JP2020172212A - 多孔質構造体及び車両用ヘッドレスト - Google Patents

多孔質構造体及び車両用ヘッドレスト Download PDF

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大一 板橋
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Abstract

【課題】本発明によれば、特定方向へのずれを抑制することができる、多孔質構造体及び車両用ヘッドレストを提供する。【解決手段】本発明の多孔質構造体は、可撓性のある樹脂又はゴムから構成された、多孔質構造体であって、複数のセル孔を区画する、複数の骨部を備え、複数の骨部のうち、隣接するいずれか2つの骨部それぞれの中心軸線を含む仮想平面をXY平面とする、少なくとも1つのXYZ直交座標系を仮想固定したとき、当該XYZ直交座標系の少なくとも1軸方向における多孔質構造体の剛性が、他の少なくとも1軸方向における多孔質構造体の剛性よりも、大きい。【選択図】図1

Description

本発明は、多孔質構造体及び車両用ヘッドレストに関する。
従来より、クッション性のある多孔質構造体(例えば、ウレタンフォーム)は、例えば金型成形等において、化学反応により発泡させる工程を経て、製造されている(例えば、特許文献1)。
このような多孔質構造体は、例えば、座席シート用のクッション材やそのヘッドレスト等に利用される。
特開2016−44292号公報
しかしながら、上述したように化学反応により発泡させる工程を経て多孔質構造体を製造する場合は、通常全方向において略均一なクッション性を有することとなる。したがって、例えば、当該多孔質構造体が支持する被支持体(例えば、着座者やその頭部)に特定の方向に大きな力が作用した際の横ずれ等を抑制するには、例えば別の部材を追加したりしなければならず、当該多孔質構造体の構造のみにより、当該多孔質構造体ひいては被支持体の横ずれを防止することは困難であった。
本発明は、特定方向への横ずれを抑制することができる、多孔質構造体及び車両用ヘッドレストを提供することを目的とする。
本発明の多孔質構造体は、
可撓性のある樹脂又はゴムから構成された、多孔質構造体であって、
複数のセル孔を区画する、複数の骨部を備え、
前記複数の骨部のうち、隣接するいずれか2つの骨部それぞれの中心軸線を含む仮想平面をXY平面とする、少なくとも1つのXYZ直交座標系を仮想固定したとき、当該XYZ直交座標系の少なくとも1軸方向における前記多孔質構造体の剛性が、他の少なくとも1軸方向における前記多孔質構造体の剛性よりも、大きい。
本発明の多孔質構造体によれば、特定方向への横ずれを抑制することができる。
本発明の多孔質構造体においては、
前記複数の骨部は、複数の基本骨部を含み、
前記多孔質構造体は、前記複数の基本骨部を含む基本セルの繰返し構造を備え、
前記基本セルに含まれる前記複数の基本骨部のうち、隣接するいずれか2つの基本骨部それぞれの中心軸線を含む仮想平面を前記XY平面とする、少なくとも1つの前記XYZ直交座標系を仮想固定したとき、当該XYZ直交座標系の少なくとも1軸方向における前記基本セルの剛性が、他の少なくとも1軸方向における前記基本セルの剛性よりも、大きいと、好適である。
これにより、多孔質構造体をシンプルな構造にすることができる。
本発明の多孔質構造体においては、
前記基本セルは、当該基本セルに含まれる前記複数の基本骨部それぞれの中心軸線を各辺とする、正多面体又は半正多面体をなすと、好適である。
これにより、多孔質構造体の構造をよりシンプルにすることができ、製造性や特性の調整のし易さを向上できる。
本発明の多孔質構造体においては、
前記基本セルは、当該基本セルに含まれる前記複数の基本骨部それぞれの中心軸線を各辺とする、切頂8面体をなすと、好適である。
これにより、多孔質構造体の構造をさらにシンプルにすることができ、製造性や特性の調整のし易さを向上できる。
本発明の多孔質構造体においては、
前記複数の骨部は、複数の追加骨部をさらに含み、
前記基本セルは、1つ以上の前記追加骨部をさらに含み、
前記追加骨部は、前記XYZ直交座標系の前記他の少なくとも1軸方向の成分を有さずに延びると、好適である。
これにより、簡単な構造で、特定方向への横ずれを抑制することができる。
本発明の多孔質構造体においては、
前記基本セルに含まれる前記追加骨部の総体積は、当該基本セルに含まれる基本骨部の総体積の0.5倍以下であると、好適である。
これにより、適切なクッション性を保ちつつ、特定方向への横ずれを抑制することができる。
本発明の多孔質構造体においては、
前記基本セルは、当該基本セルに含まれる前記複数の基本骨部の中心軸線を各辺とする、正多面体又は半正多面体をなし、
前記追加骨部の中心軸線は、前記正多面体又は前記半正多面体の2つの頂点を連結して延びると、好適である。
これにより、多孔質構造体を、追加骨部を有しつつもシンプルな構成とすることができる。
本発明の多孔質構造体においては、
前記基本セルに含まれる基本骨部は、互いに異なる平均断面積を有する、標準基本骨部と太基本骨部と、を含み、前記太基本骨部は、前記XYZ直交座標系の前記他の少なくとも1軸方向の成分を有さずに延びるとともに、平均断面積が前記標準基本骨部の平均断面積よりも大きいと、好適である。
これにより、簡単な構造で、特定方向への横ずれを抑制することができる。
本発明の多孔質構造体においては、
前記太基本骨部の平均断面積は、前記標準基本骨部の平均断面積の1.1〜2.0倍であると、好適である。
これにより、適切なクッション性を保ちつつ、特定方向への横ずれをより抑制することができる。
本発明の多孔質構造体においては、
前記基本セルを構成する骨部の総体積は、前記多孔質構造体の前記XYZ直交座標系の前記少なくとも1軸方向における外表面側に位置する基本セルほど大きいと、好適である。
これにより、特定方向への横ずれをより抑制することができる。
本発明の多孔質構造体においては、
前記骨部は、その断面形状が、円形又は多角形であると、好適である。
これにより、多孔質構造体のクッション材としての特性を向上できる。
本発明の多孔質構造体においては、
前記骨部は、その少なくとも一部分において、断面積を一定に保ちつつ延在する骨一定部を有しており、
前記骨部のいずれか一方側の端の断面積A1に対する、前記骨一定部の断面積A0の比A0/A1は、
0.15≦A0/A1≦2.0
を満たすと、好適である。
これにより、多孔質構造体の表面のタッチ感を、ほどよい硬さにすることができる。
本発明の多孔質構造体においては、
前記多孔質構造体は、3Dプリンタを用いて造形されたものであると、好ましい。
これにより、所期した構成の多孔質構造体を容易に得ることができる。
本発明の車両用ヘッドレストは、
上述した、多孔質構造体を備える。
本発明の車両用ヘッドレストによれば、特定方向への横ずれを抑制することができる。
本発明によれば、特定方向への横ずれを抑制することができる、多孔質構造体及び車両用ヘッドレストを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る多孔質構造体の一部を示す、斜視図である。 図1の多孔質構造体を、図1のA矢印の方向から観たときの様子を示す、A矢視図である。 図1の多孔質構造体を、図1のB矢印の方向から観たときの様子を示す、B矢視図である。 図1の多孔質構造体の基本セルを示す、斜視図である。 図4に対応する図面であり、基本セルの第1変形例を示す、斜視図である。 図4に対応する図面であり、基本セルの第2変形例を示す、斜視図である。 図6の追加骨部を有する多孔質構造体の一変形例を説明するための、模式断面図である。 図4に対応する図面であり、基本セルの第3変形例を説明するための図面である。 本発明の一実施形態に係る車両用ヘッドレストを備える、車両用シートパッドを示す、斜視図である。 本発明の一実施形態に係る多孔質構造体の、製造方法の一例を説明するための図面である。 図1に対応する図面であり、多孔質構造体の一変形例の一部を示す、斜視図である。 図11の多孔質構造体のC部分を、図11のD矢印の方向から観たときの様子を示す、D矢視図である。 図11の多孔質構造体のC部分を、図11のE矢印の方向から観たときの様子を示す、E矢視図である。 図1〜図4に示す骨格部の変形例の一部を示す、平面図である。 図15(a)は、外力が加わっていない状態における図14の骨格部の骨部を示す斜視図であり、図15(b)は、外力が加わっている状態における図15(a)の骨部を示す斜視図である。
本発明の多孔質構造体は、クッション材に用いられるのが好適であり、座席シート用のクッション材に用いられるのがより好適であり、車両用ヘッドレストに用いられるのがさらに好適である。
以下、本発明に係る多孔質構造体及び車両用ヘッドレストの一実施形態について、図面を参照しながら例示説明する。
各図において共通する構成要素には同一の符号を付している。
また、図1〜図8、及び、図11〜図13では、後述する複数の骨部のうち、隣接する2つの骨部(図1に示す、骨部2BAx及び骨部2BAy)それぞれの中心軸線を含む仮想平面をXY平面とするXYZ直交座標系の一例における、X軸、Y軸、及び、Z軸それぞれの向きを表示している。
まず、図1〜図4を参照しながら、本発明の一実施形態に係る多孔質構造体について説明する。
図1〜図3では、本実施形態に係る多孔質構造体1のうち、略直方体の外形状を有する一部分を、それぞれ別々の角度から観ている。図1は、多孔質構造体1の当該部分を示す、斜視図である。図2は、図1の多孔質構造体1の当該部分をA矢印の方向から観た様子を示す側面図である。図3は、図1の多孔質構造体1の当該部分をB矢印の方向から観た様子を示す上面図である。
多孔質構造体1は、3Dプリンタによって造形されたものである。多孔質構造体1は、その全体が一体に構成されている。3Dプリンタを用いて多孔質構造体1を製造することにより、従来のように化学反応により発泡させる工程を経る場合に比べ、製造が簡単になり、かつ、所期したとおりの構成が得られる。また、今後の3Dプリンタの技術進歩により、将来的に、3Dプリンタによる製造を、より短時間かつ低コストで、実現できるようになることが期待できる。
多孔質構造体1は、可撓性のある樹脂又はゴムから構成されている。多孔質構造体1は、多孔質構造体1の骨格をなす骨格部2を備えている。骨格部2は、多孔質構造体1のほぼ全体にわたって存在しており、可撓性のある樹脂又はゴムから構成されている。本例において、多孔質構造体1のうち、骨格部2以外の部分は、空隙であり、言い換えれば、多孔質構造体1は、骨格部2のみからなる。
ここで、「可撓性のある樹脂」とは、外力が加わると変形することができる樹脂を指しており、例えば、エラストマー系の樹脂が好適であり、ポリウレタンがより好適であり、軟質ポリウレタンがさらに好適である。ゴムとしては、天然ゴム又は合成ゴムが挙げられる。多孔質構造体1は、可撓性のある樹脂又はゴムから構成されているので、外力の付加・解除に応じた圧縮・復元変形が可能であり、クッション性を有することができる。
なお、3Dプリンタによる製造のし易さの観点からは、多孔質構造体1は、可撓性のある樹脂から構成されている場合のほうが、ゴムから構成されている場合よりも、好適である。
