JP2020163530A - 金属製部品の破断装置、コネクティングロッドの破断装置、金属製部品の破断方法、コネクティングロッドの破断方法、金属製部品の製造方法およびコネクティングロッドの製造方法 - Google Patents

金属製部品の破断装置、コネクティングロッドの破断装置、金属製部品の破断方法、コネクティングロッドの破断方法、金属製部品の製造方法およびコネクティングロッドの製造方法 Download PDF

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浩一 長谷
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岳人 村田
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Abstract

【課題】本発明は、過度な応力の発生を抑えつつ、亀裂を好適に目標破断面に沿って進展させる金属製部品、コネクティングロッドの破断装置、破断方法、製造方法を提供する。【解決手段】本発明は、金属製部品、コネクティングロッドBの貫通孔5aに嵌挿される半割型のマンドレル27として、剛性が低い側に位置する貫通孔の側面に当接し貫通孔の直径と対応した半円形状の第1マンドレル部材27aと、剛性が高い側に位置する貫通孔の側面に当接し第1マンドレル部材よりも小さい径寸法の半円形状の第2マンドレル部材27bとを用いて、破断の際、剛性を等方性に近づける補正を行い、金属製部品、コネクティングロッドに生ずる亀裂を目標破断面αに沿って進展させる。【選択図】 図4

Description

本発明は、金属製部品の破断装置、コネクティングロッドの破断装置、金属製部品の破断方法、コネクティングロッドの破断方法、金属製部品の製造方法およびコネクティングロッドの製造方法に関する。
貫通孔を有する金属製部品では、貫通孔から破断して半割された部品を組み合わせて、一対の製品として用いる場合がある。このような破断して組み合せる金属製部品の代表例としては、コネクティングロッド(以下、コンロッドという)が知られている。
多くは大端部からコンロッドを破断させる手法に用いられる。このコンロッドの製造では、大端部の貫通孔に対し半割型のマンドレルを嵌挿させ、このマンドレルに貫通孔に対し拡張する方向に荷重を加えて、大端部をロッド側とキャップ側とに破断して分割(半割)し、破断した破断面に生じた凹凸を位置決めに用いる。これにより、ロッド側とキャップ側とをボルトで締結する際に、位置決めピンを省略した状態でも高精度に位置決めをすることが可能となる。
金属製部品たるコンロッドの破断装置や破断方法に用いられる半割型のマンドレルには、特許文献1にも開示されているように大端部に形成された貫通孔の直径(含む公差)に対応した径寸法を有する一対のマンドレル部材が用いられる。すなわち、半割型のマンドレルにはロッド側とキャップ側とで同一の径寸法とした半割型のマンドレルが用いられる。
ところが、同一径のマンドレルを用いて金属製部品を破断する場合、コンロッドのような貫通孔を挟む方向で剛性が異なる金属製部品、すなわち剛性に異方性の有る金属製部品においては、マンドレルから貫通孔に荷重を加えても、設定された破断分割面に沿ってコンロッドを良好に破断させることは難しい。
すなわち、コンロッドは、貫通孔の側面に設定される破断開始位置を境として、ロッド側とキャップ側とが長手方向で非対称の形状となるため、剛性に異方性の有る部品となる。
このため、同一径の半割型のマンドレルを貫通孔に嵌挿し、マンドレルに貫通孔を拡張する方向に荷重を加えると、大端部は、破断開始位置から、非対称な弾性変形を伴いながら破断分割される。
すなわち、剛性の低いキャップ側が、剛性の高いロッド側よりも大きく変形する。この変形に引きずられる形で、亀裂の先端に加わる引っ張り応力が傾いた方向へ作用する。結果、亀裂の進展方向は、予め設定されていた方向、すなわち目標破断面からずれる。このため、破断面が屈曲したり、斜めに割れたりしてしまい、良好な破断面が得られないことがある。
一方、コンロッドを破断する破断装置では、特許文献2に開示されているようにロッド側に嵌挿されるマンドレル部材よりもキャップ側に嵌挿されるマンドレル部材の方が、貫通孔の側面との設置面積が大きくなるようにする技術が提案されている。
特開2006−150463号公報 特許第4390801号公報
同技術は、貫通孔のロッド側に嵌挿されるマンドレル部材の両側を切り欠いて、同マンドレル部材と貫通孔の側面との間に隙間を形成する技術である。
ところが、両側が切り欠かれたマンドレル部材により、コンロッドは等方性に近づいて破断が行われるものの、マンドレル部材の両側の切欠部に臨む貫通孔の側面では、マンドレルによる支えがないため、貫通孔の内側へ向かう過度な応力が作用しやすく、破断の際、ロッド側に過度な歪みが生じやすい。このため、亀裂を目標破断面に沿って進展させることは難しい。
そこで、本発明の目的は、過度な応力の発生を抑えつつ、亀裂を好適に目標破断面に沿って進展させることができる金属製部品の破断装置、コネクティングロッドの破断装置、金属製部品の破断方法、コネクティングロッドの破断方法、金属製部品の製造方法およびコネクティングロッドの製造方法を提供する。
