JP2020164862A - 滑雪用粘着テープ又はシート - Google Patents

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幹大 遠藤
Mikihiro Endo
幹大 遠藤
智之 稲垣
Tomoyuki Inagaki
智之 稲垣
中村 健
Ken Nakamura
健 中村
晃宏 勝野
Akihiro Katsuno
晃宏 勝野
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【課題】滑雪性が良好な、テープ又はシートの提供。【解決手段】基材層と、粘着剤層と、セパレーターとがこの順番で積層された滑雪用粘着テープ又はシートであって、セパレーターは、前記粘着剤層に直接積層され、且つ、粘着剤層から剥離可能であり、基材層は、着雪面となる表面としてコーティング面を有し、コーティング面は、水接触300秒後の静的水接触角が、55°以下であるか90°以上であり、セパレーターは、複数の畝状の凸部構造が互いに交わることにより形成される格子パターンを有し、凸部の幅が1μm以上250μm以下であり、隣接する凸部同士の間隔が100μm以上2000μm以下であり、凸部の高さが5μm以上30μm以下であることを特徴とする、滑雪用粘着テープ又はシート。【選択図】なし

Description

本発明は、滑雪用粘着テープ又はシートに関する。
従来、滑水機能、滑雪等の機能を有するシートやテープが各種、提案されている。
例えば、特許文献1には、固体表面に一方向に延びる複数の溝を2μm以上4mm以下の間隔で形成した凹凸構造において、凸部を親水性にし、凹部を撥水性にすることで易滑雪性を発現することを謳う滑雪材料が提案されている。
特開2003−226867号公報
しかしながら、従来の滑雪用粘着シートでは、表面の滑り性および試験時点での雪滑り性が主に考慮されているため、実際の施工後においても所望の滑雪性を発揮するかについては考慮されていない場合があった。
そこで本発明は、実際の施工後にも優れた滑雪性を発揮する滑雪用粘着テープ又はシートを提供することを課題とする。
本発明者らが検討したところ、滑雪用粘着シートの粘着剤面に特定の凹凸を設けたものとすると、施工後の滑雪性が非常に高いことを見出した。即ち、本発明は以下の通りである。
本発明(1)は、
基材層と、粘着剤層と、セパレーターとがこの順番で積層された滑雪用粘着テープ又はシートであって、
前記セパレーターは、前記粘着剤層に直接積層されると共に、前記粘着剤層から剥離可能に構成されており、
前記基材層は、着雪面となる表面としてコーティング面を有し、
前記コーティング面は、水接触300秒後の静的水接触角が55°以下である親水性、または、水接触300秒後の静的水接触角が90°以上である撥水性を有し、
前記セパレーターは、
前記粘着剤層側の表面に、複数の畝状の凸部構造が互いに交わることにより形成される格子パターンを有し、
前記凸部の幅が1μm以上250μm以下であり、
隣接する前記凸部同士の間隔が100μm以上2000μm以下であり、
前記凸部の高さが5μm以上30μm以下である
ことを特徴とする、滑雪用粘着テープ又はシートである。
なお、前記コーティング面は、水接触300秒後の静的水接触角が0.1°以上55°以下である親水性、または、水接触300秒後の静的水接触角が90°以上150°以下である撥水性を有するものであってもよい。
本発明(2)は、
家屋、道路、信号、街灯、標識、屋外広告、架線、鉄塔、鉄道車両、乗用車、飛行機、船舶、ビル、ダム、トンネル、橋梁、農材、ソーラーパネル、ビニールハウスのいずれかに使用される、前記発明(1)の滑雪用粘着テープ又はシートである。
本発明(3)は、
前記発明(1)又は(2)の滑雪用粘着テープ又はシートを対象物に貼付する施工方法であって、
前記滑雪用粘着テープ又はシートから前記セパレーターを剥離し、前記セパレーターの前記格子パターンが表面に転写された前記粘着剤層を露出させる剥離工程と、
前記剥離工程により露出された前記粘着剤層を前記対象物に貼付する貼付工程と
を含むことを特徴とする、滑雪用粘着テープ又はシートの施工方法である。
本発明によれば、実際の施工後にも優れた滑雪性を発揮する滑雪用粘着テープ又はシートを提供することが可能である。更には、本発明によれば、実際の施工後にも外観性に優れる滑雪用粘着テープ又はシートを提供することも可能である。
図1は、滑雪用粘着テープ110の概念側面図(図1(1))、および、基材層111の概念側面図(図1(2))である。 図2は、セパレーター113の概念上面図(図2(1))、および、当該概念上面図のA−A断面における概念断面図(図2(2))である。 図3は、セパレーター113の、概念上面図である。 図4は、滑雪用粘着テープ110の、施工方法の一例を示した概念図である。
以下、本発明の滑雪用粘着テープ又はシートについて具体的に説明するが、本発明は以下には何ら限定されない。
本発明において、「テープ又はシート」を、単に「シート」、「テープ」等と称する場合がある。
本発明において、テープ又はシートは、長尺に形成されたものをロール状に巻き取った形態等も含まれる。
本明細書において、ある数値範囲に関して上限値と下限値とが別々に記載されている場合、上限値と下限値とを任意に組み合わせて得られる数値範囲が実質的に本明細書に記載されているものと見做す。
<<滑雪用粘着テープ110>>
本形態に係る滑雪用粘着テープ110の、具体的な構成、材質、物性、製造方法、用途等について説明する。
