JP6262544B2 - フランジ接合部補強構造及びそれに用いられる環状保護部材 - Google Patents
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また、地震や不同沈下等により一対の挟持部材や一対のフランジ部に流体管の曲げ方向或いは引張方向等の力が作用した場合でも、一対の挟持部材のずれや離脱、更には、一対のフランジ部の離間を良好に防止して、耐震性能を維持し、流体管の内部を通流する流体の漏洩を確実に防止できることが望まれる。
平板状の環状保護部材が、前記一対のフランジ部の外側面のうちの一方側の面と前記一対の挟持部材の押圧部のうちの一方側の押圧部との隣接間、及び、前記一対のフランジ部の外側面のうちの他方側の面と前記一対の挟持部材の押圧部のうちの他方側の押圧部との隣接間のうち、少なくとも一方の隣接間に介装され、
前記環状保護部材には、前記少なくとも一方の隣接間に介装された状態で、前記連結ボルトの頭部又は前記連結ナットを挿通可能な開口部と、前記一対のフランジ部の外側面に対向する面とは反対側の面における前記一方側の押圧部又は前記他方側の押圧部により押圧される被押圧予定部位に形成される被押圧部とが設けられ、
前記被押圧部の径方向外方側部位には当該被押圧部よりもフランジ接合方向へ突出する段部が形成され、当該段部が、前記フランジ接合部補強治具が前記環状保護部材に対して径方向外方側へ離脱移動することを阻止する阻止壁として構成されている点にある。
このため、一対の挟持部材における一方側の押圧部又は他方側の押圧部が被押圧部に当て付けられた状態で締付手段により締付固定された際において、一対の挟持部材や一対のフランジ部に流体管の曲げ方向或いは引張方向等の力が作用し、一対の挟持部材が一対のフランジ部に対して径方向外方側に相対移動した場合でも、少なくとも一方側の押圧部及び他方側の押圧部の何れかが被押圧部の径方向外方側に位置する段部に当接することとなる。これにより、当該段部が、一対の挟持部材(フランジ接合部補強治具)が環状保護部材(一対のフランジ部)に対して径方向外方側へ離脱移動することを阻止する阻止壁として機能するため、少なくとも一方側の押圧部及び他方側の押圧部の何れかを被押圧部に当て付けた状態を維持することができ、一対の挟持部材(フランジ接合部補強治具)が一対のフランジ部から離脱することを確実に防止することができる。従って、一対の挟持部材のずれや離脱、更には、一対のフランジ部の離間を良好に防止でき、耐震性能を維持し、流体管の内部を通流する流体の漏洩を確実に防止することができる。
加えて、一対の挟持部材を一対のフランジ部に装着する際に、フランジ接合方向において当該段部よりも窪み形成される被押圧部に一方側の押圧部又は他方側の押圧部を当て付けた状態で締結手段をある程度締付(仮組み)することで、一対の挟持部材を所定の装着位置に容易且つ確実に位置決めすることができる。
これにより、当該両段部が、一対の挟持部材(フランジ接合部補強治具)が環状保護部材(一対のフランジ部)に対して周方向へ離脱移動することを阻止する阻止壁として機能するため、少なくとも一方側の押圧部及び他方側の押圧部の何れかを各被押圧部に当て付けた状態を維持することができ、一対の挟持部材(フランジ接合部補強治具)が一対のフランジ部から離脱することをより一層確実に防止することができる。
フランジ接合方向視において、前記分割保護部材の嵌合部と隣接する他の前記分割保護部材の被嵌合部とが重なり合う状態で、当該嵌合部が当該被嵌合部に嵌合連結されている点にある。
