JP2020163452A - ろう付け用表面処理基材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐食性およびろう付け接合性に優れ、しかも成形加工後におけるろう材層の剥離を防止することができるろう付け用表面処理基材を提供すること。【解決手段】基材と、前記基材上に形成されたCr層と、前記Cr層上に形成されたNi−P層と、を備え、前記Ni−P層は、CuKαを線源とするX線回折測定によって検出される回折角2θが43〜45°の範囲にピークトップを有するピークのうち、ピークトップの強度が最も高いピークPAについて、前記ピークPAの半値幅が、2°以下であるろう付け用表面処理基材を提供する。【選択図】図4

Description

本発明は、ろう付け用表面処理基材およびその製造方法に関する。
従来、耐食性が要求される熱交換器として、プレス成型等により凹凸構造を形成したステンレス鋼板を、ろう付けにより積層させることで、ステンレス鋼板の凹凸構造同士により形成される隙間を冷媒等の流路としたプレート式熱交換器が知られている。
このようなプレート式熱交換器を製造するためのろう付け用ステンレス鋼板として、たとえば、特許文献1には、ステンレス鋼上に、クロム系ろう材層およびニッケル系ろう材層を、この順で形成してなるろう付け用表面処理基材が開示されている。
特開2002−28775号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のろう付け用ステンレス鋼板は、成形前にろう材層を形成した場合、プレート式熱交換器等を製造するために、プレス加工などによって所望の形状に成形しようとすると、成形時の応力により、ニッケル系ろう材層が剥離してしまうという問題が生じることが分かった。ろう材層が剥離してしまうと、基材であるステンレス鋼板が表面に露出して耐食性が低下してしまうとともに、ろう材層が一部でも剥離していた場合は、ろう付け接合が不十分となる問題が生じる。さらに、一部分の剥離を起点とし剥離が広がった場合や、加工度合が厳しい加工が施されることにより全面的に剥離してしまった場合には、そもそもろう付け接合ができないという問題が生じた。
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであり、耐食性およびろう付け接合性に優れ、しかも成形加工後におけるろう材層の剥離を防止することができるろう付け用表面処理基材およびその製造方法を提供することである。
本発明者等は、基材上に、Cr層と、特定のNi−P層とを、この順で形成することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、基材と、前記基材上に形成されたCr層と、前記Cr層上に形成されたNi−P層と、を備え、前記Ni−P層は、CuKαを線源とするX線回折測定によって検出される回折角2θが43〜45°の範囲にピークトップを有するピークのうち、ピークトップの強度が最も高いピークPについて、前記ピークPの半値幅が、2°以下であるろう付け用表面処理基材が提供される。
本発明のろう付け用表面処理基材において、前記Ni−P層は、CuKαを線源とするX線回折測定を行った場合に、前記ピークPのピークトップの強度Iに対する、回折角2θが50〜54°の範囲にピークトップを有するピークのうちピークトップの強度が最も高いピークPにおけるピークトップの強度Iの比(I/I)が、0.2未満であることが好ましい。
本発明のろう付け用表面処理基材において、前記Ni−P層は、CuKαを線源とするX線回折測定を行った場合に、前記ピークPのピークトップの強度Iに対する、回折角2θが96〜100°の範囲にピークトップを有するピークのうちピークトップの強度が最も高いピークPのピークトップの強度Iの比(I/I)が、0.2以上であることが好ましい。
本発明のろう付け用表面処理基材において、前記Ni−P層中におけるPの含有割合が5〜20wt%であることが好ましい。
本発明のろう付け用表面処理基材において、前記基材がステンレス鋼であることが好ましい。
さらに、本発明によれば、上記いずれかのろう付け用表面処理基材を用いて形成された成形体が提供される。
前記成形体は凹凸構造を有することが好ましい。
また、本発明によれば、上記いずれかのろう付け用表面処理基材を用いて形成されたプレス成形体が提供される。
前記プレス成形体は凹凸構造を有することが好ましい。
また、本発明によれば、基材の少なくとも一方の面に、Crめっき層を形成する工程と、前記Crめっき層上に、Ni−Pめっき層を形成する工程と、前記Crめっき層および前記Ni−Pめっき層を形成した基材に対して、温度400〜800℃の条件で熱処理を施す工程と、を備えるろう付け用表面処理基材の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、上記の製造方法により得られたろう付け用表面処理基材を、プレス加工により少なくとも一部に凹凸構造を有するように成形する工程を備える成形体の製造方法が提供される。
本発明によれば、耐食性およびろう付け接合性に優れ、しかも成形加工後におけるろう材層の剥離を防止することができるろう付け用表面処理基材およびその製造方法を提供することができる。
本発明に係るろう付け用表面処理基材を用いて形成される伝熱板を備えるプレート式熱交換器の一実施の形態を示す斜視図である。 図1に示すプレート式熱交換器に備えられている伝熱板の断面図である。 本実施形態におけるプレート式熱交換器の他の例を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るろう付け用表面処理基材の断面図である。 実施例1〜3,5,6の表面処理基材について、ろう材層の加工密着性の評価を行った結果を示す写真である。 比較例1〜3の表面処理基材について、ろう材層の加工密着性の評価を行った結果を示す写真である。 実施例1の表面処理基材について、X線回折測定を行った結果を示すグラフである。 実施例5の表面処理基材について、X線回折測定を行った結果を示すグラフである。 比較例1の表面処理基材について、X線回折測定を行った結果を示すグラフである。
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態について説明する。本発明に係るろう付け用表面処理基材は、熱処理を施すことでろう付け可能であり、ろう付けにより積層することで形成することができる部品や、ろう付けにより他の部材と接合することで形成することができる部品に用いることができ、特に耐食性が求められる部品に用いることができる。たとえば、本発明に係るろう付け用表面処理基材は、図1,2に示すように、プレート式熱交換器2を構成する伝熱板23を形成するために用いることができる。以下においては、プレート式熱交換器2の伝熱板23として、本発明に係るろう付け用表面処理基材を用いた実施形態にて、本発明を説明する。
