JP2020174112A - 複合部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】大電流化に対応可能で、実装面積の小型化が可能な複合部品を提供する。【解決手段】4つの金属端子が埋設された樹脂ベース10と、樹脂ベース上に配置され、中芯部と壁部を有する第1及び第2のE型コア20A、20Bと、第1のE型コアに収納され、第1及び第2の金属端子に接続する第1のコイル30Aと、第2のE型コアに収納され、第3及び第4の金属端子に接続する第2のコイル30Bと、樹脂ベース上に配置される第1及び第2のコンデンサ40A、40Bと、を備える。第1及び第2のE型コアは中芯部の延伸方向の端面を対向させて配置される。樹脂ベースは、第1及び第3の金属端子の間に配置され、金属端子の夫々の一部が露出する第1の実装部並びに第2及び第4の金属端子の間に配置され、金属端子の夫々の一部が露出する第2の実装部を有する。第1のコンデンサは、第1の実装部に実装され、第2のコンデンサは、第2の実装部に実装される。【選択図】図1

Description

本発明は、複合部品に関する。
電子装置の小型化、高機能化に伴って、コイル素子、容量素子等の複数の素子が搭載された複合部品が求められている。例えば、特許文献1には、リード部材の一方の面にドラムコアを用いたコイル素子が形成され、他方の面に容量素子が接続され、コイル素子の厚み方向と容量素子の厚み方向が部分的に重なるように構成された複合部品が提案されている。
特開平11−31622号公報
特許文献1に記載の複合部品の構成で大電流化に対応するためにはドラムコアを大型化する必要があり、実装面積が大きくなる場合があった。本発明は、大電流化に対応可能でありながら、実装面積の小型化が可能な複合部品を提供することを目的とする。
第1から4の金属端子が埋設された樹脂ベースと、樹脂ベース上に配置され、中芯部と壁部を有する第1および第2のE型コアと、第1のE型コアに収納され、第1および第2の金属端子に両端が接続する第1のコイルと、第2のE型コアに収納され、第3および第4の金属端子に両端が接続する第2のコイルと、樹脂ベース上に配置される第1および第2のコンデンサと、を備える複合部品である。第1および第2のE型コアは、それぞれ中芯部の延伸方向の端面を対向させて配置される。樹脂ベースは、第1および第3の金属端子の間に配置され、第1および第3の金属端子のそれぞれの一部が露出する第1の実装部、ならびに第2および第4の金属端子の間に配置され、第2および第4の金属端子のそれぞれの一部が露出する第2の実装部を有する。第1のコンデンサは、第1および第3の金属端子と接続して第1の実装部に実装され、第2のコンデンサは、第2および第4の金属端子と接続して第2の実装部に実装される。
本発明によれば、大電流化に対応可能でありながら、実装面積の小型化が可能な複合部品を提供することができる。
実施例1の複合部品の構成を示す分解斜視図である。 実施例1の複合部品を構成するE型コアを示す斜視図である。 実施例1の複合部品を構成するコイルを示す斜視図である。 実施例1の複合部品を構成する樹脂ベースを示す斜視図である。 実施例1の複合部品の等価回路図である。 実施例2の複合部品の構成を示す分解斜視図である。 実施例2の複合部品を構成する樹脂ベースを示す斜視図である。 実施例2の複合部品の等価回路図である。 実施例3の複合部品を構成する樹脂ベースを示す斜視図である。 実施例3の複合部品の等価回路図である。
複合部品は、第1から4の金属端子が埋設された樹脂ベースと、樹脂ベース上に配置され、中芯部と壁部を有する第1および第2のE型コアと、第1のE型コアに収納され、第1および第2の金属端子に両端が接続する第1のコイルと、第2のE型コアに収納され、第3および第4の金属端子に両端が接続する第2のコイルと、樹脂ベース上に配置される第1および第2のコンデンサと、を備える。第1および第2のE型コアは、それぞれ前記中芯部の延伸方向の端面を対向させて配置される。樹脂ベースは、第1および第3の金属端子の間に配置され、第1および第3の金属端子のそれぞれの一部が露出する第1の実装部、ならびに第2および第4の金属端子の間に配置され、第2および第4の金属端子のそれぞれの一部が露出する第2の実装部を有する。第1のコンデンサは、第1および第3の金属端子と接続して第1の実装部に実装され、第2のコンデンサは、第2および第4の金属端子と接続して第2の実装部に実装される。