<構成>
本形態に係る滑雪用粘着テープ110は、基材層111と、粘着剤層112と、セパレーター113とがこの順番で積層された積層体である(図1(1)参照)。また、基材層111は、支持体層111bと、親水性または撥水性を有し、着雪面となる表面であるコーティング面(以下、コーティング層111aと称する。)が設けられている(図1(2)参照)。また、セパレーター113には特定の凹凸構造を有するセパレーター凹凸面113aが設けられている。セパレーター113は、粘着剤層112から剥離可能に構成されている。
以下、本形態においては、支持体層111bおよびコーティング層111aを含む基材層111と、粘着剤層112と、セパレーター113と、を有する滑雪用粘着テープ110について具体的に説明するが、本発明はこれには限定されず、滑雪用粘着テープ110がその他の層を有していてもよい。例えば、コーティング層111aの表面上に、滑雪用粘着テープの使用時まで当該コーティング層111aを保護するための保護フィルム層が積層されていてもよい。この場合、保護フィルム層としては公知の保護フィルムを使用することができる。また、粘着層又は接着層/基材層/接着層/基材層/コーティング層等のように形成し、基材層が複数積層されていてもよい。
セパレーター113に設けられた凹凸構造を確実に粘着剤層に転写可能とするために、粘着剤層112とセパレーター113とは、直接(他の層を介さずに)積層されている。ただし、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば、セパレーター113と粘着剤層112の間に他の材料等が存在する形態も、直接積層するという概念に含まれるものとする。例えば、粘着剤層112とセパレーター113との間に、粘着剤層112の粘着を阻害しない範囲内で剥離剤(薄膜状の剥離フィルムの形態も含む。)等が介在していてもよい(例えば、セパレーター113に剥離処理剤が付着していてもよい)。剥離処理剤としては、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系の剥離処理剤を用いることが好ましく、広く一般に普及し安価であり、耐熱性も優れているため、シリコーン系の剥離処理剤を用いることがより好ましい。
(構成:基材層111;支持体層111b)
支持体層111bとしては、通常使用されるテープを適用可能である。
支持体層111bの幅及び長さによって、滑雪用粘着テープ110全体の幅及び長さが決定されるが、これらは滑雪用粘着テープ110の用途に応じて適宜決定すればよく、何ら限定されない。また、支持体層111bの厚みに関しても何ら限定されず、支持体層111bの材質や滑雪用粘着テープ110の用途によって適宜決定すればよいが、例えば、1μm〜5mm、好ましくは25μm〜3mm、更に好ましくは35μm〜2mm等とすればよい。
なお、支持体層111bは、所望の表面物性を得る為に、熱エンボス加工や、UV硬化樹脂等を用いて表面にナノ〜ミリメートルスケールで微細加工が施されていてもよい。
微細加工の構造としては、各種の形状のものを用いることができる。例えば、凹部と凸部が所定ピッチで規則的に並んだ形状とすることが好ましく、ストライプ状(直線状であっても曲線状であってもよい。)に凹凸が形成されていても、ドット状に凹凸が形成されていてもよい。凸の断面から見た凸部の形状としては、柱状で合っても、先端が徐々に小さくなる錐状であってもよく、凸の平面から見た凸部の形状としては、凹凸がストライプ状の場合には線状となるが、ドット状の場合には円状であっても多角形状であってもよく、凹凸を反転させた形状であってもよい。
(構成:基材層111;コーティング層111a)
本形態におけるコーティング層111aは、通常、親水性または撥水性を有する層である。即ち、支持体層の上に更に該コーティング層111aを設けることで、所望の親水性または撥水性を有する滑雪用粘着テープ110とすることができる。
コーティング層111aの厚みとしては、コーティング層111aの材質等により適宜決定すればよいが、例えば、1nm〜200μm、好ましくは5nm〜180μm、更に好ましくは10nm〜150μm等とすればよい。
(構成:粘着剤層112)
本形態における滑雪用粘着テープ110は、基材層の着雪面となる面(コーティング層111a)とは反対側の面に、粘着剤層112を有する。本形態における滑雪用粘着テープ110の使用時には、粘着剤層が露出し、粘着剤層を介して滑雪用粘着テープ110が適宜の対象物(被着体)に付着される。
粘着剤層112の厚さ(平均厚さ)は、用途等に応じて適宜変更可能である。この厚さは、例えば、10μm以上、15μm以上、20μm以上、25μm以上、又は、30μm以上等とすることができ、また、200μm以下、150μm以下、100μm以下、又は、80μm以下等とすることができる。粘着剤層の厚さ(平均厚さ)は、50μm以上500μm以下とすることもできる。
(構成:セパレーター113)
セパレーター113は、その表面に、特定の凹凸構造であるセパレーター凹凸面113aを有する。
より詳細には、セパレーター113に設けられた凹凸(セパレーター凹凸面113a)は、複数の直線状(畝状)の凸部113bが互いに交わることに形成される格子パターンを有する(図2参照)。この格子パターンは、凸部113aで囲われた凹部113cが規則的に配列されている状態と表現することもできる。
