JP2020166800A - エンドユーザサイトが起点になるインシデント管理装置、インシデント管理システム及びインシデント管理方法 - Google Patents

エンドユーザサイトが起点になるインシデント管理装置、インシデント管理システム及びインシデント管理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エンドユーザサイトを起点にしたインシデント管理装置、インシデント管理システム及びインシデント管理方法を提供する。【解決手段】エンドユーザサイトのコンピュータ及びメーカを含む取引先のコールセンタのコンピュータに対して接続されたインシデント管理装置は、エンドユーザサイトのコンピュータが発行する、インシデントに対応したチケットを受信する発行チケット受信部と、取引先のコールセンタのコンピュータが発行する回答を受信する回答受信部と、エンドユーザサイトのコンピュータが別の取引先のコールセンタのコンピュータに対して発行する、チケットと同一のインシデントに係る新たな情報を追加可能な追加チケットを受信する追加チケット受信部と、エンドユーザサイトのコンピュータ及び取引先のコールセンタのコンピュータからのインシデントの照会要求に対して、検索結果を提供する情報提供部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、エンドユーザサイトが起点になるインシデント管理装置、インシデント管理システム及びインシデント管理方法に関する。
従来、工作機械や産業用ロボットを稼働させる工場等において、継続的な安定稼働のために障害監視を行う仕組みが構築されている。そして、障害が発生すると、工場等の作業者は、該当の機械を特定し、障害の内容によっては、例えば、機械のメーカ側コールセンタに問い合わせをしていた。
メーカ側コールセンタでは、問い合わせを受け付けて、受け付けた問い合わせ内容を、例えば、メーカ側コールセンタが備えるインシデントを管理するデータベースに、インシデントとして登録し、インシデントの管理を行っていた。
例えば運用管理における、複数項目を有するインシデント事例の入力支援方法であって、前記複数項目に含まれる特定の項目に対する入力を受け付け、受け付けた入力に応じ、前記特定の項目に応じた拡張範囲で、前記入力に対応したインシデント事例を検索する、処理をコンピュータが実行する入力支援方法が知られている(例えば、特許文献1)。
工場等のエンドユーザサイトの工作機械や産業用ロボットは、複数のメーカのもので構成されることが多々ある。そこで、一般的に、工作機械や産業用ロボットの機械メーカではなく、システムインテグレータ等の専門業者が、工場等の製造現場でアプリケーションを利用する上で、ハードウェア及びソフトウェアの環境設定を行っている。エンドユーザサイトでは、インシデントが発生した際に、まずは、システムインテグレータのコールセンタに対して問い合わせをすることがある。
そして、システムインテグレータがインシデントを解決できない場合には、次に、機械メーカを含む取引先に問い合わせる等、複数の取引先のコールセンタに問い合わせることがある。その場合には、エンドユーザサイトでは、取引先のコールセンタごとに同じ問い合わせをしなければならず、煩雑であった。また、複数の取引先のコールセンタに問い合わせるため、解決までに時間を要することになるが、エンドユーザサイトでは、取引先のコールセンタでの対応状況を把握する術がなかった。
特開2017−174137号公報
そこで、エンドユーザサイトを起点にしてインシデントを管理し、インシデントの進捗状況を把握できる仕組みが望まれている。
(1)本開示の一態様は、機械及び/又はデバイスが稼働するエンドユーザサイトのコンピュータと、前記機械及び/又はデバイスのメーカを含む取引先のコールセンタのコンピュータとに対して接続され、前記エンドユーザサイトで発生したインシデントに対する取引先による解決をサポートするためのインシデント管理装置が、前記エンドユーザサイトの前記コンピュータが前記取引先のコールセンタの前記コンピュータに対して発行する、前記インシデントに対応したチケットを受信する発行チケット受信部と、前記取引先のコールセンタの前記コンピュータが前記エンドユーザサイトの前記コンピュータに対して行う、発行された前記チケットに対する回答を受信する回答受信部と、前記エンドユーザサイトの前記コンピュータが発行する、前記チケットと同一のインシデントに係る新たな情報を追加可能な追加チケットを受信する追加チケット受信部と、前記エンドユーザサイトのコンピュータ、及び前記取引先のコールセンタのコンピュータからの、前記インシデントの進捗状況の照会要求に対して、前記チケットにより管理されるインシデント情報を検索して、それぞれ前記エンドユーザサイトのコンピュータ、及び前記取引先のコールセンタのコンピュータに対して検索結果を提供する情報提供部と、を備える。
(2)本開示の一態様は、インシデント管理システムが、(1)に記載のインシデント管理装置と、前記エンドユーザサイトの前記コンピュータと、前記取引先のコールセンタの前記コンピュータと、を備える。
(3)本開示の一態様は、機械及び/又はデバイスが稼働するエンドユーザサイトのコンピュータと、前記機械及び/又はデバイスのメーカを含む取引先のコールセンタのコンピュータとに対して接続されたインシデント管理装置による、前記エンドユーザサイトで発生したインシデントに対する取引先による解決をサポートするためのインシデント管理方法であって、前記インシデント管理装置が、前記エンドユーザサイトの前記コンピュータが前記取引先のコールセンタの前記コンピュータに対して発行する、前記インシデントに対応したチケットを受信する発行チケット受信ステップと、前記取引先のコールセンタの前記コンピュータが前記エンドユーザサイトの前記コンピュータに対して行う、発行された前記チケットに対する回答を受信する回答受信ステップと、前記エンドユーザサイトの前記コンピュータが発行する、前記チケットと同一のインシデントに係る新たな情報を追加可能な追加チケットを受信する追加チケット受信ステップと、前記エンドユーザサイトのコンピュータ、及び前記取引先のコールセンタのコンピュータからの、前記インシデントの進捗状況の照会要求に対して、前記チケットにより管理されるインシデント情報を検索して、それぞれ前記エンドユーザサイトのコンピュータ、及び前記取引先のコールセンタのコンピュータに対して検索結果を提供する情報提供ステップと、を含む。
一態様によれば、エンドユーザサイトを起点にしてインシデントを管理し、インシデントの進捗状況を把握できるインシデント管理装置、インシデント管理システム及びインシデント管理方法を提供することができる。
第1実施形態に係るインシデント管理システムの全体概要図である。 第1実施形態に係るインシデント管理装置の機能ブロック図である。 第1実施形態に係るインシデント管理装置の記憶部の例を示す図である。 第1実施形態に係るメニュー画面の例を示す図である。 第1実施形態に係るインシデント管理装置のチケット更新処理を示すフローチャートである。 第1実施形態に係るチケット画面の例を示す図である。 第1実施形態に係るチケット画面の例を示す図である。 第1実施形態に係るチケット画面の例を示す図である。 第1実施形態に係る検索条件入力画面の例を示す図である。 第1実施形態に係る検索結果画面の例を示す図である。 第1実施形態の変形例に係るインシデント管理システムの全体概要図である。 第2実施形態に係るインシデント管理システムの全体概要図である。 第2実施形態に係るインシデント管理装置の機能ブロック図である。 第2実施形態に係る読取装置の機能ブロック図である。 第2実施形態に係る設定情報管理装置の機能ブロック図である。 第2実施形態に係るインシデント管理装置のチケット更新処理を示すフローチャートである。 第2実施形態に係るインシデントシステムの設定情報関連付け処理を示すフローチャートである。 第2実施形態に係るQRコードの取り付け例を示す図である。 第2実施形態に係るQRコードの取り付け例を示す図である。
(第1実施形態)
まず、一態様の実施形態の概略を説明する。第1実施形態は、エンドユーザサイトのコンピュータと、取引先のコールセンタのコンピュータとしてのメーカ側コールセンタのコンピュータとに対して接続されたインシデント管理装置に関する。エンドユーザサイトは、工作機械や産業用ロボットに代表される機械やデバイスが稼働する、例えば、工場である。メーカ側コールセンタは、機械やデバイスの製造メーカのみならず、設備メーカ、販売店、システムインテグレータ等を含む取引先をも含むものであってよい。そして、インシデント管理装置が、エンドユーザサイトのコンピュータから受信したインシデントに対応した、当該インシデントに係るすべての情報を一元管理するためのチケットの管理を行う。具体的には、エンドユーザが起点となり、インシデントを作成し、展開する情報をエンドユーザが選択する。インシデント管理装置は、インシデントに関連するエンドユーザ及び取引先双方の情報を一元管理する。そうすることで、インシデントの「見える化」を図る。
[インシデント管理システム100]
インシデント管理システム100は、インシデント管理装置1が、エンドユーザサイトのコンピュータによって入力されたインシデントに対応するチケットを、メーカ側コールセンタのコンピュータでのアクセス可否を含んで管理するシステムである。
図1に示すインシデント管理システム100は、インシデント管理装置1と、エンドユーザサイトのコンピュータであるユーザ側端末4と、メーカ側コールセンタのコンピュータであるメーカ側端末8とを備える。