第1の発明となる金属製部品の破断装置の態様は、貫通孔を備え、且つ貫通孔を挟む一方側が他方側よりも剛性が高くなる金属製部品を破断させる金属製部品の破断装置であって、金属製部品を支持する支持部と、金属製部品の貫通孔に嵌挿される半割型のマンドレルと、貫通孔を拡張する方向にマンドレルに対して荷重を加える荷重印加部とを有し、半割型のマンドレルは、金属製部品のうちの剛性が低い側に位置する貫通孔の側面に当接し且つ貫通孔の直径と対応した半円形状の第1マンドレル部材と、金属製部品のうちの剛性が高い側に位置する貫通孔の側面に当接し且つ第1マンドレル部材よりも小さい径寸法の半円形状の第2マンドレル部材とからなるものとした。
同装置により、金属製部品の貫通孔に嵌挿した第1,2マンドレル部材に対して、貫通孔を拡張する方向に荷重を加えると、第1マンドレル部材は貫通孔の剛性の低い側の側面と密着され、第2マンドレル部材は貫通孔の側面と半円形状の頂部とが密着、続いて密着は貫通孔の頂部を挟む両側の側面へと徐々に進む。これにより、金属製部品は、貫通孔の側面に亀裂が生じ、さらに亀裂が進展して、破断に至る。
すなわち、第1マンドレル部材が貫通孔の側面と密着し続けている間、当初、貫通孔の側面と離れていた第2マンドレル部材への密着は、貫通孔の側面と頂部との密着から始まり、徐々に両側へと密接が進行される。
こうした貫通孔の側面と第2マンドレル部材との密着が遅れることによって、金属製部品に生ずる弾性変形は、等方性の弾性変形に近づくよう補正される。これにより、剛性の低い側における弾性変形は抑制される。最終的に第2マンドレル部材は、貫通孔の側面両側を支えるため、金属製部品には過度な応力は生じずにすむ。このため、金属製部品に生ずる亀裂は、安定して目標破断面に沿って進展する。
第2の発明となるコネクティングロッドの破断装置の態様は、貫通孔を備え、且つ貫通孔を挟む一方側が他方側よりも剛性が高くなるコネクティングロッドを破断させるコネクティングロッドの破断装置であって、コネクティングロッドを支持する支持部と、コネクティングロッドの貫通孔に嵌挿される半割型のマンドレルと、マンドレルに対して、貫通孔を拡張する方向に荷重を加える荷重印加部とを有し、半割型のマンドレルは、コネクティングロッドのうちの剛性が低い側に位置する貫通孔の側面に当接し且つ貫通孔の直径と対応した半円形状の第1マンドレル部材と、コネクティングロッドのうちの剛性が高い側に位置する貫通孔の側面に当接し且つ第1マンドレル部材よりも小さい径寸法の半円形状の第2マンドレル部材とからなるものとした。
同装置により、コネクティングロッドの貫通孔に嵌挿した第1,2マンドレル部材に対して、貫通孔を拡張する方向に荷重を加えると、第1マンドレル部材は貫通孔の剛性の低い側の側面と密着され、第2マンドレル部材は、貫通孔の剛性が高い側面と半円形状の頂部とが密着、続いて密着が貫通孔の頂部を挟む両側の側面へと徐々に進む。これにより、コネクティングロッドは、貫通孔の側面に亀裂が生じ、さらに亀裂が進展して、破断に至る。
すなわち、第1マンドレル部材が貫通孔の側面と密着し続けている間、当初、貫通孔の側面と離れていた第2マンドレル部材への密着は、貫通孔の側面と頂部との密着から始まり、徐々に両側へと密接が進行される。
こうした貫通孔の側面と第2マンドレル部材との密着が遅れることによって、コネクティングロッドに生ずる弾性変形は、等方性の弾性変形に近づくよう補正される。これにより、剛性の低い側における弾性変形は抑制される。最終的に第2マンドレル部材は、貫通孔の側面両側までも支えるため、コネクティングロッドには過度な応力は生じずにすむ。このため、コネクティングロッドに生ずる亀裂は、安定して目標破断面に沿って進展する。
第3の発明となるコネクティングロッドの破断装置の態様は、第1マンドレル部材の直径をφX1mmとし、第2マンドレル部材の直径をφX2mmとし、コネクティングロッドの貫通孔の直径をφXmmとしたとき、第1マンドレル部材の直径φX1mmと第2マンドレル部材の直径φX2mmとの直径差φΔXmmは、上限がコネクティングロッドの貫通孔の直径φXmmに対し1%以下とした。
実験によれば、一般のコネクティングロッドの破断分割においては、1%以下の規定により、直径差の大きくなりすぎによる亀裂のずれの発生が抑えられる。このため、事前にこの範囲内に直径差を定めておきさえすれば、良好にコネクティングロッドが破断される。すなわち亀裂が目標破断面に沿って進展される。
第4の発明となるコネクティングロッドの破断装置の態様は、0mm≦(φXmm−φX1mm)<(φXmm−φX2mm)≦2mmなる関係とした。
実験によれば、一般のコネクティングロッドにおいては、第1マンドレル部材の直径と貫通孔の直径との差よりも、第2マンドレル部材の直径と貫通孔の直径との差が大きく、上限の差が2mm以下であれば、亀裂のずれの発生を抑えることができた。このため、事前にこの範囲内に直径差を定めておきさえすれば、第1マンドレル部材の直径と貫通孔の直径とで差(公差)がある場合についても、差が無い場合についても、良好にコネクティングロッドが破断される。すなわち亀裂が目標破断面に沿って進展される。
第5の発明となる金属製部品の破断方法の態様は、貫通孔を備え、且つ貫通孔を挟む一方側が他方側よりも剛性が高くなる金属製部品を破断させる金属製部品の破断方法であって、金属製部品を支持する支持ステップと、貫通孔の直径と対応した半円形状の第1マンドレル部材と、第1マンドレル部材よりも小さい径寸法の半円形状の第2マンドレル部材とからなる半割型のマンドレルを金属製部品の貫通孔に嵌挿する嵌挿ステップと、第1マンドレル部材及び第2マンドレル部材に対して、貫通孔を拡張する方向に荷重を加える荷重印加ステップとを有し、嵌挿ステップにおいて、金属製部品のうちの剛性が低い側に位置する貫通孔の側面に第1マンドレル部材を当接させ、金属製部品のうちの剛性が高い側に位置する貫通孔の側面に第2マンドレル部材を当接させるものとした。