図1〜図3に示すように、多孔質構造体1の骨格部2は、複数の骨部2Bと、複数の結合部2Jと、から構成されており、骨格部2の全体が一体に構成されている。本例において、各骨部2Bは、それぞれ柱状に構成されており、また、本例では、それぞれ直線状に延びている。各結合部2Jは、それぞれ、互いに異なる方向に延びる複数(例えば、4つ)の骨部2Bの端部2Beどうしが互いに隣接する箇所で、これらの端部2Beどうしを結合している。また、多孔質構造体1は、基本セル21のX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向それぞれに連なった繰り返し構造を備えている。言い換えれば、基本セル21は、多孔質構造体1が備える繰り返し構造の基本単位となっている。多孔質構造体1において繰り返されている複数の基本セル21において、互いに対応する骨部2Bは同じ方向を向いて配置されている。すなわち、多孔質構造体1を任意の方向からみたときに、複数の基本セル21は、互いに同一の形状として見えるような向きで、他の基本セル21と連なっている。なお、所定の「軸方向」とは、当該軸と同一の方向及び当該軸と平行な方向を指す。
多孔質構造体1において互いに隣接する基本セル21どうしの連結部分は、共有されている。具体的には、図1に示すように、1つの基本セル21に含まれる基本骨部2BAは、隣接する他の基本骨部2BAと共有されている。また、追って説明する、1つの基本セル21が最外側に有する環状部211は、当該環状部211側で隣接する他の基本セル21と共有されている。更に具体的には、環状部211に含まれる、追って説明する小環状部211Sは、当該小環状部211S側で隣接する他の基本セル21と共有されている。また、環状部211に含まれる、追って説明する大環状部211Lは、当該大環状部211L側で隣接する他の基本セル21と共有されている。
基本セル21は、複数の骨部2Bとして、基本骨部2BAと、追加骨部2BBと、を含んでおり、ひいては、多孔質構造体1は、複数の骨部2Bとして、基本骨部2BAと、追加骨部2BBとを、含んでいる。本例では、基本骨部2BAの中心軸線Oは、切頂8面体(ケルビン14面体)の各辺を構成している。切頂8面体(ケルビン14面体)は、6つの正4角形の構成面と8つの正6角形の構成面とから構成される、多面体(半正多面体)である。
図1〜図3には、多孔質構造体1の一部分に、骨部2Bの中心軸線Oを示している。図2及び図3に示すように、骨部2Bの中心軸線Oとは、骨部2Bの中心軸となる基本中心軸線O1(図2及び図3の鎖線)と、基本骨部2BAの端部2BAeから、基本中心軸線O1を、当該基本中心軸線O1の方向にさらに延長して、隣接する骨部2Bの中心軸線Oと交差するまでの延長中心軸線O2(図2及び図3の太線)とをつなげた線を指す。
基本骨部2BAの中心軸線Oは、例えば、正多面体、又は、切頂8面体以外の半正多面体でもよく、他の立体形状の各辺を構成していてもよい。正多面体とは、全ての面が同一の正多角形で構成され、かつ全ての頂点において接する面の数が等しい凸多面体を指し、正4面体、正6面体、正8面体、正12面体、正20面体を含む。また、半正多面体とは、面が2種類以上の正多角形で構成され、頂点に集まる正多角形の種類と順序が同じである凸多面体を指し、切頂4面体、切頂6面体、切頂8面体、切頂12面体、切頂20面体、立方8面体、20・12面体、斜方立方8面体、斜方立方20・12面体、斜方切頂立方8面体、斜方切頂20・12面体、変形立方体、変形12面体を含む。図1〜図3の例では、複数の基本骨部2BAは、骨部2Bのうち、切頂8面体(ケルビン14面体)を構成するものである。切頂8面体は、6つの正4角形の構成面と8つの正6角形の構成面とから構成される、多面体である。
基本セル21は、当該基本セル21を構成する複数の基本骨部2BAそれぞれの中心軸線を各辺とする、正多面体又は半正多面体をなしていてもよい。図1〜4の例では、図4に示すように、基本セル21は、当該基本セル21を構成する複数の基本骨部2BAそれぞれの中心軸線を各辺とする、切頂8面体をなしている。基本セル21は、切頂8面体に限らず、正4面体、正6面体等の任意の正多面体、又は、切頂4面体、切頂6面体等の任意の半正多面体をなしてもよい。
本例のように、骨格部2の一部または全部(本例では、全部)の基本セル21の形状(ひいては、骨格部2の一部または全部(本例では、全部)のセル孔Cの形状)を多面体、好ましくは、正多面体又は半正多面体、さらに好ましくは切頂多面体(ケルビン14面体)とすることにより、骨格部2を構成するセル孔C間の隙間(間隔)をより小さくすることが可能になり、より多くのセル孔Cを骨格部2の内部に形成することができる。また、これにより、外力の付加・解除に応じた骨格部2(ひいては、多孔質構造体1)の圧縮・復元変形の挙動が、クッション材として、特には着座用のクッション材として、より良好になる。
複数の追加骨部2BBは、骨部2Bのうち、中心軸線Oが正多面体又は半正多面体の各辺を構成しないものである。図1〜3の例では、複数の追加骨部2BBは、骨部2Bのうち、中心軸線Oが、切頂8面体(ケルビン14面体)の各辺を構成しないものである。複数の結合部2Jは、それぞれ、互いに異なる方向に延びる複数(例えば、4つ)の基本骨部2BAの端部2BAeどうしが互いに隣接する箇所で、これらの端部2BAeどうしを結合している。複数の結合部2Jのいくつかは、互いに異なる方向に延びる複数(例えば、4つ)の端部2BAeと、1つ以上の追加骨部2BBの端部2BBeとが隣接する箇所で、複数の基本骨部2BAの端部2BAeと、1つ以上の追加骨部2BBの端部2BAeとを結合していてもよい。
多孔質構造体1は、そのほぼ全体にわたって骨格部2を備えているので、通気性を確保しつつ、外力の付加・解除に応じた圧縮・復元変形が可能であるので、クッション材としての特性が良好になる。また、多孔質構造体1の構造がシンプルになり、3Dプリンタによる造形がしやすくなる。
なお、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち、一部又は全部の骨部2Bが、湾曲しながら延びてもよい。この場合、骨部2Bの中心軸線Oは、当該骨部2Bの両端部で隣接する結合部2Jの中心を結ぶ線分としてもよい。この場合、一部又は全部の骨部2Bが湾曲していることで、荷重の入力時において、骨部2Bひいては多孔質構造体1の急激な形状変化を防ぎ、局所的な座屈を抑制することができる。
本例において、骨格部2を構成する各骨部2Bは、それぞれの断面形状が、円形(真円形)である。
これにより、骨格部2の構造がシンプルになり、3Dプリンタによる造形がしやすくなる。また、化学反応によって発泡させる工程を経て製造された一般的なポリウレタンフォームでの機械特性を再現しやすい。また、このように骨部2Bを柱状に構成することにより、仮に骨部2Bを薄い膜状の部分に置き換えた場合に比べて、骨格部2の耐久性を向上できる。
なお、各基本骨部2BAの断面形状は、それぞれ、基本骨部2BAが延びる方向に垂直な断面における形状である。また、各追加骨部2BBの断面形状は、それぞれ、追加骨部2BBの中心軸線Oに垂直な断面における形状である。
ただし、本明細書で説明する各例において、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち全部又は一部の骨部2Bは、それぞれの断面形状が、多角形(正三角形、正三角形以外の三角形、四角形等)でもよいし、あるいは、真円形以外の円形(楕円形等)でもよく、その場合でも、本例と同様の効果が得られる。また、各骨部2Bは、それぞれの断面形状が、その延在方向に沿って均一でもよいし、あるいは、その延在方向に沿って非均一でもよい。また、各骨部2Bどうしで、断面形状が互いに異なっていてもよい。
図4に示すように、各基本セル21の最外側は、それぞれ、複数(図4の例では、14つ)の環状部211を有している。各環状部211は、それぞれ、環状に構成されており、それぞれの環状の内周側縁部2111によって、平坦な仮想面V1を区画している。基本セル21を構成する複数の環状部211は、それぞれの内周側縁部2111によって区画する仮想面V1どうしが交差しないように互いに連結されている。
セル孔Cは、基本骨部2BAによって、区画されている。具体的には、セル孔Cは、基本骨部2BAが構成する基本セル21を構成する複数の環状部211と、これら複数の環状部211がそれぞれ区画する複数の仮想面V1とによって、区画されている。概略的に言えば、環状部211は、セル孔Cのなす立体形状の辺を区画する部分であり、仮想面V1は、セル孔Cのなす立体形状の構成面を区画する部分である。
各環状部211は、それぞれ、複数の基本骨部2BAと、これらの複数の基本骨部2BAの端部2BAeどうしを結合する複数の結合部2Jと、から構成されている。
互いに連結された一対の環状部211どうしの連結部分は、これら一対の環状部211に共有されている、1つの基本骨部2BAと、その両側の一対の結合部2Jと、から構成されている。すなわち、各基本骨部2BA及び各結合部2Jは、それぞれに隣接する複数の環状部211によって共有されている。
各仮想面V1は、それぞれ、仮想面V1の一方側の面(仮想面V1の表面)によって、ある1つのセル孔Cの一部を区画しているとともに、当該仮想面V1の他方側の面(仮想面V1の裏面)によって、別のセル孔Cの一部を区画している。言い換えれば、各仮想面V1は、それぞれ、その表裏両側の面によって別々のセル孔Cの一部を区画している。さらに言い換えれば、各仮想面V1は、当該仮想面V1に隣接する一対のセル孔C(すなわち、当該仮想面V1を間に挟んだ一対のセル孔C)によって共有されている。
また、各環状部211は、それぞれ、当該環状部211に隣接する一対のセル孔Cを区画する複数の基本骨部2BAの一部によって共有されている。
本例において、各仮想面V1は、後述の膜3(図5)によって覆われておらず、開放されており、すなわち、開口を構成している。このため、仮想面V1を通じて、セル孔Cどうしが連通され、セル孔C間の通気が、可能にされている。これにより、骨格部2の通気性を向上できるとともに、外力の付加・解除に応じた骨格部2の圧縮・復元変形がし易くなる。
図1〜図4に示すように、本例において、基本セル21を構成する複数(本例では、14つ)の環状部211は、それぞれ、1つ又は複数(本例では、6つ)の小環状部211Sと、1つ又は複数(本例では、8つ)の大環状部211Lと、を含んでいる。各小環状部211Sは、それぞれ、その環状の内周側縁部2111によって、小仮想面V1Sを区画している。各大環状部211Lは、それぞれ、その環状の内周側縁部2111によって、小仮想面V1Sよりも面積の大きな大仮想面V1Lを区画している。
図4から判るように、本例において、大環状部211Lを構成する複数の基本骨部2BAの中心軸線Oは正6角形をなしており、それに伴い、大仮想面V1Lも、略正6角形をなしている。また、本例において、小環状部211Sを構成する複数の基本骨部2BAの中心軸線Oは正4角形をなしており、それに伴い、小仮想面V1Sも、略正4角形をなしている。このように、本例において、小仮想面V1Sと大仮想面V1Lとは、面積だけでなく、形状も異なる。
