JP2020168767A - 積層体および積層体の製造方法、並びに表示機能付き物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造時の吸着跡が視認されることが防止され、美観が向上された積層体および積層体の製造方法の提供。【解決手段】保護フィルム層1と、透明基材層2と、印刷層3とをこの順に有する積層体10。透明基材層が保護フィルム層上に積層されているため、印刷層の形成時に、保護フィルム層を介して透明基材層を吸着板に吸着固定することができ、吸着跡が形成されることを抑制することができる。また、上記保護フィルム層は、積層体が被着体に貼り付けられるなどの次の工程に供されるまでの間は保護層として機能することができる。【選択図】図1
Description
本開示は、積層体および積層体の製造方法に関するものである。
車両内外装部品、建材内装材、家電筐体等の種々の物品に対する意匠性の付与、美観の向上のための技術として、色彩や図柄を有する装飾用のシートなどを物品の表面に配置する技術が提案されている。例えば特許文献1には、被取付部に嵌め込まれ、点灯時に外部に表示光を放つディスプレイを有した表示装置において、上記ディスプレイの前面が、上記表示光を透過し得る多数の微細孔を有したスクリーンで覆われており、該スクリーンの表面が、上記ディスプレイの周囲の被取付部と同一の色・模様に設定されている、表示装置が開示されている。
特許文献1においては、ディスプレイの前面に上述したようなスクリーンが配置されているため、ディスプレイの使用時には所望の視覚情報を提供し、ディスプレイの不使用時にはディスプレイが存在しないように見せかけることができる。
物品に意匠性を付与するためのなどに用いられる積層体は、基材と、上記基材上に形成された、色彩や図柄を有する印刷層とを有するのが一般的である。枚葉状の基材上に印刷層を形成する際、基板のずれ等を防止するため、上記基板の固定が必要となることがある。このような基板の固定は、細孔を有する吸着板上に基材を配置して上記細孔から吸引することにより行うことができる。
しかしながら、このように吸着板上に基板を配置することにより印刷層を形成した積層体においては、印刷層を反射光で観察した場合は、全く不具合が無いにも関わらず、積層体の背面側から照射される透過光を観察した場合、すなわち上述したようなディスプレイのスクリーンとして用いた場合には、局部的に色が濃いドットが映し出されてしまうといった不具合が生じる場合があった。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、上述したような積層体を背面側から照射される透過光で見た場合に生じる不具合を解消し、スクリーン等として用いた場合に美観が向上された積層体および積層体の製造方法を提供することを主目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために、反射光で観察した場合には問題とならず、積層体の背面側から照射される透過光で観察した場合に不具合となる上述した局部的に色が濃いドットについて、検討したところ、吸着板上に基板を配置して印刷を行った際に、基板が吸着板の細孔に吸い付けられるため、上記基材の表面に微細な窪みが形成されてしまい、その状態で印刷層を形成すると、上記窪みのある部分において、上記窪み分だけ印刷層の膜厚が厚くなってしまうことを見出した。
このような局部的に印刷層の厚い部分が形成された吸着跡は、観察者側からの反射光により観察された場合は視認されることはほとんどないが、積層体を透過した光を観察者が観察する場合は視認され、当該積層体が配置された物品の美観を損なうものとなるのである。本発明者等は、このような上記問題点の原因を把握することにより、本発明を完成させるに至ったものである。
すなわち、本開示は、上記課題を解決するために、保護フィルム層と、透明基材層と、印刷層とをこの順に有する積層体を提供する。
すなわち、本開示は、上記課題を解決するために、保護フィルム層と、透明基材層と、印刷層とをこの順に有する積層体を提供する。
本開示においては、透明基材層が保護フィルム層上に積層されているため、印刷層の形成時に、保護フィルム層を介して透明基材層を吸着板に吸着固定することができ、吸着跡が形成されることを抑制することができる。また、上記保護フィルム層は、積層体が被着体に貼り付けられるなどの次の工程に供されるまでの間は保護層として機能することができる。さらに、積層体が次の工程に供される直前に保護フィルム層を剥離することにより、柔軟性を有する状態で、印刷層を被着体へ貼り付けることができる。
上記開示においては、上記保護フィルム層のヤング率が3.0GPa以上であることが好ましい。透明基材層の吸着跡をより確実に抑制することができるからである。
上記開示においては、上記保護フィルム層の厚みが100μm以上であることが好ましい。透明基材層の吸着跡をより確実に抑制することができるからである。
上記開示においては、上記印刷層の、上記透明基材層とは反対側の面側に接着層を有することが好ましい。上記積層体を容易に被着体に貼り付けることが可能となるからである。
上記開示においては、上記積層体の上記保護フィルム層を除いた積層物のヘイズ値が85%以上であることが好ましい。積層体のヘイズ値が上記範囲であることにより、透過型スクリーンなど、映像光を透過して像を結像するタイプの物品に上記積層体を用い、映像光を投射した際に、鮮明な映像を表示することが可能となるからである。
上記開示においては、上記積層体から上記保護フィルム層を除いた積層物の全光線透過率が40%以上であることが好ましい。積層物の全光線透過率が上記範囲内であることにより、光を透過させて用いる物品に対して上記積層体を用いることができるからである。
また、本開示においては、透明基材層を、保護フィルム層を介して吸着板に吸着固定する吸着工程と、上記透明基材層の、上記保護フィルム層とは反対の面側に印刷層を形成する印刷層形成工程と、を有する、積層体の製造方法を提供する。
本開示においては、透明基材層を、保護フィルム層を介して吸着板に吸着固定した状態で透明基材層上に印刷層を形成するため、薄く、柔らかい枚葉状の透明基材層が用いられた場合でも、透明基材層に吸着跡が形成されることを抑制することができる。そのため、例えば透過型スクリーンなど、光を透過させて用いる用途に本開示の方法により製造された積層体が用いられた場合でも、吸着跡が視認されることなく、美観を向上させることができる。
上記開示においては、上記印刷層の形成が、スクリーン印刷法により行われることが好ましい。高精細な印刷層を形成することができ、かつ、上記印刷法は、枚葉状の透明基材層の固定が必要となるため、本開示の効果が顕著に発揮されるからである。
