JP7469018B2 - クッション材、クッション具、及び、クッション材の製造方法 - Google Patents

クッション材、クッション具、及び、クッション材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、クッション材、クッション具、及び、クッション材の製造方法に関する。
従来より、ウレタンフォームからなるクッション材がある(例えば、特許文献1)。
特開2016-44292号公報
しかしながら、従来のクッション材は、たわみ量の向上の余地があった。
本発明は、たわみ量を向上できる、クッション材及びクッション具、並びに、たわみ量を向上できるクッション材を得ることができる、クッション材の製造方法を、提供することを目的とする。
本発明のクッション材は、
可撓性のある樹脂又はゴムから構成された、多孔質構造体と、
伸縮層と、
を備えた、クッション材であって、
前記伸縮層は、
前記多孔質構造体に対し非固着状態にあり、伸縮可能に構成された、ばね部と、
前記ばね部と前記多孔質構造体とを連結する、連結部と、
を有している。
本発明のクッション材によれば、たわみ量を向上できる。
本発明のクッション材においては、
前記クッション材の平面視において、前記伸縮層の前記連結部は、前記伸縮層の外周端部に配置されていると、好適である。
これにより、たわみ量をより向上できる。
本発明のクッション材において、
前記伸縮層の前記ばね部は、前記クッション材の所定荷重入力方向の荷重の入力によって伸び変形が可能なように構成されていると、好適である。
これにより、たわみ量をより向上できる。
本発明のクッション材において、
前記伸縮層の前記ばね部は、前記クッション材の所定荷重入力方向に対し交差する方向に延在する仮想面に沿って延在していると、好適である。
これにより、たわみ量をより向上できる。
本発明のクッション材において、
前記伸縮層の前記ばね部は、波状に延在する波状ばね部であってもよい。
本発明のクッション材において、
前記伸縮層の前記ばね部は、織込構造又は編込構造からなる布状ばね部であってもよい。
本発明のクッション材において、
前記伸縮層は、
前記多孔質構造体よりも裏側に配置されているか、又は、
前記多孔質構造体の荷重受け面及び裏面どうしの間に配置されていると、好適である。
これにより、表面タッチ感を良好にしつつ、たわみ量を向上できる。
本発明のクッション材において、
前記伸縮層の前記ばね部の厚さは、前記所定荷重入力方向における前記多孔質構造体の厚さよりも、小さいと、好適である。
これにより、クッション材の厚さを小さくしつつ、良好なたわみ量を確保することが可能である。
本発明のクッション材において、
前記多孔質構造体は、その全体にわたって、骨格部を備えており、
前記骨格部は、
複数の骨部と、
それぞれ前記複数の骨部の端部どうしを結合する、複数の結合部と、
から構成されていると、好適である。
これにより、クッション材としての特性を向上できる。
本発明のクッション材において、
前記骨格部は、第1セル孔を内部に区画する第1セル区画部を複数有しており、
前記複数の第1セル区画部は、それぞれ、それぞれ環状に構成された複数の第1環状部を有しており、
前記第1環状部は、当該第1環状部に隣接する一対の前記第1セル区画部によって共有されていると、好適である。
これにより、クッション材としての特性を向上できる。
本発明のクッション材において、
前記伸縮層は、前記多孔質構造体を構成する材料と同じ材料で構成されていてもよい。
この場合、例えば、3Dプリンタによって、伸縮層と多孔質構造体とを一緒に造形することが可能になる。
本発明のクッション材において、
前記クッション材は、車両用シートに用いられるように構成されていてもよい。
本発明のクッション材において、
前記クッション材のうち少なくとも前記多孔質構造体は、3Dプリンタによって造形されたものであると、よい。
これにより、クッション材の製造が容易になる。また、様々な要求特性に対応したクッ
ション材の構成を簡単かつ所期したとおりに実現できる。
本発明のクッション材において、
前記クッション材の全体が、3Dプリンタによって造形されたものであってもよい。
この場合、クッション材の製造がさらに容易になる。また、様々な要求特性に対応したクッション材の構成を簡単かつ所期したとおりに実現できる。
本発明のクッション具は、
上記のクッション材と、
前記クッション材の裏側に配置され、前記クッション材を支持するように構成された、フレームと、
を備えている。
本発明のクッション具によれば、たわみ量を向上できる。
本発明のクッション材の製造方法は、
上記のクッション材を製造するための、クッション材の製造方法であって、
3Dプリンタを用いて、前記クッション材のうち少なくとも前記多孔質構造体を造形する、造形ステップを含む。
本発明のクッション材の製造方法によれば、たわみ量を向上できるクッション材を得ることができる。
本発明のクッション材の製造方法において、
前記造形ステップでは、3Dプリンタを用いて、前記クッション材の全体を造形してもよい。
この場合、クッション材の製造が容易になる。
本発明のクッション材の製造方法において、
前記造形ステップでは、予め準備された前記伸縮層の上に、3Dプリンタを用いて、前記多孔質構造体を造形してもよい。
この場合も、クッション材の製造が容易になる。
本発明のクッション材の製造方法において、
前記造形ステップでは、前記多孔質構造体と前記伸縮層の前記ばね部との間に、サポート層を配置し、
前記製造方法は、前記造形ステップの後に、前記サポート層を除去する、除去ステップを、さらに含むと、好適である。
これにより、多孔質構造体と伸縮層のばね部とを、簡単に非固着状態にすることができる。
本発明によれば、たわみ量を向上できる、クッション材及びクッション具、並びに、たわみ量を向上できるクッション材を得ることができる、クッション材の製造方法を、提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るクッション材を備えた、本発明の第1実施形態に係るクッション具を示す、斜視図である。 図1のクッション具の一部を、図1のクッション材の厚さ方向及び延在方向に沿う断面により示す、断面図である。 図2の伸縮層を単独で示す、斜視図である。 図2のクッション材及びクッション具の作用効果を説明するための説明図である。 図2のクッション材及びクッション具の作用効果を説明するための説明図である。 本発明の第2実施形態に係るクッション材を備えた、本発明の第2実施形態に係るクッション具を示す、斜視図である。 図6のクッション具の一部を、図6のクッション材の厚さ方向及び延在方向に沿う断面により示す、断面図である。 図7の伸縮層を単独で示す、斜視図である。 本発明の第3実施形態に係るクッション材を備えた、本発明の第3実施形態に係るクッション具の一部を、当該クッション材の厚さ方向及び延在方向に沿う断面により示す、断面図である。 本発明の一実施形態に係る、クッション材の製造方法を説明するための図面である。 本発明の一変形例に係る、クッション材の製造方法を説明するための図面である。 本発明の任意の実施形態に係る、クッション材の製造方法における、造形ステップの第1変形例を説明するための図面である。 本発明の任意の実施形態に係る、クッション材の製造方法における、造形ステップの第2変形例を説明するための図面である。 多孔質構造体の一例の一部を、図15~図17のC矢印の方向から観たときの様子を示す、平面図である。 図14の多孔質構造体を、図14、図16、図17のA矢印の方向から観たときの様子を示す、側面図である。 図14の多孔質構造体を、図14、図15、図17のD矢印の方向から観たときの様子を示す、斜視図である。 図14の多孔質構造体を、図15、図16のB矢印の方向から観たときの様子を示す、斜視図である。 図14の多孔質構造体の単位部を、図14、図15、図17のD矢印の方向から観たときの様子を示す、斜視図である。 図18の多孔質構造体の単位部の一部を拡大して観たときの様子を示す、斜視図である。 図18の多孔質構造体の単位部を、図18のE矢印の方向から観たときの様子を示す、斜視図である。 図20と同じ図面であり、一部の符号や破線・鎖線のみが図20と異なる図面である。 図18の多孔質構造体の単位部を、図18のF矢印の方向から観たときの様子を示す、斜視図である。 図22と同じ図面であり、一部の符号や破線・鎖線のみが図22と異なる図面である。 図24(a)は、外力が加わっていない状態における図14の多孔質構造体の骨部を示す斜視図であり、図24(b)は、外力が加わっている状態における図24(a)の骨部を示す斜視図である。 図21に対応する図面であり、第1変形例に係る多孔質構造体を説明するための図面である。 図21に対応する図面であり、第2変形例に係る多孔質構造体を説明するための図面である。 図21に対応する図面であり、第3変形例に係る多孔質構造体を説明するための図面である。 第4変形例に係る多孔質構造体の一部を示す、斜視図である。 図28の多孔質構造体を、図28のG矢印の方向から観たときの様子を示す、G矢視図である。 図28の多孔質構造体を、図28のH矢印の方向から観たときの様子を示す、H矢視図である。 図28の多孔質構造体のセル区画部を示す、斜視図である。 図31に対応する図面であり、第5変形例に係る多孔質構造体を説明するための図面である。 第6変形例に係る多孔質構造体の一部を示す、平面図である。
本発明のクッション材及びクッション具、並びに、本発明のクッション材の製造方法を用いて製造されるクッション材は、任意のクッション具に好適に使用できるものであり、例えば、座席シート(例えば、車両用シート、電車用シート、又は、ソファー等)、寝具(例えば、ベッド等)に、好適に使用できる。
以下、本発明に係るクッション材、クッション具、及び、クッション材の製造方法の例について、図面を参照しながら例示説明する。
各図において共通する構成要素には同一の符号を付している。
〔クッション材301、及び、クッション具300〕
まず、図1~図9を参照しつつ、本発明の様々な例に係るクッション材301、及び、本発明の様々な例に係るクッション具300の構成について、説明する。
図1~図3は、本発明の第1実施形態に係るクッション材301、及び、本発明の第1実施形態に係るクッション具300を、説明するための図面である。
本例のクッション具300は、本例のクッション材301を備えている。
本例のクッション具300は、座席シートとして構成されており、より具体的には、車両用シートとして構成されている。ただし、本例を含め、本明細書で説明する各例において、クッション具300は、任意のクッション具として構成されてよく、例えば、車両用シート以外の座席シート(例えば、電車用シート又はソファー等)、あるいは、寝具(例えば、ベッド等)として構成されてもよい。同様に、本例のクッション材301は、車両用シートに用いられるように構成されている。ただし、本例を含め、本明細書で説明する各例において、クッション材301は、任意のクッション具に用いられるように構成されてよく、例えば、車両用シート以外の座席シート(例えば、電車用シート又はソファー等)、あるいは、寝具(例えば、ベッド等)に用いられるように構成されてもよい。
図1及び図2に示すように、本例のクッション具300は、1つ又は複数(図の例では2つ)の本例のクッション材301と、1つ又は複数(図の例では2つ)のフレーム350(図2)と、を備えている。図1では、フレーム350の図示を省略している。フレーム350は、クッション材301の裏側に配置され、クッション材301を支持するように構成されている。
より具体的に、本例のクッション具300は、本例のクッション材301として、クッション材301を使用するユーザ(着座者)が着座するためのシートクッション用クッション材301Cと、着座者の背中を支持するためのシートバック用クッション材301Bと、を備えている。シートクッション用クッション材301Cとシートバック用クッション材301Bとは、それぞれ別々のクッション材301からなる。
また、本例のクッション具300は、上記フレーム350として、シートクッション用クッション材301Cを裏側から(下側から)支持するように構成されたフレーム350(図2)と、シートバック用クッション材301Bを裏側から(後側から)支持するように構成されたフレーム350(図示せず)と、を備えている。
ただし、クッション具300は、シートクッション用クッション材301Cとシートバック用クッション材301Bとのうち一方が、本例のクッション材301とは異なる構成を有していてもよい。
また、クッション具300は、シートクッション用クッション材301Cとシートバック用クッション材301Bとのうち一方のみを備えていてもよい。その場合、フレーム350は、シートクッション用クッション材301Cとシートバック用クッション材301Bとのうち上記一方の裏側のみに配置されてもよい。
本例のクッション材301は、1つ又は複数(図の例では1つ)の多孔質構造体1と、1つ又は複数(図の例では1つ)の伸縮層6と、を備えている。
多孔質構造体1は、内部に複数のセル孔を区画しており、クッション性を有している。本例において、多孔質構造体1は、いわゆるシートパッド(具体的には、車両用シートパッド)としての機能を有している。
より具体的に、図1及び図2の例において、クッション材301からなるシートクッション用クッション材301Cは、多孔質構造体1から構成されたクッションパッド310と、伸縮層6と、を備えている。クッションパッド310は、着座者の臀部及び大腿部を下から支持するように構成されたメインパッド部311と、メインパッド部311の左右両側に位置し、メインパッド部311よりも上側へ盛り上がり、着座者を左右両側から支持するように構成された、一対のサイドパッド部312と、メインパッド部311の後側に位置し、後述のバックパッド320と上下方向に対向配置するように構成された、バックパッド対向部313(図2)と、を有している。
また、図1の例において、クッション材301からなるシートバック用クッション材301Bは、多孔質構造体1から構成されたバックパッド320と、伸縮層6と、を備えている。バックパッド320は、着座者の背中を後側から支持するように構成されたメインパッド部321と、メインパッド部321の左右両側に位置し、メインパッド部321よりも前側へ盛り上がり、着座者を左右両側から支持するように構成された、一対のサイドパッド部322と、を有している。
なお、本例において、シートクッション用クッション材301Cとシートバック用クッション材301Bとは、別体であるが、これらは一体でもよい。その場合、クッションパッド310とバックパッド320とが一体であると、よい。
また、本例のクッション具300は、シートバック用クッション材301Bの上側に設置され、着座者の頭部を支持するためのヘッドレスト340を、さらに備えている。また、クッション具300は、ヘッドレスト340を備えていなくてもよい。
ヘッドレスト340は、多孔質構造体1から構成されてもよいし、多孔質構造体1とは異なる構成を有していてもよい。
