JP2020164742A - ポリマー被覆無機フィラーの製造方法 - Google Patents

ポリマー被覆無機フィラーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安価で、製造効率の高いポリマー被覆無機フィラーの製造方法と、その製造方法によるポリマー被覆無機フィラーと、硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、配線板などの電子部品を提供する。【解決手段】無機粒子の表面がポリマーで被覆された粒子である、ポリマー被覆無機フィラー、の製造方法であって、無機粒子を、有機溶剤と、被覆ポリマーの原料となるラジカル重合性モノマーと、重合開始剤とを、含む処理溶液中に浸漬し、前記無機粒子の表面に前記ラジカル重合性モノマーを吸着させる工程、前記工程にて無機粒子に吸着させたラジカル重合性モノマーを重合させる工程、を含み、前記ラジカル重合性モノマーは、前記有機溶剤と、SP値で以下の関係にあるラジカル重合性モノマーを少なくとも含む、ことを特徴とする、ポリマー被覆無機フィラーの製造方法。(ラジカル重合性モノマーのSP値)−(有機溶剤のSP値)≧0.5【選択図】なし

Description

本発明は、無機粒子の表面を有機ポリマーで被覆した、いわゆるポリマー被覆無機フィラーの製造方法と、前記製造方法によるポリマー被覆無機フィラーに関する。
ソルダーレジストや封止材等の電子材料においては、要求される熱寸法安定性や誘電特性を改善するために無機粒子が充填される。この際、無機粒子は、ソルダーレジストや封止材の主成分である樹脂に対する極性の違いから濡れ性が悪く、無機粒子を樹脂組成物中に均一に分散することが困難であり、求められる性能を得られないおそれがあり、無機粒子の表面を化学的に修飾して分散性を改善する検討が行われてきた。
特許文献1には、予めシランカップリング剤を含むポリマーを調製し、無機粒子表面と結合させることで無機粒子表面にポリマーを導入し、前記分散性を改善する方法が提案されている。
特許文献2には、シランカップリング剤を用いて、ポリマーの原料となるモノマーを無機粒子表面に導入し、モノマー中でリビングラジカル重合させることで、無機粒子表面にポリマーを導入して、前記分散性を改善する方法が提案されている。
特許文献3には、ポリマーの原料となるモノマーと、RAFT剤とを無機粒子表面に結合させ、ポリマーを成長させ、前記分散性を改善する方法が提案されている。
国際公開2008/101581号公報 特開2005−120365号公報 特開2016−180121号公報
特許文献1に記載された方法によれば、前記分散性は改善される。しかしながら、予めシランカップリング剤を含むポリマーを調製する必要があり、手間とコストがかかるおそれがあった。
特許文献2に記載された方法によっても、前記分散性は改善される。しかしながら予め粒子表面に重合の開始点となるモノマーを導入する必要が有り、さらにin situで反応が進むため、モノマーの転化率が高くなりにくく、従って、大量のモノマーを配合する必要があるおそれがあり、手間とコストがかかるおそれがあった。
特許文献3に記載された方法によっても、前記分散性は改善される。しかしながら、RAFT剤は高額であり、さらにRAFT重合は、酸素のない雰囲気下での製造となる等製造上の手間がかかるなど、手間とコストがかかるおそれがあった。
そこで、本発明の目的は、安価で、製造効率の高いポリマー被覆無機フィラーの製造方法と、その製造方法によるポリマー被覆無機フィラーと、硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、配線板などの電子部品を提供することにある。
本発明者らは、上記目的の実現に向け鋭意検討するなかで、無機粒子の表面を被覆するラジカル重合性モノマーのSP値と有機溶剤のSP値とが、特定の関係にあるときに、上記の目的が実現できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
具体的には、本発明は、無機粒子の表面を被覆するラジカル重合性モノマーのSP値と有機溶剤のSP値との関係が、(ラジカル重合性モノマーのSP値)−(有機溶剤のSP値)≧0.5となるような有機溶剤とモノマーの組合せを採用することにより、カップリング剤やRAFT剤を用いることなく、無機粒子表面でラジカル重合性モノマーを効率よく重合させることができる、ポリマー被覆無機フィラーの製造方法である。
