JP2020178938A - 撮像装置およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 眼球の突発的な動きが生じた場合においても高精細なAO−OCT画像を取得する撮像装置を提供することにある。【解決手段】 撮像装置は、被検眼に照射された測定光の戻り光と参照光とを干渉させた干渉光に基づき、被検眼の断層画像を取得する画像取得手段と、取得手段により取得した複数の断層画像から重ね合わせ画像を生成するとき、参照断層画像に対する、重ね合わせ対象の複数の断層画像のそれぞれの位置ずれ量を求めるずれ取得手段と、位置ずれ量が所定の範囲の選択された複数の断層画像を重ね合わせして重ね合わせ画像を生成する生成手段とを有し、前記位置ずれ量が、測定光の光軸方向に交差する方向の位置ずれ量であることを特徴とする。【選択図】 図20
Description
本発明は、撮像装置およびその制御方法に関し、特に被検眼の眼底網膜の断層画像を取得する撮像装置およびその制御方法に関する。
被検眼の眼底網膜の断層画像を撮像する断層画像撮像装置(OCT:Optical Coherence Tomography)は、眼底網膜からの反射光(サンプル光)を参照光と干渉させた干渉縞の周波数を解析することにより断層画像を生成している。
特に、このような眼科用の撮像装置は、近年において、照射レーザの高NA化等によってさらなる高解像度化が進められている。しかしながら、眼底を撮像する場合には、角膜や水晶体等の眼の光学組織を通して撮像をしなければならない。そのため、高解像度化が進むに連れて、これら角膜や水晶体の収差が撮像画像の画質に大きく影響するようになってきた。
そこで、補償光学(AO:Adaptive Optics)技術を用いて、被検眼の角膜や水晶体等の眼の光学組織によって乱された測定光及び反射光の波面を補正して微細な構造を撮像する技術が知られている。OCTにおいてもAO技術を用いて視細胞を解像できる解像力を有するOCTが開発されている。
視細胞が解像できる程度の高精細なOCT画像を撮像する場合、通常の解像度のOCT画像よりも被検眼の動きによるモーションアーティファクトの影響を受けやすい。また、画質向上のために複数のBスキャン画像を重ね合わせた断層画像を生成するためには、正確に同じライン上を測定光で走査することにより撮像した複数のBスキャン画像が必要になるため、精度の高いトラッキングが求められる。
この場合、AO−OCT画像の撮像時のトラッキングために撮像する動き検知用の画像にも、AO−OCT画像と同等の解像力が求められる。そのため、AO−SLO(Scanning Laser Ophthalmoscope)で撮像したAO−SLO画像を用いる必要がある。しかし、マイクロサッケードと呼ばれる突発的な動きが生じるとトラッキングの動作が追い付かず、異なるライン上(位置ずれ)でBスキャン画像が取得されてしまうことがある。位置ずれが生じたBスキャン画像を重ね合わせに含めた場合、ぼけた画像が生成されてしまうため、位置ずれ量に応じて重ね合せする画像を選択する必要があった。
特許文献1では、断層画像の類似度に基づき重ね合わせする画像を選択する技術が開示されている。しかし、この場合、走査するラインに直交する方向に位置ずれが発生した場合には、位置ずれ量の特定が困難となる課題が生じる。また、特許文献2の装置は固視微動を計測し、トラッキング誤差(追尾誤差)を予測して走査位置を決定させる技術が開示されているが、やはり先述の課題を解決する手段は開示されていない。
先述の課題を鑑み、本発明はノイズとぼけを抑えたAO−OCT画像を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の撮像装置は、被検眼に照射された測定光の戻り光と参照光とを干渉させた干渉光に基づき、前記被検眼の断層画像を取得する画像取得手段と、前記取得手段により取得した複数の断層画像から重ね合わせ画像を生成するとき、参照断層画像に対する、重ね合わせ対象の複数の断層画像のそれぞれの位置ずれ量を求めるずれ取得手段と、前記位置ずれ量が所定の範囲の選択された複数の断層画像を重ね合わせして重ね合わせ画像を生成する生成手段とを有し、前記位置ずれ量が、前記測定光の光軸方向に交差する方向の位置ずれ量であることを特徴とする。
本発明によれば、ノイズとぼけを抑えたAO−OCT画像を提供することができる。
本発明の一実施形態について図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。以下の説明は本質的に、説明的及び例示的なものにすぎず、いかなる形でも、本開示及びその用途又は使用を限定することを意図していない。実施形態において示されるコンポーネントの相対的構成、並びに、ステップ、数値表現及び数値は、別段の具体的な指示がない限り、本開示の範囲を限定しない。当業者によってよく知られている技法、方法及びデバイスは、以下で論考する実施形態を可能にするために当業者がこれらの詳細を知る必要がないので、詳細に論考されていない場合がある。
[第1の実施形態]
本実施形態の装置により撮像できるものは、例えば、被検眼の眼底の網膜の断層画像である。
本実施形態の装置により撮像できるものは、例えば、被検眼の眼底の網膜の断層画像である。
(装置構成)
本実施形態に係るフーリエドメイン方式の光干渉断層法を眼底断層画像の撮像装置に応用した例について、図1に示す撮像装置を用いて説明する。
本実施形態に係るフーリエドメイン方式の光干渉断層法を眼底断層画像の撮像装置に応用した例について、図1に示す撮像装置を用いて説明する。
図1は、本実施形態にかかる撮像装置であり、AO−OCT部、AO−SLO部、前眼部観察部、及び、固視灯部から構成される。なお、AO−OCT部とAO−SLO部との共通光学系であるサンプル光学系も含まれる。
AO−OCTの光源1は、AO−OCT測定光として低コヒーレンス光を発生させる光源である。本実施形態において光源1には、中心波長855nm、波長幅100nmのSLD(Super Luminescent Diode)光源を用いる。
光源1を発した光は、ファイバカプラ2によりサンプル光学系101、参照光学系102に分岐され、サンプル光学系101側に分岐された光は、アダプター3、ファイバ4を介してサンプル光学系101に導かれる。サンプル光学系101は、コリメータレンズ5、AO−SLO光学系と分岐する波長分離ミラーであるBS(ビームスプリッタ)6、波面検知光学系105へ光路を分岐するハーフミラーであるBS(ビームスプリッタ)7、ミラー8、凹面鏡9、形状可変ミラーであり波面補正に用いる波面補正措置であるDM(Defomable Mirror)10、凹面鏡11、OCT測定光とSLO測定光との分岐、合流を行う波長分岐ミラーであるBS(ビームスプリッタ)12、固定ミラー13、凹面鏡14、X方向に走査するガルバノミラー、MEMSミラー等のXスキャナ15、凹面鏡16、ミラー17a,17b、ミラー19、レンズ20、Y方向の走査を行うYスキャナ21、凹面鏡22、波長選択ミラーであり前眼部観察光学系106、固視灯光学系107との分岐を行うBS(ビームスプリッタ)23により構成される。ミラー17a,17bは一体となりステージ18により光軸方向に移動自在に構成されており、サンプル光学系のフォーカス調整を行う。
