JP2020162211A - モータコアの焼鈍装置及びモータコアの焼鈍方法 - Google Patents

モータコアの焼鈍装置及びモータコアの焼鈍方法 Download PDF

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Abstract

【課題】モータコアを構成する電磁鋼板の打ち抜きの際や、かしめやビス止め、溶接等による固着の際に生じたひずみを短時間でより確実に除去する。【解決手段】焼鈍装置1は、被焼鈍モータコアMと同心円状に配置され環状に形成された誘導コイル10と、誘導コイル10に交流電力を供給する交流電源21と、交流電源21からの交流電力の周波数を測定する周波数測定部22と、制御部30と、を有し、制御部30は、周波数測定部22での測定結果に基づいて、被焼鈍モータコアMがキュリー温度に到達したことを検知すると共に、キュリー温度に到達するまでの時間に基づいて、被焼鈍モータコアMをキュリー温度から目標温度まで加熱する際の交流電力の供給条件を決定する。【選択図】図1

Description

本発明は、無方向性電磁鋼板を素材とするモータコアの打ち抜きやかしめ、溶接等によるひずみを除去するための焼鈍を行う焼鈍装置及び焼鈍方法に関するものである。
モータコア(motor core)には、モータ回転軸(出力軸、出力シャフト)回りに固定されて回転する回転子コア(rotor;ロータ)と、回転子コアと同軸でモータケースに固定され、モータ使用時には回転子の外周と自身の内周との電磁力の相互作用で回転子に回転力を生じさせる固定子コア(stator;ステータ)とがあるが、両者を総称してモータコアという場合もある。
上述のモータコア(鉄心)は、無方向性電磁鋼板から所定形状に打ち抜かれた素材を多数枚積層し、かしめやビス止め、溶接等により固着して製作される。そして、当該鋼板の打ち抜きの際や、かしめやビス止め、溶接等による固着の際に生じるひずみにより鉄損が悪化することから、通常、このひずみを除去するために、モータコアは連続式またはバッチ式の焼鈍炉により所定の時間加熱される。焼鈍炉では、例えば電熱ヒータ等からの輻射熱及び雰囲気ガスによる伝導熱により加熱される(特許文献1の背景技術を参照)。
また、上述の輻射加熱等とは異なる焼鈍方法として、例えば特許文献1〜4に開示されるような、誘導加熱を用いた方法が知られている。なお、特許文献1〜3に開示の焼鈍装置では、モータコアの内周部に形成された鉄心溝(スロット)周辺のひずみを除去する場合において、当該モータコアの外側に設けられた誘導コイルにより加熱している。
また、特許文献4には、モータコアの内周部にスロットが設けられている場合において、モータコアの外側及び内側にそれぞれ設けられた環状の誘導コイルを用いて当該モータコアを加熱する焼鈍装置が開示されている。この焼鈍装置には、モータコアを内部に収容する焼鈍雰囲気調整用の隔壁と、隔壁の外方を覆う断熱材と、が設けられている。
特開昭62−272843号公報 特開2003−342637号公報 特開昭58−104125号公報 特開2017−110243号公報
ところで近年、高い生産性が求められるハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)等の駆動モータや発電機のモータコアの生産においては、焼鈍時間を短縮することが求められている。しかしながら、電熱ヒータ等を用いた輻射加熱では、加熱時間の短縮には限界がある。また、輻射加熱による短時間焼鈍では、モータコアの高さ方向や、打ち抜き時のひずみが特に大きなティース(teeth;歯)部の奥と手前とで、温度分布が一様にならず、ひずみを十分に除去することができないという問題がある。
