JP2020164356A - GaN結晶、GaN自立基板、GaN結晶成長用種基板、GaN結晶の製造方法およびGaN自立基板の製造方法 - Google Patents

GaN結晶、GaN自立基板、GaN結晶成長用種基板、GaN結晶の製造方法およびGaN自立基板の製造方法 Download PDF

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Masatomo Shibata
真佐知 柴田
丈洋 吉田
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丈洋 吉田
尚 村上
Takashi Murakami
尚 村上
纐纈 明伯
Akinori Koketsu
明伯 纐纈
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Abstract

【課題】高品質なGaN結晶およびその製造方法を提供し、この結晶を用いて作製される基板や半導体デバイスの性能を向上させる。【解決手段】GaNの単結晶からなり、転位密度が1×104cm−2以下である低転位領域を有し、低転位領域の面積が10mm2以上であるGaN結晶である。【選択図】なし

Description

本発明は、GaN(窒化ガリウム)結晶、GaN自立基板、GaN結晶成長用種基板、GaN結晶の製造方法およびGaN自立基板の製造方法に関する。
GaN結晶の化学気相成長法のひとつに、THVPE法(トリハライド気相成長法、Tri−halide Vapor Phase Epitaxy)が知られている(特許文献1参照)。
国際公開第2015/037232号
本発明の目的は、高品質なGaN結晶およびその製造方法を提供し、この結晶を用いて作製される基板や半導体デバイスの性能を向上させることである。
本発明の一態様によれば、
GaNの単結晶からなり、
転位密度が1×10cm−2以下である低転位領域を有し、
前記低転位領域の面積が10mm以上であるGaN結晶が提供される。
本発明の他の態様によれば、
GaNの単結晶からなり、
転位密度が1×10cm−2以下である低転位領域を有し、
前記低転位領域が環状であり、全周15cm以上の長さにわたり連続して存在しているGaN結晶が提供される。
本発明のさらに他の態様によれば、
GaNの単結晶からなる自立基板であって、前記自立基板の少なくとも周縁部に転位密度が1×10cm−2以下である低転位領域を有するGaN自立基板が提供される。
本発明のさらに他の態様によれば、
GaNの単結晶からなり、前記結晶の−C面により構成された下地面を有する種基板と、
前記下地面上に、前記下地面の沿面方向に拡径させつつエピタキシャル成長した、GaNの単結晶からなる成長結晶と、を有し、
前記成長結晶は、前記下地面の法線方向から平面視した際に、前記種基板の径より内側にある第1結晶と、
前記種基板の径より外側にある第2結晶と、を含み、
前記第2結晶の貫通転位密度は、前記第1結晶の貫通転位密度より小さいGaN結晶が提供される。
本発明のさらに他の態様によれば、
GaNの単結晶からなり、
前記結晶の−C面により構成された下地面と、
前記結晶の+C面により構成された主面と、を有し、
前記主面の外周部にのみ面取り部を設けたGaN結晶成長用種基板が提供される。
本発明のさらに他の態様によれば、
GaNの単結晶からなり、前記結晶の−C面により構成された下地面を有する種基板を用意する第1工程と、
前記種基板に対して三ハロゲン化ガリウムガスと窒化水素ガスとを供給し、前記下地面上に、GaNの単結晶からなる成長結晶を、前記下地面の沿面方向に拡径させつつエピタキシャル成長させる第2工程と、を有し、
前記第1工程では、前記種基板を設置するサセプタであって、前記種基板と同寸の凹部を設けたサセプタに、前記種基板を、前記下地面を露出させつつ収容し、
前記第2工程では、前記サセプタが前記種基板の側面を覆うことによって、前記種基板の側面から成長しようとする第3結晶の成長を抑制するGaN結晶の製造方法が提供される。
本発明のさらに他の態様によれば、
GaNの単結晶からなり、前記結晶の−C面により構成された下地面を有する種基板を用意する第1工程と、
前記種基板に対して三ハロゲン化ガリウムガスと窒化水素ガスとを供給し、前記下地面上に、GaNの単結晶からなる成長結晶を、前記下地面の沿面方向に拡径させつつエピタキシャル成長させる第2工程と、
前記成長結晶から、GaNの単結晶からなるGaN自立基板を切り出す第3工程と、を有し、
前記第1工程では、前記種基板を設置するサセプタであって、前記種基板と同寸の凹部を設けたサセプタに、前記種基板を、前記下地面を露出させつつ収容し、
前記第2工程では、前記種基板の側面を前記サセプタで覆うことによって、前記種基板の側面から成長しようとする第3結晶の成長を抑制するGaN自立基板の製造方法が提供される。
本発明によれば、GaN結晶の品質を高め、この結晶を用いて作製される基板や半導体デバイスの性能を向上させることが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態で用いられるGaN結晶の結晶製造装置100の概略構成図である。 図2は、本発明の一実施形態で用いられる種基板130の斜視図である。 図3(a)は、本発明の一実施形態における、GaNの単結晶からなる成長結晶310の成長過程を示す概略断面図である。図3(b)は、その変形例を示す概略断面図である。 図4(a)は、本発明の一実施形態によって得られるGaN結晶400の側面図である。図4(b)は、GaN結晶400を成長結晶310の主面側から見たときの平面図である。 図5(a)は、GaN結晶400をスライスすることで得られるGaN自立基板500の側面図である。