JP6262544B2 - フランジ接合部補強構造及びそれに用いられる環状保護部材 - Google Patents

フランジ接合部補強構造及びそれに用いられる環状保護部材 Download PDF

Info

Publication number
JP6262544B2
JP6262544B2 JP2014008787A JP2014008787A JP6262544B2 JP 6262544 B2 JP6262544 B2 JP 6262544B2 JP 2014008787 A JP2014008787 A JP 2014008787A JP 2014008787 A JP2014008787 A JP 2014008787A JP 6262544 B2 JP6262544 B2 JP 6262544B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flange
pair
pressing
pressed
flange joint
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014008787A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015137683A (ja
Inventor
充弘 森
充弘 森
博教 佐々木
博教 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Waterworks Technology Development Organization Co Ltd
Original Assignee
Waterworks Technology Development Organization Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Waterworks Technology Development Organization Co Ltd filed Critical Waterworks Technology Development Organization Co Ltd
Priority to JP2014008787A priority Critical patent/JP6262544B2/ja
Publication of JP2015137683A publication Critical patent/JP2015137683A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6262544B2 publication Critical patent/JP6262544B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、周方向に複数配置される連結ボルト及び連結ナットにより締付連結される一対のフランジ部の外側面を、各別に押圧可能な押圧部を有する一対の挟持部材と、一対の挟持部材の押圧部を一対のフランジ部の外側面に対して各別に押圧した状態で、フランジ接合方向に引き寄せて締付固定する締結手段とを備えたフランジ接合部補強治具が、一対のフランジ部に複数装着されるフランジ接合部補強構造、及び、そのフランジ接合部補強構造に用いられる環状保護部材に関する。
かかるフランジ接合部補強治具として、例えば、特許文献1には、一対の挟持部材においてフランジ接合方向で相対向する部位に、一対のフランジ部の外周面よりも径方向外方側位置に形成された一対のボルト螺合孔(締結手段の一例)が形成され、一対の挟持部材においてボルト螺合孔よりも径方向内方側位置に形成された押圧部を一対のフランジ部の外側面に各別に当て付けた状態で、両ネジボルト(締結手段の一例)を一対のボルト螺合孔に亘って螺合させた構成が開示されている。そして、当該フランジ接合部補強治具が、一対のフランジ部に複数装着された構成のフランジ接合部補強構造が開示されている。
また、かかるフランジ接合部補強治具として、例えば、特許文献2には、一対の挟持部材の一方が一対の脚部を備えた概略コ字形状部材で構成され、一対の挟持部材の他方が一対の脚部のうちの一方の脚部に螺合装着されるボルト(締結手段の一例)により構成されており、ボルトの先端及びコ字形状部材の当該ボルトが装着されていない他方の脚部の内周面が、一対のフランジ部の外側面を各別に押圧する押圧部とされた構成が開示されている。これにより、一方の脚部にボルトを螺合させ、更に締め込むことにより、ボルトの先端及び他方の脚部の内周面をフランジ部の外側面に各別に当接させて、一対の挟持部材(コ字形状部材及びボルト)により一対のフランジ部をフランジ接合方向で締付固定する構成とされている。そして、当該フランジ接合部補強治具が、一対のフランジ部に複数装着された構成のフランジ接合部補強構造が開示されている。
これらフランジ接合部補強構造では、一対の挟持部材を締結手段により締付固定することで、周方向で複数の連結ボルト・連結ナットによる一対のフランジ部の接合強度に加えて、締結手段による締結強度も付加することができ、一対のフランジ部に曲げ方向或いは引張方向に力が作用した場合でも、一対のフランジ部が離間することを防止して気密性を保持できるとされている。
特許第4157413号公報 特許第4363565号公報
ここで、一対のフランジ部は、通常、鋳鉄等の金属部材からなる流体管に一体形成されているため、一対の挟持部材の押圧部を一対のフランジ部の外側面に各別に当て付けた状態で、一対の挟持部材を締結手段により締付固定すると、これら外側面についた傷により錆等の腐食が発生する虞があり、流体管及び一対のフランジ部の耐久性向上の観点から改善の余地がある。
また、地震や不同沈下等により一対の挟持部材や一対のフランジ部に流体管の曲げ方向或いは引張方向等の力が作用した場合でも、一対の挟持部材のずれや離脱、更には、一対のフランジ部の離間を良好に防止して、耐震性能を維持し、流体管の内部を通流する流体の漏洩を確実に防止できることが望まれる。
これら点について着目すると、上記特許文献1に開示のフランジ接合部補強構造では、一対の挟持部材の押圧部が一対のフランジ部の外側面に直接当て付けられる構成であり、また、上記特許文献2に開示のフランジ接合部補強構造では、ボルトがコ字形状部材の一方の脚部に管軸方向の外方側から螺合装着され、ボルトの先端がフランジ部の外側面に直接当て付けられる構成であるため、当該外側面に傷がつき腐食等の原因となり、流体管や一対のフランジ部の耐久性が低下する虞がある。
また、上記特許文献1及び2に開示のフランジ接合部補強構造では、一対の挟持部材や一対のフランジ部に曲げ方向或いは引張方向等の力が作用した際には、一対の挟持部材と一対のフランジ部とが相対移動し、一対の挟持部材が所期の装着位置からずれたり、一対のフランジ部の外側面から離脱したりする虞がある。このような場合、所期の耐震性能を維持できなくなるとともに、一対のフランジ部が離間して流体が漏洩する可能性がある。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、一対の挟持部材のずれや離脱を防止して耐震性能を維持しつつ、一対のフランジ部の外側面を保護して耐久性を向上し得るフランジ接合部補強構造、及び、そのフランジ接合部補強構造に用いられる環状保護部材を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係るフランジ接合部補強構造は、周方向に複数配置される連結ボルト及び連結ナットにより締付連結される一対のフランジ部の外側面を、各別に押圧可能な押圧部を有する一対の挟持部材と、前記一対の挟持部材の押圧部を前記一対のフランジ部の外側面に対して各別に押圧した状態で、フランジ接合方向に引き寄せて締付固定する締結手段とを備えたフランジ接合部補強治具が、前記一対のフランジ部に複数装着されるフランジ接合部補強構造であって、その特徴構成は、
平板状の環状保護部材が、前記一対のフランジ部の外側面のうちの一方側の面と前記一対の挟持部材の押圧部のうちの一方側の押圧部との隣接間、及び、前記一対のフランジ部の外側面のうちの他方側の面と前記一対の挟持部材の押圧部のうちの他方側の押圧部との隣接間のうち、少なくとも一方の隣接間に介装され、
前記環状保護部材には、前記少なくとも一方の隣接間に介装された状態で、前記連結ボルトの頭部又は前記連結ナットを挿通可能な開口部と、前記一対のフランジ部の外側面に対向する面とは反対側の面における前記一方側の押圧部又は前記他方側の押圧部により押圧される被押圧予定部位に形成される被押圧部とが設けられ、
