JP2020167408A - ヒートシンク付き絶縁回路基板の製造方法、及び、絶縁回路基板の製造方法 - Google Patents

ヒートシンク付き絶縁回路基板の製造方法、及び、絶縁回路基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】接合時における炭素残渣の発生を抑制するとともに、金属片及びヒートシンクを強固に仮止めすることができ、絶縁性に優れたヒートシンク付き絶縁回路基板を比較的容易に製造することが可能なヒートシンク付き絶縁回路基板の製造方法を提供する。【解決手段】アルミニウム層と金属片の接合界面及び金属層とヒートシンクの接合界面に、アクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種と重合開始剤とを含有する仮止め材を配設し、前記仮止め材を介してアルミニウム層と金属片及び金属層とヒートシンクを積層する積層工程S21と、積層されたアルミニウム層と金属片及び金属層とヒートシンクの間の仮止め材に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種を重合させて樹脂ポリマーを生成し、アルミニウム層と金属片及び金属層とヒートシンクを仮止めする重合工程S22と、を有している。【選択図】図2

Description

この発明は、絶縁層と、この絶縁層の一方の面に形成された回路層と、前記絶縁層の他方の面に形成された金属層と、前記金属層の他方の面側に配設されたヒートシンクと、を備えたヒートシンク付き絶縁回路基板の製造方法、及び、絶縁回路基板の製造方法に関するものである。
パワーモジュール、LEDモジュール及び熱電モジュールにおいては、絶縁層の一方の面に導電材料からなる回路層を形成した絶縁回路基板に、パワー半導体素子、LED素子及び熱電素子が接合された構造とされている。
また、上述の絶縁回路基板においては、絶縁層の一方の面に導電性の優れた金属片を接合して回路層とし、また、他方の面に放熱性に優れた金属片を接合して金属層を形成した構造のものが提供されている。
さらに、回路層に搭載した素子等において発生した熱を効率的に放散させるために、絶縁層の他方の面側にヒートシンクを接合したヒートシンク付き絶縁回路基板も提供されている。
例えば、特許文献1には、セラミックス基板の一方の面にアルミニウム片を接合することで回路層が形成されるとともに、他方の面にアルミニウム片を接合することにより金属層が形成された絶縁回路基板と、この回路層上にはんだ材を介して接合された半導体素子と、を備えたパワーモジュールが開示されている。
また、特許文献2には、セラミックス基板の一方の面にアルミニウム片を接合し、このアルミニウム片に銅片を固相拡散接合することにより、アルミニウム層と銅層とが積層された回路層を形成した絶縁回路基板が提案されている。
さらに、特許文献3には、セラミックスからなる基材の一方の面に導電性の回路層が形成され、絶縁基板の他方の面に放熱体が接合され、回路層上に発光素子が搭載された構造のLEDモジュールが開示されている。
ここで、セラミックス基板と金属片、アルミニウム片と銅片、絶縁回路基板とヒートシンク等を接合する場合には、例えば特許文献4−6に記載されているように、接合する部材の間にポリエチレングリコール(PEG)等の有機物を含む仮止め材を用いて、部材同士の位置合せをして仮止めした状態で積層方向に加圧して加熱することにより、部材同士を接合している。
ところで、上述のようにポリエチレングリコール(PEG)等の有機物を含む仮止め材を用いて金属片を仮止めし、これを加圧して加熱することによって金属片を接合することにより回路層を形成した際には、仮止め材の一部が加熱時に炭化し、回路パターン間に付着して炭素残渣となり、回路層のパターン間、あるいは、絶縁層を挟んで位置する回路層と金属層との絶縁性が不十分となるおそれがあった。
そこで、特許文献7には、接合時における仮止め材の炭素残渣の発生を抑制し、絶縁性に優れた絶縁回路基板を製造する方法が提案されている。
特許文献7においては、アクリル系樹脂と溶剤とを含有する仮止め材を塗布し、この仮止め材の粘着力によって、金属片を仮止めする構成とされている。そして、この仮止め材は、熱分解性に優れたアクリル系樹脂で構成されているので、その後の接合工程において分解され、炭素残渣の付着を抑制することが可能となる。
特許第3171234号公報 特許第5403129号公報 特開2015−070199号公報 特開2014−175425号公報 特開2014−209591号公報 特開2016−105452号公報 特開2018−137375号公報
ところで、絶縁回路基板においては、絶縁層の一方の面に回路層が形成され、絶縁層の他方の面に金属層が形成されるため、回路層と金属層との構造が異なると、絶縁回路基板の製造時に反りが生じることがあった。また、金属層の他方の面側にヒートシンクを接合したヒートシンク付き絶縁回路基板においても同様である
また、最近の絶縁回路基板においては、大電流を流すために、回路層や金属層などの金属部材の厚さを大きくすることが求められており、そのような場合、上述の反りが大きくなる傾向にあり、さらに、厚さを大きくなることで仮止めする金属片の重量が増加する傾向にある。
ここで、特許文献7に記載された発明では、アクリル系樹脂を含む仮止め材の粘着力によって金属片を仮止めしていることから、絶縁回路基板の構造によって製造時の反りが大きくなる場合や仮止めする金属片の重量が増加した場合には、金属片を十分に固定することができなくなるおそれがあった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、接合時における炭素残渣の発生を抑制するとともに、金属片及びヒートシンクを強固に仮止めすることができ、絶縁性に優れた絶縁回路基板を比較的容易に製造することが可能なヒートシンク付き絶縁回路基板の製造方法、及び、絶縁回路基板の製造方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明のヒートシンク付き絶縁回路基板の製造方法は、絶縁層と、この絶縁層の一方の面に形成された回路層と、前記絶縁層の他方の面に形成された金属層と、前記金属層の他方の面側に配設されたヒートシンクと、を備えたヒートシンク付き絶縁回路基板の製造方法であって、前記回路層及び前記金属層の少なくとも一方は、前記絶縁層側に配置されたアルミニウム層と、このアルミニウム層に積層された銅層と、を有し、前記アルミニウム層の表面に銅又は銅合金からなる金属片を接合することによって前記銅層を形成する金属片接合工程と、前記金属層の他方の面側に前記ヒートシンクを接合するヒートシンク接合工程と、を有しており、前記金属片接合工程及び前記ヒートシンク接合工程においては、前記アルミニウム層と前記金属片の接合界面及び前記金属層と前記ヒートシンクの接合界面に、アクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種と重合開始剤とを含有する仮止め材を配設し、前記仮止め材を介して前記アルミニウム層と前記金属片及び前記金属層と前記ヒートシンクを積層する積層工程と、積層された前記アルミニウム層と前記金属片及び前記金属層と前記ヒートシンクの間の前記仮止め材に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種を重合させて樹脂ポリマーを生成し、前記アルミニウム層と前記金属片及び前記金属層と前記ヒートシンクを仮止めする重合工程と、仮止めされた前記アルミニウム層と前記金属片及び前記金属層と前記ヒートシンクを積層方向に加圧して加熱することにより、前記樹脂ポリマーを分解して除去するとともに、前記アルミニウム層と前記金属片及び前記金属層と前記ヒートシンクを接合する接合工程と、を有していることを特徴としている。
