JP2020176577A - 車両の制御方法及び車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】過渡運転時において、内燃機関で行われる所定の燃焼を改善するとともに燃費改善を図る。【解決手段】車両の制御方法は、内燃機関1と発電モータ61とを備える車両の制御方法であり、内燃機関1の定常運転時に所定のEGR率αでEGR燃焼を行うとともに、内燃機関1の過渡運転時には所定のEGR率αよりもEGR率を低下させ、EGR率の低下により発生する内燃機関1の余剰出力を発電モータ61による発電で回収することを含む。【選択図】図6

Description

本発明は、車両の制御方法及び車両に関する。
特許文献1には、定常運転領域のときに大量のEGR(排気再循環)量を導入すると共にその大量のEGR量による内燃機関のトルク低下分だけスロットル弁開度を補正する技術が開示されている。
特開平7−158514号公報
車両においては、環境負荷低減等のために燃費改善に対する要求が高く、希釈燃焼は燃費改善に有効な内燃機関の燃焼方式といえる。しかしながら、希釈率つまりガス燃料比(G/F)を上げた希釈燃焼では層流燃焼速度が遅いため、燃焼が悪化する。このため、希釈率のばらつき等を考慮した燃焼設定が必要になるが、特に内燃機関の過渡運転時には希釈率のばらつきが大きくなって燃焼に影響を及ぼす。例えば、過渡運転時に燃焼限界の希釈率を設定していた場合、希釈率のばらつきだけでなく内燃機関の吸気のばらつきが加わることにより、燃焼安定性の悪化や失火が起きる虞がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、過渡運転時において、内燃機関で行われる希釈燃焼を改善するとともに燃費改善を図ることを目的とする。
本発明のある態様の車両の制御方法は、前記内燃機関の定常運転時に所定の希釈率で希釈燃焼を行うとともに、前記内燃機関の過渡運転時には前記所定の希釈率よりも希釈率を低下させ、希釈率の低下により発生する前記内燃機関の余剰出力を前記発電機による発電で回収することを含む。
本発明の別の態様によれば、上記車両の制御方法に対応する車両が提供される。
これらの態様によれば、過渡運転時には定常運転時よりも希釈率を下げるので、失火を発生させずに燃焼安定性を維持し、燃焼改善を図ることができる。また、希釈率を下げた際、これに応じてスロットル開度を調整しない場合には内燃機関のトルクが増加するところ、これらの態様によれば、内燃機関の余剰出力を発電により回収して利用できる。このため、過渡運転時において、内燃機関で行われる希釈燃焼を改善するとともに燃費改善を図ることができる。
車両の要部を示す図である。 車両のパワートレーンを示す図である。 コントローラが行う制御の一例をフローチャートで示す図である。 過渡運転時のEGR率及び点火時期についての第1の説明図である。 過渡運転時のEGR率及び点火時期についての第2の説明図である。 実施形態の制御に対応するタイミングチャートの一例を示す図である。 過渡運転移行時の変化の詳細をタイミングチャートで示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、車両の要部を示す図である。車両は、内燃機関1と、吸気系10と、排気系20と、過給機30と、EGR装置40と、コントローラ50とを備える。
吸気系10は、吸気通路11と、エアフロメータ12と、吸気絞り弁13と、スロットルバルブ14と、インタークーラ15と、コンプレッサ31とを備える。吸気通路11は、内燃機関1に導入する吸気を流通させる。吸気通路11には、エアフロメータ12、吸気絞り弁13、コンプレッサ31、スロットルバルブ14及びインタークーラ15が上流側からこの順に設けられる。
エアフロメータ12は、吸気の流量を計測する。吸気絞り弁13は、吸気通路11のうち後述するEGR通路41が接続する部分よりも上流側の部分に設けられる。吸気絞り弁13は開度を低下させることにより、EGR通路41を介した排気の還流量を増加させる。