格子パターンにおける各格子(凹部113c)の形状は、通常、多角形状を成す。より具体的な各格子(凹部113c)の形状は、図3(1)に示されるように三角形状であってもよいし、四角形状(通常は平行四辺形状)であってもよいし、五角形以上の多角形状であってもよい。発明の効果や製造容易性を高めるためには、各格子(凹部113c)の形状は、平行四辺形状および/または三角形状であることが好ましく、平行四辺形状であることがより好ましい。各格子(凹部113c)の形状が平行四辺形状である場合、図2(1)に示されるように正方形状であってもよいし、図3(2)に示されるように長方形状であってもよいし、図3(3)に示されるように菱形状であってもよい。更には、各格子(凹部113c)は、形状や大きさが異なる複数種の多角形状が組み合わされた形状(例えば、図3(4)に示されるように、三角形状と平行四辺形状が複合された形)であってもよい。
なお、このような格子パターンは、全体としてパターンを成していればよいため、一部の凸部113aが潰れている場合等も、格子パターンに該当し得る。また、本明細書においては、格子パターンを構成する線を、直線として説明しているが、直線には限定されず、全体として格子パターンを形成していると判断できる線であってもよい。そのため、本明細書における「直線」を、「全体として一定の方向に延存する、直線、または、一部もしくは全部が曲線により構成されている線(例えば、波線)」と読み替えることもできる。
本発明に係るセパレーターを、以下のように表現することもできる。
本発明に係るセパレーターは、その表面上に、ある方向(方向A)に延在する、互いに平行な複数の直線状凸部A(畝A)と、方向Aとは異なる方向(方向B)に延在する、互いに平行な複数の直線状凸部B(畝B)と、を有する。
複数の直線状凸部A(畝A)と複数の直線状凸部B(畝B)とが交差することで、セパレーターの表面上に、直線状凸部で区画された凹部が規則的に形成される。
複数の直線状凸部Aおよび複数の直線状凸部Bのみで凹部を形成する場合、凹部の形状は、通常、平行四辺形となる。
セパレーターは、その表面上に、方向Aおよび方向Bとは異なる方向に延在する、互いに平行な複数の直線状凸部を更に有していてもよい。このように、直線状凸部Aや直線状凸部Bとは異なる方向に延存する直線状凸部を設けることで、凹部の形状を、平行四辺形以外の多角形とすることができる。
このように、直線状凸部の配置方法によって、格子パターンの形状等を適宜変更することが可能である。
凸部113bの凸部幅Laは、好ましくは1μm以上250μm以下であり、より好ましくは10μm以上100μm以下であり、更に好ましくは10μm以上50μm以下である。ここで、凸部幅Laとは、通常、ある1つの凸部113aを上面から見た際の、凸部113aの最大幅である。なお、本発明でいう凸部幅Laは、格子パターンを形成する複数の凸部113bのうち任意の10個を選択し、それぞれの凸部113bについて凸部幅Laを測定して平均値を測定したものである。
各格子における凸部113b同士の凸部間隔Lb(対向する凸部同士の間隔)は、好ましくは100μm以上2000μm以下であり、より好ましくは200μm以上1000μm以下であり、更に好ましくは200μm以上800μm以下である。ここで、凸部間隔Lbは、通常、ある1つの凸部113aおよび当該ある1つの凸部113aと平行且つ隣接する凸部113aを上面から見た際の、凸部113a同士の間隔(凸部113a同士の距離)のうち最短となるものである。なお、本発明でいう凸部間隔Lbは、格子パターンを形成する複数の凸部113bのうち任意の10個を選択し、それぞれの凸部113bについて凸部間隔Lbを測定して平均値を測定したものである。
凸部113bの凸部高さLcは、5μm以上30μm以下であり、5μm以上20μm以下であることが好ましく、更に好ましくは5μm以上15μm以下である。ここで、凸部高さLcは、通常、隣接する凹部113cの最も低い所からの高さである。なお、本発明でいう凸部高さLcは、格子パターンを形成する複数の凸部113bのうち任意の10個を選択し、それぞれの凸部113bについて凸部高さLcを測定して平均値を測定したものである。
ここで、上述したように、凸部113bは、ある方向(方向A)に延在する、互いに平行な複数の直線状凸部A(畝A)と、方向Aとは異なる方向(方向B)に延在する、互いに平行な複数の直線状凸部B(畝B)と、を含む。この場合、本発明における凸部幅La、凸部間隔Lb、凸部高さLcは、直線状凸部Aおよび直線状凸部Bのそれぞれにおいて、上記所定のパラメーターを満たすものとする。また、方向Aおよび方向Bとは異なる方向に延在する、互いに平行な複数の直線状凸部が更に設けられている場合、この直線状凸部についても、凸部幅La、凸部間隔Lb、凸部高さLcが上記所定のパラメーターを満たすものとする。
このようなセパレーター113を使用することにより、表面の平滑性に影響を与えずに、滑雪用粘着テープ又はシートを対象物に貼付する際に被着体の隙間に入った気体、液体等の流体をより効果的に抜けやすくすることができる。各格子の形状が平行四辺形である場合、各格子における対角線の長辺の長さが、対角線の短辺の長さに対して、130%以上200%以下であることが好ましい。
このような構成とする結果、セパレーター113上に積層された粘着剤層112の表面には、粘着剤層112からセパレーター113を剥離したときに、粘着剤層112の表面にセパレーター凹凸面113a由来の特定の凹凸構造が転写される。粘着剤層112の表面に特定の凹凸構造があることで、滑雪用粘着テープ110の表面の平滑性に影響を与えることがない範囲で、滑雪用粘着テープ110を対象物に貼付する際の空気の抱き込みを防止することができる。
