前記第1の流路と接続された第2の流路とを有する流路をワークに形成する流路加工方法であって、
前記ワークに加工された第1の流路に接続される前記第2の流路の下穴を第1のドリルで穴を開ける第1工程と、
前記第1のドリルとねじれが逆の第2のドリルで前記下穴を切削する第2工程と、を有する。
好適には、前記第2ドリルは、前記第1ドリルよりも大径である。
前記ワークに加工された第1の流路に接続される前記第2の流路の下穴を第1のドリルで穴を開ける第1工程と、
前記第1のドリルとねじれが逆の第2のドリルで前記下穴を切削する第2工程と、を有する。
好適には、前記第2ドリルは、前記第1ドリルよりも大径である。
好適には、前記第1の流路と第2の流路との接続部は、円弧状に湾曲した湾曲面を有し、
前記第2工程において、前記第2ドリルとして、先端部に円弧状の切れ刃を有するRドリルを用いて前記下穴を切削するとともに、前記湾曲面を切削する、構成を採用できる。より好適には、前記ワークは、ステンレス合金製である。
前記第2工程において、前記第2ドリルとして、先端部に円弧状の切れ刃を有するRドリルを用いて前記下穴を切削するとともに、前記湾曲面を切削する、構成を採用できる。より好適には、前記ワークは、ステンレス合金製である。
本発明によれば、ワークに加工された第1の流路の先端部に接続される第2の流路の下穴を右ねじれドリルを時計回りに回転させて穴あけしたのち、右ねじれドリルよりも大径の左ねじれドリルを反時計回りに回転させて下穴を切削することで、接続部の交差稜線部付近にバリがほとんど発生させない。この結果、バリ取り工程が省略できて、工数削減が可能となる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。なお、本明細書および図面においては、機能が実質的に同様の構成要素には、同じ符号を使用することにより重複した説明を省略する。
先ず、本発明の実施形態に係る流路加工方法を説明する前に、図4を参照して従来におけるバリの発生状況について説明する。
図4における流路の加工は、先ず、例えば、ステンレス合金で形成されているワークWに垂直流路11を加工する。具体的には、ワークWの上面にセンタードリルを用いてもみつけを施し、次いで、垂直方向に右ねじりのドリルを用いて下穴を加工したのち、先端部に円弧状の切れ刃を有するRドリルで下穴を切削し、先端部がR形状のリーマで仕上げ加工を行う。水平流路21についても同様に、センタードリルでもみつけを行い、垂直流路の先端部と接続するようにドリルで下穴を穴あけし、Rドリルで下穴を切削する。
先ず、本発明の実施形態に係る流路加工方法を説明する前に、図4を参照して従来におけるバリの発生状況について説明する。
図4における流路の加工は、先ず、例えば、ステンレス合金で形成されているワークWに垂直流路11を加工する。具体的には、ワークWの上面にセンタードリルを用いてもみつけを施し、次いで、垂直方向に右ねじりのドリルを用いて下穴を加工したのち、先端部に円弧状の切れ刃を有するRドリルで下穴を切削し、先端部がR形状のリーマで仕上げ加工を行う。水平流路21についても同様に、センタードリルでもみつけを行い、垂直流路の先端部と接続するようにドリルで下穴を穴あけし、Rドリルで下穴を切削する。
図4は、水平流路21をRドリルで加工したのちであって、リーマで仕上げ加工を行う前の状態を示している。図4から分かるように、垂直流路11と水平流路21の接続部の外側コーナー部C2は円弧形状の湾曲面に形成されている。接続部の内側コーナー部C1付近には、比較的大きなバリBRが形成され、垂直流路11と水平流路21とが交差する交差稜線部C3にもバリBRが形成されている。このようなバリBRは、Rドリルの形状に依存して形成される。バリBRが存在すると、その後のリーマ仕上げにおいて、適切な仕上げ加工ができない可能性があるので、リーマ仕上げの前に除去する必要がある。
バリBRは、加工硬化を起こしているため、比較的硬く、除去するのが容易ではない。バリ取り作業に多大な工数を要する。
ステンレス合金は、熱伝導性が低く切削時に発生する熱が工具刃先に集中するため、工具寿命が短く難削材である。また、ステンレス合金は、加工硬化現象の発生しやすい被削材である。
バリBRは、加工硬化を起こしているため、比較的硬く、除去するのが容易ではない。バリ取り作業に多大な工数を要する。
ステンレス合金は、熱伝導性が低く切削時に発生する熱が工具刃先に集中するため、工具寿命が短く難削材である。また、ステンレス合金は、加工硬化現象の発生しやすい被削材である。
次に、図1〜図3を参照して、本発明の実施形態に係る流路加工方法を説明する。
図1に示すように、図4で説明したのと同様に、垂直流路11を加工し、リーマ仕上げする。
次いで、図2に示すように、ワークWの側面にセンタードリルを用いてもみつけを施し、次いで、ワークWに加工された垂直流路11の先端部に接続される水平流路21の下穴を右ねじれドリル50を時計回りR1に回転させて穴あけする。
図1に示すように、図4で説明したのと同様に、垂直流路11を加工し、リーマ仕上げする。