この構成のヒートシンク付き絶縁回路基板の製造方法によれば、仮止め材に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種を重合させて樹脂ポリマーを生成し、前記アルミニウム層と前記金属片及び前記金属層と前記ヒートシンクとを仮止めする重合工程を備えているので、前記アルミニウム層と前記金属片及び前記金属層と前記ヒートシンクとを強固に仮止めすることができる。なお、重合することによって強固に仮止めができる理由は定かではないが、仮止め材に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物の官能基が金属表面に化学的に結合することにより強固に仮止めができると推定される。
これにより、その後の工程における金属片及びヒートシンクの脱落や位置ズレの発生を抑制することができ、ヒートシンク付き絶縁回路基板の製造が容易となる。
また、アクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種が重合して生成した樹脂ポリマーは、熱分解性に優れているので、接合工程において樹脂ポリマーを速やかに熱分解させることができ、炭素残渣が少なくなり、接合時における回路パターン間への炭素残渣の付着を抑制することができる。これにより、絶縁性に優れた絶縁回路基板を製造することができる。
ここで、本発明のヒートシンク付き絶縁回路基板においては、前記仮止め材に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種を重合して生成される前記樹脂ポリマーの熱分解温度が400℃以下であることが好ましい。
この場合、前記仮止め材に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種を重合した際に生成される前記樹脂ポリマーの熱分解温度が400℃以下に規定されているので、接合工程において確実に樹脂ポリマーを熱分解することができ、炭素残渣をさらに少なくすることができ、接合時における回路パターン間への炭素残渣の付着を抑制することができる。
本発明の絶縁回路基板の製造方法は、絶縁層と、この絶縁層の一方の面に形成された回路層と、前記絶縁層の他方の面に形成された金属層と、を備えた絶縁回路基板の製造方法であって、前記回路層及び前記金属層の少なくとも一方は、前記絶縁層側に配置されたアルミニウム層と、このアルミニウム層に積層された銅層と、を有し、前記アルミニウム層の表面に銅又は銅合金からなる金属片を接合することによって前記銅層を形成する金属片接合工程を備えており、前記金属片接合工程においては、前記アルミニウム層及び前記金属片の接合界面に、アクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種と重合開始剤とを含有する仮止め材を配設し、前記仮止め材を介して前記アルミニウム層と前記金属片と積層する積層工程と、積層された前記アルミニウム層及び前記金属片の間の前記仮止め材に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種を重合させて樹脂ポリマーを生成し、前記アルミニウム層と前記金属片とを仮止めする重合工程と、仮止めされた前記アルミニウム層及び前記金属片を積層方向に加圧して加熱することにより、前記樹脂ポリマーを分解して除去するとともに、前記アルミニウム層と前記金属片を接合する接合工程と、を有していることを特徴としている。
この構成の絶縁回路基板の製造方法によれば、仮止め材に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種を重合させて樹脂ポリマーを生成し、前記アルミニウム層と前記金属片とを仮止めする重合工程を備えているので、樹脂ポリマーによってアルミニウム層と金属片とを強固に仮止めすることができる。これにより、その後の工程における金属片の脱落や位置ズレの発生を抑制することができ、絶縁回路基板の製造が容易となる。
また、アクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種が重合して生成した樹脂ポリマーは、熱分解性に優れているので、接合工程において樹脂ポリマーを速やかに熱分解させることができ、炭素残渣が少なくなり、接合時における回路パターン間への炭素残渣の付着を抑制することができる。これにより、絶縁性に優れた絶縁回路基板を製造することができる。
ここで、本発明の絶縁回路基板の製造方法においては、前記仮止め材に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種を重合して生成される前記樹脂ポリマーの熱分解温度が400℃以下であることが好ましい。
この場合、前記仮止め材に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種を重合した際に生成される前記樹脂ポリマーの熱分解温度が400℃以下に規定されているので、接合工程において確実に樹脂ポリマーを熱分解することができ、炭素残渣をさらに少なくすることができ、接合時における回路パターン間への炭素残渣の付着を抑制することができる。
本発明の絶縁回路基板の製造方法は、絶縁層と、この絶縁層の一方の面に形成された回路層と、前記絶縁層の他方の面に形成された金属層と、を備えた絶縁回路基板の製造方法であって、前記絶縁層の表面に金属片を接合することによって前記回路層を形成する金属片接合工程を備えており、前記金属片接合工程においては、前記絶縁層及び前記金属片の接合界面に、アクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種と重合開始剤とを含有する仮止め材を配設し、前記仮止め材を介して前記絶縁層と前記金属片と積層する積層工程と、積層された前記絶縁層及び前記金属片の間の前記仮止め材に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種を重合させて樹脂ポリマーを生成し、前記絶縁層と前記金属片とを仮止めする重合工程と、仮止めされた前記絶縁層及び前記金属片を積層方向に加圧して加熱することにより、前記樹脂ポリマーを分解して除去するとともに、前記絶縁層と前記金属片を接合する接合工程と、を有していることを特徴としている。
この構成の絶縁回路基板の製造方法によれば、仮止め材に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種を重合させて樹脂ポリマーを生成し、前記絶縁層と前記金属片とを仮止めする重合工程を備えているので、樹脂ポリマーによって絶縁層と金属片とを強固に仮止めすることができる。これにより、その後の工程における金属片の脱落や位置ズレの発生を抑制することができ、絶縁回路基板の製造が容易となる。
また、アクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種が重合して生成した樹脂ポリマーは、熱分解性に優れているので、接合工程において樹脂ポリマーを速やかに熱分解させることができ、炭素残渣が少なくなり、接合時における回路パターン間への炭素残渣の付着を抑制することができる。これにより、絶縁性に優れた絶縁回路基板を製造することができる。
ここで、本発明の絶縁回路基板の製造方法においては、前記仮止め材に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種を重合して生成される前記樹脂ポリマーの熱分解温度が400℃以下であることが好ましい。
この場合、前記仮止め材に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種を重合した際に生成される前記樹脂ポリマーの熱分解温度が400℃以下に規定されているので、接合工程において確実に樹脂ポリマーを熱分解することができ、炭素残渣をさらに少なくすることができ、接合時における回路パターン間への炭素残渣の付着を抑制することができる。
