JP2020165292A - 鋼管用継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1鋼管及び第2鋼管のそれぞれの強度の低下を抑制しながら第1鋼管と第2鋼管とを接続することができるとともに、第1鋼管と第2鋼管との接続作業を容易にすることができる鋼管用継手を得る。【解決手段】鋼管用継手3において、第1鋼管1の接続端部1aの外周面には、第1突起部材4が固定されている。第1筒状部61に設けられた第1溝形成部64には、第1鋼管1の接続端部1aの第1筒状部61への挿入に伴って第1突起部材4が挿入される第1溝641が形成されている。第1抜け止め機構7は、第1抜け止め部材71と、本体部材6の軸線方向外側で第1溝641の端部に対向する第1抜け止め位置に第1抜け止め部材71を保持する第1保持具72とを有している。【選択図】図1

Description

この発明は、杭としてそれぞれ用いられる複数の鋼管を同一軸線上で接続する鋼管用継手に関するものである。
杭として鋼管を地盤中の支持層に打ち込む場合、地面から支持層までの深さに応じて複数の鋼管を同一軸線上で継ぎ足しながら杭を延長させることがある。
従来、2本の鋼管を同一軸線上で接続するために、外筒の内側に内筒を配置するとともに、ねじ穴を外筒に設け、ねじ穴に対応する受け溝を内筒に形成した継手部材が知られている。2本の鋼管を接続するときには、2本の鋼管のそれぞれの端部を継手部材の軸線方向両側から外筒と内筒との間の隙間にそれぞれ挿入した後、ねじ穴にねじ込んだねじを受け溝に向けて締め込む。これにより、各鋼管の端部がねじと受け溝との間で変形して噛み込み、2本の鋼管の端部同士が継手部材を介して接続される(例えば特許文献1参照)。
特開2008−202636号公報
杭を地盤中に打ち込むときには、杭に回転力が与えられる。従って、杭の強度は、地盤に打ち込むときの回転力を受けても変形しない強度とする必要がある。
しかし、特許文献1に示されている従来の継手部材では、外筒と内筒との間の隙間に挿入された2本の鋼管のそれぞれの端部をねじの締め付けによって変形させるようになっている。このため、各鋼管の強度が継手部材の位置で低下してしまう。従って、地盤に打ち込むときの回転力を杭が受けた場合、継手部材の位置で各鋼管が大きく変形してしまい、継手部材の位置で回転力が伝わらなくなるおそれがある。
また、特許文献1に示されている従来の継手部材では、各鋼管の端部同士を接続するために、ねじの締め付け力を調整する必要がある。これにより、2本の鋼管の接続作業に手間がかかってしまう。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、第1鋼管及び第2鋼管のそれぞれの強度の低下を抑制しながら第1鋼管と第2鋼管とを接続することができるとともに、第1鋼管と第2鋼管との接続作業を容易にすることができる鋼管用継手を得ることを目的とする。
この発明による鋼管用継手は、杭としてそれぞれ用いられる第1鋼管及び第2鋼管を同一軸線上で互いに接続する鋼管用継手であって、第1鋼管の接続端部の外周面に固定された第1突起部材、第1鋼管の接続端部に接続される第1継手接続部と、第2鋼管の接続端部に接続される第2継手接続部とを有する本体部材、及び第1継手接続部に設けられた第1抜け止め機構を備え、第1継手接続部及び第2継手接続部は、本体部材の軸線方向で互いに繋がっており、第1継手接続部は、第1溝形成部が設けられた第1筒状部を有しており、第1筒状部には、第1鋼管の接続端部が本体部材の軸線方向へ挿入可能であり、第1溝形成部には、第1鋼管の接続端部の第1筒状部への挿入に伴って第1突起部材が挿入される第1溝が本体部材の軸線方向に沿って形成されており、第1抜け止め機構は、第1抜け止め部材と、本体部材の軸線方向外側で第1溝の端部に対向する第1抜け止め位置に第1抜け止め部材を保持する第1保持具とを有している。
この発明による鋼管用継手によれば、第1鋼管及び第2鋼管のそれぞれの強度の低下を抑制しながら第1鋼管と第2鋼管とを接続することができるとともに、第1鋼管と第2鋼管との接続作業を容易にすることができる。
この発明の実施の形態1による鋼管用継手を示す斜視図である。 図1の本体部材を示す上面図である。 図1の本体部材を示す下面図である。 図1の第1鋼管と第2鋼管とが鋼管用継手を介して互いに接続されている状態を示す正面図である。 図4のV−V線に沿った断面図である。 図4のVI−VI線に沿った断面図である。 この発明の実施の形態2による鋼管用継手を示す正面図である。 この発明の実施の形態3による鋼管用継手を示す斜視図である。 この発明の実施の形態4による鋼管用継手を示す斜視図である。 この発明の実施の形態5による鋼管用継手を示す正面図である。 図10のXI−XI線に沿った断面図である。 この発明の実施の形態6による鋼管用継手の第1突起部材を示す斜視図である。 図12の第1突起部材を示す側面図である。 図12の第1突起部材を示す上面図である。 この発明の実施の形態7による鋼管用継手の第1突起部材を示す斜視図である。 図15の突起外面側から見たときの突起部材を示す正面図である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による鋼管用継手を示す斜視図である。図において、第1鋼管1及び第2鋼管2は、地盤中に打ち込まれる杭として用いられている。第1鋼管1の接続端部1aは、地盤中に埋設する杭の長さを延長するために、第2鋼管2の接続端部2aに鋼管用継手3を介して同一軸線上で接続される。第1鋼管1及び第2鋼管2のそれぞれの断面形状は、円形である。
鋼管用継手3は、第1鋼管1の接続端部1aの外周面に固定された第1突起部材4と、第2鋼管2の接続端部2aの外周面に固定された第2突起部材5と、第1鋼管1の接続端部1a及び第2鋼管2の接続端部2aのそれぞれが接続される本体部材6と、本体部材6にそれぞれ設けられた第1抜け止め機構7及び第2抜け止め機構8とを有している。
第1突起部材4は、第1鋼管1の外周面から径方向外側へ突出している。また、第1突起部材4は、第1鋼管1の軸線方向に沿って配置されている。この例では、第1鋼管1の接続端部1aの端面の位置よりも第1鋼管1の中間部に近い位置に第1突起部材4が配置されている。また、この例では、第1突起部材4の形状が直方体となっている。従って、この例では、第1鋼管1の軸線に直交する平面での第1突起部材4の断面形状が矩形状となっている。さらに、この例では、第1突起部材4が溶接又は接着剤によって第1鋼管1の外周面に固定されている。
第2突起部材5は、第2鋼管2の外周面から径方向外側へ突出している。また、第2突起部材5は、第2鋼管2の軸線方向に沿って配置されている。この例では、第2鋼管2の接続端部2aの端面の位置よりも第2鋼管2の中間部に近い位置に第2突起部材5が配置されている。また、この例では、第2突起部材5の形状が直方体となっている。従って、この例では、第2鋼管2の軸線に直交する平面での第2突起部材5の断面形状が矩形状となっている。さらに、この例では、第2突起部材5が溶接又は接着剤によって第2鋼管2の外周面に固定されている。
本体部材6は、第1筒状部61を含む第1継手接続部6aと、第2筒状部62を含む第2継手接続部6bと、第1筒状部61及び第2筒状部62の間に固定された受け板63とを有している。第1継手接続部6aには、第1鋼管1の接続端部1aが接続される。第2継手接続部6bには、第2鋼管2の接続端部2aが接続される。
第1継手接続部6a及び第2継手接続部6bは、本体部材6の軸線方向で互いに繋がっている。この例では、第1筒状部61及び第2筒状部62が本体部材6の軸線方向で互いに繋がっている。また、第1筒状部61及び第2筒状部62のそれぞれは、本体部材6の軸線と同軸に配置されている。これにより、第1筒状部61及び第2筒状部62は、一体の筒状体を構成している。第1筒状部61及び第2筒状部62のそれぞれの形状は、円筒状である。この例では、第1筒状部61の内径が第2筒状部62の内径と同一であり、第1筒状部61の外径が第2筒状部62の外径と同一である。
本体部材6の軸線方向一端部には、第1筒状部61の開口部が第1挿入口611として形成されている。本体部材6の軸線方向他端部には、第2筒状部62の開口部が第2挿入口621として形成されている。
第1筒状部61の内径は、第1鋼管1の接続端部1aの外径よりも僅かに大きくなっている。これにより、第1鋼管1の接続端部1aは、第1挿入口611から第1筒状部61に本体部材6の軸線方向へ挿入可能になっている。
第2筒状部62の内径は、第2鋼管2の接続端部2aの外径よりも僅かに大きくなっている。これにより、第2鋼管2の接続端部2aは、第2挿入口621から第2筒状部62に本体部材6の軸線方向へ挿入可能になっている。
第1筒状部61には、第1溝形成部64が設けられている。第1溝形成部64は、第1筒状部61の外周面から径方向外側へ突出した状態で本体部材6の軸線方向に沿って第1筒状部61に設けられている。この例では、第1筒状部61に設けられている第1溝形成部64の数が1個となっている。
