JPWO2020059725A1 - 繊維シート - Google Patents

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元彦 浅野
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秀樹 林
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Abstract

従来の光沢感とは異なる金属的な光沢を有する繊維シートが得られる着色技術を提供することを課題とし、該課題を、繊維基材と色調調整層を有する繊維シートであり、45度入射、−75度〜75度受光の変角分光測色による0度以下の反射光領域における式(1):(C(Lmax)−C(Lmin))/Cmax[式中、C(Lmax)は反射光領域における明度最大点の彩度を示す。C(Lmin)は反射光領域における明度最小点における彩度、Cmaxは反射光領域における彩度最大値を示す。]で表される値が0を超える値であることを特徴とする、繊維シート、により解決する。

Description

本発明は、繊維シート等に関する。
繊維基材は、意匠性が要求される各種分野において利用されている。例えば、炭素繊維基材は、樹脂と共に複合材料(炭素繊維強化プラスチック等)を構成し、航空機のボディー等の比較的大型のものから、スポーツ用品、車の内外装材等の比較的小型の身近なものまで、幅広く利用されている。このため、繊維基材は、その意匠性を高めるために着色されることがある。また、その際に、その独特の意匠性から、光沢性を付与することがある。
意匠性を高める着色技術として、特許文献1では、アルミフレーク塗料を用いる技術が開示されている。
特開第2000−042488号公報
近年、意匠性の観点で、従来の光沢感とは異なる金属的な光沢を有する繊維シートが求められる。
そこで、本発明は、従来の光沢感とは異なる金属的な光沢を有する繊維シートが得られる着色技術を提供することを課題とする。
本発明者は鋭意研究を進めた結果、従来の光沢感とは異なる金属的な光沢を発現するうえで、繊維シートの反射光領域における明度の高い部分の彩度と、明度の低い部分の彩度とのバランスが重要であることを見出した。
そして、繊維基材と色調調整層を有する繊維シートであり、45度入射、−75度〜75度受光の変角分光測色による0度以下の反射光領域における
式(1):(C(Lmax)−C(Lmin))/Cmax
[式中、C(Lmax)は反射光領域における明度最大点の彩度を示す。C(Lmin)は反射光領域における明度最小点における彩度、Cmaxは反射光領域における彩度最大値を示す。]
で表される値が0を超える値であることを特徴とする、繊維シート、であれば、上記課題を解決できることを見出した。本発明者はこの知見に基づいてさらに研究を進めた結果、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記の態様を包含する。
項1.
繊維基材と色調調整層を有する繊維シートであり、
45度入射、−75度〜75度受光の変角分光測色による
0度以下の反射光領域における式(1):(C(Lmax)−C(Lmin))/Cmax[式中、C(Lmax)は反射光領域における明度最大点の彩度を示す。C(Lmin)は反射光領域における明度最小点における彩度、Cmaxは反射光領域における彩度最大値を示す。]
で表される値が0を超える値であることを特徴とする、繊維シート。
項2.
前記色調調整層が金属層及び/又は半金属元素含有層を含み、前記金属層及び/又は半金属元素含有層はMO又はMNを含む層(MOの場合には、Mはn価の金属又は半金属を示し、かつxは0以上n/2以下の数を示す。MNの場合には、Mはn価の金属又は半金属を示し、かつyは0以上n/3以下の数を示す。)を有する、項1に記載の繊維シート。
項3.
前記MOにおけるM及び前記MNyにおけるMは、それぞれ、ケイ素、ゲルマニウム、ガリウム、亜鉛、銀、金、チタン、アルミニウム、スズ、銅、鉄、モリブデン、ニオブ、又はインジウムである、項2に記載の繊維シート。
項4.
前記色調調整層を第1の色調調整層として備え、
前記繊維基材と前記第1の色調調整層との間に、第2の色調調整層をさらに備える、
項1〜3のいずれかに記載の繊維シート。
項5.
前記第1の色調調整層に最も多く含まれる金属元素又は半金属元素が、ケイ素、チタン又はゲルマニウムであり、前記第2の色調調整層に最も多く含まれる金属元素又は半金属元素が、ゲルマニウム、ガリウム、亜鉛、銀、金、チタン、アルミニウム、スズ、銅、鉄、モリブデン、ニオブ、又はインジウムである、項4記載の繊維シート。
項6.
45度入射、−75度〜75度受光の変角分光測色による
0度以下の反射光領域における式(2):(L(Cmax)/ Lmax)×100
[式中、L(Cmax)は反射光領域における彩度最大点の明度を示す。Lmaxは反射光領域における明度最大値を示す。]
で表される値が90以上である、項1〜5いずれか一項記載の繊維シート。
項7.