前記被押圧部の径方向外方側部位には当該被押圧部よりもフランジ接合方向へ突出する段部が形成され、当該段部が、前記フランジ接合部補強治具が前記環状保護部材に対して径方向外方側へ離脱移動することを阻止する阻止壁として構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、平板状の環状保護部材が一対のフランジ部の外側面と一対の挟持部材の押圧部との両隣接間のうち少なくとも一方の隣接間に介装されるので、一対の挟持部材の押圧部のうち一方側の押圧部又は他方側の押圧部が、当該環状保護部材に当接するものの、一対のフランジ部の外側面には直接当接しない状態で、一対の挟持部材を締結手段により一対のフランジ部の外側面に締付固定することができる。これにより、一対のフランジ部の外側面の少なくとも一方に一対の挟持部材の押圧部が直接当て付けられて傷がつくことを確実に防止でき、腐食等の発生により流体管及び一対のフランジ部の耐久性が低下することを良好に防止することができる。
また、環状保護部材には、一対のフランジ部を締付連結する連結ボルトの頭部又は連結ナットを挿通可能な開口部が設けられているので、これら連結ボルトの頭部や連結ナットの締付連結を維持したまま、当該連結ボルトの頭部及び連結ナットをかわした状態で、環状保護部材を一対のフランジ部の外側面と一対の挟持部材の押圧部との両隣接間のうち少なくとも一方の隣接間に確実に介装できるとともに、当該環状保護部材を介装する際に、連結ボルトの頭部や連結ナットを当該開口部に挿通させて、環状保護部材の位置決めを容易且つ確実に行うことができる。
さらに、環状保護部材には、一対のフランジ部の外側面に対向する面とは反対側の面における一方側の押圧部又は他方側の押圧部により押圧される被押圧予定部位に形成される被押圧部が設けられ、被押圧部の径方向外方側部位には当該被押圧部よりもフランジ接合方向へ突出する段部が形成され、当該段部が、フランジ接合部補強治具が環状保護部材に対して径方向外方側へ離脱移動することを阻止する阻止壁として構成されている。
このため、一対の挟持部材における一方側の押圧部又は他方側の押圧部が被押圧部に当て付けられた状態で締付手段により締付固定された際において、一対の挟持部材や一対のフランジ部に流体管の曲げ方向或いは引張方向等の力が作用し、一対の挟持部材が一対のフランジ部に対して径方向外方側に相対移動した場合でも、少なくとも一方側の押圧部及び他方側の押圧部の何れかが被押圧部の径方向外方側に位置する段部に当接することとなる。これにより、当該段部が、一対の挟持部材(フランジ接合部補強治具)が環状保護部材(一対のフランジ部)に対して径方向外方側へ離脱移動することを阻止する阻止壁として機能するため、少なくとも一方側の押圧部及び他方側の押圧部の何れかを被押圧部に当て付けた状態を維持することができ、一対の挟持部材(フランジ接合部補強治具)が一対のフランジ部から離脱することを確実に防止することができる。従って、一対の挟持部材のずれや離脱、更には、一対のフランジ部の離間を良好に防止でき、耐震性能を維持し、流体管の内部を通流する流体の漏洩を確実に防止することができる。
加えて、一対の挟持部材を一対のフランジ部に装着する際に、フランジ接合方向において当該段部よりも窪み形成される被押圧部に一方側の押圧部又は他方側の押圧部を当て付けた状態で締結手段をある程度締付(仮組み)することで、一対の挟持部材を所定の装着位置に容易且つ確実に位置決めすることができる。
よって、一対の挟持部材のずれや離脱を防止して耐震性能を維持しつつ、一対のフランジ部の外側面を保護して耐久性を向上し得るフランジ接合部補強構造を得ることができた。
本発明に係るフランジ接合部補強構造の更なる特徴構成は、前記被押圧部が周方向に複数形成されるとともに、各被押圧部の周方向の両側部位には当該各被押圧部よりもフランジ接合方向へ突出する段部が形成され、当該両段部が、前記フランジ接合部補強治具が前記環状保護部材に対して周方向へ離脱移動することを阻止する阻止壁として構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、一対の挟持部材における一方側の押圧部又は他方側の押圧部が被押圧部に当て付けられた状態で締付手段により締付固定された際において、一対の挟持部材や一対のフランジ部に流体管の曲げ方向或いは引張方向等の力が作用し、一対の挟持部材が一対のフランジ部に対して周方向に相対移動した場合でも、少なくとも一方側の押圧部及び他方側の押圧部の何れかが各被押圧部の周方向の両側に位置する段部の何れかに当接することとなる。
これにより、当該両段部が、一対の挟持部材(フランジ接合部補強治具)が環状保護部材(一対のフランジ部)に対して周方向へ離脱移動することを阻止する阻止壁として機能するため、少なくとも一方側の押圧部及び他方側の押圧部の何れかを各被押圧部に当て付けた状態を維持することができ、一対の挟持部材(フランジ接合部補強治具)が一対のフランジ部から離脱することをより一層確実に防止することができる。
本発明に係るフランジ接合部補強構造の更なる特徴構成は、フランジ接合方向視において、前記被押圧部の少なくとも一部が前記一対のフランジ部の対向面間を密封する環状シール材の配設箇所と重なる部位に配置され、前記一方側の押圧部及び前記他方側の押圧部の少なくとも一方が当該部位を押圧するように構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、フランジ接合方向視において、被押圧部の少なくとも一部が一対のフランジ部の対向面間を密封する環状シール材の配設箇所と重なる部位に配置されているので、締結手段を締付固定することで、一方側の押圧部及び他方側の押圧部のうちの少なくとも一方により、被押圧部の少なくとも一部を介して当該部位を確実に押圧することができる。これにより、一対のフランジ部により環状シール材を確実に押圧することができ、一対のフランジ部間の密封性を向上して止水性能を向上することができる。
本発明に係るフランジ接合部補強構造の更なる特徴構成は、前記被押圧部が周方向に複数形成され、各被押圧部が周方向において前記連結ボルト及び前記連結ナットの隣接間に配置され、前記フランジ接合部補強治具が周方向に複数配置される前記連結ボルト及び前記連結ナットの隣接間に配置されている点にある。
上記特徴構成によれば、周方向に複数形成された被押圧部の夫々が、周方向において複数配置される連結ボルト・連結ナットの隣接間に配置されるので、フランジ接合部補強治具の夫々を、一対の挟持部材における一方側の押圧部及び他方側の押圧部のうちの少なくとも一方が各被押圧部を押圧する状態で、周方向における連結ボルト・連結ナットの隣接間に配置することができる。これにより、複数のフランジ接合部補強治具を適切に配置して、より確実に一対のフランジ部の離間を防止することができる。
本発明に係るフランジ接合部補強構造の更なる特徴構成は、前記環状保護部材が、周方向に複数分割された分割保護部材により構成され、各分割保護部材の一端部に形成される嵌合部と他端部に形成される被嵌合部とを備え、
フランジ接合方向視において、前記分割保護部材の嵌合部と隣接する他の前記分割保護部材の被嵌合部とが重なり合う状態で、当該嵌合部が当該被嵌合部に嵌合連結されている点にある。
上記特徴構成によれば、周方向に複数分割された各分割保護部材は、フランジ接合方向視において、分割保護部材の一端部に形成された嵌合部と隣接する他の分割保護部材の他端部に形成された被嵌合部とが重なり合う状態で当該嵌合部が当該被嵌合部に嵌合連結することにより、環状保護部材を形成するので、環状保護部材を一対のフランジ部の外側面と一対の挟持部材の一方側の押圧部又は他方側の押圧部との間に介装する作業を、嵌合部と被嵌合部とを嵌合させるだけで簡便に行うことができる。
本発明に係るフランジ接合部補強構造の更なる特徴構成は、前記嵌合部が前記各分割保護部材の一端部からフランジ接合方向に突出する突出部であり、前記被嵌合部が前記各分割保護部材の他端部においてフランジ接合方向に貫通する貫通孔部である点にある。