第1溝形成部64には、第1筒状部61の内部空間へ開放された第1溝641が本体部材6の軸線方向に沿って形成されている。第1溝641の端部は、第1挿入口611の位置で第1溝641の軸線方向外側へ開放されている。第1溝641の軸線方向の長さは、第1突起部材4の長手方向の長さよりも長くなっている。第1溝641には、第1鋼管1の接続端部1aの第1筒状部61への挿入に伴って第1突起部材4が本体部材6の軸線方向へ挿入される。
第2筒状部62には、第2溝形成部65が設けられている。第2溝形成部65は、第2筒状部62の外周面から径方向外側へ突出した状態で本体部材6の軸線方向に沿って第2筒状部62に設けられている。この例では、第2筒状部62に設けられている第2溝形成部65の数が1個となっている。
第2溝形成部65には、第2筒状部62の内部空間へ開放された第2溝651が本体部材6の軸線方向に沿って形成されている。第2溝651は、第2挿入口621の位置で第2溝651の軸線方向外側へ開放されている。第2溝651の軸線方向の長さは、第2突起部材5の長手方向の長さよりも長くなっている。第2溝651には、第2鋼管2の接続端部2aの第2筒状部62への挿入に伴って第2突起部材5が本体部材6の軸線方向へ挿入される。
この例では、第1溝形成部64及び第2溝形成部65のそれぞれの位置が本体部材6の周方向で同一の位置となっている。また、この例では、第1溝形成部64及び第2溝形成部65が第1筒状部61と第2筒状部62との境界で互いに繋がっている。本体部材6、第1溝形成部64及び第2溝形成部65を構成する材料としては、金属、樹脂などが用いられる。この例では、本体部材6、第1溝形成部64及び第2溝形成部65が鉄製の一体の鋳物となっている。
第1筒状部61の外周面には、複数の開口部が複数の第1窓部612として形成されている。第2筒状部62の外周面には、複数の開口部が複数の第2窓部622として形成されている。即ち、本体部材6の外周面には、複数の開口部が第1窓部612及び第2窓部622として形成されている。各第1窓部612及び各第2窓部622のそれぞれの形状は、どのような形状であってもよい。
受け板63は、第1筒状部61及び第2筒状部62で構成された筒状体の内周面に固定されている。また、受け板63は、本体部材6の軸線方向に直交する板である。受け板63の中心には、円形状の貫通孔631が設けられている。貫通孔631の内径は、第1鋼管1及び第2鋼管2のそれぞれの外径よりも小さくなっている。受け板63は、第1筒状部61及び第2筒状部62で構成された筒状体の内周面から径方向内側へ本体部材6の全周にわたって突出している。
図2は、図1の本体部材6を示す下面図である。第1溝形成部64は、第1溝641の両側面を形成する一対の第1溝側壁部64aと、第1溝641の底面を形成する第1溝底壁部64bとを有している。
一対の第1溝側壁部64aは、第1筒状部61の周方向に互いに対向した状態で第1筒状部61の外周面にそれぞれ固定されている。第1溝底壁部64bは、一対の第1溝側壁部64a間に固定されている。
各第1溝側壁部64aは、第1溝底壁部64bに固定された垂直部と、垂直部から第1筒状部61に達する傾斜部とを有している。一対の垂直部の間における第1溝641の幅は、第1筒状部61の径方向のどの位置でも一定となっている。一対の傾斜部の間における第1溝641の幅は、第1筒状部61の径方向内側に向かって連続的に広がっている。
第1筒状部61の外周面には、第1溝形成部64の周方向両側に位置する一対の第1鍔部66が固定されている。一対の第1鍔部66は、第1溝形成部64にも固定されている。また、一対の第1鍔部66は、本体部材6の軸線方向一端部に位置している。さらに、一対の第1鍔部66は、本体部材6の軸線方向に直交する板状部である。各第1鍔部66には、本体部材6の軸線方向に沿った貫通孔が第1ボルト通し孔661としてそれぞれ設けられている。この例では、各第1鍔部66の軸線方向外側の面が本体部材6の軸線方向一端面と同一平面上に位置している。
図3は、図1の本体部材6を示す上面図である。第2溝形成部65は、第2溝651の両側面を形成する一対の第2溝側壁部65aと、第2溝651の底面を形成する第2溝底壁部65bとを有している。
一対の第2溝側壁部65aは、第2筒状部62の周方向に対向した状態で第2筒状部62の外周面に固定されている。第2溝底壁部65bは、一対の第2溝側壁部65a間に固定されている。
各第2溝側壁部65aは、第2溝底壁部65bに固定された垂直部と、垂直部から第2筒状部62に達する傾斜部とを有している。一対の垂直部の間における第2溝651の幅は、第2筒状部62の径方向のどの位置でも一定となっている。一対の傾斜部の間における第2溝651の幅は、第2筒状部62の径方向内側に向かって連続的に広がっている。
第2筒状部62の外周面には、第2溝形成部65の周方向両側に位置する一対の第2鍔部67が固定されている。一対の第2鍔部67は、第2溝形成部65にも固定されている。また、一対の第2鍔部67は、本体部材6の軸線方向他端部に位置している。さらに、一対の第2鍔部67は、本体部材6の軸線方向に直交する板状部である。各第2鍔部67には、本体部材6の軸線方向に沿った貫通孔が第2ボルト通し孔671としてそれぞれ設けられている。この例では、各第2鍔部67の軸線方向外側の面が本体部材6の軸線方向他端面と同一平面上に位置している。
図4は、図1の第1鋼管1と第2鋼管2とが鋼管用継手3を介して互いに接続されている状態を示す正面図である。また、図5は、図4のV−V線に沿った断面図である。さらに、図6は、図4のVI−VI線に沿った断面図である。第1鋼管1及び第2鋼管2は、第1鋼管1の接続端部1aが第1継手接続部6aに接続され、第2鋼管2の接続端部2aが第2継手接続部6bに接続されることにより、鋼管用継手3を介して互いに接続される。第1鋼管1と第2鋼管2とが鋼管用継手3を介して互いに接続されている状態では、第1鋼管1の接続端部1aが第1筒状部61に挿入されているとともに、第2鋼管2の接続端部2aが第2筒状部62に挿入されている。第1鋼管1は、第1鋼管1の接続端部1aが第1筒状部61に挿入されることにより本体部材6と同軸に配置される。また、第2鋼管2は、第2鋼管2の接続端部2aが第2筒状部62に挿入されることにより本体部材6と同軸に配置される。
第1鋼管1の接続端部1aが第1筒状部61に挿入されている状態では、受け板63が第1鋼管1の接続端部1aを受けている。第2鋼管2の接続端部2aが第2筒状部62に挿入されている状態では、受け板63が第2鋼管2の接続端部2aを受けている。
また、第1鋼管1と第2鋼管2とが鋼管用継手3を介して互いに接続されている状態では、第1突起部材4が第1溝641に挿入されているとともに、第2突起部材5が第2溝651に挿入されている。この例では、第1突起部材4が受け板63から離れた状態で、第1鋼管1の接続端部1aが受け板63に接触している。また、この例では、第2突起部材5が受け板63から離れた状態で、第2鋼管2の接続端部2aが受け板63に接触している。
第1突起部材4が第1溝641に挿入されている状態では、第1突起部材4が第1溝641の側面に当たることにより、本体部材6に対する第1突起部材4の周方向への移動が第1溝641の幅の範囲内に制限される。これにより、本体部材6に対する第1鋼管1の回転が制限される。
第2突起部材5が第2溝651に挿入されている状態では、第2突起部材5が第2溝651の側面に当たることにより、本体部材6に対する第2突起部材5の周方向への移動が第2溝651の幅の範囲内に制限される。これにより、本体部材6に対する第2鋼管2の回転が制限される。
第1抜け止め機構7は、第1筒状部61に設けられている。第1抜け止め機構7は、第1鋼管1の接続端部1aが第1筒状部61から抜けることを阻止するための機構である。また、第1抜け止め機構7は、板状の第1抜け止め部材71と、第1抜け止め部材71を一対の第1鍔部66に取り付ける第1保持具72とを有している。
第1抜け止め部材71は、本体部材6とは独立した係合片である。第1抜け止め部材71には、図5に示すように、一対の第1鍔部66に設けられた一対の第1ボルト通し孔661の位置に合わせてボルト通し孔及び切り欠き部711が設けられている。
また、第1抜け止め部材71は、本体部材6の軸線方向外側で第1溝641の端部に対向する第1抜け止め位置と、第1抜け止め位置から外れた第1許容位置との間で第1筒状部61に対して移動可能になっている。図4及び図5には、第1抜け止め部材71が第1抜け止め位置に配置された状態が示されている。図1には、第1抜け止め部材71が第1許容位置に配置された状態が示されている。
第1抜け止め部材71は、図4及び図5に示すように、第1保持具72によって一対の第1鍔部66に取り付けられることにより第1抜け止め位置に保持される。この例では、第1鋼管1の接続端部1aが受け板63に達しており、かつ第1抜け止め部材71が第1抜け止め位置に配置されている状態で、第1抜け止め部材71が第1突起部材4の端面に接触している。
第1抜け止め部材71が第1保持具72によって第1抜け止め位置に保持された状態では、本体部材6の軸線方向に沿って第1抜け止め部材71を見たとき、図5に示すように、第1抜け止め部材71が第1突起部材4の少なくとも一部と重なっている。従って、第1抜け止め部材71が第1抜け止め位置に保持された状態では、第1突起部材4が第1抜け止め部材71に掛かることにより、第1突起部材4が第1溝641から本体部材6の軸線方向へ抜けることが阻止される。これにより、第1鋼管1の接続端部1aが第1筒状部61から抜けることが阻止される。