図1は、本発明に係るろう付け用表面処理基材を用いて形成された伝熱板23を備えるプレート式熱交換器2の一実施の形態を示す斜視図である。
図1に示すプレート式熱交換器2は、内部に図2に示す伝熱板23を備え、冷媒等の流体が、図1に示す矢印の方向に沿って流体入口21からプレート式熱交換器2の内部に流れ込み、複数の伝熱板23の間に形成される流体流路24を通った後、流体出口22から、図1に示す矢印の方向に沿ってプレート式熱交換器2から流れ出ていくように構成されている。
プレート式熱交換器2を構成する伝熱板23は、本発明に係るろう付け用表面処理基材を、プレス等の成型方法により、所望の形状に成形することにより得ることができ、たとえば、図2に示す伝熱板23のような波型の形状とすることができる。本実施形態においては、このような伝熱板23を複数準備して、図2に示すように介在部材25を介して重ね合わせた状態で、熱処理を施すことで、伝熱板23と介在部材25とが接触している部分において、伝熱板23の最表層が溶融してろう付けが行われ、これにより、伝熱板23と介在部材25とが接合され、伝熱板23と介在部材25との隙間に流体流路24を形成することができる。また、本実施形態においては、図3に示すように、所望の形状に成形した伝熱板23を、プレート式熱交換器の外層を構成する外層部材26に対してろう付け接合することで、伝熱板23と外層部材26との間に流体流路24aを形成し、これによりプレート式熱交換器を製造してもよい。以下、図4を参照して、本発明に係るろう付け用表面処理基材(以下、表面処理基材1とも称する)の構成について説明する。
図4は、図2、図3に示す伝熱板23を製造するために用いる、表面処理基材1の断面図である。本実施形態の表面処理基材1は、図4に示すように、基材11上に、Cr層12およびNi−P層13が、この順で形成されてなる。
本実施形態の表面処理基材1においては、Ni−P層13は、CuKαを線源とするX線回折測定によって検出される回折角2θが43〜45°の範囲にピークトップを有するピークのうち、ピークトップの強度が最も高いピークPについて、前記ピークPの半値幅が、2°以下である。これにより、本実施形態の表面処理基材1は、Cr層12とNi−P層13との密着性が向上し、成形加工後におけるろう材層(Ni−P層13)の剥離を有効に防止することができるようになり、プレート式熱交換器等に用いた場合において、ろう材層の剥離によって表面処理基材1の基材11が露出してしまうことによる耐食性の低下を防止することができるとともに、ろう材層の剥離によるろう付け接合性の低下も防止することができる。
<基材11>
本実施形態の基材11としては、特に限定されないが、成形加工性に優れるという観点より普通鋼と呼ばれる炭素鋼やステンレス鋼に代表される合金鋼が好ましく、特により耐食性を必要とする場合には基材の耐食性がより優れるという観点より、ステンレス鋼板を用いることが好ましい。ステンレス鋼板としては、マルテンサイト系、フェライト系、オーステナイト系などが挙げられるが、なかでも、オーステナイト系ステンレス鋼板が好ましく、SUS304、SUS316が特に好ましい。しかしながら、めっき層自体の耐食性も優れている事から、基材として炭素鋼を用いても、得られる表面処理基材1は十分な耐食性を有する事ができる。
基材11としてステンレス鋼板を用いる場合には、ステンレス鋼の熱間圧延板を酸洗して表面のスケール(酸化膜)を除去した後、冷間圧延し、次いで電解洗浄後に、焼鈍、調質圧延したもの、または冷間圧延、電解洗浄後、焼鈍をせずに調質圧延を施したもの等を用いることができる。
基材11の厚みは特に限定されないが、得られる表面処理基材1の強度および加工性をよりバランスに優れたものとすることができるという観点より、好ましくは0.1〜1.0mm、より好ましくは0.1〜0.5mm、さらに好ましくは0.1〜0.3mmである。
本実施形態においては、基材11としては、形状が平板状のものを用いることが好ましい。基材11として平板状のものを用いることにより、基材11上に、より均一なCr層12およびNi−P層13を形成することができるようになる。しかも、本実施形態の表面処理基材1によれば、上述したように特定のNi−P層13を形成することによって、成形加工後におけるろう材層(Ni−P層13)の剥離を有効に防止することができるものであり、基材11上にCr層12およびNi−P層13を形成してなる平板状の表面処理基材1を、プレス加工等によって所望の形状に良好に成形することができるものである。
なお、従来においては、予めプレス加工等によって基材に対して流体流路等の凹凸構造を形成し、凹凸構造が形成された基材に対して、Crめっき層およびNi−Pめっき層をこの順で形成することで、ろう付け用ステンレス鋼板を製造する方法が知られているが、このような製造方法では、Crめっき層およびNi−Pめっき層を形成する対象となる基材が、予め凹凸構造が成形されたものであるため、めっき処理によりCrめっき層およびNi−Pめっき層を形成する際に、平板状の基材に対してめっき処理を行うのと比べて、連続生産性に劣るという問題があり、しかも、成形された基材の形状によっては、均一なめっき層を形成することができないという問題もあった。
これに対して、本実施形態によれば、平板状の基材11を用いた場合においても、基材11上に均一なCr層12およびNi−P層13を形成して平板状の表面処理基材1を得た後、この表面処理基材1をプレス加工等によって図2、図3に示すような伝熱板23の形状に成形した際に、上述したようにろう材層(Ni−P層13)の剥離を防止することができるため、これにより、生産性に優れ、Cr層12およびNi−P層13が均一に形成されることで耐食性およびろう付け接合性に優れ、しかも成形加工後におけるろう材層(Ni−P層13)の剥離を防止することが可能となる。
<Cr層12>
Cr層12は、後述するNi−P層13の下層として形成される層である。本実施形態においては、Ni−P層13の下層としてCr層12が存在することにより、表面処理基材1の耐食性を向上させることが可能となる。