各大環状部211Lは、それぞれ、複数(本例では、6つ)の基本骨部2BAと、これらの複数の基本骨部2BAの端部2BAeどうしを結合する複数(本例では、6つ)の結合部2Jと、から構成されている。各小環状部211Sは、それぞれ、複数(本例では、4つ)の基本骨部2BAと、これらの複数の基本骨部2BAの端部2BAeどうしを結合する複数(本例では、4つ)の結合部2Jと、から構成されている。
本例のように、基本セル21を構成する各環状部211のうち、一部又は全部(本例では全部)の環状部211を構成する複数の基本骨部2BAの中心軸線O(ひいては、基本セル21を構成する各仮想面V1のうち、一部又は全部(本例では全部)の仮想面V1)が、略多角形状をなすことにより、環状部211の形状(ひいては仮想面V1の形状)がシンプルになるので、製造性や特性の調整のし易さを向上できる。なお、骨格部2を構成する各環状部211のうち、少なくとも1つの環状部211(ひいては、骨格部2を構成する各仮想面V1のうち、少なくとも1つの仮想面V1)が、この構成を満たしている場合は、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
基本セル21を構成する複数の基本骨部2BAのうち、隣接するいずれか2つの基本骨部2BAそれぞれの中心軸線を含む仮想平面をXY平面とする、少なくとも1つのXYZ直交座標系を仮想固定したとき、当該XYZ直交座標系の少なくとも1軸方向における基本セル21の剛性が、他の少なくとも1軸方向における基本セル21の剛性よりも、大きい。ここで、剛性とは、基本セル21に外力が付加されたときの、変形しにくさを指し、温度23℃及び相対湿度50%の環境にて、基本セル21を25%圧縮するのに要する荷重(N)を測定した場合、その測定値である25%硬度とする。また、「隣接する2つの基本骨部2BA」とは、図1〜図4に示すように、結合部2Jを介して隣接する2つの基本骨部2BAを含むことができる。
図1〜4の例では、基本セル21が備える追加骨部2BBは、XYZ直交座標系の、他の少なくとも1軸方向(Z軸方向)の成分を有さずに延びている。また、追加骨部2BBの中心軸線Oは、正多面体又は半正多面体(図4の例では、切頂8面体(ケルビン14面体))の2つの頂点を連結して延びている。そのため、基本骨部2BAのうち、図4に示す、基本骨部2BAxの中心軸線が延びる方向をX軸方向、基本骨部2BAyの中心軸線が延びる方向をY軸方向と仮想したとき、基本骨部2BAxの中心軸線と基本骨部2BAyの中心軸線とを2辺として含む仮想平面をXY平面とするXYZ直交座標系において、追加骨部2BBは、少なくとも1軸方向(X軸方向及びY軸方向に)延び、他の少なくとも1軸方向(Z軸方向)の成分を有さずに延びることになる。
また、追加骨部2BBの中心軸線Oは、正多面体又は半正多面体(図4の例では、切頂8面体(ケルビン14面体))の2つの頂点を連結して延びている。図1〜4の例では、追加骨部2BBの中心軸線Oは、切頂8面体(ケルビン14面体)の対向する2つの頂点、すなわち、1つの頂点と、当該1つの頂点と同じ基本セル21における、該1つの頂点から最も遠い位置にある頂点とを連結して延びている。また、基本セル21は、2つの追加骨部2BBを含み、2つの追加骨部2BBの一方はX軸方向に延び、2つの追加骨部2BBの他方は、Y軸方向に延びている。さらに2つの追加骨部2BBは、互いに直交して、Z軸方向から見て十字状の形状を形成している。
本例において、基本セル21の追加骨部2BBは、少なくとも1軸方向(本例ではX軸方向及びY軸方向)の成分を有し、他の少なくとも1軸方向(本例ではZ軸方向)の成分を有していない。そのため、追加骨部2BBは、当該追加骨部2BBが延びる、少なくとも1軸方向(本例では、X軸方向及びY軸方向)において、他の少なくとも1軸方向(本例では、Z軸方向)より、基本セル21の外力に対する変形を低減させて、基本セル21を変形しにくくする。したがって、基本セル21が正多面体又は半正多面体の各辺を構成する基本骨部2BAに加えて、追加骨部2BAを含む場合、当該基本骨部2BAのみによって基本セル21が構成されている場合に比べて、基本セル21の、少なくとも1軸方向(本例では、X軸方向及びY軸方向)の剛性は、他の少なくとも1軸方向(本例では、Z軸方向)の剛性より大きくなる。
図1〜4の例では、追加骨部2BBが延びる方向は、X軸方向及びY軸方向の成分を有し、Z軸方向の成分を有さないが、例えば、追加骨部2BBが延びる方向がX軸方向の成分のみを有してもよい。この場合、追加骨部2BBは、追加骨部2BBが延びるX軸方向において、Y軸方向及びZ軸方向より、基本セル21の外力に対する変形を低減させて、基本セル21を変形しにくくする。すなわち、基本セル21における、X軸方向の剛性が、Y軸方向の剛性及びZ軸方向の剛性より大きくなる。
また、図1〜4の例では、追加骨部2BBが延びる方向は、X軸方向及びY軸方向の成分を有し、Z軸方向の成分の成分を有さないが、例えば、Z軸方向の成分のみを有し、X軸方向及びY軸方向の成分を有さなくてもよい。また、追加骨部2BBが延びる方向は、Z軸方向及びX軸方向の成分を有し、Y軸方向の成分の成分を有さなくてもよいし、Z軸方向及びY軸方向の成分を有し、X軸方向の成分の成分を有さなくてもよい。
さらに、図1〜4の例では、追加骨部2BBが延びる方向はZ軸成分を有してもよく、この場合、追加骨部2BBが延びる方向のX軸方向及びY軸方向の成分は、Z軸方向の成分より大きい。また、追加骨部2BBが延びる方向がZ軸成分を有する場合、追加骨部2BBが延びる方向のX軸方向の成分が、Y軸方向及びZ軸方向の成分より大きくてもよい。
図1〜4の例では、追加骨部2BBは、X軸方向及びY軸方向のいずれかの方向に沿って延びているが、X軸方向及びY軸方向のいずれかの方向の成分を有すればよく、この倍、追加骨部2BBのX軸方向及びY軸方向のいずれかの方向の成分は、Z軸方向の成分より大きければよい。
図4の例では、基本セル21を構成する追加骨部2BBの総体積は、当該基本セル21を構成する基本骨部2BAの総体積の0.5倍以下とすることができる。基本セル21を構成する追加骨部2BBの総体積が、当該基本セル21を構成する基本骨部2BAの総体積の0.5倍以下である場合、0.5倍より大きい場合に比べて、追加骨部2BBが延びる方向における基本セル21の剛性が大きくなりすぎず、外力によって撓みやすくなっている。したがって、基本セル21は、追加骨部2BBが延びる方向である、少なくとも1軸方向(本例ではX軸方向及びY軸方向)においても、適切なクッション性を保ちつつ、当該少なくとも1軸方向(本例ではX軸方向及びY軸方向)における基本セル21の剛性が、他の少なくとも1軸方向(本例では、Z軸方向)における基本セル21の剛性よりも、大きくなる。これにより、本例の基本セル21によって構成されている多孔質構造体1は、適切なクッション性を保ちつつ、少なくとも1軸方向(本例ではX軸方向及びY軸方向)、すなわち、特定方向への横ずれを抑制することができる。
なお、基本セル21を構成する追加骨部2BBの総体積は、当該基本セル21を構成する基本骨部2BAの総体積の0.5倍より大きくてもよい。
つぎに、図5を参照しながら、図1〜図4の例の基本セル21の第1変形例を説明する。図5は、図4に対応する図面であり、基本セル21の第1変形例示す、斜視図である。第1変形例においては、追加骨部2BBは、環状部211を区画する仮想面V1内で延びている。本例の追加骨部2BBは、大環状部211Lを区画する大仮想面V1L内で、X軸方向又はY軸方向に延び、大仮想面V1において互いに対向する2つの頂点を結んでいる。また、本例の追加骨部2BBは、基本セル21が有する全ての大仮想面V1L内で延びているが、これに限らず、追加骨部2BBは、基本セル21が有する1つ以上の大仮想面V1L内で延びていてもよい。
本例では、追加骨部2BBは、大環状部211Lを区画する大仮想面V1L内で延びているが、これに限らず、小環状部211Sを区画する小仮想面V1S内を延びてもよい。この場合、追加骨部2BBは、小環状部211Sを区画する小仮想面V1S内で、X軸方向又はY軸方向に延び、小仮想面V1Sにおいて互いに対向する2つの頂点を結ぶことができる。このとき、追加骨部2BBは、基本セル21が有する1つ以上の大仮想面V1L内で延びていることができる。
これにより、図4の例と同様に、図5の例の多孔質構造体1における、図4の例で示したXYZ直交座標系と同様のXYZ直交座標系を仮想固定したとき、当該XYZ直交座標系の少なくとも1軸方向(上述の例では、X軸方向及びY軸方向)における基本セル21の剛性は、他の少なくとも1軸方向(上述の例では、Z軸方向)における基本セル21の剛性よりも、大きくなる。
なお、図5の例においても、図4の例と同様に、基本セル21を構成する追加骨部2BBの総体積は、当該基本セル21を構成する基本骨部2BAの総体積の0.5倍以下とすることができる。この場合、図4の例と同様に、基本セル21は、追加骨部2BBが延びる方向である、少なくとも1軸方向(図5の例ではX軸方向及びY軸方向)おいても適切なクッション性を保ちつつ、当該少なくとも1軸方向(図5の例ではX軸方向及びY軸方向)における基本セル21の剛性が、他の少なくとも1軸方向(図5の例では、Z軸方向)における基本セル21の剛性よりも、大きくなる。これにより、図5の例の基本セル21によって構成されている多孔質構造体1は、図4の例と同様に、適切なクッション性を保ちつつ、少なくとも1軸方向(図5の例ではX軸方向及びY軸方向)、すなわち特定方向への横ずれを抑制することができる。
また、図5の例においても、図4の例と同様に、基本セル21を構成する追加骨部2BBの総体積は、当該基本セル21を構成する基本骨部2BAの総体積の0.5倍より大きくてもよい。
つぎに、図6を参照しながら、基本セル21の第2変形例を説明する。図6は、図4に対応する図面であり、基本セル21の第2変形例を示す、斜視図である。第2変形例において、多孔質構造体1における基本セル21に含まれる基本骨部2BAは、互いに異なる平均断面積を有する、標準基本骨部2BASと太基本骨部2BAFと、を含む。太基本骨部2BAFの少なくとも1つは、図4の例で示したXYZ直交座標系と同様のXYZ直交座標系を仮想固定したとき、当該XYZ直交座標系の少なくとも1軸方向(図6の例では、X軸方向及びY軸方向)の成分を有して延び、他の少なくとも1軸方向(図6の例では、Z軸方向)の成分を有さずに延びるとともに、平均断面積が標準基本骨部2BASの平均断面積よりも大きい。ここで、標準基本骨部2BASの平均断面積とは、標準基本骨部2BASの中心軸線に垂直な断面の断面積の平均値(すなわち、標準基本骨部2BASの体積を、標準基本骨部2BASの延在長さで除した値)を指す。太基本骨部2BAFの平均断面積とは、太基本骨部2BAFの中心軸線に垂直な断面の断面積の平均値(すなわち、太基本骨部2BAFの体積を、太基本骨部2BAFの延在長さで除した値)を指す。