第1保持具72は、第1抜け止め位置にあるときの第1抜け止め部材71を一対の第1鍔部66のそれぞれに取り付ける一対の第1締付具721を有している。各第1締付具721は、ボルト及びナットを有している。
一方の第1締付具721は、一方の第1鍔部66のボルト通し孔661及び第1抜け止め部材71のボルト通し孔に順次通されたボルトと、ボルトに取り付けられたナットとを締め付けることにより、第1抜け止め部材71を一方の第1鍔部66に取り付ける。従って、一方の第1締付具721では、ボルトが本体部材6の軸線方向に沿って配置される。
他方の第1締付具721は、他方の第1鍔部66のボルト通し孔661及び第1抜け止め部材71の切り欠き部711に順次通されたボルトと、ボルトに取り付けられたナットとを締め付けることにより、第1抜け止め部材71を他方の第1鍔部66に取り付ける。従って、他方の第1締付具721でも、ボルトが本体部材6の軸線方向に沿って配置される。
一対の第1締付具721のそれぞれの締め付け力が緩んだ状態では、他方の第1締付具721に対して切り欠き部711が外れることにより、第1抜け止め部材71が一方の第1締付具721を中心として回転可能になっている。第1抜け止め部材71は、一方の第1締付具721を中心とした回転により、第1抜け止め位置と第1許容位置との間で移動する。
第1抜け止め部材71が第1許容位置に配置されている状態では、第1鋼管1の接続端部1aが第1筒状部61に挿入されること、及び第1鋼管1の接続端部1aが第1筒状部61から抜けることが許容される。
第2抜け止め機構8は、第2筒状部62に設けられている。第2抜け止め機構8は、第2鋼管2の接続端部2aが第2筒状部62から抜けることを阻止するための機構である。また、第2抜け止め機構8は、板状の第2抜け止め部材81と、第2抜け止め部材81を一対の第2鍔部67に取り付ける第2保持具82とを有している。
第2抜け止め部材81は、本体部材6とは独立した部材である。第2抜け止め部材81には、一対の第2鍔部67に設けられた一対の第2ボルト通し孔671の位置に合わせてボルト通し孔及び切り欠き部811が設けられている。
また、第2抜け止め部材81は、本体部材6の軸線方向外側で第2溝651の端部に対向する第2抜け止め位置と、第2抜け止め位置から外れた第2許容位置との間で第2筒状部62に対して移動可能になっている。図4及び図6では、第2抜け止め部材81が第2抜け止め位置に配置された状態が示されている。図1では、第2抜け止め部材81が第2許容位置に配置された状態が示されている。
第2抜け止め部材81は、図4及び図6に示すように、第2保持具82によって一対の第2鍔部67に取り付けられることにより第2抜け止め位置に保持される。この例では、第2鋼管2の接続端部2aが受け板63に達しており、かつ第2抜け止め部材81が第2抜け止め位置に配置されている状態で、第2抜け止め部材81が第2突起部材5の端面に接触している。
第2抜け止め部材81が第2抜け止め位置に保持された状態では、本体部材6の軸線方向に沿って第2抜け止め部材81を見たとき、図6に示すように、第2抜け止め部材81が第2突起部材5の少なくとも一部と重なっている。従って、第2抜け止め部材81が第2抜け止め位置に保持された状態では、第2突起部材5が第2抜け止め部材81に掛かることにより、第2突起部材5が第2溝651から本体部材6の軸線方向へ抜けることが阻止される。これにより、第2鋼管2の接続端部2aが第2筒状部62から抜けることが阻止される。
第2保持具82は、第2抜け止め位置にあるときの第2抜け止め部材81を一対の第2鍔部67のそれぞれに取り付ける一対の第2締付具821を有している。各第2締付具821は、ボルト及びナットを有している。
一方の第2締付具821は、一方の第2鍔部67のボルト通し孔671及び第2抜け止め部材81のボルト通し孔に順次通されたボルトと、ボルトに取り付けられたナットとを締め付けることにより、第2抜け止め部材81を一方の第2鍔部67に取り付ける。従って、一方の第2締付具821では、ボルトが本体部材6の軸線方向に沿って配置される。
他方の第2締付具821は、他方の第2鍔部67のボルト通し孔671及び第2抜け止め部材81の切り欠き部811に順次通されたボルトと、ボルトに取り付けられたナットとを締め付けることにより、第2抜け止め部材81を他方の第2鍔部67に取り付ける。従って、他方の第2締付具821でも、ボルトが本体部材6の軸線方向に沿って配置される。
一対の第2締付具821のそれぞれの締め付け力が緩んだ状態では、他方の第2締付具821に対して切り欠き部811が外れることにより、第2抜け止め部材81が一方の第2締付具821を中心として回転可能になっている。第2抜け止め部材81は、一方の第2締付具821を中心とした回転により、第2抜け止め位置と第2許容位置との間で移動する。
第2抜け止め部材81が第2許容位置に配置されている状態では、第2鋼管2の接続端部2aが第2筒状部62に挿入されること、及び第2鋼管2の接続端部2aが第2筒状部62から抜けることが許容される。
次に、第1鋼管1と第2鋼管2との接続方法ついて説明する。
第1鋼管1を下杭として地盤中に打ち込む場合、第1鋼管1の上端部の外周面には、第1突起部材4を溶接などによって予め固定しておく。また、第1鋼管1を下杭として地盤中に打ち込むときには、第1鋼管1の上端部に杭打ち機の取付部を取り付けた状態で、杭打ち機の取付部を第1鋼管1と一体に回転させながら、第1鋼管1を地盤中に押し込む。このとき、杭打ち機の取付部が第1突起部材4に掛かることにより、杭打ち機の取付部に対して第1鋼管1が滑って回ることが防止される。
下杭としての第1鋼管1を地盤中に打ち込んでも第1鋼管1が地盤の支持層に達していない場合、地盤中に埋設される杭を延長するために、上杭としての第2鋼管2を第1鋼管1に鋼管用継手3によって接続する。第2鋼管2の上端部及び下端部のそれぞれの外周面には、第2突起部材5を溶接などによって予め固定しておく。
第1鋼管1と第2鋼管2とを接続するときには、第1鋼管1の上端部を第1鋼管1の接続端部1aとするとともに、第2鋼管2の下端部を第2鋼管2の接続端部2aとし、第2鋼管2の接続端部2aを第1鋼管1の接続端部1aに鋼管用継手3を介して接続する。
第1鋼管1の接続端部1aに第2鋼管2の接続端部2aを接続するときには、本体部材6を第1鋼管1に向けて移動させながら、第1鋼管1の接続端部1aを第1挿入口611から第1筒状部61に挿入する。このとき、各第1締付具721の締め付け力を緩めて第1抜け止め部材71の位置を第1許容位置にした状態で、第1突起部材4を第1溝641に挿入しながら、第1鋼管1の接続端部1aを第1筒状部61に挿入する。
第1鋼管1の接続端部1aを第1筒状部61に挿入した後、第1抜け止め部材71を第1抜け止め位置へ移動させる。この後、一対の第1締付具721のそれぞれを締め付けて第1抜け止め部材71を一対の第1鍔部66に固定する。これにより、第1抜け止め部材71が第1抜け止め位置に保持され、第1鋼管1の接続端部1aが第1筒状部61から抜けないようになる。この結果、第1鋼管1の接続端部1aに鋼管用継手3の第1継手接続部6aが接続される。
この後、上杭としての第2鋼管2の接続端部2aを第2挿入口621から第2筒状部62に挿入する。このとき、各第2締付具821の締め付け力を緩めて第2抜け止め部材81の位置を第2許容位置にした状態で、第2突起部材5を第2溝651に挿入しながら、第2鋼管2の接続端部2aを第2筒状部62に挿入する。
第2鋼管2の接続端部2aを第2筒状部62に挿入した後、第2抜け止め部材81を第2抜け止め位置に移動させる。この後、一対の第2締付具821のそれぞれを締め付けて第2抜け止め部材81を一対の第2鍔部67に固定する。これにより、第2抜け止め部材81が第2抜け止め位置に保持され、第2鋼管2の接続端部2aが第2筒状部62から抜けないようになる。この結果、第2鋼管2の接続端部2aが鋼管用継手3の第2継手接続部6bに接続される。
このようにして、第1鋼管1と第2鋼管2とが同一軸線上で鋼管用継手3を介して接続され、杭が延長される。
この後、上杭としての第2鋼管2の上端部に杭打ち機の取付部を取り付ける。この後、杭打ち機の取付部を第2鋼管2と一体に回転させる。これにより、第2鋼管2及び第1鋼管1が回転し、杭が地盤中にさらに深く押し込まれる。このとき、杭打ち機の取付部が第2突起部材5に掛かることにより、杭打ち機の取付部に対して第2鋼管2が滑って回ることが防止される。
例えば杭の打ち直しを行う場合など、地盤中から引き抜く方向へ杭に回転力が加わる場合、第1鋼管1及び第2鋼管2には、本体部材6から抜ける方向へ力が加わる。しかし、第1抜け止め機構7及び第2抜け止め機構8が本体部材6に設けられていることから、第1鋼管1及び第2鋼管2が本体部材6から抜けることが阻止される。
この後、上杭としての第2鋼管2を地盤中にさらに打ち込んでも、地盤に埋設された杭の下端部が地盤の支持層に達していない場合、上杭としての新たな第1鋼管1を第2鋼管2に鋼管用継手3によって上記と同様にして接続する。新たな第1鋼管1の上端部及び下端部のそれぞれの外周面には、第1突起部材4を溶接などによって予め固定しておく。