光源24は、AO−SLO測定光を発する、LD(Laser Diode)光源、SLD光源、LED(Light Emitting Diode)光源等の光源であり、AO−OCT測定光とは、波長が異なる。本実施形態においては、中心波長760nm、波長幅10nmのSLD光源を用いる。光源24を発した光は、ファイバアダプタ25を介して、ファイバ26に導かれAO−SLO投影光学系103に導かれる。AO−SLO投影光学系103は、コリメータレンズ27、BS28、フォーカス調整用レンズ29,30、ミラー31、BS6を経て、サンプル光学系101のAO−OCT光路に合流し、前述の通りの経路を介してBS12に達する。
なお、BS28は、AO−SLO投影光学系とAO−SLO受光光学系の光路を分岐するために10%の光は透過し、90%の光を反射するハーフミラーである。また、BS6は、AO−SLO測定光は透過し、AO−OCT測定光は反射する波長分岐ミラーである。
BS12は、後述するようにAO−OCT測定光は反射し、AO−SLO測定光は透過する波長分岐ミラーであり、AO−SLO測定光は透過し、高速なスキャナである高速スキャナ32で反射され再びBS12により、AO−OCT測定光に合流する。その後は、AO−OCTサンプル光学系と共通でありBS(ビームスプリッタ)23までが、AO−SLO投影光学系を構成する。AO−SLO受光光学系104は、BS28の反射方向に配置され、レンズ33、共焦点絞り34、APD(Avalanche Photo Diode)から成る受光素子35により構成される。受光素子35は共焦点絞り34を介して眼底からの戻り光を受光する。
高速スキャナ32としては、8kHから16kHz程度で往復スキャンできる共振スキャナやMEMS(Micro Electro Mechanical System)スキャナを用いることができる。但し、これらの高速スキャナは、振り角は調整できるものの、走査の中心角度を変更することはできない。そのためトラッキングのため、または、撮像範囲を移動するためには別途スキャナを用意する必要がある。
また、AO−OCT測定光の眼底上で結像する照射位置は、AO−SLO測定光の高速スキャナが振り角0の状態での眼底上で結像する照射位置に、略同一になるように調整されている。
参照光学系102は、コリメータレンズ36、濃度可変フィルタ37、ミラー38、39、40、41、コーナキューブミラーであるCQ42、ミラー43により構成される。CQ42は、反射面が直交する3面で構成され、ステージ44上に配置され、±100mm程度移動可能である。これにより、被検眼の眼軸長の差、サンプル光学系のステージ18の移動によるAO−OCT測定光のフォーカス調整による光路長の変化に対応する。
分光器108の光学系は、コリメータレンズ46、グレーティング等の分光部材47、結像レンズ48によりラインセンサ49に干渉光が結像させる。
波面検知光学系105は、ミラー55、レンズ56、眼底共役絞り57、レンズ58、特性の異なる複数の光学フィルタが挿入離脱可能に構成されているターレットユニット60、波面検知手段であるハルトマンシャックセンサー等の波面センサ61により構成される。絞り57は、眼底からの戻り光以外の不要な光が波面センサ61に入るのを防止する。
前眼部観察光学系106はカメラ51を有し、前眼部照明光源52により照明された前眼部画像を撮像する。
固視灯投映光学系107は有機EL、液晶表示装置等の固視灯提示部54を有し、固視灯提示部54に指標を表示することにより、レンズ53、可視光を透過する波長分岐ミラーであるBS50、BS23を介して被検眼に固視目標を提示する。
また、62はPCであり、後述するように上述の各部を制御する。
(X方向走査部)
図13に、X方向走査部の構成を示す。図1と同じ構成は同一符号である。BS12は、波長分岐ミラーであり、波長805nm〜905nmのAO−OCT測定光は反射し、波長750nm〜770nmのAO−SLO測定光は透過する。この透過特性は、屈折率の異なる複数種類の誘電体多層膜を30〜70層程度、既知の方法により真空蒸着することにより得られる。この多層膜は、入射側の表面に施されている。
図13に、X方向走査部の構成を示す。図1と同じ構成は同一符号である。BS12は、波長分岐ミラーであり、波長805nm〜905nmのAO−OCT測定光は反射し、波長750nm〜770nmのAO−SLO測定光は透過する。この透過特性は、屈折率の異なる複数種類の誘電体多層膜を30〜70層程度、既知の方法により真空蒸着することにより得られる。この多層膜は、入射側の表面に施されている。
BS12の表面12aの領域141の多層膜に達したAO−OCT測定光は、図13における上方に反射され固定ミラー13に達する。ミラー13の表面13aには、既知の反射防止膜が蒸着されており反射率は、0.3%以下である。したがってAO−OCT測定光は、表面13aで屈折され基板内に入り、裏面13bに達する。ミラー13基板は、石英ガラス、光学ガラスのBK7等であり屈折率1.5程度を有する。裏面13bには、銀、金、アルミ等の金属膜が蒸着されている。
この膜によりAO−OCT測定光は反射され、再び基板中を透過し、ミラー面13aから空気中に出てBS12の表面12aの領域142の多層膜に達し、反射されAO−SLO測定光と合流する。AO−OCT測定光は、ミラー13の表面13aで屈折されて基板内を透過することにより非点収差の影響をうける。
AO−SLO測定光は、表面12aの領域141の多層膜を透過、屈折してBS12の基板内に入射する。この基板もミラー13同様 石英ガラス、光学ガラスのBK7等である。そして裏面12bより再び屈折されて空気中に出る。裏面12bには、既知の反射防止膜が施されている。この反射防止膜は、AO−SLO測定光及びAO−OCT測定光の反射率が、0.3%以下である。これによりゴースト、フレアーの発生を低減することができる。
また透過光は、平行平板でもあるBS12を斜めに透過することにより非点収差の影響を受ける。空気中に出たAO−SLO測定光は高速スキャナ32の可動部のミラーにより反射され可動部のミラーの角度により異なる方向に走査される。高速スキャナ32の可動部のミラーは平面鏡であり、表面に銀、銅、アルミ等の金属膜が施され、その上に誘電体多層膜の保護膜が施される。AO−SLO測定光はこの金属膜面で反射される。そして再びBS12の領域142の反射防止面12bにより屈折され基板内を通り表面12aの多層膜より空気中に出て進行する。