インシデント管理装置1と、ユーザ側端末4と、メーカ側端末8とは、例えば、通信ネットワークNを介して通信が可能である。通信ネットワークNは、例えば、インターネットや、VPN(Virtual Private Network)、公衆電話網等である。通信ネットワークNにおける具体的な通信方式や、有線接続及び無線接続のいずれであるか等については、特に限定されない。
図1には、エンドユーザサイトを1つのみ示しているが、複数のエンドユーザサイトの各々が備えるユーザ側端末4が、インシデント管理装置1と接続されていてもよい。また、エンドユーザサイトと、メーカ側コールセンタとには、1台の端末が示されているが、各々複数台の端末を有し、各端末がインシデント管理装置1と接続されていてもよい。
また、図1には、エンドユーザサイトに、情報取得装置6を有するものとして記載しているが、後述するように、情報取得装置6は、任意である。情報取得装置6は、例えば、スマートフォン、タブレット等の携帯端末や、スマートグラス等の眼鏡型のウェアラブルデバイスといったエンドユーザの携行する情報装置であって、エンドユーザがインシデントに係る状態を示す画像(写真、動画等)、インシデントにかかる音(例えば異音等)を含むインシデントデータを取得することができる装置である。さらに、エンドユーザサイトには、工作機械9a及び産業用ロボット9bを例示しているが、これは、機械やデバイスの一例である。
[インシデント管理装置1]
インシデント管理装置1は、ユーザ側端末4からインシデントに対応したチケットを受け付けて、受け付けたチケットを管理する。また、インシデント管理装置1は、管理するチケットを、該当するメーカ側端末8で参照可能に設定する。
以降の説明において、インシデント管理装置1が、後述する一連の処理によってユーザ側端末4及びメーカ側端末8に対して提供するものを、「インシデントサービス」ということがある。
図2に示すように、インシデント管理装置1は、制御部10と、記憶部20と、通信部29とを備える。
制御部10は、CPU(中央処理装置)であってよく、記憶部20のプログラム記憶部21に記憶されたインシデント管理装置1を制御する各種のプログラムを実行することにより、インシデント管理装置1を統括制御する。
制御部10は、発行チケット受信部11と、回答受信部14と、追加チケット受信部15と、チケット関連付け部16と、チケット照会判定部17と、情報提供部18とを備える。これらの各機能部は、制御部10がプログラム記憶部21に格納されたインシデント管理プログラム21aを実行することにより実現される。なお、後述するが、制御部10は、インシデントデータ受信部12と、データ関連付け部13とを備えてもよい。
発行チケット受信部11は、ユーザ側端末4が起点となり発行したインシデントを管理するためのチケットを、ユーザ側端末4から受信する。ここで、チケットとは、インシデント情報を有し、エンドユーザサイトと、メーカ側コールセンタとの間でインシデントを共有するのに用いる。チケットは、インシデントの内容を記入する記入票の役割を有する。また、チケットは、インシデントに対する対応内容を記入する回答票の役割を有する。
チケットは、インシデント情報として、例えば、機械情報、現場状況、進捗状況及び対応履歴の少なくとも1つの項目を含んでよい。ここで、上記の項目に対しての入力は、最初の段階から全ての入力が必要なわけではなく、任意である。よって、ユーザ側端末4は、上記の項目がNULLである空のチケットを発行してもよい。
インシデントデータ受信部12は、インシデントに係る状態を示す画像(写真、動画等)、インシデントにかかる音(例えば異音等)を含むインシデントデータを受信する。ここで、画像は、静止画であっても、動画であってもよい。また、インシデントデータは、画像及び音のいずれか一方を含むものであってもよい。インシデントデータは、例えば、スマートフォン、タブレット等の携帯端末や、スマートグラス等の眼鏡型のウェアラブルデバイスといった、エンドユーザの携行する情報取得装置6が取得したデータである。
データ関連付け部13は、発行チケット受信部11が受信したチケットと、インシデントデータ受信部12が受信したインシデントデータとを関連付ける。
なお、前述したように、制御部10は、インシデントデータ受信部12と、データ関連付け部13とを必ずしも含まなくてもよい。
回答受信部14は、発行されたチケットに対してメーカ側端末8が入力した回答を、メーカ側端末8から受信する。ここで、回答とは、インシデントに対する対応内容のみならず、例えば、進捗状況に関するデータ等であってもよい。
追加チケット受信部15は、ユーザ側端末4が発行した、既に発行したチケットと同一のインシデントに対応する新たな情報を追加可能な追加チケットを、ユーザ側端末4から受信する。追加チケットは、回答受信部14が受信したチケットに対する回答を参照したエンドユーザサイトにおいて、例えば、さらに別の取引先等の対応(問い合わせ、セカンドオピニオンを含む)が必要だと判断した場合に、ユーザ側端末4において別の取引先に対して発行する。また、追加チケットは、回答受信部14が受信したチケットに対する回答を参照したエンドユーザサイトにおいて、例えば、同じ取引先に対してさらに確認が必要だと判断した場合に、ユーザ側端末4において同じ取引先に対して発行するものであってもよい。
チケット関連付け部16は、ユーザ側端末4から受信した追加チケットと、追加チケットに対応し、既に発行済のチケットである元チケットとを関連付ける。
チケット照会判定部17は、チケットごとに有する照会可否の設定に基づいて、メーカ側端末8に対するチケットの照会可否を判定する。
情報提供部18は、ユーザ側端末4と、メーカ側端末8との両方において、インシデントの進捗状況等の照会要求に対して、チケットにより管理されるインシデント情報を検索して、ユーザ側端末4又はメーカ側端末8に対して検索結果を提供する。この際、情報提供部18は、メーカ側端末8に対しては、チケット照会判定部17により照会可と判定されたチケットにより管理されるインシデント情報を検索対象とする。
記憶部20は、制御部10により実行されるプログラム等を記憶する記憶領域である。記憶部20は、プログラム記憶部21と、チケット記憶部22と、データ記憶部23とを備える。
プログラム記憶部21は、インシデント管理装置1の制御部10が実行する各種のプログラムを記憶する。プログラム記憶部21は、前述した制御部10の各種機能を実行するインシデント管理プログラム21aを記憶している。
チケット記憶部22は、チケットを記憶する記憶領域である。
図3に示すチケット記憶部22は、例えば、チケットID(IDentification)をキー情報として、ユーザIDと、インシデント情報と、メーカIDと、回答内容と、照会フラグと、データIDと、元チケットIDとを対応付けて記憶する。
チケットIDは、チケットを識別するための識別情報であり、任意に設定できる。チケットIDには、例えば、制御部10が1からの連番を付与して格納してもよい。
ユーザIDは、エンドユーザサイトを識別する識別情報である。
インシデント情報は、インシデントに係る情報であり、前述したように、機械情報、現場状況、進捗状況及び対応履歴等の情報を含む。
メーカIDは、メーカ側コールセンタを識別する識別情報である。
回答内容は、メーカ側コールセンタによる回答内容である。
照会フラグは、メーカ側コールセンタにより設定された、回答内容を他のメーカ側コールセンタに開示するか否かに関するフラグである。例えば、他のメーカ側コールセンタへの情報の開示を許可する場合には、照会フラグには1を格納し、許可しない場合には、照会フラグには0を格納する。
データIDは、当該チケットに関連付けられたインシデントデータがある場合に、インシデントデータを識別するためのものである。
元チケットIDは、当該チケットが追加チケットの場合に用いるものである。追加チケットである場合には、元チケットIDには、元チケットのチケットIDを格納する。
データ記憶部23は、インシデントデータを記憶する記憶領域である。
図3に示すデータ記憶部23は、データIDと、データ内容とを対応付けて記憶する。
データIDは、例えば、インシデントデータを受信した際に付与される、インシデントデータを識別するための識別情報である。
データ内容は、情報取得装置6が取得したインシデントデータそのものである。
なお、図3に示すチケット記憶部22及びデータ記憶部23は、一例であって、これに限定されるものではない。
また、記憶部20は、他に、インシデントサービスを利用するエンドユーザサイトの作業者や、メーカ側コールセンタの担当者等に関する情報であるユーザ情報や、インシデントサービスを用いるためのログイン情報等を記憶している。
また、記憶部20は、エンドユーザごとに、エンドユーザの設置している機械等(例えば、制御装置、各種工作機械、ロボット、PLC等)に対応して、チケット発行先となる1つ以上のメーカ側コールセンタ(例えば、メーカID、連絡先等)を、予め設定した、エンドユーザ・メーカ対応テーブル(図示せず)を記憶してもよい。ここで、エンドユーザの設置している機械等(例えば、制御装置、各種工作機械、ロボット、PLC等)に対して、複数のメーカ側コールセンタを対応付ける場合、チケット発行時の優先度を予め設定するようにしてもよい。そうすることで、1回目のチケット発行時には、優先度1番目の取引先に対して発行し、2回目のチケット発行時には、優先度2番目の取引先に発行する等、チケット発行先を自動的に設定することができる。
通信部29は、外部機器(例えば、ユーザ側端末4及びメーカ側端末8等)とデータの送受信を行う通信制御デバイスである。
[ユーザ側端末4]
ユーザ側端末4は、エンドユーザサイトの工場内等に設けられた、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)である。ユーザ側端末4は、図示しないが、一般的なコンピュータが有する制御部、記憶部、入力部、表示部、通信部等を備える。ユーザ側端末4は、インシデント管理装置1とのユーザインタフェース機能を提供する。なお、ユーザ側端末4はWebブラウザを備えるWeb端末として、インシデント管理装置1からWebによるユーザインタフェース機能を提供するようにしてもよい。