ヘッドレスト340は、図1の例においてシートバック用クッション材301Bとは別体に構成されているが、シートバック用クッション材301Bと一体に構成されてもよい。その場合、ヘッドレスト340とバックパッド320とが一体であると、よい。
また、クッション具300は、クッション材301を覆う表皮(図示せず)を備えてもよい。
本明細書では、クッション材301やクッション具300について説明する際に、各図に表記するとおり、クッション材301を使用するユーザ(本例では、クッション材301に着座した着座者)から観たときの「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」の各方向を、それぞれ単に「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」などという。
クッション材301は、ユーザから所定荷重入力方向IDに荷重が入力されるように構成されている。図1に示す本例において、クッション材301の所定荷重入力方向IDは、シートクッション用クッション材301Cの場合、下方向であり、シートバック用クッション材301Bの場合、バックパッド320のメインパッド部321の荷重受け面(表面)FSから裏面BSに向かう方向(略後方向)である。
多孔質構造体(1)の「荷重受け面(表面、FS)」は、多孔質構造体(1)の外表面のうち、ユーザから上記所定荷重入力方向IDの荷重が入力される側の表面(ひいては、ユーザと対向する表面)である。図1及び図2に示す本例において、多孔質構造体1の荷重受け面FSは、クッションパッド310の場合、上面であり、バックパッド320の場合、前面である。
多孔質構造体(1)の「裏面(BS)」は、多孔質構造体(1)の外表面のうち、荷重受け面(表面、FS)とは反対側の表面(ひいては、ユーザとは反対側の表面)である。図1に示す本例において、多孔質構造体1の裏面BSは、クッションパッド310の場合、下面であり、バックパッド320の場合、後面である。
また、クッション材(301)やクッション具(300)等に関し、「荷重受け側」とは、ユーザから上記所定荷重入力方向IDの荷重が入力される側を指し、「裏側」とは、荷重受け側とは反対側を指す。
また、本明細書において、「クッション材(301)の延在方向(LD)」(以下、単に「延在方向(LD)」ともいう。)とは、クッション材(301)の左右方向及び厚さ方向(TD)に対して垂直な方向である。図1に示す本例において、クッション材301の延在方向LDは、シートクッション用クッション材301Cの場合、前後方向であり、シートバック用クッション材301Bの場合、バックパッド320のメインパッド部321の下面から上面までにわたってメインパッド部321が延在する方向(略上下方向)である。
また、「クッション材(301)の厚さ方向(TD)」(以下、単に「厚さ方向(TD)」ともいう。)とは、クッション材(301)の上記所定荷重入力方向IDに平行な方向である。図1に示す本例において、クッション材301の厚さ方向TDは、シートクッション用クッション材301Cの場合、上下方向であり、シートバック用クッション材301Bの場合、バックパッド320のメインパッド部321の荷重受け面FSから裏面BSまでにわたってメインパッド部321が延在する方向(略前後方向)である。
以下では、本例のクッション材301について説明する場合、特に断りが無い限り、シートクッション用クッション材301Cとシートバック用クッション材301Bとの両方について説明する。
また、以下の説明では、特に断りが無い限り、クッション材301の自然状態(外力が加わっていない状態)での構成について説明する。
クッション材301の多孔質構造体1は、可撓性のある樹脂又はゴムから構成されている。
ここで、「可撓性のある樹脂」とは、外力が加わると変形することができる樹脂を指しており、例えば、エラストマー系の樹脂が好適であり、ポリウレタンがより好適である。ゴムとしては、天然ゴム又は合成ゴムが挙げられる。多孔質構造体1は、可撓性のある樹脂又はゴムから構成されているので、ユーザからの外力の付加・解除に応じて、圧縮・復元変形が可能であるので、クッション性を有することができる。
多孔質構造体1の構成については、後に詳しく説明する。
図3は、図1及び図2の伸縮層6を単独で示している。図1~図3に示すように、伸縮層6は、1つ又は複数(図の例では複数)のばね部61と、1つ又は複数(図の例では1つ)の連結部62と、を有している。
図2に示すように、本例において、伸縮層6は、多孔質構造体1よりも裏側に配置されている。
伸縮層6のばね部61は、伸縮可能に構成されている(すなわち、弾性を有している)。ばね部61は、多孔質構造体1に対し非固着状態にあり、すなわち、多孔質構造体1と一体ではない。図の例では、ばね部61は、多孔質構造体1に対し非接触状態にある。ただし、ばね部61は、多孔質構造体1に対し非固着状態にある限り、多孔質構造体1に対し接触状態にあってもよい。
本例において、ばね部61は、面状に構成されており、すなわち、仮想面に沿って延在している。より具体的に、本例において、ばね部61は、波状に延在する波状ばね部611として構成されている。波状ばね部611は、上記仮想面に沿って波状に延在している。
伸縮層6の連結部62は、ばね部61と多孔質構造体1とを連結している。連結部62は、ばね部61と多孔質構造体1との両方に対し固着状態にある(すなわち、一体である)。
図1及び図2の例において、連結部62は、ばね部61と多孔質構造体1の裏面BSとを連結している。
伸縮層6を構成する材料としては、本例のようにばね部61が波状ばね部611である場合、例えば、金属、可撓性のある樹脂、又は、ゴム等が、挙げられる。
クッション具300のフレーム350は、例えば金属等、ユーザからの荷重によって変形しないような材料から構成される。
フレーム350は、図2に破線で示すように、伸縮層6のばね部61の一部又は全部(図2の例では、全部)の裏側に位置しないように、配置されると、好適である。言い換えれば、クッション材301の平面視において、フレーム350は、伸縮層6のばね部61の一部又は全部と重複しないように、配置されると、好適である。これにより、クッション材301への上記所定荷重入力方向IDの荷重の入力時において、ばね部61の一部又は全部が、フレーム350によって妨げられることなく、裏側へ向かって伸び変形することができる。
なお、「クッション材(301)の平面視」とは、クッション材(301)を厚さ方向TDのいずれか一方側から観たときの状態を指す。
本例のクッション材301は、そのうち少なくとも多孔質構造体1が、3Dプリンタによって造形されたものである。
後述するように、本例のクッション材301は、予め準備された伸縮層6の上に、多孔質構造体1が3Dプリンタによって造形されることによって、製造されてもよいし、あるいは、伸縮層6を含むクッション材301の全体が、3Dプリンタによって造形されることによって、製造されてもよい。
本例のクッション材301は、そのうち少なくとも多孔質構造体1が、3Dプリンタによって造形されたものであるので、今後の3Dプリンタの技術進歩により、将来的に、3Dプリンタによる製造を、より短時間かつ低コストで(ひいては、より容易に)、実現できるようになることが期待できる。また、3Dプリンタを用いてクッション材301のうち少なくとも多孔質構造体1を製造することにより、様々な要求特性に対応したクッション材301の構成を、簡単かつ所期したとおりに実現できる。
また、伸縮層6を含むクッション材301の全体が3Dプリンタによって造形される場合、多孔質構造体1と伸縮層6とを備えたクッション材301を、1つの工程で簡単に製造することができるので、生産性を向上できるとともに、所期したとおりの構成が得られるようになる。
なお、多孔質構造体1は、クッションパッド310又はバックパッド320のうちの一部のみを構成していてもよい。その場合、クッションパッド310又はバックパッド320のうち残りの部分は、金型成形等において化学反応により発泡させる工程を経て製造されるとよい。
3Dプリンタによる製造のし易さの観点からは、クッション材301のうち3Dプリンタによって造形される部分(多孔質構造体1及び/又は伸縮層6)は、可撓性のある樹脂から構成されている場合のほうが、ゴムから構成されている場合よりも、好適である。
なお、予め準備された伸縮層6の上に、多孔質構造体1が3Dプリンタによって造形される場合、伸縮層6は、多孔質構造体1を構成する材料と同じ材料から構成されてもよいし、あるいは、多孔質構造体1を構成する材料とは異なる材料から構成されてもよい。一方、伸縮層6を含むクッション材301の全体が、3Dプリンタによって造形される場合、伸縮層6は、多孔質構造体1を構成する材料と同じ材料(可撓性のある樹脂又はゴム)から構成されると、好適であるが、多孔質構造体1を構成する材料とは異なる材料から構成されてもよい。
また、3Dプリンタによる製造のし易さの観点からは、クッション材301のうち3Dプリンタによって造形される部分(多孔質構造体1及び/又は伸縮層6)は、その全体が、同じ組成の材料から構成されていると、好適である。ただし、クッション材301のうち3Dプリンタによって造形される部分(多孔質構造体1及び/又は伸縮層6)は、部位によって異なる組成の材料から構成されてもよい。
ここで、本例のクッション材301(ひいては、本例のクッション具300)の作用効果について、図4及び図5を参照しつつ、説明する。
図4は、本例のクッション材301に対しユーザPから上記所定荷重入力方向IDの荷重が入力される間における、クッション材301(ひいてはクッション具300)の動作を、概略的に示している。図5は、荷重-たわみ曲線を概略的に示している。図5において、縦軸は、上記所定荷重入力方向IDの荷重であり、上側へいくほど大きくなる。図5において、横軸は、上記所定荷重入力方向IDのたわみ(変位)であり、右側へいくほど大きくなる。図5において、実線の波形Aは、本例のクッション材301の荷重-たわみ曲線の例を概略的に示しており、破線の波形A’は、例えば特許文献1のようにウレタンフォームのみからなるクッション材の荷重-たわみ曲線の例を概略的に示している。
上述のように、本例のクッション材301、並びに、本例のクッション具300においては、クッション材301が、多孔質構造体1と伸縮層6とを備えており、また、伸縮層6は、多孔質構造体1に対し非固着状態にあり、伸縮可能に構成された、ばね部61と、ばね部61と多孔質構造体1とを連結する、連結部62と、を有している。このように構成されたクッション材301においては、クッション材301に対しユーザPから上記所定荷重入力方向IDの荷重が入力される間、最初は多孔質構造体1の内部の空気が出ながら多孔質構造体1が圧縮変形するが(図4(a)、図5の波形AのゾーンZ1)、その後、伸縮層6は、上記所定荷重入力方向IDに向かって(すなわち、裏側に向かって)伸び変形し、それに伴い、多孔質構造体1も、上記所定荷重入力方向IDに向かって変位する(図4(b)、図5の波形AのゾーンZ2)。その後、さらに上記所定荷重入力方向IDの荷重が大きくなると、多孔質構造体1の内部の空気が残っていない状態で多孔質構造体1がさらに圧縮される(図5の波形AのゾーンZ3)。なお、その後、上記所定荷重入力方向IDの荷重が解除されると、多孔質構造体1及び伸縮層6が復元変形し、元に戻る。ここで、波形AのゾーンZ1及びZ2では、クッション材301のばね定数が低いため、ユーザはクッション材301が比較的柔らかいと感じるものである。一方、波形AのゾーンZ3では、クッション材301のばね定数が急上昇するため、ユーザはクッション材301が硬いと感じるものである。
一方、例えば特許文献1のようにウレタンフォームのみからなるクッション材の場合、一般的に、クッション材の裏側に、クッション材の裏面のほぼ全体を覆う板状のフレームが配置されるため、ユーザから上記所定荷重入力方向の荷重が入力されると、クッション材は、ユーザとフレームとの間で圧縮変形するだけであり、すなわち、クッション材の裏面は、荷重入力前の状態に比べて、上記所定荷重入力方向に変位することができない。つまり、図5の破線の波形A’により示すように、クッション材に対しユーザから上記所定荷重入力方向の荷重が入力される間、最初はクッション材の内部の空気が出ながらクッション材が圧縮変形し(波形A’のゾーンZ1’)、その後、クッション材の内部の空気が残っていない状態でクッション材がさらに圧縮される(波形A’のゾーンZ3’)。なお、その後、上記所定荷重入力方向の荷重が解除されると、クッション材が復元変形し、元に戻る。ここで、波形A’のゾーンZ1’では、クッション材のばね定数が低いため、ユーザはクッション材が比較的柔らかいと感じるものである。一方、波形A’のゾーンZ3’では、クッション材のばね定数が急上昇するため、ユーザはクッション材が硬いと感じるものである。
このように、本例のクッション材301(図5の実線の波形A)は、ウレタンフォームのみからなるクッション材(図5の破線の波形A’)に比べて、たわみ量を向上することができる。特に、荷重-たわみ曲線(図5)において、本例のクッション材301の波形Aは、伸縮層6が作用するゾーンZ2がある分、ばね定数が急上昇するゾーンZ3が、ウレタンフォームのみからなるクッション材の波形A’においてばね定数が急上昇するゾーンZ3’に比べて、右側に位置している。これにより、本例のクッション材301は、ユーザが、クッション材301に対し荷重を掛ける間、硬いと感じにくいものとなる。よって、クッション材301のクッション性を向上できる。
なお、仮に、クッション材301が多孔質構造体1のみからなり、クッション材301の裏側に、クッション材301の裏面のほぼ全体を覆う板状のフレームが配置された場合も、荷重-たわみ曲線は、図5の破線の波形A’のようになる。よって、本例のクッション材301は、仮にクッション材301が多孔質構造体1のみからなる場合に比べても、たわみ量を向上できる。
また、本例のクッション材301(ひいては、本例のクッション具300)においては、伸縮層6のばね部61が、多孔質構造体1に対し非固着状態にあるので、伸縮層6のばね部61は、多孔質構造体1とは独立して作用することができる。これにより、クッション材301のたわみ量を向上できる。
また、本例のクッション材301においては、伸縮層6があるため、上記所定荷重入力方向IDの荷重の入力時に、伸縮層6によって多孔質構造体1が支えられるようにすることができる。これにより、クッション材301の裏側のフレーム350がクッション材301の裏側の全体を覆っていなくても、多孔質構造体1がフレーム350から抜けるのが防止される。
また、本例のクッション材301においては、伸縮層6が、連結部62において、多孔質構造体1と一体にされている。これにより、多孔質構造体1と伸縮層6とが1部品を構成するので、仮に多孔質構造体1と伸縮層6とが別体である場合に比べて、部品点数を削減できる。よって、生産性の向上や、コストの低減が可能である。
以下、クッション材301やクッション具300の好適な構成や変形例について、図6~図9も併せて参照しつつ、説明する。
図6~図8は、本発明の第2実施形態に係るクッション材301、及び、本発明の第2実施形態に係るクッション具300を、説明するための図面であり、それぞれ図1~図3に対応する図面である。図9は、本発明の第3実施形態に係るクッション材301、及び、本発明の第3実施形態に係るクッション具300を、説明するための図面であり、図2に対応する図面である。
