JP2020163306A - 汚染土壌の浄化方法及び汚染土壌の浄化設備 - Google Patents
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かかる掘削ずりには、自然由来または人工的な汚染物質である有害金属やその化合物等が含まれることがあるため、これらの有害金属等を除去して第二溶出基準を満足しないと最終処分場へ搬入することができない。
また、工場の跡地等にも、有害金属等が土壌に含まれるために、汚染土壌から有害金属等を除去して、第二溶出基準を満足させる必要がある。
しかし、上記汚染土壌の処理方法は、高コスト及び高エネルギーを要する。
また、セメントや消石灰を使用した汚染土壌の処理方法は、セメントや消石灰はアルカリ性であるため、処理土壌がアルカリ性となってしまい、再利用が困難である。
特に、汚染物質を多く含む細かい粒径の汚染土壌から有効に汚染物質を除去し、汚染土壌全量の再利用可能な汚染土壌の浄化方法を提供することである。
汚染土壌を分級する分級工程、
分級された長径が0.075mm未満の汚染土壌と、汚染物質を吸着する吸着材を含む洗浄水とを混合する混合工程、
pH調整剤を添加してpHを5.8〜8.6に調整するpH調整工程、
次いで、凝集剤を添加して固形分を凝集させる凝集剤添加工程、
固形分と液分とを分離させる固液分離工程、
前記凝集剤添加工程における上澄液を前記pH調整工程に還流する第一還流工程及び、
前記固液分離工程からの液分を前記pH調整工程に還流する第二還流工程を有することを特徴とする、汚染土壌の浄化方法である。
汚染土壌を分級する分級装置、
分級された長径が0.075mm未満の汚染土壌と、汚染物質を吸着する吸着材を含む洗浄水とを混合する混合装置、
pH調整剤を添加するpH調整装置、
凝集剤を添加する凝集剤添加装置、
固形分と液分とを分離させる固液分離装置、
前記凝集剤添加装置内の上澄液を前記pH調整装置に還流するための第一還流装置、及び、
前記固液分離装置内の液分を前記pH調整装置に還流する第二還流装置を備えることを特徴とする、汚染土壌の浄化設備である。
また、上記本発明の汚染土壌の浄化設備は、重金属のような有害金属、ハロゲン、土壌汚染対策法に規定される第2種特定有害物質に含まれるホウ素や、これらの化合物等の汚染物質で汚染された汚染土壌の浄化方法を有効に実施することができるものである。
本発明の汚染土壌の浄化方法は、
汚染土壌を分級する分級工程、
分級された長径が0.075mm未満の汚染土壌と、汚染物質を吸着する吸着材を含む洗浄水とを混合する混合工程、
pH調整剤を添加してpHを5.8〜8.6に調整するpH調整工程、
次いで、凝集剤を添加して固形分を凝集させる凝集剤添加工程、
固形分と液分とを分離させる固液分離工程、
前記凝集剤添加工程における上澄液を前記pH調整工程に還流する第一還流工程及び、
前記固液分離工程からの液分を前記pH調整工程に還流する第二還流工程を有することを特徴とする、汚染土壌の浄化方法である。
汚染土壌を分級する分級装置、
分級された長径が0.075mm未満の汚染土壌と、汚染物質を吸着する吸着材を含む洗浄水とを混合する混合装置、
pH調整剤を添加するpH調整装置、
凝集剤を添加する凝集剤添加装置、
固形分と液分とを分離させる固液分離装置、
前記凝集剤添加装置内の上澄液を前記pH調整装置に還流するための第一還流装置、及び、
前記固液分離装置内の液分を前記pH調整装置に還流する第二還流装置を備えることを特徴とする、汚染土壌の浄化設備である。
図1は、本発明の汚染土壌の浄化装置1の一例を示した模式図である。
本発明の汚染土壌の浄化方法は、まず、重金属のような有害金属、ハロゲン、土壌汚染対策法に規定される第2種特定有害物質に含まれるホウ素や、これらの化合物等の汚染物質で汚染された汚染土壌2を分級処理する(分級工程3)。
