JP2011118200A - 光制御積層体およびその製造方法、照明装置 - Google Patents
光制御積層体およびその製造方法、照明装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】生産が容易で安価な製造方法により、印刷面の剥離、擦れを防止でき、耐久性の高い光制御積層体およびその製造方法、照明装置を提供する。
【解決手段】光源から出射した光を制御する光制御積層体1であって、光源に対向配置される基体2と前記基体2と同系の樹脂からなり、前記基体2に積層されるフィルム4とを備え、前記基体2と前記フィルム4の間には選択遮光性パターン3を有する。
【選択図】図1
【解決手段】光源から出射した光を制御する光制御積層体1であって、光源に対向配置される基体2と前記基体2と同系の樹脂からなり、前記基体2に積層されるフィルム4とを備え、前記基体2と前記フィルム4の間には選択遮光性パターン3を有する。
【選択図】図1
Description
本願発明は、光制御積層体およびその製造方法、照明装置に関する。
液晶ディスプレイや一般照明装置等の背面照明などに用いる面状光源として均一で高輝度の直下型バックライトが使用されている。かかるバックライトでは、特許文献1に開示されているように光拡散剤を配合した光拡散板や、特許文献2〜7に開示されているように、光透過板に光遮断性を有するインク層などを印刷したものにより、光源から発生された光を面状光源に変更する。
しかしながら、特許文献2〜7に記載の発明では、いずれもインク層が外側の層に形成されており、直下型バックライトユニットにおいて、拡散板を使用する際、輸送や組み立て時に印刷が剥がれる他、印刷面と液晶パネルや光学シートとの擦れが生じたり、印刷面を光源側として配置した場合には、拡散板の支持ピンとの擦れにより、印刷面が傷つき、選択遮光性を逸失してしまうという問題があった。特許文献6には、インク層を強制硬化することにより表面硬度の高い光拡散板を製造する技術が記載されているが、生産性やコストの点でなお問題があった。
本発明は、このような点を鑑みて、生産性が高く安価に製造可能であり、印刷面の剥離、擦れを防止でき、耐久性の高い光制御積層体およびその製造方法、照明装置を提供することを目的とする。
本発明は、光源から出射した光を制御する光制御積層体であって、光源に対向配置される基体と前記基体と同系の樹脂からなり、前記基体に積層されるフィルムとを備え、前記基体と前記フィルムの間には選択遮光性パターンを有することを特徴とする。
この発明によれば、本発明の光制御積層体を、例えば、液晶パネルのバックライトユニットに使用する場合でも、選択遮光性パターンが光制御積層体の表面に露出することがなく、基体およびフィルムに保護されている状態となるので、組立、運搬、および使用時に選択遮光性パターンが剥がれたり、擦れて傷つくことがなく、経時的な劣化にも強い光制御積層体を提供することができる。また、前記基体と前記フィルムが同系の樹脂からなるので、例えば熱ラミネートで積層した場合にも、密着性がよく、剥離を防止でき、積層体の反りも防止できる。また、従来、光源光を拡散するために使用されていた部材、例えば、拡散フィルムやプリズムフィルム等を省くことができる。
本発明では、前記同系の樹脂が、ポリスチレン系樹脂であることが好ましい。
この発明によれば、透明性が高いポリスチレン樹脂を使用するので、光線透過率が高く、光源の輝度を効率よく利用できる他、選択遮光性パターンの光拡散効果をより効果的に発揮できる。また、積層時の接着性がよく、前述の剥離防止効果をより強く奏することができる。さらに、ポリスチレン系樹脂は印刷および塗装性に優れているため、前記選択遮光性パターンを基体およびフィルムに、印刷により容易に形成することが可能となる。
さらに、前記フィルムは二軸延伸ポリスチレンフィルムであることが好ましい。この発明によれば、選択遮光性パターンをより強く保護することができる。また、前記遮光性パターンをフィルムに印刷する場合や、基体に積層する際など、製造過程においても、強度が確保されており、扱いやすい。
また、前記基体の全光線透過率は50%以上であることが好ましい。全光線透過率が50%を下回ると、前記選択遮光性パターンの効果を得ることができない。さらに、前記基体が、光拡散剤を含有することが好ましい。選択遮光性パターンとの相乗効果により、光拡散性が増し、当該光制御積層体をバックライトユニットに用いた場合、より望ましい輝度が得られる。