このように、杭が支持層に達するまで、第1鋼管1と第2鋼管2との接続を繰り返しながら下杭に上杭を継ぎ足して、杭を延長する。
このような鋼管用継手3では、第1鋼管1の接続端部1aの外周面に固定された第1突起部材4が第1溝形成部64の第1溝641に挿入されるようになっている。また、第2鋼管2の接続端部2aの外周面に固定された第2突起部材5が第2溝形成部65の第2溝651に挿入されるようになっている。このため、第1鋼管1及び第2鋼管2のそれぞれを変形させずに、第1鋼管1及び第2鋼管2を互いに接続することができる。これにより、鋼管用継手3の位置における第1鋼管1及び第2鋼管2のそれぞれの強度の低下を抑制しながら、第1鋼管1及び第2鋼管2を互いに接続することができる。従って、第1鋼管1及び第2鋼管2が回転力を受けたときに第1鋼管1及び第2鋼管2が鋼管用継手3の位置で大きく変形することをより確実に防止することができ、第1鋼管1と第2鋼管2との間で回転力をより確実に伝えることができる。
また、第1抜け止め機構7は、第1抜け止め部材71と、第1抜け止め位置に第1抜け止め部材71を保持する第1保持具72とを有している。さらに、第2抜け止め機構8は、第2抜け止め部材81と、第2抜け止め位置に第2抜け止め部材81を保持する第2保持具82とを有している。このため、第1抜け止め部材71を第1抜け止め位置に保持し、第2抜け止め部材81を第2抜け止め位置に保持するだけで、第1鋼管1及び第2鋼管2のそれぞれが本体部材6から抜けることを容易に防止することができる。また、鋼管同士の接続作業を行う現場に溶接機などの大型の接続機器を運ぶ作業をなくすこともできる。さらに、鋼管同士の接続作業を行う現場が火気厳禁の場所であっても、支障なく接続作業を行うことができる。これにより、第1鋼管1と第2鋼管2との接続作業をさらに容易にすることができる。さらに、本体部材6の形状も、第1筒状部61及び第2筒状部62を互いに繋げた単純な形状であるので、鋼管用継手3の製造も容易にすることができ、鋼管用継手3のコストの低減化を図ることもできる。
また、第1保持具72は、第1抜け止め位置にあるときの第1抜け止め部材71を一対の第1鍔部66のそれぞれに取り付ける一対の第1締付具721を有している。さらに、第2保持具82は、第2抜け止め位置にあるときの第2抜け止め部材81を一対の第2鍔部67のそれぞれに取り付ける一対の第2締付具821を有している。このため、本体部材6に対する第1抜け止め部材71及び第2抜け止め部材81のそれぞれの保持を簡単な構成で行うことができる。また、第1締付具721及び第2締付具821のそれぞれの締め付け力が生じる方向を本体部材6の軸線方向と一致させることができる。このため、第1鋼管1及び第2鋼管2のそれぞれに本体部材6から抜ける方向へ力が加わった場合に、第1締付具721及び第2締付具821に対して引張力が加わるようにすることができる。これにより、第1締付具721及び第2締付具821のそれぞれにせん断力が加わる場合に比べて、第1締付具721及び第2締付具821のそれぞれの強度を高めることができる。
また、第1抜け止め部材71は、一対の第1締付具721のそれぞれの締め付け力が緩んだ状態で一方の第1締付具721を中心として回転可能になっている。このため、各第1締付具721を一対の鍔部66から外さずに、第1抜け止め部材71の位置を第1抜け止め位置から外すことができる。これにより、第1鋼管1と第2鋼管2との接続作業をさらに容易にすることができる。
また、第2抜け止め部材81は、一対の第2締付具821のそれぞれの締め付け力が緩んだ状態で一方の第2締付具821を中心として回転可能になっている。このため、各第2締付具821を一対の鍔部67から外さずに、第2抜け止め部材81の位置を第2抜け止め位置から外すことができる。これにより、第1鋼管1と第2鋼管2との接続作業をさらに容易にすることができる。
また、本体部材6は、第1筒状部61と第2筒状部62との間に固定された受け板63を有している。このため、第1筒状部61に対する第1鋼管1の接続端部1aの挿入量と、第2筒状部62に対する第2鋼管2の接続端部2aの挿入量とを調整する手間をなくすことができる。これにより、第1鋼管1と第2鋼管2との接続作業をさらに容易にすることができる。
また、第1筒状部61の外周面には、開口部である第1窓部612が形成されている。さらに、第2筒状部62の外周面には、開口部である第2窓部622が形成されている。このため、本体部材6の軽量化を図ることができる。また、本体部材6に必要な材料の量を減らすことができ、本体部材6の材料コストの低減化も図ることができる。
また、受け板63には、貫通孔631が設けられている。このため、本体部材6の軽量化を図ることができる。また、本体部材6に必要な材料の量を減らすことができ、本体部材6の材料コストの低減化も図ることができる。
実施の形態2.
図7は、この発明の実施の形態2による鋼管用継手を示す正面図である。なお、図7は、実施の形態1の図4に対応する図である。第1溝形成部64における一対の第1溝側壁部64aのうち、一方の第1溝側壁部64aには、第1押さえ部材としての第1押さえボルト91が取り付けられている。
第1押さえボルト91は、一方の第1溝側壁部64aに設けられたねじ穴にねじ込まれている。また、第1押さえボルト91は、一方の第1溝側壁部64aをその厚さ方向へ貫通している。さらに、一方の第1溝側壁部64aに対する第1押さえボルト91の位置は、第1押さえボルト91を回すことにより、一方の第1溝側壁部64aの厚さ方向で調整可能になっている。これにより、第1押さえボルト91と他方の第1溝側壁部64aとの間の距離は、第1押さえボルト91を回すことにより調整可能になっている。
第1溝641に挿入されているときの第1突起部材4は、第1押さえボルト91と他方の第1溝側壁部64aとの間に配置されている。第1押さえボルト91は、第1突起部材4を他方の第1溝側壁部64aに押さえるボルトである。第1溝641の内部では、第1押さえボルト91が他方の第1溝側壁部64aに近づく方向へ回されることにより、第1突起部材4が他方の第1溝側壁部64aに押し付けられる。
第2溝形成部65における一対の第2溝側壁部65aのうち、一方の第2溝側壁部65aには、第2押さえ部材としての第2押さえボルト92が取り付けられている。
第2押さえボルト92は、一方の第2溝側壁部65aに設けられたねじ穴にねじ込まれている。また、第2押さえボルト92は、一方の第2溝側壁部65aをその厚さ方向へ貫通している。さらに、一方の第2溝側壁部65aに対する第2押さえボルト92の位置は、第2押さえボルト92を回すことにより、一方の第2溝側壁部65aの厚さ方向で調整可能になっている。これにより、第2押さえボルト92と他方の第2溝側壁部65aとの間の距離は、第2押さえボルト92を回すことにより調整可能になっている。
第2溝651に挿入されているときの第2突起部材5は、第2押さえボルト92と他方の第2溝側壁部65aとの間に配置されている。第2押さえボルト92は、第2突起部材5を他方の第2溝側壁部65aに押さえるボルトである。第2溝651の内部では、第2押さえボルト92が他方の第2溝側壁部65aに近づく方向へ回されることにより、第2突起部材5が他方の第2溝側壁部65aに押し付けられる。他の構成は、実施の形態1と同様である。
このような鋼管用継手3では、他方の第1溝側壁部64aに第1突起部材4を押さえる第1押さえボルト91が一方の第1溝側壁部64aに貫通して取り付けられている。このため、第1溝641の側面と第1突起部材4との間に隙間がある場合でも、第1溝641の内部における第1突起部材4の位置を第1溝641の幅方向において固定することができる。これにより、第1鋼管1と第2鋼管2との間で伝わる回転力の方向が反転した場合でも、第1突起部材4が第1溝641の側面に衝突することを防止することができる。従って、鋼管用継手3の破損の発生をより確実に抑制することができ、鋼管用継手3の信頼性の向上を図ることができる。
また、一方の第2溝側壁部65aには、他方の第2溝側壁部65aに第2突起部材5を押さえる第2押さえボルト92が貫通して取り付けられている。このため、第2溝651の側面と第2突起部材5との間に隙間がある場合でも、第2溝651の内部における第2突起部材5の位置を第2溝651の幅方向において固定することができる。これにより、第1鋼管1と第2鋼管2との間で伝わる回転力の方向が反転した場合でも、第2突起部材5が第2溝651の側面に衝突することを防止することができる。従って、鋼管用継手3の破損の発生をより確実に抑制することができ、鋼管用継手3の信頼性の向上を図ることができる。
なお、上記の例では、第1押さえボルト91が一方の第1溝側壁部64aに取り付けられ、第2押さえボルト92が一方の第2溝側壁部65aに取り付けられている。しかし、第1押さえボルト91がなくてもよいし、第2押さえボルト92がなくてもよい。
また、上記の例では、第1押さえ部材として第1押さえボルト91が用いられている。しかし、一方の第1溝側壁部64aに設けられた貫通孔に圧力を加えて押し込むピンを第1押さえ部材として用いてもよい。
また、上記の例では、第2押さえ部材として第2押さえボルト92が用いられている。しかし、一方の第2溝側壁部65aに設けられた貫通孔に圧力を加えて押し込むピンを第2押さえ部材として用いてもよい。
実施の形態3.