ここで、従来の滑雪用粘着テープ110においては、貼付時に空気の抱き込みが存在することで、滑雪時における物理的な障壁となることで滑雪性を阻害する(低下させる)一方で、粘着剤層112の凹凸構造が不適な形状である場合(特に凸部高さLcが所定の範囲外となる場合)には、その凹凸がコーティング層111aの表面平滑性に影響を与え、滑雪性を阻害することが予想された。更に、凹凸構造を適切な形状とすることで、視認性等を向上させることができる。
本発明によれば、貼付後の施工状態として、平滑な表面を維持することが可能である(以下、“エア抜け性が良好である。”ともいう)。更に、滑雪用粘着テープを対象物に貼付し施工した際に、空気を抱き込んだ部分が膨らむと、見た目(外観性)も悪くなる場合があるが、本発明によれば、施工後の外観性にも優れることとなる。
セパレーター113におけるセパレーター凹凸面113aの形成方法は特に限定されないが、熱エンボス加工によって実施されることが好ましい。より具体的には、セパレーター凹凸面113aは、例えば次のようにして得る事ができる。
凹凸模様を施した金属エンボスロールと加熱、加圧できるバックロールを持つ装置を用意し、剥離処理をしたセパレーター113を、金属エンボスロールと80〜250(セパレーター113がポリプロピレンの場合には、例えば140℃)に加熱したバックロールの間に通して、圧力をかけ、セパレーター113の剥離処理面に熱エンボス加工を施す。セパレーター113を放冷後、装置から取り出し、凹凸模様(セパレーター凹凸面113a)が付与されたセパレーター113を得ることができる。ここで、熱エンボス加工は、バックロールを加熱する方式を上げたが、加熱部は金属エンボスロールでもよく、また加熱したセパレーター113を金属エンボスロールとバックロールの間に通してもよい。
<材質>
(材質:基材層111;支持体層111b)
支持体層111bの材質としては、特に限定されず、ポリオレフィン系材料(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合体、エチレンブテン‐1共重合体、エチレンオクテン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体等);ポリビニルアルコール系材料;アクリル系材料(ポリメチルメタクリレート等);ポリエステル系材料(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート等);ポリアミド系材料(ナイロン6、ナイロン6,6等);構造内に亜鉛、ナトリウム等の金属イオンをもつ各種アイオノマー系材料;スチレン系材料(ポリスチレン、スチレンイソプレン共重合体、スチレンブタジエン共重合体等);ポリウレタン系材料;ポリ塩化ビニル系材料;フッ素系材料(テトラフルオロエチレン、テトラフルオロプロピレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、4フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル等);セルロース系材料(アセテート、セロファン等);金属(アルミ、銅、銀、金、スズ、ステンレス等);等が挙げられる。各種材料は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
支持体層111bには、各種添加剤を添加、もしくは塗布することができる。好ましくは、フェノールやアミン類等の酸化防止剤又はベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤を添加したポリエチレンテレフタレートや、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、4フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂、アイオノマー、ポリフッ化ビニリデンが挙げられる。
(材質:基材層111;コーティング層111a)
コーティング層111aは、特定の親水性または撥水性(疎水性)を奏することが可能であれば、その材料は特に限定されないが、シリカ(無機シリカ)、シラン化合物、シリケート、ベタイン構造を持つポリマーブラシ、水酸基含有ポリマー、フッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマーから選択される一種以上の成分を含むことが好ましい。このような成分を使用し、且つ、粘着剤層112と接触し得るセパレーター113の表面形状を特定の凹凸構造とすることにより、本発明の効果をより高めることが可能となる。なお、ここで例示された各成分(特にポリマー)に関しては、官能基の導入や表面修飾等により、親水性および撥水性(疎水性)の性能をある程度制御可能であるが、シリカ(無機シリカ)、シラン化合物、シリケート、ベタイン構造を持つポリマーブラシ、水酸基含有ポリマーが親水性成分として含有されることが好ましく、フッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマーが撥水性成分として含有されることが好ましい。なお、コーティング層111aは、その他の成分(例えば、ワックス等)を含有していてもよい。
無機シリカは、粒子径が3〜100nmであることが好適である。
