JP2020163852A - 繊維シート - Google Patents
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Abstract
【課題】角度変化性を有する模様を付与できる着色技術を提供すること。【解決手段】繊維基材と、該繊維基材上に配置されている金属、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層とを有する繊維シートであって、前記金属、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層の成分付着量が異なる2つの領域による凹凸構造を有し、成分付着量の少ない領域(領域b)の幅に対する成分付着量の多い領域(領域a)の幅の比が0.25〜1.5である、繊維シート。【選択図】なし
Description
本発明は、繊維シート等に関する。
繊維基材は、意匠性が要求される各種分野において利用されている。例えば、炭素繊維基材は、樹脂と共に複合材料(炭素繊維強化プラスチック等)を構成し、航空機のボディー等の比較的大型のものから、スポーツ用品、車の内外装材、衣服等の比較的小型の身近なものまで、幅広く利用されている。このため、繊維基材は、その意匠性を高めるために模様を付されることがある。また、その際に、その独特の意匠性から、光沢性を付与する
ことがある。
ことがある。
特許文献1には、照光性加飾シートが記載されており、透光パターンにより加飾することが記載されている。
本発明者は、研究を進める中で、意匠性をより向上させるために、見る角度により変化する(角度変化性を有する)模様を付与することに着目した。しかし、上記した従来の繊維着色技術で付与された模様は、見る角度を変えても見え方が変化せず、意匠性に乏しかった。
そこで、本発明は、角度変化性を有する模様を付与できる着色技術を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題に鑑みて鋭意研究を進めた結果、繊維基材と、該繊維基材上に配置されている金属、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層とを有する繊維シートであって、前記金属、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層の成分付着量が異なる2つの領域による凹凸構造を有し、成分付着量の少ない領域(領域b)の幅に対する成分付着量の多い領域(領域a)の幅の比が0.25〜1.5である、繊維シート、であれば、上記課題を解決できることを見出した。本発明者はこの知見に基づいてさらに研究を進めた結果、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記の態様を包含する。
項1. 繊維基材と、該繊維基材上に配置されている金属、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層を含む付着成分層とを有する繊維シートであって、前記付着成分層の成分付着量が異なる2つの領域による凹凸構造を有し、成分付着量の少ない領域(領域b)の幅に対する成分付着量の多い領域(領域a)の幅の比が0.25〜1.5である、繊維シート。
項2. 前記領域aの幅が20〜200μmである、項1に記載の繊維シート。
項3. 前記領域bの幅が20〜200μmである、項1又は2に記載の繊維シート。
項4. 前記領域bにおいて繊維基材が露出している、項1〜3のいずれかに記載の繊維シート。
項5. 少なくとも繊維基材、金属層、及び半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層を有し、これらがこの順に積層されている、項1〜4のいずれかに記載の繊維シート。
項6. 前記金属層が、ガリウム、亜鉛、銀、金、チタン、アルミニウム、スズ、銅、鉄、モリブデン、ニオブ、又はインジウムを含有する、項5に記載の繊維シート。
項7. 前記半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層が、ケイ素、ゲルマニウム、アンチモン、ホウ素、リン、ビスマス、酸化ケイ素、又は酸化チタンを含有する、項5又は6に記載の繊維シート。
本発明によれば、角度変化性を有する模様を呈する繊維シートを提供することができる。
本明細書中において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
1.繊維シート
本発明は、その一態様において、繊維基材と、該繊維基材上に配置されている金属、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層とを有する繊維シートであって、前記金属、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層の成分付着量が異なる2つの領域による凹凸構造を有し、成分付着量の少ない領域(領域b)の幅に対する成分付着量の多い領域(領域a)の幅の比が0.25〜1.5である、繊維シート(本明細書において、「本発明の繊維シート」と示すこともある。)、に関する。以下に、これについて説明する。