上記特徴構成によれば、嵌合部が各分割保護部材の一端部からフランジ接合方向に突出する突出部であり、被嵌合部が各分割保護部材の他端部においてフランジ接合方向に貫通する貫通孔部であるので、フランジ接合方向視で分割保護部材の一端部に形成された嵌合部と隣接する他の分割保護部材の他端部に形成された被嵌合部とが重なり合う状態で、突出部をフランジ接合方向から貫通孔部に嵌合連結することができる。これにより、各分割保護部材を一対のフランジ部の外側面と一対の挟持部材の一方側の押圧部又は他方側の押圧部との間に介装する作業を、突出部を貫通孔部に嵌合させるだけの簡便な作業で行うことができる。また、各分割保護部材が一対のフランジ部に対して周方向に相対移動しようとしても、フランジ接合方向で嵌合連結する突出部と貫通孔部とにより当該相対移動が良好に阻止され、しかも、突出部と貫通孔部とが嵌合連結することで、各分割保護部材を簡便に円環形状に維持することが可能となる。
本発明に係るフランジ接合部補強構造の更なる特徴構成は、前記開口部が、前記連結ボルトの頭部又は前記連結ナットを挿通可能な円形状に開口形成されている点にある。
上記特徴構成によれば、開口部が連結ボルトの頭部又は連結ナットを挿通可能な円形状に開口形成されているので、環状保護部材を一対のフランジ部の外側面と一対の挟持部材における一方側の押圧部又は他方側の押圧部との隣接間に介装する際に、開口部に連結ボルトの頭部又は連結ナットを挿通させると、フランジ接合方向視において、当該開口部の内周面が連結ボルトの頭部又は連結ナットの外径側に位置することとなり、当該開口部により環状保護部材の位置決めを容易且つ確実に行うことができる。
上記目的を達成するための本発明に係る環状保護部材は、上記特徴構成の何れかのフランジ接合部補強構造に用いられる環状保護部材である点にある。
上記特徴構成によれば、当該環状保護部材は、フランジ接合部補強構造に用いられ、一対のフランジ部の外側面と一対の挟持部材の押圧部との両隣接間のうち少なくとも一方の隣接間に介装され、また、少なくとも一方の隣接間に介装された状態で、連結ボルトの頭部又は連結ナットを挿通可能な開口部と、一対のフランジ部の外側面に対向する面とは反対側の面における一方側の押圧部又は他方側の押圧部により押圧される被押圧予定部位に形成される被押圧部とが設けられ、さらに、被押圧部の径方向外方側部位には当該被押圧部よりもフランジ接合方向へ突出する段部が形成され、当該段部が、フランジ接合部補強治具が環状保護部材に対して径方向外方側へ離脱移動することを阻止する阻止壁として構成されている。
これにより、一対のフランジ部の外側面の少なくとも一方に一対の挟持部材の押圧部が直接当て付けられて傷がつくことを確実に防止でき、腐食等の発生により流体管及び一対のフランジ部の耐久性が低下することを良好に防止することができる。また、これら連結ボルトの頭部や連結ナットの締付連結を維持したまま、当該連結ボルトの頭部及び連結ナットをかわした状態で、環状保護部材を一対のフランジ部の外側面と一対の挟持部材の押圧部との両隣接間のうち少なくとも一方の隣接間に確実に介装できるとともに、当該環状保護部材を介装する際に、連結ボルトの頭部や連結ナットを当該開口部に挿通させて、環状保護部材の位置決めを容易且つ確実に行うことができる。さらに、一対の挟持部材のずれや離脱、更には、一対のフランジ部の離間を良好に防止でき、耐震性能を維持し、流体管の内部を通流する流体の漏洩を確実に防止することができる。
よって、一対の挟持部材のずれや離脱を防止して耐震性能を維持しつつ、一対のフランジ部の外側面を保護して耐久性を向上し得るフランジ接合部補強構造に用いられる環状保護部材を得ることができた。
一対のフランジ部の部分縦断面視図 一対のフランジ部の部分横断面視図 フランジ接合部補強治具及び環状保護部材の装着状態を示す部分横断面視図 図3のIV−IV矢視図 図3のV−V矢視図 第1挟持部材の概略構成を示す図 第2挟持部材の概略構成を示す図 第1及び第2挟持部材並びに締結手段の概略構成を示す分解斜視図 環状保護部材の概略構成を示す側面視図 環状保護部材の概略構成を示す上面視図 環状保護部材の概略構成を示す斜視図 別実施形態に係る環状保護部材の概略構成を示す縦断面図 別実施形態に係る第1及び第2挟持部材の装着状態を示す縦断面図
以下、図1〜図11に基づいて、フランジ接合部補強構造M、及び、当該フランジ接合部補強構造Mに用いられる環状保護部材Rの実施形態について説明する。
図1及び図2は流体配管系(管路)の途中のフランジ接合部を示し、鋳鉄製の両水道管(両流体管の一例)1、1の端部にそれぞれ径方向外方に円板状に延出形成された一対のフランジ部1A、1Bが、リング状でシート状のガスケット(環状シール材の一例)2を両フランジ部1A、1B間に介装させた状態で、複数の連結ボルト4A及び連結ナット4B(本実施形態では、6ヶずつ)により連結されている。両フランジ部1A、1Bには、フランジ接合方向(軸方向)に貫通する複数の貫通孔3(本実施形態では、6ヶ所ずつ)が周方向で等間隔に形成され、これら貫通孔3に連結ボルト4Aが挿通されて、当該連結ボルト4Aの雄ネジ部4bの先端側に連結ナット4Bが螺合固定される。なお、本実施形態の両フランジ部1A、1Bは、いわゆるRF形フランジである。
ここで、以下では、両フランジ部1A、1Bにおいて、それぞれ水道管1が突出する側の面を外側面1a、1aとし、両フランジ部1A、1Bが連結ボルト4A及び連結ナット4Bにより連結された際にフランジ接合方向(軸方向)で相互に対向する面を接合面1b、1bとし、さらに、両フランジ部の1A、1Bの径方向外方側の面を外周面1c、1cとして説明する。
まず、フランジ接合部補強構造Mのフランジ接合部補強治具Pについて説明する。
図3、図5〜図8に示すように、フランジ接合部補強治具Pは、上述のようにボルト連結されている両フランジ部1A、1Bにおいて、フランジ部1Aの外側面1aに当接して押圧可能な押圧部5Cを備えた第1挟持部材5及びフランジ部1Bの外側面1aに当接して押圧可能な押圧部6Bを備えた第2挟持部材6と、これら第1挾持部材5の押圧部5C及び第2挟持部材6の押圧部6Bを両フランジ部1A、1Bの外側面1a、1aにそれぞれ当て付けた状態で、当該第1挾持部材5及び第2挟持部材6をフランジ接合方向(軸方向)に引き寄せて締付固定する締結手段7とを備える。
図5、図6及び図8に示すように、第1挟持部材5は、金属材料により構成され、横断面視で外面5aが概略四角形状且つ内周面5bが円形状の概略有底角筒状(筒状の一例)に形成された内嵌合部5Aと、内嵌合部5Aの一端部において当該内嵌合部5Aの外面5aから全周に亘って外方側に延出する鍔状部5Bと、鍔状部5Bの四辺のうちの一辺からさらに外方側に延出する押圧部5Cとを一体的に備えて構成されている。
内嵌合部5Aは、側面視で概略正方形状に形成され(図6(a)参照)、内嵌合部5A内には、後述する締結手段7の締結ボルト7Aの雄ネジ部7aを挿通可能な円筒状の筒状内部空間5cが形成されている。筒状内部空間5cの内径は、締結ボルト7Aの雄ネジ部7aの外径よりも若干大径に形成されている。
鍔状部5Bは、側面視で概略正方形状に形成され(図6(a)参照)、横断面視で中央部に上記筒状内部空間5cが貫通形成されている。
筒状内部空間5cにおいて、鍔状部5B及び押圧部5Cが形成された側は開口形成され、鍔状部5B及び押圧部5Cが形成された側とは反対側は、締結ボルト7Aの雄ネジ部7aが螺合可能な雌ネジ部5dが、内嵌合部5Aの底部を貫通する状態で開口形成されている。すなわち、雌ネジ部5dは、内嵌合部5Aにおける筒状内部空間5cの内周面5bにおいて、鍔状部5B及び押圧部5Cが形成された側とは反対側の端部に形成されている。
押圧部5Cは、側面視で若干先窄み形状に形成され(図6(a)参照)、縦断面視で先端側に行くにつれて雌ネジ部5d側に傾斜するテーパー形状に形成され(図6(b)参照)、押圧部5Cのうち雌ネジ部5d側の面の先端部位が、内嵌合部5Aの外面5aと垂直な押圧面5eとして形成されている。
図3、図5、図7及び図8に示すように、第2挟持部材6は、金属部材により構成され、横断面視で外面6a及び内面6bが概略四角形状の概略有底角筒状(筒状の一例)に形成された外嵌合部6Aと、外嵌合部6Aの一端部において当該外嵌合部6Aの外面6aの四辺のうちの一辺から外方側に延出する押圧部6Bとを一体的に備えて構成されている。
外嵌合部6Aは、側面視で概略正方形状に形成され(図7(a)参照)、外嵌合部6A内には、第1挟持部材5の内嵌合部5Aを挿入可能な筒状内部空間6cが形成されている。筒状内部空間6cは横断面視で概略正方形状に形成され、横断面視で概略正方形状の内嵌合部5Aよりも若干大きく形成されている。このため、内嵌合部5Aの外面5aと外嵌合部6Aの内面6bとの嵌合形状は、内嵌合部5Aを外嵌合部6Aの筒状内部空間6cに挿入(嵌合)させると、挿入方向(筒状内部空間6cの長手方向)には摺動可能であるが、挿入方向周り(筒状内部空間6cの長手方向に沿った軸周り)での相対回転が不能となるように形成されている。