これにより、一対のフランジ部の外側面の少なくとも一方に一対の挟持部材の押圧部が直接当て付けられて傷がつくことを確実に防止でき、腐食等の発生により流体管及び一対のフランジ部の耐久性が低下することを良好に防止することができる。また、これら連結ボルトの頭部や連結ナットの締付連結を維持したまま、当該連結ボルトの頭部及び連結ナットをかわした状態で、環状保護部材を一対のフランジ部の外側面と一対の挟持部材の押圧部との両隣接間のうち少なくとも一方の隣接間に確実に介装できるとともに、当該環状保護部材を介装する際に、連結ボルトの頭部や連結ナットを当該開口部に挿通させて、環状保護部材の位置決めを容易且つ確実に行うことができる。さらに、一対の挟持部材のずれや離脱、更には、一対のフランジ部の離間を良好に防止でき、耐震性能を維持し、流体管の内部を通流する流体の漏洩を確実に防止することができる。
よって、一対の挟持部材のずれや離脱を防止して耐震性能を維持しつつ、一対のフランジ部の外側面を保護して耐久性を向上し得るフランジ接合部補強構造に用いられる環状保護部材を得ることができた。
図1及び図2は流体配管系(管路)の途中のフランジ接合部を示し、鋳鉄製の両水道管(両流体管の一例)1、1の端部にそれぞれ径方向外方に円板状に延出形成された一対のフランジ部1A、1Bが、リング状でシート状のガスケット(環状シール材の一例)2を両フランジ部1A、1B間に介装させた状態で、複数の連結ボルト4A及び連結ナット4B(本実施形態では、6ヶずつ)により連結されている。両フランジ部1A、1Bには、フランジ接合方向(軸方向)に貫通する複数の貫通孔3(本実施形態では、6ヶ所ずつ)が周方向で等間隔に形成され、これら貫通孔3に連結ボルト4Aが挿通されて、当該連結ボルト4Aの雄ネジ部4bの先端側に連結ナット4Bが螺合固定される。なお、本実施形態の両フランジ部1A、1Bは、いわゆるRF形フランジである。
図3、図5〜図8に示すように、フランジ接合部補強治具Pは、上述のようにボルト連結されている両フランジ部1A、1Bにおいて、フランジ部1Aの外側面1aに当接して押圧可能な押圧部5Cを備えた第1挟持部材5及びフランジ部1Bの外側面1aに当接して押圧可能な押圧部6Bを備えた第2挟持部材6と、これら第1挾持部材5の押圧部5C及び第2挟持部材6の押圧部6Bを両フランジ部1A、1Bの外側面1a、1aにそれぞれ当て付けた状態で、当該第1挾持部材5及び第2挟持部材6をフランジ接合方向(軸方向)に引き寄せて締付固定する締結手段7とを備える。
また、筒状内部空間6cにおいて、押圧部6Bが形成された側とは反対側は開口形成され、押圧部6Bが形成された側は、締結ボルト7Aの雄ネジ部7aを挿入可能で且つ頭部7bを挿通不能な挿通孔6dが、外嵌合部6Aの底部を貫通する状態で開口形成されている。なお、締結ボルト7Aの雄ネジ部7aが挿通孔6dに挿通された状態では、雄ネジ部7aの外周面と挿通孔6dの内周面との間には、所定の隙間が形成される(図5参照)。
図3〜図5、図9〜図11に示すように、環状保護部材Rは、平板状に形成された半円状の一対の分割保護部材R1により構成されている。即ち、環状保護部材Rは、周方向において二分割され、各分割保護部材R1の両端部同士が連結されることで円環形状となるように構成されている。各分割保護部材R1の両端同士が連結されて円環形状となった状態では、内周面(図示せず)及び外周面(図示せず)が同心円となるように構成され、両フランジ部1A、1Bの外周面1cよりも若干小径の外径を備え、且つ、流体管1の外径よりも若干大径の内径を備えている。なお、平板状の環状保護部材R1は、基本的に、表面Rfと裏面Rrとが平行な状態で且つ一定の厚みとなるように形成されている。また、各分割保護部材R1は、金属部材により構成されているが、その他の部材で構成することもできる。
