JP2020172200A - 車両検査装置 - Google Patents
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Description
これは、検査ツールが電子制御装置からデータを読み出す際は、読み出し対象のデータを、DID(即ち、Data Identifier)と呼ばれるIDで指定する必要があるが、機能アドレスでは全電子制御装置が同一のメッセージ(即ち、DID)を受信するため、電子制御装置毎に個別のデータ(即ち、異なるDIDのデータ)を指定できないためである。
しかし、この解決策においては、データの取得対象の全ECUがSIDOx2Cに対応している必要があり、必ずしも十分ではない。
データ受信部は、車両検査装置外の検査ツールから、複数の副電子制御装置から出力される各データの送信の要求があった場合には、各データを含む各定期通信を複数の副電子制御装置から受信する。
データ送信部は、データ収集部にて収集された各データを、検査ツールに送信する。
(1)検査ツールからの要求に基づいて、検査ツールに送信する各データの取得タイミング(即ち、取得時刻)のずれを、従来の各電子制御装置から順次取得する方法に比べて、小さくすることができる。
(2)検査ツールのデータの取得先が、主電子制御装置のみとなるので、データの取得に必要な通信回数が、従来の各電子制御装置から順次取得する方法に比べて少なくなり、車内の各電子制御装置を繋ぐネットワークの通信負荷を低減できる。
データ受信部は、車両検査装置外の検査ツールから、複数の副電子制御装置から出力される各データの送信の要求があった場合には、各データを含む各定期通信を複数の副電子制御装置から受信する。
本開示の他の一態様では、このような構成によって、前記一態様と同様な効果を奏する。
なお、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
[1.第1実施形態]
[1−1.全体構成]
まず、本第1実施形態の車両検査装置を備えた全体のシステム(即ち、車両検査システム)について説明する。
次に、車両検査装置5について、さらに詳しく説明する。
図1に示すように、車両検査装置5は、主ECU11と、複数の副ECU13と、各ECU11、13間を接続する複数の通信線(即ち、通信バス)15と、を有する。
図2に示すように、主ECU11は、マイクロコンピュータ(以下、車両側マイコン)25と、外部通信部27とを備えている。
ここで、各定期送信の受信時刻の差とは、後述するように、車両3の挙動を変化させる原因であるトリガを示す起因データの受信時刻と、トリガによって生じる車両3の挙動の変化を示す結果データの受信時刻と、の差を示している。また、所定値以下とは、送信周期の短い定期送信の送信周期以下を示している。
副ECU13は、基本的に、主ECU11とほぼ同様な構成を有する。つまり、副ECU13は、図示しないが、主ECU11と同様に、CPU29、ROM31、RAM33、フラッシュメモリ35、I/O37等を備えた車両側マイコン25などを有する。
本第1実施形態では、検査ツール7と主ECU11との間では、ダイアグ通信によってデータの送受信が行われる。
そして、主ECU11では、副ECU13から受信したデータのうち、必要なデータ、即ち検査ツール7から要求されたデータ(例えば、データA、データB)を収集して、検査ツール7に送信する。
次に、検査ツール7について説明する。
図1に示すように、検査ツール7は、車両検査装置5の主ECU11に接続されて使用される装置である。
この検査ツール7は、故障診断機能と、データモニタ機能と、ドライブレコーダ機能と、を有している。
データモニタ機能は、一定時間毎に、センサ51やアクチュエータ53等のデータを、主ECU11を介して、副ECU13から取得する機能である。このデータモニタ機能によって、図4及び図5に示すように、それらのデータの変化を数値やグラフにて、ディスプレイ54に表示することができる。
例えば、検査員が意図的にアクセルペダルを踏み込み、その場合のエンジン回転数の変化をモニタすることができる。また、ヘッドライトの点灯状態を制御(即ち、オートライト制御)する車両において、カメラや照度センサを意図的に覆った場合に、ヘッドライトの点灯状態の状態をモニタすることができる。
[1−4.各装置間の通信]
まず、車両検査システム1に行われる各装置間の通信等の内容について、その概略を説明する。