なお、AO−OCT測定光とAO−SLO測定光のX方向走査部への入射光路が、AO−OCT測定光の戻り光とAO−SLO測定光の戻り光のX方向走査部からの出射光路となる。また、AO−OCT測定光とAO−SLO測定光のX方向走査部からの出射光路が、AO−OCT測定光の戻り光とAO−SLO測定光の戻り光のX方向走査部への入射光路となる。
また、AO−OCT測定光、AO−SLO測定光に対し、DM10、波面センサ61、Xスキャナ15、Yスキャナ21、および被検眼の瞳が共役になり、眼底の投影位置も一致するように高速スキャナ32、BS12、ミラー13の間隔及び角度が調整されている。これによりAO−OCT測定光、AO−SLO測定光の収差を一つのDM10で良好に補正可能である。
以上の構成により、AO−OCT測定光の光束に影響を与えることなく、AO−OCT画像の撮像範囲を中心とする眼底の正面画像を得ることができるため、この画像を用いて精度の高いトラッキングを行うことができる。
(撮像方法)
次に、上述の構成の装置を用いて、被検眼Eの眼底Erの同一領域を、複数回走査し、重ねあわせ画像を作成するためのAO−OCT画像を撮像して取得する方法を、図2と図14を用いて説明する。図2は撮像時のPC62のモニタに表示される表示画面を示す図であり、図14は撮像時のフローチャートである。
次に、上述の構成の装置を用いて、被検眼Eの眼底Erの同一領域を、複数回走査し、重ねあわせ画像を作成するためのAO−OCT画像を撮像して取得する方法を、図2と図14を用いて説明する。図2は撮像時のPC62のモニタに表示される表示画面を示す図であり、図14は撮像時のフローチャートである。
被検眼Eを本装置の前に配置する。前眼部照明光源52により照明された被検眼の前眼部からの反射光は、BS50により反射され、前眼部観察カメラ51により撮像され、PC62のモニタ70の前眼部像表示領域80に表示される。撮像者は、この前眼部像を見て、表示領域80の中心に被検眼の瞳孔像の中心が位置し、虹彩の模様が明瞭に見えるように、不図示のアライメント機構を用いて、光学系と被検眼の瞳孔との位置合わせを行う(ステップS151)。
アライメントが終了したら、撮像者はモニタ上のAO−SLO画像(眼底平面画像とも言う)の撮像の開始スイッチ71を操作する。このスイッチ入力を検知したPC62は、AO−SLO光源24を点灯し、高速スキャナ32、Yスキャナ21を駆動し、AO−SLO測定光による眼底のラスタスキャンを開始する(ステップS152)。
このようにして照明された眼底Erでの反射、散乱光は、AO−SLOサンプル光学系を戻り、10%の光はBS7を透過し、眼底共役絞り57を介して波面センサ61に達する。BS7により反射された90%の光は、BS6を透過し、BS28により90%の光は反射され、レンズ33により共焦点絞り34に集光され、共焦点絞り34を通過した光は、APD、PMT等の受光素子35に達する。受光素子35で受光した光量に応じた電圧信号に基づいて、PC62が画像データを生成し、モニタ70上のAO−SLO画像の表示領域81に眼底の正面画像として表示される。
撮像者は、この画像を見ながら、フォーカススイッチ72を操作しフォーカス調整を行う。フォーカススイッチ72への入力を検知したPC62は、ミラー17a、17bを一体に光軸方向に動かすためにステージ18の駆動部を制御する。これにより光学系内の眼底共役位置が変化しフォーカスを所望の深さ位置に合わせることができる(ステップS153)。これは、バダル(Badal)光学系と呼ばれるもので、瞳の結像関係は維持される。これにより表示領域81には所望の深さのAO−SLO画像が表示される。
さらに撮像者は、固視灯操作スイッチ73を操作し所望の領域の眼底画像が撮像されるように被検眼の固視を誘導する(ステップS154)。
(収差補正)
一定レベル以上の信号強度のAO−SLO画像が安定して得られることをPC62が検知すると収差補正(AO)動作を開始する。眼底からの反射光の一部は、BS7を透過し波面センサ61に達し、波面センサ61の出力データはPC62に送られる。波面センサ61は、受光素子の前にレンズアレイが配置されているため、出力画像は、スポットが碁盤の目状(格子状)に整列した画像である。被検眼に収差があると、これらのスポット位置が変化する。この各々のスポットのずれる方向、ズレ量を解析し波面収差を求める(ステップS155)。
一定レベル以上の信号強度のAO−SLO画像が安定して得られることをPC62が検知すると収差補正(AO)動作を開始する。眼底からの反射光の一部は、BS7を透過し波面センサ61に達し、波面センサ61の出力データはPC62に送られる。波面センサ61は、受光素子の前にレンズアレイが配置されているため、出力画像は、スポットが碁盤の目状(格子状)に整列した画像である。被検眼に収差があると、これらのスポット位置が変化する。この各々のスポットのずれる方向、ズレ量を解析し波面収差を求める(ステップS155)。
PC62は、この波面収差を補正するために、収差補正デバイスであるDM10を構成する微小ミラーをそれぞれ変位させるパターンを求める。PC62は、このパターンにしたがってDM10の微小ミラーの駆動を制御し収差を補正する(ステップS156)。
AO−SLO測定光の収差補正により、眼底に投影されるスポット径が小さくなり、同時に、共焦点絞りに結像するスポット径も小さくなるため受光素子35の受光する光量は大きくなる。それにより、PC62のモニタ70上のAO−SLO画像の表示領域81には解像度の高い視細胞像が明瞭に表示される。なお、線81aは、AO−OCT画像の撮像位置を示している。
(AO−OCT撮像)
次に撮像者は、スイッチ74を操作して、AO−OCT画像の撮像の開始を指示する(ステップS157)。スイッチ74への入力を検知したPC62は、AO−OCT光源1を点灯する。これによりカプラ2でサンプル光学系側に分岐されたAO−OCT測定光は、ファイバ4よりサンプル光学系に入射する。サンプル光学系に入ったAO−OCT測定光はコリメータレンズ5でコリメートされ、BS12に達する。前述の通りAO−OCT測定光は、BS12で反射され、さらに固定ミラー13で反射され、再びBS12で反射されることにより、AO−SLO測定光の光路に合流する。これにより、AO−OCT測定光は、高速スキャナ32の影響を受けることなく被検眼に達する。AO−OCT測定光の眼底により反射された反射光は、サンプル光学系を逆行し、BS12により反射されミラー13により反射され、再びBS12で反射され、ハーフミラーであるBS7に達する。BS7は、90%の光を反射し、10%の光を透過する透過特性を有する。BS7による反射光の10%は透過して、波面センサ61に向かい、反射光の残りの90%は、BS7とBS6で反射され、コリメータレンズ5によりファイバ4の端面に結像され、ファイバ4を通り、ファイバカプラ2に達する。
