JP2020172200A - 車両検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の電子制御装置が搭載されている車両に関して、従来のダイアグ通信による問題点を回避できるとともに、複数の電子制御装置から得られるデータの取得タイミングをできる限り揃えることができる技術を提供すること。【解決手段】車両検査装置5では、主ECU11は、車両3外の検査ツール7から、複数の副ECU13から得られる各データA、Bの送信の要求があった場合には、各データA、Bを含む各定期送信A、Bを複数の副UCU13から受信する。そして、各定期送信A、Bの受信時刻の差を求め、受信時刻の差が所定値以下の各定期送信A、Bに含まれる各データを収集して検査ツール7に送信する。つまり、受信時刻の差が、送信周期が短い定期送信Aの送信周期以下の範囲における各定期送信A、Bを選択し、各定期送信A、Bに含まれる各データA、Bを収集する。【選択図】図7

Description

本開示は、複数の電子制御装置を備えた車両の検査を行うことができる車両検査装置に関する。
従来、車両では、電子制御化の進歩に伴い、エンジンやブレーキ等といった各種の車両構成品が電子部品を介して制御されており、これら電子部品に接続された電子制御装置の数も増加傾向にある。そして、このような電子部品に故障が生じた場合に迅速に対応するために、それぞれの電子制御装置によって、自己の接続先である電子部品の故障有無を診断するための自己故障診断を実行し、その診断結果を保持する構成が知られている。
このような構成の一態様として、全ての自己故障診断結果を、一箇所の電子制御装置に集約する技術が知られている。具体的には、ユーザからの要求、つまり、車両の外部に設けられた車両解析ツール(即ち、検査ツール)からの要求によって、各電子制御装置の診断結果を効率的に出力することを図る車両用故障診断装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この検査ツールは、自己故障診断結果(例えば、故障コード)に基づいて車両の状態を解析する際に、電子部品などにおける故障箇所を特定することで、車両のメンテナンスに係る効率化を図るツールである。
また、上述した検査ツールには、データモニタ機能やドライブレコーダ機能を有しているものがある。データモニタ機能は、車載の複数の電子制御装置から、一定時間毎にセンサやアクチュエータ等のデータを取得し、検査ツールの画面上にリアルタイムでデータを表示する機能である。ドライブレコーダ機能は、取得したデータの記録を行う機能である。
特開2013−28238号公報
ところで、上述したデータモニタ機能やドライブレコーダ機能で、車両の挙動状態を正確に把握するためには、車両にある挙動を生じさせるためのトリガとなるデータと、その挙動によって生じる結果を示すデータとは、可能な限り同一時刻に取得する必要がある。
なお、このトリガとなるデータ(以下、入力データ)と結果を示すデータ(以下、出力データ)とは、共に電子制御装置から得られるデータ、即ち電子制御装置から出力されるデータである。
しかしながら、車両には、各種のセンサやアクチュエータに接続された複数の電子制御装置が搭載されているので、入力データの取得タイミング(即ち、取得時刻)と出力データの取得タイミングとが大きくずれることがあった。
詳しくは、従来、入力データや出力データを得る場合に、複数の電子制御装置から所定の順番にて順次データを取得するので、その場合には、最初に取得した入力データのタイミングと最後に取得した出力データのタイミングとが大きくずれることがあった。
例えば、5個の電子制御装置がある場合に、各電子制御装置からデータを取得するためにそれぞれ100msかかるときには、入力データを最初の電子制御装置から取得し、出力データを最後の電子制御装置から取得すると、入力データの取得から出力データの取得までに400msのずれがある。そのため、得られた出力データが入力データに対する応答値として好ましくないことがある。
つまり、入力データの取得タイミングと出力データの取得タイミングが大きくずれる場合には、入力に対する出力の精度が低下し、車両の挙動状態を正確に把握することが難しいことがあった。
ところで、上述した問題の対策として、同一時刻に複数の電子制御装置に対して、機能アドレスを利用したダイアグ通信を行うことが考えられる。なお、ダイアグ通信とは、例えばISO規格にて、車載の電子部品等の故障診断に関するデータ(例えば故障診断の結果)を送受信する際に規定されている通信であり、ダイアグとは、周知のダイアグノーシス(即ち、Diagnostics)の略である。
この機能アドレスを使うと、全ての電子制御装置に対して同時刻にデータを要求できるが、機能アドレスだけでは、各電子制御装置から個別のデータを取得することはできない。
これは、検査ツールが電子制御装置からデータを読み出す際は、読み出し対象のデータを、DID(即ち、Data Identifier)と呼ばれるIDで指定する必要があるが、機能アドレスでは全電子制御装置が同一のメッセージ(即ち、DID)を受信するため、電子制御装置毎に個別のデータ(即ち、異なるDIDのデータ)を指定できないためである。
この問題の対策として、DIDを動的に定義するダイアグ通信(即ち、SIDOx2C)を使い、各電子制御装置から読み出したいデータを同一DIDで定義する方法が考えられる。
しかし、この解決策においては、データの取得対象の全ECUがSIDOx2Cに対応している必要があり、必ずしも十分ではない。
また、上述した入力データと出力データとのタイミングの問題とは別に、例えば、出力データが複数ある場合に、複数の出力データを取得するタイミングを揃えることが望ましいことがある。
例えばあるトリガ(例えばアクセル開度の変化)が付与された場合に、それに対する例えばエンジン回転数の変化と吸入空気量の変化とのような複数の出力データの関連性を把握したいときには、その複数の出力データの取得するタイミングを揃えたいことがある。
本開示の一つの局面は、複数の電子制御装置が搭載されている車両に関して、従来のダイアグ通信による問題点を回避できるとともに、複数の電子制御装置から得られるデータの取得タイミングをできる限り揃えることができる技術を提供することにある。