本実施形態においては、Cr層12は、基材11に対して、電気めっきにより、Crめっきを施すことにより形成することができる。この際には、めっき浴としては、公知のTFS(ティンフリースチール)用のめっき浴、Crめっき用のサージェント浴などを用いることができ、クロム酸の濃度としては100〜300g/L、硫酸の濃度としては1〜3g/Lであることが好ましい。電気めっきの条件としては、特に限定されないが、たとえば、浴温が、好ましくは45〜60℃、より好ましくは50〜60℃であり、電流密度が、好ましくは20〜60A/dm、より好ましくは50〜60A/dmである。
Cr層12の厚みtは、特に限定されないが、好ましくは0.5〜5μm、より好ましくは1〜3μmである。Cr層12の厚みtを上記範囲とすることにより、得られる表面処理基材1の耐食性をより向上させることができる。なお、本実施形態において、Cr層12はCrめっき後の熱処理によってNi−Pめっきから拡散したNiまたはPを層の一部または層全体に含有したCr層であってもよい。ただし、表面処理基材としてのNi−P層13の最表面にはCrを含まないことが好ましい。このような構成は、例えばGDSによる厚み方向の元素分析など公知の手法を用いて確認することができる。
<Ni−P層13>
Ni−P層13は、ろう材として作用し、表面処理基材1を、他の部材(他の表面処理基材1や、他の材料からなる部材)とろう付け接合することができるようにするものである。Ni−P層13中のPの含有割合は、特に限定されないが、ろう付け温度の低温化の観点から、Pの含有割合が、好ましくは5wt%以上、より好ましくは7wt%以上であり、さらに好ましくは9wt%以上である。Pの含有割合の上限は、特に限定されないが、Ni−P層13をめっきで形成する際の困難性やめっき効率の観点から好ましくは20wt%以下、より好ましくは15wt%以下、さらに好ましくは13wt%以下である。めっき効率とは、陰極電解効率が100%の場合にめっきされる金属の理論析出量に対する、実際の析出量を百分率で表した値(実析出量/理論析出量×100)である。なお、Ni−P層はNi(ニッケル)とP(リン)からなる層であるが、NiおよびP以外の元素については不純物程度に含まれていてもよい。NiおよびP以外の元素の合計割合については好ましくは1wt%未満、より好ましくは0.5wt%未満である。
本実施形態の表面処理基材1においては、Ni−P層13は、CuKαを線源とするX線回折測定によって検出される回折角2θが43〜45°の範囲にピークトップを有するピークのうち、ピークトップの強度が最も高いピークPについて、該ピークPの半値幅が、2°以下であり、好ましくは1°以下、より好ましくは0.5°以下である。ピークPの半値幅が2°超である場合には、得られる表面処理基材は、Cr層とNi−P層との密着性が低下してしまい、この表面処理基材を成形加工した際に、ろう材層(Ni−P層)が剥離してしまうおそれがある。
上述した回折角2θが43〜45°の範囲におけるピークPは、Ni−Pに由来するピークであり、Niの(111)面の回折ピーク(2θ=44°の位置に現れるピーク)に相当するものであると考えられる。本発明者等は、このピークPの半値幅を2°以下に制御することで(すなわち、ピークPを、半値幅が2°以下であるシャープなピークに制御して、Ni−P層13を構成するNi−Pの結晶性を比較的高いものとすることで)、Ni−P層13中の内部応力が緩和し、Ni−P層13の表面における歪みを低下させることができるとの知見を得て、このような知見に基づいて、Ni−P層13の表面の歪みを低下させることで、Cr層12とNi−P層13との密着性が向上し、得られる表面処理基材1を成形加工した場合におけるNi−P層13の剥離を有効に防止することができることを見出した。特に、上記ピークPの半値幅を2°以下に制御することによって、表面処理基材1に対してプレス等の方法により成形加工を施し、めっき層(Cr層12およびNi−P層13)の厚み以上の高さの凸部および/または凹部を有する凹凸構造が形成された成形体を製造した場合においても、ろう材層(Ni−P層13)の剥離を有効に防止することが可能となる。そのため、本実施形態の表面処理基材1によれば、表面処理基材1をプレート式熱交換器等に適用した場合において、ろう材層の剥離によって表面処理基材1の基材11が露出してしまうことによる耐食性の低下を防止することができるとともに、ろう材層の剥離によるろう付け接合性の低下も防止することが可能となる。
本実施形態においては、上述したNi−P層13を形成する方法としては、基材11上に形成したCr層12上に対して、電気めっきによりNi−Pめっきを施すことによりNi−Pめっき層(Pを含むNiめっき層)を形成し、形成したNi−Pめっき層に対して熱処理を施す方法を用いることができる。この際においては、Ni−Pめっき層を形成するためのめっき浴としては、特に限定されないが、たとえば硫酸ニッケル等のニッケル塩、亜リン酸ナトリウム等のリン成分を含有してなるめっき浴などが挙げられる。Ni−Pめっき層を形成するためのめっき条件は、特に限定されないが、浴温が、好ましくは40〜70℃、より好ましくは50〜60℃であり、めっき浴のpHが、好ましくは1.5〜2.5、より好ましくは1.8〜2.2、電流密度が1〜20A/dm、より好ましくは5〜15A/dmである。なお、本実施形態においては、Cr電解めっき層およびNi−P電解めっき層を形成した後に熱処理を施すことにより、工業的に生産性を伴って、連続処理によって一定幅(幅10〜150cm)かつ長さ10〜40000m以上の表面処理基材の連続金属帯を得ることが可能となり、このような連続金属帯から得られる表面処理基材はろう付け用および成形体用に好適である。
Ni−Pめっき層に対して熱処理を行う際における熱処理条件としては、特に限定されないが、Ni−P層13におけるピークPの半値幅を上記範囲に制御するという観点から、熱処理温度が、好ましくは400〜800℃、より好ましくは600〜800℃、さらに好ましくは700〜800℃である。また、熱処理を行う際の熱処理時間(昇温および均熱に要するトータルの熱処理時間)は、好ましくは30〜240秒、より好ましくは60〜180秒、さらに好ましくは100〜140秒であり、このような熱処理時間のうち、温度が目標値に到達した後の均熱時間としては、30秒以上が望ましい。
さらに、本実施形態においては、Ni−P層13は、CuKαを線源とするX線回折測定を行った場合に、前記ピークPのピークトップの強度Iに対する、回折角2θが50〜54°の範囲にピークトップを有するピークのうちピークトップの強度が最も高いピークPにおけるピークトップの強度Iの比(I/I)が、好ましくは0.2未満、より好ましくは0.1以下、さらに好ましくは0.05以下である。ピークの強度比(I/I)を上記範囲とすることにより、表面処理基材1を成形加工した場合におけるNi−P層13の密着性がより向上する。なお、上述した回折角2θが50〜54°の範囲におけるピークPは、Ni−Pに由来するピークであり、Ni基合金の(200)面に由来するピーク(2θ=51.85°の位置に現れるピーク)に相当するものであると考えられる。
