JP2020163013A - 眼科装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高さ方向の寸法を抑えて、剛性の低下を防ぎ、測定時における揺れや振動を抑えることができる眼科装置を提供すること。【解決手段】眼科装置1は、被検眼Eを測定する複数の測定部20,40を有する本体部13をベース11に対して移動させる機構部12を備える。機構部12は、本体部13をベース11に対して第1軸方向に移動させる第1軸機構部分50と、本体部13をベース11に対して第1軸方向に直交する第2軸方向に移動させる第2軸機構部分60と、本体部13をベース11に対して上下方向に相当する第3軸方向に移動させる第3軸機構部分80と、を有する。第1軸機構部分50および第2軸機構部分60には収容空間部が設けられ、第3軸機構部分80の少なくとも一部は、第1軸機構部分50および第2軸機構部分60の少なくともいずれかの収容空間部内に収容されている。【選択図】図2

Description

本発明は、複数の測定部が設けられている眼科装置に関する。
眼科装置は、被検眼に関する各種の測定に用いられる。例えば、眼科装置の額当部に被検者の額が押し当てられ、眼科装置に対して被検者の被検眼の位置が固定された状態において、眼科装置は、被検眼の測定を行う。
1つの眼科装置を用いて被検眼の複数種類の特性を測定できるようにするために、1つの眼科装置に複数の測定機能を持たせたいという要望がある。そこで、特許文献1には、複数の測定部を備える複合型の測定装置が開示されている。
特開2018−51337公報
ところで、特許文献1に記載の技術では、1つの眼科装置において、眼圧測定部の光学系と眼特性測定部の光学系が、高さ方向(上下方向)に互いに積層されている。このため、複数の測定機能を有する眼科装置の高さ方向の寸法は、1つの測定機能だけを有する眼科装置の高さ方向の寸法に比べて、大きくなってしまう。これにより、複数の測定部を備える眼科装置において、眼科装置の小型化を図ることが困難である。また、眼科装置の高さ方向の寸法が大きくなると、眼科装置の剛性が低下したり、測定時における揺れや振動を抑えることが困難になったりすることがある。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、複数の測定部が設けられた場合であっても、高さ方向の寸法を抑えて、剛性の低下を防ぎ、測定時における揺れや振動を抑えることができる眼科装置を提供することを目的とする。
前記課題は、ベースと、被検者の被検眼を測定する複数の測定部を有する本体部と、前記本体部を前記ベースに対して移動させる機構部と、を備え、前記機構部は、前記本体部を前記ベースに対して第1軸方向に移動させる第1軸機構部分と、前記本体部を前記ベースに対して前記第1軸方向に直交する第2軸方向に移動させる第2軸機構部分と、前記本体部を前記ベースに対して前記第1軸方向および前記第2軸方向に直交し上下方向に相当する第3軸方向に移動させる第3軸機構部分と、を有し、前記第1軸機構部分および前記第2軸機構部分には、収容空間部が設けられ、前記第3軸機構部分の少なくとも一部は、前記第1軸機構部分および前記第2軸機構部分の少なくともいずれかの前記収容空間部内に収容されていることを特徴とする本発明に係る眼科装置により解決される。
本発明に係る眼科装置によれば、第1軸機構部分および第2軸機構部分には、収容空間部が設けられ、第3軸機構部分の少なくとも一部は、第1軸機構部分および第2軸機構部分の少なくともいずれかの収容空間部内に収容されている。そのため、機構部の高さ方向の寸法を小さくでき、眼科装置の高さ方向の寸法を抑えて、眼科装置の剛性の低下を防ぎ、測定時における眼科装置の揺れや振動を抑えることができる。
本発明に係る眼科装置において、好ましくは、前記第2軸機構部分は、前記第1軸機構部分の前記収容空間部の中に収容されていることを特徴とする。
本発明に係る眼科装置によれば、第2軸機構部分は、第1軸機構部分の収容空間部の中に収容されている。そのため、機構部の高さ方向の寸法をさらに小さくでき、眼科装置の高さ方向の寸法を抑えて、眼科装置の剛性の低下を防ぎ、測定時における眼科装置の揺れや振動を抑えることができる。
