JP2020171408A - パン切りナイフ - Google Patents
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Abstract
Description
これらのパン切りナイフは、単一のステンレス鋼板から形成されていることにより、刃が分厚く、シュトーレン、フランスパンなどの硬いパンに対して切れ味が悪く、パン屑が発生し易いという問題があった。
そこで、この問題を改善するためにステンレス鋼板を薄くしたパン切りナイフが開発されているが、ステンレス鋼板を薄くすると刃欠けが生じ易くなるため、ステンレス鋼板の表裏にそれぞれ表刃と裏刃とを備えるか、あるいは、ステンレス鋼板の表面に波形状の刃と裏面に小刃をそれぞれ備えた、所謂、押し切りタイプの両刃または諸刃に形成している。(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)
そして、ナイフ基板の表面を刃先に向けて砥ぎおろした表側傾斜角をナイフ基板の裏面を刃先に向けて砥ぎおろした裏側傾斜角より大きく形成したことにより、芯材用鋼板の表裏両面に母材用金属板をそれぞれ積層したナイフ基板であっても、従来のような芯材用鋼板の表裏面に切刃と小刃とをそれぞれ配置した両刃形態ではなく、実質的に芯材用鋼板の表面側のみに切刃と小刃とを配置した片刃形態を呈するため、パンを引き切りしながら切り下す際に刃先が僅かに裏面側に切れ込み、切り分けるパン切れ片を切り離し易くすることができる。
さらに、切刃の刃先側を表側傾斜角より大きな小刃角で刃先まで砥ぎおろしてなる小刃を設けたことにより、小刃がパンに切り込むクサビ作用を発揮するとともにこの小刃に連続する切刃が切り離されるパンを切り離す側へ押し広げる分離作用を発揮するため、硬いパンであっても切込みから切り離しまで一連の引き切り動作を円滑に発揮することができる。
また、芯材用鋼板からなる薄い切刃の刃こぼれし易い刃先であっても小刃を設けたことにより、刃先の厚みが増して接触時の面圧を低減させるため、まな板などに接触した際に生じがちな刃先の刃こぼれを抑制することができる。
また、芯材用鋼板が母材用金属板と芯材用鋼板との刃境から刃先側で露出していることにより、母材用金属板が芯材用鋼板の表裏両面の大半を被覆することになるため、パン引き切り時にまな板などから芯材用鋼板の小刃が受ける衝撃力を母材用金属板が直ちに吸収緩和し、小刃の耐摩耗性と切れ味を長期にわたって発揮することができる。
加えて、小刃が、切っ先側から刃元側に向かって小刃の刃先位置を連続して上下に繰り返し変化させた波形に形成されていることにより、パンに対する小刃の切り込み位置が波形の小刃を形成する刃先と刃底との間で上下に繰り返し変化しながら、波形の小刃が波形に沿って何度もパンに対して切り込まれるため、パンを刃元側から切っ先側に向かって引き切りする際に波形の小刃がパンに対して繰り返し切り込まれ、シュトーレン、フランスパンなどの硬いパンに生じがちな切れ残り屑、所謂、引き切りする際にパン屑の発生を抑制するばかりでなく、引き切り直後のまな板などに対する接触面積と接触抵抗が刃底の分だけ軽減されるため、小刃の耐摩耗性を長期に亘って確保することができる。
しかも、小刃の波形が引き切り方向で対称な正弦波状を呈しているため、パンに対して小刃の刃元側から切っ先側へ移動させる引き切り動作だけでなく、パンを小刃の切っ先側から刃元側へ移動させる押し切り動作も可能となり、シュトーレン、フランスパンなどの硬いパンであっても押し引きしながら分断することもできる。