図6の例では、各標準基本骨部2BASの断面積は、標準基本骨部2BASの全長にわたって一定である(すなわち、標準基本骨部2BASの延在方向に沿って均一である)ため、各標準基本骨部2BASにおけるいずれかの部分の断面積が平均断面積となる。しかし、各標準基本骨部2BASの断面積は、標準基本骨部2BASの延在方向に沿って不均一でもよい。例えば、各標準基本骨部2BASのうち一部又は全部の標準基本骨部2BASは、標準基本骨部2BASの延在方向の両端部2BASeに向かうにつれて徐々に増大又は減少していてもよい。同様に、図6の例では、各太基本骨部2BAFの断面積は、太基本骨部2BAFの全長にわたって一定である(すなわち、太基本骨部2BAFの延在方向に沿って均一である)ため、各太基本骨部2BAFにおけるいずれかの部分の断面積が平均断面積となる。しかし、各太基本骨部2BAFの断面積は、太基本骨部2BAFの延在方向に沿って不均一でもよい。例えば、各太基本骨部2BAFのうち一部又は全部の太基本骨部2BAFは、太基本骨部2BAFの延在方向の両端部2BAFeに向かうにつれて徐々に増大又は減少していてもよい。
このように、太基本骨部2BASが、少なくとも1軸方向(図6の例では、X軸方向及びY軸方向)の成分を有して延び、他の少なくとも1軸方向(図6の例では、Z軸方向)の成分を有さずに延びるとともに、平均断面積が標準基本骨部2BASの平均断面積よりも大きいことによって、太基本骨部2BASは、当該太基本骨部2BASが延びる、少なくとも1軸方向(図6の例では、X軸方向及びY軸方向)において、他の少なくとも1軸方向(図6の例では、Z軸方向)より、基本セル21の外力に対する変形を低減させて、基本セル21を変形しにくくする。したがって、少なくとも1軸方向(図6の例では、X軸方向及びY軸方向)の剛性は、他の少なくとも1軸方向(図6の例では、Z軸方向)の剛性より大きくなる。
太基本骨部2BAFの平均断面積は、標準基本骨部2BASの平均断面積の1.1〜2.0倍とすることができる。これにより、太基本骨部2BAFの平均断面積が、標準基本骨部2BASの平均断面積の2.0倍より大きい場合に比べて、追加骨部2Bが延びる方向における基本セル21の剛性が大きくなりすぎず、外力によって撓みやすくなっている。したがって、基本セル21は、追加骨部2BBが延びる方向である少なくとも1軸方向(図6の例ではX軸方向及びY軸方向)おいて、適切なクッション性を保ちつつ、当該少なくとも1軸方向(図6の例ではX軸方向及びY軸方向)における基本セル21の剛性が、他の少なくとも1軸方向(図6の例では、Z軸方向)における基本セル21の剛性よりも、大きくすることができる。また、太基本骨部2BAFの平均断面積が、標準基本骨部2BASの平均断面積の1.1倍より小さい場合に比べて、追加骨部2Bが延びる方向における基本セル21の剛性がより大きくすることができる。これにより、図6の例の基本セル21によって構成されている多孔質構造体1は、適切なクッション性を保ちつつ、少なくとも1軸方向(図6の例ではX軸方向及びY軸方向)方向、すなわち特定方向への横ずれを抑制することができる。
なお、太基本骨部2BAFの平均断面積は、標準基本骨部2BASの平均断面積の2.0倍より大きくてもよく、この場合、太基本骨部2BAFの平均断面積が、標準基本骨部2BASの平均断面積1.1〜2.0倍である場合に比べて、追加骨部2BBが延びる方向である少なくとも1軸方向(図6の例では、X軸方向及びY軸方向)における基本セル21の剛性は、他の少なくとも1軸方向(図6の例では、Z軸方向)における基本セル21の剛性よりも、より大きくなる。これにより、図6の例の基本セル21によって構成されている多孔質構造体1は、少なくとも1軸方向(図6の例ではX軸方向及びY軸方向)、すなわち特定方向への横ずれを抑制することができる。
標準基本骨部2BASの平均断面積は、0.01〜0.3cm2が好適であり、0.03〜0.15cm2がより好適である。また、太基本骨部2BAFの平均断面積は、0.01〜0.3cm2が好適であり、0.03〜0.15cm2がより好適である。また、追加骨部2BBの平均断面積は、0.03〜0.3cm2が好適であり、0.03〜0.15cm2がより好適である。
なお、図6の例では、太基本骨部2BAFは、Z軸方向の成分を有さずに延びている基本骨部2BAのうち、小環状部211Sを区画しない基本骨部2BAであるが、これに限らず、太基本骨部2BAFは、Z軸方向の成分を有さずに延びている基本骨部2BAのうち、小環状部211Sを区画する基本骨部2BAであってもよい。
また、図6の例では、太基本骨部2BAFは、Z軸方向の成分を有さずに延びているが、Z軸方向に加えてY軸方向の成分も有さずに延びていてもよい。この場合、太基本骨部2BAFは、Z軸方向でもY軸方向でもない方向、すなわちX軸方向でのみ、基本セル21の外力による変形を低減し、X軸方向でのみ基本セル21を変形しにくくする。したがって、多孔質構造体1のX軸方向の剛性は、Z軸方向及びY軸方向の剛性よりも、大きくなる。
さらに、図6の例では、太基本骨部2BAFは、Z軸方向の成分を有さずに延びているが、例えば、X軸方向又はY軸方向の成分を有さずに延びていてもよい。
また、図6の例では、基本骨部2BAが、標準基本骨部2BASと太基本骨部2BAFと、を含むとしたが、これに加えて又は代えて、追加骨部2BBの一部又は全部の平均断面積を、標準基本骨部2BASの平均断面積より大きくしてもよい。
以上のように、図4〜図6に示す各例の基本セル21において、図4の例で示したXYZ直交座標系と同様のXYZ直交座標系を仮想固定したとき、当該XYZ直交座標系の少なくとも1軸方向(図4〜図6の各例では、X軸方向及びY軸方向)における基本セル21の剛性は、他の少なくとも1軸方向(図4〜図6の各例では、Z軸方向)における基本セル21の剛性よりも、大きい。また、図1〜図3に示すように、多孔質構造体1は、基本セル21の繰返し構造を備える。また、上述したように、多孔質構造体1において繰り返されている複数の基本セル21において、互いに対応する骨部2Bは同じ方向を向いて配置されている。そのため、多孔質構造体1は、上記XYZ直交座標系の少なくとも1軸方向(図4〜図6の各例の基本セル21を備える多孔質構造体の例では、X軸方向及びY軸方向)における剛性が、他の少なくとも1軸方向(図4〜図6の各例の基本セル21を備える多孔質構造体の例では、Z軸方向)における剛性よりも、大きくなっている。これにより、多孔質構造体1は、少なくとも1軸方向(図4〜図6の各例の基本セル21を備える多孔質構造体の例では、X軸方向及びY軸方向)、すなわち特定方向への横ずれを抑制することができる。
図7を参照しながら、図1に示す多孔質構造体1の一変形例を説明する。図7は、図1に示す多孔質構造体1の一変形例を示す、XY平面に平行な断面における、追加骨部の総体積の分布を示している。
図1の例では、多孔質構造体1は、図4の例の基本セル21と同一の基本セル21が、XYZの各方向に繰り返して連なった繰り返し構造を備えているが、本例では、多孔質構造体1は、骨部2Bの数又は平均断面積が互いに異なる基本セル21が、XYZの各方向に連なった繰り返し構造を備えている。
図7の例では、基本セル21を構成する骨部2Bの総体積は、基本セル21の剛性が大きい、少なくとも1軸方向における、外表面側に位置する基本セル21ほど大きくされている。例えば、基本セル21のX軸方向における剛性が、Y軸方向及びZ軸方向における剛性より大きい場合に、基本セル21の繰り返し構造を備える多孔質構造体1における、基本セル21を構成する骨部2Bの総体積は、当該X軸方向における外表面側に位置する基本セル21ほど大きくすることができる。例えば、図7に示すように、多孔質構造体1を、X軸方向において、最も中心近傍の領域である中心領域R1と、中心領域R1より外表面側に位置する中間領域R2と、最も外表面側に位置する外側領域R3とに分けた場合、中心領域R1に含まれる基本セル21の骨部2Bの総体積が最も小さく、中間領域R2に含まれる基本セル21の骨部2Bの総体積は、中心領域R1に含まれる基本セル21の骨部2Bの総体積より大きく、外側領域R3に含まれる基本セル21の骨部2Bの総体積は、中間領域R2の骨部2Bの総体積よりさらに大きくなっている。前述した所定方向に延びる追加骨部及び/又は基本骨部の、数及び/又は平均断面積を調整することにより、体積を変化させるのが好ましい。
なお、図7の例では、多孔質構造体1をX軸方向における5つの領域に分けて説明しているが、これに限られず、3つ以上の数の領域に分けて、外表面側に位置する領域にある基本セル21ほど、当該基本セル21を構成する骨部の総体積を大きくするように構成してもよい。
これにより、多孔質構造体1が外力を受けたときに、外表面側に位置する基本セル21ほど変形しにくく、内側に位置する基本セル21ほど変形しやすくなる。すなわち、多孔質構造体1の剛性は、外表面側に位置する領域ほど高くなり、内側に位置する領域ほど低くなる。このため、多孔質構造体1は、当該多孔質構造体1は外表面側で横ずれをより抑制しつつ、内側で撓みやすくなることによって全体としてのクッション性を保持することができる。
図8は、図4に対応する図面であり、基本セル21の第3変形例を説明するための図面である。第3変形例において、基本セル21は、図4の例の骨部2Bに加えて、1つ又は複数の膜3を備えていてもよい。
膜3は、環状部211の環状の内周側縁部2111によって区画された仮想面V1上を延びており、それにより、当該環状部211によって区画された仮想面V1を覆っている。図8の例では、骨格部2を構成する各仮想面V1のうちの少なくとも1つが、膜3で覆われている。膜3は、骨格部2と同じ材料からなり、骨格部2と一体に構成されている。図5の例において、膜3は、平坦に構成されている。ただし、膜3は、非平坦(例えば、湾曲状(曲面状))に構成されてもよい。
膜3は、当該膜3と一体に構成される骨部2Bの幅よりも小さな厚さを有すると、好適である。
膜3によって、仮想面V1を間に挟んだ2つのセル孔Cどうしが非連通状態になり、ひいては、多孔質構造体1の全体としての通気性が低下する。多孔質構造体1を構成する各仮想面V1のうち、膜3で覆われたものの数を調整することにより、多孔質構造体1の全体としての通気性を調整でき、要求に応じて様々な通気性レベルを実現可能である。例えば、多孔質構造体1が座席シート用のクッション材、例えば、車両用シートパッド等に利用される場合、多孔質構造体1の通気性を調整することにより、車内のエアコンの効きを高めたり、耐ムレ性を高めたり、乗り心地を高めることができる。多孔質構造体1が座席シート用のクッション材、例えば、車両用シートパッド等に利用される場合、車内のエアコンの効き及び耐ムレ性を高めるとともに、使い心地を高める観点からは、多孔質構造体1を構成する各仮想面V1の全てが膜3で覆われているのは好ましくなく、言い換えれば、多孔質構造体1を構成する各仮想面V1のうち少なくとも1つが膜3で覆われておらず開放されていることが好ましい。
なお、従来の多孔質構造体は、化学反応によって発泡させる工程を経て製造されていたため、各セルどうしを連通する連通孔における膜を、所期したとおりの位置及び個数で形成することは難しかった。本例のように、多孔質構造体1を3Dプリンタで製造する場合は、3Dプリンタに読み込まれる3D造形用データに、予め膜3の情報も含めることで、確実に、所期したとおりの位置及び個数で膜3を形成することが可能である。
同様の観点から、骨格部2を構成する各第1小仮想面V1Sのうちの少なくとも1つが、膜3で覆われていてもよい。かつ/又は、骨格部2を構成する各第1大仮想面V1Lのうちの少なくとも1つが、膜3で覆われていてもよい。
