JP2020176654A - 流体制御弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】閉弁状態を保持する十分な閉弁保持力を発生させつつ、弁体と弁座との衝突音を小さくすることが可能な流体制御弁を提供する。【解決手段】この流体制御弁4は、閉弁動作開始後着座前に、閉弁方向F2に移動する弁体42に当接して弁体42の移動速度を減少させる緩衝部材45を備える。緩衝部材45は、弁体42との当接後、弁体42との当接位置から、弁体42が弁座41hに当接して着座する着座位置PV2に対応する着座対応位置PS2まで弁体42との当接部分144を移動可能に構成されている。【選択図】図6

Description

本発明は、流体制御弁に関し、特に、磁性を有するヨークを含む弁本体と、磁性を有する弁体とを備える流体制御弁に関する。
従来、磁性を有するヨークを含む弁本体と、磁性を有する弁体とを備える流体制御弁が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、磁性を有する固定ヨーク(ヨーク)を含むハウジング(弁本体)と、磁性を有する弁体とを備える流体制御弁が開示されている。この流体制御弁は、電磁コイルを備えている。固定ヨークの弁体側の面は、弁座を有している。電磁コイルは、通電されることにより、固定ヨークに磁場を発生させて弁体を固定ヨークの弁座に吸引するように構成されている。
上記特許文献1の流体制御弁は、電磁コイルへの通電が解除されることにより、弁体を開弁方向に移動させるように構成されている。また、流体制御弁は、電磁コイルが通電されることにより、弁体を閉弁方向に移動させるように構成されている。そして、流体制御弁は、電磁コイルが通電された状態が維持されることにより、弁体を弁座に着座させた着座状態を維持して閉弁するように構成されている。
しかしながら、上記特許文献1の流体制御弁では、電磁コイルにより固定ヨークに発生させた磁場により弁体を弁座に吸引する際、弁体が弁座に当接することに起因して衝突音が生じるという不都合がある。
そこで、上記のような不都合を解消するために、従来では、弁開閉時の衝突音を抑制する減圧弁(流体制御弁)が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。この減圧弁は、シリンダと、シリンダ内に移動可能に設けられたピストンと、ピストンから延びるロッドと、ロッドに設けられた弁体とを備えている。この減圧弁は、シリンダ内におけるピストンの移動により、弁体による開弁状態と閉弁状態とを切り替えるように構成されている。また、この減圧弁は、シリンダの移動方向に互いに対向する、ピストンの面とシリンダの面との衝突音(打音)を抑制するための緩衝部材を備えている。緩衝部材は、シリンダの開閉方向においてピストンの内表面に対向する、シリンダの外表面に配置されている。
特開2015−121247号公報
特開2016−183708号公報
ここで、弁体が弁座に当接することに起因する衝突音の発生を抑制するために、上記特許文献2の緩衝部材を上記特許文献1の流体制御弁に適用しハウジングの内表面のうち弁体と当接する位置に緩衝部材を取り付けることが考えられる。しかしながら、この場合には、弁体と弁座との衝突音は抑制されるが、弁体と弁座との間に緩衝部材が挟まれるため、緩衝部材に起因して弁座に弁体が着座しにくくなるとともに、弁体と弁座との間に隙間が発生する。この場合、ヨークの弁座と弁体との隙間に起因してより磁気抵抗が大きくなり、弁座と弁体との間の磁力が低下するので、閉弁状態を保持する閉弁保持力が低下するという不都合がある。このため、閉弁状態を保持する十分な閉弁保持力を発生させつつ、弁体と弁座との衝突音を小さくすることが望まれている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、閉弁状態を保持する十分な閉弁保持力を発生させつつ、弁体と弁座との衝突音を小さくすることが可能な流体制御弁を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における流体制御弁は、流体が流れる流通孔と、流通孔の周囲に設けられた弁座を有するとともに磁性を有するヨークとを含む弁本体と、着座時には弁座に当接し、かつ、開弁時には弁座から離れることにより流通孔から流出する流体の流れを制御するとともに磁性を有する弁体と、弁本体に設けられ、弁本体に磁場を発生させて弁体を弁座に吸引するための電磁コイルと、閉弁動作開始後着座前に、閉弁方向に移動する弁体に当接して弁体の移動速度を減少させる緩衝部材とを備え、緩衝部材は、弁体との当接後、弁体との当接位置から、弁体が弁座に当接して着座する着座位置に対応する着座対応位置まで弁体との当接部分を移動可能に構成されている。
この発明の一の局面による流体制御弁では、上記のように、閉弁動作開始後着座前に、閉弁方向に移動する弁体に当接して弁体の移動速度を減少させる緩衝部材を設ける。そして、緩衝部材を、弁体との当接後、弁体との当接位置から、弁体が弁座に当接して着座する着座位置に対応する着座対応位置まで弁体との当接部分を移動可能に構成する。これにより、着座位置に到達するまでの間、弁体とともに緩衝部材の当接部分が移動することができるので、弁体を弁座に確実に着座させることができるとともに、緩衝部材を設けた場合にもヨークの弁座と弁体との間に隙間が発生することを抑制することができる。また、着座位置に到達するまでの間、弁体の移動速度を緩衝部材により減少させることができるので、弁体と弁座との衝突音を小さくすることができる。これらの結果、ヨークの弁座と弁体との間の隙間に起因する磁気抵抗をほぼ無くすことができるので、閉弁状態を保持する十分な閉弁保持力を発生させつつ、弁体と弁座との衝突音を小さくすることができる。また、着座位置に到達するまでの間、弁体の移動速度を緩衝部材により減少させることができるので、弁体と弁座との衝突の際に両方にかかる負荷を減少させることができる。その結果、弁体と弁座とに耐摩耗性を付加するためのメッキ処理を行うことなく、一般的な腐食防止のためのメッキ処理を行うようにすればよいので、流体制御弁のメッキ処理を簡略化することができる。
上記一の局面による流体制御弁において、好ましくは、少なくとも緩衝部材の弁体側の先端部は、開弁時において、弁体と弁座との間の弁体から離間した位置に配置され、緩衝部材は、閉弁動作開始後、弁体との当接位置としての弁体から離間した位置から、着座対応位置まで当接部分としての先端部を移動可能に構成されている。
このように構成すれば、開弁時から弁体に当接して弁体の移動速度を減少させる場合と比較して、緩衝部材の先端部と弁体とを当接させて弁体の移動速度を減少させる距離を小さくすることができるので、弁体が弁座に着座するまでに要する時間を短くすることができる。
上記一の局面による流体制御弁において、好ましくは、少なくとも緩衝部材の弁体側の先端部は、弾性変形可能な材料により形成されている。
このように構成すれば、弁体が弁座に着座する際の衝突音だけでなく弁体が緩衝部材の先端部に当接する際の衝突音も小さくすることができるので、流体制御弁に起因する音の発生をより確実に抑制することができる。
上記一の局面による流体制御弁において、好ましくは、少なくとも緩衝部材の先端部は、弁座よりも内側に配置されており、緩衝部材の先端部は、閉弁動作開始後、弁体との当接位置から着座対応位置まで、弁体の弁座側の表面のうちの弁座よりも内側の部分に当接するように構成されているとともに、弁座は、着座位置における弁体の弁座側の表面のうち緩衝部材の先端部よりも外側の部分に当接するように構成されている。
このように構成すれば、緩衝部材の先端部を弁座よりも外側に設けた場合と比較して、閉弁方向に直交する方向において、緩衝部材の先端部の大きさを制限することができるので、緩衝部材の大型化を抑制することができる。また、着座位置における弁体の弁座側の表面のうちの弁座が当接する箇所を緩衝部材の先端部よりも内側に設けた場合と比較して、閉弁方向に直交する方向において、弁座の大きさが制限されないようにすることができるので、弁座を大きく設けることにより弁座と弁体との間により大きな磁力を発生させることができる。これらの結果、流体制御弁の大型化を抑制することができるとともに、閉弁状態を保持するより十分な閉弁保持力を発生させることができる。