本発明によれば、接合時における炭素残渣の発生を抑制するとともに、金属片及びヒートシンクを強固に仮止めすることができ、絶縁性に優れた絶縁回路基板を比較的容易に製造することが可能なヒートシンク付き絶縁回路基板の製造方法、及び、絶縁回路基板の製造方法を提供することができる。
本発明の第一の実施形態であるヒートシンク付き絶縁回路基板の製造方法によって製造されたヒートシンク付き絶縁回路基板を用いたパワーモジュールの断面説明図である。 図1に示すヒートシンク付き絶縁回路基板の製造方法を示すフロー図である。 図1に示すヒートシンク付き絶縁回路基板の製造方法を示す説明図である。 図1に示すヒートシンク付き絶縁回路基板の製造方法を示す説明図である。 本発明の第二の実施形態である絶縁回路基板の製造方法によって製造された絶縁回路基板の概略説明図である。 図5に示す絶縁回路基板の製造方法を示すフロー図である。 図5に示す絶縁回路基板の製造方法を示す説明図である。 図5に示す絶縁回路基板の製造方法を示す説明図である。 本実施形態において、仮止め材の配置を示す説明図である。
以下に、本発明の実施形態について、添付した図面を参照して説明する。
<第一の実施形態>
図1に、本発明の第一の実施形態であるヒートシンク付き絶縁回路基板の製造方法によって製造されたヒートシンク付き絶縁回路基板30、及び、このヒートシンク付き絶縁回路基板30を用いたパワーモジュール1を示す。
このパワーモジュール1は、ヒートシンク付き絶縁回路基板30と、このヒートシンク付き絶縁回路基板30の一方側(図1において上側)にはんだ層2を介して接合された半導体素子3と、を備えている。
ヒートシンク付き絶縁回路基板30は、絶縁回路基板10と、この絶縁回路基板10の他方側(図1において下側)に配設されたヒートシンク31と、を備えている。
はんだ層2は、例えばSn−Ag系、Sn−Cu系、Sn−In系、若しくはSn−Ag−Cu系のはんだ材(いわゆる鉛フリーはんだ材)とされている。
半導体素子3は、半導体を備えた電子部品であり、必要とされる機能に応じて種々の半導体素子が選択される。
絶縁回路基板10は、図1に示すように、絶縁層となるセラミックス基板11と、このセラミックス基板11の一方の面(図1において上面)に配設された回路層12と、セラミックス基板11の他方の面(図1において下面)に形成された金属層13と、を備えている。
セラミックス基板11は、回路層12と金属層13との間の電気的接続を防止するものであって、絶縁性の高いAlN(窒化アルミニウム)で構成されている。また、セラミックス基板11の厚さは、0.2mm以上1.5mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、0.635mmに設定されている。
回路層12は、図1に示すように、セラミックス基板11の一方の面に配設されたアルミニウム層12Aと、このアルミニウム層12Aの一方側(図1において上側)に積層された銅層12Bと、を有している。
この回路層12には、回路パターンが形成されており、その一方の面(図1において上面)が、半導体素子3が搭載される搭載面とされている。ここで、回路層12の厚さは0.1mm以上2.0mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では0.6mmに設定されている。
アルミニウム層12Aは、図3に示すように、複数のアルミニウム片22Aがセラミックス基板11の一方の面に回路パターン状に配設されて接合されることにより形成されている。本実施形態においては、アルミニウム層12Aは、純度が99.99mass%以上のアルミニウム(いわゆる4Nアルミニウム)の圧延板を打ち抜いて形成された複数のアルミニウム片22Aがセラミックス基板11に接合されることにより形成されている。
銅層12Bは、アルミニウム層12Aの一方側(図4において上側)に銅又は銅合金からなる銅片22Bが接合されることにより形成されている。本実施形態においては、銅層12Bは、無酸素銅の圧延板からなる複数の銅片22Bがアルミニウム層12Aに固相拡散接合されることにより形成されている。
金属層13は、図1に示すように、セラミックス基板11の他方の面に配設されたアルミニウム層13Aと、このアルミニウム層13Aの他方側(図1において下側)に積層された銅層13Bと、を有している。
ここで、金属層13の厚さは0.1mm以上2.0mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では0.6mmに設定されている。
アルミニウム層13Aは、図3に示すように、アルミニウム片23Aがセラミックス基板11の他方の面に接合されることにより形成されている。本実施形態においては、アルミニウム層13Aは、純度が99.99mass%以上のアルミニウム(いわゆる4Nアルミニウム)の圧延板からなるアルミニウム片23Aがセラミックス基板11に接合されることにより形成されている。
銅層13Bは、アルミニウム層13Aの他方側(図4において下側)に銅又は銅合金からなる銅片23Bが接合されることにより形成されている。本実施形態においては、銅層13Bは、無酸素銅の圧延板からなる銅片23Bがアルミニウム層13Aに固相拡散接合されることにより形成されている。
ヒートシンク31は、絶縁回路基板10側の熱を放散するためのものである。ヒートシンク31は、熱伝導性が良好な銅、銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されている。その他、カーボン(C)や炭化シリコン(SiC)の多孔質体にアルミニウムを含侵させたアルミ−カーボン複合材料やAlSiC等のAl複合材料を用いることもできる。なお、この場合、銅層13Bとの接合面側には、スキン層と呼ばれる、カーボン(C)や炭化シリコン(SiC)を含まないアルミニウム又はアルミニウム合金からなる層が形成されており、このスキン層と銅層13Bとが固相拡散接合されていることが好ましい。
本実施形態においては、ヒートシンク31は、アルミニウム合金であるA6063合金で構成されている。このヒートシンク31の厚さは、3mm以上10mm以下の範囲内に設定されている。
なお、ヒートシンク31と絶縁回路基板10の金属層13とは、固相拡散接合されている。
次に、本実施形態であるヒートシンク付き絶縁回路基板の製造方法について、図2から図4を用いて説明する。
(アルミニウム片接合工程S01)
まず、図3に示すように、セラミックス基板11の一方の面にアルミニウム片22Aを接合してアルミニウム層12Aを形成するとともに、セラミックス基板11の他方の面にアルミニウム片23Aを接合してアルミニウム層13Aを形成する。
このとき、複数のアルミニウム片22Aをパターン状に配置することにより、回路パターンが形成される。
本実施形態では、図3に示すように、セラミックス基板11の一方の面に、アルミニウム片22Aを、Al−Si系のろう材箔26を介して積層し、セラミックス基板11の他方の面に、アルミニウム片23Aを、Al−Si系のろう材箔27を介して積層する。なお、本実施形態では、Al−Si系のろう材箔26、27として、厚さ10μmのAl−8mass%Si合金箔を用いた。
そして、積層方向に加圧した状態で真空加熱炉内に配置し加熱して、アルミニウム片22Aとセラミックス基板11を接合する。また、セラミックス基板11とアルミニウム片23Aを接合する。
ここで、真空加熱炉内の圧力は10−6Pa以上10−3Pa以下の範囲内に、加圧圧力は0.1MPa以上3.5MPa以下の範囲内、加熱温度は600℃以上655℃以下の範囲内、加熱温度での保持時間は15分以上120分以下の範囲内に設定されることが好ましい。
(銅片及びヒートシンク接合工程S02)
次に、図3及び図4に示すように、アルミニウム層12Aの一方の面に、銅又は銅合金からなる銅片22Bを接合して銅層12Bを形成するとともに、アルミニウム層13Aの他方の面に、銅又は銅合金からなる銅片23Bを接合して銅層13Bを形成する。これにより、回路層12及び金属層13を有する絶縁回路基板10が製造される。
さらに、銅片23Bの他方の面側にヒートシンク31を接合することにより、ヒートシンク付き絶縁回路基板30が製造される。