この発明によれば、透明性が高いポリスチレン樹脂を使用するので、光線透過率が高く、光源の輝度を効率よく利用できる他、選択遮光性パターンの光拡散効果をより効果的に発揮できる。また、積層時の接着性がよく、前述の剥離防止効果をより強く奏することができる。さらに、ポリスチレン系樹脂は印刷および塗装性に優れているため、前記選択遮光性パターンを基体およびフィルムに、印刷により容易に形成することが可能となる。
さらに、前記フィルムは二軸延伸ポリスチレンフィルムであることが好ましい。この発明によれば、選択遮光性パターンをより強く保護することができる。また、前記遮光性パターンをフィルムに印刷する場合や、基体に積層する際など、製造過程においても、強度が確保されており、扱いやすい。
また、前記基体の全光線透過率は50%以上であることが好ましい。全光線透過率が50%を下回ると、前記選択遮光性パターンの効果を得ることができない。さらに、前記基体が、光拡散剤を含有することが好ましい。選択遮光性パターンとの相乗効果により、光拡散性が増し、当該光制御積層体をバックライトユニットに用いた場合、より望ましい輝度が得られる。
本発明の照明装置は、前記光制御積層体と前記基体直下に配置された光源とを備える。
本発明によれば、光制御積層体の選択遮光性パターンがフィルムにより保護されているので、組立や運送時はもちろん、使用中にも傷が発生するのを防ぐことができ、また、フィルムと基体が同系の樹脂で構成されることから、反りも発生せず、光拡散性を長期間に渡って保つことのできる照明装置を提供できる。
本発明によれば、光制御積層体の選択遮光性パターンがフィルムにより保護されているので、組立や運送時はもちろん、使用中にも傷が発生するのを防ぐことができ、また、フィルムと基体が同系の樹脂で構成されることから、反りも発生せず、光拡散性を長期間に渡って保つことのできる照明装置を提供できる。
本発明の光制御積層体の製造方法は、前記基体または前記フィルムの少なくともいずれか一方に選択遮光性パターンを印刷する工程と、次いで、前記選択遮光性パターンが、前記基体と前記フィルムの間に配置されるよう、前記基体と前記フィルムを熱ラミネートにより積層する工程とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、選択遮光性パターンが表面に露出せずフィルムで保護されるので、傷の発生を防止できる。また、熱ラミネートにより、基体とフィルムを接着するので、剥がれ難い上、接着剤が不要であることから、環境負荷が小さい。特に、基体とフィルムを同系の樹脂とした場合には、反りや剥離の発生を良好に防止できる。
この発明によれば、選択遮光性パターンが表面に露出せずフィルムで保護されるので、傷の発生を防止できる。また、熱ラミネートにより、基体とフィルムを接着するので、剥がれ難い上、接着剤が不要であることから、環境負荷が小さい。特に、基体とフィルムを同系の樹脂とした場合には、反りや剥離の発生を良好に防止できる。
以下、本発明の一実施形態に係る光制御積層体について、図1に基づいて説明する。
本発明の光制御積層体1は、一般照明装置や液晶表示装置のバックライトに用いる面状光源装置に関するものであり、例えば直下型バックライトユニットとして利用される。
本発明の光制御積層体1は、一般照明装置や液晶表示装置のバックライトに用いる面状光源装置に関するものであり、例えば直下型バックライトユニットとして利用される。
[積層体の構成]
本発明の光制御積層体1は、基体2、選択遮光性パターン3、フィルム4が順に積層された光制御積層体である。
本発明に用いる基体2は、後述のフィルム4と同系の樹脂からなり、特に透明性、印刷および塗装性、接着性に優れることから同系樹脂はポリスチレン系樹脂であることが好ましい。厚みは0.5mm以上、特に0.8mm以上3.0mm以下であることが好ましい。0.5mmより薄いと剛性および反りの発生等、フィルム4および選択遮光性パターン3を支持する層として不十分である。また、3.0mmよりも厚いと、扱いにくいためコスト的に不利になる可能性がある。また、本発明の光制御積層体1を例えば照明装置として用いた場合には、装置の軽量化、薄化の傾向に対応できない恐れがある。また、反りを防止するには、フィルム4に対し、積層体の厚みは20〜500倍であることが望ましい。
基体2の全光線透過率は50%以上、特に70%以上が好ましい。50%より小さいと後述する選択遮光性パターン3の効果が出にくい。また、後述するフィルム4と選択遮光性パターン3とを有する積層体とした場合には、積層体として、全光線透過率が少なくとも51%以上の部分を有することが好ましい。