本発明に係る眼科装置において、好ましくは、前記第1軸機構部分および前記第2軸機構部分は、手動により操作され、前記第3軸機構部分は、電動アクチュエータにより駆動されることを特徴とする。
本発明に係る眼科装置によれば、第1軸機構部分および第2軸機構部分は、手動により操作され、第3軸機構部分は、電動アクチュエータにより駆動される。このような機構であっても、第1軸機構部分、第2軸機構部分、および前記第3軸機構部分の共通化を図ることができるとともに、機構部の高さ方向の寸法をさらに小さくでき、眼科装置の高さ方向の寸法を抑えて、眼科装置の剛性の低下を防ぎ、測定時における眼科装置の揺れや振動を抑えることができる。
本発明に係る眼科装置において、好ましくは、前記機構部は、前記第3軸方向に沿って前記第3軸機構部分の上に積み重ねられ電動により前記本体部を前記ベースに対して前記第1軸方向および前記第2軸方向に移動させる第1電動アクチュエータをさらに有し、前記第1軸機構部分および前記第2軸機構部分は、手動により操作可能とされるとともに前記第1電動アクチュエータにより駆動可能とされ、前記第3軸機構部分は、第2電動アクチュエータにより駆動されることを特徴とする。
本発明に係る眼科装置によれば、機構部は、第1電動アクチュエータをさらに有する。第1電動アクチュエータは、第3軸方向に沿って第3軸機構部分の上に積み重ねられ、電動により本体部をベースに対して第1軸方向および第2軸方向に移動させる。また、第1軸機構部分および第2軸機構部分は、手動により操作可能とされるとともに第1電動アクチュエータにより駆動可能とされ、第3軸機構部分は、第2電動アクチュエータにより駆動される。このような機構のように、第1電動アクチュエータが第3軸方向に沿って第3軸機構部分の上に積み重ねられた場合であっても、第3軸機構部分の少なくとも一部が第1軸機構部分および第2軸機構部分の少なくともいずれかの収容空間部内に収容されているため、第1軸機構部分、第2軸機構部分、および前記第3軸機構部分の共通化を図ることができるとともに、機構部の高さ方向の寸法をさらに小さくでき、眼科装置の高さ方向の寸法を抑えて、眼科装置の剛性の低下を防ぎ、測定時における眼科装置の揺れや振動を抑えることができる。
本発明に係る眼科装置において、好ましくは、前記第1軸機構部分と前記第2軸機構部分と前記第3軸機構部分は、電動アクチュエータにより駆動されることを特徴とする。
本発明に係る眼科装置によれば、第1軸機構部分と前記第2軸機構部分と前記第3軸機構部分とは、電動アクチュエータにより駆動される。このような機構であっても、第1軸機構部分、第2軸機構部分、および前記第3軸機構部分の共通化を図ることができるとともに、機構部の高さ方向の寸法をさらに小さくでき、眼科装置の高さ方向の寸法を抑えて、眼科装置の剛性の低下を防ぎ、測定時における眼科装置の揺れや振動を抑えることができる。
本発明に係る眼科装置において、好ましくは、前記第1軸機構部分と前記第2軸機構部分と前記第3軸機構部分とは、手動により操作されることを特徴とする。
本発明に係る眼科装置によれば、第1軸機構部分と第2軸機構部分と第3軸機構部分とは、手動により操作される。このような機構であっても、第1軸機構部分、第2軸機構部分、および前記第3軸機構部分の共通化を図ることができるとともに、機構部の高さ方向の寸法をさらに小さくでき、眼科装置の高さ方向の寸法を抑えて、眼科装置の剛性の低下を防ぎ、測定時における眼科装置の揺れや振動を抑えることができる。
本発明によれば、複数の測定部が設けられた場合であっても、高さ方向の寸法を抑えて、剛性の低下を防ぎ、測定時における揺れや振動を抑えることができる眼科装置を提供することができる。