この場合、好ましくは、緩衝部材は、流通孔に配置される支持部と、支持部を弁体側に付勢する第1付勢部材とを含み、支持部は、閉弁動作開始後、当接位置から着座対応位置まで緩衝部材が移動する際、第1付勢部材により付勢されることにより閉弁方向への弁体の移動速度を減少させるように構成されている。
このように構成すれば、支持部を第1付勢部材により開弁方向に付勢するだけで弁体の移動速度を減少させることができるので、簡単な構造により弁体の移動速度を減少させることができる。
上記支持部を含む緩衝部材を備える流体制御弁において、好ましくは、支持部は、閉弁方向に貫通して流通孔の一部として構成される流通用孔が形成された筒状部を有し、筒状部には、閉弁方向に直交する方向に貫通し、流通用孔内の流体を筒状部外に流出させる流出用孔が形成されている。
このように構成すれば、筒状部内の流通用孔に流入した流体を流通用孔だけでなく流出用孔からも筒状部外に流出させることができるので、筒状部内から流出する流体の流れをより円滑にすることができる。これにより、弁体と支持部とが当接し、弁体および支持部が閉弁方向に移動する際においても、筒状部内から流出する流体の流れをより円滑にした状態で、弁体および支持部を閉弁方向に移動させることができるので、弁体および支持部を閉弁方向に円滑に移動させることができる。
上記少なくとも先端部を弾性変形可能な材料により形成した緩衝部材を備える流体制御弁において、好ましくは、緩衝部材は、閉弁開始後、弁体との当接位置から着座対応位置まで弁体の弁座側の表面に先端部を当接させるとともに、弁体の閉弁方向への移動に伴う移動速度を吸収して減少させる発泡ゴム部材を含み、弁本体には、閉弁方向に向かって窪み、着座時において発泡ゴム部材を収容する収容凹部が形成されている。
このように構成すれば、発泡ゴム部材のみにより、弁体の移動速度の減少、弁体が弁座に着座する際の衝突音の減少および弁体が緩衝部材の先端部に当接する際の衝突音の減少の全てを行うことができるので、緩衝部材を簡易な構造にすることができる。
なお、上記一の局面による流体制御弁において、以下のような構成も考えられる。
(付記項1)
すなわち、上記当接位置から着座対応位置まで先端部を移動可能に構成した緩衝部材を備える流体制御弁において、緩衝部材は、弁体との当接位置から着座対応位置まで、弁体と一体的に先端部を移動可能に構成されている。
このように構成すれば、当接位置から着座対応位置までの間、常に弁体の移動速度を減少させることができるので、弁体の移動速度を減少させる距離を小さくした場合でも、弁体の移動速度を所望の移動速度に確実に減少させることができる。
(付記項2)
上記第1付勢部材により付勢される支持部を備える流体制御弁において、支持部の流通孔に配置される部分に、弁体を開弁側に付勢する第2付勢部材をさらに備え、支持部の流通孔に配置される部分の外周部には、第2付勢部材を収容する第2収容部が設けられている。
このように構成すれば、第2収容部を設けることにより、第2付勢部材により開弁させた状態を保持する流体制御弁の構造の複雑化を抑制することができる。また、第2付勢部材により弁体を開弁方向に付勢することにより弁体を弁座に着座させる際の弁体の移動速度の減少および弁体と弁座との衝突音の減少を行うことができる。これらの結果、弁体の移動速度の減少および弁体と弁座との衝突音の減少を行いつつ、流体制御弁の構造の複雑化を抑制することができる。
(付記項3)
上記第1付勢部材により付勢される支持部を備える流体制御弁において、支持部は、閉弁方向に直交する方向において、流通孔よりも外側で、かつ、弁本体の内側に設けられ、第1付勢部材を収容する第1収容部をさらに含み、閉弁方向に直交する方向において、第1収容部の外周面と弁本体の内周面との間または第1収容部の内周面と弁本体の内周面との間の少なくとも一方には、流体が流通可能な微小隙間が形成されている。
このように構成すれば、閉弁方向に移動する弁体および支持部に押し分けられた流体が弁本体内を流通するので、上記微小隙間に流体を通過させることができる。つまり、上記微小隙間に流体を通過させる際に生じる流路抵抗を利用して支持部の移動速度を減少させることができる。その結果、第1付勢部材の付勢力だけでなく流路抵抗を利用して支持部の移動速度を減少させることができるので、付勢力のみで支持部の移動速度を減少させて弁体の移動速度を減少させる場合と比較して、弁体の移動速度をより減少させることができる。
第1実施形態による車両用冷却システムの模式図である。 第1実施形態による流体制御弁の断面図である。 図3(A)は図4の100−100線に沿った断面図である。図3(B)は図4の110−110線に沿った断面図である。 第1実施形態による流体制御弁の開弁状態を示した拡大断面図である。 第1実施形態による流体制御弁の当接状態を示した拡大断面図である。 第1実施形態による流体制御弁の着座状態を示した拡大断面図である。 第1実施形態による流体制御弁の支持部の斜視図である。 図7の120−120線に沿った断面図である。 第1実施形態による流体制御弁の当接状態と着座状態との間の状態を示した拡大断面図である。 第1実施形態による流体制御弁の閉弁時の弁体のストローク量と時間との関係を示したグラフである。 第2実施形態による流体制御弁の開弁状態を示した拡大断面図である。 図11の210−210線に沿った断面図である。 第2実施形態による流体制御弁の当接状態を示した拡大断面図である。 第2実施形態による流体制御弁の着座状態を示した拡大断面図である。 第3実施形態による流体制御弁の開弁状態を示した拡大断面図である。 第3実施形態による流体制御弁の支持部の斜視図である。 図16の510−510線に沿った断面図である。 第3実施形態による流体制御弁の当接状態と着座状態との間の状態を示した拡大断面図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
まず、図1〜図9を参照して、第1実施形態による流体制御弁4の構成について説明する。流体制御弁4は、図1に示すように、自動車などの車両のエンジン11を冷却する車両用冷却システム10に用いられている。ここで、車両用冷却システム10は、エンジン11との熱交換を行うための液体である冷却水(クーラント:特許請求の範囲の「流体」の一例)を冷却し、車両内において循環させる装置である。車両用冷却システム10は、エンジン11に接続されている。
車両用冷却システム10は、ラジエータ1と、サーモスタットバルブ2と、ウォータポンプ3と、流体制御弁4と、ヒータコア5とを備えている。
ラジエータ1は、エンジン11との熱交換により加熱された冷却水を外気との熱交換により冷却するように構成されている。サーモスタットバルブ2は、エンジン11に所定温度以下の冷えた冷却水をエンジン11に供給しないように構成されている。すなわち、サーモスタットバルブ2は、冷却水の温度が所定温度以下の場合に流路を閉じている。また、サーモスタットバルブ2は、冷却水の温度が所定温度を超えた場合に流路を開いている。ウォータポンプ3は、冷却水を循環させる動力源として構成されている。流体制御弁4は、ヒータコア5への冷却水の供給または供給の停止を制御するように構成されている。流体制御弁4についての詳細な説明は後述する。ヒータコア5は、エンジン11との熱交換により加熱された冷却水の熱を放熱することにより空気を加熱するように構成されている。つまり、ヒータコア5は、車両の車内暖房器具である。
車両用冷却システム10では、ウォータポンプ3から吐出された冷却水は、エンジン11の内部で加熱されてラジエータ1で冷却された後、サーモスタットバルブ2を経由してエンジン11に戻る。また、車両用冷却システム10では、エンジン11が低温の場合、サーモスタットバルブ2を閉状態かつ流体制御弁4を開状態に切り替えることにより、ウォータポンプ3から吐出された冷却水はラジエータ1に流れることなく、エンジン11、流体制御弁4、ヒータコア5およびサーモスタットバルブ2の順に経由してエンジン11に戻る。