ここで、本実施形態においては、銅片及びヒートシンク接合工程S02は、アルミニウム層12A、13Aと銅片22B、23Bの接合界面及び銅片23Bとヒートシンク31の接合界面に、アクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種と重合開始剤とを含有する仮止め材40を配設し、仮止め材40を介してアルミニウム層12A,13Aと銅片22B、23B及び銅片23Bとヒートシンク31を積層する積層工程S21と、積層されたアルミニウム層12A、13Aと銅片22B、23B及び銅片23Bとヒートシンク31の間の仮止め材40に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種を重合させて樹脂ポリマー48を生成し、アルミニウム層12A、13Aと銅片22B、23B及び銅片23Bとヒートシンク31を仮止めする重合工程S22と、仮止めされたアルミニウム層12A、13Aと銅片22B、23B及び銅片23Bとヒートシンク31を積層方向に加圧して加熱することにより、樹脂ポリマー48を分解して除去するとともに、アルミニウム層12A、13Aと銅片22B、23B及び銅片23Bとヒートシンク31を接合する接合工程S23と、を備えている。
積層工程S21においては、まず、図3に示すように、アルミニウム層12Aの一方の面に銅層12Bとなる銅片22Bを積層する。このとき、パターン状に配置されたアルミニウム層12Aの上にそれぞれ銅片22Bを積層する。
また、アルミニウム層13Aの他方の面に銅層13Bとなる銅片23Bを積層する。
さらに、銅片23Bの他方の面にヒートシンク31を積層する。
この積層工程S21においては、アルミニウム層12A、13Aと銅片22B、23B及び銅片23Bとの接合界面及び銅片23Bとヒートシンク31との接合界面に仮止め材40が配設されている。
具体的には、アルミニウム層12Aの接合面及び銅片22Bの接合面の一方又は両方、アルミニウム層13Aの接合面及び銅片23Bの接合面の一方又は両方、銅片23Bの接合面及びヒートシンク31の接合面の一方又は両方に、それぞれ仮止め材40が塗布されている。
本実施形態では、図3に示すように、アルミニウム層12A,13Aの接合面、及び、銅片23Bのうちヒートシンク31との接合面に、それぞれ仮止め材40が塗布されている。
そして、本実施形態において使用される仮止め材40は、アクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種と、重合開始剤と、を含有するものとされている。
ここで、アクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物としては、例えば分子量が150以上1500以下の範囲内であることが好ましい。また、アクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物として、アクリロイル基(アクリル基)やメタクリル基(メタクリレート基)を有する化合物を適宜選択して使用することができる。
なお、上述のアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物としては、例えば、日立化成株式会社製の官能アクリレート及び官能メタクリレート等を用いることができる。
重合開始剤は、含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物に応じて、適宜選択することが好ましい。具体的には、200℃以下の温度で、上述のアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物の重合反応が進行して、樹脂ポリマー48が生成するように、重合開始剤の材質、含有量を調整することになる。
なお、重合開始剤として、180℃以下の温度でアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物の重合反応が進行して樹脂ポリマー48が生成するものを選択することがさらに好ましい。
また、重合開始剤の量はアクリル酸化合物及び/又はメタクリル酸化合物に対して0.1モル%以上10モル%以下の範囲内とするとよい。アクリル酸化合物及び/又はメタクリル酸化合物や、重合開始剤が固体であった場合、必要に応じてα−テルピネオール、テキサノール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール等の溶剤を用いても構わない。
なお、上述の重合開始剤としては、例えば、日本油脂株式会社製のナイパーBW(登録商標),バーブチルND(登録商標),パーロイル355(登録商標)等を用いることができる。
また、この仮止め材40の塗布方法としては、ディスペンサー、スクリーン印刷、スプレー等の各種方法を適用することができる。塗布がしやすくなるように、仮止め材40に、α−テルピネオール、テキサノール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール等の溶剤を適宜加えてもよい。
ここで、塗布時における仮止め材40の粘度範囲は、それぞれの塗布方法に適した粘度範囲とすることができる。例えば、ディスペンサーを用いる場合には0.01Pa・s以上10Pa・s以下の範囲内とすることが好ましい。また、スクリーン印刷を用いる場合には10Pa・s以上200Pa・s以下の範囲内とすることが好ましい。さらに、スプレーを用いる場合には0.001Pa・s以上10Pa・s以下の範囲内とすることが好ましい。
重合工程S22においては、仮止め材40に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種を重合させて樹脂ポリマー48を生成し、この樹脂ポリマー48によって、アルミニウム層12A、13Aと銅片22B、23B及び銅片23Bとヒートシンク31を仮止めする。
本実施形態では、200℃以下にまで加熱することによって、アクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物を重合させ、樹脂ポリマー48を生成している。
ここで、生成した樹脂ポリマー48においては、熱分解温度が400℃以下であることが好ましく、350℃以下であることがさらに好ましい。
また、樹脂ポリマー48の分子量は、アクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物の分子量の2倍以上であることが好ましく、10倍以上であることがさらに好ましい。
接合工程S23においては、図4に示すように、仮止めしたアルミニウム層12A、13Aと銅片22B、23B及び銅片23Bとヒートシンク31を、加圧装置を用いて積層方向に加圧した状態で真空加熱炉に装入する。これにより、アルミニウム層12Aと銅片22Bを固相拡散接合して回路層12を形成するとともに、アルミニウム層13Aと銅片23Bを固相拡散接合して金属層13を形成する。さらに、銅片23B(金属層13)とヒートシンク31とを固相拡散接合する。
このとき、樹脂ポリマー48の熱分解温度以上に加熱することによって、樹脂ポリマー48を分解して除去する。
この接合工程S23における接合条件は、真空条件は10−6Pa以上10−3Pa以下の範囲内、加熱温度は400℃以上548℃以下の範囲内、加熱温度での保持時間が5分以上240分以下の範囲内、加圧圧力が0.1MPa以上3.5MPa以下の範囲内に設定されている。
なお、接合工程S23における加熱温度の下限は600℃以上とすることが好ましい。一方、加熱温度の上限は655℃以下とすることが好ましい。
また、接合工程S23における加熱温度での保持時間の下限は15分以上とすることが好ましい。一方、加熱温度での保持時間の上限は120分以下とすることが好ましい。
さらに、接合工程S23における加圧圧力の下限は0.3MPa以上とすることが好ましい。一方、加圧圧力の上限は3.5MPa以下とすることが好ましい。
