JP2020174099A - 基板処理装置及び異常検出方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明者らが調査したところによれば、酢酸ブチル等の絶縁性の高い処理液を用いる場合、吐出ノズルへの供給管に設けられた開閉弁を閉じた後、暫くしてから吐出ノズルから液垂れすることがある。
この液垂れの原因としては以下のものが考えられる。すなわち、吐出ノズルへの供給管に設けられた開閉弁も、フッ素系樹脂等の絶縁性材料から形成されるため、絶縁性の高い処理液が開閉弁内を通過する際に、当該開閉弁に静電気が生じ蓄積される。この静電気が過剰に蓄積されたときに静電気放電が生じ開閉弁内の弁体や弁座に微小な損傷が与えられる。このように開閉弁に異常が生じた結果、開閉弁を閉状態としても処理液が徐々に漏れ出し、すなわち、処理液のスローリーク(例えば0.01ml/min〜0.0.04ml/min)が生じ、上述のような液垂れが生じるものと考えられる。しかし、処理液の供給流量の調整等のために装置内に設けられている流量計では、処理液の流れが存在しない状態でも、0.1ml/min以上の範囲で計測値がぶれており、0.01ml/min〜0.0.04ml/minのような遅い速度のリークを安定的に検知することができない。その理由としては、装置内に既設の流量計の検知範囲は吐出レートに合わせて設定されていること等が考えられる。
図1及び図2は、第1実施形態にかかる基板処理装置としての現像処理装置1の構成の概略を示す縦断面図及び横断面図である。
なお、吐出ノズル32は、処理液供給部としての現像液供給部100に接続されている。現像液供給部100については後述する。
なお、制御部200は、後述するように、現像液供給部100内の後述の上流側弁等の異常の有無を判定するように構成されている。そして、制御部200は、異常ありと判定された場合に、異常を報知するアラーム発報部201を有している。なお、アラーム発報部201は、例えば警告を画面に表示するディスプレイや、警告音を発報するブザー等により構成される。
なお、現像液供給部100は、例えば、後述の開閉弁からフィルタまでの部分が、不図示のケミカル室内に設けられている。ケミカル室とは、各種処理液を現像処理装置1等の液処理装置に供給するためのものである。
この現像液供給部100は、現像液供給源Sからの現像液を吐出ノズル32に圧送するポンプ101を有する。ポンプ101と現像液供給源Sとは接続管151によって接続されており、接続管151には開閉弁102が設けられている。ポンプ101の駆動動作や開閉弁102の開閉動作は、制御部200によって制御される。
また、ポンプ101には、当該ポンプ101と吐出ノズル32とを接続する供給管152が接続されている。供給管152は、フッ素系樹脂で形成されている。
弁箱104aには、弁体104bが内蔵されている。弁体104bは、弁箱104aにより形成される流路に対して直角に移動して当該流路を開閉する。
また、弁箱104aには、弁体104bと対向する位置に、弁体104bに向かって延び出すように形成された弁座104cが形成されている。弁体104bの弁座104c側の面(図4の下面)と弁座104cの弁体104bの面(図4の上面)とが当接したときに弁箱104aにより形成される流路は閉止され、供給管152は閉止され、現像液Rの流れが停止する。弁箱104a、弁体104b及び弁座104cはそれぞれフッ素系樹脂材料で形成されている。
この上流側弁104は、例えば、エアオペレーションバルブで構成され、当該エアオペレーションバルブに設けられたスピードコントローラ(図示せず)で、弁体104bによる流路の開閉速度を調整することができる。
なお、下流側弁105の構造は、上流側弁104の構造と同様であるため、その図示や説明を省略する。
上述の上流側弁104の開閉動作や下流側弁105の開度は制御部200によって制御される。
また、供給管152には、圧力測定部としての圧力センサ106が設けられている。圧力センサ106は、上流側弁104と下流側弁105との間の部分における、供給管152内の現像液の圧力を測定する。圧力センサ106での測定結果は、制御部200に出力される。
なお、図示は省略するが、供給管152には、吐出ノズル32へ供給される現像液の流量を測定するための流量計が設けられている。流量計は、例えば供給管152における下流側弁105と圧力センサ106との間の部分に設けられる。