無機シリカの付着方法は特に限定されないが、(1)溶媒としてメタノールやイソプロパノール等のアルコールを用いて基材表面を一部溶解若しくは膨潤させて基材と無機シリカとの密着性を高める方法、(2)無機シリカと有機系界面活性剤とを含む分散液を使用することにより基材と無機シリカとの密着性を高める方法、(3)水酸基等の極性基を含む有機又は無機系プライマーを基材へ塗布する方法、等が挙げられる。
有機シラン化合物としては、シランカップリング剤等を使用可能である。シランカップリング剤としては、アルコキシ基の他方の末端側に、水酸基、カルボキシ基およびアミノ基等の親水性基を有するものを例示することができる。
シリケートとしては、通常のアルカリ金属ケイ酸塩等を使用可能であり、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムまたはケイ酸リチウム等を例示することができる。
シリケートは、粒子径が3〜100nmであることが好適である。
ベタイン構造を持つポリマーブラシとしては、スルホキシベタイン、カルボキシベタイン、ホスホリルベタイン等を含むものが好適である。なお、基材密着部位として更にトリシラノール基やアルコキシシリル基等を含むことが好適である。
なお、これらのポリマーブラシの重量平均分子量は特に限定されないが、例えば、5,000〜1,000,000であり、トリシラノール基やアルコキシシリル基等を含む場合には10,000〜100,000とすることが好適である。
水酸基含有ポリマーとしては特に限定されないが、ポリフェノール、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等を例示することができる。
フッ素系ポリマーは、ジフルオロエチレンのポリマー及びコポリマー、ヘキサフルオロプロピレンのポリマー及びコポリマー、テトラフルオロエチレンのポリマー及びコポリマー、クロロトリフルオロエチレンのポリマー及びコポリマー、並びに、パーフルオロアルキル基含有ポリマー及びコポリマーからなる群から選択される一種以上のフルオロポリマーであることが好ましい。
シリコーン系ポリマーは、脱離、滲みによる汚染を防止するといった観点から、UV硬化シリコーンポリマー、熱硬化シリコーンポリマー、湿気硬化シリコーンポリマー、室温付加型シリコーンポリマー、2液硬化型シリコーンポリマー、シリコーン変性アクリルポリマー、シリコーン変性フッ素ポリマーから選択される一種以上のシリコーン系ポリマーであることが好ましい。
(材質:粘着剤層112)
粘着剤層112を形成するための粘着剤は、貼付対象(被着体)の種類により適宜選択すればよい。例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤が挙げられる。
なお、上述した各層は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、適宜公知の添加剤(例えば、帯電防止剤剤)を含有していてもよい。帯電防止剤としては特に限定されず、ポリオレフィンポリエーテルコポリマー、酸化スズ等を挙げることができる。この場合、帯電防止剤は、滑雪用粘着テープのいずれかの層(支持体層やコーティング層)又は全ての層に含有されていてもよい。具体的な例としては、滑雪用粘着テープの着雪面となる表面付近(例えば、コーティング層のみ)に帯電防止剤が存在する形態が挙げられる。
(材質:セパレーター113)
セパレーター113の材質としては、従来使用されているものを使用することができる。例えば、上質紙、グラシン紙等の紙材料にポリエチレンまたはポリプロピレンをラミネートしたラミネート紙や、ポリエステル系材料、ポリオレフィン系材料で形成したテープの上に、シリコーン等の剥離剤を処理したものが好ましい。
<物性>
(物性:基材層111;コーティング層111a)
本形態におけるコーティング層111aは、通常、親水性または撥水性を有する層である。即ち、支持体層111bの上に更に該コーティング層111aを設けることで、所望の濡れ性を有する滑雪用粘着テープ110とすることが可能となる。
コーティング層111aを親水性とする場合、水接触300秒後の静的水接触角が55°以下(例えば、0.1°以上55°以下)であり、好ましくは53°以下(例えば、0.1°以上53°以下)であり、より好ましくは50°以下(例えば、0.1°以上50°以下)である。
コーティング層111aを撥水性とする場合、水接触300秒後の静的水接触角が90°以上(90°以上180°以下)であり、好ましくは95°以上180°以下又は90°以上150°以下であり、より好ましくは100°以上150°以下である。
なお、これらの水接触角は、次に示す方法によって求められたものである。
先ず、滑雪用粘着テープ110を3cm角サイズに裁断し試験片とし、同サイズのステンレス板に当該試験片を両面テープで貼付した後、23℃環境で2時間静置する。静置後、自動接触角計DM−501(協和界面科学製)を用い、水10μLにて液滴法にて300秒後の水接触角を測定する。
<製造方法>
本発明の滑雪用粘着テープ110は、特に限定されないが、以下の方法により形成することができる。例えば、(1)滑雪の特性を持たせた基材層の反対側の面に粘着剤を塗布して粘着剤層を形成し、粘着剤層の上側にセパレーターを積層する方法、(2)セパレーターの表面に溶融した粘着剤を塗布して粘着層を形成し、粘着剤層の上面に滑雪の特性を持たせた基材層と反対側の面に積層してラミネートする方法、(3)基材層に滑雪の特性を持たせたシートを用意し、一方、セパレーターの表面に溶融した粘着剤を塗布して粘着層を形成したシートを、熱をかけまたは熱をかけずにラミネートする方法、(4)セパレーターの表面に粘着剤を塗布して粘着層を形成し、基材層と積層しラミネートした後に、滑雪の特性を持たせるコーティングを実施する方法などがある。