本発明は、その一態様において、繊維基材と、該繊維基材上に配置されている金属、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層とを有する繊維シートであって、前記金属、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層の成分付着量が異なる2つの領域による凹凸構造を有し、成分付着量の少ない領域(領域b)の幅に対する成分付着量の多い領域(領域a)の幅の比が0.25〜1.5である、繊維シート(本明細書において、「本発明の繊維シート」と示すこともある。)、に関する。以下に、これについて説明する。
<1−1.繊維基材>
繊維基材は、繊維又は繊維束を素材として含む基材であって、シート状のものである限り、特に制限されない。繊維基材は、本発明の効果が著しく損なわれない限りにおいて、繊維及び繊維束以外の成分が含まれていてもよい。その場合、繊維基材中の繊維及び繊維束の合計量は、例えば80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上であり、通常100質量%未満である。繊維基材としては、例えば、織物(例えば、平織、綾織(斜文織)、繻子織等)、編物、不織布、紙等が挙げられる。これらの中でも、繊維表面が平坦で光の反射率が比較的高く、本発明の繊維シートの意匠性がより高くなるという観点から、好ましくは織物、編物等が挙げられ、より好ましくは織物が挙げられる。繊維基材は、シレー処理やカレンダー処理をしてもよい。繊維基材として、平滑性がより高いものを採用することにより、本発明の繊維シートのメタリック感をより高めることができる。
繊維基材は、繊維又は繊維束を素材として含む基材であって、シート状のものである限り、特に制限されない。繊維基材は、本発明の効果が著しく損なわれない限りにおいて、繊維及び繊維束以外の成分が含まれていてもよい。その場合、繊維基材中の繊維及び繊維束の合計量は、例えば80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上であり、通常100質量%未満である。繊維基材としては、例えば、織物(例えば、平織、綾織(斜文織)、繻子織等)、編物、不織布、紙等が挙げられる。これらの中でも、繊維表面が平坦で光の反射率が比較的高く、本発明の繊維シートの意匠性がより高くなるという観点から、好ましくは織物、編物等が挙げられ、より好ましくは織物が挙げられる。繊維基材は、シレー処理やカレンダー処理をしてもよい。繊維基材として、平滑性がより高いものを採用することにより、本発明の繊維シートのメタリック感をより高めることができる。
繊維基材の層構成は特に制限されない。繊維基材は、1種単独の繊維基材から構成されるものであってもよいし、2種以上の繊維基材が複数組み合わされたものであってもよい。
繊維基材を構成する繊維としては、特に制限されず、例えば合成繊維(例えばナイロン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維、ポリオレフィン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリウレタン繊維等)、再生繊維(例えばレーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセル、アセテート等)、植物繊維(例えば綿繊維、麻繊維、亜麻繊維、レーヨン繊維、ポリノジック繊維、キュプラ繊維、リヨセル繊維、アセテート繊維等)、動物繊維(例えば羊毛、絹、天蚕糸、モヘヤ、カシミア、キャメル、ラマ、アルパカ、ビキューナ、アンゴラ、蜘蛛糸等)等の有機繊維; 炭素繊維(例えばPAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、カーボンナノチューブ等)、ガラス繊維(例えばグラスウール、グラスファイバー等)、鉱物繊維(例えば温石綿、白石綿、青石綿、茶石綿、直閃石綿、透角閃石綿、陽起石綿等)、人造鉱物繊維(例えばロックウール、セラミックファイバー等)、金属繊維(例えば、ステンレス繊維、アルミニウム繊維、鉄繊維、ニッケル繊維、銅繊維等)等の無機繊維等を広く用いることができる。
繊維の形態は、連続長繊維や連続長繊維をカットした短繊維、粉末状に粉砕したミルド糸等、いずれでもよい。
繊維は、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
繊維束は、複数の繊維からなるものである限り、特に制限されない。繊維束を構成する繊維の本数は、例えば5以上、10以上、20以上、50以上、であり、一方で例えば50000以下、20000以下、15000以下、2000以下である。これらの上限値及び下限値は、任意に組み合わせることができる。
繊維基材の厚みは、繊維の種類に応じて異なり得るものであり、特に制限されない。繊維基材の厚みは、例えば3〜500μm、好ましくは10〜50μmである。
上記繊維基材は、難燃剤、吸水剤、撥水剤、柔軟剤、蓄熱剤、紫外線遮蔽剤、制電剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、防蚊剤、蓄光剤、再帰反射剤等の、公知の仕上げ剤が付着してもよい。
<1−2.金属、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層>
金属、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層は、繊維基材上(好ましくは、繊維基材の表面上)に配置されている層である。本発明の繊維シートは、金属元素又は半金属元素含有層を1層以上有する。金属、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層の層数の上限は特に制限されないが、例えば2層、3層、4層、5層である。
