JP2020169920A - 傷検査支援システム、画像処理方法、乗り物使用状況表示方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このような状況において、不特定多数の人が共有する自動車に傷や凹みといった損傷が生じた場合に損傷の責任の所在を明確にするために、従来、MaaS業者は借り手に利用前の損傷確認を要求している。
そこで、この損傷確認の忘れや漏れを防ぐための車両外観を自動検査できるシステムが知られている(例えば、非特許文献1)。
そして、この撮影された画像に対して、車両色の抑制、照明反射領域の切り出しと正規化、検査領域の判定、キズ・凹みの検出という処理を行っている。
また、照明機器の形状についても、帯状の光源であることが望ましいが、半球状の光源であってもよい。
まず、図1に基づいて、本発明の実施例である乗り物用の傷検査支援システム100について説明する。
図1は本発明の実施例である傷検査支援システムのシステム構成図である。
また、撮像装置110、画像処理装置120、表示装置130、サーバー140はそれぞれネットワークNに接続されている。
次に、図1乃至図3Cに基づいて、撮像装置110について説明する。
図2は図1に示す撮像装置の斜視外観図であり、図3Aは図2のIIIA−IIIA断面図であり図3Bは図3AのIIIB−IIIB断面図であり、図3Cは図3AのIIIC−IIIC断面図である。
この側壁111aと天井壁111bとは、照明機器114から発せられる光を吸収する部材で形成されている。
この光を吸収する部材は、例えば、暗幕のような黒色の布、ブロック塀等の光を吸収する部材であれば、如何なるものであってもよい。
左側壁111aaは、撮像ブース111の左側に形成された壁である。
右側壁111abは、撮像ブース111の右側に形成された壁であり、左側壁111aaと対向している。
前壁111acは、撮像ブース111の前方側に形成された壁であり、図2および図3A等に示すように、左側壁111aa側を中心に回動自在な親扉BDおよび右側壁111ab側を中心に回動自在な子扉SDの幅の異なる2つの扉から形成されている。
後壁111adは、図3A等に示すように、撮像ブース111の後方側に形成された壁であり、前壁111acと対向している。
車止め112aは、撮像ブース111内の後壁111ad側に2つ設けられている。
位置決めライン112bは、前後方向に伸びるラインであり、撮像ブース111が設置される床面に設けられている。
左側壁111aaおよび右側壁111abに取り付けられている撮像機器113は、図3Aおよび図3Bに示すように、撮像ブース111の前方側および後方側、かつ下方に取り付けられている。
また、前壁111acおよび後壁111adに取り付けられている撮像機器113は、図3Aおよび図3Bに示すように、それぞれ撮像ブース111の左右方向の中央付近かつ上下方向の中心付近に取り付けられている。
さらに、天井壁111bに取り付けられている撮像機器113は、図3Bに示すように、撮像ブース111の前方側および後方側に1つずつ取り付けられていると共に、図3Cに示すように、撮像ブース111の左右方向の中央付近に取り付けられている。
このように、前壁111acおよび後壁111adの壁面に取り付けられている照明機器114の個数が、左側壁111aaおよび右側壁111abの壁面に取り付けられている照明機器114の個数より大きいことにより、比較的損傷しやすい乗り物の前面や背面を天井壁111bに設けた撮像機器113から撮像する際に、用意できる撮像データの枚数が増やせるため、乗り物に生じた損傷をより抽出しやすくすることができる。
また、前壁111acおよび後壁111adに取り付けられている照明機器114は、図3Bおよび図3Cに示すように、それぞれ左右方向に伸びていると共に上下方向に等間隔に取り付けられている。
次に、図4乃至図9に基づいて、傷検査支援システム100による画像処理方法および乗り物外観表示方法について説明する。
図4は図3AのIV−IVから見た撮像ブース内に乗り物が止められた状態を示す撮像ブースの側面断面図であり、図5は傷検査支援システムによる画像処理方法および乗り物外観表示方法を示すフローチャートであり、図6は撮像データの一例であり、図7は2値化画像データの一例であり、図8は重畳画像データの一例であり、図9は画像処理済データの一例である。
なお、本実施例では、一例として、傷検査支援システム100により乗り物VのボンネットHの使用状況(外観の状況)を取得する場合を説明する。
まず、撮像ブース111の親扉BDおよび子扉SDを前方に向かって開いておく。
この状態で、乗り物Vを車止め112aに当たるまで後退させて、乗り物Vの撮像ブース111に対する前後位置が所定位置に定める。
また、このとき、乗り物Vを位置決めライン112b間に収まるように停車させる。
これにより、乗り物Vの撮像ブース111に対する左右方向の位置も所定位置に定まる。
その後、親扉BDおよび子扉SDを閉じて、図4に示す状態となる。
天井壁111bに取り付けられた撮像機器113をカメラCとして使用する場合、実光源(実際に使用する光源)となる照明機器114は、照明機器114の映り込みを少なくするために、カメラCが設置された壁面以外であると共にカメラCと対向する壁面以外に設置された照明機器であることが望ましく、本実施例では、前壁111acに設けられている照明機器114を実光源Lとして使用する。