ここで、汚染物質で汚染された汚染土壌2の種類は特に限定されず、トンネル、ダム、造成などの建設・土木工事現場から発生する残土や、工場跡地等の掘削残土等が該当する。
また、土壌の種類としても、岩、石、レキ、砂、シルト等が含まれ、特に限定されない。
かかる分級工程における分級処理は、処理する汚染土壌2に応じて、例えば、図1に示すように、一次分級処理3−1を行い、次いで二次分級処理3−2を行う等、複数の分級装置3を設けて複数回の分級処理をおこなってもかまわない。
汚染物質は、粒径が小さい土壌粒子に多く含まれることから、本発明を土壌粒の長径が0.075mm未満のものに適用することで、有効に汚染物質を吸着捕獲することができるものである。
混合装置4には、前記土壌粒の長径が0.075mm未満のもの(以下、「シルト」という。)と、汚染物質を吸着する吸着材を含む洗浄水とを混合する。
好ましくは、当該吸着材は、粉末状であることが、洗浄水中に均一に広く分散されることができるため望ましい。また、洗浄水中の粉末形態とすることで汚染土壌と速やかに反応することが可能であり、汚染物質を効率的に吸着して捕獲することができる。
かかる粉末の平均粒径は、好ましくは3〜100μm、より好ましくは30〜100μmであることが、洗浄水中への均一な分散性の点から望ましい。
当該成分を含有するドロマイト系化合物としては、例えば、MgO、CaCO3、CaMg(CO3)2を主成分とする半焼成ドロマイトが挙げられる。
前記ドロマイトは、市場で入手し得る任意のものを用いることができ、産地は問わない。
また、半焼成ドロマイトも市場で入手し得る任意の半焼成ドロマイトや、市場で入手し得る任意のドロマイトを焼成して得られた半焼成ドロマイトを用いることができ、産地や原料ドロマイトの組成等は問わない。半焼成ドロマイトは、分解反応が完全に完了するまでドロマイトを焼成して得られるものではなく、MgO、CaMg(CO3)2及びCaCO3を必須成分として含むものである。
半焼成ドロマイト中に含まれるCaMg(CO3)2相を定量して、上記範囲内のCaMg(CO3)2相残留量の半焼成ドロマイトを好適に用いることで、原料となるドロマイト鉱石の産地による組成の相違や、焼成温度等の焼成条件の設定などに関係なく、ドロマイトが最大に優れた汚染物質吸着性能を有することが可能となる。
好適には、ドロマイト系化合物は、ドロマイトを焼成した半焼成ドロマイト中のドロマイト相(CaMg(CO3)2相)の残留量を粉末X線回折によるリートベルト法により解析して、残留CaMg(CO3)2相の含有量xが、0.4≦x≦35.4(質量%)、好ましくは1.8≦x≦17.4(質量%)とすることで、特に好適に汚染物質を、より良好に捕獲することを実現することが可能となる。
ドロマイトを焼成する温度は、特に限定されず、通常ドロマイトを焼成して半焼成ドロマイトを製造する温度、例えば650〜1000℃で焼成することができる。残留CaMg(CO3)2相の含有量が、0.4≦x≦35.4(質量%)となるように焼成すれば焼成時間も制限されるものではない。
かかる吸着材中のMgOは、含有されるドロマイト系化合物由来のものであり、具体的には、ドロマイトを焼成して得られた半焼成ドロマイト等由来のものであり、更に好ましくは半焼成ドロマイト由来のものである。
吸着材中のMgO含有量が14質量%未満では、鉛やフッ素等に対する吸着能力が低下する場合があったり、25質量%を超えると、MgOのpHがアルカリ性であるため、汚染物質を吸着したあとの雨水等の水のpHが10以上のアルカリ性を示すこととなり、望ましくない。
