JP2020167352A - ドライフィルムおよびプリント配線板 - Google Patents

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Abstract

【課題】プリント配線板の回路間の泡かみの発生を防止しつつ、回路上のエッジ部の膜が薄くならずに平滑性を有するドライフィルム、および、その硬化物を保護膜、例えば、カバーレイ、ソルダーレジストおよび層間絶縁材料として有するプリント配線板を提供する。【解決手段】第一セパレーターフィルム11と、第一セパレーターフィルムを剥がして、プリント配線板に形成される、樹脂層(A)12、および、樹脂層(A)を介してプリント配線板に形成される樹脂層(B)13の、少なくとも二層の樹脂層と、樹脂層の支持体としての第二セパレーターフィルム14と、からなるドライフィルム10である。樹脂層(B)の溶融粘度が樹脂層(A)の溶融粘度よりも大きく、かつ、樹脂層(B)の溶融粘度と、樹脂層(A)の溶融粘度との差が、60℃〜100℃において、10,000dPa・s以上600,000dPa・s以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、プリント配線板(以下、単に「配線板」とも称する)の絶縁膜として有用なドライフィルム、および、プリント配線板に関する。
携帯情報端末の普及が進み、内蔵されているフレキシブルプリント配線板においては生産性向上を図るための取り組みが進んでいる。これに応じて、フレキシブルプリント配線板上に形成される絶縁膜の製造プロセスにおいても、工程の簡略化や連続生産の動きが出始めており、それらに対応した絶縁膜が求められている。
従来、フレキシブルプリント配線板の絶縁信頼性を確保するための絶縁膜としては、折り曲げ部(屈曲部)には、耐熱性および屈曲性などの機械的特性に優れたポリイミドをベースとしたカバーレイを用い(例えば、特許文献1,2参照)、実装部(非屈曲部)には、電気絶縁性やはんだ耐熱性などに優れ微細加工が可能な感光性樹脂組成物を用いた混載プロセスが広く採用されている。
すなわち、ポリイミドフィルムと熱硬化型接着剤からなる熱硬化型のカバーレイは、金型打ち抜きによる加工を必要とするため、微細配線には不向きである。そのため、微細配線が必要となるチップ実装部には、フォトリソグラフィーによる加工ができるアルカリ現像型の感光性樹脂組成物(ソルダーレジスト)を部分的に併用する必要があった。また、これら熱硬化型のカバーレイは、高温真空プレスによる貼り合せによりカバーレイを熱硬化させる必要があるため、カバーレイをリワークできない問題や、RtoRのような連続生産ができない問題があった。
また、製造工程の短縮と連続生産が可能であることに加え、微細加工性がトレンドとして加わってきており、それらに対応した感光性型のドライフィルムの開発も進んできている(例えば、特許文献3参照)。
一方で、プリント配線板においては、表面実装時の安定した歩留まりを目的として、平滑性を有するプリント配線板を得るために、ドライフィルムが使用されている。このドライフィルムでは、近年のプリント配線板の薄型化に伴い、プリント配線板製造工程内で発生するクラックやドライフィルム硬化後の反りが問題となっている。そのため、あらゆるプリント配線板において、フレキシブル配線板用ドライフィルム特有の柔軟性、低反り性、耐クラック性といった特性を有するドライフィルムが求められている。
特開昭62−263692号公報 特開昭63−110224号公報 特開2013−3509号公報
一般的に、感光性型のドライフィルムには、アルカリ現像性樹脂組成物の他に、耐熱性を高めるために熱硬化性樹脂として主にエポキシ樹脂が含有されている。この感光性型のドライフィルムをラミネートする際には、基板にドライフィルムをラミネートさせる目的のみのため、貼り合せ温度が低くて済むというメリットはあるが、ラミネート温度が高くなると、ドライフィルムに含まれるエポキシ樹脂の熱硬化反応が開始され、基板の回路間に樹脂が埋め込まれずに気泡を噛み込む問題がある。また、その際に圧力を上げてしまうと、溶融しすぎてしまうため回路上のエッジ部の膜が薄くなり、後工程の耐薬品性や耐熱性が悪化する問題が生じている。
これらの問題を解決するために、発明者らは、感光性型のドライフィルムには、配線板の回路間には樹脂が十分に流れこんで充填されて気泡の発生が無く、かつ、回路上には樹脂が留まり流れ過ぎずに平滑性を有していることが理想的であることを突き止めた。
そこで、本発明の主たる目的は、屈曲性、低反り性に優れ、フレキシブルプリント配線板の絶縁膜、特に折り曲げ部(屈曲部)と実装部(非屈曲部)との一括形成プロセスにも適応でき、しかもラミネート後のプリント配線板の回路間に気泡が無く樹脂を埋め込むことができ、かつ、回路上の樹脂層はエッジ部の膜が薄くなることなく平滑性を有する、感光性型のドライフィルムを提供することにある。
発明者らは、上記目的の実現に向け鋭意検討した結果、感光性型のドライフィルムにおいて、基板の回路面に流れ込む樹脂層と回路上で流れ込まずに留まる樹脂層をもつ積層体を用いることで、上記の問題を解決できることを見出した。具体的には、感光性型のドライフィルムにおいて、回路上に留まる樹脂層の溶融粘度と、回路間に流れ込む樹脂層の溶融粘度との差が、一定温度において一定範囲である時に、ラミネート後のプリント配線板の回路間に気泡が無く、樹脂を埋め込むことができ、かつ、回路上のエッジ部の膜が薄くなることなく平滑性を有する、感光性型のドライフィルムを作製できることを見出した。