また、基体2に含有できる光拡散剤としては、一般的に使用される炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタンなどの無機系光拡散剤、あるいはシロキサン系重合体粒子、アクリル系重合体粒子、スチレン系重合体粒子などの有機系拡散剤を使用できる。含有量に特に制限はない。
基体2の表面形状について、特に制限はなく、必要に応じてシボ付け等を行ってもよい。また、さらに基体2に透明板や半透明板を積層し、多層構造とすることも本発明の効果を損なわない限りにおいて可能である。
また、光制御積層体1、基体2、フィルム4のいずれの原料についても、本発明の効果を損なわない限りにおいて、酸化防止剤や紫外線吸収剤、帯電防止剤等を加えることは可能である。
本発明の光制御積層体1は、基体2、選択遮光性パターン3、フィルム4が順に積層された光制御積層体である。
本発明に用いる基体2は、後述のフィルム4と同系の樹脂からなり、特に透明性、印刷および塗装性、接着性に優れることから同系樹脂はポリスチレン系樹脂であることが好ましい。厚みは0.5mm以上、特に0.8mm以上3.0mm以下であることが好ましい。0.5mmより薄いと剛性および反りの発生等、フィルム4および選択遮光性パターン3を支持する層として不十分である。また、3.0mmよりも厚いと、扱いにくいためコスト的に不利になる可能性がある。また、本発明の光制御積層体1を例えば照明装置として用いた場合には、装置の軽量化、薄化の傾向に対応できない恐れがある。また、反りを防止するには、フィルム4に対し、積層体の厚みは20〜500倍であることが望ましい。
基体2の全光線透過率は50%以上、特に70%以上が好ましい。50%より小さいと後述する選択遮光性パターン3の効果が出にくい。また、後述するフィルム4と選択遮光性パターン3とを有する積層体とした場合には、積層体として、全光線透過率が少なくとも51%以上の部分を有することが好ましい。
また、基体2に含有できる光拡散剤としては、一般的に使用される炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタンなどの無機系光拡散剤、あるいはシロキサン系重合体粒子、アクリル系重合体粒子、スチレン系重合体粒子などの有機系拡散剤を使用できる。含有量に特に制限はない。
基体2の表面形状について、特に制限はなく、必要に応じてシボ付け等を行ってもよい。また、さらに基体2に透明板や半透明板を積層し、多層構造とすることも本発明の効果を損なわない限りにおいて可能である。
また、光制御積層体1、基体2、フィルム4のいずれの原料についても、本発明の効果を損なわない限りにおいて、酸化防止剤や紫外線吸収剤、帯電防止剤等を加えることは可能である。
選択遮光性パターン3は、光源の輝度を反転させた選択遮光性パターンであり、その具体的なパターンは、光源の形状などを勘案し、ユーザーにて設計される。本選択遮光性パターン3は印刷により、基体2およびフィルム4の少なくともいずれか一方に形成される。その際のインク種および印刷方法は特に限定されず、各種印刷方法および蒸着などにより形成できる。特にフィルム4に印刷する場合で、フィルム4に二軸延伸ポリスチレンフィルムを用いた場合は、例えば、金属酸化物系汎用グラビア用インキを用い、グラビア印刷により選択遮光性パターン3を印刷できるため、印刷の難易度も低く、生産性が高く、コスト的にも有利である。この際、グラビア用インキの顔料としては、光反射、散乱特性の高い化合物を用いるのが好ましく、特に酸化チタンを用いるのが好ましい。
フィルム4は前述の基体2と同系樹脂からなることが好ましい。特に透明性、印刷および塗装性、接着性に優れることから同系樹脂はポリスチレン系樹脂であることが好ましいが、選択遮光性パターン3を保護する観点および製造時の扱い易さから、強度の高い二軸延伸ポリスチレンを使用することが好ましい。通常、延伸倍率は2〜30倍程度であるが、これに限らず使用できる。また、フィルム4の厚みは10μm以上、特に12μm以上500μm以下が好ましい。10μmより薄いと、後述する基体2との張り合わせ過程で、フィルムが切れやすくなる。また、500μmを超えると、ロール状にするのが困難で、選択遮光性パターン3をフィルム4に印刷する場合、生産性の高いグラビア印刷を利用することが難しくなる。また、フィルム4の全光線透過率は50%以上、特に70%以上が好ましい。50%より小さいと後述する選択遮光性パターン3の効果が出にくい。また、選択遮光性パターン3を有する前記基体2との積層体とした場合には、積層体として、全光線透過率が少なくとも51%以上の部分を有することが好ましい。