本実施例では、図4に示すように、上から4個の照明機器114を実光源Lとして使用し、上から順番にL1、L2、L3、L4として説明する。
上述したようにカメラCおよび実光源L(L1〜L4)を決定した後、乗り物Vから傷候補を抽出する画像処理方法について、図5を用いて説明する。
なお、本実施例においては、傷候補の抽出で使用する照明機器の個数Mを4とし、実光源L1を1番目の光源、実光源L2の2番目の光源、実光源L3の3番目の光源、実光源L4の4番目の光源とする。
まず、変数iに1を代入する(ステップS111)。
この状態で光源L1に対応する撮像機器113(カメラC)で撮像を行い、第1の撮像データを生成する(第1撮像ステップ;ステップS113)。
その後、ステップS111に戻り、変数iに2を代入する。
この状態で光源L2に対応する撮像機器113(カメラC)で撮像を行い、第2の撮像データを生成する(第2撮像ステップ;ステップS113)。
このようなステップS111からステップS114を変数iがM(=4)に到達するまで繰り返す。
これにより、撮像データが4つ(光源L1を発光させた状態で撮影した第1の撮像データ、光源L2を発光させた状態で撮影した第2の撮像データ、光源L3を発光させた状態で撮影した第3の撮像データ、光源L4を発光させた状態で撮影した第4の撮像データ)生成される。
図6の(A)は第1の撮像データP1であり、(B)は第2の撮像データP2であり、(C)は第3の撮像データP3であり、(D)は第4の撮像データP4である。
図4に示すように、カメラCの視野Eおよび乗り物VのボンネットHに付けられた傷Sは所定の位置に止まっているが、実光源Lについては撮像データごとに異なるため、図4および図6に示すように各撮像データにおける傷Sの位置は一定であるものの、光源像Oの位置が異なってくる。
ここで、図4、図6、図7において、光源像O1は実光源L1に対応する虚像であり、光源像O2は実光源L2に対応する虚像であり、光源像O3は実光源L3に対応する虚像であり、光源像O4は実光源L4に対応する虚像であり、Wは前壁111acの像(前壁像)である。
次に、これらの撮像データP1〜P4を白と黒の2階調に変換(2値化)して、2値化画像データBを生成する(ステップS121)。
すなわち、第1の撮像データP1から第1の2値化画像データB1が、第2の撮像データP2から第2の2値化画像データB2が、第3の撮像データP3から第3の2値化画像データB3が、第4の撮像データP4から第4の2値化画像データB4が、それぞれ生成される。
この2値化画像データBの一例を図7に示す。
図7の(A)は第1の2値化画像データB1であり、(B)は第1の2値化画像データB2であり、(C)は第3の2値化画像データB3であり、(D)は第4の2値化画像データB4である。
これにより、図8に示すような重畳画像データSPが生成される。
重畳画像データSPは、図8に示すようにグレースケールで表現される。
図8で明らかなように、傷Sはどの撮像データでも位置が変わっていないため、光源像O1〜O4に比べて濃く(白く)表示される。
すなわち、この「重畳ステップ」は第1の撮像データ〜第4の撮像データを2値化および重ね合わせるステップであると言える。
また、傷検査支援システム100の画像処理装置120は、撮像機器113を所定の位置に固定した状態で照明機器114を複数の位置で点灯させて乗り物Vを撮像した複数の撮像データを2値化および重ね合わせるという画像処理を行っていると言える。
重畳画像データSPを所定の閾値で2値化する(ステップS123)。
これにより、重畳画像データSPから所定の閾値以上が抽出され、図9に示すような傷候補データDが生成される。
以上、ステップS111からステップS123までが本発明の傷検査支援システム100による画像処理方法であり、ここから乗り物の貸出時のように、単に乗り物Vの外観の損傷箇所を確認したい場合の手順について説明する。
この場合、ステップS111からステップS123までにより生成された傷候補データDを画像処理済データとして撮像データPをサーバー140に送信する(ステップS131)。
傷検査支援システム100の利用者は、表示装置130に表示される傷候補データDを参考にして、乗り物Vの外観を目視で確認することで、乗り物Vの傷の有無を発見することが可能になる。
次に、図10に基づいて、貸し出した乗り物の返却時のように、乗り物Vの使用前後で傷等の損傷により外観が変化したか否かを確認する場合の乗り物使用状況表示方法について説明する。
図10は、乗り物使用状況表示方法を示すフローチャートである。
なお、ここで説明する乗り物使用状況表示方法は、上述した乗り物外観表示方法を用いるものであり、多くの要素について乗り物外観表示方法と共通するので、共通する事項については詳しい説明を省略し、下2桁が共通する200番台の符号を付すのみとする。
次に、サーバー140に画像処理済データとして第2の傷候補データD2を送信する(ステップS231)。
次に、サーバー140は乗り物Vの使用後の第2の傷候補データD2と差分画像データとを表示装置130に送信する(ステップS241;差分データ表示ステップ)。
これにより、傷検査支援システム100の利用者は、表示装置130に表示される第2の傷候補データD2および差分画像データを参考にして、乗り物Vの使用(所定時間)の前後における外観の変化を目視で確認する。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記に限定されるものではない。