上記開示においては、上記透明基材層が枚葉状であることが好ましい。透明基材層が枚葉状である場合、透明基材層のずれや、めくれを防止するため、印刷層形成の際に透明基材層を固定する必要があり、本開示の効果が顕著に発揮されるからである。
本開示は、積層体の製造時の吸着跡が視認されることが防止でき、美観を向上することができる。
以下、本開示の積層体および積層体の製造方法について詳細に説明する。
なお、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の態様の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実施の態様に比べ、各部材の幅、厚み、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
なお、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の態様の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実施の態様に比べ、各部材の幅、厚み、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
本明細書において、ある部材の上に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。また、本明細書において、ある部材の上に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。
A.積層体
本開示の積層体は、保護フィルム層と、透明基材層と、印刷層とをこの順に有することを特徴とする。本開示の積層体について、図を参照して説明する。図1は、本開示の積層体の一例を示す概略断面図である。図1に例示されているように、積層体10は、保護フィルム層1と、透明基材層2と、印刷層3とをこの順に有する。さらに、積層体10は、印刷層3上に接着層4を有していてもよい。
本開示の積層体は、保護フィルム層と、透明基材層と、印刷層とをこの順に有することを特徴とする。本開示の積層体について、図を参照して説明する。図1は、本開示の積層体の一例を示す概略断面図である。図1に例示されているように、積層体10は、保護フィルム層1と、透明基材層2と、印刷層3とをこの順に有する。さらに、積層体10は、印刷層3上に接着層4を有していてもよい。
印刷層が形成される透明基材層が長尺のロール状であり、ロール・ツー・ロール方式で印刷層を形成する場合、透明基材層の印刷面にはある程度の張力がかかるため、当該透明基材層を固定する必要はない。一方、透明基材層が枚葉状である場合、例えばスクリーン印刷法などの印刷法においては、透明基材層のずれや、めくれを防止するため、印刷層形成の際に透明基材層を固定する必要がある。この際、脱着が容易である等の理由により、透明基材層を吸着により吸着板に固定する方法が採られる場合がある。しかしながら、透明基材層を吸着固定すると上述したような理由から、吸着跡が残ることがあり、得られた積層体を透過した光を観察者が観察する場合などに上記吸着痕が視認され、当該積層体を介して透過光で映像を見る等の積層体の背面側から照射される透過光を鑑賞する際に美観を損なうことがある。
このような吸着跡は、透明基材層の厚みを厚くする、もしくは硬い透明基材層を用いるなどの方法により、軽減することはできる。しかしながら、三次元形状を有する被着体に積層体を貼り付けて用いる場合に、当該被着体の三次元形状に追従できるため、上記積層体には、ある程度の柔軟性を有する透明基材層が用いられる傾向にある。
本開示においては、透明基材層が保護フィルム層と積層されているため、印刷層の形成時に、保護フィルム層を介して透明基材層を吸着板に吸着固定することができ、透明基材層に吸着跡が形成されることを抑制することができる。また、上記保護フィルム層は、積層体が被着体に貼り付けられるなど、次の工程に供されるまでの間は保護層として機能することができる。さらに、積層体が次の工程に供される直前に保護フィルム層を剥離することにより、柔軟性を有する状態で、印刷層を被着体へ貼り付けることができる。
以下、本開示の積層体の各構成について、詳細に説明する。
以下、本開示の積層体の各構成について、詳細に説明する。
1.保護フィルム層
本開示において保護フィルム層は、保護フィルム層を介して透明基材層を吸着板に吸着固定した状態で、透明基材層の印刷層を形成する側の面(保護フィルム層とは反対側の面)を平坦化することができるものであれば特に限定されるものではなく、一般的な樹脂フィルム等を用いることができる。
このような樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、およびポリエチレン等を挙げることができ、中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、特には、ポリエチレンテレフタレートが好適に用いられる。汎用性のある樹脂の中では、比較的高い硬度を有するものであるからである。
本開示において保護フィルム層は、保護フィルム層を介して透明基材層を吸着板に吸着固定した状態で、透明基材層の印刷層を形成する側の面(保護フィルム層とは反対側の面)を平坦化することができるものであれば特に限定されるものではなく、一般的な樹脂フィルム等を用いることができる。
このような樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、およびポリエチレン等を挙げることができ、中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、特には、ポリエチレンテレフタレートが好適に用いられる。汎用性のある樹脂の中では、比較的高い硬度を有するものであるからである。
吸着跡をより確実に防止するため、保護フィルム層はある程度の厚みを有するものであることが好ましい。例えば、保護フィルム層は100μm以上、中でも125μm以上、特には150μm以上とすることができる。なお、通常、上記保護フィルム層の厚みは、500μm以下とされる。厚すぎて吸着板上で平面とならない場合が生じたり、印刷を行った後の取り扱い性が低下するといった不具合が生じる可能性があるからである。
また、吸着跡をより確実に防止するため、保護フィルム層はある程度の硬さを有するものであることが好ましい。例えば、保護フィルム層は、ヤング率が3.0GPa以上、中でも3.5GPa以上、特には4.5GPa以上であることが好ましい。保護フィルム層のヤング率を上記範囲とすることにより、透明基材層の吸着跡をより確実に防止することができる。なお、保護フィルム層の硬さの上限としては、30GPa以下程度とすることができる。硬すぎて吸着板上で平面とならない場合が生じたり、印刷層形成工程後の取り扱いに問題が生じたりする可能性があるからである。