尚、フィルム4には、本発明の効果を損なわない範囲で、帯電防止処理、耐候処理等の機能を付与すべく、添加剤の練りこみや塗布、およびさらなる機能性フィルムの貼付等を行ってもよい。
尚、フィルム4には、本発明の効果を損なわない範囲で、帯電防止処理、耐候処理等の機能を付与すべく、添加剤の練りこみや塗布、およびさらなる機能性フィルムの貼付等を行ってもよい。
[製造方法]
まず、本発明の基体2は、ポリスチレン樹脂に光拡散剤を配合させた樹脂材料を一般的に用いられる方法で混練して得られる。例えば、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ドラムタンブラー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、コニーダ、多軸スクリュー押出機等で混練する方法が挙げられる。
まず、本発明の基体2は、ポリスチレン樹脂に光拡散剤を配合させた樹脂材料を一般的に用いられる方法で混練して得られる。例えば、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ドラムタンブラー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、コニーダ、多軸スクリュー押出機等で混練する方法が挙げられる。
本発明の光制御積層体1の製造方法としては、熱ラミネート法を用いることができる。ここで、熱ラミネート法としては、広義に熱を利用した各種ラミネート方法を意味し、前前記基体2および前記フィルム4を予めシート状に形成したものを両者の軟化点より高い温度でプレスして一体化する熱ラミネート法の他、押出ラミネート法やポリサンドラミネート法などを含む、公知の各種方法を指す。
例えば、押出ラミネートにより本光制御積層体1を製造する場合は、フィルム4に選択遮光性パターン3を印刷し、所定の幅にスリットしてロール状に巻き取っておく。そして、ロールから繰り出されたフィルム4の選択遮光性パターン3が印刷された面に基体2を押出機から押し出して溶融状態で積層することにより光制御積層体1を製造する。
この際、押出機には脱揮装置が必要である。この脱揮装置は、溶融状態で大気圧力以下に減圧可能なものであり、押出時に通常8kPa以下、好ましくは4kPa以下に減圧する。この減圧脱揮により、樹脂材料に残存する水分及び揮発性の反応副生成物を除去するとともに、押出成形により生成する副次的な揮発性の反応副生成物をも除去することができる。脱揮が不充分であると、基体2の発泡又は基体2の表面の肌荒れが生じ、基体2内における光の均一な拡散性が得られない。
また、基体2を前述の押出機で押し出して、予めシート成形した場合には、選択遮光性パターン3を印刷したフィルム4を印刷面と反対側の面から熱ロールで加熱し基体2に熱ラミネートすればよい。
本発明の光制御積層体1の製造には、上述の押出ラミネート法を用いるのが、環境負荷やコストの面で有利であるが、前述の通り、他にも、ポリサンドラミネート法や熱ラミネート法など公知の各種方法が使用できる。本発明において、例えばドライラミネート法やウェットラミネート法を用いる場合、厚みのある基体2にフィルム4をラミネートすることに困難性があり、また溶剤を使用することから、環境負荷が大きくなる。また共押出ラミネーションでは、選択遮光性パターン3を印刷することができない。
この際、押出機には脱揮装置が必要である。この脱揮装置は、溶融状態で大気圧力以下に減圧可能なものであり、押出時に通常8kPa以下、好ましくは4kPa以下に減圧する。この減圧脱揮により、樹脂材料に残存する水分及び揮発性の反応副生成物を除去するとともに、押出成形により生成する副次的な揮発性の反応副生成物をも除去することができる。脱揮が不充分であると、基体2の発泡又は基体2の表面の肌荒れが生じ、基体2内における光の均一な拡散性が得られない。
また、基体2を前述の押出機で押し出して、予めシート成形した場合には、選択遮光性パターン3を印刷したフィルム4を印刷面と反対側の面から熱ロールで加熱し基体2に熱ラミネートすればよい。