この方法により、金属製部品の貫通孔に嵌挿した第1,2マンドレル部材に対して、貫通孔を拡張する方向に荷重を加えるにしたがい、第1マンドレル部材は貫通孔の剛性の低い側の側面と密着され、第2マンドレル部材は、剛性の高い貫通孔の側面と半円形状の頂部とが密着、続いて密着が貫通孔の頂部を挟む両側の側面へと徐々に進む。これにより、金属製部品は、貫通孔の側面に亀裂が生じ、さらに亀裂が進展して、破断に至る。
すなわち、第1マンドレル部材が貫通孔の側面と密着し続けている間、当初、貫通孔の側面と離れていた第2マンドレル部材への密着は、貫通孔の側面と頂部との密着から始まり、徐々に両側へと密接が進行される。
こうした貫通孔の側面と第2マンドレル部材との密着が遅れることによって、金属製部品に生ずる弾性変形は、等方性の弾性変形に近づくよう補正される。これにより、剛性の低い側における弾性変形は抑制される。最終的に第2マンドレル部材は、貫通孔の側面両側を支えるため、金属製部品には過度な応力は生じずにすむ。このため、金属製部品に生ずる亀裂は、安定して目標破断面に沿って進展する。
第6の発明となるコネクティングロッドの破断方法の態様は、貫通孔を備え、且つ貫通孔を挟む一方側が他方側よりも剛性が高くなるコネクティングロッドを破断させるコネクティングロッドの破断方法であって、コネクティングロッドを支持する支持ステップと、貫通孔の直径と対応した半円形状の第1マンドレル部材と、第1マンドレル部材よりも小さい径寸法の半円形状の第2マンドレル部材とからなる半割型のマンドレルをコネクティングロッドの貫通孔に嵌挿する嵌挿ステップと、第1マンドレル部材及び第2マンドレル部材に対して、貫通孔を拡張する方向に荷重を加える荷重印加ステップとを有し、嵌挿ステップにおいて、コネクティングロッドのうちの剛性が低い側に位置する貫通孔の側面に第1マンドレル部材を当接させ、コネクティングロッドのうちの剛性が高い側に位置する貫通孔の側面に第2マンドレル部材を当接させるものとした。
同方法により、コネクティングロッドの貫通孔に嵌挿した第1,2マンドレル部材に対して、貫通孔を拡張する方向に荷重を加えると、第1マンドレル部材は貫通孔の剛性の低い側の側面と密着され、第2マンドレル部材は、剛性の高い貫通孔の側面と半円形状の頂部とが密着、続いて密着が貫通孔の頂部を挟む両側の側面へと徐々に進む。これにより、コネクティングロッドは、貫通孔の側面に亀裂が生じ、さらに亀裂が進展して、破断に至る。
すなわち、第1マンドレル部材が貫通孔の側面と密着し続けている間、当初、貫通孔の側面と離れていた第2マンドレル部材への密着は、貫通孔の側面と頂部との密着から始まり、徐々に貫通孔の両側へ密接が進行される。
こうした貫通孔の側面と第2マンドレル部材との密着が遅れることによって、コネクティングロッドに生ずる弾性変形は、等方性の弾性変形に近づくよう補正される。これにより、剛性の低い側における弾性変形は抑制される。最終的に第2マンドレル部材は、貫通孔の側面両側までも支えるため、コネクティングロッドには過度な応力は生じずにすむ。このため、コネクティングロッドに生ずる亀裂は、安定して目標破断面に沿って進展する。
第7の発明となるコネクティングロッドの破断方法の態様は、第1マンドレル部材の直径をφX1mmとし、第2マンドレル部材の直径をφX2mmとし、コネクティングロッドの貫通孔の直径をφXmmとしたとき、第1マンドレル部材の直径φX1mmと第2マンドレル部材の直径φX2mmとの直径差φΔXmmは、上限がコネクティングロッドの貫通孔の直径φXmmに対し1%以下とした。
実験によれば、一般のコネクティングロッドの破断分割においては、1%以下の規定により、直径差の大きくなりすぎによる亀裂のずれの発生が抑えられる。このため、事前にこの範囲内に直径差を定めておきさえすれば、良好にコネクティングロッドが破断される。すなわち亀裂が目標破断面に沿って進展される。
第8の発明となるコネクティングロッドの破断方法の態様は、0mm≦(φXmm−φX1mm)<(φXmm−φX2mm)≦2mmなる関係とした。
実験によれば、一般のコネクティングロッドにおいては、第1マンドレル部材の直径と貫通孔の直径との差よりも、第2マンドレル部材の直径と貫通孔の直径との差が大きく、上限の差が2mm以下であれば、亀裂のずれの発生が抑えることができた。このため、事前にこの範囲内に直径差を定めておきさえすれば、第1マンドレル部材の直径と貫通孔の直径との差(公差)ある場合についても、差が無い場合についても、良好にコネクティングロッドが破断される。すなわち亀裂が目標破断面に沿って進展される。
第9の発明となる金属製部品の製造方法の態様は、貫通孔を備え、且つ前記貫通孔を挟む一方側が他方側よりも剛性が高い金属製部品を、請求項5に記載の金属製部品の破断方法により破断分割する破断ステップと、破断分割された金属製部品を、破断面同士を突き合わせて組み上げる組上げステップとを具備するものとした。
これにより、製造される金属製部品は、第1マンドレル部材と第1マンドレル部材よりも小さい第2マンドレル部材を用いて破断が行われるため、高い精度で組み上げが行える。それ故、高品質の金属製部品が確保される。