また、上述した実施例では、実光源L1を1番目の光源、実光源L2の2番目の光源、実光源L3の3番目の光源、実光源L4の4番目の光源としたが、i番目の光源と実光源Liとの対応関係は重複が生じなければ、これに限定されるものではない。
すなわち、第1の位置に位置させた照明機器を実光源L1、第2の位置に位置させた照明機器を実光源L2・・・などとしてもよい。
また、上述した実施例では、4枚の撮像データから重畳画像データを作成していたが、撮像データは少なくとも2枚あれば、何枚あってもよい。
110 ・・・撮像装置
111 ・・・撮像ブース
111a ・・・側壁
111aa ・・・左側壁
111ab ・・・右側壁
111ac ・・・前壁
111ad ・・・後壁
111b ・・・天井壁
112 ・・・位置決め手段
112a ・・・車止め
112b ・・・位置決めライン
113 ・・・撮像機器
114 ・・・照明機器
120 ・・・画像処理装置
121 ・・・画像2値化部
122 ・・・画像重畳部
130 ・・・表示装置
140 ・・・サーバー
BD ・・・親扉
SD ・・・子扉
N ・・・ネットワーク
V ・・・乗り物
H ・・・ボンネット
S ・・・傷
E ・・・視野
C ・・・カメラ(撮像に使用する撮像機器)
L、L1、L2、L3、L4 ・・・実光源
O、O1、O2、O3、O4 ・・・光源像
W ・・・前壁像
i ・・・変数
M ・・・使用する照明機器の個数
P、P1、P2、P3、P4 ・・・撮像データ
B、B1、B2、B3、B4 ・・・2値化画像データ
SP ・・・重畳画像データ
D、D1、D2 ・・・傷候補データ(画像処理済データ)
Claims (9)
- 乗り物を撮像する撮像装置と、該撮像装置により撮像された撮像データに画像処理を施す画像処理装置と、該画像処理装置から出力された画像処理済データを表示する表示装置とを備えた乗り物用の傷検査支援システムであって、
前記撮像装置が、前記乗り物を覆う撮像ブースと、前記乗り物を撮像する撮像機器と、前記乗り物を照らす照明機器とを有し、
前記撮像ブースが、前記乗り物の外周面と対向する側壁と、前記乗り物の上面と対向する天井壁とを有し、
前記撮像機器が、前記側壁および前記天井壁の壁面の少なくとも一方に設置され、
前記照明機器が、前記側壁に設置されていることを特徴とする傷検査支援システム。 - 前記画像処理が、前記撮像機器を所定の位置に固定した状態で前記照明機器を複数の位置で順次点灯させて前記乗り物を撮像した複数の撮像データを2値化した後に重ね合わせる又は重ね合わせた後に2値化する処理であることを特徴とする請求項1に記載の傷検査支援システム。
- 前記乗り物を撮像する際に点灯する照明機器の設置される壁面が、撮像に使用する前記撮像機器が設置された壁面と前記撮像に使用する撮像機器と対向する壁面とを除く壁面であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の傷検査支援システム。
- 前記照明機器が、複数設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の傷検査支援システム。
- 前記照明機器が、帯状光源であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の傷検査支援システム。
- 前記撮像ブースが、前記照明機器から発せられる光を吸収する部材で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の傷検査支援システム。
- 前記撮像機器が、複数設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の傷検査支援システム。
- 乗り物を撮像する撮像装置と、該撮像装置により撮像された撮像データに画像処理を施す画像処理装置とを備えた乗り物用の傷検査支援システムによる画像処理方法であって、
前記撮像装置が、前記乗り物を覆う撮像ブースと、前記乗り物を撮像する撮像機器と、前記乗り物を照らす照明機器とを有し、
第1の位置にある前記照明機器に対応する前記撮像機器により前記乗り物を撮像して第1の撮像データを生成する第1撮像ステップと、
前記第1の位置とは異なる第2の位置にある前記照明機器に対応する前記撮像機器により前記乗り物を撮像して第2の撮像データを生成する第2撮像ステップと、
前記第1の撮像データおよび前記第2の撮像データを2値化した後に重ね合わせて又は重ね合わせた後に2値化して重畳画像データを生成する重畳ステップと、
前記重畳画像データから所定の箇所を傷候補データとして抽出する抽出ステップとを備えていることを特徴とする画像処理方法。 - 請求項8に記載された画像処理方法を用いて所定時間の前後における乗り物の外観状態を表示する乗り物使用状況表示方法であって、
前記傷検査支援システムが、画像データを表示する表示装置を備え、
第1の時刻において生成した第1の傷候補データと、前記第1の時刻より後の第2の時刻において生成した第2の傷候補データとの差分画像データを生成する差分抽出ステップと、
前記差分画像データを前記表示装置に表示させる差分データ表示ステップとを備えていることを特徴とする乗り物使用状況表示方法。
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