JP2020167591A - 原子発振器および周波数信号生成システム - Google Patents

原子発振器および周波数信号生成システム Download PDF

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Abstract

【課題】周波数安定性を高めることができる原子発振器および周波数信号生成システムを提供すること。【解決手段】本発明の原子発振器は、アルカリ金属原子が収容される内部空間を規定する壁部を有する原子セルと、前記アルカリ金属原子を励起する光を出射する発光素子と、前記原子セルを透過した前記光を検出する光検出素子と、を含み、前記原子セルは、気体の前記アルカリ金属原子が収容され、前記光出射部からの光がx軸に沿って通過する第1部分と、液体または固体のアルカリ金属原子が収容される第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間に位置し、前記第1部分と前記第2部分とを接続する第3部分と、を有し、前記第3部分において、前記x軸と直交するy軸に沿って対向する2つの前記壁部の間の距離が、前記y軸に沿って前記第1部分から前記第2部分へ向かって一定の減少率で減少する。【選択図】図9

Description

本発明は、原子発振器および周波数信号生成システムに関するものである。
長期的に高精度な発振特性を有する発振器として、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属原子のエネルギー遷移に基づいて発振する原子発振器が知られている。
一般に、原子発振器の動作原理は、光およびマイクロ波による二重共鳴現象を利用した方式と、波長の異なる2種類の光による量子干渉効果を利用した方式とに大別される。
例えば、特許文献1に示す原子発振器は、原子セルと、原子セルに向って光を出射する光出射部と、原子セルを通過した光を受光する光検出器とを備えている。また、原子セルは、気体状のアルカリ金属が封入されている光通過部と、液体状または固体状のアルカリ金属が配置されている金属溜り部と、光通過部と金属溜り部とを連通し、金属溜り部の幅よりも狭い幅の部分を有する連通部と、を備える。
特許文献1の原子セルにおいては、金属溜り部に配置されている液体状または固体状のアルカリ金属は、光通過部の気体状のアルカリ金属が不足したとき、気体状となって、励起光の励起に供される。また、連通部に幅が狭い部分を有することで、金属溜り部内の液体状の金属が光通過部へ移動することを低減して、余剰分の金属による特性の低下を抑制することができる。
特開2015−185911号公報
しかしながら、特許文献1には、光通過部から金属溜り部へのアルカリ金属原子の移動については記載がない。特許文献1に記載されている原子セルでは、連通部が狭いため、光通過部から金属溜り部にアルカリ金属原子を移動させたい場合に、連通部によってアルカリ金属原子の移動が滞るおそれがある。すると、液体状または固体状のアルカリ金属原子が光通過部に残留してしまい、原子発振器の周波数特性の低下を招くおそれがある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
本適用例に係る原子発振器は、アルカリ金属原子が収容される内部空間を規定する壁部を有する原子セルと、
前記アルカリ金属原子を励起する光を出射する発光素子と、
前記原子セルを透過した前記光を検出する光検出素子と、を含み、
前記原子セルは、気体の前記アルカリ金属原子が収容され、前記光出射部からの光がx軸に沿って通過する第1部分と、液体または固体のアルカリ金属原子が収容される第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間に位置し、前記第1部分と前記第2部分とを接続する第3部分と、を有し、
前記第3部分において、前記x軸と直交するy軸に沿って対向する2つの前記壁部の間の距離が、前記y軸に沿って前記第1部分から前記第2部分へ向かって一定の減少率で減少する。
本適用例に係る原子発振器では、前記第2部分を、前記x軸と前記x軸および前記y軸と直交するz軸とを含むxz平面で切断したときに前記壁部で囲まれる部分の断面積は、前記第1部分を前記xz平面で切断したときに前記壁部で囲まれる部分の断面積よりも小さいことが好ましい。
本適用例に係る原子発振器では、前記第3部分において、前記y軸に沿って対向する2つの前記壁部は、前記x軸および前記y軸を含むxy平面に対して傾斜していることが好ましい。
本適用例に係る原子発振器では、前記第3部分において、前記y軸に沿って対向する2つの前記壁部は、前記y軸および前記z軸を含むyz平面に対して傾斜していることが好ましい。
本適用例に係る原子発振器では、前記原子セルの前記第1部分を加熱するヒーターをさらに含むことが好ましい。
本適用例に係る周波数信号生成システムでは、原子発振器と、
前記原子発振器からの周波数信号を処理する処理部と、を備え、
前記原子発振器は、
アルカリ金属原子が収容される内部空間を規定する壁部を有する原子セルと、
前記アルカリ金属原子を励起する光を出射する発光素子と、
前記原子セルを透過した前記光を検出する光検出素子と、を含み、
前記原子セルは、気体の前記アルカリ金属原子が収容され、前記光出射部からの光がx軸に沿って通過する第1部分と、液体または固体のアルカリ金属原子が収容される第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間に位置し、前記第1部分と前記第2部分とを接続する第3部分と、を有し、
前記第3部分において、前記x軸と直交するy軸に沿って対向する2つの前記壁部の間の距離が、前記y軸に沿って前記第1部分から前記第2部分へ向かうに連れて一定の減少率で減少する。
第1実施形態に係る原子発振器の概略構成を示す模式図である。 アルカリ金属のエネルギー状態を説明するための図である。 光出射部から出射される2つの光の周波数差と、光検出部で検出される光の強度との関係を示すグラフである。 図1に示す原子発振器を模式的に示す斜視図である。 図1に示す原子発振器が備える第2ユニットの断面図である。 図5に示す伝熱部の斜視図である。 図5に示す放熱部の斜視図である。 原子セルのxy平面に沿った断面図である。 図8中のA−A線断面図である。 第2実施形態に係る原子発振器が備える原子セルのxy平面に沿った断面図である。 図10中のB−B線断面図である。 第3実施形態に係る原子発振器が備える原子セルのxy平面に沿った断面図である。 図12中のC−C線断面図である。 第4実施形態に係る原子発振器が備える原子セルのxy平面に沿った断面図である。 図14中のD−D線断面図である。 従来の原子セルのyz平面に沿った断面図である。 GPS(Global Positioning System)衛星を利用した測位システム、すなわち、周波数信号生成システムの一例の概略構成を示す図である。
以下、本発明の原子発振器および周波数信号生成システムを添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.原子発振器