本発明の眼科装置の第1実施形態の全体を示す側面図である。 図1に示す眼科装置の機構部の好ましい構成例を示す分解斜視図である。 図3(A)は、眼圧測定モードであり、眼圧測定部が、被検眼Eの眼圧を測定する場合の位置決めの例を示し、図3(B)は、眼特性測定モードであり、眼特性測定部が、被検眼Eのその他の光学特性を測定する場合の位置決めの例を示す図である。 第1実施形態の機構部の構成を模式的に示す図である。 第2実施形態の機構部の構成を模式的に示す図である。 第3実施形態の機構部の構成を模式的に示す図である。 第4実施形態の機構部の構成を模式的に示す図である。
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る眼科装置の全体を示す側面図である。
図1に示す眼科装置1は、1つの眼科装置において、被検眼Eの眼圧や被検眼Eのその他の光学特性(眼特性)を測定できるようにするために、複数の測定機能を有する複合型の眼科装置である。眼科装置1は、被検眼Eの眼圧を測定する眼圧測定部20と、被検眼Eのその他の光学特性を測定する眼特性測定部40と、を備える。
眼圧測定部20は、第1測定部の一例であり、眼特性測定部40は、第2測定部の一例である。眼圧測定部20は、筐体21内に収容されている。眼特性測定部40は、筐体41内に収容されている。筐体21は、筐体41の上に配置されている。眼科装置1は、ベース11と、機構部12と、本体部13と、表示部14と、顎受部15と、額当部16と、を備える。
顎受部15は額当部16に固定されている。額当部16は、ベース11に対して固定されている。ベース11は、四隅に受け部材19を有しており、ベース11は、受け部材19により例えば机の上に置かれる。顎受部15と額当部16は、被検者(患者)Hの顔の位置を、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向に関して動かないように固定して、被検者Hの被検眼Eの位置を、眼圧測定部20あるいは眼特性測定部40に対して移動しないように固定できる。顎受部15は、被検者Hの顎Rを載せて位置決めする部分であり、額当部16は、被検者Hの額Tを当てて位置決めする部分である。
図1に示す表示部14は、被検者Hの位置とは反対側の位置であって、検査者側に配置されている。表示部14は、カラー液晶表示装置やカラー有機エレクトロルミネッセンス装置等を採用できる。表示部14は、制御部による制御に従って、被検眼Eの前眼部像等の画像や、例えば被検眼Eの眼圧、被検眼Eの角膜の形状と、被検眼Eの眼屈折力(球面度数、乱視度数、乱視軸角度等)等の検査結果の数値等を表示する。
表示部14は、好ましくはタッチ操作が可能なタッチパネルの機能を有している。これにより、検査者は、表示部14の画面を直接タッチ操作することで、眼圧測定部20や眼特性測定部40を用いて各種の測定を行う操作や、手動あるいは電動により、本体部13をX軸方向、Z軸方向、Y軸方向に移動して位置決めする操作を、容易に行える。
図1に示すように、表示部14は検査者側に配置され、顎受部15と額当部16は表示部14とは反対側に配置されている。本体部13は、表示部14と顎受部15と額当部16と、の間に設けられている。本体部13は、筐体21および筐体41を有し、筐体21の内部に眼圧測定部20を収容し、筐体41の内部に眼特性測定部40を収容している。表示部14は、本体部13の筐体41の端部において、回転自在に支持されており、見やすいようにするために、矢印方向Dに沿って表示部14の画面の向きを変えることができる。
本体部13は、機構部12を介してベース11に対して移動して位置決め可能に支持されている。すなわち、本体部13は、機構部12により、ベース11に対してX軸方向、Y軸方向、Z軸方向にそれぞれ直線移動可能になっている。これにより、被検眼Eの測定の際には、本体部13は、顎受部15と額当部16により位置が固定されている被検眼Eに対して、左右方向、上下方向、前後方向に沿って任意に移動して位置決めすることができる。
ここで、本発明の各実施形態では、図1に示すX軸方向は、図1の紙面に垂直な水平方向であって、被検者Hの顔の左右方向に相当する。Z軸方向は、X軸方向に垂直であって、図1の紙面において左右方向である。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向とに対して垂直であって、図1の紙面において上下方向である。なお、上下方向の上側をY軸方向の正(+)側とし、前後方向の被検者H側をZ軸方向の正(+)側とし、左右方向の手前側をX軸方向の正(+)側とする。X軸方向は、本発明の「第1軸方向」に相当し、Z軸方向は、本発明の「第2軸方向」に相当し、Y軸方向は、本発明の「第3軸方向」に相当する。