また、各被押圧凹部9は、側面視で、各分割保護部材R1の表面Rfにおいて各分割保護部材R1の外周面(径方向外方側の面、図示せず)よりも内周面(径方向内方側の面、図示せず)側に偏倚した位置に配置され、各被押圧凹部9の内径側部位が各分割保護部材R1の内周面側に連通するように構成されている。即ち、各被押圧凹部9は、分割保護部材R1の内周面側に開口した概略コ字形状の段部9Aにより形成され、各段部9Aは各分割保護部材R1の表面Rfに対して略直交し、各分割保護部材R1の厚さ方向に沿う直線状に立設されている。
従って、各被押圧凹部9の厚さは、各被押圧凹部9が形成された部位以外の各分割保護部材R1の厚さよりも薄くなるように形成されているが、上述のように、第1挟持部材5の押圧部5C及び第2挟持部材6の押圧部6Bはテーパー形状に形成されているので、概略コ字形状の段部9Aにより阻害されることなく、押圧部5Cの押圧面5e及び押圧部6Bの押圧面6eが各被押圧凹部9に当接可能に構成されている。
これにより、嵌合部10を被嵌合部11に嵌合連結することで、周方向における各分割保護部材R1同士の相対移動を良好に防止できるとともに、各分割保護部材R1が確実に嵌合連結されて環状保護部材Rを確実に円環形状に維持することができる。
具体的には、一方側の分割保護部材R1の嵌合部10の突出部10bを他方側の分割保護部材R1の被嵌合部11の貫通孔部11bに嵌合連結し、窪み部10a、11a同士を分割保護部材R1の厚さ方向で重なり合わせる。この状態で、図3〜図5に示すように、各分割保護部材R1を、各円形貫通孔8に各締結ボルト4Aの頭部が挿通され、且つ、裏面Rrがフランジ部1Bの外側面1aに当接するように装着する。
また、嵌合部10と被嵌合部11との嵌合が、突出部10bをフランジ接合方向から貫通孔部11bに嵌合連結させるだけの非常に簡便な作業で済むことに加えて、各分割保護部材R1が一対のフランジ部1A、1Bに対して周方向に相対移動しようとしても、フランジ接合方向で嵌合連結する突出部10bと貫通孔部11bとにより当該相対移動が良好に阻止され、しかも、突出部10bと貫通孔部11bとが嵌合連結することで、各分割保護部材R1を簡便に円環形状に維持することが可能となる。
この際には、内嵌合部5Aの外面5aと外嵌合部6Aの内面6bとが横断面視で相対回転不能な概略正方形状に形成されているので、第1挟持部材5の押圧部5Cと第2挟持部材6の押圧部6Bとを同方向に延出させた所期の相対位置関係に位置決めした状態で、容易に嵌合させることができる。すなわち、第1挟持部材5の押圧部5Cの押圧面5eと第2挟持部材6の押圧部6Bの押圧面6eとが、フランジ接合方向で対向するように、内嵌合部5Aが外嵌合部6Aに嵌合される(図5参照)。
ここで、内嵌合部5Aと外嵌合部6Aとの嵌合は、一旦、フランジ接合方向において、押圧面5eと押圧面6eとの間隔が、フランジ部1Aに装着された環状保護部材Rの表面Rfとフランジ部1Bに装着された環状保護部材Rの表面Rfとの間隔よりも大きくなる程度に行われる。
そして、締結ボルト7Aの雄ネジ部7aを、フランジ接合方向における外嵌合部6Aの外側から挿通孔6dを介して筒状内部空間6c内に挿入し、当該締結ボルト7Aの頭部7bが外嵌合部6Aの外側面(図示せず)に当接するまで、筒状内部空間6cに嵌合されている内嵌合部5Aの雌ネジ部5dに螺合させ締付固定する。