すなわち、本発明は、無機粒子の表面をポリマーで被覆された粒子である、ポリマー被覆無機フィラーの製造方法であって、無機粒子を有機溶剤と被覆ポリマーの原料となるラジカル重合性モノマーと該モノマーを重合させる重合開始剤とを含む処理溶液中に浸漬し、前記無機粒子の表面に前記ラジカル重合性モノマーを吸着させる工程、前記工程にて無機粒子に吸着させたラジカル重合性モノマーを重合させる工程、を含み、前記ラジカル重合性モノマーは、前記有機溶剤と、SP値で以下の関係にあるラジカル重合性モノマーを少なくとも含む、ことを特徴とする、ポリマー被覆無機フィラーの製造方法である。
(ラジカル重合性モノマーのSP値)−(有機溶剤のSP値)≧0.5
本発明によれば、安価で、製造効率の高いポリマー被覆無機フィラーの製造方法と、その製造方法によるポリマー被覆無機フィラーと、硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、配線板などの電子部品を提供することができる。
<<ポリマー被覆無機フィラーの製造方法>>
以下に、本発明のポリマー被覆無機フィラーの製造方法について、詳細に説明する。なお、説明した化合物に異性体が存在する場合、特に断らない限り、存在し得る全ての異性体が本発明において使用可能である。
また、本発明において無機粒子とは、特に断らない限り、その表面がカップリング剤などのいかなる修飾処理も施されていない無機粒子のことを意味する。
また、本発明の製造方法において、用いられるラジカル重合性モノマーと有機溶剤のSP値は、Fedorsの方法により算出することができる。
本発明のポリマー被覆無機フィラーの製造方法は、有機溶剤と、被覆ポリマーの原料となるラジカル重合性モノマーと、該モノマーを重合させる重合開始剤と、を含む処理溶液中に無機粒子を浸漬し、好ましくは撹拌することで、前記無機粒子の表面に前記ラジカル重合性モノマーを吸着させる工程を含む点に一の特徴がある。
特に、この工程において、前記ラジカル重合性モノマーは、前記有機溶剤とが、SP値で以下の関係にあるラジカル重合性モノマーを少なくとも含む、ことを最大の特徴とする。
(ラジカル重合性モノマーのSP値)−(有機溶剤のSP値)≧0.5
このような関係にあると、ラジカル重合性モノマーと有機溶剤との相溶性が悪くなり、その結果、ラジカル重合性モノマーは、一般的に有機溶剤より親水性である無機粒子の表面に効率よく吸着されると考える。
ここで、本発明において、撹拌方法(条件を含む)は特に限定されず、公知の方法で行うことができる。特に、撹拌温度(処理溶液の温度)の調整は、ラジカル重合性モノマーの無機粒子表面への吸着効率を調整できる点で、重合反応を効率良くに行うことに有効である。
本発明において、SP値の上記数値関係は、無機粒子の表面をラジカル重合性モノマーの重合により有機ポリマー被覆するための処理溶液中での、有機溶剤とラジカル重合性モノマーとの親和性(濡れ性とも称す)の関係を意味しており、該成分同士のSP値の差が小さいことは、その成分間における親和性が高いことを表している。また、水のSP値は有機溶剤やラジカル重合性モノマーに比べて大きい(水のSP値:23.4)ことから、SP値が高いことは親水性が高いことも表している。
したがって、本発明における上記処理溶液中では、無機粒子の表面に前記ラジカル重合性モノマーを効率よく吸着させるために、ラジカル重合性モノマーと有機溶剤との親和性を悪くする一方で、ラジカル重合性モノマーと無機粒子との親和性を良くすることが重要であり、SP値の関係では、ラジカル重合性モノマーのSP値と有機溶剤のSP値において、ラジカル重合性モノマーのSP値が大きく、かつ、SP値の差を0.5以上とすることが必要である。
このようなSP値の数値関係によれば、無機粒子の表面を被覆するラジカル重合性モノマー、有機溶剤、無機粒子を混合した処理溶液中で、無機粒子の表面にラジカル重合性モノマーが効率よく吸着され、ラジカル重合性モノマーと有機溶剤の分離や無機粒子の凝集といった不具合が生じない。さらに後述するように、上記処理溶液中に配合するラジカル重合開始剤によりラジカル重合性モノマーを重合させる際、無機粒子の表面に吸着されたラジカル重合性モノマーが優先的に重合するため、無機粒子の表面に良好な有機ポリマーからなる被膜を効率よく形成することができるものと推察する。
また、本発明のポリマー被覆無機フィラーの製造方法は、前記工程にて無機粒子に吸着させたラジカル重合性モノマーを、ラジカル重合開始剤に、より好ましくは熱又は紫外線を加えることで、重合させる工程を含む点に一の特徴がある。これにより、無機粒子表面に有機ポリマーの被膜を形成し、ポリマー被覆無機フィラーを得ることができる。