<1>本開示の一態様は、車両(3)に搭載される複数の電子制御装置(9)を備えた車両検査装置(5)に関するものである。この車両検査装置の複数の電子制御装置は、センサ(51)及び/又はアクチュエータ(53)が接続された複数の副電子制御装置(13)と、複数の副電子制御装置から各データを受信するように構成された主電子制御装置(11)と、を備えている。
複数の副電子制御装置のそれぞれは、主電子制御装置に対して、センサ及び/又はアクチュエータの動作を示す各データを、定期通信によって周期的に送信する構成を有している。
主電子制御装置は、データ受信部(41、S100)とデータ収集部(43、S110〜S150)とデータ送信部(43、S160)とを有している。
データ受信部は、車両検査装置外の検査ツールから、複数の副電子制御装置から出力される各データの送信の要求があった場合には、各データを含む各定期通信を複数の副電子制御装置から受信する。
データ収集部は、データ受信部にて受信された各定期通信の受信時刻の差を求め、受信時刻の差が所定値以下の各定期通信に含まれる各データを収集する。
データ送信部は、データ収集部にて収集された各データを、検査ツールに送信する。
本開示の一態様では、このような構成によって、下記の効果を奏する。
(1)検査ツールからの要求に基づいて、検査ツールに送信する各データの取得タイミング(即ち、取得時刻)のずれを、従来の各電子制御装置から順次取得する方法に比べて、小さくすることができる。
これによって、データの取得時刻の同期性が向上するので、車両挙動をより正確にモニタできるという顕著な効果を奏する。
(2)検査ツールのデータの取得先が、主電子制御装置のみとなるので、データの取得に必要な通信回数が、従来の各電子制御装置から順次取得する方法に比べて少なくなり、車内の各電子制御装置を繋ぐネットワークの通信負荷を低減できる。
つまり、検査ツールは、主電子制御装置に対してデータの要求をするだけで、各副電子制御装置から必要なデータが得られるので、従来に比べて通信負荷が低減するという利点がある。
(3)本開示を実現するためにロジックの追加等が必要な電子制御装置は、主電子制御装置のみとすることができるため、副電子制御装置は従来の構成を採用できる。そのため、車両検査装置を容易に実現することが可能である。
(4)主電子制御装置と副電子制御装置との通信方法として、ダイアグ通信より優先度の高い通信(例えば、制御データの通信)を採用できる。つまり、主電子制御装置は、副電子制御装置からの優先度の高い通信をモニタすることにより、副電子制御装置からのデータを取得できる。
このような場合には、通信バスが高負荷の状況でも、安定してデータを取得して検査ツールに送信することができる。例えば、副電子制御装置から主電子制御装置に送信されるデータに、欠け等が生じ難いという利点がある。
このように、本開示の一態様によれば、従来のダイアグ通信による問題点を回避できるとともに、複数の電子制御装置から得られるデータの取得タイミングをできる限り揃えることができるという顕著な効果を奏する。
また、本開示の一態様は、例えば、1つの副電子制御装置から得られるデータ(例えば、1つのトリガを示すデータ:入力値)を、他の複数の副電子制御装置が参照して出力制御するシステムや、複数の副電子制御装置から得られるデータを1つの副電子制御装置が参照して出力制御するシステムや、複数の副電子制御装置から得られるデータを複数の副電子制御装置が参照して出力制御するシステムに適用できる。
つまり、これらのシステムでは、入力値と出力値(例えば、結果を示すデータ)とをできる限り同じタイミングで取得することが望ましいが、本開示の一態様では、入力値や出力値が複数の場合でも、好適に対応できる。
<2>本開示の他の一態様は、車両に搭載される複数の電子制御装置を備えた車両検査装置に関するものである。この車両検査装置の複数の電子制御装置は、センサ及び/又はアクチュエータが接続された複数の副電子制御装置と、複数の副電子制御装置から各データを受信するように構成された主電子制御装置と、を備えている。
複数の副電子制御装置のそれぞれは、主電子制御装置に対して、センサ及び/又はアクチュエータの動作を示す各データを、定期通信によって周期的に送信する構成を有している。
主電子制御装置は、データ受信部とデータ収集部(43、S280)とデータ送信部とを有している。
データ受信部は、車両検査装置外の検査ツールから、複数の副電子制御装置から出力される各データの送信の要求があった場合には、各データを含む各定期通信を複数の副電子制御装置から受信する。
データ収集部は、データ受信部にて受信された各定期通信のうち、一対の定期通信の受信時刻の差を求め、受信時刻の差が最小となる一対の各定期通信に含まれる各データを収集する。
データ送信部は、データ収集部にて収集された各データを、検査ツールに送信する。
本開示の他の一態様では、このような構成によって、前記一態様と同様な効果を奏する。
なお、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
第1実施形態の車両検査システムを示すブロック図。 第1実施形態の主電子制御装置の構成を示すブロック図。 第1実施形態の主電子制御装置の車両側マイコンの構成を示すブロック図。 第1実施形態の検査ツール及びディスプレイの表示の一例を示す説明図。 第1実施形態の検査ツール及びディスプレイの表示の他の例を示す説明図。 第1実施形態の検査ツールと各電子制御装置との間の通信の手順を示すシーケンス図。 第1実施形態の主電子制御装置の処理を示すフローチャート。 第2実施形態の検査ツールと各電子制御装置との間の通信の手順を示すシーケンス図。 第2実施形態の主電子制御装置の処理を示すフローチャート。 第2実施形態の主電子制御装置の処理のうち受信時刻差の計算処理を示すフローチャート。
以下に、本開示の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.全体構成]
まず、本第1実施形態の車両検査装置を備えた全体のシステム(即ち、車両検査システム)について説明する。
図1に示すように、本第1実施形態における車両検査システム1は、車両3に車載された車両検査装置5と、車両検査装置5に電気的に接続される検査ツール7と、を備えている。
車両検査装置5は、複数の電子制御装置(以下、ECU)9を備えており、この複数のECU9は、1台の主ECU11と、主ECU11以外の複数の副ECU13とを備えている。主ECU11は、いわゆるゲートウェイECU(即ち、G/W ECU)である。なお、主ECU11と副ECU13との共通の構成を説明する際には、単にECU9と記載することがある。