以上のような工程によって、本実施形態であるヒートシンク付き絶縁回路基板30が製造される。
(半導体素子接合工程S03)
次いで、回路層12の一方の面に、はんだ材を介して半導体素子3を積層し、加熱炉内においてはんだ接合する。
上記のようにして、図1に示すパワーモジュール1が製造される。
以上のような構成とされた本実施形態であるヒートシンク付き絶縁回路基板30の製造方法によれば、重合工程S22において、仮止め材40に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物を重合させて樹脂ポリマー48を生成し、アルミニウム層12A,13Aと銅片22B,23B及び銅片23B(金属層13)とヒートシンク31を仮止めしているので、アルミニウム層12A,13Aと銅片22B,23B及び銅片23B(金属層13)とヒートシンク31を、樹脂ポリマー48によって強固に仮止めすることができる。重合によって強固に仮止めができる理由は、定かではないが、仮止め材40に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物の官能基が金属表面に化学的に結合することにより強固に仮止めができると推定される。よって、その後の工程における銅片22B,23B及びヒートシンク31の脱落や位置ズレの発生を抑制することができ、ヒートシンク付き絶縁回路基板30を比較的容易に製造することが可能となる。
また、アクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物が重合して生成した樹脂ポリマー48は、熱分解性に優れているので、接合工程S23において、接合界面に存在する樹脂ポリマー48を速やかに熱分解させることができる。よって、接合時における回路パターン間への炭素残渣の付着を抑制することができ、絶縁性に優れたヒートシンク付き絶縁回路基板30を製造することができる。
さらに、本実施形態においては、アクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物を重合した際に生成される樹脂ポリマー48の熱分解温度が400℃以下である場合には、接合工程S23において確実に樹脂ポリマー48を熱分解することができ、炭素残渣をさらに少なくすることが可能となる。よって、接合時における回路パターン間への炭素残渣の付着をさらに抑制でき、絶縁性に優れたヒートシンク付き絶縁回路基板30を安定して製造することができる。
また、本実施形態においては、アルミニウム層12A、13Aに銅片22B,23Bを積層するとともに、銅片23Bにヒートシンク31を積層しており、多くの部材が積層されているとともに、固相拡散接合において高い加圧圧力が負荷されるため、位置ずれが生じやすい傾向にある。このため、上述のように、アクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物が重合して生成した樹脂ポリマー48によって、アルミニウム層12A、13Aと銅片22B,23B及び銅片23Bにヒートシンク31を強固に仮止めすることで、ヒートシンク付き絶縁回路基板30を精度良く、安定して製造することが可能となる。
また、接合工程S23においては、アルミニウム層12A、13Aに銅片22B,23Bを積層するとともに、銅片23Bにヒートシンク31を積層した積層体を1つのセットとし、このセットを複数個積層させて接合を行う場合があり、このような場合においても、アルミニウム層12A、13Aと銅片22B,23B及び銅片23Bにヒートシンク31を強固に仮止めすることでヒートシンク付き絶縁回路基板30を精度良く、安定して製造することが可能となる。
なお、本実施形態ではヒートシンク31をA6063合金としたが、これに限らず、無酸素銅等の純銅や、黄銅等の銅合金を用いることもできる。この場合、銅層13Bを形成せず、アルミニウム層13Aとヒートシンク31を仮止めし、固相拡散接合させることが好ましい。
<第二の実施形態>
次に、本発明の第二の実施形態である絶縁回路基板の製造方法について、図5から図8を参照して説明する。なお、第一の実施形態と同一の部材には同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
この絶縁回路基板110は、図5に示すように、セラミックス基板11(絶縁層)と、このセラミックス基板11の一方の面(図5において上面)に形成された回路層112と、セラミックス基板11の他方の面(図5において下面)に形成された金属層113と、を備えている。
金属層113は、図7に示すように、セラミックス基板11の他方の面(図7において下面)にアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム片123が接合されることによって形成されている。
回路層112は、図5に示すように、セラミックス基板11の一方の面に配設されたアルミニウム層112Aと、このアルミニウム層112Aの一方側(図5において上側)に積層された銅層112Bと、を有している。
アルミニウム層112Aは、図7に示すように、複数のアルミニウム片122Aがセラミックス基板11の一方の面に接合されることにより形成されている。本実施形態においては、アルミニウム層112Aは、純度が99.99mass%以上のアルミニウム(いわゆる4Nアルミニウム)の圧延板からなるアルミニウム片122Aがセラミックス基板11に接合されることにより形成されている。
銅層112Bは、図8に示すように、アルミニウム層112Aの一方側(図8において上側)に銅又は銅合金からなる銅片122Bが接合されることにより形成されている。本実施形態においては、銅層112Bは、図8に示すように、無酸素銅の圧延板からなる複数の銅片122Bがアルミニウム層112Aに固相拡散接合されることにより形成されている。
次に、本実施形態である絶縁回路基板の製造方法について、図6から図8を参照して説明する。
(アルミニウム片接合工程S101)
まず、図7に示すように、セラミックス基板11の一方の面にアルミニウム片122Aを接合してアルミニウム層112Aを形成するとともに、セラミックス基板11の他方の面にアルミニウム片123を接合して金属層113を形成する。
このとき、複数のアルミニウム片122Aをパターン状に配置することにより、回路パターンが形成される。
ここで、本実施形態においては、アルミニウム片接合工程S101は、セラミックス基板11及びアルミニウム片122A、123の接合界面に、アクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種と重合開始剤とを含有する仮止め材40を配設し、仮止め材40を介してセラミックス基板11とアルミニウム片122A、123と積層するアルミニウム片積層工程S111と、積層されたセラミックス基板11及びアルミニウム片122A、123の間の仮止め材40に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物を重合させて樹脂ポリマー48を生成し、セラミックス基板11とアルミニウム片122A、123を仮止めする重合工程S112と、仮止めされたセラミックス基板11とアルミニウム片122A、123を積層方向に加圧して加熱することにより、樹脂ポリマー48を分解して除去するとともに、セラミックス基板11とアルミニウム片122A、123を接合する接合工程S113と、を備えている。
アルミニウム片積層工程S111においては、まず、図7に示すように、セラミックス基板11の一方の面に、Al−Si系のろう材126を介在させて、アルミニウム層112Aとなるアルミニウム片122Aを積層し、セラミックス基板11の他方の面に、Al−Si系のろう材127を介在させて、金属層113となるアルミニウム片123を積層する。
ここで、本実施形態では、予めアルミニウム片122Aとろう材126、及び、アルミニウム片123とろう材127とが超音波接合によって一体化されている。