それに対し、現像液供給部100では、制御部200が、上流側弁104と下流側弁105の両方が閉状態のときの圧力センサ106での測定結果に基づいて、上流側弁104及び下流側弁105の異常の有無を判定する。
例えば、制御部200は、上流側弁104及び下流側弁105が閉状態とされてから所定時間経過後の圧力センサ106での測定結果に基づいて、上記異常の有無の判定を行う。より具体的には、制御部200は、上流側弁104及び下流側弁105を閉状態とする制御信号を出力してから所定時間経過後の圧力センサ106での測定結果に基づいて、上記異常の有無の判定を行う。上記所定の時間は例えば45〜120秒である。異常の有無の判定の具体的な方法については後述する。
以下、異常の有無の判定手法を図5〜図8を用いて説明する。
しかし、上流側弁104が正常であり下流側弁105にスローリークが生じていた場合、図6に示すように、現像液の測定圧Pmは徐々に低下し、ポンプ101の圧送圧Ppを下回り、吐出ノズル32の周囲の雰囲気圧力(例えば大気圧)Ps近くまで低下する。
また、下流側弁105が正常であり上流側弁104にスローリークが生じていた場合、図7に示すように、現像液の測定圧Pmは徐々に低下し、ポンプ101の圧送圧Pp近くまで低下する。
下流側弁105及び上流側弁104の両方にスローリークが生じていた場合は、図8に示すように、現像液の測定圧Pmは、徐々に低下し、吐出ノズル32の周囲の雰囲気圧力Psまでは低下しないものの、ポンプ101の圧送圧Ppを下回るようになる。
制御部200は、異常有りと判定された場合、例えば、アラーム発報部201を介して異常を報知する。
図9は、第2実施形態にかかる現像処理装置が備える現像液供給部300の構成の概略を示す説明図である。
図示するように、本実施形態にかかる現像液供給部300では、ポンプ101は、複数の吐出ノズル32で共通としている。また、供給管152は、複数の吐出ノズル32に向けて分岐された分岐管301を有する。そして、各分岐管301に対し、上流側弁104、下流側弁105、圧力センサ106が設けられている。なお、図では、一部の分岐管301のみに上流側弁104等が設けられている。
さらに、各分岐管301には、上流側弁104より上流側における当該分岐管301内の現像液の圧力を測定する他の圧力測定部としての圧力センサ302が設けられている。圧力センサ302での測定結果は、制御部200に出力される。
P3=Pb+(Pi−Pb)×0.25 …(1)
そして、制御部200は、圧力センサ106で測定される現像液の測定圧Pmが第3閾値P3を下回るか否かに基づいて、上流側弁104の異常の有無を判定する。
P3=Pb+(Pi−Pb)×0.25 (Pb>Pb0の場合)
=Pb0 (Pb≦Pb0の場合)…(2)
P3=Pb+(Pi−Pb)×0.25 (Pb>Pb0の場合)
=Pb (Pb≦Pb0の場合)…(3)
以上の例では、現像処理の際に、吐出ノズル32からの現像液の吐出後、上流側弁104及び下流側弁105を閉状態として、圧力センサ106から測定結果を取得し、該測定結果に基づいて、上流側弁104及び下流側弁105の異常の有無を判定していた。
上流側弁104及び下流側弁105の異常の有無の判定を行うタイミングは、上述のような現像処理等の基板処理時に限られない。例えば、現像処理等の基板処理の待機時に、上記異常の有無の判定を行うようにしてもよい。具体的には、制御部200が、上記待機時に、吐出ノズル32から一旦現像液が吐出されその後上流側弁104及び下流側弁105が閉状態とされているときの、圧力センサ106等での測定結果が取得されるよう制御信号を出力する。そして、圧力センサ106等での測定結果に基づいて、上流側弁104及び下流側弁105の異常の有無を判定するようにしてもよい。なお、待機時に異常の有無を判定する際、現像液の吐出先は、待機部34内であってもよいし、カップ22内であってもよい。
本例において、上流側弁401及び下流側弁402は一体物とされ、当該一体物に対し圧力センサ106が設けられている。
弁箱401a、402aには、弁体401b、402bが内蔵されている。弁体401b、402bは、弁箱401a、402aにより形成される流路に対して直角に移動して当該流路を開閉する。
また、弁箱401a、402aには、弁体401b、402bと対向する位置に、弁体401b、402bに向かって延び出すように形成された弁座401c、402cが形成されている。弁体401b、402bの弁座401c、402c側の面(図10の下面)と弁座401c、402cの弁体401b、402bの面(図10の上面)とが当接したときに弁箱401a、402aにより形成される流路は閉止され、供給管152は閉止される。弁箱401a、402a、弁体401b、402b及び弁座401c、402cはそれぞれフッ素系樹脂材料で形成されている。