金属、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層は、繊維基材上(好ましくは、繊維基材の表面上)に配置されている層である。本発明の繊維シートは、金属元素又は半金属元素含有層を1層以上有する。金属、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層の層数の上限は特に制限されないが、例えば2層、3層、4層、5層である。
本発明の繊維シートにおいて、繊維基材上の層(金属、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層を含む)を、付着成分層と称する。後述のバリア層を含む場合、該バリア層は付着成分層に含まれる。
金属、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層としては、例えば金属層や、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層が挙げられる。本発明の好ましい一態様において、本発明の繊維シートは、少なくとも繊維基材、金属層、及び半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層を有し、これらがこの順に積層されている。以下に、これらについて説明する。
<1−2−1.金属層>
金属層は、繊維基材上に配置される、換言すれば繊維基材の有する2つの主面の少なくとも1方の表面上に配置される。金属層により、光沢感、耐変色性、色彩の鮮やかさ等をより向上させることができる。金属層は、光学干渉や光の反射により、主に色彩における明度を調整することができる。金属層と繊維基材との間には、他の層が備えられていてもよい。
金属層は、繊維基材上に配置される、換言すれば繊維基材の有する2つの主面の少なくとも1方の表面上に配置される。金属層により、光沢感、耐変色性、色彩の鮮やかさ等をより向上させることができる。金属層は、光学干渉や光の反射により、主に色彩における明度を調整することができる。金属層と繊維基材との間には、他の層が備えられていてもよい。
金属層は、金属を素材として含む層である限り、特に制限されない。金属層は、金属以外の成分が含まれていてもよい。その場合、金属層中の金属量は、例えば80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上であり、通常100質量%未満である。
金属層を構成する金属としては、特に制限されず、例えばガリウム、亜鉛、銀、金、チタン、アルミニウム、スズ、銅、鉄、モリブデン、ニオブ、インジウム、クロム、ニッケル、タングステン、タンタル等が挙げられる。これらの中でも、光沢感、色彩の彩度及び明度の観点、耐変色性等の耐久性の観点等から、好ましくはガリウム、亜鉛、銀、金、チタン、アルミニウム、スズ、銅、鉄、モリブデン、ニオブ、インジウム等が挙げられ、より好ましくはアルミニウム、チタン等が挙げられる。
本発明の繊維シートが金属層以外の層に金属元素を含む場合、メタリック感の観点、色彩の明度、彩度を大きくする観点等から、金属層以外の層に最も多く含まれる金属元素と、金属層に最も多く含まれる金属元素とが異なることが好ましい。金属層に最も多く含まれる金属元素が、ガリウム、亜鉛、銀、金、チタン、アルミニウム、スズ、銅、鉄、モリブデン、ニオブ、又はインジウムであることが好ましい。
金属は、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
金属層の厚みは、特に制限されず、例えば1〜200nmである。該厚みは、色彩の明度・彩度を大きくする観点等から、好ましくは5〜100nm、より好ましくは10〜80nmである。
金属層の層構成は特に制限されない。金属層は、1層からなる単層であってもよいし、同一又は異なる組成を有する複数の層であってもよい。また、金属層は、その2つの主面の一方或いは両方において、表面が酸化皮膜等の皮膜で構成されていてもよい。
<1−2−2.半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層>
半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層は、繊維基材上に配置されている層である。半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層は、繊維基材上に、直接又は他の層(例えば、前述の金属層)を介して配置される。
半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層は、繊維基材上に配置されている層である。半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層は、繊維基材上に、直接又は他の層(例えば、前述の金属層)を介して配置される。