まず、本発明の原子発振器について説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る原子発振器の概略構成を示す模式図である。図2は、アルカリ金属のエネルギー状態を説明するための図である。図3は、光出射部から出射される2つの光の周波数差と、光検出部で検出される光の強度との関係を示すグラフである。図4は、図1に示す原子発振器を模式的に示す斜視図である。図5は、図1に示す原子発振器が備える第2ユニットの断面図である。図6は、図5に示す伝熱部の斜視図である。図7は、図5に示す放熱部の斜視図である。図8は、図1に示す原子セルのxy平面に沿った断面図である。図9は、図8中のA−A線断面図である。
図1に示す原子発振器1は、量子干渉効果を利用した原子発振器である。
この原子発振器1は、図1に示すように、発光素子を含むユニットである第1ユニット2と、光検出素子を含むユニットである第2ユニット3と、第1、第2ユニット2、3間に設けられた光学系ユニットと、第1ユニット2および第2ユニット3を制御する制御回路6と、を備える。
ここで、図4に示すように、第1ユニット2は、発光素子21と、発光素子21を収納する第1パッケージ22とを備える。
また、第2ユニット3は、原子セル31と、光検出素子32と、コイル35と、伝熱部8と、放熱部9と、これらを収納する磁気シールド38と、ヒーター33と、温度センサー34とを備える。
まず、原子発振器1の原理を簡単に説明する。
図1に示すように、原子発振器1では、発光素子21が原子セル31に向けて励起光LLを出射し、原子セル31を透過した励起光LLを光検出素子32が検出する。
原子セル31内には、気体のアルカリ金属原子が封入されている。アルカリ金属原子は、図2に示すように、3準位系のエネルギー準位を有し、エネルギー準位の異なる2つの基底状態(基底状態1、2)と、励起状態との3つの状態をとり得る。ここで、基底状態1は、基底状態2よりも低いエネルギー状態である。
発光素子21から出射された励起光LLは、周波数の異なる2種の共鳴光1、2を含んでおり、この2種の共鳴光1、2を前述したようなガス状のアルカリ金属原子に照射したとき、共鳴光1の周波数ωと共鳴光2の周波数ωとの差(ω−ω)に応じて、共鳴光1、2のアルカリ金属原子における光吸収率(光透過率)が変化する。
そして、共鳴光1の周波数ωと共鳴光2の周波数ωとの差(ω−ω)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数に一致したとき、基底状態1、2から励起状態への励起がそれぞれ停止する。このとき、共鳴光1、2は、いずれも、アルカリ金属原子に吸収されずに透過する。このような現象をCPT現象(CPT:Coherent Population Trapping)または電磁誘起透明化現象(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)と呼ぶ。
例えば、共鳴光1の周波数ωを固定し、共鳴光2の周波数ωを変化させていくと、共鳴光1の周波数ωと共鳴光2の周波数ωとの差(ω−ω)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数ωに一致したとき、光検出素子32の検出強度は、図3に示すように、急峻に上昇する。このような急峻な信号をEIT信号として検出する。このEIT信号は、アルカリ金属原子の種類によって決まった固有値をもっている。したがって、このようなEIT信号を用いることにより、発振器を構成することができる。
以下、本実施形態の原子発振器1の具体的な構成について説明する。
図4は、図1に示す原子発振器を模式的に示す斜視図、図5は、図1に示す原子発振器が備える第2ユニットの断面図、図6は、図5に示す伝熱部の斜視図である。なお、以下では、互いに直交する3つの軸として、x軸、y軸およびz軸を図示している。x軸は発光素子21と光検出素子32とを結ぶ線分に沿う軸であり、発光素子から出射された励起光LLはx軸に沿って進む。y軸は、後述する原子セル31の第1部分S1と第2部分S2とが並ぶ軸である。以下の説明では、x軸においては、相対的に発光素子21側を「+(プラス)」、相対的に光検出素子32側を「−(マイナス)」という場合がある。また、y軸においては、相対的に第2部分S2側を「+(プラス)」、第1部分S1側を「−(マイナス)」という場合がある。z軸の「+(プラス)」はx軸の「+(プラス)」を上、y軸の「+(プラス)」が奥となるように座標系を見たときの右側である。図示においては各矢印の先端側が「+(プラス)」、基端側が「−(マイナス)」である。
原子発振器1は、図1および図4に示すように、第1ユニット2と、第2ユニット3と光学系ユニットと、制御回路6とを備える。そして、第1ユニット2および第2ユニット3は、配線および図示しないコネクターを介して制御回路6に電気的に接続され、制御回路6により駆動制御される。
以下、原子発振器1の各部を順次詳細に説明する。
(第1ユニット)
前述したように、第1ユニット2は、発光素子21と、発光素子21を収納する第1パッケージ22とを備える。
[光出射部]
発光素子21は、原子セル31中のアルカリ金属原子を励起する励起光LLを出射する機能を有する。
より具体的には、発光素子21は、前述したような周波数の異なる2種の光、すなわち、共鳴光1および共鳴光2を含む光を励起光LLとして出射するものである。
共鳴光1の周波数ωは、原子セル31中のアルカリ金属原子を前述した基底状態1から励起状態に励起、すなわち、共鳴し得るものである。
また、共鳴光2の周波数ωは、原子セル31中のアルカリ金属原子を前述した基底状態2から励起状態に励起、すなわち、共鳴し得るものである。
この発光素子21としては、前述したような励起光LLを出射し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting LASER)等の半導体レーザー等を用いることができる。
[第1パッケージ]
第1パッケージ22は、前述した発光素子21を収納する。
この第1パッケージ22は、図4に示すように、外形形状がブロック状をなす筐体で構成されている。また、第1パッケージ22からは、例えば、図示しない複数の端子が配置されており、これらは、配線を介して発光素子21に電気的に接続されている。そして、前記各端子は、図示しない配線等で配線基板と電気的に接続されている。この配線としては、例えば、フレキシブル配線基板や、ソケットを有する配線等を用いることができる。
また、第1パッケージ22の第2ユニット3側の壁部には、窓部23が設けられている。この窓部23は、原子セル31と発光素子21との間の光軸、すなわち、励起光LLの軸a上に設けられている。そして、窓部23は、前述した励起光LLに対して透過性を有する。
本実施形態では、窓部23は、ガラスである。なお、窓部23は、励起光LLに対する透過性を有するものであれば、ガラスに限定されず、例えば、後述する光学系ユニットのような光学部品であってもよいし、単なる光透過性の板状部材であってもよい。このような第1パッケージ22の窓部23以外の部分の構成材料としては、特に限定されず、例えば、セラミックス、金属、樹脂等を用いることができる。
第1パッケージ22の窓部23以外の部分は励起光に対して透過性を有さないことが好ましい。第1パッケージ22の窓部23以外の部分と窓部23とを別体で形成し、これらを公知の接合方法により接合すればよい。
また、第1パッケージ22内が気密空間であることが好ましい。これにより、第1パッケージ22内を減圧状態または不活性ガス封入状態とすることができ、その結果、原子発振器1の特性を向上させることができる。
また、第1パッケージ22内には、発光素子21の温度を調節する図示しない温度調節素子や温度センサー等が収納されている。かかる温度調節素子としては、例えば、発熱抵抗体、ペルチェ素子等が挙げられる。