本明細書で説明する各例において、クッション具300のフレーム350は、図2、図7、図9の各例のように、伸縮層6の連結部62の裏側に位置するように、配置されると、好適である。言い換えれば、クッション材301の平面視において、フレーム350は、伸縮層6の連結部62と重複するように、配置されると、好適である。これにより、クッション材301への上記所定荷重入力方向IDの荷重の入力時において、フレーム350によって、クッション材301をよりしっかりと支持することができる。
ただし、フレーム350は、伸縮層6の連結部62の裏側に位置していなくてもよい。言い換えれば、クッション材301の平面視において、フレーム350は、伸縮層6の連結部62と重複していなくてもよく、例えば、伸縮層6よりも外周側のみに位置していてもよい。
上述した図1~図3の例において、ばね部61としての波状ばね部611のなす波形状は、滑らかに湾曲した正弦波形状(S字状の波形状)である。ただし、波状ばね部611のなす波形状は、その他の波形状でもよく、例えば、矩形波形状、三角波形状、のこぎり波形状等も可能である。
上述した図1の例において、シートクッション用クッション材301Cの伸縮層6のばね部61としての波状ばね部611の延在方向は、シートクッション用クッション材301Cの延在方向LDと同じである。ただし、シートクッション用クッション材301Cの伸縮層6のばね部61としての波状ばね部611の延在方向は、シートクッション用クッション材301Cの延在方向LDに対し交差する方向であってもよく、例えば、左右方向であってもよい。
また、図1の例において、シートバック用クッション材301Bの伸縮層6のばね部61としての波状ばね部611の延在方向は、左右方向である。ただし、シートバック用クッション材301Bの伸縮層6のばね部61としての波状ばね部611の延在方向は、左右方向とは異なる方向であってもよく、例えば、シートバック用クッション材301Bの延在方向LDと同じであってもよい。
なお、「波状ばね部(611)の延在方向」は、波状ばね部(611)のなす波形状の振幅方向に対し垂直な方向である。
上述した図1~図3の例において、伸縮層6は、複数の波状ばね部611を有しており、これら複数の波状ばね部611の延在方向は、互いに平行である。
ただし、伸縮層6における複数の波状ばね部611の延在方向は、互いに異なっていてもよい。
また、伸縮層6は、波状ばね部611を1つのみ有していてもよい。
上述した図1~図3の例において、伸縮層6のばね部61は、波状に延在する波状ばね部611であるが、ばね部61は、多孔質構造体1に対し非固着状態にあり、かつ、伸縮可能である限り、他の任意の構成であってもよい。
例えば、伸縮層6のばね部61は、図6~図8に示す第2実施形態のように、織込構造又は編込構造からなる布状ばね部612であってもよい。布状ばね部612は、互いに交差する方向(例えば互いに垂直)に延在する線状部612a、612bどうしが織り込み又は編み込みされることにより、織込構造又は編込構造をなしている。1本の線状部612a、612bは、1本の単繊維のみで構成されてもよいし、あるいは、複数本の単繊維が撚られ又は束ねられてなるものでもよい。
布状ばね部612は、上記所定荷重入力方向IDの荷重の入力により伸び変形が可能であり、また、当該荷重の解除により復元変形が可能である限り、線状部612a、612bを構成する材料自体は、伸縮性を有していてもよいし、有していなくてもよい。
伸縮層6を構成する材料としては、図6~図8に示す第2実施形態のようにばね部61が布状ばね部612である場合、例えば、樹脂、天然繊維、ゴム、又は、金属等が、挙げられる。
本明細書で説明する各例において、伸縮層6は、その全体が同じ材料から構成されていてもよいし、あるいは、ばね部61と連結部62とが互いに異なる材料から構成されていてもよい。
図2や図7の各例において、伸縮層6は、多孔質構造体1よりも裏側に配置されている。ただし、伸縮層6は、厚さ方向TDにおいて多孔質構造体1に対して任意の位置に配置されてよい。伸縮層6が厚さ方向TDにおいてどの位置にあっても、クッション材301は、上述した第1実施形態と同様に、たわみ量を向上することができる。
例えば、伸縮層6は、図9に示す第3実施形態のように、多孔質構造体1の荷重受け面FS及び裏面BSどうしの間に配置されていてもよい。あるいは、伸縮層6は、多孔質構造体1よりも荷重受け側に配置されていてもよい。
伸縮層6が、多孔質構造体1よりも裏側に配置されている場合(図2、図7)、あるいは、多孔質構造体1の荷重受け面FS及び裏面BSどうしの間に配置されている場合(図9)、クッション材301の荷重受け側の表面が多孔質構造体1によって構成されることになるので、クッション材301の表面タッチ感を良好にすることができる。
本明細書で説明する各例において、クッション材301は、伸縮層6を複数有していてもよい。その場合、クッション材301における複数の伸縮層6は、厚さ方向TD、延在方向LD、及び左右方向のうち、少なくともいずれか1つの方向において、互いに異なる位置に配置されてよい。
本明細書で説明する各例において、伸縮層6のばね部61は、図1、図6、図9の各例のように、上記所定荷重入力方向IDの荷重の入力によって伸び変形が可能なように構成されていると、好適である。また、ばね部61は、上記所定荷重入力方向IDの荷重の解除によって復元変形(縮み変形)が可能なように構成されていると、好適である。これにより、たわみ量をより向上できる。
本明細書で説明する各例において、伸縮層6のばね部61は、図2、図7、図9の各例のように、面状に構成されていると好適であり、すなわち、仮想面に沿って延在していると好適である。また、本明細書で説明する各例において、ばね部61が沿う当該仮想面は、図2、図7、図9の各例のように、上記所定荷重入力方向IDに対し交差する方向に延在していると、好適である。これにより、ばね部61は、上記所定荷重入力方向IDの荷重の入力によって伸び変形が可能となり、また、上記所定荷重入力方向IDの荷重の解除によって復元変形(縮み変形)が可能となる。
なお、図2、図7、図9の各例では、ばね部61が沿う上記仮想面は、平坦である。しかし、ばね部61が沿う上記仮想面は、上記所定荷重入力方向IDに対し交差する方向に延在している限り、任意の形状でよく、例えば、2次元的又は3次元的に湾曲及び/又は屈曲していてもよい。
また、図2、図7、図9の各例では、ばね部61が沿う上記仮想面は、上記所定荷重入力方向IDに対し垂直な方向(左右方向及び延在方向LDに対し平行な方向)に延在している。しかし、ばね部61が沿う上記仮想面は、上記所定荷重入力方向IDに対し交差する方向に延在している限り、任意の方向に延在していてよく、例えば、上記所定荷重入力方向IDに対し鋭角で交差する方向に延在していてもよい。
本明細書で説明する各例において、伸縮層6のばね部61は、上述のように面状に構成されていると好適であり、すなわち、厚さが小さいことが好適である。これにより、クッション材301の全体の厚さの増大を抑制しつつ、たわみ量を向上できる。また、すなわち、クッション材301の全体の厚さを小さくしつつ、良好なたわみ量を確保することが可能である。
このような観点から、伸縮層6のばね部61の厚さは、上記所定荷重入力方向IDにおける多孔質構造体1の厚さよりも、小さいと、好適である。
また、上記の観点から、ばね部61の厚さは、例えば、2.0mm以下が好適であり、1.0mm以下がより好適である。
なお、ばね部61の作用を十分に発揮させる観点から、ばね部61の厚さは、例えば、0.1mm以上が好適であり、0.3mm以上がより好適である。
なお、ばね部61の厚さは、ばね部61が沿う上記仮想面に垂直な方向に沿って測定するものとする。
本明細書で説明する各例においては、クッション材301がシートクッション用クッション材301Cとして構成される場合、伸縮層6のばね部61は、図1、図6、図9の各例のように、シートクッション用クッション材301Cの平面視において、メインパッド部311と重複するように配置されていると、好適である。これにより、ばね部61を、ユーザから入力される荷重の直下に配置することができるので、たわみ量をより向上できる。
同様に、本明細書で説明する各例においては、クッション材301がシートバック用クッション材301Bとして構成される場合、伸縮層6のばね部61は、図1、図6の各例のように、シートバック用クッション材301Bの平面視において、メインパッド部321と重複するように配置されていると、好適である。これにより、ばね部61を、ユーザから入力される荷重の直下に配置することができるので、たわみ量をより向上できる。
本明細書で説明する各例においては、連結部62は、上記所定荷重入力方向IDの荷重の入力時において、ばね部61が伸び変形できるようにされている限り、任意の位置に配置されてよい。
本明細書で説明する各例においては、図1や図6の各例のように、クッション材301の平面視において、伸縮層6の連結部62が、伸縮層6の外周端部に配置されていると、好適であり、伸縮層6の外周端部のみに配置されていると、より好適である。この場合、クッション材301の平面視において、伸縮層6のばね部61は、その少なくとも一部分が、連結部62よりも内周側に位置することとなる。これにより、ばね部61の作用を、多孔質構造体1に対して、より独立して発揮させることができる。よって、たわみ量をより向上できる。
なお、各図の例において、連結部62は、クッション材301の平面視において、環状に構成されているが、連結部62は、クッション材301の平面視において、環状でなくてもよい。例えば、連結部62は、クッション材301の平面視において、伸縮層6の外周端部のうちの一部のみに配置されていてもよい。
また、伸縮層6は、互いから離れた位置に配置された複数の連結部62を有していてもよい。
図1~図3の例のようにばね部61が波状ばね部611である場合、連結部62は、少なくとも、波状ばね部611の延在方向の両端部に設けられていれば、十分である。
本明細書で説明する各例において、伸縮層6のばね部61のばね定数kは、多孔質構造体1を単独で徐々に圧縮させる間において、多孔質構造体1の内部に空気が残っている状態(図5の波形A’のゾーンZ1’に相当。)から、多孔質構造体1の内部に空気が残っていない状態(図5の波形A’のゾーンZ3’に相当。)へ切り替わったタイミングにおける、多孔質構造体1のばね定数k’(図5の波形A’における、ゾーンZ1’とゾーンZ3’との間の境界点での傾きに相当。)と、同じであるか、あるいは、それよりも小さいと、好適である。これにより、クッション材301に対して上記所定荷重入力方向IDの荷重が入力される間、多孔質構造体1の内部から空気が出切って多孔質構造体1のばね定数が急上昇し始める前に、伸縮層6のばね部61の伸び変形が開始するようにすることができる。ひいては、ユーザがクッション材301が硬いと感じるのを、さらに効果的に抑制できる。
なお、伸縮層6のばね部61のばね定数kは、ばね部61を、クッション材301における他の部分から切り離した状態で、測定するものとする。また、多孔質構造体1のばね定数k’は、多孔質構造体1を、クッション材301における他の部分から切り離した状態で、測定するものとする。
同様の観点から、クッション材301は、クッション材301に対して上記所定荷重入力方向IDの荷重が入力される間、多孔質構造体1の内部から空気が出切る前に、伸縮層6のばね部61の伸び変形が開始するように、構成されていると、好適である。
また、表面タッチ感の向上の観点から、クッション材301は、クッション材301に対して上記所定荷重入力方向IDの荷重が入力される間、多孔質構造体1の圧縮変形が生じた後に、伸縮層6のばね部61の伸び変形が開始するように、構成されていると、好適である。
〔クッション材の製造方法〕
つぎに、図10~図13を参照しつつ、本発明の様々な実施形態に係る、クッション材の製造方法を説明する。本発明の様々な実施形態に係る、クッション材の製造方法は、上述した任意の例に係るクッション材301を製造するために、好適に使用できるものである。
図10は、本発明の一実施形態に係る、クッション材の製造方法を説明するための図面である。本例における、クッション材の製造方法は、クッション材301のうち少なくとも多孔質構造体1を、3Dプリンタを用いて製造する方法である。本例における、クッション材の製造方法は、形状データ作成ステップと、造形用データ作成ステップと、造形ステップと、を含む。
なお、以下の説明では、クッション材301のうち、3Dプリンタによって造形される部分を、単に「造形対象部分」という。
まず、形状データ作成ステップにおいて、コンピュータを用いて、造形対象部分の3次元形状を表す3次元形状データ(例えば、3次元CADデータ)を作成する。
つぎに、造形用データ作成ステップにおいて、コンピュータを用いて、上記3次元形状データを、3D造形用データ500に変換する。3D造形用データ500は、3Dプリンタ400の造形部420が造形を行う際に3Dプリンタ400の制御部410に読み込まれるものであり、制御部410が、造形部420に、造形対象部分を、造形させるように構成されている。3D造形用データ500は、例えば、造形対象部分の各層の2次元形状を表すスライスデータを含む。
つぎに、造形ステップにおいて、3Dプリンタ400によって、造形対象部分(クッション材301のうち少なくとも多孔質構造体1)を造形する。
造形ステップにおいては、3Dプリンタを用いて、クッション材301の全体を造形してもよい。あるいは、造形ステップでは、予め準備された伸縮層6の上に、3Dプリンタを用いて、多孔質構造体1を造形してもよい。
3Dプリンタ400は、例えば、光造形方式、粉末焼結積層方式、熱溶融積層方式(FDM方式)、インクジェット方式等、任意の造形方式を用いて造形を行ってよい。図10では、熱溶融積層方式(FDM方式)によって造形を行う様子を示している。
3Dプリンタ400は、例えば、CPU等によって構成された制御部410と、制御部410による制御に従って造形を行う造形部420と、造形される造形物(すなわち、造形対象部分)を載せるための支持台430と、支持台430及び造形物が収容される収容体440と、を備える。造形部420は、図10の例のように熱溶融積層方式(FDM方式)を用いる場合、最終的に造形物(すなわち、造形対象部分)を構成するメイン材MMを吐出するように構成されたメイン材ノズル421と、造形中にメイン材MMを支持するサポート材SMを吐出してサポート層を形成するように構成されたサポート材ノズル422と、を有している。メイン材MMとしては、可撓性のある樹脂又はゴムを用いるのがよいが、特に、可撓性のある樹脂を用いるのが好適である。
このように構成された3Dプリンタ400は、造形ステップにおいて、まず、制御部410が、3D造形用データ500を読み込み、読み込んだ3D造形用データ500に含まれる3次元形状に基づいて、造形部420にメイン材MM、サポート材SMを吐出させるよう制御しながら、各層を順次造形していく。このとき、多孔質構造体1や伸縮層6のうち、空隙以外の部分(すなわち、後述の骨格部2及び膜3や、ばね部61及び連結部62等)を、メイン材MMによって造形し、多孔質構造体1や伸縮層6の空隙部分を、サポート材SMによって形成する。