ピークの強度比(I/I)を上記範囲とする方法としては、特に限定されないが、Ni−Pめっき層に対して熱処理を施す場合における熱処理温度の条件を、600℃以上とする方法が挙げられる。
さらに、本実施形態においては、Ni−P層13は、CuKαを線源とするX線回折測定を行った場合に、前記ピークPのピークトップの強度Iに対する、回折角2θが96〜100°の範囲にピークトップを有するピークのうちピークトップの強度が最も高いピークPのピークトップの強度Iの比(I/I)が、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.26以上、さらに好ましくは0.28以上である。ピークの強度比(I/I)を上記範囲とすることにより、表面処理基材1を成形加工した場合におけるNi−P層13の密着性がより向上する。特に、本実施形態においては、上述したピークの強度比(I/I)を上記範囲に制御し、かつ、ピークの強度比(I/I)も上記範囲に制御することによって、表面処理基材1を成形加工した場合におけるNi−P層13の密着性をさらに向上させることができる。なお、上述した回折角2θが96〜100°の範囲におけるピークPは、Ni−Pに由来するピークであり、Ni基合金の(222)面に由来するピーク(2θ=98°の位置に現れるピーク)に相当するものであると考えられる。
上述したピークの強度比(I/I)を上記範囲に制御し、かつ、ピークの強度比(I/I)を上記範囲とする方法としては、特に限定されないが、Ni−Pめっき層に対して熱処理を施す場合における熱処理温度の条件を、700℃以上とする方法が挙げられる。
Ni−P層13の厚みtは、特に限定されないが、好ましくは3〜20μmである。特に、Ni−P層13の厚みtの下限は、得られる表面処理基材1のろう付け接合性をより向上させるという観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは6μm以上、さらに好ましくは8μm以上である。Ni−P層13の厚みtの上限は、形成されるNi−P層13の幅方向の均一性をより向上させ、得られる表面処理基材1をろう付けする際のろう垂れをより有効に防止し、表面処理基材1の生産性をより向上させるという観点から15μm以下が好ましく、より好ましくは14μm以下である。Ni−P層13の厚みtを上記範囲とすることにより、得られる表面処理基材1のろう付け接合性をより向上させることができる。またNi−P層13形成後に得られた表面処理基材1を加工する場合、表面処理基材1に対する加工度によっては、Ni−P層13の厚みtが厚すぎると加工でNi−P層13の割れや剥離が発生してしまうおそれがあり、特にプレス成形等によって、めっき層(Cr層12およびNi−P層13)の厚み以上の高さの凸部および/または凹部を有する凹凸構造が形成された成形体とする場合であって、表面処理基材1の平面部に対して角度90度(たとえば、角度87〜90度)の曲げ部を有する凹凸構造が形成された成形体とする場合や、表面処理基材1の平面部に対して角度80度以上の曲げ部を有する凹凸構造が形成された成形体とする場合、または曲げ半径R=10mm以下の曲面を有する凹凸構造、前記曲げ部や曲面が連続した連続凹凸構造を有する成形体とする場合などの加工度が厳しい時にはNi−P層13の厚みtは15μm以下が好ましい。
また、本実施形態においては、Ni−P層13の厚みtに対する、Cr層12の厚みtの比(Cr層12の厚みt/Ni−P層13の厚みt)は、好ましくは0.05〜0.5、より好ましくは0.1〜0.4、さらに好ましくは0.2〜0.3である。Cr層12およびNi−P層13の厚みの比を上記範囲とすることにより、得られる表面処理基材1について、耐食性、ろう付け接合性、および成形加工後のNi−P層13の密着性を、より高度にバランスさせることができるようになる。
本実施形態の表面処理基材1は、以上のようにして構成される。
<表面処理基材1の製造方法>
次いで、本実施形態の表面処理基材1の製造方法について、説明する。
まず、基材11を準備する。基材11の形状としては、特に限定されないが、平板状のものを用いることが好ましい。次いで、基材11に対して、電気めっきにより、Crめっきを施すことにより、Crめっき層を形成する。Crめっきの条件は、特に限定されないが、上述した条件とすることが好ましい。
続いて、基材11に形成したCrめっき層上に、電気めっきによりNi−Pめっきを施すことによりNi−Pめっき層を形成する。なお、Crめっき層とNi−Pめっき層との密着性をより向上させることができるという観点より、Crめっき層には、予め、公知の方法によりNiストライク被膜を形成しておき、Crめっき層上に、Niストライク被膜を介して、Ni−Pめっき層を形成することが好ましい。
次いで、Crめっき層およびNi−Pめっき層を形成した基材11に対して、特定の条件にて熱処理を施すことで、図4に示すように、基材11上にCr層12およびNi−P層13がこの順で形成されてなる表面処理基材1が得られる。本実施形態においては、特定の条件にて熱処理を施すことにより、Ni−Pめっき層は、結晶化が進み、上述した回折角2θが43〜45°の範囲におけるピークPの半値幅が上記範囲に制御されたものとなることで、Cr層12とNi−P層13との密着性が向上するとともに、熱処理によってCr層12とNi−P層13とが相互に熱拡散することで、Cr層12とNi−P層13との密着性がより向上する。
熱処理の条件としては、熱処理温度が、400〜800℃であればよく、好ましくは600〜800℃、より好ましくは700〜800℃である。熱処理温度が低すぎると、Ni−Pめっき層の内部応力の緩和が不十分となり、形成されるCr層12とNi−P層13との密着性を向上させる効果が不十分になる。一方、熱処理温度が高すぎると、Ni−Pめっき層13の融点を超えてしまった場合、Ni-Pめっき層13が溶融して流出してしまい、Ni-Pめっき層13のめっき皮膜厚みや組成の均一性が失われてしまうという不具合が発生するおそれがある。また、融点付近での熱処理においてもNi-Pめっき層13のめっき皮膜が部分的に流動し、均一性が失われるおそれがある。Ni−Pめっき層13の融点はPの含有割合の影響が大きく、特にNi−Pめっき層13におけるPの含有割合が5〜20wt%の場合においては、上述した不具合の発生を防止するために、熱処理温度は800℃以下が好ましい。
