JP2020174142A - コイル装置およびコイル装置の製造方法 - Google Patents

コイル装置およびコイル装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】線間にスペーサ用の部材を配置することなく線間に一定の隙間を保持可能で低コストなコイル装置およびコイル装置の製造方法を提供する。【解決手段】コイル装置10は、平面コイルと接着部(剤)15を具備する。平面コイルは、異なる巻き目の電線間に隙間を設けて平坦に巻回された電線11からなり、内周と外周を有する。接着部は、平面コイルの内周と外周を結ぶ方向に隙間に突出して配置される。【選択図】図2

Description

本発明は、非接触給電装置などに用いられるコイル装置およびコイル装置の製造方法に関する。
近年、電気自動車の給電は、ケーブルを用いる接触式から無線電力伝送技術を利用した非接触式へ変更することが進められている。
非接触給電の技術は、給電所の路面に埋め込むようにして設けた送電用(1次側)の平面コイルと電気自動車の底部に設けた受電用(2次側)の平面コイルとを数十cm程度の間隔で対向させることで電力を無線送電することで電気自動車に給電する技術である。
従来、無線電力伝送に用いる平面コイルは、主に、細い複数のエナメル線を撚り合わせて形成したリッツ線を平面的に渦巻き状に巻回して形成する(例えば特許文献1参照)。
この平面コイルの場合、渦電流を抑制するために(加熱を防ぐために)、リッツ線どうしの間に一定の隙間を空ける必要があり、リッツ線の線間に絶縁材を介在させる目的で、絶縁材としての絶縁糸をリッツ線と平行に巻き付けて形成している。
特開2009−158598号公報
このように従来の平面コイルは、リッツ線どうしの間に絶縁糸を介在させて隙間を設けており、隙間の幅を埋める分のスペーサ用の部材(絶縁糸)が必要になり、コスト高になるという問題がある。また、従来の平面コイルは、コイル単体では剛性が低く、コイルの取扱い時にコイル形状が崩れてしまう虞もある。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、電線を巻いた巻線間に一定の隙間を保持可能で低コストなコイル装置およびコイル装置の製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るコイル装置は、平面コイルと接着部を具備する。平面コイルは異なる巻き目の電線間に隙間を設けて平坦に巻回された電線からなり、内周と外周を有する。接着部は平面コイルの内周と外周を結ぶ方向に隙間に突出して配置される。
本発明の他の態様に係るコイル装置の製造方法は、平面コイルを形成する工程と接着部を形成する工程とを具備する。平面コイルを形成する工程では、電線を渦巻き状の溝に嵌め込み、異なる巻き目の電線間に隙間を設けた状態で平坦に巻回して平面コイルを形成する。接着部を形成する工程では、平面コイルの内周と外周を結ぶ方向に隙間に突出して接着部を形成する。
本発明によれば、電線を巻いた巻線間に一定の隙間を保持可能で低コストなコイル装置およびコイル装置の製造方法を提供することができる。
本発明の一つの実施の形態の非接触給電装置の構成を示す断面図。 第1実施形態のコイル装置を示す図。 電線の断面図。 図3の電線表面の繊維層の形成に用いる繊維材を示す図。 巻線治具の金属基板(下金型)を示す図。 取外し治具を巻線治具に装着する様子を示す平面図。 取外し治具の側面図。 巻線治具の上蓋(上金型)を示す図。 巻線治具の溝に沿わせたコイルを加熱、加圧する様子を示す図。 第2実施形態のコイル装置を示す図。 図10のコイル装置のフィルム部材を示す断面図。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
(実施の形態)
本実施形態に係る非接触給電装置は、1次側の非接触送電装置と2次側の非接触受電装置とを対向配置して構成される。電力を供給する側である1次側の非接触送電装置と電力を受ける側の2次側の非接触受電装置は、コイル装置の部分の要素はほぼ同じ要素で構成されており、ここでは、一方の側について説明するが、他方の側も同様であることは言うまでもない。
図1に示すように、例えば1次側の非接触送電装置は、アルミニウム板などの基板1と、この基板1の上面に配置された磁心コア板2と、磁心コア板2の上面に配置されたコイル装置10とを備える。さらに、磁心コア板2におけるコイル装置10の位置を固定するために、磁心コア板2の上面をモールド樹脂等により皮膜してもよい。
(第1実施形態)