すなわち、本発明のドライフィルムは、第一セパレーターフィルムと、該第一セパレーターフィルムを剥がして、プリント配線板に形成される、樹脂層(A)、および、該樹脂層(A)を介してプリント配線板に形成される樹脂層(B)の、少なくとも二層の樹脂層と、該樹脂層の支持体としての第二セパレーターフィルムと、からなるドライフィルムであって、
前記樹脂層(B)の溶融粘度が、前記樹脂層(A)の溶融粘度よりも大きく、かつ、
前記樹脂層(B)の溶融粘度と、前記樹脂層(A)の溶融粘度との差が、60℃〜100℃において、10,000dPa・s以上600,000dPa・s以下の範囲であることを特徴とするものである。
本発明のドライフィルムは、前記第一セパレーターフィルムと、該第一セパレーターフィルムを剥がして、プリント配線板に形成される、前記樹脂層(A)、および、該樹脂層(A)を介してプリント配線板に形成される前記樹脂層(B)と、前記第二セパレーターフィルムと、からなるドライフィルムであって、
前記樹脂層(A)の60〜100℃の温度範囲における溶融粘度の最大値と最小値との差が10,000dPa・s以下であることが好ましい。
本発明のドライフィルムは、フレキシブルプリント配線板の屈曲部および非屈曲部のうちの少なくともいずれか一方に用いることができ、また、プリント配線板のカバーレイ、ソルダーレジストおよび層間絶縁材料のうちの少なくともいずれか1つの用途に用いることができる。
さらに、本発明のプリント配線板は、上記本発明のドライフィルムを用いた絶縁膜を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、屈曲性、低反り性に優れ、フレキシブルプリント配線板の絶縁膜、特に折り曲げ部(屈曲部)と実装部(非屈曲部)との一括形成プロセスにまで適応できるドライフィルムであって、プリント配線板の回路間の泡かみの発生を防止しつつ、回路上のエッジ部の膜が薄くならずに平滑性を有し、基材との密着性を十分に確保できるドライフィルム、および、その硬化物を保護膜、例えば、カバーレイ、ソルダーレジストまたは層間絶縁材料として有するプリント配線板を実現することが可能となった。
また、本発明のドライフィルムによれば、屈曲性、低反り性に優れるため、薄型プリント配線板製造時において問題となっている工程内クラックや反りの無いプリント配線板を実現することが可能となった。
本発明のドライフィルムの一例を模式的に示す図である。 本発明のプリント配線板の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。
以下、本発明の実施の形態について詳述する。
(ドライフィルム)
本発明のドライフィルムは、図1に示すような、第一セパレーターフィルム11と、第一セパレーターフィルムを剥がして、プリント配線板に形成される、樹脂層(A)12、および、この樹脂層(A)を介してプリント配線板に形成される樹脂層(B)13の、少なくとも二層の樹脂層と、これら樹脂層の支持体としての第二セパレーターフィルム14と、からなるドライフィルム10である。ここで、本発明のドライフィルムは、第一セパレーターフィルム(カバーフィルム)と、樹脂層(A)と、樹脂層(B)と、第二セパレーターフィルム(キャリアフィルム)とが、この順序に積層された構造を有するものである。本発明のドライフィルムは、樹脂層(B)が、硬化性樹脂組成物からなるとともに、樹脂層(A)が、アルカリ現像型樹脂組成物からなるカバーレイまたはソルダーレジストフィルム20とすることができる。
本発明のドライフィルムは、第一セパレーターフィルムと、第一セパレーターフィルムを剥がして、プリント配線板に形成される、樹脂層(A)、および、樹脂層(A)を介してプリント配線板に形成される樹脂層(B)の、少なくとも二層の樹脂層と、樹脂層の支持体としての第二セパレーターフィルムと、からなるドライフィルムであって、樹脂層(B)の溶融粘度が、樹脂層(A)の溶融粘度よりも大きく、かつ、樹脂層(B)の溶融粘度と、樹脂層(A)の溶融粘度との差が、60℃〜100℃において、10,000dPa・s以上600,000dPa・s以下の範囲である点に特徴を有する。
本発明のドライフィルムにおいては、下層となる樹脂層(A)の溶融粘度と上層となる樹脂層(B)の溶融粘度との差を上記のように規定することで、プリント配線板の製造工程であるラミネート工程で、室温より高いラミネート温度域で、下層となる樹脂層(A)の溶融粘度が低く、上層となる樹脂層(B)は、下層の樹脂層(A)の溶融粘度よりも高くなることから次の効果を奏する。具体的には、下層の樹脂層(A)の成分が配線板の回路間に流れて十分に充填されることで、気泡の発生を抑えて泡かみの発生を抑制する。同時に、上層の樹脂層(B)は、ラミネート時の温度や圧力がかかっても、樹脂層(B)が流れ過ぎずに留まることで、回路上のエッジ部の膜が薄くなることなく、回路上の膜厚が確保された平滑性を有する。また、ラミネート温度域では、樹脂層(A)の溶融粘度が高くなることなく、低いまま推移するために、回路間に樹脂層成分が流れて十分に充填される温度域を広く取ることができ、結果として、ラミネート温度マージンを広く確保できる。さらに、本発明のドライフィルムにおいては、ラミネート温度マージンが広いことの副次的効果として、熱をかけても溶融粘度が高くならない領域においては、熱硬化反応を発生させることなくラミネートを行うことができ、その後の現像工程での熱かぶりによる現像性の悪化を引き起こすこともない。言い換えれば、本発明のドライフィルムでは、ラミネート温度をXとし、下層となる樹脂層(A)の溶融粘度をYとするグラフにおいて、上記溶融粘度(溶融粘度が最も低くなる場合を含む低溶融粘度の領域)が、上記温度範囲において比較的平坦なものとなる。