半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層は、金属元素又は半金属元素を素材として含み、好ましくは半金属、金属酸化物又は半金属酸化物を含む層である。半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層は、金属元素及び半金属元素以外の成分が含まれていてもよい。その場合、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層中の金属元素及び半金属元素の含有量は、例えば30質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは75質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、さらにより好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上、非常に好ましくは99質量%以上であり、通常100質量
%未満である。
%未満である。
半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層を構成する金属又は半金属としては、特に制限されず、金属としては、例えばガリウム、亜鉛、銀、金、チタン、アルミニウム、スズ、銅、鉄、モリブデン、ニオブ、又はインジウム等が、半金属としては例えばケイ素、ゲルマニウム、アンチモン、ホウ素、リン、ビスマス等が挙げられる。これらの中でも、付与可能な色彩の選択幅の広さ、繊維シートの耐久性の観点等から、好ましくはケイ素、ゲルマニウム等が挙げられ、より好ましくはケイ素等が挙げられる。
金属元素及び半金属元素は、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層は、金属元素又は半金属元素から構成される金属、半金属若しくは合金から構成されてもよく、金属元素又は半金属元素を含む化合物から構成されてもよく、またはこれらの混合物から構成されてもよい。金属元素又は半金属元素を含む化合物としては、例えば酸化物、窒化物、炭化物、及び窒化酸化物等が挙げられる。
上記酸化物としては、例えばMOX[式中、Xは式:n/100)≦X<n/2(nは半金属の価数である)を満たす数であり、Mは半金属元素である。]で表される化合物が挙げられる。
上記窒化物としては、例えばMNy[式中、Yは式:n/100≦Y≦n/3(nは半金属の価数である)を満たす数であり、Mは半金属元素である。]で表される化合物が挙げられる。
上記炭化物としては、例えばMCz[式中、Zは式:n/100≦Z≦n/4(nは半金属の価数である)を満たす数であり、Mは半金属元素である。]で表される化合物が挙げられる。
上記窒化酸化物としては、例えばMOXNy[式中、XとYは、n/100≦X、n/100≦Y、かつ、X+Y<n/2(nは半金属の価数である)であり、Mは半金属元素である。]で表される化合物が挙げられる。
上記酸化物又は窒化酸化物の酸化数Xに関しては、例えばMOx又はMOxNyを含む層の断面を、FE−TEM−EDX(例えば、日本電子社製「JEM−ARM200F」)により元素分析し、MOx又はMOxNyを含む層の断面の面積当たりのMとOとの元素比率からXを算出することにより、酸素原子の価数を算出することができる。
上記窒化物又は窒化酸化物の窒素化数Yに関しては、例えばMNy又はMOxNyを含む層の断面を、FE−TEM−EDX(例えば、日本電子社製「JEM−ARM200F」)により元素分析し、MNy又はMOxNyを含む層の断面の面積当たりのMとNとの元素比率からYを算出することにより、窒素原子の価数を算出することができる。
上記炭化物の炭素化数Zに関しては、例えばMCz含む層の断面を、FE−TEM−EDX(例えば、日本電子社製「JEM−ARM200F」)により元素分析し、MCz含む層の断面の面積当たりのMとCとの元素比率からZを算出することにより、炭素原子の価数を算出することができる。
半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層は、MOx(Mはn価の半金属を表し、かつxは0以上n/2未満の数を表す。)、MNy(Mはn価の半金属を表し、かつyは0以上n/3以下の数を表す)又はMCz(Mはn価の金属又は半金属を表し、かつzは0以上n/4以下の数を表す)を含む層を有することが好ましい。この場合において、Mは、それぞれ、ケイ素、ゲルマニウム、ガリウム、亜鉛、銀、金、チタン、アルミニウム、モリブデン、ニオブ、又はインジウムであることが好ましい。これらの中でも、色彩の彩度を大きくする観点等から、好ましくはケイ素、ゲルマニウム、チタン等が挙げられ、より好ましくはケイ素、ゲルマニウム等が挙げられる。MOxにおけるx、及びMNxにおけるxはそれぞれ、0でもよく、0を超えてもよい。xが0の場合、MOxを含む層は金属又は半金属単体を含む層を表す。xが0の場合、MNxを含む層は金属又は半金属単体を含む層を表す。xが0を超える場合、MOxを含む層は金属又は半金属の酸化物を含む層を表す。xが0を超える場合、MNxを含む層は金属又は半金属の窒化物を含む層を表す。色彩の彩度をより大きくする観点等から、MOxにおけるxは、好ましくはn/4以下、より好ましくはn/8以下、更に好ましくはn/16以下である。MOx中のMがケイ素である場合に、xは、1未満の数を表すことが好ましく、0.5未満の数を表すことがより好ましい。MNx中のMがケイ素である場合に、xは、4/3以下の数を表すことが好ましい。
MCz中のMがケイ素である場合、Zは、1以下の数を表すことが好ましい。
MCz中のMがケイ素である場合、Zは、1以下の数を表すことが好ましい。