[機構部12]
図2は、図1に示す眼科装置1の機構部12の好ましい構成例を示す分解斜視図である。図2に示す機構部12は、本体部13を、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向に関して直線移動して位置決め可能である。第1実施形態では、X軸方向とZ軸方向については、本体部13は、検査者による手動スライド操作により直線移動して位置決めされる。Y軸方向については、本体部13は、電動モータを用いた電動スライド操作により直線移動して位置決めされる。
機構部12は、X軸機構部分50と、Z軸機構部分60と、Y軸機構部分80と、を有する。第1実施形態では、X軸機構部分50は、検査者による手動スライド操作により、本体部13をX軸方向に直線移動して位置決めする機構である。Z軸機構部分60は、検査者による手動スライド操作により、本体部13をZ軸方向に直線移動して位置決めする機構である。すなわち、X軸機構部分50およびZ軸機構部分60は、検査者の手動により操作される。これに対して、Y軸機構部分80は、電動アクチュエータの一例として電動モータを用いた電動スライド操作により、本体部13をY軸方向に直線移動して位置決めする機構である。すなわち、Y軸機構部分80は、電動により駆動される。X軸機構部分50は、本発明の「第1軸機構部分」に相当し、Z軸機構部分60は、本発明の「第2軸機構部分」に相当し、Y軸機構部分80は、本発明の「第3軸機構部分」に相当する。
[Y軸機構部分80]
まず、機構部12のうちY軸機構部分80について説明する。
Y軸機構部分80は、直方体状の箱型のケース81と、Y軸駆動モータ82と、送りねじ83と、取付用基板84と、を有している。ケース81は、例えば金属製であり、ケース81の内部空間には、Y軸駆動モータ82および送りねじ83等を収容している。ケース81の上部には、開口部85が形成されている。開口部85には、取付用基板84が配置されている。
Y軸駆動モータ82の出力軸82Dは、出力プーリ82Aを有する。送りねじ83の下端には、プーリ83Aが取り付けられている。出力プーリ82Aとプーリ83Aは、ベルト82Bにより互いに連結されている。Y軸駆動モータ82は、例えばスピンドル回転型の電動モータであり、電動アクチュエータの一例である。送りねじ83は、Y軸方向に延びている。送りねじ83の上端部は、送りナット86とかみ合っている。送りナット86は、取付用基板84の下面側に固定されている。取付用基板84は、図1に示す本体部13の筐体41の下面に固定されている。
これにより、Y軸駆動モータ82が制御部100からの制御指令により駆動されると、回転駆動力は、出力軸82Dと、出力プーリ82Aと、ベルト82Bと、プーリ83Aと、を介して、送りねじ83に伝わる。送りねじ83が正回転することで、取付用基板84と本体部13とを、Y軸方向の正(+)側(上側)に上昇させて位置決めできる。また、送りねじ83が逆回転することで、取付用基板84と本体部13とを、Y軸方向の負側(下側)に上昇させて位置決めできる。
[X軸機構部分50]
次に、機構部12のうちX軸機構部分50を説明する。X軸機構部分50は、一対のX軸レール51,52と、X軸スライダ53と、を有する。X軸レール51,52は、ベース11の上面において、X軸方向に平行に互いに間隔をおいて固定されている。X軸スライダ53は、側面部54,55と底面部56とを有しているほぼ断面U字型の部材である。すなわち、X軸スライダ53は、側面部54,55と底面部56との間において収容空間部SXを有する。側面部54,55は、Z軸方向に沿って平行であり、底面部56の両側において、互いに間隔を離して形成されている。X軸スライダ53は、X軸レール51,52の間に配置されており、X軸レール51,52の内面に沿って、ベース11上をX軸方向に手動スライド操作によりスライド可能である。
