JP2020166017A - 光学ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】光学ユニットを大型化することなく固定体に対する可動体の可動範囲を制限する。【解決手段】光学モジュールを備える可動体14と、固定体と、可動体14を固定体に対して揺動可能に支持する支持機構と、可動体14と固定体とが対向し光軸方向と交差する少なくとも2面に設けられ、可動体14を固定体に対して揺動させる磁気駆動部18と、を備え、可動体14及び固定体の一方の光軸方向と交差する全ての面に、可動体14と固定体とが対向する方向に突出する凸部11が形成され、可動体14及び固定体の他方の光軸方向と交差する全ての面に、凸部11と接触可能な接触部が形成され、可動体14及び固定体の一方の磁気駆動部18の設けられる面22a及び22bには、磁気駆動部18の両側に凸部11が形成される光学ユニット。【選択図】図6

Description

本発明は、光学ユニットに関する。
従来から、可動体と、固定体と、可動体を固定体に対して揺動可能に支持する支持機構と、可動体を固定体に対して揺動させる磁気駆動部と、を備える様々な光学ユニットが使用されている。例えば、特許文献1には、可動体としての内枠と、固定体としての外枠と、支持機構としてのコイルばねと、磁気駆動部としてのコイル及びマグネットと、を備える光学ユニットが開示されている。
WO2012−15010号公報
固定体に対する可動体の可動範囲が大きくなりすぎると、コイルと磁石などの磁気駆動部の構成部材が衝突して損傷する場合がある。このため、固定体に対する可動体の可動範囲を制限しなくてはならない場合がある。しかしながら、特許文献1の光学ユニットのような、従来の、可動体と固定体と支持機構と磁気駆動部とを備える光学ユニットにおいては、光学ユニットを小型化しつつ固定体に対する可動体の可動範囲を制限することが困難である。そこで、本発明は、光学ユニットを大型化することなく固定体に対する可動体の可動範囲を制限することを目的とする。
本発明の光学ユニットは、光学モジュールを備える可動体と、固定体と、前記可動体を前記固定体に対して揺動可能に支持する支持機構と、前記可動体と前記固定体とが対向し光軸方向と交差する少なくとも2面に設けられ、前記可動体を前記固定体に対して揺動させる磁気駆動部と、を備え、前記可動体及び前記固定体の一方の前記光軸方向と交差する全ての面に、前記可動体と前記固定体とが対向する方向に突出する凸部が形成され、前記可動体及び前記固定体の他方の前記光軸方向と交差する全ての面に、前記凸部と接触可能な接触部が形成され、前記可動体及び前記固定体の一方の前記磁気駆動部の設けられる面には、前記磁気駆動部の両側に前記凸部が形成されることを特徴とする。
本態様によれば、光軸方向と交差する全ての面に可動体と固定体とが対向する方向に突出する凸部が形成され、磁気駆動部の設けられる面には磁気駆動部の両側に凸部が形成される。このため、凸部を効率的に配置することができ、光学ユニットを大型化することなく固定体に対する可動体の可動範囲を制限することができる。
本発明の光学ユニットは、前記可動体及び前記固定体の一方の前記磁気駆動部の設けられない面には、前記凸部が前記光軸方向と交差する方向に延設されることが好ましい。光軸方向と交差する方向に延設される凸部を備えることで剛性を高くできるためである。
本発明の光学ユニットにおいては、前記凸部は、前記可動体に形成されていることが好ましい。凸部を可動体に形成することで凸部と接触部との接触位置がずれることを抑制でき、可動体の所望の可動範囲を確保するための凸部と接触部との間隔を最低限にできるためである。
本発明の光学ユニットにおいては、前記支持機構は、前記可動体を前記固定体に対して前記光軸方向と交差する方向の揺動軸を基準に揺動可能に支持し、前記凸部は、前記接触部と対向する方向に、前記光軸方向において前記揺動軸を含む位置に配置されている平面状の対向面を有することが好ましい。平面状の対向面が光軸方向において揺動軸を含む位置に配置されているので、可動体の所望の可動範囲を確保するための凸部と接触部との間隔を最低限にできるためである。