ここで、ヤング率は、ASTM D882に準じ、引張試験機を用いた速度200mm/分での引張試験を行い、試料が変形する直前での最大弾性(応力−ひずみ曲線の最大傾斜の接線の一次式)から求めた値であり、以下の説明においても同様である。
また、本開示に用いられる保護フィルム層は、保護フィルム層としての使用に耐えられる程度の破断強度を有する必要がある。
保護フィルム層は、透明でも、不透明でもよく、着色されていてもよい。保護フィルム層は、通常、透明なものが用いられるが、着色される場合は、透明基材層上に形成された印刷層の状態を確認しやすいなどの観点から、白色等の淡色に着色されたものが好ましい。
また、本開示における保護フィルム層は、単層であっても複数層が積層されたものであってもよい。複数層積層されたものとしては、吸着板側に配置され、吸着に適した比較的低い硬度を有する吸着層と、透明基材層側に配置され平坦性に優れた平坦化層とが積層されたもの等を挙げることができる。
2.透明基材層
本開示に用いられる透明基材層は、一方の主面側に印刷層を形成可能なものであれば特に限定されるものではない。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂等の樹脂フィルム、石英ガラス、パイレックス(登録商標)、合成石英板等のガラスなどが挙げられる。
本開示に用いられる透明基材層は、一方の主面側に印刷層を形成可能なものであれば特に限定されるものではない。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂等の樹脂フィルム、石英ガラス、パイレックス(登録商標)、合成石英板等のガラスなどが挙げられる。
本開示においては、印刷層が形成された後の被着体の形状への追従性等の観点、さらには本開示の効果が顕著である等の観点からポリカーボネート、およびアクリル樹脂等を挙げることができる。
本開示に用いられる透明基材層は、上述した材料中に必要に応じて紫外線吸収剤、熱線吸収剤等を含んでいてもよい。また、後述するヘイズ値を得るために微粒子が含有されていてもよい。さらに、必要に応じて染料等を添加して、着色されたものであってもよい。
本開示に用いられる透明基材層は、上述した材料中に必要に応じて紫外線吸収剤、熱線吸収剤等を含んでいてもよい。また、後述するヘイズ値を得るために微粒子が含有されていてもよい。さらに、必要に応じて染料等を添加して、着色されたものであってもよい。
透明基材層の形状は、一方の主面側に印刷層が配置できるものであれば特に限定されるものではなく、長尺状のものも用いることは可能であるが、本開示の作用効果の観点から枚葉状のものが好ましい。
本開示における透明基材層の厚みは、本開示の積層体の強度等の観点から、75μm以上、中でも100μm以上とすることができる。一方、柔軟性という観点から、透明基材層の厚みは、例えば、125μm以下、中でも100μm以下とすることができる。
また、同様に本開示の積層体の強度等の観点から、透明基材層は、ヤング率が1.0GPa以上、中でも1.5GPa以上であることが好ましく、柔軟性という観点から、透明基材層は、ヤング率が2.5GPa以下、中でも2.0GPa以下とすることができる。
本開示における透明基材層は、用いられる積層体の用途から、所定の透明性を有することが好ましい。透明基材層の全光線透過率としては、例えば、60%以上、中でも80%以上、特には90%以上とすることができる。透明基材層の全光線透過率が上記範囲内であれば、透過型スクリーンや光源のカバー等の本開示の用途に用いることが可能となるからである。
なお、上記全光線透過率は、例えば、JIS K7361−1:1997に準拠して測定することができ、以下の説明における全光線透過率についても同様である。
なお、上記全光線透過率は、例えば、JIS K7361−1:1997に準拠して測定することができ、以下の説明における全光線透過率についても同様である。
また、本開示における透明基材層は、光拡散機能を有するものであってもよい。透過型スクリーンとして用いた場合に、他に拡散層を形成することなく、本開示の積層体に対し、透過光による像を良好に映し出すことを可能とするからである。
透明基材層を光拡散層として用いる場合のヘイズ値としては、例えば、70%以上、中でも80%以上、特には85%以上とすることができる。透明基材層のヘイズ値が上記範囲内であれば、積層体とした際に十分なヘイズ値をとることが可能となり、透過型スクリーンなど、映像光を透過して像を結像するタイプの用途に好適に用いることができるからである。なお、透明基材層のヘイズ値の上限としては、通常、90%以下とされる。
上記透明基材層のヘイズ値は、例えば、JIS K7105:1981に準拠して測定することができる。
上記透明基材層のヘイズ値は、例えば、JIS K7105:1981に準拠して測定することができる。
本開示における透明基材層に上述したようなヘイズ値を付与する方法としては、上記透明基材層の一方の主面側に微細凹凸を設ける方法や、透明基材層の材料として、微粒子が混入されたものを用いる方法等を挙げることができる。
本開示における透明基材層は、通常は単層であるが、複数層が積層されたものを用いてもよい。例えば、印刷層が形成される側の面に、印刷層の定着が良好となる定着層が形成されていてもよい。
また、上記透明基材層の一方の主面側に配置される印刷層の密着性を向上さえるために、表面処理が施されたものであってもよい。
また、上記透明基材層の一方の主面側に配置される印刷層の密着性を向上さえるために、表面処理が施されたものであってもよい。
3.印刷層
本開示の積層体に用いられる印刷層としては、用途に応じて種々の方法により印刷されたものを用いることができる。
具体的には、スクリーン印刷法、およびグラビア印刷法等により印刷された印刷層を挙げることができる。
本開示の積層体に用いられる印刷層としては、用途に応じて種々の方法により印刷されたものを用いることができる。
具体的には、スクリーン印刷法、およびグラビア印刷法等により印刷された印刷層を挙げることができる。
本開示においては、上記本開示の作用効果をより顕著に発揮できる、すなわち吸着板上に吸着して印刷することが好ましく、その際に吸着痕が生じやすい印刷法により印刷された印刷層であることが好ましい。
このような印刷法としては、スクリーン印刷法を挙げることができる。
このような印刷法としては、スクリーン印刷法を挙げることができる。
本開示に用いられる印刷層としては、単層であっても、複数の層が積層されていてもよく、また、印刷層は全面が単色であっても、文字や図柄等のパターンを有していてもよい。印刷層が単色の場合は、黒、グレーなどの色の単色であることが好ましい。積層体を透過した光のコントラストを向上させることができるからである。