X線CT測定により算出される式(3):S/S
[式中、Sは繊維シートの投影面積の値を示す。Sは、色調調整層を有する面における表面積の値を示す。]
で表される値が、1.4以下である、項1〜6いずれか1項記載の繊維シート。
本発明によれば、従来の光沢感とは異なる金属的な光沢を有する繊維シートを提供することができる。
本発明の繊維シートの一実施形態の模式図を示す。
本明細書中において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
1.繊維シート
本発明は、その一態様において、繊維基材と色調調整層を有する繊維シートであり、45度入射、−75度〜75度受光の変角分光測色による0度以下の反射光領域における
式(1):(C(Lmax)−C(Lmin))/Cmax
[式中、C(Lmax)は反射光領域における明度最大点の彩度を示す。C(Lmin)は反射光領域における明度最小点における彩度、Cmaxは反射光領域における彩度最大値を示す。]で表される値が0を超える値であることを特徴とする、繊維シート(本明細書において、「本発明の繊維シート」と示すこともある。)、に関する。以下に、これについて説明する。
<1−1.繊維基材>
繊維基材は、繊維又は繊維束を素材として含む基材であって、シート状のものである限り、特に制限されない。繊維基材は、本発明の効果が著しく損なわれない限りにおいて、繊維及び繊維束以外の成分が含まれていてもよい。その場合、繊維基材中の繊維及び繊維束の合計量は、例えば80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上であり、通常100質量%未満である。繊維基材としては、例えば、織物(例えば、平織、綾織(斜文織)、繻子織等)、編物、不織布、紙等が挙げられる。これらの中でも、繊維表面が平坦で光の反射率が比較的高く、本発明の繊維シートの意匠性がより高くなるという観点から、好ましくは織物、編物等が挙げられ、より好ましくは織物が挙げられる。繊維基材は、シレー処理やカレンダー処理をしてもよい。繊維基材として、平滑性がより高いものを採用することにより、本発明の繊維シートのメタリック感をより高めることができる。繊維基材として、平滑性がより低いものを採用することにより、本発明の繊維シートの色彩の角度依存性をより高めることができる。
繊維基材の層構成は特に制限されない。繊維基材は、1種単独の繊維基材から構成されるものであってもよいし、2種以上の繊維基材が複数組み合わされたものであってもよい。
繊維基材を構成する繊維としては、特に制限されず、例えば合成繊維(例えばナイロン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維、ポリオレフィン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリウレタン繊維等)、再生繊維(例えばレーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセル、アセテート等)、植物繊維(例えば綿繊維、麻繊維、亜麻繊維、レーヨン繊維、ポリノジック繊維、キュプラ繊維、リヨセル繊維、アセテート繊維等)、動物繊維(例えば羊毛、絹、天蚕糸、モヘヤ、カシミア、キャメル、ラマ、アルパカ、ビキューナ、アンゴラ、蜘蛛糸等)等の有機繊維; 炭素繊維(例えばPAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、カーボンナノチューブ等)、ガラス繊維(例えばグラスウール、グラスファイバー等)、鉱物繊維(例えば温石綿、白石綿、青石綿、茶石綿、直閃石綿、透角閃石綿、陽起石綿等)、人造鉱物繊維(例えばロックウール、セラミックファイバー等)、金属繊維(例えば、ステンレス繊維、アルミニウム繊維、鉄繊維、ニッケル繊維、銅繊維等)等の無機繊維等を広く用いることができる。
繊維の形態は、連続長繊維や連続長繊維をカットした短繊維、粉末状に粉砕したミルド糸等、いずれでもよい。
繊維は、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
繊維束は、複数の繊維からなるものである限り、特に制限されない。繊維束を構成する繊維の本数は、例えば5以上、10以上、20以上、50以上、であり、一方で例えば50000以下、20000以下、15000以下、2000以下である。これらの上限値及び下限値は、任意に組み合わせることができる。
繊維基材の厚みは、繊維の種類に応じて異なり得るものであり、特に制限されない。繊維基材の厚みは、例えば3〜500μm、好ましくは10〜50μmである。
上記繊維基材は、難燃剤、吸水剤、撥水剤、柔軟剤、蓄熱剤、紫外線遮蔽剤、制電剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、防蚊剤、蓄光剤、再帰反射剤等の、公知の仕上げ剤が付着してもよい。
<1−2.色調調整層>
本発明の繊維シートは、繊維基材と、該繊維基材の表面上に配置されている色調調整層(後述する第2の色調調整層と区別して、第1の色調調整層と呼ぶことがある)とを備える繊維シートである。色調調整層は、繊維基材の表面上に配置されている層である。色調調整層は、好ましくは金属層及び/又は半金属元素含有層を含み、より好ましくは金属層及び半金属元素含有層を含む。