また、熱処理を行う際の熱処理時間(昇温および均熱に要するトータルの熱処理時間)は、Ni−Pめっき層の結晶化をより良好に行うことができるという観点より、好ましくは30〜240秒、より好ましくは60〜180秒、さらに好ましくは100〜140秒であり、このような熱処理時間のうち、温度が目標値に到達した後の均熱時間としては、30秒以上が望ましい。熱処理を行う際の熱処理雰囲気は、非酸化性雰囲気または還元性保護ガス雰囲気とすることが好ましい。熱処理を施す方法としては、特に限定されず、連続焼鈍および箱型焼鈍のいずれで行なってもよい。箱型焼鈍で熱処理を行う場合は、例えば、400℃で1時間程度の熱処理を施しても良い。
本実施形態の表面処理基材1は、以上のようにして製造される。
本実施形態の表面処理基材1は、基材11上に、Cr層12と、上述した特定のNi−P層13とを、この順で形成してなるものであるため、たとえば、図2,3に示すように、表面処理基材1をプレス加工等により所望の形状に成形して成形体とした後、他の部材(他の表面処理基材1や、他の材料からなる部材)と接触させた状態で、熱処理により最表層(Ni−P層13)を溶融させると、Ni−P層13がろう材として作用して表面処理基材1と他の部材との接触部分をろう付け接合することができる。本実施形態の表面処理基材1によれば、Cr層12が形成されていることによって耐食性に優れたものとなり、しかも、上述した特定のNi−P層13が形成されていることによって、表面処理基材1をプレス加工等により成形して成形体とした場合においても、Ni−P層13の剥離を防止することができ、これにより、Ni−P層13の剥離によって表面処理基材1の基材11が露出してしまうことによる耐食性の低下を防止することができるとともに、Ni−P層13の剥離によるろう付け接合性の低下も防止することが可能となる。そのため、本実施形態の表面処理基材1は、成形加工後のろう付け接合性および耐食性が求められるプレート式熱交換器の材料等として好適に用いることができる。
なお、従来においては、プレート式熱交換器等を製造する方法としては、予め基材に対してプレス加工等を施すことによって流体流路等の凹凸構造を形成し、この基材上に、Ni系ろう材等のペーストを塗布し、該ペーストを塗布した基材を、他の部材に接触させて、ろう付け接合する方法も知られているが、このような方法では、プレート式熱交換器等を製造する場合に、ろう付け接合する箇所が多数あり、それぞれの箇所にペーストを塗布しなければならないという煩雑な工程を経る必要があるため、生産性に劣り、コスト的に不利になるという問題があった。
また、このようなペーストに代えて、予め、基材上にNi−Pめっき層をろう材層として形成する表面処理基材も知られているが、基材上にNi−Pめっき層のみを形成しただけでは、プレート式熱交換器の材料として用いた場合に、高温環境での特性や、耐食性が不十分であるという問題があった。
一方で、表面処理基材の耐食性を向上させるために、ろう材層として、Crを含有させたNi系ろう材層を形成する技術も知られているが、水系のめっき浴にてNi-Cr合金めっきとして実用化されたものは無く、あったとしても実験室レベルでのめっき処理であり、実用化はなされていない。すなわち、3価クロム化合物を用いるNi-Cr合金めっきにおいてクロム(III)カチオンがプロトン受容の溶媒中で自己イオン化し、溶媒和した水素イオンを生じ、溶液のpHを著しく低下させる。そのため、電解時には水の電気分解により水素ガス発生が優位となり、Ni-Cr合金の析出自体が困難である。一部、DMF(ジメチルホルムアミド)などの有機溶媒を使用し、めっき浴のpHの維持、水素ガス発生を抑制しためっき浴の検討なども行われているが、有機溶媒が高価である為、コスト面を考慮すると実用化が非常に困難である。また、電析にて非晶質Ni-Cr-P合金皮膜の作製を試みた報告もあるが、めっき析出効率が極端に低く、かつ、ほぼ無撹拌でのめっき条件となる事から、連続生産が困難である。
また、予めプレス加工等によって流体流路等の凹凸構造が形成された基材に対して、Crめっき層およびNi−Pめっき層をこの順で形成することで、ろう付け用ステンレス鋼板を製造する方法も知られているが、このような製造方法では、Crめっき層およびNi−Pめっき層を形成する対象となる基材が、予め凹凸構造が成形されたものであるため、めっき処理によりCrめっき層およびNi−Pめっき層を形成する際に、平板状の基材に対してめっき処理を行うのと比べて、生産性に劣るという問題があり、しかも、成形された基材の形状によっては、均一なめっき層を形成することができないという問題もあった。一方で、基材として平板状の形状を有するものを準備し、このような平板状の基材上に、Crめっき層およびNi−Pめっき層を形成した後、Crめっき層およびNi−Pめっき層が形成された基材に対して、プレス加工等によって流体流路等の凹凸構造を形成する方法も考えられる。しかしながら、通常、Crめっき層の表面には不活性な酸化被膜が形成されており、このようなCrめっき層上に形成されたNi−Pめっき層は密着性が低くなる傾向にあるため、Crめっき層およびNi−Pめっき層が形成された基材に対してプレス加工等を施すと、プレス加工等による応力によって、容易にNi−Pめっき層が剥離してしまうという問題があった。
あるいは、ろう付け用ステンレス鋼板としては、基材上に、まずNi−Pめっき層を形成し、このNi−Pめっき層上にCrめっき層を形成してなるものも知られている。しかしながら、このようなろう付け用ステンレス鋼板では、最表面にCrめっき層が形成されているため、このCrめっき層を他の部材に接触させてろう付けを行ったとしても、最表面がNi−P層である場合と比較して、ろう付け接合を行うのが困難であるという問題があった。すなわち、Crめっき層は濡れ性が低いためろう付け接合性に劣るものであり、しかも、通常のろう付けは1,100℃程度の温度で行われるにも関わらず、融点が1,907℃と高いCrめっき層を最表面に形成してしまうと、Crめっき層を溶融してろう付けするためには、非常に高い温度をかけるか、加熱時間を長くすることでCrめっき層をNi−Pめっき層と相互に熱拡散させて溶融させなければならず、ろう付け接合を行うのが困難であった。特に、ろう付けの際の加熱時間を長くしてしまうと、ろう付け工程に時間がかかることで表面処理基材の生産性が低下するだけでなく、Ni−Pめっき層が基材とも相互に熱拡散してしまい、これにより基材の肉厚が薄くなってしまう現象が発生してしまい、得られる表面処理基材の強度が低下してしまう。