図5(b)は、GaN自立基板500を主面側から見たときの平面図である。 図6は、従来のTHVPE法によって得られるGaN結晶600の側面図である。 図7(a)は、本発明の一実施形態で用いられる種基板130およびサセプタ140を示す概略断面図である。図7(b)、図7(c)は、それぞれその変形例を示す概略断面図である。 図8(a)は、GaN結晶の+C面により構成された主面801の外周部と、GaN結晶の−C面により構成された主面802の外周部とに、それぞれ面取り部を設けた種基板800の側面図である。図8(b)は、GaN結晶の+C面により構成された主面811の外周部にのみ面取り部を設けた種基板810の側面図である。 図9(a)は、本発明の他の実施形態によって得られるGaN結晶900の側面図である。図9(b)は、GaN結晶900を成長結晶910の主面側から見たときの平面図である。
<本発明の第1実施形態>
(1)GaN結晶の結晶製造装置の構成
まず、本実施形態におけるGaN結晶の結晶製造装置100の構成について、図1を参照しながら説明する。なお、本明細書において、図1の左右方向を水平方向、図1の上下方向を垂直方向というものとする。
結晶製造装置100は、反応容器110と、成長容器120とを備えている。反応容器110は、水平部分と、垂直部分とを有するL字管として構成されており、垂直部分は下向きとなっている。成長容器120は、垂直部分のみからなる直管として構成されており、その径および長さは、反応容器110の垂直部分の径および長さよりそれぞれ大きくなっている。反応容器110の垂直部分と、反応容器110の水平部分の一部とは、成長容器120の側面から成長容器120内に挿入されている。反応容器110および成長容器120は、それぞれ気密性を有している。反応容器110内および成長容器120内には、それぞれGaN結晶の製造に用いる各種のガスを流すことができる。反応容器110内は、水平部分が上流、垂直部分が下流に位置している。成長容器120内は、上部が上流、下部が下流に位置している。反応容器110および成長容器120は、例えば、石英で構成される。
反応容器110には、その水平部分の外周を囲うように、抵抗加熱式ヒータやランプヒータなどの外部加熱手段114が設置されている。
反応容器110内には、反応容器110の水平部分の一部(上流側)にある第1ゾーンZ11と、反応容器110内の第1ゾーンZ11以外の部分にある第2ゾーンZ12とが設けられている。第1ゾーンZ11には、原料収容容器115が設置されている。原料収容容器115内には、GaN結晶の原料としてガリウム116が収容される。原料収容容器115は、上面に開口部が設けられており、ガリウム116は、その上面が露出した状態で収容される。原料収容容器115は、例えば、石英で構成される。
反応容器110は、ガス導入口111と、ガス導入口112と、ガス排出口113とを有している。ガス導入口111は、反応容器110の一端(上流側)に位置し、第1ゾーンZ11へ塩素(Cl)ガスを導入するために用いられる。ガス導入口112は、成長容器120の外側に位置し、第2ゾーンZ12へClガスを導入するために用いられる。ガス排出口113は、反応容器110の他端(下流側)に位置し、第2ゾーンZ12で生成されたガスが成長容器120内へ輸送されるように構成されている。
成長容器120内には、ガス排出口113の下部に成長ゾーンZ13が設けられている。成長ゾーンZ13には、ガス排出口113に対向する位置に、後述する種基板130を収容するサセプタ140が設置されている。ガス排出口113から輸送されるガスは、種基板130上に供給される。
成長容器120は、ガス導入口121と、ガス排気口122とを有している。ガス導入口121は、成長容器120の上端部に位置し、成長容器120内へアンモニア(NH)ガスやキャリアガスを導入するために用いられる。ガス排気口122は、成長容器120の側面下部に位置する。ガス排気口122にはポンプ123が設けられている。成長容器120内のガスは、ポンプ123を用いてガス排気口122から排気することができる。
成長容器120の内壁には、ガイドリング150が設けられている。ガイドリング150によって、成長容器120内のガスが、ガス排気口122へ流れ込む速度を調整することができる。ガイドリング150は、例えば、耐熱性および耐食性のある窒化ホウ素焼結体または窒化ホウ素焼結体で覆われたカーボンで構成される。
サセプタ140は、平板状(円板状)であり、例えば、耐熱性および耐食性のある窒化ホウ素焼結体または窒化ホウ素焼結体で覆われたカーボンで構成されている。サセプタ140の下部には、回転機構141が設けられている。回転機構141は、サセプタ140を水平姿勢で回転させるように構成されている。サセプタ140内には、カーボン発熱体などからなる基板加熱手段142が設けられている。サセプタ140の上面には、種基板130と同寸の凹部が設けられている。凹部は、例えば、ザグリ加工によって設けることができる。凹部は、その内部に種基板130が収容されるように構成されている。種基板130は、上面が露出し、側面がサセプタ140によって覆われるように収容される。種基板130は、ガス排出口113から輸送される原料ガスが、種基板130の側面に接触しないように収容される。種基板130の上面の位置は、サセプタ140の上面と同じ高さになるように収容されるのが好ましい。
なお、本明細書において、「同寸」とは、種基板130が、基板加熱手段142によって加熱されて熱膨張した際に、凹部の内壁等に種基板130の側面が衝突して破損しない程度の遊びを含むものとする。本明細書において、「覆われる」とは、種基板130の側面が完全に覆われている場合の他、種基板130の側面に原料ガスが接触しない限り隙間がある態様を含むものとする。本明細書において、「接触しない」とは、種基板130の側面からGaN結晶が成長しない程度の微量の原料ガスが、種基板130の側面付近に存在している状態を含むものとする。