(第2ユニット)
前述したように、第2ユニット3は、原子セル31と、光検出素子32と、コイル35と、伝熱部8と、放熱部9と、これらを収納する磁気シールド38と、ヒーター33と、温度センサー34とを備える。
[ガスセル]
原子セル31内には、ガス状のルビジウム、セシウム、ナトリウム等のアルカリ金属原子が封入されている。また、原子セル31内には、必要に応じて、アルゴン等の希ガス、窒素等の不活性ガスが緩衝ガスとしてアルカリ金属原子ガスとともに封入されていてもよい。
例えば、原子セル31は、図5に示すように、貫通孔311aを有する本体部311と、その貫通孔311aの両開口を封鎖する1対の窓部312、313とを有する。これにより、前述したようなアルカリ金属原子が封入される内部空間Sが形成されている。
本体部311を構成する材料としては、特に限定されず、金属材料、ガラス材料、シリコン材料、水晶等が挙げられるが、加工性や窓部312、313との接合の観点から、ガラス材料、シリコン材料を用いるのが好ましい。
このような本体部311には、窓部312、313が気密的に接合されている。これにより、原子セル31の内部空間Sを気密空間とすることができる。
本体部311と窓部312、313との接合方法としては、これらの構成材料に応じて決められるものであり、特に限定されないが、例えば、接着剤による接合方法、直接接合法、陽極接合法等を用いることができる。
また、窓部312、313を構成する材料としては、前述したような励起光LLに対する透過性を有していれば、特に限定されないが、例えば、シリコン材料、ガラス材料、水晶等が挙げられる。
このような各窓部312、313は、前述した発光素子21からの励起光LLに対する透過性を有している。そして、一方の窓部312は、原子セル31内へ入射する励起光LLが透過するものであり、他方の窓部313は、原子セル31内を通過した励起光LLが透過するものである。
また、原子セル31は、ヒーター33により加熱され、所定温度に温度調節される。
[光検出部]
光検出素子32は、原子セル31内を透過した励起光LL、すなわち、共鳴光1、2の強度を検出する機能を有する。
この光検出素子32としては、上述したような励起光を検出し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、太陽電池、フォトダイオード等の受光素子を用いることができる。
また、光検出素子32は、本実施形態では、磁気シールド38内に収納されているが、磁気シールド38の外側に設けられていてもよい。この場合、磁気シールド38には、原子セル31を通過した励起光LLが通過する窓部が形成されている。
[コイル]
コイル35は、通電により、内部空間Sに励起光LLの軸aに沿った方向、すなわち、平行な方向の磁場を発生させる機能を有する。これにより、ゼーマン分裂により、内部空間Sに存在するアルカリ金属原子の縮退している異なるエネルギー準位間のギャップを拡げて、分解能を向上させ、EIT信号の線幅を小さくすることができる。
なお、コイル35が発生する磁場は、直流磁場または交流磁場のいずれかの磁場であってもよいし、直流磁場と交流磁場とを重畳させた磁場であってもよい。このコイル35としては、特に限定されず、例えば、ソレノイド型を構成するように原子セル31の外周に沿って巻回して設けられていてもよいし、ヘルムホルツ型を構成するように1対のコイルを対向させてもよい。本実施形態では、コイル35は、ソレノイド型で構成され、伝熱部8、原子セル31および放熱部9の外側に巻回されている。
このコイル35は、図示しない配線を介して、後述する制御回路6の磁場制御回路63に電気的に接続されている。これにより、コイル35に通電を行うことができる。
[磁気シールド]
磁気シールド38は、外形形状がブロック状をなす筐体で構成されており、内部にコイル35、伝熱部8、原子セル31および放熱部9を収納する。この磁気シールド38は、磁気シールド性を有し、原子セル31内のアルカリ金属原子を外部磁界から遮蔽する機能を有している。これにより、コイル35の磁場の磁気シールド38内での安定性の向上を図ることができる。よって、原子発振器1の発振特性の向上を図ることができる。
また、磁気シールド38の第1ユニット2側の壁部には、その厚さ方向に貫通する窓部382が設けられている。これにより、発光素子21から出射した光が窓部382を介して原子セル31内に入射することができる。
このような磁気シールド38の構成材料としては、磁気シールド性を有する材料が用いられ、例えば、Fe、各種鉄系合金(ケイ素鉄、パーマロイ、アモルファス、センダスト、コバール)等の軟磁性材料が挙げられ、中でも、磁気シールド性が優れるという観点から、コバール、パーマロイ等のFe−Ni系合金を用いることが好ましい。
また、磁気シールド38は、例えば、図示しない開口を有しており、光検出素子32、ヒーター33、温度センサー34およびコイル35は、開口を経由して、図示しない配線等で配線基板と電気的に接続されている。この配線としては、例えば、フレキシブル配線基板や、ソケットと接続された配線等を用いることができる。
[ヒーター]
ヒーター33は、前述した原子セル31、より具体的には原子セル31中のアルカリ金属原子を加熱する機能を有する。これにより、原子セル31中のアルカリ金属原子を所望濃度のガス状に維持することができる。
ヒーター33は、磁気シールド38の外側に、比較的熱伝導率が高い伝熱板39を介して磁気シールド38に接続されている。ヒーター33は、通電により発熱するため、発熱した際、磁場が生じる。しかしながら、ヒーター33は、磁気シールド38の外側にもうけられているため、ヒーター33から生じる磁場が原子セル31内のコイル35が発生させる磁場に影響を及ぼすのを効果的に抑制することができる。
なお、ヒーター33は、原子セル31を加熱することができるものであれば、特に限定されず、例えば、発熱抵抗体を有する各種ヒーターを用いることができる。また、ヒーター33は原子セル31に対して非接触であってもよい。また、ヒーター33に代えて、または、ヒーター33と併用して、ペルチェ素子を用いて、原子セル31を加熱してもよい。
このようなヒーター33は、後述する制御回路6の温度制御回路62に電気的に接続され、通電制御される。
[温度センサー]
温度センサー34は、ヒーター33または原子セル31の温度を検出するものである。そして、この温度センサー34の検出結果に基づいて、前述したヒーター33の発熱量が制御される。これにより、原子セル31内のアルカリ金属原子を所望の温度に維持することができる。
なお、温度センサー34の設置位置は、特に限定されず、例えば、ヒーター33上であってもよいし、原子セル31の外表面上であってもよい。
温度センサー34としては、それぞれ、特に限定されず、サーミスタ、熱電対等の公知の各種温度センサーを用いることができる。
このような温度センサー34は、図示しない配線を介して、後述する制御回路6の温度制御回路62に電気的に接続されている。
(光学系ユニット)
前述したような第1ユニット2と第2ユニット3との間には、減光フィルター41、集光レンズ42、1/4波長板43が配置されている。この複数の減光フィルター41、集光レンズ42、1/4波長板43は、それぞれ、前述した第1パッケージ22内の発光素子21と、前述した原子セル31との間の光軸、すなわち、軸a上に設けられている。