第10の発明となるコネクティングロッドの製造方法の態様は、貫通孔を備え、且つ前記貫通孔を挟む一方側が他方側よりも剛性が高いコネクティングロッドを、前記請求項6〜8のいずれか一項に記載のコネクティングロッドの破断方法により破断分割する破断ステップと、破断分割されたコネクティングロッドを、破断面同士を突き合わせて組み上げる組上げステップとを具備するものとした。
これにより、製造されるコネクティングロッドは、第1マンドレル部材と第1マンドレル部材よりも小さい第2マンドレル部材を用いて破断が行われるため、その後の組上げステップは高い精度での組み上げとなる。それ故、高品質のコネクティングロッドが確保される。
第1の発明、第2の発明によれば、金属製部品やコネクティングロッドの貫通孔に嵌挿される半割型のマンドレルを、剛性が低い側に位置する貫通孔の側面に当接し且つ貫通孔の直径と対応した半円形状の第1マンドレル部材と、剛性が高い側に位置する貫通孔の側面に当接し且つ第1マンドレル部材よりも小さい径寸法の半円形状の第2マンドレル部材とから構成した。
これにより、貫通孔に嵌挿した第1,2マンドレル部材に貫通孔を拡張する方向に荷重を加えると、第1マンドレル部材は貫通孔の剛性の低い側の側面と密着され、第2マンドレル部材は、剛性の高い貫通孔の側面と半円形状の頂部とが密着、続いて密着が貫通孔の頂部を挟む両側の側面へと徐々に進む。
この貫通孔の側面と第2マンドレル部材との密着が遅れることによって、金属製部品やコネクティングロッドに生ずる弾性変形は、等方性の弾性変形に近づくよう補正され、剛性の低い側における弾性変形は抑制される。最終的に第2マンドレル部材は、貫通孔の側面両側までも支えるため、金属製部品やコネクティングロッドには過度な応力は生じずにすむ。このため、金属製部品やコネクティングロッドに生ずる亀裂は、目標断面に沿って進展しながら破断される。
それ故、過度な応力の発生を抑えつつ、亀裂を好適に目標破断面に沿って進展させることができ、良好に金属製部品やコネクティングロッドを破断することができる。
第5の発明、第6の発明によれば、金属製部品やコネクティングロッドの貫通孔に半割型のマンドレルが嵌挿される嵌挿ステップにおいて、剛性が低い側に位置する貫通孔の側面に貫通孔の直径と対応した半円形状の第1マンドレル部材を当接させ、剛性が高い側に位置する貫通孔の側面に第1マンドレル部材よりも小さい径寸法の半円形状の第2マンドレル部材を当接させるようにした。
これにより、貫通孔に嵌挿した第1,2マンドレル部材に貫通孔を拡張する方向に荷重が加わるにしたがい、第1マンドレル部材は貫通孔の剛性の低い側の側面と密着され、第2マンドレル部材は、貫通孔の側面と半円形状の頂部とが密着、続いて密着が貫通孔の頂部を挟む両側の側面へと徐々に進む。
この貫通孔の側面と第2マンドレル部材との密着が遅れることによって、金属製部品やコネクティングロッドに生ずる弾性変形は、等方性の弾性変形に近づくように補正され、剛性の低い側における弾性変形は抑制される。最終的に第2マンドレル部材は、貫通孔の側面両側までも支えるため、金属製部品やコネクティングロッドには過度な応力は生じずにすむ。このため、金属製部品やコネクティングロッドに生ずる亀裂は、目標破断面に沿って進展しながら破断される。
それ故、過度な応力の発生を抑えつつ、亀裂を好適に目標破断面に沿って進展させることができ、良好に金属製部品やコネクティングロッドを破断することができる。
第3の発明、第7の発明によれば、1%以下の規定により、一般のコネクティングロッドの破断分割においては、第1マンドレル部材と第2マンドレル部材の直径差の大きくなりすぎによる亀裂のずれの発生を抑えることができる。このため、事前にこの範囲内に直径差を定めておきさえすれば、良好にコネクティングロッドを破断させることができる。
第4の発明、第8の発明によれば、一般のコネクティングロッドにおいては、第1マンドレル部材の直径と貫通孔の直径との差よりも、第2マンドレル部材の直径と貫通孔の直径との差が大きく、上限の差が2mm以下であれば、亀裂のずれの発生を抑えることができる。このため、事前にこの範囲内に直径差を定めておきさえすれば、第1マンドレル部材の直径と貫通孔の直径との差(公差)がある場合についても、差が無い場合についても、良好なコネクティングロッドの破断、すなわち亀裂を目標破断面に沿って進展させることができる。
第9の発明、第10の発明によれば、製造される金属製部品、コネクティングロッドは、第1マンドレル部材と第1マンドレル部材よりも小さい第2マンドレル部材を用いて破断分割することにより、良好な破断面の形成、さらには高い精度での組み上げを実行することができる。
それ故、高品質の金属製部品、コネクティングロッドが提供できる。
本発明の一実施形態に係る態様の対象となるコネクティングロッドを示す正面図。 コネクティングロッドの大端部が分割される前の半製品たるワーク(金属製部品)を示す斜視図。 同ワーク(コネクティングロッド)を半割型のマンドレルで破断する破断装置を示す斜視図。 ワーク(コネクティングロッドの大端部)が破断される状況を順に説明する説明図。 破断されたワーク(コネクティングロッドの大端部)を示す斜視図。 破断面に生じた凹凸を突き合わせて位置決め、組み上げたワーク(コネクティングロッドの大端部)を示す斜視図。
