JP2020164491A - ヨモギ属植物発酵液及びその製造方法、並びに化粧料 - Google Patents

ヨモギ属植物発酵液及びその製造方法、並びに化粧料 Download PDF

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美和 岩竹
浩誠 桑原
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浩誠 桑原
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高士 染谷
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Kaoru Hagitani
薫 萩谷
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弘子 川野辺
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Tsutomu Sato
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Abstract

【課題】肌なじみのよさ及び保水性に優れ、ヨモギ属植物自体の有する作用を害することなく、安全性の高い天然物系のものであるヨモギ属植物発酵液、及び前記ヨモギ属植物発酵液を含有する化粧料、並びに、前記ヨモギ属植物発酵液の容易かつ安価な製造方法の提供。【解決手段】ヨモギ属に属する植物の麹菌による発酵液であって、前記発酵液の接触角が78°以下であるヨモギ属植物発酵液、前記ヨモギ属植物発酵液の製造方法、及び前記ヨモギ属植物発酵液を含有する化粧料である。【選択図】なし

Description

本発明は、ヨモギ属植物発酵液及びその製造方法、並びに前記ヨモギ属植物発酵液を含有する化粧料に関する。
植物等の天然物由来の成分には数多くの成分が含まれており、皮膚に対して、化学的に合成された成分では得られないような有用な機能を発揮することが知られていることから、近年、多くの化粧料の有効成分として配合されている。また、化粧料には、美白効果、保水性、保湿性等の機能性に加え、塗布時の肌なじみのよさ等の使用感のよさも強く求められている。
このような化粧料としては、例えば、カワラヨモギの頭花を水とエタノールとの混液で抽出した抽出物を配合した、美白効果に優れる化粧料が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、この提案の化粧料は、肌なじみや保水性の点において、十分に満足できるものではないという問題があった。
一方、麹菌は、デンプンをブドウ糖に分解するアミラーゼ、タンパク質をアミノ酸に分解するプロテアーゼ、脂肪を分解するリパーゼなどの酵素を豊富に産生することが知られており、古来より、清酒、味噌、醤油、鰹節等の発酵食品の製造に利用されている。このような麹菌を利用して、ヨモギ葉を発酵させた後、該発酵ヨモギを温度0℃以上10℃以下の冷却空気と接触させて乾燥させ、次いで、温度20℃以上60℃以下で乾燥させた発酵ヨモギ乾燥物が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、この提案の化粧料は、発酵後のヨモギの植物体自体の乾燥物であるため、水に不溶性の成分を多く含み、化粧料として不向きであるという問題があった。また、従来のヨモギ発酵物の製造方法は、製造が困難であり、更に高価な製法であった。
したがって、保水性等の機能性だけでなく、肌なじみ等の使用感にも優れ、植物自体の有する作用を害することなく、安全性の高い天然物系のものである発酵液、及び前記発酵液を含有する化粧料、並びに、前記発酵液の容易かつ安価な製造方法は、未だ提供されておらず、その速やかな提供が強く求められているのが現状である。
特開2008−162964号公報 特開2011−140453号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、肌なじみのよさ及び保水性に優れ、ヨモギ属植物自体の有する作用を害することなく、安全性の高い天然物系のものであるヨモギ属植物発酵液、及び前記ヨモギ属植物発酵液を含有する化粧料、並びに、前記ヨモギ属植物発酵液の容易かつ安価な製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> ヨモギ属に属する植物の麹菌による発酵液であって、前記発酵液の接触角が78°以下であることを特徴とするヨモギ属植物発酵液である。
<2> ヨモギ属に属する植物を、麹菌を用いて発酵させて発酵液を得ることを含み、前記発酵液の接触角が78°以下であることを特徴とするヨモギ属植物発酵液の製造方法である。