樹脂層(B)の溶融粘度と、樹脂層(A)の溶融粘度との差について、前述の効果を発揮するためには、樹脂層(A)の溶融粘度よりも樹脂層(B)の溶融粘度の方が高いことが必要であり、特に、60℃〜100℃における樹脂層(B)の溶融粘度と樹脂層(A)の溶融粘度との差が10,000dPa・s以上600,000dPa・s以下であることが必要である。さらには、60℃〜90℃における樹脂層(B)の溶融粘度と樹脂層(A)の溶融粘度との差が10,000dPa・s以上600,000dPa・s以下であることが好ましい。
樹脂層(B)の溶融粘度と樹脂層(A)の溶融粘度との差が10,000dPa・s以上600,000dPa・s以下であれば、プリント配線板の回路間に樹脂層(A)が流れて気泡なく埋め込まれつつ、かつ、樹脂層(B)が樹脂層(A)に追従しつつも流れずに形状をとどめながら、回路間および回路上に樹脂層が形成されるからである。これにより、プリント配線板の回路間の泡かみの発生がなく、回路上のエッジ部の膜が薄くなることなく、平滑性を有することができる。
以上より、これら所定の溶融粘度差をもつ、樹脂層(B)と樹脂層(A)との組合せからなるドライフィルムとすることで、上記本発明の所期の効果を確実に得ることができる。
さらに具体的には、樹脂層(B)の溶融粘度と樹脂層(A)の溶融粘度との差を10,000dPa・s以上とすることで、樹脂層(A)および樹脂層(B)の溶融粘度に差ができるので、ラミネート時に樹脂層(A)および樹脂層(B)が異なる熱挙動を示す。例えば、樹脂層(B)の溶融粘度がより高い場合には、ラミネート時の塗膜の形状の崩れを抑制して、回路上のエッジ部が薄くなる問題を抑制できる。一方、樹脂層(A)の溶融粘度がより低い場合には、樹脂層が十分流動して回路間に樹脂が埋め込まれ、泡かみの発生の問題を抑制できる。また、樹脂層(B)の溶融粘度と樹脂層(A)の溶融粘度との差を600,000dPa・s以下とすることで、樹脂層(B)の溶融粘度が高過ぎたり、樹脂層(A)の溶融粘度が低過ぎたりすることなく、それぞれの樹脂層が適度な流動性を示すことから、ラミネート時に前記のような問題が生ずることを抑制できる。
本発明のドライフィルムにおいては、樹脂層(A)の60〜100℃の温度範囲における溶融粘度の値は、500〜100,000dPa・sであることが好ましく、1,000〜100,000dPa・sであることがより好ましい。
また、樹脂層(A)の60〜100℃の温度範囲における溶融粘度の最大値と最小値との差は、10,000dPa・s以下であることが好ましい。樹脂層(A)の溶融粘度を500dPa・s以上とすることで、溶融粘度が低くなりすぎずに、膜減りやドライフィルムの枠外に樹脂層が染み出すことがない。さらに、一般に、ラミネートの際に溶融粘度が500dPa・s以上となるような樹脂層とすることで、第一セパレーターフィルムから樹脂層を引き剥がす際のタックの悪化を抑制して、作業性を向上できる。さらにまた、樹脂層(A)の溶融粘度を100,000dPa・s以下とすることで、樹脂層が流れやすくなって、回路間にラミネート後のドライフィルムと基材との間に泡かみが生ずることがなく、基材との密着性が良好となる。
加えて、特に、樹脂層(A)の60〜100℃の温度範囲における溶融粘度の最大値と最小値との差を10,000dPa・s以下の範囲とすることで、前記の効果を十分に発揮することができる。
本発明のドライフィルムにおいて、樹脂層(B)の60〜100℃の温度範囲における溶融粘度の値は、5,000〜1,000,000dPa・sであることが好ましく、10,000〜1,000,000dPa・sであることがより好ましく、10,000〜700,000dPa・sであることがさらに好ましい。
樹脂層(B)の溶融粘度を5,000dPa・s以上とすることで、前記樹脂層(A)と同様に、溶融粘度が低くなりすぎずに、膜減りやドライフィルムの枠外に樹脂層が滲み出すことがない。また、樹脂層(B)の溶融粘度を1,000,000dPa・s以下とすることで、樹脂層(B)側の第二セパレータフィルムの粘着性が低くなりすぎて、第一セパレータフィルムより先に剥離してしまうことを抑制できる。
本発明のドライフィルムにおける上記溶融粘度の制御は、後述するように、樹脂層(A)および樹脂層(B)を構成する組成物に含まれる成分の組合せを調整することにより、行うことができる。