1対のコンデンサが樹脂ベースに一体化されて実装され、1対のコイルがE型コアに収納されて樹脂ベース上に配置されることで、複合部品としての実装面積の小型化が可能になる。また、コイルを大型化することが可能であり、大電流化に対応できる。
複合部品は、第1および第2のE型コアの間に配置される板状のI型コアを更に備えていてもよい。第1のコイルと第2のコイルの結合が抑制され、1対のコイルと1対の
コンデンサを含むLCフィルタを構成できる。
複合部品では、第1および第2のコイルは、それぞれの巻回軸を平行にして配置されていてもよい。これにより第1のコイルと第2のコイルの結合がより抑制される。
複合部品は、第1のE型コアの中芯部および第2のE型コアの中芯部の少なくとも一方と、I型コアとの間に隙間を有していてもよい。コアの間にギャップが形成されるため、大電流によるコアの磁気飽和がより抑制される。
I型コアは、樹脂ベースに対向する面に凸部を有していてもよく、樹脂ベースは、第1および第2のE型コアの間に凹部を有し、凹部に前記凸部が挿入されて複合部品が構成されてもよい。複合部品の製造時におけるI型コアの位置決めが容易になり、生産性が向上する。
複合部品は、樹脂ベース上に配置される第3および第4のコンデンサを更に備えていてもよい。その場合、樹脂ベースは、第1および第2の金属端子の間に配置され、第1および第2の金属端子のそれぞれの一部が露出する第3の実装部、ならびに第3および第4の金属端子の間に配置され、第3および第4の金属端子のそれぞれの一部が露出する第4の実装部を有していてもよい。第3のコンデンサは、第1および第2の金属端子と接続して第3の実装部に実装され、第4のコンデンサは、第3および第4の金属端子と接続して第4の実装部に実装されてもよい。これにより急峻な特性を有するLCフィルタを構成できる。
複合部品では、第1および第2のコイルは、断面が略矩形状の導体がエッジワイズ巻きされてなる巻回部を有していてもよい。コイルの線積率を大きくすることができ、大電流化が容易に可能になる。また、コイルの小型化が可能になる。更に、コイルの直流抵抗をより低減できる。
複合部品では、第1から第4の金属端子は、樹脂ベースの実装面側から露出する端部がそれぞれ、樹脂ベースの側面に沿って前記実装面とは反対側に向けて折り曲げられていてもよい。これにより面実装型の複合部品を容易に構成できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための、複合部品を例示するものであって、本発明は、以下に示す複合部品に限定されない。なお特許請求の範囲に示される部材を、実施形態の部材に限定するものでは決してない。特に実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図中には同一箇所に同一符号を付している。要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上実施形態を分けて示すが、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能である。実施例2以降では実施例1と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1の複合部品100を図1から図5を参照して説明する。図1はコモンモードチョークとして機能する複合部品100の構成を示す分解斜視図である。図2は複合部品100を構成する1対のE型コアの一方を示す斜視図である。図3は複合部品100を構成する1対のコイルの一方を示す斜視図である。図4は複合部品100を構成する樹脂ベース10を示す斜視図である。図5は複合部品100の等価回路図である。なお、図5におけるコイル近傍の黒丸は、コイルの巻始めを示す。