(2)GaN結晶の製造方法
上述の結晶製造装置100を用い、種基板130上にGaN結晶をエピタキシャル成長させる方法について詳しく説明する。
まず、GaNの単結晶からなる種基板130を用意する。図2は、種基板130の一例を示す斜視図である。種基板130の形状は円板であり、直径は、例えば、50mm以上であるのが好ましい。種基板130の厚さは、基板の機械的強度の低下を防ぐため、例えば、0.25mm以上であるのが好ましい。但し、ここに示した形状および寸法はあくまで一例であり、本実施形態はこれに限定されるものではない。
種基板130は、GaNの単結晶からなり、第1主面131がGaN結晶の−C面により構成されている。本明細書において、「−C面」とは、GaN結晶の(000−1)面から僅かに傾斜したものを含むものとする。この傾斜の角度はオフ角と呼ばれ、例えば、5°以下であり得る。第1主面131は、機械研磨により平坦化した後、機械研磨によって表面に蓄積されたダメージ層を除去するためにエッチング処理をすることで、エピタキシャル成長の下地とすることができる。このような表面処理をされた第1主面131を、以下、「下地面」と呼ぶものとする。
サセプタ140に設けられた凹部内に、種基板130を、側面がサセプタ140によって覆われ、下地面が露出した状態で収容する。
原料収容容器115内に、ガリウム116を収容する。
下地面上にGaN結晶を均一に成長させるために、回転機構141を用いて、サセプタ140の回転を開始する。
反応容器110内および成長容器120内にそれぞれキャリアガスを流し、反応容器110内および成長容器120内の雰囲気をそれぞれキャリアガス雰囲気とする。キャリアガスは、不活性ガスである窒素(N)ガスまたは希ガスを用いることができる。キャリアガスは、ガス導入口111およびガス導入口121を通して導入する。
窒化水素ガスとしてのNHガスを、ガス導入口121を通して成長容器120内へ導入する。NHガスは、キャリアガスと同時に導入してもよい。
成長容器120内を、ポンプ123を用いて、所定の処理圧力となるように調整する。
反応容器110内を、外部加熱手段114を用いて、所定の温度となるように加熱する。
種基板130が所定の成長温度に達したら、ガス導入口111およびガス導入口112のそれぞれから、反応容器110内へClガスを導入する。
第1ゾーンZ11では、ガス導入口111から導入されるClガスと、ガリウム116とを反応させてGaClガスを生成させる。GaClガスを生成させる反応は、以下の反応式(1)で表される。
Ga(l)+1/2Cl(g)→GaCl(g) ・・・(1)
反応式(1)において、(l)および(g)はそれぞれ物質が液体および気体であることを示す。この点は、以下においても同様とする。
第1ゾーンZ11における反応では、GaClガスの他にも、GaClガスやGaClガスなどのガリウム塩化物ガスが生成される。第1ゾーンZ11の温度を、所定の温度にすることで、第1ゾーンZ11で生成されるガスの大部分をGaClガスとすることができる。
第2ゾーンZ12では、ガス導入口112から導入されるClガスと、第1ゾーンZ11から輸送されるGaClガスとを反応させて、三ハロゲン化ガリウムガスとしてのGaClガスを生成させる。GaClガスを生成させる反応は、以下の反応式(2)で表される。
GaCl(g)+Cl(g)→GaCl(g) ・・・(2)
第2ゾーンZ12における反応では、GaClガスの他にも、他のガリウム塩化物ガスが生成される。第2ゾーンZ12の温度を、所定の温度にすることで、第2ゾーンZ12で生成されるガスの大部分をGaClガスとすることができる。
成長ゾーンZ13では、第2ゾーンZ12からガス排出口113を通して輸送されるGaClガスと、ガス導入口121から導入されるNHガスとを、下地面上で反応させて、種基板130上にGaN結晶をエピタキシャル成長させる。
本実施形態における、GaN結晶の成長温度は、例えば、1200℃以上1400℃以下の範囲内の温度に設定するのが好ましい。成長温度が1200℃未満になると、GaN結晶の−C軸方向へのエピタキシャル成長が不安定になる。成長温度を1200℃以上とすることで、−C軸方向へ安定的にエピタキシャル成長させることができる。成長温度が1400℃を超えると、後述するように、下地面の沿面方向に拡径しながらエピタキシャル成長しない。成長温度を1400℃以下とすることで、下地面の沿面方向に拡径しながらエピタキシャル成長させることができる。
V族原料ガスであるNHガスの供給モル数Aと、III族原料ガスであるGaClガスの供給モル数Bの比(A/B)を、V/III比と呼ぶ。本実施形態における、V/III比は、例えば、50以上200以下の範囲内の値に調整するのが好ましい。V/III比が50未満になると、GaN結晶の−C軸方向へのエピタキシャル成長が不安定になる。V/III比を50以上とすることで、−C軸方向へ安定的にエピタキシャル成長させることができる。V/III比が200を超えると、後述するように、下地面の沿面方向に拡径しながらエピタキシャル成長しない。V/III比を200以下とすることで、下地面の沿面方向に拡径しながらエピタキシャル成長させることができる。
本実施形態における、その他の処理条件としては、以下が例示される。
処理圧力:0.8〜1.2atm
反応容器110内の温度:400〜800℃
反応容器110内のClガスの分圧:1×10−3〜1×10−2atm