[Z軸機構部分60]
次に、機構部12のうちZ軸機構部分60を説明する。Z軸機構部分60は、Z軸スライダ61と、X軸スライダ53の側面部54,55と、底面部56と、から構成されている。Z軸機構部分60は、X軸機構部分50の収容空間部SXの中に入れ子構造になるように配置されている。これにより、Z軸機構部分60およびX軸機構部分50は、入れ子構造ではなく互いに積み重ねられた場合と比較して、Y軸方向に関する上下寸法(厚み寸法)を抑えられている。このため、Z軸機構部分60とX軸機構部分50とが設けられていても、Y軸方向に関する上下寸法(高さ寸法)を極力小さくすることができる。
Z軸スライダ61は、ほぼ断面U字型を有している。Z軸スライダ61は、底面部62と、側面部63,64と、水平延長部分65,66と、を有する。底面部62と、側面部63,64は、Y軸機構部分80の少なくとも一部を収容するための収容空間部SZを形成している。すなわち、Y軸機構部分80は、Z軸機構部分60の収容空間部SZの中に入れ子構造になるように配置されている。
側面部63,64の外面は、X軸スライダ53の側面部54,55の内面にガイドされるように接している。底面部62の下面は、X軸スライダ53の底面部56に載っている。これにより、Z軸スライダ61は、Y軸機構部分80の箱型のケース81の少なくとも一部である例えば下半分の部分を保持しながら、側面部54,55の内面に沿ってガイドされるようにして、Z軸方向に沿って手動スライド操作によりスライド可能である。
その他に、図2に示すように、カバー部材90が水平延長部分65,66の上に配置されている。カバー部材90は、長方形の開口部91を有している。長方形の開口部91は、Z軸方向に長くなっている。Y軸機構部分80の例えば下半分の部分が、カバー部材90の開口部91を通じて、Z軸スライダ61の収容空間部SZ内に収容されている。これにより、ケース81は、Z軸スライダ61により、Z軸方向とY軸方向には移動できる一方で、X軸方向には移動できず固定される。
このようにして、Z軸機構部分60はX軸機構部分50の収容空間部SXの中に収められて、X軸機構部分50に対して入れ子状態で配置されている。このため、Z軸機構部分とX軸機構部分とをY軸方向に沿って積み重ねて設ける場合に比べて、Z軸機構部分60とX軸機構部分50とが形成するY軸方向に沿った高さ寸法を抑えることができる。
しかも、第3軸機構部分であるY軸機構部分80の少なくとも一部、例えば下半分の部分が、Z軸スライダ61内に設けられた収容空間部SZの高さL分だけ、Z軸スライダ61の収容空間部SZ内に収容される。これにより、Y軸方向に沿った高さ方向の寸法を、従来の眼科装置に比べて小さくすることができる。
このため、機構部12のY軸方向である高さ方向の寸法を、増加させることなく、低く設定できる。従って、眼科装置1の高さ方向の寸法の増加による剛性の低下を防ぎ、測定時において、本体部13をX軸方向やY軸方向あるいはZ軸方向にスライド操作しても、眼科装置1の揺れや振動を抑えることができる。本体部13は、Y軸機構部分80のモータ駆動により、ベース11に対して、Y軸に沿って例えば100mmのストロークの範囲でスライド可能である。
また、機構部12のX軸機構部分50とZ軸機構部分60とは、手動により操作される構造であり、駆動モータを必要としないシンプルな構造であるので、上下方向であるY軸方向に関して薄型化を可能とされている。本体部13は、X軸機構部分50とZ軸機構部分60により、X軸方向とZ軸方向に沿って手動でベース11に対してスライド可能である。
[眼圧測定モードと眼特性測定モード]
次に、図3を参照して、眼科装置1の眼圧測定部20が、被検眼Eの眼圧を測定する場合の位置決めの例と、眼特性測定部40が、被検眼Eのその他の光学特性を測定する場合の位置決めの例と、を説明する。
図3(A)は、眼圧測定モードであり、眼圧測定部20が、被検眼Eの眼圧を測定する場合の位置決めの例を示す。図3(B)は、眼特性測定モードであり、眼特性測定部40が、被検眼Eのその他の光学特性を測定する場合の位置決めの例を示している。