また、以上の例では、処理液として現像液を供給する供給部に、上流側弁及び下流側弁を設け、これらの異常の有無を判定していた。これに代えて、処理液として体積抵抗率が4.5×1010Ω・cm以上のリンス液を供給する供給部に、上流側弁及び下流側弁を設け、これらの異常の有無を判定するようにしてもよい。
なお、以上の例では、上流側弁や下流側弁は、フッ素系樹脂で形成されるものとしていたが、他の絶縁性樹脂で形成されていてもよい。また、上流側弁や下流側弁の全体ではなく、接液面のみが絶縁性樹脂で形成されていてもよい。
(1)基板に処理液を供給して所定の処理を行う基板処理装置であって、
前記基板に前記処理液を吐出する吐出部と、
前記吐出部に前記処理液を供給する処理液供給部と、を備え、
前記処理液供給部は、
前記吐出部に前記処理液を圧送するポンプと、
前記吐出部と前記ポンプとを接続する供給管と、
前記供給管に、上流側から順に設けられた上流側弁及び下流側弁と、
前記上流側弁と前記下流側弁との間の部分における、前記供給管内の前記処理液の圧力を測定する圧力測定部と、
前記吐出部からの吐出後に前記上流側弁及び前記下流側弁が閉状態とされているときの、前記圧力測定部での測定結果に基づいて、前記上流側弁及び前記下流側弁の異常の有無を判定するように構成されている制御部と、を有する、基板処理装置。
上記(1)によれば、処理液の吐出部への供給管に設けられた上流側弁及び下流側弁の、スローリーク等の異常を検知することができる。
前記(6)によれば、上流側弁の異常をより確実に検知することができる。
前記(7)によれば、上流側弁の異常をより確実に検知することができる。
前記(8)によれば、上流側弁の異常をより確実に検知することができる。
前記(9)によれば、上流側弁の異常をより確実に検知することができる。
前記供給管は、前記複数の前記吐出部それぞれに向けて分岐され前記上流側弁及び前記下流側弁が設けられた分岐管を有し、
前記処理液供給部は、さらに、前記上流側弁より上流側における、前記分岐管内の前記処理液の圧力を測定する他の圧力測定部を有し、
前記制御部は、前記吐出部からの吐出後に前記上流側弁及び前記下流側弁が閉状態とされているときの、前記圧力測定部及び前記他の圧力測定部での測定結果に基づいて、前記上流側弁の異常の有無を判定するように構成されている、前記(1)〜(9)のいずれか1に記載の基板処理装置
前記(10)によれば、分岐管への現像液の圧送圧が上昇した場合でも、上流側弁の異常をより確実に検知することができる。
前記基板処理装置は、
前記基板に前記処理液を吐出する吐出部と、
前記吐出部に前記処理液を供給する処理液供給部と、を備え、
前記処理液供給部は、
前記吐出部に前記処理液を圧送するポンプと、
前記吐出部と前記ポンプとを接続する供給管と、
前記供給管に、上流側から順に設けられた上流側弁及び下流側弁と、を有し、
当該異常検出方法は、
前記吐出部から前記処理液を吐出する吐出工程と、
前記吐出工程後、前記上流側弁及び前記下流側弁を閉状態とする弁制御工程と、
閉状態とされた前記上流側弁と前記下流側弁との間の部分における、前記供給管内の前記処理液の圧力を測定する圧力測定工程と、
前記圧力測定工程での測定結果に基づいて、前記上流側弁及び前記下流側弁の異常の有無を判定する判定工程と、を含む、異常検出方法。
32 吐出ノズル
100、300 現像液供給部
101 ポンプ
104、401 上流側弁
105、402 下流側弁
106 圧力センサ
152 供給管
200 制御部
Pb 基準圧
Pm 測定圧
Pp 圧送圧
R 現像液
W ウェハ
Claims (13)
- 基板に処理液を供給して所定の処理を行う基板処理装置であって、
前記基板に前記処理液を吐出する吐出部と、
前記吐出部に前記処理液を供給する処理液供給部と、を備え、
前記処理液供給部は、
前記吐出部に前記処理液を圧送するポンプと、
前記吐出部と前記ポンプとを接続する供給管と、
前記供給管に、上流側から順に設けられた上流側弁及び下流側弁と、
前記上流側弁と前記下流側弁との間の部分における、前記供給管内の前記処理液の圧力を測定する圧力測定部と、