上記色調調整層の層構成は特に制限されない。色調調整層は、1層(第1の色調調整層)からなる単層であってもよいし、同一又は異なる組成を有する複数の層であってもよい。
本発明の繊維シートは、上記色調調整層を第1の色調調整層として備え、上記繊維基材と上記第1の色調調整層との間に、第2の色調調整層をさらに備えることが好ましい。この場合の本発明の繊維シートの一実施形態の模式図を図1に示す。この両方を備える場合、第2の色調調整層が金属を含有し、第1の色調調整層が半金属元素を含有することが更に好ましい。
なお、上記第1の色調調整層と第2の色調調整層を両方備える場合、第1の色調調整層と第2の色調調整層層との間、及び、第2の色調調整層と繊維基材との間にはそれぞれ、他の層が備えられていてもよい。
以下に、第1の色調調整層、及び第2の色調調整層について詳述する。
<1−2−1.第1の色調調整層>
第1の色調調整層は、本発明の好ましい一態様において、繊維基材上(より好ましくは他の層を介して、さらに好ましくは第2の色調調整層上)に配置される。前記さらに好ましい態様においては、第1の色調調整層は、換言すれば第2の色調調整層の繊維基材とは反対側の表面上に配置される。
第1の色調調整層は光学干渉や光の吸収により、主に色彩における色相と彩度を調整することができる。
第1の色調調整層は、金属又は半金属を素材として含む層であることが好ましい。第1の色調調整層は、金属元素及び半金属元素以外の成分が含まれていてもよい。その場合、第1の色調調整層中の金属元素及び半金属元素の含有量は、例えば30質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは75質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、さらにより好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上、非常に好ましくは99質量%以上であり、通常100質量%未満である。
第1の色調調整層を構成する金属及び/又は半金属としては、特に制限されず、金属としては、例えばガリウム、亜鉛、銀、金、チタン、アルミニウム、スズ、銅、鉄、モリブデン、ニオブ、又はインジウム等が、半金属としては、例えばケイ素、ゲルマニウム、アンチモン、ホウ素、リン、ビスマス等が挙げられる。これらの中でも、メタリック感の観点、色彩の角度依存性の観点、色彩の明度、彩度を大きくする観点等から、好ましくはケイ素、ゲルマニウム、チタン等が挙げられ、より好ましくはケイ素が挙げられる。
第1の色調調整層に最も多く含まれる金属元素又は半金属元素が、チタン、ケイ素又はゲルマニウムであることが好ましい。
金属元素及び半金属元素は、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
第1の色調調整層は、上記金属元素又は半金属元素から構成される金属、半金属若しくは合金から構成されてもよく、上記金属元素又は半金属元素を含む化合物から構成されてもよく、またはこれらの混合物から構成されてもよい。金属元素又は半金属元素を含む化合物としては、例えば酸化物、窒化物、及び窒化酸化物等が挙げられる。
上記酸化物としては、例えばMO[式中、Xは式:n/100≦X≦n/2(nは半金属の価数である)を満たす数であり、Mは金属元素又は半金属元素である。]で表される化合物が挙げられる。色彩の彩度をより大きくする観点等から、MOにおけるXは、好ましくはn/4以下、より好ましくはn/8以下、更に好ましくはn/16以下である。MO中のMがケイ素である場合に、Xは、1未満の数を表すことが好ましく、0.5未満の数を表すことがより好ましい。
上記窒化物としては、例えばMN[式中、Yは式:n/100≦Y≦n/3(nは半金属の価数である)を満たす数であり、Mは金属元素又は半金属元素である。]で表される化合物が挙げられる。
上記窒化酸化物としては、例えばMO[式中、XとYは、n/100≦X、n/100≦Y、かつ、X+Y<n/2(nは金属又は半金属の価数である)であり、Mは金属元素又は半金属元素である。]で表される化合物が挙げられる。
上記酸化物又は窒化酸化物の酸化数Xに関しては、例えばMO又はMOを含む層の断面を、FE−TEM−EDX(例えば、日本電子社製「JEM−ARM200F」)により元素分析し、MO又はMOを含む層の断面の面積当たりのMとOとの元素比率からXを算出することにより、酸素原子の価数を算出することができる。
上記窒化物又は窒化酸化物の窒素化数Yに関しては、例えばMN又はMOを含む層の断面を、FE−TEM−EDX(例えば、日本電子社製「JEM−ARM200F」)により元素分析し、MN又はMOを含む層の断面の面積当たりのMとNとの元素比率からYを算出することにより、窒素原子の価数を算出することができる。
第1の色調調整層はMO又はMNを含む層(MOの場合には、Mはn価の金属又は半金属を示し、かつXは0以上n/2未満の数を示す。MNの場合には、Mはn価の金属又は半金属を示し、かつYは0以上n/3以下の数を示す。)を有することが好ましい。この場合において、Mは、それぞれ、チタン、ケイ素、又はゲルマニウムであることが好ましい。