図10の例のように熱溶融積層方式(FDM方式)を用いる場合、クッション材の製造方法は、造形ステップの後に、造形物(造形された造形対象部分)から、サポート材SMからなるサポート層を除去する、除去ステップを行う。
除去ステップの後、最終的に、クッション材301が得られる。
ここで、図11を参照しつつ、熱溶融積層方式(FDM方式)ではなく、光造形方式によって造形ステップを行う場合について、説明する。図11は、光造形方式によって造形を行う様子を示している。
この場合、3Dプリンタ400は、例えば、CPU等によって構成された制御部410と、制御部410による制御に従って造形を行う造形部420と、造形される造形物(すなわち、造形対象部分)を載せるための支持台430と、液体樹脂LR、支持台430及び造形物が収容される収容体440と、を備える。造形部420は、本例のように光造形方式を用いる場合、紫外線レーザ光LLを照射するように構成されたレーザ照射器423を有する。収容体440には、液体樹脂LRが充填されている。液体樹脂LRは、レーザ照射器423から照射される紫外線レーザ光LLが当たると、硬化し、可撓性のある樹脂となる。
このように構成された3Dプリンタ400は、造形ステップにおいて、まず、制御部410が、3D造形用データ500を読み込み、読み込んだ3D造形用データ500に含まれる3次元形状に基づいて、造形部420に紫外線レーザ光LLを照射するよう制御しながら、各層を順次造形していく。
造形ステップの後、造形物を収容体440から取り出す。それにより、最終的に、クッション材301が得られる。
なお、本明細書で説明する各例においては、クッション材301のうち造形対象部分を樹脂で構成する場合、3Dプリンタ400による造形が完了した後に、造形物としての造形対象部分を、オーブンの中で加熱してもよい。その場合、造形対象部分を構成する各層どうしの結合を強化し、それにより造形対象部分の異方性を低減できるので、クッション材301のクッション材としての特性をさらに向上できる。
また、造形対象部分をゴムで構成する場合、3Dプリンタ400による造形が完了した後に、造形対象部分を加硫してもよい。
本明細書で説明する各例においては、造形ステップにおいて、クッション材301が任意の向きに指向されてよい。
例えば、図12に示す例のように、造形ステップにおける造形は、造形される多孔質構造体1に対して、造形される又は予め準備される伸縮層6が、鉛直方向の上側になるように、行われてもよい。この場合、多孔質構造体1と伸縮層6のばね部61とを、非固着状態にしやすくすることができる。
あるいは、図13に示す例のように、造形ステップにおける造形は、クッション材301は、造形される又は予め準備される伸縮層6に対して、造形される多孔質構造体1が、鉛直方向の上側になるように、行われてもよい。
本明細書で説明する各例においては、図12及び図13に示す各例のように、造形ステップにおいて、多孔質構造体1と伸縮層6のばね部61との間に、サポート層SLを配置し、その後、除去ステップにおいて、サポート層SLを除去すると、好適である。これにより、多孔質構造体1と伸縮層6のばね部61とを、簡単に非固着状態にすることができる。
この場合、サポート層SLを構成する材料は、除去ステップにおいて除去できるようなものであれば何でもよく、例えば、図10を参照しつつ説明したサポート材SMであってもよいし、あるいは、それとは異なる材料でもよい。
〔多孔質構造体1〕
以下、上述した任意の例のクッション材301及びクッション具300に好適に使用し得る、多孔質構造体1について、図14~図33を参照しつつ、さらに詳しく説明する。
図14~図23、図25~図33では、多孔質構造体1の向きを理解しやすくするために、それぞれの例の多孔質構造体1に固定されたXYZ直交座標系の向きを表示している。
まず、図14~図24を参照しながら、多孔質構造体の一例について説明する。
図14~図17では、本例に係る多孔質構造体1のうち、直方体に切断された一部分を、それぞれ別々の角度から観ている。図14は、多孔質構造体1の当該部分における、ある1つの面を平面視しており、すなわち、多孔質構造体1の当該部分を、図15~図17のC矢印の方向(-X方向)から観ている。図15は、多孔質構造体1の当該部分における、図14での右側の面を平面視しており、すなわち、多孔質構造体1の当該部分を、図14、図16、図17のA矢印の方向(-Y方向)から観ている。図16は、多孔質構造体1の当該部分における、図14と同じ面を斜め上から観ており、すなわち、多孔質構造体1の当該部分を、図14、図15、図17のD矢印の方向から観ている。図17は、多孔質構造体1の当該部分における、図14及び図16とは逆側の面を斜め上から観ており、すなわち、多孔質構造体1の当該部分を、図15、図16のB矢印の方向から観ている。
なお、以下では、説明の便宜のため、図25~図27にそれぞれ示す第1~第3変形例、図28~図31に示す第4変形例、図32に示す第5変形例、図33に示す第6変形例についても、併せて説明する。
本明細書で説明する各例の多孔質構造体1は、上述のように、3Dプリンタによって造形されたものである。3Dプリンタを用いて多孔質構造体を製造することにより、従来のように化学反応により発泡させる工程を経る場合に比べ、製造が簡単になり、かつ、所期したとおりの構成が得られる。また、多孔質構造体のセル構造の設計自由度を大幅に広げることができるので、より幅広い要求特性に対応することも可能になる。また、今後の3Dプリンタの技術進歩により、将来的に、3Dプリンタによる製造を、より短時間かつ低コストで、実現できるようになることが期待できる。
多孔質構造体1は、可撓性のある樹脂又はゴムから構成されている。より具体的に、多孔質構造体1は、多孔質構造体1の骨格をなす骨格部2と、骨格部2によって区画された多数のセル孔Cと、を備えている。骨格部2は、多孔質構造体1の全体にわたって存在しており、可撓性のある樹脂又はゴムから構成されている。本例において、多孔質構造体1のうち、骨格部2以外の部分は、空隙である。
なお、3Dプリンタによる製造のし易さの観点からは、多孔質構造体1は、可撓性のある樹脂から構成されている場合のほうが、ゴムから構成されている場合よりも、好適である。
各図の例の多孔質構造体1は、それぞれ立方体をなす複数の単位部Uどうしが、X、Y、Zの各方向に一体に連なった構成を有している。図14~図23の例では、多孔質構造体1のうち、図14~図17に示す部分は、Z方向に3個、Y方向に3個、X方向に2個が配列された、計18個の単位部Uからなる。図28~図33では、単位部Uの図示を省略しているが、図14~図23の例と同様に、単位部Uが存在している。各図の例では、多孔質構造体1を構成する各単位部Uの構成、寸法、向きが、それぞれ同じである。便宜のため、図14~図17では、1つの単位部Uのみを、他の単位部Uよりも濃いグレー色で着色しているとともに、図14及び図15ではさらに、濃いグレー色で着色した単位部Uの外縁を、点線で示している。
図14~図23の例のように、多孔質構造体1の各単位部Uの外縁(外輪郭)が立方体をなす場合、X-Y-Zそれぞれの方向に等しい機械特性を得ることが可能になる。
なお、単位部Uの外縁(外輪郭)は、立方体以外の直方体、あるいは、その他の形状をなしていてもよい。また、多孔質構造体1を構成する各単位部Uの構成及び/又は寸法は、完全に同一でなくてもよく、個々に少しずつ異なっていてもよい。多孔質構造体1の各単位部Uの外縁(外輪郭)が立方体以外の直方体をなす場合、多孔質構造体1の機能として、意図的な異方性を得ることが可能になる。例えば、多孔質構造体1を車両用のシートパッドに適用する場合、各単位部Uの外縁(外輪郭)を立方体以外の直方体とすることで、例えばZ方向(人が座る方向)には柔らかくして乗り心地を向上させること可能になる。
図18~図23は、図14~図17の多孔質構造体1における1つ単位部Uを単独で示している。図18は、単位部Uを、図16とほぼ同じ方向から観ており、すなわち、単位部Uを、図14、図15、図17のD矢印の方向から観ている。図19は、図18の一部を拡大して観ている。図20及び図21は、同じ図面であり、単位部Uにおける、図18と同じ側の部分を下側から観ており、すなわち、単位部Uを、図16、図18のE矢印の方向から観ている。図20及び図21は、図面の見易さのために、それぞれ異なる破線、鎖線を付けている点のみで異なる。図22及び図23は、同じ図面であり、単位部Uにおける、図18とは逆側の部分を上側から観ており、すなわち、単位部Uを、図17、図18のF矢印の方向から観ている。図22及び図23は、図面の見易さのために、それぞれ異なる破線、鎖線を付けている点のみで異なる。参考のため、図14~図17におけるA矢印、B矢印、C矢印を、図18、図20~図23にも示している。
図14~図23、図25~図33に示すように、多孔質構造体1の骨格部2は、複数の骨部2Bと、複数の結合部2Jと、から構成されており、骨格部2の全体が一体に構成されている。各図の例において、各骨部2Bは、それぞれ柱状に構成されており、また、本例では、それぞれ直線状に延在している。各結合部2Jは、それぞれ、互いに異なる方向に延在する複数(図の例では、2つ~6つ)の骨部2Bの延在方向の端部2Beどうしが互いに隣接する箇所で、これらの端部2Beどうしを結合している。
図19、図20、図22、図29~図31、図33等には、多孔質構造体1の一部分に、骨格部2の骨格線Oを示している。骨格部2の骨格線Oは、各骨部2Bの骨格線Oと、各結合部2Jの骨格線Oと、からなる。骨部2Bの骨格線Oは、骨部2Bの中心軸線であり、後述の骨一定部2B1の中心軸線と骨変化部2B2の中心軸線とからなる。結合部2Jの骨格線Oは、当該結合部2Jに結合された各骨部2Bの中心軸線をそれぞれ当該結合部2J内へ滑らかに延長させて互いに連結させてなる、延長線部分である。骨部2Bの中心軸線は、骨部2Bの延在方向の各点における、骨部2Bの延在方向に垂直な断面において骨部2Bのなす形状の重心点どうしを、結んでなる線である。
骨部2Bの延在方向は、骨部2Bの骨格線O(骨格線Oのうち、骨部2Bに対応する部分。以下同じ。)の延在方向である。
多孔質構造体1は、その全体にわたって骨格部2を備えているので、通気性を確保しつつ、外力の付加・解除に応じた圧縮・復元変形が可能であるので、クッション材としての特性が良好になる。また、多孔質構造体1の構造がシンプルになり、3Dプリンタによる造形がしやすくなる。
なお、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち、一部又は全部の骨部2Bが、湾曲しながら延在してもよい。この場合、一部又は全部の骨部2Bが湾曲していることで、荷重の入力時において、骨部2Bひいては多孔質構造体1の急激な形状変化を防ぎ、局所的な座屈を抑制することができる。
また、図14~図23、図25~図27、図33の各図面においては、骨格部2の各面が平坦であり、互いに隣接する一対の面どうしが突き合うエッジ部分(辺部分)がそれぞれ角張っている。ただし、本明細書で説明する各例において、骨格部2の各面のうち一部又は全部は、例えば図29~図32の各例のように、非平坦(例えば湾曲状)であってもよい。図29~図32の各例では、骨格部2の各面が、湾曲状である。また、本明細書で説明する各例において、骨格部2の各エッジ部分は、滑らかに湾曲していてもよい。
各図の例では、骨格部2を構成する各骨部2Bが、それぞれほぼ同じ形状及び寸法(長さ、断面積、幅等)を有している。ただし、各図の例に限らず、骨格部2を構成する各骨部2Bの形状及び/又は寸法(長さ、断面積、幅等)は、それぞれ同じでなくてもよく、例えば、一部の骨部2Bの形状及び/又は寸法(長さ、断面積、幅等)が他の骨部2Bとは異なっていてもよい。この場合、骨格部2のうちの特定の部分の骨部2Bの形状及び/又は寸法(長さ、断面積、幅等)を他の部分とは異ならせることで、意図的に異なる機械特性を得ることができる。例えば、後述する図21の例のように、多孔質構造体1を車両用のシートパッドに適用する場合、メインパッド部311の座面側(表面側)の部分は乗り心地向上のため柔らかくし、サイドパッド部312を構成する部分はホールド感を得るため硬くする、といったことができる。
図24は、図14~図23、図26、図27、図33の各例の骨部2Bを、単独で示している。図24(a)は骨部2Bに外力が加わっていない自然状態を示しており、図24(b)は骨部2Bに外力が加わった状態を示している。図24には、骨部2Bの中心軸線(骨格線O)を示している。
図24(a)に示すように、図14~図23、図26、図27、図33の各例において、各骨部2Bは、それぞれ、断面積を一定に保ちつつ延在する、骨一定部2B1と、骨一定部2B1の延在方向の両側において、断面積を徐々に変化させつつ、骨一定部2B1から結合部2Jまで延在する、一対の骨変化部2B2と、から構成されている。骨変化部2B2は、断面積を徐々に変化させつつ延在する。当該各例において、各骨変化部2B2は、断面積を徐々に増大させつつ、骨一定部2B1から結合部2Jまで延在している。なお、これらの例に限らず、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部の骨部2Bのみが、この構成を満たしていても、同様の効果が得られる。また、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部又は全部の骨部2Bは、それぞれ、骨一定部2B1の一方側の端部のみに骨変化部2B2を有し、骨一定部2B1の他方側の端部が直接結合部2Jに結合されていてもよく、その場合も、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
ここで、骨一定部2B1及び骨変化部2B2の断面積は、それぞれ、骨一定部2B1及び骨変化部2B2の骨格線Oに垂直な断面の断面積を指す。また、本明細書において、「徐々に変化(増大又は減少)」とは、途中で一定となることなく常に滑らかに変化(増大又は減少)することを指す。
図14~図23、図26、図27、図33の各例では、多孔質構造体1を構成する各骨部2Bが、骨一定部2B1と骨変化部2B2とからなり、骨変化部2B2が、骨一定部2B1から結合部2Jに向かうにつれて断面積が徐々に増大するので、骨部2Bが、骨一定部2B1と骨変化部2B2との境界の近傍部分で、骨一定部2B1に向かって細くなるようにくびれた形状をなしている。そのため、外力が加わる際に、骨部2Bが、そのくびれた部分や骨一定部2B1の中間部分で座屈変形しやすくなり、ひいては、多孔質構造体1が圧縮変形しやすくなる。これにより、化学反応によって発泡させる工程を経て製造された一般的なポリウレタンフォームと同等の挙動及び特性が得られる。また、これにより、多孔質構造体1の表面のタッチ感がより柔らかくなる。例えば、多孔質構造体1を着座用のクッション材(シートパッド等)として用いる場合、着座する際の、特に着座し始めのタイミングで、着座者に、より柔らかい感触を与えるようになる。このような柔らかい感触は、一般的に、広く好まれるものであり、また、高級車のシートパッドの着座者(例えば運転手付きで後部座席に人を乗せる場合、後部座席に座る着座者)に好まれるものである。