図8は、この発明の実施の形態3による鋼管用継手を示す斜視図である。第1鋼管1の接続端部1aの外周面には、複数の第1突起部材4が固定されている。複数の第1突起部材4は、第1鋼管1の周方向へ互いに間隔をあけて配置されている。この例では、2個の第1突起部材4が第1鋼管1の周方向へ等間隔に配置されている。
第2鋼管2の接続端部2aの外周面には、複数の第2突起部材5が固定されている。複数の第2突起部材5は、第2鋼管2の周方向へ互いに間隔をあけて配置されている。この例では、2個の第2突起部材5が第2鋼管2の周方向へ等間隔に配置されている。
第1筒状部61には、複数の第1溝形成部64及び複数の第1抜け止め機構7が設けられている。
第1筒状部61に設けられている第1溝形成部64の数は、第1鋼管1の接続端部1aの外周面に固定されている第1突起部材4の数と同じである。複数の第1溝形成部64は、第1筒状部61の周方向へ互いに間隔をあけて配置されている。また、複数の第1溝形成部64は、第1鋼管1に対する各第1突起部材4の周方向位置に合わせてそれぞれ配置されている。従って、この例では、2個の第1溝形成部64が第1筒状部61の周方向へ等間隔に配置されている。
第1筒状部61の外周面には、第1鍔部66が第1溝形成部64ごとに一対ずつ固定されている。各第1溝形成部64に対応する一対の第1鍔部66は、第1溝形成部64の周方向両側に位置している。
第1抜け止め機構7の数は、第1筒状部61に設けられた第1溝形成部64の数と同じである。複数の第1抜け止め機構7は、第1筒状部61に対する各第1溝形成部64の周方向位置に合わせてそれぞれ配置されている。これにより、複数の第1抜け止め機構7は、第1筒状部61の周方向へ互いに間隔をあけて配置されている。この例では、2個の第1抜け止め機構7が、第1溝形成部64の周方向位置に合わせて第1筒状部61の周方向へ等間隔に配置されている。
第2筒状部62には、複数の第2溝形成部65及び複数の第2抜け止め機構8が設けられている。
第2筒状部62に設けられている第2溝形成部65の数は、第2鋼管2の接続端部2aの外周面に固定されている第2突起部材5の数と同じである。複数の第2溝形成部65は、第2筒状部62の周方向へ互いに間隔をあけて配置されている。また、複数の第2溝形成部65は、第2鋼管2に対する各第2突起部材5の周方向位置に合わせてそれぞれ配置されている。従って、この例では、2個の第2溝形成部65が第2筒状部62の周方向へ等間隔に配置されている。
第2筒状部62の外周面には、第2鍔部67が第2溝形成部65ごとに一対ずつ固定されている。各第2溝形成部65に対応する一対の第2鍔部67は、第2溝形成部65の周方向両側に位置している。
第2抜け止め機構8の数は、第2筒状部62に設けられた第2溝形成部65の数と同じである。複数の第2抜け止め機構8は、第2筒状部62に対する各第2溝形成部65の周方向位置に合わせてそれぞれ配置されている。これにより、複数の第2抜け止め機構8は、第2筒状部62の周方向へ互いに間隔をあげて配置されている。この例では、2個の第2抜け止め機構8が、第2溝形成部65の周方向位置に合わせて第2筒状部62の周方向へ等間隔に配置されている。
この例では、各第1溝形成部64及び各第2溝形成部65のそれぞれの位置が本体部材6の周方向で同一の位置となっている。また、この例では、各第1溝形成部64及び各第2溝形成部65が第1筒状部61と第2筒状部62との境界で互いに繋がっている。他の構成は、実施の形態1と同様である。
このような鋼管用継手3では、第1鋼管1の周方向へ互いに間隔をあけて配置された複数の第1突起部材4が第1鋼管1の接続端部1aの外周面に固定されている。また、第1突起部材4の周方向位置に合わせてそれぞれ配置された複数の第1溝形成部64及び複数の第1抜け止め機構7が第1筒状部61に設けられている。このため、第1鋼管1の接続端部1aを第1筒状部61に挿入することにより、複数の第1溝形成部64のそれぞれに第1突起部材4を挿入することができる。これにより、第1鋼管1と第1筒状部61との間で回転力を伝える第1溝形成部64の数及び第1突起部材4の数を増やすことができ、各第1溝形成部64及び各第1突起部材4にかかる力を分散させることができる。従って、第1溝形成部64及び第1突起部材4が1個ずつである場合よりも、第1溝形成部64、第1突起部材4及び第1筒状部61のそれぞれの長さを短くすることができる。これにより、本体部材6に必要な材料の量を減らすことができ、鋼管用継手3の材料コストの低減化を図ることができる。また、本体部材6の軽量化を図ることもできる。
また、第2鋼管2の周方向へ互いに間隔をあけて配置された複数の第2突起部材5が第2鋼管2の接続端部2aの外周面に固定されている。また、第2突起部材5の周方向位置に合わせてそれぞれ配置された複数の第2溝形成部65及び複数の第2抜け止め機構8が第2筒状部62に設けられている。このため、第2鋼管2の接続端部2aを第2筒状部62に挿入することにより、複数の第2溝形成部65のそれぞれに第2突起部材5を挿入することができる。これにより、第2鋼管2と第2筒状部62との間で回転力を伝える第2溝形成部65の数及び第2突起部材5の数を増やすことができ、各第2溝形成部65及び各第2突起部材5にかかる力を分散させることができる。従って、第2溝形成部65及び第2突起部材5が1個ずつである場合よりも、第2溝形成部65、第2突起部材5及び第2筒状部62のそれぞれの長さを短くすることができる。これにより、本体部材6に必要な材料の量を減らすことができ、鋼管用継手3の材料コストの低減化を図ることができる。また、本体部材6の軽量化を図ることもできる。
なお、上記の例では、第1鋼管1の接続端部1aの外周面に固定された第1突起部材4の数が2個である。しかし、第1鋼管1の接続端部1aの外周面に固定された第1突起部材4の数を3個以上としてもよい。この場合、第1筒状部61には、第1突起部材4の数と同数の第1溝形成部64と、第1突起部材4の数と同数の第1抜け止め機構7とが各第1突起部材4の周方向位置に合わせて設けられる。
また、上記の例では、第2鋼管2の接続端部2aの外周面に固定された第2突起部材5の数が2個である。しかし、第2鋼管2の接続端部2aの外周面に固定された第2突起部材5の数を3個以上としてもよい。この場合、第2筒状部62には、第2突起部材5の数と同数の第2溝形成部65と、第2突起部材5の数と同数の第2抜け止め機構8とが各第2突起部材5の周方向位置に合わせて設けられる。
実施の形態4.