第1の色調調整層の厚みは、特に制限されないが、例えば1〜500nmである。該厚みは、メタリック感の観点、色彩の角度依存性の観点、色彩の明度、彩度を大きくする観点等から、好ましくは5nm以上300nm以下、より好ましくは10nm以上150nm以下、さらに好ましくは100nm以下、よりさらに好ましくは70nm以下である。これらの上限値及び下限値は、任意に組み合わせることができる。
第1の色調調整層は、その2つの主面の一方或いは両方において、表面が酸化皮膜等の皮膜で構成されていてもよい。
<1−2−2.第2の色調調整層>
第2の色調調整層は、本発明の好ましい一態様においては、繊維基材上に配置される、換言すれば繊維基材の有する2つの主面の少なくとも1方の表面上に配置される。第2の色調調整層により、光沢感、耐変色性、色彩の鮮やかさ等をより向上させることができる。第2の色調調整層は、光学干渉や光の反射により、主に色彩における明度を調整することができる。
第2の色調調整層は、金属又は半金属を素材として含む層であることが好ましい。第2の色調調整層は、金属又は半金属以外の成分が含まれていてもよい。その場合、第2の色調調整層中の金属及び半金属量は、例えば80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上であり、通常100質量%未満である。
第2の色調調整層を構成する金属又は半金属としては、特に制限されず、金属としては例えばガリウム、亜鉛、銀、金、チタン、アルミニウム、スズ、銅、鉄、モリブデン、ニオブ、インジウム、クロム、ニッケル、タングステン、タンタル等が、半金属としてはゲルマニウム等が挙げられる。これらの中でも、メタリック感の観点、色彩の角度依存性の観点、色彩の明度、彩度を大きくする観点等から、好ましくはガリウム、亜鉛、銀、金、チタン、アルミニウム、スズ、銅、鉄、モリブデン、ニオブ、インジウム、ゲルマニウム等が挙げられ、より好ましくはチタン、アルミニウム、銀等が挙げられ、さらに好ましくはチタン、アルミニウム等が挙げられ、よりさらに好ましくはチタンが挙げられる。
メタリック感の観点、色彩の明度、彩度を大きくする観点等から、上記第1の色調調整層に最も多く含まれる金属元素又は半金属元素と、上記第2の色調調整層に最も多く含まれる金属元素又は半金属元素とが異なることが好ましい。第2の色調調整層に最も多く含まれる金属元素又は半金属元素が、ガリウム、亜鉛、銀、金、チタン、アルミニウム、スズ、銅、鉄、モリブデン、ニオブ、インジウム又はゲルマニウムであることが好ましい。
金属又は半金属は、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
第2の色調調整層は、上記金属元素又は半金属元素から構成される金属、半金属若しくは合金から構成されてもよく、上記金属元素又は半金属を含む化合物から構成されてもよく、またはこれらの混合物から構成されてもよい。金属元素又は半金属元素を含む化合物としては、例えば酸化物、窒化物、及び窒化酸化物等が挙げられる。
上記酸化物としては、例えばMO[式中、Xは式:n/100≦X≦n/2(nは金属又は半金属の価数である)を満たす数であり、Mは金属元素又は半金属元素である。]
で表される化合物が挙げられる。
上記窒化物としては、例えばMN[式中、Yは式:n/100≦Y≦n/3(nは金属又は半金属の価数である)を満たす数であり、Mは金属元素又は半金属元素である。]で表される化合物が挙げられる。
上記窒化酸化物としては、例えばMO[式中、XとYは、n/100≦X、n/100≦Y、かつ、X+Y<n/2(nは金属又は半金属の価数である)であり、Mは金属元素又は半金属元素である。]で表される化合物が挙げられる。
上記酸化物又は窒化酸化物の酸化数Xに関しては、例えばMO又はMOを含む層の断面を、FE−TEM−EDX(例えば、日本電子社製「JEM−ARM200F」)により元素分析し、MOx又はMOxNyを含む層の断面の面積当たりのMとOとの元素比率からXを算出することにより、酸素原子の価数を算出することができる。
上記窒化物又は窒化酸化物の窒素化数Yに関しては、例えばMN又はMOを含む層の断面を、FE−TEM−EDX(例えば、日本電子社製「JEM−ARM200F」)により元素分析し、MNy又はMOを含む層の断面の面積当たりのMとNとの元素比率からYを算出することにより、窒素原子の価数を算出することができる。
第2の色調調整層はMO又はMNを含む層(MOの場合には、Mはn価の金属又は半金属を示し、かつXは0以上n/2以下の数を示す。MNyの場合には、Mはn価の金属又は半金属を示し、かつYは0以上n/3以下の数を示す。)を有することが好ましい。この場合において、Mは、それぞれ、ガリウム、亜鉛、銀、金、チタン、アルミニウム、スズ、銅、鉄、モリブデン、ニオブ、インジウム又はゲルマニウムであることが好ましい。
第2の色調調整層の厚みは、特に制限されず、例えば1〜200nmである。該厚みは、メタリック感の観点、色彩の角度依存性の観点、色彩の明度、彩度を大きくする観点等から、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、さらに好ましくは20nm以上、よりさらに好ましくは30nm以上、特に好ましくは40nm以上である。生産性や膜の耐摩耗性の観点から、好ましくは200nm以下、より好ましくは150nm以下、さらに好ましくは100nm以下、よりさらに好ましくは75nm以下、特に好ましくは60nm以下である。上記した各種観点から、厚みの範囲は、好ましくは5〜150nm、より好ましくは20〜100nm、さらに好ましくは30〜75nm、よりさらに好ましくは40〜60nmである。これらの上限値及び下限値は、任意に組み合わせることができる。