<3> ヨモギ属に属する植物に麹菌を接種してヨモギ属植物種麹を得る種麹調製工程と、
ヨモギ属に属する植物に前記ヨモギ属植物種麹を接種してヨモギ属植物発酵液を得る発酵工程と、を含む前記<2>に記載のヨモギ属植物発酵液の製造方法である。
<4> 前記<1>に記載のヨモギ属植物発酵液を含有することを特徴とする化粧料である。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、肌なじみのよさ及び保水性に優れ、ヨモギ属植物自体の有する作用を害することなく、安全性の高い天然物系のものであるヨモギ属植物発酵液、及び前記ヨモギ属植物発酵液を含有する化粧料、並びに、前記ヨモギ属植物発酵液の容易かつ安価な製造方法を提供することができる。
図1Aは、実施例1のヤマヨモギ発酵液1の接触角の測定時の液滴の一例を示す写真である。 図1Bは、比較例1のヤマヨモギ発酵液2の接触角の測定時の液滴の一例を示す写真である。 図1Cは、比較例2のヤマヨモギ抽出液の接触角の測定時の液滴の一例を示す写真である。 図2Aは、実施例2のカワラヨモギ発酵液1の接触角の測定時の液滴の一例を示す写真である。 図2Bは、比較例3のカワラヨモギ発酵液2の接触角の測定時の液滴の一例を示す写真である。 図2Cは、比較例4のカワラヨモギ抽出液の接触角の測定時の液滴の一例を示す写真である。
(ヨモギ属植物発酵液及びヨモギ属植物発酵液の製造方法)
本発明のヨモギ属植物発酵液(以下、「発酵液」と略記することがある)は、ヨモギ属に属する植物(以下、「ヨモギ属植物」と称することがある)の麹菌による発酵液であって、前記発酵液の接触角は78°以下である。本発明のヨモギ属植物発酵液は、本発明のヨモギ属植物発酵液の製造方法により好適に得ることができる。
本発明のヨモギ属植物発酵液の製造方法は、ヨモギ属に属する植物を、麹菌を用いて発酵させて発酵液を得ることを少なくとも含む。
以下、本発明のヨモギ属植物発酵液の製造方法について詳細に説明し、併せて、本発明のヨモギ属植物発酵液についても説明する。
<ヨモギ属植物発酵液の製造方法>
前記ヨモギ属植物発酵液の製造方法は、ヨモギ属植物を、麹菌を用いて発酵させて接触角が78°以下である発酵液を得ることができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、発酵工程を少なくとも含み、更に種麹調製工程を含むことが好ましく、必要に応じて、更にその他の工程を含む。
<<発酵工程>>
前記発酵工程は、ヨモギ属に属する植物(ヨモギ属植物)を、麹菌を用いて発酵させて発酵液を得る工程である。前記発酵液の接触角は78°以下である。
−ヨモギ属植物−
前記発酵原料として使用する前記ヨモギ属植物は、キク科(Compositae)ヨモギ属(Artemisia)に属する多年生草本であり、古代より食品や薬用の原料として利用されている。北海道、本州、四国、九州等の日本国内で広く自生又は栽培されており、これらの地域から容易に入手可能である。
前記ヨモギ属植物の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Artemisia montana(Nakai) Pamp.、Artemisia capillaris Thunbergii、Artemisia princeps Pampan.、Artemisia japonica Thunb.、Artemisia absinthium L.、Artemisia lactiflora Wall.、Artemisia maritima L.、Artemisia scoparia Waldst.et kit.などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、Artemisia montana(Nakai) Pamp.(ヤマヨモギ)及びArtemisia capillaris Thunbergii(カワラヨモギ)が好ましく、カワラヨモギがより好ましい。
前記ヨモギ属植物の入手方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、自然界から採取してもよいし、市販品を用いてもよい。
前記発酵原料として使用する前記ヨモギ属植物の使用部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、花、蕾、果実、果皮、種子、種皮、茎、葉、枝、枝葉等の地上部;根、根茎等の地下部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記ヨモギ属植物の使用部位としては、地上部が好ましい。