本発明のドライフィルムは、第一セパレーターフィルムまたは第二セパレーターフィルムに塗布、乾燥して得られる少なくとも二層の樹脂層を有する。ドライフィルムを形成する際には、まず、樹脂層(B)を構成する硬化性樹脂組成物を有機溶剤で希釈して適切な粘度に調整した上で、コンマコーター、ブレードコーター、リップコーター、ロッドコーター、スクイズコーター、リバースコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、スプレーコーター等の公知の方法により、第二セパレーターフィルム上に均一な厚さに塗布する。その後、塗布された硬化性樹脂組成物を、通常、60〜130℃の温度で1〜30分間加熱乾燥することで、樹脂層(B)を形成することができる。乾燥方法は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブン等、蒸気による加熱方式の熱源を備えたものを用い、乾燥機内の熱風を向流接触させる方法、およびノズルより支持体に吹き付ける方法等、公知の方法でよい。樹脂層(B)の塗布膜厚については特に制限はないが、一般に、乾燥後の膜厚で、1〜20μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。膜厚を1μm以上とすることで、ゴミを核とした気泡の混入や塗膜とした際の耐熱性不良の発生を抑制して、所望の特性を得ることができる。また、膜厚を20μm以下とすることで、ラミネート時に樹脂層(A)に熱が十分伝わって、良好な埋め込み性を得ることができる。
次に、樹脂層(A)を構成するアルカリ現像型樹脂組成物を有機溶剤で希釈して適切な粘度に調整した上で、上記同様の方法等により、樹脂層(B)の上に均一な厚さに塗布する。その後、塗布されたアルカリ現像型樹脂組成物を、通常、60〜130℃の温度で1〜30分間加熱乾燥することで、樹脂層(B)に積層された樹脂層(A)を形成することができる。樹脂層(A)の塗布膜厚については特に制限はないが、一般に、乾燥後の膜厚で、1〜100μmが好ましく、5〜70μmがより好ましい。膜厚を1μm以上とすることで、樹脂量が少な過ぎることに起因する回路間への樹脂の流れ込み不足の発生を抑制でき、100μm以下とすることで、乾燥不足に起因する、第一セパレーターフィルムを剥がす際の剥離時のタックの悪化を抑制できる。
また、樹脂層(B)と樹脂層(A)とを積層した後の膜厚は、2〜120μmが好ましく、2〜100μmがより好ましい。膜厚を2μm以上とすることで、樹脂層(B)と樹脂層(A)とが混ざり合って塗膜の外観不良が生ずることを抑制でき、120μm以下とすることで、膜の深部硬化不良の発生を抑制できる。なお、上記塗布においては、初めに塗布された組成物を加熱乾燥せずに、そのまま次の組成物を塗布して、二種類以上の組成物を一括で加熱乾燥させてもよい。
[第一セパレーターフィルム(カバーフィルム)]
第一セパレーターフィルムは、第二セパレーターフィルム上に樹脂層(B)および樹脂層(A)を形成した後、樹脂層(A)の表面に塵が付着することを防ぐ等の目的で、さらに、樹脂層(A)の表面に、剥離可能な状態で積層される。第一セパレーターフィルムの材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、変性表面処理した紙等を用いることができ、特に、剥離性が良いことから、ポリプロピレンフィルムが好ましい。第一セパレーターフィルムの厚さについては特に制限はないが、1〜150μmが好ましく、5〜100μmがより好ましく、10〜35μmがより好ましい。
[第二セパレーターフィルム(キャリアフィルム)]
第二セパレーターフィルムは、樹脂層を形成する支持フィルムとしての目的に用いられ、第二セパレーターフィルムの材質としては、プラスチックフィルムが用いられ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等の熱可塑性フィルムを用いることができ、特に、ラミネート後の樹脂層(A)の基材への埋め込み性を確認する上での視認性が良いことから、ポリエステルフィルムが好ましい。第二セパレーターフィルムの厚さについては特に制限はないが、2〜150μmが好ましく、5〜100μmがより好ましく、10〜50μmがより好ましい。
なお、本発明のドライフィルムにおいては、第一セパレーターフィルム上に組成物を塗布、乾燥させることにより樹脂層を形成して、その表面に第二セパレーターフィルムを積層するものであってもよい。また、第一セパレーターフィルムおよび第二セパレーターフィルム上いずれにも組成物を塗布、乾燥させることにより樹脂層を形成して、その後、第一セパレーターフィルムと第二セパレーターフィルム同士を貼り合せてもよい。すなわち、本発明においてドライフィルムを製造する際に組成物を塗布するフィルムとしては、第一セパレーターフィルムおよび第二セパレーターフィルムのいずれを用いてもよい。
本発明のドライフィルムにおいては、ラミネーター等により樹脂層(A)が基材上と接触するように貼り合わせた後、第二セパレーターフィルムを剥がすことにより、基材上の回路などに樹脂層(A)および樹脂層(B)を被覆することができる。
樹脂層からセパレーターフィルムを引き剥がす際の剥離強度においては、主に、第一セパレーターフィルムと樹脂層(A)とを剥がす際の剥離強度であり、JIS Z0237に準拠した90°剥離試験において、20〜30℃の環境下で、0.01N/cm以上1.0N/cm以下であることが好ましく、0.05N/cm以上0.5N/cm以下であることがより好ましい。