上記の方法により得られた滑雪用粘着テープ又はシートは、通常、所定幅にスリットされロール芯材に巻き付けられた形態の滑雪用粘着テープ又はシートとして製造されるが、使用用途等に応じて、楕円形、円形、正方形、長方形等の形状及び所定の大きさに裁断して、滑雪用粘着テープ又はシートを製造してもよい。
また、基材層(支持体層とコーティング層とを有する積層体)の製造方法は特に限定されず、例えば(1)支持体層となるテープ又はシート材料に、コーティング剤を付着(塗布、吹付け、蒸着等)させる工程、その後、乾燥(特に溶剤を使用している場合)及び/又は硬化(例えば、UV硬化のようなエネルギー硬化)する工程等を実施して製造することができる。なお、コーティング剤とは、上述したコーティング層を形成する成分を、必要に応じて適宜の媒体(例えばエタノール等)に分散又は溶解させた剤である。
また、滑雪用粘着テープに粘着層を形成するときは、基材層に直接粘着剤を塗布、吹付け、溶融延展等により粘着剤を凹凸のあるセパレーターに付着させる工程を設けてもよい。通常、基材層に一面に一定厚の粘着剤層を形成するが、パターンコーティングとしても良い。
各材料に、コーティング剤、粘着剤を付着させるに際して、各材料の表面処理(例えば、コロナ放電による表面処理等)を実施してもよい。例えば、ポリマーの支持体層への付着方法は特に限定されないが、支持体層表面に対して、予めコロナ処理、プラズマ処理、プライマー処理、電子線・放射線処理、真空蒸着法、スパッタリング法、化学蒸着法等を行ってもよい。このような処理を行うことで、強固にコーティングと基材とを密着させることができる。
<用途>
本形態に係る滑雪用粘着テープは、あらゆる物品及び構造物(例えば、家屋、道路、信号、街灯、標識、屋外広告、架線、鉄塔、鉄道車両、乗用車、飛行機、船舶、ビル、ダム、トンネル、橋梁、農材、ソーラーパネル、ビニールハウス等)の滑雪用として使用することができる。
また、本形態に係る滑雪用粘着テープは、急勾配箇所用として好適に使用することができる。なお、急勾配箇所とは、物品又は構造物において、例えば静置状態で勾配14°以上となる箇所を示す。この14°の勾配は、一般的な家屋のスレート屋根(3寸:16.7°)や瓦屋根(4寸:21.8°)よりもゆるい勾配にあたるが、雪国では、雪を滑雪させることを目的とした場合は、更に急な勾配である30°以上の勾配の屋根(急勾配屋根)が用いられる。ただし、急勾配屋根のデメリットとしては、(1)屋根面の角度が高いので、突風や台風時に、その力を受けやすくなる、(2)屋根面積が広くなるので、施工価格が高くなる、(3)急勾配で作業ができる職人も限られてくるので、人件費が高騰する、等が挙げられる。本形態に係る滑雪用粘着テープ又はシートは、勾配が低い部分(例えば、30°未満の勾配となる部分)に本形態のテープ又はシートを配置した場合であっても、適切にシート上に積もった雪(特に湿雪)を滑雪することができるため、上記のようなデメリットを解消できる。更に、14°以上の勾配としても本形態のテープまたはシートは湿雪に対する滑雪性に優れるため、トンネルのアーチ、家屋の屋根部材、橋梁用のアーチリブや斜材上に配置するのに好適に使用可能である。ここで、本形態に係るテープは、振動箇所用として好適に使用することができる。振動箇所とは、通常の使用形態において振動が生じ得る箇所であり、特には風や車両往来等の外的要因を起因とする振動が生じる箇所を示す。更に振動箇所として、急勾配箇所でない箇所(勾配が14°未満の箇所)にも好適に使用することができる。また、電線等に本形態に係るテープを設置する場合、風や車両往来等の外的要因を起因とする振動を受けるが、そのような微細な振動でも滑雪性を有するため好適に使用可能である。
また、対象物の状態がわかるように、着色あるいは着色なしとした半透明または透明とした滑雪用粘着テープとすることができる。特に半透明または透明としたときでも、エア抜け性が良好であるため、施工時に空気を抱き込まないため、美観が損なわれない。
<使用方法:施工方法>
本発明の滑雪用粘着テープ110の施工方法は、好ましくは以下の工程を含む(図4参照)。
(1)施工する場所(対象物200)に対して液体(300)を噴霧または塗布することにより、対象物200の表面を濡らす湿潤工程(任意工程)
(2)滑雪用粘着テープ110から、セパレーター113を剥離し、セパレーター113の格子パターンが表面に転写された粘着剤層112を露出させる剥離工程
(3)滑雪用粘着テープ110の少なくともコーティング層111aに液体を付着させる水貼工程(任意工程)
(4)施工する場所200に粘着剤層112を当接させて滑雪用粘着テープ110を貼付する貼付工程
(5)液体300の乾燥を待って、施工を完了する乾燥工程(任意工程)
貼付工程においては、特に限定されないが、治具(例えば、ロール状の治具またはテフロン(登録商標)の治具)を用いて、対象物に圧着しながら貼付する工程を含むことが好ましい。
上記のうち、(1)又は(2)、(2)又は(3)は順序が逆でも良く、(2)の工程後、液体300に滑雪用粘着テープ又はシートを浸漬した場合は、コーティング層111a及び粘着剤層112の表面が濡れた状態となるため、(1)の施工手順は不要である。