前記発酵原料として使用する前記ヨモギ属植物の大きさとしては、前記麹菌の培養が可能な大きさであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、採取したそのままの大きさ、切断した所望の大きさ、微粉(パウダー)化された大きさなどが挙げられる。
前記発酵原料として使用する前記ヨモギ属植物の状態としては、前記麹菌の培養が可能な状態であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、採取したそのままの状態、乾燥した状態、粉砕した状態、搾汁の状態、抽出物の状態などが挙げられる。これらの中でも、前記麹菌が作用しやすい点で、採取したそのままの状態、粉砕した状態、搾汁の状態、抽出物の状態が好ましく、採取したそのままの状態、粉砕した状態がより好ましい。
前記ヨモギ属植物を乾燥した状態にする方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、天日で乾燥する方法、通常使用される乾燥機を用いて乾燥する方法などが挙げられる。
前記ヨモギ属植物を前記粉砕した状態にする方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ミキサー、パワーミル、シュガーミル、ジェットミル、衝撃式粉砕機等により粉砕する方法などが挙げられる。
前記ヨモギ属植物を前記搾汁の状態にする方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、圧搾などが挙げられる。
前記ヨモギ属植物を前記抽出物の状態にする方法としては、特に制限はなく、植物の抽出に一般に用いられる方法を、目的に応じて適宜選択することができる。
−麹菌−
前記麹菌としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アスペルギルス オリゼー(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス ソーヤ(Aspergillus sojae)等の黄麹菌;アスペルギルス ルチュエンシス(Aspergillus luchuensis)等の黒麹菌;アスペルギルス カワウチ(Aspergillus kawauchii)等の白麹菌;これらの変異株などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記麹菌としては、アスペルギルス オリゼー(Aspergillus oryzae)が、肌なじみのよさ及び保水性に優れる点で好ましい。
前記麹菌の入手方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、自然界から採取してもよいし、市販品を用いてもよい。また、前記麹菌として、米などを原料とした種麹を使用してもよく、後述する種麹調製工程で得られるヨモギ属植物種麹を使用してもよく、培地(寒天培地、液体培地など)で培養した麹菌を使用してもよい。これらの中でも、接触角が78°以下の発酵液を効率よく容易に得ることができる点で、前記ヨモギ属植物種麹を用いることが好ましい。
前記発酵原料として使用する前記ヨモギ属植物への、前記麹菌の接種量としては、前記ヨモギ属植物を発酵することができる量である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記発酵原料が液体の状態である場合には、1×10個/mL〜1×10個/mLが好ましく、前記発酵原料が固体の状態である場合には、1×10個/g〜1×10個/gが好ましい。
前記ヨモギ属植物に前記麹菌を接種する際、水を添加することが好ましい。前記水の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記ヨモギ属植物100質量部に対して、500質量部〜5,000質量部添加することが好ましく、1,000質量部〜4,000質量部添加することがより好ましく、1,500質量部〜3,000質量部添加することが特に好ましい。
前記発酵(培養)の温度としては、前記麹菌による発酵ができる温度の範囲内であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20℃〜40℃が好ましく、25℃〜35℃がより好ましい。前記発酵の温度が、20℃未満であると、前記ヨモギ属植物を十分に発酵させることができず、肌なじみのよさや保水性が不十分となることがある。なお、50℃を超えると、前記麹菌が増殖できないことがある。
前記発酵(培養)の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10時間〜40時間が好ましく、20時間〜30時間がより好ましい。前記発酵の時間が、10時間未満であると、前記ヨモギ属植物を十分に発酵させることができず、肌なじみのよさや保水性が不十分となることがある。