図3(a)に、本実施形態のGaN結晶が成長する過程を模式的に示す。GaNの単結晶からなる成長結晶310が、下地面301の法線方向、すなわち−C軸方向にエピタキシャル成長する。−C軸方向への成長では、結晶成長とともに成長面(−C面)の結晶面積が徐々に大きくなる。すなわち、成長面302、成長面303、成長面304のように下地面301の沿面方向に拡径しながら順次エピタキシャル成長し、成長結晶310は、例えば、逆円錐台状となる。下地面301が、サセプタ140の上面と同じ高さに位置しているので、成長結晶310の拡径部は、凹部の内壁等による干渉を受けることなく、応力が加わりにくい態様で成長する。種基板130の側面はサセプタ140によって覆われているので、種基板130の側面から結晶は成長しない。
また、本実施形態における、種基板の外周部の温度は、種基板の中心部の温度より低くなるように加熱することが好ましい。これにより、外周部の結晶成長速度を、中心部の結晶成長速度より速くすることができる。したがって、図3(b)に示すように、成長結晶310の成長面305は凹面状となり、種基板130が有する貫通転位320が、成長結晶310の拡径部へ伝播することを抑制することができる。また、成長結晶310の拡径部を、中心部に比べて厚くすることができる。
種基板の外周部と、種基板の中心部との温度差は、例えば、10℃以上100℃以下とすることが好ましい。温度差が10℃未満では、結晶成長速度に有意な差が生じ難い。これに対し、温度差を10℃以上とすることで、結晶成長速度に有意な差が生じ、拡径部への転位伝播を抑制することができる。一方で、温度差が100℃を超えると、結晶品質が悪化する可能性がある。これに対し、温度差を100℃以下とすることで、結晶品質を向上させることができる。
また、ガイドリング150によって、成長容器120内のガスが、ガス排気口122へ流れ込む速度を調整し、種基板の外周部付近の原料ガス濃度を、種基板の中心部付近の原料ガス濃度よりも高くしてもよい。または、ガス排出口113の周囲にノズルを設け、種基板の外周部へ、さらに原料ガスを供給してもよい。これらの方法により、外周部の結晶成長速度を、中心部の結晶成長速度より速くすることができる。したがって、成長結晶310の成長面305は凹面状となり、種基板130が有する貫通転位320が、成長結晶310の拡径部へ伝播することを抑制することができる。また、成長結晶310の拡径部を、中心部に比べて厚くすることができる。
成長結晶310を充分な厚さに成長させた後、反応容器110内へのClガスの導入を停止することにより、成長結晶310の成長を終了させる。同時に、反応容器110と種基板130の加熱をそれぞれ停止し、反応容器110内と成長容器120内の温度を、種基板130および成長結晶310を含むGaN結晶400が搬出可能な温度までそれぞれ降下させる。成長結晶310の分解を防ぐために、降温中も、成長容器120内にはキャリアガスやNHガスなどを流しておくことが好ましい。
成長結晶310の厚さは、成長結晶310から少なくとも1枚のGaN自立基板が得られる厚さ、例えば、0.25mm以上の厚さであることが好ましい。成長結晶310の厚さの上限は、特に限定されない。
反応容器110内と、成長容器120内との温度を、GaN結晶400が搬出可能な温度までそれぞれ降下させた後、成長容器120内から、GaN結晶400を搬出する。
図4(a)に、本実施形態によって得られるGaN結晶400の側面図を、図4(b)に、GaN結晶400を、成長結晶310の主面側から見たときの平面図をそれぞれ示す。種基板130は、GaN結晶の−C面により構成された下地面301を有している。下地面301の上側には、下地面301の沿面方向に拡径しながらエピタキシャル成長した、逆円錐台状の成長結晶310がある。成長結晶310は、種基板130の直上に成長した第1結晶411と、拡径部として第1結晶411の外周を覆うように成長した第2結晶412とを含んでいる。
第1結晶411には、種基板130が有する貫通転位が伝播している。しかしながら、第2結晶412は拡径部として成長したため、第2結晶412には、種基板130が有する貫通転位が伝播していない。したがって、第2結晶412は、実質的に貫通転位を含んでおらず、その貫通転位密度は、第1結晶411の貫通転位密度より小さくなっている。また、後述するように、第2結晶412は、他の結晶の成長による外部応力を受けることがないため、外部応力による基底面転位等も発生していない。
したがって、本実施形態によって得られるGaN結晶400は、転位密度の極めて低い、低転位領域を有するGaN結晶となっている。少なくとも第2結晶412は、低転位領域に相当する。低転位領域の転位密度は、例えば、1×10cm−2以下、好ましくは1×10cm−2以下となっている。このことは、多光子顕微鏡またはカソードルミネッセンスを用いて低転位領域を観察した際に、転位欠陥に起因する暗点および暗線の密度が、例えば、1×10cm−2以下、好ましくは1×10cm−2以下であることによって確認できる。低転位領域の転位密度の下限は、特に限定されないが、例えば、1×10cm−2以上であることが例示される。
また、第2結晶412の、全部または一部を、新たな種基板として用いて、新たな種基板上にさらにGaN結晶を拡径成長させることもできる。この場合、成長する結晶全体が低転位であり、拡径成長によって低転位領域が拡大されるため、大面積の低転位領域を有するGaN結晶を得ることができる。具体的には、低転位領域の面積が、例えば、10mm以上、好ましくは、100mm以上となっているGaN結晶を得ることができる。
また、本実施形態によって得られるGaN結晶400が有する低転位領域は、図4(b)の第2結晶412のように、環状に存在している。その全周は、例えば、15cm以上となっている。本実施形態によって得られるGaN結晶400は、そのまま半導体デバイスなどを作製する用途に用いてもよいし、低転位領域のみを切り出して用いてもよい。
