JP2020164784A - 液晶組成物および液晶表示素子 - Google Patents

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将之 齋藤
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Abstract

【課題】 高い上限温度、0℃より低いスメクチック−ネマチック転移温度、スメクチック相の広い温度範囲、小さな粘度、適切な光学異方性、正または負に大きな誘電率異方性、大きな比抵抗、光に対する高い安定性、熱に対する高い安定性のような特性において、少なくとも1つの特性を充足する、または少なくとも2つの特性に関して適切なバランスを有する液晶組成物、およびこの組成物を含むAM素子を提供する。【解決手段】 成分Aとして高い上限温度または小さな粘度を有する特定の化合物、成分Bとして大きな正の誘電率異方性を有する特定の化合物、成分Cとして大きな負の誘電率異方性を有する特定の化合物、または添加物Aとして重合性基を有する特定の化合物を含有してもよい、0℃より低い温度でスメクチック相を有する液晶組成物である。【選択図】 なし

Description

本発明は、液晶組成物、この組成物を含有する液晶表示素子などに関する。特に、誘電率異方性が正または負の組成物、およびこの組成物を有する素子に関する。高分子支持配向型の素子にも関する。
液晶表示素子において、液晶分子の動作モードに基づいた分類は、PC(phase change)、TN(twisted nematic)、STN(super twisted nematic)、ECB(electrically controlled birefringence)、OCB(optically compensated bend)、IPS(in-plane switching)、VA(vertical alignment)、FFS(fringe field switching)、FPA(field-induced photo-reactive alignment)などのモードである。素子の駆動方式に基づいた分類は、PM(passive matrix)とAM(active matrix)である。PMは、スタティック(static)、マルチプレックス(multiplex)などに分類され、AMは、TFT(thin film transistor)、MIM(metal insulator metal)などに分類される。TFTの分類は非晶質シリコン(amorphous silicon)および多結晶シリコン(polycrystal silicon)である。後者は製造工程によって高温型と低温型とに分類される。光源に基づいた分類は、自然光を利用する反射型、バックライトを利用する透過型、そして自然光とバックライトの両方を利用する半透過型である。
液晶表示素子はネマチック相を有する液晶組成物を含有する。この組成物は適切な特性を有する。この組成物の特性を向上させることによって、良好な特性を有するAM素子を得ることができる。これらの特性における関連を下記の表1にまとめる。組成物の特性を市販されているAM素子に基づいてさらに説明する。ネマチック相の温度範囲は、素子の使用できる温度範囲に関連する。ネマチック相の好ましい上限温度は約70℃以上であり、そしてネマチック相の好ましい下限温度は0℃より低い温度である。組成物の粘度は素子の応答時間に関連する。素子で動画を表示するためには短い応答時間が好ましい。1ミリ秒でもより短い応答時間が望ましい。したがって、組成物における小さな粘度が好ましい。低い温度における小さな粘度はさらに好ましい。組成物の弾性定数は素子のコントラスト比に関連する。素子においてコントラスト比を上げるためには、組成物における大きな弾性定数が好ましい。
Figure 2020164784
組成物の光学異方性は、素子のコントラスト比に関連する。素子のモードに応じて、大きな光学異方性または小さな光学異方性、すなわち適切な光学異方性が必要である。組成物の光学異方性(Δn)と素子のセルギャップ(d)との積(Δn×d)は、コントラスト比を最大にするように設計される。積の適切な値は動作モードの種類に依存する。この値は、TNのようなモードの素子では約0.45μmであり、VAモードの素子では約0.30μmから約0.40μmの範囲であり、IPSモードまたはFFSモードの素子では約0.20μmから約0.30μmの範囲である。これらの場合、小さなセルギャップの素子には大きな光学異方性を有する組成物が好ましい。組成物における大きな誘電率異方性は、素子における低いしきい値電圧、小さな消費電力と大きなコントラスト比に寄与する。したがって、大きな誘電率異方性が好ましい。組成物における大きな比抵抗は、素子における大きな電圧保持率と大きなコントラスト比とに寄与する。したがって、初期段階において大きな比抵抗を有する組成物が好ましい。長時間使用したあと、大きな比抵抗を有する組成物が好ましい。光や熱に対する組成物の安定性は、素子の寿命に関連する。この安定性が高いとき、素子の寿命は長い。このような特性は、液晶モニター、液晶テレビなどに用いるAM素子に好ましい。
汎用の液晶表示素子において、液晶分子の垂直配向は、特定のポリイミド配向膜によって達成される。高分子支持配向(PSA;polymer sustained alignment)型の液晶表示素子では、配向膜に重合体を組み合わせる。まず、少量の重合性化合物を添加した組成物を素子に注入する。次に、この素子の基板のあいだに電圧を印加しながら、組成物に紫外線を照射する。重合性化合物は重合して、組成物中に重合体の網目構造を生成する。この組成物では、重合体によって液晶分子の配向を制御することが可能になるので、素子の応答時間が短縮され、画像の焼き付きが改善される。重合体のこのような効果は、TN、ECB、OCB、IPS、VA、FFS、FPAのようなモードを有する素子に期待できる。
TNモードを有するAM素子においては正の誘電率異方性を有する組成物が用いられる。VAモードを有するAM素子においては負の誘電率異方性を有する組成物が用いられる。IPSモードまたはFFSモードを有するAM素子においては正または負の誘電率異方性を有する組成物が用いられる。高分子支持配向(PSA;polymer sustained alignment)型のAM素子においては正または負の誘電率異方性を有する組成物が用いられる。
表1に記載された素子は、ネマチック相の温度範囲で駆動される。表1に記載された組成物は、低温でスメクチック相を有することがある。本発明者らは、このスメクチック相に焦点をあてた。もし、スメクチック相の温度範囲が広い場合は、この相の温度範囲においても駆動される素子が期待される。本発明者らは、ネマチック相とスメクチック相とを使用した素子の将来性について検討した。
国際公開第2012−43145号 国際公開第1996−11897号 特開平10−204016号公報 特開2000−53602号公報
本発明の課題は、ネマチック相の高い上限温度、0℃より低いスメクチック−ネマチック転移温度、スメクチック相の広い温度範囲、小さな粘度、適切な光学異方性、正または負に大きな誘電率異方性、大きな比抵抗、光に対する高い安定性、熱に対する高い安定性、大きな弾性定数のような特性の少なくとも1つを充足する液晶組成物を提供することである。別の課題は、これらの特性の少なくとも2つのあいだで適切なバランスを有する液晶組成物を提供することである。別の課題は、このような組成物を含有する液晶表示素子を提供することである。別の課題は、短い応答時間、大きな電圧保持率、低いしきい値電圧、大きなコントラスト比、長い寿命のような特性を有するAM素子を提供することである。
本発明は、0℃より低いスメクチック−ネマチック転移温度を有する液晶組成物、およびこの組成物を有する液晶表示素子に関する。
本発明の長所は、ネマチック相の高い上限温度、0℃より低いスメクチック−ネマチック転移温度、スメクチック相の広い温度範囲、小さな粘度、適切な光学異方性、正または負に大きな誘電率異方性、大きな比抵抗、光に対する高い安定性、熱に対する高い安定性、大きな弾性定数のような特性の少なくとも1つを充足する液晶組成物を提供することである。別の長所は、これらの特性の少なくとも2つのあいだで適切なバランスを有する液晶組成物を提供することである。別の長所は、このような組成物を含有する液晶表示素子を提供することである。別の長所は、短い応答時間、大きな電圧保持率、低いしきい値電圧、大きなコントラスト比、長い寿命のような特性を有するAM素子を提供することである。
この明細書における用語の使い方は次のとおりである。「液晶組成物」および「液晶表示素子」の用語をそれぞれ「組成物」および「素子」と略すことがある。「液晶表示素子」は液晶表示パネルおよび液晶表示モジュールの総称である。「液晶性化合物」は、ネマチック相、スメクチック相のような液晶相を有する化合物および液晶相を有しないが、ネマチック相の温度範囲、粘度、誘電率異方性のような特性を調節する目的で組成物に混合される化合物の総称である。この化合物は、例えば1,4−シクロヘキシレンや1,4−フェニレンのような六員環を有し、その分子(液晶分子)は棒状(rod-like)である。「重合性化合物」は、組成物中に重合体を生成させる目的で添加する化合物である。アルケニルを有する液晶性化合物は、その意味では重合性化合物に分類されない。
「液晶組成物」は、複数の液晶性化合物を混合することによって調製される。この液晶組成物に、光学活性化合物や重合性化合物のような添加物が必要に応じて添加される。液晶性化合物の割合は、添加物を添加した場合であっても、添加物を含まない液晶組成物に基づいた質量百分率(質量%)で表される。添加物の割合は、添加物を含まない液晶組成物に基づいた質量百分率で表される。すなわち、液晶性化合物や添加物の割合は、液晶性化合物の全量に基づいて算出される。重合開始剤および重合禁止剤の割合は、重合性化合物の全量に基づいて算出される。なお、「質量%」の「質量」は、省略することがある。
「ネマチック相の上限温度」を「上限温度」と略すことがある。「液晶相の下限温度」を「下限温度」と略すことがある。「液晶相の下限温度」は、固体とスメクチック相の転移温度を意味する。スメクチック相が存在しない場合は、固体とネマチック相の転移温度を意味する。「誘電率異方性を上げる」の表現は、誘電率異方性が正である組成物のときは、その値が正に増加することを意味し、誘電率異方性が負である組成物のときは、その値が負に増加することを意味する。「電圧保持率が大きい」は、素子が初期段階において室温だけでなく上限温度に近い温度でも大きな電圧保持率を有し、そして長時間使用したあと室温だけでなく上限温度に近い温度でも素子は大きな電圧保持率を有することを意味する。組成物や素子の特性が経時変化試験によって検討されることがある。
Figure 2020164784