図2に示すように、流体制御弁4は、冷却水の流通および冷却水の流通の停止を切り替えるように構成されている。具体的には、流体制御弁4は、弁本体41と、弁体42と、開弁用付勢部材43と、ソレノイド44と、緩衝部材45とを含んでいる。ここで、冷却水の流通方向をF1方向とし、F1方向の逆方向をF2方向とし、F1方向およびF2方向を合わせてF方向とする。
弁本体41は、略円筒形状を有している。弁本体41は、F方向に並ぶ複数(3個)のポリフェニレンサルファイド樹脂などの硬質樹脂材により形成されている。弁本体41は、F1方向側から順に流入側接続部41a、弁体収容部41bおよび流出側接続部41cを有している。弁本体41は、流入側接続部41a、弁体収容部41bおよび流出側接続部41cを互いに超音波溶着することにより一体的に成型されている。
流入側接続部41aは、エンジン11内において冷却水を流す流路に接続されている。弁体収容部41bは、弁体42を収容する弁体空間Sを有している。弁体収容部41bは、弁体空間Sに冷却水を流入させる流入流路INを有している。また、弁体収容部41bは、緩衝部材45のF2方向側の部分を収容する収容凹部41dを有している。収容凹部41dは、弁体収容部41bのF2方向側の端面をF1方向側に窪ませることにより形成されている。収容凹部41dは、弁体収容部41bのF2方向側の端面に環状に形成されている。流出側接続部41cは、ヒータコア5内において冷却水を流す流路に接続されている。
弁本体41は、流通孔41eと、ヨーク41fとを含んでいる。
流通孔41eは、弁本体41をF方向に貫通している。流通孔41eは、F方向に平行な中心軸線Cに沿って延びている。流通孔41eには、エンジン11内の流路から流出した冷却水が流れている。流通孔41eは、流入流路INおよび弁体空間Sを一部として有している。
ヨーク41fは、流通孔41e内に設けられた弁座41hを有するとともに磁性を有している。ヨーク41fは、鉄などの磁性体により形成されている。ヨーク41fは、ソレノイド44に電気的に接続されている。ヨーク41fは、弁体42のF2方向側の表面42bに対向する部分に設けられる着座部41gを有している。着座部41gは、弁体収容部41bの流入流路INのF1方向側の縁部の周囲に配置されている。つまり、着座部41gは、F1方向から視て略円環形状(図3(A)参照)に形成されている。弁座41hは、着座部41gのF1方向側(弁体42側)の表面である。
図4に示すように、弁体42は、F2方向から視て略円環形状(図3(B)参照)に形成されている。弁体42は、F方向に直交する方向において、弁体空間Sよりも小さく形成されている。また、弁体42はF方向に直交する方向において、弁体空間S内に冷却水を流入させる流入流路INよりも大きく形成されている。弁体42は、弁体収容部41bの弁体空間S内をF方向に移動可能に構成されている。
具体的には、弁体42は、着座時には弁座41hに当接し、かつ、開弁時には弁座41hから離れることにより流通孔41eから流出する冷却水の流れを制御するとともに磁性を有している。すなわち、弁体42は、F2方向に移動することにより弁座41hに当接するとともに弁座41hに着座することによって、流体制御弁4を閉弁状態に保持するように構成されている。弁体42は、F1方向に移動することにより弁座41hから離れることによって、流体制御弁4を開弁するように構成されている。ここで、弁体42がF2方向に移動することにより流体制御弁4が閉弁状態になるので、F2方向は閉弁方向である。弁体42がF1方向に移動することにより流体制御弁4が開弁状態になるので、F1方向は開弁方向である。
弁体42は、磁性体部42aを有している。磁性体部42aは、鉄などの磁性体により形成されている。磁性体部42aは、弁体42のF2方向側の表面42bに設けられている。磁性体部42aは、F2方向から視て略円環形状(図3(B)参照)に形成されている。磁性体部42aのF2方向側(着座部41g側)の表面42bは、弁体42が着座した際、ヨーク41fの着座部41gの弁座41hに面接触している。
開弁用付勢部材43は、流通孔41eの後述する支持部45aに対応する部分に配置され、弁体42をF1方向側(開弁側)に付勢している。開弁用付勢部材43は、コイルスプリングにより形成されている。開弁用付勢部材43のF1方向側の端部は、弁体42の磁性体部42aに当接している。開弁用付勢部材43のF2方向側の端部は、緩衝部材45の後述する内側収容部142に当接している。
図2に示すように、ソレノイド44は、ヨーク41fに電流を流すことにより、ヨーク41fに磁場を発生させるように構成されている。ソレノイド44は、コア44aと、ボビン44bと、電磁コイル44cとを有している。コア44aは、鉄などの磁性体で軸状に形成されている。コア44aは、ボビン44bの内側に取り付けられている。ボビン44bは、樹脂などの非磁性体で形成されている。電磁コイル44cは、ボビン44bに巻き付けられた絶縁導線により構成されている。電磁コイル44cは、弁本体41に磁場を発生させて弁体42を弁座41hに吸引するように構成されている。つまり、電磁コイル44cは、弁本体41に磁場を発生させるための電流を流すように構成されている。コア44a、ボビン44bおよび電磁コイル44cは、弁本体41に設けられている。
ここで、弁体42は、電磁コイル44cに電流を流してヨーク41fに磁場を発生させることに伴うヨーク41fと磁性体部42aとの間の磁力により、ヨーク41fの弁座41hに吸引される。この際、弁体42は、開弁位置PV1(図4参照)から弁体42の磁性体部42aがヨーク41fの弁座41hに着座(当接)する着座位置PV2(図5参照)までF2方向に移動する。そして、電磁コイル44cに電流を流してヨーク41fに磁場を発生させ続けることに伴うヨーク41fと磁性体部42aとの間の磁力により、弁体42をヨーク41fの弁座41hに着座させた状態が保持される。また、弁体42は、電磁コイル44cに流れる電流を停止させてヨーク41fにおける磁場の発生を停止させることにより、開弁用付勢部材43の付勢力によりF1方向に移動する。すなわち、弁体42は、ヨーク41fの弁座41hから離れて着座位置PV2(図5参照)から開弁位置PV1(図4参照)まで移動する。そして、弁体42は、開弁用付勢部材43の付勢力により開弁位置PV1(図4参照)に配置された状態が保持される。なお、開弁用付勢部材43の付勢力は、弁体42に対する電磁コイル44cによるヨーク41fの吸引力よりも小さい。
(緩衝部材)
図5および図6に示すように、第1実施形態の緩衝部材45は、F2方向において、着座位置PV2の近傍の所定位置PV3から着座位置PV2にわたって弁体42が移動する間、弁体42と一体的に移動しながら弁体42の移動速度を減少するように構成されている。詳細には、緩衝部材45は、弁体42との当接後、弁体42との当接位置PS1(図5参照)から、弁体42が弁座41hに当接して着座する位置(着座位置PV2)に対応する着座対応位置PS2(図6参照)まで弁体42との当接部分(後述する先端部145)を移動可能に構成されている。この際、緩衝部材45は、閉弁動作開始後着座前に、F2方向(閉弁方向)に移動する弁体42に当接して弁体42の移動速度を減少させるように構成されている。
なお、着座位置PV2の近傍の所定位置PV3とは、緩衝部材45と弁体42とが当接した際の弁体42の磁性体部42aのF2方向側の端部の位置を示す。また、当接位置PS1とは、緩衝部材45と弁体42とが当接した際の緩衝部材45のF1方向側の端部(先端部145)の位置を示す。また、着座対応位置PS2は、弁体42が着座した際の緩衝部材45のF1方向側の端部(先端部145)の位置を示す。また、所定位置PV3とは、着座位置PV2よりもF1方向側であり、かつ、開弁位置PV1と着座位置PV2との中央よりもZ2方向側の位置である。
具体的には、緩衝部材45は、支持部45aと、弾性部材45bと、支持用付勢部材45c(特許請求の範囲の「第1付勢部材」の一例)とを有している。
支持部45aは、図7および図8に示すように、F1方向から視て略円環形状に形成されている。支持部45aは、金属により形成されている。ここで、支持部45aは、筒状部141と、内側収容部142と、外側収容部143(特許請求の範囲の「第1収容部」の一例)と、流出用孔144とを有している。