本明細書で説明する各例において、骨格部2は、直径が5mm以上のセル孔Cを少なくとも1つ有すると、好適である。これにより、3Dプリンタを用いた多孔質構造体1の製造が実現し易くなる。骨格部2の各セル孔Cの直径が5mm未満であると、骨格部2の構造が複雑になりすぎる結果、多孔質構造体1の3次元形状を表す3次元形状データ(CADデータ等)、あるいは、その3次元形状データに基づき生成される3D造形用データを、コンピュータ上で生成するのが難しくなるおそれや、仮にそれらを生成できたとしても、その3D造形用データに従って3Dプリンタが造形するのが難しくなるおそれがある。
なお、従来のクッション性を有する多孔質構造体は、化学反応によって発泡させる工程を経て製造されていたため、直径が5mm以上のセル孔Cを形成することはできなかった。
また、骨格部2が直径5mm以上のセル孔Cを有することにより、骨格部2の通気性や変形し易さを向上しやすくなる。
このような観点から、骨格部2を構成する全てのセル孔Cの直径が、それぞれ、5mm以上であると、好適である。
セル孔Cの直径が大きくなるほど、3Dプリンタを用いた多孔質構造体1の製造が実現し易くなり、また、通気性や変形し易さを向上しやすくなる。このような観点から、骨格部2は、少なくとも1つ(好適には全部)のセル孔Cの直径が、より好適には8mm以上、さらに好適には10mm以上であるとよい。
一方、骨格部2のセル孔Cが大きすぎると、骨格部2(ひいては多孔質構造体1)の外縁(外輪郭)形状をきれいに(滑らかに)形成するのが難しくなり、例えば多孔質構造体1を座席シート用のクッション材、例えば、車両用シートパッド等に適用する場合等に、形状精度が低下し外観が悪化するおそれがある。また、クッション材としての特性も、十分に良好でなくなるおそれがある。よって、外観やクッション材としての特性を向上させる観点から、骨格部2の各セル孔Cの直径は、好適には30mm未満、より好適には25mm以下、さらに好適には20mm以下であるとよい。
なお、セル孔Cの直径は、本例のようにセル孔Cが厳密な球形状とは異なる形状をなす場合、セル孔Cの外接球の直径を指す。
骨格部2のセル孔Cが小さすぎると、骨格部2の構造が複雑になりすぎる結果、多孔質構造体1の3次元形状を表す3次元形状データ(CADデータ等)、あるいは、その3次元形状データに基づき生成される3D造形用データを、コンピュータ上で生成するのが難しくなるおそれや、仮にそれらを生成できたとしても、その3D造形用データに従って3Dプリンタが造形するのが難しくなるおそれがあるため、3Dプリンタを用いた多孔質構造体1の製造がしにくくなる。3Dプリンタを用いた多孔質構造体1の製造を容易にする観点から、骨格部2を構成する各セル孔Cのうち、最小の直径を有するセル孔Cの直径が、0.05mm以上であると好適であり、0.10mm以上であるとより好適である。最小の直径を有するセル孔Cの直径が、0.05mm以上の場合、高性能な3Dプリンタの解像度で造形可能であり、0.10mm以上の場合、高性能な3Dプリンタだけでなく汎用の3Dプリンタの解像度でも造形可能である。
本明細書で説明する各例において、骨格部2を構成する各骨部2Bが、それぞれ同じ材料で形成されている。ただし、骨格部2を構成する各骨部2Bの材料は、それぞれ同じでなくてもよく、例えば、一部の骨部2Bの材料が他の骨部2Bとは異なっていてもよい。この場合も、一部の骨部2Bの材料が他の骨部2Bとは異ならせることで、XYZ直交座標系の少なくとも1軸方向における多孔質構造体1の剛性が、他の少なくとも1軸方向における多孔質構造体1の剛性よりも、大きくなるようにすることができる。
本明細書で説明する各例において、骨格部2の構造の簡単化、ひいては、3Dプリンタによる多孔質構造体1の製造のし易さの観点からは、骨部2Bの幅、具体的には、基本骨部2BAの幅W1(図4及び図5)、追加骨部2BBの幅W2(図4及び図5)、標準基本骨部2BASの幅W1S(図6)、太基本骨部2BAFの幅W1F(図6)それぞれは、0.05mm以上であると好適であり、0.10mm以上であるとより好適である。幅W0が0.05mm以上の場合、高性能な3Dプリンタの解像度で造形可能であり、0.10mm以上の場合、高性能な3Dプリンタだけでなく汎用の3Dプリンタの解像度でも造形可能である。
本明細書で説明する各例において、多孔質構造体1が車両用シートパッドに利用される場合、車内のエアコンの効き及び耐ムレ性を高めたり、使い心地を高める観点からは、多孔質構造体1の通気性は、100〜700cc/cm2/secが好適であり、150〜650cc/cm2/secがより好適であり、200〜600cc/cm2/secがさらに好適である。ここで、多孔質構造体1の通気性(cc/cm2/sec)は、JIS K 6400-7に準拠して測定されるものとする。また、多孔質構造体1が車両用ヘッドレストに利用される場合、多孔質構造体1の共振倍率は、3倍以上8倍未満が好適であり、3倍以上5倍以下がより好適である。
また、図1〜7の例では、図4〜図6の各図に示す、基本骨部2BAxが延びる方向をX軸方向とし、基本骨部2BAyが延びる方向をY軸方向としたが、これに限られず、例えば、図4〜図6の各図に示す、基本骨部2BAxが延びる方向をX軸方向とし、基本骨部2BAxと、例えば、基本骨部2BAwとを含む仮想平面をXY平面とし、当該X軸方向に直交する、平面XY平面内の方向をY軸方向とした場合に、基本セル21は、例えば、X軸方向及びY軸方向のいずれかの成分を有し、Z軸方向の成分を有さない、(すなわちZ軸方向に延びない)少なくとも1つ以上の追加骨部2BBを有してもよい。また、基本セル21において、例えば、複数の基本骨部2BAのうちの、X軸方向及びY軸方向のいずれかの成分を有する方向に延びる(すなわちZ軸方向に延びない)少なくとも1つ以上の基本骨部2BAを太基本骨部2BAFとしてもよい。さらに、基本セル21は、例えば、X軸方向の成分を有し、Y軸方向及びZ軸方向の成分を有さない、(すなわちY軸方向及びZ軸方向に延びない)少なくとも1つ以上の追加骨部2BBを有してもよい。また、基本セル21において、例えば、複数の基本骨部2BAのうちの、X軸方向の成分を有し、Y軸方向及びZ軸方向の成分を有さない、(すなわちY軸方向及びZ軸方向に延びない)少なくとも1つ以上の基本骨部2BAを太基本骨部2BAFとしてもよい。
上述したように、本発明の多孔質構造体は、クッション材に用いられるのが好適であり、座席シート用のクッション材に用いられるのがより好適であり、車両用ヘッドレストに用いられるのがさらに好適である。
一例として、図9に、図1の例の多孔質構造体1を備えた車両用シートパッド(座席シート用のクッション材)300を示す。図9の例における車両用シートパッド300は、着座者が着座するためのクッションパッド310と、着座者の背中を支持するためのバックパッド320と、着座者の頭部を支持するためのヘッドレスト340(車両用ヘッドレスト)と、を備えている。
図10では、車両用シートパッド300に着座した着座者から観たときの「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」の各方向を、表記している。
クッションパッド310は、着座者の臀部及び大腿部が載るように構成されたメインパッド部311と、メインパッド部311の左右両側に位置する一対のサイドパッド部312と、を有している。バックパッド320は、着座者の背部及び腰部を支持するように構成されたメインパッド部321と、メインパッド部321の左右両側に位置する一対のサイドパッド部322と、を有している。ヘッドレスト340は、着座者の後頭部を支持するように構成されたヘッドパッド部341と、着座者の側頭部、特には耳を支持するように構成されたイヤーパッド部342と、を有している。
図9の例では、クッションパッド310とバックパッド320とヘッドレスト340とが、それぞれ、別々の(別部材としての)多孔質構造体から構成されている。ヘッドレスト340は、図1〜図8を参照して説明した各例のいずれかの多孔質構造体1を備えている。また、クッションパッド310及びバックパッド320の1つ以上が、3Dプリンタによって造形された、図1〜図8を参照して説明した各例のいずれかの多孔質構造体1を備えていてもよいし、従来の、金型成形等において、化学反応により発泡させる工程を経て、造形されたものであってもよい。
図9の例では、ヘッドレスト340のヘッドパッド部341は、着座者の頭部と対向する方向を法線方向とする面内の2つの方向を、それぞれ図1の多孔質構造体の略X軸方向及び略Y軸方向に対応させて、構成することができる。具体的には、ヘッドパッド部341は、該ヘッドパッド部314の左右方向を図1の多孔質構造体1の略X軸方向に対応させ、該ヘッドパッド部341の上下方向を図1の例の多孔質構造体1の略Y軸方向に対応させて構成することができる。上述したように、図1の例の多孔質構造体1においては、X軸方向及びY軸方向における剛性が、Z軸方向よりも、大きいため、多孔質構造体1によって構成されているヘッドパッド部341は、着座者の頭部をしっかりと支え、着座者がクッションパッド310に着座しているときの、左右方向又は上下方向への着座者の頭部の揺れを抑制することができる。
さらに、クッションパッド310が、上述したいずれかの例の多孔質構造体1から構成されている場合、クッションパッド310は、着座者の臀部及び大腿部と対向する方向を法線とする面内の、互いに直交する2方向(図9の例では、左右方向及び前後方向)を、それぞれ図1の多孔質構造体1のX軸方向及びY軸方向に対応させて構成することができる。これにより、多孔質構造体1によって構成されているクッションパッド310は、着座者の臀部及び大腿部をしっかりと支え、着座者がクッションパッド310に着座しているときの、左右方向及び前後方向への着座者の臀部及び大腿部の揺れを抑制することができる。
また、クッションパッド310の一部が、上述したいずれかの例の多孔質構造体1から構成されていてもよい。例えば、クッションパッド310のメインパッド部311の一部が多孔質構造体1から構成されていてもよい。クッションパッド310のメインパッド部311は、上述したヘッドレスト340と同様に、シート本体と、シート本体に装填され、着座者が着座したときに着座者の大腿部又は臀部に対向している装填体と、を備えていてもよい。この場合、装填体が、着座者の大腿部又は臀部をしっかりと支えつつ、シート本体においては、例えば、従来の金型成形等において、化学反応により発泡させる等の製造方法を用いることによってコストを低減することができる。
同様にして、バックパッド320が、上述したいずれかの例の多孔質構造体1から構成されている場合、バックパッド320は、着座者の背部及び腰部と対向する方向を法線とする面内の、互いに直交する2方向(図9の例では、左右方向及び略上下方向)を、それぞれ図1の多孔質構造体1のX軸方向及びY軸方向に対応させて構成することができる。
これにより、多孔質構造体1によって構成されているクッションパッド310は、着座者の背部及び腰部をしっかりと支え、着座者がクッションパッド310に着座しているときの、左右方向及び略上下方向への着座者の臀部及び大腿部の揺れを抑制することができる。
