JP2020172441A - シデロフォア型抗菌用医薬組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 種々の細菌に対して有効な医薬組成物を提供する。【解決手段】本発明は、(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を組み合わせることを特徴とする医薬組成物を提供する。【選択図】なし
Description
本発明は、2つの化合物を組み合わせることを特徴とする医薬に関する。詳しくは、(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を組み合わせることを特徴とする医薬組成物に関する。さらに詳しくは、(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を組み合わせることを特徴とする、細菌感染症治療用の医薬組成物に関する。
これまで、様々なβ−ラクタム薬の開発が行われており、多くのβ−ラクタム薬が上市されて臨床上重要な抗菌薬のひとつとなっている。しかし、これらβ−ラクタム薬についてもβ−ラクタマーゼ産生による不活化や排出ポンプによる薬剤排出などによりβ−ラクタム薬に対して耐性を獲得した菌種が増加している。これらのうち特に、β−ラクタマーゼ産生による耐性機構はグラム陰性菌におけるカルバペネマーゼ産生の出現という点から注目されている。
β−ラクタマーゼはアムブラー(Ambler)の分子分類法によると、β−ラクタマーゼは大きく4つのクラスに分類される。すなわち、クラスA(TEM型、SHV型、CTX−M型、KPC型など)、クラスB(NDM型、IMP型、VIM型、L−1型など)、クラスC(AmpC型、ADC型,ACT/MIRなど)、クラスD(OXA型など)である。これらのうち、クラスA,C,D型はセリン−β−ラクタマーゼ、一方、クラスB型はメタロ−β−ラクタマーゼに大別され、それぞれ異なるメカニズムによってβ−ラクタム薬を加水分解することが知られている。
近年、グラム陰性菌の多剤耐性化の増加が報告され問題となっており、多剤耐性A.baumannii (MDRAB)、カルバペネム系抗生物質を分解するカルバペネマーゼを産生するクレブシエラニューモニエカルバペネマーゼ (KPC) 産生K.pneumoniae及びオキサシリナーゼ (OXA)産生A.baumanniiなどがあり、大きな社会問題となっている。多剤耐性P.aeruginosa(MDRP)も問題となっており、MDRPに有効な薬剤としてコリスチンが注目されているが、腎毒性や神経毒性が強く安全性に問題があることから、有効な治療薬の開発が望まれている。
これまでに様々なβ−ラクタム薬の開発が行われており、多くのβ−ラクタム薬が上市されているが、β−ラクタマーゼ産生による不活化や排出ポンプによる薬剤排出などによって耐性を獲得した菌が増加している。
β−ラクタマーゼはアムブラー(Ambler)の分子分類法によると、β−ラクタマーゼは大きく4つのクラスに分類される。すなわち、クラスA(TEM型、SHV型、CTX−M型、KPC型など)、クラスB(NDM型、IMP型、VIM型、L−1型など)、クラスC(AmpC型、ADC型,ACT/MIRなど)、クラスD(OXA型など)である。これらのうち、クラスA,C,D型はセリン−β−ラクタマーゼ、一方、クラスB型はメタロ−β−ラクタマーゼに大別され、それぞれ異なるメカニズムによってβ−ラクタム薬を加水分解することが知られている。
近年、グラム陰性菌の多剤耐性化の増加が報告され問題となっており、多剤耐性A.baumannii (MDRAB)、カルバペネム系抗生物質を分解するカルバペネマーゼを産生するクレブシエラニューモニエカルバペネマーゼ (KPC) 産生K.pneumoniae及びオキサシリナーゼ (OXA)産生A.baumanniiなどがあり、大きな社会問題となっている。多剤耐性P.aeruginosa(MDRP)も問題となっており、MDRPに有効な薬剤としてコリスチンが注目されているが、腎毒性や神経毒性が強く安全性に問題があることから、有効な治療薬の開発が望まれている。
これまでに様々なβ−ラクタム薬の開発が行われており、多くのβ−ラクタム薬が上市されているが、β−ラクタマーゼ産生による不活化や排出ポンプによる薬剤排出などによって耐性を獲得した菌が増加している。
臨床現場においては,嚢胞性繊維症に対する有効な治療薬が少なく大きな問題となっており、特にP.aeruginosaやB.cepacia、S.marcescensなどが原因となることが非特許文献1に報告されており、これらの菌種に対しても有効な治療薬が求められている。
グラム陰性菌は生体内などの鉄が枯渇している環境において、鉄と錯体を形成するシデロフォアを産生し、環境中の鉄を取り込む機構を保有している。シデロフォアとしては、P. aerginoasのPyoverdineやPyochelin、E.coliのEnterobactinなどが知られており、非特許文献2に報告されている。シデロフォアは菌が鉄を取り込むために産生されるが、これまでのところ、抗菌活性を有するということは報告されておらず、また抗菌剤の抗菌活性を増強または補強するような作用があることも報告されていない。
セフィデロコル(Cefiderocol)はセファロスポリン系抗菌剤であり、式(I−a):
で示される化合物であり、S−649266,(6R,7R)-7-[(2Z)-2-(2-アミノ-1,3-チアゾール-4-イル)-2-{[(2-カルボキシプロパン-2-イル)オキシ]イミノ}アセトアミド]-3-({1-[2-(2-クロロ-3,4-ジヒドロキシベンズアミド)エチル]ピロリジン-1-イウム-1-イル}メチル)-8-オキソ-5-チア-1-アザビシクロ[4.2.0]オクタ-2-エン-2-カルボン酸とも称される。セフィデロコルはシデロフォア型抗菌剤であり、側鎖にカテコール基を有しており、菌が産生するシデロフォアと同様に鉄と錯体を形成し、グラム陰性菌が有する鉄獲得系外膜たんぱく質から積極的に取り込まれる。そのため、通常のセファロスポリン系抗菌剤よりも取り込まれる量が多く、強い抗菌活性を有すると考えられており、非特許文献3,4に報告されている。また、シデロフォア型抗菌剤については、非特許文献5に報告されている。
で示される化合物であり、S−649266,(6R,7R)-7-[(2Z)-2-(2-アミノ-1,3-チアゾール-4-イル)-2-{[(2-カルボキシプロパン-2-イル)オキシ]イミノ}アセトアミド]-3-({1-[2-(2-クロロ-3,4-ジヒドロキシベンズアミド)エチル]ピロリジン-1-イウム-1-イル}メチル)-8-オキソ-5-チア-1-アザビシクロ[4.2.0]オクタ-2-エン-2-カルボン酸とも称される。セフィデロコルはシデロフォア型抗菌剤であり、側鎖にカテコール基を有しており、菌が産生するシデロフォアと同様に鉄と錯体を形成し、グラム陰性菌が有する鉄獲得系外膜たんぱく質から積極的に取り込まれる。そのため、通常のセファロスポリン系抗菌剤よりも取り込まれる量が多く、強い抗菌活性を有すると考えられており、非特許文献3,4に報告されている。また、シデロフォア型抗菌剤については、非特許文献5に報告されている。
これまでにシデロフォア型抗菌剤とシデロフォアを組み合わせることにより、シデロフォア型抗菌剤の抗菌活性が向上するという報告はない。
Clinical Microbiology Reviews. April 2010, Volume 23, No. 2, 299-323. "The Changing Microbial Epidemiology in Cystic Fibrosis."
Trends in Molecular Medicine. December 2016, Volume 22, No. 12. 1077-1090. "Siderophores in Iron Metabolism: From Mechanism to Therapy Potential."