図3(A)に示す眼圧測定モードでは、検者が、制御部100に指令をして、図2に示す機構部12のY軸機構部分80のY軸駆動モータ82を駆動させて、本体部13の眼圧測定部20のY軸方向に関する高さ位置を、自動的に調整する。そして、検者は、機構部12のX軸機構部分50を用いて、本体部13を図3(A)に示すX軸方向(左右方向)に沿って手動スライド操作を行う。また、検者は、機構部12のZ軸機構部分60を用いて、本体部13を図3(A)に示すZ軸方向(前後方向)に沿って手動スライド操作を行う。
これにより、眼圧測定部20の前眼部観察光学系22の気流吹付ノズル23の先端部が、被検眼Eに対面する。気流吹付ノズル23の先端部は、被検眼Eに対して、設定距離D1だけ離れた位置に位置決めされる。設定距離D1は、例えば11mmである。眼圧測定部20は、気流吹付ノズル23から空気を被検眼Eに吹き付けることで、眼圧を測定する。
一方で、図3(B)に示す眼特性測定モードでは、検者は機構部12のY軸機構部分80のY軸駆動モータ82を駆動させる。これにより、本体部13の眼特性測定部40のY軸方向に関する高さ位置を変えて、眼特性測定部40の主光軸42の延長線上に、被検眼Eを位置させる。
そして、検者は、機構部12のX軸機構部分50を用いて、本体部13を図3(B)に示すX軸方向(左右方向)に沿って手動スライド操作を行う。また、検者は、機構部12のZ軸機構部分60を用いて、図3(B)に示すZ軸方向(前後方向)に沿って手動スライド操作を行う。これにより、眼特性測定部40の先端部が、被検眼Eに対して、設定距離D2だけ離れた位置に位置決めされる。設定距離D2は、例えば80mmである。眼特性測定部40は、例えば被検眼Eの角膜の形状と、被検眼Eの眼屈折力(球面度数、乱視度数、乱視軸角度等)と、を測定する。
[他の実施形態]
次に、本発明の第2実施形態から第4実施形態について、図5から図7を参照して説明する。第2実施形態から第4実施形態の眼科装置では、図4に示す第1実施形態と比較して実質的に同じ箇所には、同じ符号を記す。また、第2実施形態から第4実施形態の眼科装置の構成要素が第1実施形態の眼科装置の構成要素と同様である場合には、重複する説明は適宜省略し、以下、相違点を中心に説明する。
図4は、第1実施形態の機構部12の構成を模式的に示している。
図5から図7は、第2実施形態から第4実施形態の機構部12A〜12Cの構成の違いを模式的に示している。
上述した本発明の第1実施形態では、図4に示すように、X軸機構部分50とZ軸機構部分60とは、検者が手動操作部110を用いて手動スライド操作を行うことにより、本体部13をX軸方向およびZ軸方向に直線移動して位置決めする。Y軸機構部分80は、制御部100の制御指令に基づいてY軸駆動モータ82を用いて電動スライド操作することにより、本体部13をY軸方向に直線移動して位置決めする。これに対して、本発明の第2実施形態から第4実施形態の各機構部12A〜12Cは、第1実施形態の機構部12とは異なる構成になっている。
<第2実施形態>
図5に示す本発明の第2実施形態の機構部12Aでは、図4の第1実施形態の機構部12に対して、XZ軸電動アクチュエータ70が追加されている。すなわち、第2実施形態の機構部12Aは、X軸機構部分50と、Z軸機構部分60と、Y軸機構部分80と、XZ軸電動アクチュエータ70と、を有する。第2実施形態の機構部12Aにおいて、XZ軸電動アクチュエータ70は、本発明の「第1電動アクチュエータ」の一例に相当する。また、Y軸機構部分80のY軸駆動モータ82は、本発明の「第2電動アクチュエータ」の一例に相当する。機構部12Aは、手動操作と自動操作の両方の機能を組み合わせた、いわゆるセミオート形式の架台である。XZ軸電動アクチュエータ70は、Y軸方向に沿ってY軸機構部分80の上に積み重ねられている。図5に表した機構部12Aでは、XZ軸電動アクチュエータ70は、Y軸機構部分80と眼特性測定部40との間に設けられている。XZ軸電動アクチュエータ70は、X軸駆動モータ71と、Z軸駆動モータ72と、を有する。X軸駆動モータ71は、X軸スライダ53を、制御部100の制御指令に基づいて電動スライド操作することにより、本体部13をX軸方向に直線移動して位置決めできる。同様にして、Z軸駆動モータ72は、Z軸スライダ61を、制御部100の制御指令に基づいて電動スライド操作することにより、本体部13をZ軸方向に直線移動して位置決めできる。