印刷層は、全面に均一に形成された、いわゆるベタ塗りでもよく、印刷層が存在する領域と存在しない領域とがパターン状に配置されたものであってもよい。例えば、印刷層は、図2に例示するように、平面視上多数の開口部20が形成されていてもよい。この例は、本開示の積層体から保護フィルム層が除かれた積層物10‘が透過型スクリーンに用いられた場合における、印刷層3と、光源21と観察者22との位置関係を示している。印刷層に平面視上多数の開口部が形成されることにより、映像光を透過して像を結像する透過型スクリーンなどに上記積層体が用いられた場合でも、当該開口部から映像光を透過して観察者側に映像を表示することが可能となる。
なお、以下、本開示の積層体から保護フィルム層が除かれたものを積層物と称する場合がある。
なお、以下、本開示の積層体から保護フィルム層が除かれたものを積層物と称する場合がある。
上記開口部は、印刷層全体として所望の透過率を得られるものであれば特に限定されるものではない。例えば、直径が5mm以下、中でも0.2mm以下、特に0.05mm以下など、観察者に視認されない程度の、円形状や矩形状、格子状等の平面形状を有するものを挙げることができる。また、所望される量の光を透過できるように、開口部の大きさを0.01mm以上とすることができる。
印刷層自体の視認性、および、上記積層物を透過型スクリーンなどに用いた場合の映像の視認性を考慮すると、印刷層の全光線透過率は、10%以上、中でも15%以上とすることができる。
さらに、印刷層は、他の部材を介することなく上述した透明基材層上に直に形成されていてもよく、光拡散層や遮光層等を介して透明基材層上に形成されていてもよい。例えば、図3(a)に例示するように、透明基材層2と印刷層3との間に遮光層31が配置されており、印刷層3および遮光層31の開口部20内に光拡散層32が配置されていてもよい。また、図3(b)に例示するように、光拡散層32は、パターン状に配置された遮光層31を覆うように、遮光層31および印刷層3の間に配置されていてもよい。なお、図3は、本開示における積層物の他の例を示す概略断面図である。上記積層物が光拡散層や遮光層などの層を有する場合は、これらの層および印刷層が積層された状態での全光線透過率が上述した印刷層の全光線透過率を有することが好ましい。
4.任意の構成
本開示の積層体は、上述した保護フィルム層、透明基材層、および印刷層の他に、必要に応じて任意の構成を有していてもよい。以下、任意の構成について説明する。
本開示の積層体は、上述した保護フィルム層、透明基材層、および印刷層の他に、必要に応じて任意の構成を有していてもよい。以下、任意の構成について説明する。
(1)光拡散層
本開示の積層体は、上述したように光拡散層を有していてもよい。上記積層体が光拡散層を有していると、上記積層体を透過型スクリーンなどに用いた場合に、視野角による映像の視認性を向上することができる。このような光拡散層は、上述したように、印刷層が開口部を有するものであっても、開口部を有さないものであっても配置することができる。
本開示において、上記光拡散層は上記印刷層のいずれの面側に配置されてもよいが、印刷層の透明基材側に配置されるのが一般的である。また、光拡散層は、上述した印刷層の開口部内に配置されてもよい。
本開示の積層体は、上述したように光拡散層を有していてもよい。上記積層体が光拡散層を有していると、上記積層体を透過型スクリーンなどに用いた場合に、視野角による映像の視認性を向上することができる。このような光拡散層は、上述したように、印刷層が開口部を有するものであっても、開口部を有さないものであっても配置することができる。
本開示において、上記光拡散層は上記印刷層のいずれの面側に配置されてもよいが、印刷層の透明基材側に配置されるのが一般的である。また、光拡散層は、上述した印刷層の開口部内に配置されてもよい。
光拡散層は、上述した透明基材層と同程度の全光線透過率やヘイズ値を有することが好ましい。また、透明な樹脂等の中に、例えば、メラミン樹脂製、アクリル樹脂製、アクリロニトリルスチレン樹脂製、ポリカーボネート樹脂製など、プラスチックビーズ等の有機フィラーや、シリコン系ビーズのような光拡散材を分散させることにより、光拡散層に光拡散機能を付与することができる。
(2)遮光層
本開示においては、上述したように印刷層に開口部を有する場合は、遮光層が形成されていてもよい。上記印刷層と透明基材層との間に遮光層を配置することにより、印刷層の視認性を向上することができる。遮光層は、上述した印刷層の開口部と同一のパターン状の開口部を有していてもよく、遮光層の開口部内にも上記光拡散層が配置されていてもよい。遮光層の遮光性は、積層体の用途等に応じて異なるが、例えば、全光線透過率が40%以下、中でも30%以下、特に25%以下とすることができる。また、遮光層の厚みは、例えば、0.5μm以上、中でも1μm以上とすることができ、200μm以下、中でも50μm以下とすることができる。
本開示においては、上述したように印刷層に開口部を有する場合は、遮光層が形成されていてもよい。上記印刷層と透明基材層との間に遮光層を配置することにより、印刷層の視認性を向上することができる。遮光層は、上述した印刷層の開口部と同一のパターン状の開口部を有していてもよく、遮光層の開口部内にも上記光拡散層が配置されていてもよい。遮光層の遮光性は、積層体の用途等に応じて異なるが、例えば、全光線透過率が40%以下、中でも30%以下、特に25%以下とすることができる。また、遮光層の厚みは、例えば、0.5μm以上、中でも1μm以上とすることができ、200μm以下、中でも50μm以下とすることができる。
遮光層の材料は、所望の遮光性を発揮することができる材料であれば特に限定されず、例えば、光吸収材または着色材と樹脂とを含有する樹脂組成物が挙げられる。光吸収材としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩等が挙げられる。また、着色材としては、例えば、グレー系や黒色系等の暗色系の染料や顔料等が挙げられる。さらに、樹脂としては、光吸収材や着色材を分散できる材料であればよく、例えば、一般的に印刷インクに使用される樹脂を用いることができる。
(3)接着層
本開示の積層体は、被着体に貼り付けるための接着層を、印刷層の、透明基材層とは反対の面側に有していてもよい。この際の接着層は特に限定されないが、例えばゴム系、アクリル系、オレフィン系、ポリエステル系、およびポリウレタン系の粘着剤等を粘着主剤とするものなど、一般的なものを用いることができる。このような接着層としては、例えば感圧粘着層等がある。