筒状部141は、F方向に延びる円筒形状に形成されている。筒状部141には、F方向に貫通する貫通孔として流通用孔141aが形成されている。流通用孔141aは、流通孔41eの一部として構成されている。また、筒状部141は、流通孔41e内に配置されている。筒状部141は、F方向に直交する方向において、弁座41hよりも内側(中心軸線C2側)に配置されている。
内側収容部142は、開弁用付勢部材43を保持するように構成されている。具体的には、内側収容部142は、開弁用付勢部材43の受け部として構成されている。つまり、内側収容部142は、開弁用付勢部材43を収容するように構成されている。ここで、内側収容部142は、支持部45aの流通孔41eに配置される部分(筒状部141)の外周部に設けられている。すなわち、内側収容部142は、筒状部141の外周面におけるF2方向側の端部に設けられている。内側収容部142は、筒状部141のF2方向側の端部からF方向に直交する方向に向かって延びている。なお、内側収容部142に保持された開弁用付勢部材43は、F方向に伸縮するように筒状部141にガイドされる。
外側収容部143は、支持用付勢部材45cを保持するように構成されている。具体的には、外側収容部143は、開弁用付勢部材43の受け部として構成されている。外側収容部143は、F方向に直交する方向において、内側収容部142よりも外側(中心軸線C2側とは反対側)に配置されている。ここで、外側収容部143は、F方向(閉弁方向)に直交する方向において、流通孔41eよりも外側で、かつ、弁本体41の内側に設けられている。また、外側収容部143は、支持用付勢部材45cを収容している。
外側収容部143は、内周部143aと、接続部143bと、外周部143cとを有している。内周部143aは、内側収容部142のF方向に直交する方向の端部からF1方向に向かって延びている。接続部143bは、内周部143aのF1方向側の端部と外周部143cのF1方向側の端部とを接続している。接続部143bは、内周部143aのF1方向側の端部からF方向に直交する方向に向かって延びている。外周部143cは、接続部143bのF方向に直交する方向の端部からF2方向に向かって延びている。外周部143cの長さは、F方向において、内周部143aの長さよりも小さい。なお、外側収容部143に保持された支持用付勢部材45cは、F方向に伸縮するように内周部143aにガイドされる。
流出用孔144は、F2方向に直交する方向に筒状部141を貫通し、流通用孔141a内の冷却水を筒状部141外に流出させるように構成されている。つまり、流出用孔144は、流通用孔141aと流入流路IN(図6参照)とを連通させている。具体的には、流出用孔144は、F方向に直交する方向から視て略矩形形状を有している。流出用孔144は、F方向に長く延びた長孔形状により形成されている。
流出用孔144は、後述する微小隙間である第2流路A2(図9参照)における流路抵抗よりも小さい流路抵抗になるように構成されている。具体的には、流出用孔144のF方向に直交する方向から視た面積は、第2流路A2のF1方向から視た面積よりも大きい面積を有している。なお、F方向において、流出用孔144の長さは、筒状部141の1/2の長さ以上筒状部141の長さ未満の長さであることが好ましい。流通用孔141aの中心軸線T回りの周方向において、流出用孔144の長さは、筒状部141の円周の1/16の長さ以上筒状部141の円周の1/8長さ以下の長さであることが好ましい。
流出用孔144は、筒状部141に複数(8個)形成されている。複数の流出用孔144は、略同じ形状により形成されている。複数の流出用孔144は、流通用孔141aの中心軸線T回りの周方向において、等角度間隔で並んで配置されている。すなわち、複数の流出用孔144は、流通用孔141aの中心軸線T回りの周方向において、略45度間隔で配置されている。
図5に示すように、緩衝部材45のF1方向側(弁体42側)の先端部145は、弾性変形可能な材料により形成されている。詳細には、支持部45aの筒状部141のF1方向側の端部には、弾性部材45bが設けられている。すなわち、弾性部材45bは、緩衝部材45のF1方向側の先端部145を有している。
弾性部材45bは、弁体42の磁性体部42aと支持部45aとの当接位置PS1における衝突を緩和するように構成されている。つまり、弾性部材45bは、電磁コイル44cに電流を流してヨーク41fに磁場を発生させることによりヨーク41fの弁座41hに吸引された弁体42と支持部45aとの接触の際の衝撃を吸収するように構成されている。
具体的には、弾性部材45bは、ゴム材により形成されている。弾性部材45bは、支持部45aの筒状部141のF1方向側の端部の全体(全周)にわたって設けられている。また、弾性部材45bは、F方向に直交する方向において、弁座41hよりも内側に配置されている。すなわち、弾性部材45bは、F方向に直交する方向において、弁体42の磁性体部42aのF2方向側の表面42bのうち弁座41hに当接する部分よりも内側の部分に当接する位置に配置されている。このように、緩衝部材45の先端部145としての弾性部材45bは、弁座41hよりも内側に配置されている。
図4に示すように、支持用付勢部材45cは、支持部45aをF1方向側(開弁側)に付勢している。詳細には、支持用付勢部材45cは、弁体収容部41bの収容凹部41dに配置され、支持部45aをF1方向側に付勢している。支持用付勢部材45cは、コイルスプリングにより形成されている。支持用付勢部材45cのF1方向側の端部は、支持部45aの外側収容部143の接続部143bに当接している。支持用付勢部材45cのF2方向側の端部は、流入側接続部41aのF1方向側の端面に当接している。
支持用付勢部材45cは、開弁時における支持部45aの位置決めをする機能を有している。すなわち、支持用付勢部材45cは、開弁時における緩衝部材45のF1方向側の先端位置を当接位置PS1(図4参照)に位置決めしている。このように、開弁時において、緩衝部材45のF1方向側(弁体42側)の先端部145は、弁体42と弁座41hとの間の弁体42から離間した位置(当接位置PS1)に配置されている。
図5および図6に示すように、緩衝部材45は、閉弁動作開始後、弁体42との当接位置PS1としての弁体42から離間した位置から、着座対応位置PS2まで当接部分としての先端部145を移動可能に構成されている。つまり、緩衝部材45は、閉弁動作時において、所定位置PV3から着座位置PV2までの弁体42のF2方向の移動距離M1と同じ距離分だけ移動可能に構成されている。具体的には、緩衝部材45は、移動距離M1以上の移動距離M2を移動可能に構成されている。
ここで、移動距離M2とは、緩衝部材45の先端部145を当接位置PS1に配置した際における、緩衝部材45の内側収容部142のF2方向側の端部の位置から、流入側接続部41aのF1方向側の端面における支持用付勢部材45cが当接する位置までの距離を示す。
緩衝部材45は、弁体42とともに移動距離M1を移動する際、緩衝部材45の先端部145を弁体42のF2方向側の端面に当接させた状態を保持するように構成されている。すなわち、緩衝部材45は、弁体42との当接位置PS1から着座対応位置PS2まで、弁体42と一体的に先端部145を移動可能に構成されている。この際、流体制御弁4は、弁体42により流通用孔141aが閉塞される。
当接位置PS1における弁体42の緩衝部材45との当接部分(先端部145)と、着座位置PV2における弁体42の弁座41hとの当接部分とは、F方向に直交する方向において異なっている。詳細には、緩衝部材45の先端部145は、閉弁動作開始後、弁体42との当接位置PS1から着座対応位置PS2まで、弁体42のF2方向側(弁座41h側)の表面42bのうちの弁座41hよりも内側の部分に当接するように構成されている。弁座41hは、着座位置PV2における弁体42のF2方向側(弁座41h側)の表面42bのうち緩衝部材45の先端部145よりも外側の部分に当接するように構成されている。
緩衝部材45は、支持用付勢部材45cの付勢力および支持部45aにより形成される流路の流路抵抗の両方によって弁体42の移動速度を減少させるように構成されている。