Antimicrobial Agents Chemotherapy. November 2016, Volume 60, Number 12, 7396-7401. Siderophore Cephalosporin Cefiderocol Utilizes Ferric Iron Transporter Systems for Antibacterial Activity against Pseudomonas aeruginosa.
Antimicrobial Agents Chemotherapy. January 2018, volume 62, issue 1, e01454-17. "In Vitro Antibacterial Properties of Cefiderocol, a Novel Siderophore Cephalosporin, against Gram-Negative Bacteria."
Antimicrobial Agents Chemotherapy. June 2018, volume 62, issue 6, e00097-18. "TonB-Dependent Receptor Repertoire of Pseudomonas aeruginosa for Uptake of Siderophore-Drug Conjugates. "
本発明の目的は、(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物(但し、(A)のβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物と、(B)の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物は同一ではない)を併用することにより、細菌感染症治療に有効な医薬組成物を提供することにある。好ましくは、FptA系透過経路を有する菌種から生じる細菌感染症の治療および/または改善に有用な医薬組成物を提供することにある。さらに好ましくは、B.cepacia、S.marcescens、およびP.aeruginosaからなる群から選択される菌種から生じる細菌感染症の治療および/または改善に有用な医薬組成物を提供することにある。別の好ましい態様としては、多剤耐性グラム陰性菌を含む薬剤耐性菌によって引き起こされる細菌感染症の治療および/または改善に有用な医薬組成物を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために検討を重ねた結果、(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物(但し、(A)のβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物と、(B)の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物は同一ではない)を併用することにより、(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物の抗菌活性の改善および/または増強効果が見られることを新たに見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下に示される発明を提供する。
本発明は、以下に示される発明を提供する。
(項目1)(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を含有する医薬組成物(但し、(A)のβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および、(B)の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物は同一ではない)。
(項目2)(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物と併用して投与するための、(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を含有する医薬組成物(但し、(A)のβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および、(B)の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物は同一ではない)。
(項目3)(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物と併用して投与するための、(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を含有する医薬組成物(但し、(A)のβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および、(B)の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物は同一ではない)。
(項目4)(A)のβ−ラクタム化合物中のシデロフォアとして機能する化学構造が、ヒドロキシジヒドロピリドン構造またはカテコール構造である、項目1〜3のいずれかに記載の医薬組成物。
(項目5)(A)のβ−ラクタム化合物が、以下の群:
から選択されるいずれか1つの化合物である、項目1〜3のいずれかに記載の医薬組成物。
(項目6)(A)のβ−ラクタム化合物が、以下の化合物:
である、項目1〜3のいずれかに記載の医薬組成物。
(項目7)(B)の化合物の分子量が300〜820である、項目1〜6のいずれかに記載の医薬組成物。
(項目8)(B)の化合物が、一般式(II):
(式中、R1、R2、およびR4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、C1-3アルキル、ヒドロキシ、またはC1-3アルキルオキシであり、
R3は水素原子、ヒドロキシ、またはC1-3アルキルである)
で示される化合物である、項目1〜6のいずれかに記載の医薬組成物。
(項目9)(A)の化合物が、以下の化合物:
である、項目1〜6のいずれかに記載の医薬組成物。
(項目10)細菌感染症治療薬である、項目1〜9のいずれかに記載の医薬組成物。
(項目10−1)細菌感染症が鉄透過経路を有する菌種から生じる、項目1〜10のいずれかに記載の医薬組成物。
(項目11)細菌感染症がFptA系透過経路を有する菌種から生じる、項目1〜10および項目10−1のいずれかに記載の医薬組成物。
(項目12)細菌感染症がB.cepacia、S.marcescens、およびP.aeruginosaからなる群から選択される菌種から生じる、項目1〜11および項目10−1のいずれかに記載の医薬組成物。
(項目2)(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物と併用して投与するための、(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を含有する医薬組成物(但し、(A)のβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および、(B)の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物は同一ではない)。
(項目3)(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物と併用して投与するための、(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を含有する医薬組成物(但し、(A)のβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および、(B)の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物は同一ではない)。
(項目4)(A)のβ−ラクタム化合物中のシデロフォアとして機能する化学構造が、ヒドロキシジヒドロピリドン構造またはカテコール構造である、項目1〜3のいずれかに記載の医薬組成物。
(項目5)(A)のβ−ラクタム化合物が、以下の群:
から選択されるいずれか1つの化合物である、項目1〜3のいずれかに記載の医薬組成物。
(項目6)(A)のβ−ラクタム化合物が、以下の化合物:
である、項目1〜3のいずれかに記載の医薬組成物。
(項目7)(B)の化合物の分子量が300〜820である、項目1〜6のいずれかに記載の医薬組成物。
(項目8)(B)の化合物が、一般式(II):
(式中、R1、R2、およびR4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、C1-3アルキル、ヒドロキシ、またはC1-3アルキルオキシであり、
R3は水素原子、ヒドロキシ、またはC1-3アルキルである)
で示される化合物である、項目1〜6のいずれかに記載の医薬組成物。
(項目9)(A)の化合物が、以下の化合物:
である、項目1〜6のいずれかに記載の医薬組成物。
(項目10)細菌感染症治療薬である、項目1〜9のいずれかに記載の医薬組成物。
(項目10−1)細菌感染症が鉄透過経路を有する菌種から生じる、項目1〜10のいずれかに記載の医薬組成物。
(項目11)細菌感染症がFptA系透過経路を有する菌種から生じる、項目1〜10および項目10−1のいずれかに記載の医薬組成物。
(項目12)細菌感染症がB.cepacia、S.marcescens、およびP.aeruginosaからなる群から選択される菌種から生じる、項目1〜11および項目10−1のいずれかに記載の医薬組成物。
(項目13)細菌感染症を治療する方法であって、
(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物と;さらに
(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を組み合わせて投与することを含む前記方法(但し、(A)のβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および、(B)の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物は同一ではない)。