本開示の積層体は、被着体に貼り付けるための接着層を、印刷層の、透明基材層とは反対の面側に有していてもよい。この際の接着層は特に限定されないが、例えばゴム系、アクリル系、オレフィン系、ポリエステル系、およびポリウレタン系の粘着剤等を粘着主剤とするものなど、一般的なものを用いることができる。このような接着層としては、例えば感圧粘着層等がある。
(4)その他
また、本開示の積層体は、上記接着層上に剥離層を有していてもよい。剥離層を有することにより、上記接着層への埃等の付着を防止し、汚れによる印刷層の視認性の低下を防ぐことができる。剥離層の材料としては、一般に使用されているものであれば特に限定されない。例えば、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系およびメタアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、シリコン樹脂、塩化ゴム、カゼイン、各種界面活性剤、金属酸化物等が挙げられる。これらの材料は単独で用いても良く、2種以上混合して用いてもよい。
また、本開示の積層体は、上記接着層上に剥離層を有していてもよい。剥離層を有することにより、上記接着層への埃等の付着を防止し、汚れによる印刷層の視認性の低下を防ぐことができる。剥離層の材料としては、一般に使用されているものであれば特に限定されない。例えば、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系およびメタアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、シリコン樹脂、塩化ゴム、カゼイン、各種界面活性剤、金属酸化物等が挙げられる。これらの材料は単独で用いても良く、2種以上混合して用いてもよい。
さらに、本開示の積層体は、保護フィルム層と透明基材層との間に表面機能層を有していてもよい。上記表面機能層が有する機能としては、例えば、ハードコート機能、防眩機能、反射防止機能、帯電防止機能、紫外線吸収機能、防汚機能等の少なくとも1つの機能を挙げることができる。
5.その他
本開示の積層体は、上記積層体から保護フィルム層を除いた積層物が、所定のヘイズ値を有することが好ましく、上記積層物のヘイズ値が例えば、80%以上、中でも85%以上とすることができ、また、99%以下、中でも90%以下とすることができる。上記積層物のヘイズ値が上記範囲内であることにより、透過型スクリーンなど、映像光を透過して像を結像するタイプの物品に上記積層物を用い、映像光を投射した際に、鮮明な映像を表示することが可能となる。なお、積層物のヘイズ値は、例えば、JIS K7136:2000に準拠して測定することができる。
本開示の積層体は、上記積層体から保護フィルム層を除いた積層物が、所定のヘイズ値を有することが好ましく、上記積層物のヘイズ値が例えば、80%以上、中でも85%以上とすることができ、また、99%以下、中でも90%以下とすることができる。上記積層物のヘイズ値が上記範囲内であることにより、透過型スクリーンなど、映像光を透過して像を結像するタイプの物品に上記積層物を用い、映像光を投射した際に、鮮明な映像を表示することが可能となる。なお、積層物のヘイズ値は、例えば、JIS K7136:2000に準拠して測定することができる。
また、本開示の積層体から保護フィルム層を除いた積層物の全光線透過率は、透過光により絵柄を映し出したり、映像を結像させたりするものであるので、10%以上、中でも40%以上、特には50%以上とすることができる。
上記積層体における保護フィルム層は、透明基材層が吸着板に吸着される前に、上記透明基材層と積層されるものである。また、保護フィルム層は、例えば積層体が被着体に貼り付けられた後など、印刷層形成後から、上記積層体が用いられた被着体が最終製品として使用される前までのいずれかの段階で剥離されるものである。したがって、保護フィルム層と透明基材層とは、容易に剥離することができ、かつ、剥がした跡が残らない方法で積層されることが好ましい。
保護フィルム層および透明基材層の積層方法は、特に限定されるものではない。例えば、保護フィルム層もしくは透明基材層自身の粘着性により積層されてもよい。また、弱い接着力により接着されるように、両層の熱ラミネート加工を行ってもよい。
また、保護フィルム層および透明基材層は、いずれか一方または両方に易接着処理が施されていてもよく、また、易接着コーティングを塗布することにより形成された易接着層を有していてもよい。上記易接着処理としては一般的なものを用いることができ、例えば、アクリル樹脂等を挙げることができる。
また、易接着層は、保護フィルム層や透明基材層の一方の面の全面に均一に形成されてもよく、部分的に形成されてもよい。部分的に形成する場合、易接着層を形成する領域の面積を調整することにより、保護フィルム層および透明基材層間の接着力を調整することができる。
6.用途
本開示の積層体は、上記保護フィルム層を剥がした状態、すなわち上記積層物で用いられるものであり、例えば、一方の面側から投射された映像光を他方の面側に透過して映像を表示する透過型スクリーンに用いることができる。上記積層物を用いて透過型スクリーンの表面に印刷層を配置することにより、透過型スクリーンに映像光を投射していない場合にも、観察者側から所定の色彩や絵柄を表示することができ、透過型スクリーンの意匠性の向上を図ることができる。
本開示の積層体は、上記保護フィルム層を剥がした状態、すなわち上記積層物で用いられるものであり、例えば、一方の面側から投射された映像光を他方の面側に透過して映像を表示する透過型スクリーンに用いることができる。上記積層物を用いて透過型スクリーンの表面に印刷層を配置することにより、透過型スクリーンに映像光を投射していない場合にも、観察者側から所定の色彩や絵柄を表示することができ、透過型スクリーンの意匠性の向上を図ることができる。
このような透過型スクリーンの例としては、上述した図2や図3に示すものや、図4に示すもの等を挙げることができる。図4は、保護フィルム層を除いた積層物を透過型スクリーン100に用いた例であり、観察者側の面が三次元曲面をなす湾曲形状を有する透過型スクリーン100は、光源21側に、フレネル基材部41およびフレネルレンズ部42を有するフレネルレンズ層40を有している。
また、所定の光源の周囲に配置することにより、上記光源に色彩、意匠性、隠匿性等を付与するといった光源カバーとして用いることもできる。具体的には、家電の表示部としての用途、表示部が埋め込まれた家具の表示部としての用途、照明器具、窓、ショーウィンドウ等の照明としての用途、避難経路、火災報知機、警告灯等の警告表示としての用途等が挙げられる。
7.製造方法
上述した積層体の製造方法は、公知の種々の方法におり製造することが可能である。その一例として、後述する「B.積層体の製造方法」の項に記載する方法等を挙げることができる。