また、筒状内部空間6cにおいて、押圧部6Bが形成された側とは反対側は開口形成され、押圧部6Bが形成された側は、締結ボルト7Aの雄ネジ部7aを挿入可能で且つ頭部7bを挿通不能な挿通孔6dが、外嵌合部6Aの底部を貫通する状態で開口形成されている。なお、締結ボルト7Aの雄ネジ部7aが挿通孔6dに挿通された状態では、雄ネジ部7aの外周面と挿通孔6dの内周面との間には、所定の隙間が形成される(図5参照)。
押圧部6Bは、上記第1挟持部材5の押圧部5Cと同様に、側面視で若干先窄み形状に形成され(図7(a)参照)、縦断面視で先端側に行くにつれて押圧部6Bが形成された側とは反対側に傾斜するテーパー形状に形成され(図7(b)参照)、押圧部6Bのうち挿通孔6dとは反対側の面の先端部位が、外嵌合部6Aの外面6aと垂直な押圧面6eとして形成されている。
図3、図5〜図8に示すように、締結手段7は、外嵌合部6Aの外側から挿通孔6dを介して筒状内部空間6c内に挿入される上述の締結ボルト7Aと、内嵌合部5Aの内周面5bに形成された雌ネジ部5dとから構成されている。
次に、フランジ接合部補強構造Mに用いられる環状保護部材Rについて説明する。
図3〜図5、図9〜図11に示すように、環状保護部材Rは、平板状に形成された半円状の一対の分割保護部材R1により構成されている。即ち、環状保護部材Rは、周方向において二分割され、各分割保護部材R1の両端部同士が連結されることで円環形状となるように構成されている。各分割保護部材R1の両端同士が連結されて円環形状となった状態では、内周面(図示せず)及び外周面(図示せず)が同心円となるように構成され、両フランジ部1A、1Bの外周面1cよりも若干小径の外径を備え、且つ、流体管1の外径よりも若干大径の内径を備えている。なお、平板状の環状保護部材R1は、基本的に、表面Rfと裏面Rrとが平行な状態で且つ一定の厚みとなるように形成されている。また、各分割保護部材R1は、金属部材により構成されているが、その他の部材で構成することもできる。
平板状の各分割保護部材R1には、表面Rf側から裏面Rr側に亘って厚さ方向に貫通する複数の円形貫通孔(開口部の一例)8が、周方向に等間隔を空けて形成されている(図9では、周方向に3箇所ずつ)。各円形貫通孔8は、各分割保護部材R1の裏面Rrを両フランジ部1A、1Bの外側面1aに当接させた状態で装着した際に、一対のフランジ部1A、1Bを締付連結する連結ボルト4Aの頭部又は連結ナット4Bを挿通可能な位置に貫通形成されている。また、各円形貫通孔8は、側面視で正六角形状に形成された連結ボルト4Aの頭部及び連結ナット4Bよりも若干大径の内径を備えた円形状に形成されている。
各分割保護部材R1の表面Rfには、側面視で、当該表面Rf側から裏面Rr側に向かって窪み形成される被押圧凹部(被押圧部の一例)9が周方向に間隔を空けて複数形成され(図9では、周方向に2箇所ずつ)、各被押圧凹部9は、周方向において各円形貫通孔8の隣接間の中間部位に配置されている。
また、各被押圧凹部9は、側面視で、各分割保護部材R1の表面Rfにおいて各分割保護部材R1の外周面(径方向外方側の面、図示せず)よりも内周面(径方向内方側の面、図示せず)側に偏倚した位置に配置され、各被押圧凹部9の内径側部位が各分割保護部材R1の内周面側に連通するように構成されている。即ち、各被押圧凹部9は、分割保護部材R1の内周面側に開口した概略コ字形状の段部9Aにより形成され、各段部9Aは各分割保護部材R1の表面Rfに対して略直交し、各分割保護部材R1の厚さ方向に沿う直線状に立設されている。
従って、各被押圧凹部9の厚さは、各被押圧凹部9が形成された部位以外の各分割保護部材R1の厚さよりも薄くなるように形成されているが、上述のように、第1挟持部材5の押圧部5C及び第2挟持部材6の押圧部6Bはテーパー形状に形成されているので、概略コ字形状の段部9Aにより阻害されることなく、押圧部5Cの押圧面5e及び押圧部6Bの押圧面6eが各被押圧凹部9に当接可能に構成されている。
概略コ字形状の段部9Aは、側面視で、各被押圧凹部9の径方向外方側に位置し且つ当該径方向に対して直交する第1直線状段部9aと、各被押圧凹部9の周方向両側に位置し且つ当該第1直線状段部9aに対して直交する一対の第2直線状段部9bとを備えている。つまり、各被押圧凹部9の径方向外方側部位には、当該各被押圧凹部9よりもフランジ接合方向においてフランジ部1A又はフランジ部1Bの外側面1aに対して離間する方向へ突出する段部(第1直線状段部9a)が形成され、各被押圧凹部9の周方向の両側部位には、当該各被押圧凹部9よりもフランジ接合方向においてフランジ部1A又はフランジ部1Bの外側面1aに対して離間する方向へ突出する段部(第2直線状段部9b)が形成されていることとなる。
各分割保護部材R1は、一端部に形成される嵌合部10と他端部に形成される被嵌合部11とを備え、側面視で、分割保護部材R1の嵌合部10と隣接する他の分割保護部材R1の被嵌合部11とが重なり合う状態で、当該嵌合部10が当該被嵌合部11に嵌合連結可能に構成されている。
具体的には、嵌合部10は、分割保護部材R1の裏面Rrにおいて当該裏面Rrから表面Rf側に向かって、当該分割保護部材R1の厚さよりも若干小なる寸法で窪む窪み部10aと、当該窪み部10aの略中央部において当該寸法よりも若干小なる寸法で分割保護部材R1の厚さ方向に突出する円形状の突出部10bと、当該窪み部10aと裏面Rrとの境界に形成される段部10cとを備えている。なお、各分割保護部材R1の表面Rfにおいて裏面Rr側に窪み部10aが形成された部位に対応する箇所は、当該窪み部10aが窪み形成されている分だけ、その他の部位よりも突出形成されている。
被嵌合部11は、分割保護部材R1の表面Rfにおいて当該表面Rfから裏面Rr側に向かって、当該分割保護部材R1の厚さから窪み部10aの窪み寸法を差分した寸法だけ窪む窪み部11aと、当該窪み部11aの略中央部において厚さ方向に貫通する貫通孔部11bと、当該窪み部11aと表面Rfとの境界に形成される段部11cとを備えている。
従って、側面視で、分割保護部材R1の嵌合部10と隣接する他の分割保護部材R1の被嵌合部11とが重なり合う状態で、突出部10bが分割保護部材R1の厚さ方向から貫通孔部11bに嵌合連結されると、窪み部10aと窪み部11aとが重なり、周方向において嵌合部10の端面(図示せず)が被嵌合部11の段部11cに当接し、周方向において被嵌合部11の端面(図示せず)が嵌合部10の段部10cに当接した状態となる。なお、嵌合部10及び被嵌合部11の裏面Rrは面一の状態となっている。
これにより、嵌合部10を被嵌合部11に嵌合連結することで、周方向における各分割保護部材R1同士の相対移動を良好に防止できるとともに、各分割保護部材R1が確実に嵌合連結されて環状保護部材Rを確実に円環形状に維持することができる。
次に、複数の連結ボルト4A及び連結ナット4Bにより連結された一対のフランジ部1A、1Bに、環状保護部材R及びフランジ接合部補強治具Pを装着する作業工程について説明する。
図10及び図11に示すように、環状保護部材Rを構成する一対の分割保護部材R1における嵌合部10と被嵌合部11とを嵌合連結する。
具体的には、一方側の分割保護部材R1の嵌合部10の突出部10bを他方側の分割保護部材R1の被嵌合部11の貫通孔部11bに嵌合連結し、窪み部10a、11a同士を分割保護部材R1の厚さ方向で重なり合わせる。この状態で、図3〜図5に示すように、各分割保護部材R1を、各円形貫通孔8に各締結ボルト4Aの頭部が挿通され、且つ、裏面Rrがフランジ部1Bの外側面1aに当接するように装着する。
続いて、上述の環状保護部材Rと同様に、別の環状保護部材Rを構成する一対の分割保護部材R1における嵌合部10と被嵌合部11とを嵌合連結した状態で、各分割保護部材R1を、各円形貫通孔8に各締結ナット4Bが挿通され、且つ、裏面Rrがフランジ部1Aの外側面1aに当接するように装着する。
なお、各分割保護部材R1を一度にフランジ部1Aの外側面1aに装着する構成とせずに、各分割保護部材R1をフランジ部1Aに各別に装着した後に、嵌合部10と被嵌合部11とを嵌合連結することもできる。また、各分割保護部材R1をフランジ部1Bに装着する際も同様である。