剥離強度を0.01N/cm以上とすることで、ロールなどに巻いたドライフィルムの形態として利用する際にセパレーターフィルムが脱落するといった問題を抑制でき、剥離強度を1.0N/cm以下とすることで、セパレーターフィルムを樹脂層から引き剥がす際の引き剥がし性(タック性)が良好となり、作業性が向上するとともに、引き剥がした際に樹脂層がセパレーターフィルムへ部分転写されるなどの問題を抑制できる。
なお、本発明におけるドライフィルムにおいて、20℃以上60℃未満における樹脂層(A)の溶融粘度は、少なくとも100,000dPa・sを超える値であり、樹脂層(B)の溶融粘度は、少なくとも1,000,000dPa・sを超える値である。このことは、ラミネートを実施する際に、第一セパレーターフィルムと樹脂層(A)とを剥がす際のタック性と関係しており、このため、本発明のドライフィルムは上記条件において、良好なタック性を有し、作業性に優れる。
また、本発明におけるドライフィルムの剥離強度においては、これに限らず、第二セパレーターフィルムと樹脂層(B)とを剥がす際の剥離強度でも構わない。なお、実際のフレキシブルプリント配線板の製造工程で、樹脂層からセパレーターフィルムを引き剥がすのは、ラミネート工程前、露光工程前、PEB(POST EXPOSURE BAKE)工程前、現像工程前のいずれかであり、主に、第一セパレーターフィルムと樹脂層(A)とを剥がすのはラミネート工程前、第二セパレーターフィルムと樹脂層(B)とを剥がすのは、露光工程前、PEB工程前、現像工程前のいずれかである。
上記90°剥離試験に用いる試験装置としては、島津製作所製オートグラフAG−Xを用いることができ、引き剥がし速度50mm/min.、ストローク35mmの平均剥離強度にて測定することができる。また、試験片は、幅10mmに切り出したドライフィルムを基材に固定して平置きし、セパレーターフィルムを90°剥離して実施することができる。
[樹脂層(A)]
(アルカリ現像型樹脂組成物)
樹脂層(A)を構成するアルカリ現像型樹脂組成物としては、一般的に使用されている回路保護用の絶縁材料であり、光照射部が硬化して現像液に不溶化するネガ型のレジストが挙げられる。少なくとも感光性樹脂を成分とし、例えば、カルボキシル基を含むバインダーポリマー、光重合性不飽和化合物、顔料、体質顔料、溶剤、および、その他添加剤からなり、公知慣用のものを用いることができる。
本発明においては、特に、上記溶融粘度の条件を満足する樹脂層(A)とするために、アルカリ溶解性樹脂および熱反応性化合物を適宜選択することができる。具体的には、好ましくはフェノール性水酸基を有する化合物、カルボキシル基を有する化合物、フェノール性水酸基およびカルボキシル基を有する化合物を含む樹脂組成物が挙げられ、公知慣用のものが用いられ、アルカリ溶解性樹脂と熱反応性化合物との反応の開始が遅くなるようなこれら成分の組合せを用いることができる。例えば、熱反応性化合物としては、ゲルタイムが遅いエポキシ樹脂を用いることできる。
例えば、従来からソルダーレジスト組成物として用いられている、カルボキシル基含有樹脂またはカルボキシル基含有感光性樹脂と、エチレン性不飽和結合を有する化合物と、熱反応性化合物を含む樹脂組成物が挙げられる。
ここで、カルボキシル基含有樹脂またはカルボキシル基含有感光性樹脂、および、エチレン性不飽和結合を有する化合物としては、公知慣用の化合物が用いられ、
また、熱反応性化合物としては、樹脂層(B)において用いる熱反応性化合物と同様の環状(チオ)エーテル基などの熱による硬化反応が可能な官能基を有する公知慣用の化合物が用いられる。
このような樹脂層(A)は、光重合開始剤を含んでいても含んでいなくてもよいが、光重合開始剤を含む場合に使用する光重合開始剤としては、樹脂層(B)において用いる光重合開始剤と同様のものを挙げることができる。
また、本発明においては、上記溶融粘度の条件を満足する樹脂層(A)とするために、樹脂層(A)に、メラミンの有機酸塩を含有させることができる。樹脂層(A)にメラミンの有機酸塩を含有させることで、アルカリ溶解性樹脂と熱反応性化合物との反応の開始を遅くする効果を得ることができる。この効果は、溶融粘度の高温域の挙動に反映され、本発明のドライフィルムの樹脂層(A)においては、溶融粘度が低い温度領域が広く、ラミネート時の温度範囲(マージン)が広くなるという、プリント配線板の絶縁膜の製造上の利点となる。一方、従来のドライフィルムの樹脂層は、温度が上がるにつれ溶融粘度が下がり、さらに温度が上がると、反応の開始によりすぐさま溶融粘度が上昇するため、溶融粘度の低い温度領域が狭く、ラミネート時のマージンが狭くなるという、製造上の欠点となる。
[樹脂層(B)]
(硬化性樹脂組成物)
樹脂層(B)を構成する硬化性樹脂組成物は、アルカリ溶解性樹脂と、光重合開始剤と、熱反応性化合物とを含むものを用いることができる。このうちアルカリ溶解性樹脂としては、上記樹脂層(A)と同様の公知慣用のものを用いることができ、感光性熱硬化性樹脂であってもよく、耐屈曲性、低反り性、耐熱性などの特性により優れるイミド環を有するアルカリ溶解性樹脂を好適に用いることができる。また、熱反応性化合物としては、上記樹脂層(A)と同様の公知慣用のものを用いることができる。