次に撮像者は、スイッチ74を操作して、AO−OCT画像の撮像の開始を指示する(ステップS157)。スイッチ74への入力を検知したPC62は、AO−OCT光源1を点灯する。これによりカプラ2でサンプル光学系側に分岐されたAO−OCT測定光は、ファイバ4よりサンプル光学系に入射する。サンプル光学系に入ったAO−OCT測定光はコリメータレンズ5でコリメートされ、BS12に達する。前述の通りAO−OCT測定光は、BS12で反射され、さらに固定ミラー13で反射され、再びBS12で反射されることにより、AO−SLO測定光の光路に合流する。これにより、AO−OCT測定光は、高速スキャナ32の影響を受けることなく被検眼に達する。AO−OCT測定光の眼底により反射された反射光は、サンプル光学系を逆行し、BS12により反射されミラー13により反射され、再びBS12で反射され、ハーフミラーであるBS7に達する。BS7は、90%の光を反射し、10%の光を透過する透過特性を有する。BS7による反射光の10%は透過して、波面センサ61に向かい、反射光の残りの90%は、BS7とBS6で反射され、コリメータレンズ5によりファイバ4の端面に結像され、ファイバ4を通り、ファイバカプラ2に達する。
(AO−OCT波面検知)
AO−OCTの撮像が開始されると、自動でターレットユニット60が駆動され、AO−SLOの光がカットされるフィルタが波面センサ61の前に挿入される。したがって、波面センサ61に達する光はAO−OCT測定光のみとなり、波面が検知される光が、AO−SLO測定光から、AO−OCT測定光に切り替わりAO−OCT測定光の波面収差が検知される(ステップS158)。ただし、AO−SLO投影光学系には、フォーカス調整レンズ29,30があり、AO−SLO測定光とAO−OCT測定光の波長の違いによるピントが合う位置の差は、フォーカス調整レンズ29,30により自動的に補正される。このように検知した波面収差をもとに前述と同様DM10の各ミラーの駆動量を演算し、DM10を駆動することにより波面収差を補正する(ステップS159)。これにより表示領域82に表示されるAO−OCT画像は、より明るくコントラストも改善されている。
AO−OCTの撮像が開始されると、自動でターレットユニット60が駆動され、AO−SLOの光がカットされるフィルタが波面センサ61の前に挿入される。したがって、波面センサ61に達する光はAO−OCT測定光のみとなり、波面が検知される光が、AO−SLO測定光から、AO−OCT測定光に切り替わりAO−OCT測定光の波面収差が検知される(ステップS158)。ただし、AO−SLO投影光学系には、フォーカス調整レンズ29,30があり、AO−SLO測定光とAO−OCT測定光の波長の違いによるピントが合う位置の差は、フォーカス調整レンズ29,30により自動的に補正される。このように検知した波面収差をもとに前述と同様DM10の各ミラーの駆動量を演算し、DM10を駆動することにより波面収差を補正する(ステップS159)。これにより表示領域82に表示されるAO−OCT画像は、より明るくコントラストも改善されている。
(参照光学系)
ファイバカプラ2により参照光学系側に分岐された参照光は、偏光調整器45で偏光状態がサンプル光学系の戻り光と合うように偏光調整され、参照光学系102に入り、参照光量調整用のND(Neutral Density)フィルタ37により適正な光量に調整される。そして、ミラー38,39,40,41で反射され、レトロリフレクタ42により反射された参照光は、ミラー41,40,39,38により反射され、ミラー43に達する。ミラー43により垂直に反射された光は、再び光路を逆行しカプラ2に戻る。
ファイバカプラ2により参照光学系側に分岐された参照光は、偏光調整器45で偏光状態がサンプル光学系の戻り光と合うように偏光調整され、参照光学系102に入り、参照光量調整用のND(Neutral Density)フィルタ37により適正な光量に調整される。そして、ミラー38,39,40,41で反射され、レトロリフレクタ42により反射された参照光は、ミラー41,40,39,38により反射され、ミラー43に達する。ミラー43により垂直に反射された光は、再び光路を逆行しカプラ2に戻る。
この参照光学系102からの参照光と、サンプル光学系の被検眼の眼底からの戻り光は、カプラ2で合流(合波)し干渉光として、分光器108に導かれる。分光器108に導かれた干渉光は、レンズ46でコリメートされ、回折格子等の分光手段47により分光されレンズ48によりラインセンサ49上に干渉波が結像する。ラインセンサ49の出力はPC62に送られ、A/D変換部62aでデジタルデータに変換されメモリ62bに記憶される。このデータは、固定パターンノイズの除去、波数変換の後、周波数解析等の既知の方法で演算され断層画像データが生成される。
(ゲート調整)
撮像者は、表示領域に所望の断層画像が表示されるように、図2に示す光路長調整スイッチ76を用いて参照光学系102の光路長を調整する。光路長調整スイッチ76への入力を検知したPC62は、入力に対応した方向にステージ44を駆動する。これによりレトロリフレクタ42は、光軸方向に移動し、光路長が変化する。そしてサンプル系の光路長と、参照系の光路長が略一致すると表示領域82に視細胞の断層画像が表示される(ステップS160)。
撮像者は、表示領域に所望の断層画像が表示されるように、図2に示す光路長調整スイッチ76を用いて参照光学系102の光路長を調整する。光路長調整スイッチ76への入力を検知したPC62は、入力に対応した方向にステージ44を駆動する。これによりレトロリフレクタ42は、光軸方向に移動し、光路長が変化する。そしてサンプル系の光路長と、参照系の光路長が略一致すると表示領域82に視細胞の断層画像が表示される(ステップS160)。
(スキャン)
この時、表示領域81には、同時に撮像されるAO−SLO画像が表示される。高速スキャナ32はOCT光学系を迂回して配置されているため、AO−OCT測定光はYスキャナ21でY方向(図3においては水平方向)にラインスキャンされるのみである。AO−SLO測定光は、Yスキャナ21によりY方向に、高速スキャナ32によりX方向(図3においては垂直方向)に走査される。そのため、図3に示すように、AO−OCT画像の取得位置である走査ライン302を上下方向の中心とする撮像範囲301のAO−SLO画像が取得される(ステップS161)。