前記吐出部からの吐出後に前記上流側弁及び前記下流側弁が閉状態とされているときの、前記圧力測定部での測定結果に基づいて、前記上流側弁及び前記下流側弁の異常の有無を判定するように構成されている制御部と、を有する、基板処理装置。 - 前記制御部は、前記圧力測定部で測定された前記処理液の圧力が、前記ポンプの処理液の圧送圧より小さく前記吐出部の周囲の雰囲気圧力以上に設定された閾値を下回ったときに、前記下流側弁に異常あり、と判定するように構成されている、請求項1に記載の基板処理装置。
- 前記制御部は、前記圧力測定部で測定された前記処理液の圧力が、前記ポンプの処理液の圧送圧より小さく且つ前記閾値より大きい値に設定された他の閾値を下回ったときに、前記上流側弁と前記下流側弁の両方に異常あり、と判定するように構成されている、請求項2に記載の基板処理装置。
- 前記制御部は、前記圧力測定部で測定された前記処理液の圧力が、前記ポンプの処理液の圧送圧以上に設定された別の閾値を下回ったときに、前記上流側弁に異常あり、と判定するように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板処理装置。
- 前記制御部は、前記吐出部からの吐出後に前記上流側弁及び前記下流側弁が閉状態とされてから所定時間経過後の、前記圧力測定部での測定結果に基づいて、前記異常の有無の判定を行うように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の基板処理装置。
- 前記制御部は、前記所定の処理の待機時に、前記吐出部からの吐出後に前記上流側弁及び前記下流側弁が閉状態とされているときの、前記圧力測定部での測定結果が、取得されるよう制御信号を出力すると共に、当該測定結果に基づいて、前記異常の有無の判定を行うように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の基板処理装置。
- 前記制御部は、前記異常の有無の判定の際、前記下流側弁が閉状態となった後に前記上流側弁が閉状態がとなるよう制御信号を出力するように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の基板処理装置。
- 前記上流側弁及び前記下流側弁は一体物であり、前記圧力測定部は当該一体物に対し設けられている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の基板処理装置。
- 前記上流側弁内の流路の断面積は、当該上流側弁の弁体より下流側が上流側に比べて大きい、請求項1〜8のいずれか1項に記載の基板処理装置。
- 前記ポンプは、複数の前記吐出部で共通であり、
前記供給管は、前記複数の前記吐出部それぞれに向けて分岐され前記上流側弁及び前記下流側弁が設けられた分岐管を有し、
前記処理液供給部は、さらに、前記上流側弁より上流側における、前記分岐管内の前記処理液の圧力を測定する他の圧力測定部を有し、
前記制御部は、前記吐出部からの吐出後に前記上流側弁及び前記下流側弁が閉状態とされているときの、前記圧力測定部及び前記他の圧力測定部での測定結果に基づいて、前記上流側弁の異常の有無を判定するように構成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の基板処理装置。 - 前記処理液は、体積抵抗率が4.5×1010Ω・cm以上である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の基板処理装置。
- 前記上流側弁及び前記下流側弁の前記処理液と接触する部分は、絶縁性材料で形成されている、請求項1〜11のいずれか1項に記載の基板処理装置。
- 基板に処理液を供給して所定の処理を行う基板処理装置の異常を検出する異常検出方法であって、
前記基板処理装置は、
前記基板に前記処理液を吐出する吐出部と、
前記吐出部に前記処理液を供給する処理液供給部と、を備え、
前記処理液供給部は、
前記吐出部に前記処理液を圧送するポンプと、
前記吐出部と前記ポンプとを接続する供給管と、
前記供給管に、上流側から順に設けられた上流側弁及び下流側弁と、を有し、
当該異常検出方法は、
前記吐出部から前記処理液を吐出する吐出工程と、
前記吐出工程後、前記上流側弁及び前記下流側弁を閉状態とする弁制御工程と、
閉状態とされた前記上流側弁と前記下流側弁との間の部分における、前記供給管内の前記処理液の圧力を測定する圧力測定工程と、
前記圧力測定工程での測定結果に基づいて、前記上流側弁及び前記下流側弁の異常の有無を判定する判定工程と、を含む、異常検出方法。
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