以下、本発明を図1から図6に示す一実施形態にもとづいて説明する。
図1は、製品であるコネクティングロッド1(以下、コンロッド1という)の正面図を示している。ちなみにコネクティングロッド1は、一般の車両用エンジンを構成する金属製部品である。
コンロッド1は、ピストンピン孔3aを有する小端部3と、クランクピン孔5a(本願の貫通孔に相当)を有する大端部5と、これら小端部3と大端部5とを連結するロッド7とを有している。また大端部5は、クランクピン孔5aの側方に位置して一対のボルト孔9が設けられる。
大端部5は、クランクピン(図示しない)を挟み込めるよう、ロッド側の本体部11aとキャップ側の半円弧形のキャップ部11bとに分割される。つまり、コンロッド1は、各ボルト孔9に挿入されるコンロッドボルト13にて、クランクピンを挟み込んだまま、本体部11aとキャップ部11bとが締結される部品である。
このようなコンロッド1は、破断が行われる前の半製品として、例えば図2および図3に示されるような小端部3や大端部5やロッド7を有するワークB(金属製部品)が用いられる。大端部5のクランクピン孔5aの直径φXmmは、一般に30mmから100mmの範囲が用いられる(車両用エンジン)。
このワークBは、クランクピン孔5aの内周面(本願の貫通孔の側面に相当)の対向する各部位に、破断開始部となる溝部、例えばV形断面のV溝部17を有する。V溝部17は、いずれもクランクピン孔5aの一方の開口端から他方の開口端に連続して形成される。
こうしたワークBの大端部5は、図3に示される破断装置Aにて、V溝部17からロッド側とキャップ側とに破断分割される。その後、図5のように破断面βに生じた凹凸を突き合わせて、破断分割されたロッド側とキャップ側との破断面同士を位置決め、ロッド側とキャップ側とを組み上げると、ロッド側とキャップ側とが組み合せられる。つまり、コンロッド1は、こうした破断、組上げの工程により製造が行われる。
一方、ロッド側とキャップ側における位置決めを果たす破断装置Aは、例えば図3に示されるようなワークBを支持する支持部A1と、支持されたワークBの大端部5を破断させる拡張機構構A2(本願の荷重印加部に相当)とを有している。
支持部A1は、所定の姿勢でワークBを載せる支持台21から構成される。支持台21は、例えば水平方向を接離方向として変位可能な支持台片21a、21bから構成される。一方の支持台片21bの端側の支持面にはピン部25が突設され、ピン部25とは反対側となる、互いに向き合う支持台片21a,21bの端側の支持面には、半割型のマンドレル27が突設される。
例えばピン部25は、ワークBの小端部3のピストンピン孔3aと嵌挿可能な短柱形をなす。マンドレル27は、例えば一方の支持台片21aに配置される半円形状の第1マンドレル部材27aと、他方の支持台片21bに配置される半円形状の第2マンドレル部材27bを組み合わせた一組の半割形の部品で構成される。ちなみにマンドレル27は、大端部5のクランクピン孔5aと嵌挿可能である。
つまり、支持台21上で支持されるワークBは、小端部3がピン部25に嵌挿され、大端部5がマンドレル27に嵌挿される。また第1マンドレル部材27aおよび第2マンドレル部材27bの隣り合う側面には、それぞれテーパー面28が設けられる。これにより、テーパー面28間に、ワークBの全長方向に対し傾斜する楔形の打込み路29が形成される構造にしている。
拡張機構A2は、上記マンドレル27に、マンドレル27を押し開く楔部材31、楔部材31を打ち込む打込み機構部33を組み合わせて構成される。
すなわち、楔部材31は、打込み路29の出入り口に合わせて上下方向に延在する。楔部材31の先端となる下端には、楔形をなした楔部31aを有している。
この楔部材31の上端部と打込み機構部33とが連結されている。打込み機構部33は、楔部材31を上下方向に駆動する機構、例えばシリンダ機構などから構成される。つまり、打込み機構部33の作動により、楔部材31の先端の楔部31aが、マンドレル部材27a,27bのテーパー面28間へ打ち込まれる。
通常、大端部5を嵌挿したマンドレル27のテーパー面28間に楔部31aが打ち込まれると、テーパー面28間が押し開かれ、クランクピン孔5aを拡張する方向に荷重が加わる。これにより、第1マンドレル部材27a、第2マンドレル部材27bが、クランクピン孔5aの周面と密着する。そして、加わる荷重が破断荷重に達するにしたがい、大端部5が破断、すなわち破断開始部となるV溝部17から亀裂が生じて破断される。これにより大端部5が、ロッド側の本体部11aとキャップ側のキャップ部11bとに分割される。
ここで、破断されるワークBは、クランクピン孔5aを挟む方向、すなわちロッド側とキャップ側とで剛性が異なる異方性の金属製部品である。すなわちワークBは、V溝部17を境として長手方向で非対称の形状となるため、クランクピン孔5aを挟むロッド側(本願の一方側に相当)の本体部11aの剛性は高く、キャップ側(本願の他方側に相当)のキャップ部11bの剛性はそれよりも低い。
このため、第1マンドレル部材27aと第2マンドレル部材27bとが同じ径であると、破断の際、大端部5が非対称な弾性変形を伴いながら破断されるため、亀裂先端に加わる応力により、破断面βが屈曲したり斜めに割れたりして、目標破断面α(図2に図示)からずれて破断することが指摘される。
そこで、本実施形態の破断装置Aには、ワークB(金属製部品、コンロッド)の破断が目標破断面αに沿って行われる工夫が施されている。