このようにして得られたポリマー被覆無機フィラーは、処理溶液中から取出して乾燥した状態で用いても良いし、前記処理溶液中に分散した状態で用いても良い。乾燥した状態で用いる場合には、公知の方法でろ過するなどして、ポリマー被覆無機フィラーを分離する。分離後、ポリマー被覆無機フィラーを有機溶剤等で洗浄し、未反応のモノマーや、無機粒子表面と結合していないポリマーを、取り除き、所定の温度に加熱して乾燥することができる。乾燥方法は、乾燥炉などの公知の方法を用いて行うことができる。
<<原料>>
次に、本発明のポリマー被覆無機フィラーの製造方法に用いられる原料について、以下詳細に説明する。
<無機粒子>
本発明において用いられる無機粒子は、その表面が修飾されていない無機粒子を意味するが、有機溶剤に比べて親水性が低い場合には、親水化処理することが好ましい。
一般的に、表面が修飾されていない無機粒子は、その表面の極性が十分に高く、併用される有機溶剤に比べて親水性のものであれば、特に限定されない。このような無機粒子としては、例えば、シリカ、結晶性シリカ、ノイブルグ珪土、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、ガラス粉末、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、天然マイカ、合成マイカ、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化鉄、非繊維状ガラス、ハイドロタルサイト、ミネラルウール、アルミニウムシリケート、カルシウムシリケート、ジルコン酸カルシウム、酸化亜鉛、はんだ粒子、銀粉、銅粉等の無機粒子を用いることができる。中でも、ソルダーレジストや封止材等の電子材料においては、熱寸法安定性や誘電特性に優れるシリカや、熱伝導性に優れる酸化アルミニウム、窒化ホウ素等を用いることが好ましい。また、シリカや酸化アルミニウムとしては、組成物中への充填性を向上させる観点から、球状シリカ、ジルコン酸カルシウム、球状酸化アルミニウムであることがより好ましい。
この無機粒子の平均粒径は、特に限定されないが、例えば、10nm〜20000nmとすることができる。無機粒子の平均粒径は、レーザー回折法により測定されたD50の値とすることができる。レーザー回折法による測定装置としては、マイクロトラック・ベル社製のMicrotrac MT3300EXIIが挙げられる。
<有機溶剤>
本発明において用いられる有機溶剤は、本発明のSP値の数値関係を満たす限りにおいて特に限定されない。有機溶剤は通常、疎水性を示し、そのSP値は7.0〜12.0の範囲にあり、例えば、SP値が7.2〜10.0のものが好適であり、SP値が7.5〜9.5のものがより好適であり、SP値が8.0〜9.2のものがさらに好適である。
具体的には、有機溶剤として、トルエン(SP値9.14)、メチルエチルケトン(SP値9.9)、PMA(SP値9.25),酢酸エチル(SP値9.1)、カルビトールアセテート(SP値9.98)、シクロヘキサノン(SP値8.56)、アセトン(SP値10.0)、1-プロパノール(SP値11.84)等を挙げることができる。これらは単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。中でも、トルエン及び酢酸エチルは、ラジカル重合反応を妨げ無いことから好ましい。
また、複数の有機溶剤を混合して用いる場合のSP値は、以下の式に従って計算することができる。以下の式は二つの有機溶剤を混合する場合の計算式である。
δsm=Xs1×δs1+(1−Xs1)×δs2
式中のδsmは混合溶剤のSP値、δs1は有機溶剤1のSP値、δs2は有機溶剤2のSP値、Xs1は有機溶剤1のモル分率を意味する。
このような有機溶剤の処理溶液中での配合量は、無機粒子の配合量を100質量部としたときに、100質量部〜500質量部とすることが好ましい。有機溶剤の配合量がかかる範囲にあることで、無機粒子表面にラジカル重合性モノマーを溶解した有機溶剤が行き渡り、効率よく被覆することが可能となる。
<ラジカル重合性モノマー>
本発明において用いられるラジカル重合性モノマーは、ラジカル重合性反応基を有するモノマーであり、本発明におけるSP値の数値関係を満たすラジカル重合性モノマーを含む限りにおいて、特に限定されない。このようなSP値の数値関係を満たすことでラジカル重合性モノマーは一緒に配合される有機溶剤より親水性を示し、相溶性も低くなることで、親水性を示す無機粒子に効率よく吸着される。このようなラジカル重合性モノマーとしては、例えば、SP値が9.0〜15.0であるものを用いることができ、SP値が9.5〜13.5であるものが好適である。
ここで、ラジカル重合性反応基としては特に限定されず、例えば、ビニル基、アリル基、アルケニル基、アルキレン基等を挙げることができ、ラジカル重合性モノマーは、かかる重合性反応基を少なくとも1つ含むものであれば良い。