[情報取得装置6]
情報取得装置6は、前述したように、携帯端末や、ウェアラブルデバイス等である。情報取得装置6は、制御部と、記憶部との他に、画像及び音の少なくとも一方を含むインシデントデータを取得する取得部を備える。また、情報取得装置6は、取得したインシデントデータを送信するための通信部を備える。
情報取得装置6の通信部は、例えば、ユーザ側端末4に対してインシデントに係る状態を示す画像(写真、動画等)、インシデントにかかる音(例えば異音等)を含むインシデントデータを送信することで、ユーザ側端末4がインシデント管理装置1にインシデントデータを送信するようにしてもよい。ここで、ユーザ側端末4に対する送信は、有線通信であっても無線通信であってもよい。
なお、情報取得装置6がユーザ側端末4の全部又は一部の機能を備えることで、情報取得装置6は、チケットと紐づけたインシデントデータをインシデント管理装置1に送信するようにしてもよい。この場合、情報取得装置6は、Webブラウザを備えるWeb端末として、インシデント管理装置1からWebによるユーザインタフェース機能を提供するようにしてもよい。
[メーカ側端末8]
メーカ側端末8は、メーカ側コールセンタ内に設けられた、例えば、PCである。メーカ側端末8は、図示しないが、一般的なコンピュータが有する制御部、記憶部、入力部、表示部、通信部等を備える。メーカ側端末8は、インシデント管理装置1とのユーザインタフェース機能を提供する。なお、メーカ側端末8はWebブラウザを備えるWeb端末として、インシデント管理装置1からWebによるユーザインタフェース機能を提供するようにしてもよい。
次に、インシデント管理装置1における処理について、図面を参照しながら説明する。
[チケット発行処理]
最初に、ユーザ側端末4がチケットを発行する一連の処理について説明する。
まず、エンドユーザサイトで、障害が発生し、又は、問い合わせしたい内容が生じた場合に、例えば、作業者がユーザ側端末4を用いて、インシデント管理装置1が提供するインシデントサービスにログインする。すると、ユーザ側端末4の表示部は、例えば、図4に示すメニュー画面30を表示するので、作業者は、新規チケット発行ボタン30aを選択する。
インシデント管理装置1は、ユーザ側端末4からの依頼を受けて、図5のステップS(以降、「ステップS」を単に「S」という。)11において、制御部10は、チケットフォームを送信する。すると、ユーザ側端末4の表示部には、図6に示すチケット画面40が表示される。チケット画面40は、例えば、エンドユーザサイトにおいてインシデントの内容を入力するユーザ記入タブ41が表示された状態になっている。
図6に示すユーザ記入タブ41には、ユーザ情報領域41aと、インシデント情報領域41bと、資料添付領域41cと、チケット発行先情報41dと、チケット発行ボタン41eとを有する。なお、図6に示す項目は、一例であって、例えば、他の項目があってもよい。
ここで、制御部10は、インシデント管理装置1が有する情報を入力したフォームを送信してもよいし、何も入力されていない空のチケットフォームを送信してもよい。具体的には、図6に示すユーザ情報領域41aの各項目について、制御部10は、記憶部20に記憶されたユーザ情報を自動的に入力してもよい。なお、自動的に入力した場合には、その項目について上書きにより更新可能であることが好ましい。
作業者は、チケット画面40のユーザ記入タブ41に、必要事項を入力する。ここで、作業者は、前述したように、最初から全ての項目に対する入力を行わなくてよい。チケットは、後からの情報の追加を許容して、チケットの内容を円熟させることができる。
しかし、図6に示すチケット発行先情報41dは、チケットの送信先、つまり、回答の要求先になるため、入力が必要な項目である。そこで、チケット発行先情報41dが未入力の場合には、例えば、チケット発行を行うことを許可せずに、入力を促すようにしてもよい。なお、前述したように、記憶部20にエンドユーザ・メーカ対応テーブル(図示せず)を予め設定している場合、チケット発行先情報41dを、エンドユーザ・メーカ対応テーブルに基づいて、自動的に設定するようにしてもよい。
そして、作業者がチケット発行ボタン41eを選択することで、ユーザ側端末4からチケットが発行され、インシデント管理装置1に対してチケットの入力内容が送信される。
図5のS12において、インシデント管理装置1の制御部10(発行チケット受信部11)は、ユーザ側端末4からチケットを受信する。
S13において、制御部10は、受信したチケットの内容を、チケット記憶部22に記憶させる。その際、制御部10は、チケットIDを付与して、インシデント情報と対応付ける。
ここで、前述したように、情報取得装置6が取得した、インシデントに係る状態を示す画像(写真、動画等)、インシデントにかかる音(例えば異音等)を含むインシデントデータを、チケットに付加する場合には、図6に示すチケット画面40のユーザ記入タブ41からインシデントデータを登録することができる。例えば、作業者が資料添付領域41cに、インシデントデータの格納先を指定することで、インシデントデータを登録する。
インシデントデータを登録した場合には、インシデントデータ受信部12が、インシデントデータを受信して、インシデントデータをデータ記憶部23に記憶させる。その際、制御部10は、データIDを付与して、インシデントデータに対応付ける。また、データ関連付け部13が、データ記憶部23に記憶される際に付与されたデータIDを、チケット記憶部22の当該チケットIDに対応したデータIDに登録することで、関連付けをする。
[チケット発行後処理]
図5のS14において、制御部10は、対応が必要なチケットが到着したことを、チケットに指定されたメーカ側コールセンタのメーカ側端末8に通知する。ここで、メーカ側端末8への通知方法は、各種の公知の方法によって行われるものであってよい。例えば、push型電子メールを用いた通知であってもよいし、インシデント管理装置1が提供するインシデントサービスの画面にポップアップ表示させる等による通知であってもよい。
S15において、制御部10は、メーカ側端末8からの要求を受けて、当該チケットをメーカ側端末8に送信することで、メーカ側端末8の表示部には、チケットが表示される。
なお、インシデント管理装置1が受信したチケットを、チケットに指定されたメーカ側コールセンタのメーカ側端末8に通知し、送信する方法は、これに限定されるものではない。メーカ側コールセンタのメーカ側端末8がインシデントサービスにログインした状態であれば、制御部10は、例えば、通知することなく、メーカ側端末8に直接チケットを送信してもよい。
メーカ側コールセンタでは、担当者がメーカ側端末8の表示部に表示されたチケットを参照する。図7は、メーカ側端末8の表示部に表示されるチケット画面40の例を示す。チケット画面40は、ユーザ記入タブ41に加えて、メーカ側コールセンタにおいてインシデントの内容に対する回答を入力するメーカ記入タブ42を備える。ここで、メーカ側コールセンタの担当者がユーザ記入タブ41を選択すると、ユーザ側端末4で入力したインシデントの内容を参照することができる。なお、メーカ側コールセンタにおいて、メーカ記入タブ42は入力可能だが、ユーザ記入タブ41は参照のみである。
メーカ側コールセンタでは、インシデント情報を参照した担当者等によって、エンドユーザサイトに対するサポートを実施する。メーカ側コールセンタによるサポートとは、例えば、メーカ側コールセンタの保守作業者が工場に赴いて、機械等に対する保守作業を行ったり、インシデント情報に含まれる質問に対して回答を行ったりすることをいう。
また、メーカ側コールセンタにおいて、リモートによる点検又は保守等を行ってもよい。リモートによる保守としては、例えば、現状確認やオプション機能の追加、バージョンアップの実施、検査用プログラムの提供等がある。
ここで、メーカ側コールセンタでは、メーカ側端末8を用いて、該当のチケットに対する、例えば、進捗状況や、対応履歴等の入力を、随時行うことができる。ここで、進捗状況とは、例えば、検討中、工場問い合わせ中、部品調達中等である。このようなメーカ側端末8からの随時の入力によって、該当のチケットは、常に最新の状況を示すようにできる。
図7に示すメーカ記入タブ42は、メーカ情報領域42aと、対応記入領域42bと、資料添付領域42cと、回答先情報領域42dと、同意項目領域42eと、回答ボタン42fとを有する。なお、図7に示す項目は、一例である。
ここで、制御部10は、メーカ情報領域42aの各項目について、ユーザ記入タブ41のチケット発行先情報41dの内容を自動的に入力してもよい。対応記入領域42bは、担当者によって随時入力及び変更する。回答先情報領域42dは、ユーザ記入タブ41のユーザ情報領域41aの内容を、制御部10が自動的に入力してもよい。同意項目領域42eは、対応記入領域42bに記入した回答内容や、資料添付領域42cに添付した資料を、ユーザ判断で他社に展開することに同意するか否かの意思を示すためのチェックボックスを有する。メーカ側コールセンタにおいて、記載内容に同意するのであれば、チェックをした状態にし、同意しないのであれば、チェックを外した状態にする。
担当者が、回答ボタン42fを押下操作することで、この入力をチケットに対する回答として、メーカ側端末8からインシデント管理装置1に送信される。
図5のS16において、制御部10(回答受信部14)は、メーカ側端末8が入力したチケットに対する回答を受信する。そして、制御部10は、受信した回答を、チケット記憶部22の該当のチケットのレコードに追加して更新する。なお、チケット記憶部22の照会フラグには、図7の同意項目領域42eの入力に対応するフラグを設定する。