これに対し、本実施形態の表面処理基材1によれば、基材11上に、Cr層12および上述した特定のNi−P層13をこの順で形成することにより、基材11として平板状のものを用いた場合に、Cr層12およびNi−P層13を均一に形成することができるとともに、生産性にも優れたものとすることができ、しかも、凹凸構造等を形成するように成形加工を施して成形体とした後において(たとえば、プレス加工を施してプレス成形体とした後において)、Ni−P層13の剥離を防止することができ、ろう付け接合性および耐食性にも優れたものとすることができる。そのため、本実施形態の表面処理基材1は、成形加工後のろう付け接合性および耐食性が求められるプレート式熱交換器の材料として、好適に用いることができる。特に、本実施形態の表面処理基材1は、ガソリンエンジン車やディーゼルエンジン車に用いられるEGRシステム(排ガス循環システム)のように、プレス加工等によって流体流路の凹凸構造が形成されて応力が加えられた上で、高腐食性かつ高温である排ガスの雰囲気下で使用され、しかも、冷却された排ガス中のNOや硫黄成分が水分とともに凝集して付着してしまうような厳しい腐食環境で使用されるプレート式熱交換器の材料として、好適に用いることができる。なお、凹凸構造としては、特に限定されないが、たとえば、表面処理基材1において、めっき層(Cr層12およびNi−P層13)の厚み以上の高さの凸部および/または凹部を有する構造であって、表面処理基材1の平面部に対して角度90度(たとえば、角度87〜90度)の曲げ部を有する凹凸構造、表面処理基材1の平面部に対して角度80度以上の曲げ部を有する凹凸構造、曲げ半径R=10mm以下の曲面を有する凹凸構造、または前記曲げ部や曲面が連続した連続凹凸構造などが挙げられる。
以下に、実施例を挙げて、本発明についてより具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
なお、各特性の定義および評価方法は、以下のとおりである。
<ピークPの半値幅、I/I、およびI/I
表面処理基材の表面を、CuKαを線源とするX線回折装置(リガク社製、型番:RINT-2500)を用いて測定し、得られた測定結果に基づいて、回折角2θが43〜45°の範囲にピークトップを有するピークのうち、ピークトップの強度が最も高いピークPの半値幅を測定した。また、得られた測定結果に基づいて、ピークPのピークトップの強度Iに対する、回折角2θが50〜54°の範囲にピークトップを有するピークのうちピークトップの強度が最も高いピークPにおけるピークトップの強度Iの比(I/I)を求めた。同様に、ピークPのピークトップの強度Iに対する、回折角2θが96〜100°の範囲にピークトップを有するピークのうちピークトップの強度が最も高いピークPのピークトップの強度Iの比(I/I)も求めた。
<ろう材層の密着性>
表面処理基材について、基材上に形成した層(Ni−P層、Ni−Pめっき層、Cr層、Crめっき層、またはNiめっき層)の密着性を、JIS H 8504に記載された引きはがし試験方法に基づき、粘着テープ剥離試験を行うことにより評価した。具体的には、各層形成後または熱処理後の表面処理基材の表面に粘着テープ(商品名「セロテープ」、ニチバン社製)を貼り、指で抑えた後、勢いよく粘着テープをはがした際の、粘着テープの接着面のめっきの付着を観察した。ろう材層の密着性は、基材上に形成した層が粘着テープの接着面に付着していなければ、良好であると判断した。
<ろう材層の加工密着性>
表面処理基材について、JIS H 8504に記載されたエリクセン試験方法に基づきエリクセン試験機(コーティングテスター社製)により高さ7mmの張出し加工を行い、張出し加工を行った箇所に上記粘着テープを貼付した後、粘着テープを剥がし、剥がした粘着テープに付着した層(Ni−P層、Ni−Pめっき層、Cr層、Crめっき層、またはNiめっき層)の面積を目視で観察し、以下の基準で評価した。ろう材層の加工密着性は、下記の基準でAまたはBであれば、成形加工後のろう付け接合性が求められるプレート式熱交換器の材料等として良好に用いることができると判断し、合格とした。
A:層の剥離は確認されなかった。
B:粘着テープに層の一部が付着していた。
C:粘着テープに層の大部分が付着していた。
D:張出し加工を行っただけで、粘着テープを貼付する前に、層が剥離していた。
<ろう付け性>
表面処理基材について、ろう付け接合用の試験片を作製し、非酸化性雰囲気の熱処理炉にてろう付け熱処理を行い、ろう付け接合した。ろう付け接合後の、試験片の断面観察を行い、ろう付け接合箇所の長さを100とした場合、実際にろう付けされている長さの割合をろう付け接合率として算出し、以下の基準でろう付け性を評価した。
A:ろう付け接合率が90%以上であった。
B:ろう付け接合率が90%未満であった。
<ろう付け強度>
表面処理基材について、JIS K 6854に準じて、ろう付け接合したTピール試験片作製し、引張試験機にて引張試験を行うことでTピール強度を測定し、Tピール強度の測定結果に基づいてろう付け強度を評価した。ろう付け強度は、単層のNi−Pめっき層のTピール強度を基準とし、それと同等または同等以上であれば良好であると判断した。なお、ろう付け強度の評価においては、ろう付け箇所のめっき皮膜へのダメージが少なく、ろう材層の密着が悪い条件においてもTピール試験片が作製可能であった。
<耐食性>
まず、表面処理基材の重量を測定した。次いで、「表面処理基材を、硫酸、塩酸、硝酸および有機酸(ギ酸、酢酸)を含有する80℃の腐食液に4時間浸漬させた後、腐食液から取り出し、80℃で20時間乾燥させる」というサイクルを、10サイクル行った後、表面処理基材の重量を測定することで、表面処理基材の重量の減少分を求めた。そして、後述する参考例1の表面処理基材の重量の減少分を基準とした場合における、各実施例および各比較例の表面処理基材の重量の減少分の割合を算出した。また、表面処理基材の重量の減少分の割合に基づいて、以下の基準で耐食性を評価した。耐食性の評価は、下記の基準で参考例1と同等の耐食性でAまたはBであれば、その表面処理基材をプレート式熱交換器の材料等として良好に用いることができると判断し、合格とした。なお、腐食液としては、硫酸3000重量ppmを主成分とし、塩酸、硝酸、有機酸を含む混酸の水溶液を用いた。
A:表面処理基材の重量の減少分の割合が、110重量%以下であった。
B:表面処理基材の重量の減少分の割合が、110重量%超、200重量%以下であった。
C:表面処理基材の重量の減少分の割合が、200重量%超であった。
《実施例1》
まず、基材として、下記に示す化学組成を有するSUS304のステンレス鋼板(厚さ0.2mm)を準備した。