前記発酵(培養)を停止する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、加熱する方法などが挙げられる。
前記発酵を停止するための加熱温度としては、前記麹菌が生育できない温度であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、100℃〜130℃が特に好ましい。前記加熱温度が、50℃未満であると、前記発酵を停止できないことがあり、130℃を超えると、前記ヨモギ属植物発酵液中のヨモギ属植物自体の有する作用を害することがある。
前記発酵を停止するための加熱時間としては、前記麹菌が生育できない状態にすることができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5分間以上が好ましく、10分間〜20分間がより好ましい。前記加熱時間が、5分間未満であると、前記発酵を停止できないことがあり、20分間を超えると、前記ヨモギ属植物発酵液中のヨモギ属植物自体の有する作用を害することがある。
なお、前記発酵を停止した後の前記ヨモギ属植物発酵液は、冷却されることが好ましい。冷却する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、常温、冷蔵庫などに静置する方法などが挙げられる。
前記発酵工程において、前記発酵を行う回数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1回であってもよく、複数回であってもよい。
前記発酵工程を複数回行う場合、前記麹菌は、初回のみ接種してもよく、数回のみ接種してもよく、全ての回で接種してもよいが、初回のみに接種することが好ましい。
また、前記発酵工程を複数回行う場合、発酵温度及び発酵時間は、それぞれ異なっていてもよく、同じであってもよい。
<<種麹調製工程>>
前記種麹調製工程は、ヨモギ属植物を種麹原料として使用し、該種麹原料に麹菌を接種してヨモギ属植物種麹を得る工程である。
−ヨモギ属植物−
前記種麹調製工程において種麹原料として使用する前記ヨモギ属植物は、前記<<発酵工程>>において記載したものと同様のものを使用することができ、前記ヨモギ属植物の使用部位、大きさ、状態などの態様についても同様である。
−麹菌−
前記種麹調製工程において使用する前記麹菌としては、前記<<発酵工程>>において記載したものと同様のものを使用することができる。
前記種麹原料として使用する前記ヨモギ属植物への、前記麹菌の接種量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記ヨモギ属植物100質量部に対して、滅菌水に懸濁した麹菌(1×10個/mL〜1×10個/mL)を5質量部〜100質量部接種することが好ましく、10質量部〜50質量部接種することがより好ましく、20質量部〜30質量部接種することが特に好ましい。前記ヨモギ属植物100質量部に対する前記麹菌の接種量が、5質量部未満であると、前記ヨモギ属植物に十分な量の胞子を着生できないことがあり、100質量部を超えると、水分過多で異常繁殖することがある。
前記種麹原料として使用する前記ヨモギ属植物に前記麹菌を接種する際、水を添加することが好ましい。前記水の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記ヨモギ属植物100質量部に対して、10質量部〜250質量部添加することが好ましく、20質量部〜200質量部添加することがより好ましく、30質量部〜150質量部添加することが特に好ましい。前記ヨモギ属植物100質量部に対する前記水の添加量が、10質量部未満であると、前記ヨモギ属植物に十分な量の胞子を着生できないことがある。
前記培養の温度としては、前記麹菌が生育できる温度の範囲内であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20℃〜40℃が好ましく、25℃〜35℃がより好ましい。前記培養の温度が、20℃未満であると、前記ヨモギ属植物に十分な量の胞子を着生できないことがある。なお、50℃を超えると、前記麹菌が増殖できないことがある。
前記培養の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80時間〜210時間が好ましく、100時間〜190時間がより好ましく、120時間〜170時間が特に好ましい。前記培養の時間が、80時間未満であると、前記ヨモギ属植物に十分な量の胞子を着生できないことがあり、210時間を超えると、胞子の発芽率が落ちることがある。