また、このラジカル重合性モノマーは、構造中にエポキシ基、グリシジル基、オキシラン基、オキセタン基等の環状エーテル基を含むモノマーを、含むことが好ましい。かかるラジカル重合性モノマーが用いられた場合には、無機粒子を被覆するポリマー中に、環状エーテル基が存在することになる。このため、得られるポリマー被覆無機フィラーは、環状エーテル基と反応する水酸基やアミノ基などの活性水素を含むモノマー等で容易に修飾することが可能となる。従って、ポリマー被覆無機フィラーの用途等によって様々な特性や機能を持たせることが可能となる。
また、このラジカル重合性モノマーは、構造中に水酸基を含むモノマーを含むことも好ましい。かかるラジカル重合性モノマーが用いられた場合には、無機粒子を被覆するポリマー中に、これら水酸基が存在することになる。このため、得られるポリマー被覆無機フィラーは、水酸基と反応するイソシアネート基を含むモノマー等で容易に修飾することが可能となる。従って、ポリマー被覆無機フィラーの用途等によって様々な特性や機能を持たせることが可能となる。
このようなラジカル重合性モノマー(SP値)としては、アクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート(SP値12.45)、4−ヒドロキシブチルアクリレート(SP値11.64)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(SP値11.83)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(SP値9.99)、ベンジルアクリレート(SP値10.24)、2−フェノキシエチルアクリレート(SP値10.12)、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(SP値9.99)、メタクリル酸(SP値11.18)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(SP値10.80)、4−ヒドロキシブチルメタクリレート(SP値10.59)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(SP値10.80)、グリシジルメタクリレート(SP値10.21)等を挙げることができる。これらは単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。なお、複数を組み合せて用いた場合には、無機粒子を被覆するポリマーは、共重合体となる。
なお、複数のモノマーを混合して用いる場合には、下式を満たすラジカル重合性モノマーが、少なくとも1つ含まれていればよい。下式を満たすラジカル重合性モノマーが1つ以上含まれている場合には、他のモノマーが下式を満たさない場合においても、下式を満たすラジカル重合性モノマーが優先的に無機粒子表面に吸着し、吸着したモノマーを開始点としてポリマーが形成され、無機粒子を被覆することができる。
(ラジカル重合性モノマーのSP値)−(有機溶剤のSP値)≧0.5
以上説明したようなラジカル重合性モノマーの処理溶液中での配合量は、無機粒子の配合量を100質量部としたときに、0.5質量部〜15質量部であり、1質量部〜10質量部が好ましく、1.5質量部〜7.5質量部がより好ましい。前記モノマーの配合量が、かかる範囲にあることで、無機粒子表面の被覆が可能となる。
<ラジカル重合開始剤>
本発明において用いられるラジカル重合開始剤は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、特に限定されず、光ラジカル重合開始剤、熱ラジカル重合開始剤等を用いることができる。ラジカル重合開始剤は、熱や紫外線により活性種(フリーラジカルとも称す)を発生し、前記ラジカル重合性モノマーを重合反応させ、ポリマーを容易に形成することができる。ラジカル重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて、使用することができる。
熱ラジカル重合開始剤としては、特に制限されないが、例えば、アゾ系重合開始剤(例えば、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4´−アゾビス−4−シアノバレリアン酸、アゾビスイソバレロニトリル、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2´−アゾビス(N,N´−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライド等);過酸化物系重合開始剤(例えば、ジベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルマレエート、過酸化ラウロイル等);レドックス系重合開始剤等が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤としては、特に制限されないが、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤等を挙げることができる。