C:0.08重量%、Si:1.0重量%、Mn:2.0重量%、P:0.04重量%、S:0.03重量%、Ni:8〜10.5重量%、Cr:18〜20重量%、残部:Feおよび不可避的不純物
そして、準備した基材について、アルカリ電解脱脂、硫酸浸漬の酸洗を行った後、電気めっきにより、下記条件にてCrめっきを行い、基材上に厚さ1μmのCrめっき層を形成した。
<Crめっき>
浴組成:無水クロム酸 250g/L、硫酸 2.5g/L
浴温:60℃
電流密度:60A/dm
次いで、Crめっき層を形成した基材について、ウッド浴を用いてストライクNiめっきを施した後、下記に示すNi−Pめっき浴を用いて、めっき処理を施すことにより、Crめっき層上に、厚さ10μmのNi−Pめっき層を形成した。なお、形成したCrめっき層およびNi−Pめっき層の厚みは、表1,2に記載した。なお、表1,2および後述する表3においては、基材上に形成された各層の厚みについて、基材に近い側から順に、第1層の厚み、第2層の厚みと記載した。なお、Ni量およびP量の測定は、蛍光X線分析装置(株式会社リガク蛍光X線分析装置ZSX100e)を用いて行った。蛍光X線の装置によりめっき量を算出し、Pの含有量を求めると約10wt%であった。Crは比重7.2、Niは比重8.9、Ni-PはPが10wt%の含有量において比重は8.0であるため、各比重でめっき量をめっき厚みに換算した。また、いずれの実施例・比較例においても、同じ方法でめっき量とめっき厚みの算出を行った。
<Ni−Pめっき浴>
ニッケル塩:硫酸ニッケル 200g/L、塩化ニッケル 10g/L
リン成分:亜リン酸 40g/L、亜リン酸ナトリウム 110g/L
pH緩衝剤(ホウ酸):30g/L
錯化剤(クエン酸3ナトリウム):10g/L
pH:2.0
浴温:60℃
電流密度:10A/dm
続いて、Crめっき層およびNi−Pめっき層を形成した基材に対して、電気炉により、温度400℃、均熱時間1分間、非酸化性雰囲気の条件で熱処理を行うことで、Cr層およびNi−P層が形成されてなる表面処理基材を得た。得られた表面処理基材について、上記方法にしたがって、ピークPの半値幅、I/I、I/I、ろう材層の密着性、ろう材層の加工密着性、ろう付け性、およびろう付け強度の評価を行った。結果を表1,2に示す。また、実施例1については、図5(A)に、ろう材層の加工密着性を行った後の表面処理基材の表面の写真(図5(A)の左図)、および表面処理基材から剥がした粘着テープの写真(各層の剥離の状態を示す写真)(図5(A)の右図)を、それぞれ示す。さらに、実施例1については、X線回折装置による測定結果を、図7(A)および図7(B)に示す。ここで、図7(B)は、図7(A)における2θ=40〜50°の範囲を拡大したグラフである。
《実施例2〜7》
Crめっき層の厚み、およびNi−Pめっき層を形成した後の熱処理の条件を、それぞれ表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様に表面処理基材を作製し、上記方法にしたがって、ピークPの半値幅、I/I、I/I、ろう材層の密着性、ろう材層の加工密着性、ろう付け性、ろう付け強度、および耐食性の評価を行った。結果を表1〜3に示す。なお、ろう付け性、およびろう付け強度の評価は、実施例2〜7のうち、実施例2,3,5,7についてのみ行った。また、耐食性の評価は、実施例2〜7のうち、実施例5,7についてのみ行った。実施例2,3,5,6については、ろう材層の加工密着性を行った後の表面処理基材の表面の写真、および表面処理基材から剥がした粘着テープの写真(各層の剥離の状態を示す写真)を、図5(B)、図5(C)、図5(D)および図5(E)にそれぞれ示す。さらに、実施例5については、X線回折装置による測定結果を、図8に示す。
《比較例1》
Ni−Pめっき層を形成した後の熱処理を行わなかった以外は、実施例1と同様に表面処理基材を作製し、上記方法にしたがって、ピークPの半値幅、I/I、I/I、ろう材層の密着性、およびろう材層の加工密着性の評価を行った。結果を表1に示す。また、比較例1については、図6(A)に、ろう材層の加工密着性を行った後の表面処理基材の表面の写真(図6(A)の左図)、および表面処理基材から剥がした粘着テープの写真(各層の剥離の状態を示す写真)(図6(A)の右図)を、それぞれ示す。さらに、比較例1については、X線回折装置による測定結果を、図9に示す。
《比較例2,3》
Ni−Pめっき層を形成した後の熱処理の条件を、それぞれ表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様に表面処理基材を作製し、同様に評価を行った。結果を表1,2に示す。また、比較例2,3については、ろう材層の加工密着性を行った後の表面処理基材の表面の写真、および表面処理基材から剥がした粘着テープの写真(各層の剥離の状態を示す写真)を、図6(B)および図6(C)に、それぞれ示す。
《比較例4》
Crめっき層を形成せずに、基材上に、直接Ni−Pめっき層を形成し、Ni−Pめっき層形成後の熱処理を行わなかった以外は、実施例1と同様に表面処理基材を作製し、上記方法にしたがって、ろう材層の密着性、ろう材層の加工密着性、ろう付け性、ろう付け強度、および耐食性の評価を行った。結果を表1〜3に示す。
《比較例5》
実施例1で用いたものと同様の基材を準備し、基材について、アルカリ電解脱脂、硫酸浸漬の酸洗を行った後、下記条件にてNiめっきを行い、厚さ1μmのNiめっき層を形成した。
<Niめっき>
浴組成:硫酸ニッケル250g/L、塩化ニッケル40g/L、ほう酸30g/L
pH:4.2
浴温:60℃
電流密度:20A/dm
次いで、Niめっき層を形成した基材について、下記に示すNi−Pめっき浴を用いて、めっき処理を施すことにより、Niめっき層上に、厚さ10μmのNi−Pめっき層を形成することで、Niめっき層およびNi−Pめっき層が形成されてなる表面処理基材を得た。得られた表面処理基材について、上記方法にしたがって、ろう材層の密着性、ろう材層の加工密着性、ろう付け性、ろう付け強度、および耐食性の評価を行った。結果を表1〜3に示す。
<Ni−Pめっき浴>
ニッケル塩:硫酸ニッケル 200g/L、塩化ニッケル 10g/L
リン成分:亜リン酸 40g/L、亜リン酸ナトリウム 110g/L
pH緩衝剤(ホウ酸):30g/L
錯化剤(クエン酸3ナトリウム):10g/L
pH:2.0
浴温:60℃
電流密度:10A/dm
《比較例6,7》
Niめっき層の厚みを、それぞれ表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様に表面処理基材を作製し、上記方法にしたがって、ろう材層の密着性、ろう材層の加工密着性、ろう付け性、ろう付け強度、および耐食性の評価を行った。結果を表1〜3に示す。