図1に示すように複合部品100は、第1のコンデンサ40Aおよび第2のコンデンサ40Bが実装される樹脂ベース10と、樹脂ベース10上の所定位置に配置される第1のコイル30Aおよび第2のコイル30Bと、第1のコイル30Aを収納して樹脂ベース10上に配置される第1のE型コア20Aと、第2のコイル30Bを収納して樹脂ベース10上に配置される第2のE型コア20Bと、を備える。複合部品100は、例えば、面実装部品として構成される。
第1のE型コア20Aおよび第2のE型コア20Bは、略同一の形状を有している。E型コアの構成を第1のE型コア20Aを例にして説明する。図2に示すように第1のE型コア20Aは、底部28上に中芯部22と中芯部22を包囲して配置される壁部24とを備え、これらが一体に形成されている。図2では中芯部22と壁部24の底部28からの高さは略同一に形成される。第1のE型コア20Aは、中芯部と壁部の延伸方向に平行な面においてE字型の断面形状を有している。E型コア20Aの樹脂ベース10に対向する部分には、壁部が配置されずに切り欠き部26が設けられる。中芯部22はコイルの巻回部の孔に挿入され、壁部24はコイルの外縁部分を部分的に包囲してコイルを収納する。底部28の切り欠き部26側には、2つの金属端子が引き出される2つの溝部が設けられる。
第1のE型コア20Aおよび第2のE型コア22Bは同一の素材、例えば、フェライト材で形成される。E型コアを形成するフェライト材としては、Ni−Zn系、Mn−Zn系等が挙げられる。
第1のコイル30Aおよび第2のコイル30Bは、略同一の形状を有している。コイルの構成を第1のコイル30Aを例として説明する。図3に示すように第1のコイル30Aは、被覆層を有する断面が矩形状の導体(いわゆる平角線)を一方の端部から他方の端部へと幅広面を積層して螺旋状に巻回(いわゆるエッジワイズ巻き)して形成される巻回部32と、巻回部から同じ方向に引き出される2つの引き出し部34とを有する。コイルを形成する導体の被覆層は、例えば、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂で形成される。引き出し部34の端部には導体の長さ方向に略直交して巻回部32の巻回軸の一方向に折り曲げられた第1部分34Aと、第1部分34Aから引き出し部の引き出し方向とは反対側に向けて略直角に折り曲げられてなる第2部分34Bとが設けられる。第1のコイル30Aの引き出し部34の端部は、被覆層が除去されて、第2部分34Bが金属端子に接続される。被覆層の除去は、例えば、レーザー照射で行われ、被覆層が除去された導体部分は、はんだコートされていてもよい。
樹脂ベース10は、コイル、E型コアおよびコンデンサが配置される上面と、上面に対向し実装面となる底面と、上面と底面に隣接する4つの側面とを有する。図4に示すように樹脂ベース10では、第1の金属端子14A、第2の金属端子14B、第3の金属端子14C、および第4の金属端子14Dのそれぞれが、コイルとの接続部分となる端部と、コンデンサとの接続部分とを部分的に露出して樹脂部に埋設されている。第1の金属端子14Aおよび第2の金属端子14Bは、樹脂ベース10の一方の側面にコイルとの接続部分となる端部を露出して配置され、第3の金属端子14Cおよび第4の金属端子14Dは、樹脂ベース10の他方の側面にコイルとの接続部分となる端部を露出して配置される。樹脂ベースに埋設される金属端子を第1の金属端子14Aを一例にして説明する。第1の金属端子14Aの一方の端部には、樹脂ベース10の底面側から底面に沿って露出する底面部14A1と、底面部14A1から側面に沿って底面とは反対側方向に延在する側面部14A2と、側面部14A2から反対側の側面方向に折り曲げられてなる押さえ部14A3とが形成されている。第1の金属端子14Aの他方の端部の一部は、樹脂ベース10に設けられるコンデンサの第1の実装部16Aにおいて、部分的に露出してコンデンサ接続部14A4を形成する。第1の実装部16Aには、第3の金属端子14Cが部分的に露出してコンデンサ接続部14C4を形成する。同様にコンデンサの第2の実装部16Bにおいては、第2の金属端子14Bおよび第4の金属端子14Dが部分的に露出してコンデンサ接続部14B4および14D4を形成する。