本発明の光学ユニットにおいては、前記対向面の前記光軸方向における長さは、前記凸部と前記接触部とが接触した際に前記光軸方向における前記揺動軸の位置を超えない長さとなっていることが好ましい。可動体が固定体に対して最大に可動した場合でも固定体に対する可動体の可動範囲を制限することができるためである。
本発明の光学ユニットにおいては、前記支持機構は、前記可動体を前記固定体に対して前記光軸方向と交差する方向の揺動軸を基準に揺動可能に支持し、前記凸部は、前記揺動軸を中心とする円弧面を有していることが好ましい。凸部は揺動軸を中心とする円弧面を有しているので、揺動角度によらず可動体の可動範囲を制限できるためである。
本発明の光学ユニットにおいては、前記凸部は、前記可動体と前記固定体とが対向する方向に向かって徐々に前記光軸方向における長さが短くなるテーパー部を有していることが好ましい。凸部がテーパー部を有する形状とすることで剛性を高くすることができるためである。
本発明の光学ユニットは、大型化することなく固定体に対する可動体の可動範囲を制限することができる。
本発明の実施例1に係る光学ユニットの平面図である。 本発明の実施例1に係る光学ユニットの斜視図である。 本発明の実施例1に係る光学ユニットの分解斜視図である。 本発明の実施例1に係る光学ユニットの固定体の平面図である。 本発明の実施例1に係る光学ユニットの固定体の斜視図である。 本発明の実施例1に係る光学ユニットの可動体の斜視図である。 図6とは別の角度から見た、本発明の実施例1に係る光学ユニットの可動体の斜視図である。 本発明の実施例1に係る光学ユニットの概略図である。 本発明の実施例2に係る光学ユニットの可動体の斜視図である。 本発明の実施例3に係る光学ユニットの可動体の斜視図である。 本発明の比較例1に係る光学ユニットの概略図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施例において同一の構成については、同一の符号を付し、最初の実施例においてのみ説明し、以後の実施例においてはその構成の説明を省略する。
[実施例1](図1から図8)
最初に、本発明の実施例1に係る光学ユニットについて図1から図10を用いて説明する。なお、図2において、符号Lが付された一点鎖線は光軸を示し、符号L1が付された一点鎖線は光軸と交差する第1軸線を示し、符号L2が付された一点鎖線は光軸L及び第1軸線L1と交差する第2軸線L2を示している。また、各図において、Z軸方向は光軸方向であり、X軸方向は光軸と交差する方向、言い換えるとヨーイングの軸方向であり、Y軸方向は光軸と交差する方向、言い換えるとピッチングの軸方向である。
<光学ユニットの全体構成の概略>
図1から図3を参照して、本実施例に係る光学ユニット10の構成について説明する。光学ユニット10は、光学モジュール12を備える可動体14と、Y軸方向を回転軸とする方向(ピッチング方向)及びX軸方向を回転軸とする方向(ヨーイング方向)に変位可能な状態で可動体14を保持する固定体16と、を備えている。また、可動体14をピッチング方向及びヨーイング方向に駆動する回転駆動機構18と、固定体16に対して可動体14をピッチング方向及びヨーイング方向に回転可能に支持する支持機構20(スラスト受け部材)とを備えている。さらに、光学ユニット10は、ジンバルフレーム部25を有するジンバル機構21を備えており、ジンバルフレーム部25は、第1軸線L1の両端部から光軸方向に沿って延設される第1支持部用延設部27aと、第2軸線L2の両端部から光軸方向に沿って延設される第2支持部用延設部27bと、を有している。
<光学モジュール>
本実施例において、光学モジュール12は略矩形筐体状に形成されており、例えばカメラ付携帯電話機やタブレット型PC等に搭載される薄型カメラ等として用いられる。光学モジュール12は、被写体側にレンズ12aを備え、矩形筐体状のハウジング12bの内部に撮像を行うための光学機器等が内蔵されている。本実施例における光学ユニット10は、一例として、光学モジュール12に生じたピッチングの振れ(Y軸方向を回転軸とする回動方向の振れ)及びヨーイングの振れ(X軸方向を回転軸とする回動方向の振れ)の補正を行うアクチュエーターを内蔵し、ピッチングの振れの補正及びヨーイングの振れの補正が可能な構成となっている。