すなわち、本発明のパン切りナイフにおける「表側傾斜角」とは、ナイフ基板の刃物断面における上下方向の中心線に対してナイフ基板の表面に設けた鎬筋から刃先に向けて砥ぎおろす刃角であり、本発明のパン切りナイフにおける「裏側傾斜角」とは、ナイフ基板の刃物断面における上下方向の中心線に対してナイフ基板の裏面を刃先に向けて平らに砥ぎおろす刃角であり、本発明のパン切りナイフにおける「切刃」とは、ナイフ基板の表面に設けた鎬筋から刃先側に向けて砥ぎおろした刃面であり、本発明のパン切りナイフにおける「小刃(こば)」とは、切刃から刃先までの間にもう一段角度を付けて砥いだ刃面であり、本発明のパン切りナイフにおける「小刃角」とは、前述した小刃における刃先を中心とした裏面側から表面側に至る角度を意味する。
ここで、図1は、本発明の一実施例であるパン切りナイフ100の使用態様を示す斜視図であり、図2は、図1に示すパン切りナイフ100のIIで示す領域の拡大図であり、図3は、図2に示すパン切りナイフ100のIIIで示す領域の表面側拡大図であり、図4は、図2に示すパン切りナイフ100のIIIで示す領域の裏面側拡大図であり、図5は、図3に示すパン切りナイフ100のV−V線の断面図および刃先側の一部拡大断面図であり、図6は、図3に示すパン切りナイフ100のVI−VI線の断面図および刃先側の一部拡大断面図である。
なお、図5および図6は、本発明のパン切りナイフ100における刃物断面形態の技術的特徴をより理解し易くするために、刃厚を誇大に図示しているが、実際には、刃厚は極めて薄い。
また、図5乃至図6に示すθ1は、表側傾斜角θ3を形成する前に、ナイフ基板110の表面を刃先101に向けて事前に砥ぎおろした表側仮刃角である。
したがって、上述した表側仮刃角θ1と裏側傾斜角θ2と表側傾斜角θ3と小刃角θ4との大小関係は、θ1<θ2<θ3<θ4となっている。
これにより、従来のような単一かつ肉厚のステンレス鋼板からなるパン切りナイフと比較すると、肉薄の芯材用鋼板111をシュトーレンのような硬いパンに切り込む際に、硬くて脆い芯材用鋼板111の表裏両面を粘り強い母材用金属板112が補強し、しかも、この母材用金属板112が、棟102と鎬筋103との間でダマスカス模様Dの領域を生じ、鎬筋103から刃境104との間で刃先101に向けて砥ぎおろされて墨流し模様Cの領域を生じ、刃境104から刃先101に至る鏡面風の領域とは異なった高級感溢れる美的なナイフ外観を発揮している。
これにより、芯材用鋼板111の表裏両面に母材用金属板112をそれぞれ積層したナイフ基板110であっても、従来のような芯材用鋼板111の表裏面に切刃120と小刃130とをそれぞれ配置した両刃タイプの刃物断面形態から派生した、実質的に芯材用鋼板111の表面側のみに切刃120と小刃130とを配置した片刃タイプの刃物断面形態を有している。
ここで、この小刃130は、従来のようなパン切りナイフと同様に、切っ先105から刃元106に向かって一直線状に設けられ、シュトーレンのような硬いパンに対する一定の引き切り方向と均等な引き切り力とが刃渡りのほぼ全長に渡って確保するように構成されていることは言うまでもない。
これにより、図6で一部拡大して破線で示す刃先側小刃面132から図6で一部拡大して実線で示す刃底側小刃面131にパン切断点が移動していくとき、パンに対する刃底側小刃面131の接触面圧が刃先側小刃面132の接触面圧よりも低くなり、パン引き切り方向へパン切片の引き連れが抑制され、シュトーレンのような硬いパンの外皮に生じがちなパン屑の発生やその中に含まれるドライフルーツやナッツの飛び出しを抑制する。
したがって、本実施例のパン切りナイフ100は、ナイフ基板110の裏面を刃先101に向けて砥ぎおろした裏側傾斜角θ2に起因して、パン引き切り時に小刃130の波形を形成する刃底側小刃面131の刃先101が、小刃130の波形を形成する刃先側小刃面132の刃先101よりも、ナイフ基板110の刃物断面における上下方向の中心線Lを超えて刃物裏面側、すなわち、パン塊本体側にシフトしている分だけ、刃底側小刃面131の刃先101が、パン塊本体側に切り込まれるため、薄く切り分けられるパン切片との切り離しを簡便になる。すなわち、パン引き切り時に、パンを切り込むための刃先側小刃面132の刃先101とパンを切り離すための刃底側小刃面131の刃先101とが、波形の軌跡に沿って交互に連続して繰り返しながらパン塊本体側を切り欠いていくため、薄く切り分けられるパン切片側の切り口を切り斑なく整えることができる。