スロットルバルブ14は、内燃機関1に導入する吸気の量を調節する。インタークーラ15は、過給された吸気を冷却する。コンプレッサ31は、過給機30のコンプレッサであり、吸気を圧縮する。
排気系20は、排気通路21と、上流触媒22、23と、下流触媒24と、消音器25と、タービン32とを備える。排気通路21は、内燃機関1から排出される排気を流通させる。排気通路21には、タービン32、上流触媒22、23、下流触媒24及び消音器25が上流側からこの順に設けられる。上流触媒22、23及び下流触媒24は、排気を浄化する。消音器25は、排気音を低減する。タービン32は、過給機30のタービンであり、排気からエネルギーを回収する。
過給機30は、吸気を圧縮して内燃機関1に供給する。過給機30はターボチャージャであり、コンプレッサ31と、タービン32と、シャフト33とを備える。過給機30は、コンプレッサ31が吸気通路11に、タービン32が排気通路21にそれぞれ設けられることで、吸気通路11及び排気通路21に設けられる。過給機30では、タービン32が排気によって回転することで、シャフト33を介してコンプレッサ31が回転し、吸気を圧縮する。コンプレッサ31においては、背中合わせの向きに配置された一対のコンプレッサホイールがシャフト33に設けられており、一対のコンプレッサホイールにより吸気の圧縮が行われる。タービン32には排気バイパス通路が設けられ、排気バイパス通路には流通する排気の流量を調節するウェイストゲートバルブ(図示省略)が設けられる。
EGR装置40は、EGR通路41と、EGRクーラ42と、EGRバルブ43とを備える。EGR装置40は、排気通路21のうち過給機30よりも下流の部分から吸気通路11のうち過給機30よりも上流の部分に排気を還流する。
EGR通路41は、排気通路21と吸気通路11とを接続する。EGR通路41は、排気通路21を流通する排気の一部をEGRガスとして吸気通路11に還流する。EGRクーラ42は、EGR通路41を流通するEGRガスを冷却する。EGRバルブ43は、EGR通路41を流通するEGRガスの流量を調節する。
EGR装置40、具体的にはEGR通路41は、排気通路21のうちタービン32よりも下流の部分と、吸気通路11のうちコンプレッサ31よりも上流の部分とを接続する。このように吸気通路11と排気通路21とを接続するEGR通路41は、LPLすなわちロープレッシャーループのEGR経路を形成する。EGR通路41はさらに具体的には、排気通路21のうち上流触媒22、23及び下流触媒24間の部分と、吸気通路11のうち吸気絞り弁13及びコンプレッサ31間の部分とを接続する。
コントローラ50は電子制御装置であり、コントローラ50には各種センサ・スイッチ類として、エアフロメータ12のほか、クランク角センサ51やアクセル開度センサ52やSOCセンサ53等からの信号が入力される。クランク角センサ51は、所定クランク角ごとにクランク角信号を生成する。クランク角信号は、内燃機関1の回転速度NEを代表する信号として用いられる。アクセル開度センサ52は、車両のアクセルペダルの踏込量を検出する。アクセルペダルの踏込量は、内燃機関1の負荷を代表する信号として用いられる。SOCセンサ53は、バッテリの充電状態を指標する状態量SOCを検出する。
コントローラ50は、上述した各種センサ・スイッチ類からの入力信号に基づいて、内燃機関1のほか、吸気絞り弁13やスロットルバルブ14やEGRバルブ43を制御する。コントローラ50は、機関運転状態に応じて点火時期や燃料噴射量を制御することにより、内燃機関1を制御する。機関運転状態は例えば回転速度NEや負荷である。
図2は、車両のパワートレーンを示す図である。車両は、発電モータ61と、モータジェネレータ(以下、MGと称す)62と、駆動輪63とをさらに備える。発電モータ61は、ギヤ列を介して内燃機関1に接続される。発電モータ61は、内燃機関1により駆動され発電する発電機を構成する。発電モータ61により発電された電力は、バッテリに充電されるほか、後述するシリーズハイブリッドモード(以下、シリーズHEVモードと称す)でMG62の駆動に用いることができる。MG62は、ギヤ列や差動装置を介して駆動輪63に接続される。