上記の化合物(1z)を例にして説明する。式(1z)において、六角形で囲んだαおよびβの記号はそれぞれ環αおよび環βに対応し、六員環、縮合環のような環を表す。添え字‘x’が2のとき、2つの環αが存在する。2つの環αが表す2つの基は、同一であってもよく、または異なってもよい。このルールは、添え字‘x’が2より大きいとき、任意の2つの環αに適用される。このルールは、結合基Zのような、他の記号にも適用される。環βの一辺を横切る斜線は、環β上の任意の水素が置換基(−Sp−P)で置き換えられてもよいことを表す。添え字‘y’は置き換えられた置換基の数を示す。添え字‘y’が0のとき、そのような置き換えはない。添え字‘y’が2以上のとき、環β上には複数の置換基(−Sp−P)が存在する。この場合にも、「同一であってもよく、または異なってもよい」のルールが適用される。なお、このルールは、Raの記号を複数の化合物に用いた場合にも適用される。
式(1z)において、例えば、「RaおよびRbは、アルキル、アルコキシ、またはアルケニルである」のような表現は、RaおよびRbが独立して、アルキル、アルコキシ、およびアルケニルの群から選択されることを意味する。ここで、Raによって表される基とRbによって表される基が同一であってもよく、または異なってもよい。
式(1z)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を「化合物(1z)」と略すことがある。「化合物(1z)」は、式(1z)で表される1つの化合物、2つの化合物の混合物、または3つ以上の化合物の混合物を意味する。他の式で表される化合物についても同様である。「式(1z)および式(2z)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物」の表現は、化合物(1z)および化合物(2z)の群から選択された少なくとも1つの化合物を意味する。
「主成分」は、混合物や組成物の中で最も大きな割合を占める成分を意味する。例えば、40%の化合物(1z)、35%の化合物(2z)、および25%の化合物(3z)の混合物において、主成分は、化合物(1z)である。成分が化合物(1z)のみであるときも、化合物(1z)は主成分と呼ばれる。化合物(1z)が単一の化合物であるときも、この化合物は主成分と呼ばれる。
「少なくとも1つの‘A’」の表現は、‘A’の数は任意であることを意味する。「少なくとも1つの‘A’は、‘B’で置き換えられてもよい」の表現は、‘A’の数が1つのとき、‘A’の位置は任意であり、‘A’の数が2つ以上のときも、それらの位置は制限なく選択できる。「少なくとも1つの−CH−は−O−で置き換えられてもよい」の表現が使われることがある。この場合、−CH−CH−CH−は、隣接しない−CH−が−O−で置き換えられることによって−O−CH−O−に変換されてもよい。しかしながら、隣接した−CH−が−O−で置き換えられることはない。この置き換えでは−O−O−CH−(ペルオキシド)が生成するからである。
液晶性化合物のアルキルは、直鎖状または分岐状であり、環状アルキルを含まない。直鎖状アルキルは、分岐状アルキルよりも好ましい。これらのことは、アルコキシ、アルケニルのような末端基についても同様である。1,4−シクロヘキシレンに関する立体配置は、上限温度を上げるためにシスよりもトランスが好ましい。2−フルオロ−1,4−フェニレンは左右非対称であるから、左向き(L)および右向き(R)が存在する。
Figure 2020164784

テトラヒドロピラン−2,5−ジイルのような二価基においても同様である。カルボニルオキシのような結合基(−COO−または−OCO−)も同様である。
本発明は、下記の項などである。
項1. 0℃より低いスメクチック−ネマチック転移温度を有する液晶組成物。
項2. −20℃でスメクチック相を示す、項1に記載の液晶組成物。
項3. スメクチック相を有する化合物を含有する、項1または2に記載の液晶組成物。
項4. 成分Aとして式(1)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、項1から3のいずれか1項に記載の液晶組成物。
Figure 2020164784

式(1)において、RおよびRは、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルであり;環Aおよび環Bは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、または2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり;Zは、単結合、エチレン、ビニレン、メチレンオキシ、またはカルボニルオキシであり;aは、1または2である。
項5. 式(1)において、RおよびRが、炭素数1から12のアルキルまたは炭素数2から12のアルケニルであり;環Aおよび環Bが、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、または2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり;Zが、単結合であり;aが2である化合物を40%以上含有する、項4に記載の液晶組成物。
項6. 成分Aとして式(1−1)から式(1−9)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、項1から5のいずれか1項に記載の液晶組成物。
Figure 2020164784

式(1−1)から式(1−9)において、RおよびRは、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルである。
項7. 成分Aの割合が10%から90%の範囲である、項3から6のいずれか1項に記載の液晶組成物。
項8. 3−HH−Vを50%以上含有する、項1から7のいずれか1項に記載の液晶組成物。
Figure 2020164784
項9. 4−HH−Vを20%以上含有する、項1から7のいずれか1項に記載の液晶組成物。
Figure 2020164784
項10. 3−HH−4を10%以上含有する、項1から7のいずれか1項に記載の液晶組成物。
Figure 2020164784
項11. 成分Bとして式(2)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、項1から10のいずれか1項に記載の液晶組成物。
Figure 2020164784

式(2)において、Rは、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または炭素数2から12のアルケニルであり;環Cは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、ピリミジン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはテトラヒドロピラン−2,5−ジイルであり;Zは、単結合、エチレン、ビニレン、メチレンオキシ、カルボニルオキシ、またはジフルオロメチレンオキシであり;XおよびXは、水素またはフッ素であり;Yは、フッ素、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキル、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルオキシであり;bは、1、2、3、または4である。
項12. 成分Bとして式(2−1)から式(2−36)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、項1から11のいずれか1項に記載の液晶組成物。
Figure 2020164784
Figure 2020164784
Figure 2020164784
Figure 2020164784
Figure 2020164784

式(2−1)から式(2−36)において、Rは、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または炭素数2から12のアルケニルである。
項13. 式(2)において、環Cの少なくとも1つが1,3−ジオキサン−2,5−ジイルである、項11に記載の液晶組成物。
項14. 式(2)において、Rが炭素数1から12のアルキルであり、環Cの少なくとも1つが1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり、Zが単結合またはジフルオロメチレンオキシであり、XおよびXが水素またはフッ素であり、Yがフッ素である、項11に記載の液晶組成物。
項15. 成分Bの割合が10%から90%の範囲である、項11から14のいずれか1項に記載の液晶組成物。
項16. 成分Cとして式(3)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、項1から15のいずれか1項に記載の液晶組成物。
Figure 2020164784

式(3)において、RおよびRは、水素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、または炭素数2から12のアルケニルオキシであり;環Dおよび環Fは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられたナフタレン−2,6−ジイル、クロマン−2,6−ジイル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられたクロマン−2,6−ジイルであり;環Eは、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2−クロロ−3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−フェニレン、3,4,5−トリフルオロナフタレン−2,6−ジイル、7,8−ジフルオロクロマン−2,6−ジイル、3,4,5,6−テトラフルオロフルオレン−2,7−ジイル、4,6−ジフルオロジベンゾフラン−3,7−ジイル、4,6−ジフルオロジベンゾチオフェン−3,7−ジイル、または1,1,6,7−テトラフルオロインダン−2,5−ジイルであり;ZおよびZは、単結合、エチレン、ビニレン、メチレンオキシ、またはカルボニルオキシであり;cは、0、1、2、または3であり、dは、0または1であり、そしてcおよびdの和は、3以下である。
項17. 成分Cとして式(3−1)から式(3−33)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、項1から16のいずれか1項に記載の液晶組成物。
Figure 2020164784
Figure 2020164784
Figure 2020164784
式(3−1)から式(3−33)において、RおよびRは、水素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、または炭素数2から12のアルケニルオキシである。
項18. 成分Cの割合が10%から90%の範囲である、項16または17に記載の液晶組成物。
項19. 添加物Aとして式(4)で表される重合性化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、項1から18のいずれか1項に記載の液晶組成物。
Figure 2020164784

式(4)において、環Jおよび環Lは、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、テトラヒドロピラン−2−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、ピリミジン−2−イル、またはピリジン−2−イルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよく;環Kは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,2−ジイル、ナフタレン−1,3−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−1,7−ジイル、ナフタレン−1,8−ジイル、ナフタレン−2,3−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはピリジン−2,5−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよく;ZおよびZは、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CHCH−は、−CH=CH−、−C(CH)=CH−、−CH=C(CH)−、または−C(CH)=C(CH)−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;P、P、およびPは、重合性基であり;Sp、Sp、およびSpは、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CHCH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;fは、0、1、または2であり;g、h、およびjは、0、1、2、3、または4であり、そしてg、h、およびjの和は、1以上である。
項20. 式(4)において、環Jおよび環Lが、シクロヘキシル、フェニル、1−ナフチル、または2−ナフチルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよく;環Kが、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,2−ジイル、またはナフタレン−2,6−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよく;ZおよびZが、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、そして少なくとも1つの−CHCH−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;P、P、およびPが式(P−1)から式(P−5)で表される重合性基から選択された基であり:
Figure 2020164784

ここで、M、M、およびMは、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から5のアルキルであり;Sp、Sp、およびSpが、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CHCH−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;fが、0または1であり;g、h、およびjが、0、1、2、3、または4であり、そしてg、h、およびjの和は、1以上である、項19に記載の液晶組成物。
項21. 添加物Aとして式(4−1)から式(4−29)で表される重合性化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、項1から20のいずれか1項に記載の液晶組成物。
Figure 2020164784
Figure 2020164784
Figure 2020164784

式(4−1)から式(4−29)において、P、P、およびPは、式(P−1)から式(P−3)で表される重合性基から選択された基であり:
Figure 2020164784

ここでM、M、およびMは、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から5のアルキルであり;Sp、Sp、およびSpは、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CHCH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよい。
項22. 添加物Aの割合が0.03%から10%の範囲である、項19から21のいずれか1項に記載の液晶組成物。
項23. ネマチック相の上限温度が70℃以上であり、波長589nmにおける光学異方性(25℃で測定)が0.07以上であり、そして周波数1kHzにおける誘電率異方性(25℃で測定)が2以上または−2以下である、項1から22のいずれか1項に記載の液晶組成物。
項24. アルケニルを有する化合物の割合が50%以下である、項1から23のいずれか1項に記載の液晶組成物。
項25. 塩素を有する化合物を含有しない、項1から24のいずれか1項に記載の液晶組成物。
項26. 式(1a)で表される化合物の割合が0%から3%の範囲である、項1から25のいずれか1項に記載の液晶組成物。
Figure 2020164784