詳細には、支持部45aは、閉弁動作開始後、当接位置PS1から着座対応位置PS2まで緩衝部材45が移動する際、支持用付勢部材45cにより付勢されることによりF2方向への弁体42の移動速度を減少させるように構成されている。つまり、当接位置PS1から着座対応位置PS2まで、支持部45aおよび弁体42は、支持用付勢部材45cのF1方向側への付勢力により制動されながら一体的にF2方向に移動している。
また、図9に示すように、支持部45aは、支持部45aにより形成される流路の一部の流路幅を絞ることにより、閉弁動作開始後、当接位置PS1から着座対応位置PS2まで緩衝部材45が移動する際、F2方向への弁体42の移動速度を減少させるように構成されている。つまり、支持部45aは、支持部45aにより形成される流路の流路抵抗を粘性ダンパとして利用することによって、閉弁動作開始後、当接位置PS1から着座対応位置PS2まで緩衝部材45が移動する際、閉弁方向への弁体42の移動速度を減少させるように構成されている。
具体的には、支持部45aと弁本体41の弁体収容部41bの内周面Uとの間には、緩衝部材45と弁体42との当接後着座前において、流通用孔141aとは異なるバイパス流路45dが形成されている。
バイパス流路45dは、第1〜第4流路A1〜A4を有している。第1流路A1は、F方向において、外側収容部143の接続部143bのF1方向側の面と弁体収容部41bの内周面Uとの間の流路である。第2流路A2は、F方向に直交する方向において、外側収容部143の内周部143aの内周面T2と弁体収容部41bの内周面Uとの間の流路である。第3流路A3は、F方向において、内側収容部142のF1方向側の面と弁体収容部41bの内周面Uとの間の流路である。第4流路A4は、F方向に直交する方向において、筒状部141の外周面と弁体収容部41bの内周面Uとの間の流路である。
第2流路A2の流路幅は、他の流路(第1、第3および第4流路A1、A3およびA4)よりも流路幅が小さい。ここで、第2流路A2の流路幅は、微小隙間である。このように、F2方向に直交する方向において、外側収容部143の内周面T2と弁体収容部41bの内周面Uとの間には、冷却水が流通可能な微小隙間が形成されている。
また、第1流路A1および第3流路A3は、緩衝部材45と弁体42との当接後着座前の間、略一定の流路幅が保持されている。つまり、当接位置PS1から着座対応位置PS2まで、支持部45aおよび弁体42は、第1流路A1および第3流路A3を流れる冷却水に対する流路抵抗により制動されながら一体的にF2方向に移動している。
ここで、開弁位置PV1から緩衝部材45の先端部145と当接する所定位置PV3を通過して着座位置PV2まで弁体42が移動する際、弁体42のストローク量(移動量)と時間との関係を図10に示す。弁体42のストローク量とは、着座位置PV2を基準とし、着座位置PV2からF1方向側に弁体42が移動した場合における着座位置PV2からの距離を示す。また、図10において、第1実施形態の弁体42のストローク量と時間との関係は実線で示し、従来の弁体(すなわち、緩衝部材45がない場合の弁体)のストローク量と時間との関係は破線で示す。なお、図10において、実線および破線の各々の傾きは、弁体42の移動速度である。
弁体42は、開弁位置PV1から所定位置PV3までの間、ヨーク41fの弁座41hと弁体42の磁性体部42aとの間の磁力により吸引されてF2方向に移動している。弁体42は、所定位置PV3から着座位置PV2までの間、支持用付勢部材45cの付勢力およびバイパス流路45dの流路抵抗により制動された状態でF2方向に移動している。ここで、所定位置PV3から着座位置PV2までの弁体42のストローク量は、開弁位置PV1から所定位置PV3までの弁体42のストローク量よりも小さい。また、所定位置PV3から着座位置PV2までの弁体42の移動速度は、開弁位置PV1から所定位置PV3までの弁体42の移動速度よりも小さい。また、所定位置PV3から着座位置PV2までの弁体42が移動時間は、開弁位置PV1から所定位置PV3までの弁体42の移動時間よりも大きい。
これらにより、流体制御弁4では、従来の弁体と同様に、着座位置PV2近傍まで制動させることなく弁体42を移動させている。しかしながら、流体制御弁4では、従来の弁体と異なり、着座位置PV2近傍において制動させて弁体42の移動速度を減少させている。この結果、流体制御弁4では、開弁位置PV1から着座位置PV2への弁体42の移動時間を可能な限り小さくすること、および、所定位置PV3から着座位置PV2までの弁体42の移動速度を可能な限り減少させることを両立させていることがわかる。そして、流体制御弁4では、着座位置PV2において弁体42の磁性体部42aと弁座41hとを面接触させている。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、流体制御弁4に、閉弁動作開始後着座前に、F2方向に移動する弁体42に当接して弁体42の移動速度を減少させる緩衝部材45を設ける。そして、緩衝部材45を、弁体42との当接後、弁体42との当接位置PS1から、弁体42が弁座41hに当接して着座する着座位置PV2に対応する着座対応位置PS2まで弁体42との当接部分(先端部145)を移動可能に構成する。これにより、着座位置PV2に到達するまでの間、弁体42とともに緩衝部材45の当接部分が移動することができるので、弁体42を弁座41hに確実に着座させることができるとともに、緩衝部材45を設けた場合にもヨーク41fの弁座41hと弁体42との間の隙間が発生することを抑制することができる。また、着座位置PV2に到達するまでの間、弁体42の移動速度を緩衝部材45により減少させることができるので、弁体42と弁座41hとの衝突音を小さくすることができる。これらの結果、ヨーク41fの弁座41hと弁体42との間の隙間に起因する磁気抵抗をほぼ無くすことができるので、閉弁状態を保持する十分な閉弁保持力を発生させることができるとともに、弁体42と弁座41hとの衝突音を小さくすることができる。また、着座位置PV2に到達するまでの間、弁体42の移動速度を緩衝部材45により減少させることができるので、弁体42と弁座41hとの衝突の際に両方にかかる負荷を減少させることができる。この結果、弁体42と弁座41hとに耐摩耗性を付加するためのメッキ処理を行うことなく、一般的な腐食防止のためのメッキ処理を行うようにすればよいので、流体制御弁4のメッキ処理を簡略化することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、緩衝部材45を、閉弁動作開始後、弁体42との当接位置PS1としての弁体42から離間した位置から、着座対応位置PS2まで当接部分としての先端部145を移動可能に構成する。これにより、開弁時から弁体42に当接して弁体42の移動速度を減少させる場合と比較して、緩衝部材45の先端部145と弁体42とを当接させて弁体42の移動速度を減少させる距離を小さくすることができるので、弁体42が弁座41hに着座するまでに要する時間を短くすることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、緩衝部材45の弁体42側の先端部145を、弾性変形可能な材料により形成する。これにより、弁体42が弁座41hに着座する際の衝突音だけでなく弁体42が緩衝部材45の先端部145に当接する際の衝突音も小さくすることができるので、流体制御弁4に起因する音の発生をより確実に抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、緩衝部材45の先端部145を、閉弁動作開始後、弁体42との当接位置PS1から着座対応位置PS2まで、弁体42の弁座41h側の表面42bのうちの弁座41hよりも内側の部分に当接するように構成する。弁座41hを、着座位置PV2における弁体42の弁座41h側の表面42bのうち緩衝部材45の先端部145よりも外側の部分に当接するように構成する。これにより、緩衝部材45の先端部145を弁座41hよりも外側に設けた場合と比較して、Z2方向に直交する方向において、緩衝部材45の先端部145の大きさを制限することができるので、緩衝部材45の大型化を抑制することができる。また、着座位置PV2における弁体42の弁座41h側の表面42bのうちの弁座41hが当接する箇所を緩衝部材45の先端部145よりも内側に設けた場合と比較して、Z2方向に直交する方向において、弁座41hの大きさが制限されないようにすることができるので、弁座41hを大きく設けることにより弁座41hと弁体42との間により大きな磁力を発生させることができる。これらの結果、流体制御弁4の大型化を抑制することができるとともに、閉弁状態を保持するより十分な閉弁保持力を発生させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、支持部45aを、閉弁動作開始後、当接位置PS1から着座対応位置PS2まで緩衝部材45が移動する際、支持用付勢部材45cにより付勢されることによりF2方向への弁体42の移動速度を減少させるように構成する。これにより、支持部45aを支持用付勢部材42cによりF1方向に付勢するだけで弁体42の移動速度を減少させることができるので、簡単な構造により弁体42の移動速度を減少させることができる。