本発明のドライフィルムは、屈曲性に優れることから、フレキシブルプリント配線板の屈曲部および非屈曲部のうちの少なくともいずれか一方に用いることができ、さらに、フレキシブルプリント配線板のカバーレイ、ソルダーレジストおよび層間絶縁材料のうちの少なくともいずれか1つの用途として用いることができる。
本発明のドライフィルムは、屈曲性、低反り性、耐熱性に優れることから、フレキシブル配線板用途に限らず、あらゆるプリント配線板用途にも適用でき、特にプリント配線板製造時に問題となっている工程内クラック、ドライフィルム硬化後の収縮による反りを改善するために好適に用いることができる。
(プリント配線板)
本発明のプリント配線板は、プリント配線基板上に本発明のドライフィルムの層を形成してなる絶縁膜を有することが好ましい。なお、ドライフィルムの層を光照射によりパターニングし、現像液にてパターンを一括して形成してなる絶縁膜を有するものであってもよい。なお、本発明において「パターン」とはパターン状の硬化物、すなわち絶縁膜を意味する。
(配線板の製造方法)
本発明のドライフィルムを用いたプリント配線板の製造は、図2の工程図に示す手順に従い行うことができる。すなわち、導体回路が形成されたプリント配線基板にラミネートして、ドライフィルムの層を形成する工程(積層(ラミネート)工程)、このドライフィルムの層に活性エネルギー線をパターン状に照射する工程(露光工程)、および、このドライフィルムの層をアルカリ現像して、パターン化されたドライフィルムの層を一括形成する工程(現像工程)を含む製造方法である。また、必要に応じて、アルカリ現像後、さらなる光硬化や熱硬化(ポストキュア工程)を行い、ドライフィルムの層を完全に硬化させて、信頼性の高いプリント配線板を得ることができる。さらに、必要に応じて、露光工程と現像工程の間にドライフィルムの層を加熱する工程(PEB工程)を入れて、現像工程により、パターン化されたドライフィルムの層を一括形成してもよい。特に、樹脂層(B)においてアルカリ溶解性樹脂を用いた場合には、この手順を用いることが好ましい。
[積層工程]
この工程では、導体回路2が形成されたプリント配線基板1に、ドライフィルムの第一セパレーターフィルムを剥がして、アルカリ現像性樹脂組成物からなる樹脂層3(樹脂層(A))の面をプリント配線基板1にラミネートして、プリント配線基板上に樹脂層(A)と、樹脂層(A)上の硬化性樹脂組成物からなる樹脂層4(樹脂層(B))が積層された状態とする。ここで、ドライフィルムを構成する各樹脂層は、例えば、樹脂層(A)および樹脂層(B)を構成する樹脂組成物を2層以上の構造のドライフィルムの形態にしたものを、プリント配線基板1にラミネートする方法により形成することができる。ラミネーターとしては、市販の真空加熱加圧型ラミネーターなどを用いることができ、たとえば(株)名機製作所製真空加圧式ラミネーター、ニチゴー・モートン(株)製バキューム・アプリケーターなどを用いることができ、連続的に行うこともできる。また、積層工程は別々の装置を用いて行ってもよい。この場合は前述の真空ラミネーターのほか、ロールラミネーター、真空ロールラミネーターや真空プレスなどを使用して行うこともできる。真空プレスは市販されている通常の装置が適用でき、例えば多段プレス、多段真空プレス、クイックプレス、連続成形、オートクレーブ成形機等が使用できる。以上のラミネーター等の運転条件は、60〜130℃で行うことができ、圧力0.1〜0.7MPa、加熱加圧時間1〜90秒、真空度10〜10,000Pa、真空時間1〜90秒の範囲で処理することができる。
[露光工程]
この工程では、活性エネルギー線の照射により、樹脂層4または樹脂層3に含まれる光重合開始剤をネガ型のパターン状に活性化させて、露光部を硬化する。露光機としては、直接描画装置、メタルハライドランプを搭載した露光機などを用いることができる。パターン状の露光用のマスクは、ネガ型のマスクである。
露光に用いる活性エネルギー線としては、最大波長が350〜450nmの範囲にあるレーザー光、散乱光または平行光を用いることが好ましい。最大波長をこの範囲とすることにより、効率よく光重合開始剤を活性化させることができる。また、その露光量は膜厚等によって異なるが、通常は、100〜1500mJ/cmとすることができる。
[現像工程]
この工程では、アルカリ現像により、未露光部を除去して、ネガ型のパターン状の絶縁膜、特には、カバーレイおよびソルダーレジストを形成する。現像方法としては、ディッピング等の公知の方法によることができる。また、現像液としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、アミン類、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)等のアルカリ水溶液、または、これらの混合液を用いることができる。
[ポストキュア工程]
なお、現像工程の後に、さらに、絶縁膜に光照射してもよく、また、例えば、150℃以上で加熱してもよい。加熱温度は、例えば、80〜170℃であり、加熱時間は5〜100分である。本発明における樹脂組成物の硬化は、例えば、熱反応によるエポキシ樹脂の開環反応であるため、光ラジカル反応で硬化が進行する場合と比べてひずみや硬化収縮を抑えることができる。