主ECU11は、自身と各副ECU13との間のデータの送受信を統括するように構成されている。つまり、主ECU11は、各副ECU13に対してデータの送信が可能であるとともに、各副ECU13から送信されたデータの受信が可能なように構成されている。
また、検査ツール7と主ECU11とは、通信ケーブル14を介して接続されており、検査ツール7と主ECU11とは、通信ケーブル14を介して、データの送受信が可能となっている。
[1−2.車両検査装置]
次に、車両検査装置5について、さらに詳しく説明する。
図1に示すように、車両検査装置5は、主ECU11と、複数の副ECU13と、各ECU11、13間を接続する複数の通信線(即ち、通信バス)15と、を有する。
なお、複数の副ECU13として、ここでは、第1ECU17、第2ECU19、第3ECU21、第4ECU23を例に挙げるが、特に数に限定はない。また、複数の通信線15として、第1通信線15a、第2通信線15bを例に挙げるが、特に数に限定はない。
主ECU11は、第1通信線15aを介して、第1ECU17及び第3ECU21に接続されるとともに、第2通信線15bを介して、第2ECU19及び第4ECU23に接続されている。
従って、第1ECU17及び第3ECU21から出力されるデータ、例えば、第1ECU17から出力されるデータAは、第1通信線15aを介して、主ECU11などに送信することができる。同様に、第2ECU19及び第4ECU23から出力されるデータ(例えば、データB、データC)は、第2通信線15bを介して、主ECU11などに送信することができる。
なお、各ECU9は、各通信線15a、15bを介して、CAN(登録商標)といった通信プロトコルに従って互いに通信可能である。CANは、Controller Area Networkの略である。
各ECU9は、車両3を制御する機能や、オンボードダイアグノーシス(即ち、OBD)の機能(以下、OBD機能)を有する。OBD機能とは、周知のように、車両3の走行中等に、車載の各種のセンサやアクチュエータなどに何らかの異常が発生したことを検出する故障診断(即ち、自己故障診断)の機能である。
<主ECU>
図2に示すように、主ECU11は、マイクロコンピュータ(以下、車両側マイコン)25と、外部通信部27とを備えている。
車両側マイコン25は、CPU29、ROM31、RAM33、フラッシュメモリ35、I/O37等を備えた周知のマイクロコンピュータである。外部通信部27は、検査ツール7との通信を行う回路である。
車両側マイコン25は、CPU29がプログラムを実行することで、例えば、車両制御に関する処理、OBD機能に関する処理、副ECU13との通信に関する処理、後述する各種の処理などを行う。
車両側マイコン25は、CPU29がプログラムを実行することで実現される機能的な構成として、図3に示すように、データ受信部41とデータ収集部43とデータ送信部45とを有する。
データ受信部41は、車両3外の検査ツール7から主ECU11に対して、複数の副EUC13から出力される各データの送信の要求があった場合には、各データを含む各定期通信(即ち、定期送信)を複数の副ECU13から受信する。
ここで、検査ツール7から主ECU11に対して要求されるデータとは、故障診断の結果や故障診断等の車両の検査に必要なデータであるダイアグデータを示しており、このダイアグデータの要求は、ダイアグ通信によって行われる。
なお、ダイアグ通信の内容や通信方法等については、周知のISO(例えば、ISO 14229)により規定されている。また、定期送信とは、後述するように、所定の周期(即ち、送信周期)にて送信が実施される定期的な送信であり、送信周期は、副ECU13によって異なる場合と同じ場合とがある。
データ収集部43は、データ受信部41にて受信された各定期送信の受信時刻の差を求め、受信時刻の差が所定値以下の各定期送信に含まれる各データを収集する。
ここで、各定期送信の受信時刻の差とは、後述するように、車両3の挙動を変化させる原因であるトリガを示す起因データの受信時刻と、トリガによって生じる車両3の挙動の変化を示す結果データの受信時刻と、の差を示している。また、所定値以下とは、送信周期の短い定期送信の送信周期以下を示している。
データ送信部45は、データ収集部43にて収集された各データを、検査ツール7に送信する。つまり、データ送信部45は、後述するように、外部通信部27を介して、前記受信時刻の差が所定値以下の起因データと結果データとを、検査ツール7に送信する。
<副ECU>
副ECU13は、基本的に、主ECU11とほぼ同様な構成を有する。つまり、副ECU13は、図示しないが、主ECU11と同様に、CPU29、ROM31、RAM33、フラッシュメモリ35、I/O37等を備えた車両側マイコン25などを有する。
副ECU13には、図1に示すように、各副ECU13で行われる制御などに必要なセンサ51やアクチュエータ53が接続されている。ここで、センサ51とは、車両3や周囲の環境の状態等を検出する装置であり、アクチュエータ53は、車両3の挙動を変化させる装置である。
なお、副ECU13には、センサ51及びアクチュエータ53の両方が接続されたものや、センサ51又はアクチュエータ53の一方のみが接続されたものがある。また、接続されたセンサ51やアクチュエータ53については、単数の場合も複数の場合もある。
例えば、副ECU13がエンジン(図示せず)の動作を制御するエンジンECUである場合には、副ECU13には、例えば、車速センサ、スロットル開度センサ、アクセルペダル開度センサ等のセンサ51が接続され、インジェクタ、イグナイタ等のアクチュエータ53が接続されている。
副ECU13は、図1に示すように、自身に接続されているセンサ51やアクチュエータ53に関する情報、例えばセンサによって得られた情報を、通信線15にて接続された他のECU9に対して、定期的に送信するように構成されている。
つまり、例えば車両3の走行等の動作を制御するためには、各副ECU13は自身に接続されたセンサ51等からの情報だけでなく、他の副ECU13に接続されたセンサ51からの情報を必要とすることが多いので、各副ECU13は、車両3の制御に必要な情報(即ち、制御データ)を、それぞれ所定の周期にて定期的に送信するように構成されている。