上述した積層体の製造方法は、公知の種々の方法におり製造することが可能である。その一例として、後述する「B.積層体の製造方法」の項に記載する方法等を挙げることができる。
B.積層体の製造方法
本開示の積層体の製造方法は、透明基材層を、保護フィルム層を介して吸着板に吸着固定する吸着工程と、上記透明基材層の、上記保護フィルム層とは反対の面側に印刷層を形成する印刷層形成工程と、を有することを特徴とする。
本開示の積層体の製造方法は、透明基材層を、保護フィルム層を介して吸着板に吸着固定する吸着工程と、上記透明基材層の、上記保護フィルム層とは反対の面側に印刷層を形成する印刷層形成工程と、を有することを特徴とする。
図5は、本開示の積層体の製造方法の一例を示す概略断面図である。まず、透明基材層2を、保護フィルム層1を介して吸着板60に吸着固定する(図5(a):吸着工程)。次に、透明基材層2の保護フィルム層1とは反対の面側に印刷層3を形成する(図5(b):印刷層形成工程)。
枚葉状の透明基材層上に、例えばスクリーン印刷法などの方法により印刷層を形成する場合、印刷の際の透明基材層のずれや、めくれを防止するため、透明基材層を吸着板に吸着固定した状態で印刷する方法が用いられる場合がある。この際に用いられる透明基材は、三次元形状を有する被着体に貼り付ける場合の追従性の確保などの理由から、薄く、柔軟性を有する材料が用いられる傾向にある。しかしながら、このような材料で構成された透明基材層を、吸着固定すると吸着跡が残ることがあり、得られた積層体を透過した光を観察者が観察する場合に上記吸着跡が視認され、当該積層体が配置された物品の美観を損なうことがある。
本開示においては、透明基材層を、保護フィルム層を介して吸着板に吸着固定した状態で、上記透明基材層上に印刷層を形成するため、薄く、柔軟性を有する枚葉状の透明基材層が用いられた場合でも、透明基材層に吸着跡が形成されることを抑制することができる。そのため、例えば透過型スクリーンなど、光を透過させて用いる用途に本開示の方法により製造された積層体が用いられた場合でも、吸着跡が視認されることなく、美観を向上させることができる。
以下、本開示の積層体の製造方法の各工程について、詳細に説明する。
以下、本開示の積層体の製造方法の各工程について、詳細に説明する。
1.吸着工程
本開示における吸着工程は、透明基材層を、保護フィルム層を介して吸着板に吸着固定する工程である。この際に用いられる透明基材層および保護フィルム層については、上述した「A.積層体」の項に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
本開示における吸着工程は、透明基材層を、保護フィルム層を介して吸着板に吸着固定する工程である。この際に用いられる透明基材層および保護フィルム層については、上述した「A.積層体」の項に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
本工程に用いられる吸着板は、保護フィルム層上に積層された透明基材層を固定できるものであれば特に限定されるものではなく、一般的な吸着板を用いることができる。例えば、図6に例示するように、板状の吸着板60であり、一方の主面から他方の主面に至る複数の吸引孔61を有するものを用いることができる。なお、図6は、本工程における吸着板の一例を示す概略斜視図である。吸着板の上に保護フィルム層を介して透明基材層を配置し、吸着板の、保護フィルム層が配置された面とは反対側の面側から、上記吸引孔を介して吸引することにより、保護フィルム層を吸着板に吸着固定することができる。
上記吸引孔は、吸着板の吸着面内に規則的に配置されていても、ランダムに配置されていてもよい。また、吸引孔の大きさやピッチは、特に限定されるものではなく、一般的なものを用いることができる。例えば、吸引孔の大きさは、直径500μm〜1000μm程度、吸引孔のピッチは、20mm〜100mm程度のものを用いることができる。さらに、吸着固定する際の吸引圧力は、保護フィルム層の大きさや硬さ等により適宜選択することができ、例えば、10kPa/cm2〜100kPa/cm2程度とすることができる。
2.印刷層形成工程
本開示における印刷層形成工程は、透明基材層が保護フィルム層を介して吸着板に吸着固定された状態で、上記透明基材層の、上記保護フィルム層とは反対の面側に印刷層を形成する工程である。本工程において形成される印刷層、および印刷方法等については、上述した「A.積層体」の項に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
本開示における印刷層形成工程は、透明基材層が保護フィルム層を介して吸着板に吸着固定された状態で、上記透明基材層の、上記保護フィルム層とは反対の面側に印刷層を形成する工程である。本工程において形成される印刷層、および印刷方法等については、上述した「A.積層体」の項に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
3.その他の工程
本開示の積層体の製造方法は、上述した吸着工程および印刷層形成工程以外の工程を有していてもよい。例えば、印刷層形成工程後に、被着体に貼り付けるための接着層を印刷層上に形成する接着層形成工程を有していてもよい。また、上記接着層上に剥離層を形成する剥離層形成工程を有していてもよい。これらの接着層や剥離層については、上述した「A.積層体、4.任意の構成」の項に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
本開示の積層体の製造方法は、上述した吸着工程および印刷層形成工程以外の工程を有していてもよい。例えば、印刷層形成工程後に、被着体に貼り付けるための接着層を印刷層上に形成する接着層形成工程を有していてもよい。また、上記接着層上に剥離層を形成する剥離層形成工程を有していてもよい。これらの接着層や剥離層については、上述した「A.積層体、4.任意の構成」の項に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
さらに、本開示の積層体の製造方法は、上述した積層体が用いられた透過型スクリーンの製造方法の一部として用いることができる。上記透過型スクリーンの製造方法は、例えば、上述した吸着工程と、上述した印刷層形成工程と、得られた積層体の印刷層側の面をスクリーン基材の表面に貼り付ける積層体貼り付け工程と、上記スクリーン基材から上記積層体の保護フィルム層を剥離する剥離工程と、を有することができる。製造される透過型スクリーンの態様や、用いられるスクリーン基材などについては、上述した「A.積層体、6.用途」の項に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