なお、上記PEB工程として、露光工程と現像工程の間にドライフィルムの層を加熱することにより、露光部を硬化させてもよい。加熱温度は、例えば、70〜140℃であり、加熱時間は、2〜100分である。
以下、実施例、比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例、比較例によって制限されるものではない。なお、実施例および比較例に記載の材料はそれぞれ配合、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルにて混練し、各樹脂層を構成する樹脂組成物を調製した。
(樹脂層(A)の作製)
第一セパレーターフィルムとして厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ポリエステルフィルム)上に、アルカリ現像性樹脂組成物A−1〜A−5の塗布用の液体を、乾燥後の厚みが25μmになるように塗布、乾燥させて、実施例1〜5の樹脂層(A)を得た。また、アルカリ現像性樹脂組成物a−1〜a−3の塗布用の液体を、乾燥後の厚みが25μmになるように塗布、乾燥させて、比較例1〜3の樹脂層(A)を得た。
(樹脂層(B)の作製)
第二セパレーターフィルムとして厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ポリエステルフィルム)上に、硬化性樹脂組成物B−1〜B−5の塗布用の液体を作製し、乾燥後の厚みが25μmになるように塗布、乾燥させて、実施例1〜5の樹脂層(B)を得た。また、硬化性樹脂組成物b−1〜b−3の塗布用の液体を作製し、乾燥後の厚みが25μmになるように塗布、乾燥させて、比較例1〜3の樹脂層(B)を得た。
(溶融粘度測定用試験片の作製)
上記実施例1〜5および、比較例1〜3の樹脂層(A)もしくは樹脂層(B)をそれぞれ、名機製作所製真空ラミネーターMVLP−500を用い、それぞれを厚さ500μmになるように繰り返し積層させて、溶融粘度測定用試験片とした。この試験片を溶融粘度測定装置に投入し、60〜100℃の溶融粘度[単位:dPa・s]を測定した。そのうち、樹脂層(B)の溶融粘度の最大値(1)および最小値(2)、樹脂層(A)の溶融粘度の最大値(3)および最小値(4)、および、樹脂層(B)と樹脂層(A)の溶融粘度の差の最小値(2−3)、樹脂層(B)と樹脂層(A)の溶融粘度の差の最大値(1−4)を、実施例1〜5は表1に、比較例1〜3は表2に示した。
また、樹脂層(A)の60〜100℃の温度範囲における溶融粘度の最大値と最小値との差(3−4)を、実施例1〜5は表1に、比較例1〜3は表2に示した。
なお、溶融粘度測定装置としては、HAAKE社製レオメーター(RheoStressRS−6000)を用い、オシレーション昇温法(5℃/min.)、周波数:1Hz、応力制御:3Pa、パラレルプレート:20mm、ギャップ:450μmの条件で実施した。
(ラミネート用ドライフィルムの作製)
次に、プリント配線板上に形成するためのラミネート用ドライフィルムを作製した。
第二セパレーターフィルムとして厚み25μmのPETフィルムを用い、第二セパレーターフィルムの片面に、硬化性樹脂組成物B−1〜B−5、b−1〜b−3の塗布用の液体を作製し、乾燥後の厚みが5μmになるように塗布、乾燥させて、樹脂層(B)を形成した。
その後、樹脂層(B)の上に、アルカリ現像性樹脂組成物A−1〜A−5、a−1〜a−3の塗布用の液体を、乾燥後の厚みが20μmになるように塗布、乾燥させて、樹脂層(A)を形成して二層の樹脂層とし、第一セパレーターフィルムを被せることで、実施例1〜5および、比較例1〜3のドライフィルムを得た。なお、ここで、実施例1のドライフィルムの樹脂層は、B−1/A−1の組合せで2層の樹脂層から構成され、以下、実施例2〜5(B−2/A−2〜B−5/A−5)、比較例1〜3(b−1/a−1〜b−3/a−3)も同様に構成される。
<第一セパレーターフィルム剥離性>
上記実施例1〜5および、比較例1〜3で得られた特性評価用ドライフィルムを作製した後、ハンドリング性を確認するため、第一セパレーターフィルムの剥離性について評価を実施した。評価基準は以下のとおりである。
A:第一セパレーターフィルムがスムーズに剥離できる。
B:第一セパレーターフィルムの剥離が困難で、樹脂層Aの一部がフィルムに転写する。
C:第二セパレーターフィルムの剥離性が第一セパレーターフィルムより弱いため、先に第二セパレーターフィルムが剥離してしまう。
<ラミネート後の銅回路間の泡かみ有無>
銅厚18μm、L/S=100/100μmの回路が形成されているフレキシブルプリント配線板を用意し、メック社製CZ−8100を使用して、前処理を行った。その後、前処理を行ったプリント配線板上に、上記実施例1〜5および、比較例1〜3で得られた特性評価用ドライフィルムを、第一セパレーターフィルムを剥がした後、真空ラミネーターにより80℃、加圧0.4MPa、110秒の条件でラミネートした。ラミネート後の基材上の乾燥塗膜について光学顕微鏡を用いて外観検査を行い、配線板の銅回路間(基材上)と乾燥塗膜との間に発生する気泡の有無を確認した。評価基準は以下のとおりである。
A:銅回路間に気泡が存在しない。
B:銅回路間に気泡が確認される。
<ラミネート後の回路上の平滑性の有無>