これら装着の際には、周方向に二分割された各分割保護部材R1は、フランジ接合方向視において、分割保護部材R1の一端部に形成された嵌合部10と、隣接する他の分割保護部材R1の他端部に形成された被嵌合部11とが重なり合う状態で当該嵌合部10が当該被嵌合部11に嵌合連結することにより、環状保護部材Rを形成するので、環状保護部材Rを一対のフランジ部1A、1Bの外側面1a、1aと第1挟持部材5における押圧部5Cの押圧面5e又は第2挟持部材6における押圧部6Bの押圧面6eとの間に介装する作業を、嵌合部10と被嵌合部11とを嵌合させるだけで簡便に行うことができる。
また、嵌合部10と被嵌合部11との嵌合が、突出部10bをフランジ接合方向から貫通孔部11bに嵌合連結させるだけの非常に簡便な作業で済むことに加えて、各分割保護部材R1が一対のフランジ部1A、1Bに対して周方向に相対移動しようとしても、フランジ接合方向で嵌合連結する突出部10bと貫通孔部11bとにより当該相対移動が良好に阻止され、しかも、突出部10bと貫通孔部11bとが嵌合連結することで、各分割保護部材R1を簡便に円環形状に維持することが可能となる。
さらに、これら装着の際には、各円形貫通孔8が各締結ボルト4Aの頭部又は連結ナット4Aに対応する位置で、しかも、当該締結ボルト4Aの頭部及び連結ナット4Bの外径よりも若干大径の円形状に開口形成されているので、環状保護部材Rを一対のフランジ部1A、1Bの外側面1a、1aと押圧面5e又は押圧面6eとの隣接間に介装する際に、円形貫通孔8に連結ボルト4Aの頭部又は連結ナット4Bを挿通させると、フランジ接合方向視において、当該円形貫通孔8の内周面が連結ボルト4Aの頭部又は連結ナット4Bの外径側に位置することとなり、当該円形貫通孔8により環状保護部材Rの位置決めを容易且つ確実に行うことができる。
このように各環状保護部材Rが装着されると、各環状保護部材Rの各被嵌合凹部9は、複数の連結ボルト4A及び連結ナット4Bの隣接間における中間部位に位置する状態で配置されている。
次に、図8に示すように、第1挟持部材5の内嵌合部5A及び第2挟持部材6の外嵌合部6Aを、内嵌合部5Aの底部側(雌ネジ部5d側)から当該内嵌合部5Aが外嵌合部6Aの筒状内部空間6cに内嵌するように、一対のフランジ部1A、1Bの外周面1c、1cよりも径方向外方側の位置でフランジ接合方向から嵌合させる。
この際には、内嵌合部5Aの外面5aと外嵌合部6Aの内面6bとが横断面視で相対回転不能な概略正方形状に形成されているので、第1挟持部材5の押圧部5Cと第2挟持部材6の押圧部6Bとを同方向に延出させた所期の相対位置関係に位置決めした状態で、容易に嵌合させることができる。すなわち、第1挟持部材5の押圧部5Cの押圧面5eと第2挟持部材6の押圧部6Bの押圧面6eとが、フランジ接合方向で対向するように、内嵌合部5Aが外嵌合部6Aに嵌合される(図5参照)。
ここで、内嵌合部5Aと外嵌合部6Aとの嵌合は、一旦、フランジ接合方向において、押圧面5eと押圧面6eとの間隔が、フランジ部1Aに装着された環状保護部材Rの表面Rfとフランジ部1Bに装着された環状保護部材Rの表面Rfとの間隔よりも大きくなる程度に行われる。
図5に示すように、内嵌合部5Aと外嵌合部6Aとが嵌合している状態において、縦断面視で第1挟持部材5の押圧部5Cと内嵌合部5Aの外面5aと第2挟持部材6の押圧部6Bと外嵌合部6Aの外面6aとにより形成される概略U字形状の凹部(図示せず)を、一対のフランジ部1A、1Bにおいて周方向における連結ボルト4A及び連結ナット4Bのボルト連結箇所の隣接間部位に対して径方向外方から外嵌装着する。
続いて、各第1挟持部材5の押圧部5Cの押圧面5eがフランジ部1Aの外側面1aに当接する状態で装着された環状保護部材Rにおける表面Rfに形成された各被押圧凹部9に当接し、且つ、各第2挟持部材6の押圧部6Bの押圧面6eがフランジ部1Bの外側面1aに当接する状態で装着された環状保護部材Rにおける表面Rfに形成された各被押圧凹部9に当接するまで、内嵌合部5A及び外嵌合部6Aをフランジ接合方向で引き寄せて内嵌合部5Aを外嵌合部6Aの筒状内部空間6cに嵌合させる。
そして、締結ボルト7Aの雄ネジ部7aを、フランジ接合方向における外嵌合部6Aの外側から挿通孔6dを介して筒状内部空間6c内に挿入し、当該締結ボルト7Aの頭部7bが外嵌合部6Aの外側面(図示せず)に当接するまで、筒状内部空間6cに嵌合されている内嵌合部5Aの雌ネジ部5dに螺合させ締付固定する。
従って、第1挟持部材5の押圧部5Cの押圧面5eを、当該押圧面5eとフランジ部1Aの外側面1aとの隣接間に介装された環状保護部材Rの被押圧凹部9に当て付け、且つ、第2挟持部材6の押圧部6Bの押圧面6eを、当該押圧面6eとフランジ部1Bの外側面1aとの隣接間に介装された環状保護部材Rの被押圧凹部9に当て付けた状態で、締結手段7により第1挟持部材5及び第2挟持部材6をフランジ接合方向に引き寄せて、締付固定することができる。
この状態では、第1挟持部材5及び第2挟持部材6が、周方向において連結ボルト4A及び連結ナット4Bの隣接間に装着されることとなる。
また、この状態では、フランジ接合方向において、被押圧凹部9の少なくとも一部が一対のフランジ部1A、1Bの対向面間を密封するガスケット2の配設箇所と重なる部位に配置され、両押圧面5e、6eが当該部位を押圧するように配置されている。これにより、フランジ接合方向視において、締結手段7を締付固定することで、両押圧面5e、6eにより、被押圧凹部9の少なくとも一部を介して当該部位を確実に押圧することができるので、一対のフランジ部1A、1Bによりガスケット2を確実に押圧することができ、一対のフランジ部1A、1B間の密封性を向上して止水性能を向上することができる。
次に、上記フランジ接合部補強治具Pを装着後、別のフランジ接合部補強治具Pを、両環状保護部材Rにおいて周方向で別の部位に形成されている各被押圧凹部9に対して順次装着する(図3では、フランジ接合部補強治具Pが周方向に4つ配置されている)。
このように、本実施形態に係る環状保護部材R及びフランジ接合部補強治具Pを備えたフランジ接合部補強構造Mでは、平板状の環状保護部材Rが一対のフランジ部1A、1Bの外側面1a、1aと第1挟持部材5における押圧部5Cの押圧面5e及び第2挟持部材6の押圧部6Bの押圧面6eとの両隣接間にそれぞれ介装されるので、両押圧面5e、6eが、当該環状保護部材Rの被押圧凹部9に当接するものの、一対のフランジ部1A、1Bの外側面1a、1aには直接当接しない状態で、第1挟持部材5及び第2挟持部材6を締結手段7により一対のフランジ部1A、1Bの外側面1a、1aに締付固定することができる。これにより、一対のフランジ部1A、1Bの外側面1a、1aに両押圧面5e、6eが直接当て付けられて傷がつくことを確実に防止でき、腐食等の発生により水道管1及び一対のフランジ部1A、1Bの耐久性が低下することを良好に防止することができる。
また、各環状保護部材Rには、一対のフランジ部1A、1Bの外側面1a、1aに対向する面(裏面Rr)とは反対側の面(表面Rf)における押圧面5e、6eにより押圧される被押圧予定部位においてフランジ接合方向へ窪み形成される被押圧凹部9が複数設けられているので、各被押圧凹部9に両押圧面5e、6eを当て付けた状態で締結手段7を締付固定することで、両押圧面5e、6eを所定の装着位置に容易且つ確実に位置決めすることができるとともに、地震や不同沈下等により第1挟持部材5及び第2挟持部材6や一対のフランジ部1A、1Bに水道管1、1の曲げ方向或いは引張方向等の力が作用した場合でも、両押圧面5e、6eが各被押圧凹部9から離脱することを防止することができる。これにより、第1挟持部材5及び第2挟持部材6のずれや離脱、更には、一対のフランジ部1A、1Bの離間を良好に防止でき、耐震性能を維持し、水道管1の内部を通流する流体の漏洩を確実に防止することができる。
特に、第1挟持部材5及び第2挟持部材6における両押圧面5e、6eが各被押圧凹部9に当て付けられた状態で締付手段7により締付固定された際において、第1挟持部材5及び第2挟持部材6や一対のフランジ部1A、1Bに水道管1の曲げ方向或いは引張方向等の力が作用し、第1挟持部材5及び第2挟持部材6が一対のフランジ部1A、1Bに対して径方向外方側に相対移動した場合でも、両押圧面5e、6eが被押圧凹部9を形成する段部9Aのうち径方向外方側に位置する第1直線状段部9aに当接することとなる。
これにより、当該第1直線状段部9aが、第1挟持部材5及び第2挟持部材6(フランジ接合部補強治具P)が環状保護部材R(一対のフランジ部1A、1B)に対して径方向外方側へ離脱移動することを阻止する阻止壁として機能するため、両押圧面5e、6eを各被押圧凹部9に当て付けた状態を維持することができ、第1挟持部材5及び第2挟持部材6(フランジ接合部補強治具P)が一対のフランジ部1A、1Bから離脱することをより一層確実に防止することができる。