なお、本実施例において、光学ユニット10は、ピッチングの振れ及びヨーイングの振れの補正が可能な構成としたが、この構成に限定はされず、例えば、ピッチングの振れ及びヨーイングの振れのいずれか一方のみの補正が可能な構成でもよい。
<撮像素子>
図3で表されるように、光学モジュール12は、被写体側とは反対側に撮像素子50を備えている。そして、撮像素子50には、第1フレキシブル配線基板51aが接続されている。ここで、本実施例の撮像素子50は、不図示の接続部を有し、該接続部に第1フレキシブル配線基板51aが接続されている。
<可動体>
図1から図3において、可動体14は、光学モジュール12と、ホルダ枠22と、磁石24A及び24Bとを備えている。ホルダ枠22は、光学モジュール12のレンズ12aが設けられる前面(被写体側の面)と、反対側の後面を除く、残りの4面を取り囲むように設けられる矩形枠状の部材として構成されている。本実施例のホルダ枠22は、一例として光学モジュール12を着脱可能に構成されている。ホルダ枠22において固定体16と対向する2面を利用して、ピッチング及びヨーイングの補正用の磁石24A及び24Bがこれらの外面に取り付けられている。なお、図3においては、磁石24A及び24Bの設けられる位置が分かり易いようにホルダ枠22とは離れた位置にある状態で磁石24A及び24Bを表しているが、磁石24A及び24Bはホルダ枠22に取り付けられている。なお、可動体14の詳細な形状については、固定体16に対する配置と共に後述する。
<固定体>
図1から図3において、固定体16は、固定枠28と、コイル32A及び32Bと、を備えている。本実施例において、固定枠28は、可動体14を被写体側で囲う第1前面カバー部28aと、ホルダ枠22の4面を囲う側面カバー部28bと、被写体側に設けられ第1フレキシブル配線基板51aを載置する第2前面カバー部28cと、被写体側とは反対側を覆う後面カバー部28dと、から構成されている。なお、図3においては、コイル32A及び32Bの磁石24A及び24Bに対する位置が分かり易いように側面カバー部28bとは離れた位置にある状態でコイル32A及び32Bを表しているが、コイル32A及び32Bは側面カバー部28bに取り付けられている。
図3で表されるように、本実施例において可動体14が固定体16内に配置された状態において、磁石24Aとコイル32A、磁石24Bとコイル32B、は対向状態となる。また、本実施例において、磁石24Aとコイル32Aとの対、磁石24Bとコイル32Bとの対は、回転駆動機構18を構成している。すなわち、回転駆動機構18は、可動体14と固定体16とが対向し光軸方向と交差する少なくとも2面に設けられ、可動体14を固定体16に対して揺動させる磁気駆動部としての役割をしている。回転駆動機構18により、可動体14のピッチング及びヨーイングの補正が行われる。なお、本実施例において、コイル32A及びコイル32Bは一例としてシート状コイルとして構成されている。シート状コイルは、巻線コイルと比べて空芯部が狭く、該空芯部に対応する位置に大きな部材を形成するのが難しい傾向にある。
また、ピッチング及びヨーイングの補正は以下のように行われる。光学ユニット10にピッチング方向とヨーイング方向の両方向又はいずれか一方向の振れが発生すると、不図示の振れ検出センサ(ジャイロスコープ)によって振れを検出し、その結果に基づいて回転駆動機構18を駆動させる。その後、不図示の磁気センサー(ホール素子)などを用いて、光学ユニット10の振れを精度よく回転駆動機構18がその振れを補正するように作用する。即ち、光学ユニット10の振れを打ち消す方向に可動体14を動かすように各コイル32A及び32Bに電流が流され、これにより振れが補正される。
本実施例の光学ユニット10においては、可動体14を固定体16に対して、第1軸線L1と第2軸線L2を回転軸として、回転させる回転駆動機構18を備えている。第1軸線L1と第2軸線L2での回転の複合によりピッチングの軸方向及びヨーイングの軸方向に回転する。ここで、回転駆動機構18は、本実施例のように、可動体14に対してX軸方向のうちの第1フレキシブル配線基板51aが配置されている側以外の位置に配置されていることが好ましい。回転駆動機構18を第1フレキシブル配線基板51aが形成されていない側に配置できるので、回転駆動機構18や該回転駆動機構18に接続される第2フレキシブル配線基板51bと、第1フレキシブル配線基板51aと、の接触を抑制できるためである。したがって、このような構成とすることで、光学ユニット10を大きくする必要が無くなり、光学ユニット10を小型化できる。なお、本明細書における「回転」とは、360°回転することを要せず、回転方向に揺動する場合を含む意味である。