図2に示すように、第1実施形態のコイル装置10は、異なる巻き目の電線間に隙間(ギャップ)を設けて平坦に巻回された電線11からなり、内周10aと外周10bを有する平面コイル(ギャップ巻きコイル)と、このギャップ巻きコイルの異なる巻き目の電線11間を繋ぐように隙間(ギャップ)に注入(塗布)された接着剤15とを有する。なお、以下では、電線11を隙間を設けて巻回しただけのものを平面コイル(ギャップ巻きコイル)とし、ギャップ巻きコイルに接着剤15を塗布した完成品をコイル装置と称す。
ギャップ巻きコイルの主材となる電線11としては、例えばリッツ線(金属線)などが用いられている。電線11どうしは、一定間隔の隙間を空けて平らに並べて巻回されている。ギャップ巻きコイルには、異なる巻き目の電線11どうしを繋ぐように接着剤15が塗布され、異なる巻き目の電線11間の隙間が維持されている。つまりギャップ巻きコイルの内周10aと外周10bを結ぶ方向に隙間に突出して接着剤15が配置(ポッティング)されている。接着剤15は、2液室温硬化型のエポキシ接着剤(例えばヘンケル社製、製品名:ロックタイト EA、型番:E−60NC)などを用いるものとする。隙間に突出とは、隙間の外側から隙間の中に入り込むことを言う。突出に代えて注入、充填などでもよい。
図3に示すように、電線11は、エナメル線12を複数撚り合わせて束にして形成したリッツ線13(撚り線群)と、このリッツ線13の周囲に被覆形成された繊維層14とを有する。リッツ線13(撚り線群)は、束にした状態でほぼ円柱の形状をなすものである。なお、エナメル線12は、銅線(素線)12aの外表面(周囲)をエナメル層12bで絶縁皮膜した絶縁導線の一つである。
図3に示したリッツ線13の周囲を覆う被覆である繊維層14は、図4に示すように、外被の鞘32の部分とその内側の芯33の部分との2層構造の繊維材34を束にしたものであり、以下、この束を「熱融着性の糸35」または「糸状部材」と称す。繊維層14はこの熱融着性の糸35を、リッツ線13の周面に押しつけて平坦にして巻き付けたもの、またはその後、加熱加工し熱融着性の糸35を構成する繊維材34どうしを固着したものである。
つまり繊維層14は、熱融着性の糸35を、リッツ線13の周囲に、リッツ線13の周方向(軸と交差する方向)に巻き付けて被覆したもの、つまり熱融着性の糸35をリッツ線13の周囲に平坦に巻き付けたものである。なおリッツ線13に、熱融着性の糸35を平坦にオーバーラップさせながら巻き付けることで、リッツ線13がばらけることなく、かつ屈曲加工したときの形状の維持力を高めることができる。
鞘32は、融点が例えば160℃の結晶性ポリエステル樹脂を材料とするものである。芯33は、融点が例えば250℃の高粘度ポリエステル樹脂を材料とするものである。
つまり熱融着性の糸35を構成する一本一本の繊維材34は、樹脂製の芯33と、この芯33の周囲(外側)に形成された樹脂製の鞘32との2層構造をなし、鞘32の融解温度が芯33よりも低いものである。
融点の異なる鞘32と芯33の2層構造の繊維材34は、上記した高融点ポリエステル樹脂と低融点ポリエステル樹脂の組み合わせの他、ポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂との組み合わせ、ポリエステル樹脂とポリエチレン樹脂との組み合わせ、さらに、ポリエステル樹脂とナイロン樹脂(ポリアミド)との組合せなどが考えられる。つまり繊維材34は、融点の異なる材料を単繊維中に芯33と鞘32の状態で紡糸したものであれば、適用可能である。また、融点の異なる複数の繊維材を混合した混繊糸を用いても良い。融点の異なる複数の繊維材における、高融点の線材が融けずに低融点の繊維材が融ける温度で加熱することで、融点の異なる鞘32と芯33の2層構造の繊維材34と同様の効果を得ることができる。
電線11は、上記熱融着性の糸35を、リッツ線13の周方向(軸と交差する方向)からリッツ線13の外周部に張力を加えながら押し当てて平坦な形状にして巻き付けたものである。
なお、熱融着性の糸35を平坦に巻き付けた後、160℃以上で加熱し、外被の鞘32の部分を融解させた後、冷却により固化したものが平坦な繊維層14となる。
この繊維層14では、加熱時に鞘32の部分だけが融解して隣接どうしで接着しその中の芯33の部分は融解していないためテープ状(帯状)になる。したがって、繊維層14を剥がす際に、糸35を巻き付けた単位でテープ状にきれいに剥がすことができる。また繊維層14を剥がした後、その内側のリッツ線13には繊維層14の残存物が残らないため、加工前のリッツ線13の状態と同様になる。この結果、例えば終端処理などが容易に行える。