次いで、図2に示すように、ワークWの側面にセンタードリルを用いてもみつけを施し、次いで、ワークWに加工された垂直流路11の先端部に接続される水平流路21の下穴を右ねじれドリル50を時計回りR1に回転させて穴あけする。
図2に示すように、右ねじれドリル50で水平流路21の下穴21Aを加工すると、接続部の内側コーナー部にバリBRが形成される。この状態で、右ねじれドリル50よりも大径の左ねじれのRドリル60を反時計回りR2に回転させ下穴21Aを切削する。左ねじれのRドリル60は、特注品であり、先端部に円弧状の切れ刃60Rを有している。この切れ刃60Rにより、図3に示すように、垂直流路11と水平流路21の接続部の外側コーナー部C2の円弧状の湾曲面が加工される。
また、内側コーナー部C1付近には、バリが発生せず、加えて、垂直流路11と水平流路21の交差稜線部C3にもバリが発生しない。
また、内側コーナー部C1付近には、バリが発生せず、加えて、垂直流路11と水平流路21の交差稜線部C3にもバリが発生しない。
左ねじれのRドリル60の代わりに左ねじれの汎用ドリルを用いることで、バリの発生を抑制できるが、左ねじれのRドリル60を用いることで外側コーナー部C2の円弧状の湾曲面を同時に加工でき、工数を削減できる。
図3に示すように、左ねじれのRドリル60を用いて水平流路21を加工したのち、R形状の先端部70Rをもつストレートリーマ70を用いて水平流路21をリーマ仕上げする。バリがほとんど発生していない状態でリーマ仕上げができるので、仕上げ時間を短縮することができる。
なお、その後に、電解研磨等の研磨工程を経て流路の加工は終了するが、詳細説明は省略する。
なお、その後に、電解研磨等の研磨工程を経て流路の加工は終了するが、詳細説明は省略する。
本実施形態では、ワークWにステンレス合金を用いた場合を例示したが、これに限定されるわけではなく、バリの発生しやすい材料であれば、本発明を適用できる。
本実施形態では、垂直流路と水平流路が交差する流路について例示したが、これに限定されるわけではなく、直交せずに交差する流路、例えば、V状流路についても本発明を適用可能である。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。
11 :垂直流路(第1の流路)
21 :水平流路(第2の流路)
21A :下穴
50 :ドリル
60 :Rドリル
60R :切れ刃
BR :バリ
C1 :内側コーナー部
C2 :外側コーナー部
C3 :交差稜線部
R1 :時計回り
R2 :反時計回り
W :ワーク
21 :水平流路(第2の流路)
21A :下穴
50 :ドリル
60 :Rドリル
60R :切れ刃
BR :バリ
C1 :内側コーナー部
C2 :外側コーナー部
C3 :交差稜線部
R1 :時計回り
R2 :反時計回り
W :ワーク
Claims (5)
- 第1の方向に延在する第1の流路と、前記第1の方向と交差する第2の方向に延在し、かつ、前記第1の流路と接続された第2の流路とを有する流路をワークに形成する流路加工方法であって、
前記ワークに加工された第1の流路に接続される前記第2の流路の下穴を第1のドリルで穴を開ける第1工程と、
前記第1のドリルとねじれが逆の第2のドリルで前記下穴を切削する第2工程と、を有する流路加工方法。 - 前記第2ドリルは、前記第1ドリルよりも大径である、請求項1に記載の流路加工方法。
- 前記第1の流路と前記第2の流路との接続部は、円弧状に湾曲した湾曲面を有し、
前記第2工程において、前記第2ドリルとして、先端部に円弧状の切れ刃を有するRドリルを用いて前記下穴を切削するとともに、前記湾曲面を切削する、請求項2に記載の流路加工方法。 - 前記第2工程の後、前記第2の流路をリーマ加工する第3工程をさらに有する、請求項1ないし3のいずれかに記載の流路加工方法。
- 前記ワークは、ステンレス合金製である、請求項1ないし4のいずれかに記載の流路加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019084979A JP2020179471A (ja) | 2019-04-26 | 2019-04-26 | 流路加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2019084979A Pending JP2020179471A (ja) | 2019-04-26 | 2019-04-26 | 流路加工方法 |
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JP (1) | JP2020179471A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112975290A (zh) * | 2021-02-28 | 2021-06-18 | 沈阳富创精密设备股份有限公司 | 一种加工粗糙度Ra0.4交叉球形孔加工工艺 |
-
2019
- 2019-04-26 JP JP2019084979A patent/JP2020179471A/ja active Pending
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