また、本実施形態によって得られるGaN結晶400を、例えば、図4(a)のA−Aのように水平方向にスライスすることで、GaNの単結晶からなるGaN自立基板500を得ることができる。GaN結晶400のスライスは、ワイヤーソや内周刃スライサなどを用いて行うことができる。通常は、スライスにより得られるブランクウエハのアズスライス表面を機械研磨により平坦化し、さらにエッチング処理することで機械研磨によって表面に蓄積されたダメージ層を除去する。
図5(a)に、GaN結晶400を図4(a)のA−A断面でスライスすることで得られるGaN自立基板500の側面図を、図5(b)に、GaN自立基板500を主面側から見たときの平面図をそれぞれ示す。
GaN自立基板500の直径Dは、種基板130の直径よりも大きく、例えば、50mm以上である。GaN自立基板500の厚さTは、自立状態が維持できる厚さ、例えば、0.25mm以上の厚さであることが好ましく、その上限は特に限定されない。
GaN自立基板500の周縁部は、拡径部に相当する領域であるため、上述したように、種基板130が有する貫通転位が伝播していない。したがって、GaN自立基板500の少なくとも周縁部は、転位密度の極めて低い、上述の低転位領域となっている。
このようなGaN自立基板500は、例えば、レーザダイオード、LED、高速トランジスタなどの半導体デバイスを作製する際に好適に用いることができる。
(3)本実施形態により得られる効果
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果が得られる。
(a)本実施形態によって得られるGaN結晶400は、従来のTHVPE法によって得られるGaN結晶600に比べ、高品質な結晶となっている。
比較のために、従来のTHVPE法によって得られるGaN結晶600の側面図を図6に示す。本実施形態と異なり、結晶成長中に、種基板601の側面が露出されていたため、種基板601の側面にも原料ガスが供給されてしまい、種基板601の側面から、第3結晶613が成長する。第2結晶612の、下地面602の沿面方向へ向かう成長速度が、第3結晶613の、下地面602の沿面方向へ向かう成長速度と等しいため、第3結晶613は、第2結晶612の下部のすべてを覆うように成長する。第3結晶613が成長する際、第3結晶613が第2結晶612に外部応力を及ぼす。そのため、第2結晶612には、外部応力による基底面転位等が多数発生する。
本実施形態によって得られるGaN結晶400は、種基板130の側面から成長する第3結晶が存在しない結晶となっている。そのため、第2結晶412に外部応力が加わることはなく、第2結晶412に外部応力による基底面転位等は発生しない。また、上述のように、第2結晶412は拡径部として成長したため、種基板130が有する貫通転位が伝播することもない。したがって、本実施形態によって得られるGaN結晶400は、転位密度が極めて低い、高品質な領域である、低転位領域を有している。
(b)本実施形態によって、低転位領域の面積が、例えば、10mm以上、好ましくは、100mm以上となっているGaN結晶を得ることができる。また、低転位領域が環状に存在し、その全周が、例えば、15cm以上となっているGaN結晶を得ることもできる。このようなGaN結晶は、高品質な半導体デバイスを、低コストで大量に製造する用途に好ましく用いることができる。
(c)本実施形態によって得られるGaN自立基板500は、少なくともその周縁部に、転位密度の極めて低い、高品質な領域である、低転位領域を有している。本実施形態によって得られるGaN自立基板500を用いて、例えば、レーザダイオード、LED、高速トランジスタなどの半導体デバイスを作製する場合、デバイスの特性を向上させたり、寿命を延ばしたりすることが可能となる。
<本発明の第1実施形態の変形例>
図7(a)は、上述の第1実施形態における、種基板130が凹部内に収容された状態を示す概略断面図である。図7(a)のように、サセプタ140の上面と同じ高さになるように種基板130を収容することで、凹部の内壁等による干渉を受けることなく、応力が加わりにくい態様で、拡径部を成長させることができる。
また、図7(b)のように、サセプタ140の上面に逆円錐状の窪み143を設け、その底部に設けられた種基板130と同寸の凹部に、種基板130を収容してもよい。窪み143の底部は、種基板130の径と等しくなるようにするのが好ましい。窪み143の側面と下地面301のなす角θは、成長結晶の拡径部が、窪み143の側面等による干渉を受けないような角度に調整することが好ましい。この場合、第1実施形態と同様の効果に加えて、拡径部の裏面に不要な結晶が成長するのを防止する効果が得られる。
また、図7(c)のように、サセプタ140の上面に、円筒状の凸部144を設けて、その内部に種基板130を収容してもよい。凸部144は、サセプタ140から着脱可能な構成とするのが好ましい。この場合、第1実施形態と同様の効果が得られる。さらに、第1実施形態と比べて、種基板の寸法によってサセプタ140を変更する必要がなく、凸部144を変更すれば充分であるため、より簡便に実施をすることが可能となる。
また、側面がシール層によって覆われた種基板を用いてもよい。シール層は、例えば、耐熱性を持つSiCで構成することができる。この場合、シール層によって、種基板の側面からの結晶成長を抑制することができるので、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、第1実施形態と比べて、装置自体に特別な加工が必要なく、種基板の寸法によって凹部を調整する必要もないため、より簡便に実施をすることが可能となる。