また、特許文献1〜4に開示される誘導加熱によるモータコアの焼鈍装置は、以下のように、短時間でのひずみの除去の確実性に関し改善の余地がある。例えば、特許文献1〜4に開示のように、誘導加熱によりモータコアの焼鈍を行う場合、誘導加熱による加熱量を予め定めておき、具体的には、誘導加熱の時間や、誘導加熱のために誘導コイルへ供給する交流電力の大きさを予め定めておき、焼鈍することが考えられる。しかし、焼鈍装置の環境によっては(例えば、特許文献4に開示の焼鈍装置における焼鈍雰囲気調整用の隔壁や、この隔壁の外方を覆う断熱材の配置によっては)、予め定められた誘導加熱時間及び交流電力の大きさでは、目標温度までモータコアを加熱することができず、ひずみを除去することができないことがある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、モータコアを構成する電磁鋼板の打ち抜きの際や、かしめやビス止め、溶接等による固着の際に生じたひずみを短時間でより確実に除去することを目的としている。
前記の目的を達成するための本発明は、打ち抜き後の電磁鋼板を積層して形成されるモータコアを、当該モータコアのキュリー温度より高い目標温度まで誘導加熱し焼鈍する装置であって、前記モータコアと同心円状に配置され環状に形成された誘導コイルと、前記誘導コイルに交流電力を供給する交流電源と、前記モータコアが前記キュリー温度に到達したときに変化する、物理量を測定する測定部と、制御部と、を有し、前記制御部は、前記測定部での測定結果に基づいて、前記モータコアが前記キュリー温度に到達したことを検知すると共に、前記キュリー温度に到達するまでの時間に基づいて、前記モータコアを前記キュリー温度から前記目標温度まで加熱する際の前記交流電力の供給条件を決定することを特徴としている。
本発明では、制御部が、測定部での測定結果に基づいて、モータコアがキュリー温度に到達したことを検知すると共に、キュリー温度に到達するまでの時間に基づいて、モータコアをキュリー温度から目標温度まで加熱する際の交流電力の供給条件を決定する。したがって、より確実にモータコアを目標温度まで短時間で加熱することができる。よって、積層され、かしめやビス止め、溶接等により固着されてモータコア状となった打ち抜き後の電磁鋼板を、その用途に応じて、誘導加熱により加熱し、モータコア用電磁鋼板の打ち抜きの際や、かしめやビス止め、溶接等による固着の際に生じたひずみを、短時間で確実に除去することができる。
前記物理量は前記交流電力の周波数であってもよい。
前記交流電力の供給条件は、当該交流電力の供給時間及び当該交流電力の大きさの少なくともいずれか一方であってもよい。
前記モータコアを内部に収容する焼鈍雰囲気調整用の隔壁と、前記隔壁の外方または内方を覆う断熱材と、をさらに有していていもよい。
前記キュリー温度に到達するまでの前記交流電力の周波数Fは、前記モータコアの外周面及び/または内周面に導入されているひずみの導入深さに応じた下記式(1)における浸透深さδとなるように決定されていてもよい。
δ=503×(ρ/(μ・F))1/2 …(1)
ここで、
δ:誘導加熱を生じさせる渦電流の浸透深さ
ρ:前記モータコアの体積抵抗率
μ:前記モータコアの透磁率
F:前記交流電力の周波数
別な観点による本発明は、打ち抜き後の電磁鋼板を積層して形成されるモータコアを、当該モータコアのキュリー温度より高い目標温度まで誘導加熱し焼鈍する方法であって、当該モータコアと同心円状に配置され環状に形成された誘導コイルに交流電力を供給し、前記モータコアを誘導加熱する誘導加熱工程を含み、前記誘導加熱工程は、前記モータコアが前記キュリー温度に到達したときに変化する、物理量を測定する測定工程と、前記測定工程での測定結果に基づいて、前記モータコアが前記キュリー温度に到達したことを検知する検知工程と、前記キュリー温度に到達するまでの前記交流電力の時間に基づいて、前記モータコアを前記キュリー温度から前記目標温度まで加熱する際の前記交流電力の供給条件を決定する決定工程と、を含むことを特徴としている。
前記誘導加熱工程は、前記モータコアの内部の温度を500℃以下に抑えながら、ひずみが導入されている前記モータコアの外周面及び/または内周面を前記目標温度まで加熱してもよい。