(項目14)(A)のβ−ラクタム化合物中のシデロフォアとして機能する化学構造が、ヒドロキシジヒドロピリドン構造またはカテコール構造である、項目13記載の方法。
(項目15)(A)のβ−ラクタム化合物が、以下の群:
から選択されるいずれか1つの化合物である、項目13記載の方法。
(項目16)(A)のβ−ラクタム化合物が、以下の化合物:
である、項目13記載の方法。
(項目17)(B)の化合物の分子量が300〜820である、項目13〜16のいずれかに記載の方法。
(項目18)(B)の化合物が、一般式(II):
(式中、R1、R2、およびR4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、C1-3アルキル、ヒドロキシ、またはC1-3アルキルオキシであり、
R3は水素原子、ヒドロキシ、またはC1-3アルキルである)
で示される化合物である、項目13〜16のいずれかに記載の方法。
(項目19)(B)の化合物が、以下の化合物:
である、項目13〜16のいずれかに記載の方法。
(項目20)細菌感染症がFptA系透過経路を有する菌種から生じる、項目13〜19のいずれかに記載の方法。
(項目21)細菌感染症がB.cepacia、S.marcescens、およびP.aeruginosaからなる群から選択される菌種から生じる、項目13〜20のいずれかに記載の方法。
(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物と;さらに
(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を組み合わせて投与することを含む前記方法(但し、(A)のβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および、(B)の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物は同一ではない)。
(項目14)(A)のβ−ラクタム化合物中のシデロフォアとして機能する化学構造が、ヒドロキシジヒドロピリドン構造またはカテコール構造である、項目13記載の方法。
(項目15)(A)のβ−ラクタム化合物が、以下の群:
から選択されるいずれか1つの化合物である、項目13記載の方法。
(項目16)(A)のβ−ラクタム化合物が、以下の化合物:
である、項目13記載の方法。
(項目17)(B)の化合物の分子量が300〜820である、項目13〜16のいずれかに記載の方法。
(項目18)(B)の化合物が、一般式(II):
(式中、R1、R2、およびR4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、C1-3アルキル、ヒドロキシ、またはC1-3アルキルオキシであり、
R3は水素原子、ヒドロキシ、またはC1-3アルキルである)
で示される化合物である、項目13〜16のいずれかに記載の方法。
(項目19)(B)の化合物が、以下の化合物:
である、項目13〜16のいずれかに記載の方法。
(項目20)細菌感染症がFptA系透過経路を有する菌種から生じる、項目13〜19のいずれかに記載の方法。
(項目21)細菌感染症がB.cepacia、S.marcescens、およびP.aeruginosaからなる群から選択される菌種から生じる、項目13〜20のいずれかに記載の方法。
本発明の医薬組成物は、抗菌活性を有する(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有するβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を併用または組み合わせて使用することで、(A)のβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を単独で使用する場合に比べて格別優れた抗菌作用を発揮するという優れた効果を奏するものである。
また、本発明に係る医薬組成物は、少なくとも以下のいずれかに一つの特徴を有する点で医薬品として有用である。
1)グラム陰性菌の種々の細菌に対して、良好な抗菌スペクトルを示す。
2)種々のβ−ラクタマーゼを産生する菌(特に、メタロ型β−ラクタマーゼおよびセリン型β−ラクタマーゼ(例:クラスA,C,D)の複数のβ−ラクタマーゼを産生する菌)に対して有効な抗菌作用を有する。
3)多剤耐性菌に対し強い抗菌活性を示す。
4)基質特異性拡張型β−ラクタマーゼ(ESBL)産生菌に対し強い抗菌活性を示す。
5)カルバペネマーゼ産生菌を含むカルバペネム耐性菌に対し強い抗菌活性を示す。
6)市販薬に耐性のある腸内細菌科細菌やブドウ糖非発酵菌に対し強い抗菌活性を示す。
7)Klebsiella pneumoniae Carbapenemase(KPC)やVerona integron−encoded metallo−β−lactamase(VIM),Imipenemase(IMP)などのカルバペネマーゼを産生する緑膿菌に対し強い抗菌活性を示す。
8)既存のβ−ラクタム抗菌剤、特にセフェム系抗菌剤および/またはカルバペネム系抗菌剤と交叉耐性を示さない。
9)生体内への投与後に、発熱などの副作用を示さない。
10)化合物の安定性(例えば、各種液性における溶液安定性、光安定性等)および/または水に対する溶解性が高い。
11)CYP酵素(例えば、CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4等)に対する阻害作用が弱い。
12)代謝安定性が高い。
13)消化管障害(例えば、下痢、出血性腸炎、消化管潰瘍、消化管出血等)を起こさない。
14)腎毒性、肝毒性、心毒性(例えば、QTc延長等)、痙攣等を起こさない。
15) 投与量を軽減することができる。
16)治療期間を短く設定することができる、すなわち、短期療法を可能とする。
17)治療効果の持続を図ることができる。
18)多剤耐性菌、セフィデロコル非感受性菌に有効である。
19)耐性菌出現を抑制することができる。
また、本発明に係る医薬組成物は、少なくとも以下のいずれかに一つの特徴を有する点で医薬品として有用である。
1)グラム陰性菌の種々の細菌に対して、良好な抗菌スペクトルを示す。
2)種々のβ−ラクタマーゼを産生する菌(特に、メタロ型β−ラクタマーゼおよびセリン型β−ラクタマーゼ(例:クラスA,C,D)の複数のβ−ラクタマーゼを産生する菌)に対して有効な抗菌作用を有する。
3)多剤耐性菌に対し強い抗菌活性を示す。
4)基質特異性拡張型β−ラクタマーゼ(ESBL)産生菌に対し強い抗菌活性を示す。
5)カルバペネマーゼ産生菌を含むカルバペネム耐性菌に対し強い抗菌活性を示す。
6)市販薬に耐性のある腸内細菌科細菌やブドウ糖非発酵菌に対し強い抗菌活性を示す。
7)Klebsiella pneumoniae Carbapenemase(KPC)やVerona integron−encoded metallo−β−lactamase(VIM),Imipenemase(IMP)などのカルバペネマーゼを産生する緑膿菌に対し強い抗菌活性を示す。
8)既存のβ−ラクタム抗菌剤、特にセフェム系抗菌剤および/またはカルバペネム系抗菌剤と交叉耐性を示さない。
9)生体内への投与後に、発熱などの副作用を示さない。
10)化合物の安定性(例えば、各種液性における溶液安定性、光安定性等)および/または水に対する溶解性が高い。
11)CYP酵素(例えば、CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4等)に対する阻害作用が弱い。
12)代謝安定性が高い。
13)消化管障害(例えば、下痢、出血性腸炎、消化管潰瘍、消化管出血等)を起こさない。
14)腎毒性、肝毒性、心毒性(例えば、QTc延長等)、痙攣等を起こさない。
15) 投与量を軽減することができる。
16)治療期間を短く設定することができる、すなわち、短期療法を可能とする。
17)治療効果の持続を図ることができる。
18)多剤耐性菌、セフィデロコル非感受性菌に有効である。
19)耐性菌出現を抑制することができる。
以下、本発明に関して、発明の実施の形態を説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現(例えば、英語の場合は「a」、「an」、「the」など、他の言語における対応する冠詞、形容詞など)は特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限りは、本明細書中で使用されるすべての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有するものとし、矛盾する場合は、本明細書(定義を含めて)が優先する。以下に、本明細書において具体的に使用される用語について具体的な定義を記載する。
「からなる」という用語は、構成要件のみを有することを意味する。
「含む」という用語は、構成要件に限定されず、記載されていない要素を排除しないことを意味する。
「からなる」という用語は、構成要件のみを有することを意味する。
「含む」という用語は、構成要件に限定されず、記載されていない要素を排除しないことを意味する。
本明細書で使用される場合、「a」および「b」が整数である「CaからCb」または「Ca−b」は、特定された基における炭素原子の数を指す。すなわち、その基は、「a」から「b」まで(「a」と「b」を含む)炭素原子を有し得る。したがって、例えば、「C1からC3アルキル」または「C1−3アルキル」基は、1から3個の炭素原子を有するアルキル基の全てを意味する。