一例として21質量%のMgOを含有する半焼成ドロマイトを使用した場合においては、吸着材中の半焼成ドロマイト配合比を約80〜99質量%とすることにより、本発明に用いる吸着材中のMgOの含有量を14〜25質量%とすることができるが、使用するドロマイト系材料に応じて、上記配合比率の制約を受けるものではない。
酸性硫酸塩としては、例えば、硫酸第一鉄、硫酸アルミニウム等が例示でき、好ましくは硫酸第一鉄を含有する。
酸性硫酸塩を含有することにより、硫酸第一鉄のようにその高い還元作用によって、砒素や六価クロム等の有害金属等に対して、より有効に捕獲することができるとともに、酸性であるため、他のドロマイト系化合物中の含有材料の配合比率を調整することで、当該吸着材を用いて得られる洗浄水を中性付近に保持することを可能とする。
また、上記混合処理の際に、汚染土壌中の汚染物質の濃度が極めて高い場合、例えば汚染物質を高濃度で含む焼却灰の場合には、必要に応じて、更にキレート剤を混合装置4に追加で添加配合して混合し、汚染物質を捕獲することも可能であるが、本発明においてはキレート剤の添加は必須構成ではない。
また、本発明においては、汚染物質を捕獲したキレート剤は、最終的に固液分離工程で産出される脱水ケーキ中にほぼ回収されるものである。
かかるpH調整工程においては、例えば、希硫酸や水酸化ナトリウム等の酸成分またはアルカリ成分を添加して、pHを5.8〜8.6の排水基準における中性範囲に調整する。
pHを調整して中性とすることで、その後の凝集剤添加装置6にて、吸着材を含む液分中のフロックを凝集させることが可能となる。
かかる凝集剤添加装置6では、凝集剤が添加されて、pH調整装置5から導入された液分中のフロックが凝集されて沈殿をする。
また必要に応じて、上記分級工程の前に解砕工程が設けられる場合には、当該上澄液は、例えば導管(第三還流装置)14にて解砕装置10に還流され(第三還流工程)、汚染土壌2を解砕する際に、好ましくは解砕工程において添加することができる解砕水として再利用される。
凝集剤添加装置で形成されたフロックの沈殿に時間がかかる場合もあることから、固液分離装置の前に、必要に応じて沈殿装置11を設けて、フロックを十分に沈殿させることが望ましい。
固液分離された液分は、例えば導管(第二還流装置)13にて上記pH調整装置5に還流されて(第二還流工程)、pH調整装置5において液分として再利用される。
また必要に応じて、上記分級工程の前に解砕工程が設けられる場合には、当該液分は、例えば導管(第四還流装置)15にて解砕装置10に還流され(第四還流工程)、汚染土壌を解砕する際に、好ましくは解砕工程にて添加することができる解砕水として再利用される。
汚染物質により汚染された汚染土壌中の種々の汚染物質を浄化するにあたり、従来のキレート剤を用いた浄化方法では、汚染処理土壌が第二溶出基準を満足できない場合もあったが、本発明によると、汚染物質で汚染された汚染土壌を浄化処理した後の処理土壌は、上記種々の汚染物質を第二溶出基準が満足される程度まで低減させることが可能である。
また、上記したように、汚染土壌の長径が100mmを超えるもの、40〜100mm、1〜40mm、0.075〜1mm、0.075mm未満に分級して、粒度100mmを超えるもの、40〜100mm、1〜40mm、0.075〜1mmのものは、工作物の埋戻し材料、土木構造物の裏込材、道路盛土材料、河川築堤材料、宅地造成用材料、水面埋立用材料等として利用可能であり、本発明により0.075mm未満の汚染土壌も最終処分場への持ち込みが可能となることから、汚染土壌の全量の再利用が可能である。
特に、吸着材としてドロマイト系吸着材を用いた場合には、本発明の汚染処理を実施した処理土壌は中性であるため、植生等の土壌として再利用が可能である。
2・・・・汚染土壌
3、3−1、3−2・・・分級装置
4・・・・混合装置