−ヨモギ属植物種麹−
上記の方法で得られたヨモギ属植物種麹は、ヨモギ属植物に麹菌の胞子が十分に着生されたものであり、これを前記発酵工程で使用することで、接触角が78°以下のヨモギ属植物発酵液をより効率よく容易に得ることができる。
<<その他の工程>>
前記ヨモギ属植物発酵液の製造方法における前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、滅菌工程、精製工程、希釈工程、濃縮工程、乾燥工程などが挙げられる。
−滅菌工程−
前記滅菌工程は、前記発酵工程における前記発酵原料として使用する前記ヨモギ属植物、前記種麹調製工程における前記種麹原料として使用する前記ヨモギ属植物などを、前記麹菌の接種前に滅菌する工程である。
また、発酵工程を複数回行う場合に、次回の発酵の前に、前回の発酵工程で得られた発酵液を、滅菌することが好ましい。
前記滅菌工程は、前記発酵工程において発酵を停止するのと同時に行ってもよい。
前記ヨモギ属植物や前記発酵液を滅菌する手段としては、特に制限はなく、公知の方法の中から適宜選択することができる。
−精製工程−
前記精製工程は、前記発酵工程で得られたヨモギ属植物発酵液を精製する工程である。
前記精製工程では、前記ヨモギ属植物発酵液中の固形分(例えば、前記ヨモギ属植物の植物体、麹菌の菌体、オリなど)の除去を行う。
前記除去の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ろ過などが挙げられる。
前記ろ過の方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から、目的に応じて適宜選択することができる。
−希釈工程、濃縮工程−
前記希釈工程及び前記濃縮工程は、前記発酵工程、及び前記精製工程のいずれかで得られたヨモギ属植物発酵液を所望の濃度に調製する工程である。
前記希釈の手段としては、特に制限はなく、公知の方法の中から、目的に応じて適宜選択することができる。
前記濃縮の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、減圧濃縮などが挙げられる。
−乾燥工程−
前記乾燥工程は、前記発酵工程、前記精製工程、前記希釈工程、及び前記濃縮工程のいずれかで得られたヨモギ属植物発酵液を乾燥する工程である。
前記乾燥の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、凍結乾燥などが挙げられる。
<ヨモギ属植物発酵液>
本発明のヨモギ属植物発酵液は、ヨモギ属に属する植物の麹菌による発酵液であって、前記発酵液の接触角が78°以下である。
本明細書において、接触角とは、動的接触角・表面張力測定装置(FTA1000 Falcon、First Ten Angstroms社製)を用いて、前記装置のサンプルステージに測定試料を3μL滴下し、温度22℃、相対湿度20%の条件下で、液滴法にて測定を行い、1,000msの接触角θ(°)をθ/2法で求めた値を表す。
前記接触角は、「濡れ」を表す指標として使用されており、「静止液体の自由表面が固体壁に接する場所で液面と固体面とのなす角(液の内部にある角をとる)をいう」(理化学辞典 第4版、株式会社岩波書店参照)と定義されている。前記接触角は、液体分子間の凝集力と固体壁間の付着力の大小関係によってきまり、液体が固体を濡らす(付着力が大きい)場合には鋭角、濡らさないときには鈍角である。したがって、接触角が小さい程、濡れやすい、即ち、肌なじみがよいことを示すため、前記ヨモギ属植物発酵液の接触角は、78°以下であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、その下限に制限はない。
前記ヨモギ属植物発酵液は、前記麹菌の菌体を含有したものであってもよく、前記麹菌の菌体を除去したものであってもよいが、前記麹菌の菌体を除去したものであることが好ましい。
前記ヨモギ属植物発酵液の状態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ヨモギ属植物発酵液そのものであってもよく、前記ヨモギ属植物発酵液の精製物、前記ヨモギ属植物発酵液の濃縮物、前記ヨモギ属植物発酵液の希釈物などであってもよい。また、前記ヨモギ属植物発酵液は、該ヨモギ属植物発酵液の乾燥物を再度、水や親水性溶媒等の溶媒に混合又は溶解させたものであってもよい。
前記ヨモギ属植物発酵液は、前記ヨモギ属植物自体の有する作用を害さないものである。
前記ヨモギ属植物自体の有する作用としては、一般に公知の作用を含み、例えば、美白作用、抗老化作用などが挙げられる。
<用途>