この制御データは、ダイアグ通信を利用した故障診断のデータ(即ちダイアグデータ)よりも、速やかに通信されることが望ましいので、制御データの通信の優先度はダイアグ通信の優先度よりも高く設定されている。
なお、各副ECU13から送信される制御データの送信周期は、予め設定されており、各副ECU13の種類に応じて、適切な送信周期に設定されている。つまり、各副ECU13の送信周期は、同一の場合もあるが、異なっている場合もある。
<ECU間等の通信>
本第1実施形態では、検査ツール7と主ECU11との間では、ダイアグ通信によってデータの送受信が行われる。
また、主ECU11と副ECU13との間や、副ECU13間では、ダイアグ通信より優先度の高い制御データの定期的な通信(即ち、定期通信)によって、データの送受信が行われる。
従って、後に詳述するように、定期送信によって、副ECU13から主ECU11に、データ(例えば、データA、データB、データC)が送信される。
そして、主ECU11では、副ECU13から受信したデータのうち、必要なデータ、即ち検査ツール7から要求されたデータ(例えば、データA、データB)を収集して、検査ツール7に送信する。
[1−3.検査ツール]
次に、検査ツール7について説明する。
図1に示すように、検査ツール7は、車両検査装置5の主ECU11に接続されて使用される装置である。
この検査ツール7は、図4に示すように、各種の表示を行うディスプレイ54と、検査員等のマニュアルでの操作が可能な操作部55と、検査ツール7の動作を制御する検査ツール7側のECU(以下、ツール側ECU)57と、を備えている。
なお、ツール側ECU57は、周知のマイクロコンピュータを備えた電子制御装置である。
この検査ツール7は、故障診断機能と、データモニタ機能と、ドライブレコーダ機能と、を有している。
このうち、故障診断機能では、主ECU11に対して、車両3の故障を示す故障コード(即ち、DTC)の出力を要求することができる。このDTCは、各副ECU13が故障に応じて記憶しているので、各副ECU13から主ECU11を介して、検査ツール7に送信することができる。
なお、DTCとは、Diagnostic Trouble Codeの略であり、周知のように、OBD機能により、車載の各種のセンサ51やアクチュエータ53などに何らかの異常が発生したことを検出した場合に記憶される。
従って、この検査ツール7にて、DTCを参照することにより、車両3の異常に関する情報を得ることができる。なお、故障診断機能を備えていなくともよい。
データモニタ機能は、一定時間毎に、センサ51やアクチュエータ53等のデータを、主ECU11を介して、副ECU13から取得する機能である。このデータモニタ機能によって、図4及び図5に示すように、それらのデータの変化を数値やグラフにて、ディスプレイ54に表示することができる。
また、このデータモニタ機能によって、後述するように、トリガによって車両3の挙動を変化させるテストを実施した場合の車両3の挙動をモニタすることができる。
例えば、検査員が意図的にアクセルペダルを踏み込み、その場合のエンジン回転数の変化をモニタすることができる。また、ヘッドライトの点灯状態を制御(即ち、オートライト制御)する車両において、カメラや照度センサを意図的に覆った場合に、ヘッドライトの点灯状態の状態をモニタすることができる。
なお、ドライブレコーダ機能は、取得したデータを検査ツール7のメモリ(図示せず)に記憶する機能である。
[1−4.各装置間の通信]
まず、車両検査システム1に行われる各装置間の通信等の内容について、その概略を説明する。
図6に示すように、検査ツール7を用いて車両3の状態を検査する場合、例えば、車両3から得られる各種の信号をモニタして記憶するには、まず、検査ツール7から主ECU11に対して、[1]データ要求を行う。
つまり、目的とする検査のために必要な所定のデータ、例えばデータA、データBの要求を行う。このデータ要求は、ISOの規格に従ったダイアグ通信による要求である。つまり、「SID$22」にて示されるダイアグ通信による要求である。
ここでは、周知を監視するカメラから得られた画像の輝度に応じて、ヘッドライトの点灯状態の制御を行う車両3に対して、そのヘッドライトの点灯状態の検査を行う場合を例に挙げる。従って、データAがカメラの画像の輝度を示すデータ、データBがヘッドライドの点灯状態を示すデータであるとする。
次に、主ECU11は、[1]データ要求を受けて、[2]定期送信のモニタリングを開始する。つまり、副ECU13から車両3の制御を行うための制御データとして、定期的に送信されるデータを受信する。
ここで、副ECU13として、第1ECU17と第2ECU19とを例示している。
第1ECU17からは、所定の送信周期(例えば、10ms)毎に、定期送信Aによって、データAを含むデータが主ECU11に送信されるので、主ECU11では、所定の送信周期毎に、データAを含むデータ(従って、データA)を受信する。
詳しくは、第1ECU17では、所定の送信周期毎に、順次、[3]定期送信A#1、・・[4]定期送信A#n、[5]定期送信A#n+1が実施されるので、主ECU11では、各定期送信AにおいてデータAを受信することができる。なお、nは整数であり、定期送信Aの送信の順番を示している。
ここでは、データAは複数回受信されるので、主ECU11では、最新のデータAを更新(即ち、上書き)して、RAM33に記憶する。
一方、第2ECU19からは、所定の送信周期(例えば、50ms)毎に、[6]定期送信B#1が実施される。詳しくは、定期送信Bによって、データBを含むデータ(従って、データB)が主ECU11に送信されるので、主ECU11では、所定の送信周期毎に、データBを受信する。
なお、ここでは、定期送信Aの送信周期は、定期送信Bの送信周期よりも短いとする。
そして、図6に示すように、[6]定期送信B#1にてデータBが受信された場合には、既にRAM33に、[6]定期送信B#1の直前に[5]定期送信A#n+1にて受信された最新のデータAが記憶されているので、[7]要求された全データ(即ち、データAとデータB)の受信が完了することになる。
このように、主ECU11では、データAを含む定期送信AとデータBを含む定期送信Bとのうち、定期送信Bを受信した時点以前において、送信間隔(従って、受信間隔)が最も短い定期送信Aと定期送信Bとを確定できる。