「アルキル」は、完全に飽和もしくは不飽和のされている(すなわち、二重又は三重結合をまったく有しない)直鎖又は分岐上の炭化水素鎖を意味する。アルキル基は、1から20個の炭素原子を有してもよい(それが本明細書で現れる場合、「1から20」等の数値範囲は、当該範囲における各整数を指し;例えば、「1から20個の炭素原子」はアルキル基が1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子等、20個を含んで20個までの炭素原子からなってもよいことを意味するが、本定義は、数値範囲が指定されていない「アルキル」という用語にも及ぶ)。アルキル基はまた、1から3個の炭素原子を有する低級アルキルであってもよい。また、アルキルの炭素原子数としては、例えば、「C1〜3アルキル」の様に指定されていてもよく、当該アルキルは炭素原子数が1〜3個である直鎖又は分岐状の炭化水素鎖を意味し、すなわち、「C1〜3アルキル」は、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルからなる群から選択される基である。好ましいアルキル基としては、決して限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第3級ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。さらに「アルキルオキシ」のアルキル部分は、前記「アルキル」と同義である。
「ハロゲン」または「ハロ」とは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を意味し、フッ素または塩素が好ましい。
本発明の医薬組成物は、(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物との組み合わせであることを特徴とする。または、本発明の医薬組成物は、(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を同時または時間差をおいて併用することを特徴とする(キットを含む)。または、本発明の医薬組成物は、(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物の合剤であることを特徴とする。好ましくは、本発明の医薬組成物は、細菌感染症治療用である。なお、本明細書において、本発明の細菌感染症治療用医薬のことを本発明の細菌感染症治療剤ともいう。
本明細書における「シデロフォア」とは、鉄と結合して機能する有機化合物を意味する。微生物が鉄を取り込むために産生する鉄結合性有機化合物も包含する。
本明細書における「シデロフォアとして機能する化学構造」とは、シデロフォアとして機能する化学構造、すなわち鉄と結合し得る(鉄イオンと配位し得る)官能基を含む化学構造を意味する。例えば、酸素原子、窒素原子、酸素原子等を配位原子として有する官能基を含む化学構造が挙げられる。好ましくは、酸素原子を配位原子とする官能基を含む化学構造が挙げられる。さらに好ましくは、酸素原子を配位原子として鉄イオンに対して二座配位し得る化学構造である。具体的には、ヒドロキシ基;カルボニル基;および/または酸素原子、窒素原子、および/または酸素原子を含む複素環等の官能基を有する化学構造が挙げられる。例えば、カテコール、ヒドロキシジヒドロピリドン、ヒドロキサム酸、α−ヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。
本明細書における「シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物」とは、上記「シデロフォアとして機能する化学構造」を有し、かつ抗菌活性を有する、β−ラクタム構造を有する化合物を意味する。ここで、「抗菌活性を有する」とは、いずれかの菌株に対して抗菌活性を有することを意味し、好ましくはいずれかの菌株に対してMIC≦16μg/mLの抗菌活性を有することを意味する。
本明細書における「シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物」とは、上記「シデロフォアとして機能する化学構造」を有する化合物を意味する。「シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物」には上記「シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物」を包含する。
本明細書で使用される「製薬上許容される塩」とは、製薬上許容される無機酸および有機酸ならびに無期塩基および有機塩基から得られる塩が含まれる。例えば、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、バリウム等)、マグネシウム、遷移金属(例えば、亜鉛、鉄等)、アンモニア、有機塩基(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メグルミン、エチレンジアミン、ピリジン、ピコリン、キノリン等)およびアミノ酸との塩、または無機酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、臭化水素酸、リン酸、ヨウ化水素酸等)、および有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、マンデル酸、グルタル酸、リンゴ酸、安息香酸、フタル酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等)との塩が挙げられる。これらの塩は、通常行われる方法によって形成させることができる。例えば、適切な溶媒中で本発明の化合物を適切な塩基または酸で処理することにより、対応する塩を得ることができる。
本明細書で開示される化合物は、特定の異性体に限定するものではなく、全ての可能な異性体(例えば、ケト−エノール異性体、イミン−エナミン異性体、ジアステレオ異性体、光学異性体、回転異性体等)、ラセミ体またはそれらの混合物を含む。
例えば、本明細書で開示される化合物が少なくとも1つのキラル中心を有する場合、それらは個別のエナンチオマーおよびジアステレオマー、またはラセミ化合物を含めた、異性体の混合物として存在していてもよい。個別の異性体の分離または個別の異性体の選択的合成は、当技術分野の専門家に周知である様々な方法を適用することによって行われる。特に断りのない限り、このような異性体およびそれらの混合物のすべては、本明細書で開示される化合物の範囲に含まれる。さらに、本明細書で開示される化合物は、1種または複数の結晶質または非晶質形態を含めて、本明細書で開示される化合物の範囲に含まれる。さらに、本明細書で開示される化合物の一部は、水和物又は一般的な有機溶媒との溶媒和物を形成してもよい。特に断りのない限り、このような溶媒和物は本明細書で開示される化合物の範囲に含まれる。
例えば、本明細書で開示される化合物が少なくとも1つのキラル中心を有する場合、それらは個別のエナンチオマーおよびジアステレオマー、またはラセミ化合物を含めた、異性体の混合物として存在していてもよい。個別の異性体の分離または個別の異性体の選択的合成は、当技術分野の専門家に周知である様々な方法を適用することによって行われる。特に断りのない限り、このような異性体およびそれらの混合物のすべては、本明細書で開示される化合物の範囲に含まれる。さらに、本明細書で開示される化合物は、1種または複数の結晶質または非晶質形態を含めて、本明細書で開示される化合物の範囲に含まれる。さらに、本明細書で開示される化合物の一部は、水和物又は一般的な有機溶媒との溶媒和物を形成してもよい。特に断りのない限り、このような溶媒和物は本明細書で開示される化合物の範囲に含まれる。
本明細書で使用される場合の投与の「対象」は、哺乳類、すなわちヒト又は非ヒト哺乳動物、例えば、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、非ヒト霊長類又は鳥、例えば、ニワトリのみならず、任意の他の脊椎動物又は非脊椎動物も意味する。
本明細書で使用される場合の「治療」は、既に疾患又は状態に罹患している患者に処置を施すことを意味し、患者における特定の障害の症状の軽減、または特定の障害に関連する確かめられる測定値の改善を包含する。本明細書で使用される場合の「患者」とは、ヒトを含む哺乳類を意味する。
本明細書で使用される場合の「有効量」または「治療有効量」は、疾患又は状態の症状を1つ又は複数の発症の可能性を、ある程度軽減する、または低減する(疾患又は状態を治癒することを含む)のに有効である治療剤の量を指す。「治癒すること」は、疾患又は状態の症状が除去されることを意味するが、しかしながら、ある長期的又は永続的な作用が、治癒が得られた後でも存在することがある(例えば、広範囲にわたる組織の損傷など)。
本明細書で使用される場合の「細菌感染症」とは、その生物が脊椎動物、無脊椎動物、魚、植物、トリ、又は哺乳動物であるかどうかに関わらず、病原性細菌が宿主生物へ侵入し、増殖することによって引き起こす様々な疾患を指す。特に限定されないが、例えば、気道感染症、尿路感染症、呼吸器感染症、腹腔内感染、敗血症、腎炎、胆嚢炎、口腔内感染症、心内膜炎、感染性心内膜炎、肺炎、骨髄膜炎、中耳炎、腸炎、蓄膿、創傷感染、日和見感染、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、外傷・熱傷および手術創等の二次感染、骨髄炎、関節炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲腫瘍を含む)、肺腫瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、複雑性膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、精巣上体炎(副睾丸炎)、腹膜炎、腹腔内腫瘍、胆管炎、肝腫瘍、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、化膿性髄膜炎、眼窩感染、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼内炎(前眼球炎を含む)、顎骨周辺の蜂巣炎、顎炎等が挙げられる。別の態様として、本明細書において提供される任意の医薬組成物は、複雑性尿路感染症(cUTI)または院内感染肺炎/人工呼吸器関連肺炎(HABP/VABP)の治療のために使用することができる。当該病原性細菌は、特に限定されないが、好ましくはグラム陰性菌、より好ましくは多剤耐性グラム陰性菌が挙げられる。