これにより、この微小な砥ぎ溝跡133が砥石の粒子径に起因する微小な鋸目を構成するため、シュトーレンのような硬いパンを引き切る際に小刃130の切れ味をさらに向上させることができる。
これにより、従来のような単一かつ肉厚のステンレス鋼板からなるパン切りナイフと比較すると、肉薄の芯材用鋼板111を硬いパンに切り込む際にシュトーレンのような硬いパンを切っても刃こぼれしない強靭性を発揮し、パン切り時にまな板などから芯材用鋼板111の小刃130が受ける衝撃力を母材用金属板112が直ちに吸収緩和し、小刃130の耐摩耗性と切れ味を長期にわたって保持することができる。
これにより、シュトーレンのような硬いパンを引き切りしながら切り下す際に刃先101が僅かに裏面側に切れ込み、切り分けるパン切れ片を切り離し易くすることができる。
これにより、パンを刃元106から切っ先105に向かって引き切りする際に波形の小刃130がシュトーレンのような硬いパンに対して繰り返し切り込まれ、パンの外皮に生じがちな切れ残り屑、所謂、引き切りする際にパン屑の発生を抑制するばかりでなく、小刃130の耐摩耗性を長期に亘って確保することができるなど、その効果は甚大である。
101 ・・・刃先
102 ・・・棟
103 ・・・鎬筋
104 ・・・刃境
105 ・・・切っ先
106 ・・・刃元
110 ・・・ナイフ基板
111 ・・・芯材用鋼板
112 ・・・母材用金属板
120 ・・・切刃
130 ・・・小刃
131 ・・・刃底側小刃面
132 ・・・刃先側小刃面
133 ・・・砥ぎ溝跡
θ1 ・・・表側仮刃角
θ2 ・・・表側傾斜角
θ3 ・・・裏側傾斜角
θ4 ・・・小刃角
C ・・・墨流し模様
D ・・・ダマスカス模様
L ・・・上下方向の中心線
Claims (7)
- 芯材用鋼板の表裏両面に母材用金属板をそれぞれ積層して鍛造したナイフ基板の表面側のみに、該ナイフ基板の表面を刃先に向けて砥ぎおろした表側傾斜角を前記ナイフ基板の裏面を刃先に向けて砥ぎおろした裏側傾斜角より大きく形成してなる切刃と、該切刃の刃先側を表側傾斜角より大きな小刃角で刃先まで砥ぎおろしてなる小刃とを設けたパン切りナイフであって、
前記芯材用鋼板が、前記母材用金属板と芯材用鋼板との刃境から刃先側で露出し、
前記小刃が、切っ先から刃元に向かって前記小刃の刃先位置を連続して上下に繰り返し変化させた波形に形成されていることを特徴とするパン切りナイフ。 - 前記小刃が、前記切っ先から刃元に向かって一直線状に設けられていることを特徴とする請求項1記載のパン切りナイフ。
- 前記小刃の波形が、正弦波状であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のパン切りナイフ。
- 前記小刃の波形を形成する刃底側小刃面が、前記小刃の波形を形成する刃先側小刃面より幅広になっていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のパン切りナイフ。
- 前記小刃の刃先が、表裏両面に跨って延びる微小な砥ぎ溝跡を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載のパン切りナイフ。
- 前記母材用金属板が、複数種の金属層を積層接合した積層鋼板であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載のパン切りナイフ。
- 前記母材用金属板が、棟と鎬筋との間の領域でダマスカス模様を呈し、鎬筋から刃境との間の領域で墨流し模様を呈していることを特徴とする請求項6に記載のパン切りナイフ。
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