従って、この受信間隔が最も短い定期送信Aと定期送信Bから、検査ツール7から要求されたデータAとデータBとを取得することができる。つまり、主ECU11では、データAとデータBとのうち、受信間隔が最も短いデータAとデータBとを取得することができる。
従って、主ECU11は、このようにして収集したデータ、即ち、受信間隔が最も短いデータAとデータBとを検査ツール7に送信することができる。
[1−5.制御処理]
次に、主ECU11にて実施される制御処理、即ち、主ECU11側でのデータ取得処理について説明する。
図7に示すように、ステップ(以下、Sと記す)100にて、検査ツール7からデータの取得要求があったか否かを判定する。つまり、複数の副ECU13にて得られるデータ、例えばデータA及びデータBを求めるための要求があったか否かを判定する。ここで肯定判断されるとS110に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
S110では、前記取得要求があったので、要求されたデータの中から定期送信の間隔(即ち、定期送信の送信周期)が最大のデータを、基準データとして一つ選択する。ここでは、送信周期が最大のデータBが基準データである。
続くS120では、要求されたデータを含む定期送信を受信する。なお、主ECU11には、予め、どの副ECU13からの定期送信に、要求されたデータが含まれているかの情報が記憶されている。
続くS130では、受信したデータ、例えばデータAやデータBをバッファリング(即ち、記憶)する。なお、既にバッファリング済みの場合は、データの上書きを行う。
例えばデータAを記憶する場合に、既に記憶されたデータAがある場合には、最新のデータAによってデータAの上書きを行う。
続くS140では、今回受信した受信データが、送信周期が長い基準データであるか否かを判定する。ここで肯定判断されるとS150に進み、一方否定判断されると前記S120に進む。
例えば、今回受信されたデータが、送信周期の短いデータ(例えば、データA)である場合には、前記S120に戻って、再度データを受信する処理を繰り返す。一方、今回受信されたデータが、データAよりも送信周期の長いデータ(即ち、基準データであるデータB)である場合には、次のS150に進む。
S150では、要求された全データ(即ち、データA及びデータB)の受信が完了したか否かを判定する。ここで肯定判断されるとS160に進み、一方否定判断されると前記S120に戻って、再度データを受信する処理を繰り返す。
上述したS100〜S150の処理によって、受信間隔が最も近い定期送信Aと定期送信Bとに含まれるデータAとデータBとを取得することができる。
S160では、バッファリングしたデータ、即ち要求に基づいて取得されたデータA及びデータBを、検査ツール7に送信し、一旦本処理を終了する。つまり、上述したS100〜S150の処理によって、受信間隔が最も短いデータAとデータBとが得られたので、そのデータA及びデータBを検査ツール7に送信する。
[1−6.効果]
本第1実施形態では、車両検査装置5の主ECU11は、車両3外の検査ツール7から、複数の副ECU13から得られる各データA、Bの送信の要求があった場合には、各データA、Bを含む各定期送信A、Bを複数の副UCU13から受信する。そして、各定期送信A、Bの受信時刻の差を求め、受信時刻の差が所定値以下の各定期送信A、Bに含まれる各データを収集して、検査ツール7に送信する。
詳しくは、本第1実施形態では、定期送信Aの送信周期よりも、定期送信Bの送信周期が長く設定されているので、定期送信Bを受信した場合に、定期送信Bに含まれるデータBと、定期送信Bの受信の直前に受信した定期送信Aに含まれるデータAと、を収集する。
つまり、受信時刻の差が、送信周期が短い定期送信Aの送信周期以下(即ち、所定値以下)の範囲における各定期送信A、Bを選択し、各定期送信A、Bに含まれる各データA、Bを収集する。
このような構成によって、本第1実施形態では、下記の効果を奏する。
(1a)本第1実施形態では、検査ツール7からの要求に基づいて、検査ツール7に送信する各データA、Bの取得タイミング(即ち、取得時刻)のずれを、従来の各EUC9から順次取得する方法に比べて、小さくすることができる。これによって、各データA、Bの取得時刻の同期性が向上するので、車両3の挙動をより正確にモニタできるという顕著な効果を奏する。
(1b)本第1実施形態では、検査ツール7の各データA、Bの取得先が、主EUC11のみとなるので、各データA、Bの取得に必要な通信回数が、従来の各ECU9から順次取得する方法に比べて少なくなり、車両3の各ECU9を繋ぐネットワークの通信負荷を低減できる。
つまり、検査ツール7は、主ECU11に対して各データA、Bの要求をするだけで、各副ECU13から各データA、Bが得られるので、従来に比べて通信負荷が低減するという利点がある。
(1c)本第1実施形態を実現するためにロジックの追加等が必要なECU9は、主ECU11のみで済むので、副ECU13は従来の構成を採用できる。そのため、車両検査装置5を容易に実現することが可能である。
(1d)本第1実施形態では、主ECU11と副ECU13との通信方法として、ダイアグ通信より優先度の高い通信(例えば、制御データの通信)を採用している。つまり、主ECU11は、副ECU13からの優先度の高い通信をモニタすることにより、副ECU13からの各データA、Bを効率良く取得できる。
このような場合には、通信線15が高負荷の状況でも、安定して各データA、Bを取得して検査ツール7に送信することができる。例えば、副ECU13から主ECU11に送信される各データA、Bに、欠け等が生じ難いという利点がある。また、従来より、高い頻度でモニタリングできるという効果もある。
なお、本第1実施形態では、検査ツール7と主ECU11との間ではダイアグ通信を行うが、検査ツール7と主ECU11との間では通信ケーブル14での通信負荷は低いため、その通信負荷については、特に問題はない。
このように、本第1実施形態によれば、従来のダイアグ通信による問題点を回避できるとともに、複数の副ECU13から得られる各データA、Bの取得タイミングをできる限り揃えることができるという顕著な効果を奏する。
なお、前記所定値は、各定期送信A、Bの送信周期に基づいて設定された値であり、各定期送信A、Bの送信周期のうち、最小の送信周期を採用できる。
また、受信時刻の差が所定値以下の各定期送信A、Bに含まれる各データA、Bとしては、車両3の挙動を変化させるトリガを示す起因データ(例えば、データA)と、トリガによって生じる車両3の挙動の変化を示す結果データ(例えば、データB)とを採用できる。