この時、表示領域81には、同時に撮像されるAO−SLO画像が表示される。高速スキャナ32はOCT光学系を迂回して配置されているため、AO−OCT測定光はYスキャナ21でY方向(図3においては水平方向)にラインスキャンされるのみである。AO−SLO測定光は、Yスキャナ21によりY方向に、高速スキャナ32によりX方向(図3においては垂直方向)に走査される。そのため、図3に示すように、AO−OCT画像の取得位置である走査ライン302を上下方向の中心とする撮像範囲301のAO−SLO画像が取得される(ステップS161)。
図10に示す波形111は、高速スキャナ32のミラーの走査角度を表し、横軸は時間、縦軸は角度である。すなわち高速スキャナ32はX方向に高速で往復振動している。それと同時にYスキャナ21は、波形112に示すように、波形111よりも遅い周期で走査されている。画像取得は、高速スキャナの往路、復路ともに行われる。
図10に示す期間P1はAO−OCT画像を1フレーム、AO−SLO画像を1フレームの画像取得をする期間であり、P2は、Yスキャナ21の帰線期間であり、画像取得は行われない。すなわち、Yスキャナ21は、期間P1には、θ2から−θ2まで、連続的に変化し、期間P2には、−θ2から+θ2まで、期間P1の時の角速度よりも速い角速度で走査される。このような走査を繰り返して、AO−SLO部による二次元領域の撮像、AO−OCT部によるラインの撮像を行う。
(トラッキング)
被検眼の動き検知、撮像範囲の補正というトラッキングについて図16のフローチャートにより説明する。
被検眼の動き検知、撮像範囲の補正というトラッキングについて図16のフローチャートにより説明する。
AO−OCT画像の撮像を開始するとトラッキングの参照画像として図3の301に示すように、AO−SLO画像を1フレーム記録する(ステップS1621)。この時の画像サイズを400×400ピクセルとし縦400ラインの画像により構成される。高速スキャナ32のスキャン周波数を16kHzとすると往復で画像を取得するので、400ラインの画像を取得するのに12.5msecかかり、毎秒約70フレームの画像が得られる。図4に示すように、次のフレーム撮像時、所定ラインの画像を取得する毎に参照画像と相関演算を行い被検眼の動きを検知する。例えば本実施形態においては、20ライン分の信号でトラッキング画像402を作成する(ステップS1622)。これによりAO−OCT画像を1フレーム取得中に20回(=400/20)の位置検知が可能になる。それぞれのトラッキング画像は、取得されると直ちに参照画像301と相関演算を行い、シフト量(sf302_X,SF302_Y)を求める(ステップS1623)。被検眼の移動がなければ、N番目のトラッキング画像のシフト量は、(x,y)=(20×(n−1),0)になるので、N番目のトラッキング画像から求める被検眼の移動量は、(sf302_x−20N,SF302_y)となる(S1623)。
この移動量より、Xスキャナ15、Yスキャナ21のミラー回転角度を演算し(ステップS1631)、前述の通り求めた被検眼の動きに追随するようにXスキャナ15、Yスキャナ21を駆動する。Yスキャナ21は、所定の波形で駆動中であるため、駆動中心がオフセットされる。また、Xスキャナ15は、求められた量のオフセットのみを行う(ステップS1632)。
図11の波形121は、Yスキャナ21の角度変化を示し、図12の波形131はXスキャナ15の角度変化を示す。横軸は時間縦、縦軸は走査角度である。前述の通り一定時間ごとに被検眼の移動量を補正するための角度のシフト量が演算されるため、波形122に示すようにスキャン角度のシフトが行われる。そのあとは、波形123に示すように通常の角速度で走査が行われる。実線は、角度シフトを加えられたミラー角度を示し、破線は、角度シフトがない場合の、ミラー角度を示す。図12の波形131は、Xスキャナ15の角度変化を示し、横軸は時間である。Xスキャナ15は、被検眼の動きを補正するトラッキングにのみ使用されるため演算されたオフセット量のみ角度が変化する。
波形132に示すようなXスキャナ15の駆動中もAO−SLO画像の取得は行われるが、相関演算は、その部分を除いた画像で行われる。このようなトラッキング制御を続けることによりAO−OCT部は、同一ライン上の複数枚、所定枚数、例えば100枚程度の断層画像を得ることができる(ステップS1633)。
(AO−SLO画像に基づく重ね合せ)
これらの断層画像は同一領域(同一走査ライン)で得られた断層画像あり、これらの画像を重ね合わせることによりコントラストの高い(ノイズやぼけを抑えた)AO−OCT画像を作成することができる。ここで、重ね合わせ処理は、例えば、加算平均処理である。しかし、マイクロサッケードの発生や、固視が安定しない被検眼の場合、トラッキングの動作が追い付かず、同一領域(同一走査ライン)から得られる断層画像とならないことがある。そのような場合においても、本実施形態により好適な重ね合わせ画像を取得するための方法を、図16−19を参照しつつ説明する。
これらの断層画像は同一領域(同一走査ライン)で得られた断層画像あり、これらの画像を重ね合わせることによりコントラストの高い(ノイズやぼけを抑えた)AO−OCT画像を作成することができる。ここで、重ね合わせ処理は、例えば、加算平均処理である。しかし、マイクロサッケードの発生や、固視が安定しない被検眼の場合、トラッキングの動作が追い付かず、同一領域(同一走査ライン)から得られる断層画像とならないことがある。そのような場合においても、本実施形態により好適な重ね合わせ画像を取得するための方法を、図16−19を参照しつつ説明する。
図16は疾患を有する被検眼のAO−SLO画像1701、1706、1710およびAO−OCT画像1721、1728、1732である。図16(a)は疾患部位1705を含むAO−SLO画像1701を示し、AO−OCTの走査ライン1702を模式的に示している。走査ライン1702が疾患部位1705を横切るように撮像され、そのAO−OCT画像1721が図16(b)に示される。
位置ずれ指標1703は、AO−SLO画像1701の中心を原点とし、位置ずれ量に応じて移動する指標である。位置ずれ量は、基準となるAO−SLO参照画像に対する画像1701の撮像位置のずれ量であり、例えばAO−SLO参照画像との相関を計算した値を用いて得ることができる。ずれ量を画像の画素単位で表すと、撮像位置の変化とずれ位置の変化が一致するため、視認性が向上する。