ここで、コイル装置10を製造するための治具について説明する。
治具としては、巻線治具と取外し治具を用いる。
巻線治具は、図5に示す金属基板60(下金型)と図8に示す上蓋70(上金型)からなるものである。
図5に示すように、金属基板60には、電線11(図2参照)をコイル形状に巻回するための溝61が設けられている。溝61の内周側には、電線11を巻き始めるための一端61aが設けられている。なお、この例では、電線11を内周側から外周側に巻回する例を説明するが、外周側から内周側に巻回してもよい。また、金属基板60には、位置決め用のピン62が設けられている。
また、この金属基板60には、取外し治具を挿着するための溝63、64が設けられている。溝63、64は、溝61よりも深く設けられている。つまり溝63、64と溝61は深さが異なる。
溝63には、図6に示すように、第1取外し治具としての取外し治具65が側方から矢印A方向に差し込むことで装着可能である。また、溝64には、第2取外し治具としての取外し治具67が側方から矢印A方向に差し込むことで装着可能である。
図7に示すように、取外し治具65には、接着剤15を直線的に塗布するための溝66が設けられている。溝66は、コイルの最内周の電線11から最外周の電線11までの幅66aで設けられている。取外し治具67には、各巻き目の電線11を落とし込むための溝68が設けられている。これら溝66、68の底が、溝61の底の深さと一致する。
図8に示すように、上蓋70は、金属板であり、金属基板60に対応する外形を有する上蓋70には、金属基板60のピン62に対応する位置に孔71が設けられている。
以下、コイル装置10の製造方法を説明する。
電線11としては、例えばリッツ線13を用いるものとする。また電線11としては、リッツ線13以外に、例えば絶縁被覆していない導体(銅やアルミニウムを材料とする線)であってもよい。
(第1工程:巻回工程)
この第1工程では、糸巻機を用いる。この機器は、従来のものを利用する。糸巻機には、熱融着性の糸35を巻いたボビンをセットする。
この第1工程では、熱融着性の糸35を、リッツ線13の外周部に張力を加えながら押し当てて平坦な形状にしてオーバーラップさせながら巻き付ける。これにより、被覆された一本の電線11を作製できる。
熱融着性の糸35として、例えば市販のメルセット「280T48」、250デニール(280デシテックス)の糸状部材を使用した。メルセットは登録商標である。
なお、これ以外に、糸巻条件を変えることで、250デニール(280デシテックス)以上3000デニール(3340デシテックス)以下の熱融着性の糸35を使用できる。
(第2工程:加熱プレス工程)
この第2工程では、加熱プレス機(図9参照)を用いて、第1工程で作製した電線11を渦巻き状に加工してギャップ巻きコイルを製造する。
加熱プレス機は、図9に示すように、上下に対向配置した巻線治具(金属基板60および上蓋70)と、巻線治具(金属基板60および上蓋70)を加熱するヒータ73と、ヒータ73に電力を供給する電源74と、金属基板60を固定し上から上蓋70を押圧するプレス機構(図示せず)とを備える。
この第2工程では、メルセットを巻いたリッツ線13を金属基板60(図5参照)にセットし、溝61に沿って巻回し、ギャップ巻きコイルを作製する。
続いて、金属基板60のギャップ巻きコイルを挟むようにして金属基板60の上に上蓋70を載せて、一定温度で一定時間、加熱プレスする。
その後、常温冷却し、ギャップ巻きコイルの温度が低下した後、上蓋70を一旦取り外し、さらに金属基板60からギャップ巻きコイルを取り外す。
続いて、取外し治具65の溝66に離型剤(例えばヘンケル社製、商品名:Frecote 700−NC)を塗布する。
そして、一度金属基板60から取り外したギャップ巻きコイルを再度金属基板60に戻し、取外し治具65の溝66の上の電線11どうしの隙間に接着剤15を注入(塗布)する。この際、接着剤15が取外し治具65の溝66の幅からはみ出さないようにする。
その後、常温冷却し、接着剤15が固化(硬化)した後、4箇所の取り外し治具65、67を持ち上げて、金属基板60からコイル装置10を取り外す。
(第3工程:非接触給電装置製造工程)
第3工程では、アルミニウム板などの基板1の上面に磁心コア板2を配置し、さらに磁心コア板2の上面に、上記第2工程で製作したコイル装置10を配置することで、図1に示した非接触給電装置を製造することができる。