半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層は、半金属元素を含有することが好ましく、半金属が主成分(例えば80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上)である層(半金属層)であることがより好ましい。半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層に最も多く含まれる半金属元素は、ケイ素、又はゲルマニウムであることが好ましい。
半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層の厚みは、特に制限されないが、例えば1〜200nmである。該厚みは、金属光沢感の観点、色彩の明度・彩度を大きくする観点等から、好ましくは3〜140nm、より好ましくは5〜100nmである。
半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層の層構成は特に制限されない。半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層は、1層からなる単層であってもよいし、同一又は異なる組成を有する複数の層であってもよい。半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層は、その2つの主面の一方或いは両方において、表面が酸化皮膜等の皮膜で構成されていてもよい。
<1−3.バリア層>
本発明の繊維シートは、金属、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層の繊維基材とは反対側の表面上に、バリア層を備えることもできる。バリア層により、耐変色性等の耐久性をより向上させることができる。
本発明の繊維シートは、金属、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層の繊維基材とは反対側の表面上に、バリア層を備えることもできる。バリア層により、耐変色性等の耐久性をより向上させることができる。
バリア層は、金属または半金属の酸化物を素材として含む層である限り、特に制限されない。バリア層は、本発明の効果が著しく損なわれない限りにおいて、該酸化物以外の成分が含まれていてもよい。その場合、バリア層中の該酸化物量は、例えば80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上であり、通常100質量%未満である。
バリア層を構成する半金属酸化物としては、特に制限されず、例えばケイ素、ゲルマニウム、アンチモン、ビスマス、等の半金属(好ましくはケイ素)の酸化物が挙げられる。より具体的には、半金属酸化物としては、AOX[式中、Xは式:n/2.5≦X≦n/2(nは半金属の価数である)を満たす数であり、Aはケイ素、ゲルマニウム、アンチモン、ビスマス、及びからなる群から選択される半金属である。]で表される化合物が挙げられる。上記式中のAが半金属元素である場合、繊維シートの色調を良好に調整できる観点から、Aはケイ素が好ましく、半金属酸化物がSiO2であることがより好ましい。半金属酸化物は、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
バリア層を構成する金属酸化物としては、特に制限されず、例えばチタン、亜鉛、アルミニウム、ニオブ、コバルト、ニッケル等の金属(好ましくはチタン、亜鉛、及び、アルミニウム)の酸化物が挙げられる。より具体的には、金属酸化物としては、AOX[式中、Xは式:n/2.5≦X≦n/2(nは金属の価数である)を満たす数であり、Aはチタン、アルミニウム、ニオブ、コバルト、及び、ニッケルからなる群から選択される金属である。]で表される化合物が挙げられる。上記式中のAが金属元素である場合、繊維シートの色調を良好に調整できる観点から、Aはチタン及びアルミニウムが好ましく、金属酸化物はTiO2、ZnO及びAl2O5であることがより好ましい。金属酸化物は、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
耐変色性等の耐久性、透明性、及び色彩の調整を容易にする観点から、上記式中のXは、好ましくはn/2.4以上n/2以下、より好ましくはn/2.3以上n/2以下、さらに好ましくはn/2.2以上n/2以下、特に好ましくはn/2.1以上n/2以下である。
バリア層の厚みは、特に制限されず、例えば1〜50nmである。該厚みは、耐変色性等の耐久性及び透明性の向上、並びに色彩の容易な調整を同時に達成する観点から、好ましくは2〜20nm、より好ましくは3〜10nmである。
バリア層の層構成は特に制限されない。バリア層は、1層からなる単層であってもよいし、同一又は異なる組成を有する複数の層であってもよい。
<1−4.凹凸構造>
本発明の繊維シートは、付着成分層の成分付着量が異なる2つの領域による凹凸構造を有する。
本発明の繊維シートは、付着成分層の成分付着量が異なる2つの領域による凹凸構造を有する。
付着成分層の成分付着量が異なる2つの領域の内、相対的に付着成分量の多い領域を領域aと表し、相対的に付着成分量の少ない領域を領域bと表す。領域a及び領域bの形状は、通常、線状(例えば直線状、又は曲線状)である。本発明の一態様において、各領域は、すべてにおいて直線状又は曲線状であり、或いは直線状と曲線状の両方の領域を有する。領域aと領域bとが交互に配置されることにより、凹凸構造が形成される。