また、バックパッド320の一部が、上述したいずれかの例の多孔質構造体1から構成されていてもよい。例えば、バックパッド320のメインパッド部321は、上述したヘッドレスト340と同様に、シート本体と、シート本体に装填され、着座者が着座したときに、着座者の背部及び腰部に対向している装填体と、を備えていてもよい。この場合、装填体が、着座者の背部及び腰部をしっかりと支えつつ、シート本体においては、例えば、従来の金型成形等において、化学反応により発泡させる等の製造方法を用いることによってコストを低減することができる。
つぎに、図10を参照しつつ、本発明の多孔質構造体1の製造方法を例示説明する。以下に説明する方法は、本明細書で説明した任意の例の多孔質構造体1で構成された車両用ヘッドレストを製造するために用いることができる。また、上述した多孔質構造体1で構成されたクッションパッド310及びバックパッド320を製造するためにも用いることができる。
まず、事前に、コンピュータを用いて、多孔質構造体1の3次元形状を表す3次元形状データ(例えば、3次元CADデータ)を作成する。
つぎに、コンピュータを用いて、上記3次元形状データを、3D造形用データ500に変換する。3D造形用データ500は、3Dプリンタ400の造形部420が造形を行う際に3Dプリンタ400の制御部410に読み込まれるものであり、制御部410が、造形部420に、多孔質構造体1を、造形させるように構成されている。3D造形用データ500は、例えば、多孔質構造体1の各層の2次元形状を表すスライスデータを含む。
つぎに、3Dプリンタ400によって多孔質構造体1の造形を行う。3Dプリンタ400は、例えば、光造形方式、粉末焼結積層方式、熱溶融積層方式(FDM方式)、インクジェット方式等、任意の造形方式を用いて造形を行ってよい。生産性の観点からは、光造形方式が好適である。図11では、光造形方式によって造形を行う様子を示している。
3Dプリンタ400は、例えば、CPU等によって構成された制御部410と、制御部410による制御に従って造形を行う造形部420と、造形される造形物(すなわち、多孔質構造体1)を載せるための支持台430と、液体樹脂LR、支持台430及び造形物が収容される収容体440と、を備える。造形部420は、本例のように光造形方式を用いる場合、紫外線レーザ光LLを照射するように構成されたレーザ照射器421を有する。収容体440には、液体樹脂LRが充填されている。液体樹脂LRは、レーザ照射器421から照射される紫外線レーザ光LLが当たると、硬化し、可撓性のある樹脂となる。
このように構成された3Dプリンタ400は、まず、制御部410が、3D造形用データ500を読み込み、読み込んだ3D造形用データ500に含まれる3次元形状に基づいて、造形部420に紫外線レーザ光LLを照射するよう制御しながら、各層を順次造形していく(造形ステップ)。
なお、多孔質構造体1を樹脂で構成する場合、3Dプリンタ400による造形が完了した後に、造形物としての多孔質構造体1を、オーブンの中で加熱してもよい。その場合、多孔質構造体1を構成する各層どうしの結合を強化し、それにより多孔質構造体1の異方性を低減できるので、多孔質構造体1のクッション材としての特性をさらに向上できる。
また、多孔質構造体1をゴムで構成する場合、3Dプリンタ400による造形が完了した後に、造形物としての多孔質構造体1を加硫してもよい。
3Dプリンタを用いて多孔質構造体1を製造することにより、基本骨部2BAと追加骨部2BBとを含む多孔質構造体1、及び、基本骨部2BAが標準基本骨部2BAS及び太基本骨部2BAFとを含む多孔質構造体1等を、1つの工程で、簡単かつ精度良く、所期したとおりに実現できる。
また、多孔質構造体1をゴムで構成する場合、3Dプリンタ400による造形が完了した後に、造形物としての多孔質構造体1を加硫してもよい。
図11〜図13を参照しながら、多孔質構造体1の一変形例を説明する。図11は、図1に対応する図面であり、多孔質構造体の一変形例の一部を示す、斜視図である。図12は、図11の多孔質構造体1のうち、破線で囲ったC部分を、図11のD矢印の方向から観た様子を示す、D矢視図である。図13は、図11の多孔質構造体1のC部分をE矢印の方向から観た様子を示す、E矢視図である。
本例において、多孔質構造体1は、骨格部2に加えて、表皮部6を備えている。このとき、骨格部2は、図4から図6の各例のいずれの基本セル21を有していてもよい。また、多孔質構造体1は、上述した膜3(図12)を備えていてもよいし備えていなくてもよい。骨格部2や膜3の構成については、上述したとおりである。
また、本例における多孔質構造体1は、図9の例のヘッドレスト340(車両用ヘッドレスト)を構成することができる。この場合、ヘッドレスト340の最外側が表皮部6によって構成されると、好適である。本例における多孔質構造体1は、図9の例のクッションパッド310及びバックパッド320の少なくとも一方を構成してもよい。この場合、クッションパッド310及びバックパッド320の最外側が表皮部6によって構成されると、好適である。
表皮部6は、骨格部2の外表面(骨格部2の外縁(外輪郭)をなす仮想面)の一部又は全部を覆うように、骨格部2と一体に構成されており、骨格部2と同じ材料で構成されている。表皮部6は、多孔質構造体1の外表面の一部又は全部を構成することとなる。図11に示す多孔質構造体1の部分において、表皮部6は、平坦状に構成されているが、表皮部6は、骨格部2の外表面に沿う任意の形状に構成されてよく、例えば湾曲形状(曲面形状)に構成されてもよい。
図13に示すように、本例において、表皮部6は、表皮部6の厚さ方向に表皮部6を貫通する複数の貫通孔6Bを有している。これら複数の貫通孔6Bは、表皮部6の全体にわたって分散して設けられており、それにより、表皮部6は、メッシュ状に構成されている。表皮部6の各貫通孔6Bのうちの一部又は全部(好適には全部)は、表皮部6に対し連結された骨格部2の骨部2Bや結合部2Jによって完全には塞がれておらず、貫通孔6Bを介した通気が可能にされている。
本例において、表皮部6は、それぞれ骨格部2の外表面に沿って柱状に延在する複数の柱部6Cを有している(より具体的に、本例において、表皮部6は、これら柱部6Cから構成されている)。複数の柱部6Cの端部6Ceどうしが互いに隣接する箇所で、これらの柱部6Cの端部6Ceどうしが連結されている。各貫通孔6Bは、複数の柱部6Cどうしの間に区画されている。表皮部6を構成する各柱部6Cは、骨格部2の内部には位置していない。
多孔質構造体1が表皮部6を備えることにより、骨格部2が多孔質構造体1の外部に剥き出しになることを抑制できるので、多孔質構造体1に対してユーザ等からの荷重が掛かったときに、骨格部2は、直接その荷重を受けるのではなく、表皮部6を介してその荷重を受けることとなるので、骨格部2が破損しにくくなる。よって、多孔質構造体1の耐久性を向上できる。
また、表皮部6の外表面は、骨格部2の外表面よりも凹凸が遥かに少ないため、多孔質構造体1が表皮部6を備えることにより、ユーザが多孔質構造体1に対して荷重を掛けるときにユーザが感じる違和感を低減できる。よって、多孔質構造体1の座り心地を向上できる。
また、表皮部6は、複数の貫通孔6Bを有しているので、表皮部6を介した骨格部2の内外への通気を確保できる。
ただし、表皮部6が骨格部2の外表面のうちの一部のみに設けられる場合、骨格部2の内外への通気は、骨格部2の外表面のうち表皮部6が設けられていない部分を介して確保することが可能であるので、表皮部6は、貫通孔6Bを有していなくてもよく、すなわち、表皮部6の全体にわたって連続したシート状に構成されていてもよい。
図11〜図13の例では、表皮部6の平面視において、複数の貫通孔6Bが規則性を有する配置パターンをもって配置されているが、複数の貫通孔6Bの配置は、規則性の無いランダムな配置でもよい。
図11〜図13の例では、表皮部6の平面視(図13のように、表皮部6の外表面に対し垂直に対向する方向から観た表面視)において、各柱部6Cは、直線状に延在しており、各貫通孔6Bは、それぞれ三角形をなしており、互いに異なる方向に延在する3つの柱部6Cどうしの間に区画されている。ただし、各柱部6Cのうち一部又は全部は、湾曲状に(湾曲形状に沿って)延在していてもよい。また、各貫通孔6Bは、それぞれ、表皮部6の平面視において、三角形以外の任意の多角形状(四角形等)、あるいは、多角形状以外の任意の形状(例えば、円(真円、楕円等)))をなしてよい。また、図11〜図13の例において、表皮部6の平面視における各貫通孔6Bの形状及び寸法は、均一(互いに同じ)であるが、各貫通孔6Bの形状及び/又は寸法は、不均一であってもよい。
図11〜図13の例において、表皮部6を構成する各柱部6Cは、それぞれの断面形状が、円形(真円形)である。これにより、表皮部6の構造がシンプルになり、3Dプリンタによる多孔質構造体1の造形がしやすくなるとともに、多孔質構造体1の外側に向かって尖った部分が無くなるので、多孔質構造体1の触り心地や座り心地を向上できる。なお、各柱部6Cの断面形状は、それぞれの延在方向に垂直な断面における形状である。ただし、表皮部6を構成する各柱部6Cのうち全部又は一部の柱部6Cは、それぞれの断面形状が、多角形(正三角形、正三角形以外の三角形、四角形等)でもよいし、あるいは、真円形以外の円形(楕円形等)でもよい。また、各骨部2Bは、それぞれの断面形状が、その延在方向に沿って均一でもよいし、あるいは、その延在方向に沿って非均一でもよい。また、各柱部6Cどうしで、断面形状が互いに異なっていてもよい。
図11〜図13の例のように、表皮部6の各貫通孔6Bがそれぞれ複数の柱部6Cによって区画される場合、表皮部6を構成する各柱部6Cの幅W6C(図12、図13)は、図の例のように柱部6Cの延在方向に沿って均一でもよいし、あるいは、柱部6Cの延在方向に沿って不均一でもよい。また、表皮部6を構成する各柱部6Cの幅W6Cは、図の例のように柱部6Cどうしで同じでもよいし、あるいは、柱部6Cどうしで異なっていてもよい。なお、各柱部6Cの幅W6Cは、それぞれの延在方向に垂直な断面に沿って測ったときの、当該断面における最大幅を指す。
表皮部6を構成する各柱部6Cの幅W6Cの最大値は、多孔質構造体1のクッション性を確保する観点から、3.0mm以下であると好適であり、2.5mm以下であるとより好適である。表皮部6を構成する各柱部6Cの幅W6Cの最小値は、表皮部6の耐久性の観点から、0.05mm以上であると好適であり、0.10mm以上であるとより好適である。
同様に、表皮部6の厚さT6(図12)は、表皮部6の全体にわたって均一でもよいし不均一でもよい。表皮部6の厚さT6の最大値は、多孔質構造体1のクッション性を確保する観点から、3.0mm以下であると好適であり、2.5mm以下であるとより好適である。表皮部6の厚さT6の最小値は、表皮部6の耐久性の観点から、0.05mm以上であると好適であり、0.10mm以上であるとより好適である。
骨格部2の破損を抑制する観点から、表皮部6の各貫通孔6Bの直径の最大値(最も大きな直径を有する貫通孔6Bの直径)は、骨格部2のセル孔Cの直径の平均値以下であると好適であり、骨格部2のセル孔Cの直径の平均値未満であるとより好適である。図13の例のように表皮部6を平面視したときの貫通孔6Bの形状が非円形である場合、貫通孔6Bの「直径」は、表皮部6を平面視したときの貫通孔6Bの外接円の直径を指すものとする。