本発明の光制御積層体1の製造には、上述の押出ラミネート法を用いるのが、環境負荷やコストの面で有利であるが、前述の通り、他にも、ポリサンドラミネート法や熱ラミネート法など公知の各種方法が使用できる。本発明において、例えばドライラミネート法やウェットラミネート法を用いる場合、厚みのある基体2にフィルム4をラミネートすることに困難性があり、また溶剤を使用することから、環境負荷が大きくなる。また共押出ラミネーションでは、選択遮光性パターン3を印刷することができない。
[照明装置]
本発明の光制御積層体1は、一般照明装置や液晶のバックライトとして利用できる。いずれの場合においても、光制御積層体1の基体2直下に光源を配置して用いる。光源から発生した光は、基体2を通り、選択遮光性パターン3により、拡散され、さらにフィルムを通って表面に放出される。
本発明の光制御積層体1は、一般照明装置や液晶のバックライトとして利用できる。いずれの場合においても、光制御積層体1の基体2直下に光源を配置して用いる。光源から発生した光は、基体2を通り、選択遮光性パターン3により、拡散され、さらにフィルムを通って表面に放出される。
[変形例]
本発明の光制御積層体1は、フィルム4を光源側に配しても使用できる。この場合においても、選択遮光性パターン3はフィルム4で保護されているため、光制御積層体1を支持する支持ピン等による擦れで傷つくことなく、利用できる。
また、本発明の光制御積層体1は直下型バックライトユニットの拡散板として利用することを想定しているが、エッジライト型バックライトユニットの導光板として利用することも可能である。
本発明の光制御積層体1は、フィルム4を光源側に配しても使用できる。この場合においても、選択遮光性パターン3はフィルム4で保護されているため、光制御積層体1を支持する支持ピン等による擦れで傷つくことなく、利用できる。
また、本発明の光制御積層体1は直下型バックライトユニットの拡散板として利用することを想定しているが、エッジライト型バックライトユニットの導光板として利用することも可能である。
次に、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は実施例の内容に限定されるものではない。
[実施例1]
フィルムは、ポリスチレンフィルム(旭化成ケミカルズ株式会社社製OPS、厚さ25μm、全光線透過率91%)を用いた。このフィルムの光源に対応する位置に、金属酸化物系グラビア用インキ(大日精化工業株式会社NPS701白)で選択遮光性パターンをグラビア印刷した。
基体は、ポリスチレン(PSジャパン株式会社製G9504)に光拡散剤(シロキサン系重合粒子)をポリスチレンの質量に対し3.5質量%を混合した樹脂を用いた。この樹脂を210〜250℃に設定した押出機(日立造船社製65mmφ単軸)により押し出し、選択遮光性パターンを印刷したフィルムの印刷面に厚さ1.5mmになるようラミネートし積層した。線圧は、50〜300kgf/cm(490〜2940N/cm)の範囲で調整可能であるが、本実施例では100kgf/cm(980N/cm)にてラミネートした(尚、ここで言う線圧とは、ラミネートするロールに加える力を、ダイスのリップの幅で割った値である)。基体の積層面と反対側の面にはシボ付け加工を行い、積層体の両表面に帯電防止剤を塗布し、光制御積層体を得た。
[実施例1]
フィルムは、ポリスチレンフィルム(旭化成ケミカルズ株式会社社製OPS、厚さ25μm、全光線透過率91%)を用いた。このフィルムの光源に対応する位置に、金属酸化物系グラビア用インキ(大日精化工業株式会社NPS701白)で選択遮光性パターンをグラビア印刷した。
基体は、ポリスチレン(PSジャパン株式会社製G9504)に光拡散剤(シロキサン系重合粒子)をポリスチレンの質量に対し3.5質量%を混合した樹脂を用いた。この樹脂を210〜250℃に設定した押出機(日立造船社製65mmφ単軸)により押し出し、選択遮光性パターンを印刷したフィルムの印刷面に厚さ1.5mmになるようラミネートし積層した。線圧は、50〜300kgf/cm(490〜2940N/cm)の範囲で調整可能であるが、本実施例では100kgf/cm(980N/cm)にてラミネートした(尚、ここで言う線圧とは、ラミネートするロールに加える力を、ダイスのリップの幅で割った値である)。基体の積層面と反対側の面にはシボ付け加工を行い、積層体の両表面に帯電防止剤を塗布し、光制御積層体を得た。
[評価]
実施例で得られた基体および積層体について、全光線透過率、輝度、反り、剥離強度を以下の方法で測定し、表1に結果を記載した。尚、表1中で、ポリスチレンをPS、ポリエチレンテレフタレートをPETと表記してある。