式(1a)において、RおよびRは、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルであり;環Aおよび環Bは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、または2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり;Zは、単結合、エチレン、ビニレン、メチレンオキシ、またはカルボニルオキシである。
項27. 項1から26のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶表示素子。
項28. 液晶表示素子の動作モードが、IPSモード、VAモード、FFSモード、またはFPAモードであり、液晶表示素子の駆動方式がアクティブマトリックス方式である、項27に記載の液晶表示素子。
項29. 項19から22のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有し、この液晶組成物中の重合性化合物が重合している、高分子支持配向型の液晶表示素子。
項30. 項1から26のいずれか1項に記載の液晶組成物の、液晶表示素子における使用。
項31. 項19から22のいずれか1項に記載の液晶組成物の、高分子支持配向型の液晶表示素子における使用。
項32. 項1から26のいずれか1項に記載の液晶組成物を調製することによって、0℃より低い温度でスメクチック相を発現させる方法。
項33. 項1から26のいずれか1項に記載の液晶組成物を使用することによって、液晶表示素子の0℃より低い温度における応答時間を短縮する方法。
本発明は、次の項も含む。(a)光学活性化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消光剤、色素、消泡剤、重合性化合物、重合開始剤、重合禁止剤、極性化合物のような添加物から選択された1つの化合物、2つの化合物、または3つ以上の化合物を含有する上記の組成物。(b)上記の組成物を含有するAM素子。(c)重合性化合物をさらに含有する上記の組成物、およびこの組成物を含有する高分子支持配向(PSA)型のAM素子。(d)上記の組成物を含有し、この組成物中の重合性化合物が重合している、高分子支持配向(PSA)型のAM素子。(e)上記の組成物を含有し、この組成物が重合体を含有し、この重合体が前駆体から誘導され、この前駆体の主成分が上記の重合性化合物である、AM素子。(f)上記の組成物を含有し、そしてPC、TN、STN、ECB、OCB、IPS、VA、FFS、またはFPAのモードを有する素子。(g)上記の組成物を含有する透過型の素子。(h)ネマチック相を有する組成物として、上記の組成物の使用。(i)上記の組成物に光学活性化合物を添加することによって得られる光学活性な組成物の使用。
本発明は、次の項も含む。次の項と他の項との組合せも含む。(j)0℃より低いスメクチック−ネマチック転移温度を有し、−20℃でスメクチック相を示す、液晶組成物。(k)0℃より低いスメクチック−ネマチック転移温度を有し、−30℃でスメクチック相を示す、液晶組成物。(l)0℃より低いスメクチック−ネマチック転移温度を有し、−20℃または−30℃でスメクチック相を示す、液晶組成物。(m)0℃より低いスメクチック−ネマチック転移温度を有し、−25℃でスメクチック相を示す、液晶組成物。
本発明は、次の項も含む。次の項と他の項との組合せも含む。(n)0℃より低いスメクチック−ネマチック転移温度を有し、スメクチック相の温度範囲が10℃以上である、液晶組成物。(o)0℃より低いスメクチック−ネマチック転移温度を有し、スメクチック相の温度範囲が20℃以上である、液晶組成物。(p)0℃より低いスメクチック−ネマチック転移温度を有し、スメクチック相の温度範囲が30℃以上である、液晶組成物。(q)0℃より低いスメクチック−ネマチック転移温度を有し、スメクチック相の温度範囲が30℃以上である、液晶組成物。
本発明は、次の項も含む。次の項と他の項との組合せも含む。(r)0℃より低いスメクチック−ネマチック転移温度を有し、−20℃でスメクチック相を示し、そしてスメクチック相の温度範囲が10℃以上である、液晶組成物。(s)0℃より低いスメクチック−ネマチック転移温度を有し、−20℃でスメクチック相を示し、そしてスメクチック相の温度範囲が20℃以上である、液晶組成物。(t)0℃より低いスメクチック−ネマチック転移温度を有し、−30℃でスメクチック相を示し、そしてスメクチック相の温度範囲が10℃以上である、液晶組成物。(u)0℃より低いスメクチック−ネマチック転移温度を有し、−30℃でスメクチック相を示し、そしてスメクチック相の温度範囲が20℃以上である、液晶組成物。
本発明を次の順で説明する。第一に、本発明の特徴を説明する。第二に、組成物の構成を説明する。第三に、成分化合物の主要な特性、およびこの化合物が組成物や素子に及ぼす主要な効果を説明する。第四に、組成物における成分化合物の組合せ、好ましい割合、およびその根拠を説明する。第五に、成分化合物の好ましい形態を説明する。第六に、好ましい成分化合物を示す。第七に、組成物に添加してもよい添加物を説明する。第八に、成分化合物の合成法を説明する。最後に、組成物の用途を説明する。
第一に、本発明の特徴を説明する。表1に記載された組成物は、室温でネマチック相を有する。ネマチック相の好ましい上限温度は約70℃以上である。この組成物を有するAM素子は、室温で短い応答時間を有する。しかし、−20℃のような低温では、応答時間が極端に長い。そこで、各種の組成物を調製し、低温における素子の応答時間を測定した。室温でネマチック相を有し、−20℃でスメクチック相を有する組成物を調製した。この組成物を素子に入れ、応答時間を測定した。この応答時間は、−20℃でもネマチック相を維持する組成物を有する素子の応答時間よりも短かった。我々は、短い応答時間を達成するには、ネマチック相の方がスメクチック相よりも有利であると予測していたので、この結果は予想外であった。そこで我々は、ネマチック相とスメクチック相とを有する組成物およびこの組成物を有する素子について検討した。
本発明は、表1に記載された特性を有し、0℃より低いスメクチック−ネマチック転移温度を有し、スメクチック相の温度範囲が10℃以上である液晶組成物、この組成物を有する液晶表示素子などに関する。この組成物は、室温ではネマチック相を有し、低温ではスメクチック相を有する。ネマチック相の温度範囲で駆動する素子は既知であり、市販されている。しかし、スメクチック相の温度範囲でも駆動する素子は、文献で報告されていないようである。我々は、−10℃や−20℃や−30℃のような低温でスメクチック相を有する組成物について検討した。我々は、このスメクチック相の温度範囲を広げる方法を検討した。その結果、特定の化合物を使用する、特定の化合物の割合を増加させる、特定の化合物を使わない、などの手段が有効であることを見出した。我々は、応答時間の観点からは、スメクチックA相を有する組成物が好ましいことも見出した。組成物の種類によっては、幾つかの手段を組み合せるのがよいことも分かった。このような手段は次のとおりである。
(1)特定の成分化合物の使用
各種の液晶性化合物が知られている。ここでは、棒状の化合物が液晶組成物に使用される。液晶性化合物は、ヘテロ原子を含まない方が好ましい。例外は、フッ素と酸素である。化合物は、スメクチック相を有することが好ましい。スメクチックA相を有する化合物が好ましい。スメクチックA相を有しない化合物であっても必要に応じて使用してよい。スメクチック相の温度範囲が広い化合物が優先的に使用される。このような化合物は、比較的多量に使用するのが好ましい。このような化合物の例を次に示す。3−H−H−V、4−H−H−V、および3−H−H−4は、成分Aに属する。残りの化合物は、成分Bに属する。記号による化合物の表記法は表3を参照のこと。
Figure 2020164784
化合物の転移温度の例は、次のとおりである。
(a)3−HH−V:C (23.9) S 33.9 N 49.7 I。これは、スメクチック相(S)からネマチック相(N)への転移温度が33.9℃であり、ネマチック相(N)から液体(I)への転移温度が49.7℃であったことを示す。かっこは、降温時に相転移が観察されたことを示す。すなわち、スメクチック相(S)から結晶(C)への転移温度が23.9℃であったという意味である。
(b)4−HH−V:C <25.0 S 54.5 I。
(c)3−HH−4:C −7.7 S 95.2 I。
(2)液晶性化合物の置換基
化合物(1)のRまたはRに関しては、アルキルやアルケニルは、アルコキシやフッ素化されたアルケニルよりも好ましい。アルキルは、アルケニルよりも好ましい。アルキルを有する化合物は、光や熱に対する安定性の観点から好ましい。アルキルを有する化合物は、スメクチック相の広い温度範囲の観点から好ましい。RまたはRにおいて、炭素数は、2や3であるよりも5や7であることが好ましい。成分化合物の数は、多い方が好ましい。例えば、ある化合物10%とその同族体10%の混合物は、単一化合物20%よりも好ましい。
化合物(2)のRに関しては、化合物(1)のRまたはRに関する、上の記載が当て嵌まる。成分化合物の数についても同様である。1,3−ジオキサン−2,5−ジイルを有する化合物は、スメクチック相の広い温度範囲の観点から好ましい。1,3−ジオキサン−2,5−ジイルを有する四環化合物はさらに好ましい。
化合物(1)から化合物(3)において、アルケニルは、アルキルよりも好ましいことがある。アルケニルを有する化合物は、短い応答時間の観点から好ましいアルケニルを有する化合物は、低温における良好な相溶性の観点から好ましい。この化合物の好ましい割合は、50%以下である。さらに好ましい割合は、40%以下である。
(3)適していない液晶性化合物
塩素を有する化合物を必要に応じて組成物に添加してもよいが、その割合は小さい方が好ましい。塩素は、スメクチック相の広い温度範囲の観点から好ましいとはいえない。ネマチック相では、液晶分子の向きが一方向である。スメクチック相は、さらに層構造を有するので、液晶分子がネマチック相よりも規則的に配列されている。塩素は、水素やフッ素よりもかなり大きい。そこで塩素は分子の規則的な配列には適していないと推定される。
Figure 2020164784
化合物(1a)は四環を有する。この四環化合物の割合は、0%から3%の範囲であることが好ましい。四環化合物は、ネマチック相の上限温度をあげるには有効である。しかし、スメクチック−ネマチック転移温度を上げることがある。したがって、四環化合物は、必要に応じて使用されるが、その割合は小さい方が好ましい。特に理由がなければ四環化合物の割合は0%であることが好ましい。
四環化合物の例は、次のとおりである。
Figure 2020164784
(4)特性を調整する方法
特定の成分化合物を使用したとき、組成物は、0℃より低い温度で、スメクチック相の広い温度範囲を有する。この組成物は、0℃より低い温度で、ネマチック相からスメクチック相へ転移する。この組成物は、約70℃以上の上限温度を有する。このような組成物を調製する手順の例は、次のとおりである。まず、表1に記載された組成物を調製する。次に、この組成物に、3−HH−V、4−HH−V、または3−HH−4を混合する。これらの化合物の幾つかを混合してもよい。これらの化合物は、粘度を下げる、スメクチック相を誘起する(発現させる)、すでに存在するスメクチック相の温度範囲を広げる、という効果を有する。しかし、これらの化合物は、上限温度を下げる、または誘電率異方性を下げるという効果も有する。最後に、上限温度を上げるために、化合物(1−5)から化合物(1−8)、または化合物(1−9)が組成物に混合される。誘電率異方性を上げるために、化合物(2−23)、化合物(2−24)、化合物(2−25)、化合物(2−29)、または化合物(2−36)が組成物に混合される。必要に応じて複数の化合物を混合してもよい。
他の例は、次のとおりである。まず、表1に記載された組成物を調製する。次に、この組成物に、項13または項14に記載されたジオキサン化合物を混合する。または、上記の3−GB(F)B(F,F)−Fから3-GB(F)B(F,F)XB(F,F)−Fのジオキサン化合物を混合する。これらの化合物の幾つかを混合してもよい。これらの化合物は、誘電率異方性を上げる、スメクチック相を誘起する(発現させる)、すでに存在するスメクチック相の温度範囲を広げる、という効果を有する。しかし、これらの化合物は、粘度を上げるという効果も有する。最後に、粘度を下げるために、化合物(1−1)、化合物(1−2)、または化合物(1−3)が組成物に混合される。特性を調整する目的で、化合物(1−5)から化合物(1−9)、化合物(2−29)、または化合物(2−36)が組成物に混合される。必要に応じて複数の化合物を混合してもよい。
(5)スメクチック相の温度範囲
特定の成分化合物を使用することによって、ネマチック相からスメクチック相への転移温度が0℃より低い組成物が生成する。好ましい温度範囲は、次のとおりである。スメクチック相の温度範囲は、好ましくは10℃以上であり、さらに好ましくは20℃以上であり、特に好ましくは30℃以上であり、最も好ましくは40℃以上である。スメクチック相の温度範囲は、好ましくは0℃より低い温度から−10℃以下であり、さらに好ましくは0℃より低い温度から−20℃以下であり、特に好ましくは、℃より低い温度から−30℃以下であり、最も好ましくは0℃より低い温度から−40℃以下である。
第二に、組成物の構成を説明する。この組成物は、複数の液晶性化合物を含有する。この組成物は、添加物を含有してもよい。添加物は、光学活性化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消光剤、色素、消泡剤、重合性化合物、重合開始剤、重合禁止剤、極性化合物などである。この組成物は、液晶性化合物の観点から組成物Aと組成物Bに分類される。組成物Aは、化合物(1)、化合物(2)、および化合物(3)から選択された液晶性化合物の他に、その他の液晶性化合物、添加物などをさらに含有してもよい。「その他の液晶性化合物」は、化合物(1)、化合物(2)、および化合物(3)とは異なる液晶性化合物である。このような化合物は、特性をさらに調整する目的で組成物に混合される。
組成物Bは、実質的に化合物(1)、化合物(2)、および化合物(3)から選択された液晶性化合物のみからなる。「実質的に」は、組成物Bが添加物を含有してもよいが、その他の液晶性化合物を含有しないことを意味する。組成物Bは組成物Aに比較して成分の数が少ない。コストを下げるという観点から、組成物Bは組成物Aよりも好ましい。その他の液晶性化合物を混合することによって特性をさらに調整できるという観点から、組成物Aは組成物Bよりも好ましい。
第三に、成分化合物の主要な特性、およびこの化合物が組成物や素子に及ぼす主要な効果を説明する。成分化合物の主要な特性を表2にまとめる。表2の記号において、Lは大きいまたは高い、Mは中程度の、Sは小さいまたは低い、を意味する。記号L、M、Sは、成分化合物のあいだの定性的な比較に基づいた分類であり、記号0(ゼロ)は、Sよりも小さいことを意味する。
Figure 2020164784
成分化合物の主要な効果は次のとおりである。化合物(1)は、粘度を下げる、または上限温度を上げる。化合物(2)は、正の誘電率異方性を上げる。化合物(3)は、負の誘電率異方性を上げる。化合物(4)は重合性であるから、重合によって重合体を与える。この重合体は、液晶分子の配向を安定化するので、素子の応答時間を短縮し、そして画像の焼き付きを改善する。
第四に、組成物における成分化合物の組合せ、好ましい割合、およびその根拠を説明する。組成物における成分化合物の好ましい組合せは、化合物(1)+化合物(2)、化合物(1)+化合物(3)、または化合物(1)+化合物(2)+化合物(3)である。正の誘電率異方性を有する組成物は、化合物(1)に化合物(2)を混合することによって調製する。組成物の弾性定数を調整する、または素子の電圧−透過率曲線を調整する目的で、この組成物に少量の化合物(3)を添加してもよい。一方、負の誘電率異方性を有する組成物は、化合物(1)に化合物(3)を混合することによって調製する。組成物の弾性定数を調整する、または素子の電圧−透過率曲線を調整する目的で、この組成物に少量の化合物(2)を添加してもよい。これらの組成物に、必要に応じてその他の液晶性化合物を添加してもよい。
化合物(1)の好ましい割合は、上限温度を上げるために、または粘度を下げるために約10%以上であり、誘電率異方性を上げるために約90%以下である。さらに好ましい割合は約20%から約80%の範囲である。特に好ましい割合は約30%から約70%の範囲である。
化合物(2)の好ましい割合は、正の誘電率異方性を上げるために約10%以上であり、下限温度を下げるために約90%以下である。さらに好ましい割合は約20%から約80%の範囲である。特に好ましい割合は約30%から約70%の範囲である。
化合物(3)の好ましい割合は、負の誘電率異方性を上げるために約10%以上であり、下限温度を下げるために約90%以下である。さらに好ましい割合は約20%から約80%の範囲である。特に好ましい割合は約30%から約70%の範囲である。
化合物(4)は、高分子支持配向型の素子に適合させる目的で、組成物に添加される。化合物(4)の好ましい割合は、液晶分子を配向させるために約0.03%以上であり、素子の表示不良を防ぐために約10%以下である。さらに好ましい割合は、約0.1%から約2%の範囲である。特に好ましい割合は、約0.2%から約1.0%の範囲である。
第五に、成分化合物の好ましい形態を説明する。
(a)液晶性化合物
式(1)、式(2)、および式(3)において、RおよびRは、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルである。好ましいRまたはRは、粘度を下げるために炭素数2から12のアルケニルであり、光や熱に対する安定性を上げるために炭素数1から12のアルキルである。Rは、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または炭素数2から12のアルケニルである。好ましいRは、光や熱に対する安定性を上げるために炭素数1から12のアルキルである。RおよびRは、水素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、または炭素数2から12のアルケニルオキシである。好ましいRまたはRは、光や熱に対する安定性を上げるために炭素数1から12のアルキルであり、誘電率異方性を上げるために炭素数1から12のアルコキシである。
好ましいアルキルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、またはオクチルである。さらに好ましいアルキルは、粘度を下げるためにメチル、エチル、プロピル、ブチル、またはペンチルである。
好ましいアルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、またはヘプチルオキシである。粘度を下げるために、さらに好ましいアルコキシは、メトキシまたはエトキシである。
好ましいアルケニルは、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、または5−ヘキセニルである。さらに好ましいアルケニルは、粘度を下げるためにビニル、1−プロペニル、3−ブテニル、または3−ペンテニルである。これらのアルケニルにおける−CH=CH−の好ましい立体配置は、二重結合の位置に依存する。粘度を下げるためなどから1−プロペニル、1−ブテニル、1−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ペンテニル、3−ヘキセニルのようなアルケニルにおいてはトランスが好ましい。2−ブテニル、2−ペンテニル、2−ヘキセニルのようなアルケニルにおいてはシスが好ましい。
好ましいアルケニルオキシは、ビニルオキシ、アリルオキシ、3−ブテニルオキシ、3−ペンテニルオキシ、または4−ペンテニルオキシである。粘度を下げるために、さらに好ましいアルケニルオキシは、アリルオキシまたは3−ブテニルオキシである。
少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられたアルキルの好ましい例は、フルオロメチル、2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、5−フルオロペンチル、6−フルオロヘキシル、7−フルオロヘプチル、または8−フルオロオクチルである。さらに好ましい例は、誘電率異方性を上げるために2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、または5−フルオロペンチルである。
少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられたアルケニルの好ましい例は、2,2−ジフルオロビニル、3,3−ジフルオロ−2−プロペニル、4,4−ジフルオロ−3−ブテニル、5,5−ジフルオロ−4−ペンテニル、または6,6−ジフルオロ−5−ヘキセニルである。さらに好ましい例は、粘度を下げるために2,2−ジフルオロビニルまたは4,4−ジフルオロ−3−ブテニルである。
環Aおよび環Bは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、または2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンである。好ましい環Aまたは環Bは、粘度を下げるために、または上限温度を上げるために、1,4-シクロヘキシレンであり、下限温度を下げるために1,4−フェニレンである。
環Cは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、ピリミジン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはテトラヒドロピラン−2,5−ジイルである。好ましい環Cは、上限温度を上げるために1,4−シクロヘキシレンであり、光学異方性を上げるために1,4−フェニレンであり、誘電率異方性を上げるために2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンである。環Cにおけるテトラヒドロピラン−2,5−ジイルは、
Figure 2020164784