また、上述の第1実施形態において、図8(a)のように、+C面により構成された主面801の外周部と、−C面により構成された主面802の外周部とに、それぞれ面取り部を設けた種基板800を用いてもよい。この場合、種基板の割れを防ぐ効果が得られる。但し、−C面により構成された主面802の面取り部803から、結晶品質の悪い結晶、いわゆる雑晶が成長する可能性がある。
また、図8(b)のように、+C面により構成された主面811の外周部にのみ面取り部を設けた種基板810を用いてもよい。この場合、エピタキシャル成長の下地面としての主面812に、面取り部が設けられていないので、雑晶の成長を抑制する効果が得られる。また、雑晶の成長を抑制することで、拡径成長を促す効果が得られる。さらに、拡径成長を促すことで、種基板とサセプタの隙間を早期に覆い隠し、種基板810の側面へ原料ガスが供給されるのを抑制する効果も得られる。したがって、このような種基板810は、−C軸方向にGaN結晶を拡径成長させる際の、GaN結晶成長用種基板として、好適に用いることができる。
<本発明の第2実施形態>
続いて、本発明の第2実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
本実施形態は、サセプタで種基板の側面を覆う代わりに、V/III比と、成長温度とを、それぞれ所定の値に調整し、種基板の側面から成長する第3結晶の成長速度を遅くすることで、第1実施形態と同様の効果を得るものである。
GaN結晶の成長の速さは、V/III比や成長温度などの条件によって異なる。本発明者らは、V/III比を、例えば、100以上150以下の範囲内の値に調整し、成長温度を、例えば、1250℃以上1300℃以下の範囲内の温度に調整することで、第2結晶の下地面の沿面方向へ向かう成長速度を、第3結晶の下地面の沿面方向へ向かう成長速度より大きくできることを知見した。
図9(a)に、本実施形態によって得られるGaN結晶900の側面図を、図9(b)に、GaN結晶900を成長結晶910の主面側から見たときの平面図をそれぞれ示す。従来のTHVPE法によって得られるGaN結晶600と同様に、種基板901の側面から成長した第3結晶913が存在するが、第3結晶913が、第2結晶912の下部の一部のみを覆っている様態になっている。V/III比と、成長温度とをそれぞれ所定の値に調整することで、第2結晶912の下地面902の沿面方向へ向かう成長速度を、第3結晶913の下地面902の沿面方向へ向かう成長速度より大きくすることが可能となり、このようなGaN結晶900が得られる。
第2結晶912は、第3結晶913の外径より内側にある内周部914と、第3結晶913の外径より外側にある外周部915とを含んでいる。少なくとも外周部915には、第3結晶913が成長する際の応力による基底面転位等が発生しないため、外周部915の基底面転位密度は、内周部914の基底面転位密度より小さくなっている。また、外周部915は、拡径部として成長した第2結晶912の一部であるため、種基板901が有する貫通転位は伝播していない。そのため、外周部915の転位密度は、例えば、1×10cm−2以下、好ましくは1×10cm−2以下となっている。外周部915の転位密度の下限は、特に限定されないが、例えば、1×10cm−2以上であることが例示される。
本実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、第1実施形態と比べて、装置自体に特別な加工が必要なく、種基板の寸法によって凹部を調整する必要もないため、より簡便に実施をすることが可能となる。
<本発明の第2実施形態の変形例>
上述の第2実施形態において、結晶製造装置にバリアガスまたは希釈ガスの供給口を設け、種基板の側面に向けて、バリアガスまたは希釈ガスを供給しながらGaN結晶を成長させてもよい。バリアガスまたは希釈ガスは、例えば、Nガスや希ガスを用いることができる。この場合、バリアガスまたは希釈ガスが、第3結晶の成長を抑制するので、第2実施形態と同様の効果が得られる。
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。しかしながら、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々変更可能である。
例えば、上述の実施形態ではGaN結晶の原料ガスとして、三ハロゲン化ガリウムガスとしてのGaClガスと、窒化水素ガスとしてのNHガスとを用いているが、GaClガスの代わりにGaBrガスやGaIガスなどの三ハロゲン化ガリウムガスを用いることもできるし、NHガスの代わりにNガスなどの窒化水素ガスを用いることもできる。
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
(付記1)
本発明の一態様によれば、
GaNの単結晶からなり、
転位密度が1×10cm−2以下である低転位領域を有し、
前記低転位領域の面積が10mm以上であるGaN結晶が提供される。
好ましくは、前記低転位領域の転位密度が1×10cm−2以下である。
また、好ましくは、前記低転位領域の面積が100mm以上である。
(付記2)
本発明の他の態様によれば、
GaNの単結晶からなり、
転位密度が1×10cm−2以下である低転位領域を有し、
前記低転位領域の全周が15cm以上の長さにわたり連続して存在しているGaN結晶が提供される。
好ましくは、前記低転位領域の転位密度が1×10cm−2以下である。
(付記3)
付記1または付記2に記載のGaN結晶であり、多光子顕微鏡またはカソードルミネッセンスのうち少なくともいずれかを用いて前記低転位領域を観察した際に転位欠陥に起因する暗点および暗線の密度が1×10cm−2以下である。好ましくは、前記暗点および前記暗線の密度が1×10cm−2以下である。
(付記4)
本発明のさらに他の態様によれば、