<ジンバル機構>
ジンバル機構21は、金属製平板材料を折り曲げることによって形成されるバネ性を兼ね備えた機構である。具体的には、図3で表されるように、本実施例のジンバル機構21は、ジンバルフレーム部25を有し、ジンバルフレーム部25の四方のコーナー部から被写体側とは反対側に光軸方向に90°折り曲げられて形成される、2つの第1支持部用延設部27aと、2つの第2支持部用延設部27bと、を備えることによって構成されている。なお、第1支持部用延設部27aと第2支持部用延設部27bについては、必ずしもその全部が板状でなくてもよく、その一部のみを板状に形成してバネ性を発揮させるようにしてもよい。本実施例のジンバル機構21は、このような構成となっていることで、外側方向に向けて与圧を与えることが可能な構成となっている。
<支持機構>
図3で表される支持機構20は、可動体14を固定体16に対して、第1軸線L1と第2軸線L2を回転軸として、回動可能に支持する。図3で表されるように、支持機構20としては、第1支持部用延設部27aを支持する2つの第1スラスト受け部材20aと、第2支持部用延設部27bを支持する2つの第2スラスト受け部材20bと、を有している。そして、第1スラスト受け部材20aは固定体16の側面カバー部28b(フレーム壁)における矩形枠状部分の4隅のうちの対向する2か所に配置され、第2スラスト受け部材20bは矩形枠状の可動体14の4隅にうちの対向する2か所に配置される。すなわち、第1スラスト受け部材20aは固定体16に固定され、第2スラスト受け部材20bは可動体14に固定される。なお、側面カバー部28bにおける矩形枠状部分と矩形枠状の可動体14とは4隅の位置が揃うように配置され、第1スラスト受け部材20a及び第2スラスト受け部材20bは該4隅に1つずつ配置される。
なお、第1支持部用延設部27aには球凹面が設けられ、第1スラスト受け部材20aには球凸面が設けられ、該球凹面と球凸面とが当接することにより第1支持部用延設部27aは第1スラスト受け部材20aに支持されている。そして、同様に、第2支持部用延設部27bには球凹面が設けられ、第2スラスト受け部材20bには球凸面が設けられ、該球凹面と球凸面とが当接することにより第2支持部用延設部27bは第2スラスト受け部材20bに支持されている。そして、2つの第1支持部用延設部27aの各々及び2つの第2支持部用延設部27bの各々は、外側方向に向けて与圧がかかる構成となっているので、該与圧により、各球凹面は対応する各々の球凸面に対して押圧し、第1支持部用延設部27a及び第2支持部用延設部27bは、対応する第1スラスト受け部材20a及び第2スラスト受け部材20bに支持される。
<可動体の固定体に対する配置>
次に、図4から図8及び図11を参照して、本実施例の光学ユニット10の要部である可動体14の詳細な形状について、固定体16に対する配置などの観点から詳細に説明する。
図6及び図7で表されるように、可動体14のホルダ枠22は、矩形枠状である。そして、図4及び図5で表されるように、固定体16の側面カバー部28bは、矩形枠状のホルダ枠22に対応する矩形の可動体収容部13を有している。矩形枠状のホルダ枠22は、矩形の可動体収容部13に4隅が揃うように配置されて収容される。なお、可動体収容部13は、可動体14の固定体16に対する揺動を許容するため、ホルダ枠22よりも大きく形成されている。
図6で表されるように、ホルダ枠22の回転駆動機構18が設けられる面22a及び22bにおける磁石24A及び24Bの取り付けられる両側には、外側に向けて(側面カバー部28bと対向する方向に向けて)突出する凸部11が形成されている。また、図7で表されるように、ホルダ枠22の回転駆動機構18が設けられない面22c及び22dにも、外側に向けて(側面カバー部28bと対向する方向に向けて)突出する凸部11が形成されている。詳細には、可動体14の回転駆動機構18の設けられる面22a及び22bには回転駆動機構18の両側に凸部11a及び11bが形成されており、面22cには該面22cの略全体において凸部11cが形成されている。