図14~図23、図25~図33の各例では、骨部2Bが、その少なくとも一部分において骨一定部2B1を有している。これらの例のように、骨部2Bが、その少なくとも一部分において骨一定部2B1を有している場合、骨部2Bのいずれか一方側(好ましくは両側)の端2B21の断面積A1(図24(a))に対する、骨一定部2B1の断面積A0(図24(a))の比A0/A1は、
0.15≦A0/A1≦2.0
を満たしていると、好適である。これにより、多孔質構造体1の表面のタッチ感を、クッション材の特性として、また特に着座用のクッション材の特性として、柔らかすぎず、硬すぎず、ほどよい硬さにすることができる。例えば、多孔質構造体1を着座用のクッション材(シートパッド等)として用いる場合、着座する際の、特に着座し始めのタイミングで、着座者に、ほどよい硬さの感触を与えるようになる。比A0/A1が小さいほど、多孔質構造体1の表面のタッチ感が、より柔らかくなる。比A0/A1が0.15未満である場合は、多孔質構造体1の表面のタッチ感が柔らかくなりすぎて、クッション材の特性として好ましくなくなるおそれがあり、また、3Dプリンタによる製造がしにくくなるため、製造性の面で好ましくない。よって、比A0/A1は0.15以上であると好適である。比A0/A1が2.0超である場合は、多孔質構造体1の表面のタッチ感が硬くなりすぎて、クッション材の特性として好ましくなくなるおそれがある。よって、比A0/A1は2.0以下であると好適である。
なお、比A0/A1は、0.5以上であると、より好適である。
より具体的に、図14~図23、図26、図27、図33の各例では、骨部2Bが骨一定部2B1とその両側に連続する一対の骨変化部2B2とを有しており、各骨変化部2B2が、それぞれ、断面積を徐々に増大させつつ、骨一定部2B1から結合部2Jまで延在しており、比A0/A1が1.0未満である。これにより、多孔質構造体1の表面のタッチ感を、クッション材の特性として、また特に着座用のクッション材の特性として、比較的柔らかくすることができる。このような柔らかい感触は、一般的に、広く好まれるものであり、また、高級車のシートパッドの着座者(例えば運転手付きで後部座席に人を乗せる場合、後部座席に座る着座者)に好まれるものである。
なお、骨格部2を構成する各骨部2Bがこの構成を満たしていてもよいし、あるいは、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部の骨部2Bのみが、この構成を満たしていてもよく、いずれの場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
なお、図14~図23、図26、図27、図33の各例に代えて、骨変化部2B2は、断面積を徐々に減少させつつ、骨一定部2B1から結合部2Jまで延在していてもよい。この場合、骨一定部2B1は、骨変化部2B2よりも、断面積が大きく(太く)なる。これにより、外力が加わる際に、骨一定部2B1が変形しにくくなり、代わりに、比較的座屈しやすい箇所が骨変化部2B2(特に、結合部2J側の部分)となり、ひいては、多孔質構造体1が圧縮変形しにくくなる。これにより、多孔質構造体1の表面のタッチ感がより硬くなり、また、高硬度の機械特性が得られる。例えば、多孔質構造体1を着座用のクッション材として用いる場合、着座する際の、特に着座し始めのタイミングで、着座者に、より硬い感触を与えるようになる。このような挙動は、化学反応によって発泡させる工程を経て製造された一般的なポリウレタンフォームでは得ることができない。このような構成により、硬めの感触を好むユーザに対応できる。このような硬い感触は、例えば、素早い加減速や斜線変更を行うようなスポーツ車のシートパッドにおける、着座者に好まれるものである。
そして、骨変化部2B2が、断面積を徐々に減少させつつ、骨一定部2B1から結合部2Jまで延在している場合、比A0/A1は、1.0超となる。
なお、骨格部2を構成する各骨部2Bがこの構成を満たしていてもよいし、あるいは、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部の骨部2Bのみが、この構成を満たしていてもよく、いずれの場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
あるいは、図25に一部点線で示す第1変形例、図28~図31に示す第4変形例、図32に示す第5変形例のように、骨部2Bは、骨変化部2B2を有さずに、骨一定部2B1のみからなるものでもよい。この場合、骨部2Bの断面積は、その全長にわたって一定になる。そして、外力が加わる際における多孔質構造体1の表面のタッチ感は、中程度の硬さになる。このような構成により、中程度の硬さの感触を好むユーザに対応できる。また、高級車やスポーツ車など、あらゆる車種のシートパッドに好適に適用できる。
この場合、比A0/A1は、1.0となる。
なお、骨格部2を構成する各骨部2Bがこの構成を満たしていてもよいし、あるいは、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部の骨部2Bのみが、この構成を満たしていてもよく、いずれの場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
図14~図23、図26、図27、図33の各例において、骨格部2を構成する各骨部2Bは、骨一定部2B1及び骨変化部2B2を有しており、骨一定部2B1が、骨変化部2B2及び結合部2Jよりも、断面積が小さい。より具体的には、骨一定部2B1の断面積は、骨変化部2B2及び結合部2Jのそれぞれのどの部分(ただし、骨一定部2B1と骨変化部2B2との境界部分を除く)の断面積よりも、小さい。すなわち、骨一定部2B1は、骨格部2の中で最も断面積が小さい(細い)部分である。これにより、上述したことと同様に、外力が加わる際に、骨一定部2B1が変形しやすくなり、ひいては、多孔質構造体1が圧縮変形しやすくなる。これにより、多孔質構造体1の表面のタッチ感がより柔らかくなる。
なお、結合部2Jの断面積は、結合部2Jの骨格線Oに垂直な断面の断面積を指す。
なお、これらの例に限らず、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部の骨部2Bのみが、この構成を満たしていてもよく、その場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
また、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部又は全部の骨部2Bにおいて、骨部2Bが骨一定部2B1及び骨変化部2B2を有する場合、骨一定部2B1の断面積は、骨変化部2B2及び結合部2Jのそれぞれのどの部分(ただし、骨一定部2B1と骨変化部2B2との境界部分を除く)の断面積よりも大きくてもよい。
同様に、図14~図23、図26、図27、図33の各例において、骨格部2を構成する各骨部2Bは、骨一定部2B1及び骨変化部2B2を有しており、骨一定部2B1が、骨変化部2B2及び結合部2Jよりも、幅が小さい。より具体的には、骨一定部2B1の幅は、骨変化部2B2及び結合部2Jのそれぞれのどの部分(ただし、骨一定部2B1と骨変化部2B2との境界部分を除く)の幅よりも、小さい。すなわち、骨一定部2B1は、骨格部2の中で最も幅が小さい(細い)部分である。これによっても、外力が加わる際に骨一定部2B1が変形しやすくなり、それにより、多孔質構造体1の表面のタッチ感がより柔らかくなる。なお、これらの例においては、上述のように、比A0/A1は1.0未満である。
なお、骨一定部2B1、骨変化部2B2、結合部2Jの幅は、それぞれ、骨一定部2B1、骨変化部2B2、結合部2Jの骨格線Oに垂直な断面に沿って測ったときの、当該断面における最大幅を指す。結合部2Jの骨格線Oは、骨格線Oのうち、結合部2Jに対応する部分である。図24(a)には、参考のため、骨一定部2B1の幅W0と、骨変化部2B2の幅W1とを、示している。
なお、これらの例に限らず、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部の骨部2Bのみが、この構成を満たしていてもよく、その場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
また、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部又は全部の骨部2Bにおいて、骨部2Bが骨一定部2B1及び骨変化部2B2を有する場合、骨一定部2B1の幅は、骨変化部2B2及び結合部2Jのそれぞれのどの部分(ただし、骨一定部2B1と骨変化部2B2との境界部分を除く)の幅よりも大きくてもよい。この場合、比A0/A1は1.0超となる。
本明細書で説明する各例において、各図の例のように、骨部2Bが、その少なくとも一部分において骨一定部2B1を有している場合、多孔質構造体1の構造の簡単化、ひいては、3Dプリンタによる製造のし易さの観点や、クッション材(特にシートパッド、さらに特には車両用シートパッド)としての特性を向上させる観点からは、骨一定部2B1の幅W0(図24、図28)は、0.05mm以上であると好適であり、0.10mm以上であるとより好適であり、0.20mm以上であるとさらに好適である。幅W0が0.05mm以上の場合、高性能な3Dプリンタの解像度で造形可能であり、0.10mm以上の場合、高性能な3Dプリンタだけでなく汎用の3Dプリンタの解像度でも造形可能である。
一方、多孔質構造体1の外縁(外輪郭)形状の精度を向上させる観点や、セル孔C間の隙間(間隔)を小さくする観点や、クッション材(特にシートパッド、さらに特には車両用シートパッド)としての特性を良好にする観点からは、骨一定部2B1の幅W0(図24、図28)は、2.0mm以下であると好適である。
なお、図25、図28~図32の各例のように、骨部2Bが骨一定部2B1のみからなる場合、骨一定部2B1の幅W0とは、骨部2Bの幅W0(図28)と同じである。
なお、骨格部2を構成する各骨部2Bがこの構成を満たしていると好適であるが、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部の骨部2Bのみが、この構成を満たしていてもよく、その場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
図14~図23、図26、図27、図33の各例において、骨格部2を構成する各骨部2Bは、骨一定部2B1及び骨変化部2B2を有しており、骨変化部2B2が、その側面に、1又は複数(本例では、3つ)の傾斜面2B23を有しており、この傾斜面2B23は、骨変化部2B2の延在方向に対して傾斜(90°未満で傾斜)しているとともに、骨一定部2B1から結合部2Jに向かうにつれて、幅W2が徐々に増大している。
これによっても、外力が加わる際に、骨部2Bが、骨一定部2B1と骨変化部2B2との境界近傍におけるくびれた部分で、座屈変形しやすくなり、ひいては、多孔質構造体1が圧縮変形しやすくなる。これにより、多孔質構造体1の表面のタッチ感がより柔らかくなる。
ここで、骨変化部2B2の延在方向は、骨変化部2B2の中心軸線(骨格線O)の延在方向である。また、骨変化部2B2の傾斜面2B23の幅W2は、骨変化部2B2の骨格線Oに垂直な断面に沿って測ったときの、傾斜面2B23の幅を指す。
なお、これらの図の例では、骨変化部2B2が有する複数の傾斜面2B23の全てがこの構成を満たしているが、骨変化部2B2が有する複数の傾斜面2B23のうち一部の傾斜面2B23のみがこの構成を満たしていてもよく、その場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。また、これらの図の例では、骨変化部2B2が有する複数の傾斜面2B23が互いに合同であるが、骨変化部2B2が有する複数の傾斜面2B23が互いに合同でなくてもよく、互いに形状及び/又は寸法が異なっていてもよい。また、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部の骨部2Bのみが、この構成を満たしていてもよく、その場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
また、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部又は全部の骨部2Bにおいて、骨部2Bが骨一定部2B1及び骨変化部2B2を有する場合、骨変化部2B2の各傾斜面2B23は、骨一定部2B1から結合部2Jに向かうにつれて、幅W2が徐々に減少していてもよい。この場合、比A0/A1は1.0超となる。
本明細書で説明する各例においては、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち全部又は一部(好適には、全部)の骨部2Bにおいて、骨部2B(骨部2Bが骨一定部2B1及び骨変化部2B2を有する場合、骨一定部2B1及び/又は骨変化部2B2)の断面形状は、多角形(好適には正多角形)又は円形であると、好適である。例えば、図14~図23、図26、図27、図33の各例において、骨格部2を構成する各骨部2Bにおいては、骨部2B(より具体的には、骨一定部2B1及び骨変化部2B2)の断面形状が、多角形(より具体的には、正三角形)である。また、図28~図31の例や図32の例においては、骨格部2を構成する各骨部2Bにおいて、骨部2B(骨一定部2B1のみからなる)の断面形状が、円形(真円形)である。
これにより、多孔質構造体1の構造がシンプルになり、3Dプリンタによる造形がしやすくなる。また、化学反応によって発泡させる工程を経て製造された一般的なポリウレタンフォームでの機械特性を再現しやすい。また、このように骨部2Bを柱状に構成することにより、仮に骨部2Bを薄い膜状の部分に置き換えた場合に比べて、多孔質構造体1の耐久性を向上できる。
なお、骨部2Bの断面形状、骨一定部2B1の断面形状、骨変化部2B2の断面形状は、それぞれ、骨部2B、骨一定部2B1、骨変化部2B2の中心軸線(骨格線O)に垂直な断面における形状である。
なお、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部の骨部2Bのみが、この構成を満たしていてもよく、その場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
また、本明細書で説明する各例においては、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち全部又は一部の骨部2Bにおいて、骨部2B(骨部2Bが骨一定部2B1及び骨変化部2B2を有する場合、骨一定部2B1及び/又は骨変化部2B2)は、それぞれの断面形状が、正三角形以外の多角形(正三角形以外の三角形、四角形等)でもよいし、あるいは、真円形以外の円形(楕円形等)でもよく、その場合でも、同様の効果が得られる。また、骨部2Bが骨一定部2B1及び骨変化部2B2を有する場合、骨一定部2B1と骨変化部2B2は、それぞれの断面形状が、互いに同じでもよいし、互いに異なるものでもよい。