または

Figure 2020164784

であり、好ましくは

Figure 2020164784

である。
環Dおよび環Fは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられたナフタレン−2,6−ジイル、クロマン−2,6−ジイル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられたクロマン−2,6−ジイルである。「少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた1,4−フェニレン」の好ましい例は、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレンまたは2−クロロ−3−フルオロ−1,4−フェニレンである。好ましい環Dまたは環Fは、粘度を下げるために1,4−シクロヘキシレンであり、誘電率異方性を上げるためにテトラヒドロピラン−2,5−ジイルであり、光学異方性を上げるために1,4−フェニレンである。環Dおよび環Fにおけるテトラヒドロピラン−2,5−ジイルは、好ましくは
Figure 2020164784
である。
環Eは、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2−クロロ−3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−フェニレン、3,4,5−トリフルオロナフタレン−2,6−ジイル、7,8−ジフルオロクロマン−2,6−ジイル、3,4,5,6−テトラフルオロフルオレン−2,7−ジイル(FLF4)、4,6−ジフルオロジベンゾフラン−3,7−ジイル(DBFF2)、4,6−ジフルオロジベンゾチオフェン−3,7−ジイル(DBTF2)、または1,1,6,7−テトラフルオロインダン−2,5−ジイル(InF4)である。
Figure 2020164784