このように構成された車両はハイブリッド車両として構成され、車両の運転状態に応じて設定される運転モードとしてEVモードとシリーズHEVモードとを有する。
EVモードは、MG62を走行駆動源とする運転モード、つまりEV走行を行うモードである。EVモードでは、バッテリ充電のために内燃機関1により発電モータ61を駆動して発電することができる。
シリーズHEVモードは、内燃機関1で発電モータ61を駆動して発電し、発電モータ61により発電した電力でMG62を駆動する運転モード、つまりシリーズハイブリッド走行を行うモードである。
MG62は、MG62を制御するためのMGコントローラにより制御される。MGコントローラには、MG62の回転速度を検出するMG回転速度センサ等からの信号が入力される。コントローラ50は、MGコントローラと相互通信可能に接続され、MGコントローラから演算結果等を含む各種信号を受け取ることができる。MGコントローラの代わりにコントローラ50がMG62を制御するように構成されてもよい。
ところで、車両においては、環境負荷低減等のために燃費改善に対する要求が高く、内燃機関1においては、EGRガスの導入によりEGR燃焼が行われる。EGR燃焼は希釈燃焼の一例であり、燃費改善に有効な内燃機関1の燃焼方式といえる。しかしながら、希釈率つまりガス燃料比(G/F)を上げたEGR燃焼では層流燃焼速度が遅いため、燃焼が悪化する。このため、希釈率のばらつき等を考慮した燃焼設定が必要になるが、特に内燃機関1の過渡運転時には希釈率のばらつきが大きくなって燃焼に影響を及ぼす。例えば、過渡運転時に後述する燃焼限界CLの希釈率を設定していた場合、希釈率のばらつきだけでなく内燃機関1の吸気のばらつきが加わることにより、燃焼安定性の悪化や失火が起きることが懸念される。
このような事情に鑑み、本実施形態ではコントローラ50が次に説明する制御を行う。
図3は、コントローラ50が行う制御の一例をフローチャートで示す図である。コントローラ50は、本フローチャートの処理を実行するようにプログラムされることで、制御部を有した構成とされる。コントローラ50は、EVモードで内燃機関1を発電運転している場合に本フローチャートの処理を行うことができる。コントローラ50は、本フローチャートに示す処理を繰り返し実行することができる。
ステップS1で、コントローラ50は、内燃機関1の運転条件の切替条件が成立したか否かを判定する。発電モータ61を駆動する内燃機関1の運転条件は例えば、状態量SOCやアクセル開度に応じて切り替えられる。ステップS1で否定判定であれば、処理は一旦終了する。ステップS1で肯定判定であれば、処理はステップS2に進む。
ステップS2で、コントローラ50は、EGRバルブ43の開度低下指示を行う。これにより、内燃機関1に還流される排気つまりEGRガスの量が低下するので、EGR率が低下しEGR燃焼の希釈率が低下する。EGR率は希釈率に対応する。このため、以下では希釈率をEGR率と称す。
ステップS2で、EGRバルブ43の開度は指示開度まで次第に低下するように指示される。つまり、EGRバルブ43の開度はステップS2で低下し始め、その後指示開度になるまで次第に低下する。EGRバルブ43の指示開度は、所定のEGR率αよりもEGR率を低下させる開度に設定される。所定のEGR率αは、定常運転時に行われるEGR燃焼のEGR率とされる。指示開度に応じて得られる過渡運転時のEGR率については後述する。EGRバルブ43の開度低下指示は、切替条件の成立に応じて内燃機関1が過渡運転になるタイミングよりも早く行われる。
ステップS3で、コントローラ50は、内燃機関1の運転条件の切替タイミングか否かを判定する。切替タイミングは、EGRガスがEGRバルブ43から内燃機関1に供給されるまでの遅れを考慮したタイミングに設定される。切替タイミングは、内燃機関1の運転条件の切替条件が成立したときを基準にして予め設定することができる。ステップS3で否定判定であれば、処理はステップS3に戻る。ステップS3で肯定判定であれば、処理はステップS4に進む。