第2の色調調整層は、その2つの主面の一方或いは両方において、表面が酸化皮膜等の皮膜で構成されていてもよい。
<1−3.酸化物層>
本発明の繊維シートは、色調調整層の基材とは反対側の表面上に、酸化物層を有することが好ましい。酸化物層により、耐変色性等の耐久性をより向上させることができる。
酸化物層は、金属または半金属の酸化物を素材として含む層である限り、特に制限されない。酸化物層は、本発明の効果が著しく損なわれない限りにおいて、該酸化物以外の成分が含まれていてもよい。その場合、酸化物層中の該酸化物量は、例えば80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上であり、通常100質量%未満である。
酸化物層を構成する半金属酸化物としては、特に制限されず、例えばケイ素、ゲルマニウム、アンチモン、ビスマス、等の半金属(好ましくはケイ素)の酸化物が挙げられる。
より具体的には、半金属酸化物としては、AO[式中、Xは式:n/2.5≦X≦n/2(nは半金属の価数である)を満たす数であり、Aはケイ素、ゲルマニウム、アンチモン、ビスマス、及びからなる群から選択される半金属である。]で表される化合物が挙げられる。上記式中のAが半金属元素である場合、繊維シートの色調を良好に調整できる観点から、Aはケイ素が好ましく、半金属酸化物がSiOであることがより好ましい。半金属酸化物は、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
酸化物層を構成する金属酸化物としては、特に制限されず、例えばチタン、アルミニウム、ニオブ、コバルト、ニッケル等の金属(好ましくはチタン、及び、アルミニウム)の酸化物が挙げられる。より具体的には、金属酸化物としては、AO[式中、Xは式:n/2.5≦X≦n/2(nは金属の価数である)を満たす数であり、Aはチタン、アルミニウム、ニオブ、コバルト、及び、ニッケルからなる群から選択される金属である。]で表される化合物が挙げられる。上記式中のAが金属元素である場合、繊維シートの色調を良好に調整できる観点から、Aはチタン及びアルミニウムが好ましく、金属酸化物はTiO及びAlであることがより好ましい。金属酸化物は、1種単独であってもよいし、2種以上の組み合わせであってもよい。
耐変色性等の耐久性、透明性、及び色彩の調整を容易にする観点から、上記式中のXは、好ましくはn/2.4以上n/2以下、より好ましくはn/2.3以上n/2以下、さらに好ましくはn/2.2以上n/2以下、特に好ましくはn/2.1以上n/2以下である。
酸化物層の厚みは、特に制限されず、例えば1〜50nmである。該厚みは、耐変色性等の耐久性及び透明性の向上、並びに色彩の容易な調整を同時に達成する観点から、好ましくは2nm以上20nm以下、より好ましくは3nm以上10nm以下である。
酸化物層の層構成は特に制限されない。酸化物層は、1層からなる単層であってもよいし、同一又は異なる組成を有する複数の層であってもよい。
<1−4.その他の層>
本発明の繊維シートは、上記した層以外のその他の層を有していてもよい。その他の層としては、本発明の繊維シートの色調調整層上に配置されるオーバーコート層(例えば撥水剤、撥油剤層)や、繊維基材と色調調整層との間に配置されるアンカーコート層等が挙げられる。
<1−5.特性>
本発明に係る繊維シートに従来の光沢感とは異なる金属的な光沢感及び色彩の角度依存性が付与される機構には、(1)色調調整層による光の吸収による影響、(2)色調調整層及び金属層により生じる光学干渉による影響(3)金属層による光の吸収による影響等が関与していると考えられる。
本発明の繊維シートは、45度入射、−75度〜75度受光の変角分光測色による0度以下の反射光領域における式(1):(C(Lmax)−C*(Lmin))/Cmax[式中、C(Lmax)は反射光領域における明度最大点の彩度を示す。C(Lmin)は反射光領域における明度最小点における彩度、Cmaxは反射光領域における彩度最大値を示す。]で表される値が0を超える値である、という特性を有する。
式(1)で表される値は、メタリック感の観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3以上、よりさらに好ましくは0.4以上、特に好ましくは0.5以上である。
本発明の繊維シートは、好ましくは、45度入射、−75度〜75度受光の変角分光測色による0度以下の反射光領域における式(2):(L(Cmax)/ Lmax)×100[式中、L(Cmax)は反射光領域における彩度最大点の明度を示す。Lmaxは反射光領域における明度最大値を示す。]で表される値が90以上である、という特性を有する。この特性を有することにより、メタリック感がより一層向上する。
式(2)で表される値は、メタリック感の観点から、好ましくは95以上、より好ましくは97以上、さらに好ましくは98以上である。