好ましい環Eは、粘度を下げるために2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり、光学異方性を下げるために2−クロロ−3−フルオロ−1,4−フェニレンであり、誘電率異方性を上げるために4,6−ジフルオロジベンゾチオフェン−3,7−ジイルである。
は、単結合、エチレン、ビニレン、メチレンオキシ、またはカルボニルオキシである。好ましいZは、粘度を下げるために単結合である。Zは、単結合、エチレン、ビニレン、メチレンオキシ、カルボニルオキシ、またはジフルオロメチレンオキシである。好ましいZは、粘度を下げるために単結合であり、正の誘電率異方性を上げるためにジフルオロメチレンオキシである。ZおよびZは、単結合、エチレン、ビニレン、メチレンオキシ、またはカルボニルオキシである。好ましいZまたはZは、粘度を下げるために単結合であり、下限温度を下げるためにエチレンであり、負の誘電率異方性を上げるためにメチレンオキシである。
メチレンオキシのような二価基は、左右非対称である。メチレンオキシにおいて、−CHO−は−OCH−よりも好ましい。カルボニルオキシにおいて、−COO−は−OCO−よりも好ましい。ジフルオロメチレンオキシにおいて、−CFO−は−OCF−よりも好ましい。
およびXは、水素またはフッ素である。好ましいXまたはXは、正の誘電率異方性を上げるためにフッ素である。
は、フッ素、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルオキシである。好ましいYは、下限温度を下げるためにフッ素である。少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられたアルキルの好ましい例は、トリフルオロメチルである。少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられたアルケニルオキシの好ましい例は、トリフルオロビニルオキシである。
aは、1または2である。好ましいaは、粘度を下げるために1であり、上限温度を上げるために2である。bは、1、2、3、または4である。好ましいbは、正の誘電率異方性を上げるために2または3である。cは、0、1、2、または3であり、dは、0または1であり、そしてcおよびdの和は、3以下である。好ましいcは、粘度を下げるために1であり、上限温度を上げるために2または3である。好ましいdは、粘度を下げるために0であり、下限温度を下げるために1である。
(b)重合性化合物
式(4)において、環Jおよび環Lは、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、テトラヒドロピラン−2−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、ピリミジン−2−イル、またはピリジン−2−イルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよい。好ましい環Jまたは環Lは、シクロヘキシル、フェニル、1−ナフチル、または2−ナフチルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよい。さらに好ましい環Jまたは環Lは、フェニルである。
環Kは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,2−ジイル、ナフタレン−1,3−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−1,7−ジイル、ナフタレン−1,8−ジイル、ナフタレン−2,3−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはピリジン−2,5−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよい。好ましい環Kは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,2−ジイル、またはナフタレン−2,6−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよい。さらに好ましい環Kは、1,4−フェニレンまたは2−フルオロ−1,4−フェニレンである。
およびZは、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CHCH−は、−CH=CH−、−C(CH)=CH−、−CH=C(CH)−、または−C(CH)=C(CH)−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよい。好ましいZまたはZは、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、そして少なくとも1つの−CHCH−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよい。さらに好ましいZまたはZは、単結合、−CHCH−、−CHO−、−OCH−、−COO−、または−OCO−である。特に好ましいZまたはZは、単結合である。
、P、およびPは、重合性基である。好ましいP、P、またはPは、式(P−1)から式(P−5)で表される重合性基から選択された基である。さらに好ましいP、P、またはPは、式(P−1)、式(P−2)、または式(P−5)で表される基である。特に好ましいP、P、またはPは、式(P−1)または式(P−2)で表される基である。好ましい式(P−1)は、−OCO−CH=CHまたは−OCO−C(CH)=CHである。式(P−1)から式(P−5)の波線は、結合する位置を示す。
Figure 2020164784
式(P−1)から式(P−5)において、M、M、およびMは、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から5のアルキルである。好ましいM、M、またはMは、反応性を上げるために水素またはメチルである。さらに好ましいMはメチルであり、さらに好ましいMまたはMは水素である。
式(4)において、Sp、Sp、およびSpは、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CHCH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよい。好ましいSp、Sp、またはSpは、単結合、−CHCH−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CO−CH=CH−、または−CH=CH−CO−である。さらに好ましいSp、Sp、またはSpは、単結合である。
fは、0、1、または2である。好ましいfは、0または1である。g、h、およびjは、0、1、2、3、または4であり、そしてg、h、およびjの和は、1以上である。好ましいg、h、またはjは、1または2である。
第六に、好ましい成分化合物を示す。好ましい化合物(1)は、項6に記載の化合物(1−1)から化合物(1−9)である。これらの化合物において、成分Aの少なくとも1つが、化合物(1−1)、化合物(1−3)、化合物(1−5)、化合物(1−6)、または化合物(1−8)であることが好ましい。成分Aの少なくとも2つが、化合物(1−1)および化合物(1−3)、化合物(1−1)および化合物(1−5)、または化合物(1−1)および化合物(1−8)の組み合わせであることが好ましい。
好ましい化合物(2)は、項12に記載の化合物(2−1)から化合物(2−36)である。これらの化合物において、成分Bの少なくとも1つが、化合物(2−4)、化合物(2−12)、化合物(2−14)、化合物(2−15)、化合物(2−17)、化合物(2−18)、化合物(2−21)、化合物(2−22)、化合物(2−23)、化合物(2−24)、化合物(2−26)、化合物(2−27)、化合物(2−29)、化合物(2−30)、または化合物(2−36)であることが好ましい。成分Bの少なくとも2つが、化合物(2−12)および化合物(2−15)、化合物(2−14)および化合物(2−27)、化合物(2−18)および化合物(2−24)、化合物(2−18)および化合物(2−29)、化合物(2−24)および化合物(2−29)、化合物(2−29)および化合物(2−30)、化合物(2−21)および化合物(2−36)、化合物(2−22)および化合物(2−36)、化合物(2−26)および化合物(2−36)、または化合物(2−27)および化合物(2−36)の組み合わせであることが好ましい。
好ましい化合物(3)は、項17に記載の化合物(3−1)から化合物(3−33)である。これらの化合物において、成分Cの少なくとも1つが、化合物(3−1)、化合物(3−3)、化合物(3−6)、化合物(3−8)、化合物(3−10)、化合物(3−13)、または化合物(3−32)であることが好ましい。成分Cの少なくとも2つが、化合物(3−1)および化合物(3−8)、化合物(3−1)および化合物(3−14)、化合物(3−3)および化合物(3−8)、化合物(3−3)および化合物(3−13)、化合物(3−3)および化合物(3−32)、化合物(3−6)および化合物(3−8)、化合物(3−6)および化合物(3−10)、または化合物(3−6)および化合物(3−13)の組合せであることが好ましい。
好ましい化合物(4)は、項21に記載の化合物(4−1)から化合物(4−29)である。これらの化合物において、添加物Aの少なくとも1つが、化合物(4−1)、化合物(4−2)、化合物(4−24)、化合物(4−25)、化合物(4−26)、または化合物(4−27)であることが好ましい。添加物Aの少なくとも2つが、化合物(4−1)および化合物(4−2)、化合物(4−1)および化合物(4−18)、化合物(4−2)および化合物(4−24)、化合物(4−2)および化合物(4−25)、化合物(4−2)および化合物(4−26)、化合物(4−25)および化合物(4−26)、または化合物(4−18)および化合物(4−24)の組合せであることが好ましい。
第七に、組成物に添加してもよい添加物を説明する。このような添加物は、光学活性化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消光剤、色素、消泡剤、重合性化合物、重合開始剤、重合禁止剤、極性化合物などである。液晶分子のらせん構造を誘起してねじれ角を与える目的で光学活性化合物が組成物に添加される。このような化合物の例は、化合物(5−1)から化合物(5−5)である。光学活性化合物の好ましい割合は約5%以下である。さらに好ましい割合は約0.01%から約2%の範囲である。
Figure 2020164784
大気中での加熱による比抵抗の低下を防止するために、または素子を長時間使用したあと、室温だけではなく上限温度に近い温度でも大きな電圧保持率を維持するために、化合物(6−1)から化合物(6−3)のような酸化防止剤を組成物に添加してもよい。
Figure 2020164784
化合物(6−2)は、揮発性が小さいので、素子を長時間使用したあと、室温だけではなく上限温度に近い温度でも大きな電圧保持率を維持するのに有効である。酸化防止剤の好ましい割合は、その効果を得るために約50ppm以上であり、上限温度を下げないように、または下限温度を上げないように約600ppm以下である。さらに好ましい割合は、約100ppmから約300ppmの範囲である。
紫外線吸収剤の好ましい例は、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾエート誘導体、トリアゾール誘導体などである。立体障害のあるアミンのような光安定剤もまた好ましい。光安定剤の好ましい例は、化合物(7−1)から化合物(7−16)などである。これらの吸収剤や安定剤における好ましい割合は、その効果を得るために約50ppm以上であり、上限温度を下げないように、または下限温度を上げないために約10000ppm以下である。さらに好ましい割合は約100ppmから約10000ppmの範囲である。
Figure 2020164784
Figure 2020164784
消光剤は、液晶性化合物が吸収した光エネルギーを受容し、熱エネルギーに変換することにより、液晶性化合物の分解を防止する化合物である。消光剤の好ましい例は、化合物(8−1)から化合物(8−7)などである。これらの消光剤における好ましい割合は、その効果を得るために約50ppm以上であり、下限温度を上げないために約20000ppm以下である。さらに好ましい割合は約100ppmから約10000ppmの範囲である。
Figure 2020164784
GH(guest host)モードの素子に適合させるために、アゾ系色素、アントラキノン系色素などのような二色性色素(dichroic dye)が組成物に添加される。色素の好ましい割合は、約0.01%から約10%の範囲である。泡立ちを防ぐために、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどの消泡剤が組成物に添加される。消泡剤の好ましい割合は、その効果を得るために約1ppm以上であり、表示不良を防ぐために約1000ppm以下である。さらに好ましい割合は、約1ppmから約500ppmの範囲である。
高分子支持配向(PSA)型の素子に適合させるために重合性化合物が用いられる。化合物(4)はこの目的に適している。化合物(4)と共に化合物(4)とは異なる重合性化合物を組成物に添加してもよい。このような重合性化合物の好ましい例は、アクリレート、メタクリレート、ビニル化合物、ビニルオキシ化合物、プロペニルエーテル、エポキシ化合物(オキシラン、オキセタン)、ビニルケトンなどの化合物である。さらに好ましい例は、アクリレートまたはメタクリレートの誘導体である。化合物(4)の好ましい割合は、重合性化合物の全に基づいて10%以上である。さらに好ましい割合は、50%以上である。特に好ましい割合は、80%以上である。最も好ましい割合は、100%である。