さらに、本第1実施形態は、1つの入力値(例えば1つのトリガを示すデータ)を複数のECUが参照して出力制御するシステムや、複数のECUからの入力値を1つのECUが参照して出力制御するシステムに適用できる。
これらのシステムでは、入力値と出力値とをできる限り同じタイミングで取得することが望ましいが、本第1実施形態では、入力値や出力値が複数の場合でも、好適に対応できる。
[1−7.文言の対応関係]
前記第1実施形態において、車両3が車両に対応し、車両検査装置5が車両検査装置に対応し、ECU9が電子制御装置に対応し、主ECU11が主電子制御装置に対応し、副ECU13が副電子制御装置に対応し、データ受信部41がデータ受信部に対応し、データ収集部43がデータ収集部に対応し、データ送信部45がデータ送信部に対応し、センサ51がセンサに対応し、アクチュエータ53がアクチュエータに対応する。
[2.第2実施形態]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、以下では主として第1実施形態との相違点について説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
[2−1.各装置間の通信]
まず、本第2実施形態における車両検査システム1に行われる各装置間の通信等の内容について、その概略を説明する。
図8に示すように、検査ツール7を用いて車両3の状態を検査する場合には、まず、検査ツール7から主ECU11に対して、第1実施形態と同様に、ダイアグ通信によって、データA及びデータBを要求する、[1]データ要求を行う。
次に、主ECU11は、第1実施形態と同様に、[1]データ要求を受けて、[2]定期送信のモニタリングを開始する。
詳しくは、第1実施形態と同様に、第1ECU17から、所定の送信周期毎に、順次、[3]定期送信A#1、・・[4]定期送信A#n-1、[5]定期送信A#n、[8]定期送信A#n+1、が実施されるので、各定期送信Aによって送信されるデータAを含むデータを受信する。
一方、第2ECU19からは、所定の送信周期毎に、データBを含む、[6]定期送信B#1が実施される。
なお、定期送信Aの送信周期は、定期送信Bの送信周期よりも短い。
そして、[6]定期送信B#1にてデータBが受信された場合には、[6]定期送信B#1の直前の[5]定期送信A#nの受信時刻と、[6]定期送信B#1の受信時刻との差Δtを求める。
次に、前記差Δtが、データAを含む定期送信Aの周期の半分以下であるか否かを判定する。そして、差Δtが、定期送信Aの送信周期の半分より大きな場合には、差Δtが過大であるとして、[5]定期送信A#nに含まれるデータAを、検査ツール7に送信するデータAとして採用しない。
この場合には、[6]定期送信B#1の受信時刻と、[6]定期送信B#1の直後の[8]定期送信A#n+1の受信時刻との差Δtが、定期送信Aの送信周期の半分以下となるので、[8]定期送信A#n+1に含まれるデータAを、検査ツール7に送信するデータAとして確定する。
一方、[5]定期送信A#nの受信時刻と、[6]定期送信B#1の受信時刻との差Δtが、定期送信Aの周期の半分以下である場合には、[5]定期送信A#nに含まれるデータAを、検査ツールに送信するデータAとして確定する。
上述した手順によって、[9]要求された全データの受信が完了することになる。
このように、主ECU11では、データAを含む定期送信AとデータBを含む定期送信Bとのうち、受信間隔が最も短い定期送信Aと定期送信Bとに基づいて、検査ツール7から要求されたデータAとデータBとを取得することができる。つまり、主ECU11では、データAとデータBとのうち、受信間隔が最も短いデータAとデータBとを取得することができる。
従って、主ECU11は、収集したデータ、即ち、受信間隔が最も短いデータAとデータBとを検査ツール7に送信することができる。
[2−2.制御処理]
<主ECU11での処理>
次に、本第2実施形態における主ECU11にて実施される制御処理、即ち、主ECU11側でのデータ取得処理について説明する。
図9に示すように、S200にて、検査ツール7からデータの取得要求があったか否かを判定する。つまり、複数の副ECU13にて得られるデータ、例えばデータA及びデータBを求めるための要求があったか否かを判定する。ここで肯定判断されるとS210に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
S210では、前記取得要求があったので、要求されたデータA、Bの中から定期送信の間隔が最大のデータを、基準データとして一つ選択する。ここでは、送信周期が最大のデータBが基準データである。
続くS220では、要求されたデータA、Bを含む定期送信A、Bを受信する。
続くS230では、受信したデータA、Bが未確定データであるか否かを判定する。ここで肯定判断されるとS250に進み、一方否定判断されるとS240に進む。
なお、未確定データとは、検査ツール7に送信するデータとして決定されていない(即ち、確定されていない)データである。
S240では、受信したデータは未確定データではないので、つまり、既に検査ツール7への送信が決められた確定されたデータであるので、再度そのデータを記憶する必要は無いとして破棄し、S220に戻る。
一方、S250では、受信したデータは未確定データであるので、その受信したデータ、例えばデータAやデータBをバッファリング(即ち、記憶)する。なお、既にバッファリング済みの場合は、データの上書きを行う。
続くS260では、今回受信した受信データが、定期送信Aよりも送信周期が長い定期送信Bによって送信されたデータB、即ち基準データであるあるか否かを判定する。ここで肯定判断されるとS265に進み、一方否定判断されるとS290に進む。
S265では、要求された全てのデータ(即ち、データA、データB)が受信済みか否か、即ち、バッファリング済みか否かを判定する。ここで肯定判断されると、後述する受信時刻差の計算処理が可能であるのでS270に進み、一方否定判断されると、前記S220に戻って、再度データを受信する処理を繰り返す。
S270では、受信した基準データを確定データとする。即ち、検査ツール7に送信するデータBとして確定する。
続くS280では、後述する受信時刻差の計算処理を行う。