第1ECU17からは、所定の送信周期(例えば、10ms)毎に、定期送信Aによって、データAを含むデータが主ECU11に送信されるので、主ECU11では、所定の送信周期毎に、データAを含むデータ(従って、データA)を受信する。
一方、第2ECU19からは、所定の送信周期(例えば、50ms)毎に、[6]定期送信B#1が実施される。詳しくは、定期送信Bによって、データBを含むデータ(従って、データB)が主ECU11に送信されるので、主ECU11では、所定の送信周期毎に、データBを受信する。
そして、図6に示すように、[6]定期送信B#1にてデータBが受信された場合には、既にRAM33に、[6]定期送信B#1の直前に[5]定期送信A#n+1にて受信された最新のデータAが記憶されているので、[7]要求された全データ(即ち、データAとデータB)の受信が完了することになる。
[1−5.制御処理]
次に、主ECU11にて実施される制御処理、即ち、主ECU11側でのデータ取得処理について説明する。
例えばデータAを記憶する場合に、既に記憶されたデータAがある場合には、最新のデータAによってデータAの上書きを行う。
S160では、バッファリングしたデータ、即ち要求に基づいて取得されたデータA及びデータBを、検査ツール7に送信し、一旦本処理を終了する。つまり、上述したS100〜S150の処理によって、受信間隔が最も短いデータAとデータBとが得られたので、そのデータA及びデータBを検査ツール7に送信する。
本第1実施形態では、車両検査装置5の主ECU11は、車両3外の検査ツール7から、複数の副ECU13から得られる各データA、Bの送信の要求があった場合には、各データA、Bを含む各定期送信A、Bを複数の副UCU13から受信する。そして、各定期送信A、Bの受信時刻の差を求め、受信時刻の差が所定値以下の各定期送信A、Bに含まれる各データを収集して、検査ツール7に送信する。
(1a)本第1実施形態では、検査ツール7からの要求に基づいて、検査ツール7に送信する各データA、Bの取得タイミング(即ち、取得時刻)のずれを、従来の各EUC9から順次取得する方法に比べて、小さくすることができる。これによって、各データA、Bの取得時刻の同期性が向上するので、車両3の挙動をより正確にモニタできるという顕著な効果を奏する。
また、受信時刻の差が所定値以下の各定期送信A、Bに含まれる各データA、Bとしては、車両3の挙動を変化させるトリガを示す起因データ(例えば、データA)と、トリガによって生じる車両3の挙動の変化を示す結果データ(例えば、データB)とを採用できる。
前記第1実施形態において、車両3が車両に対応し、車両検査装置5が車両検査装置に対応し、ECU9が電子制御装置に対応し、主ECU11が主電子制御装置に対応し、副ECU13が副電子制御装置に対応し、データ受信部41がデータ受信部に対応し、データ収集部43がデータ収集部に対応し、データ送信部45がデータ送信部に対応し、センサ51がセンサに対応し、アクチュエータ53がアクチュエータに対応する。
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、以下では主として第1実施形態との相違点について説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
まず、本第2実施形態における車両検査システム1に行われる各装置間の通信等の内容について、その概略を説明する。
詳しくは、第1実施形態と同様に、第1ECU17から、所定の送信周期毎に、順次、[3]定期送信A#1、・・[4]定期送信A#n-1、[5]定期送信A#n、[8]定期送信A#n+1、が実施されるので、各定期送信Aによって送信されるデータAを含むデータを受信する。
なお、定期送信Aの送信周期は、定期送信Bの送信周期よりも短い。
このように、主ECU11では、データAを含む定期送信AとデータBを含む定期送信Bとのうち、受信間隔が最も短い定期送信Aと定期送信Bとに基づいて、検査ツール7から要求されたデータAとデータBとを取得することができる。つまり、主ECU11では、データAとデータBとのうち、受信間隔が最も短いデータAとデータBとを取得することができる。
[2−2.制御処理]
<主ECU11での処理>
次に、本第2実施形態における主ECU11にて実施される制御処理、即ち、主ECU11側でのデータ取得処理について説明する。
続くS230では、受信したデータA、Bが未確定データであるか否かを判定する。ここで肯定判断されるとS250に進み、一方否定判断されるとS240に進む。