また、この状態では、フランジ接合方向において、被押圧凹部9の少なくとも一部が一対のフランジ部1A、1Bの対向面間を密封するガスケット2の配設箇所と重なる部位に配置され、両押圧面5e、6eが当該部位を押圧するように配置されている。これにより、フランジ接合方向視において、締結手段7を締付固定することで、両押圧面5e、6eにより、被押圧凹部9の少なくとも一部を介して当該部位を確実に押圧することができるので、一対のフランジ部1A、1Bによりガスケット2を確実に押圧することができ、一対のフランジ部1A、1B間の密封性を向上して止水性能を向上することができる。
これにより、当該第1直線状段部9aが、第1挟持部材5及び第2挟持部材6(フランジ接合部補強治具P)が環状保護部材R(一対のフランジ部1A、1B)に対して径方向外方側へ離脱移動することを阻止する阻止壁として機能するため、両押圧面5e、6eを各被押圧凹部9に当て付けた状態を維持することができ、第1挟持部材5及び第2挟持部材6(フランジ接合部補強治具P)が一対のフランジ部1A、1Bから離脱することをより一層確実に防止することができる。
これにより、当該第2直線状段部9bが、第1挟持部材5及び第2挟持部材6(フランジ接合部補強治具P)が環状保護部材R(一対のフランジ部1A、1B)に対して周方向へ離脱移動することを阻止する阻止壁として機能するため、両押圧面5e、6eを各被押圧凹部9に当て付けた状態を維持することができ、第1挟持部材5及び第2挟持部材6(フランジ接合部補強治具P)が一対のフランジ部1A、1Bから離脱することをより一層確実に防止することができる。
従って、両フランジ部1A、1Bの呼び径や設計圧力に応じて、両フランジ部1A、1Bの肉厚が変更される場合(例えば、両フランジ部1A、1Bの肉厚よりも薄い肉厚や厚い肉厚の両フランジ部にフランジ接合部補強治具Pを装着する場合)や、環状保護部材Rの厚さが適宜変更される場合であっても、内嵌合部5Aと外嵌合部6Aとの重なり部位の大きさ(嵌合距離)を調整することで、第1挟持部材5の押圧部5Cの押圧面5eを環状保護部材Rの被押圧凹部9に当接させ且つ第2挟持部材6の押圧部6Bの押圧面6eを環状保護部材Rの被押圧凹部9に当接させた状態で、内嵌合部5Aの雌ネジ部5dに締結ボルト7Aの雄ネジ部7aを螺合させて内嵌合部5A及び外嵌合部6A、ひいては、第1挟持部材5及び第2挟持部材6を両フランジ部1A、1Bに良好に締付固定することができる。
(A)上記実施形態では、環状保護部材Rとしての一対の分割保護部材R1の夫々に、概略コ字形状の段部9Aにより形成される被押圧凹部(被押圧部の一例)9を複数設け、連結ボルト4Aの頭部又は連結ナット4Bを挿通可能な円形貫通孔8(開口部の一例)を複数設ける構成としたが、環状保護部材Rとしては、その他の構成を採用することができる。
そして、各分割保護部材R2の内周面には、各分割保護部材R2の厚み方向視(側面視)で当該内周面から外周面側(径方向外方側)に向かって窪み形成され、各分割保護部材R2の表面Rfから裏面Rrに亘って貫通形成される挿通用開口部8A(開口部の一例)が、周方向に等間隔を空けて複数形成されている(図12では、3箇所ずつ)。各挿通用開口部8Aは、当該厚み方向視で内周面側が開口する概略コ字形状に形成され、各分割保護部材R2の裏面Rrを両フランジ部1A、1Bの外側面1a、1aに当接させた状態で装着した際に、一対のフランジ部1A、1Bを締付連結する連結ボルト4Aの頭部又は連結ナット4Bを挿通可能な位置に貫通形成されている。なお、各分割保護部材R2の外周面には、側面視で、各挿通用開口部8Aが形成された部位に略対応する位置に、径方向外方側に突出する凸部13が周方向に複数形成されているため(図12では、3箇所ずつ)、凸部13の隣接間には、フランジ接合部補強治具Pを装着する際或いは装着した際に当該フランジ接合部補強治具Pの位置決めを行うことのできる凹部12が複数形成されている(図12では、3箇所ずつ)。