C.表示機能付き物品
本開示の表示機能付き物品は、上記「A.積層体」の項で説明した積層体から保護フィルム層を除いた積層物と、前記積層物の一方の主面側に配置された光源とを有するものである。
本開示の表示機能付き物品は、上記「A.積層体」の項で説明した積層体から保護フィルム層を除いた積層物と、前記積層物の一方の主面側に配置された光源とを有するものである。
図2は、本開示の表示機能付き物品の一例を示すものであり、映像光を照射する光源21は積層物10’の一方側に配置され、上記積層物10‘の前記光源21側とは反対側から観察者22が観察(鑑賞)を行うものであり、上述した積層体から保護フィルム層が除かれた積層物10‘が透過型スクリーンとして用いられている例を示すものである。
本開示の表示機能付き物品において、上記積層物は、上記「A.積層体」の項で説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
また、上記光源は、特に限定されるものではなく、通常用いられる照明であってもよく、また、上記図2に示すように映像を照射するものであってもよい。
光源が照明である場合は、上記積層物は照明のカバーとしての機能を有するものであり、例えば消灯時には通常の絵柄を有する住宅や車両の内装材であった部位が、点灯時には照明として機能したり、発光する絵柄を表示する部位となるといった用途で用いられる。
一方、光源がプロジェクタ、ディスプレイ等、映像光を照射する光源である場合は、上記積層物は透過型スクリーンとしての機能を有するものとして用いられる。
また、上記光源は、特に限定されるものではなく、通常用いられる照明であってもよく、また、上記図2に示すように映像を照射するものであってもよい。
光源が照明である場合は、上記積層物は照明のカバーとしての機能を有するものであり、例えば消灯時には通常の絵柄を有する住宅や車両の内装材であった部位が、点灯時には照明として機能したり、発光する絵柄を表示する部位となるといった用途で用いられる。
一方、光源がプロジェクタ、ディスプレイ等、映像光を照射する光源である場合は、上記積層物は透過型スクリーンとしての機能を有するものとして用いられる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
下記に実施例および比較例を示して、本開示をさらに具体的に説明する。
[実験例1]
(積層体の製造)
まず、保護フィルム層としての厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムと、透明基材層としての厚み75μmのアクリルフィルムフィルムとを準備し、両フィルムをアクリル系の易接着層を介して積層した。
[実験例1]
(積層体の製造)
まず、保護フィルム層としての厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムと、透明基材層としての厚み75μmのアクリルフィルムフィルムとを準備し、両フィルムをアクリル系の易接着層を介して積層した。
保護フィルム層として用いられたPETフィルムのヤング率は4.7GPaであった。PETフィルムのヤング率の測定は、上述した「A.積層体、1.保護フィルム層」の項に記載された方法により行った。
次に、保護フィルム層と吸着板とが接するように、透明基材層が積層された保護フィルム層を吸着板上に配置し、吸着固定した。その後、保護フィルム層が吸着固定された状態で、透明基材層に、スクリーン印刷法により印刷層を形成し、保護フィルム層と、透明基材層と、印刷層とをこの順に有する積層体を得た。
(透過型スクリーンの製造)
得られた積層体の印刷層側の面を、接着層を介してスクリーン基材に貼り付け、保護フィルム層を剥離し、透過型スクリーンを得た。
得られた積層体の印刷層側の面を、接着層を介してスクリーン基材に貼り付け、保護フィルム層を剥離し、透過型スクリーンを得た。
[実施例2]
厚み75μm、ヤング率4.7GPaのPETフィルムを保護フィルム層として用いたこと以外は、実施例1と同様に積層体を製造し、当該積層体をもちいて透過型スクリーンを製造した。
厚み75μm、ヤング率4.7GPaのPETフィルムを保護フィルム層として用いたこと以外は、実施例1と同様に積層体を製造し、当該積層体をもちいて透過型スクリーンを製造した。
[実施例3]
厚み100μm、ヤング率4.7GPaのPETフィルムを保護フィルム層として用いたこと以外は、実施例1と同様に積層体を製造し、当該積層体をもちいて透過型スクリーンを製造した。
厚み100μm、ヤング率4.7GPaのPETフィルムを保護フィルム層として用いたこと以外は、実施例1と同様に積層体を製造し、当該積層体をもちいて透過型スクリーンを製造した。
[実施例4]
厚み125μm、ヤング率4.7GPaのPETフィルムを保護フィルム層として用いたこと以外は、実施例1と同様に積層体を製造し、当該積層体をもちいて透過型スクリーンを製造した。
厚み125μm、ヤング率4.7GPaのPETフィルムを保護フィルム層として用いたこと以外は、実施例1と同様に積層体を製造し、当該積層体をもちいて透過型スクリーンを製造した。
[実施例5]
厚み250μm、ヤング率4.7GPaのPETフィルムを保護フィルム層として用いたこと以外は、実施例1と同様に積層体を製造し、当該積層体をもちいて透過型スクリーンを製造した。
厚み250μm、ヤング率4.7GPaのPETフィルムを保護フィルム層として用いたこと以外は、実施例1と同様に積層体を製造し、当該積層体をもちいて透過型スクリーンを製造した。
[実施例6]
厚み50μmのポリプロピレン(PP)フィルムを保護フィルム層として用いたこと以外は、実施例1と同様に積層体を製造し、当該積層体をもちいて透過型スクリーンを製造した。保護フィルム層として用いられたPPフィルムのヤング率は1.5GPaであった。PPフィルムのヤング率の測定は、上述した「A.積層体、1.保護フィルム層」の項に記載された方法により行った。
厚み50μmのポリプロピレン(PP)フィルムを保護フィルム層として用いたこと以外は、実施例1と同様に積層体を製造し、当該積層体をもちいて透過型スクリーンを製造した。保護フィルム層として用いられたPPフィルムのヤング率は1.5GPaであった。PPフィルムのヤング率の測定は、上述した「A.積層体、1.保護フィルム層」の項に記載された方法により行った。
[実施例7]
厚み75μmのPPフィルムを保護フィルム層として用いたこと以外は、実施例1と同様に積層体を製造し、当該積層体をもちいて透過型スクリーンを製造した。
厚み75μmのPPフィルムを保護フィルム層として用いたこと以外は、実施例1と同様に積層体を製造し、当該積層体をもちいて透過型スクリーンを製造した。