これは、第1マンドレル部材27aを、ワークB(コンロッド)のうち剛性の低いキャップ側に位置してクランクピン孔5a(貫通孔)の周面(側面)と当接する部材とし、第2マンドレル部材27bを剛性が高いロッド側に位置してクランクピン孔5a(貫通孔)の周面と当接する部材としたとき、第1マンドレル部材27aはクランクピン孔5aの直径と対応した半円形状とし、第2マンドレル部材27bは第1マンドレル部材27aよりも微少に小さい径寸法の半円形状としたことにある。
すなわち、第1マンドレル部材27aと第1マンドレル部材27aは、直径で差があるため、大端部5の破断の際、第1マンドレル部材27aが,クランクピン孔5aの剛性の低い側の周面と密着され、第2マンドレル部材27bが、クランクピン孔5aの周面と半円形状の頂部とが密着、続いて頂部を挟む両側の周面へと徐々に密着が進むようになる。
つまり、第1マンドレル部材27aがクランクピン孔5aの周面と密着し続けている間、クランクピン孔5aの周面と離れていた第2マンドレル部材27bは、第2マンドレル部材27bの頂部とクランクピン孔5aの周面との密着から始まり、徐々にクランクピン孔5aの両側へと密着が進行される。
このクランクピン孔5aの周面と第2マンドレル部材27bとの密着の遅れを利用して、ワークB(金属製部品、コンロッド)に生ずる弾性変形を等方性の弾性変形に近づけるように補正して、剛性の低い側における弾性変形を抑制させる。最終的に第2マンドレル部材27bは、クランクピン孔5aの周面両側までも支えるため、ワークBに過度な応力が生じずにすむようにしている。こうした挙動にて、ワークBの大端部5に生ずる亀裂は、安定して目標破断面αに沿って進展される。
ちなみに本実施形態では、第1マンドレル部材27aと第2マンドレル部材27bとの最大直径差は、コンロッド1の材質や形状などから「50μm〜300μm」の範囲内の値が設定される。ここでは「50μm」が設定される。
特に本実施形態では、一般の車両用エンジンのコンロッド1(クランクピン孔5aの直径φXmmが30mm〜100mm)において、良好に亀裂が目標破断面αに沿って進展されるよう、第1マンドレル部材27aの直径をφX1mmとし、第2マンドレル部材27bの直径をφX2mmとしたとき、第1マンドレル部材27aの直径φX1mmと第2マンドレル部材の直径φX2mmとの直径差φΔXmmは、上限がコンロッド1のクランクピン孔5a(貫通孔)の直径φXに対し1%以下にしている(0mm<φΔXmm≦0.01φXmm)。
さらに第1マンドレル部材27aの直径が、クランクピン孔5a(貫通孔)の直径と差(公差)がある場合でも、差が無い場合でも、良好に亀裂が目標破断面αに沿って進展されるよう、第1マンドレル部材27aの直径φX1mmとクランクピン孔5aの直径φXmmとの差よりも、第2マンドレル部材27bの直径φX2mmとクランクピン孔5aの直径φXmmとの差が大きく、かつ上限の差が2mm以下となるようにしている[0mm≦(φXmm−φX1mm)<(φXmm−φX2mm)≦2mm]。
つぎに、図2〜図6を参照して、このように構成された破断装置Aの作用や、同破断装置Aを用いてワークB(金属製部品、コンロッド)を破断する破断方法や、同破断装置Aおよび同判断方法を用いてコンロッド1(金属製部品)を製造する製造方法を説明する。
まず、破断装置Aの作用、破断方法について説明する。
すなわち、図2に示したコンロッド1の半製品となるワークBを用意する。ちなみにワークBは、クランクピン孔5aの周面の対向する位置に一対のV溝部17を有する。
ついで、図3に示されるようにワークBを破断装置Aの支持台21上に載せる支持工程(本願の支持ステップに相当)を行う。
このとき、支持台片21a,21bの所定位置には、ピン部25、半割型のマンドレル27が配置されているため、小端部3がピン部25に嵌り、大端部5が半割型のマンドレル27に嵌る嵌挿工程(本願の嵌挿ステップに相当)が行われる。
この嵌挿工程によって、図3および図4(a)に示されるようにクランクピン孔5a(貫通孔)の直径と対応した半円形状の第1マンドレル部材27aは、ワークBのうちの剛性が低いキャップ側に嵌挿される。第1マンドレル部材27aよりも小さい半円形状の第2マンドレル部材27bは、剛性が高いロッド側に嵌挿される。
続いて、打込み機構部33の作動により、楔部材31が下降し、先端の楔部31aが、大端部5を嵌挿したマンドレル27のテーパー面28間へ打ち込まれる。これにより、密接状態の第1マンドレル部材27aと第2マンドレル部材27bとは押し開かれる。つまり、クランクピン孔5aを拡張する方向へ荷重を加える荷重印加工程(本願の荷重印加ステップに相当)が行われる。
このとき第1マンドレル部材27aは、クランクピン孔5aの直径と対応した径寸法であり、第2マンドレル部材27bは、第1マンドレル部材27aよりも小さい径寸法であるため、図4(b)、(c)に示されるように第1マンドレル部材27aはクランクピン孔5aの剛性の低い側の周面と密着され続ける。この間、第2マンドレル部材27bは、離れていたクランクピン孔5aの周面と半円形状の頂部S1とが密着する。続いて密着が、クランクピン孔5aの頂部S1を挟む両側の周面S2へと徐々に進む。このときV溝部17で亀裂が生じ、同亀裂が進展して、破断に至る。