本発明のヨモギ属植物発酵液は、ヨモギ属植物を麹菌で発酵させて得られるため、肌なじみのよさ及び保水性に優れ、ヨモギ属植物自体の有する作用を害することなく、安全性の高い天然物系のものであることから、化粧料、食品、医薬品など分野を問わず幅広く利用可能である。
また、本発明のヨモギ属植物発酵液の製造方法は、ヨモギ属植物を麹菌で発酵させることにより、容易かつ安価にヨモギ属植物発酵液を製造することができ、本発明のヨモギ属植物発酵液の製造方法として好適に用いることができる。
本発明のヨモギ属植物発酵液は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
(化粧料)
本発明の化粧料は、本発明の前記ヨモギ属植物発酵液を含有し、必要に応じて、更にその他の成分を含有する。
<ヨモギ属植物発酵液>
前記化粧料における前記ヨモギ属植物発酵液の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記化粧料の全体量に対して、5体積%以上が好ましく、20体積%以上がより好ましい。前記ヨモギ属植物発酵液の含有量が、5体積%未満であると、肌なじみのよさや保水性が不十分となることがある。なお、前記ヨモギ属植物発酵液の含有量は多いほど好ましく、その上限としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、前記化粧料は、前記ヨモギ属植物発酵液そのものであってもよい。
<その他の成分>
前記化粧料は、更に必要に応じて本発明の目的及び作用効果を損なわない範囲で、化粧料の製造に通常使用される各種主剤、助剤、その他の成分を添加することができる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、収斂剤、殺菌剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、細胞賦活剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの成分は、前記ヨモギ属植物発酵液と併用した場合、相乗的に作用して、通常期待される以上の優れた作用効果をもたらすことがある。
前記化粧料における前記その他の成分の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<用途>
前記化粧料の用途としては、特に制限はなく、一般的な化粧料の中から適宜選択することができ、例えば、化粧水、乳液、クリーム、軟膏、美容液、ローション、パック、ゼリー、リップクリーム、口紅、ファンデーション、入浴剤、石鹸、ボディシャンプー等の皮膚化粧料;アストリンゼント、ヘアトニック、ヘアクリーム、ヘアリキッド、ポマード、シャンプー、リンス等の頭皮頭髪化粧料などが挙げられる。
前記化粧料は、前記ヨモギ属植物発酵液を、その活性を妨げないように任意の化粧料に配合したものであってもよいし、前記ヨモギ属植物発酵液を主成分とした化粧料であってもよい。また、前記化粧料は、前記ヨモギ属植物発酵液そのものであってもよい。
本発明の化粧料は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
本発明の化粧料は、前記ヨモギ属植物発酵液を含有するため、皮膚に使用した場合、優れた保水作用及びヨモギ属植物自体の有する作用を発揮する点で有用である。また、本発明の化粧料は、肌なじみのよさに優れる前記ヨモギ属植物発酵液を有効成分としており、商品価値が高い。更に、本発明の化粧料は、天然物系のものである、前記ヨモギ属植物発酵液を有効成分としたものであり、安全性が高い点でも有用である。
以下に調製例、製造例、実施例、及び試験例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの調製例、製造例、実施例、及び試験例に何ら限定されるものではない。
(調製例1:ヤマヨモギ種麹の調製)
麹菌(Aspergillus oryzae、菌株名:AOK1714、株式会社秋田今野商店製)を白金耳で取り、滅菌水50mLに懸濁して麹菌溶液を作製した。前記麹菌溶液の菌数を、トーマ血球計算盤(EKDS製)を用いて算定したところ、1.0×10個/mLであった。
次いで、0.5cm〜5cmに切断したヤマヨモギ(株式会社アルビオン製)10gを三角フラスコに入れ、加圧滅菌し、ここに前記麹菌溶液を2mL接種し、30℃で168時間静置培養した。培養終了後、45℃で24時間乾燥し、「ヤマヨモギ種麹」を得た。
(製造例1:ヤマヨモギ発酵液1の製造)