《比較例8》
実施例1で用いたものと同様の基材を準備し、基材について、アルカリ電解脱脂、硫酸浸漬の酸洗を行った後、下記に示すNi−Pめっき浴を用いて、めっき処理を施すことにより、厚さ10μmのNi−Pめっき層を形成した。
<Ni−Pめっき浴>
ニッケル塩:硫酸ニッケル 200g/L、塩化ニッケル 10g/L
リン成分:亜リン酸 40g/L、亜リン酸ナトリウム 110g/L
pH緩衝剤(ホウ酸):30g/L
錯化剤(クエン酸3ナトリウム):10g/L
pH:2.0
浴温:60℃
電流密度:10A/dm
続いて、Ni−Pめっき層を形成した基材に対して、電気めっきにより、Crめっきを行い、Ni−Pめっき層上に、厚さ1.2μmのCrめっき層を形成することで、Ni−Pめっき層およびCrめっき層が形成されてなる表面処理基材を得た。得られた表面処理基材について、上記方法にしたがって、ろう材層の密着性、ろう材層の加工密着性、ろう付け性、およびろう付け強度の評価を行った。結果を表1,2に示す。
《比較例9》
実施例1で用いたものと同様の基材に対して、そのまま、上記方法にしたがって、耐食性の評価を行った。結果を表3に示す。
《参考例1》
実施例1で用いたものと同様の基材を準備し、基材上に、Ni、Cr、PおよびSiを含むろう材用ペースト(商品名「NICROBRAZ No.31」、ウォールコルモロイ社製)を、厚みが10μmとなるように塗布することで、表面処理基材を得た。得られた表面処理基材について、上記方法にしたがって、ろう付け性、ろう付け強度、および耐食性の評価を行った。結果を表2,3に示す。
《参考例2》
実施例1で用いたものと同様の基材を準備し、基材上に、NiおよびPを含むろう材用ペースト(商品名「NICROBRAZ No.10」、ウォールコルモロイ社製)を、厚みが10μmとなるように塗布することで、表面処理基材を得た。得られた表面処理基材について、上記方法にしたがって、ろう付け性、ろう付け強度、および耐食性の評価を行った。結果を表2,3に示す。
表1に示すように、基材上に、Cr層と、ピークPの半値幅が、2°以下であるNi−P層とを備える表面処理基材は、ろう材層(Ni−P層)の密着性および加工密着性に優れることが確認された(実施例1〜7)。
また、実施例1,2,3,5,7の表面処理基材については、表2に示すように、ろう付け性、およびろう付け強度にも優れることが確認された。
さらに、実施例5,7の表面処理基材については、表3に示すように、耐食性にも優れることが確認された。
一方、表1に示すように、Ni−Pめっき層を形成した後に、熱処理が施されていない、または熱処理が施されたとしても熱処理温度が低すぎる表面処理基材は、ろう材層(Ni−Pめっき層、またはNi−P層)の加工密着性に劣るものであった(比較例1〜3)。
また、表2に示すように、基材上に、Ni−P層およびCr層がこの順で形成されてなる表面処理基材は、ろう付け性、およびろう付け強度に劣るものであった(比較例8)。
さらに、表3に示すように、基材上に、直接、Ni−Pめっき層が形成されてなる表面処理基材、基材上に、Niめっき層およびNi−Pめっき層がこの順で形成されてなる表面処理基材、基材上にNi,Pを含むろう材用ペーストが塗布されてなる表面処理基材、および基材自体は、耐食性に劣るものであった(比較例4〜7,9、参考例2)。
なお、基材上にNi,Cr,PおよびSiを含むろう材用ペーストが塗布されてなる表面処理基材は、ろう付け性、およびろう付け強度、および耐食性に優れるという結果であったが、このような表面処理基材は、ろう付けする箇所ごとに、ペーストを塗布するという煩雑な工程を経て製造されるものであるため、生産性に劣り、コスト的に不利である(参考例1)。
1…表面処理基材
11…基材
12…Cr層
13…Ni−P層
2…プレート式熱交換器
21…流体入口
22…流体出口
23…伝熱板
24,24a…流体流路
25…介在部材
26…外層部材

Claims (11)

  1. 基材と、
    前記基材上に形成されたCr層と、
    前記Cr層上に形成されたNi−P層と、を備え、
    前記Ni−P層は、CuKαを線源とするX線回折測定によって検出される回折角2θが43〜45°の範囲にピークトップを有するピークのうち、ピークトップの強度が最も高いピークPについて、前記ピークPの半値幅が、2°以下であるろう付け用表面処理基材。
  2. 前記Ni−P層は、CuKαを線源とするX線回折測定を行った場合に、前記ピークPのピークトップの強度Iに対する、回折角2θが50〜54°の範囲にピークトップを有するピークのうちピークトップの強度が最も高いピークPにおけるピークトップの強度Iの比(I/I)が、0.2未満である請求項1に記載のろう付け用表面処理基材。
  3. 前記Ni−P層は、CuKαを線源とするX線回折測定を行った場合に、前記ピークPのピークトップの強度Iに対する、回折角2θが96〜100°の範囲にピークトップを有するピークのうちピークトップの強度が最も高いピークPのピークトップの強度Iの比(I/I)が、0.2以上である請求項2に記載のろう付け用表面処理基材。
  4. 前記Ni−P層中におけるPの含有割合が5〜20wt%である請求項1〜3のいずれかに記載のろう付け用表面処理基材。
  5. 前記基材がステンレス鋼である請求項1〜4のいずれかに記載のろう付け用表面処理基材。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のろう付け用表面処理基材を用いて形成された成形体。
  7. 凹凸構造を有する請求項6に記載の成形体。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載のろう付け用表面処理基材を用いて形成されたプレス成形体。
  9. 凹凸構造を有する請求項8に記載のプレス成形体。
  10. 基材の少なくとも一方の面に、電気めっきによりCrめっき層を形成する工程と、
    前記Crめっき層上に、電気めっきによりNi−Pめっき層を形成する工程と、
    前記Crめっき層および前記Ni−Pめっき層を形成した基材に対して、温度400〜800℃の条件で熱処理を施す工程と、を備えるろう付け用表面処理基材の製造方法。
  11. 請求項10に記載の製造方法により得られたろう付け用表面処理基材を、プレス加工により少なくとも一部に凹凸構造を有するように成形する工程を備える成形体の製造方法。
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