ステップS4で、コントローラ50は、点火時期を変更する。点火時期は、EGR率に応じた最小進角値であって最良トルクが得られる最小進角値を満たすようにつまりMBT(Minimum Advance for Best Torque)を満たすように設定される。EGR率は、過渡運転時のEGR率とされる。次に、過渡運転時のEGR率及び点火時期について図4、図5を用いて説明する。
図4、図5は、過渡運転時のEGR率及び点火時期についての説明図である。図4では、EGR率及び燃焼評価パラメータである燃焼重心に応じた動作点Mを示す。図5では、EGR率に応じた熱効率を示す。図4、図5で横軸は同一スケールになっている。
図4に示すように、内燃機関1ではEGR率と燃焼重心とに応じて、燃焼安定限界線L1、ノック限界線L2、MBT線L3、燃焼限界CLが図示のように設定される。燃焼安定限界線L1は高希釈側で動作点Mの設定領域の境界線を構成し、ノック限界線L2は低希釈側で動作点Mの設定領域の境界線を構成する。燃焼限界CLは、MBTにおける動作点Mの燃焼限界を示す。図5に示す熱効率線L4は、MBT線L3に対応する熱効率線である。
動作点M1は過渡運転時の動作点Mであり、動作点M2は定常運転時の動作点Mである。従って、動作点M1に対応するEGR率が過渡運転時のEGR率を示す。動作点M1は、ノック限界線L2よりもEGR率が高い範囲に設定される。また、動作点M1は、燃焼安定限界線L1よりもEGR率が低い範囲に設定される。つまり、過渡運転時のEGR率は、ノッキングが発生するEGR率よりも高い範囲で設定され、また、燃焼安定限界に応じたEGR率よりも低い範囲で設定される。
動作点M1は、ばらつきVGF1及びばらつきVIG1を有し、動作点M2は、ばらつきVGF2及びVIG2を有する。ばらつきVGF1及びばらつきVGF2は、EGR率のばらつきであり、過渡運転時にはEGR率のばらつきだけでなく内燃機関1の吸気のばらつきが加わる。このため、ばらつきVGF1はばらつきVGF2よりも大きくなる。つまり、過渡運転時には定常運転時よりもEGR率のばらつきが大きくなる。
ばらつきVIG1及びばらつきVIG2は点火時期のばらつきであり、過渡運転時には上述のように定常運転時よりもEGR率のばらつきが大きくなる。このため、過渡運転時には定常運転時よりも適切な点火時期も大きくばらつくことになり、ばらつきVIG1がばらつきVIG2よりも大きくなる。
動作点M1、動作点M2を含む動作点Mは、このようなEGR率のばらつき及び点火時期のばらつきを含め、燃焼安定限界線L1及びノック限界線L2間の領域に設定される。動作点Mはさらに、MBT線L3上に設定される。これにより、過渡運転時にはMBTを満たすように点火時期が設定されるので、高い熱効率が得られる。
定常運転時よりもEGR率を下げた際、これに応じてスロットルバルブ14の開度を調整しない場合には、内燃機関1のトルクは増加する。内燃機関1では、発電モータ61を駆動して発電を行わせることにより、EGR率の低下により発生する内燃機関1の余剰出力が発電モータ61による発電で回収される。
図3に戻り、ステップS5で、コントローラ50は、過渡運転が終了するか否かを判定する。過渡運転が終了するか否かは例えば、回転速度NEと内燃機関1の切替後の運転条件に応じた目標回転速度との差の絶対値が所定値ΔNE未満になったか否かにより判定できる。所定値ΔNEは、EGRガスが内燃機関1に供給されるまでの遅れを考慮して予め設定することができる。過渡運転が終了するか否かは例えば、回転速度NEの変化率に基づき判定されてもよい。ステップS5で否定判定であれば過渡運転が終了しないと判断され、処理はステップS5に戻る。ステップS5で肯定判定であれば、処理はステップS6に進む。