Y軸機構部分80のY軸駆動モータ82は、制御部100の制御指令に基づいて電動スライド操作することにより、本体部13をY軸方向に直線移動して位置決めする。このように、図5に示す例では、本体部13は、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向のいずれにおいても制御部100の指令により電動スライド操作により位置決め可能とされている。具体的には、本体部13は、X軸方向およびZ軸方向の所定範囲において、制御部100の指令により電動スライド操作により位置決め可能とされている。しかも、X軸機構部分50とZ軸機構部分60とは、手動操作部110の手動スライド操作により、本体部13をX軸方向およびZ軸方向に直線移動して位置決めすることもできる。つまり、第2実施形態の機構部12Aでは、X軸機構部分50とZ軸機構部分60とは、手動により操作可能とされるとともに、XZ軸電動アクチュエータ70により駆動可能とされている。例えば、X軸機構部分50とZ軸機構部分60とは、手動操作部110の手動スライド操作により本体部13のアライメントの粗調整を行うことができ、電動スライド操作により本体部13のアライメントの微調整を行うことができる。
手動操作部110としては、例えば手動操作用の送りねじと、この送りねじにかみ合わされたナットの組み合わせを採用することができる。X軸駆動モータ71とZ軸駆動モータ72は、例えばスピンドル回転型の電動モータであり、電動アクチュエータの例である。この機構のように、XZ軸電動アクチュエータ70がY軸方向に沿ってY軸機構部分80の上に積み重ねられた場合であっても、Z軸機構部分60がX軸機構部分50の収容空間部SXの中に入れ子構造になるように配置され、Y軸機構部分80がZ軸機構部分60の収容空間部SZの中に入れ子構造になるように配置されているため、機構部12Aの高さ方向の寸法を小さくでき、眼科装置1の高さ方向の寸法を抑えて、眼科装置1の剛性の低下を防ぎ、測定時における眼科装置1の揺れや振動を抑えることができる。
<第3実施形態>
図6に示す本発明の第3実施形態の機構部12Bでは、図5に示す第2実施形態の機構部12Aに対して、X軸方向とZ軸方向との手動操作部110が取り除かれている。機構部12Bは、X軸方向、Z軸方向に沿って手動操作を行うことができずに、X軸方向、Z軸方向、Y軸方向の全てにおいて自動操作を行う、いわゆるフルオート形式の架台である。これにより、第3実施形態の機構部12Bの構造は、第2実施形態の構造に比べてX軸方向、Z軸方向、Y軸方向の全てにおいて高い精度のアライメントを行うことができる。この機構であっても、機構部12Bの高さ方向の寸法をさらに小さくでき、眼科装置1の高さ方向の寸法を抑えて、眼科装置1の剛性の低下を防ぎ、測定時における眼科装置1の揺れや振動を抑えることができる。
<第4実施形態>
図7に示す本発明の第4実施形態の機構部12Cでは、図5の第2実施形態の機構部12Aに対して、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の全てのスライド操作が、手動操作部110Aにより行われる。機構部12Cは、いわゆるマニュアル形式の架台である。これにより、第4実施形態の機構部12Cの構造では、電動モータが設けられないため、第1実施形態から第3実施形態の構造に比べて、さらに簡単化および軽量化を図ることができる。この機構であっても、機構部12Cの高さ方向の寸法を小さくでき、眼科装置1の高さ方向の寸法を抑えて、眼科装置1の剛性の低下を防ぎ、測定時における眼科装置1の揺れや振動を抑えることができる。