各好適において使用される液体300としては、水が最も適切であるが、必要に応じて有機溶剤を混合してもよい。有機溶剤としては、水と相溶する有機溶剤であれば何でもよいが、アルコール類が好ましい。アルコール類としては例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの一般的なアルコールおよび変性アルコールを一種もしくは必要に応じて複数種混合してもよい。また、各工程における液体300を異なるものとしてもよい。
本発明に係る施工方法は、対象物、粘着面、コーティング層等に液体をかける工程を含む施工方法であるため、水に強く、雨天時でも作業をすることができる。
(塗装との差)
ここで、通常、塗装は塗り替え作業を伴い、塗装箇所の取り外しが困難な場合、その多くは現地塗装を必要とする。屋外で塗装をすると、塗料に含まれる有機溶剤が大気放出されてしまい安全・環境配慮がなされないこと、塗料が乾く前に砂埃や毛くず等で塗面が汚染され本来の機能が発現できない場合があること、塗装は作業に技術を要し、作業者による塗装の差が生じること、通常塗装は下塗り、中塗り、上塗り塗装等を必要とし、乾燥を含めた施工に時間を要すこと、塗装前〜直後に降雨があると塗料が硬化する前に雨で洗い流されてしまったり、雨水により塗料が薄まり塗装ムラが発生すること、塗料の密着性や耐久性が低下すること、雨天時には作業ができずに工期延長すれば余計なコストを要したり、交通規制期間が長くなることにより産業活動や物流にも影響を及ぼしてしまうこと、冬の低温時には塗料の乾燥硬化に時間がかかってしまうこと、硬化不良となりやすいこと、夏の高温時には塗装吹きつけ直後に塗料が乾燥してしまったり、高湿度によって硬化阻害をしたり、美観が損なわれること等、季節や天候に左右されやすい。
構造物由来の凹凸形状に沿う様に塗装される為、砂壁状の外壁や粗い表面や目地の様な凹凸を拾ってしまい、滑雪阻害になる可能性がある。
一方、本形態の滑雪用粘着テープ又はシートであれば現地施工、貼り替え作業が容易なことから短時間で滑雪用粘着テープ又はシートを施工することができる。また、通常、滑雪用粘着テープ又はシートは工場にて製造される為に品質が安定していることから、施工者による差が出にくい。
次に、実施例及び比較例により、本発明のテープ又はシートについてより詳細に説明するが、本発明はこれらには何ら限定されない。
<<試験片の製造>>
<使用原材料>
(コーティング剤)
・スーパーグラスバリア
(株)スケッチ製、シリカ・バインダー含有コーティング剤
・ADTECH-COAT
(株)トレードサービス製、シリカ含有コーティング剤
・HFイエロー
Toko−Swix Sport株式会社製、フッ素配合ワックス系コーティング剤
・アクリット8BS‐9000
大成ファインケミカル株式会社製、シリコーン変性アクリル含有コーティング剤
・HIREC下塗UP−S
NTT−アドバンステクノロジ株式会社製、超撥水材料下塗剤
・HIREC100
NTT−アドバンステクノロジ株式会社製、超撥水材料
<実施例1>
PVDF基材にバーコーターでコーティング剤(スーパーグラスバリア)を塗工し3分静置の後、80℃×5分加熱乾燥させて溶媒を除去し、コーティング厚300nmのテープを得た。
一方で、セパレーターA上にアクリル系粘着剤50μmを積層したもの(粘着剤としての最大高さは50μm)を、上記のPVDFテープのコーティング処理した面とは反対側の面とラミネートして、10cm×20cmに裁断し、実施例1に係るサンプルを得た。
<実施例2〜6、比較例1、2>
基材、コーティング剤、セパレーターの種類を変更した以外は実施例1に係るサンプルと同様に、実施例2〜6、比較例1、2に係るサンプルを作製した。
なお、表中、微細加工ありとなっているものは、熱エンボスにより得られた凹凸ストライプ形状を有するポリカーボネートフィルム(旭硝子製カーボグラスフィルムC110C、凹凸間隔60μm、凹凸高さ60μm)を基材として使用した。
また、セパレーターDに関しては、積層するアクリル系粘着剤の厚みを、100μmに変更した。
<実施例7>
PET基材にエアスプレーガンで下塗剤(HIREC下塗UP−S)を200g/m塗装し20℃×24時間乾燥させて溶媒を除去した後、エアスプレーガンでコーティング剤(HIREC100)を300g/m塗装し、20℃×12時間乾燥させて下塗+コーティング厚60μmのテープを得た。
一方で、セパレーターA上にアクリル系粘着剤50μmを積層したもの(粘着剤としての最大高さは50μm)を、上記のPETテープのコーティング処理した面とは反対側の面とラミネートして、10cm×20cmに裁断し、実施例7に係るサンプルを得た。
各実施例および比較例に係るサンプルで使用された、セパレーター(セパレーターA〜E)、コーティング剤、および基材の種類を表1及び表2に示し、セパレーター(セパレーターA〜E)の性状を表3に示す。
各実施例および比較例に係るサンプルのコーティング面における、水接触300秒後の静的水接触角を測定した。測定結果を表1及び表2に示す。
<<評価>>
実施例1〜6、比較例1、2の各サンプルについて、気泡除去性、貼付後外観確認試験、滑雪性を評価した。
なお、実施例1に係るサンプルについては、各評価に際して、水貼りを実施しないで評価試験を実施したものと、水貼りを実施して評価試験を実施したものと、を準備した。水貼りを実施する場合、各サンプルの粘着剤を貼付するに際して、フロート板ガラスに霧吹きで水道水を20mL吹きかけた後にガーゼを巻きつけた圧着棒を用いてサンプルを圧着した。