図9は、この発明の実施の形態4による鋼管用継手を示す斜視図である。第1鋼管1の接続端部1aの外周面に固定されている第1突起部材4の数と、第2鋼管2の接続端部2aの外周面に固定されている第2突起部材5の数とは、互いに異なっている。この例では、第1鋼管1の接続端部1aの外周面に固定されている第1突起部材4の数が2個であり、第2鋼管2の接続端部2aの外周面に固定されている第2突起部材5の数が1個である。これにより、この例では、本体部材6の軸線方向において第1筒状部61の長さが第2筒状部62の長さよりも短くなっている。この例では、2個の第1突起部材4が第1鋼管1の周方向へ等間隔に配置されている。
第1筒状部61に設けられている第1溝形成部64の数は、第1鋼管1の接続端部1aの外周面に固定されている第1突起部材4の数と同じである。各第1溝形成部64は、第1鋼管1に対する各第1突起部材4の周方向位置に合わせてそれぞれ配置されている。従って、この例では、2個の第1溝形成部64が第1筒状部61の周方向へ等間隔に配置されている。
第1筒状部61の外周面には、第1鍔部66が第1溝形成部64ごとに一対ずつ固定されている。各第1溝形成部64に対応する一対の第1溝形成部64は、第1溝形成部64の周方向両側に位置している。
第1抜け止め機構7の数は、第1筒状部61に設けられた第1溝形成部64の数と同じである。複数の第1抜け止め機構7は、第1筒状部61に対する各第1溝形成部64の周方向位置に合わせてそれぞれ配置されている。この例では、2個の第1抜け止め機構7が、第1溝形成部64の周方向位置に合わせて第1筒状部61の周方向へ等間隔に配置されている。
この例では、第2溝形成部65の位置が一方の第1溝形成部64の位置と本体部材6の周方向で同一の位置となっている。また、この例では、第2溝形成部65が第1筒状部61と第2筒状部62との境界で一方の第1溝形成部64に繋がっている。他の構成は、実施の形態1と同様である。
このような鋼管用継手3でも、複数の第1突起部材4の周方向位置に合わせてそれぞれ配置された複数の第1溝形成部64及び複数の第1抜け止め機構7が第1筒状部61に設けられている。このため、第1鋼管1と第1筒状部61との間で回転力を伝える第1溝形成部64の数及び第1突起部材4の数を増やすことができ、第1溝形成部64、第1突起部材4及び第1筒状部61のそれぞれの長さを短くすることができる。これにより、本体部材6に必要な材料の量を減らすことができ、鋼管用継手3の材料コストの低減化を図ることができる。また、本体部材6の軽量化を図ることもできる。
なお、上記の例では、第1鋼管1の接続端部1aの外周面に固定された第1突起部材4の数が2個である。しかし、第1鋼管1の接続端部1aの外周面に固定された第1突起部材4の数を3個以上としてもよい。この場合、第1筒状部61には、第1突起部材4の数と同数の第1溝形成部64と、第1突起部材4の数と同数の第1抜け止め機構7とが各第1突起部材4の周方向位置に合わせて設けられる。
また、上記の例では、第2鋼管2の接続端部2aの外周面に固定された第2突起部材5の数が1個である。しかし、第2鋼管2の接続端部2aの外周面に固定された第2突起部材5の数を2個以上としてもよい。この場合、第2筒状部62には、第2突起部材5の数と同数の第2溝形成部65と、第2突起部材5の数と同数の第2抜け止め機構8とが各第2突起部材5の周方向位置に合わせて設けられる。
実施の形態5.
図10は、この発明の実施の形態5による鋼管用継手を示す正面図である。また、図11は、図10のXI−XI線に沿った断面図である。本体部材6の第2継手接続部6bは、第2鋼管2の接続端部2aに溶接によって接続可能な筒状の溶接取付部68を有している。溶接取付部68は、受け板63を介して本体部材6の軸線方向に第1筒状部61と繋がっている。また、溶接取付部68は、第1筒状部61と同軸に配置されている。本体部材6の軸線方向における溶接取付部68の寸法は、本体部材6の軸線方向における第1筒状部61の寸法よりも小さくなっている。この例では、第2突起部材5が第2鋼管2の接続端部2aの外周面に固定されていない。
溶接取付部68は、受け板63に固定された円筒状の胴部681と、胴部681の外径よりも小さな外径を持つ円筒状の挿入部682と、挿入部682を胴部681に繋ぐ環状の繋ぎ部683とを有している。
挿入部682の外径は、第2鋼管2の接続端部2aの内径よりも小さくなっている。これにより、挿入部682は、第2鋼管2の接続端部2aの内部に挿入可能になっている。
胴部681の外径は、第2鋼管2の接続端部2aの内径よりも大きくなっている。この例では、胴部681の外径が第2鋼管2の接続端部2aの外径と同一になっている。
繋ぎ部683の外径は、胴部681から挿入部682に向かって連続的に小さくなっている。これにより、繋ぎ部683の外周面は、胴部681から挿入部682に向かって溶接取付部68の軸線に近づく方向へ傾斜する傾斜面684になっている。
繋ぎ部683の傾斜面684は、第2鋼管2の接続端部2aの内部への挿入部682の挿入により、第2鋼管2の接続端部2aの端面の内周部分を受ける。繋ぎ部683の傾斜面684が第2鋼管2の接続端部2aの端面の内周部分を受けている状態では、第2鋼管2の接続端部2aの端面と繋ぎ部683の傾斜面684との間に溶接用の開先が全周にわたって形成されている。
第2鋼管2の接続端部2aの端面と傾斜面684との間には、開先を埋める溶接ビード60が溶接部として溶接取付部68の全周にわたって形成されている。これにより、溶接取付部68が第2鋼管2の接続端部2aに接続されている。他の構成は、実施の形態1と同様である。
次に、第1鋼管1と第2鋼管2とを鋼管用継手3を介して接続するときの手順について説明する。第2鋼管2の接続端部2aには、鋼管用継手3の溶接取付部68を予め接続しておく。第2鋼管2の接続端部2aに対する鋼管用継手3の溶接取付部68の接続作業は、溶接設備の整った工場などで行っておく。
第2鋼管2の接続端部2aに溶接取付部68を接続するときには、繋ぎ部683の傾斜面684に第2鋼管2の接続端部2aの端面が当たるまで、溶接取付部68の挿入部682を第2鋼管2の接続端部2aの内部に挿入する。これにより、第2鋼管2の接続端部2aの端面と繋ぎ部683の傾斜面684との間には、溶接取付部68の全周にわたって溶接用の開先が形成される。
この後、第2鋼管2の接続端部2aの端面と繋ぎ部683の傾斜面684との間に、開先を埋める溶接ビード60を全周に亘って形成する。これにより、鋼管用継手3の溶接取付部68が第2鋼管2の接続端部2aに接続される。
この後、第2鋼管2の接続端部2aに接続された鋼管用継手3の第1継手接続部6aを第1鋼管1の接続端部1aに接続する。第1継手接続部6aを第1鋼管1の接続端部1aに接続する手順は、実施の形態1と同様である。このようにして、第1鋼管1と第2鋼管2とが同一軸線上で鋼管用継手3を介して接続され、杭が延長される。
このような鋼管用継手3では、第2鋼管2の接続端部2aに溶接によって接続可能な溶接取付部68が第2継手接続部6bに含まれている。このため、第2鋼管2の接続端部2aに第2継手接続部6bを工場などで溶接によって予め接続しておくことができる。これにより、杭を延長する現場において、第1鋼管1の接続端部1aに第1継手接続部6aを接続するだけで、第1鋼管1の接続端部1aに第2鋼管2の接続端部2aを容易に接続することができる。従って、杭を延長する現場での第1鋼管1の接続端部1aと第2鋼管2の接続端部2aとの接続作業をさらに容易にすることができる。また、ボルトなどの締付具を溶接取付部68に設ける必要がなくなり、第2継手接続部6bの部品点数を少なくすることができるとともに、溶接取付部68の形状を単純な形状にすることができる。さらに、第2継手接続部6bの長さを第1継手接続部6aの長さよりも短くすることもできる。従って、第2継手接続部6bの小型化及び軽量化を図ることができる。このようなことから、鋼管用継手3の全体の小型化及び軽量化を図ることができ、鋼管用継手3のコストの低減化も図ることができる。
なお、上記の例では、第2鋼管2の接続端部2aの内部に挿入可能な挿入部682が溶接取付部68に含まれている。しかし、挿入部682は、なくてもよい。また、溶接取付部68が第2鋼管2の接続端部2aと同軸に配置された状態で、第2鋼管2の接続端部2aに溶接取付部68を溶接によって接続可能であれば、溶接取付部68の形状は上記に限定されない。
実施の形態6.