また、第1実施形態では、支持部45aに、F2方向に貫通して流通孔41eの一部として構成される流通用孔141aが形成された筒状部141を設ける。そして、筒状部141に、F2方向に直交する方向に貫通し、流通用孔141a内の冷却水を筒状部141外に流出させる流出用孔144を形成する。これにより、筒状部141内の流通用141a孔に流入した冷却水を流通用孔141aだけでなく流出用孔144からも筒状部141外に流出させることができるので、筒状部141内から流出する冷却水の流れをより円滑にすることができる。この結果、弁体42と支持部45aとが当接し、弁体42および支持部45aがF2方向に移動する際においても、筒状部141内から流出する冷却水の流れをより円滑にした状態で、弁体42および支持部45aをF2方向に移動させることができるので、弁体42および支持部45aをF2方向に円滑に移動させることができる。
[第2実施形態]
次に、図11〜図14を参照して、本発明の第2実施形態による流体制御弁204の構成について説明する。第2実施形態では、流体制御弁4が、支持部45aを設けた緩衝部材45を備える第1実施形態とは異なり、流体制御弁204が、発泡ゴム部材345により設けられた緩衝部材245を備える例について説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。
図11に示すように、第2実施形態の流体制御弁204は、冷却水の流通および冷却水の流通の停止を切り替えるように構成されている。具体的には、流体制御弁204は、弁本体241と、弁体42と、開弁用付勢部材43と、ソレノイド44(図1参照)と、緩衝部材245とを含んでいる。ここで、冷却水の流通方向をF1方向とし、F1方向の逆方向をF2方向とし、F1方向およびF2方向を合わせてF方向とする。
弁本体241は、流通孔41eと、ヨーク41fとを含んでいる。また、弁本体241には、F2方向に向かって窪み、着座時において後述する発泡ゴム部材345を収容する収容凹部241aが形成されている。詳細には、収容凹部241aは、着座部41gのF1方向側の面をF2方向に窪ませている。また、弁本体241には、後述する発泡ゴム部材345を収容凹部241aに位置決めした状態で取り付ける留め孔241bが形成されている。詳細には、留め孔241bは、ヨーク41fを貫通するとともに弁本体241の弁体収容部41bの内周面Uを窪ませることにより形成されている。
図12に示すように、収容凹部241aは、F方向に延びる流通孔41eの中心軸線N回りに複数(4個)設けられている。図示はしないが、留め孔241bは、収容凹部241aの位置に合わせて形成されている。
(緩衝部材)
図13および図14に示すように、緩衝部材245は、F2方向において、着座位置PV2の所定位置PV3から着座位置PV2にわたって弁体42が移動する間、弁体42と一体的に移動しながら弁体42の移動速度を減少させるように構成されている。具体的には、第2実施形態の緩衝部材245は、閉弁動作開始後、弁体42との当接位置PS1から着座対応位置PS2まで弁体42の弁座41h側の表面42bに当接部分である先端部345aを当接させるとともに、弁体42のF2方向への移動に伴う移動速度を吸収して減少させる発泡ゴム部材345を含んでいる。
発泡ゴム部材345は、エラストマーなどの弾性変形可能な材料により形成されている。発泡ゴム部材345は、弁体42の磁性体部42aとの当接位置PS1における衝突時の衝撃を緩和するように構成されている。発泡ゴム部材345は、弁体42の磁性体部42aと弁座41hとの着座位置PV2における衝突時の衝撃を緩和するように構成されている。
具体的には、発泡ゴム部材345は、受け部451と、留め部452とを有している。
受け部451は、開弁時および当接時において収容凹部241aよりもF1方向側に突出するように構成されている。詳細には、受け部451は、開弁時および当接時において、周囲の冷却水を吸収して膨張している。また、受け部451は、着座時において収容凹部241aに収容されるように構成されている。詳細には、受け部451は、着座時において、弁体42により収容凹部241a内に潰し込まれることにより、周囲に冷却水を放出してF2方向に収縮している。
留め部452は、留め孔241bに嵌め込まれるように構成されている。留め部452は、受け部451のF2方向側の面からF2方向に向かって突出している。留め部452は、留め孔241bの形状に合わせて形成されている。発泡ゴム部材345は、留め部452により、収容凹部241aに取り付けられている。発泡ゴム部材345は、留め部452により、F方向に直交する方向における収容凹部241aの中央位置に位置決めされた状態で取り付けられている。
このように、発泡ゴム部材345は、弁体42の磁性体部42aとの衝突による荷重を弾性変形することにより吸収している。また、発泡ゴム部材345は、弁体42のF2方向への移動を、内部の冷却水を放出するとともに弾性変形することにより制動している。また、発泡ゴム部材345は、着座時において収容凹部241a内に潰し込まれることにより、弁体42の磁性体部42aと弁座41hとを当接(面接触)させている。なお、第2実施形態の他の構成は、第1実施形態の構成と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、流体制御弁204に、閉弁動作開始後着座前に、F2方向に移動する弁体42に当接して弁体42の移動速度を減少させる緩衝部材245を設ける。そして、緩衝部材245を、弁体42との当接後、弁体42との当接位置PS1から、弁体42が弁座41hに当接して着座する着座位置PV2に対応する着座対応位置PS2まで弁体42との当接部分(先端部345a)を移動可能に構成する。これにより、閉弁状態を保持する十分な閉弁保持力を発生させつつ、弁体42と弁座41hとの衝突音を小さくすることができる。
また、第2実施形態では、上記のように、緩衝部材245を、閉弁開始後、弁体42との当接位置PS1から着座対応位置PS2まで弁体42の弁座41h側の表面42bに先端部345aを当接させるとともに、弁体42のF2方向への移動に伴う移動速度を吸収して減少させる発泡ゴム部材345を設ける。弁本体241に、F2方向に向かって窪み、着座時において発泡ゴム部材345を収容する収容凹部241aを形成する。これにより、発泡ゴム部材345のみにより、弁体42の移動速度の減少、弁体42が弁座41hに着座する際の衝突音の減少および弁体42が緩衝部材245の先端部345aに当接する際の衝突音の減少の全てを行うことができるので、緩衝部材245を簡易な構造にすることができる。なお、第2実施形態の他の効果は、第1実施形態の効果と同様である。
[第3実施形態]
次に、図15〜図18を参照して、本発明の第3実施形態による流体制御弁304の構成について説明する。第3実施形態では、筒状部141に流出用孔144が形成された緩衝部材45を備える第1実施形態とは異なり、筒状部641に流出用孔が形成されていない緩衝部材545を備える例について説明する。なお、第3実施形態において、第1実施形態と同様の構成に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。