S240では、受信したデータは未確定データではないので、つまり、既に検査ツール7への送信が決められた確定されたデータであるので、再度そのデータを記憶する必要は無いとして破棄し、S220に戻る。
続くS280では、後述する受信時刻差の計算処理を行う。
S300では、バッファリングしたデータ(従って、確定データ)、即ち要求されたデータA及びデータBを、検査ツール7に送信し、一旦本処理を終了する。つまり、上述したS200〜S290の処理によって、受信間隔が最も短いデータAとデータBとが得られたので、そのデータを検査ツール7に送信する。
次に、前記S280にて実施される、定期送信Aと定期送信Bとの受信時間差の計算処理について説明する。
続くS420では、前記差Δtが、比較対象データの定期送信の送信周期の半分以下であるか否か、即ち、基準データと比較対象データとの受信時刻の差Δtが最小であるか否かを判定する。ここで肯定判断されるとS430に進み、一方否定判断されるとS440に進む。
一方、S440では、前記差Δtが、比較対象データの定期送信の送信周期の半分以下でないため、この比較対象データは確定データとしない。
[2−3.効果]
本第2実施形態では、第1実施形態と同様な効果を奏する。
第3実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、以下では主として第1実施形態との相違点について説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
本第3実施形態では、1又は複数回の定期送信Aと1又は複数回の定期送信Bとを受信した場合には、定期送信Aの受信時刻と定期送信Bの受信時刻とを比較して、定期送信Aの受信時刻と定期送信Bの受信時刻とが最も短い定期送信Aと定期送信Bとを選択する。そして、当該選択された定期送信Aに含まれるデータAと定期送信Bに含まれるデータBとを、検査ツール7に送信するデータとして決定する。
本第3実施形態は、第1、第2実施形態と同様な効果を奏する。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(4b)また、本開示は、1つの副ECUから得られるデータ(例えば、1つのトリガを示すデータ:入力値)を複数の副ECUが参照して出力制御する第1システムや、複数の副ECUからの入力値を1つの副ECUが参照して出力制御する第2システムや、複数の副ECUからの入力値を複数の副ECUが参照して出力制御する第3システムに適用できる。
この場合には、例えば、入力値として、ブレーキペダル開度が挙げられ、出力制御を行うECUとして、ブレーキの制御を行うブレーキECU、エンジンの制御を行うエンジンECU、モータの制御を行うモータECUが挙げられる。
また、第2システムとしては、ヘッドライト等の制御(即ち、オートライト制御)を行うシステムが挙げられる。
この場合には、例えば、入力値として、ミリ波レーダの受信データ、カメラ画像のデータが挙げられ、出力制御を行うECUとして、ブレーキの制御を行うブレーキECU、ステアリングの制御を行うステアリングECが挙げられる。
(4c)本開示に記載のECU及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載のECU及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。
Claims (8)
- 車両(3)に搭載される複数の電子制御装置(9)を備えた車両検査装置(5)であって、
前記複数の電子制御装置(9)は、センサ(51)及び/又はアクチュエータ(53)が接続された複数の副電子制御装置(13)と、前記複数の副電子制御装置から各データを受信するように構成された主電子制御装置(11)と、を備えており、
前記複数の副電子制御装置のそれぞれは、
前記主電子制御装置に対して、前記センサ及び/又はアクチュエータの動作を示す前記各データを、定期通信によって周期的に送信する構成を有し、
前記主電子制御装置は、
前記車両検査装置外の検査ツール(7)から、前記複数の副電子制御装置から出力される前記各データの送信の要求があった場合には、前記各データを含む前記各定期通信を前記複数の副電子制御装置から受信するように構成されたデータ受信部(41、S100)と、