本明細書で説明する各例において、骨格部2を構成する各骨部2Bのうち一部又は全部の骨部2Bは、骨一定部2B1を有さずに、断面積を徐々に変化させつつ延在する骨変化部2B2のみを有していてもよい。この場合、骨変化部2B2は、骨部2Bの全体にわたって骨部2Bの延在方向の一方側から他方側に向かうにつれて断面積が徐々に増加又は減少するものであってもよいし、あるいは、骨部2Bの延在方向の一方側から他方側に向かうにつれて断面積が徐々に増加する部分と骨部2Bの延在方向の一方側から他方側に向かうにつれて断面積が徐々に減少する部分とをそれぞれ1つ以上ずつ含むものであってもよい。
本明細書で説明する各例において、多孔質構造体1の体積VSのうち、骨格部2の占める体積VBの割合(VB×100/VS [%])が、3~10%であると、好適である。この構成により、多孔質構造体1に外力が付加されたときに多孔質構造体1に生じる反力、ひいては、多孔質構造体1の硬さを、クッション材として、特には着座用のクッション材(シートパッド等)として、さらに特には車両用のシートパッドとして、良好なものにすることができる。
ここで、「多孔質構造体1の体積VS」とは、多孔質構造体1の外縁(外輪郭)によって囲まれた内部空間の全体(骨格部2の占める体積と、後述の膜3が設けられる場合は膜3の占める体積と、空隙の占める体積との合計)の体積を指している。
多孔質構造体1を構成する材料を同じとして考えたとき、多孔質構造体1の体積VSのうち、骨格部2の占める体積VBの割合が高いほど、多孔質構造体1は硬くなる。また、多孔質構造体1の体積VSのうち、骨格部2の占める体積の割合VBが低いほど、多孔質構造体1は柔らかくなる。
多孔質構造体1に外力が付加されたときに多孔質構造体1に生じる反力、ひいては、多孔質構造体1の硬さを、クッション材として、特には着座用のクッション材として、良好なものにする観点からは、多孔質構造体1の体積VSのうち、骨格部2の占める体積VBの割合が、4~8%であると、より好適である。
なお、多孔質構造体1の体積VSのうち、骨格部2の占める体積VBの割合を調整する方法としては、任意の方法を用いてよいが、例えば、多孔質構造体1の各単位部Uの寸法を変えずに、骨格部2を構成する一部又は全部の骨部2Bの太さ(断面積)、及び/又は、骨格部2を構成する一部又は全部の結合部Jの大きさ(断面積)を、調整する方法が挙げられる。
その一例として、図26に示す第2変形例では、点線で示すように、骨格部2を構成する各骨部2Bの太さ(断面積)、及び、骨格部2を構成する各結合部Jの大きさ(断面積)を、実線で示す多孔質構造体1(図21の例)よりも増大させることにより、多孔質構造体1の体積VSのうち、骨格部2の占める体積VBの割合を増大させている。
多孔質構造体1が車両用シートパッドに利用される場合、多孔質構造体1の25%硬度は、60~500Nが好適であり、100~450Nがより好適である。ここで、多孔質構造体1の25%硬度(N)は、インストロン型圧縮試験機を用いて、23℃、相対湿度50%の環境にて、多孔質構造体を25%圧縮するのに要する荷重(N)を測定して得られる測定値であるものとする。
図14~図33に示す各例において、骨格部2は、第1セル孔C1を内部に区画する第1セル区画部21を複数(第1セル孔C1の数だけ)有している。
各図の例において、各第1セル区画部21は、それぞれ、複数(具体的には、14つ)の第1環状部211を有している。各第1環状部211は、それぞれ、環状に構成されている。第1セル区画部21の複数の第1環状部211は、それぞれ、それぞれの環状の内周側縁部2111によって、平坦な第1仮想面V1を区画している。第1仮想面V1は、その外縁が第1環状部211の内周側縁部2111によって区画された、仮想閉平面である。第1セル区画部21を構成する複数の第1環状部211は、それぞれの内周側縁部2111によって区画する第1仮想面V1どうしが交差しないように互いに連結されている。
第1セル孔C1は、第1セル区画部21を構成する複数の第1環状部211と、これら複数の第1環状部211がそれぞれ区画する複数の第1仮想面V1とによって、区画されている。概略的に言えば、第1環状部211は、第1セル孔C1のなす立体形状の辺を区画する部分であり、第1仮想面V1は、第1セル孔C1のなす立体形状の構成面を区画する部分である。
このような構成により、外力の付加・解除に応じた多孔質構造体1の圧縮・復元変形の挙動が、クッション材として、特には着座用のクッション材(シートパッド等)として、より良好になる。すなわち、多孔質構造体1のクッション材としての特性を向上できる。
各図の例のように、第1セル区画部21の各第1環状部211は、それぞれ、複数の骨部2Bと、これらの複数の骨部2Bの端部2Beどうしを結合する複数の結合部2Jと、から構成されていると、好適である。このような構成により、多孔質構造体1のクッション材としての特性を向上できる。
各図の例のように、互いに連結された一対の第1環状部211どうしの連結部分は、これら一対の第1環状部211に共有される、1つの骨部2Bと、当該骨部2Bの両側の一対の結合部2Jと、から構成されていると、好適である。このような構成により、多孔質構造体1のクッション材としての特性を向上できる。
各図の例において、第1環状部211は、当該第1環状部211に隣接する一対の第1セル区画部21(すなわち、当該第1環状部211を間に挟んだ一対の第1セル区画部21)によって共有されている。言い換えれば、第1環状部211は、当該第1環状部211に隣接する一対の第1セル区画部21のそれぞれの一部を構成している。
これにより、仮に、第1環状部211が、当該第1環状部211に隣接する一対の第1セル区画部21(すなわち、当該第1環状部211を間に挟んだ一対の第1セル区画部21)によって共有されておらず、すなわち、当該一対の第1セル区画部21が互いから独立して構成されており、それぞれの第1環状部211が互いに隣接又は互いから離間して形成されている場合や、それぞれの第1環状部211の間にリブ等が介在している場合に比べて、第1セル孔C1どうしの間の隙間(間隔)(ひいては、第1セル孔C1どうしの間の骨格部2の肉部分)を小さくすることができるので、多孔質構造体1のクッション材(特にはシートパッド、さらに特には車両用シートパッド)としての特性を向上できる。よって、3Dプリンタによって、クッション性のある多孔質構造体1を容易に製造することができる。
なお、骨格部2を構成する各第1環状部211がこの構成を満たしていると好適であるが、骨格部2を構成する各第1環状部211のうち一部の第1環状部211のみが、この構成を満たしていてもよく、その場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
同様の観点から、本明細書で説明する各例において、互いに隣接する一対の第1セル区画部21の骨格線Oどうしは、当該一対の第1セル区画部21によって共有される第1環状部211において、一致していると、好適である。
各図の例において、第1仮想面V1は、第1仮想面V1の一方側の面(第1仮想面V1の表面)によって、ある1つの第1セル孔C1の一部を区画しているとともに、当該第1仮想面V1の他方側の面(第1仮想面V1の裏面)によって、別の第1セル孔C1の一部を区画している。言い換えれば、第1仮想面V1は、その表裏両側の面によって別々の第1セル孔C1の一部を区画している。さらに言い換えれば、第1仮想面V1は、当該第1仮想面V1に隣接する一対の第1セル孔C1(すなわち、当該第1仮想面V1を間に挟んだ一対の第1セル孔C1)によって共有されている。
これにより、仮に、第1仮想面V1が、当該第1仮想面V1に隣接する一対の第1セル孔C1(すなわち、当該第1仮想面V1を間に挟んだ一対の第1セル孔C1)によって共有されておらず、すなわち、当該一対の第1セル孔C1の第1仮想面V1が互いから離間した位置にある場合に比べて、第1セル孔C1どうしの間の隙間(間隔)を小さくすることができるので、多孔質構造体1のクッション材としての特性を向上できる。
なお、骨格部2を構成する各第1仮想面V1がこの構成を満たしていると好適であるが、骨格部2を構成する各第1仮想面V1のうち一部の第1仮想面V1のみが、この構成を満たしていてもよく、その場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
本明細書で説明する各例においては、各図の例のように、互いに隣接する一対の第1セル区画部21によって共有される第1環状部211の骨格線Oは、当該一対の第1セル区画部21のうち前記共有される第1環状部211に隣接する部分の骨格線Oのそれぞれと、連続している(図14、図20、図29、図33等参照)と、好適である。
これにより、多孔質構造体のクッション材としての特性がより良好になる。
同様の観点から、本明細書で説明する各例においては、各図の例のように、互いに隣接する一対の第1セル区画部21の骨格線Oどうしは、当該一対の第1セル区画部21によって共有される第1環状部211において、一致していると、好適である。
また、同様の観点から、本明細書で説明する各例においては、各図の例のように、互いに隣接する一対の第1セル区画部21によって共有される第1環状部211を構成する骨部2Bの断面積(例えば、骨一定部2B1の断面積)が、当該一対の第1セル区画部21のうち前記共有される第1環状部211に隣接する部分を構成する骨部2Bの断面積(例えば、骨一定部2B1の断面積)のそれぞれと、同じであると、好適である。
なお、骨格部2において互いに隣接する一対の第1セル区画部21によって共有される第1環状部211の全てがこの構成を満たしていると好適であるが、骨格部2において互いに隣接する一対の第1セル区画部21によって共有される第1環状部211のうち一部の第1環状部211のみが、この構成を満たしていてもよく、その場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
本明細書で説明する各例においては、各図の例のように、互いに連結された一対の第1環状部211どうしの連結部分の骨格線Oは、当該一対の第1環状部211のうち前記連結部分に隣接する部分の骨格線Oのそれぞれと、連続していると、好適である(図14、図20、図29、図33参照)。
これにより、多孔質構造体のクッション材としての特性がより良好になる。
同様の観点から、本明細書で説明する各例においては、各図の例のように、互いに連結された一対の第1環状部211の骨格線Oどうしは、当該一対の第1環状部211どうしの連結部分において、一致していると、好適である。
また、同様の観点から、本明細書で説明する各例においては、各図の例のように、互いに隣互いに連結された一対の第1環状部211どうしの連結部分を構成する骨部2Bの断面積(例えば、骨一定部2B1の断面積)が、当該一対の第1環状部211のうち前記連結部分に隣接する部分を構成する骨部2Bの断面積(例えば、骨一定部2B1の断面積)のそれぞれと、同じであると、好適である。
なお、骨格部2において互いに連結された一対の第1環状部211どうしの連結部分の全てがこの構成を満たしていると好適であるが、骨格部2において互いに連結された一対の第1環状部211どうしの連結部分のうち一部の連結部分のみが、この構成を満たしていてもよく、その場合でも、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
図14~図23、図25~図26、図28~図31、図33の各例において、各第1仮想面V1は、膜によって覆われておらず、開放されており、すなわち、開口を構成している。このため、第1仮想面V1を通じて、セル孔Cどうしが連通され、セル孔C間の通気が、可能にされている。これにより、多孔質構造体1の通気性を向上できるとともに、外力の付加・解除に応じた多孔質構造体1の圧縮・復元変形がし易くなる。
各図の例において、第1セル区画部21を構成する複数(図の例では、14つ)の第1環状部211は、それぞれ、1つ又は複数(図例では、6つ)の第1小環状部211Sと、1つ又は複数(図の例では、8つ)の第1大環状部211Lと、を含んでいる。各第1小環状部211Sは、それぞれ、その環状の内周側縁部2111によって、平坦な第1小仮想面V1Sを区画している。各第1大環状部211Lは、それぞれ、その環状の内周側縁部2111によって、平坦かつ第1小仮想面V1Sよりも面積の大きな第1大仮想面V1Lを区画している。第1小仮想面V1S、第1大仮想面V1Lは、それぞれ、仮想閉平面である。
図14、図20、図22、図29~図31、図33等には、骨格部2のうち、第1セル区画部21を構成する部分の骨格線Oの一部を示している。これらの図面から判るように、各図の例において、第1大環状部211Lは、その骨格線Oが正6角形をなしており、それに伴い、第1大仮想面V1Lも、略正6角形をなしている。また、各図の例において、第1小環状部211Sは、その骨格線Oが正4角形(正方形)をなしており、それに伴い、第1小仮想面V1Sも、略正4角形をなしている。このように、各図の例において、第1小仮想面V1Sと第1大仮想面V1Lとは、面積だけでなく、形状も異なる。
各第1大環状部211Lは、それぞれ、複数(各図の例では、6つ)の骨部2Bと、これらの複数の骨部2Bの延在方向の端部2Beどうしを結合する複数(各図の例では、6つ)の結合部2Jと、から構成されている。各第1小環状部211Sは、それぞれ、複数(各図の例では、4つ)の骨部2Bと、これらの複数の骨部2Bの端部2Beどうしを結合する複数(各図の例では、4つ)の結合部2Jと、から構成されている。
そして、各図の例において、骨格部2を構成する複数の第1セル区画部21の骨格線Oは、それぞれ、ケルビン14面体(切頂8面体)をなしている。ケルビン14面体(切頂8面体)は、6つの正4角形の構成面と8つの正6角形の構成面とから構成される、多面体である。これに伴い、各第1セル区画部21によって区画される第1セル孔C1も、略ケルビン14面体をなしている。図14~図27、図33の各例では、各骨部2Bが、骨一定部2B1だけでなく、その両側に骨変化部2B2を有していることから、第1セル孔C1の形状は、数学的な(完全な)ケルビン14面体をなしているわけではない。骨格部2を構成する複数の第1セル区画部21の骨格線Oは、空間充填するように互いに連なっている。すなわち、複数の第1セル区画部21の骨格線Oどうしの間には、隙間がない。
このように、各図の例において、骨格部2を構成する複数の第1セル区画部21の骨格線Oは、それぞれ多面体(各図の例では、ケルビン14面体)をなしており、それに伴い、第1セル孔C1が略多面体(各図の例では、略ケルビン14面体)をなしているため、多孔質構造体1を構成するセル孔C間の隙間(間隔)をより小さくすることが可能になり、より多くのセル孔Cを多孔質構造体1の内部に形成することができる。また、これにより、外力の付加・解除に応じた多孔質構造体1の圧縮・復元変形の挙動が、クッション材として、特には着座用のクッション材として、より良好になる。なお、セル孔C間の隙間(間隔)とは、セル孔Cを区画する骨格部2の肉部分(骨部2Bや結合部2J)に相当する。