図12は、この発明の実施の形態6による鋼管用継手の第1突起部材4を示す斜視図である。また、図13は、図12の第1突起部材4を示す側面図である。さらに、図14は、図12の第1突起部材4を示す上面図である。各第1突起部材4には、突起第1端面4a、突起第2端面4b、一対の突起側面4c、突起外面4d及び突起内面4eが形成されている。
突起第1端面4a及び突起第2端面4bは、第1突起部材4の長手方向で互いに対向している。これにより、突起第1端面4a及び突起第2端面4bは、第1鋼管1の軸線方向に直交している。突起第2端面4bは、突起第1端面4aよりも第1鋼管1の接続端部1aの端面に近い位置に位置している。
一対の突起側面4cは、第1突起部材4の幅方向で互いに対向している。これにより、一対の突起側面4cは、第1鋼管1の接続端部1aの周方向に直交している。従って、一対の突起側面4cのそれぞれを延長した平面は、第1鋼管1の中心軸線を通る平面となっている。即ち、一対の突起側面4cは、互いに平行ではない。
突起外面4d及び突起内面4eは、第1突起部材4の厚さ方向で互いに対向している。これにより、突起外面4d及び突起内面4eは、第1鋼管1の接続端部1aの外周面に合わせて湾曲した曲面となっている。第1鋼管1の接続端部1aの外周面には、各第1突起部材4の突起内面4eが接触している。
第1突起部材4には、段差部41が形成されている。段差部41は、突起第2端面4b及び一対の突起側面4cのそれぞれに第1鋼管1の接続端部1aの外周面から離して形成されている。この例では、第1鋼管1の接続端部1aの外周面から一定の距離だけ離して段差部41が突起第2端面4b及び一対の突起側面4cのそれぞれに形成されている。従って、突起第2端面4bにおける段差部41は、第1鋼管1の周方向に沿って湾曲して形成されている。また、一対の突起側面4cのそれぞれにおける段差部41は、第1鋼管1の軸線方向に沿って直線上に形成されている。第1鋼管1の周方向における第1突起部材4の寸法は、段差部41の径方向外側よりも段差部41の径方向内側で小さくなっている。一方、突起第1端面4aには、段差部41が形成されていない。
各第1突起部材4は、第1鋼管1の接続端部1aの外周面に、図示しない溶接部を介して固定されている。溶接部は、突起第2端面4b及び一対の突起側面4cのそれぞれと第1鋼管1の接続端部1aの外周面との境界に設けられている。一方、突起第1端面4aと第1鋼管1の接続端部1aの外周面との境界には、溶接部が設けられていない。
突起第2端面4b及び一対の突起側面4cのそれぞれでは、段差部41よりも第1鋼管1の接続端部1aの外周面に近い領域が溶接許容領域となっており、第1鋼管1の接続端部1aの外周面から段差部41よりも遠い領域が溶接禁止領域となっている。突起第2端面4b及び一対の突起側面4cのそれぞれでは、溶接許容領域から外れることなく溶接許容領域内に溶接部が設けられている。他の構成は、実施の形態1と同様である。
このような鋼管用継手3では、第1突起部材4の突起第2端面4b及び一対の突起側面4cのそれぞれに段差部41が第1鋼管1の接続端部1aの外周面から離して形成されている。また、段差部41よりも第1鋼管1の接続端部1aの外周面に近い領域が溶接許容領域となっている。さらに、第1突起部材4を第1鋼管1の接続端部1aの外周面に固定する溶接部は、溶接許容領域内に設けられている。このため、溶接部を設ける領域を一定の領域内に制限することができ、第1突起部材4が溶接部によって第1溝641に挿入できなくなることを防止することができる。また、溶接部を設ける領域を容易に特定することができ、第1鋼管1の接続端部1aに第1突起部材4を溶接によって固定する作業を容易にすることができる。
また、第1突起部材4に形成された突起内面4eは、第1鋼管1の接続端部1aの外周面に合わせて湾曲した曲面となっている。このため、第1鋼管1の接続端部1aの外周面に突起内面4eを接触させるだけで、第1突起部材4の長手方向を第1鋼管1の接続端部1aの軸線方向に容易に一致させることができる。また、第1鋼管1の接続端部1aの外周面に対する第1突起部材4の接触面積を増加させることができる。これにより、第1鋼管1の接続端部1aの外周面に対する第1突起部材4の溶接作業を容易にかつ短時間で行うことができる。また、第1鋼管1の接続端部1aの外周面に対する第1突起部材4の固定強度も安定させることができる。これにより、例えば第1突起部材4にねじれの力が加わった場合でも、第1鋼管1の接続端部1aの外周面に対する第1突起部材4の位置がずれることを防止することができる。
なお、上記の例では、突起第2端面4b及び一対の突起側面4cのそれぞれに段差部41が形成されている。しかし、突起第2端面4b及び一対の突起側面4cの少なくともいずれかに段差部41が形成されていればよい。
また、上記の例では、第2突起部材5の構成を第1突起部材4の構成と同様にしてもよい。従って、この場合、第2突起部材5には、突起第1端面、突起第2端面、一対の突起側面、突起外面及び突起内面が第1突起部材4と同様に形成される。また、第2突起部材5の突起第2端面及び一対の突起側面の少なくともいずれかに段差部41が形成される。
また、上記の例では、第1突起部材4に段差部41が形成されている構成が実施の形態1に適用されている。しかし、第1突起部材4に段差部41が形成されている構成を実施の形態2〜5に適用してもよい。
実施の形態7.
図15は、この発明の実施の形態7による鋼管用継手の第1突起部材4を示す斜視図である。また、図16は、図15の突起外面4d側から見たときの突起部材4を示す正面図である。各第1突起部材4には、突起第1端面4a、突起第2端面4b、一対の突起側面4c、突起外面4d及び突起内面4eが形成されている。突起第1端面4a、突起第2端面4b、突起外面4d及び突起内面4eのそれぞれの構成は、実施の形態6と同様である。本実施の形態では、突起第1端面4a、突起第2端面4b、一対の突起側面4c、突起外面4d及び突起内面4eに段差部41が形成されていない。
一対の突起側面4cのそれぞれは、第1突起部材4の長手方向へ連続する長手方向面4c1及びテーパ面4c2を有している。長手方向面4c1は、第1突起部材4の長手方向に沿った面である。テーパ面4c2は、第1突起部材4の長手方向に対して傾斜した面である。
各第1突起部材4では、テーパ面4c2が長手方向面4c1よりも突起第2端面4bに近い位置に形成されている。一対の突起側面4cのそれぞれのテーパ面4c2は、突起第2端面4bに向かって互いに近づく方向へ傾斜している。この例では、第1突起部材4の長手方向において長手方向面4c1の範囲がテーパ面4c2の範囲よりも大きくなっている。
各第1突起部材4は、突起本体部44と、突起本体部44から第1鋼管1の接続端部1aの端面に向かって突出するテーパ部45とを有している。
突起本体部44には、一対の突起側面4cのそれぞれの長手方向面4c1が形成されている。これにより、第1鋼管1の接続端部1aの周方向における突起本体部44の寸法、即ち突起本体部44の幅寸法は、突起部材4の長手方向のどの位置でも同じになっている。
テーパ部45には、一対の突起側面4cのそれぞれのテーパ面4c2が形成されている。これにより、第1鋼管1の接続端部1aの周方向におけるテーパ部45の寸法、即ちテーパ部45の幅寸法は、突起第2端面4bに向かって小さくなっている。即ち、テーパ部45の幅寸法は、第1鋼管1の接続端部1aの端面に向かって小さくなっている。他の構成は、実施の形態1と同様である。
このような鋼管用継手3では、第1突起部材4のテーパ部45の幅寸法が第1鋼管1の接続端部1aの端面に向かって小さくなっている。このため、第1鋼管1の接続端部1aを第1筒状部51に挿入するときに、第1突起部材4を第1溝641に挿入しやすくすることができる。これにより、第1鋼管1と第2鋼管2との接続作業をさらに容易にすることができる。
なお、上記の例では、各第1突起部材がテーパ部45を有している構成が実施の形態1の鋼管用継手3に適用されている。しかし、各第1突起部材がテーパ部45を有している構成を実施の形態2〜6の鋼管用継手3に適用してもよい。また、各第1突起部材がテーパ部45を有している構成を各第2突起部材5に適用してもよい。
また、上記の例では、一対の突起側面4cのそれぞれにテーパ面4c2が含まれている。しかし、一対の突起側面4cのいずれか一方にのみテーパ面4c2が含まれていてもよい。このようにしても、テーパ部45の幅寸法を第1鋼管1の接続端部1aの端面に向かって小さくすることができ、第1突起部材4を第1溝641に挿入しやすくすることができる。
また、上記の例では、実施の形態6における段差部41が各第1突起部材4に形成されていない。しかし、各第1突起部材4の突起第2端面4b及び一対の突起側面4cの少なくともいずれかに段差部41を形成してもよい。また、各第1突起部材がテーパ部45を有している構成と、各第1突起部材4の突起第2端面4b及び一対の突起側面4cの少なくともいずれかに段差部41が形成された構成とを各第2突起部材5に適用してもよい。
また、各上記実施の形態では、一対の第1鍔部66が本体部材6の軸線方向一端部に配置されている。しかし、本体部材6の軸線方向一端部よりも軸線方向中間部に近い位置に一対の第1鍔部66を配置してもよい。
また、実施の形態1〜4、6及び7では、一対の第2鍔部67が本体部材6の軸線方向他端部に配置されている。しかし、本体部材6の軸線方向他端部よりも軸線方向中間部に近い位置に一対の第2鍔部67を配置してもよい。
また、各上記実施の形態では、第1筒状部61の外周面に一対の第1鍔部66が固定されている。しかし、第1抜け止め位置に第1抜け止め部材71を保持することができるのであれば、一対の第1鍔部66はなくてもよい。例えば、第1溝形成部64の一対の第1溝側壁部64aの肉厚を大きくして各第1溝側壁部64aの端面にねじ穴を設け、ねじ穴にねじ込んだ第1保持具としてのボルトの締め付け力によって第1抜け止め部材71を第1抜け止め位置に保持するようにしてもよい。
また、実施の形態1〜4、6及び7では、第2筒状部62の外周面に一対の第2鍔部67が固定されている。しかし、第2抜け止め位置に第2抜け止め部材81を保持することができるのであれば、一対の第2鍔部67はなくてもよい。例えば、第2溝形成部65の一対の第2溝側壁部65aの肉厚を大きくして各第2溝側壁部65aの端面にねじ穴を設け、ねじ穴にねじ込んだ第2保持具としてのボルトの締め付け力によって第2抜け止め部材81を第1抜け止め位置に保持するようにしてもよい。