起因菌となる菌種としては、特に限定されないが、Enterobacteriaceaeのグラム陰性菌(大腸菌、クレブシエラ、セラチア、エンテロバクター、シトロバクター、モルガネラ、プロビデンシア、プロテウス等)、呼吸器に定着するグラム陰性菌(ヘモフィルス、モラキセラ等)およびブドウ糖非発酵のグラム陰性菌(シュードモナス、ステノトロフォモナス、バークホルデリア、アシネトバクター等)等が挙げられる。別の好ましい態様としては、FptA系透過経路を有する菌種(例えば、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)、セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens)、シュードモナス エールジノーサ(Pseudomonas aeruginosa、緑膿菌)等)によって引き起こされる細菌感染症が挙げられる。好ましくは、B.cepacia, S.marcescens, およびP.aeruginosaからなる群から選択される菌種によって引き起こされる細菌感染症が挙げられる。別の好ましい態様としては、β−ラクタマーゼ産生の薬剤耐性グラム陰性菌、より好ましくはESBL、AmpC、KPC型、IMP 型、VIM型およびPER型などからなる群から選択される1または2以上のβ−ラクタマーゼを産生している薬剤耐性グラム陰性菌が挙げられる。別の好ましい態様としては、Enterobacteriaceac、P.aeruginosa,およびA baumanniiからなる群から選択される細菌種、より好ましくは、大腸菌(Escherichia coli),肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter cloacae)、エンテロバクター・クロアカ コンプレックス(Enterobacter cloacae complex)、エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)、シトロバクター・フレウンディ(Citrobacter freundii)、シトロバクター・フレウンディ コンプレックス(Citrobacter freundii complex)、セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens)、シュードモナス エールジノーサ(Pseudomonas aeruginosa、緑膿菌)およびアシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)からなる群から選択される細菌種によって引き起こされる細菌感染症が挙げられる。また別の態様として、セリン型β−ラクタマーゼ(クラスA,C,およびDのβ−ラクタマーゼ)を複数産生した多剤耐性グラム陰性菌によって引き起こされる細菌感染症が挙げられる。さらに別の態様として、クラスBのβ−ラクタマーゼに加えて、セリン型β−ラクタマーゼを複数産生した多剤耐性グラム陰性菌によって引き起こされる細菌感染症が挙げられる。
本明細書における「併用」、「組み合わせて投与」、または「組み合わせて使用」とは、投与時期、投与形態には限定されず、2つ以上の薬剤を合わせて投与することを意味する。すなわち、2つ以上の薬剤は、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて別々に投与してもよい。また、2つ以上の薬剤を含む単一の製剤として投与されてもよいし、それぞれの活性成分を含む2種類以上の製剤として投与されてもよい。
さらに、本発明は、上記(A)成分であるシデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物、またはその製薬上許容される塩、またはそれらの水和物および(B)成分であるシデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物またはその製薬上許容される塩、またはそれらの水和物(但し、(A)のβ−ラクタム化合物またはその製薬上許容される塩と、(B)の化合物またはその製薬上許容される塩は同一ではない)であれば特に限定はなく、例えば、本発明の効果を損なわない範囲で、抗菌作用の増強もしくは補強、または投与量の低減等を目的として、その他の薬剤(例えば、抗菌剤、β−ラクタマーゼ阻害剤等)と併用、すなわち組み合わせて使用することができる。これらの含有量は特に限定されない。
さらに、本発明は、上記(A)成分であるシデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物、またはその製薬上許容される塩、またはそれらの水和物および(B)成分であるシデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物またはその製薬上許容される塩、またはそれらの水和物(但し、(A)のβ−ラクタム化合物またはその製薬上許容される塩と、(B)の化合物またはその製薬上許容される塩は同一ではない)であれば特に限定はなく、例えば、本発明の効果を損なわない範囲で、抗菌作用の増強もしくは補強、または投与量の低減等を目的として、その他の薬剤(例えば、抗菌剤、β−ラクタマーゼ阻害剤等)と併用、すなわち組み合わせて使用することができる。これらの含有量は特に限定されない。
用語「製薬上許容される担体または佐剤」とは、本発明の化合物とともに患者に投与されてもよく、その薬理学的活性を損なわず、治療量の薬剤を送達するのに十分な用量で投与されたときに無毒性である、担体または佐剤を指す。担体または佐剤としては、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、矯味剤、防腐剤、キレート剤、抗酸化剤、清涼化剤、コーティング剤、安定化剤、流動化剤、粘稠剤、溶解補助剤、増粘剤、緩衝剤、香料、着色剤、吸着剤、湿潤剤、防湿剤、帯電防止剤、可塑剤、消泡剤、界面活性剤、乳化剤等の添加剤を含有してもよい。具体的には、結合剤(例えば、トウモロコシでん粉等)、充填剤(例えば、ラクトース、微結晶性セルロース等)、崩壊剤(例えば、でん粉グリコール酸ナトリウム等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム等)等が挙げられる。これらの含有量は特に限定されない。
本明細書に開示される実施形態は、治療有効量の本明細書で開示される化合物および製薬上許容される担体または佐剤を含む、医薬組成物を包含する。
本明細書に開示される実施形態は、治療有効量の本明細書で開示される化合物および薬学的に許容される添加剤を含む、医薬組成物を包含する。
本発明の医薬組成物は、経口的、非経口的のいずれの方法でも投与することができる。非経口投与の方法としては、経皮、皮下、静脈内、動脈内、筋肉内、腹腔内、経粘膜、吸入、経鼻、点眼、点耳、膣内投与等が挙げられる。
経口投与による場合、本発明の医薬組成物は通常の製剤、例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤等の固形剤、水剤、油性懸濁剤、又はシロップ剤もしくはエリキシル剤等の液剤のいずれかの剤形としても用いることができる。非経口投与による場合、本発明の医薬組成物は、水性又は油性懸濁注射剤、点鼻液として用いることができる。その調製に際しては、慣用の賦形剤、結合剤、滑沢剤、水性溶剤、油性溶剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、安定剤等を任意に用いることができる。本発明の製剤は、治療有効量の本発明の医薬組成物を製薬上許容される担体又は希釈剤とともに組み合わせる(例えば混合する)ことによって製造される。
経口投与による場合、本発明の医薬組成物は通常の製剤、例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤等の固形剤、水剤、油性懸濁剤、又はシロップ剤もしくはエリキシル剤等の液剤のいずれかの剤形としても用いることができる。非経口投与による場合、本発明の医薬組成物は、水性又は油性懸濁注射剤、点鼻液として用いることができる。その調製に際しては、慣用の賦形剤、結合剤、滑沢剤、水性溶剤、油性溶剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、安定剤等を任意に用いることができる。本発明の製剤は、治療有効量の本発明の医薬組成物を製薬上許容される担体又は希釈剤とともに組み合わせる(例えば混合する)ことによって製造される。
本発明の医薬組成物は、注射剤、カプセル剤、錠剤、顆粒剤として非経口または経口的に投与できるが、好ましくは注射剤として投与される。投与量は、通常、患者または動物の体重1kg当たり、約0.1〜100mg/日、好ましくは約0.5〜50mg/日を、所望により1日2〜4回に分割して投与すればよい。注射剤として用いられる場合の担体は、たとえば蒸留水、生理食塩水などであり、またpH調節のための塩基等を使用してもよい。カプセル剤、顆粒剤、錠剤として用いられる場合の担体は、公知の賦形剤(例:デンプン、乳糖、白糖、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなど)、結合剤(例:デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシプロピルセルロ−ス、結晶セルロ−スなど)、滑沢剤(例:ステアリン酸マグネシウム、タルクなど)等である。
本発明の医薬組成物の有効量にその剤型に適した賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の各種医薬用添加剤を必要に応じて混合し、医薬組成物とすることができる。さらに、該医薬組成物は、本発明の医薬組成物の有効量、剤型および/または各種医薬用添加剤を適宜変更することにより、小児用、高齢者用、重症患者用または手術用の医薬組成物とすることもできる。小児用医薬組成物は、12歳または15歳未満の患者に投与するのが好ましい。また、小児用医薬組成物は、出生後27日未満、出生後28日〜23か月、2歳〜11歳または12歳〜17歳若しくは18歳の患者に投与されうる。高齢者用医薬組成物は、65歳以上の患者に投与するのが好ましい。