複合部品100は、例えば、10mm×10mm×10mmの直方体形状であり、樹脂ベース10は、10mm×10mm×1.5mmの板状である。樹脂ベースを形成する樹脂としては、例えば、ジアリル系樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が適用される。また、第1から第4の金属端子は、銅等の導電性金属で板状に形成され、ニッケルめっき処理されていてもよい。
第1のコイル30Aは、一方の引き出し部34の端部を第1の金属端子14Aと嵌合させて配置される。引き出し部34の端部の第1部分34Aは、第1の金属端子14Aの底面部14A1に対向して配置され、第2部分34Bは、側面部14A2と折り曲げられた押さえ部14A3との間に固定して配置される。第1の金属端子14Aに嵌合して配置される引き出し部34の端部と第1の金属端子14Aとは、例えば、はんだで電気的に接続される。第1のコイル30Aの他方の引き出し部の端部は、同様にして第2の金属端子14Bと嵌合するように配置される。また、第1のコイル30Aの巻回部32は、樹脂ベース10の上面に設けられるコイル載置部12A上に配置される。第2のコイル30Bは、引き出し部34の端部がそれぞれ、第3の金属端子14Cおよび第4の金属端子14Dと嵌合するように配置され、巻回部32がコイル載置部12B上に配置される。
第1のE型コア20Aおよび第2のE型コア20Bは、第1のコイル30Aおよび第2のコイル30Bをそれぞれ収納し、切り欠き部26を樹脂ベース10の上面に対向させて樹脂ベース上に配置される。第1のE型コア20Aおよび第2のE型コアは、第1および第2のコイルの巻回部に挿入された中芯部22の延伸方向の端面を互いに対向させて配置される。第1のE型コア20Aおよび第2のE型コア20Bでは、中芯部22の高さと壁部24の高さが等しいため、中芯部22と壁部24の両方が互いに接触して配置され、エポキシ系接着剤等で固定され、さらに樹脂ベース10上にエポキシ系接着剤等で固定される。
樹脂ベース10の上面には、第1のコンデンサ40Aが実装される第1の実装部16Aと、第2のコンデンサ40Bが実装される第2の実装部16Bとが設けられる。第1の実装部16Aは第1の金属端子14Aと第3の金属端子14Cとの間に配置され、第2の実装部16Bは第2の金属端子14Bと第4の金属端子14Dとの間に配置される。複合部品100では、第1の実装部16Aおよび第2の実装部16Bは、樹脂ベース10上に凹部として形成され、凹部の底面には第1から第4の金属端子がそれぞれ部分的に露出し、第1および第2のコンデンサと電気的に接続される。第1および第2の実装部16Aおよび16Bは、第1および第2のコンデンサ40Aおよび40Bの少なくとも一部を収納可能に形成されている。複合部品100に適用される第1および第2のコンデンサとしては、例えば、積層チップコンデンサ等が挙げられ、積層チップコンデンサのサイズは例えば長さ1.0mm×幅0.5mm×高さ0.5mmである。
複合部品100では、第1のコイル30Aの一端が第1の金属端子14Aに接続され、第2のコイル30Bの一端が第3の金属端子14Cに接続される。また、第1のコイル30Aの他端が第2の金属端子14Bに接続され、第2のコイル30Bの他端が第4の金属端子14Dに接続される。複合部品100において、第1のE型コア20Aの中芯部と第2のE型コア20Bの中芯部とが接触して配置されるため、第1のコイル30Aと第2のコイル30Bとは互いに磁気的に結合している。この複合部品100を、金属端子14Aおよび金属端子14Cを入力側、金属端子14Bおよび金属端子14Dを出力側として用いる場合、コモンモードによりコイルに発生する磁束の方向は逆向きとなる。したがって複合部品100はコモンモードチョークとして機能する。これにより複合部品100は、図5に複合部品100の等価回路図を示すように、樹脂ベースに実装される第1および第2のコンデンサとともにπ型のコモンモードフィルタを構成できる。
(実施例2)