また、図4及び図5で表されるように、側面カバー部28bの可動体収容部13側の4つの内面13aには、可動体14が固定体16に対して揺動した際に凸部11と接触する接触部15が設けられている。詳細には、凸部11aと接触する接触部15a、凸部11bと接触する接触部15b、凸部11cと接触する接触部15c、が内面13aに設けられている。
すなわち、本実施例の可動体14は、光軸方向と交差する全ての面に、可動体14と固定体16とが対向する方向に突出する凸部11が形成され、固定体16の光軸方向と交差する全ての面に、凸部11と接触可能な接触部15が形成され、可動体14の回転駆動機構18の設けられる面22a及び22bには、回転駆動機構18の両側に凸部11a及び11bが形成されている。このように、本実施例の光学ユニット10は、光軸方向と交差する全ての面に可動体14と固定体16とが対向する方向に突出する凸部11が形成され、回転駆動機構18の設けられる面22a及び22bには回転駆動機構18の両側に凸部11a及び11bが形成されるため、凸部11を効率的に配置することができており、光学ユニット10を大型化することなく固定体16に対する可動体14の可動範囲を制限することができる構成になっている。なお、本実施例の可動体14は、回転駆動機構18が2面に形成されているが、3面または4面に形成されていてもよい。
本実施例の光学ユニット10においては、可動体14に凸部11が形成され、固定体16に接触部15が形成される構成であるが、本発明は、固定体16に凸部11が形成され、可動体14に接触部15が形成される構成であってもよい。ただし、本実施例のように、凸部11が可動体14に形成されている構成であることが好ましい。凸部11を可動体14に形成することで凸部11と接触部15との接触位置がずれることを抑制でき、可動体14の所望の可動範囲を確保するための凸部11と接触部15との間隔を最低限にできるためである。また、凸部11を固定体16に形成した場合、可動体14の位置が設計中心からずれると凸部との接触位置がずれる虞があるが、凸部11を可動体に形成することで、接触位置がずれることを抑制できる。
ここで、図7で表されるように、本実施例の光学ユニット10においては、可動体14の回転駆動機構18の設けられない面22c及び22dには、凸部11cが光軸方向と交差する方向に延設されて構成されている。このため、本実施例の光学ユニット10は、光軸方向と交差する方向に延設される凸部11cを備えることで剛性を高くできている。
なお、図6及び図7で表されるように、本実施例の凸部11は、何れも、可動体14と固定体16とが対向する方向に向かって徐々に光軸方向における長さが短くなるテーパー部110と、テーパー部110の先端側に設けられた平面状の対向面111と、を有している。このように、凸部11は、テーパー部110を有していることが好ましい。凸部11がテーパー部110を有する形状とすることで、剛性を高くすることができるためである。
なお、各凸部11は、何れも、対向面111が接触部15に接触する。詳細には、凸部11aの対向面111aが接触部15のうちの接触部15aに接触する。同様に、凸部11bの対向面111bが接触部15のうちの接触部15bに接触し、凸部11cの対向面111cが接触部15のうちの接触部15cに接触する。
ここで、図8で表される本実施例の光学ユニット10の概略図及び図11で表される比較例1の光学ユニット10の概略図を参照して、本実施例の光学ユニット10における、光軸方向と交差する方向から見た場合の、固定体16に対する可動体14の可動範囲及び揺動軸9と対向面111との位置関係について説明する。図8及び図11では、実線で表される可動体14が固定体16に対して傾いていない状態を表しており、破線で表される可動体14が固定体16に対して揺動軸9を基準に傾いて可動体14と固定体16とが接触している状態を表している。なお、図8及び図11は、Y軸方向(ピッチングの軸方向)から見た場合の図であるが、X軸方向(ヨーイングの軸方向)から見た場合も同様に考えることができる。