領域aの幅は、特に制限されないが、例えば20〜200μmである。該幅は、干渉縞の見やすさ、角度による見え方の変わりやすさの観点から、好ましくは40〜120μmであり、より好ましくは50〜70μmである。
領域bの幅は、特に制限されないが、例えば20〜200μmである。該幅は、干渉縞の見やすさ、角度による見え方の変わりやすさの観点から、好ましくは80〜160μmであり、より好ましくは130〜150μmである。
領域a及びbの幅の測定方法は、次の通りである。光学顕微鏡(OLYMPUS社製BX51又はその同等品)を用い、倍率200倍にて観察する。顕微鏡画像撮影・解析ソフト(Basler Microscopy Software 1.2、又は同機能ソフト)を用いて顕微鏡画像を取り込む。同ソフトの計測ツールを用いて、幅手方向における二つの端部の距離を、任意の4箇所で計測し、その平均値を領域a及びbの幅とする。
該領域aの長さは、特に制限されないが、例えば200μm以上である。該長さは、干渉縞の見やすさ、角度による見え方の変わりやすさの観点から、好ましくは0.5cm以上であり、より好ましくは1.0cm以上、さらに好ましくは1.5cm上である。該領域aの長さの上限は、特に制限されず、模様の付与範囲等により適宜調整される。該領域aの長さの上限は、例えば2m、1m、30cm、20cmである。
該領域bの長さは、特に制限されないが、例えば200μm以上である。該長さは、干渉縞の見やすさ、角度による見え方の変わりやすさの観点から、好ましくは0.5cm以上であり、より好ましくは1.0cm以上、さらに好ましくは1.5cm以上である。模様の付与範囲等により適宜調整される。該領域aの長さの上限は、例えば2m、1m、30cm、20cmである。
領域aと領域bとの付着成分量の差は、色彩の明度、彩度、角度変化性を有する模様の視認性の観点から、より大きい方が好ましい。例えば、領域bの付着成分量は、領域aの付着成分量100%に対して、例えば50%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下である。
付着成分量の測定方法は、次の通りである。蛍光X線分光装置(Rigaku社製ZSX Prismus III+、又はその同等品)を用いて、単位面積当たりの付着量(μg/cm2)を測定する。加速電圧は50kV、加速電流は50mA、積分時間は60秒として分析する。測定対象の各成分のKα線のX線強度を測定し、ピーク位置に加えてバックグラウンド位置での強度も測定し、正味の強度が算出できるようにする。あらかじめ作成した検量線から、測定した各成分の強度値を付着量に換算することができる。5回分析を行い、その平均値を付着量とする。
領域bにおいては、色彩の明度、彩度、角度変化性を有する模様の視認性の観点から、繊維基材が露出していることが好ましい。
本発明の繊維シートにおいては、成分付着量の少ない領域(領域b)の幅に対する成分付着量の多い領域(領域a)の幅の比が0.25〜1.5である。これにより、角度変化性を有する干渉縞を表すことができる。該比は、干渉縞が見えやすくなること、角度による干渉縞の見え方の変化が顕著になることから、好ましくは0.35〜1.10であり、より好ましくは0.40〜0.50である。
領域aと領域bとの繰り返し単位数は、特に限定されないが、干渉縞による模様の視認性と領域a及びbの境界自体が視認できることを抑制する観点から、繊維基材の任意の1cm×1cmの領域において、領域aと領域bとの繰り返し単位数が25組以上存在することが好ましい。該繰り返し単位数は35組以上がより好ましく、45組以上がさらに好ましい。該繰り返し単位数の上限は特に制限されないが、模様の視認性及び製造容易性の観点から、例えば250組以下、好ましくは200組以下、より好ましくは150組以下である
領域a及びbを成す(一部又は全体の)線と視認される干渉縞とは、通常、異なる角度である。該角度は、例えば1〜179°、2〜178°、4〜176°、6〜174°、8〜172°、10〜170°である。
干渉縞の有色線及び無色線の幅は、領域a及び領域bそれぞれの幅よりも、通常、大きい。有色線の幅の下限は、模様の視認性、角度による干渉縞の見え方の変化が顕著になる観点等から、好ましくは0.3mm、より好ましくは0.5mm、更に好ましくは1mmである。有色線の幅の上限は特に制限されないが、例えば、5mm、3.5mm、3mmである。無色線の幅の下限は、模様の視認性、角度による干渉縞の見え方の変化が顕著になる観点等から、好ましくは0.3mm、より好ましくは0.5mm、更に好ましくは1mmである。である。無色線の幅の上限は特に制限されないが、例えば、5mm、3.5mm、3mmである。なお、無色線とは、図1中の黒い部分のように、明度の低い部分を意味する。
<1−5.製造方法>
本発明の繊維シートの製造方法は、特に制限されない。一例として、繊維基材の表面に1層又は2層以上の、金属、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層を形成する工程を含む方法により得ることができる。該方法は、金属、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層を含む付着成分層の成分を、繊維基材上に付着させることにより、行うことができる。
本発明の繊維シートの製造方法は、特に制限されない。一例として、繊維基材の表面に1層又は2層以上の、金属、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層を形成する工程を含む方法により得ることができる。該方法は、金属、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層を含む付着成分層の成分を、繊維基材上に付着させることにより、行うことができる。