(1)全光線透過率
JIS K 7361(ISO 13468)に準拠した。ヘーズメーターとしては日本電色社製NDH5000を用いた。
(2)輝度
輝度が均一な面状光源体として、市販の32型液晶テレビを分解して得られるバックライトユニットを用いた。この面状光源体の中央正面輝度(以下、輝度と略す)を4200cd/m2に調整した。この上に、積層体の基体のみを設置し、基体表面の輝度を、分光放射計(トプコン社製SR−3A、測定距離400mm、測定角1度、測定径5.8mm)にて測定した。中央とは、ユニット表面の縦および横の中央の直交点であり、正面とはユニット表面に対して垂直であることを示す。
尚、積層体そのものは、冷陰極管等の光源の配置や強度に見合って選択遮光性パターンを変化させるため、得られる輝度については一概に記載できない。一方、基体の全光線透過率は、積層体になった場合の部分的な最大の全光線透過率をほぼ示すものであり、ひいては、選択遮光した場合でも高い輝度を得るための、積層体の潜在的な光学性能を示すものである。ここでは、基体の全光線透過率に対する輝度の値を示した。
(3)反り
温度60℃、湿度95%の雰囲気下に実施例で得られた積層体を24時間曝したときの反りの程度を観察した結果、○:反りなし、×:反りありとして評価した。
(4)剥離強度(クロスカット)
実施例で得られた積層体上にJIS K 5600−5−6 をベースに、5mm×5mmの格子状のマス目を3×3=9マス作成し、当該マス目部分に市販の布製テープ(ガムテープ)を貼付後、すぐに剥離した。その際、フィルムが9マス中、8マス剥がれたら「1/9」、全部残った場合「9/9」、と記載した。擦れ等により選択遮光性パターンが暴露しないことが必要なため、9/9が最も優れた積層体である。
実施例で得られた基体および積層体について、全光線透過率、輝度、反り、剥離強度を以下の方法で測定し、表1に結果を記載した。尚、表1中で、ポリスチレンをPS、ポリエチレンテレフタレートをPETと表記してある。
(1)全光線透過率
JIS K 7361(ISO 13468)に準拠した。ヘーズメーターとしては日本電色社製NDH5000を用いた。
(2)輝度
輝度が均一な面状光源体として、市販の32型液晶テレビを分解して得られるバックライトユニットを用いた。この面状光源体の中央正面輝度(以下、輝度と略す)を4200cd/m2に調整した。この上に、積層体の基体のみを設置し、基体表面の輝度を、分光放射計(トプコン社製SR−3A、測定距離400mm、測定角1度、測定径5.8mm)にて測定した。中央とは、ユニット表面の縦および横の中央の直交点であり、正面とはユニット表面に対して垂直であることを示す。
尚、積層体そのものは、冷陰極管等の光源の配置や強度に見合って選択遮光性パターンを変化させるため、得られる輝度については一概に記載できない。一方、基体の全光線透過率は、積層体になった場合の部分的な最大の全光線透過率をほぼ示すものであり、ひいては、選択遮光した場合でも高い輝度を得るための、積層体の潜在的な光学性能を示すものである。ここでは、基体の全光線透過率に対する輝度の値を示した。
(3)反り
温度60℃、湿度95%の雰囲気下に実施例で得られた積層体を24時間曝したときの反りの程度を観察した結果、○:反りなし、×:反りありとして評価した。
(4)剥離強度(クロスカット)
実施例で得られた積層体上にJIS K 5600−5−6 をベースに、5mm×5mmの格子状のマス目を3×3=9マス作成し、当該マス目部分に市販の布製テープ(ガムテープ)を貼付後、すぐに剥離した。その際、フィルムが9マス中、8マス剥がれたら「1/9」、全部残った場合「9/9」、と記載した。擦れ等により選択遮光性パターンが暴露しないことが必要なため、9/9が最も優れた積層体である。
[実施例2〜3]
全光線透過率が表1に示した値の基体を用いた以外は、実施例1と同様の方法で光制御積層体を得た。
全光線透過率が表1に示した値の基体を用いた以外は、実施例1と同様の方法で光制御積層体を得た。
[参考例1]
全光線透過率が30%の基体を用い、その他の条件は実施例1と同様にして光制御積層体を得た。
全光線透過率が30%の基体を用い、その他の条件は実施例1と同様にして光制御積層体を得た。
[比較例1]
フィルムにポリエチレンテレフタレート樹脂(東洋紡株式会社E5100、厚さ12μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして光制御積層体を得た。