図16(e)にAO−SLO参照画像1710の例を示す。位置ずれ量はゼロであり、位置ずれ指標1712は画像の中心である。このときの断層画像1732は走査ライン1711において取得され、断層方向に描出された疾患部位1735および疾患による構造1736が写っている。また、組織1733は網膜深層の構造であり、疾患の影響が少ない部位を指している。なお、図16(b)(d)の組織1722、1730も同様の部位である。
図16(a)に示す画像1701は、トラッキングの動作が追い付かず、位置ずれ指標1703が画像の中心位置からずれた位置にある。一方、AO−OCT画像1721は疾患部位1725および疾患による構造1726が撮像されており、AO−OCT参照画像(参照断層画像)1732と同様の部位が撮像された画像である。
図16(c)に示す画像1706もトラッキングの動作が追い付かない場合であり、ずれ位置1708は画像の中心からずれた位置にある。図7(d)に示す画像1728において、走査ライン1707が疾患部位1705を横切らない撮像ラインであるため、AO−OCT画像1728では疾患の影響を受けていない部位1729が撮像されている。
図17は100枚のAO−SLO画像でのX方向(高速スキャナ32の走査方向:主走査方向とも言う)の位置ずれ量の変化を破線1731で表すグラフである。横軸は画像番号であり、撮像で取得された画像の順番を示している。ピーク1732が位置ずれ指標1703、ピーク1733が位置ずれ指標1708のAO−SLO画像1701、1706の撮像時にそれぞれ対応する。なお、X方向はAO−OCTの走査ラインの交差(具体的には、直交)する方向であり、この方向に撮像位置が撮像対象の構造以上ずれた場合には断層画像を重ね合わせに用いることができない。一方、Y方向はAO−OCTの走査ラインに沿う方向(副走査方向とも言う)であり、AO−OCTの画像幅以上に撮像位置がずれない場合には、一部でも重ね合わせに用いることが可能である。
参照画像として良好にアライメントされている撮像開始直後の画像番号1のAO−OCT画像を用いることができる。さらには、画像の輝度値、コントラストが最も高いAO−OCT画像をAO−OCT参照画像(参照断層画像)としてもよい。
AO−OCT画像1721は位置ずれ量がゼロではないものの、AO−OCT参照画像1732と同様の部位を撮像しており、好適に重ね合わせに用いられる。一方、AO−OCT画像1728はAO−OCT参照画像1732とは異なる構造が写っており、重ね合わせに用いてもコントラストは向上しない。
重ね合わせに用いるかどうかを判断するため、位置ずれ量に基づいて複数の重ね合わせ画像を生成する。図18は許容する位置ずれ量に対する重ね合わせ枚数を示す四角マークを付した線1741とコントラストをしめす丸マークを付した線1742を表すグラフである。大きな位置ずれ量を許容するほど、重ね合わせ枚数は増加する。一方、コントラストは、位置ずれ量の許容値が低い画像の重ね合わせ時には向上するが、許容値が高くなると異なる撮像位置の画像が含まれるため低下する。適切な重ね合わせ枚数が存在し、コントラスト1742においてピークとなる重ね合わせ枚数を選択すればよい。
ただし、コントラストは位置ずれ量に対して必ずしも明確な最適値を持たないことがある。例えば、コントラスト1742におけるピーク1743とピーク1744のようにプラトーな特性を示し、どちらの重ね合わせ画像がより良いか判断できない場合がある。
このとき、コントラストの評価に加え、別の計算値に基づく評価を行っても良い。例えば、さらに画像の粒度を計算することで、ピーク1744での重ね合わせ枚数が適切であると評価することが可能である。
あるいは、位置ずれ量の許容値を複数設定し、それぞれに対する重ね合わせ画像を生成し、ユーザーに提示し、選択させることも可能である。図19は複数の重ね合わせ画像をユーザーに提示する画面1900である。画面1900には画像表示領域1901、1902があり、ユーザーは、しきい値選択ボタン1903を操作することで異なるしきい値に基づき重ね合わせ画像を生成することが指示可能である。しきい値情報表示領域1904にユーザーが選択したしきい値の情報(ずれ量の増減後の値)が表示され、ユーザーは重ね合わせ画像の生成された条件を確認することができる。また、画質指標1905は画像のコントラストに基づき画像が良好かどうかをユーザーに提示する指標である。なお、不図示であるが、画面1900に重ね合わせ枚数1741やコントラスト1742のグラフを表示し、ユーザーの判断が容易となるようにしても良い。なお、重ね合わせ画像とともに、各重ね合わせ画像と比較するために参照画像を同時に表示してもよい。
次に、重ね合わせ画像の生成処理について図20のフローチャートにより説明する。なお、本フローチャートの説明においては、100枚のAO−SLO画像とAO−OCT画像を取得している。
ステップS2001において、AO−SLO参照画像を選択する。残りのAO−SLO画像はAO−SLO参照画像とそれぞれ相関計算を行い、位置ずれ量を求める(ステップS2002)。
ステップS2002にて求められた位置ずれ量に基づき、異なる位置ずれ許容量それぞれで、位置ずれ許容量のAO−SLO画像に対応するAO−OCT画像の重ね合わせ画像を生成する(ステップS2003)。複数の重ね合わせ画像は、それぞれコントラストを計算し(ステップS2004)、コントラストのピーク値を検出する(ステップS2005)。ステップS2005でピーク値が検出された場合(ピーク存在する場合)には、コントラスト値がピークとなる重ね合わせ画像を選択する(ステップS2006)。ピーク値が検出されない場合(ピークが存在しない場合)には、別指標による評価を実施する(ステップS2010)。
なお、表示された複数の重ね合わせ画像から選択された重ね合わせ画像は、画像表示領域1901で強調表示したり、記憶装置(不図示)に重ね合わせ画像と重ね合わせ枚数、コントラスト値と関連付けて記憶したりすることも可能である。
以上の方法により、マイクロサッケード等により撮像が難しい場合においても、ノイズとぼけを抑えたAO−OCT画像を提供することが可能となる。
[第2の実施形態]
(AO−SLOのトラッキング画像に基づく重ね合わせ)
第1の実施形態では、位置ずれ量を画像同士の相関計算を用いて実施した。本実施形態では、位置ずれ量としてAO−SLOのトラッキング画像のシフト量に基づきAO−OCT画像の重ね合わせを行う。なお、基本的な構成は第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
(AO−SLOのトラッキング画像に基づく重ね合わせ)
第1の実施形態では、位置ずれ量を画像同士の相関計算を用いて実施した。本実施形態では、位置ずれ量としてAO−SLOのトラッキング画像のシフト量に基づきAO−OCT画像の重ね合わせを行う。なお、基本的な構成は第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