このとき、セラミックス基板11とアルミニウム片122Aとの接合界面、及び、セラミックス基板11とアルミニウム片123との接合界面に、それぞれ仮止め材40が配設される。
なお、本実施形態で用いられる仮止め材40は、第一の実施形態で説明した仮止め材と同様の構成のものを適用することができる。また、仮止め材40の塗布方法についても、第一の実施形態で説明した方法を適用することができる。
重合工程S112においては、仮止め材40に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種を重合させて樹脂ポリマー48を生成し、この樹脂ポリマー48によって、アルミニウム片122A、セラミックス基板11、アルミニウム片123を仮止めする。
本実施形態では、第一の実施形態と同様に、200℃以下にまで加熱することによって、アクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物を重合させており、第一の実施形態と同様の樹脂ポリマー48が生成することになる。
接合工程S113においては、アルミニウム片122A、ろう材126、セラミックス基板11、ろう材127、アルミニウム片123の積層体を、加圧装置を用いて積層方向に加圧した状態で真空加熱炉に装入し、アルミニウム片122Aとセラミックス基板11とを接合してアルミニウム層112Aを形成し、アルミニウム片123とセラミックス基板11とを接合して金属層113を形成する。
このとき、樹脂ポリマー48の熱分解温度以上に加熱することによって、樹脂ポリマー48を分解して除去する。
この接合工程S113における接合条件は、真空条件は10−6Pa以上10−3Pa以下の範囲内、加熱温度は600℃以上650℃以下の範囲内、上記加熱温度での保持時間は15分以上120分以下の範囲内、積層方向の加圧圧力が0.1MPa以上3.5MPa以下の範囲内に設定されている。
なお、接合工程S113における加熱温度の下限は600℃以上とすることが好ましい。一方、加熱温度の上限は650℃以下とすることが好ましい。
また、接合工程S113における加熱温度での保持時間の下限は15分以上とすることが好ましい。一方、加熱温度での保持時間の上限は120分以下とすることが好ましい。
さらに、接合工程S113における加圧圧力の下限は0.1MPa以上とすることが好ましい。一方、加圧圧力の上限は3.5MPa以下とすることが好ましい。
(銅片接合工程S102)
次に、図8に示すように、アルミニウム層112Aの表面に、銅又は銅合金からなる銅片122Bを接合して銅層112Bを形成する。
ここで、本実施形態においては、銅片接合工程S102は、アルミニウム層112Aと銅片122Bの接合界面に、アクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種と重合開始剤とを含有する仮止め材40を配設し、仮止め材40を介してアルミニウム層112Aと銅片122Bと積層する銅片積層工程S121と、積層されたアルミニウム層112A及び銅片122Bの間の仮止め材40に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種を重合させて樹脂ポリマー48を生成し、アルミニウム層112Aと銅片122Bとを仮止めする重合工程S122と、仮止めされたアルミニウム層112Aと銅片122Bを積層方向に加圧して加熱することにより、樹脂ポリマー48を分解して除去するとともに、アルミニウム層112Aと銅片122Bを接合する接合工程S123と、を備えている。
銅片積層工程S121においては、まず、図8に示すように、アルミニウム層112Aの表面に、銅層112Bとなる銅片122Bを積層する。
このとき、パターン状に配置されたアルミニウム層112Aの上にそれぞれ銅片122Bを積層する。
この積層工程S121においては、アルミニウム層112Aと銅片122Bとの接合界面に仮止め材40が配設されている。
なお、本実施形態で用いられる仮止め材40は、第一の実施形態で説明した仮止め材と同様の構成のものを適用することができる。また、仮止め材40の塗布方法についても、第一の実施形態で説明した方法を適用することができる。
重合工程S122においては、仮止め材40に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種を重合させて樹脂ポリマー48を生成し、この樹脂ポリマー48によって、アルミニウム層112Aと銅片122Bを仮止めする。
本実施形態では、第一の実施形態と同様に、200℃以下にまで加熱することによって、アクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物を重合させており、第一の実施形態と同様の樹脂ポリマー48が生成することになる。
接合工程S123においては、積層した銅片122Bとアルミニウム層112Aを、加圧装置を用いて積層方向に加圧した状態で真空加熱炉に装入し、銅片122Bとアルミニウム層112Aとを固相拡散接合して回路層112を形成する。
このとき、樹脂ポリマー48の熱分解温度以上に加熱することによって、樹脂ポリマー48を分解して除去する。
この接合工程S123における接合条件は、真空条件は10−6Pa以上10−3Pa以下の範囲内、積層方向の加圧圧力が0.3MPa以上3.5MPa以下の範囲内、加熱温度は400℃以上548℃以下の範囲内、加熱温度での保持時間が5分以上240分以下の範囲内に設定されている。
以上の工程によって、本実施形態である絶縁回路基板110が製造される。
以上のような構成とされた本実施形態である絶縁回路基板110の製造方法によれば、重合工程S112において、仮止め材40に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物を重合させて樹脂ポリマー48を生成し、セラミックス基板11とアルミニウム片122A、123とを仮止めしているので、セラミックス基板11とアルミニウム片122A、123とを樹脂ポリマー48によって強固に仮止めすることができる。重合により強固に仮止めができる理由は、定かではないが、仮止め材40に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物の官能基が金属表面に化学的に結合することにより強固に仮止めができると推定される。よって、その後の工程におけるアルミニウム片122A、123の脱落や位置ズレの発生を抑制することができる。
また、アクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物が重合して生成した樹脂ポリマー48は、熱分解性に優れているので、接合工程S113において、接合界面に存在する樹脂ポリマー48を速やかに熱分解させることができる。よって、接合時における回路パターン間への炭素残渣の付着を抑制することができる。
そして、本実施形態においては、重合工程S122において、仮止め材40に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物を重合させて樹脂ポリマー48を生成し、アルミニウム層112Aと銅片122Bとを仮止めしているので、アルミニウム層112Aと銅片122Bとを樹脂ポリマー48によって強固に仮止めすることができる。よって、その後の工程における銅片122Bの脱落や位置ズレの発生を抑制することができ、絶縁回路基板110を比較的容易に製造することが可能となる。
また、アクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物が重合して生成した樹脂ポリマー48は、熱分解性に優れているので、接合工程S123において、接合界面に存在する樹脂ポリマー48を速やかに熱分解させることができる。よって、接合時における回路パターン間への炭素残渣の付着を抑制することができ、絶縁性に優れた絶縁回路基板110を製造することができる。