化合物(4)のような重合性化合物は紫外線照射により重合する。光重合開始剤などの適切な開始剤存在下で重合させてもよい。重合のための適切な条件、開始剤の適切なタイプ、および適切な量は、当業者には既知であり、文献に記載されている。例えば光重合開始剤であるIrgacure651(登録商標;BASF)、Irgacure184(登録商標;BASF)、またはDarocur1173(登録商標;BASF)がラジカル重合に対して適切である。光重合開始剤の好ましい割合は、重合性化合物の全量に基づいて約0.1%から約5%の範囲である。さらに好ましい割合は約1%から約3%の範囲である。
化合物(4)のような重合性化合物を保管するとき、重合を防止するために重合禁止剤を添加してもよい。重合性化合物は、通常は重合禁止剤を除去しないまま組成物に添加される。重合禁止剤の例は、ヒドロキノン、メチルヒドロキノンのようなヒドロキノン誘導体、4−t−ブチルカテコール、4-メトキシフェノール、フェノチアジンなどである。
第八に、成分化合物の合成法を説明する。これらの化合物は既知の方法によって合成できる。合成法を例示する。化合物(1−1)は、特開昭59−176221号公報に記載された方法で合成する。化合物(2−18)は、特開平10−251186号公報に記載された方法で合成する。化合物(3−1)は、特表平2−503441号公報に記載された方法で合成する。酸化防止剤は市販されている。化合物(6−1)は、アルドリッチ(Sigma-Aldrich Corporation)から入手できる。化合物(6−2)などは、米国特許3660505号明細書に記載された方法によって合成する。
合成法を記載しなかった化合物は、オーガニック・シンセシス(Organic Syntheses, John Wiley & Sons, Inc)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, John Wiley & Sons, Inc)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などの成書に記載された方法によって合成できる。組成物は、このようにして得た化合物から公知の方法によって調製される。例えば、成分化合物を混合し、そして加熱によって互いに溶解させる。
最後に、組成物の用途を説明する。この組成物は主として、約70℃以上の上限温度、そして約0.07から約0.20の範囲の光学異方性を有する。成分化合物の割合を制御することによって、またはその他の液晶性化合物を混合することによって、約0.08から約0.25の範囲の光学異方性を有する組成物を調製してもよい。試行錯誤によって、約0.10から約0.30の範囲の光学異方性を有する組成物を調製してもよい。この組成物を含有する素子は大きな電圧保持率を有する。この組成物はAM素子に適する。この組成物は透過型のAM素子に特に適する。この組成物は、ネマチック相を有する組成物としての使用、光学活性化合物を添加することによって光学活性な組成物としての使用が可能である。
この組成物はAM素子への使用が可能である。さらにPM素子への使用も可能である。この組成物は、PC、TN、STN、ECB、OCB、IPS、FFS、VA、FPAなどのモードを有するAM素子およびPM素子への使用が可能である。TN、OCB、IPSモードまたはFFSモードを有するAM素子への使用は特に好ましい。IPSモードまたはFFSモードを有するAM素子において、電圧が無印加のとき、液晶分子の配列がガラス基板に対して並行であってもよく、または垂直であってもよい。これらの素子が反射型、透過型または半透過型であってもよい。透過型の素子への使用は好ましい。非結晶シリコン−TFT素子または多結晶シリコン−TFT素子への使用も可能である。この組成物をマイクロカプセル化して作製したNCAP(nematic curvilinear aligned phase)型の素子や、組成物中に三次元の網目状高分子を形成させたPD(polymer dispersed)型の素子にも使用できる。
実施例により本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれらの実施例によっては制限されない。本発明は、実施例1の組成物と実施例2の組成物との混合物を含む。本発明は、実施例の組成物の少なくとも2つを混合した混合物をも含む。合成した化合物は、NMR分析などの方法により同定した。化合物、組成物、および素子の特性は、下記に記載した方法により測定した。
NMR分析:測定には、ブルカーバイオスピン社製のDRX−500を用いた。H−NMRの測定では、試料をCDClなどの重水素化溶媒に溶解させ、測定は、室温で、500MHz、積算回数16回の条件で行った。テトラメチルシランを内部標準として用いた。19F−NMRの測定では、CFClを内部標準として用い、積算回数24回で行った。核磁気共鳴スペクトルの説明において、sはシングレット、dはダブレット、tはトリプレット、qはカルテット、quinはクインテット、sexはセクステット、mはマルチプレット、brはブロードであることを意味する。
ガスクロマト分析:測定には島津製作所製のGC−14B型ガスクロマトグラフを用いた。キャリアーガスはヘリウム(2mL/分)である。試料気化室を280℃に、検出器(FID)を300℃に設定した。成分化合物の分離には、Agilent Technologies Inc.製のキャピラリカラムDB−1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm;固定液相はジメチルポリシロキサン;無極性)を用いた。このカラムは、200℃で2分間保持したあと、5℃/分の割合で280℃まで昇温した。試料はアセトン溶液(0.1%)に調製したあと、その1μLを試料気化室に注入した。記録計は島津製作所製のC−R5A型Chromatopac、またはその同等品である。得られたガスクロマトグラムは、成分化合物に対応するピークの保持時間およびピークの面積を示した。
試料を希釈するための溶媒は、クロロホルム、ヘキサンなどを用いてもよい。成分化合物を分離するために、次のキャピラリカラムを用いてもよい。Agilent Technologies Inc.製のHP−1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)、Restek Corporation製のRtx−1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)、SGE International Pty. Ltd製のBP−1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)。化合物ピークの重なりを防ぐ目的で島津製作所製のキャピラリカラムCBP1−M50−025(長さ50m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)を用いてもよい。
組成物に含有される液晶性化合物の割合は、次のような方法で算出してよい。液晶性化合物の混合物をガスクロマトグラフィー(FID)で分析する。ガスクロマトグラムにおけるピークの面積比は液晶性化合物の割合に相当する。上に記載したキャピラリカラムを用いたときは、各々の液晶性化合物の補正係数を1とみなしてよい。したがって、液晶性化合物の割合は、ピークの面積比から算出することができる。
測定試料:組成物または素子の特性を測定するときは、組成物をそのまま試料として用いた。化合物の特性を測定するときは、この化合物(15%)を母液晶(85%)に混合することによって測定用の試料を調製した。測定によって得られた値から外挿法によって化合物の特性値を算出した。(外挿値)={(試料の測定値)−0.85×(母液晶の測定値)}/0.15。この割合でスメクチック相(または結晶)が25℃で析出するときは、化合物と母液晶の割合を10%:90%、5%:95%、1%:99%の順に変更した。この外挿法によって化合物に関する上限温度、光学異方性、粘度、および誘電率異方性の値を求めた。
正の誘電率異方性を有する化合物については、下記の母液晶Aを用いた。
Figure 2020164784
負の誘電率異方性を有する化合物については、下記の母液晶Bを用いた。
Figure 2020164784
化合物(1)で表されるような、誘電率異方性がほぼ0(ゼロ)である化合物については、母液晶Aまたは母液晶Bのいずれかを用いた。
測定方法:特性の測定は下記の方法で行った。これらの多くは、社団法人電子情報技術産業協会(Japan Electronics and Information Technology Industries Association;JEITAという)で審議制定されるJEITA規格(JEITA・ED−2521B)に記載された方法、またはこれを修飾した方法であった。測定に用いたTN素子には、薄膜トランジスター(TFT)を取り付けなかった。
試料の誘電率異方性が正であるか負であるかによって、測定方法が異なることがある。測定(18)から(22)は、誘電率異方性が負である試料の測定方法である。
(1)ネマチック相の上限温度(NI;℃):偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で加熱した。試料の一部がネマチック相から等方性液体に変化したときの温度を測定した。ネマチック相の上限温度を「上限温度」と略すことがある。
(2)ネマチック相の下限温度(T;℃):ネマチック相を有する試料をガラス瓶に入れ、0℃、−10℃、−20℃、−30℃、および−40℃のフリーザー中に10日間保管したあと、液晶相を観察した。例えば、試料が−20℃ではネマチック相のままであり、−30℃では結晶またはスメクチック相に変化したとき、Tを<−20℃と記載した。なお、この方法で、スメクチック相の下限温度を測定することがある。
(3)粘度(バルク粘度;η;20℃で測定;mPa・s):測定には東京計器株式会社製のE型回転粘度計を用いた。
(4)粘度(回転粘度;γ1;25℃で測定;mPa・s):測定は、M. Imai et al., Molecular Crystals and Liquid Crystals, Vol. 259, 37 (1995) に記載された方法に従った。ツイスト角が0°であり、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が5μmであるTN素子に試料を入れた。この素子に16Vから19.5Vの範囲で0.5V毎に段階的に印加した。0.2秒の無印加のあと、ただ1つの矩形波(矩形パルス;0.2秒)と無印加(2秒)の条件で印加を繰り返した。この印加によって発生した過渡電流(transient current)のピーク電流(peak current)とピーク時間(peak time)を測定した。これらの測定値とM. Imaiらの論文中の40頁記載の計算式(10)とから回転粘度の値を得た。この計算で必要な誘電率異方性の値は、この回転粘度を測定した素子を用い、下に記載した方法で求めた。
(5)光学異方性(屈折率異方性;Δn;25℃で測定):測定は、波長589nmの光を用い、接眼鏡に偏光板を取り付けたアッベ屈折計により行なった。主プリズムの表面を一方向にラビングしたあと、試料を主プリズムに滴下した。屈折率n‖は偏光の方向がラビングの方向と平行であるときに測定した。屈折率n⊥は偏光の方向がラビングの方向と垂直であるときに測定した。光学異方性の値は、Δn=n‖−n⊥、の式から計算した。
(6)誘電率異方性(Δε;25℃で測定):2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μmであり、そしてツイスト角が80度であるTN素子に試料を入れた。この素子にサイン波(10V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。
(7)しきい値電圧(Vth;25℃で測定;V):測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が0.45/Δn(μm)であり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。この素子に印加する電圧(32Hz、矩形波)は0Vから10Vまで0.02Vずつ段階的に増加させた。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である電圧−透過率曲線を作成した。しきい値電圧は透過率が90%になったときの電圧で表した。
(8)電圧保持率(VHR−9;25℃で測定;%):測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)は5μmであった。この素子は試料を入れたあと紫外線で硬化する接着剤で密閉した。このTN素子にパルス電圧(1Vで60マイクロ秒)を印加して充電した。減衰する電圧を高速電圧計で166.7ミリ秒のあいだ測定し、単位周期における電圧曲線と横軸との間の面積Aを求めた。面積Bは減衰しなかったときの面積であった。電圧保持率は面積Bに対する面積Aの百分率で表した。
(9)電圧保持率(VHR−10;60℃で測定;%):25℃の代わりに、60℃で測定した以外は、上記と同じ手順で電圧保持率を測定した。得られた値をVHR−10で表した。
(10)電圧保持率(VHR−11;60℃で測定;%):紫外線を照射したあと、電圧保持率を測定し、紫外線に対する安定性を評価した。測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そしてセルギャップは5μmであった。この素子に試料を注入し、5mW/cmの紫外線を167分間照射した。光源はアイグラフィックス株式会社製ブラックライト、F40T10/BL(ピーク波長369nm)であり、素子と光源の間隔は5mmであった。VHR−11の測定では、166.7ミリ秒のあいだ、減衰する電圧を測定した。大きなVHR−11を有する組成物は紫外線に対して大きな安定性を有する。