本発明化合物の投与量は、患者の年齢、体重、疾病の種類や程度、投与経路等を考慮した上で設定することが望ましいが、経口投与する場合、通常0.5〜300mg/kg/日であり、好ましくは1〜50mg/kg/日の範囲内である。非経口投与の場合には投与経路により大きく異なるが、それぞれの化合物に関して通常0.5〜300mg/kg/日であり、好ましくは1〜50mg/kg/日の範囲内である。なお、かかる投与量は、一度に投与しても分割して投与してもよい。
式(I−a)で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物は、特に細菌感染症の治療または改善に適している。本明細書中での治療に対する言及は、確立された感染、症状および関連する臨床症状の治療と同様に予防にまで拡張される場合がある。式(I−a)で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物を含有する医薬組成物は、好ましくは約0.75g、1g、1.5g、または2gを投与する。より好ましくは、静脈内投与であり、さらに好ましくは3時間かけて静脈内注入(点滴)を行う。さらに好ましくは、上記投与量を8時間毎、または12時間毎に投与する。
本発明の医薬組成物における併用療法は、(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物の投与を含む。ここで(A)と(B)は、同じもしくは異なる医薬組成物として同時に(すなわち共に)投与されてもよいし、任意の順序で時間差をおいて別々に連続的に投与されてもよい。組み合わされる所望の治療効果を達成するために、その活性成分および薬学的に活性な物質の量、ならびに相対的な投与のタイミングが選択される。また、(A)と(B)の投与量の比率としては、所望の治療効果を達成するために適した比率が選択される。
「(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物」におけるβ−ラクタム化合物中のシデロフォアとして機能する化学構造としては、酸素原子を配位原子とする官能基を含む化学構造が挙げられる。特に限定されないが、より好ましい態様としては、カテコール構造、ヒドロキシジヒドロピリドン構造、ヒドロキサム酸構造、およびα−ヒドロキシカルボン酸構造から選択される化学構造が挙げられる。さらに好ましい態様として、ヒドロキシピリドン構造またはカテコール構造が挙げられる。具体的には、下記の化学構造が挙げられる。
(式中、Rは水素原子またはヒドロキシであり、結合手はいずれかの環構成原子と結合する。環上にはさらに任意の位置に1〜3つの置換基を有していてもよい。)
より好ましくは、下記の化学構造が挙げられる。
(式中、Rは水素原子またはヒドロキシであり、結合手はいずれかの環構成原子と結合し、R’およびR”は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-3アルキルまたはハロC1-3アルキルであり、いずれかの環構成原子に結合する。)
「(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物」の好ましい態様としては、セフィデロコル(式(I−a)で示される化合物)、BAL30072(式(I−b)で示される化合物)、MB−1(式(I−c)で示される化合物)、SMC−3176(式(I−d)で示される化合物)、MC−1(式(I−e)で示される化合物)、GT−1(式(I−f)で示される化合物)、GSK3342830(式(I−g)で示される化合物)等が挙げられる。より好ましい態様としては、セフィデロコル(式(I−a)で示される化合物)、BAL30072(式(I−b)で示される化合物)、MB−1(式(I−c)で示される化合物)、SMC−3176(式(I−d)で示される化合物)等が挙げられる。具体的には、以下の群:
から選択される化合物が挙げられる。さらに好ましくは、以下の群:
から選択される化合物が挙げられる。さらに好ましくは、セフィデロコル(S−649266)、すなわち式(I−a)で示される化合物:
である。
(式中、Rは水素原子またはヒドロキシであり、結合手はいずれかの環構成原子と結合する。環上にはさらに任意の位置に1〜3つの置換基を有していてもよい。)
より好ましくは、下記の化学構造が挙げられる。
(式中、Rは水素原子またはヒドロキシであり、結合手はいずれかの環構成原子と結合し、R’およびR”は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-3アルキルまたはハロC1-3アルキルであり、いずれかの環構成原子に結合する。)
「(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物」の好ましい態様としては、セフィデロコル(式(I−a)で示される化合物)、BAL30072(式(I−b)で示される化合物)、MB−1(式(I−c)で示される化合物)、SMC−3176(式(I−d)で示される化合物)、MC−1(式(I−e)で示される化合物)、GT−1(式(I−f)で示される化合物)、GSK3342830(式(I−g)で示される化合物)等が挙げられる。より好ましい態様としては、セフィデロコル(式(I−a)で示される化合物)、BAL30072(式(I−b)で示される化合物)、MB−1(式(I−c)で示される化合物)、SMC−3176(式(I−d)で示される化合物)等が挙げられる。具体的には、以下の群:
から選択される化合物が挙げられる。さらに好ましくは、以下の群:
から選択される化合物が挙げられる。さらに好ましくは、セフィデロコル(S−649266)、すなわち式(I−a)で示される化合物:
である。
「(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物」における化合物中のシデロフォアとして機能する化学構造としては、酸素原子を配位原子とする官能基を含む化学構造が挙げられる。
「(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物」としては、微生物が鉄をとりこむために産生するシデロフォアおよび上記「(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物」を包含する。微生物が鉄を取りこむために産生するシデロフォアとしては、例えば非特許文献2に記載されているシデロフォアが例示される。ここで、「(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物」が上記「(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物」である場合、(B)は(A)と同一ではない「シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物」である。すなわち、(A)および(B)は異なる化学構造を有する化合物である。
特に限定されないが、「(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物」の好ましい態様としては、一般式(II):
(式中、R1、R2、およびR4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、C1-3アルキル、ヒドロキシ、またはC1-3アルキルオキシであり、
R3は水素原子、ヒドロキシ、またはC1-3アルキルである)
で示される化合物が挙げられる。さらに好ましい態様としては、以下の化合物:
が挙げられる。式(II−a)中に存在する各不斉炭素は、可能な立体異性体もしくはそれらの混合物(ラセミ体を含む)である。別の好ましい態様としては、微生物が鉄を取りこむために産生するシデロフォアが挙げられる。より好ましくはピオケリン(Pyochelin)である。別の好ましい態様としては、分子量が300〜820の化合物である。より好ましくは、分子量が300〜700の化合物である。別の好ましい態様としては、シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有さない化合物である。
「(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物」としては、微生物が鉄をとりこむために産生するシデロフォアおよび上記「(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物」を包含する。微生物が鉄を取りこむために産生するシデロフォアとしては、例えば非特許文献2に記載されているシデロフォアが例示される。ここで、「(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物」が上記「(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物」である場合、(B)は(A)と同一ではない「シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物」である。すなわち、(A)および(B)は異なる化学構造を有する化合物である。
特に限定されないが、「(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物」の好ましい態様としては、一般式(II):
(式中、R1、R2、およびR4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、C1-3アルキル、ヒドロキシ、またはC1-3アルキルオキシであり、
R3は水素原子、ヒドロキシ、またはC1-3アルキルである)
で示される化合物が挙げられる。さらに好ましい態様としては、以下の化合物:
が挙げられる。式(II−a)中に存在する各不斉炭素は、可能な立体異性体もしくはそれらの混合物(ラセミ体を含む)である。別の好ましい態様としては、微生物が鉄を取りこむために産生するシデロフォアが挙げられる。より好ましくはピオケリン(Pyochelin)である。別の好ましい態様としては、分子量が300〜820の化合物である。より好ましくは、分子量が300〜700の化合物である。別の好ましい態様としては、シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有さない化合物である。