また、第1挟持部材5及び第2挟持部材6における両押圧面5e、6eが各被押圧凹部9に当て付けられた状態で締付手段7により締付固定された際において、第1挟持部材5及び第2挟持部材6や一対のフランジ部1A、1Bに水道管1の曲げ方向或いは引張方向等の力が作用し、第1挟持部材5及び第2挟持部材6が一対のフランジ部1A、1Bに対して周方向に相対移動した場合でも、両押圧面5e、6eが各被押圧凹部9を形成する段部9Aのうち周方向の両側に位置する第2直線状段部9bの何れかに当接することとなる。
これにより、当該第2直線状段部9bが、第1挟持部材5及び第2挟持部材6(フランジ接合部補強治具P)が環状保護部材R(一対のフランジ部1A、1B)に対して周方向へ離脱移動することを阻止する阻止壁として機能するため、両押圧面5e、6eを各被押圧凹部9に当て付けた状態を維持することができ、第1挟持部材5及び第2挟持部材6(フランジ接合部補強治具P)が一対のフランジ部1A、1Bから離脱することをより一層確実に防止することができる。
よって、第1挟持部材5及び第2挟持部材6のずれや離脱を防止して耐震性能を維持しつつ、一対のフランジ部1A、1Bの外側面1a、1aを保護して耐久性を向上し得るフランジ接合部補強構造M、及び、当該フランジ接合部補強構造Mに用いる環状保護部材Rを得ることができた。
なお、本実施形態に係るフランジ接合部補強構造Mでは、締結手段7により第1挟持部材5及び第2挟持部材6を締付固定した状態では、内嵌合部5Aの雌ネジ部5dが、締結ボルト7Aの頭部7bに近接した位置に位置することから、雌ネジ部5dと締結ボルト7Aの雄ネジ部7aとの螺合箇所が、締結ボルト7Aの頭部7bが外嵌合部6Aの外側面と当接する位置に近接することとなり、フランジ接合方向(軸方向)における締結ボルト7Aの頭部7bと当該螺合箇所との距離を比較的小さくすることができる。これにより、両フランジ部1A,1Bに曲げ方向(径方向)或いは引張方向(軸方向)の力が作用した場合でも、締結ボルト7Aの伸びや破壊を良好に防止することができ、両フランジ部1A、1Bの離間やずれ及びこれらに伴う流体の漏洩を良好に防止することができる。さらに、雌ネジ部5dを筒状内部空間5c、6c内における内嵌合部5Aと外嵌合部6Aとの重なり部位に位置させることができ、締結ボルト7Aの長さを比較的短くすることが可能となり、締結ボルト7Aの先端が筒状内部空間5c、6cの外部に突出することを良好に防止することができ、フランジ接合部補強治具Pの外観を損なうことなく省スペース化を図ることができる。
ここで、本実施形態に係るフランジ接合部補強構造Mでは、上述の内嵌合部5Aと外嵌合部6Aとの嵌合は、フランジ接合方向における内嵌合部5Aと外嵌合部6Aとの重なり部位の大きさ(嵌合距離)を所定範囲内で任意に調整可能に構成され、この調整に伴って、第1挟持部材5の押圧部5Cの押圧面5eと第2挟持部材6の押圧部6Bの押圧面6eとの間隔を所定範囲内で任意に調整可能に構成されている。そのため、フランジ接合方向における内嵌合部5Aと外嵌合部6Aとの重なり部位の大きさ(嵌合距離)、及び、押圧面5eと押圧面6eとの間隔をそれぞれ適宜設定した状態で、後述する締結手段7により第1挟持部材5と第2挟持部材6とを締付固定することができる。
従って、両フランジ部1A、1Bの呼び径や設計圧力に応じて、両フランジ部1A、1Bの肉厚が変更される場合(例えば、両フランジ部1A、1Bの肉厚よりも薄い肉厚や厚い肉厚の両フランジ部にフランジ接合部補強治具Pを装着する場合)や、環状保護部材Rの厚さが適宜変更される場合であっても、内嵌合部5Aと外嵌合部6Aとの重なり部位の大きさ(嵌合距離)を調整することで、第1挟持部材5の押圧部5Cの押圧面5eを環状保護部材Rの被押圧凹部9に当接させ且つ第2挟持部材6の押圧部6Bの押圧面6eを環状保護部材Rの被押圧凹部9に当接させた状態で、内嵌合部5Aの雌ネジ部5dに締結ボルト7Aの雄ネジ部7aを螺合させて内嵌合部5A及び外嵌合部6A、ひいては、第1挟持部材5及び第2挟持部材6を両フランジ部1A、1Bに良好に締付固定することができる。
〔別実施形態〕
(A)上記実施形態では、環状保護部材Rとしての一対の分割保護部材R1の夫々に、概略コ字形状の段部9Aにより形成される被押圧凹部(被押圧部の一例)9を複数設け、連結ボルト4Aの頭部又は連結ナット4Bを挿通可能な円形貫通孔8(開口部の一例)を複数設ける構成としたが、環状保護部材Rとしては、その他の構成を採用することができる。
例えば、図12に示すように、環状保護部材Rを一対の半円形状の分割保護部材R2により構成することができる。各分割保護部材R2は、平板状に形成され、基本的に、各分割保護部材R2の両端同士(嵌合部10及び被嵌合部11)が連結されて円環形状となった状態では、内周面(図示せず)及び外周面(図示せず)が同心円となるように構成され、両フランジ部1A、1Bの外周面1cよりも若干小径の外径を備え、且つ、流体管1の外径よりも若干大径の内径を備えている。
そして、各分割保護部材R2の内周面には、各分割保護部材R2の厚み方向視(側面視)で当該内周面から外周面側(径方向外方側)に向かって窪み形成され、各分割保護部材R2の表面Rfから裏面Rrに亘って貫通形成される挿通用開口部8A(開口部の一例)が、周方向に等間隔を空けて複数形成されている(図12では、3箇所ずつ)。各挿通用開口部8Aは、当該厚み方向視で内周面側が開口する概略コ字形状に形成され、各分割保護部材R2の裏面Rrを両フランジ部1A、1Bの外側面1a、1aに当接させた状態で装着した際に、一対のフランジ部1A、1Bを締付連結する連結ボルト4Aの頭部又は連結ナット4Bを挿通可能な位置に貫通形成されている。なお、各分割保護部材R2の外周面には、側面視で、各挿通用開口部8Aが形成された部位に略対応する位置に、径方向外方側に突出する凸部13が周方向に複数形成されているため(図12では、3箇所ずつ)、凸部13の隣接間には、フランジ接合部補強治具Pを装着する際或いは装着した際に当該フランジ接合部補強治具Pの位置決めを行うことのできる凹部12が複数形成されている(図12では、3箇所ずつ)。
各分割保護部材R2の表面Rfには、側面視で、当該表面Rf側から裏面Rr側に向かって窪み形成される被押圧凹部(被押圧部の一例)90が周方向に間隔を空けて複数形成され(図12では、周方向に2箇所ずつ)、各被押圧凹部90は、周方向において各挿通用開口部8Aの隣接間に配置されている。
また、各被押圧凹部90は、側面視で、各分割保護部材R2の表面Rfにおいて各分割保護部材R2の外周面(径方向外方側の面、図示せず)よりも内周面(径方向内方側の面、図示せず)側に偏倚した位置に配置され、各被押圧凹部90の内径側部位が各分割保護部材R2の内周面側に連通し、周方向両端部位が隣接する挿通用開口部8Aに連通するように構成されている。即ち、各被押圧凹部90は、各分割保護部材R2の内周面と同心円状の円弧形状で且つ隣接する挿通用開口部8Aに対して周方向から交差する円弧状段部9Bにより形成され、各円弧状段部9Bは各分割保護部材R2の表面Rfに対して略直交し、各分割保護部材R2の厚さ方向に沿う直線状に立設されている。
従って、各被押圧凹部90の厚さは、各被押圧凹部90が形成された部位以外の各分割保護部材R2の厚さよりも薄くなるように形成されているが、上述のように、第1挟持部材5の押圧部5C及び第2挟持部材6の押圧部6Bはテーパー形状に形成されているので、円弧状段部9Bにより阻害されることなく、押圧部5Cの押圧面5e及び押圧部6Bの押圧面6eが各被押圧凹部90に当接可能に構成されている。そして、円弧状段部9Bは、側面視で、各被押圧凹部90の径方向外方側に位置するので、両押圧面5e、6eが各被押圧凹部90に対して径方向外方側に離脱移動することを阻止する阻止壁として機能する。
また、例えば、図示しないが、環状保護部材Rにおける開口部は、環状保護部材Rの裏面Rrを両フランジ部1A、1Bの外側面1a、1aに当接させた状態で装着した際に、一対のフランジ部1A、1Bを締付連結する連結ボルト4Aの頭部又は連結ナット4Bを挿通可能な構成であれば、上述の円形貫通孔8や挿通用開口部8Aのような構成である必要はなく、その形状及び数等の構成は適宜変更することができる。