具体的には、ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン[商品名:イルガキュア651、BASF社製]、アニソイン等が挙げられる。アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[商品名:イルガキュア184、BASF社製]、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン[商品名:イルガキュア2959、BASF社製]、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン[商品名:ダロキュア1173、BASF社製]、メトキシアセトフェノン等が挙げられる。α−ケトール系光重合開始剤としては、例えば、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン等が挙げられる。芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、例えば、2−ナフタレンスルホニルクロライド等が挙げられる。光活性オキシム系光重合開始剤としては、例えば、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)−オキシム等が挙げられる。
また、ベンゾイン系光重合開始剤には、例えば、ベンゾイン等が含まれる。ベンジル系光重合開始剤には、例えば、ベンジル等が含まれる。ベンゾフェノン系光重合開始剤には、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3´−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が含まれる。ケタール系光重合開始剤には、例えば、ベンジルジメチルケタール等が含まれる。チオキサントン系光重合開始剤には、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントン等が含まれる。
アシルフォスフィン系光重合開始剤としては、例えば、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−n−ブチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(1−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−t−ブチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)シクロヘキシルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)オクチルホスフィンオキシド、ビス(2−メトキシベンゾイル)(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2−メトキシベンゾイル)(1−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジエトキシベンゾイル)(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジエトキシベンゾイル)(1−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジブトキシベンゾイル)(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)(2,4−ジペントキシフェニル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)ベンジルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルプロピルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルエチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)ベンジルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルプロピルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルエチルホスフィンオキシド、2,6−ジメトキシベンゾイルベンジルブチルホスフィンオキシド、2,6−ジメトキシベンゾイルベンジルオクチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジイソプロピルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2−メチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−4−メチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジエチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,3,5,6−テトラメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジ−n−ブトキシフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)イソブチルホスフィンオキシド、2,6−ジメチトキシベンゾイル−2,4,6−トリメチルベンゾイル−n−ブチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジブトキシフェニルホスフィンオキシド、1,10−ビス[ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド]デカン、トリ(2−メチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、などが挙げられる。
以上説明したようなラジカル重合開始剤の処理溶液中での配合量は、ラジカル重合性モノマーの配合量を100質量部としたときに、0.1質量部〜6質量部であることが好ましい。前記重合開始剤の配合量が、かかる範囲にあることで、光重合開始剤が紫外線を吸収する阻害効果が抑制され、ポリマーの分子長が十分に得られることによりポリマーが無機粒子の表面から剥離し難くなり、効率よく無機粒子表面を被覆することが可能となる。
<<<ポリマー被覆無機フィラー>>>
本発明の製造方法にて得られるポリマー被覆無機フィラーは、無機粒子の表面がラジカル重合性モノマーのラジカル重合物からなるポリマーで被覆されている。ここで無機粒子の表面がポリマーで「被覆されている」とは、無機粒子の表面の一部又は全部がポリマーで被覆されていればよく、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR)により被覆の有無、熱重量示唆熱分析(TG/DTA)により被覆量を分析することができる。このポリマー被覆無機フィラーは、樹脂中や有機溶剤中での分散性の観点からは、無機粒子に対して1.5質量%以上のポリマー被覆をされていることが好ましい。
本発明において、前記ポリマーは、有機溶剤と、前記ポリマーの原料となるラジカル重合性モノマーと、前記ラジカル重合性モノマーを重合させるラジカル重合開始剤とを含む処理溶液中において、前記ラジカル重合性モノマーが、前記無機粒子表面に吸着し、無機粒子表面上で重合することで形成される。ここで、ポリマーとは、ラジカル重合性モノマーが重合したものであり、ポリマーとしての重合度は、ラジカル重合性モノマー、有機溶剤、重合開始剤、無機粒子の各成分の種類と配合量、反応温度、反応時間、撹拌処理等により調整することができる。
また、前記ポリマーは、複数種のラジカル重合性モノマーからなる共重合体とすることができる。その場合には、前記処理溶液中に、複数種のラジカル重合性モノマーが含まれる。前記共重合体としては、特に限定されず、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、ブロック−グラフト共重合等とすることができる。
<<<ポリマー被覆無機フィラーの用途>>>
本発明のポリマー被覆無機フィラーは、樹脂中に充填する充填剤として用いることができる。特に、配線板や電子部品に用いられる封止材等の硬化性樹脂組成物や、ドライフィルムを構成する硬化性樹脂組成物からなる樹脂層に充填することで、それら硬化性樹脂組成物及びドライフィルムの樹脂層を硬化してなる硬化物の熱寸法安定性や誘電特性を向上させることができる。
(実施例1)
<ポリマー被覆無機フィラーの製造方法>
・ポリマー被覆無機フィラーの原料
シリカ粒子(株式会社アドマテックス製SQ−C6、平均粒径500nm):15g