また、本実施形態では、第1ユニット2側から第2ユニット3側へ、減光フィルター41、集光レンズ42、1/4波長板43の順に配置されている。減光フィルター41は、前述した発光素子102からの光LLの強度を減少させる。また、集光レンズ42は、例えば光LLを平行光に近づけるように光LLの放射角度を調整する。また、1/4波長板43は、光LLに含まれる周波数の異なる2種の光を直線偏光から円偏光、すなわち、右円偏光または左円偏光に変換する。
なお、減光フィルター41、集光レンズ42、1/4波長板43の平面視形状は、これに限定されず、例えば、四角形、五角形等の多角形をなしていてもよい。
また減光フィルター41、集光レンズ42、1/4波長板43は、前述した種類、配置順、数等に限定されない。
前述したようにコイル35の磁場により原子セル31内のアルカリ金属原子がゼーマン分裂した状態において、仮に直線偏光の励起光をアルカリ金属原子に照射すると、励起光とアルカリ金属原子との相互作用により、アルカリ金属原子がゼーマン分裂した複数の準位に均等に分散して存在することとなる。その結果、所望のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数が他のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数に対して相対的に少なくなるため、所望のEIT現象を発現する原子数が減少し、所望のEIT信号が小さくなり、その結果、原子発振器1の発振特性の低下をもたらす。
これに対し、前述したようにコイル35の磁場により原子セル31内のアルカリ金属原子がゼーマン分裂した状態において、円偏光の励起光をアルカリ金属原子に照射すると、励起光とアルカリ金属原子との相互作用により、アルカリ金属原子がゼーマン分裂した複数の準位のうち、所望のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数を他のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数に対して相対的に多くすることができる。そのため、所望のEIT現象を発現する原子数が増大し、所望のEIT信号が大きくなり、その結果、原子発振器1の発振特性を向上させることができる。
[制御部]
図1に示す制御回路6は、ヒーター33、コイル35および発光素子21をそれぞれ制御する機能を有する。本実施形態では、制御回路6は、IC(Integrated Circuit)チップで構成されている。なお、制御回路6は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーであってもよい。すなわち、プロセッサーで図示しない記憶装置に記憶されたプログラムを実行することで、後述する励起光制御回路61、温度制御回路62、磁場制御回路63の機能を実現してもよい。なお、制御部80は、単一のICまたはCPUであってもよいし、複数のデジタル回路またはアナログ回路の組み合わせであってもよい。
このような制御回路6は、発光素子21の共鳴光1、2の周波数を制御する励起光制御回路61と、原子セル31中のアルカリ金属原子の温度を制御する温度制御回路62と、原子セル31に印加する磁場を制御する磁場制御回路63とを有する。
励起光制御回路61は、前述した光検出素子32の検出結果に基づいて、発光素子21から出射される共鳴光1、2の周波数を制御する。より具体的には、励起光制御回路61は、前述した光検出素子32の検出結果に基づいて、前述した周波数差(ω−ω)がアルカリ金属原子固有の周波数ωとなるように、発光素子21から出射される共鳴光1、2の周波数を制御する。
また、励起光制御回路61は、図示しないが、電圧制御型発振器を備えており、その電圧制御型発振器の発振周波数を光検出素子32の検知結果に基づいて同期・調整しながら原子発振器1の出力信号として出力する。
また、温度制御回路62は、温度センサー34の検出結果に基づいて、ヒーター33への通電を制御する。これにより、原子セル31を所望の温度範囲内に維持することができる。
また、磁場制御回路63は、コイル35が発生する磁場が一定となるように、コイル35への通電を制御する。
以上、原子発振器1の各部について説明した。
次に、伝熱部8、放熱部9および第2ユニット3の各部の位置関係について詳細に説明する。
[伝熱部]
図5に示すように、伝熱部8は、原子セル31の外側に配置され、原子セル31の一部を覆っている。この伝熱部8は、原子セル31よりも熱伝導率の高い材料で構成されており、ヒーター33から発生する熱を原子セル31に伝達する機能を有している。従って、伝熱部8は原子セル31に接していることが好ましいが、伝熱部8と原子セル31との間で熱の移動が行われれば、直接接触していても、熱伝導性の接着剤等を介して間接的に接していてもよい。
図6に示すように、伝熱部8は、y軸に沿った方向からみたとき四角形の板状をなす基部81と、基部81の縁部から+y軸に沿って立設した4つの壁部82、83、84、85とで構成されている。壁部82と壁部84とは、x軸に沿って対向しており、壁部82が+x軸側に位置し、壁部84が−x軸側に位置している。また、壁部83と壁部85とは、z軸に沿って対向しており、壁部83が+z軸側に位置し、壁部85が−z軸側に位置している。これらの壁部82〜85は、連結されており、全体として筒状をなしている。また、基部81と各壁部82〜85とで囲まれた部分は、原子セル31の一部が挿入される第1凹部86となっている。
また、基部81は、−y軸側に位置する面811と、z軸に沿って対向する面812および面813、x軸に沿って対向する面814および面815を有している。この基部81には、面811に開放し、かつ、面812および面813に開放する第2凹部87が形成されている。この第2凹部87は、コイル35の一部が挿入される部分である。これにより、コイル35は、第2凹部87が形成されている分、外径を小さくすることができる。よって、原子発振器1の小型化を図ることができる。
また、壁部82には、その厚さ方向に貫通する窓部821が設けられ、壁部84には、その厚さ方向に貫通する窓部841が設けられている。各窓部821、841は、x軸に沿った方向からみたとき、重なっている。これにより、第1凹部86内に原子セル31を挿入した状態で、励起光LLは、窓部821、原子セル31の窓部312、313、窓部841を順に介して光検出素子32に入射することができる。また、伝熱部8がx軸に沿って原子セル31の窓部821から窓部841までの間を覆っているので、励起光LLの光路上のアルカリ金属原子の密度にムラが生じにくい。そのため、原子発振器1の周波数を安定させやすい。なお、伝熱部8の形状は上述の形状に限定されず、ヒーター33と原子セル31との間に配置され、後述する原子セル31の第1部分S1にヒーター33の熱を伝えることができる形状であればよい。
[放熱部]
図5に示すように、放熱部9は、原子セル31の外側に配置され、原子セル31の、伝熱部8が覆っている部分とは異なる一部を覆っている。この放熱部9は、原子セル31よりも熱伝導率が高い材料で構成されている。本実施形態の放熱部9の材料は伝熱部8の材料と同じであるが、異なっていてもよい。伝熱部8と放熱部9とは離間しており、伝熱部8の熱が放熱部9に伝わりにくい。そのため、放熱部9は、原子セル31の熱を放熱する機能を有している。
また、図7に示すように、放熱部9は、y軸に沿った方向からみたとき四角形の板状をなす基部91と、基部91の縁部から−y軸に沿って立設した4つの壁部92、93、94、95とに分けることができる。壁部92と壁部94とは、x軸に沿ってに対向しており、壁部92が+x軸側に位置し、壁部94が−x軸側に位置している。また、壁部93と壁部95とは、z軸に沿って対向しており、壁部93が+z軸側に位置し、壁部95が−z軸側に位置している。