また、各図の例において、骨格部2を構成する複数の第1セル区画部21の骨格線Oは、空間充填するように互いに連なっているので、多孔質構造体1を構成する第1セル孔C1間の隙間(間隔)をより小さくすることが可能になる。よって、多孔質構造体のクッション材としての特性を向上できる。
第1セル区画部21の骨格線Oのなす多面体(ひいては、第1セル孔C1のなす略多面体)としては、各図の例に限らず、任意のものが可能である。
例えば、骨格部2を構成する複数の第1セル区画部21の骨格線Oのなす多面体(ひいては、第1セル孔C1のなす略多面体)は、空間充填できる(隙間無く配置できる)ようなものであると好適である。これにより、骨格部2を構成する複数の第1セル区画部21の骨格線Oを、空間充填するように互いに連ならせることができるので、多孔質構造体のクッション材としての特性を向上できる。この場合、骨格部2を構成する複数の第1セル区画部21の骨格線Oがなす多面体(ひいては、第1セル孔C1のなす略多面体)は、各図の例のように1種類の多面体のみを含んでいてもよいし、あるいは、複数種類の多面体を含んでいてもよい。ここで、多面体に関し、「種類」とは、形状(構成面の数や形状)を指しており、具体的には、形状(構成面の数や形状)が異なる2つの多面体については2種類の多面体として扱うが、形状は同じであり寸法のみが異なる2つの多面体については同じ種類の多面体として扱うことを意味する。骨格部2を構成する複数の第1セル区画部21の骨格線Oのなす多面体が、空間充填できるとともに1種類の多面体のみを含む場合の当該多面体の例としては、ケルビン14面体の他に、正3角柱、正6角柱、立方体、直方体、菱形12面体等が挙げられる。なお、各図の例のように、第1セル区画部21の骨格線Oの形状をケルビン14面体(切頂8面体)とした場合は、他の形状に比べて、化学反応によって発泡させる工程を経て製造された一般的なポリウレタンフォームと同等のクッション材の特性を、最も再現し易い。また、第1セル区画部21の骨格線Oの形状をケルビン14面体(切頂8面体)とした場合は、X-Y-Zそれぞれの方向に等しい機械特性を得ることができる。骨格部2を構成する複数の第1セル区画部21の骨格線Oのなす多面体が、空間充填できるとともに複数種類の多面体を含む場合の当該多面体の例としては、正4面体と正8面体との組み合わせ、正4面体と切頂4面体との組み合わせ、正8面体と切頂6面体との組み合わせ等が挙げられる。なお、これらは、2種類の多面体の組み合わせの例であるが、3種類以上の多面体の組み合わせも可能である。
また、骨格部2を構成する複数の第1セル区画部21の骨格線Oのなす多面体(ひいては、第1セル孔C1のなす略多面体)は、例えば、任意の正多面体(全ての面が合同な正多角形で、全ての頂点において接する面の数が等しい凸多面体)、半正多面体(全ての面が正多角形で、全ての頂点形状が合同(頂点に集まる正多角形の種類と順序が同じ)な凸多面体のうち、正多面体以外)、角柱、角錐等が可能である。
また、骨格部2を構成する複数の第1セル区画部21のうちの一部又は全部の第1セル区画部21の骨格線Oは、多面体以外の立体形状(例えば、球、楕円体、円柱等)をなしていてもよい。ひいては、骨格部2を構成する複数の第1セル孔C1のうちの一部又は全部の第1セル孔C1は、略多面体以外の略立体形状(例えば、略球、略楕円体、略円柱等)をなしていてもよい。
本明細書で説明する各例においては、各図の例のように、第1セル区画部21を構成する複数の第1環状部211が、大きさの異なる第1小環状部211Sと第1大環状部211Lとを含むと好適である。これにより、多孔質構造体1を構成する第1セル孔C1間の隙間(間隔)をより小さくすることが可能になり、多孔質構造体1のクッション材としての特性を向上できる。また、各図の例のように、第1小環状部211Sと第1大環状部211Lとの形状が異なる場合、多孔質構造体1を構成する第1セル孔C1間の隙間(間隔)をさらに小さくすることが可能になり、多孔質構造体1のクッション材としての特性を向上できる。
ただし、第1セル区画部21を構成する複数の第1環状部211は、それぞれ、大きさ及び/又は形状(種類)が互いに同じでもよい。第1セル区画部21を構成する各第1環状部211の大きさ及び形状が同じである場合も、X-Y-Zそれぞれの方向に等しい機械特性を得ることができる。
本明細書で説明する各例においては、各図の例のように、多孔質構造体1を構成する各第1環状部211のうち、一部又は全部(各図の例では全部)の第1環状部211の骨格線Oが、多角形状(各図の例では、正6角形及び正4角形)をなしていると、好適である。同様に、多孔質構造体1を構成する各第1仮想面V1のうち、一部又は全部(各図の例では全部)の第1仮想面V1が、略多角形状をなしていると、好適である。これにより、多孔質構造体1を構成する第1セル孔C1どうしの間隔をより小さくすることが可能になる。また、外力の付加・解除に応じた多孔質構造体1の圧縮・復元変形の挙動が、クッション材として、特には着座用のクッション材として、より良好になる。また、第1環状部211の形状(ひいては第1仮想面V1の形状)がシンプルになるので、製造性や特性の調整のし易さを向上できる。なお、多孔質構造体1を構成する各第1環状部211(ひいては第1仮想面V1)がこの構成を満たしていると好適であるが、多孔質構造体1を構成する各第1環状部211(ひいては第1仮想面V1)のうち、少なくとも1つの第1環状部211(ひいては第1仮想面V1)が、この構成を満たしている場合も、程度の差はあり得るものの、同様の効果が得られる。
なお、多孔質構造体1を構成する各第1環状部211(ひいては第1仮想面V1)のうち、少なくとも1つの第1環状部211の骨格線O(ひいては第1仮想面V1)が、本例のような正6角形、正4角形以外の任意の多角形状、あるいは、多角形状以外の平面形状(例えば、円(真円、楕円等))をなしてもよい。第1環状部211の骨格線O(ひいては第1仮想面V1)の形状が円(真円、楕円等)である場合は、第1環状部211の骨格線O(ひいては第1仮想面V1)の形状がシンプルになるので、製造性や特性の調整のし易さを向上できるとともに、より均質な機械特性が得られる。例えば、第1環状部211の骨格線O(ひいては第1仮想面V1)の形状が、荷重が掛かる方向に対して略垂直な方向に長い楕円(横長の楕円)である場合は、荷重が掛かる方向に略平行な方向に長い楕円(縦長の楕円)である場合に比べて、当該第1仮想面V1を区画する第1環状部211が、ひいては、多孔質構造体1が、荷重の入力に対して変形し易くなる(柔らかくなる)。
本明細書で説明する各例においては、各図の例のように、1つの第1セル区画部21の第1大環状部211Lの少なくとも1つ(各図の例では3つ)の骨部2Bは、それぞれ、当該第1セル区画部21に隣接する他の1つの第1セル区画部21の第1小環状部211Sによって共有されていると、好適である。これにより、多孔質構造体1のクッション材としての特性を向上できる。
本明細書で説明する各例においては、各図の例のように、第1セル孔C1は、第1セル区画部21を構成する複数の第1環状部211と、これら複数の第1環状部211がそれぞれ区画する複数の第1仮想面V1とによって、区画されており、第1セル区画部21を構成する複数の第1環状部211は、それぞれの内周側縁部2111によって区画する第1仮想面V1どうしが交差しないように互いに連結されていると、好適である。これにより、多孔質構造体1のクッション材としての特性を向上できる。
図14~図23、図25~図27に示す各例において、骨格部2は、第2セル孔C2を内部に区画する第2セル区画部22を複数(第2セル孔C2の数だけ)有している。
図14、図15、図18~図23(特に図19)に示すように、各第2セル区画部22は、それぞれ、複数(これらの図の例では、2つ)の第2環状部222を有している。各第2環状部222は、それぞれ、環状に構成されている。第2セル区画部22の複数の第2環状部222は、それぞれ、それぞれの環状の内周側縁部2221によって、平坦な第2仮想面V2を区画している。第2仮想面V2は、その外縁が第2環状部222の内周側縁部2221によって区画された、仮想閉平面である。第2セル区画部22を構成する各第2環状部222は、それぞれの内周側縁部2221によって区画する第2仮想面V2どうしが交差(本例では、直交)するように互いに連結されている。
第2セル孔C2は、第2セル区画部22を構成する各第2環状部のそれぞれの内周側縁部2221と、これらの内周側縁部2221どうしを連結する仮想面とによって、区画されている。
このような構成により、外力の付加・解除に応じた多孔質構造体1の圧縮・復元変形の挙動が、クッション材として、特には着座用のクッション材(シートパッド等)として、より良好になる。すなわち、多孔質構造体1のクッション材としての特性を向上できる。
図19には、単位部Uのうち、第2セル区画部22を構成する部分の骨格線Oを示している。図19から判るように、 図14~図23、図25~図27の各例において、第2セル区画部22を構成する各第2環状部222は、それぞれ、その骨格線Oが正4角形をなしており、それに伴い、第2仮想面V2も、略正4角形をなしている。
そして、図14~図23、図25~図27の各例において、骨格部2を構成する複数の第2セル区画部22の骨格線Oは、それぞれ、正8面体をなしている。正8面体は、8つの正3角形の構成面から構成される、多面体である。ただし、これらの例において、第2セル区画部22の骨格線Oは、当該骨格線Oのなす多面体(正8面体)の各辺のうち一部の辺のみを構成している。これに伴い、各第2セル区画部22によって区画される第2セル孔C2も、略正8面体をなしている。図14~図23、図25~図27の各例では、各骨部2Bが、骨一定部2B1だけでなく、その両側に骨変化部2B2を有していることから、第1セル孔C1の形状は、数学的な(完全な)正8体をなしているわけではない。
図14~図23、図25~図27の各例においては、図17や図23に示すように、第2セル孔C2は、その一部分が、当該第2セル孔C2に隣接する(すなわち、当該第2セル孔C2を間に挟んだ)一対の第1セル孔C1の内部に入っており、すなわち、これら一対の第1セル孔C1と第2セル孔C2とが、一部分で重複している。これにより、仮に第1セル孔C1と第2セル孔C2とが、互いに重複していない場合に比べて、多孔質構造体1を構成するセル孔Cの総数を増やすことができ、ひいては、多孔質構造体1のクッション材としての特性を向上できる。ただし、第1セル孔C1と第2セル孔C2とは、互いに重複しないように配置されていてもよい。
図14~図23、図25~図27の各例のように、多孔質構造体1が第2セル区画部22を有する場合、各第2環状部222は、それぞれ、複数(これらの図の例では、4つ)の骨部2Bと、これらの複数の骨部2Bの端部2Beどうしを結合する複数(これらの図の例では、4つ)の結合部2Jと、から構成されている(図19参照)と、好適である。このような構成により、多孔質構造体1のクッション材としての特性を向上できる。
図14~図23、図25~図27の各例のように、多孔質構造体1が第2セル区画部22を有する場合、第2セル区画部22を構成する各第2環状部222どうしの連結部分は、各第2環状部222に共有される、2つの結合部2Jで構成されていると、好適である。このような構成により、多孔質構造体1のクッション材としての特性を向上できる。
また、これらの図の例において、第2セル区画部22を構成する各第2仮想面V2の形状及び面積は、互いに同じである。
図14~図23、図25~図27の各例のように、多孔質構造体1が第2セル区画部22を有する場合、第2セル孔C2の直径は第1セル孔C1の直径よりも小さいと、好適である。これにより、化学反応によって発泡させる工程を経て製造された一般的なポリウレタンフォームと同等のクッション材の特性を、再現し易くなる。
ただし、第2セル孔C2の直径は第1セル孔C1の直径以上であってもよい。
図14~図23、図25~図27の各例のように、多孔質構造体1が第2セル区画部22を有する場合、第2セル区画部22の骨格線Oのなす多面体(ひいては、第2セル孔C2のなす略多面体)としては、各図の例に限らず、任意のものが可能である。
例えば、骨格部2を構成する複数の第2セル区画部22の骨格線Oのなす多面体は、それぞれ、骨格部2を構成する複数の第1セル区画部21の骨格線Oのなす多面体とは異なる種類のものであると、好適である。例えば、各図の例のように、骨格部2を構成する複数の第1セル区画部21の骨格線Oがそれぞれケルビン14面体をなす場合、骨格部2を構成する複数の第2セル区画部22の骨格線Oは、それぞれ、ケルビン14面体以外の多面体(図14~図23、図25~図27の各例では、正8面体)をなしていると、好適である。
骨格部2を構成する複数の第2セル区画部22の骨格線Oのなす多面体(ひいては、第2セル孔C2のなす略多面体)は、例えば、任意の正多面体(全ての面が合同な正多角形で、全ての頂点において接する面の数が等しい凸多面体)、半正多面体(全ての面が正多角形で、全ての頂点形状が合同(頂点に集まる正多角形の種類と順序が同じ)な凸多面体のうち、正多面体以外)、角柱、角錐等が可能である。
また、骨格部2を構成する複数の第2セル区画部22のうちの一部又は全部の第2セル区画部22の骨格線Oは、多面体以外の立体形状(例えば、球、楕円体、円柱等)をなしていてもよい。ひいては、骨格部2を構成する複数の第2セル孔C2のうちの一部又は全部の第2セル孔C2は、略多面体以外の略立体形状(例えば、略球、略楕円体、略円柱等)をなしていてもよい。
なお、図14~図23、図25~図27の各例のように、多孔質構造体1が第2セル区画部22を有する場合、第2セル区画部22を構成する各第2環状部222の骨格線Oの形状(ひいては、各第2仮想面V2の形状)は、本例に限らず、正4角形以外の任意の多角形状、あるいは、多角形状以外の平面形状(例えば、円(真円、楕円等))をなしてよい。第2環状部222の骨格線O(ひいては、第2仮想面V2)の形状が略多角形状あるいは円(真円、楕円等)である場合は、第2環状部222の骨格線O(ひいては、第2仮想面V2)の形状がシンプルになるので、製造性や特性の調整のし易さを向上できる。例えば、第2環状部222の骨格線O(ひいては、第2仮想面V2)の形状が、荷重が掛かる方向に対して略垂直な方向に長い楕円(横長の楕円)である場合は、荷重が掛かる方向に略平行な方向に長い楕円(縦長の楕円)である場合に比べて、当該第2仮想面V2を区画する第2環状部222が、ひいては、多孔質構造体1が、荷重の入力に対して変形し易くなる(柔らかくなる)。
図14~図23、図25~図27の各例において、第2セル区画部22を構成する2つの第2環状部222のうちの1つは、第1環状部211(より具体的には、第1小環状部211S)をも構成している。ただし、これらの例において、第1セル区画部21を構成する複数の第1小環状部211Sのうち一部の第1小環状部211Sのみが、第2環状部222をも構成している。