さらに、本実施形態においては、アクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物を重合した際に生成される樹脂ポリマー48の熱分解温度が400℃以下である場合には、接合工程S113及び接合工程S123において確実に樹脂ポリマー48を熱分解することができ、炭素残渣をさらに少なくすることが可能となる。よって、接合時における回路パターン間への炭素残渣の付着をさらに抑制でき、絶縁性に優れた絶縁回路基板110を安定して製造することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、絶縁回路基板の回路層にパワー半導体素子を搭載してパワーモジュールを構成するものとして説明したが、これに限定されることはない。例えば、絶縁回路基板にLED素子を搭載してLEDモジュールを構成してもよいし、絶縁回路基板の回路層に熱電素子を搭載して熱電モジュールを構成してもよい。
また、本実施形態では、絶縁層をセラミックス基板で構成したもので説明したが、これに限定されることはなく、絶縁層を樹脂等で構成したものであってもよい。
さらに、本実施形態では、セラミックス基板とアルミニウム板とをろう材を用いて接合するものとして説明したが、これに限定されることはなく、固相拡散接合によって接合してもよい。さらに、接合面にCu、Si等の添加元素を固着させ、これらの添加元素を拡散させることで溶融・凝固させる過渡液相接合法(TLP)によって接合してもよい。また、接合界面を半溶融状態として接合してもよい。
また、本実施形態では、絶縁回路基板(金属層)とヒートシンクとを固相拡散接合によって接合するものとして説明したが、これに限定されることはなく、ろう付け、TLP等の他の接合方法を適用してもよい。
さらに、本実施形態では、ヒートシンクをアルミニウムから成るものとして説明したが、これに限定されることはなく、銅等で構成されていてもよいし、内部に冷却媒体が流通される流路を備えたものであってもよい。
また、第二の実施形態では、回路層として、アルミニウム層と銅層とを積層した2層構造として説明したが、これに限定されることはなく、絶縁層に金属片としてアルミニウム片又は銅片等を本発明の仮止め材を用いて金属片を仮止めして接合することで、1層構造の回路層としてもよい。
また、仮止め材40の配置に特に規定はなく、例えば、接合材としてろう材箔226を用いる場合には、図9(a)に示すように、ろう材箔226の両面に仮止め材40をそれぞれ塗布し、第1部材211と第2部材212を仮止めして接合してもよい。あるいは、接合材としてろう材ペースト227を用いる場合には、図9(b)に示すように、第1部材211の表面にろう材ペースト227を塗布し、このろう材ペースト227の上に仮止め材40を塗布し、第一部材211と第2部材212を仮止めして接合してもよい。
以下に、本発明の効果を確認すべく行った確認実験の結果について説明する。
(実施例1)
AlNからなるセラミックス基板(50mm×50mm×0.635mmt)を準備し、このセラミックス基板の一方の面に純度99mass%の純アルミニウムからなるアルミニウム片(47mm×23mm×0.8mmt)をろう材を介して積層し、セラミックス基板の他方の面に純度99.99mass%の純アルミニウムからなるアルミニウム片(47mm×47mm×0.8mmt)をろう材を介して積層した。なお、ろう材として、Al−7.5mass%Si合金からなるろう材箔(厚さ0.02mm)を用いた。なお、セラミックス基板の一方の面には、回路パターンを形成するために複数枚のアルミニウム片を用いた。回路パターン間の距離(アルミニウム片同士の距離)は1.0mmとした。
この積層体を積層方向に加圧した状態で加熱し、セラミックス基板の一方の面及び他方の面に、それぞれアルミニウム層を形成した。なお、このときの接合条件は、加圧圧力0.10MPa、加熱温度650℃、保持時間30分とした。また、真空度は10−6Paから10−3Paの間に収まるように制御した。
次に、アルミニウム層の表面に、無酸素銅からなる銅片を積層した。また、セラミックス基板の他方の面側には、銅片とともに、無酸素銅製のヒートシンク(60mm×70mm×5mmt)を積層した。
このとき、本発明例では、アルミニウム層と銅片の接合界面及び銅片とヒートシンクの接合界面に、表1,2に示す仮止め材を配置して、アルミニウム層と銅片及び銅片とヒートシンクとを積層し、150℃で30分保持して、仮止め材に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物の重合反応を促進し、樹脂ポリマーを生成した。これにより、アルミニウム層と銅片及び銅片とヒートシンクを仮止めした。なお、本発明例4については、樹脂化合物としてエチレングリコールジメタクリレートとポリエチレングリコール#200ジメタクリレートの62:38(モル比)の混合物を用いた。また、本発明例において、重合開始剤は、樹脂化合物に対して0.5モル%となるように添加した。
比較例1では、ポリエチレングリコールからなる仮止め材を用いて、アルミニウム層と銅片及び銅片とヒートシンクを仮止めした。
比較例2では、ポリメタクリル酸メチル樹脂とテルピネオールからなる溶剤とからなる仮止め材を用いて、アルミニウム層と銅片及び銅片とヒートシンクを仮止めした。
ここで、後述する方法によって、生成した樹脂ポリマーの熱分解温度、仮止めしたアルミニウム層と銅片及び銅片とヒートシンクのシェア強度を測定した。
そして、積層したアルミニウム層と銅片を積層方向に加圧して、真空炉内に装入して、積層方向に0.15MPa(15kgf/cm)で加圧し、540℃の加熱温度で30分保持し、真空度は10−6Paから10−3Paの間に収まるように制御してアルミニウム層と銅片及び銅片とヒートシンクを接合し、ヒートシンク付き絶縁回路基板を製造した。
上述のようにして得られたヒートシンク付き絶縁回路基板について、後述する方法によって、回路パターン間の耐圧性を評価した。
(樹脂ポリマーの熱分解温度)
生成した樹脂ポリマーの熱分解温度は、熱重量示差分析装置(TG−DTA)を用いて測定した。
(シェア強度)
仮止めしたアルミニウム層と銅片とのシェア強度、及び、仮止めした銅片とヒートシンクとのシェア強度を、ボンドテスター(西進商事株式会社製SS−15KP)を用いて測定した。
(耐圧性)
耐電圧試験機(菊水電子工業株式会社製TOS5050)を用いて、カットオフ値を0.5mAに設定した。接合後の絶縁回路基板のそれぞれの回路パターンにそれぞれ電極を当てて2kVの電圧を印加し、カットオフ値以上の電流が流れたものを「×」と評価し、カットオフ値未満の電流が流れたものを「○」と評価した。
Figure 2020167408
Figure 2020167408
ポリエチレングリコールを用いて仮止めした比較例1においては、シェア強度は十分に高くなったが、耐圧試験が「×」となり、耐圧性が不十分であった。ポリエチレングリコールの一部が加熱時に炭化して炭素残渣となったためと推測される。
アクリル系樹脂であるポリメタクリル酸メチルと溶剤であるテルピネオールとを含有する仮止め材を塗布し、この仮止め材の粘着力によって仮止めした比較例2においては、シェア強度が不十分であった。
これに対して、仮止め材に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種を重合させて樹脂ポリマーを生成することによって仮止めした本発明例1−8及び11−20においては、シェア強度が十分に高く、かつ、耐圧試験も「〇」となった。
(実施例2)
AlNからなるセラミックス基板(50mm×50mm×0.635mmt)を準備し、このセラミックス基板の一方の面に、表3に示す金属からなる金属片(47mm×47mm×0.8mmt)を、ろう材箔を介して積層した。なお、セラミックス基板の一方の面には、回路パターンを形成するために複数枚の金属片を用いた。回路パターン間の距離(金属片同士の距離)は1.0mmとした。