このように第1実施形態の非接触給電装置によれば、複数のエナメル線12を撚り合わせて形成したリッツ線13の周囲に、リッツ線13の周方向(軸と交差する方向)に熱融着性の糸35を巻き付けて被覆したことで、電線11としての柔軟な引き回しが可能になると共に、この電線11を、線間の隙間を等間隔に空けた渦巻き状の溝61に嵌め込んで加熱した後、冷却することにより、絶縁樹脂などのスペーサを介在させることなく、形状が維持可能なコイル装置10を製造できるので、電線を巻いた巻線間にスペーサ用の部材を配置することなく巻線間に一定の隙間を保持可能で低コストなコイル装置およびコイル装置の製造方法を提供することができる。
なお、線間の隙間を設けないで密巻きに形成した平面コイルにあっては、より一層の形状維持が可能となる。
また、第1実施形態では、以下のような効果が得られる。
リッツ線13の周囲に熱融着性の糸35を巻回することで、エナメル層12bの外周に融着皮膜を設けた自己融着線を用いるよりも安価にできる。さらには、自己融着線は融着被膜を設けることによりリッツ線13の外径が大きくなるが、本実施形態は、リッツ線13の外周に熱融着性の糸35を平坦な形状にして巻き付けるだけであり、自己融着線と比較して厚みの薄いコイル装置10を作製することができる。
加熱しない状態の熱融着性の糸35のままでは固着されないため、リッツ線13の可撓性が保たれるので、例えば熱硬化性樹脂からなる樹脂テープ材を巻回するのに比べて柔軟性にたけ、コイルの成型性が高まる。また、糸巻機は既存の設備を利用可能なため、設備投資が最低限で済む。
隣接する電線11間に隙間を設けたコイル装置10の形状であっても、加熱してリッツ線13を被覆する繊維層14が固着することで、ギャップ巻きコイルは、剛性を得られるため、ギャップ巻きコイルの取扱い時の形状保持が容易となる。
リッツ線13の皮膜にリッツ線13そのものを融着する樹脂などを用いていないため、加熱して、ギャップ巻きコイルの形状を固定した後であっても、固着した繊維層14をはぎ取ることで、加工前のリッツ線13に容易に戻すことができ、また終端処理が容易に行える。
(治具、加熱プレス機を用いることによる効果)
電線11を金属基板60の渦巻き状の溝61に這わせて嵌め込み、上から上蓋70により押圧することで、渦巻き状に成型されたギャップ巻きコイルの微細な凹凸が平坦になり、コイル装置10としての薄型化が可能になる。
また、巻線治具に巻回したリッツ線13をセットしたまま加熱プレス機でメルセットの融解温度まで加熱して融解した後、冷却することで、リッツ線13の周囲にメルセットの糸がテープ状に固化した繊維層14の被覆が形成され、コイル形状の保持が可能になる。
さらに、異なる巻き目の電線11間の隙間(ギャップ)に突出するように接着剤15が固化することで、スペーサなどの部品を設けることなく巻線間の間隔保持強度が高まり、ギャップ巻きコイルを巻線治具から取り外す際や完成したコイル装置10を移送する際などのハンドリング性が向上する。
(第2実施形態)
次に、図10、図11を参照して第2実施形態のコイル装置を説明する。なお、第2実施形態を説明するにあたり、第1実施形態(図1、図2参照)と同じ構成には同一の符号を付しその説明は省略する。
図10に示すように、第2実施形態のコイル装置20は、異なる巻き目の電線間に隙間を設けて平坦に巻回された電線11からなり、内周20aと外周20bを有する平面コイル(ギャップ巻きコイル)と、このギャップ巻きコイルの内周20aと外周20b間の領域の少なくとも一部を覆うように配置されたフィルム部材16とを有する。
この例では、巻回された電線11の直線部分の一部をフィルム部材16で覆っているが、曲線部分まで覆ってもよく、さらに狭い範囲を覆ってもよい。つまりフィルム部材16の領域(接着部分)は、内周20aと外周20bとを結ぶ方向に巻線を跨ぐ領域さえカバーすれば、覆う方向については、いかなる幅であってもよい。
図11に示すように、フィルム部材16は、異なる巻き目の電線11間を渡る幅(内周20aと外周20b間の領域)で形成されたシート状の耐熱フィルム81と、この耐熱フィルム81の一方の面(この例では下面)に配置される接着剤82とを備える。
耐熱フィルム81は、例えば透明ポリエチレンフタレートフィルムが使用される。接着剤82には、例えばホットメルトなどを用いる。
続いて、この第2実施形態のコイル装置20の製造方法を説明する。
この場合、メルセットを巻いたリッツ線13を金属基板60(図5参照)にセットし、溝61に沿って巻回し、ギャップ巻きコイルとする。
続いて、金属基板60にギャップ巻きコイルを挟むようにして上蓋70を載せて、一定温度で一定時間、加熱プレスする。