各分割保護部材R2の表面Rfには、側面視で、当該表面Rf側から裏面Rr側に向かって窪み形成される被押圧凹部(被押圧部の一例)90が周方向に間隔を空けて複数形成され(図12では、周方向に2箇所ずつ)、各被押圧凹部90は、周方向において各挿通用開口部8Aの隣接間に配置されている。
また、各被押圧凹部90は、側面視で、各分割保護部材R2の表面Rfにおいて各分割保護部材R2の外周面(径方向外方側の面、図示せず)よりも内周面(径方向内方側の面、図示せず)側に偏倚した位置に配置され、各被押圧凹部90の内径側部位が各分割保護部材R2の内周面側に連通し、周方向両端部位が隣接する挿通用開口部8Aに連通するように構成されている。即ち、各被押圧凹部90は、各分割保護部材R2の内周面と同心円状の円弧形状で且つ隣接する挿通用開口部8Aに対して周方向から交差する円弧状段部9Bにより形成され、各円弧状段部9Bは各分割保護部材R2の表面Rfに対して略直交し、各分割保護部材R2の厚さ方向に沿う直線状に立設されている。
従って、各被押圧凹部90の厚さは、各被押圧凹部90が形成された部位以外の各分割保護部材R2の厚さよりも薄くなるように形成されているが、上述のように、第1挟持部材5の押圧部5C及び第2挟持部材6の押圧部6Bはテーパー形状に形成されているので、円弧状段部9Bにより阻害されることなく、押圧部5Cの押圧面5e及び押圧部6Bの押圧面6eが各被押圧凹部90に当接可能に構成されている。そして、円弧状段部9Bは、側面視で、各被押圧凹部90の径方向外方側に位置するので、両押圧面5e、6eが各被押圧凹部90に対して径方向外方側に離脱移動することを阻止する阻止壁として機能する。
さらに、図示しないが、環状保護部材Rにおける被押圧部は、環状保護部材Rの裏面Rrを両フランジ部1A、1Bの外側面1a、1aに当接させた状態で装着した際に、第1挟持部材5における押圧部5Cの押圧面5eや第2挟持部材6における押圧部6Bの押圧面6eにより押圧される被押圧予定部位に形成される被押圧部であれば、上述の被押圧凹部9、90のような構成である必要はなく、その形状及び数等は適宜変更することができる。例えば、図示しないが、環状保護部材Rの被押圧部を、一対のフランジ部1A、1Bの外側面1a、1aに対向する面とは反対側の面(表面Rf)における一方側の押圧部5C又は他方側の押圧部6Bにより押圧される被押圧予定部位において、当該表面Rfと同一平面上に形成することもできる。この場合、当該表面Rfに形成された被押圧部の径方向外方側部位に、当該被押圧部よりもフランジ接合方向においてフランジ部1A又はフランジ部1Bの外側面1aに対して離間する方向へ突出する段部(即ち、突起部)を形成することとなる。なお、この段部が、フランジ接合部補強治具Pが環状保護部材Rに対して径方向外方側へ離脱移動することを阻止する阻止壁として構成されることとなる。
加えて、環状保護部材Rの周方向における分割数を二分割ではなく、三分割以上に分割した構成とすることもできる。
例えば、図13に示すように、フランジ接合部補強治具Pにおける一対の挟持部材を第1挟持部材50及び第2挟持部材60により構成することができる。
具体的には、第1挟持部材50を、一対の脚部50A、50Bを備えた概略コ字形状部材により構成し、第2挟持部材60を、脚部50Bの貫通雌ネジ孔(締結手段70の一例)50aに螺合装着される雄ネジ軸部70aを備えたボルト(締結手段70の一例)70Aにより構成する。また、第1挟持部材5の脚部50Aの先端部を押圧部50Cとして構成し、当該押圧部50Cの内周面に押圧面50eを形成するとともに、ボルト70Aの先端を押圧部としての円形状の押圧面60Aとして構成する。なお、押圧面50eと押圧面60Aとは、フランジ接合方向で対向する位置に位置している。