本発明によれば、モータコアを構成する電磁鋼板の打ち抜きの際や、かしめやビス止め、溶接等による固着の際に生じたひずみを、短時間でより確実に除去することができる。
本実施形態にかかる焼鈍装置の構成の概略を示す図であり、上記焼鈍装置の一部を縦断面で示している。 本実施形態にかかる焼鈍装置の誘導コイルに対し被焼鈍モータコアを配置した状態を示す概略斜視図である。 一般的なモータコア(固定子コア)の一部を部分上面図で模式的に示す図である。 強磁性体の透磁率μのキュリー温度の近傍の温度依存性を示す図である。 交流電源に対する負荷部分の共振周波数fのキュリー温度の近傍の温度依存性を示す図である。 本実施形態にかかる焼鈍装置を用いた焼鈍方法を説明するためのフローチャートである。
図1は、本実施形態にかかる焼鈍装置の構成の概略を示す図であり、焼鈍装置の一部を断面で示している。図2は、焼鈍装置の誘導コイルに対し被焼鈍モータコア(焼鈍対象のモータコアを1個または複数個軸方向にならべたモータコアの集合体をいう場合と、被焼鈍モータコアが占める領域であり、装置の説明の便宜上、その領域にあたかも被焼鈍モータコアが存在するものとして扱う場合とがある。)を配置した状態を示す概略斜視図である。図3は一般的なモータコア(固定子コア)の一部を部分上面図で模式的に示す図である。なお、モータコアには、モータ回転軸側の回転子コアとその外側の固定子コアがあり、以下の説明では主に固定子コアの焼鈍を例にして説明するが、本発明は回転子コアの焼鈍にも適用できることから両者を区別する必要はなく、両者を総称するモータコアの用語を用いている。また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1の焼鈍装置1は、無方向性電磁鋼板から所定形状に打ち抜かれた素材を複数枚積層し、かしめやビス止め、溶接等により固着して製作された被焼鈍モータコアMの焼鈍を行い、打ち抜きの際や、かしめやビス止め、溶接等による固着の際に生じたひずみ(以下、「打ち抜き等によるひずみ」という場合がある。)を除去するものである。具体的には、焼鈍装置1は、無方向性電磁鋼板のキュリー温度すなわち被焼鈍モータコアMのキュリー温度(以下、「キュリー温度」と省略することがある。)より高い目標温度まで当該被焼鈍モータコアMを誘導加熱し、焼鈍する。この焼鈍装置1は、焼鈍用誘導コイルとしての誘導コイル10と、隔壁11と、断熱材12を有している。
隔壁11は、被焼鈍モータコアMを内部に収容する焼鈍雰囲気調整のためのものであり、例えば下面が開口した略円筒形状の蓋部11aと、上面が開口した有底の容器部11bを有しており、例えば水封により隔壁11の内部を気密に維持することができる。蓋部11aには、隔壁11の内部に例えば窒素等の雰囲気ガスを供給するガス供給管13が接続されている。
また、容器部11bには、後述のコイル載置台14と、コア載置台15とが設けられている。
断熱材12は、隔壁11の外方を覆うものであり、配設すれば、焼鈍装置1の熱効率を高めることができ好ましい。なお、断熱材12の材質や形態等は特に限定されるものではなく、例えば公知の珪酸カルシウムやアルミナ等の無機系材料等の素材を綿状、布状、板状、発泡体状等の様々な形態に加工したものを用いることができる。また、図1では、断熱材12の設置位置として隔壁11の外方を囲うように配設されている例を示しているが、これに限らず、被焼鈍モータコアM、誘導コイル10及び隔壁11等と干渉しない位置であれば、隔壁11の内方を覆うように配設されていてもよい。
誘導コイル10は、例えば図2に示すように、被焼鈍モータコアMの内方に、当該被焼鈍モータコアMと同心円状に配置された環状の部材である。ところで、ここでの被焼鈍モータコアMは、固定子コアであり円筒状に形成され、図3に示すように、当該被焼鈍モータコアMの内周部に等間隔で形成されたスロット(slot;鉄心溝)Mcを有している。したがって、誘導コイル10は、被焼鈍モータコアMの外周側と内周側のうち、スロットMcが形成された側と対向する内周側に設けられている、と説明することができる。