基部91と各壁部92〜95とで囲まれた部分は、原子セル31の一部が挿入される第3凹部96となっている。なお、放熱部9の形状は上述の形状に限定されず、原子セル31の、伝熱部8に対し+y軸側の少なくとも一部を覆っていればよい。例えば、基部91および壁部92〜95のうち少なくとも1つを省略してもよく、放熱部8のx軸に沿った長さが原子セル31の長さよりも短くてもよい。
このような伝熱部8および放熱部9を構成する材料としては、比較的熱伝導率が高く、かつ、コイル205から原子セル201への磁界を阻害しない材料であれば特に限定されない。熱伝導率は、10W・m−1・K−1以上であることが好ましい。例えば、アルミニウム等の非磁性の金属材料を用いることができる。
このような原子発振器1では、伝熱部8および放熱部9は、伝熱部8の第1凹部86に原子セル31を挿入し、原子セル31の伝熱部8から露出している部分を放熱部9の第3凹部96に挿入するようにして原子セル31の外側に配置されている。このため、原子セル31はy軸に沿って一端から伝熱部8に覆われ、他端から放熱部9に覆われる。これにより、原子セル31の放熱部9に対応する部分の温度を、原子セル31の伝熱部8に対応する部分の温度よりも低くすることができる。よって、内部空間Sの温度が低い部分において余剰分のアルカリ金属原子を結露させることができる。このため、励起光LLが通過する部分から離れた位置に容易に余剰分を貯留することができる。その結果、余剰分が励起光LLを遮ることに起因する原子発振器1の周波数特性の低下を効果的に抑制することができる。
さて、図16は、従来の原子セルのxy平面に沿った断面図である。この原子セルの内部空間は、光が通過する部分X1と、液体または固体のアルカリ金属原子を収容する部分X2と、部分X1および部分X2を連通する連通路X3と、を有する。図示のように、連通路X3の幅が、部分X1および部分X2よりも狭いため、余剰分のアルカリ金属原子を部分X1から部分X2に移動させたい場合に、アルカリ金属原子が連通路X3にに移動せず、部分X1に留まってしまうおそれがある。さらに、部分X1と連通路X3との境界部に段差部X4が形成されているため、この段差部X4付近に余剰分のアルカリ金属原子が液体または固体として付着してしまうおそれがある。この場合、部分X1に残ってしまった液体または固体のアルカリ金属原子が部分X1内に広がったり移動したりして励起光の光路にかかってしまうと、周波数安定性の低下を招いてしまう。
そこで、原子発振器1では、以下のような構成とすることにより上記課題を解決した。以下、原子セル31の内部の形状について説明する。
図9に示すように、原子セル31の内部空間Sを規定する内面は、x軸を法線とする断面の形状、すなわち、yz平面に沿った断面で見たとき、−y軸側の内面31Aおよび+y軸側の内面31Bが円弧状をなしている。また、これらの円弧を接続する+z軸側の内面31Cおよび−z軸側の内面31Dは、直線状をなしており、それぞれ、y軸に対して傾斜している。このような断面形状は、図8に示すように、x軸に沿った方向の全体において同じである。なお、図8は、図5に示す原子セル31と同じ断面で見た断面図であり、z軸に沿った方向の略中央部で切断した断面図である。このことは、図10、図12、図14および図16についても同様である。
このような原子セル31は、その内側に、3つの領域である第1部分S1と、第2部分S2と、第3部分S3とを有している。これらの第1〜第3部分S1〜S3は、それぞれ、壁部、より具体的には壁部の内面と、各内面によって規定される内部空間Sの一部とを含む。すなわち、原子セル31の内部空間Sは、第1部分S1に含まれる領域、第2部分S2に含まれる領域、および、第3部分S3に含まれる領域、の3つに分けることができる。
第1部分S1は、励起光LLが通過する部分であり、内面31Aを含む。また、第1部分S1は、図5に示すように、ヒーター33および伝熱部8によって加熱される部分である。第1部分S1に含まれる内部空間S1の領域は、yz平面に沿った断面における内面31Aの円弧から同じ曲率の仮想円弧F1を設定したとき、内面31Aおよび仮想円弧F1で囲まれる円の内側の領域である。また、第1部分S1は、xy平面に沿った断面で見たとき、x軸に沿った全体を含む。換言すると、第1部分S1は、窓部312の内面の一部および窓部313の内面の一部を含む。
第2部分S2は、液体または固体のアルカリ金属原子を収容する部分である。また、第2部分S2は、図5に示すように、放熱部9によって放熱、すなわち、冷却される部分である。なお、第2部分S2は、一部が放熱部9に覆われていればよく、他の部分は放熱部9に覆われていても、伝熱部8に覆われていても、伝熱部8および放熱部9のどちらにも覆われていなくてもよい。一部が放熱部9に覆われていれば、その部分の温度が原子セル31の中で最も低くなるので、液体または固体のアルカリ金属原子を当該部分に集めることができる。第2部分S2に含まれる内部空間Sの領域は、yz平面に沿った断面における内面31Bの円弧から同じ曲率の仮想円弧F2を設定したとき、内面31Bおよび仮想円弧F2で囲まれる円の内側の領域である。また、第2部分S2は、xy平面に沿った断面で見たとき、x軸に沿った全体を含む。本実施形態では、第2部分S2は、窓部312の内面の一部および窓部313の内面の一部を含む。
第1部分S1のy軸に沿った最大長さL1と、内部空間Sのy軸に沿った最大長さLとの比L1/Lは、0.3以上0.9以下であるのが好ましく、0.5以上0.8以下であるのがより好ましい。これにより、第1部分S1のy軸に沿った長さを十分に確保することができるので、励起光LLが通過する際に、第2部分S2に存在する液体または固体のアルカリ金属原子に励起光LLが照射される可能性を低減できる。なお、各部分のある軸に沿った最大長さとは、当該部分の当該軸と交わる内面と、当該部分の定義に従って決定される当該部分の当該軸上の仮想面との間の最大長さである。また、内部空間Sのy軸に沿った最大長さLは、内部空間Sを規定する、y軸と交わる2つの内面の間の最大長さである。最小長さについては、上記の「最大」を「最小」と読み替えればよい。
第2部分S2のy軸に沿った最大長さL2と、内部空間Sのy軸に沿った最大長さLとの比L2/Lは、0.05以上0.3以下であるのが好ましく、0.1以上0.2以下であるのがより好ましい。これにより、第2部分S2のy軸に沿った長さを十分に確保することができ、液体または固体のアルカリ金属原子を第2部分S2に収容することができる。
また、第2部分S2を前記x軸と前記x軸および前記y軸と直交するz軸とを含むxz平面で切断したときに壁部で囲まれる部分の断面積は、第1部分S1をxz平面で切断したときに壁部で囲まれる部分の断面積よりも小さい。これにより、第1部分S1の大きさを十分に確保することができる。また、第2部分S2の上記断面積が第1部分S1の上記断面積以上の大きさである場合と比較して、第2部分S2の温度が変化した場合に第2部分における気体のアルカリ金属原子の量が少ない。第2部分の気体のアルカリ金属原子の量が変動すると、第1部分のアルカリ金属原子の密度が変動するので、第2部分S2の断面積が小さいことで、温度変化に伴う第1部分のアルカリ金属原子密度の変動を低減でき、周波数安定度を向上できる。なお、ここでの断面積は、各部分に含まれる内部空間Sの領域の断面積、すなわち、各部分の壁と各部分の仮想円弧とで囲まれる部分の断面積である。なお、仮想円弧に代えて、各部分の壁と、各部分の壁の両端を通る仮想直線とによって囲まれる部分の断面積を比較してもよい。