さらに、図示しないが、環状保護部材Rにおける被押圧部は、環状保護部材Rの裏面Rrを両フランジ部1A、1Bの外側面1a、1aに当接させた状態で装着した際に、第1挟持部材5における押圧部5Cの押圧面5eや第2挟持部材6における押圧部6Bの押圧面6eにより押圧される被押圧予定部位に形成される被押圧部であれば、上述の被押圧凹部9、90のような構成である必要はなく、その形状及び数等は適宜変更することができる。例えば、図示しないが、環状保護部材Rの被押圧部を、一対のフランジ部1A、1Bの外側面1a、1aに対向する面とは反対側の面(表面Rf)における一方側の押圧部5C又は他方側の押圧部6Bにより押圧される被押圧予定部位において、当該表面Rfと同一平面上に形成することもできる。この場合、当該表面Rfに形成された被押圧部の径方向外方側部位に、当該被押圧部よりもフランジ接合方向においてフランジ部1A又はフランジ部1Bの外側面1aに対して離間する方向へ突出する段部(即ち、突起部)を形成することとなる。なお、この段部が、フランジ接合部補強治具Pが環状保護部材Rに対して径方向外方側へ離脱移動することを阻止する阻止壁として構成されることとなる。
加えて、環状保護部材Rの周方向における分割数を二分割ではなく、三分割以上に分割した構成とすることもできる。
(B)上記実施形態では、フランジ接合部補強治具Pにおける一対の挟持部材として内嵌合部5Aを備えた第1挟持部材5と外嵌合部6Aを備えた第2挟持部材により構成したが、一対の挟持部材としては、一対のフランジ部1A、1Bの外側面1a、1aを、各別に押圧可能な押圧部を有する構成であれば、適宜変更した構成を採用することができる。
例えば、図13に示すように、フランジ接合部補強治具Pにおける一対の挟持部材を第1挟持部材50及び第2挟持部材60により構成することができる。
具体的には、第1挟持部材50を、一対の脚部50A、50Bを備えた概略コ字形状部材により構成し、第2挟持部材60を、脚部50Bの貫通雌ネジ孔(締結手段70の一例)50aに螺合装着される雄ネジ軸部70aを備えたボルト(締結手段70の一例)70Aにより構成する。また、第1挟持部材5の脚部50Aの先端部を押圧部50Cとして構成し、当該押圧部50Cの内周面に押圧面50eを形成するとともに、ボルト70Aの先端を押圧部としての円形状の押圧面60Aとして構成する。なお、押圧面50eと押圧面60Aとは、フランジ接合方向で対向する位置に位置している。
そして、環状保護部材Rとして二分割された半円状の分割保護部材R3を採用する。各分割保護部材R3は、上述の分割保護部材R1の構成と略同様の構成であるが、被押圧凹部(被押圧部の一例)91の構成が被押圧凹部9の構成とは異なっている。具体的には、被押圧凹部91は、各分割保護部材R3の表面Rfにおいて、側面視で円形状に形成され、周方向に複数配置されている。円形状の被押圧凹部91の内径は、ボルト70Aにおける雄ネジ軸部70aの先端に形成された押圧面60Aの外径よりも若干大径に形成されている。
これにより、一対の分割保護部材R3を、連結ボルト4Aの頭部を円形貫通孔8に挿通させ且つフランジ部1Bの外側面1aに裏面Rrを当接させた状態で装着し、第1挟持部材50の脚部50Bにおける貫通雌ネジ孔50aにボルト70Aを螺合させ、更に締め込むことにより、ボルト70Aの押圧面60Aを被押圧凹部91に当接させ且つ脚部50Aの押圧面50eをフランジ部1Aの外側面1aに当接させて、第1挟持部材50及び第2挟持部材60により一対のフランジ部1A、1Bをフランジ接合方向で締付固定する構成とすることができる。
また、例えば、上記実施形態では、第1挟持部材5の内嵌合部5Aと第2挟持部材6の外嵌合部6Aとの嵌合形状、すなわち、横断面視で、内嵌合部5Aの外面5a及び外嵌合部6Aの内面6bの形状を、概略正方形状としたが、内嵌合部5Aと外嵌合部6Aとが嵌合された状態でフランジ接合方向周りでの相対回転が不能に構成されていれば、その他の嵌合形状を採用することもできる。例えば、横断面視で、内嵌合部5Aの外面5a及び外嵌合部6Aの内面6bの形状を、楕円形状、多角形状等に構成することができる。
(C)上記実施形態では、一対の分割保護部材R1を、各円形貫通孔8に各締結ボルト4Aの頭部が挿通され且つ裏面Rrがフランジ部1Bの外側面1aに当接するように装着するとともに、別の一対の分割保護部材R1を、各円形貫通孔8に各締結ナット4Bが挿通され且つ裏面Rrがフランジ部1Aの外側面1aに当接するように装着した。
しかしながら、一対の分割保護部材R1を、当該各分割保護部材R1の裏面Rrがフランジ部1Bの外側面1aに当接する装着状態及びフランジ部1Aの外側面1aに当接する装着状態の何れか一方のみとすることもできる。
(D)上記実施形態では、各分割保護部材R1を、嵌合部10及び被嵌合部11を重なり合わせた状態で嵌合連結する構成としたが、各分割保護部材R1を連結する構成は適宜変更することができる。
(E)上記実施形態では、両フランジ部1A、1Bを6対の連結ボルト4A及び連結ナット4Bにより連結する構成としたが、フランジ部1A、1Bの呼び径や設計圧力等に応じて、連結ボルト4A及び連結ナット4Bの数は適宜調整することができる。
同様に、環状保護部材Rの厚さも適宜変更することができる。
(F)上記実施形態では、締結手段7を、第2挟持部材6の挿通孔6dに挿通され且つ雌ネジ部5dに螺合される締結ボルト7Aと当該雌ネジ部5dとにより構成したが、締結手段7の構成は、適宜変更することができる。
(G)上記実施形態では、両フランジ部1A、1Bを、いわゆるRF形フランジとした構成について説明したが、フランジ接合であれば、その他のフランジ接合であってもよく、例えば、いわゆるGF形フランジとしてもよい。
(H)上記実施形態では、流体配管系(管路)を構成する流体管の一例である鋳鉄製の両水道管1、1に形成した両フランジ部1A、1Bにフランジ接合部補強治具Pを装着する例について説明したが、流体管としては気体や液体が通流する管であってもよい。
以上説明したように、一対の挟持部材のずれや離脱を防止して耐震性能を維持しつつ、一対のフランジ部の外側面を保護して耐久性を向上し得るフランジ接合部補強構造、及び、そのフランジ接合部補強構造に用いられる環状保護部材を提供することができる。
1A フランジ部
1B フランジ部
1a 外側面
2 ガスケット(環状シール材)
3 貫通孔
4A 連結ボルト
4a 頭部
4B 連結ナット
5 第1挟持部材(挟持部材)
5C 押圧部
5d 雌ネジ部(締結手段)
5e 押圧面
6 第2挟持部材(挟持部材)
6B 押圧部
6e 押圧面
7 締結手段
7A 締結ボルト(締結手段)
8 円形貫通孔(開口部)
8A 挿通用開口部(開口部)
9 被押圧凹部(被押圧部)
9A 段部
9B 円弧状段部(阻止壁)
9a 第1直線状段部(段部、阻止壁)
9b 第2直線状段部(段部、阻止壁)
10 嵌合部
10b 突出部
11 被嵌合部
11b 貫通孔部
50 第1挟持部材
50C 押圧部
50a 貫通雌ネジ孔(締結手段)
50e 押圧面
60 第2挟持部材
60A 押圧面
70 締結手段
70A ボルト(締結手段)
90 被押圧凹部(被押圧部)
91 被押圧凹部(被押圧部)
M フランジ接合部補強構造
P フランジ接合部補強治具
R 環状保護部材
R1 分割保護部材(環状保護部材)
R2 分割保護部材(環状保護部材)
R3 分割保護部材(環状保護部材)
Rf 表面
Rr 裏面

Claims (10)

  1. 周方向に複数配置される連結ボルト及び連結ナットにより締付連結される一対のフランジ部の外側面を、各別に押圧可能な押圧部を有する一対の挟持部材と、前記一対の挟持部材の押圧部を前記一対のフランジ部の外側面に対して各別に押圧した状態で、フランジ接合方向に引き寄せて締付固定する締結手段とを備えたフランジ接合部補強治具が、前記一対のフランジ部に複数装着されるフランジ接合部補強構造であって、
    平板状の環状保護部材が、前記一対のフランジ部の外側面のうちの一方側の面と前記一対の挟持部材の押圧部のうちの一方側の押圧部との隣接間、及び、前記一対のフランジ部の外側面のうちの他方側の面と前記一対の挟持部材の押圧部のうちの他方側の押圧部との隣接間のうち、少なくとも一方の隣接間に介装され、
    前記環状保護部材には、前記少なくとも一方の隣接間に介装された状態で、前記連結ボルトの頭部又は前記連結ナットを挿通可能な開口部と、前記一対のフランジ部の外側面に対向する面とは反対側の面における前記一方側の押圧部又は前記他方側の押圧部により押圧される被押圧予定部位に形成される被押圧部とが設けられ、