すでに述べたとおり、AO−OCT画像の1ライン走査中に20回の位置検知を行う。この時に計算される被検眼の移動量(sf302_x−20N,SF302_y)を、対応するAO−OCT画像の1ラインに関連付けて記憶装置に記憶する。
図21に示すフローチャートでは、この記憶された移動量に基づき重ね合わせ画像を生成する。以下、図22を参照しつつ、本実施形態について説明する。
まずステップS2101においてAO−OCT画像のバッファを作成する。バッファとは、図22に示される2201−1から2201−400のデータ列を記憶するメモリである。それぞれのバッファはAO−OCT画像の深さ方向の画素数と同じデータ数を格納することが可能であり、本実施形態では1024である。また、図22には、許容位置ずれ量が1画素のバッファ2201と、許容位置ずれ量が2画素のバッファ2202を例示している。バッファはそれぞれAO−OCT画像2210,2211を生成するために使用される。
重ね合わせ画像枚数に対するコントラストのピーク値を検出するため、バッファは十分な数を用意する必要がある。しかし、必要以上に数が多いと、バッファに必要なメモリ容量が増えたり、バッファに格納するための計算量が増えたりする。本実施形態では、バッファを8個用意することで、コントラスト1742におけるピーク1742、1744を検出することができる。なお、用意すべきバッファの数は、観察対象となる構造や画質、位置ずれの精度(画素単位か、サブ画素単位か、など)に応じて変更してよい。例えば本実施形態の場合、構造1726のように、眼底の組織におけるサイズとしては大きな構造を対象としているため、位置ずれ量の許容値が高く、したがってバッファの数も多い。一方、さらに大きな疾患部位を対象とする場合にはバッファ数を多く、あるいは視細胞のような数μmの組織を対象とする場合にはバッファ数を少なく配置することが可能である。
トラッキングはAO−SLO画像の20ラインをまとめてトラッキング画像とし、移動量を計算しているため、対応するAO−OCT画像のデータを読み出す。そのため、AO−OCT画像の20ライン分のデータを読み出し(ステップS2102)、対応する移動量を読みだす(ステップS2103)。
次に、移動量に応じてAO−OCT画像のデータをバッファに格納する(ステップS2104)。例えば、移動量が2画素の場合、対応するバッファ2202−1、および、さらに許容位置ずれ量が3画素以上のバッファ(不図示)にデータ値を足していく。なお、バッファの格納にあたり、足し合わせたデータ数を別途記録する。
ステップS2105にて、AO−OCT画像の全ラインを読み出し完了したか判断し、未完了の場合には次の20ラインのAO−OCT画像のデータを読み出すステップS2102に戻る。完了した場合には格納したデータ値をデータ数で割ることによりAO−OCT重ねあわせ画像を生成する(ステップS2106)。これ以降のステップは、第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
本実施形態に示される通り、トラッキング画像のシフト量に基づき重ねあわせ画像を生成することで、突発的な眼球の動きにより位置ずれが発生した場合においても、ノイズとぼけを抑えたAO−OCT画像を提供することが可能である。
[第3の実施形態]
本実施形態では、OCTボリュームスキャンにおける重ねあわせ画像の生成を行う。なお、基本的な構成は第1、第2の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
本実施形態では、OCTボリュームスキャンにおける重ねあわせ画像の生成を行う。なお、基本的な構成は第1、第2の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
(OCTボリュームスキャン)
AO−OCTボリュームスキャンスイッチ75が操作されると、ボリュームスキャンモードでの走査が開始される。
AO−OCTボリュームスキャンスイッチ75が操作されると、ボリュームスキャンモードでの走査が開始される。
撮像者がAO−OCTボリュームスキャンスイッチ75を操作し、不図示のカーソルを用いて撮像範囲が設定されると、PC62がOCTのラインスキャンラインがY方向にシフトするようにXスキャナ15に同期してYスキャナ21も駆動する。
図5の眼底画像上の枠501は、AO−OCTボリュームスキャンの撮像範囲を示す。眼底画像上の枠501に対応する領域を、AO−OCT測定光で走査してAO−OCTボリュームデータを取得するものである。図6の枠601は、図5の撮像範囲の最上ライン502をAO−OCT測定光で走査するときのAO−SLO画像の撮像範囲を示す。図5に示す通りAO−SLO画像の撮像範囲は、AO−OCT画像の撮像ライン502を中心とする矩形領域である。ここで得られたAO−SLO画像は、トラッキング参照画像として記憶される。次にXスキャナ15を駆動し、AO−OCT測定光は図5のライン503に示す次の撮像ラインの走査を開始する。その時のAO−SLO画像の撮像範囲を図7の枠701に示す。撮像範囲601に対して、AO−SLO画像の撮像範囲はAO−OCT画像の1ライン分下方に移動している。すなわち、図5のライン504をAO−OCT画像を撮像しているときは、AO−SLO画像は図8の枠801に示す撮像範囲であり、最下ラインであるライン505を撮像している時は図9の枠901がAO−SLO画像の撮像範囲である。このようにAO−OCT測定光のスキャンラインの移動とともに、AO−SLO画像の撮像範囲は移動する。これにより常にAO−OCT画像の撮像範囲を中心とする近傍領域の画像情報が得られる。
(トラッキング)
AO−OCTボリュームスキャンの時にも前述の通り、AO−SLO画像を用いてトラッキングを行う。図7のライン503を走査中は、AO−SLO画像の撮像範囲701の画像を取得しながら破線で示す20ラインの範囲の画像を抜き出し、前回撮像したAO−SLO画像の撮像範囲601の画像との相関演算を行い、シフト量を求める。前述と同様このシフト量より、Xスキャン15,Yスキャナ16のシフト量を演算し、直ちに、Xスキャナ15,Yスキャナ21を駆動してAO−OCT測定光とAO−SLO測定光の眼底上での照射位置の補正を行う眼底トラッキングを行う。
AO−OCTボリュームスキャンの時にも前述の通り、AO−SLO画像を用いてトラッキングを行う。図7のライン503を走査中は、AO−SLO画像の撮像範囲701の画像を取得しながら破線で示す20ラインの範囲の画像を抜き出し、前回撮像したAO−SLO画像の撮像範囲601の画像との相関演算を行い、シフト量を求める。前述と同様このシフト量より、Xスキャン15,Yスキャナ16のシフト量を演算し、直ちに、Xスキャナ15,Yスキャナ21を駆動してAO−OCT測定光とAO−SLO測定光の眼底上での照射位置の補正を行う眼底トラッキングを行う。