そして、環状保護部材Rとして二分割された半円状の分割保護部材R3を採用する。各分割保護部材R3は、上述の分割保護部材R1の構成と略同様の構成であるが、被押圧凹部(被押圧部の一例)91の構成が被押圧凹部9の構成とは異なっている。具体的には、被押圧凹部91は、各分割保護部材R3の表面Rfにおいて、側面視で円形状に形成され、周方向に複数配置されている。円形状の被押圧凹部91の内径は、ボルト70Aにおける雄ネジ軸部70aの先端に形成された押圧面60Aの外径よりも若干大径に形成されている。
これにより、一対の分割保護部材R3を、連結ボルト4Aの頭部を円形貫通孔8に挿通させ且つフランジ部1Bの外側面1aに裏面Rrを当接させた状態で装着し、第1挟持部材50の脚部50Bにおける貫通雌ネジ孔50aにボルト70Aを螺合させ、更に締め込むことにより、ボルト70Aの押圧面60Aを被押圧凹部91に当接させ且つ脚部50Aの押圧面50eをフランジ部1Aの外側面1aに当接させて、第1挟持部材50及び第2挟持部材60により一対のフランジ部1A、1Bをフランジ接合方向で締付固定する構成とすることができる。
また、例えば、上記実施形態では、第1挟持部材5の内嵌合部5Aと第2挟持部材6の外嵌合部6Aとの嵌合形状、すなわち、横断面視で、内嵌合部5Aの外面5a及び外嵌合部6Aの内面6bの形状を、概略正方形状としたが、内嵌合部5Aと外嵌合部6Aとが嵌合された状態でフランジ接合方向周りでの相対回転が不能に構成されていれば、その他の嵌合形状を採用することもできる。例えば、横断面視で、内嵌合部5Aの外面5a及び外嵌合部6Aの内面6bの形状を、楕円形状、多角形状等に構成することができる。
しかしながら、一対の分割保護部材R1を、当該各分割保護部材R1の裏面Rrがフランジ部1Bの外側面1aに当接する装着状態及びフランジ部1Aの外側面1aに当接する装着状態の何れか一方のみとすることもできる。
同様に、環状保護部材Rの厚さも適宜変更することができる。
1B フランジ部
1a 外側面
2 ガスケット(環状シール材)
3 貫通孔
4A 連結ボルト
4a 頭部
4B 連結ナット
5 第1挟持部材(挟持部材)
5C 押圧部
5d 雌ネジ部(締結手段)
5e 押圧面
6 第2挟持部材(挟持部材)
6B 押圧部
6e 押圧面
7 締結手段
7A 締結ボルト(締結手段)
8 円形貫通孔(開口部)
8A 挿通用開口部(開口部)
9 被押圧凹部(被押圧部)
9A 段部
9B 円弧状段部(阻止壁)
9a 第1直線状段部(段部、阻止壁)
9b 第2直線状段部(段部、阻止壁)
10 嵌合部
10b 突出部
11 被嵌合部
11b 貫通孔部
50 第1挟持部材
50C 押圧部
50a 貫通雌ネジ孔(締結手段)
50e 押圧面
60 第2挟持部材
60A 押圧面
70 締結手段
70A ボルト(締結手段)
90 被押圧凹部(被押圧部)
91 被押圧凹部(被押圧部)
M フランジ接合部補強構造
P フランジ接合部補強治具
R 環状保護部材
R1 分割保護部材(環状保護部材)
R2 分割保護部材(環状保護部材)
R3 分割保護部材(環状保護部材)
Rf 表面
Rr 裏面
Claims (10)
- 周方向に複数配置される連結ボルト及び連結ナットにより締付連結される一対のフランジ部の外側面を、各別に押圧可能な押圧部を有する一対の挟持部材と、前記一対の挟持部材の押圧部を前記一対のフランジ部の外側面に対して各別に押圧した状態で、フランジ接合方向に引き寄せて締付固定する締結手段とを備えたフランジ接合部補強治具が、前記一対のフランジ部に複数装着されるフランジ接合部補強構造であって、