第3部分S3は、第1部分S1と第2部分S2との間に位置し、これらを接続する部分である。この第3部分S3は、第1部分S1のアルカリ金属原子の余剰分が第2部分S2に向かって移動する際に通過する部分である。第3部分S3の少なくとも一部は、伝熱部9に覆われていてもよい。第3部分S3の温度を第2部分S2よりも高くできるので、第3部分S3においてアルカリ金属原子を気体の状態に保ち、伝熱部9に覆われていない場合と比較して第2部分S2まで容易に移動させることができる。第3部分S3は、yz平面に沿った断面において、前述した仮想円弧F1、仮想円弧F2、内面31Cおよび内面31Dに囲まれた領域である。また、第3部分S3は、xy平面に沿った断面で見たとき、x軸に沿った方向の全体を含む。本実施形態では、第3部分S3は、窓部312の内面の一部および窓部313の内面の一部を含む。
この第3部分S3のy軸に沿った最小長さL3と、内部空間Sのy軸に沿った最大長さLとの比L3/Lは、0.05以上0.3以下であるのが好ましく、0.1以上0.2以下であるのがより好ましい。最小長さL3が大きすぎると、第1部分S1と第2部分S2との距離が遠くなり、原子セル31が大型化してしまう。最小長さL3が小さすぎると、第2部分S2に収容された液体または固体のアルカリ金属原子が第1部分S1に近づきやすくなり、励起光LLに影響を与える可能性がある。最小長さL3を上記数値範囲内とすることにより、原子セル31を小型化でき、かつ、原子発振器1の周波数安定度の低下を低減できる。
ここで、第3部分S3の壁部の内面31Cおよび内面31Dは、平面で構成されており、かつ、+y軸側に向うに連れて互いに接近するようにy軸に対して傾斜している。このため、第3部分S3の壁部のうち、y軸に沿って対向する2つの壁部の間の距離が、y軸に沿って第1部分S1から第2部分S2へ向かって一定の減少率で減少している。これにより、図16に示すような段差部X4を省略することができ、余剰分のアルカリ金属原子が内面31Cまたは内面31Dに沿って第2部分S2に円滑に移動できる。よって、余剰分のアルカリ金属原子を第2部分S2に収容することができる。なお、第2部分S2は第1部分S1よりも温度が低いので、余剰分のアルカリ金属原子が冷却されて液体または固体になり、内面31Bに付着さする。その結果、余剰分のアルカリ金属原子が第1部分S1に残存するのを防止または低減することができ、原子発振器1の周波数安定性を高めることができる。
なお、y軸に沿って対向する壁部の間の距離が第1部分S1から第2部分S2に向かって減少していたとしても、一定の減少率で減少していない場合、すなわち、気体のアルカリ金属原子が移動する際のコンダクタンスが第3部分の途中で変化する場合には、上記効果を得られない恐れがある。例えば、内面31Cおよび内面31Dの一部に段差が形成されていたり、一方または双方が曲面である場合には、第1部分S1また第2部分S2に余剰のアルカリ金属原子が残ってしまう恐れがある。
y軸に沿って対向する壁部の間の距離の減少率は、減少率が5%/mm以上50%/mm以下であるのが好ましく、15%/mm以上40%/mm以下であるのがより好ましく、25%/mm以上35%/mm以下であるのがさらに好ましい。これにより、アルカリ金属原子が第2部分に移動しやすく、また、上述したように第2部分S2の壁部に囲まれる断面積を小さくすることができるので、原子発振器1の周波数安定度を向上させることができる。
なお、一定の減少率とは、減少率の変化率が0.1%/以上5%以下程度の範囲内で減少率が増減している場合も含む。
また、yz平面に沿った断面において、第3部分S3の最小幅、すなわち、z軸に沿った最小長さが、第2部分S2のz軸に沿った最大長さと同じであるため、第2部分S2と第3部分S3との間で気体のアルカリ金属原子の移動が段差によって妨げられることがない。そのため、第2部分S2内の液体または固体のアルカリ金属原子が気化して第1部分S1に供給される際にも、上記と同様に、円滑に移動することができる。
以上説明したように、原子発振器1は、アルカリ金属原子が収容される内部空間Sを規定する壁部を有する原子セル31と、アルカリ金属原子を励起する光である励起光LLを出射する発光素子21と、原子セル31を透過した光を検出する光検出素子32と、を含み、原子セル31は、気体のアルカリ金属原子が収容され、光検出素子32からの光がx軸に沿って通過する第1部分S1と、液体または固体のアルカリ金属原子が収容される第2部分S2と、第1部分S1と第2部分S2との間に位置し、第1部分S1と第2部分S2とを接続する第3部分S3と、を有し、第3部分S3において、x軸と直交するy軸に沿って対向する2つの壁部の間の距離が、y軸に沿って第1部分S1から第2部分S2へ向かって一定の減少率で減少する。
これにより、図16に示すような段差部X4を省略することができ、余剰分のアルカリ金属原子が内面31Cまたは内面31Dに沿って第2部分S2に円滑に移動する。よって、余剰分のアルカリ金属原子を第2部分S2に収容することができる。その結果、余剰分のアルカリ金属原子が第1部分S1に残存するのを防止または低減することができ、原子発振器1の周波数安定性を高めることができる。
また、内面31Aの円弧の径D1は、内面31Bの円弧の径D2よりも大きい。D1/D2は、1.1以上10以下であるのが好ましく、4以上6以下であるのがより好ましい。内面31Cおよび内面31Dのy軸に対する傾斜角度は、D1/D2によって決定するため、D1/D2を上記数値範囲とすることにより、内面31Cおよび内面31Dのy軸に対する傾斜角度を所望の傾斜角度にすることができる。また、内面31Aの円弧の径D1が、内面31Bの円弧の径D2よりも大きいと、原子セル31において、第1部分S1の容積が第2部分S2の容積よりも大きい。そのため、第1部分のアルカリ金属原子密度の変動を低減でき、原子発振器1の周波数安定性を高めることができる。
また、このように、第3部分S3において、y軸に沿って対向する2つの壁部は、前記x軸および前記y軸を含むxy平面に対して傾斜している。これにより、上述したように、余剰分のアルカリ金属原子を第2部分S2に移動させるという効果を発揮することができる。
また、内面31Cおよび内面31Dは、+y軸側に向うに連れて互いに接近するようにy軸に対して傾斜している。また、内面31Cおよび内面31Dのy軸に対する傾斜角度は、同じである。この傾斜角度は、10°以上80°以下であるのが好ましく、20°以上40°以下であるのがより好ましい。
また、原子発振器1は、原子セル31の第1部分S1を加熱するヒーター33をさらに含むため、この作動を調整することにより、余剰分のアルカリ金属原子が第1部分S1および第2部分S2の間を行き来することができる。なお、第2部分S2側には、温度調整素子としてのペルチェ素子が設けられていてもよい。
<第2実施形態>
図10は、第2実施形態に係る原子発振器が備える原子セルのxy平面に沿った断面図である。図11は、図10中のB−B線断面図である。
本実施形態は、原子セルの構成が異なること以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。