GaNの単結晶からなる自立基板であって、前記自立基板の少なくとも周縁部に転位密度が1×10cm−2以下である低転位領域を有するGaN自立基板が提供される。
好ましくは、前記低転位領域の転位密度が1×10cm−2以下である。
(付記5)
付記4に記載のGaN自立基板であり、多光子顕微鏡またはカソードルミネッセンスのうち少なくともいずれかを用いて前記低転位領域を観察した際に転位欠陥に起因する暗点および暗線の密度が1×10cm−2以下である。好ましくは、前記暗点および前記暗線の密度が1×10cm−2以下である。
(付記6)
本発明のさらに他の態様によれば、
GaNの単結晶からなり、前記結晶の−C面により構成された下地面を有する種基板と、
前記下地面上に、前記下地面の沿面方向に拡径させつつエピタキシャル成長した、GaNの単結晶からなる成長結晶と、を有し、
前記成長結晶は、前記下地面の法線方向から平面視した際に、前記種基板の径より内側にある第1結晶と、
前記種基板の径より外側にある第2結晶と、を含み、
前記第2結晶の貫通転位密度は、前記第1結晶の貫通転位密度より小さいGaN結晶が提供される。
好ましくは、前記第2結晶の転位密度が1×10cm−2以下である。より好ましくは、前記第2結晶の転位密度が1×10cm−2以下である。
(付記7)
付記6に記載のGaN結晶であり、前記種基板は、+C面により構成された主面の外周部にのみ面取り部を設けた基板である。
(付記8)
付記6または付記7に記載のGaN結晶であり、多光子顕微鏡またはカソードルミネッセンスのうち少なくともいずれかを用いて前記第2結晶内部を観察した際に転位欠陥に起因する暗点および暗線の密度が1×10cm−2以下である。好ましくは、前記暗点および前記暗線の密度が1×10cm−2以下である。
(付記9)
本発明のさらに他の態様によれば、
GaNの単結晶からなり、
前記結晶の−C面により構成された下地面と、
前記結晶の+C面により構成された主面と、を有し、
前記主面の外周部にのみ面取り部を設けたGaN結晶成長用種基板が提供される。
(付記10)
本発明のさらに他の態様によれば、
GaNの単結晶からなり、前記結晶の−C面により構成された下地面を有する種基板を用意する第1工程と、
前記種基板に対して三ハロゲン化ガリウムガスと窒化水素ガスとを供給し、前記下地面上に、GaNの単結晶からなる成長結晶を、前記下地面の沿面方向に拡径させつつエピタキシャル成長させる第2工程と、を有し、
前記第1工程では、前記種基板を設置するサセプタであって、前記種基板と同寸の凹部を設けたサセプタに、前記種基板を、前記下地面を露出させつつ収容し、
前記第2工程では、前記サセプタが前記種基板の側面を覆うことによって、前記種基板の側面から成長しようとする第3結晶の成長を抑制するGaN結晶の製造方法が提供される。
(付記11)
付記10に記載のGaN結晶の製造方法であり、前記第1工程では、前記下地面の表面位置が、前記サセプタの表面と同じ高さになるように、前記種基板を前記凹部内に収容する。
(付記12)
付記10または付記11に記載のGaN結晶の製造方法であり、前記第1工程では、前記種基板として、+C面により構成された主面の外周部にのみ面取り部を設けた基板を用意する。
(付記13)
付記10〜付記12のいずれか1つに記載のGaN結晶の製造方法であり、前記第1工程では、前記種基板として、側面がシール層により覆われた基板を用意する。
(付記14)
付記10〜付記13のいずれか1つに記載のGaN結晶の製造方法であり、前記第2工程では、前記種基板の外周部の温度を、前記種基板の中心部の温度より低くし、前記成長結晶の成長面を凹面状とする。
(付記15)
付記10〜付記14のいずれか1つに記載のGaN結晶の製造方法であり、前記第2工程では、前記三ハロゲン化ガリウムガスの供給速度を調整し、前記成長結晶の成長面を凹面状とする。
(付記16)
本発明のさらに他の態様によれば、
GaNの単結晶からなり、前記結晶の−C面により構成された下地面を有する種基板を用意する第1工程と、
前記種基板に対して三ハロゲン化ガリウムガスと窒化水素ガスとを供給し、前記下地面上に、GaNの単結晶からなる成長結晶を、前記下地面の沿面方向に拡径させつつエピタキシャル成長させる第2工程と、
前記成長結晶から、GaNの単結晶からなるGaN自立基板を切り出す第3工程と、を有し、
前記第1工程では、前記種基板を設置するサセプタであって、前記種基板と同寸の凹部を設けたサセプタに、前記種基板を、前記下地面を露出させつつ収容し、
前記第2工程では、前記種基板の側面を前記サセプタで覆うことによって、前記種基板の側面から成長しようとする第3結晶の成長を抑制するGaN自立基板の製造方法が提供される。
好ましくは、前記GaN自立基板の転位密度が1×10cm−2以下である。より好ましくは、前記GaN自立基板の転位密度が1×10cm−2以下である。
(付記17)
付記16に記載のGaN自立基板の製造方法であり、前記第1工程では、前記下地面の表面位置が、前記サセプタの表面と同じ高さになるように、前記種基板を前記凹部内に収容する。
(付記18)
付記16または付記17に記載のGaN自立基板の製造方法であり、前記第1工程では、前記種基板として、+C面により構成された主面の外周部にのみ面取り部を設けた基板を用意する。
(付記19)
付記16〜付記18のいずれか1つに記載のGaN自立基板の製造方法であり、前記第1工程では、前記種基板として、側面がシール層により覆われた基板を用意する。
(付記20)
付記16〜付記19のいずれか1つに記載のGaN自立基板の製造方法であり、前記第2工程では、前記種基板の外周部の温度を、前記種基板の中心部の温度より低くし、前記成長結晶の成長面を凹面状とする。
(付記21)