粉砕機(シュガーミル)を用いてヤマヨモギ(株式会社アルビオン製)を粉砕し、2mmのメッシュスクリーンを通過させ、ヤマヨモギ粉砕物を得た。このヤマヨモギ粉砕物50gに水を1,000mL添加し、混合した後、前記調製例1で得たヤマヨモギ種麹(菌数:約1.0×10個/mL、加圧滅菌済)を20mL接種した。次いで、25℃にて22時間前培養した。得られた発酵液を、珪藻土を用いてろ過し、「ヤマヨモギ発酵液1」を得た。
(製造例2:ヤマヨモギ発酵液2の製造)
前記製造例1において、調製例1で得たヤマヨモギ種麹を、米を原料とした種麹(Aspergillus oryzae、白麹しらかみ、株式会社秋田今野商店製)(以下、「米種麹」と称することがある)に変更したこと以外は、前記製造例1と同様の方法で「ヤマヨモギ発酵液2」を得た。
(比較製造例1:ヤマヨモギ抽出液の製造)
粉砕機(シュガーミル)を用いてヤマヨモギ(株式会社アルビオン製)を粉砕し、2mmのメッシュスクリーンを通過させ、ヤマヨモギ粉砕物を得た。このヤマヨモギ粉砕物50gに水を1,000mL添加し、混合した後、25℃にて22時間撹拌した。次いで、得られた撹拌物を、珪藻土を用いてろ過し、「ヤマヨモギ抽出液」を得た。
(試験例1−1:ヤマヨモギの肌なじみ試験)
製造例1で得られたヤマヨモギ発酵液1、製造例2で得られたヤマヨモギ発酵液2、及び比較製造例1で得られたヤマヨモギ抽出液を試験試料として、以下の方法で接触角を測定することにより「ヤマヨモギの肌なじみ試験」を行った。
具体的には、動的接触角・表面張力測定装置(FTA1000 Falcon、First Ten Angstroms社製)を用いて、前記装置のサンプルステージ(アルミ製)に各試験試料をそれぞれ3μL滴下し、温度22℃、相対湿度20%の条件下で、液滴法にて測定を行った。1,000msの接触角θ(°)をθ/2法で求めた。接触角の測定は3回行い、その平均値を求めた。結果を下記表1に示す。また、各試験試料の接触角の測定時の液滴の一例を図1A〜図1Cに示す。
製造例1で得られたヤマヨモギ発酵液1は、接触角が78°以下であり、肌なじみのよさに優れるものであった。
試験例1−1の結果より、ヨモギ属植物種麹を用いてヨモギ属植物発酵液を製造することにより、効率よく容易に、接触角が78°以下のヨモギ属植物発酵液を得ることができることがわかった。
以下の試験例において、製造例1で得られた「ヤマヨモギ発酵液1」を実施例1の試料、製造例2で得られた「ヤマヨモギ発酵液2」を比較例1の試料、比較製造例1で得られた「ヤマヨモギ抽出液」を比較例2の試料とした。
(試験例1−2:ヤマヨモギの保水力試験)
実施例1のヤマヨモギ発酵液1、比較例1のヤマヨモギ発酵液2、及び比較例2のヤマヨモギ抽出液を試験試料として、以下の方法で「ヤマヨモギの保水力試験」を行った。
具体的には、3名の被験者(被験者1:20代半ばの女性、被験者2:30代前半の女性、及び被験者3:30代後半の女性)の前腕内側部を被験部位として洗浄した後、恒温恒湿室(温度20℃、相対湿度50%)に入室後、約20分間馴化した。前記試験試料の塗布前の前記被験部位の角層の水分量(以下、「初期角質水分量」と称することがある)[単位:μS]を、皮表角層水分量測定装置(SKICON−200EX、株式会社ヤヨイ製)を用いて測定した。次いで、前記試験試料20μLを、前記被験部位(縦1.5cm、横1.5cmの領域)に塗布し、20分間後の前記被験部位の角質の水分量(以下、「塗布後角質水分量」と称することがある)[単位:μS]を測定した。これらの角質水分量の測定値から、下記式(1)により角質水分変化量を算出した。結果を下記表2〜4に示す。
角質水分変化量[μS]=塗布後角質水分量[μS]−初期角質水分量[μS] ・・・ 式(1)
試験例1−2の結果より、接触角が78°以下であった実施例1のヤマヨモギ発酵液は、肌なじみのよさに優れるだけでなく、高い保水力も有していた。
実施例1のヤマヨモギ発酵液のこれらの効果は、発酵を行わなかった比較例2のヤマヨモギ抽出液と比較して優れていただけでなく、予想外にも市販品の米種麹を使用して発酵させた比較例1のヤマヨモギ発酵液と比較しても顕著に優れていた。
(調製例2:カワラヨモギ種麹の調製)
麹菌(Aspergillus oryzae、菌株名:AOK1714、株式会社秋田今野商店製)を白金耳で取り、滅菌水50mLに懸濁して麹菌溶液を作製した。前記麹菌溶液の菌数を、トーマ血球計算盤(EKDS製)を用いて算定したところ、1.0×10個/mLであった。
次いで、0.5cm〜5cmに切断したカワラヨモギ(株式会社アルビオン製)10gを三角フラスコに入れ、加圧滅菌し、ここに前記麹菌溶液を2mL接種し、30℃で168時間静置培養した。培養終了後、45℃で24時間乾燥し、「カワラヨモギ種麹」を得た。
(製造例3:カワラヨモギ発酵液1の製造)