つまり、第1マンドレル部材27aがクランクピン孔5aの周面と密着し続けている間に、クランクピン孔5aの周面と離れていた第2マンドレル部材27bが、クランクピン孔5aの周面と頂部との密着から始まり、徐々にクランクピン孔5aの両側へ密接が進行する。
こうしたクランクピン孔5aの周面と第2マンドレル部材27bとの密着の遅れにより、破断の際、ワークBの大端部5に生ずる弾性変形は、等方性の弾性変形に近づくよう補正される。これにより、剛性の低いキャップ側における弾性変形は抑制される。最終的に第2マンドレル部材27bは、クランクピン孔5aの周面両側までも支えるため、大端部5は過度な応力が生じずにすむ。
このため、ワークBに生ずる亀裂は、図4(b)に示されるように破断面が屈曲したり、斜めに割れたりすることなく、目標破断面αに沿って進展する。
つまり、本実施形態のように、径の小さい第2マンドレル部材27bを用いて、破断の際、剛性を等方性に近づける補正を行う破断装置Aや破断方法を採用したことにより、ワークB(金属製部品、コンロッド)の破断の際、過度な応力の発生を抑えつつ、亀裂を好適に目標破断面αに沿って進展させることができる。
それ故、良好にワークB(金属製部品、コンロッド)を破断することができる。実験によれば、第1マンドレル部材27aと第2マンドレル部材27bの最大直径差が、絶対値でいえば「50μm〜300μm」の範囲内の値が有効であった。
また実験の結果、第1マンドレル部材の直径φX1mmと第2マンドレル部材の直径φX2mmとの直径差φΔXmmの上限をコンロッド1のクランクピン孔5a(貫通孔)の直径φXmmの1%以下のとき(0mm<φΔXmm≦0.01φXmm)、一般のコンロッド1(クランクピン孔5aの直径が30mm〜100mm、好ましくは40mm〜70mm)においては、直径差が大きくなりすぎによる亀裂のずれの発生を抑えられることが立証された。このため、事前にこの範囲内に直径差φΔXmmを定めておきさえすれば、良好にワークB(金属製部品、コンロッド)を破断することができる。
また実験の結果、第1マンドレル部材27aの直径φX1mmとクランクピン孔5aの直径φXmmとの差よりも、第2マンドレル部材27bの直径φX2mmとクランクピン孔5aの直径φXmmとの差が大きく、かつ上限の差が2mm以下のとき[0mm≦(φXmm−φX1mm)<(φXmm−φX2mm)≦2mm]、一般のコンロッド1(クランクピン孔5aの直径が30mm〜100mm、好ましくは40mm〜70mm)においては、破断の際における亀裂のずれの発生が抑えられることが確認できた。
このため、事前にこの範囲内に直径差φΔXmmを定めておきさえすれば、図4(a)のように第1マンドレル部材27aの直径φX1mmとクランクピン孔5aの直径とが差(公差)のある場合に限らず、差が無い場合についても、良好なコンロッド1の破断ができる。つまり、亀裂を目標破断面αに沿って進展させることができる。
一方、こうしたワークBを破断分割する破断工程(本願の破断ステップに相当)を終えた後は、図6に示されるような破断分割した大端部5を組み上げる組上げ工程(本願の組上げステップに相当)を行う。
組上げ工程は、本体部11aの破断面βに生じた凹凸と、キャップ部11bの破断面βに生じた凹凸とを位置決めに用いて、元の状態に戻す。具体的には、図6に示されるように本体部11aとキャップ部11bの破断面同士を突き合わせて、大端部5を形成する。そして、この凹凸によって高精度に位置決めされた状態のまま、コンロッドボルト13にて、キャップ部11bを本体部11aに締結することにより、コンロッド1が製造される。
さらに述べると、この組み上げた状態から、例えば機械加工などにより、例えばクランクピン孔5aの内周面に図6中の二点鎖線に示される位置まで仕上げ加工を施すと、V溝部17跡が解消され、滑らかな周面をもつコンロッド1となる。
むろん、V溝部17から破断を開始させる例を挙げたが、V溝部17を用いず他の部分から破断させても構わない。
なお、本発明は、上述した一実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々可変して実施しても構わない。例えば上述した一実施形態では、金属製部品としてコンロッドを例に挙げたが、これに限らず、シリンダーブロック、シリンダーヘッドなどの他の金属製部品の破断に、本発明を適用してもよい。特に本発明は、シリンダーブロック、シリンダーヘッドのように片側の剛性だけが極端に高い金属製部品(剛性差が極端に違う場合)に極めて有効である
5a クランクピン孔(貫通孔)
27 半割型のマンドレル
27a 第1マンドレル部材
27b 第2マンドレル部材
33 打込み機構部(荷重印加部)
A 破断装置
A1 支持部
A2 拡張機構(荷重印加部)
B ワーク(金属製部品、コネクティングロッド)

Claims (10)

  1. 貫通孔を備え、且つ前記貫通孔を挟む一方側が他方側よりも剛性が高くなる金属製部品を破断させる金属製部品の破断装置であって、
    前記金属製部品を支持する支持部と、
    前記金属製部品の前記貫通孔に嵌挿される半割型のマンドレルと、
    前記貫通孔を拡張する方向に前記マンドレルに対して荷重を加える荷重印加部と、を有し、
    前記半割型のマンドレルは、前記金属製部品のうちの剛性が低い側に位置する前記貫通孔の側面に当接し且つ前記貫通孔の直径と対応した半円形状の第1マンドレル部材と、前記金属製部品のうちの剛性が高い側に位置する前記貫通孔の側面に当接し且つ前記第1マンドレル部材よりも小さい径寸法の半円形状の第2マンドレル部材とからなる