図11に示すように、原子セル31の内部空間Sに臨む内面は、yz平面に沿った断面で見たとき、−y軸側の内面31Eおよび+y軸側の内面31Fが円弧状をなしている。また、これらの円弧を接続する+z軸側の内面31Gおよび−z軸側の内面31Hは、直線状をなしている。
また、内面31Eおよび内面31Fの円弧の径は、同じである。内面31Gおよび内面31Hは、yz平面と平行である。
また、xy平面に沿った断面で見たとき、原子セル31の内部空間Sに臨む内面は、−x軸側に位置する内面31Jと、+x軸側に位置する内面31Kとを有する。内面31Jは、yz平面と平行な平面である。また、内面31Kは、yz平面と平行な平面である内面31Mと、yz平面に対して傾斜した傾斜面31Lとを有する。傾斜面31Lは、内面31Eから内面31Fに向かうにしたがって内面31Jに接近するように傾斜している。
このような原子セル31では、内面31Eから内面31Fの−y軸側の端部までの領域が第1部分S1である。また、残りの部分を2分割したとき、+y軸側の領域が第2部分S2であり、−y軸側の領域が第3部分S3である。
第1部分S1のy軸に沿った最大長さL1と、内部空間Sのy軸に沿った最大長さLとの比L1/Lは、0.3以上0.9以下であるのが好ましく、0.5以上0.8以下であるのがより好ましい。これにより、第1部分S1のy軸に沿った長さを十分に確保することができ、励起光LLが通過する際に、液体または固体のアルカリ金属原子がその通過を阻害するのを高い確度で防止することができる。
第2部分S2のy軸に沿った最大長さL2と、内部空間Sのy軸に沿った最大長さLとの比L2/Lは、0.05以上0.3以下であるのが好ましく、0.1以上0.2以下であるのがより好ましい。これにより、第2部分S2のy軸に沿った長さを十分に確保することができ、液体または固体のアルカリ金属原子を十分に収容することができる。
第3部分S3のy軸に沿った最小長さL3と、内部空間Sのy軸に沿った最大長さLとの比L3/Lは、0.05以上0.3以下であるのが好ましく、0.1以上0.2以下であるのがより好ましい。最小長さL3を上記数値範囲内とすることにより、後述するような、アルカリ金属原子を第2部分S2に移動させるという効果を顕著に発揮することができる。
このような原子セル31では、図10に示すように、第3部分S3において、x軸と直交するy軸に沿って対向する2つの壁部の間の距離が、y軸に沿って第1部分S1から第2部分S2へ向かって一定の減少率で減少する。これにより、図16に示すような段差部X4を省略することができ、余剰分のアルカリ金属原子が傾斜面31Lに沿って第2部分S2に円滑に移動する。よって、余剰分のアルカリ金属原子を第2部分S2に収容することができる。その結果、余剰分のアルカリ金属原子が第1部分S1に残存するのを防止または低減することができ、原子発振器1の周波数安定性を高めることができる。
<第3実施形態>
図12は、第3実施形態に係る原子発振器が備える原子セルのxy平面に沿った断面図である。図13は、図12中のC−C線断面図である。
本実施形態は、原子セルの構成が異なること以外は、前述した第2実施形態と同様である。なお、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。
図12および図13に示すように、本実施形態では、内面31Jは、傾斜面31Lと、内面31Mとを有する。傾斜面31Lは、内面31Eから内面31Fに向かうにしたがって内面31Kに接近するように傾斜している。
このような原子セル31では、図12に示すように、第3部分S3において、x軸と直交するy軸に沿って対向する2つの壁部の間の距離が、y軸に沿って第1部分S1から第2部分S2へ向かって一定の減少率で減少する。これにより、図16に示すような段差部X4を省略することができ、余剰分のアルカリ金属原子が傾斜面31Lに沿って第2部分S2に円滑に移動する。よって、余剰分のアルカリ金属原子を第2部分S2に収容することができる。その結果、余剰分のアルカリ金属原子が第1部分S1に残存するのを防止または抑制することができ、原子発振器1の周波数安定性を高めることができる。
<第4実施形態>
図14は、第4実施形態に係る原子発振器が備える原子セルのxy平面に沿った断面図である。図15は、図14中のD−D線断面図である。
本実施形態は、原子セルの構成が異なること以外は、前述した第2実施形態と同様である。なお、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。
図14および図15に示すように、本実施形態では、内面31Jおよび内面31Kは、それぞれ、傾斜面31Lと、内面31Mとを有する。内面31Jの傾斜面31Lは、内面31Eから内面31Fに向かうにしたがって内面31Kに接近するように傾斜している。内面31Kの傾斜面31Lは、内面31Eから内面31Fに向かうにしたがって内面31Jに接近するように傾斜している。すなわち、各傾斜面31Lは、互いに接近するように傾斜している。また、各傾斜面の傾斜角度は、同じである。
このような原子セル31では、図14に示すように、第3部分S3において、x軸と直交するy軸に沿って対向する2つの壁部の間の距離が、y軸に沿って第1部分S1から第2部分S2へ向かって一定の減少率で減少する。これにより、図16に示すような段差部X4を省略することができ、余剰分のアルカリ金属原子が傾斜面31Lに沿って第2部分S2に円滑に移動する。よって、余剰分のアルカリ金属原子を第2部分S2に収容することができる。その結果、余剰分のアルカリ金属原子が第1部分S1に残存するのを防止または低減することができ、原子発振器1の周波数安定性を高めることができる。
<原子発振器適用例>
以上説明したような原子発振器1は、各種の周波数信号生成システムに組み込むことができる。以下、そのような周波数信号生成システムの実施形態について説明する。
図17は、GPS(Global Positioning System)衛星を利用した測位システム、すなわち、周波数信号生成システムの一例の概略構成を示す図である。
図17に示す測位システム1100は、基地局装置1300と、GPS受信装置1400とで構成されている。ここで、原子発振器1を搭載した電子機器を周波数信号生成システムと呼ぶこともできるし、原子発振器1を搭載した電子機器を含む複数の電子機器からなる各種システムを周波数信号生成システムと呼ぶこともできる。
GPS衛星1200は、測位用情報を含む衛星信号(GPS信号)を送信する。
基地局装置1300は、例えば電子基準点としてのGPS連続観測局に設置されたアンテナ1301を介してGPS衛星1200からの衛星信号を受信する受信装置1302と、受信した衛星信号から受信装置1302が取得した測位用情報をアンテナ1303を介して送信する送信装置1304とを備える。
ここで、受信装置1302は、その基準周波数発振源である原子発振器1と、原子発振器1からの周波数信号を処理する処理部1302aと、を備える。また、受信装置1302で受信された測位情報は、リアルタイムで送信装置1304により送信される。
このように、周波数信号生成システムである受信装置1302は、原子発振器1を含む。このような受信装置1302によれば、原子発振器1の原子セル31周辺の温度勾配を低減することで、受信装置1302の特性を向上させることができる。また、上述した受信装置1302を含むことで、周波数信号生成システムの別の一例である測位システム1100の特性を向上させることができる。
GPS受信装置1400は、GPS衛星1200からの測位情報をアンテナ1401を介して受信する衛星受信部1402と、基地局装置1300からの測位情報をアンテナ1403を介して受信する基地局受信部1404とを備える。