続くS290では、要求された全データ(即ち、データA及びデータB)の受信及び確定が完了したか否かを判定する。ここで肯定判断されるとS300に進み、一方否定判断されると前記S220に戻って、再度データを受信する処理を繰り返す。
上述したS200〜S290の処理によって、受信間隔が最も近い定期送信Aと定期送信Bとに含まれるデータAとデータBとを取得することができる。
S300では、バッファリングしたデータ(従って、確定データ)、即ち要求されたデータA及びデータBを、検査ツール7に送信し、一旦本処理を終了する。つまり、上述したS200〜S290の処理によって、受信間隔が最も短いデータAとデータBとが得られたので、そのデータを検査ツール7に送信する。
<受信時間差の計算処理>
次に、前記S280にて実施される、定期送信Aと定期送信Bとの受信時間差の計算処理について説明する。
図10に示すように、本処理では、S400〜S450の間の処理を繰り返して実施する。つまり、基準データ(即ち、データB)ではない全てのバッファリング済みのデータ(即ち、比較対象データであるデータA)分に関して、S410〜440の処理を繰り返して実施する。
具体的には、S410では、基準データと比較対象データとの受信時刻の差Δtを計算する。
続くS420では、前記差Δtが、比較対象データの定期送信の送信周期の半分以下であるか否か、即ち、基準データと比較対象データとの受信時刻の差Δtが最小であるか否かを判定する。ここで肯定判断されるとS430に進み、一方否定判断されるとS440に進む。
S430では、比較対象データを確定データとする。
一方、S440では、前記差Δtが、比較対象データの定期送信の送信周期の半分以下でないため、この比較対象データは確定データとしない。
この場合、次回受信する比較対象データの定期送信、即ち、次回受信する比較対象データを含む定期通信Aで、前記差Δtが、比較対象データの定期送信の半分以下となる。そのため、S440では、次回受信する比較対象データを、S250でバッファリングした時点で確定データとするための処理を行う。
つまり、このS440を経て、前記S280のルーチンを抜けた後は、次回S250でデータAをバッファリングした時点で、そのデータAを確定データとするため、S440では、例えばフラグをセットする等のように、その後の処理を規定するための処理を行う。従って、例えば、S250の処理の際に、前記フラグがセットされていた場合には、前記データAを確定データとする。
そして、前記S400〜S450の間の処理の終了後に、一旦本処理を終了する。
[2−3.効果]
本第2実施形態では、第1実施形態と同様な効果を奏する。
また、本第2実施形態では、定期送信Bを受信した場合に、その定期通信Bに含まれるデータBを、検査ツール7に送信するデータBとして採用している。それとともに、定期送信Bを受信した場合に、定期送信Bの受信の直前及び直後に受信した定期送信Aのうち、前記受信時刻の差が定期送信Aの送信周期の半分以下であった定期送信Aを求め、その定期通信Aに含まれるデータAを、検査ツール7に送信するデータAとして採用している。
従って、検査ツール7に送信する各データA、Bの取得タイミング(即ち、取得時刻)のずれを、一層小さくすることができる。よって、各データA、Bの取得時刻の同期性が一層向上するので、車両3の挙動をより正確にモニタできるという顕著な効果を奏する。
[3.第3実施形態]
第3実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、以下では主として第1実施形態との相違点について説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
本第3実施形態では、例えば、各定期送信A、Bが、データAを含む定期送信AとデータBを含む定期送信Bとである場合を例に挙げる。
本第3実施形態では、1又は複数回の定期送信Aと1又は複数回の定期送信Bとを受信した場合には、定期送信Aの受信時刻と定期送信Bの受信時刻とを比較して、定期送信Aの受信時刻と定期送信Bの受信時刻とが最も短い定期送信Aと定期送信Bとを選択する。そして、当該選択された定期送信Aに含まれるデータAと定期送信Bに含まれるデータBとを、検査ツール7に送信するデータとして決定する。
なお、この場合、定期送信Aと定期送信Bとの送信周期は、異なっていても同一であってもよい。
本第3実施形態は、第1、第2実施形態と同様な効果を奏する。
[4.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(4a)前記各実施形態では、トリガとなるデータAと結果を示すデータBとの2種類のデータの受信時刻の差を例に挙げて説明したが、本開示は、例えば、結果を示すデータが複数種類ある場合(例えばデータB、C)に、結果を示すデータ間の時間差を小さくする場合にも適用できる。
例えばデータA、Bの受信時刻差を求める方法を、結果を示すデータであるデータB、Cに適用してもよい。
(4b)また、本開示は、1つの副ECUから得られるデータ(例えば、1つのトリガを示すデータ:入力値)を複数の副ECUが参照して出力制御する第1システムや、複数の副ECUからの入力値を1つの副ECUが参照して出力制御する第2システムや、複数の副ECUからの入力値を複数の副ECUが参照して出力制御する第3システムに適用できる。
例えば、第1システムとしては、内燃機関とモータとを備えたハイブリッド自動車の回生制御を行うシステムが挙げられる。
この場合には、例えば、入力値として、ブレーキペダル開度が挙げられ、出力制御を行うECUとして、ブレーキの制御を行うブレーキECU、エンジンの制御を行うエンジンECU、モータの制御を行うモータECUが挙げられる。
なお、ブレーキECUからは例えば油圧のデータ、エンジンECUからは例えばエンジンの回転数のデータ、モータECUからは例えば回生ブレーキのデータなどが出力される。
また、第2システムとしては、ヘッドライト等の制御(即ち、オートライト制御)を行うシステムが挙げられる。
この場合には、例えば、入力値として、照度センサの輝度、カメラ画像の輝度が挙げられ、出力制御を行うECUとして、ヘッドライトの点灯状態を制御するECUが挙げられる。なお、ヘッドライドを制御するECUからは、ヘッドライトの点滅等のデータが出力される。
さらに、第3システムとしては、自動ブレーキ制御を行うシステムが挙げられる。