また、制御部10は、チケットに回答が入力されたことを、エンドユーザサイトのユーザ側端末4に通知し、当該チケットをユーザ側端末4の表示部に表示させてもよい。
[回答後処理]
図5のS17において、制御部10は、ユーザ側端末4から要求を受けて、当該チケットをユーザ側端末4に送信することで、ユーザ側端末4の表示部に、チケットを表示させる。そして、エンドユーザサイトでは、メーカ側コールセンタが回答を入力したチケットを参照する。図8は、ユーザ側端末4の表示部に表示されるチケット画面40の例を示す。チケット画面40は、ユーザ記入タブ41と、メーカ記入タブに加えて、例えば、さらにメーカ側コールセンタに問い合わせするための入力をするユーザ記入タブ43を備える。
図8に示すユーザ記入タブ43には、対応完了ボタン43aと、対応未完了ボタン43bと、依頼先選択領域43cと、ユーザ情報領域43dと、インシデント情報領域43eと、チケット発行先情報領域43fと、チケット再発行ボタン43gとを有する。
図5のS18において、制御部10は、チケットをクローズするか否かを判断する。
インシデントが解決され、対応内容に満足した場合には、エンドユーザサイトにおいて、インシデントサービスを用いた一連の処理が終了する。この場合、ユーザ側端末4では、表示部に表示されたユーザ記入タブ43の対応完了ボタン43aを押下することで、制御部10は、当該チケットをクローズすると判断する。なお、ユーザ記入タブ43は、例えば、メーカ側コールセンタにおいて回答ボタンが押下したことにより、追加されるものである。チケットをクローズすると判断された場合(S18:YES)には、制御部10は、本処理を終了する。
他方、対応内容に満足しない場合や、対応内容によってさらに問い合わせをしたい場合には、ユーザ側端末4では、表示部に表示されたユーザ記入タブ43の対応未完了ボタン43bを押下する。そうすることで、制御部10は、当該チケットをクローズしないと判断する。チケットをクローズしないと判断された場合(S18:NO)には、ユーザ側端末4によって、さらに必要な項目を入力の上、チケット再発行ボタン43gが押下されたことに応じて、制御部10は、処理をS19に移す。
ここで、さらに問い合わせをしたい場合について、具体例に基づき説明する。
エンドユーザサイトでは、まず、産業用ロボット9bについてのインシデントに対するチケットを、システムインテグレータに対して発行したが、満足の得られる回答が得られなかったとする。その場合、産業用ロボット9bは、産業用ロボット9b自体の機械メーカの他、ハンド、センサ、PLC(Programmable Logic Controller)等といった、産業用ロボット9bを構成する様々な部品のメーカが複合的に絡んでいる。そのため、エンドユーザサイトは、これらのメーカのうちのいずれかにチケットを発行する。
ユーザ側端末4では、図8に示すチケット画面40のユーザ記入タブ43に、必要事項を入力する。図8に示すユーザ情報領域43dと、インシデント情報領域43eとには、制御部10がユーザ記入タブ41で入力済の情報を自動で入力させてもよい。また、チケット発行先情報領域43fには、依頼先選択領域43cで「継続して同じメーカへの対応を依頼」が選択された場合には、制御部10がユーザ記入タブ41で入力済の情報を自動で入力させてもよい。
そして、作業者がチケット再発行ボタン43gを選択することで、ユーザ側端末4から追加チケットが発行され、インシデント管理装置1に対してチケットの入力内容が送信される。
S19において、制御部10(追加チケット受信部15)は、ユーザ側端末4から追加チケットを受信する。
S20において、制御部10は、受信した追加チケットの内容を、チケット記憶部22に記憶させる。その際、制御部10は、チケットIDを付与して、インシデント情報と対応付ける。また、制御部10(チケット関連付け部16)は、元のチケットと、追加チケットとを対応付ける。より詳細には、制御部10は、チケット記憶部22に記憶させたチケットの元チケットIDの項目に、元チケットのチケットIDを格納する。その後、制御部10は、処理をS14に移す。
このように、エンドユーザサイトで対応完了ボタンが押下されるまで、インシデント管理装置1では、チケットがクローズされず、継続中になる。また、最初のチケットには、回答と更なる追加チケットが関連付けられる。
[メーカ側端末8での表示について]
上記した処理によって、チケットには、複数の追加チケットが関連付けられる場合がある。メーカ側端末8に送信するチケットとして、制御部10は、チケット記憶部22を参照し、メーカ側端末8のメーカIDが格納されたチケット及び追加チケットの他、照会フラグが照会可であるチケット及び追加チケットについては、他のメーカ側コールセンタで回答した内容であってもメーカ記入タブを表示可能にする。他方、他のメーカ側コールセンタで回答したものであって、照会フラグが照会不可であるチケット及び追加チケットについては、メーカ記入タブを表示させないか、又は、参照不可にすればよい。
[照会処理]
次に、チケットにより管理されるインシデント情報(以下、略して「チケット」ともいう)の照会に対する処理について説明する。
インシデントサービスでは、ユーザ側端末4と、メーカ側端末8との両方において、チケットの検索を可能にしている。
以下において、メーカ側端末8で照会を行う場合について説明する。
図4に示すメニュー画面30のチケット検索ボタン30bが選択されると、メーカ側端末8の表示部には、図9に示す検索条件入力画面50が表示される。担当者は、検索条件指定領域50aの該当の検索条件のチェックボックスにチェックを入れ、値を入力した上で、検索ボタン50bを押下する。そうすると、インシデント管理装置1の制御部10(情報提供部18)は、指定された条件に合致したチケットを、チケット記憶部22から抽出して一覧を生成し、メーカ側端末8に送信する。そして、メーカ側端末8では、例えば、図10に示す検索結果画面60が表示部に表示される。
この図9に示す検索条件は、一例であり、他の検索条件があってもよい。また、複数の条件を指定可能にしてもよく、複数の条件が指定された場合には、制御部10(情報提供部18)は、指定された複数の条件の全てを満たすチケットを、チケット記憶部22から抽出してもよい。
ここで、インシデント管理装置1の制御部10(情報提供部18)による検索条件に合致したチケットを抽出する処理について説明する。前述したように、チケット記憶部22は、チケット発行元であるエンドユーザサイトを識別するユーザIDと、依頼先のメーカ側コールセンタを識別するメーカIDとを対応付けて、チケットを格納している(図3参照)。制御部10(情報提供部18)は、ログイン情報によって、ユーザ側端末4の場合にはユーザIDを特定でき、メーカ側端末8の場合にはメーカIDを特定できる。
照会処理を行う端末がユーザ側端末4であれば、制御部10(情報提供部18)は、検索条件入力画面50により入力された検索条件を満たし、かつ、ユーザIDがユーザ側端末4であるチケットのレコードを抽出すればよい。
他方、照会を行う端末がメーカ側端末8であれば、制御部10(情報提供部18)は、検索条件入力画面50により入力された検索条件を満たし、メーカIDがメーカ側端末8であるチケットのレコードを抽出する。そして、抽出したレコードの元チケットIDの項目にチケットIDが格納されていれば、制御部10(情報提供部18)は、格納されたチケットIDのレコードをも抽出する。このようにして抽出されたレコードは、他のメーカ側コールセンタを識別するメーカIDが格納されたものもありうる。この場合、制御部10(チケット照会判定部17)は、抽出したレコードの照会フラグを参照し、照会を許容するものであれば、そのチケットを抽出結果に含める。
図10に示す検索結果画面60は、検索条件に合致したチケットを一覧表示したものである。なお、表示項目や、並び順等は、適宜変更できるようにしてもよい。また、表示されたチケットIDそのものを選択することで、選択されたチケットIDを有するチケットを、チケット画面40に出力するようにしてもよい。
このように、インシデント管理装置1の制御部10は、エンドユーザサイトで入力したインシデント情報をチケットとして管理し、チケットは、エンドユーザサイトと、メーカ側コールセンタとの両方から参照及び更新を可能にする。よって、エンドユーザサイトを起点とした、新たなインシデント管理の仕組みを構築できる。また、エンドユーザサイトでは、メーカ側コールセンタでの対応状況を、必要な時に把握できるようになる。
また、インシデント管理装置1の制御部10(追加チケット受信部15)は、ユーザ側端末4がメーカ側コールセンタ又は異なる取引先に属するコールセンタに対して発行される追加チケットを受信することができる。そして、インシデント管理装置1の制御部10(チケット関連付け部16)は、チケットと、当該チケットと同一のインシデントに係る追加チケットとを関連付けることができる。
そうすることで、エンドユーザサイトでは、チケットに対する回答によって、他のメーカ側コールセンタに同じ問い合わせをする場合に、元のチケットを流用すればよく、エンドユーザサイトでの入力が簡単になる。
また、チケットは、機械情報、現場状況、進捗状況、対応履歴の少なくとも1つに関する項目を含み、かつ、項目の内容がNULLであることを許容する。
そうすることで、エンドユーザサイトでは、項目が空のチケットであってもすぐに発行できるため、利便性に富んだものにできる。また、後から情報を追加していくことで、チケットを円熟させていくことができる。
また、インシデント管理装置1の制御部10(チケット照会判定部17)は、メーカ側コールセンタが指定する、チケットの内容の照会可否に関する照会フラグが照会可の場合にのみ、当該チケットの内容を、他の取引先に属するコールセンタのコンピュータから確認可能にすることができる。