(11)電圧保持率(VHR−12;60℃で測定;%):試料を注入したTN素子を120℃の恒温槽内で20時間加熱したあと、電圧保持率を測定し、熱に対する安定性を評価した。VHR−12の測定では、166.7ミリ秒のあいだ減衰する電圧を測定した。大きなVHR−12を有する組成物は熱に対して大きな安定性を有する。
(12)電圧保持率(VHR−13;60℃で測定;%):試料を注入したTN素子を100℃の恒温槽内で3週間加熱したあと、電圧保持率を測定し、熱に対する安定性を評価した。VHR−13の測定では、166.7ミリ秒のあいだ減衰する電圧を測定した。大きなVHR−13を有する組成物は熱に対して大きな安定性を有する。
(13a)応答時間(τa;25℃で測定;ms):測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。ローパス・フィルター(Low-pass filter)は5kHzに設定した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が3.4μmであり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。この素子に矩形波(60Hz、5V、0.5秒)を印加した。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%であるとみなした。立ち上がり時間(τr:rise time;ミリ秒)は、透過率が90%から10%に変化するのに要した時間である。立ち下がり時間(τf:fall time;ミリ秒)は透過率10%から90%に変化するのに要した時間である。応答時間は、このようにして求めた立ち上がり時間と立ち下がり時間との和で表した。
(13b)応答時間(τb;−20℃で測定;ms):25℃の代わりに、−20℃の温度で測定した以外は、上記と同じ手順で応答時間(τb)を得た。
(13c)応答時間(τc;−30℃で測定;ms):25℃の代わりに、−30℃の温度で測定した以外は、上記と同じ手順で応答時間(τc)を得た。
(14)弾性定数(K;25℃で測定;pN):測定には横河・ヒューレットパッカード株式会社製のHP4284A型LCRメータを用いた。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が20μmである水平配向素子に試料を入れた。この素子に0ボルトから20ボルト電荷を印加し、静電容量および印加電圧を測定した。測定した静電容量(C)と印加電圧(V)の値を「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社)、75頁にある式(2.98)、式(2.101)を用いてフィッティングし、式(2.99)からK11およびK33の値を得た。次に同171頁にある式(3.18)に、先ほど求めたK11およびK33の値を用いてK22を算出した。弾性定数は、このようにして求めたK11、K22、およびK33の平均値で表した。
(15)比抵抗(ρ;25℃で測定;Ωcm):電極を備えた容器に試料1.0mLを注入した。この容器に直流電圧(10V)を印加し、10秒後の直流電流を測定した。比抵抗は次の式から算出した。(比抵抗)={(電圧)×(容器の電気容量)}/{(直流電流)×(真空の誘電率)}。
(16)らせんピッチ(P;室温で測定;μm):らせんピッチはくさび法にて測定した。「液晶便覧」、196頁(2000年発行、丸善)を参照。試料をくさび形セルに注入し、室温で2時間静置した後、ディスクリネーションラインの間隔(d2−d1)を偏光顕微鏡(ニコン(株)、商品名MM40/60シリーズ)によって観察した。らせんピッチ(P)は、くさびセルの角度をθと表した次の式から算出した。P=2×(d2−d1)×tanθ。
(17)短軸方向における誘電率(ε⊥;25℃で測定):2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μmであり、そしてツイスト角が80度であるTN素子に試料を入れた。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。
以下は、誘電率異方性が負である試料の測定方法である。
(18)粘度(回転粘度;γ1;25℃で測定;mPa・s):測定には、東陽テクニカ株式会社の回転粘性率測定システムLCM−2型を用いた。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が10μmのVA素子に試料を注入した。この素子に矩形波(55V、1ms)を印加した。この印加によって発生した過渡電流(transient current)のピーク電流(peak current)とピーク時間(peak time)を測定した。これらの測定値および誘電率異方性を用いて、回転粘度の値を得た。誘電率異方性は、測定(6)に記載された方法で測定した。
(19)誘電率異方性(Δε;25℃で測定):誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。誘電率(ε‖およびε⊥)は次のように測定した。
1)誘電率(ε‖)の測定:よく洗浄したガラス基板にオクタデシルトリエトキシシラン(0.16mL)のエタノール(20mL)溶液を塗布した。ガラス基板をスピンナーで回転させたあと、150℃で1時間加熱した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が4μmであるVA素子に試料を入れ、この素子を紫外線で硬化する接着剤で密閉した。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。
2)誘電率(ε⊥)の測定:よく洗浄したガラス基板にポリイミド溶液を塗布した。このガラス基板を焼成した後、得られた配向膜にラビング処理をした。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μmであり、ツイスト角が80度であるTN素子に試料を入れた。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。
(20)しきい値電圧(Vth;25℃で測定;V):測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が4μmであり、ラビング方向がアンチパラレルであるノーマリーブラックモード(normally black mode)のVA素子に試料を入れ、この素子を紫外線で硬化する接着剤を用いて密閉した。この素子に印加する電圧(60Hz、矩形波)は0Vから20Vまで0.02Vずつ段階的に増加させた。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である電圧−透過率曲線を作成した。しきい値電圧は透過率が10%になったときの電圧で表した。
(21a)応答時間(τ;25℃で測定;ms):測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。ローパス・フィルター(Low-pass filter)は5kHzに設定した。
1)重合性化合物を含まない組成物:2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が4μmであり、ラビング方向がアンチパラレルであるノーマリーブラックモード(normally black mode)のVA素子に試料を入れた。この素子を紫外線で硬化する接着剤を用いて密閉した。この素子に矩形波(60Hz、10V、0.5秒)を印加した。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%であるとみなした。応答時間は透過率90%から10%に変化するのに要した時間(立ち下がり時間;fall time;ミリ秒)で表した。
(21b)応答時間(τb;−20℃で測定;ms):25℃の代わりに、−20℃の温度で測定した以外は、上記と同じ手順で応答時間(τb)を得た。
(21c)応答時間(τc;−30℃で測定;ms):25℃の代わりに、−30℃の温度で測定した以外は、上記と同じ手順で応答時間(τc)を得た。
2)重合性化合物を含有する組成物:2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が3.2μmであり、ラビング方向がアンチパラレルであるノーマリーブラックモード(normally black mode)のPVA素子に試料を入れた。この素子を紫外線で硬化する接着剤を用いて密閉した。この素子に、15Vの電圧を印加しながら60mW/cmの紫外線を500秒間照射した。紫外線の照射には、HOYA CANDEO OPTRONICS株式会社製のEXECURE4000−D型水銀キセノンランプを用いた。この素子に矩形波(60Hz、10V、0.5秒)を印加した。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%であるとみなした。応答時間は透過率90%から10%に変化するのに要した時間(立ち下がり時間;fall time;ミリ秒)で表した。
(22)弾性定数(K11:広がり(splay)弾性定数、K33:曲げ(bend)弾性定数;25℃で測定;pN):測定には株式会社東陽テクニカ製のEC−1型弾性定数測定器を用いた。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が20μmである垂直配向セルに試料を入れた。このセルに20ボルトから0ボルト電荷を印加し、静電容量および印加電圧を測定した。測定した静電容量(C)と印加電圧(V)の値を『液晶デバイスハンドブック』(日刊工業新聞社)、75頁にある式(2.98)、式(2.101)を用いてフィッティングし、式(2.100)から弾性定数の値を得た。
組成物の実施例を以下に示す。成分化合物は、下記の表3の定義に基づいて記号によって表した。表3において、1,4−シクロヘキシレンに関する立体配置はトランスである。記号化された化合物の後にあるかっこ内の番号は、化合物が属する化学式を表す。(−)の記号はその他の液晶性化合物を意味する。最後に、組成物の特性値をまとめた。
Figure 2020164784
[実施例1]
下記の組成物(M1)を調製した。この組成物の25℃における応答時間(τa)を測定(13a)に従って測定したところ、23.2ミリ秒であった。この組成物を測定(2)に従って0℃で保管したとき、ネマチック相を維持した。この組成物は、−10℃ではスメクチック相に転移した。したがって、スメクチック−ネマチック転移温度は、0℃と−10℃のあいだであった。−40℃で保管したときもスメクチック相を維持した。スメクチック相の温度範囲は30℃以上であった。−20℃で測定した応答時間(τb)および−30℃で測定した応答時間(τc)は、それぞれ、156.1msおよび304.3msであった。
組成物(M1)
3−HH−V (1−1) 33%
V−HHB−1 (1−5) 13.5%
V2−HHB−1 (1−5) 12%
V−HBB−2 (1−6) 3%
2−BB(F)B−2V (1−8) 5%
3−BB(F)B−2V (1−8) 5%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (2−18) 9%
3−HBBXB(F,F)−F (2−23) 11%
3−HBB(F,F)XB(F,F)−F (2−24) 3.5%
3−HHB−OCF3 (2−36) 5%
NI=105.0℃;Δε=3.8;γ1=65.0mPa・s;τa=23.2ms;τb=156.1ms;τc=304.3ms.
[比較例1]
下記の組成物(C1)を調製した。この組成物の25℃における応答時間(τa)を測定(13a)に従って測定したところ、23.0ミリ秒であった。この組成物を測定(2)に従って−40℃で保管したとき、ネマチック相を維持した。−20℃で測定した応答時間(τb)および−30℃で測定した応答時間(τc)は、それぞれ、172.3msおよび378.5msであった。
組成物(C1)
3−HH−V (1−1) 34%
3−HH−V1 (1−1) 4%
V−HHB−1 (1−5) 12%
V2−HHB−1 (1−5) 13%
1−BB(F)B−2V (1−8) 2%
2−BB(F)B−2V (1−8) 5%
3−BB(F)B−2V (1−8) 5%
2−BB(F)B−3 (1−8) 3%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (2−18) 10%
3−HHBB(F,F)−F (2−19) 2%
4−HHBB(F,F)−F (2−19) 2%
3−HBBXB(F,F)−F (2−23) 3%
3−HBB(F,F)XB(F,F)−F (2−24) 5%
NI=99.6℃;η=12.1mPa・s;Δn=0.118;Δε=3.3;Vth=2.44V;γ1=62.0mPa・s;τa=23.0ms;τb=172.3ms;τc=378.5ms.
実施例1と比較例1における特性を表4にまとめた。25℃で測定した組成物(M1)の応答時間は、組成物(C1)のそれと同程度であった。しかし、低温では、組成物(M1)は、組成物(C1)に比べて、短い応答時間を有した。
Figure 2020164784
応答時間は、上限温度や誘電率異方性に依存する傾向がある。組成物(M1)と組成物(C1)において、上限温度の差は、5.4℃であった。液晶組成物においては、その上限温度が高くなるにつれて、応答時間(25℃で測定)が長くなる、という傾向がある。したがって、上限温度の観点からは、組成物(M1)の方が不利である。誘電率異方性の差は、0.5であった。液晶組成物においては、その誘電率異方性が大きくなるにつれて、応答時間(25℃で測定)が長くなる、という傾向がある。したがって、誘電率異方性の観点からも、組成物(M1)の方が不利である。
組成物(M1)が組成物(C1)に比較して不利であるという状況にも拘わらず、組成物(M1)が組成物(C1)よりも低温で短い応答時間を有していたことは、驚くべきことである。我々は、実施例1のようなスメクチック相を有する液晶組成物が液晶素子に好適に使用できると結論する。
本発明の液晶組成物は、液晶モニター、液晶テレビなどに用いることができる。