このとき、セラミックス基板とろう材箔、及びろう材箔と金属片の接合界面に、表3に示す仮止め材を配置して、セラミックス基板とろう材箔と金属片を積層し、150℃で30分保持して、仮止め材に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物の重合反応を促進し、樹脂ポリマーを生成した。これにより、セラミックス基板とろう材箔と金属片を仮止めした。ここで、重合開始剤は、樹脂化合物に対して0.5モル%となるように添加した。
なお、表3において、「Al」は、純度99.99mass%以上(4N−Al)の純アルミニウムからなるアルミニウム片、「Cu」は、無酸素銅からなる銅片とした。また、ろう材箔は、アルミニウ片の場合には、厚さ20μmのAl−5mass%Siろう材箔を、銅片の場合には、厚さ20μmのAg−28mass%Cu−2mass%Ti活性金属ろう材箔を用いた。
この積層体を積層方向に加圧した状態で加熱し、セラミックス基板の一方の面に回路層を形成した。なお、このときの接合条件は、アルミニウム片の場合は、加圧圧力0.10MPa、加熱温度650℃、保持時間30分とし、銅片の場合は、加圧圧力0.10MPa、加熱温度860℃、保持時間10分とした。また、いずれの場合も、真空度は10−6Paから10−3Paの間に収まるように制御した。
得られた絶縁回路基板について、実施例1に記載の手順にて、シェア強度及び耐圧試験を実施した。測定結果を表3に示す。
Figure 2020167408
仮止め材に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種を重合させて樹脂ポリマーを生成することによって仮止めした本発明例21−24においては、シェア強度が十分に高く、かつ、耐圧試験も「〇」となった。
本実施例の結果から、本発明例によれば、接合時における炭素残渣の発生を抑制して絶縁性を確保でき、さらにシェア強度が高く、強固に仮止めすることができることが確認された。
1 パワーモジュール
3 半導体素子
10,110 絶縁回路基板
11 セラミックス基板(絶縁層)
12,112 回路層
12A,112A アルミニウム層
12B,112B 銅層
13,113 金属層
13A アルミニウム層
13B 銅層
22A,122A アルミニウム片
22B,122B 銅片
23A アルミニウム片
23B 銅片
30 ヒートシンク付き絶縁回路基板
31 ヒートシンク

Claims (6)

  1. 絶縁層と、この絶縁層の一方の面に形成された回路層と、前記絶縁層の他方の面に形成された金属層と、前記金属層の他方の面側に配設されたヒートシンクと、を備えたヒートシンク付き絶縁回路基板の製造方法であって、
    前記回路層及び前記金属層の少なくとも一方は、前記絶縁層側に配置されたアルミニウム層と、このアルミニウム層に積層された銅層と、を有し、
    前記アルミニウム層の表面に銅又は銅合金からなる金属片を接合することによって前記銅層を形成する金属片接合工程と、
    前記金属層の他方の面側に前記ヒートシンクを接合するヒートシンク接合工程と、を有しており、
    前記金属片接合工程及び前記ヒートシンク接合工程においては、
    前記アルミニウム層と前記金属片の接合界面及び前記金属層と前記ヒートシンクの接合界面に、アクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種と重合開始剤とを含有する仮止め材を配設し、前記仮止め材を介して前記アルミニウム層と前記金属片及び前記金属層と前記ヒートシンクを積層する積層工程と、
    積層された前記アルミニウム層と前記金属片及び前記金属層と前記ヒートシンクの間の前記仮止め材に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種を重合させて樹脂ポリマーを生成し、前記アルミニウム層と前記金属片及び前記金属層と前記ヒートシンクを仮止めする重合工程と、
    仮止めされた前記アルミニウム層と前記金属片及び前記金属層と前記ヒートシンクを積層方向に加圧して加熱することにより、前記樹脂ポリマーを分解して除去するとともに、前記アルミニウム層と前記金属片及び前記金属層と前記ヒートシンクを接合する接合工程と、
    を有していることを特徴とするヒートシンク付き絶縁回路基板の製造方法。
  2. 前記仮止め材に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種を重合して生成される前記樹脂ポリマーの熱分解温度が400℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のヒートシンク付き絶縁回路基板の製造方法。
  3. 絶縁層と、この絶縁層の一方の面に形成された回路層と、前記絶縁層の他方の面に形成された金属層と、を備えた絶縁回路基板の製造方法であって、
    前記回路層及び前記金属層の少なくとも一方は、前記絶縁層側に配置されたアルミニウム層と、このアルミニウム層に積層された銅層と、を有し、
    前記アルミニウム層の表面に銅又は銅合金からなる金属片を接合することによって前記銅層を形成する金属片接合工程を備えており、
    前記金属片接合工程においては、
    前記アルミニウム層及び前記金属片の接合界面に、アクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種と重合開始剤とを含有する仮止め材を配設し、前記仮止め材を介して前記アルミニウム層と前記金属片と積層する積層工程と、
    積層された前記アルミニウム層及び前記金属片の間の前記仮止め材に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種を重合させて樹脂ポリマーを生成し、前記アルミニウム層と前記金属片とを仮止めする重合工程と、
    仮止めされた前記アルミニウム層及び前記金属片を積層方向に加圧して加熱することにより、前記樹脂ポリマーを分解して除去するとともに、前記アルミニウム層と前記金属片を接合する接合工程と、
    を有していることを特徴とする絶縁回路基板の製造方法。
  4. 前記仮止め材に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種を重合して生成される前記樹脂ポリマーの熱分解温度が400℃以下であることを特徴とする請求項3に記載の絶縁回路基板の製造方法。
  5. 絶縁層と、この絶縁層の一方の面に形成された回路層と、前記絶縁層の他方の面に形成された金属層と、を備えた絶縁回路基板の製造方法であって、
    前記絶縁層の表面に金属片を接合することによって前記回路層を形成する金属片接合工程を備えており、
    前記金属片接合工程においては、
    前記絶縁層及び前記金属片の接合界面に、アクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種と重合開始剤とを含有する仮止め材を配設し、前記仮止め材を介して前記絶縁層と前記金属片と積層する積層工程と、
    積層された前記絶縁層及び前記金属片の間の前記仮止め材に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種を重合させて樹脂ポリマーを生成し、前記絶縁層と前記金属片とを仮止めする重合工程と、
    仮止めされた前記絶縁層及び前記金属片を積層方向に加圧して加熱することにより、前記樹脂ポリマーを分解して除去するとともに、前記絶縁層と前記金属片を接合する接合工程と、
    を有していることを特徴とする絶縁回路基板の製造方法。
  6. 前記仮止め材に含まれるアクリル酸化合物及びメタクリル酸化合物のうちの1種又は2種を重合して生成される前記樹脂ポリマーの熱分解温度が400℃以下であることを特徴とする請求項5に記載の絶縁回路基板の製造方法。
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