図15に示すように、第3実施形態の流体制御弁504は、冷却水の流通および冷却水の流通の停止を切り替えるように構成されている。具体的には、流体制御弁504は、弁本体41と、弁体42と、開弁用付勢部材43と、ソレノイド44(図1参照)と、緩衝部材545とを含んでいる。ここで、冷却水の流通方向をF1方向とし、F1方向の逆方向をF2方向とし、F1方向およびF2方向を合わせてF方向とする。
(緩衝部材)
緩衝部材545は、支持部545aと、弾性部材45bと、支持用付勢部材45c(特許請求の範囲の「第1付勢部材」の一例)とを有している。
支持部545aは、図15および図16に示すように、F1方向から視て略円環形状に形成されている。支持部45aは、金属により形成されている。ここで、支持部545aは、筒状部641と、内側収容部642と、外側収容部643(特許請求の範囲の「第1収容部」の一例)とを有している。
筒状部541は、F方向に延びる円筒形状に形成されている。筒状部541には、F方向に貫通する貫通孔として流通用孔141aが形成されている。筒状部541は、流通孔41e内に配置されている。筒状部541は、F方向に直交する方向において、弁座41hよりも内側(中心軸線C2側)に配置されている。
内側収容部642は、開弁用付勢部材43を保持するように構成されている。具体的には、内側収容部642は、開弁用付勢部材43の受け部として構成されている。
外側収容部643は、支持用付勢部材45cを保持するように構成されている。具体的には、外側収容部643は、開弁用付勢部材43の受け部として構成されている。
外側収容部643は、内周部643aと、接続部643bと、外周部643cとを有している。内周部643aは、内側収容部642のF方向に直交する方向の端部からF1方向に向かって延びている。接続部643bは、内周部643aのF1方向側の端部と外周部643cのF1方向側の端部とを接続している。接続部643bは、内周部643aのF1方向側の端部からF方向に直交する方向に向かって延びている。外周部643cは、接続部643bのF方向に直交する方向の端部からF2方向に向かって延びている。外周部643cの長さは、F方向において、内周部643aの長さよりも小さい。
また、図18に示すように、支持部545aは、支持部545aにより形成される流路の一部の流路幅を絞ることにより、閉弁動作開始後、当接位置PS1(図5参照)から着座対応位置PS2(図6参照)まで緩衝部材545が移動する際、F2方向への弁体42の移動速度を減少させるように構成されている。つまり、支持部545aは、支持部545aにより形成される流路の流路抵抗を粘性ダンパとして利用することによって、閉弁動作開始後、当接位置PS1から着座対応位置PS2まで緩衝部材545が移動する際、閉弁方向への弁体42の移動速度を減少させるように構成されている。
具体的には、支持部545aと弁本体41の弁体収容部41bの内周面Uとの間には、緩衝部材545と弁体42との当接後着座前において、流通用孔141aとは異なるバイパス流路545dが形成されている。
バイパス流路545dは、第1〜第5流路A1〜A5を有している。第1流路A1は、F方向に直交する方向において、外側収容部643の外周部643cの外周面T1と弁体収容部41bの内周面Uとの間の流路である。第2流路A2は、F方向において、外側収容部643の接続部643bのF1方向側の面と弁体収容部41bの内周面Uとの間の流路である。第3流路A3は、F方向に直交する方向において、外側収容部643の内周部643aの内周面T2と弁体収容部41bの内周面Uとの間の流路である。第4流路A4は、F方向において、内側収容部642のF1方向側の面と弁体収容部41bの内周面Uとの間の流路である。第5流路A5は、F方向に直交する方向において、筒状部641の外周面と弁体収容部41bの内周面Uとの間の流路である。
第1流路A1および第3流路A3の各々の流路幅は、他の流路(第2、第4および第5流路A2、A4およびA5)よりも流路幅が小さい。ここで、第1流路A1および第3流路A3の各々の流路幅は、微小隙間である。このように、F2方向に直交する方向において、外側収容部143の外周面T1と弁体収容部41bの内周面Uとの間および外側収容部143の内周面T2と弁体収容部41bの内周面Uとの間の両方には、冷却水が流通可能な微小隙間が形成されている。
また、第1流路A1および第3流路A3は、緩衝部材45と弁体42との当接後着座前の間、略一定の流路幅が保持されている。つまり、当接位置PS1から着座対応位置PS2まで、支持部45aおよび弁体42は、第1流路A1および第3流路A3を流れる冷却水に対する流路抵抗により制動されながら一体的にF2方向に移動している。なお、第3実施形態の他の構成は、第1実施形態の構成と同様である。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、上記のように、流体制御弁504に、閉弁動作開始後着座前に、F2方向に移動する弁体42に当接して弁体42の移動速度を減少させる緩衝部材545を設ける。そして、緩衝部材545を、弁体42との当接後、弁体42との当接位置PS1から、弁体42が弁座41hに当接して着座する着座位置PV2に対応する着座対応位置PS2まで弁体42との当接部分(先端部145)を移動可能に構成する。これにより、閉弁状態を保持する十分な閉弁保持力を発生させつつ、弁体42と弁座41hとの衝突音を小さくすることができる。
また、第3実施形態では、上記のように、支持部545aに、F2方向に直交する方向において、流通孔41eよりも外側で、かつ弁本体41の内側に設けられ、支持用付勢部材42cを収容する外側収容部643を設ける。F2方向に直交する方向において、外側収容部643の外周面T1と弁本体41の内周面Uとの間および外側収容部643の内周面T2と弁本体41の内周面Uとの間の両方に、冷却水が流通可能な微小隙間を形成する。これにより、F2方向に移動する弁体42および支持部545aに押し分けられた冷却水が弁本体41内を流通するので、上記微小隙間に冷却水を通過させることができる。つまり、上記微小隙間に冷却水を通過させる際に生じる流路抵抗を利用して支持部545aの移動速度を減少させることができる。この結果、支持用付勢部材45cの付勢力だけでなく流路抵抗を利用して支持部545aの移動速度を減少させることができるので、付勢力のみで支持部545aの移動速度を減少させて弁体42の移動速度を減少させる場合と比較して、弁体42の移動速度をより減少させることができる。なお、第3実施形態の他の効果は、第1実施形態の効果と同様である。
[変形例]
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、緩衝部材45(245)は、所定位置PV3から着座位置PV2にわたって弁体42が移動する間、弁体42と一体的に移動しながら弁体42の移動速度を減少させるように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、緩衝部材は、所定位置よりも開弁位置側の位置から着座位置にわたって弁体が移動する間、弁体と一体的に移動しながら弁体の移動速度を減少させるように構成されてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、冷却水(流体)が流体制御弁4内を流れる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、オイルおよび空気などの冷却水以外の流体が流体制御弁内を流れてもよい。
また、上記第1実施形態では、支持部45aは金属製である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、支持部は樹脂製などであってもよい。