以上説明したように、本発明の実施形態では、X軸機構部分50、Z軸機構部分60、およびY軸機構部分80を、マニュアル形式の架台、セミオート形式の架台、およびフルオート形式の架台のいずれにおいても共通化して用いることが可能である。つまり、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向のスライド操作の形式が、いずれも手動操作であっても、一部が手動操作で残りが電動操作であっても、全てが電動操作であっても、全てが手動と電動の両方を備えていても、X軸機構部分50、Z軸機構部分60、およびY軸機構部分80の共通化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。
例えば、図示した本発明の実施形態では、眼科装置1は、一例として眼圧測定部20と眼特性測定部40である2つの測定機能を備えているが、3つ以上の測定機能を備えるものであっても良い。また、電動アクチュエータとしては、電動のスピンドル回転型のモータと送りねじの組み合わせに限らず、直動操作して位置決め可能な例えば直動型の電磁アクチュエータ等であっても良い。
1・・・眼科装置、 12,12A,12B,12C・・・機構部、 13・・・本体部、 14・・・表示部、 15・・・顎受部、 16・・・額当部、 20・・・眼圧測定部、 21・・・筐体、 40・・・眼特性測定部、 41・・・筐体、 50・・・X軸機構部分、 53・・・X軸スライダ、 60・・・Z軸機構部分、 61・・・Z軸スライダ、 70・・・XZ軸電動アクチュエータ、 71・・・X軸駆動モータ、 72・・・Z軸駆動モータ、 80・・・Y軸機構部分、 82・・・Y軸駆動モータ、 83・・・送りねじ、 100・・・制御部、 110・・・手動操作部、 110A・・・手動操作部、 S・・・収容空間部、 E・・・被検眼

Claims (6)

  1. ベースと、
    被検者の被検眼を測定する複数の測定部を有する本体部と、
    前記本体部を前記ベースに対して移動させる機構部と、
    を備え、
    前記機構部は、
    前記本体部を前記ベースに対して第1軸方向に移動させる第1軸機構部分と、
    前記本体部を前記ベースに対して前記第1軸方向に直交する第2軸方向に移動させる第2軸機構部分と、
    前記本体部を前記ベースに対して前記第1軸方向および前記第2軸方向に直交し上下方向に相当する第3軸方向に移動させる第3軸機構部分と、
    を有し、
    前記第1軸機構部分および前記第2軸機構部分には、収容空間部が設けられ、前記第3軸機構部分の少なくとも一部は、前記第1軸機構部分および前記第2軸機構部分の少なくともいずれかの前記収容空間部内に収容されていることを特徴とする眼科装置。
  2. 前記第2軸機構部分は、前記第1軸機構部分の前記収容空間部の中に収容されていることを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  3. 前記第1軸機構部分および前記第2軸機構部分は、手動により操作され、
    前記第3軸機構部分は、電動アクチュエータにより駆動されることを特徴とする請求項1または2に記載の眼科装置。
  4. 前記機構部は、前記第3軸方向に沿って前記第3軸機構部分の上に積み重ねられ電動により前記本体部を前記ベースに対して前記第1軸方向および前記第2軸方向に移動させる第1電動アクチュエータをさらに有し、
    前記第1軸機構部分および前記第2軸機構部分は、手動により操作可能とされるとともに前記第1電動アクチュエータにより駆動可能とされ、
    前記第3軸機構部分は、第2電動アクチュエータにより駆動されることを特徴とする請求項1または2に記載の眼科装置。
  5. 前記第1軸機構部分と前記第2軸機構部分と前記第3軸機構部分とは、電動アクチュエータにより駆動されることを特徴とする請求項1または2に記載の眼科装置。
  6. 前記第1軸機構部分と前記第2軸機構部分と前記第3軸機構部分とは、手動により操作されることを特徴とする請求項1または2に記載の眼科装置。

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