式(1)で表される値、及び式(2)で表される値の算出に用いる各種数値(C(Lmax)、Cmax、C(Lmin)、C*minの)は、三次元変角分光測色システム(例えば、GCMS−14(株式会社村上色彩技術研究所))及び測定サンプルとして20mm×20mmの繊維シートを用いて測定する。入射光源(C光源、視野角2°)を繊維シート面法線に対して45度の角度で入射させる。入射面(繊維シート面法線と入射光軸を含む平面)において受光器を−75度〜75度まで走査1°毎に分光測色しLを得る。C=√(a*2+b*2)として算出する。なお、測定における角度は、繊維シート面の法線方向を0°とし、入射光側を正、正反射光側を負とする。
測色方式:ダブルビーム方式
分光素子:凹面回折格子受光器:シリコンフォトダイオードアレイ 256素子
測定波長範囲:380〜780nm
装置測定条件
入射角度範囲指定:45°(固定)
受光角度範囲指定:測定開始角度=−75°、測定終了角度=75°、変角ピッチ=1°
入射方位角角度範囲指定:0°(固定)
受光方位角角度範囲指定:0°(固定)。
本発明に係る繊維シートは、X線CT測定により算出される式(3):S/S[式中、Sは繊維シートの投影面積の値を示す。Sは、色調調整層を有する面における表面積の値を示す。]で表される値が、1.4以下であることが好ましい。
式(3)で表される値は、メタリック感の観点から、1.3以下であることがより好ましく、1.27以下であることがさらに好ましい。式(3)で表される値の下限は特に限定されないが、例えば1以上である。
式(3)中のSは、繊維シート表面における凹凸や、繊維基材の捻じれ等により増減する。メタリック感の観点から、Sの値は小さいほうが好ましい。Sの値を調整する方法としては、繊維基材の選択、カレンダー加工等の繊維基材への加工等が挙げられる。
式(3)で表される値の算出に用いる各種数値(S及びS)は、X線CT装置により得られる断面像の解析により求める。具体的には次の通りである。繊維シートを約3mm角にカットして測定用サンプルとする。X線顕微鏡(株式会社リガク製 nano3DX)により測定用サンプルを測定し、3次元画像を取得する。X線源としては、Moを用い、レンズ(L0270)を用いて、ビニング2、露光時間10秒、撮影枚数1200枚の条件で撮影を行う。得られた3次元画像を画像解析ソフトウェアAvizo9.7(Thermo Fisher Scientif社製)にて解析する。
得られた3次元画像を画像解析ソフトウェア上で、繊維シートの底面が0.6mm×0.6mm角の四角形(S)になるよう画像をカットした後、Median Filter(Neighborhood値 26)機能によりノイズを除去する。その後、Interactive Thresholding機能で二値化を行う。閾値は256階調のうち143とする。二値化後の画像において、外部に開口していない空孔部を画像処理にて埋め、また繊維シート外におけるノイズを除去する。その後、Generate Surface機能にて繊維シートの表面を形成する。表面形成の際、unconstrained smoothingの値を5とする。Surface Area Volume機能で繊維シートと繊維シート外との境界面の面積を算出してSとする。また繊維シートの投影面積をSとしてS/Sを求めることができる。
<1−6.製造方法>
本発明の繊維シートは、繊維基材の表面に色調調整層を付着させる工程を含む方法により得ることができる。色調調整層が複数の層から構成される場合は、さらに、最外層の色調調整層(例えば、金属元素を含有する第2の色調調整層)の表面に別の色調調整層(例えば、半金属元素を含有する第1の色調調整層)を付着させる工程を含む方法により、得ることができる。また、酸化物層を含む場合は、さらに、色調調整層の表面に酸化物層を付着させる工程を含む方法により、得ることができる。上記した式(1)や式(2)で表される特性は、上記<1−2.色調調整層>に記載の構成に従い、層構成、層構成材料、層厚み等を調整することにより、適宜調整することができる。
特に限定されないが、前記付着は、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、パルスレーザーデポジション法等により行うことができる。これらの中でも、膜厚制御性の観点から、スパッタリング法が好ましい。
スパッタリング法としては、特に限定されないが、例えば、直流マグネトロンスパッタ、高周波マグネトロンスパッタ及びイオンビームスパッタ等が挙げられる。また、スパッタ装置は、バッチ方式であってもロール・ツー・ロール方式であってもよい。
2.用途
本発明の繊維シートは、メタリック感を有するものであるので、独特の意匠性を有する繊維材料として、各種分野において利用することができる。
本発明の繊維シートは、具体的には、例えばコート、ジャケット、ズボン、スカート、スポーツウェア、ワイシャツ、ニットシャツ、ブラウス、セーター、カーディガン、ナイトウエア、肌着、サポーター、靴下、タイツ、帽子、スカーフ、マフラー、襟巻き、手袋、服の裏地、服の芯地、服の中綿、作業着、ユニフォーム、学童用制服等の衣料、カーテン、布団地、布団綿、枕カバー、シーツ、マット、カーペット、タオル、ハンカチ、マスク、フィルター、装飾布/生地、壁布、壁紙、フロア外張り等の繊維製品に利用することができる。