平板状の環状保護部材が、前記一対のフランジ部の外側面のうちの一方側の面と前記一対の挟持部材の押圧部のうちの一方側の押圧部との隣接間、及び、前記一対のフランジ部の外側面のうちの他方側の面と前記一対の挟持部材の押圧部のうちの他方側の押圧部との隣接間のうち、少なくとも一方の隣接間に介装され、
前記環状保護部材には、前記少なくとも一方の隣接間に介装された状態で、前記連結ボルトの頭部又は前記連結ナットを挿通可能な開口部と、前記一対のフランジ部の外側面に対向する面とは反対側の面における前記一方側の押圧部又は前記他方側の押圧部により押圧される被押圧予定部位に形成される被押圧部とが設けられ、
前記被押圧部の径方向外方側部位には当該被押圧部よりもフランジ接合方向へ突出する段部が形成され、当該段部が、前記フランジ接合部補強治具が前記環状保護部材に対して径方向外方側へ離脱移動することを阻止する阻止壁として構成されているフランジ接合部補強構造。 - 前記被押圧部が周方向に複数形成されるとともに、各被押圧部の周方向の両側部位には当該各被押圧部よりもフランジ接合方向へ突出する段部が形成され、当該両段部が、前記フランジ接合部補強治具が前記環状保護部材に対して周方向へ離脱移動することを阻止する阻止壁として構成されている請求項1に記載のフランジ接合部補強構造。
- フランジ接合方向視において、前記被押圧部の少なくとも一部が前記一対のフランジ部の対向面間を密封する環状シール材の配設箇所と重なる部位に配置され、前記一方側の押圧部及び前記他方側の押圧部の少なくとも一方が当該部位を押圧するように構成されている請求項1又は2に記載のフランジ接合部補強構造。
- 前記被押圧部が周方向に複数形成され、各被押圧部が周方向において前記連結ボルト及び前記連結ナットの隣接間に配置され、前記フランジ接合部補強治具が周方向に複数配置される前記連結ボルト及び前記連結ナットの隣接間に配置されている請求項1〜3の何れか一項に記載のフランジ接合部補強構造。
- 前記環状保護部材が、周方向に複数分割された分割保護部材により構成され、各分割保護部材の一端部に形成される嵌合部と他端部に形成される被嵌合部とを備え、
フランジ接合方向視において、前記分割保護部材の嵌合部と隣接する他の前記分割保護部材の被嵌合部とが重なり合う状態で、当該嵌合部が当該被嵌合部に嵌合連結されている請求項1〜4の何れか一項に記載のフランジ接合部補強構造。 - 前記嵌合部が前記各分割保護部材の一端部からフランジ接合方向に突出する突出部であり、前記被嵌合部が前記各分割保護部材の他端部においてフランジ接合方向に貫通する貫通孔部である請求項5に記載のフランジ接合部補強構造。
- 前記開口部が、前記連結ボルトの頭部又は前記連結ナットを挿通可能な円形状に開口形成されている請求項1〜6の何れか一項に記載のフランジ接合部補強構造。
- 前記段部は、前記環状保護部材の表面から直線状に立設している請求項1〜7の何れか一項に記載のフランジ接合部補強構造。
- 前記一対の挟持部材が、互いに嵌合する内嵌合部と外嵌合部とを夫々備え、
前記一対の挟持部材の前記押圧部の夫々が、前記内嵌合部又は前記外嵌合部から外方側に延出している請求項1〜8の何れか一項に記載のフランジ接合部補強構造。 - 請求項1〜9の何れか一項に記載のフランジ接合部補強構造に用いられる前記環状保護部材。
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