そうすることで、メーカ側コールセンタでは、インシデントに対する回答を、他のメーカ側コールセンタに開示したくない場合に、回答に開示をしないよう指定をしておくことで、他のメーカ側コールセンタに、回答内容を開示させないように、メーカ側コールセンタが、自身が入力情報の参照可否を設定できる。
また、インシデント管理装置1の制御部10(インシデントデータ受信部12)は、情報取得装置6が取得した画像及び/又は音を含むインシデントデータを受信することができる。そして、制御部10(データ関連付け部13)は、インシデントデータに関連するチケットと、インシデントデータとを関連付けることができる。
そうすることで、メーカ側コールセンタでは、インシデント情報と、インシデントデータとを見ながらインシデントに対する対処をすることができるため、より早期にインシデントを解決させることが可能になる。
(第1実施形態の変形例1)
前述した第1実施形態では、インシデント管理装置が、ユーザ側端末から入力されたインシデント情報を管理するものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、工場内のエッジ機器に接続されたエッジサーバが送信するインシデント情報を、インシデント管理装置が管理してもよい。
図11に示すインシデント管理システム100−2は、インシデント管理装置1と、エッジサーバ204と、メーカ側端末8とを備える。エッジサーバ204は、エッジ機器である工作機械9a及び産業用ロボット9bに対しては、LAN等により通信可能に接続されている。また、エッジサーバ204は、通信ネットワークNを介してインシデント管理装置1と接続されている。さらに、エッジサーバ204は、表示部及び入力部の機能を有する端末と接続されている。
エッジサーバ204は、チケットと共に、エッジ機器から受信した機械情報等を含むインシデント情報を、インシデント管理装置1に送信するようにしてもよい。
このようにすれば、エンドユーザサイトで手入力をしていた情報の少なくとも一部は、エッジ機器から受信したデータに代えられる。そのため、人手による入力が省力化できると共に、インシデントの解決に必要なデータを、メーカ側コールセンタに参照させることができ、インシデントの解決時間を短縮できる可能性がある。
また、メーカ側端末8と、エッジサーバ204とは、通信ネットワークNを介して接続されているため、エッジサーバ204の設定によっては、メーカ側端末8からエッジサーバ204に、インシデントの原因等を見極めるためのデータを、直接取得することができ、インシデントの解決を早期に図ることができる可能性がある。
(第1実施形態の変形例2)
前述した第1実施形態では、情報取得装置からユーザ側端末にインシデントデータを送信し、ユーザ側端末が、チケットとインシデントデータとをまとめて送信するものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、情報取得装置の通信部は、通信ネットワークを介して直接にインシデント管理装置に対してインシデントデータを送信してもよい。その場合、対応するチケットを特定できるように、例えば、チケットIDが分かる態様でインシデントデータを送信してもよいし、インシデントデータを送信後に、ユーザ側端末において、チケットとインシデントデータとの関連付けを設定してもよい。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、インシデントに対応するチケットに、インシデント対象装置である機械やデバイスの設定情報を関連付ける。
なお、以降の説明において、上述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
[インシデント管理システム100−3]
インシデント管理システム100−3は、インシデント管理装置301が、インシデントに対応するチケットを管理することに加えて、インシデント対象装置である機械やデバイスの設定情報をチケットに関連付けるシステムである。そうすることで、インシデント管理システム100−3では、チケットへの手入力による入力を抑えて、有効な情報をチケットと共に参照できる。
図12に示すインシデント管理システム100−3は、インシデント管理装置301と、ユーザ側端末4と、メーカ側端末8の他、読取装置306(携帯端末)と、設定情報管理装置307とを備える。
読取装置306は、例えば、携帯電話会社等である通信事業者の携帯端末通信網用の基地局である基地局Bs等を介して、通信ネットワークNに接続される。
設定情報管理装置307は、例えば、通信ネットワークNに直接接続される。
[インシデント管理装置301]
図13に示すように、インシデント管理装置301は、制御部310と、記憶部320と、通信部29とを備える。
制御部310は、発行チケット受信部11と、設定情報受信部312と、設定情報関連付け部313と、回答受信部14と、追加チケット受信部15と、チケット関連付け部16と、チケット照会判定部17と、情報提供部18と、本人認証処理部319とを備える。これらの各機能部は、制御部310がプログラム記憶部321に格納されたインシデント管理プログラム321aを実行することにより実現される。
設定情報受信部312は、設定情報管理装置307の設定情報DB(データベース)376に記憶されたインシデント対象装置である工作機械9aや産業用ロボット9b等の設定情報を、例えば、設定情報管理装置307から受信する。設定情報は、例えば、メーカ等の取引先において、工作機械9aや産業用ロボット9b等を出荷するときに、設定情報DB376に登録される。設定情報は、例えば、機械のシリアル番号や、出荷時の検査データ、パラメータ等であり、パラメータは、例えば、追加オプションや、オプションの指定を示すものである。
設定情報関連付け部313は、発行チケット受信部11が受信したチケットと、設定情報受信部312が受信した設定情報とを関連付ける。
本人認証処理部319は、設定情報管理装置307から本人認証に係る照会を受信した場合に、本人認証情報記憶部324に基づいて本人認証を行い、認証結果を設定情報管理装置307に送信する。
記憶部320は、プログラム記憶部321と、チケット記憶部22と、データ記憶部23と、本人認証情報記憶部324とを備える。
プログラム記憶部321は、前述した制御部310の各種機能を実行するインシデント管理プログラム321aを記憶している。
本人認証情報記憶部324は、本人認証を行うために必要な情報を記憶する記憶領域である。本人認証情報記憶部324は、例えば、ログイン情報としてアカウントごとのパスワードを記憶する。なお、本人認証情報記憶部324は、本人認証を行うために必要な情報であれば、他の情報であってもよく、例えば、指紋による認証の場合には、指紋の特徴量等であってもよい。
[読取装置306]
読取装置306は、例えば、スマートフォン、タブレット等の携帯端末である。読取装置306は、エンドユーザサイトに有する。読取装置306は、エンドユーザサイトの作業者の操作により、工作機械9aや産業用ロボット9bに付与されたQRコード(登録商標)(コード)を読み取って設定情報管理装置307に接続し、設定情報管理装置307との間で通信を行う。
図14Aに示すように、読取装置306は、制御部360と、記憶部365と、撮影部367(読取部)と、タッチパネルディスプレイ368と、通信部369とを備える。
制御部360は、CPUであってよく、記憶部365に記憶された読取装置306を制御する各種のプログラム(図示せず)を実行することにより、読取装置306を統括制御する。
制御部360は、コード読取部361と、接続部362と、設定情報指定部363と、本人認証送信部364とを備える。
コード読取部361は、インシデント対象装置である工作機械9aや産業用ロボット9bに付与されたQRコードを、撮影部367を介して読み取る。
接続部362は、コード読取部361がQRコードを読み取ることで、設定情報管理装置307に接続する。ここで、QRコードには、設定情報管理装置307にアクセスするための、例えば、URL(Uniform Resource Locator)等の接続情報が含まれる。また、QRコードは、QRコードが付与された装置を識別するためのコードID(装置識別情報)を含む。
設定情報指定部363は、設定情報管理装置307の設定情報DB376のうち、インシデント対象装置の設定情報を指定する。設定情報指定部363による指定は、例えば、QRコードに工作機械9aや産業用ロボット9bを識別する情報を含んでいれば、エンドユーザサイトの作業者が入力等をすることなく行うことができる。また、例えば、設定情報管理装置307は、読取装置306が接続され、後述する本人認証処理を行うと、エンドユーザサイトのログイン情報に基づいて、エンドユーザサイトに有する工作機械9aや産業用ロボット9bである複数の候補を、読取装置306に出力させてもよい。そうした場合に、設定情報指定部363による指定は、エンドユーザサイトの作業者が複数の候補から1つを選択する操作を行うものであってもよい。
本人認証送信部364は、例えば、タッチパネルディスプレイ368から入力された本人認証に用いる本人認証情報を、設定情報管理装置307に送信する。
記憶部365は、制御部360により実行されるプログラム等を記憶する記憶領域である。
撮影部367は、例えば、カメラであり、QRコードを撮影して、QRコードの読み取りに用いる。
タッチパネルディスプレイ368は、エンドユーザサイトの作業者の指によるタッチ操作を受け付ける入力部としての機能と、表示部としての機能との両方の役割を担う。
通信部369は、外部機器(例えば、設定情報管理装置307等)とデータの送受信を行う通信制御デバイスである。