式(I−a):
で示される化合物は、セファロスポリン系抗菌剤であり、セフィデロコル(Cefiderocol)、S−649266、(6R,7R)-7-[(2Z)-2-(2-アミノ-1,3-チアゾール-4-イル)-2-{[(2-カルボキシプロパン-2-イル)オキシ]イミノ}アセトアミド]-3-({1-[2-(2-クロロ-3,4-ジヒドロキシベンズアミド)エチル]ピロリジン-1-イウム-1-イル}メチル)-8-オキソ-5-チア-1-アザビシクロ[4.2.0]オクタ-2-エン-2-カルボン酸とも称される。好ましい製薬上許容される塩は、トシル酸硫酸塩またはナトリウム塩である。好ましい形態は、トシル酸硫酸塩、ナトリウム塩、またはそれらの水和物である。
例えば、本明細書中における「式(I−a)で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物」とは、式(I−a)で示される化合物の水和物、および式(I−a)で示される化合物の製薬上許容される塩の水和物を包含する。
で示される化合物は、セファロスポリン系抗菌剤であり、セフィデロコル(Cefiderocol)、S−649266、(6R,7R)-7-[(2Z)-2-(2-アミノ-1,3-チアゾール-4-イル)-2-{[(2-カルボキシプロパン-2-イル)オキシ]イミノ}アセトアミド]-3-({1-[2-(2-クロロ-3,4-ジヒドロキシベンズアミド)エチル]ピロリジン-1-イウム-1-イル}メチル)-8-オキソ-5-チア-1-アザビシクロ[4.2.0]オクタ-2-エン-2-カルボン酸とも称される。好ましい製薬上許容される塩は、トシル酸硫酸塩またはナトリウム塩である。好ましい形態は、トシル酸硫酸塩、ナトリウム塩、またはそれらの水和物である。
例えば、本明細書中における「式(I−a)で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物」とは、式(I−a)で示される化合物の水和物、および式(I−a)で示される化合物の製薬上許容される塩の水和物を包含する。
セフィデロコルは、公知の方法、例えば、WO2010/050468号パンフレット又はWO2016/035847号パンフレットに記載の方法に従って合成することが出来る。
ピオケリン(Pyochelin)は、以下の式:
で示される化合物であり、*印の不斉炭素は何れかの立体異性体もしくはそれらの混合物であってもよい。ピオケリンには以下の立体異性体:
が存在しており、ピオケリンにはこれらの異性体およびこれらの異性体の混合物を包含する。
で示される化合物であり、*印の不斉炭素は何れかの立体異性体もしくはそれらの混合物であってもよい。ピオケリンには以下の立体異性体:
が存在しており、ピオケリンにはこれらの異性体およびこれらの異性体の混合物を包含する。
「(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物」および「(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物」の組み合わせとして、好ましい組み合わせとしては、(A)以下の群:
から選択されるいずれか1つの化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および(B)式(II−a):
で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物との組み合わせが挙げられる。より好ましい組み合わせとしては、(A)以下の群:
から選択されるいずれか1つの化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および(B)式(II−a):
で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物との組み合わせが挙げられる。さらに好ましい組み合わせとしては、(A)式(I−a):
で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および(B)式(II−a):
で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物との組み合わせが挙げられる。別の好ましい組み合わせとしては、(A)以下の群:
から選択されるいずれか1つの化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および(B)ピオケリン、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物との組み合わせが挙げられる。より好ましい組み合わせとしては、(A)以下の群:
から選択されるいずれか1つの化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および(B)ピオケリン、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物との組み合わせが挙げられる。さらに好ましい組み合わせとしては、(A)式(I-a):
で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および(B)ピオケリン、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物との組み合わせが挙げられる。
から選択されるいずれか1つの化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および(B)式(II−a):
で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物との組み合わせが挙げられる。より好ましい組み合わせとしては、(A)以下の群:
から選択されるいずれか1つの化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および(B)式(II−a):
で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物との組み合わせが挙げられる。さらに好ましい組み合わせとしては、(A)式(I−a):
で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および(B)式(II−a):
で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物との組み合わせが挙げられる。別の好ましい組み合わせとしては、(A)以下の群:
から選択されるいずれか1つの化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および(B)ピオケリン、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物との組み合わせが挙げられる。より好ましい組み合わせとしては、(A)以下の群:
から選択されるいずれか1つの化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および(B)ピオケリン、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物との組み合わせが挙げられる。さらに好ましい組み合わせとしては、(A)式(I-a):
で示される化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および(B)ピオケリン、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物との組み合わせが挙げられる。
本発明は、上記のような組み合わせを特徴とする医薬および治療方法であり、ここでその組み合わせは投与時期、投与形態に限定されず、2つ以上の薬剤を含む単一の製剤として同時に投与される場合、および2つ以上の別々の薬剤をそれぞれの活性生物を含む2種類以上の製剤として、同時に投与、または時間差をおいて別々に投与される場合も包含する。
上記組み合わせの薬剤は、公開されている方法に従って生成されてもよいし、当業者に公知の任意の方法によって生成されてもよい。
以下に実施例および試験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
試験例1:併用効果(MIC)
(試験方法)
薬剤(A)として式(I−a)で示される化合物(以下、セフィデロコル)および薬剤(B)としてピオケリンとの組み合わせによる、細菌に対する併用効果を評価した。ピオケリンを併用した場合のセフィデロコルの最小阻害濃度(MIC:μg/mL)を測定した。MICの測定は、CLSI(Clinical and Laboratory Standards Institute)法に従って行い、接種菌量は5×105cfu/mLとし、試験培地として陽イオンをキレート樹脂により除去後にCaイオン,MgイオンおよびZnイオンを添加したID−CAMHB(Iron−depleted Cation−adjusted Mueller Hinton broth)を使用した微量液体希釈法で試験を行った。ピオケリンは10μMとなるように培地中に添加した。比較対象としてセフィデロコルのみを用いた場合のMICを測定した。また、薬剤(A)としてセフィデロコルの代わりに、BAL30072、MB−1、およびSMC−3176、ならびに比較化合物としてシデロフォアとして機能しない、セフタジジムおよびセフィデロコルのカテコール基の1つのヒドロキシ基をメトキシ基に置換した化合物(X)を用いて、ピオケリンを併用した場合とピオケリンを併用しない場合のMICも測定した。測定方法は上記と同様の方法で実施した。
使用薬剤としては、セフィデロコルナトリウム塩、BAL30072フリー体、MB−1フリー体、SMC−3176ナトリウム塩、セフタジジム5水和物、ピオケリンフリー体、および化合物(X)のナトリウム塩を用いた。
使用した菌株は以下の表のとおりである。