また、別の具体例として、本発明の繊維シート、並びに樹脂を含有する、複合材料(本明細書において、「本発明の複合材料」と示すこともある。)として利用することも可能である。
本発明の複合材料は、本発明の繊維シートと樹脂を含有する限りにおいて、特に制限されない。好ましくは、本発明の複合材料は、本発明の繊維材料が母材である樹脂中に含有されてなる、繊維強化プラスチックである。
樹脂としては、特に制限されず、種々様々な樹脂を採用することができる。なお、樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂(例えば、ナイロン)、ポリフェニレンエーテル、ポリオキシメチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルイミドやポリエーテルサルホン等が挙げられる。
本発明の複合材料は、常法にしたがって製造することができ、自動車(特に、自動車の内外装)、航空機、スポーツ関連製品(ゴルフシャフト、テニスラケット、バドミントンラケット、釣り竿、スキー板、スノーボード、バット、アーチェリー、自転車、ボート、カヌー、ヨット、ウィンドサーフィン等)、医療器具、建築部材、電気機器(パソコン等の筐体、スピーカーコーン)等を製造するための構造材料等、様々な用途において活用することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(1)繊維シートの製造
(実施例1)
繊維基材として、繊維基材1(平織、6−ナイロン(ナイロン繊維)、糸太さ20デニール、シレー処理あり)を用いた。
繊維基材1を真空装置内に設置し、5.0×10−4Pa以下となるまで真空排気した。続いて、アルゴンガスを導入して、DCマグネトロンスパッタリング法により、繊維基材1の裏面の表面上に、第2の色調調整層としてTi層(平均厚み50nm)を形成して、繊維基材1と第2の色調調整層との積層体を得た。
繊維基材1と第2の色調調整層との積層体を真空装置内に設置し、5.0×10−4Pa以下となるまで真空排気した。続いて、アルゴンガスを導入して、DCマグネトロンスパッタリング法により、第2の色調調整層の繊維基材1側とは反対側の表面上に、第1の色調調整層としてSi層(平均厚み30nm)を形成して、繊維シートを得た。
なお、シレー処理において熱板が接触した面を裏面とした。
(実施例2)
繊維基材として、繊維基材2(平織、6−ナイロン(ナイロン繊維、糸太さ40デニール、シレー処理あり)を用いる以外は、実施例1と同様にして繊維シートを得た。
(実施例3)
第2の色調調整層及び第1の色調調整層を繊維基材1の表(おもて)面の表面上に形成する以外は、実施例1と同様にして繊維シートを得た。
(実施例4)
繊維基材として、繊維基材3(平織、6−ナイロン、糸太さ20デニール、シレー処理なし)を用い、その表(おもて)面の表面上に第2の色調調整層及び第1の色調調整層を形成する以外は、実施例1と同様にして繊維シートを得た。
(実施例5)
繊維基材として、繊維基材4(平織、6−ナイロン、糸太さ40デニール、シレー処理なし)を用い、その表(おもて)面の表面上に第2の色調調整層及び第1の色調調整層を形成する以外は、実施例1と同様にして繊維シートを得た。
(実施例6)
繊維基材として、繊維基材1(平織、6−ナイロン(ナイロン繊維)、糸太さ20デニール、シレー処理あり)を用いた。繊維基材1に、ロール温度180℃、線圧150N/mの条件で、カレンダー加工をして用いる以外は、実施例1と同様にして繊維シートを得た。
(実施例7)
繊維基材として、繊維基材5(平織、6−ナイロン、糸太さ40デニール、シレー処理なし)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして繊維シートを得た。
(実施例8)
繊維基材として、繊維基材5を(平織、6−ナイロン、糸太さ40デニール、シレー処理なし)を用いた。繊維基材5に、ロール温度180℃、線圧150N/mの条件で、カレンダー加工して用いる以外は、実施例7と同様にして繊維シートを得た。
(比較例1)
青色染色されている繊維基材2(平織、6−ナイロン(ナイロン繊維、糸太さ40デニール、シレー処理あり)をそのまま繊維シートとして用いた。各種評価には、裏面を使用した。
(2)測定及び評価
(C(Lmax)、Cmax、C(Lmin)、Cminの測定)
三次元変角分光測色システム(GCMS−14、株式会社村上色彩技術研究所)を用いて測定を行った。入射光源(C光源、視野角2°)を繊維シート面法線に対して45度の角度で入射させた。入射面(繊維シート面法線と入射光軸を含む平面)において受光器を−75度〜75度まで走査1°毎に分光測色しLを得た。C=√(a*2+b*2)として算出した。なお、測定における角度は、繊維シート面の法線方向を0°とし、入射光側を正、正反射光側を負とする。
測色方式:ダブルビーム方式
分光素子:凹面回折格子受光器:シリコンフォトダイオードアレイ 256素子
測定波長範囲:380〜780nm
装置測定条件
入射角度範囲指定:45°(固定)
受光角度範囲指定:測定開始角度=−75°、測定終了角度=75°、変角ピッチ=1°
入射方位角角度範囲指定:0°(固定)
受光方位角角度範囲指定:0°(固定)。
(S、Sの測定)