特に限定されないが、前記付着は、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、パルスレーザーデポジション法等により行うことができる。これらの中でも、膜厚制御性の観点から、スパッタリング法が好ましい。
スパッタリング法としては、特に限定されないが、例えば、直流マグネトロンスパッタ、高周波マグネトロンスパッタ及びイオンビームスパッタ等が挙げられる。また、スパッタ装置は、バッチ方式であってもロール・ツー・ロール方式であってもよい。
本発明の凹凸構造は、繊維基材上に付着成分層を形成させた後、例えばレーザーエッチング等により付着成分を除去することにより、形成することができる。
2.用途
本発明の繊維シートは、メタリック感を有するものであるので、独特の意匠性を有する繊維材料として、各種分野において利用することができる。
本発明の繊維シートは、メタリック感を有するものであるので、独特の意匠性を有する繊維材料として、各種分野において利用することができる。
本発明の繊維シートは、具体的には、例えばコート、ジャケット、ズボン、スカート、スポーツウェア、ワイシャツ、ニットシャツ、ブラウス、セーター、カーディガン、ナイトウエア、肌着、サポーター、靴下、タイツ、帽子、スカーフ、マフラー、襟巻き、手袋、服の裏地、服の芯地、服の中綿、作業着、ユニフォーム、学童用制服等の衣料、カーテン、布団地、布団綿、枕カバー、シーツ、マット、カーペット、タオル、ハンカチ、マスク、フィルター、装飾布/生地、壁布、壁紙、フロア外張り等の繊維製品に利用することができる。
また、別の具体例として、本発明の繊維シート、並びに樹脂を含有する、複合材料(本明細書において、「本発明の複合材料」と示すこともある。)として利用することも可能である。
本発明の複合材料は、本発明の繊維シートと樹脂を含有する限りにおいて、特に制限されない。好ましくは、本発明の複合材料は、本発明の繊維材料が母材である樹脂中に含有されてなる、繊維強化プラスチックである。
樹脂としては、特に制限されず、種々様々な樹脂を採用することができる。なお、樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂(例えば、ナイロン)、ポリフェニレンエーテル、ポリオキシメチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルイミドやポリエーテルサルホン等が挙げられる。
本発明の複合材料は、常法にしたがって製造することができ、自動車(特に、自動車の内外装)、航空機、スポーツ関連製品(ゴルフシャフト、テニスラケット、バドミントンラケット、釣り竿、スキー板、スノーボード、バット、アーチェリー、自転車、ボート、カヌー、ヨット、ウィンドサーフィン等)、医療器具、建築部材、電気機器(パソコン等の筐体、スピーカーコーン)等を製造するための構造材料等、様々な用途において活用することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(1)繊維シートの製造
(実施例1)
繊維基材として、ナイロン繊維が平織で織られた織物(マスダ社製「TM3001」))を使用した。
(実施例1)
繊維基材として、ナイロン繊維が平織で織られた織物(マスダ社製「TM3001」))を使用した。
繊維基材を真空装置内に設置し、5.0×10−4Pa以下となるまで真空排気した。続いて、アルゴンガスを導入して、DCマグネトロンスパッタリング法により、基材の表面上に、金属層としてTi層(平均厚み40nm)を形成し、繊維基材、金属層の順に積層されてなる積層体を得た。更に、繊維基材と金属層との積層体を真空装置内に設置し、5.0×10−4Pa以下となるまで真空排気した。続いて、アルゴンガスを導入して、DCマグネトロンスパッタリング法により、金属層の基材側とは反対側の表面上に、半金属層としてSi層(平均厚み90nm)を形成して、積層シートを得た。なお、以下、金属層と半金属層とを合わせて、付着成分層と示すこともある。その後、ファイバーレーザー加工装置(MOPA発振器:PHYSICAL PHOTON社製、型番PLM−20M)を用いて、スポット径20μm、レーザー波長1064nmの条件により、付着成分がそのまま残っている直線状の領域(領域a:幅68μm、長さ3.5cm)と、付着成分が除去されて繊維基材が露出している直線状の領域(領域b:幅133μm、長さ3.5cm)とが平行に交互に並んでなり、着成分層の成分付着量が異なる2つの領域による凹凸構造を有する繊維シートを得た。
なお、領域aと領域bそれぞれの幅の測定方法は次のようにして行った。光学顕微鏡(OLYMPUS製BX51)を用い、加工後の繊維表面を観察した。その後、画像撮影・解析ソフト(Basler Microscopy Software 1.2)を用いて画像を撮影し、ソフト中にある計測ツールを用いて、領域a、領域bの幅をそれぞれ計測した。
(実施例2〜19及び比較例1)
領域a及び/又は領域bの幅が異なるようにレーザーエッチング加工する以外は、実施例1と同様にして繊維シートを得た。なお、実施例16は積層シートを弛ませて(具体的には、積層シートの端を中心に寄せて、積層シートの一部を浮かせたまま、積層シートの4つの隅を、台上にテープで留めた状態にして)、実施例15と同条件のレーザーエッチング加工を行い、実施例17は積層シートを張って(具体的には、積層シートの4つの隅を、台上にテープで留めることによって張力をかけて)、実施例15と同条件のレーザーエッチング加工を行った。