なお、被焼鈍モータコアMは、上記スロットMcに加えて、スロットMc間に設けられた隔壁であるティース(teeth;歯)部Maと、ティース部Maの外周端を連結するバックヨーク(back
yoke;後ヨーク、後継鉄)部Mbとを有する。また、スロットMcは、被焼鈍モータコアMにおける軸方向(図2のZ方向)の全長にわたって形成されている。
誘導コイル10の説明に戻る。
誘導コイル10は、図1及び図2に示すように、軸方向の厚さが被焼鈍モータコアMと略同じになるように形成されている。また、誘導コイル10は、交流電力が供給されることで、被焼鈍モータコアMの軸方向(図1のZ方向)に沿って磁束が発生するように構成されている。この誘導コイル10には、電源装置20が接続されている。
電源装置20は、図1及び図2に示すように、交流電源21と、測定部としての周波数測定部22とを有する。
交流電源21は、誘導コイル10に交流電力を供給する。交流電源21は、当該交流電源21が出力する交流電力の周波数が、当該交流電源21に対する負荷の電気的な共振周波数fと一致するように構成されており、言い換えると、当該交流電源21が出力する交流電力の周波数が当該交流電源21に対する負荷の共振周波数fを追従するように構成されている。この交流電源21は後述の制御部30により制御される。
周波数測定部22は、交流電源21から誘導コイル10に供給される交流電流の周波数を測定する。周波数測定部22での測定結果は、後述の制御部30に出力される。
交流電源21からの交流電力が供給されることで、誘導コイル10により被焼鈍モータコアMの軸方向(図1のZ方向)に沿って磁束が発生するため、被焼鈍モータコアMに誘導電流が生じ、該誘導電流により被焼鈍モータコアMを加熱することができる。特に、本実施の形態によれば、上述の磁束を打ち消すべく、被焼鈍モータコアMの内周部の外表面の全域に、すなわち、被焼鈍モータコアMのティース部Maの表面(バックヨーク部Mbの内周面を含む)の全域に、誘導電流が流れるため、被焼鈍モータコアMの内周部における、誘導電流の浸透深さに応じた表層域を、誘導加熱することができる。したがって、モータコアの鉄損の要因となる、被焼鈍モータコアMの内周部の表層に局在しているひずみ、より具体的には、固定子コアのティース部Maの表層およびバックヨーク部Mbの内周面の表層に局在しているひずみを、焼鈍することができる。
続いて、コイル載置台14、コア載置台15について説明する。
コイル載置台14は、載置板14aと脚部14bとを有する。
載置板14aは、誘導コイル10が載置される板状部材である。
脚部14bは、載置板14aを支持する部材である。
コア載置台15は、載置板15aと脚部15bとを有する。
載置板15aは、被焼鈍モータコアMが載置される環状且つ板状の部材である。
脚部15bは、載置板15aを支持する部材である。
また、コア載置台15に対して回転駆動部16が設けられている。
回転駆動部16は、コア載置台15を回転させる部材であり、例えば、モータ等から構成され、脚部15bの根元、すなわち、脚部15bの載置板15aとは反対側に設けられる。回転駆動部16によるコア載置台15の回転軸を被焼鈍モータコアMの中心軸と一致させておき、回転駆動部16でコア載置台15を回転させることにより、被焼鈍モータコアMをその中心軸を中心として回転させることができる。また、コア載置台15の回転軸を被焼鈍モータコアMの中心軸だけでなく、誘導コイル10の中心軸と一致させておき、回転駆動部16でコア載置台15を回転させることにより、被焼鈍モータコアMを誘導コイル10に対して回転させることができる。この回転駆動部16は、後述の制御部30により制御される。
さらに、焼鈍装置1は、図1に示すように、制御部30を有する。