以上のように、周波数信号生成システムの一例としての測位システム1100の受信装置1302は、原子発振器1と、原子発振器1からの周波数信号を処理する処理部1302aと、を備えている。
また、原子発振器1は、アルカリ金属原子が収容される内部空間Sを画成する壁部を有する原子セル31と、アルカリ金属原子を励起する励起光LLを原子セル31に向って出射する発光素子と、原子セル31を透過した光を受光する受光素子と、を含む。また、原子セル31は、アルカリ金属原子が収容され、発光素子からの光がx軸に沿って通過する第1部分S1と、液体または固体のアルカリ金属原子が収容され、第1部分S1に対して、x軸と直交するy軸に沿って離間した第2部分S2と、第1部分S1および第2部分S2を接続する第3部分と、を有する。そして、原子セル31は、第3部分S3に臨む壁部のうち、x軸に沿って対向する壁部の内面31Jの傾斜面31Lおよび内面31Kの傾斜面31Lの離間距離が、y軸に沿って第1部分S1から第2部分S2へ向かうに連れて一定の減少率で減少する部分を有するか、または、第3部分S3に臨む壁部のうち、x軸およびy軸の双方と直交するz軸に沿って対向する壁部の内面の離間距離が、y軸に沿って第1部分S1から第2部分S2へ向かうに連れて一定の減少率で減少する部分を有する。
このような発明によれば、前述した原子発振器1の利点を生かし、測位システム1100および受信装置1302の特性を向上させることができる。
なお、周波数信号生成システムは、前述したものに限定されず、原子発振器1と、原子発振器1からの周波数信号を処理する処理部とを含むシステムであればよい。例えば、スマートフォン、タブレット端末、時計、携帯電話機、ディジタルスチルカメラ、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、パーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター、ラップトップ型パーソナルコンピューター)、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS(Point of Sales)端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、地上デジタル放送、携帯電話基地局等に適用することができる。また、複数の電子機器等から構成される周波数信号生成システムは、原子発振器1からの信号を処理して信号を生成するシステムであればよく、前述したものに限定されず、例えば、クロック伝送システム等であってもよい。
以上、本発明の原子発振器および周波数信号生成システムを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、原子発振器および周波数信号生成システムを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
1…原子発振器、2…第1ユニット、21…発光素子、22…第1パッケージ、23…窓部、3…第2ユニット、31…原子セル、31A…内面、31B…内面、31C…内面、31D…内面、31E…内面、31F…内面、31G…内面、31H…内面、31J…内面、31K…内面、31L…傾斜面、31M…内面、311…本体部、311a…貫通孔、312…窓部、313…窓部、32…光検出素子、33…ヒーター、34…温度センサー、35…コイル、38…磁気シールド、382…窓部、39…伝熱板、41…減光フィルター、42…集光レンズ、43…1/4波長板、6…制御回路、61…励起光制御回路、62…温度制御回路、63…磁場制御回路、8…伝熱部、81…基部、811…面、812…面、813…面、814…面、815…面、82…壁部、821…窓部、83…壁部、84…壁部、841…窓部、85…壁部、86…第1凹部、87…第2凹部、9…放熱部、91…基部、92…壁部、93…壁部、94…壁部、95…壁部、96…第3凹部、1100…測位システム、1200…GPS衛星、1300…基地局装置、1301…アンテナ、1302…受信装置、1302a…処理部、1303…アンテナ、1304…送信装置、1400…GPS受信装置、1401…アンテナ、1402…衛星受信部、1403…アンテナ、1404…基地局受信部、D1…径、D2…径、F1…仮想円弧、F2…仮想円弧、LL…励起光、S…内部空間、S1…第1部分、S2…第2部分、S3…第3部分、X1…部分、X2…部分、X3…連通路、X4…段差部、a…軸、ω0…周波数、ω1…周波数、ω2…周波数

Claims (6)

  1. アルカリ金属原子が収容される内部空間を規定する壁部を有する原子セルと、
    前記アルカリ金属原子を励起する光を出射する発光素子と、
    前記原子セルを透過した前記光を検出する光検出素子と、を含み、
    前記原子セルは、気体の前記アルカリ金属原子が収容され、前記光出射部からの光がx軸に沿って通過する第1部分と、液体または固体のアルカリ金属原子が収容される第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間に位置し、前記第1部分と前記第2部分とを接続する第3部分と、を有し、
    前記第3部分において、前記x軸と直交するy軸に沿って対向する2つの前記壁部の間の距離が、前記y軸に沿って前記第1部分から前記第2部分へ向かって一定の減少率で減少する、原子発振器。
  2. 前記第2部分を、前記x軸と前記x軸および前記y軸と直交するz軸とを含むxz平面で切断したときに前記壁部で囲まれる部分の断面積は、前記第1部分を前記xz平面で切断したときに前記壁部で囲まれる部分の断面積よりも小さい、請求項1に記載の原子発振器。
  3. 前記第3部分において、前記y軸に沿って対向する2つの前記壁部は、前記x軸および前記y軸を含むxy平面に対して傾斜している、請求項1または2に記載の原子発振器。
  4. 前記第3部分において、前記y軸に沿って対向する2つの前記壁部は、前記y軸および前記z軸を含むyz平面に対して傾斜している、請求項1または2に記載の原子発振器。
  5. 前記原子セルの前記第1部分を加熱するヒーターをさらに含む、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の原子発振器。
  6. 原子発振器と、
    前記原子発振器からの周波数信号を処理する処理部と、を備え、
    前記原子発振器は、
    アルカリ金属原子が収容される内部空間を規定する壁部を有する原子セルと、
    前記アルカリ金属原子を励起する光を出射する発光素子と、
    前記原子セルを透過した前記光を検出する光検出素子と、を含み、
    前記原子セルは、気体の前記アルカリ金属原子が収容され、前記光出射部からの光がx軸に沿って通過する第1部分と、液体または固体のアルカリ金属原子が収容される第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間に位置し、前記第1部分と前記第2部分とを接続する第3部分と、を有し、
    前記第3部分において、前記x軸と直交するy軸に沿って対向する2つの前記壁部の間の距離が、前記y軸に沿って前記第1部分から前記第2部分へ向かうに連れて一定の減少率で減少する、周波数信号生成システム。
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