Claims (33)

  1. 0℃より低いスメクチック−ネマチック転移温度を有する液晶組成物。
  2. −20℃でスメクチック相を示す、請求項1に記載の液晶組成物。
  3. スメクチック相を有する化合物を含有する、請求項1または2に記載の液晶組成物。
  4. 成分Aとして式(1)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    Figure 2020164784

    式(1)において、RおよびRは、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルであり;環Aおよび環Bは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、または2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり;Zは、単結合、エチレン、ビニレン、メチレンオキシ、またはカルボニルオキシであり;aは、1または2である。
  5. 式(1)において、RおよびRが、炭素数1から12のアルキルまたは炭素数2から12のアルケニルであり;環Aおよび環Bが、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、または2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり;Zが、単結合であり;aが2である化合物を40%以上含有する、請求項4に記載の液晶組成物。
  6. 成分Aとして式(1−1)から式(1−9)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    Figure 2020164784

    式(1−1)から式(1−9)において、RおよびRは、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルである。
  7. 成分Aの割合が10%から90%の範囲である、請求項3から6のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  8. 3−HH−Vを50%以上含有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    Figure 2020164784
  9. 4−HH−Vを20%以上含有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    Figure 2020164784
  10. 3−HH−4を10%以上含有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    Figure 2020164784
  11. 成分Bとして式(2)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項1から10のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    Figure 2020164784

    式(2)において、Rは、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または炭素数2から12のアルケニルであり;環Cは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、ピリミジン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、またはテトラヒドロピラン−2,5−ジイルであり;Zは、単結合、エチレン、ビニレン、メチレンオキシ、カルボニルオキシ、またはジフルオロメチレンオキシであり;XおよびXは、水素またはフッ素であり;Yは、フッ素、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキル、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルオキシであり;bは、1、2、3、または4である。
  12. 成分Bとして式(2−1)から式(2−36)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項1から11のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    Figure 2020164784

    Figure 2020164784

    Figure 2020164784

    Figure 2020164784

    Figure 2020164784

    式(2−1)から式(2−36)において、Rは、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または炭素数2から12のアルケニルである。
  13. 式(2)において、環Cの少なくとも1つが1,3−ジオキサン−2,5−ジイルである、請求項11に記載の液晶組成物。
  14. 式(2)において、Rが炭素数1から12のアルキルであり、環Cの少なくとも1つが1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり、Zが単結合またはジフルオロメチレンオキシであり、XおよびXが水素またはフッ素であり、Yがフッ素である、請求項11に記載の液晶組成物。
  15. 成分Bの割合が10%から90%の範囲である、請求項11から14のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  16. 成分Cとして式(3)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項1から15のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    Figure 2020164784

    式(3)において、RおよびRは、水素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、または炭素数2から12のアルケニルオキシであり;環Dおよび環Fは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられたナフタレン−2,6−ジイル、クロマン−2,6−ジイル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられたクロマン−2,6−ジイルであり;環Eは、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2−クロロ−3−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−5−メチル−1,4−フェニレン、3,4,5−トリフルオロナフタレン−2,6−ジイル、7,8−ジフルオロクロマン−2,6−ジイル、3,4,5,6−テトラフルオロフルオレン−2,7−ジイル、4,6−ジフルオロジベンゾフラン−3,7−ジイル、4,6−ジフルオロジベンゾチオフェン−3,7−ジイル、または1,1,6,7−テトラフルオロインダン−2,5−ジイルであり;ZおよびZは、単結合、エチレン、ビニレン、メチレンオキシ、またはカルボニルオキシであり;cは、0、1、2、または3であり、dは、0または1であり、そしてcおよびdの和は、3以下である。
  17. 成分Cとして式(3−1)から式(3−33)で表される化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項1から16のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    Figure 2020164784

    Figure 2020164784

    Figure 2020164784

    式(3−1)から式(3−33)において、RおよびRは、水素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、または炭素数2から12のアルケニルオキシである。
  18. 成分Cの割合が10%から90%の範囲である、請求項16または17に記載の液晶組成物。
  19. 添加物Aとして式(4)で表される重合性化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項1から18のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    Figure 2020164784

    式(4)において、環Jおよび環Lは、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、テトラヒドロピラン−2−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、ピリミジン−2−イル、またはピリジン−2−イルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよく;環Kは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,2−ジイル、ナフタレン−1,3−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−1,7−ジイル、ナフタレン−1,8−ジイル、ナフタレン−2,3−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル、テトラヒドロピラン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、またはピリジン−2,5−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよく;ZおよびZは、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CHCH−は、−CH=CH−、−C(CH)=CH−、−CH=C(CH)−、または−C(CH)=C(CH)−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;P、P、およびPは、重合性基であり;Sp、Sp、およびSpは、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CHCH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;fは、0、1、または2であり;g、h、およびjは、0、1、2、3、または4であり、そしてg、h、およびjの和は、1以上である。
  20. 式(4)において、環Jおよび環Lが、シクロヘキシル、フェニル、1−ナフチル、または2−ナフチルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよく;環Kが、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,2−ジイル、またはナフタレン−2,6−ジイルであり、これらの環において、少なくとも1つの水素は、フッ素、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から12のアルキルで置き換えられてもよく;ZおよびZが、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、そして少なくとも1つの−CHCH−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;P、P、およびPが式(P−1)から式(P−5)で表される重合性基から選択された基であり:

    Figure 2020164784
    ここで、M、M、およびMは、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から5のアルキルであり;Sp、Sp、およびSpが、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CHCH−は、−CH=CH−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよく;fが、0または1であり;g、h、およびjが、0、1、2、3、または4であり、そしてg、h、およびjの和は、1以上である、請求項19に記載の液晶組成物。
  21. 添加物Aとして式(4−1)から式(4−29)で表される重合性化合物から選択された少なくとも1つの化合物を含有する、請求項1から20のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    Figure 2020164784

    Figure 2020164784

    Figure 2020164784

    式(4−1)から式(4−29)において、P、P、およびPは、式(P−1)から式(P−3)で表される重合性基から選択された基であり:
    Figure 2020164784

    ここでM、M、およびMは、水素、フッ素、炭素数1から5のアルキル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数1から5のアルキルであり;Sp、Sp、およびSpは、単結合または炭素数1から10のアルキレンであり、このアルキレンにおいて、少なくとも1つの−CH−は、−O−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、少なくとも1つの−CHCH−は、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、これらの基において、少なくとも1つの水素は、フッ素で置き換えられてもよい。
  22. 添加物Aの割合が0.03%から10%の範囲である、請求項19から21のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  23. ネマチック相の上限温度が70℃以上であり、波長589nmにおける光学異方性(25℃で測定)が0.07以上であり、そして周波数1kHzにおける誘電率異方性(25℃で測定)が2以上または−2以下である、請求項1から22のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  24. アルケニルを有する化合物の割合が50%以下である、請求項1から23のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  25. 塩素を有する化合物を含有しない、請求項1から24のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  26. 式(1a)で表される化合物の割合が0%から3%の範囲である、請求項1から25のいずれか1項に記載の液晶組成物。
    Figure 2020164784

    式(1a)において、RおよびRは、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、炭素数2から12のアルケニル、または少なくとも1つの水素がフッ素で置き換えられた炭素数2から12のアルケニルであり;環Aおよび環Bは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、または2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンであり;Zは、単結合、エチレン、ビニレン、メチレンオキシ、またはカルボニルオキシである。
  27. 請求項1から26のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶表示素子。
  28. 液晶表示素子の動作モードが、IPSモード、VAモード、FFSモード、またはFPAモードであり、液晶表示素子の駆動方式がアクティブマトリックス方式である、請求項27に記載の液晶表示素子。
  29. 請求項19から22のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有し、この液晶組成物中の重合性化合物が重合している、高分子支持配向型の液晶表示素子。
  30. 請求項1から26のいずれか1項に記載の液晶組成物の、液晶表示素子における使用。
  31. 請求項19から22のいずれか1項に記載の液晶組成物の、高分子支持配向型の液晶表示素子における使用。
  32. 請求項1から26のいずれか1項に記載の液晶組成物を調製することによって、0℃より低い温度でスメクチック相を発現させる方法。
  33. 請求項1から26のいずれか1項に記載の液晶組成物を使用することによって、液晶表示素子の0℃より低い温度における応答時間を短縮する方法。
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