[実施例8]
厚み100μm、ヤング率1.5GPaのPPフィルムを保護フィルム層として用いたこと以外は、実施例1と同様に積層体を製造し、当該積層体をもちいて透過型スクリーンを製造した。
厚み100μm、ヤング率1.5GPaのPPフィルムを保護フィルム層として用いたこと以外は、実施例1と同様に積層体を製造し、当該積層体をもちいて透過型スクリーンを製造した。
[実施例9]
厚み125μm、ヤング率1.5GPaのPPフィルムを保護フィルム層として用いたこと以外は、実施例1と同様に積層体を製造し、当該積層体をもちいて透過型スクリーンを製造した。
厚み125μm、ヤング率1.5GPaのPPフィルムを保護フィルム層として用いたこと以外は、実施例1と同様に積層体を製造し、当該積層体をもちいて透過型スクリーンを製造した。
[実施例10]
厚み50μmのポリエチレン(PE)フィルムを保護フィルム層として用いたこと以外は、実施例1と同様に積層体を製造し、当該積層体をもちいて透過型スクリーンを製造した。保護フィルム層として用いられたPEフィルムのヤング率は0.4GPaであった。PEフィルムのヤング率の測定は、上述した「A.積層体、1.保護フィルム層」の項に記載された方法により行った。
厚み50μmのポリエチレン(PE)フィルムを保護フィルム層として用いたこと以外は、実施例1と同様に積層体を製造し、当該積層体をもちいて透過型スクリーンを製造した。保護フィルム層として用いられたPEフィルムのヤング率は0.4GPaであった。PEフィルムのヤング率の測定は、上述した「A.積層体、1.保護フィルム層」の項に記載された方法により行った。
[実施例11]
厚み100μm、ヤング率0.4GPaのPEフィルムを保護フィルム層として用いたこと以外は、実施例1と同様に積層体を製造し、当該積層体をもちいて透過型スクリーンを製造した。
厚み100μm、ヤング率0.4GPaのPEフィルムを保護フィルム層として用いたこと以外は、実施例1と同様に積層体を製造し、当該積層体をもちいて透過型スクリーンを製造した。
[比較例]
保護フィルム層を用いなかったこと以外は、実施例1と同様に積層体を製造し、当該積層体をもちいて透過型スクリーンを製造した。
保護フィルム層を用いなかったこと以外は、実施例1と同様に積層体を製造し、当該積層体をもちいて透過型スクリーンを製造した。
[視認性評価]
各実施例および比較例で得られた積層体について、積層体の状態で、吸着跡の有無を目視で確認した。その後、各積層体を用いて製造された透過型スクリーンに背面側からプロジェクタによる映像光を投影し、映像における吸着跡の有無を目視で確認した。評価結果を表1に示す。視認性評価は、下記の基準で評価した。
各実施例および比較例で得られた積層体について、積層体の状態で、吸着跡の有無を目視で確認した。その後、各積層体を用いて製造された透過型スクリーンに背面側からプロジェクタによる映像光を投影し、映像における吸着跡の有無を目視で確認した。評価結果を表1に示す。視認性評価は、下記の基準で評価した。
◎:積層体に吸着跡は視認されず、映像においても視認されなかった
○:積層体に吸着跡がうっすらと視認されたが、映像においては視認されなかった
△:積層体に吸着跡は視認されたが、映像は品質上問題のない範囲内であった
×:積層体に吸着跡が確認され、映像においても視認された
○:積層体に吸着跡がうっすらと視認されたが、映像においては視認されなかった
△:積層体に吸着跡は視認されたが、映像は品質上問題のない範囲内であった
×:積層体に吸着跡が確認され、映像においても視認された
(まとめ)
保護フィルム層が用いられなかった比較例においては、映像において吸着跡が視認され、所望される映像品質を得ることはできなかった。一方、保護フィルム層が用いられた各実施例においては、映像品質が大幅に改善されていた。中でも、PETフィルムが保護フィルム層として用いられたもの、特にはPETフィルムの厚みが100μm以上のものでは、映像品質の改善効果が著しかった。
保護フィルム層が用いられなかった比較例においては、映像において吸着跡が視認され、所望される映像品質を得ることはできなかった。一方、保護フィルム層が用いられた各実施例においては、映像品質が大幅に改善されていた。中でも、PETフィルムが保護フィルム層として用いられたもの、特にはPETフィルムの厚みが100μm以上のものでは、映像品質の改善効果が著しかった。
1 … 保護フィルム層
2 … 透明基材層
3 … 印刷層
4 … 接着層
10 … 積層体
10‘ … 積層物
60 … 吸着板
2 … 透明基材層
3 … 印刷層
4 … 接着層
10 … 積層体
10‘ … 積層物
60 … 吸着板
Claims (10)
- 保護フィルム層と、透明基材層と、印刷層とをこの順に有する積層体。
- 前記保護フィルム層のヤング率が3.0GPa以上である、請求項1に記載の積層体。
- 前記保護フィルム層の厚みが100μm以上である、請求項1または請求項2に記載の積層体。
- 前記印刷層の、前記透明基材層とは反対側の面側に接着層を有する、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の積層体。
- 前記積層体から前記保護フィルム層を除いた積層物のヘイズ値が85%%以上である、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の積層体。
- 前記積層体から前記保護フィルム層を除いた積層物の全光線透過率が40%以上である、請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の積層体。
- 透明基材層を、保護フィルム層を介して吸着板に吸着固定する吸着工程と、
前記透明基材層の、前記保護フィルム層とは反対の面側に印刷層を形成する印刷層形成工程と、
を有する、積層体の製造方法。 - 前記印刷層の形成が、スクリーン印刷法により行われる、請求項7に記載の製造方法。
- 前記透明基材層が枚葉状である、請求項7または請求項8に記載の製造方法。
- 請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の積層体から保護フィルム層を除いた積層物と、前記積層物の一方の主面側に配置された光源とを有する、表示機能付き物品。
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JP2022090637A (ja) * | 2020-12-07 | 2022-06-17 | 大日本印刷株式会社 | 加飾シート、表示装置 |
-
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