実施例2の複合部品110を図6から図8を参照して説明する。図6はLCフィルタとして機能する複合部品110の構成を示す分解斜視図である。図7は複合部品110を構成する樹脂ベース10Aを示す斜視図である。図8は複合部品110の等価回路図である。複合部品110では2つのE型コアの間に平板状のI型コアが配置されること、E型コアの中芯部の高さが壁部の高さの最大値よりも低く、中芯部とI型コアの間に隙間があること、E型コアの壁部に部分的な窪み部を有すること、および樹脂ベースがI型コアの凸部に対応する凹部を有すること以外は複合部品100と同様に構成される。
複合部品110では、第1のコイル30Aと第1のコイル30Aと同一形状の第2のコイル30Bの間に、I型コア50がその平板面を挟まれて配置されている。そのため、第1のコイル30Aと第2のコイル30Bとの間の磁気結合が抑制される。これにより、複合部品110は、例えば図8に示す等価回路のようなπ型のLCフィルタとして機能できる。また、複合部品110の第1のE型コア20Cと第2のE型コア20Dでは、中芯部の高さが中芯部を囲む壁部よりも低く、後述する窪み部21の高さと同じなっている。これにより、E型コアの中芯部とI型の間に隙間が形成され、コアの磁気飽和がより抑制され易く、大電流化に対応できる。また、複合部品110を構成するE型コアには、切り欠き部に対向する壁部に窪み部21が設けられる。これは中芯部の高さと窪み部とを同時に加工したために生じたものである。
複合部品110を構成する樹脂ベース10Aには、I型コア50の凸部に対応する凹部18が設けられる。樹脂ベース10Aに凹部18が設けられていることで、複合部品の製造時においてI型コア50の位置決めが容易になり、生産性が向上する。
実施例2の複合部品110では、第1のE型コア20Cの中芯部と第2のE型コア20Dの中芯部は略同一線上に配置されているが、それぞれの中芯部の延伸方向が同一線上ではなく、略平行になるように配置されていてもよい。これにより、第1および第2のコイル間の磁気結合がより抑制される。
なお、実施例2では、I型コアにより第1のコイルと第2のコイルとの間の磁気結合が抑制されるので、コイルの巻回方向は複合部品に影響を与えない。したがって、巻回方向を揃える必要はなく、第1のコイルと巻回方向が逆に形成された第2のコイルを用いてもよい。
(実施例3)
実施例3の複合部品を図9および図10を参照して説明する。図9は急峻な特性を有するLCフィルタとして機能する実施例3の複合部品を構成する樹脂ベース10Bを示す斜視図であり、図10は実施例3の複合部品の等価回路図である。実施例3の複合部品では、第1の金属端子と第2の金属端子との間に第3のコンデンサが実装される第3の実装部が設けられ、第3の金属端子と第4の金属端子との間に第4のコンデンサが実装される第4の実装部が設けられること以外は、複合部品110と同様に構成される。
図9に示すように樹脂ベース10Bには、第1の実装部16Aおよび第2の実装部16Bに加えて、第3の実装部16Cおよび第4の実装部16Dが設けられる。第3の実装部16Cは、第1の金属端子14Aと第2の金属端子14Bとの間に凹部として設けられ、第1の金属端子14Aの一部と第2の金属端子14Bの一部が露出している。第4の実装部16Dは、第3の金属端子14Cと第4の金属端子14Dとの間に凹部として設けられ、第3の金属端子14Cの一部と第4の金属端子14Dの一部が露出している。第3の実装部16Cに第3のコンデンサ40Cが実装され、第4の実装部16Dに第4のコンデンサ40Dが実装されることで、図10の等価回路図に示すようなLCフィルタが構成される。図10に示すようなLCフィルタでは、第1および第2のコンデンサに加えて第3および第4のコンデンサが接続されることで、急峻な特性を有するLCフィルタを構成できる。
以上の実施例では、コイルを形成する導体として導体の長さ方向に直交する断面が矩形状の平角線を例示したが、平角線の厚み方向の側面が曲面である断面を有する導体を用いてもよい。また導体の断面が略円形状の丸線を用いてもよい。コイルを形成する導体の被覆層は、ポリウレタン樹脂に限らず、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂であってもよく、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂であってもよい。
実施例2の複合部品110では、2つのE型コアは、I型コアを挟んで中芯部の延伸方向の端面を対向させて配置される、いわゆるEIE型のコア配置を有しているが、第1のE型コアが第1のI型コアに中芯部の延伸方向の端面を対向させて配置され、第2のE型コアが第2のI型コアに中芯部の延伸方向の端面を対向させて配置され、第1のE型コアと第2のE型コアが底部を対向させて配置されて複合部品を構成してもよい。この場合の複合部品ではコア配置がIEEI型となる。また複合部品は4つのコイルを含んで構成されてもよい。複合部品が4つのコイルを含む場合、例えば、第1のE型コアと第2のE型コアを中芯部の延伸方向の端面を対向させて配置し、第3のE型コアと第4のE型コアを中芯部の延伸方向の端面を対向させて配置し、第2のE型コアの底部と第3のE型コアの底部とを対向させて配置してもよい。この場合の複合部品ではコア配置がEEEE型となる。
100、110 複合部品
10 樹脂ベース
20 E型コア
30 コイル

Claims (8)

  1. 第1から4の金属端子が埋設された樹脂ベースと、
    前記樹脂ベース上に配置され、中芯部と壁部を有する第1および第2のE型コアと、
    前記第1のE型コアに収納され、前記第1および第2の金属端子に両端が接続する第1のコイルと、
    前記第2のE型コアに収納され、前記第3および第4の金属端子に両端が接続する第2のコイルと、
    前記樹脂ベース上に配置される第1および第2のコンデンサと、を備え、
    前記第1および第2のE型コアは、それぞれ前記中芯部の延伸方向の端面を対向させて配置され、
    前記樹脂ベースは、前記第1および第3の金属端子の間に配置され、前記第1および第3の金属端子のそれぞれの一部が露出する第1の実装部、ならびに前記第2および第4の金属端子の間に配置され、前記第2および第4の金属端子のそれぞれの一部が露出する第2の実装部を有し、
    前記第1のコンデンサは、前記第1および第3の金属端子と接続して前記第1の実装部に実装され、
    前記第2のコンデンサは、前記第2および第4の金属端子と接続して前記第2の実装部に実装される、複合部品。
  2. 前記第1および第2のE型コアの間に配置される板状のI型コアを更に備える請求項1に記載の複合部品。
  3. 前記第1および第2のコイルは、それぞれの巻回軸を平行にして配置される請求項2に記載の複合部品。
  4. 前記第1のE型コアの中芯部および第2のE型コアの中芯部の少なくとも一方と、前記I型コアとの間に隙間を有する請求項2または3に記載の複合部品。
  5. 前記I型コアは、前記樹脂ベースに対向する面に凸部を有し、前記樹脂ベースは、前記第1および第2のE型コアの間に凹部を有し、前記凹部に前記凸部が挿入されてなる請求項2から4のいずれかに記載の複合部品。
  6. 前記樹脂ベース上に配置される第3および第4のコンデンサを更に備え、
    前記樹脂ベースは、前記第1および第2の金属端子の間に配置され、前記第1および第2の金属端子のそれぞれの一部が露出する第3の実装部、ならびに前記第3および第4の金属端子の間に配置され、前記第3および第4の金属端子のそれぞれの一部が露出する第4の実装部を有し、
    前記第3のコンデンサは、前記第1および第2の金属端子と接続して前記第3の実装部に実装され、
    前記第4のコンデンサは、前記第3および第4の金属端子と接続して前記第4の実装部に実装される請求項2から5のいずれかに記載の複合部品。
  7. 前記第1および第2のコイルは、断面が略矩形状の導体がエッジワイズ巻きされてなる巻回部を有する請求項1から6のいずれかに記載の複合部品。
  8. 前記第1から第4の金属端子は、前記樹脂ベースの実装面側から露出する端部がそれぞれ、前記樹脂ベースの側面に沿って前記実装面とは反対側に向けて折り曲げられている請求項1から7のいずれかに記載の複合部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024154387A1 (ja) * 2023-01-19 2024-07-25 株式会社村田製作所 コイル部品、これを含むフィルタ回路

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