実施例1,3,6〜7の繊維シートについて、平坦性を測定した。具体的には、X線CT測定により算出される式(3):S/S[式中、Sは繊維シートの投影面積の値を示す。Sは、色調調整層を有する面における表面積の値を示す。]で表される値を測定した。
式(3)で表される値の算出に用いる各種数値(S及びS)は、X線CT装置により得られる断面像の解析により求めた。具体的には次の通りである。繊維シートを約3mm角にカットして測定用サンプルとした。X線顕微鏡(株式会社リガク製 nano3DX)により測定用サンプルを測定し、3次元画像を取得した。X線源としては、Moを用い、レンズ(L0270)を用いて、ビニング2、露光時間10秒、撮影枚数1200枚の条件で撮影を行った。得られた3次元画像を画像解析ソフトウェアAvizo9.7(Thermo Fisher Scientif社製)にて解析した。
得られた3次元画像を画像解析ソフトウェア上で、繊維シートの底面が0.6mm×0.6mm角の四角形(S)になるよう画像をカットした後、Median Filter(Neighborhood値 26)機能によりノイズを除去した。その後、Interactive Thresholding機能で二値化を行った。閾値は256階調のうち143とした。二値化後の画像において、外部に開口していない空孔部を画像処理にて埋め、また繊維シート外におけるノイズを除去した。その後、Generate Surface機能にて繊維シートの表面を形成した。表面形成の際、unconstrained smoothingの値を5とした。Surface Area Volume機能で繊維シートと繊維シート外との境界面の面積を算出してSとした。また繊維シートの投影面積をSとしてS/Sを求めることができる。
(メタリック感の評価)
得られた繊維シートのメタリック感について、以下の基準で目視により評価した。
A:メタリック感を有し、かつ光沢が強いもの。
B:メタリック感を有し、光沢が弱いもの。
C:メタリック感がないもの。
(色彩の角度依存性の評価)
得られた繊維シートの色彩の角度依存性について、以下の基準で目視により評価した。
A:観測角度により色彩の変化が強く感じられるもの。
B:観測角度による色彩の変化が弱いもの。
C:色彩の変化がほとんどないもの。
(風合いの評価)
得られた繊維シートと、処理前の繊維基材を用意した。処理前後の風合いを10人の評価者に評価させた。10人中7人以上が風合い良好(前後の変化が少ない)と評価した場合をA、10人中5〜6人が風合い良好と評価した場合をB、10人中4人以下が風合い良好と評価した場合をCと評価した。
結果を表1及び表2に示す。
Figure 2020059725
Figure 2020059725
1…繊維シート
1a…第1の表面
1b…第2の表面
2…繊維基材
3…第1の色調調整層
4…第2の色調調整層

Claims (7)

  1. 繊維基材と色調調整層を有する繊維シートであり、
    45度入射、−75度〜75度受光の変角分光測色による
    0度以下の反射光領域における式(1):(C(Lmax)−C(Lmin))/C*max
    [式中、C(Lmax)は反射光領域における明度最大点の彩度を示す。C(Lmin)は反射光領域における明度最小点における彩度、Cmaxは反射光領域における彩度最大値を示す。]
    で表される値が0を超える値であることを特徴とする、繊維シート。
  2. 前記色調調整層が金属層及び/又は半金属元素含有層を含み、前記金属層及び/又は半金属元素含有層はMO又はMNを含む層(MOの場合には、Mはn価の金属又は半金属を示し、かつxは0以上n/2以下の数を示す。MNの場合には、Mはn価の金属又は半金属を示し、かつyは0以上n/3以下の数を示す。)を有する、請求項1に記載の繊維シート。
  3. 前記MOにおけるM及び前記MNにおけるMは、それぞれ、ケイ素、ゲルマニウム、ガリウム、亜鉛、銀、金、チタン、アルミニウム、スズ、銅、鉄、モリブデン、ニオブ、又はインジウムである、請求項2に記載の繊維シート。
  4. 前記色調調整層を第1の色調調整層として備え、
    前記繊維基材と前記第1の色調調整層との間に、第2の色調調整層をさらに備える、
    請求項1〜3のいずれかに記載の繊維シート。
  5. 前記第1の色調調整層に最も多く含まれる金属元素又は半金属元素が、ケイ素、チタン又はゲルマニウムであり、前記第2の色調調整層に最も多く含まれる金属元素又は半金属元素が、ゲルマニウム、ガリウム、亜鉛、銀、金、チタン、アルミニウム、スズ、銅、鉄、モリブデン、ニオブ、又はインジウムである、請求項4記載の繊維シート。
  6. 45度入射、−75度〜75度受光の変角分光測色による
    0度以下の反射光領域における式(2):(L(Cmax)/ Lmax)×100
    [式中、L(Cmax)は反射光領域における彩度最大点の明度を示す。Lmaxは反射光領域における明度最大値を示す。]
    で表される値が90以上である、請求項1〜5いずれか一項記載の繊維シート。
  7. X線CT測定により算出される式(3):S/S
    [式中、Sは繊維シートの投影面積の値を示す。Sは、色調調整層を有する面における表面積の値を示す。]
    で表される値が、1.4以下である、請求項1〜6いずれか1項記載の繊維シート。
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