ステップS6で、コントローラ50は、EGRバルブ43の開度上昇指示を行う。これにより、EGRガスの量が増加するのでEGR率が高まる。上記のように所定値ΔNEを設定している結果、EGRバルブ43の開度上昇指示は、EGRガスが内燃機関1に供給されるまでの遅れを見込んで定常運転になる前に行われる。EGR率は、所定のEGR率αまで高められる。ステップS6の後には本フローチャートの処理は一旦終了する。
図6は、図3に示すフローチャートの処理に対応するタイミングチャートの一例を示す図である。図7は、過渡運転移行時の変化の詳細をタイミングチャートで示す図である。図6では、過渡運転時にEGR率を変更しない場合を破線で示す。図6、図7において、EGR率はエンジン位置におけるEGR率を示す。
タイミングT1よりも前では、内燃機関1の運転は定常運転であり、回転速度NE、トルク及び過給圧は一定となっている。EGR率は所定のEGR率αに設定されている。タイミングT1は運転条件の切替タイミングであり、運転条件の切替により内燃機関1の回転速度NE及びトルクが上昇し始めるとともに過給圧が上昇し始める。EGR率はタイミングT1から低下し始める。このことにつき、図7を用いて説明する。
図7に示すように、EGRバルブ43の開度はタイミングT1よりも前から低下し始めている。つまり、本実施形態では内燃機関1の運転が定常運転から過渡運転に切り替わる前に、EGRバルブ43により所定のEGR率αよりもEGR率を低下させ始めることで、エンジン位置におけるEGR率がタイミングT1で低下し始めるようにしている。これにより、タイミングT1で内燃機関1の回転速度NE、トルクが上昇し始めるのに合わせて、内燃機関1でEGR率を低下させ始めることができる。
図6に戻り、タイミングT1では、EGR率の低下に応じてスロットルバルブ14の開度調整は行われない。このため、EGR率を変更しない場合と比較して、余剰トルクが発生する。この余剰トルクによる余剰出力は、発電モータ61の駆動に用いられる。つまり、余剰出力は発電モータ61の発電により回収され、これにより車両の燃費改善が図られる。
タイミングT2では、回転速度NEと目標回転速度との差の絶対値が所定値ΔNE未満になる。このため、EGRバルブ43の開度上昇指示によりEGR率が上昇し始めるとともに、余剰トルクが減少し始める。そして、タイミングT3でEGR率が所定のEGR率αで一定になるとともに、回転速度NE、トルク及び過給圧が一定になる。
次に、本実施形態の主な作用効果について説明する。
本実施形態にかかる車両の制御方法は、内燃機関1と発電モータ61とを備える車両の制御方法であって、内燃機関1の定常運転時に所定のEGR率αでEGR燃焼を行うとともに、内燃機関1の過渡運転時には所定のEGR率αよりもEGR率を低下させ、EGR率の低下により発生する内燃機関1の余剰出力を発電モータ61による発電で回収することを含む。
このような方法によれば、過渡運転時には定常運転時よりもEGR率を下げるので、失火を発生させずに燃焼安定性を維持し、燃焼改善を図ることができる。また、EGR率を下げた際、これに応じてスロットルバルブ14のスロットル開度を調整しない場合には内燃機関1のトルクが増加するところ、このような方法によれば、内燃機関1の余剰出力を発電により回収して利用できる。このため、過渡運転時において、内燃機関1で行われるEGR燃焼を改善するとともに燃費改善を図ることができる。
本実施形態にかかる車両の制御方法では、車両はハイブリッド車両として構成され、発電モータ61による発電で回収した電力によりバッテリを充電する。
このような方法によれば、余剰トルクによるトルク変化を抑制することにより、バッテリ充電効率を上げることができる。
本実施形態にかかる車両の制御方法では、内燃機関1の運転が定常運転から過渡運転に切り替わる前に所定のEGR率αよりもEGR率を低下させ始める。
このような方法によれば、定常運転から過渡運転への切替タイミングで瞬時に余剰トルクを発生させることが可能になる。
本実施形態にかかる車両の制御方法では、所定のEGR率αよりもEGR率を低下させるにあたり、内燃機関1でノッキングが発生するEGR率よりも高い範囲でEGR率を設定する。