領域a及び/又は領域bの幅が異なるようにレーザーエッチング加工する以外は、実施例1と同様にして繊維シートを得た。なお、実施例16は積層シートを弛ませて(具体的には、積層シートの端を中心に寄せて、積層シートの一部を浮かせたまま、積層シートの4つの隅を、台上にテープで留めた状態にして)、実施例15と同条件のレーザーエッチング加工を行い、実施例17は積層シートを張って(具体的には、積層シートの4つの隅を、台上にテープで留めることによって張力をかけて)、実施例15と同条件のレーザーエッチング加工を行った。
(2)測定及び評価
(2−1)干渉縞の有無
繊維シートを、該シート平面に対して垂直方向から観察した。繊維シートの画像の一例を図1に示す。実施例1〜19の繊維シート上には、図1に示されるような、干渉縞が観察された。また、この干渉縞は、領域a及びbの直線の向きとは異なる角度であった。積層シートを弛ませて加工した場合、及び積層シートを張って加工した場合は、干渉縞が曲線を形成し、干渉縞の幅も不均一になった(図2)。一方、比較例1の繊維シートは全体が黒く見え、干渉縞は観察されなかった。
(2−1)干渉縞の有無
繊維シートを、該シート平面に対して垂直方向から観察した。繊維シートの画像の一例を図1に示す。実施例1〜19の繊維シート上には、図1に示されるような、干渉縞が観察された。また、この干渉縞は、領域a及びbの直線の向きとは異なる角度であった。積層シートを弛ませて加工した場合、及び積層シートを張って加工した場合は、干渉縞が曲線を形成し、干渉縞の幅も不均一になった(図2)。一方、比較例1の繊維シートは全体が黒く見え、干渉縞は観察されなかった。
(2−2)干渉縞の測定
干渉縞の直線と領域a及びbの直線とが成す角度を測定し、さらに干渉縞模様の有色線と無色線それぞれの幅を測定した。曲線状の干渉縞が見られる場合(実施例16〜18)は、任意の1つの領域(実施例18)又は任意の3つの領域(実施例16及び17)について測定した。
干渉縞の直線と領域a及びbの直線とが成す角度を測定し、さらに干渉縞模様の有色線と無色線それぞれの幅を測定した。曲線状の干渉縞が見られる場合(実施例16〜18)は、任意の1つの領域(実施例18)又は任意の3つの領域(実施例16及び17)について測定した。
(2−3)模様の角度変化性の評価
レーザー加工した積層シートを台に固定し、積層シートに対して斜め45°の角度から干渉縞を観察した。固定した台を領域a及びbの長さ方向(レーザー加工方向)に対して、垂直の方向へ90°になるまで立てた。その際の干渉縞の見え方の変化を以下の基準で確認した。
× 模様が視認できない又は角度によって変化しない。
△ 無色部分と有色部分の反転が確認できる。
○ 無色部分と有色部分の反転が確認でき、角度により干渉縞がわずかに動いているように見える。
◎ 無色部分と有色部分の反転が確認でき、干渉縞が大きく動いているように見える。
レーザー加工した積層シートを台に固定し、積層シートに対して斜め45°の角度から干渉縞を観察した。固定した台を領域a及びbの長さ方向(レーザー加工方向)に対して、垂直の方向へ90°になるまで立てた。その際の干渉縞の見え方の変化を以下の基準で確認した。
× 模様が視認できない又は角度によって変化しない。
△ 無色部分と有色部分の反転が確認できる。
○ 無色部分と有色部分の反転が確認でき、角度により干渉縞がわずかに動いているように見える。
◎ 無色部分と有色部分の反転が確認でき、干渉縞が大きく動いているように見える。
(3)結果
結果を表1に示す。
結果を表1に示す。
Claims (7)
- 繊維基材と、該繊維基材上に配置されている金属、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層を含む付着成分層とを有する繊維シートであって、前記付着成分層の成分付着量が異なる2つの領域による凹凸構造を有し、成分付着量の少ない領域(領域b)の幅に対する成分付着量の多い領域(領域a)の幅の比が0.25〜1.5である、繊維シート。
- 前記領域aの幅が20〜200μmである、請求項1に記載の繊維シート。
- 前記領域bの幅が20〜200μmである、請求項1又は2に記載の繊維シート。
- 前記領域bにおいて繊維基材が露出している、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維シート。
- 少なくとも繊維基材、金属層、及び半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層を有し、これらがこの順に積層されている、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維シート。
- 前記金属層が、ガリウム、亜鉛、銀、金、チタン、アルミニウム、スズ、銅、鉄、モリブデン、ニオブ、又はインジウムを含有する、請求項5に記載の繊維シート。
- 前記半金属、金属酸化物又は半金属酸化物含有層が、ケイ素、ゲルマニウム、アンチモン、ホウ素、リン、ビスマス、酸化ケイ素、又は酸化チタンを含有する、請求項5又は6に記載の繊維シート。
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