5・・・・pH調整装置
6・・・・凝集剤添加装置
7・・・・固液分離装置
8・・・・脱水ケーキ
9・・・・最終処分場
10・・・解砕装置
11・・・沈殿装置
12・・・第一還流装置
13・・・第二還流装置
14・・・第三還流装置
15・・・第四還流装置
Claims (6)
- 汚染土壌の浄化方法であって、
汚染土壌を分級する分級工程、
分級された長径が0.075mm未満の汚染土壌と、汚染物質を吸着する吸着材を含む洗浄水とを混合する混合工程、
pH調整剤を添加してpHを5.8〜8.6に調整するpH調整工程、
次いで、凝集剤を添加して固形分を凝集させる凝集剤添加工程、
固形分と液分とを分離させる固液分離工程、
前記凝集剤添加工程における上澄液を前記pH調整工程に還流する第一還流工程及び、
前記固液分離工程からの液分を前記pH調整工程に還流する第二還流工程を有することを特徴とする、汚染土壌の浄化方法。 - 請求項1記載の汚染土壌の浄化方法において、前記混合工程では更にキレート剤を添加混合することを特徴とする、汚染土壌の浄化方法。
- 請求項1又は2記載の汚染土壌の浄化方法において、汚染土壌を分級する分級工程の前に、更に汚染土壌を解砕する工程を有し、前記凝集剤添加工程における上澄液を当該解砕工程に還流する第三還流工程及び、前記固液分離工程からの液分を当該解砕工程に還流する第四還流工程を有することを特徴とする、汚染土壌の浄化方法。
- 請求項1乃至3いずれかの項記載の汚染土壌の浄化方法において、前記吸着材は平均粒径が3〜100μmの粉末形態であってドロマイト系化合物及び酸性硫酸塩を含有し、ドロマイト系化合物はCaMg(CO3)2、MgO、CaCO3を含み、ドロマイト系化合物及び酸性硫酸塩の合量中、酸性硫酸塩は1〜23質量%の割合で含有され、吸着材中にMgOを14〜25質量%含むことを特徴とする、汚染土壌の浄化方法。
- 汚染土壌を浄化する設備であって、
汚染土壌を分級する分級装置、
分級された長径が0.075mm未満の汚染土壌と、汚染物質を吸着する吸着材を含む洗浄水とを混合する混合装置、
pH調整剤を添加するpH調整装置、
凝集剤を添加する凝集剤添加装置、
固形分と液分とを分離させる固液分離装置、
前記凝集剤添加装置内の上澄液を前記pH調整装置に還流するための第一還流装置、及び、
前記固液分離装置内の液分を前記pH調整装置に還流する第二還流装置を備えることを特徴とする、汚染土壌の浄化設備。 - 請求項5記載の汚染土壌の浄化設備において、更に、汚染土壌を解砕する解砕装置を有し、前記凝集剤添加装置における上澄液を当該解砕装置に還流する第三還流装置及び、前記固液分離装置からの液分を当該解砕装置に還流する第四還流装置を有することを特徴とする、汚染土壌の浄化設備。
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JP2002233858A (ja) * | 2001-02-09 | 2002-08-20 | Dowa Mining Co Ltd | 重金属汚染土壌の無害化処理方法 |
JP2012157834A (ja) * | 2011-02-01 | 2012-08-23 | Yoshizawa Lime Industry | 排水中の有害物の除去剤とそれを使用した除去方法 |
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JP2018149532A (ja) * | 2017-03-14 | 2018-09-27 | 住友大阪セメント株式会社 | 重金属等汚染対策材及び前記汚染対策材を用いた重金属等汚染対策工法 |
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