[設定情報管理装置307]
設定情報管理装置307は、例えば、メーカ側の情報処理センタ等、メーカ側センタに有するサーバである。この例では、設定情報管理装置307をメーカ側センタに有するものとして説明するが、後述するように、設定情報管理装置307は、メーカ側センタ以外で有してもよい。
図14Bに示すように、設定情報管理装置307は、制御部370と、記憶部375と、通信部379とを備える。
制御部370は、CPUであってよく、記憶部375に記憶された設定情報管理装置307を制御するプログラム(図示せず)を実行することにより、設定情報管理装置307を統括制御する。
記憶部375は、制御部370により実行されるプログラム等を記憶する記憶領域である。また、記憶部375は、設定情報DB376を備える。
設定情報DB376は、当該メーカ側が製造、設定等を行った工作機械9a及び産業用ロボット9bの設定情報を、コードIDに対応付けて記憶している。
通信部379は、外部機器(例えば、インシデント管理装置301や、読取装置306等)とデータの送受信を行う通信制御デバイスである。
次に、インシデント管理装置301における処理について、図面を参照しながら説明する。
図15に示すチケット更新処理において、S311からS313までの処理は、第1実施形態(図5)のS11からS13までの処理と同じである。
S313aにおいて、インシデント管理装置301の制御部310は、図16に示す設定情報関連付け処理を行う。
図16のS331において、読取装置306の制御部360(コード読取部361)は、インシデント対象装置である工作機械9aや産業用ロボット9bに付与されたQRコードを、撮影部367を介して読み取る。
図17Aに示すように、工作機械9aには、QRコード331が印刷されたシールが可視位置に貼り付けられていてもよい。その場合には、エンドユーザサイトの作業者は、シールに印刷されたQRコード331を、読取装置306を用いて読み取る。
また、図17Bに示すように、工作機械9aの表示装置309に、QRコード332を表示させてもよい。例えば、工作機械9aは、インシデントが発生したことに応じて、表示装置309にQRコード332を表示させてもよい。また、エンドユーザサイトの作業者によるオペレーション操作によって、表示装置309にQRコード332を表示させてもよい。その場合には、エンドユーザサイトの作業者は、表示装置309に表示されたQRコード332を、読取装置306を用いて読み取る。
そして、読取装置306の制御部360(接続部362、設定情報指定部363)は、QRコードを読み取ることで得られた接続情報に基づき、設定情報管理装置307に対して接続する。
S332において、設定情報管理装置307の制御部370は、読取装置306が接続されたことを確認する。
S333において、設定情報管理装置307の制御部370は、読取装置306に対して本人認証を要求する。
S334において、読取装置306の制御部360(本人認証送信部364)は、本人認証の要求を受信したことに応じて、本人認証情報を送信する。
S335において、設定情報管理装置307の制御部370は、読取装置306から本人認証情報を受信したことに応じて、本人認証照会を、インシデント管理装置301に対して行う。
S336において、インシデント管理装置301の制御部310(本人認証処理部319)は、受信した本人認証情報と、本人認証情報記憶部324とに基づいて本人認証を行い、認証結果を設定情報管理装置307に送信する。
S337において、設定情報管理装置307の制御部370は、本人認証ができた場合には、S331の処理によって読取装置306から受信した、QRコードを読み取ることで得られたコードIDに基づき、設定情報DB376における設定情報の指定を行う。
S338において、設定情報管理装置307の制御部370は、指定に対応した設定情報を、インシデント管理装置301に対して送信する。
S339において、インシデント管理装置301の制御部310(設定情報関連付け部313)は、受信した設定情報を、設定されたチケットに関連付ける。
ここで、S338において、設定情報管理装置307が設定情報の他にコードIDを送信してもよい。その場合、インシデント管理装置301の制御部310は、例えば、コードIDと、機械のシリアル番号とを対応付けて管理してもよい。
その後、制御部310は、処理を図15のS314に移す。
図15のS314からS320までの処理は、第1実施形態(図5)のS14からS20までの処理と同じである。
このように、インシデント管理システム100−3では、インシデントが発生した場合に、エンドユーザサイトの作業者が、読取装置306を用いて、インシデント対象装置である工作機械9a又は産業用ロボット9bに付与されたQRコードを読み取る。そうすると、読取装置306は、QRコードに設定された接続情報によって、設定情報管理装置307に通信し、QRコードが付与された工作機械9a又は産業用ロボット9bの設定情報を、インシデント管理装置301に送信する。
その結果、インシデント管理装置の制御部310は、設定情報を、チケットに関連付けることができるため、インシデントの解決に有用な設定情報を簡単に参照可能な環境を提供でき、便利である。
また、設定情報のインシデント管理装置301への送信は、読取装置306を操作するエンドユーザサイトの作業者についての本人認証が行えた場合に制限する。そうすることで、インシデント管理装置301についての権限を有する者に作業を限定でき、セキュリティを向上できる。
(第2実施形態の変形例1)
前述した第2実施形態では、工作機械9aや産業用ロボット9bにQRコードが付与された場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば、QRコード以外の二次元コードであってもよいし、バーコード等であってもよい。
また、工作機械9aや産業用ロボット9bに付与されるものは、コードに限定されず、工作機械9aや産業用ロボット9bを特定可能な装置識別情報であってもよい。装置識別情報としては、例えば、シリアル番号やエンドユーザサイトにて工作機械9aや産業用ロボット9bにつけた固有の名称等、工作機械9aや産業用ロボット9bを特定できるものである。その場合には、設定情報管理装置307に接続するための情報を、工作機械9aや産業用ロボット9bの可視位置に付与しておくことが望ましい。
(第2実施形態の変形例2)
前述した第2実施形態では、設定情報管理装置をメーカ側センタに有する場合を例に説明したが、これに限定されない。特に、エンドユーザサイトで長年使用している工作機械9a及び産業用ロボット9bについては、メーカ側センタに設定情報を有さない場合がある。そのような場合には、エンドユーザサイトに設定情報管理装置を設け、設定情報DBを、エンドユーザサイトの作業者等によって作成してもよい。そして、エンドユーザサイトの設定情報管理装置に接続するための、新たに付与されたQRコードを印刷したシールを、工作機械9a及び産業用ロボット9bの可視位置に貼付すればよい。
(第2実施形態の変形例3)
前述した第2実施形態では、本人認証を、パスワードを用いるものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、前述したように、指紋認証等の生体認証による本人認証であってもよいし、ワンタイムパスワードを用いるものであってもよい。
(第2実施形態の変形例4)
前述した第2実施形態では、インシデント管理装置が、設定情報管理装置から設定情報を受信するものを例に説明したが、これに限定されない。読取装置が設定情報管理装置から設定情報を受信し、読取装置が、設定情報をインシデント管理装置に対して送信するものであってもよい。
(第2実施形態の変形例5)
前述した第2実施形態では、設定情報DBを設定情報管理装置が制御するものを例に説明したが、これに限定されない。インシデント管理装置が設定情報DBを制御してもよい。その場合、インシデント管理装置は、QRコードのコードIDを、機械情報と、メーカ情報とに対応付けて管理し、コードIDと、エンドユーザサイトの作業者の本人認証情報とを対応付ける。そうすることで、本人認証ができた場合にのみ設定情報を、チケットに関連付けられるようにできる。
なお、各実施形態で使用するプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non−transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
前述した各実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
(変形形態の例1)
前述した実施形態では、追加チケットを、元のチケットとは異なるチケットとし、追加チケットと、元のチケットとを関連付けるものを例に説明したが、これに限定されない。追加チケットを、元のチケットに対して新たな情報を追加可能なものにして、元のチケットと、追加チケットとを1つのチケットとしてもよい。したがって、本発明の解釈に際して、追加チケットは、元のチケットとは異なるチケットのみならず、元のチケットに新たな情報を追加してできるチケットを含むものである。そうすることで、後者の場合には、例えば関連付けを必要とせず、一元的に情報を管理することができる。
(変形形態の例2)
前述した実施形態では、インシデント管理装置について特に言及をしていないが、インシデント管理装置は、例えば、クラウドサーバ上に存在してもよい。
(変形形態の例3)
前述した実施形態では、チケット記憶部は、チケット内容を更新するものとして説明したが、更新履歴を有するようにしてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、例えば以下の作用効果が得られる。