制御部30は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、焼鈍装置1における処理を制御するプログラムが格納されている。また、プログラム格納部には、交流電源21や回転駆動部16等の動作を制御して、焼鈍装置1における熱処理を実現させるためのプログラムも格納されている。なお、上記プログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、当該記憶媒体から制御部30にインストールされたものであってもよい。また、プログラムの一部または全ては専用ハードウェア(回路基板)で実現してもよい。
この制御部30は、被焼鈍モータコアMをキュリー温度より高い目標温度まで誘導加熱する際に、被焼鈍モータコアMがキュリー温度に到達したことを検知する。以下、制御部30による、被焼鈍モータコアMがキュリー温度に到達したことの検知方法について説明する。
高周波誘導加熱において、交流電源21に対する負荷部分の共振周波数fは、交流電源21から見た共振回路のインダクタンスをL、静電容量をCとすれば、以下の式(A)で表すことができる。
Figure 2020162211
一方、交流電源21から見た共振回路のインダクタンスLは、漏れインダクタンスLと被焼鈍モータコアM内の内部インダクタンスLinが主要である。このうち、漏れインダクタンスLは、誘導コイル10のデザインや被焼鈍モータコアMとの位置関係に依存し、誘導加熱中に大きく変化することはない。しかし、内部インダクタンスLinは、被焼鈍モータコアMに高周波電流が流れることで起こる表皮効果に起因するインダクタンスである。そのため、後述するように温度依存性を有する被焼鈍モータコアMの透磁率μが誘導加熱中に変化することに伴って、内部インダクタンスLinも変化する。ここで、被焼鈍モータコアMの内部インダクタンスLinと透磁率μの関係は、下記式(B)で表すことができる。したがって、温度依存性を有する被焼鈍モータコアMの透磁率μを当該被焼鈍モータコアMの温度Tの関数μ(T)と表現すれば、上記式(A)は下記式(C)に書き換えることができ、交流電源21に対する負荷部分の共振周波数fを被焼鈍モータコアMの温度の関数で表現することができる。
Figure 2020162211
ここで、k、kは定数、ωは交流電源から見た共振回路の角周波数、σは被焼鈍モータコアMの導電率である。
また、被焼鈍モータコアMは、電磁鋼板の積層体であり強磁性体であるため、その透磁率μの温度依存性は図4に示すようになる。具体的には、強磁性体がそのキュリー温度にて常磁性体に相転移するため、被焼鈍モータコアMの透磁率μは、当該被焼鈍モータコアMを構成する電磁鋼板のキュリー温度の近傍の温度領域で大きく変化する。より具体的には、上記透磁率μは、被焼鈍モータコアMの被加熱領域においてキュリー温度に到達した部分が現れてから低下し始め、上記被加熱領域においてキュリー温度に到達した部分が増えるに従ってさらに低下していき、上記被加熱領域全体がキュリー温度に到達した時点で、真空透磁率μで略一定となる。したがって、上記透磁率μと式(C)に示すような関係にある共振周波数fは、図5に示すように、上記キュリー温度の近傍の温度領域で変化し、具体的には、徐々に上昇した後、略一定となる。なお、上記共振周波数fの上昇幅は、5〜15%程度である。また、交流電源21からの交流電力は、前述のように、その周波数が共振周波数fに追従する。よって、交流電源21からの交流電力と温度の関係も図5に示すような関係となる。
そこで、制御部30は、周波数測定部22での測定結果に基づいて、被焼鈍モータコアMがキュリー温度に到達したことを検知する。具体的には、制御部30は、例えば、交流電源21からの交流電力の周波数の上昇率が正になった後に略零になったときに、被焼鈍モータコアMがキュリー温度に到達したことを検知する。なお、制御部30は、交流電源21からの周波数が、誘導加熱開始直後の初期値から、上述の上昇幅に応じて設定された閾値分、上昇したときに、被焼鈍モータコアMがキュリー温度に到達したことを検知してもよい。