また、各上記実施の形態では、第1締付具721のボルトが通される切り欠き部711が第1抜け止め部材71に設けられている。しかし、切り欠き部711の代わりに、貫通孔であるボルト通し孔を第1抜け止め部材71に設けてもよい。
また、実施の形態1〜4、6及び7では、第2締付具821のボルトが通される切り欠き部811が第2抜け止め部材81に設けられている。しかし、切り欠き部811の代わりに、貫通孔であるボルト通し孔を第2抜け止め部材81に設けてもよい。
また、実施の形態1〜4、6及び7では、第1窓部612が第1筒状部61に設けられ、第2窓部622が第2筒状部62に設けられている。しかし、第1筒状部61に第1窓部612を設けなくてもよいし、第2筒状部62に第2窓部622を設けなくてもよい。
また、各上記実施の形態では、貫通孔631が受け板63に設けられている。しかし、受け板63に貫通孔631を設けなくてもよい。即ち、第1筒状部61と第2筒状部62とが筒状体の内部で受け板63によって完全に仕切られるようにしてもよい。さらに、第1筒状部61に対する第1鋼管1の接続端部1aの挿入量の調整と、第2筒状部62に対する第2鋼管2の接続端部2aの挿入量の調整とを行うことができるのであれば、受け板63はなくてもよい。
また、実施の形態1〜4、6及び7では、第1溝形成部64及び第2溝形成部65のそれぞれの位置が本体部材6の周方向で同一の位置となっている。しかし、第1溝形成部64及び第2溝形成部65のそれぞれの位置は、本体部材6の周方向で互いに異なっていてもよい。
また、実施の形態1〜4、6及び7では、第1筒状部61の内径が第2筒状部62の内径と同じになっている。しかし、第1筒状部61の内径は、第2筒状部62の内径と異なっていてもよい。この場合、第1鋼管1の接続端部1aの外径は、第1筒状部61の内径に合わせた外径になっている。また、第2鋼管2の接続端部2aの外径は、第2筒状部62の内径に合わせた外径になっている。これにより、第1鋼管1の接続端部1aの外径は、第2鋼管2の接続端部2aの外径と異なっている。このようにすれば、外径が互いに異なる第1鋼管1と第2鋼管2とを鋼管用継手3を介して接続することができる。
また、実施の形態1〜5では、第1突起部材4及び第2突起部材5のそれぞれの断面形状が矩形状になっている。しかし、第1突起部材4及び第2突起部材5のそれぞれの断面形状は、矩形状に限定されない。例えば、第1突起部材4の断面形状が、第1鋼管1の接続端部1aの外周面に沿った円弧状の内周面を持つ形状になっていてもよい。このようにすれば、第1突起部材4が第1鋼管1の外周面に固定される面積を大きくすることができ、第1鋼管1に対する第1突起部材4の固定強度を高めることができる。また、第2突起部材5の断面形状が、第2鋼管2の接続端部2aの外周面に沿った円弧状の内周面を持つ形状になっていてもよい。このようにすれば、第2突起部材5が第2鋼管2の外周面に固定される面積を大きくすることができ、第2鋼管2に対する第2突起部材5の固定強度を高めることができる。
また、実施の形態1〜5では、第1鋼管1及び第1突起部材4の断面において第1突起部材4の側面を延長した直線が第1鋼管1の中心軸線を通るように、第1鋼管1の外周面に対する第1突起部材4の側面の角度を調整してもよい。さらに、各上記実施の形態では、第2鋼管2及び第2突起部材5の断面において第2突起部材5の側面を延長した直線が第2鋼管2の中心軸線を通るように、第2鋼管2の外周面に対する第2突起部材5の側面の角度を調整してもよい。
また、各上記実施の形態では、下杭としての第1鋼管1の接続端部1aに鋼管用継手3を接続した後、上杭としての第2鋼管2の接続端部2aを鋼管用継手3に接続している。しかし、上杭としての第2鋼管2の接続端部2aを鋼管用継手3に接続した後、下杭としての第1鋼管1の接続端部1aに鋼管用継手3を接続してもよい。
1 第1鋼管、1a 接続端部、2 第2鋼管、2a 接続端部、3 鋼管用継手、4 第1突起部材、5 第2突起部材、6 本体部材、7 第1抜け止め機構、8 第2抜け止め機構、4a 突起第1端面、4b 突起第2端面、4c 一対の突起側面、41 段差部、44 突起本体部、45 テーパ部、61 第1筒状部、62 第2筒状部、63 受け板、64 第1溝形成部、64a 第1溝側壁部、65 第2溝形成部、65a 第2溝側壁部、66 第1鍔部、67 第2鍔部、71 第1抜け止め部材、72 第1保持具、81 第2抜け止め部材、82 第2保持具、91 第1押さえボルト(第1押さえ部材)、612 第1窓部(開口部)、622 第2窓部(開口部)、641 第1溝、651 第2溝、721 第1締付具、821 第2締付具。

Claims (11)

  1. 杭としてそれぞれ用いられる第1鋼管及び第2鋼管を同一軸線上で互いに接続する鋼管用継手であって、
    前記第1鋼管の接続端部の外周面に固定された第1突起部材、
    前記第1鋼管の接続端部に接続される第1継手接続部と、前記第2鋼管の接続端部に接続される第2継手接続部とを有する本体部材、及び
    前記第1継手接続部に設けられた第1抜け止め機構
    を備え、
    前記第1継手接続部及び前記第2継手接続部は、前記本体部材の軸線方向で互いに繋がっており、
    前記第1継手接続部は、第1溝形成部が設けられた第1筒状部を有しており、
    前記第1筒状部には、前記第1鋼管の接続端部が前記本体部材の軸線方向へ挿入可能であり、
    前記第1溝形成部には、前記第1鋼管の接続端部の前記第1筒状部への挿入に伴って前記第1突起部材が挿入される第1溝が前記本体部材の軸線方向に沿って形成されており、
    前記第1抜け止め機構は、第1抜け止め部材と、前記本体部材の軸線方向外側で前記第1溝の端部に対向する第1抜け止め位置に前記第1抜け止め部材を保持する第1保持具とを有している鋼管用継手。
  2. 前記第1筒状部の外周面には、前記第1溝形成部の周方向両側に配置された一対の第1鍔部が固定されており、
    前記第1保持具は、前記第1抜け止め位置にあるときの前記第1抜け止め部材を前記一対の第1鍔部にそれぞれ取り付ける一対の第1締付具を有している請求項1に記載の鋼管用継手。
  3. 前記第1抜け止め部材は、前記一対の第1締付具のそれぞれの締め付け力が緩んだ状態で一方の前記第1締付具を中心として回転可能になっている請求項2に記載の鋼管用継手。
  4. 前記第1溝形成部は、前記第1溝の両側面を形成する一対の第1溝側壁部を有しており、
    前記一対の第1溝側壁部は、前記第1筒状部の外周面に固定されており、
    前記一対の第1溝側壁部のうち、一方の前記第1溝側壁部には、他方の前記第1溝側壁部に前記第1突起部材を押さえる第1押さえ部材が貫通して取り付けられている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の鋼管用継手。
  5. 前記第1鋼管の接続端部の外周面には、前記第1鋼管の周方向へ互いに間隔をあけて配置された複数の前記第1突起部材が固定されており、
    前記第1筒状部には、前記第1突起部材の周方向位置に合わせてそれぞれ配置された複数の前記第1溝形成部及び複数の前記第1抜け止め機構が設けられている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の鋼管用継手。
  6. 前記第1突起部材には、前記第1鋼管の軸線方向で互いに対向する突起第1端面及び突起第2端面と、前記第1鋼管の周方向で互いに対向する一対の突起側面とが形成されており、
    前記突起第2端面は、前記突起第1端面よりも前記第1鋼管の接続端部の端面に近い位置に位置しており、
    前記突起第2端面及び前記一対の突起側面の少なくともいずれかには、段差部が前記第1鋼管の接続端部の外周面から離して形成されており、
    前記段差部が形成された面において前記段差部よりも前記第1鋼管の接続端部の外周面に近い領域は、溶接許容領域となっており、
    前記溶接許容領域には、前記第1突起部材を前記第1鋼管の接続端部の外周面に固定する溶接部が設けられている請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の鋼管用継手。
  7. 前記第1突起部材は、突起本体部と、前記突起本体部から前記第1鋼管の接続端部の端面に向かって突出するテーパ部とを有しており、
    前記テーパ部の幅寸法は、前記第1鋼管の接続端部の端面に向かって小さくなっている請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の鋼管用継手。
  8. 前記本体部材の外周面には、開口部が設けられている請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の鋼管用継手。
  9. 前記第2鋼管の接続端部の外周面に固定された第2突起部材、及び
    前記第2継手接続部に設けられた第2抜け止め機構
    を備え、
    前記第2継手接続部は、第2溝形成部が設けられた第2筒状部を有しており、
    前記第2筒状部には、前記第2鋼管の接続端部が前記本体部材の軸線方向へ挿入可能であり、
    前記第2溝形成部には、前記第2鋼管の接続端部の前記第2筒状部への挿入に伴って前記第2突起部材が挿入される第2溝が前記本体部材の軸線方向に沿って形成されており、
    前記第2抜け止め機構は、第2抜け止め部材と、前記本体部材の軸線方向外側で前記第2溝の端部に対向する第2抜け止め位置に前記第2抜け止め部材を保持する第2保持具とを有している請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の鋼管用継手。
  10. 前記本体部材は、前記第1筒状部と前記第2筒状部との間に固定された受け板を有しており、
    前記受け板は、前記第1筒状部に挿入された前記第1鋼管の接続端部を受けるとともに、前記第2筒状部に挿入された前記第2鋼管の接続端部を受ける請求項9に記載の鋼管用継手。
  11. 前記第2継手接続部は、前記第2鋼管の接続端部に溶接によって接続可能な溶接取付部を有している請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の鋼管用継手。
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