トルエン(富士フィルム和光純薬工業社製、SP値9.14):36g
アクリル酸(東京化成工業社製、SP値12.45):0.3g
アゾ重合開始剤V65(富士フィルム和光純薬工業社製、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)):27mg
・製造方法
上記原料のトルエン、アクリル酸、アゾ重合開始剤を容器に計り取り、撹拌して処理溶液を準備し、次いで、別に計量した上記原料のシリカ粒子を処理溶液中に浸漬し、窒素雰囲気下、60℃で、20時間反応させた。ろ過により反応物を取り出し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(三共化学株式会社製)により洗浄を行い、残留しているモノマー及び無機粒子表面を被覆していないポリマーを完全に除去したのち、80℃の乾燥炉内で5時間乾燥させ、アクリル酸のポリマーで被覆された無機粒子である実施例1のポリマー被覆無機フィラーを得た。なお、該ポリマー被覆無機フィラーをFT−IR測定することにより、カルボニル基由来のピークを確認し、無機粒子が、アクリル酸で被覆されていることを確認した。また、該ポリマー被覆無機フィラーをTG/DTA測定し、重量減少よりアクリル酸の96%がポリマーとして無機粒子を被覆していることを確認した。
(実施例2〜9)
実施例1のアクリル酸を表1に記載のモノマーに変更したほかは、実施例1と同様にして、実施例2〜9のポリマー被覆無機フィラーを得た。
(実施例10〜12)
実施例1のトルエンを酢酸エチルに変更し、さらにアクリル酸を表1又は2に記載のモノマーに変更したほかは、実施例1と同様にして、実施例10〜12のポリマー被覆無機フィラーを得た。
(実施例13〜16)
実施例1のシリカ粒子をジルコン酸カルシウム粒子に変更し、さらにアクリル酸を表2に記載のモノマーに変更したほかは、実施例1と同様にして、実施例13〜16のポリマー被覆無機フィラーを得た。
(比較例1〜6)
比較例1〜4は、表2に記載の原料を用いて、実施例1と同様の方法で、実施例1〜4のポリマー被覆無機フィラーを得た。
また、比較例5は、シリカ粒子(株式会社アドマテックス社製SQ−C6)を、比較例6はジルコン酸カルシウム粒子(堺化学工業株式会社製:CZ−03)をそのまま用いた。
(分散性評価)
結果を表1に示した。評価基準は以下の様にした。表面被覆粒子1mgを5mLバイアルに量り取り、表1記載の溶媒を5mL加えた。30分超音波処理を行った後、静置し分散安定性の評価を行った。
〇:分散性良好であり1時間静置後に沈殿が見られない。
△:静置後30分で沈殿が発生。
×:静置後10分以内に沈殿が発生。
・分散性評価に用いた有機溶剤
トルエン:富士フィルム和光純薬工業社製
CA: カルビトールアセテート、東京化成工業社製
PMA: プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、東京化成工業社製
アセトン: 東京化成工業社製
プロパノール: 東京化成工業社製
エタノール: 東京化成工業社製
メタノール: 東京化成工業社製
(硬化物評価)
<硬化性樹脂組成物の調製>
・原料
・ポリマー被覆無機フィラー
実施例2のポリマー被覆無機フィラー
実施例3のポリマー被覆無機フィラー
実施例4のポリマー被覆無機フィラー
実施例5のポリマー被覆無機フィラー
実施例8のポリマー被覆無機フィラー
・その他
シリカ:株式会社アドマテックス製、SQ−C6
ジルコン酸カルシウム粒子:堺化学工業株式会社製、CZ−03
エポキシ樹脂:JER828(ビスフェノールA型エポキシ、エポキシ当量:190) 三菱ケミカル社製
硬化剤:KAYAHARD A−A日本化薬社(株)製
硬化触媒1:2E4MZ(2−エチル−4−メチルイミダゾール)四国化成工業(株)製
溶剤:シクロヘキサノン 東京化成工業社製
・硬化性樹脂組成物の調製方法
実施例A〜J、及び、比較例A、Bの硬化性樹脂組成物は、下記の表3中の記載に従って、各成分を配合撹拌後、3本ロールミルにより混錬し、各硬化性樹脂組成物を調製した。表3中の数値は、質量部を示す。
<熱膨張率>
厚さ18μmの銅箔に、アプリケーターを用いて硬化後の膜厚が55μmとなるように各実施例及び比較例の組成物を塗布し、熱風循環式乾燥炉にて80℃で20分間乾燥させた後、熱風循環式乾燥炉にて180℃30分加熱して硬化させ、銅箔から剥がして、各組成物の硬化物からなるフィルムサンプルを得た。得られたフィルムサンプルを、3mm幅×30mm長にカットし、熱膨張率測定用試験片とした。