図11〜図13の例のように、表皮部6の各貫通孔6Bがそれぞれ複数の柱部6Cによって区画される場合、通気性向上の観点から、表皮部6における貫通孔6Bの面積率は、50%以上が好適であり、70%以上がより好適である。また、表皮部6の各貫通孔6Bがそれぞれ複数の柱部6Cによって区画される場合、表皮部6の耐久性向上の観点から、表皮部6における貫通孔6Bの面積率は、99%以下が好適であり、95%以下がより好適である。なお、「表皮部6における貫通孔6Bの面積率」は、表皮部6の全体面積A2に対する、表皮部6に設けられた全ての貫通孔6Bの総面積A3の割合(A3×100/A2[%])を指す。「表皮部6の全体面積A2」は、表皮部6の外縁によって囲まれる部分の面積を指しており、貫通孔6Bが占める面積も含む。
つぎに、図14〜図15を参照しつつ、図1〜図4に示す多孔質構造体1の骨格部2の変形例について、上述した例とは異なる点を中心に、説明する。
本変形例において、多孔質構造体1は、上述した膜3(図8)を備えていてもよいし備えていなくてもよい。
図14〜図15は、図1〜図4に示す多孔質構造体1の骨格部2の変形例を説明するための図面である。図14は、図1〜図4に示す多孔質構造体1の骨格部2の変形例の一部を示す、平面図であり、図2に対応する図面である。図15は、本例の骨部2Bを、単独で示している。図15(a)は骨部2Bに外力が加わっていない自然状態を示しており、図15(b)は骨部2Bに外力が加わった状態を示している。図14及び図15には、骨部2Bの中心軸線(骨格線O)を示している。本例で説明する骨部2Bは、基本骨部2BAであってもよいし、追加骨部2BBであってもよい。
図14及び図15(a)に示すように、骨格部2の各骨部2Bは、それぞれ、断面積を一定に保ちつつ延在する、骨一定部2B1と、骨一定部2B1の延在方向の両側において、断面積を徐々に変化させつつ、骨一定部2B1から結合部2Jまで延在する、一対の骨変化部2B2と、から構成されている。本例で説明する骨部2Bが基本骨部2BAである場合、基本骨部2BAは、骨一定部2B1及び骨変化部2B2にそれぞれ相当する基本骨一定部及び基本骨変化部から構成されている。本例で説明する骨部2Bが追加骨部2BBである場合、、追加骨部2BBは、骨一定部2B1及び骨変化部2B2にそれぞれ相当する追加骨一定部及び追加骨変化部から構成されている。以降では、基本骨一定部及び追加骨一定部を「骨一定部2B1」として説明し、基本骨変化部及び追加骨変化部を「骨変化部2B2」として説明する。
本例において、各骨変化部2B2は、断面積を徐々に増大させつつ、骨一定部2B1から結合部2Jまで延在している。なお、本例に限らず、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部の骨部2Bのみが、この構成を満たしていても、同様の効果が得られる。また、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部又は全部の骨部2Bは、それぞれ、骨一定部2B1の一方側の端部のみに骨変化部2B2を有し、骨一定部2B1の他方側の端部が直接結合部2Jに結合されていてもよく、その場合も、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
ここで、骨一定部2B1及び骨変化部2B2の断面積は、それぞれ、骨一定部2B1及び骨変化部2B2の骨格線Oに垂直な断面の断面積を指す。
本例では、多孔質構造体1を構成する各骨部2Bが、骨一定部2B1と骨変化部2B2とからなり、骨変化部2B2が、骨一定部2B1から結合部2Jに向かうにつれて断面積が徐々に増大するので、骨部2Bが、骨一定部2B1と骨変化部2B2との境界の近傍部分で、骨一定部2B1に向かって細くなるようにくびれた形状をなしている。そのため、外力が加わる際に、骨部2Bが、そのくびれた部分や骨一定部2B1の中間部分で座屈変形しやすくなり、ひいては、多孔質構造体1が圧縮変形しやすくなる。これにより、化学反応によって発泡させる工程を経て製造された一般的なポリウレタンフォームと同等の挙動及び特性が得られる。また、これにより、多孔質構造体1の表面のタッチ感がより柔らかくなる。よって、例えば、着座者が、多孔質構造体、例えば、車両用ヘッドレストにもたれる際の、特にもたれ始めのタイミングで、着座者に、より柔らかい感触を与えるようになる。このような柔らかい感触は、一般的に、広く好まれるものであり、また、このような多孔質構造体、例えば、車両用ヘッドレストを備えた高級車の着座者(例えば運転手付きで後部座席に人を乗せる場合、後部座席に座る着座者)に好まれるものである。
本例のように、骨部2Bが、その少なくとも一部分において骨一定部2B1を有している場合、骨部2Bのいずれか一方側(好ましくは両側)の端2B21の断面積A1(図15(a))に対する、骨一定部2B1の断面積A0(図15(a))の比A0/A1は、
0.15≦A0/A1≦2.0
を満たしていると、好適である。これにより、多孔質構造体1の表面のタッチ感を、多孔質構造体、例えば、車両用ヘッドレストの特性として、柔らかすぎず、硬すぎず、ほどよい硬さにすることができる。よって、例えば、着座者が多孔質構造体、例えば、車両用ヘッドレストにもたれる際の、特にもたれ始めのタイミングで、着座者に、ほどよい硬さの感触を与えるようになる。比A0/A1が小さいほど、多孔質構造体1の表面のタッチ感が、より柔らかくなる。比A0/A1が0.15未満である場合は、多孔質構造体1の表面のタッチ感が柔らかくなりすぎて、多孔質構造体の特性として好ましくなくなるおそれがあり、また、3Dプリンタによる製造がしにくくなるため、製造性の面で好ましくない。比A0/A1が2.0超である場合は、多孔質構造体1の表面のタッチ感が硬くなりすぎて、多孔質構造体の特性として好ましくなくなるおそれがある。
なお、比A0/A1は、0.5以上であると、より好適である。
より具体的に、本例では、骨部2Bが骨一定部2B1とその両側に連続する一対の骨変化部2B2とを有しており、各骨変化部2B2が、それぞれ、断面積を徐々に増大させつつ、骨一定部2B1から結合部2Jまで延在しており、比A0/A1が1.0未満である。これにより、多孔質構造体1の表面のタッチ感を、多孔質構造体の特性として、比較的柔らかくすることができる。このような柔らかい感触は、一般的に、広く好まれるものであり、また、このような多孔質構造体、例えば、車両用ヘッドレストを備えた高級車の着座者(例えば運転手付きで後部座席に人を乗せる場合、後部座席に座る着座者)に好まれるものである。
なお、骨格部2を構成する各骨部2Bがこの構成を満たしていてもよいし、あるいは、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部の骨部2Bのみが、この構成を満たしていてもよく、いずれの場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
なお、本例に代えて、骨変化部2B2は、断面積を徐々に減少させつつ、骨一定部2B1から結合部2Jまで延在していてもよい。この場合、骨一定部2B1は、骨変化部2B2よりも、断面積が大きく(太く)なる。これにより、外力が加わる際に、骨一定部2B1が変形しにくくなり、代わりに、比較的座屈しやすい箇所が骨変化部2B2(特に、連結部2J側の部分)となり、ひいては、多孔質構造体1が圧縮変形しにくくなる。これにより、多孔質構造体1の表面のタッチ感がより硬くなり、また、高硬度の機械特性が得られる。よって、例えば、着座者が多孔質構造体、例えば、車両用ヘッドレストにもたれる際の、特にもたれ始めのタイミングで、着座者に、より硬い感触を与えるようになる。このような挙動は、化学反応によって発泡させる工程を経て製造された一般的なポリウレタンフォームでは得ることができない。このような構成により、硬めの感触を好むユーザに対応できる。このような硬い感触は、例えば、素早い加減速や斜線変更を行うようなスポーツ車の多孔質構造体、例えば、車両用ヘッドレストにおける、着座者に好まれるものである。
そして、骨変化部2B2が、断面積を徐々に減少させつつ、骨一定部2B1から結合部2Jまで延在している場合、比A0/A1は、1.0超となる。
なお、骨格部2を構成する各骨部2Bがこの構成を満たしていてもよいし、あるいは、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部の骨部2Bのみが、この構成を満たしていてもよく、いずれの場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
なお、上述した図1〜図4の例において、骨部2Bは、骨変化部2B2を有さずに、骨一定部2B1のみからなるものである。この場合、骨部2の断面積は、その全長にわたって一定になる。そして、外力が加わる際における多孔質構造体1の表面のタッチ感は、中程度の硬さになる。このような構成により、中程度の硬さの感触を好むユーザに対応できる。また、高級車やスポーツ車など、あらゆる車種の多孔質構造体、例えば、車両用ヘッドレストに好適に適用できる。
この場合、比A0/A1は、1.0となる。
なお、骨格部2を構成する各骨部2Bがこの構成を満たしていてもよいし、あるいは、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部の骨部2Bのみが、この構成を満たしていてもよく、いずれの場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
図14〜図15の例に戻り、本例において、骨格部2を構成する各骨部2Bは、骨一定部2B1が、骨変化部2B2及び結合部2Jよりも、断面積が小さい。より具体的には、骨一定部2B1の断面積は、骨変化部2B2及び結合部2Jのそれぞれのどの部分(ただし、骨一定部2B1と骨変化部2B2との境界部分を除く)の断面積よりも、小さい。すなわち、骨一定部2B1は、骨格部2の中で最も断面積が小さい(細い)部分である。これにより、上述したことと同様に、外力が加わる際に、骨一定部2B1が変形しやすくなり、ひいては、多孔質構造体1が圧縮変形しやすくなる。これにより、多孔質構造体1の表面のタッチ感がより柔らかくなる。
なお、結合部2Jの断面積は、結合部2Jの骨格線Oに垂直な断面の断面積を指す。
なお、本例に限らず、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部の骨部2Bのみが、この構成を満たしていてもよく、その場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
同様に、本例において、骨格部2を構成する各骨部2Bは、骨一定部2B1が、骨変化部2B2及び結合部2Jよりも、幅が小さい。より具体的には、骨一定部2B1の幅は、骨変化部2B2及び結合部2Jのそれぞれのどの部分(ただし、骨一定部2B1と骨変化部2B2との境界部分を除く)の幅よりも、小さい。すなわち、骨一定部2B1は、骨格部2の中で最も幅が小さい(細い)部分である。これによっても、外力が加わる際に骨一定部2B1が変形しやすくなり、それにより、多孔質構造体1の表面のタッチ感がより柔らかくなる。