その後、常温冷却し、ギャップ巻きコイルの温度が低下した後、上蓋70を一旦取り外して、金属基板60に挿着されている取外し治具65、67を覆うようにギャップ巻きコイルの上にフィルム部材16を配置する。
この際に、接着剤82の面が下になるように、つまり耐熱フィルム81とギャップ巻きコイルとの間に接着剤82が介在するように配置する。フィルム部材16は、4箇所の取外し治具65、67の位置にそれぞれ配置する。
次に、フィルム部材16をギャップ巻きコイルの上に配置した状態で、その上から上蓋70を載せて、ギャップ巻きコイルを一定温度で一定時間、加熱プレスする。
その後、常温冷却し、ギャップ巻きコイルが冷め、接着剤82(ホットメルト)が硬化してギャップ巻きコイルとフィルム部材16とが一体化した後、上蓋70を取り外し、さらに4箇所の取り外し治具65、67を持ち上げることで、金属基板60からコイル装置20を取り外す。
このように第2実施形態のコイル装置20によれば、第1実施形態と同様の効果が得られると共に、ギャップ巻きコイルの面にフィルム部材16を接着することで、フィルム部材16の部品コストは増えるものの、コイル装置20としての形状保持性が向上し、コイル装置20をハンドリングする際の作業性を向上することができる。
上記実施形態では、ギャップ巻きコイルの外形を四隅が曲線状のほぼ方形状のものとしたが、これ以外に、金属基板60の溝61の配置および形状を変えることで、例えば外形が長方形やその他の多角形、さらには円形、楕円形などといった形状のギャップ巻きコイル(図示せず)なども容易に製造することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…アルミ板(基板)、2…磁心コア板、10、20…コイル装置、11…電線、12…エナメル線、13…リッツ線、14…繊維層、15…接着剤、16…フィルム部材、32…鞘、33…芯、34…繊維材、35…繊維材の束(熱融着性の糸)、60…金属基板(下金型)、61、63、64…溝、62…ピン、70…上蓋(上金型)、71…孔、73…ヒータ、74…電源。

Claims (12)

  1. 異なる巻き目の電線間に隙間を設けて平坦に巻回された電線からなり、内周と外周を有する平面コイルと、
    前記平面コイルの内周と外周を結ぶ方向に前記隙間に突出して配置された接着部と
    を具備することを特徴とするコイル装置。
  2. 前記平面コイルが、
    複数の金属線を撚り合わせた電線と、
    前記電線の周方向に巻き付けられた熱融着性の糸と
    を備えることを特徴とする請求項1記載のコイル装置。
  3. 前記接着部が、
    前記異なる巻き目の電線間を繋ぐように前記隙間に塗布された接着剤である請求項1記載のコイル装置。
  4. 前記接着部が、
    前記平面コイルの内周と外周間の領域を覆うように前記平面コイルに接着されるフィルム部材である請求項1記載のコイル装置。
  5. 前記フィルム部材が、
    前記異なる巻き目の電線間を渡る幅で形成されたシート状の耐熱フィルムと、
    前記耐熱フィルムと各巻き目の電線との間に配置された熱硬化性の接着剤と
    を具備することを特徴とする請求項4記載のコイル装置。
  6. 前記熱硬化性の接着剤がホットメルトである請求項5記載のコイル装置。
  7. 前記平面コイルの外形が円形または多角形である請求項1乃至請求項6いずれか1項に記載のコイル装置。
  8. 前記隙間が等間隔である請求項1乃至7いずれか1項に記載のコイル装置。
  9. 金属製の基板と、
    前記基板の上に配置した磁心コア板と、
    前記磁心コア板の上に配置した請求項1乃至8いずれか1項に記載の前記コイル装置と
    を具備する非接触給電装置。
  10. 電線を渦巻き状の溝に嵌め込み、異なる巻き目の電線間に隙間を設けた状態で平坦に巻回した平面コイルを形成する工程と、
    前記平面コイルの内周と外周を結ぶ方向に前記隙間に突出して接着部を形成する工程と
    を具備することを特徴とするコイル装置の製造方法。
  11. 前記接着部を形成する工程では、前記異なる巻き目の電線間を繋ぐように前記隙間に接着剤を塗布することを特徴とする請求項10記載のコイル装置の製造方法。
  12. 前記接着部を形成する工程では、前記平面コイルの内周と外周間の領域を覆うように前記平面コイルにフィルム部材を接着することを特徴とする請求項10記載のコイル装置の製造方法。
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