図14~図23、図25~図27の各例において、各第2仮想面V2は、膜によって覆われておらず、開放されており、すなわち、開口を構成している。このため、第2仮想面V2を通じて、セル孔Cどうし(特に、第1セル孔C1及び第2セル孔C2どうし)が連通され、セル孔C間の通気が、可能にされている。これにより、多孔質構造体1の通気性を向上できるとともに、外力の付加・解除に応じた多孔質構造体1の圧縮・復元変形がし易くなる。
図14~図23、図25~図27の各例のように、多孔質構造体1が第2セル区画部22を有する場合、第2セル区画部22を構成する各第2環状部222は、それぞれの内周側縁部2221によって区画する第2仮想面V2どうしが交差(本例では、直交)するように互いに連結されており、第2セル孔C2は、第2セル区画部22を構成する各第2環状部のそれぞれの内周側縁部2221と、これらの内周側縁部2221どうしを滑らかに連結する仮想面とによって、区画されていると、好適である。これにより、多孔質構造体のクッション材としての特性を向上できる。
なお、図14~図23、図25~図27の各例において、1つの第1セル孔C1は、X、Y、Zの各方向にそれぞれ2個ずつ配列された、計8個の単位部U(図18、図20~図23)から、構成されている。また、1個の単位部Uは、複数の第1セル孔C1のそれぞれの一部分を構成している。一方、第2セル孔C2は、1つの単位部Uにつき2個ずつ配置されている。
ただし、これらの例に限らず、多孔質構造体1の各セル孔Cは、それぞれ、任意の数の単位部Uから構成されてもよいし、また、各単位部Uは、それぞれ、任意の数のセル孔Cを構成してもよい。
ただし、図28~図33に示す各例のように、多孔質構造体1は、第2セル区画部22を有さずに、第1セル区画部21のみを有していてもよい。
なお、図28~図31の例は、多孔質構造体1が、第2セル区画部22を有さずに第1セル区画部21のみを有しており、多孔質構造体1の各骨部2Bが骨変化部2B2を有さずに骨一定部2B1のみを有しており、各骨部2Bの延在方向に対し垂直な断面の形状が円形をなす点で、図14~図23の例とは異なる。また、図33の例は、多孔質構造体1が、第2セル区画部22を有さずに第1セル区画部21のみを有している点で、図14~図23の例とは異なる。
本明細書で説明する各例において、多孔質構造体1は、直径が5mm以上のセル孔Cを少なくとも1つ(好適には複数)有すると、好適である。これにより、3Dプリンタを用いた多孔質構造体1の製造が実現し易くなる。多孔質構造体1の各セル孔Cの直径が5mm未満であると、多孔質構造体1の構造が複雑になりすぎる結果、多孔質構造体1の3次元形状を表す3次元形状データ(CADデータ等)、あるいは、その3次元形状データに基づき生成される3D造形用データを、コンピュータ上で生成するのが難しくなるおそれがある。
なお、従来のクッション性を有する多孔質構造体は、上述のように、化学反応によって発泡させる工程を経て製造されていたため、直径が5mm以上のセル孔Cを形成することはできなかった。しかし、多孔質構造体が直径5mm以上のセル孔Cを有する場合でも、クッション材としての特性として従来と同等のものが得られる。そして、多孔質構造体が直径5mm以上のセル孔Cを有するようにすることにより、3Dプリンタによる製造がし易くなるのである。
また、多孔質構造体1が直径5mm以上のセル孔Cを有することにより、多孔質構造体1の通気性や変形し易さを向上しやすくなる。
セル孔Cの直径が大きくなるほど、3Dプリンタを用いた多孔質構造体1の製造が実現し易くなり、また、通気性や変形し易さを向上しやすくなる。このような観点から、多孔質構造体1は、少なくとも1つ(好適には複数)のセル孔Cの直径が、より好適には8mm以上、さらに好適には10mm以上であるとよい。
一方、多孔質構造体1のセル孔Cが大きすぎると、多孔質構造体1の外縁(外輪郭)形状をきれいに(滑らかに)形成するのが難しくなり、例えば多孔質構造体1をシートパッドに適用する場合等に、形状精度が低下し外観が悪化するおそれがある。また、クッション材としての特性も、十分に良好でなくなるおそれがある。よって、外観やクッション材としての特性を向上させる観点から、多孔質構造体1の各セル孔Cの直径は、好適には30mm未満、より好適には25mm以下、さらに好適には20mm以下であるとよい。
なお、多孔質構造体1は、上記の数値範囲を満たすセル孔Cを多く有するほど、上記の各効果が得られやすくなる。この観点からは、多孔質構造体1を構成する複数のセル孔Cのうち、少なくとも各第1セル孔C1の直径が、上記の少なくともいずれか1つの数値範囲を満たすと、好適である。また、多孔質構造体1を構成する各セル孔Cの直径が、上記の少なくともいずれか1つの数値範囲を満たすと、より好適である。
なお、セル孔Cの直径は、各図の例のようにセル孔Cが厳密な球形状とは異なる形状をなす場合、セル孔Cの外接球の直径を指す。
また、多孔質構造体1のセル孔Cが小さすぎると、3Dプリンタを用いた多孔質構造体1の製造(造形)がしにくくなる。3Dプリンタを用いた多孔質構造体1の製造を容易にする観点から、多孔質構造体1を構成する各セル孔Cのうち、最小の直径を有するセル孔C(図14~図23、図25~図27の各例では、第2セル孔C2)の直径が、0.05mm以上であると好適であり、0.10mm以上であるとより好適である。最小の直径を有するセル孔C(図14~図23、図25~図27の各例では、第2セル孔C2)の直径が、0.05mm以上の場合、高性能な3Dプリンタの解像度で造形可能であり、0.10mm以上の場合、高性能な3Dプリンタだけでなく汎用の3Dプリンタの解像度でも造形可能である。
図27に示す第3変形例や、図32に示す第5変形例のように、多孔質構造体1は、多孔質構造体1を構成する各第1仮想面V1のうちの少なくとも1つが、膜3で覆われていてもよい。膜3は、骨格部2と同じ材料からなり、骨格部2と一体に構成される。膜3によって、第1仮想面V1を間に挟んだ2つの第1セル孔C1どうしが非連通状態になり、ひいては、多孔質構造体1の全体としての通気性が低下する。多孔質構造体1を構成する各第1仮想面V1のうち、膜3で覆われたものの数を調整することにより、多孔質構造体1の全体としての通気性を調整でき、要求に応じて様々な通気性レベルを実現可能である。例えば、多孔質構造体1が車両用シートパッドに利用される場合、多孔質構造体1の通気性を調整することにより、車内のエアコンの効きを高めたり、耐ムレ性を高めたり、乗り心地を高めることができる。多孔質構造体1が車両用シートパッドに利用される場合、車内のエアコンの効き及び耐ムレ性を高めるとともに、乗り心地を高める観点からは、多孔質構造体1を構成する各第1仮想面V1の全てが膜3で覆われているのは好ましくなく、言い換えれば、多孔質構造体1を構成する各第1仮想面V1のうち少なくとも1つ(好適には複数)が膜3で覆われておらず開放されていることが好ましい。
多孔質構造体1が車両用シートパッドに利用される場合、車内のエアコンの効き及び耐ムレ性を高めたり、乗り心地を高める観点からは、多孔質構造体1の通気性は、100~700cc/cm/secが好適であり、150~650cc/cm/secがより好適であり、200~600cc/cm/secがさらに好適である。ここで、多孔質構造体1の通気性(cc/cm/sec)は、JIS K 6400-7に準拠して測定されるものとする。また、多孔質構造体1が車両用シートパッドに利用される場合、多孔質構造体1の共振倍率は、3倍以上8倍未満が好適であり、3倍以上5倍以下がより好適である。
なお、従来の多孔質構造体は、上述のように、化学反応によって発泡させる工程を経て製造されていたため、各セルどうしを連通する連通孔における膜を、所期したとおりの位置及び個数で形成することは難しかった。図27、図32の各例のように、多孔質構造体1を3Dプリンタで製造する場合は、3Dプリンタに読み込まれる3D造形用データに、予め膜3の情報も含めることで、確実に、所期したとおりの位置及び個数で膜3を形成することが可能である。
同様の観点から、多孔質構造体1を構成する各第1小仮想面V1Sのうちの少なくとも1つが、膜3で覆われていてもよい。かつ/又は、多孔質構造体1を構成する各第1大仮想面V1Lのうちの少なくとも1つが、膜3で覆われていてもよい。また、膜3は、第2セル区画部22を構成する複数の第2環状部222どうしを連結して第2セル孔C2の一部を覆うように設けられていてもよい。
本発明のクッション材及びクッション具、並びに、本発明のクッション材の製造方法を用いて製造されるクッション材は、任意のクッション具に好適に使用できるものであり、例えば、座席シート(例えば、車両用シート、電車用シート、又は、ソファー等)、寝具(例えば、ベッド等)に、好適に使用できる。
300:クッション具(車両用シート)、 301:クッション材、 301C:シートクッション用クッション材、 301B:シートバック用クッション材、 310:クッションパッド(シートパッド)、 311:メインパッド部、 312:サイドパッド部、 313:バックパッド対向部、 320:バックパッド(シートパッド)、 321:メインパッド部、 322:サイドパッド部、 340:ヘッドレスト、 350:フレーム、
TD:クッション材の厚さ方向、 LD:クッション材の延在方向、 ID:クッション材の所定荷重入力方向、
1:多孔質構造体、 2:骨格部、 2B:骨部、 2Be:骨部の端部、 2B1:骨一定部、 2B2:骨変化部、 2B21:骨変化部の結合部側の端、 2B22:骨変化部の骨一定部側の端、 2B23:骨変化部の傾斜面、 2J:結合部、 3:膜、 11:多孔質構造体の第1部分、 12:多孔質構造体の第2部分、 13:多孔質構造体の第3部分、 21:第1セル区画部、 22:第2セル区画部、 211:第1環状部、 211L:第1大環状部、 211S:第1小環状部、 2111:第1環状部の内周側縁部、 222:第2環状部、 2221:第2環状部の内周側縁部、
C:セル孔、 C1:第1セル孔、 C2:第2セル孔、 O:骨格線、 U:多孔質構造体の単位部、 V1:第1仮想面、 V1L:第1大仮想面、 V1S:第1小仮想面、 V2:第2仮想面、
FS:荷重受け面(表面)、 BS:裏面、
6:伸縮層、 61:ばね部、 611:波状ばね部、 612:布状ばね部、 612a、612b:ストリング、 62:連結部、
P:ユーザ、
400:3Dプリンタ、 410:制御部、 420:造形部、 421:メイン材ノズル、 422:サポート材ノズル、 423:レーザ照射器、 430:支持台、 440:収容体、 MM:メイン材、 SM:サポート材、 LL:紫外線レーザ光、 LR:液体樹脂、 500:3D造形用データ、 SL:サポート層

Claims (18)

  1. 可撓性のある樹脂又はゴムから構成された、多孔質構造体と、
    伸縮層と、
    を備えた、クッション材であって、
    前記伸縮層は、
    前記多孔質構造体に対し非固着状態にあり、伸縮可能に構成された、ばね部と、
    前記ばね部と前記多孔質構造体とを連結する、連結部と、
    を有しており、
    前記多孔質構造体は、
    前記多孔質構造体の荷重受け面を形成するとともに内部に複数のセル孔を区画する、第1多孔質構造体部分と、
    前記多孔質構造体の裏面を形成するとともに内部に複数のセル孔を区画する、第2多孔質構造体部分と、
    を含み、
    前記伸縮層は、前記多孔質構造体の前記第1多孔質構造体部分及び前記第2多孔質構造体部分どうしの間に配置されている、クッション材。
  2. 前記クッション材の平面視において、前記伸縮層の前記連結部は、前記伸縮層の外周端部に配置されている、請求項1に記載のクッション材。
  3. 前記伸縮層の前記ばね部は、前記クッション材の所定荷重入力方向の荷重の入力によって伸び変形が可能なように構成されている、請求項1又は2に記載のクッション材。
  4. 前記伸縮層の前記ばね部は、前記クッション材の所定荷重入力方向に対し交差する方向に延在する仮想面に沿って延在している、請求項1~3のいずれか一項に記載のクッション材。
  5. 前記伸縮層の前記ばね部は、波状に延在する波状ばね部である、請求項1~4のいずれか一項に記載のクッション材。
  6. 前記伸縮層の前記ばね部は、織込構造又は編込構造からなる布状ばね部である、請求項1~4のいずれか一項に記載のクッション材。
  7. 前記伸縮層の前記ばね部の厚さは、前記所定荷重入力方向における前記多孔質構造体の厚さよりも、小さい、請求項3又は4に記載のクッション材。
  8. 前記多孔質構造体は、その全体にわたって、骨格部を備えており、
    前記骨格部は、
    複数の骨部と、
    それぞれ前記複数の骨部の端部どうしを結合する、複数の結合部と、
    から構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のクッション材。
  9. 前記骨格部は、前記セル孔である第1セル孔を内部に区画する第1セル区画部を複数有しており、
    前記複数の第1セル区画部は、それぞれ、それぞれ環状に構成された複数の第1環状部を有しており、
    前記第1環状部は、当該第1環状部に隣接する一対の前記第1セル区画部によって共有されている、請求項8に記載のクッション材。
  10. 前記伸縮層は、前記多孔質構造体を構成する材料と同じ材料で構成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のクッション材。
  11. 前記クッション材は、車両用シートに用いられるように構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のクッション材。
  12. 前記クッション材のうち少なくとも前記多孔質構造体は、3Dプリンタによって造形されたものである、請求項1~11のいずれか一項に記載のクッション材。
  13. 前記クッション材の全体が、3Dプリンタによって造形されたものである、請求項12に記載のクッション材。
  14. 請求項1~13のいずれか一項に記載のクッション材と、
    前記クッション材の裏側に配置され、前記クッション材を支持するように構成された、フレームと、
    を備えた、クッション具。
  15. 請求項1~11のいずれか一項に記載のクッション材を製造するための、クッション材の製造方法であって、
    3Dプリンタを用いて、前記クッション材のうち少なくとも前記多孔質構造体を造形する、造形ステップを含む、クッション材の製造方法。
  16. 前記造形ステップでは、3Dプリンタを用いて、前記クッション材の全体を造形する、請求項15に記載のクッション材の製造方法。
  17. 前記造形ステップでは、予め準備された前記伸縮層の上に、3Dプリンタを用いて、前記多孔質構造体を造形する、請求項15に記載のクッション材の製造方法。
  18. 前記造形ステップでは、前記多孔質構造体と前記伸縮層の前記ばね部との間に、サポート層を配置し、
    前記製造方法は、前記造形ステップの後に、前記サポート層を除去する、除去ステップを、さらに含む、請求項15~17のいずれか一項に記載のクッション材の製造方法。
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