なお、骨一定部2B1、骨変化部2B2、結合部2Jの幅は、それぞれ、骨一定部2B1、骨変化部2B2、結合部2Jの骨格線Oに垂直な断面に沿って測ったときの、当該断面における最大幅を指す。結合部2Jの骨格線Oは、骨格線Oのうち、結合部2Jに対応する部分である。図15(a)には、参考のため、骨一定部2B1の幅W0と、骨変化部2B2の幅W1とを、示している。
なお、本例に限らず、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部の骨部2Bのみが、この構成を満たしていてもよく、その場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
上述した各例において、多孔質構造体1の構造の簡単化、ひいては、3Dプリンタの製造のし易さの観点からは、骨一定部2B1の幅W0(図15(a))は、0.05mm以上であると好適であり、0.10mm以上であるとより好適である。幅W0が0.05mm以上の場合、高性能な3Dプリンタの解像度で造形可能であり、0.10mm以上の場合、高性能な3Dプリンタだけでなく汎用の3Dプリンタの解像度でも造形可能である。
一方、多孔質構造体1の外縁(外輪郭)形状の精度を向上させる観点や、セル孔C間の隙間(間隔)を小さくする観点や、クッション材としての特性を良好にする観点からは、骨一定部2B1の幅W0(図15(a))は、0.05mm以上2.0mm以下であると好適である。
なお、骨格部2を構成する各骨部2Bがこの構成を満たしていると好適であるが、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部の骨部2Bのみが、この構成を満たしていてもよく、その場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
図15に示すように、本例において、骨格部2を構成する各骨部2Bは、骨変化部2B2が、その側面に、1又は複数(本例では、3つ)の傾斜面2B23を有しており、この傾斜面2B23は、骨変化部2B2の延在方向に対して傾斜(90°未満で傾斜)しているとともに、骨一定部2B1から結合部2Jに向かうにつれて、幅W2が徐々に増大している。
これによっても、外力が加わる際に、骨部2Bが、骨一定部2B1と骨変化部2B2との境界近傍におけるくびれた部分で、座屈変形しやすくなり、ひいては、多孔質構造体1が圧縮変形しやすくなる。これにより、多孔質構造体1の表面のタッチ感がより柔らかくなる。
ここで、骨変化部2B2の延在方向は、骨変化部2B2の中心軸線(骨格線O)の延在方向である。また、骨変化部2B2の傾斜面2B23の幅W2は、骨変化部2B2の骨格線Oに垂直な断面に沿って測ったときの、傾斜面2B23の幅を指す。
なお、本例に限らず、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部の骨部2Bのみが、この構成を満たしていてもよく、その場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
本例において、骨格部2を構成する各骨部2Bにおいて、それぞれ柱状であるとともに、骨一定部2B1と骨変化部2B2は、それぞれの断面形状が、正三角形である。
これにより、多孔質構造体1の構造がシンプルになり、3Dプリンタによる造形がしやすくなる。また、化学反応によって発泡させる工程を経て製造された一般的なポリウレタンフォームでの機械特性を再現しやすい。よって、多孔質構造体1のクッション材としての特性を向上できる。また、このように骨部2Bを柱状に構成することにより、仮に骨部2Bを薄い膜状の部分に置き換えた場合に比べて、多孔質構造体1の耐久性を向上できる。
なお、骨一定部2B1、骨変化部2B2の断面形状は、それぞれ、骨一定部2B1、骨変化部2B2の中心軸線(骨格線O)に垂直な断面における形状である。
なお、本例に限らず、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部の骨部2Bのみが、この構成を満たしていてもよく、その場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
また、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち全部又は一部の骨部2Bにおいて、骨一定部2B1と骨変化部2B2は、それぞれの断面形状が、正三角形以外の多角形(正三角形以外の三角形、四角形等)でもよいし、あるいは、円形(真円形、楕円形等)でもよく、その場合でも、本例と同様の効果が得られる。また、骨一定部2B1と骨変化部2B2は、それぞれの断面形状が互いに異なるものでもよい。また、各骨部2Bは、それぞれの断面形状が、その延在方向に沿って均一でもよいし、あるいは、その延在方向に沿って非均一でもよい。また、各骨部2Bどうしで、断面形状が互いに異なっていてもよい。
上述した変形例における骨格部2の骨部2Bの構成は、第1変形例、第2変形例、及び、第3変形例のいずれの骨格部2の骨部2Bに適用してもよい。
なお、本変形例の骨部2Bを第2変形例の骨部2Bに適用する場合、例えば、標準基本骨部2BASが、上述した骨一定部2B1及び骨変化部2B2にそれぞれ相当する標準基本骨一定部及び標準基本骨変化部を有し、太基本骨部2BAFが、上述した骨一定部2B1及び骨変化部2B2にそれぞれ相当する太基本骨一定部及び太基本骨変化部から構成されてもよい。この場合、例えば、太基本骨一定部の平均断面積が、標準基本骨一定部の平均断面積より大きく、太基本骨変化部の平均断面積が、標準基本骨変化部の平均断面積より大きくてもよい。また、標準基本骨部2BAS及び太基本骨部2BAFの一方が、上述した骨一定部2B1及び骨変化部2B2から構成されてもよいし、複数の標準基本骨部2BASの少なくとも一部、及び、複数の太基本骨部2BAFの少なくとも一部が、上述した骨一定部2B1及び骨変化部2B2から構成されてもよい。
本発明の多孔質構造体は、クッション材に用いられるのが好適であり、座席シート用のクッション材に用いられるのがより好適であり、車両用ヘッドレストに用いられるのがさらに好適である。
1:多孔質構造体、 2:骨格部、 2B:骨部、 2Be:骨部の端部、 2BA:基本骨部、 2BAe:基本骨部の端部、 2BAS:標準基本骨部、 2BASe:標準基本骨部の端部、 2BAF:太基本骨部、 2BAFe:太基本骨部の端部、 2BB:追加骨部、 2BBe:追加骨部の端部、 2B1:骨一定部、 2B2:骨変化部、 2B21:骨変化部の結合部側の端、 2B22:骨変化部の骨一定部側の端、 2B23:骨変化部の傾斜面、 2J:結合部、 21:基本セル、 211:環状部、 211L:大環状部、 211S:小環状部、 2111:環状部の内周側縁部、 3:膜、 300:車両用シートパッド、 310:クッションパッド、 311:メインパッド部、 312:サイドパッド部、 320:バックパッド、 321:メインパッド部、 322:サイドパッド部、 340:ヘッドレスト(車両用ヘッドレスト)、 341:ヘッドパッド部、 342:イヤーパッド部、 400:3Dプリンタ、 410:制御部、 420:造形部、 421:レーザ照射器、 430:支持台、 440:収容体、 LL:紫外線レーザ光、 LR:液体樹脂、 500:3D造形用データ、 6:表皮部、 6B:貫通孔、 6C:柱部、 6Ce:柱部の端部、 C:セル孔、 O:中心軸線、R1:中心領域、R2:中間領域、R3:外側領域、 V1:仮想面、 V1L:大仮想面、 V1S:小仮想面

Claims (14)

  1. 可撓性のある樹脂又はゴムから構成された、多孔質構造体であって、
    複数のセル孔を区画する、複数の骨部を備え、
    前記複数の骨部のうち、隣接するいずれか2つの骨部それぞれの中心軸線を含む仮想平面をXY平面とする、少なくとも1つのXYZ直交座標系を仮想固定したとき、当該XYZ直交座標系の少なくとも1軸方向における前記多孔質構造体の剛性が、他の少なくとも1軸方向における前記多孔質構造体の剛性よりも、大きい、多孔質構造体。
  2. 前記複数の骨部は、複数の基本骨部を含み、
    前記多孔質構造体は、前記複数の基本骨部を含む基本セルの繰返し構造を備え、
    前記基本セルに含まれる前記複数の基本骨部のうち、隣接するいずれか2つの基本骨部それぞれの中心軸線を含む仮想平面を前記XY平面とする、少なくとも1つの前記XYZ直交座標系を仮想固定したとき、当該XYZ直交座標系の少なくとも1軸方向における前記基本セルの剛性が、他の少なくとも1軸方向における前記基本セルの剛性よりも、大きい、請求項1に記載の多孔質構造体。
  3. 前記基本セルは、当該基本セルに含まれる前記複数の基本骨部それぞれの中心軸線を各辺とする、正多面体又は半正多面体をなす、請求項2に記載の多孔質構造体。
  4. 前記基本セルは、当該基本セルに含まれる前記複数の基本骨部それぞれの中心軸線を各辺とする、切頂8面体をなす、請求項3に記載の多孔質構造体。
  5. 前記複数の骨部は、複数の追加骨部をさらに含み、
    前記基本セルは、1つ以上の前記追加骨部をさらに含み、
    前記追加骨部は、前記XYZ直交座標系の前記他の少なくとも1軸方向の成分を有さずに延びる、請求項2〜4のいずれか1項に記載の多孔質構造体。
  6. 前記基本セルに含まれる前記追加骨部の総体積は、当該基本セルに含まれる基本骨部の総体積の0.5倍以下である、請求項5に記載の多孔質構造体。
  7. 前記基本セルは、当該基本セルに含まれる前記複数の基本骨部の中心軸線を各辺とする、正多面体又は半正多面体をなし、
    前記追加骨部の中心軸線は、前記正多面体又は前記半正多面体の2つの頂点を連結して延びる、請求項5又は6に記載の多孔質構造体。
  8. 前記基本セルに含まれる基本骨部は、互いに異なる平均断面積を有する、標準基本骨部と太基本骨部と、を含み、前記太基本骨部は、前記XYZ直交座標系の前記他の少なくとも1軸方向の成分を有さずに延びるとともに、平均断面積が前記標準基本骨部の平均断面積よりも大きい、請求項2〜7のいずれか1項に記載の多孔質構造体。
  9. 前記太基本骨部の平均断面積は、前記標準基本骨部の平均断面積の1.1〜2.0倍である、請求項8に記載の多孔質構造体。
  10. 前記基本セルを構成する骨部の総体積は、前記多孔質構造体の前記XYZ直交座標系の前記少なくとも1軸方向における外表面側に位置する基本セルほど大きい、請求項2〜9のいずれか1項に記載の多孔質構造体。
  11. 前記骨部は、その断面形状が、円形又は多角形である、請求項1から10のいずれか一項に記載の多孔質構造体。
  12. 前記骨部は、その少なくとも一部分において、断面積を一定に保ちつつ延在する骨一定部を有しており、
    前記骨部のいずれか一方側の端の断面積A1に対する、前記骨一定部の断面積A0の比A0/A1は、
    0.15≦A0/A1≦2.0
    を満たす、請求項1から11のいずれか一項に記載の多孔質構造体。
  13. 前記多孔質構造体は、3Dプリンタを用いて造形されたものである、請求項2〜12のいずれか1項に記載の多孔質構造体。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の多孔質構造体を備える、車両用ヘッドレスト。
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