(1)機械及び/又はデバイスが稼働するエンドユーザサイトのユーザ側端末4と、機械及び/又はデバイスのメーカを含む取引先のコールセンタのメーカ側端末8とに対して接続され、エンドユーザサイトで発生したインシデントに対する取引先による解決をサポートするためのインシデント管理装置1が、ユーザ側端末4がメーカ側端末8に対して発行する、インシデントに対応したチケットを受信する発行チケット受信部11と、メーカ側端末8がユーザ側端末4に対して行う、発行されたチケットに対する回答を受信する回答受信部14と、ユーザ側端末4が発行する、前記チケットと同一のインシデントに係る新たな情報を追加可能な追加チケットを受信する追加チケット受信部15と、ユーザ側端末4、及びメーカ側端末8からの、前記インシデントの進捗状況の照会要求に対して、前記チケットにより管理されるインシデント情報を検索して、それぞれユーザ側端末4、及びメーカ側端末8に対して検索結果を提供する情報提供部18と、を備える。
これにより、エンドユーザは、エンドユーザサイトを起点にしてインシデントを管理し、インシデントの進捗状況を把握することができる。また、取引先のコールセンタにおいては、インシデント情報を検索して仕掛中のインシデントに対する回答を記入できる。
(2) (1)に記載のインシデント管理装置1において、追加チケット受信部15は、ユーザ側端末4がメーカ側端末8に対して発行する、追加チケットを受信してもよい。
これにより、エンドユーザは、当該インシデントに関連する新たな問い合わせを、先に問い合わせた取引先のコールセンタに対して行うことができる。
(3) (1)に記載のインシデント管理装置1において、追加チケット受信部15は、ユーザ側端末4が、前記取引先のコールセンタが属する取引先とは異なる取引先に属するコールセンタのメーカ側端末8に対して発行する、追加チケットを受信してもよい。
これにより、エンドユーザは、当該インシデントに関連する機械に係る複数の取引先(例えば、工作機械メーカ、制御装置メーカ、センサメーカ等)を活用して、当該インシデントに関連する新たな問い合わせを行うことができる。
(4) (1)から(3)までのいずれかに記載のインシデント管理装置1において、チケットと、前記チケットと同一のインシデントに係る追加チケットとを関連付けるチケット関連付け部16を備えてもよい。
これにより、同一のインシデントに係る情報を一元的に管理することができる。
(5) (1)から(4)までのいずれかに記載のインシデント管理装置1において、チケットは、機械情報、現場状況、進捗状況、対応履歴の少なくとも1つに関する項目を含み、かつ、項目の内容がNULLであることを許容し、チケットの内容を、メーカ側端末8から確認可能にするか否かを判定するチケット照会判定部17を備えてもよい。
これにより、インシデントに関する状況を後から随時追加することができ、障害等の状況に応じた迅速な対応が可能となる。また、チケットの内容を、メーカ側端末8において確認可能と判定された場合に行うようにするので、メーカ側端末8からの確認可否を設定できる。
(6) (5)に記載のインシデント管理装置1において、チケットは、前記取引先のコールセンタが指定する、チケットの内容の照会可否に関する照会フラグを含み、チケット照会判定部17は、照会フラグが照会可の場合にのみ、チケットの内容を、他の取引先に属するコールセンタのメーカ側端末8から確認可能にしてもよい。
これにより、当該インシデントに対応した取引先の回答に当該取引先のノウハウを含む場合、他の取引先には当該ノウハウを知らせないようにすることができる。
(7) (1)から(6)までのいずれかに記載のインシデント管理装置1において、エンドユーザサイトの情報取得装置6が取得した画像及び/又は音を含むインシデントデータを受信するインシデントデータ受信部12と、発行チケット受信部11が受信したチケットと、インシデントデータ受信部12が受信したインシデントデータとを関連付けるデータ関連付け部13と、を備えてもよい。
これにより、インシデントに関連した画像及び/又は音を含むインシデントデータを、インシデントの解決のために用いることができる。
(8) (1)から(7)までのいずれかに記載のインシデント管理装置1において、機械及び/又はデバイスは、エッジ機器であり、ユーザ側端末4は、1台以上のエッジ機器と通信可能に接続されたエッジサーバ204であってもよい。
これにより、エッジサーバが有するエッジ機器から受信したデータを活用できる。
(9) インシデント管理システム100−3は、(1)から(8)までのいずれかに記載のインシデント管理装置301と、機械及び/又はデバイスの設定情報を記憶した設定情報DB376を有する設定情報管理装置307と、エンドユーザサイトに有する読取装置306と、を備え、機械及び/又はデバイスの各々には、機械及び/又はデバイスを特定可能な装置識別情報が可視位置に付与されており、読取装置306は、機械又はデバイスのうちの1つであるインシデント対象装置に対応付けられた装置識別情報及び設定情報管理装置307への接続情報の入力を受け付けて設定情報管理装置307に接続する接続部362と、設定情報DB376に有する、インシデント対象装置に対応した設定情報を指定する設定情報指定部363と、を備え、インシデント管理装置301は、読取装置306が指定した設定情報を受信する設定情報受信部312と、発行チケット受信部11が受信したチケットと、設定情報受信部312が受信した設定情報とを関連付ける設定情報関連付け部313と、を備えてもよい。
これにより、読取装置306を用いてインシデント対象装置に付与された装置識別情報を入力し、及び、設定情報管理装置307への接続情報を入力することで、チケットに設定情報を対応付けることができる。
(10) (9)に記載のインシデント管理システム100−3において、読取装置306は、接続部362により設定情報管理装置307に接続した場合に、本人認証情報を送信する本人認証送信部364を備え、インシデント管理装置301の設定情報受信部312は、読取装置306が送信した本人認証情報に基づいて本人認証ができた場合に送信される設定情報を受信してもよい。
これにより、本人認証処理によって本人認証ができた場合に、インシデント管理装置301が設定情報を受信できるので、セキュリティ性が向上する。
(11) (9)又は(10)に記載のインシデント管理システム100−3において、機械及び/又はデバイスの各々には、装置識別情報と共に、又は、装置識別情報に代えて、読取装置306の撮影部367により読取可能なQRコードが可視位置に付与されており、QRコードは、設定情報管理装置307への接続情報を有し、読取装置306の接続部362は、機械又はデバイスのうちの1つであるインシデント対象装置に対応付けられたQRコードを読み取ることで設定情報管理装置307に接続してもよい。
これにより、読取装置306を用いてインシデント対象装置に付与されたQRコードを読み取らせるだけで、チケットに設定情報を対応付けることができる。
(12) (11)に記載のインシデント管理システム100−3において、QRコードは、設定情報管理装置307への接続情報に加えて、QRコードに対応するコードIDを有してもよい。
これにより、読取装置306で、インシデント対象装置に関する入力等を行うことなく、設定情報管理装置307において、インシデント対象装置が特定できる。
(13) (11)又は(12)に記載のインシデント管理システム100−3において、QRコードは、インシデント発生時に、機械及び/又はデバイスにおいて機械及び/又はデバイスが有する表示装置309に表示されるものであってもよい。
これにより、インシデントに係るチケットを発行する条件において、QRコードが表示されるので、便利である。
(14) インシデント管理システム100は、(1)から(8)までのいずれかに記載のインシデント管理装置1と、エンドユーザサイトのユーザ側端末4と、メーカを含む取引先のコールセンタのメーカ側端末8と、を備える。
これにより、インシデント管理装置1と、ユーザ側端末4と、メーカ側端末8とを用いた、インシデントサービスを提供するシステムを構築できる。
(15) (9)から(14)までのいずれかに記載のインシデント管理システム100において、インシデント管理装置1は、クラウドサーバ上に存在してもよい。
これにより、ユーザ側端末4と、メーカ側端末8とのそれぞれが存在する場所にかかわらず、必要な時にインシデント管理装置1へのアクセスが可能になる。
(16) 機械及び/又はデバイスが稼働するエンドユーザサイトのユーザ側端末4と、機械及び/又はデバイスのメーカを含む取引先のコールセンタのメーカ側端末8とに対して接続され、エンドユーザサイトで発生したインシデントに対する取引先による解決をサポートするためのインシデント管理装置1によるインシデント管理方法は、インシデント管理装置1が、ユーザ側端末4がメーカ側端末8に対して発行する、インシデントに対応したチケットを受信する発行チケット受信ステップと、メーカ側端末8がユーザ側端末4に対して行う、発行されたチケットに対する回答を受信する回答受信ステップと、ユーザ側端末4が発行する、前記チケットと同一のインシデントに係る新たな情報を追加可能な追加チケットを受信する追加チケット受信ステップと、ユーザ側端末4、及びメーカ側端末8からの、前記インシデントの進捗状況の照会要求に対して、前記チケットにより管理されるインシデント情報を検索して、それぞれユーザ側端末4、及びメーカ側端末8に対して検索結果を提供する情報提供ステップと、を含む。
これにより、(1)と同様の効果を奏することができる。
1,301 インシデント管理装置
4 ユーザ側端末
8 メーカ側端末
10,310,360,370 制御部
11 発行チケット受信部
12 インシデントデータ受信部
13 データ関連付け部
14 回答受信部