付記16〜付記20のいずれか1つに記載のGaN自立基板の製造方法であり、前記第2工程では、前記三ハロゲン化ガリウムガスの供給速度を調整し、前記成長結晶の成長面を凹面状とする。
(付記22)
本発明のさらに他の態様によれば、
GaNの単結晶からなり、前記結晶の−C面により構成された下地面を有する種基板と、
前記下地面上に、前記下地面の沿面方向に拡径させつつエピタキシャル成長した、GaNの単結晶からなる成長結晶と、
前記種基板の側面および前記成長結晶と界面を持つ、GaNの単結晶からなる第3結晶と、を有し、
前記成長結晶は、前記下地面の法線方向から平面視した際に、前記種基板の径より内側にある第1結晶と、
前記種基板の径より外側にある第2結晶と、を含み、
前記第2結晶は、前記下地面の法線方向から平面視した際に、前記第3結晶の外径より内側にある内周部と、前記第3結晶の外径より外側にある外周部と、を含み、
前記外周部の基底面転位密度が前記内周部の基底面転位密度より小さいGaN結晶が提供される。
好ましくは、前記外周部の基底面転位密度が、1×10cm−2以下である。より好ましくは、前記外周部の基底面転位密度が、1×10cm−2以下である。
(付記23)
本発明のさらに他の態様によれば、
GaNの単結晶からなり、前記結晶の−C面により構成された下地面を有する種基板を用意する第1工程と、
前記種基板に対して三ハロゲン化ガリウムガスと窒化水素ガスとを供給し、前記下地面上に、GaNの単結晶からなる成長結晶を、前記下地面の沿面方向に拡径させつつエピタキシャル成長させる第2工程と、を有し、
前記第2工程では、前記窒化水素ガスの供給モル数Aの前記三ハロゲン化ガリウムガスの供給モル数Bに対する比率(A/B)であるV/III比を調整することにより、前記成長結晶の前記沿面方向に向かう成長速度Rを、前記種基板の側面から成長しようとする第3結晶の前記沿面方向に向かう成長速度Rよりも大きくするGaN結晶の製造方法が提供される。
好ましくは、前記V/III比は100以上、150以下である。
(付記24)
付記23に記載のGaN結晶の製造方法であり、前記第2工程では、前記GaN結晶の成長温度を調整することにより、前記成長速度Rを前記成長速度Rよりも大きくする。
好ましくは、前記成長温度は1250℃以上、1300℃以下である。
(付記25)
付記23または付記24に記載のGaN結晶の製造方法であり、前記第2工程では、前記種基板の側面に向けてバリアガスまたは希釈ガスのうち少なくともいずれかを供給することにより、前記成長速度Rを前記成長速度Rよりも大きくする。
130 種基板
301 下地面
310 成長結晶
411 第1結晶
412 第2結晶

Claims (8)

  1. GaNの単結晶からなり、
    転位密度が1×10cm−2以下である低転位領域を有し、
    前記低転位領域の面積が10mm以上であるGaN結晶。
  2. GaNの単結晶からなり、
    転位密度が1×10cm−2以下である低転位領域を有し、
    前記低転位領域が環状であり、全周15cm以上の長さにわたり連続して存在しているGaN結晶。
  3. GaNの単結晶からなる自立基板であって、前記自立基板の少なくとも周縁部に転位密度が1×10cm−2以下である低転位領域を有するGaN自立基板。
  4. GaNの単結晶からなり、前記結晶の−C面により構成された下地面を有する種基板と、
    前記下地面上に、前記下地面の沿面方向に拡径させつつエピタキシャル成長した、GaNの単結晶からなる成長結晶と、を有し、
    前記成長結晶は、前記下地面の法線方向から平面視した際に、前記種基板の径より内側にある第1結晶と、
    前記種基板の径より外側にある第2結晶と、を含み、
    前記第2結晶の貫通転位密度は、前記第1結晶の貫通転位密度より小さいGaN結晶。
  5. 前記種基板は、+C面により構成された主面の外周部にのみ面取り部を設けた基板である請求項4に記載のGaN結晶。
  6. GaNの単結晶からなり、
    前記結晶の−C面により構成された下地面と、
    前記結晶の+C面により構成された主面と、を有し、
    前記主面の外周部にのみ面取り部を設けたGaN結晶成長用種基板。
  7. GaNの単結晶からなり、前記結晶の−C面により構成された下地面を有する種基板を用意する第1工程と、
    前記種基板に対して三ハロゲン化ガリウムガスと窒化水素ガスとを供給し、前記下地面上に、GaNの単結晶からなる成長結晶を、前記下地面の沿面方向に拡径させつつエピタキシャル成長させる第2工程と、を有し、
    前記第1工程では、前記種基板を設置するサセプタであって、前記種基板と同寸の凹部を設けたサセプタに、前記種基板を、前記下地面を露出させつつ収容し、
    前記第2工程では、前記サセプタが前記種基板の側面を覆うことによって、前記種基板の側面から成長しようとする第3結晶の成長を抑制するGaN結晶の製造方法。
  8. GaNの単結晶からなり、前記結晶の−C面により構成された下地面を有する種基板を用意する第1工程と、
    前記種基板に対して三ハロゲン化ガリウムガスと窒化水素ガスとを供給し、前記下地面上に、GaNの単結晶からなる成長結晶を、前記下地面の沿面方向に拡径させつつエピタキシャル成長させる第2工程と、
    前記成長結晶から、GaNの単結晶からなるGaN自立基板を切り出す第3工程と、を有し、
    前記第1工程では、前記種基板を設置するサセプタであって、前記種基板と同寸の凹部を設けたサセプタに、前記種基板を、前記下地面を露出させつつ収容し、
    前記第2工程では、前記種基板の側面を前記サセプタで覆うことによって、前記種基板の側面から成長しようとする第3結晶の成長を抑制するGaN自立基板の製造方法。
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