図8と図11とを比較すると明らかなように、図8で表される本実施例の光学ユニット10においては、凸部11が可動体14に形成されていることで、可動体14と固定体16との間隔G1が狭くなり、可動体14の固定体16に対する揺動範囲が制限されている。このため、破線で表される可動体14のように、可動体14が固定体16に対して揺動軸9を基準に傾いても凸部11が接触部15に接触することで、コイル32A及び32Bと磁石24A及び24Bとの接触を抑制できる。一方、図11で表される比較例1の光学ユニット10においては、凸部11が可動体14に形成されていないので、可動体14と固定体16との間隔G2が広い。このため、破線で表される可動体14のように、可動体14が固定体16に対して揺動軸9を基準に傾いた場合、コイル32A及び32Bと磁石24A及び24Bとが接触してしまう場合がある。
上記のように、本実施例の支持機構20は、可動体14を固定体16に対して光軸方向と交差する方向であるピッチングの軸方向及びヨーイングの軸方向を回転軸方向として(揺動軸9を基準に)揺動可能に支持することができる。ここで、凸部11は、図8で表されるように、光軸方向における対向面111の範囲内に揺動軸9が位置する構成とすることが好ましい。別の表現をすると、凸部11は、接触部15と対向する方向に、光軸方向において揺動軸9を含む位置に配置されている平面状の対向面111を有することが好ましい。平面状の対向面111が光軸方向において揺動軸9を含む位置に配置されていることで、可動体14の所望の可動範囲を確保するための凸部11と接触部15との間隔G1を最低限にできるためである。
また、対向面111の光軸方向における長さは、図8の破線で表されるように凸部11と接触部15とが接触した際に、光軸方向における揺動軸9の位置を超えない長さとなっていることが好ましい。可動体14が固定体16に対して最大に可動した場合でも固定体16に対する可動体14の可動範囲を制限することができるためである。なお、「凸部11と接触部15とが接触した際に、光軸方向における揺動軸9の位置を超えない長さ」とは、例えば、図8における左側の凸部11の上端部分が接触部15とが接触した際に揺動軸9よりも下側に至らず、同様に、図8における右側の凸部11の下端部分が接触部15とが接触した際に揺動軸9よりも上側に至らない構成である。
[実施例2](図9)
次に、実施例2の光学ユニット10について図9を用いて説明する。図9は、実施例2の光学ユニット10の可動体14の斜視図であり、実施例1の光学ユニット10における図6に対応する図である。なお、上記実施例1と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例の光学ユニット10は、可動体14の構成以外は、実施例1の光学ユニット10と同様の構成である。
上記のように、実施例1の光学ユニット10においては、凸部11にテーパー部110が形成されていた。一方、本実施例の光学ユニット10においては、図9で表されるように、凸部11はテーパー形状とはなっていない。本実施例の凸部11は、何れも、光軸方向に対して鉛直方向に突出し、先端部に接触部15と接触する平面状の対向面111が形成されている。
[実施例3](図10)
次に、実施例3の光学ユニット10について図10を用いて説明する。図10は、実施例3の光学ユニット10の可動体14の斜視図であり、実施例1の光学ユニット10における図6に対応する図である。なお、上記実施例1及び実施例2と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例の光学ユニット10は、可動体14の構成以外は、実施例1の光学ユニット10と同様の構成である。
上記のように、実施例1及び実施例2の光学ユニット10においては、凸部11には、平面状の対向面111が形成されていた。一方、本実施例の光学ユニット10においては、曲面状の対向面111が形成されている。詳細には、本実施例の支持機構20は、可動体14を固定体16に対して光軸方向と交差する方向の揺動軸9を基準に揺動可能に支持する構成であるが、凸部11は、該揺動軸9を中心とする円弧面である対向面111を有している。凸部11が揺動軸9を中心とする円弧面を有していることで、揺動角度によらず可動体14の可動範囲を制限できる。なお、「円弧面」とは、球形状における球面と、円柱形状における円周面と、の何れであってもよい意味である。