<気泡除去性評価>
実施例1〜6、比較例1、2の各サンプルを10cm×20cmに裁断し、セパレーターを全て除去し、同サイズのフロート板ガラスに、ガーゼを巻きつけた圧着棒を用いてサンプルをしごき圧着した。圧着操作直後に1mm以上の気泡抱き込みが見られた場合は、前記気泡抱き込みが消えるまで前記圧着棒で更に圧着操作を繰り返した。10回圧着しても気泡が全て除去されない場合は圧着操作が完了したと判断した。それらを23℃50%RH環境で24時間馴化し、黒色不透明のエチレン・プロピレンゴムシート(厚さ1cm、10cm角)上に置き、50cm離して目視確認した。気泡除去性の判定基準は以下の通りである。
○:気泡が目立たない、または、気泡を確認できる部分が貼付面の10%未満
×:気泡を確認できる部分が貼付面の10%以上
尚、ここで評価した気泡は、貼付時に抱き込んだ発泡を指す。
比較例1の評価結果は、セパレーターEの粘着層表面に転写された格子体積が小さいため、被着体の隙間に入った気泡を十分に抜くことができなかったためである。
<外観性評価>
前記気泡除去評価で圧着した各サンプルについて、気泡除去性を目視確認したときと同条件で、粘着剤層表面に転写されたセパレーターの格子パターンの跡の有無を23℃50%RH環境で24時間馴化した後に目視確認した。判定基準は以下の通りである。
○:格子パターンの跡がほぼ見えない
×:格子パターンの跡が目立つ
比較例2の評価結果は、セパレーターDの格子凸高さは他セパレーターと比較し高いため、転写された粘着層表面の格子パターンが深い溝となり、時間が経った後も跡が目立ったためである。
<滑雪性評価その1>
実施例1〜6、比較例1、2の各サンプルを、2℃で2時間馴化し、同じく2℃で12時間馴化したブロック氷を、カキ氷機HF‐300P(中部コーポレーション)で削ることで、湿雪(雪密度40.2g/100cm)100gを得た。湿雪を10mm目の篩を用いてスレート板に貼付した各サンプルに積雪した後、各サンプルを10°に傾斜設置して、滑雪までの時間について評価した。試験は、一般的に滑雪性が優れるとされるPTFE板と比較した。判定基準は以下の通りである。なお、比較例1に関しては、サンプル貼付時に空気を抱き込んだ状態となり、試験に影響が出ることが予想されたため、サンプル表面を所定の器具でしごき、この空気を排除した。
○:PTFEと同等又はPTFEよりも早く滑雪する
×:PTFEより遅く滑雪する
<滑雪性評価その2>
実施例7のサンプルを、2℃で2時間馴化した。同じく2℃で12時間馴化したブロック氷を、カキ氷機HF‐300P(中部コーポレーション)で削ることで、湿雪(雪密度40.2g/100cm)100gを得た。湿雪を10mm目の篩を用いてスレート板に貼付した各サンプルに積雪した後、各サンプルを60°に傾斜設置して、滑雪までの時間について評価した。
試験は、一般的に滑雪性が優れるとされるPTFE板と比較した。判定基準は以下の通りである。
○:PTFEと同等又はPTFEよりも早く滑雪する
×:PTFEより遅く滑雪する
超撥水材料HIREC100は不透明であるため、サンプルを圧着したフロートガラスの反対面側から判断した以外は、実施例1〜6、比較例1、2の外観性評価方法と気泡除去性評価方法に準じて目視判断した。
Figure 2020164862
Figure 2020164862
Figure 2020164862
110 滑雪テープ
111 基材層
111a コーティング面
111b 支持体層
112 粘着剤層
112a 粘着剤層凹凸面
113 セパレーター
113a セパレーター凹凸面
113b 凸部
113c 凹部
200 対象物表面
300 液体
La 凸部幅
Lb 凸部間隔
Lc 凸部高さ

Claims (3)

  1. 基材層と、粘着剤層と、セパレーターとがこの順番で積層された滑雪用粘着テープ又はシートであって、
    前記セパレーターは、前記粘着剤層に直接積層されると共に、前記粘着剤層から剥離可能に構成されており、
    前記基材層は、着雪面となる表面としてコーティング面を有し、
    前記コーティング面は、水接触300秒後の静的水接触角が55°以下である親水性、または、水接触300秒後の静的水接触角が90°以上である撥水性を有し、
    前記セパレーターは、
    前記粘着剤層側の表面に、複数の畝状の凸部構造が互いに交わることにより形成される格子パターンを有し、
    前記凸部の幅が1μm以上250μm以下であり、
    隣接する前記凸部同士の間隔が100μm以上2000μm以下であり、
    前記凸部の高さが5μm以上30μm以下である
    ことを特徴とする、滑雪用粘着テープ又はシート。
  2. 家屋、道路、信号、街灯、標識、屋外広告、架線、鉄塔、鉄道車両、乗用車、飛行機、船舶、ビル、ダム、トンネル、橋梁、農材、ソーラーパネル、ビニールハウスのいずれかに使用される、請求項1に記載の滑雪用粘着テープ又はシート。
  3. 請求項1又は2に記載の滑雪用粘着テープ又はシートを対象物に貼付する施工方法であって、
    前記滑雪用粘着テープ又はシートから前記セパレーターを剥離し、前記セパレーターの前記格子パターンが表面に転写された前記粘着剤層を露出させる剥離工程と、
    前記剥離工程により露出された前記粘着剤層を前記対象物に貼付する貼付工程と
    を含むことを特徴とする、滑雪用粘着テープ又はシートの施工方法。

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