上記ラミネート後の回路上の乾燥塗膜について光学顕微鏡を用いて配線板の外観検査を行い、回路上のエッジ部と中央部との色味を確認した。評価基準は以下のとおりである。
A:エッジ部と中央部との色味が同じ場合でカバーリング性良好。
B:エッジ部と中央部との色味が異なり、回路の銅の色が鮮明に見える。
Figure 2020167352
Figure 2020167352
ドライフィルムに用いられる各樹脂層の溶融粘度の測定結果を基に、樹脂層(B)の溶融粘度と樹脂層(A)の溶融粘度の差を算出したところ、実施例1〜5においては、表1に示すように、溶融粘度差の最大値は、600,000dPa・s以下、最小値は、10,000dPa・s以上となった。
一方、表2に示すように、比較例1においては、溶融粘度差の最小値が10,000dPa・s未満、比較例2および3においては、溶融粘度差の最大値が600,000dPa・sを超える値となった。
また、樹脂層(A)の60〜100℃の温度範囲における溶融粘度の最大値と最小値との差を算出したところ、実施例1〜5、および比較例1においては、表1もしくは表2に示すように、10,000dPa・s以下となった。一方、比較例2および3においては、表2に示すように、10,000dPa・sを超える値となった。
また、これらの溶融粘度を有する各樹脂層を用いて形成した実施例1〜5、および比較例1〜3の特性評価用のドライフィルムを用い、フレキシブルプリント配線板にラミネートされた後の基材上の乾燥塗膜について光学顕微鏡を用いて外観検査した結果、実施例1〜5においては、第一セパレーターフィルムの剥離性良好で、銅回路間の泡かみは無く、回路上の平滑性を有する基板を得ることができる結果となった。
一方、比較例1においては、銅回路間の泡かみは無かったものの、第一セパレーターフィルムの剥離性が悪く、回路上の平滑性が無く、回路のエッジ部が薄くなってしまっていた。これは、樹脂層(A)および樹脂層(B)の溶融粘度が低過ぎたために、ラミネート工程で樹脂層(A)および樹脂層(B)がラミネートにより形状を保持できずに潰されてしまい、回路の形状に追従するように樹脂層が形成され、結果として平滑性が無くなったものと考えられる。
比較例2においては、銅回路間の泡かみ、平滑性は問題なかったものの、樹脂層(B)の溶融粘度が高過ぎたため、第一セパレーターフィルムの剥離性が悪く取り扱いが困難なフィルムである結果となった。
比較例3においては、平滑性は良好な結果であったが、第一セパレーターフィルムの剥離性が悪く、銅回路間の泡かみが見られた。これは、樹脂層(A)および樹脂層(B)の溶融粘度が高過ぎたために、ラミネート工程で樹脂層(A)が流動しなかったために、回路間に樹脂が埋め込まれず、空気を噛むことで、結果として、泡かみが発生してしまったものと考えられる。
以上より、樹脂層(B)の溶融粘度が、樹脂層(A)の溶融粘度よりも大きく、かつ、樹脂層(B)の溶融粘度と樹脂層(A)の溶融粘度との差が、所定の範囲内であるならば、プリント配線板のラミネート時の回路間の泡かみの発生がなく、回路上のエッジ部の膜が薄くなることなく平滑性も有するドライフィルムを作製できることが確かめられた。
また、このようにラミネートされた樹脂層からなるプリント配線板は、所定の工程を経ることで、硬化塗膜と基材上との密着性を始めとして、プリント配線板に必要な特性を有するものである。
1 プリント配線基板
2 導体回路
3 樹脂層
4 樹脂層
5 マスク
10 ドライフィルム
11 第一セパレーターフィルム
12 樹脂層(A)
13 樹脂層(B)
14 第二セパレーターフィルム
20 カバーレイまたはソルダーレジストフィルム

Claims (4)

  1. 第一セパレーターフィルムと、該第一セパレーターフィルムを剥がして、プリント配線板に形成される、樹脂層(A)、および、該樹脂層(A)を介してプリント配線板に形成される樹脂層(B)の、少なくとも二層の樹脂層と、該樹脂層の支持体としての第二セパレーターフィルムと、からなるドライフィルムであって、
    前記樹脂層(B)の溶融粘度が、前記樹脂層(A)の溶融粘度よりも大きく、かつ、
    前記樹脂層(B)の溶融粘度と、前記樹脂層(A)の溶融粘度との差が、60℃〜100℃において、10,000dPa・s以上600,000dPa・s以下の範囲であることを特徴とするドライフィルム。
  2. 前記第一セパレーターフィルムと、該第一セパレーターフィルムを剥がして、プリント配線板に形成される、前記樹脂層(A)、および、該樹脂層(A)を介してプリント配線板に形成される前記樹脂層(B)と、前記第二セパレーターフィルムと、からなるドライフィルムであって、
    前記樹脂層(A)の60〜100℃の温度範囲における溶融粘度の最大値と最小値との差が10,000dPa・s以下であることを特徴とする請求項1記載のドライフィルム。
  3. プリント配線板のカバーレイ、ソルダーレジストおよび層間絶縁材料のうちの少なくともいずれか1つの用途に用いられる請求項1または2記載のドライフィルム。
  4. 請求項1〜3のうちいずれか一項記載のドライフィルムを用いた絶縁膜を有することを特徴とするプリント配線板。
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