フィルムにポリエチレンテレフタレート樹脂(東洋紡株式会社E5100、厚さ12μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして光制御積層体を得た。
[結果]
表1に示したように、基体とフィルムがいずれもポリスチレン(PS)からなり、押出ラミネートにより製造された実施例1〜3および参考例1では反りが発生せず、クロスカット評価においても剥離は発生しなかった。これに対して、基体をポリスチレン、フィルムをポリエチレンテレフタレート(PET)とした比較例1では、反りが発生した
また参考例1は、基体の全光線透過率が30%であることから、積層体とした場合、全光線透過率が30%を超える部分を有することはなく、輝度についても、実施例1〜3の基体が2800〜3000cd/m2得られるのに対し、参考例1の基体では2500cd/m2しか得られなかった。輝度比で10%以上も光学特性が劣る基体は、バックライト用として望ましいとは言い難い。
表1に示したように、基体とフィルムがいずれもポリスチレン(PS)からなり、押出ラミネートにより製造された実施例1〜3および参考例1では反りが発生せず、クロスカット評価においても剥離は発生しなかった。これに対して、基体をポリスチレン、フィルムをポリエチレンテレフタレート(PET)とした比較例1では、反りが発生した
また参考例1は、基体の全光線透過率が30%であることから、積層体とした場合、全光線透過率が30%を超える部分を有することはなく、輝度についても、実施例1〜3の基体が2800〜3000cd/m2得られるのに対し、参考例1の基体では2500cd/m2しか得られなかった。輝度比で10%以上も光学特性が劣る基体は、バックライト用として望ましいとは言い難い。
本発明の光制御積層体は、看板や一般照明装置等の背面照明に用いる面状光源装置、特に液晶表示装置のバックライトとして好適に利用できる。
1 光制御積層体
2 基体
3 選択遮光性パターン
4 フィルム
2 基体
3 選択遮光性パターン
4 フィルム
Claims (7)
- 光源から出射した光を制御する光制御積層体であって、
光源に対向配置される基体と
前記基体と同系の樹脂からなり、前記基体に積層されるフィルムとを備え、
前記基体と前記フィルムの間には選択遮光性パターンを有する
ことを特徴とした光制御積層体。 - 請求項1に記載の光制御積層体であって、
前記同系の樹脂が、ポリスチレン系樹脂であることを特徴とする光制御積層体。 - 請求項1または請求項2に記載の光制御積層体であって、
前記フィルムは二軸延伸ポリスチレンフィルムであることを特徴とする光制御積層体。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光制御積層体であって、
前記基体の全光線透過率が50%以上であることを特徴とする光制御積層体。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光制御積層体であって、
前記基体が、光拡散剤を含有していることを特徴とする光制御積層体。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の光制御積層体と、
前記基体直下に配置された光源とを備えた照明装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載された光制御積層体の製造方法であって、
前記基体または前記フィルムの少なくともいずれか一方に選択遮光性パターンを印刷する工程と、
次いで、前記選択遮光性パターンが、前記基体と前記フィルムの間に配置されるよう、前記基体と前記フィルムを熱ラミネートにより積層する工程と、
を備えることを特徴とする光制御積層体の製造方法。
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JP2009276188A JP2011118200A (ja) | 2009-12-04 | 2009-12-04 | 光制御積層体およびその製造方法、照明装置 |
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-
2009
- 2009-12-04 JP JP2009276188A patent/JP2011118200A/ja active Pending
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