セフィデロコルのカテコール基の1つのヒドロキシ基をメトキシ基に置換した化合物(X)の構造は以下である。
各種薬剤(A)と薬剤(B)としてピオケリンとの組み合わせにおける、菌株No.1に対する併用効果の結果を表2に、および薬剤(A)としてセフィデロコルおよび薬剤(B)としてピオケリンとの組み合わせにおける、各種菌株No.2〜8に対する併用効果の結果を表3に示す。表中、MICAとは各薬剤(A)の単独使用時のMIC、およびMICA+Bとは薬剤(B)のピオケリンを10μMとなるように併用した場合の薬剤(A)のMICを意味する。なお、各種菌株No.1〜8に対する薬剤(B)のピオケリンを単独で使用した場合のMIC(以下、MICBとする)はいずれも>10μMであった。なお、MICAとMICA+Bの数値の単位はμg/mLであり、MICBの数値の単位はμMである.その結果、特定の菌種において(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物として、セフィデロコル、BAL30072、MB−1、またはSMC−3176;および(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物としてピオケリンを併用した場合に、(A)を単独で使用した場合に比べて格別優れた抗菌作用を示すことが判明した。
(試験方法)
薬剤(A)として式(I−a)で示される化合物(以下、セフィデロコル)および薬剤(B)としてピオケリンとの組み合わせによる、細菌に対する併用効果を評価した。ピオケリンを併用した場合のセフィデロコルの最小阻害濃度(MIC:μg/mL)を測定した。MICの測定は、CLSI(Clinical and Laboratory Standards Institute)法に従って行い、接種菌量は5×105cfu/mLとし、試験培地として陽イオンをキレート樹脂により除去後にCaイオン,MgイオンおよびZnイオンを添加したID−CAMHB(Iron−depleted Cation−adjusted Mueller Hinton broth)を使用した微量液体希釈法で試験を行った。ピオケリンは10μMとなるように培地中に添加した。比較対象としてセフィデロコルのみを用いた場合のMICを測定した。また、薬剤(A)としてセフィデロコルの代わりに、BAL30072、MB−1、およびSMC−3176、ならびに比較化合物としてシデロフォアとして機能しない、セフタジジムおよびセフィデロコルのカテコール基の1つのヒドロキシ基をメトキシ基に置換した化合物(X)を用いて、ピオケリンを併用した場合とピオケリンを併用しない場合のMICも測定した。測定方法は上記と同様の方法で実施した。
使用薬剤としては、セフィデロコルナトリウム塩、BAL30072フリー体、MB−1フリー体、SMC−3176ナトリウム塩、セフタジジム5水和物、ピオケリンフリー体、および化合物(X)のナトリウム塩を用いた。
使用した菌株は以下の表のとおりである。
セフィデロコルのカテコール基の1つのヒドロキシ基をメトキシ基に置換した化合物(X)の構造は以下である。
各種薬剤(A)と薬剤(B)としてピオケリンとの組み合わせにおける、菌株No.1に対する併用効果の結果を表2に、および薬剤(A)としてセフィデロコルおよび薬剤(B)としてピオケリンとの組み合わせにおける、各種菌株No.2〜8に対する併用効果の結果を表3に示す。表中、MICAとは各薬剤(A)の単独使用時のMIC、およびMICA+Bとは薬剤(B)のピオケリンを10μMとなるように併用した場合の薬剤(A)のMICを意味する。なお、各種菌株No.1〜8に対する薬剤(B)のピオケリンを単独で使用した場合のMIC(以下、MICBとする)はいずれも>10μMであった。なお、MICAとMICA+Bの数値の単位はμg/mLであり、MICBの数値の単位はμMである.その結果、特定の菌種において(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物として、セフィデロコル、BAL30072、MB−1、またはSMC−3176;および(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物としてピオケリンを併用した場合に、(A)を単独で使用した場合に比べて格別優れた抗菌作用を示すことが判明した。
試験例2:in vivo薬効評価
(試験方法)
薬剤(A)としてセフィデロコルおよび薬剤(B)としてピオケリンとの組み合わせにおける、細菌に対する併用効果を評価した。5週令の健常雄マウス(Jcl;ICR mouse)を用い、感染菌として菌株No.1:P. aeruginosa PAO1を用いた。1×106 CFUの腹腔内に感染菌を接種し、感染1時間後、5時間後に皮下に薬剤を投与した後、感染7日後の生存率(%)を測定した。細菌に対するセフィデロコルは0、0.3および1mg/kgを、ピオケリンは0、0.1および1mg/kgを投与した。それぞれの試験群について3匹ずつのマウスを使用した.
その結果を表4に示す。セフィデロコルとピオケリンを併用した場合に、セフィデロコル単独使用の場合に比べて顕著に生存率が改善され、セフィデロコルの治療効果が向上することが判明した。
使用薬剤としては、セフィデロコルナトリウム塩およびピオケリンフリー体を用いた。
(試験方法)
薬剤(A)としてセフィデロコルおよび薬剤(B)としてピオケリンとの組み合わせにおける、細菌に対する併用効果を評価した。5週令の健常雄マウス(Jcl;ICR mouse)を用い、感染菌として菌株No.1:P. aeruginosa PAO1を用いた。1×106 CFUの腹腔内に感染菌を接種し、感染1時間後、5時間後に皮下に薬剤を投与した後、感染7日後の生存率(%)を測定した。細菌に対するセフィデロコルは0、0.3および1mg/kgを、ピオケリンは0、0.1および1mg/kgを投与した。それぞれの試験群について3匹ずつのマウスを使用した.
その結果を表4に示す。セフィデロコルとピオケリンを併用した場合に、セフィデロコル単独使用の場合に比べて顕著に生存率が改善され、セフィデロコルの治療効果が向上することが判明した。
使用薬剤としては、セフィデロコルナトリウム塩およびピオケリンフリー体を用いた。
本発明は、特定の菌種、特に多剤耐性菌を含む既存の抗菌剤では効果が弱い菌株に対して有効な阻害活性を有しており、細菌感染症、特に多剤耐性菌を含む薬剤耐性菌によって引き起こされる細菌感染症の治療および/または予防に有用な医薬となり得る。
Claims (12)
- (A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および
(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物
を含有する医薬組成物(但し、(A)のβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および、(B)の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物は同一ではない)。
- (A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物と併用して投与するための、
(B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物
を含有する医薬組成物(但し、(A)のβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および、(B)の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物は同一ではない)。
- (B)シデロフォアとして機能する化学構造を有する化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物と併用して投与するための、
(A)シデロフォアとして機能する化学構造を有する、抗菌活性を有するβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物
を含有する医薬組成物(但し、(A)のβ−ラクタム化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物;および、(B)の化合物、その製薬上許容される塩、またはそれらの水和物は同一ではない)。
- (A)のβ−ラクタム化合物中のシデロフォアとして機能する化学構造が、ヒドロキシジヒドロピリドン構造またはカテコール構造である、請求項1〜3のいずれかに記載の医薬組成物。
- (B)の化合物の分子量が300〜820である、請求項1〜6のいずれかに記載の医薬組成物。
- 細菌感染症治療薬である、請求項1〜9のいずれかに記載の医薬組成物。
- 細菌感染症がFptA系透過経路を有する菌種から生じる、請求項1〜10のいずれかに記載の医薬組成物。
- 細菌感染症がB.cepacia、S.marcescens、およびP.aeruginosaからなる群から選択される菌種から生じる、請求項1〜10のいずれかに記載の医薬組成物。
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JP2019073407A JP2020172441A (ja) | 2019-04-08 | 2019-04-08 | シデロフォア型抗菌用医薬組成物 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021049600A1 (ja) * | 2019-09-13 | 2021-03-18 | 塩野義製薬株式会社 | 抗菌作用を有する医薬組成物 |
-
2019
- 2019-04-08 JP JP2019073407A patent/JP2020172441A/ja active Pending
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WO2021049600A1 (ja) * | 2019-09-13 | 2021-03-18 | 塩野義製薬株式会社 | 抗菌作用を有する医薬組成物 |
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