また、制御部30は、キュリー温度に到達するまでは、交流電源21から所定の交流電力が供給されるよう、当該交流電源21を制御する。そして、制御部30は、キュリー温度に到達するまでに要した時間に基づいて、被焼鈍モータコアMをキュリー温度から目標温度まで加熱する際の、交流電源21からの交流電力の供給条件を決定する。言い換えると、制御部30は、被焼鈍モータコアMの被焼鈍領域が強磁性体のときの加熱条件から、当該被焼鈍領域が常磁性体のときの加熱条件を決定する。
具体的には、制御部30は、例えば、記憶部(図示せず)に予め記憶された被焼鈍モータコアMの加熱開始時の温度(以下、「初期温度」という。)T及びキュリー温度Tと、加熱開始からキュリー温度Tまで加熱するのに要した時間tから、式(D)を用いて、加熱速度αを算出する。
α=(T−T)/t … (D)
そして、制御部30は、上記交流電力の供給条件として、上記加熱速度αと、記憶部(図示せず)に予め記憶された目標温度T及びキュリー温度Tとから、式(E)を用いて、目標温度Tまでの加熱時間tを算出する。
=(T−T)/α … (E)
また、制御部30が決定する上記交流電力の供給条件は、目標温度Tまでの加熱時間tに限られない。
例えば、制御部30は、キュリー温度Tまでの交流電力の大きさPと、目標温度に到達するまでに許容される時間tと、以下の式(F)から、上記供給条件として、キュリー温度Tから目標温度Tまでの交流電力の大きさP1を決定してもよい。
=P・(T−T)/(α・t) … (F)
そして、制御部30は、被焼鈍モータコアMをキュリー温度から目標温度まで加熱する際、上述のようにして、決定した供給条件で交流電源21から交流電流が供給されるよう、当該交流電源21を制御する。
例えば、上記供給条件として、目標温度Tまでの加熱時間tを決定した場合は、キュリー温度に到達してから、キュリー温度までの交流電力と同じ大きさで、決定された上記加熱時間tに亘って加熱が行わるよう、制御部30は制御を行う。また、上記供給条件として、キュリー温度Tから目標温度までの交流電力の大きさP1を決定した場合は、キュリー温度に到達してから、決定された上記交流電力の大きさP1で、上記許容される時間tに亘って加熱が行われるよう、制御部30は制御を行う。
次に、焼鈍装置1を用いた焼鈍方法について図6を用いて説明する。図6は、焼鈍装置1を用いた焼鈍方法を説明するためのフローチャートである。
図に示すように、まず、被焼鈍モータコアMがコア載置台15の載置板15a上に載置される(ステップS1)。
その後、被焼鈍モータコアMの誘導加熱を行う(ステップS2)。
具体的には、まず、交流電源21から誘導コイル10への電力の供給を開始し、被焼鈍モータコアMの加熱を開始する(ステップS21)。
加熱開始からキュリー温度に到達するまでの交流電力の大きさは、被焼鈍モータコアM(固定子コア)の焼鈍すべきひずみが生じている部分(以下、ひずみ導入部)すなわち内周部の表層の最高到達温度が750〜850℃となり、より具体的には、上記内周部の表層の最高到達温度が750〜850℃で被焼鈍モータコアMの内部の最高到達温度が500℃以下となるものが選択される。
また、加熱開始からキュリー温度に到達するまでの交流電力の周波数Fは、下記式(1)により与えられる渦電流の浸透深さδが、焼鈍により除去すべきひずみの導入深さと同等となるように選択される。
δ=503×(ρ/(μ・F))1/2 …(1)
ここで、
δ:誘導加熱を生じさせる渦電流の浸透深さ
ρ:被焼鈍モータコアMの体積抵抗率
μ:被焼鈍モータコアMの透磁率
F:交流電力の周波数、である。
また、誘導加熱工程において、制御部30は、被焼鈍モータコアの温度がキュリー温度に到達したか否か判定する(ステップS22)。
キュリー温度に到達したか否かは、交流電源21からの交流電力の周波数を測定する周波数測定部22での測定結果に基づいて判定される。到達していない場合は、ステップS22に戻り、制御部30が再度判定を行う。