この試験片について、ティー・エイ・インスツルメント社製TMA(Thermomechanical Analysis)Q400を用いて、引張モードで、チャック間16mm、荷重30mN、窒素雰囲気下、20〜250℃まで5℃/分で昇温し、次いで、250〜20℃まで5℃/分で降温し、熱膨張率(ppm/K)を測定した。結果を表3に示した。
<引張破断伸び及び破断応力>
実施例A〜J及び比較例A,Bの組成物について、熱膨張率評価において作製した各組成物の硬化物からなるフィルムサンプルを、5mm×10cmに裁断して引張破断伸び及び強度測定用試験片を作製した。この試験片について、島津製作所製小型卓上試験機EZ−SXを用い、引張速度10mm/分にて引張破断応力[MPa]と引張破断伸び(最大歪)[%]を測定した。その結果を下記の表3に示した。
Figure 2020164742
Figure 2020164742
表1及び表2の原料を下記に示す。
・無機粒子
シリカ粒子:株式会社アドマテックス製、SQ−C6
ジルコン酸カルシウム粒子:堺化学工業株式会社製、CZ−03
・有機溶剤
トルエン 富士フィルム和光純薬工業社製
酢酸エチル 東京化成工業社製
・(メタ)アクリルモノマー
アクリル酸 東京化成工業社製
2−ヒドロキシエチルアクリレート 東京化成工業社製
4−ヒドロキシブチルアクリレート 東京化成工業社製
4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル 東京化成工業社製
ブチルアクリレート 東京化成工業社製
2−エチルヘキシルアクリレート 東京化成工業社製
ベンジルアクリレート 東京化成工業社製
2−フェノキシエチルアクリレート 東京化成工業社製
テトラヒドロフルフリルアクリレート 東京化成工業社製
グリシジルメタクリレート 東京化成工業社製
ベンジルメタクリレート 東京化成工業社製
テトラヒドロフルフリルメタクリレート 東京化成工業社製
2−エチルヘキシルメタクリレート 東京化成工業社製
ベンジルメタクリレート 東京化成工業社製
・ラジカル重合開始剤
アゾ重合開始剤、富士フィルム和光純薬工業社製 V−65
Figure 2020164742
表3中の原料を示す。
実施例2のポリマー被覆無機フィラー
実施例3のポリマー被覆無機フィラー
実施例4のポリマー被覆無機フィラー
実施例5のポリマー被覆無機フィラー
実施例8のポリマー被覆無機フィラー
シリカ(SQ−C6)
エポキシ樹脂:JER828(ビスフェノールA型エポキシ、エポキシ当量:230) 三菱ケミカル社製
硬化剤:KAYAHARD A−A 日本化薬社(株)製
硬化触媒:2E4MZ(2−エチル−4−メチルイミダゾール)四国化成工業(株)製
溶剤:シクロヘキサノン 東京化成工業社製
(評価)
本発明のポリマー被覆無機フィラーが、安価で、生産効率の高い方法で製造が可能であり、また、評価結果から有機溶剤中での分散性に優れ、さらに硬化物として高靭性であることが理解できる。

Claims (8)

  1. 無機粒子の表面がポリマーで被覆された粒子である、ポリマー被覆無機フィラー、の製造方法であって、
    無機粒子を、有機溶剤と、被覆ポリマーの原料となるラジカル重合性モノマーと、ラジカル重合開始剤とを、含む処理溶液中に浸漬し、前記無機粒子の表面に前記ラジカル重合性モノマーを吸着させる工程、
    前記工程にて無機粒子に吸着させたラジカル重合性モノマーを重合させる工程、を含み、
    前記ラジカル重合性モノマーは、前記有機溶剤と、SP値で以下の関係にあるラジカル重合性モノマーを少なくとも含む、ことを特徴とする、ポリマー被覆無機フィラーの製造方法。
    (ラジカル重合性モノマーのSP値)−(有機溶剤のSP値)≧0.5
  2. 前記ラジカル重合性モノマーは、構造中に環状エーテル基を含むラジカル重合性モノマーを含むことを特徴とする、請求項1に記載のポリマー被覆無機フィラーの製造方法。
  3. 前記ラジカル重合性モノマーは、構造中に水酸基を含むラジカル重合性モノマーを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のポリマー被覆無機フィラーの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法により、製造されたポリマー被覆無機フィラー。
  5. 請求項4のポリマー被覆無機フィラーを含むことを特徴とする、硬化性樹脂組成物。
  6. 基材上に、請求項5の硬化性樹脂組成物を塗布、乾燥してなる樹脂層を有するドライフィルム。
  7. 請求項5の硬化性樹脂組成物、または請求項6の樹脂層を硬化してなることを特徴とする、硬化物。
  8. 請求項7に記載の硬化物を備えることを特徴とする、電子部品。

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