このような方法によれば、ノッキングを発生させずに内燃機関1の運転条件を切り替えることができる。
本実施形態にかかる車両の制御方法では、所定のEGR率αよりもEGR率を低下させるにあたり、燃焼安定限界に応じたEGR率よりも低い範囲でEGR率を設定する。
このような方法によれば、内燃機関1の運転条件の切替時に燃焼安定性を確保することができる。
本実施形態にかかる車両の制御方法では、所定のEGR率αよりもEGR率を低下させるにあたり、EGR率に応じた最小進角値であって最良トルクが得られる最小進角値を満たすように点火時期を設定する。
このような方法によれば、熱効率を上げることができ、充電効率を上げることが可能になる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば上述した実施形態では、内燃機関1でEGR燃焼が行われる場合について説明した。しかしながら、内燃機関1では希薄燃焼が行われてもよい。この場合、EGR率を下げる代わりに空燃比を下げることができる。
上述した実施形態では、車両がシリーズハイブリッド車両である場合について説明した。しかしながら、車両は内燃機関1及び走行モータの少なくともいずれかを走行駆動源とするパラレルハイブリッド車両であってもよい。
上述した実施形態では、車両の制御方法及び制御部が、コントローラ50により実現される場合について説明した。しかしながら、車両の制御方法及び制御部は例えば、複数のコントローラで実現されてもよい。
1 内燃機関
10 吸気系
20 排気系
30 過給機
43 EGRバルブ
50 コントローラ(制御部)
61 発電モータ(発電機)
62 モータジェネレータ

Claims (8)

  1. 内燃機関と発電機とを備える車両の制御方法であって、
    前記内燃機関の定常運転時に所定の希釈率で希釈燃焼を行うとともに、前記内燃機関の過渡運転時には前記所定の希釈率よりも希釈率を低下させ、希釈率の低下により発生する前記内燃機関の余剰出力を前記発電機による発電で回収すること、
    を含むことを特徴とする車両の制御方法。
  2. 請求項1に記載の車両の制御方法であって、
    前記車両は、ハイブリッド車両として構成され、
    前記発電機による発電で回収した電力によりバッテリを充電する、
    ことを特徴とする車両の制御方法。
  3. 請求項1に記載の車両の制御方法であって、
    前記内燃機関の運転が定常運転から過渡運転に切り替わる前に前記所定の希釈率よりも希釈率を低下させ始める、
    ことを特徴とする車両の制御方法。
  4. 請求項1に記載の車両の制御方法であって、
    前記所定の希釈率よりも希釈率を低下させるにあたり、前記内燃機関でノッキングが発生する希釈率よりも高い範囲で希釈率を設定する、
    ことを特徴とする車両の制御方法。
  5. 請求項1に記載の車両の制御方法であって、
    前記所定の希釈率よりも希釈率を低下させるにあたり、燃焼安定限界に応じた希釈率よりも低い範囲で希釈率を設定する、
    ことを特徴とする車両の制御方法。
  6. 請求項1に記載の車両の制御方法であって、
    前記所定の希釈率よりも希釈率を低下させるにあたり、希釈率に応じた最小進角値であって最良トルクが得られる最小進角値を満たすように点火時期を設定する、
    ことを特徴とする車両の制御方法。
  7. 請求項1から6いずれか1項に記載の車両の制御方法であって、
    前記希釈燃焼をEGRガスの導入により行う、
    ことを特徴とする車両の制御方法。
  8. 内燃機関と発電機とを備える車両であって、
    前記内燃機関の定常運転時に所定の希釈率で希釈燃焼を行うとともに、前記内燃機関の過渡運転時には前記所定の希釈率よりも希釈率を低下させ、希釈率の低下により発生する前記内燃機関の余剰出力を前記発電機による発電で回収する制御部、
    を有することを特徴とする車両。
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