    前記被押圧部の径方向外方側部位には当該被押圧部よりもフランジ接合方向へ突出する段部が形成され、当該段部が、前記フランジ接合部補強治具が前記環状保護部材に対して径方向外方側へ離脱移動することを阻止する阻止壁として構成されているフランジ接合部補強構造。
  2. 前記被押圧部が周方向に複数形成されるとともに、各被押圧部の周方向の両側部位には当該各被押圧部よりもフランジ接合方向へ突出する段部が形成され、当該両段部が、前記フランジ接合部補強治具が前記環状保護部材に対して周方向へ離脱移動することを阻止する阻止壁として構成されている請求項1に記載のフランジ接合部補強構造。
  3. フランジ接合方向視において、前記被押圧部の少なくとも一部が前記一対のフランジ部の対向面間を密封する環状シール材の配設箇所と重なる部位に配置され、前記一方側の押圧部及び前記他方側の押圧部の少なくとも一方が当該部位を押圧するように構成されている請求項1又は2に記載のフランジ接合部補強構造。
  4. 前記被押圧部が周方向に複数形成され、各被押圧部が周方向において前記連結ボルト及び前記連結ナットの隣接間に配置され、前記フランジ接合部補強治具が周方向に複数配置される前記連結ボルト及び前記連結ナットの隣接間に配置されている請求項1〜3の何れか一項に記載のフランジ接合部補強構造。
  5. 前記環状保護部材が、周方向に複数分割された分割保護部材により構成され、各分割保護部材の一端部に形成される嵌合部と他端部に形成される被嵌合部とを備え、
    フランジ接合方向視において、前記分割保護部材の嵌合部と隣接する他の前記分割保護部材の被嵌合部とが重なり合う状態で、当該嵌合部が当該被嵌合部に嵌合連結されている請求項1〜4の何れか一項に記載のフランジ接合部補強構造。
  6. 前記嵌合部が前記各分割保護部材の一端部からフランジ接合方向に突出する突出部であり、前記被嵌合部が前記各分割保護部材の他端部においてフランジ接合方向に貫通する貫通孔部である請求項5に記載のフランジ接合部補強構造。
  7. 前記開口部が、前記連結ボルトの頭部又は前記連結ナットを挿通可能な円形状に開口形成されている請求項1〜6の何れか一項に記載のフランジ接合部補強構造。
  8. 前記段部は、前記環状保護部材の表面から直線状に立設している請求項1〜7の何れか一項に記載のフランジ接合部補強構造。
  9. 前記一対の挟持部材が、互いに嵌合する内嵌合部と外嵌合部とを夫々備え、
    前記一対の挟持部材の前記押圧部の夫々が、前記内嵌合部又は前記外嵌合部から外方側に延出している請求項1〜8の何れか一項に記載のフランジ接合部補強構造。
  10. 請求項1〜の何れか一項に記載のフランジ接合部補強構造に用いられる前記環状保護部材。
JP2014008787A 2014-01-21 2014-01-21 フランジ接合部補強構造及びそれに用いられる環状保護部材 Active JP6262544B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014008787A JP6262544B2 (ja) 2014-01-21 2014-01-21 フランジ接合部補強構造及びそれに用いられる環状保護部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014008787A JP6262544B2 (ja) 2014-01-21 2014-01-21 フランジ接合部補強構造及びそれに用いられる環状保護部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015137683A JP2015137683A (ja) 2015-07-30
JP6262544B2 true JP6262544B2 (ja) 2018-01-17

Family

ID=53768829

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014008787A Active JP6262544B2 (ja) 2014-01-21 2014-01-21 フランジ接合部補強構造及びそれに用いられる環状保護部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6262544B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NO343544B1 (en) * 2017-06-02 2019-04-01 Ik Norway As A device for operation on a pressurized bolt connection between a first flanged tubular and a second flanged tubular
JP6962811B2 (ja) * 2017-12-26 2021-11-05 コスモ工機株式会社 フランジ離間防止装置
GB2585033B (en) * 2019-06-25 2023-02-08 Boltight Ltd Hot bolting clamp

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0222551Y2 (ja) * 1986-12-24 1990-06-18
JPH0317494U (ja) * 1989-07-04 1991-02-21
US5716083A (en) * 1994-11-25 1998-02-10 Kc Multi-Ring Products, Inc. Joint assembly and backing mechanism therefor
JP5529411B2 (ja) * 2008-12-04 2014-06-25 コスモ工機株式会社 フランジ離間防止装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015137683A (ja) 2015-07-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6142427B2 (ja) フランジ接合部補強治具
KR101631852B1 (ko) 플랜지 조인트 접속 구조
WO2015170407A1 (ja) フランジ接合部補強治具
KR100999943B1 (ko) 조립성 및 밀봉성이 향상된 무용접 파이프 연결 조인트
JP6374250B2 (ja) 接合部の補強治具
AU2016100821A4 (en) Underwater pipe assembly
TW201715165A (zh) 管狀構造物及其製造方法
JP6262544B2 (ja) フランジ接合部補強構造及びそれに用いられる環状保護部材
JP3162992U (ja) 管継手のガスケット
JP2011247335A (ja) ホースコネクタ
JP5451275B2 (ja) 管継手
JP6300609B2 (ja) 離脱防止装置
JP2019132329A (ja) フランジ式管継手
JP2019120379A (ja) 漏洩補修構造及び漏洩補修具
JP2000230681A (ja) 薄肉ステンレス鋼管と継手の接続構造
JP5998003B2 (ja) 分岐管接続装置
KR20200041255A (ko) 액티브 그루브 조인트를 이용한 파이프 조인트방법
JP6605325B2 (ja) 管状構造物
KR200480413Y1 (ko) 배관의 이음구조
JP5914028B2 (ja) 離脱防止装置
JP6709597B2 (ja) 管継手
JP2002310350A (ja) 管継ぎ手
JP2019138385A (ja) 小径管用フランジ式管継手
JP2013167329A (ja) 離脱防止装置
JP4882827B2 (ja) 配管の継手構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161109

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170829

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170913

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6262544

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250