この場合には、例えば、入力値として、ミリ波レーダの受信データ、カメラ画像のデータが挙げられ、出力制御を行うECUとして、ブレーキの制御を行うブレーキECU、ステアリングの制御を行うステアリングECが挙げられる。
なお、ブレーキECUからは例えば油圧のデータ、ステアリングECUからは例えば操舵角のデータなどが出力される。
(4c)本開示に記載のECU及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載のECU及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。
もしくは、本開示に記載のECU及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されてもよい。
また、ECUに含まれる各部の機能を実現する手法には、必ずしもソフトウェアが含まれている必要はなく、その全部の機能が、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されてもよい。
(4d)前記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
(4e)また、上述したECUの他、当該ECUを構成要素とするシステム、当該ECUとしてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
3:車両、5:車両検査装置 7:検査ツール、9:ECU 11:主ECU、13:副ECU、41:データ受信部、43:データ収集部、45:データ送信部、51:センサ、53:アクチュエータ

Claims (8)

  1. 車両(3)に搭載される複数の電子制御装置(9)を備えた車両検査装置(5)であって、
    前記複数の電子制御装置(9)は、センサ(51)及び/又はアクチュエータ(53)が接続された複数の副電子制御装置(13)と、前記複数の副電子制御装置から各データを受信するように構成された主電子制御装置(11)と、を備えており、
    前記複数の副電子制御装置のそれぞれは、
    前記主電子制御装置に対して、前記センサ及び/又はアクチュエータの動作を示す前記各データを、定期通信によって周期的に送信する構成を有し、
    前記主電子制御装置は、
    前記車両検査装置外の検査ツール(7)から、前記複数の副電子制御装置から出力される前記各データの送信の要求があった場合には、前記各データを含む前記各定期通信を前記複数の副電子制御装置から受信するように構成されたデータ受信部(41、S100)と、
    前記データ受信部にて受信された前記各定期通信の受信時刻の差を求め、前記受信時刻の差が所定値以下の前記各定期通信に含まれる前記各データを収集するように構成されたデータ収集部(43、S110〜S150)と、
    前記データ収集部にて収集された前記各データを、前記検査ツールに送信するように構成されたデータ送信部(45、S160)と、
    を備えた車両検査装置。
  2. 請求項1に記載の車両検査装置であって、
    前記所定値は、前記各定期通信の通信周期に基づいて設定された値である、車両検査装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両検査装置であって、
    前記受信時刻の差が前記所定値以下の前記各定期通信に含まれる各データは、前記車両の挙動を変化させるトリガを示す起因データと、前記トリガによって生じる前記車両の挙動の変化を示す結果データと、である、車両検査装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の車両検査装置であって、
    前記所定値は、前記各定期通信の通信周期のうち、最小の周期である、車両検査装置。
  5. 請求項4に記載の車両検査装置であって、
    前記各定期通信が、第1定期通信と、前記第1定期通信の通信周期より長い通信周期を有する第2定期通信と、であるときに、
    前記第2定期通信を受信した場合に、前記データ収集部によって、前記第2定期通信に含まれる第2データと、前記第2定期通信の受信の直前に受信した前記第1定期通信に含まれる第1データと、を収集するように構成された、車両検査装置。
  6. 請求項1から3のいずれか1項に記載の車両検査装置であって、
    前記所定値は、前記各定期通信の通信周期のうち、最小の周期の半分である、車両検査装置。
  7. 請求項6に記載の車両検査装置であって、
    前記各定期通信が、前記第1定期通信と、前記第1定期通信の通信周期より長い通信周期を有する第2定期通信と、であるときに、
    前記第2定期通信を受信した場合に、前記データ収集部によって、前記第2定期通信に含まれる第2データと、前記第2定期通信の受信の直前及び直後に受信した前記第1定期通信のうち、前記第1定期通信と前記第2定期通信との受信時刻の差が前記第1定期通信の通信周期の半分以下の前記第1定期通信に含まれる第1データと、を収集するように構成された、車両検査装置。
  8. 車両に搭載される複数の電子制御装置を備えた車両検査装置であって、
    前記複数の電子制御装置は、センサ及び/又はアクチュエータが接続された複数の副電子制御装置と、前記複数の副電子制御装置から各データを受信するように構成された主電子制御装置と、を備えており、
    前記複数の副電子制御装置のそれぞれは、
    前記主電子制御装置に対して、前記センサ及び/又はアクチュエータの動作を示す前記各データを、定期通信によって周期的に送信する構成を有し、
    前記主電子制御装置は、
    前記車両検査装置外の検査ツールから、前記複数の副電子制御装置から出力される各データの送信の要求があった場合には、前記各データを含む前記各定期通信を前記複数の副電子制御装置から受信するように構成されたデータ受信部と、
    前記データ受信部にて受信された前記各定期通信のうち、一対の前記定期通信の受信時刻の差を求め、前記受信時刻の差が最小となる一対の前記各定期通信に含まれる各データを収集するように構成されたデータ収集部(43、S280)と、
    前記データ収集部にて収集された前記各データを、前記検査ツールに送信するように構成されたデータ送信部と、
    を備えた車両検査装置。
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