上記第3実施形態では、F1方向(閉弁方向)に直交する方向において、外側収容部143(第1収容部)の外周面T1と弁本体41の内周面Uとの間または外側収容部143(第1収容部)の内周面T2と弁本体41の内周面Uとの間の両方には、冷却水(流体)が流通可能な微小隙間が形成されている例を示したが本発明はこれに限られない。本発明では、閉弁方向に直交する方向において、第1収容部の外周面と弁本体の内周面との間または第1収容部の内周面と弁本体の内周面との間のいずれか一方には、流体が流通可能な微小隙間が形成されていればよい。これにより、F2方向に移動する弁体および支持部に押し分けられた流体が弁本体内を流通するので、上記微小隙間に流体を通過させることができる。つまり、上記微小隙間に流体を通過させる際に生じる流路抵抗を利用して支持部の移動速度を減少させることができる。この結果、支持用付勢部材の付勢力だけでなく流路抵抗を利用して支持部の移動速度を減少させることができるので、付勢力のみで支持部の移動速度を減少させて弁体の移動速度を減少させる場合と比較して、弁体の移動速度をより減少させることができる。
また、上記第1実施形態では、緩衝部材45は、支持用付勢部材45c(付勢部材)を含んでいる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、緩衝部材は、付勢部材ではなくダイヤフラムを含んでいてもよい。
また、上記第1実施形態では、緩衝部材45は、支持用付勢部材45c(付勢部材)と、第1流路A1および第3流路A3により構成される微小隙間とを両方含んでいるが、本発明はこれに限られない。本発明では、緩衝部材は、付勢部材または微小隙間のいずれかのみを含んでいてもよい。
また、上記第2実施形態では、収容凹部41dは、F方向に延びる流通孔41eの中心軸線N回りに複数(4個)設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、収容凹部は、2〜3個または5個以上設けられてもよいし、環状に設けられてもよい。
また、上記第2実施形態では、発泡ゴム部材345は、収容凹部41dのF方向に直交する方向の中央位置に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、発泡ゴム部材は、収容凹部のF方向に直交する方向の中央位置からずれた位置に配置されてもよい。
また、上記第2実施形態では、発泡ゴム部材345は、留め孔241bに留め部452を挿入することにより位置決めされた状態で取り付けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、発泡ゴム部材は、収容凹部に接着材などにより取り付けられてもよい。
また、上記第2実施形態では、緩衝部材245は、発泡ゴム部材345を含んでいる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、緩衝部材は、ばねなどの弾性を有する部材を含んでもよい。
また、上記第1実施形態では、流出用孔144は、筒状部141に複数(8個)形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、流出用孔は、流通用孔から筒状部外に冷却水を流出排出可能であれば、筒状部に1〜7個または9個以上形成されてもよい。
また、上記第1実施形態では、流出用孔144は、F方向に直交する方向から視て略矩形形状であり、かつ、F方向に長く伸びた長孔形状により形成されている例を示したが本発明はこれに限られない。本発明では、流通用孔の形状は、流通用孔から筒状部外に冷却水を流出排出可能であれば、円形状、楕円形状または多角形形状などであってもよい。
また、上記第1実施形態では、複数の流出用孔144は、流通用孔141aの中心軸線T回りの周方向において、等角度間隔で並んで配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数の流出用孔は、流通用孔の中心軸線回りの周方向において、異なる角度間隔で並んで配置されてもよいし、F方向において並んで配置されてもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、弁本体41は、流入側接続部41a、弁体収容部41bおよび流出側接続部41cを互いに超音波溶着することにより一体的に成型されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、弁本体は、流入側接続部、弁体収容部および流出側接続部を互いに超音波溶着以外の溶着方法により一体的に成型されてもよいし、ガスケットまたはOリングを介してボルトなどで締結してもよい。
4、204、504 流体制御弁
41、241 弁本体
41e 流通孔
41f ヨーク
41h 弁座
42 弁体
42b (弁体の弁座側の)表面
44c 電磁コイル
45、245、545 緩衝部材
45a、545a 支持部
45c 支持用付勢部材(第1付勢部材)
141、641 筒状部
143、643 外側収容部
144 排出用孔
145 当接部分、(緩衝部材の弁体側の)先端部
241a 収容凹部
345 発泡ゴム部材
345a 当接部分、先端部
A1 第1流路(微小隙間)
A3 第3流路(微小隙間)
PS1 当接位置
PS2 着座対応位置
PV2 着座位置
T1 (第1収容部の)外周面
T2 (第1収容部の)内周面
U (弁本体の)内周面

Claims (7)

  1. 流体が流れる流通孔と、前記流通孔内に設けられた弁座を有するとともに磁性を有するヨークとを含む弁本体と、
    着座時には前記弁座に当接し、かつ、開弁時には前記弁座から離れることにより前記流通孔から流出する前記流体の流れを制御するとともに磁性を有する弁体と、
    前記弁本体に設けられ、前記弁本体に磁場を発生させて前記弁体を前記弁座に吸引するための電磁コイルと、
    閉弁動作開始後着座前に、閉弁方向に移動する前記弁体に当接して前記弁体の移動速度を減少させる緩衝部材とを備え、
    前記緩衝部材は、前記弁体との当接後、前記弁体との当接位置から、前記弁体が前記弁座に当接して着座する着座位置に対応する着座対応位置まで前記弁体との当接部分を移動可能に構成されている、流体制御弁。
  2. 少なくとも前記緩衝部材の前記弁体側の先端部は、開弁時において、前記弁体と前記弁座との間の前記弁体から離間した位置に配置され、
    前記緩衝部材は、閉弁動作開始後、前記弁体との当接位置としての前記弁体から離間した位置から、前記着座対応位置まで前記当接部分としての先端部を移動可能に構成されている、請求項1に記載の流体制御弁。
  3. 少なくとも前記緩衝部材の前記弁体側の先端部は、弾性変形可能な材料により形成されている、請求項1または2に記載の流体制御弁。
  4. 少なくとも前記緩衝部材の先端部は、前記弁座よりも内側に配置されており、
    前記緩衝部材の先端部は、閉弁動作開始後、前記弁体との当接位置から前記着座対応位置まで、前記弁体の前記弁座側の表面のうちの前記弁座よりも内側の部分に当接するように構成されているとともに、前記弁座は、前記着座位置における前記弁体の前記弁座側の表面のうち前記緩衝部材の先端部よりも外側の部分に当接するように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の流体制御弁。
  5. 前記緩衝部材は、
    前記流通孔に配置される支持部と、
    前記支持部を前記弁体側に付勢する第1付勢部材とを含み、
    前記支持部は、閉弁動作開始後、前記当接位置から前記着座対応位置まで前記緩衝部材が移動する際、前記第1付勢部材により付勢されることにより前記閉弁方向への前記弁体の移動速度を減少させるように構成されている、請求項4に記載の流体制御弁。
  6. 前記支持部は、前記閉弁方向に貫通して前記流通孔の一部として構成される流通用孔が形成された筒状部を有し、
    前記筒状部には、前記閉弁方向に直交する方向に貫通し、前記流通用孔内の前記流体を前記筒状部外に流出させる流出用孔が形成されている、請求項5に記載の流体制御弁。
  7. 前記緩衝部材は、閉弁動作開始後、前記弁体との当接位置から前記着座対応位置まで前記弁体の前記弁座側の表面に先端部を当接させるとともに、前記弁体の前記閉弁方向への移動に伴う移動速度を吸収して減少させる発泡ゴム部材を含み、
    前記弁本体には、前記閉弁方向に向かって窪み、着座時において前記発泡ゴム部材を収容する収容凹部が形成されている、請求項3に記載の流体制御弁。
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