粉砕機(シュガーミル)を用いてカワラヨモギ(株式会社アルビオン製)を粉砕し、2mmのメッシュスクリーンを通過させ、カワラヨモギ粉砕物を得た。このカワラヨモギ粉砕物50gに水を1,000mL添加し、混合した後、前記調製例2で得たカワラヨモギ種麹(菌数:約1.0×10個/mL、加圧滅菌済)を20mL接種した。次いで、25℃にて22時間前培養した。得られた発酵液を、珪藻土を用いてろ過し、「カワラヨモギ発酵液1」を得た。
(製造例4:カワラヨモギ発酵液2の製造)
前記製造例3において、調製例2で得たカワラヨモギ種麹を、米種麹(Aspergillus oryzae、白麹しらかみ、株式会社秋田今野商店製)に変更したこと以外は、前記製造例3と同様の方法で「カワラヨモギ発酵液2」を得た。
(比較製造例2:カワラヨモギ抽出液の製造)
粉砕機(シュガーミル)を用いてカワラヨモギ(株式会社アルビオン製)を粉砕し、2mmのメッシュスクリーンを通過させ、カワラヨモギ粉砕物を得た。このカワラヨモギ粉砕物50gに水を1,000mL添加し、混合した後、25℃にて22時間撹拌した。次いで、得られた撹拌物を、珪藻土を用いてろ過し、「カワラヨモギ抽出液」を得た。
(試験例2−1:カワラヨモギの肌なじみ試験)
試験例1−1の「ヤマヨモギの肌なじみ試験」において、試験試料を、製造例1で得られたヤマヨモギ発酵液1、製造例2で得られたヤマヨモギ発酵液2、及び比較製造例1で得られたヤマヨモギ抽出液から、製造例3で得られたカワラヨモギ発酵液1、製造例4で得られたカワラヨモギ発酵液2、及び比較製造例2で得られたカワラヨモギ抽出液に変更したこと以外は、試験例1−1と同様の方法で「カワラヨモギの肌なじみ試験」を行った。
結果を下記表5に示す。また、各試験試料の接触角の測定時の液滴の一例を図2A〜図2Cに示す。
製造例3で得られたカワラヨモギ発酵液1は、接触角が78°以下であり、肌なじみのよさに優れるものであった。
また、試験例1−1と同様に、試験例2−1の結果より、ヨモギ属植物種麹を用いてヨモギ属植物発酵液を製造することにより、効率よく容易に、接触角が78°以下のヨモギ属植物発酵液を得ることができることがわかった。
以下の試験例において、製造例3の「カワラヨモギ発酵液1」を実施例2の試料、製造例4の「カワラヨモギ発酵液2」を比較例3の試料、比較製造例2の「カワラヨモギ抽出液」を比較例4の試料とした。
(試験例2−2:カワラヨモギの保水力試験)
試験例1−2の「ヤマヨモギの保水力試験」において、試験試料を、実施例1のヤマヨモギ発酵液1、比較例1のヤマヨモギ発酵液2、及び比較例2のヤマヨモギ抽出液から、実施例2のカワラヨモギ発酵液1、比較例3のカワラヨモギ発酵液2、及び比較例4のカワラヨモギ抽出液に変更したこと以外は、試験例1−2と同様の方法で「カワラヨモギの保水力試験」を行った。結果を下記表6〜8に示す。
試験例2−2の結果より、接触角が78°以下であった実施例2のカワラヨモギ発酵液は、肌なじみのよさに優れるだけでなく、高い保水力も有していた。
実施例2のカワラヨモギ発酵液のこれらの効果は、発酵を行わなかった比較例4のカワラヨモギ抽出液と比較して優れていただけでなく、予想外にも市販品の米種麹を使用して発酵させた比較例3のカワラヨモギ発酵液と比較しても顕著に優れていた。
以上の試験例の結果より、接触角が78°以下のヨモギ属植物発酵液を化粧料とした場合は、肌なじみのよさに優れ、かつ、肌なじみのよさ及び保水性に優れることが示唆された。
本発明のヨモギ属植物発酵液は、本発明のヨモギ属植物発酵液の製造方法により容易かつ安価に製造可能であり、ヨモギ属植物を麹菌で発酵させて得られるため、肌なじみのよさ及び保水性に優れ、ヨモギ属植物自体の有する作用を害することなく、安全性の高い天然物系のものであることから、化粧料、食品、医薬品など分野を問わず幅広く利用可能である。
本発明の化粧料は、本発明のヨモギ属植物発酵液を含有することから、化粧水、乳液、クリーム、軟膏、美容液、ローション、パック、ゼリー、リップクリーム、口紅、ファンデーション、入浴剤、石鹸、ボディシャンプー等の皮膚化粧料;アストリンゼント、ヘアトニック、ヘアクリーム、ヘアリキッド、ポマード、シャンプー、リンス等の頭皮頭髪化粧料などに好適に利用可能である。

Claims (3)

  1. ヨモギ属に属する植物の麹菌による発酵液であって、
    前記発酵液の接触角が78°以下であることを特徴とするヨモギ属植物発酵液。
  2. ヨモギ属に属する植物を、麹菌を用いて発酵させて発酵液を得ることを含み、
    前記発酵液の接触角が78°以下であることを特徴とするヨモギ属植物発酵液の製造方法。
  3. 請求項1に記載のヨモギ属植物発酵液を含有することを特徴とする化粧料。
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