本発明は、上述の実施例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。
また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
9…揺動軸、10…光学ユニット、11…凸部、11a…凸部、11b…凸部、
11c…凸部、12…光学モジュール、12a…レンズ、12b…ハウジング、
13…可動体収容部、13a…内面、14…可動体、15…接触部、15a…接触部、
15b…接触部、15c…接触部、16…固定体、
18…回転駆動機構(磁気駆動部)、20…支持機構(スラスト受け部材)、
20a…第1スラスト受け部材(第1支持部)、
20b…第2スラスト受け部材(第2支持部)、21…ジンバル機構、
22…ホルダ枠、22a…面、22b…面、22c…面、22d…面、24A…磁石、
24B…磁石、25…ジンバルフレーム部、27a…第1支持部用延設部、
27b…第2支持部用延設部、28…固定枠、28a…第1前面カバー部、
28b…側面カバー部、28c…第2前面カバー部、28d…後面カバー部、
32A…コイル、32B…コイル、50…撮像素子、
51a…第1フレキシブル配線基板、51b…第2フレキシブル配線基板、
110…テーパー部、111…対向面、111a…対向面、111b…対向面、
111c…対向面、G1…間隔、G2…間隔

Claims (7)

  1. 光学モジュールを備える可動体と、
    固定体と、
    前記可動体を前記固定体に対して揺動可能に支持する支持機構と、
    前記可動体と前記固定体とが対向し光軸方向と交差する少なくとも2面に設けられ、前記可動体を前記固定体に対して揺動させる磁気駆動部と、を備え、
    前記可動体及び前記固定体の一方の前記光軸方向と交差する全ての面に、前記可動体と前記固定体とが対向する方向に突出する凸部が形成され、
    前記可動体及び前記固定体の他方の前記光軸方向と交差する全ての面に、前記凸部と接触可能な接触部が形成され、
    前記可動体及び前記固定体の一方の前記磁気駆動部の設けられる面には、前記磁気駆動部の両側に前記凸部が形成されることを特徴とする光学ユニット。
  2. 請求項1に記載の光学ユニットにおいて、
    前記可動体及び前記固定体の一方の前記磁気駆動部の設けられない面には、前記凸部が前記光軸方向と交差する方向に延設されることを特徴とする光学ユニット。
  3. 請求項1または2に記載の光学ユニットにおいて、
    前記凸部は、前記可動体に形成されていることを特徴とする光学ユニット。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
    前記支持機構は、前記可動体を前記固定体に対して前記光軸方向と交差する方向の揺動軸を基準に揺動可能に支持し、
    前記凸部は、前記接触部と対向する方向に、前記光軸方向において前記揺動軸を含む位置に配置されている平面状の対向面を有することを特徴とする光学ユニット。
  5. 請求項4に記載の光学ユニットにおいて、
    前記対向面の前記光軸方向における長さは、前記凸部と前記接触部とが接触した際に前記光軸方向における前記揺動軸の位置を超えない長さとなっていることを特徴とする光学ユニット。
  6. 請求項1から3のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
    前記支持機構は、前記可動体を前記固定体に対して前記光軸方向と交差する方向の揺動軸を基準に揺動可能に支持し、
    前記凸部は、前記揺動軸を中心とする円弧面を有していることを特徴とする光学ユニット。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の光学ユニットにおいて、
    前記凸部は、前記可動体と前記固定体とが対向する方向に向かって徐々に前記光軸方向における長さが短くなるテーパー部を有していることを特徴とする光学ユニット。
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