前記データ受信部にて受信された前記各定期通信の受信時刻の差を求め、前記受信時刻の差が所定値以下の前記各定期通信に含まれる前記各データを収集するように構成されたデータ収集部(43、S110〜S150)と、
前記データ収集部にて収集された前記各データを、前記検査ツールに送信するように構成されたデータ送信部(45、S160)と、
を備えた車両検査装置。 - 請求項1に記載の車両検査装置であって、
前記所定値は、前記各定期通信の通信周期に基づいて設定された値である、車両検査装置。 - 請求項1または2に記載の車両検査装置であって、
前記受信時刻の差が前記所定値以下の前記各定期通信に含まれる各データは、前記車両の挙動を変化させるトリガを示す起因データと、前記トリガによって生じる前記車両の挙動の変化を示す結果データと、である、車両検査装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の車両検査装置であって、
前記所定値は、前記各定期通信の通信周期のうち、最小の周期である、車両検査装置。 - 請求項4に記載の車両検査装置であって、
前記各定期通信が、第1定期通信と、前記第1定期通信の通信周期より長い通信周期を有する第2定期通信と、であるときに、
前記第2定期通信を受信した場合に、前記データ収集部によって、前記第2定期通信に含まれる第2データと、前記第2定期通信の受信の直前に受信した前記第1定期通信に含まれる第1データと、を収集するように構成された、車両検査装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の車両検査装置であって、
前記所定値は、前記各定期通信の通信周期のうち、最小の周期の半分である、車両検査装置。 - 請求項6に記載の車両検査装置であって、
前記各定期通信が、前記第1定期通信と、前記第1定期通信の通信周期より長い通信周期を有する第2定期通信と、であるときに、
前記第2定期通信を受信した場合に、前記データ収集部によって、前記第2定期通信に含まれる第2データと、前記第2定期通信の受信の直前及び直後に受信した前記第1定期通信のうち、前記第1定期通信と前記第2定期通信との受信時刻の差が前記第1定期通信の通信周期の半分以下の前記第1定期通信に含まれる第1データと、を収集するように構成された、車両検査装置。 - 車両に搭載される複数の電子制御装置を備えた車両検査装置であって、
前記複数の電子制御装置は、センサ及び/又はアクチュエータが接続された複数の副電子制御装置と、前記複数の副電子制御装置から各データを受信するように構成された主電子制御装置と、を備えており、
前記複数の副電子制御装置のそれぞれは、
前記主電子制御装置に対して、前記センサ及び/又はアクチュエータの動作を示す前記各データを、定期通信によって周期的に送信する構成を有し、
前記主電子制御装置は、
前記車両検査装置外の検査ツールから、前記複数の副電子制御装置から出力される各データの送信の要求があった場合には、前記各データを含む前記各定期通信を前記複数の副電子制御装置から受信するように構成されたデータ受信部と、
前記データ受信部にて受信された前記各定期通信のうち、一対の前記定期通信の受信時刻の差を求め、前記受信時刻の差が最小となる一対の前記各定期通信に含まれる各データを収集するように構成されたデータ収集部(43、S280)と、
前記データ収集部にて収集された前記各データを、前記検査ツールに送信するように構成されたデータ送信部と、
を備えた車両検査装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019075680A JP2020172200A (ja) | 2019-04-11 | 2019-04-11 | 車両検査装置 |
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---|---|---|---|---|
WO2022264858A1 (ja) * | 2021-06-18 | 2022-12-22 | 日本特殊陶業株式会社 | 車両情報取得装置 |
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2019
- 2019-04-11 JP JP2019075680A patent/JP2020172200A/ja active Pending
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