    ことを特徴とする金属製部品の破断装置。
  2. 貫通孔を備え、且つ前記貫通孔を挟む一方側が他方側よりも剛性が高くなるコネクティングロッドを破断させるコネクティングロッドの破断装置であって、
    前記コネクティングロッドを支持する支持部と、
    前記コネクティングロッドの前記貫通孔に嵌挿される半割型のマンドレルと、
    前記マンドレルに対して、前記貫通孔を拡張する方向に荷重を加える荷重印加部と、を有し、
    前記半割型のマンドレルは、前記コネクティングロッドのうちの剛性が低い側に位置する前記貫通孔の側面に当接し且つ前記貫通孔の直径と対応した半円形状の第1マンドレル部材と、前記コネクティングロッドのうちの剛性が高い側に位置する前記貫通孔の側面に当接し且つ前記第1マンドレル部材よりも小さい径寸法の半円形状の第2マンドレル部材とからなる
    ことを特徴とするコネクティングロッドの破断装置。
  3. 前記第1マンドレル部材の直径をφX1mmとし、前記第2マンドレル部材の直径をφX2mmとし、
    前記コネクティングロッドの貫通孔の直径をφXmmとしたとき、
    前記第1マンドレル部材の直径φX1mmと前記第2マンドレル部材の直径φX2mmとの直径差φΔXmmは、上限が前記コネクティングロッドの貫通孔の直径φXmmに対し1%以下にしてある
    ことを特徴とする請求項2に記載のコネクティングロッドの破断装置。
  4. さらに、前記貫通孔の直径に対する前記第1マンドレル部材の直径と前記第2マンドレル部材の直径との関係が、
    0mm≦(φXmm−φX1mm)<(φXmm−φX2mm)≦2mm
    なる関係であることを特徴とする請求項3に記載のコネクティングロッドの破断装置。
  5. 貫通孔を備え、且つ前記貫通孔を挟む一方側が他方側よりも剛性が高くなる金属製部品を破断させる金属製部品の破断方法であって、
    前記金属製部品を支持する支持ステップと、
    前記貫通孔の直径と対応した半円形状の第1マンドレル部材と、第1マンドレル部材よりも小さい径寸法の半円形状の第2マンドレル部材とからなる半割型のマンドレルを前記金属製部品の貫通孔に嵌挿する嵌挿ステップと、
    前記第1マンドレル部材及び前記第2マンドレル部材に対して、前記貫通孔を拡張する方向に荷重を加える荷重印加ステップと、を有し、
    前記嵌挿ステップにおいて、前記金属製部品のうちの剛性が低い側に位置する前記貫通孔の側面に前記第1マンドレル部材を当接させ、前記金属製部品のうちの剛性が高い側に位置する前記貫通孔の側面に第2マンドレル部材を当接させる
    ことを特徴とする金属製部品の破断方法。
  6. 貫通孔を備え、且つ前記貫通孔を挟む一方側が他方側よりも剛性が高くなるコネクティングロッドを破断させるコネクティングロッドの破断方法であって、
    前記コネクティングロッドを支持する支持ステップと、
    前記貫通孔の直径と対応した半円形状の第1マンドレル部材と、第1マンドレル部材よりも小さい径寸法の半円形状の第2マンドレル部材とからなる半割型のマンドレルを前記コネクティングロッドの貫通孔に嵌挿する嵌挿ステップと、
    前記第1マンドレル部材及び前記第2マンドレル部材に対して、前記貫通孔を拡張する方向に荷重を加える荷重印加ステップと、を有し、
    前記嵌挿ステップにおいて、前記コネクティングロッドのうちの剛性が低い側に位置する前記貫通孔の側面に前記第1マンドレル部材を当接させ、前記コネクティングロッドのうちの剛性が高い側に位置する前記貫通孔の側面に第2マンドレル部材を当接させる
    ことを特徴とするコネクティングロッドの破断方法。
  7. 前記第1マンドレル部材の直径をφX1mmとし、前記第2マンドレル部材の直径をφX2mmとし、
    コネクティングロッドの貫通孔の直径をφXmmとしたとき、
    前記第1マンドレル部材の直径φX1mmと前記第2マンドレル部材の直径φX2mmとの直径差φΔXmmは、上限が前記コネクティングロッドの貫通孔の直径φXmmに対し1%以下にしてある
    ことを特徴とする請求項6に記載のコネクティングロッドの破断方法。
  8. さらに、前記貫通孔の直径に対する前記第1マンドレル部材の直径と前記第2マンドレル部材の直径との関係が、
    0mm≦(φXmm−φX1mm)<(φXmm−φX2mm)≦2mm
    なる関係であることを特徴とする請求項7に記載のコネクティングロッドの破断方法。
  9. 貫通孔を備え、且つ前記貫通孔を挟む一方側が他方側よりも剛性が高い金属製部品を、前記請求項5に記載の金属製部品の破断方法により破断分割する破断ステップと、
    前記破断分割された金属製部品を、破断面同士を突き合わせて組み上げる組上げステップと
    を具備した金属製部品の製造方法。
  10. 貫通孔を備え、且つ前記貫通孔を挟む一方側が他方側よりも剛性が高いコネクティングロッドを、前記請求項6〜8のいずれか一項に記載のコネクティングロッドの破断方法により破断分割する破断ステップと、
    前記破断分割されたコネクティングロッドを、破断面同士を突き合わせて組み上げる組上げステップと
    を具備したコネクティングロッドの製造方法。
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