15 追加チケット受信部
16 チケット関連付け部
17 チケット照会判定部
18 情報提供部
20,320,365,375 記憶部
21a,321a インシデント管理プログラム
22 チケット記憶部
23 データ記憶部
100,100−2,100−3 インシデント管理システム
204 エッジサーバ
306 読取装置
307 設定情報管理装置
309 表示装置
312 設定情報受信部
313 設定情報関連付け部
319 本人認証処理部
324 本人認証情報記憶部
331,332 QRコード
361 コード読取部
362 接続部
363 設定情報指定部
364 本人認証送信部
367 撮影部
368 タッチパネルディスプレイ
376 設定情報DB

Claims (16)

  1. 機械及び/又はデバイスが稼働するエンドユーザサイトのコンピュータと、前記機械及び/又はデバイスのメーカを含む取引先のコールセンタのコンピュータとに対して接続され、前記エンドユーザサイトで発生したインシデントに対する取引先による解決をサポートするためのインシデント管理装置であって、
    前記エンドユーザサイトの前記コンピュータが前記取引先のコールセンタの前記コンピュータに対して発行する、前記インシデントに対応したチケットを受信する発行チケット受信部と、
    前記取引先のコールセンタの前記コンピュータが前記エンドユーザサイトの前記コンピュータに対して行う、発行された前記チケットに対する回答を受信する回答受信部と、
    前記エンドユーザサイトの前記コンピュータが発行する、前記チケットと同一のインシデントに係る新たな情報を追加可能な追加チケットを受信する追加チケット受信部と、
    前記エンドユーザサイトのコンピュータ、及び前記取引先のコールセンタのコンピュータからの、前記インシデントの進捗状況の照会要求に対して、前記チケットにより管理されるインシデント情報を検索して、それぞれ前記エンドユーザサイトのコンピュータ、及び前記取引先のコールセンタのコンピュータに対して検索結果を提供する情報提供部と、
    を備える、インシデント管理装置。
  2. 請求項1に記載のインシデント管理装置において、
    前記追加チケット受信部は、前記エンドユーザサイトの前記コンピュータが前記取引先のコールセンタの前記コンピュータに対して発行する、前記追加チケットを受信する、インシデント管理装置。
  3. 請求項1に記載のインシデント管理装置において、
    前記追加チケット受信部は、前記エンドユーザサイトの前記コンピュータが、前記取引先のコールセンタが属する取引先とは異なる取引先に属するコールセンタのコンピュータに対して発行する、前記追加チケットを受信する、インシデント管理装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のインシデント管理装置において、
    前記チケットと、前記チケットと同一のインシデントに係る前記追加チケットとを関連付けるチケット関連付け部を備える、インシデント管理装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のインシデント管理装置において、
    前記チケットは、機械情報、現場状況、進捗状況、対応履歴の少なくとも1つに関する項目を含み、かつ、前記項目の内容がNULLであることを許容し、
    前記チケットの内容を、前記取引先のコールセンタの前記コンピュータから確認可能にするか否かを判定するチケット照会判定部を備える、インシデント管理装置。
  6. 請求項5に記載のインシデント管理装置において、
    前記チケットは、前記取引先のコールセンタが指定する、前記チケットの内容の照会可否に関する照会フラグを含み、
    前記チケット照会判定部は、前記照会フラグが照会可の場合にのみ、前記チケットの内容を、他の取引先に属するコールセンタのコンピュータから確認可能にする、インシデント管理装置。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のインシデント管理装置において、
    前記エンドユーザサイトの情報取得装置が取得した画像及び/又は音を含むインシデントデータを受信するインシデントデータ受信部と、
    前記発行チケット受信部が受信した前記チケットと、前記インシデントデータ受信部が受信した前記インシデントデータとを関連付けるデータ関連付け部と、
    を備える、インシデント管理装置。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のインシデント管理装置において、
    前記機械及び/又は前記デバイスは、エッジ機器であり、
    前記エンドユーザサイトの前記コンピュータは、1台以上の前記エッジ機器と通信可能に接続されたエッジサーバである、インシデント管理装置。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のインシデント管理装置と、
    前記機械及び/又は前記デバイスの設定情報を記憶した設定情報データベースを有する設定情報管理装置と、
    前記エンドユーザサイトに有する携帯端末と、
    を備えるインシデント管理システムであって、
    前記機械及び/又は前記デバイスの各々には、前記機械及び/又は前記デバイスを特定可能な装置識別情報が可視位置に付与されており、
    前記携帯端末は、
    前記機械又は前記デバイスのうちの1つであるインシデント対象装置に対応付けられた前記装置識別情報及び前記設定情報管理装置への接続情報の入力を受け付けて前記設定情報管理装置に接続する接続部と、
    前記設定情報データベースに有する、前記インシデント対象装置に対応した前記設定情報を指定する設定情報指定部と、
    を備え、
    前記インシデント管理装置は、
    前記携帯端末が指定した前記設定情報を受信する設定情報受信部と、
    前記発行チケット受信部が受信した前記チケットと、前記設定情報受信部が受信した前記設定情報とを関連付ける設定情報関連付け部と、
    を備える、インシデント管理システム。
  10. 請求項9に記載のインシデント管理システムにおいて、
    前記携帯端末は、前記接続部により前記設定情報管理装置に接続した場合に、本人認証情報を送信する本人認証送信部を備え、
    前記インシデント管理装置の前記設定情報受信部は、前記携帯端末が送信した前記本人認証情報に基づいて本人認証ができた場合に送信される前記設定情報を受信する、インシデント管理システム。
  11. 請求項9又は請求項10に記載のインシデント管理システムにおいて、
    前記機械及び/又は前記デバイスの各々には、前記装置識別情報と共に、又は、前記装置識別情報に代えて、前記携帯端末の読取部により読取可能なコードが可視位置に付与されており、
    前記コードは、前記設定情報管理装置への接続情報を有し、
    前記携帯端末の前記接続部は、前記機械又は前記デバイスのうちの1つであるインシデント対象装置に対応付けられた前記コードを読み取ることで前記設定情報管理装置に接続する、インシデント管理システム。
  12. 請求項11に記載のインシデント管理システムにおいて、
    前記コードは、前記設定情報管理装置への接続情報に加えて、前記コードに対応する前記装置識別情報を有する、インシデント管理システム。
  13. 請求項11又は請求項12に記載のインシデント管理システムにおいて、
    前記コードは、インシデント発生時に、前記機械及び/又は前記デバイスにおいて前記機械及び/又は前記デバイスが有する表示部に表示されるものである、インシデント管理システム。
  14. 請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のインシデント管理装置と、
    前記エンドユーザサイトの前記コンピュータと、
    前記取引先のコールセンタの前記コンピュータと、
    を備えるインシデント管理システム。
  15. 請求項9から請求項14までのいずれか一項に記載のインシデント管理システムにおいて、
    前記インシデント管理装置は、クラウドサーバ上に存在する、インシデント管理システム。
  16. 機械及び/又はデバイスが稼働するエンドユーザサイトのコンピュータと、前記機械及び/又はデバイスのメーカを含む取引先のコールセンタのコンピュータとに対して接続されたインシデント管理装置による、前記エンドユーザサイトで発生したインシデントに対する取引先による解決をサポートするためのインシデント管理方法であって、
    前記インシデント管理装置が、
    前記エンドユーザサイトの前記コンピュータが前記取引先のコールセンタの前記コンピュータに対して発行する、前記インシデントに対応したチケットを受信する発行チケット受信ステップと、
    前記取引先のコールセンタの前記コンピュータが前記エンドユーザサイトの前記コンピュータに対して行う、発行された前記チケットに対する回答を受信する回答受信ステップと、
    前記エンドユーザサイトの前記コンピュータが発行する、前記チケットと同一のインシデントに係る新たな情報を追加可能な追加チケットを受信する追加チケット受信ステップと、
    前記エンドユーザサイトのコンピュータ、及び前記取引先のコールセンタのコンピュータからの、前記インシデントの進捗状況の照会要求に対して、前記チケットにより管理されるインシデント情報を検索して、それぞれ前記エンドユーザサイトのコンピュータ、及び前記取引先のコールセンタのコンピュータに対して検索結果を提供する情報提供ステップと、
    を含む、インシデント管理方法。
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