このようにトラッキングを行いながら、ラインスキャンを繰り返すことによりAO−OCT画像の撮像範囲501のAO−OCT画像(ボリュームデータ)を取得する。これにより図5の領域501の立体情報が得られる。
以上トラッキングに用いたAO−SLO画像は、それぞれシフト量を補正されて一枚の参照画像が作成され、次の列のAO−OCT画像のラインスキャン時の参照画像として用いるとよい。これにより参照画像を常に更新できるため、さらに精度の良いトラッキングを行うことができる。
(ボリュームデータの重ね合わせ)
ボリュームスキャンを複数回行い、重ね合わせを行う場合のデータに関しても同様に本実施形態を適用可能である。
ボリュームスキャンを複数回行い、重ね合わせを行う場合のデータに関しても同様に本実施形態を適用可能である。
第2の実施形態において、AO−OCT画像1枚に対するバッファを複数用意した。本実施形態においては、ボリュームスキャンにおいてはボリュームデータを構成するAO−OCT画像の枚数に応じてバッファを用意し、第2の実施形態と同様の処理でバッファへの格納、重ねあわせ画像を生成することでボリュームデータの重ねあわせを行うことができる。
以下、図23のフローチャートを参照しつつ、本実施形態を説明する。なお、第2の実施形態と同様の手順についてはその説明を省略する。
まず、ボリュームデータのバッファを作成し(ステップS2200)、AO−OCT画像のフレームデータを読み出す(S2201)。1枚のAO−OCT画像のフレームデータに対するステップ(S2102〜S2006)は、第2の実施形態と同様である。
全フレームを処理したかを判断し(ステップS2202)、完了していれば重ね合わせボリュームデータを生成し(ステップS2203)、完了していなければ次のフレームデータを読み出すステップS2201に戻る。
以上の処理により、突発的な眼球の動きにより位置ずれが発生した場合においても、ノイズとぼけを抑えたAO−OCT画像を提供することが可能である
[その他の実施形態]
なお、上述した実施形態では、被検査物が眼の場合について述べているが、眼以外の皮膚や臓器等の被検査物に本発明を適用することも可能である。この場合、本発明は撮像装置以外の、例えば内視鏡等の医療機器としての態様を有する。従って、本発明は撮像装置に例示される画像処理装置として把握され、被検眼は被検査物の一態様として把握されることが好ましい。
[その他の実施形態]
なお、上述した実施形態では、被検査物が眼の場合について述べているが、眼以外の皮膚や臓器等の被検査物に本発明を適用することも可能である。この場合、本発明は撮像装置以外の、例えば内視鏡等の医療機器としての態様を有する。従って、本発明は撮像装置に例示される画像処理装置として把握され、被検眼は被検査物の一態様として把握されることが好ましい。
また、本発明は、以下のように装置を構成することによっても達成できる。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコード(コンピュータプログラム)を記録した記録媒体(又は記憶媒体)をシステム或いは装置に供給することとしてもよい。また、該記録媒体の態様だけでなく、コンピュータの読み取り可能な記録媒体としてもよい。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、該記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。また、該実施形態は、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
Claims (8)
- 被検眼に照射された測定光の戻り光と参照光とを干渉させた干渉光に基づき、前記被検眼の断層画像を取得する画像取得手段と、
前記取得手段により取得した複数の断層画像から重ね合わせ画像を生成するとき、参照断層画像に対する、重ね合わせ対象の複数の断層画像のそれぞれの位置ずれ量を求めるずれ取得手段と、
前記位置ずれ量が所定の範囲の選択された複数の断層画像を重ね合わせして重ね合わせ画像を生成する生成手段とを有し、
前記位置ずれ量が、前記測定光の光軸方向に交差する方向の位置ずれ量であることを特徴とする撮像装置。 - 前記生成手段が、前記位置ずれ量が第1の範囲の複数の断層画像を重ね合わせした第1の重ね合わせ画像と、前記位置ずれ量が第2の範囲の複数の断層画像を重ね合わせした第2の重ね合わせ画像とを生成することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記生成手段が生成した重ね合わせ画像を表示画面に表示する制御手段を更に有し、
前記制御手段は、前記第1の重ね合わせ画像と前記第2の重ね合わせ画像を前記表示画面に、同時に表示することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。 - 前記被検眼の眼底平面画像を取得する第2の画像取得手段を更に有し、
前記ずれ取得手段は、前記第2の画像取得手段により取得された連続する眼底平面画像を比較して前記位置ずれ量を取得することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。 - 前記表示画面に表示された前記第1の重ね合わせ画像と前記第2の重ね合わせ画像から1の重ね合わせ画像を選択する選択手段を更に有することを特徴とする撮像装置。
- 前記制御手段が、前記第1の断層画像を生成した際の参照断層画像と前記第2の断層画像を生成した際の参照断層画像とを前記表示画面に更に表示することを特徴とする請求項4又は5に記載の撮像装置。
- 前記方向が、前記測定光を前記被検眼で走査するときの副走査方向であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 被検眼に照射された測定光の戻り光と参照光とを干渉させた干渉光に基づき、前記被検眼の断層画像を取得する画像取得工程と、
前記取得工程において取得した複数の断層画像を重ね合わせして重ね合わせ画像を生成するとき、参照断層画像に対する、重ね合わせ対象の複数の断層画像のそれぞれの位置ずれ量を求めるずれ取得工程と、
前記位置ずれ量が所定の範囲の選択された複数の断層画像を重ね合わせして重ね合わせ画像を生成する生成工程とを有し、
前記位置ずれ量が、前記測定光の光軸方向に交差する方向の位置ずれ量であることを特徴とする撮像装置の制御方法。
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