一方、キュリー温度に到達していたと判定された場合、すなわち、キュリー温度に到達したことを検知した場合、制御部30は、被焼鈍モータコアMをキュリー温度から目標温度に加熱するまでの、交流電源21からの交流電力の供給条件を決定する(ステップS23)。
そして、制御部30は、ステップ23で決定された供給条件で交流電源21から交流電力が供給されるよう、交流電源21を制御し、被焼鈍モータコアMを加熱する(ステップS24)。これにより、被焼鈍モータコアMの被加熱領域をより確実に目標温度まで加熱することができる。
その後、制御部30は、交流電源21を制御し、交流電力の供給を停止し、被焼鈍モータコアMの加熱を終了する(ステップS25)。
その後、被焼鈍モータコアMが所定温度まで冷却される(ステップS3)。この冷却に要する時間を短縮するため、焼鈍装置1内に冷却装置(図示せず)を設けてもよい。
そして、被焼鈍モータコアMは焼鈍装置1から搬出される(ステップS4)。これにより、被焼鈍モータコアMの焼鈍が完了する。
本実施形態では、被焼鈍モータコアMのスロット形成部分すなわち内周部のみを焼鈍すればよい場合において、上述のように被焼鈍モータコアM(固定子コア)の内方に配置される誘導コイル10により焼鈍する。そのため、特許文献1〜3のように被焼鈍モータコアの外側に設けられた誘導コイルにより当該被焼鈍モータコア(固定子コア)の内周部のひずみを焼鈍する場合に比べて、少ない電力で且つ短時間で焼鈍を行うことができる。なぜならば、特許文献1〜3の誘導加熱装置では、誘導コイルを被焼鈍モータコア(固定子コア)の外側に設けているため、内周部のひずみ導入部を加熱するには誘導電流の浸透深さを大きくする必要があり、その結果、バックヨーク部等のひずみ導入部以外も加熱されるのに対して、本実施形態では、被焼鈍モータコア(固定子コア)の内側に誘導コイル10を設置し、誘導電流の浸透深さを非常に小さくすることで、スロット形成部分のひずみ導入部のみを狙って加熱できるからである。
それに加えて、本実施形態では、制御部30が、周波数測定部22での測定結果に基づいて、被焼鈍モータコアMがキュリー温度に到達したことを検知すると共に、キュリー温度に到達するまでの時間に基づいて、被焼鈍モータコアMをキュリー温度から目標温度まで加熱する際の交流電力の供給条件を決定する。したがって、より確実に被焼鈍モータコアMを目標温度まで短時間で加熱することができ、その結果、加熱時間が短くても、打ち抜き等によるひずみをより確実に除去することができる。
また、打ち抜き等によるひずみをより確実に除去する方法として、単純に交流電力の大きさを大きくしたり交流電力の供給時間を長くしたりする方法、すなわち、単純に供給電力量(加熱量)を増やす方法が考えられるが、この方法に比べて、本実施形態に係る方法はエネルギーの消費量を減らすことができる。
なお、無方向性電磁鋼板の種類によっては、温度が高過ぎる環境に長時間曝された場合に、無方向性電磁鋼板内の結晶に問題が生ずることがある。それに対し、本実施形態では、必要以上に加熱が行われないよう、キュリー温度までの加熱所要時間から目標温度に到達するまでの供給条件を決定し、当該目標温度までの加熱量を調節している。したがって、上述のような過加熱の問題を回避することができる。
さらに、本実施形態では、被焼鈍モータコアMにおけるひずみ導入部である内周部の表層の最高到達温度が750〜850℃で、被焼鈍モータコアMの内部の最高到達温度が500℃以下となるように誘導加熱を行う。つまり、本実施形態では、被焼鈍モータコアMにおけるひずみ導入部を局所的に誘導加熱している。したがって、少ない投入熱量で上記ひずみ導入部を焼鈍することができる。言い換えれば、所望の領域のみを効率的に加熱し、焼鈍のための誘導加熱にかかる消費電力を低減することができる。
さらにまた、本実施形態では、少なくとも被焼鈍モータコアMがキュリー温度に到達するまでの間、上記式(1)における誘導コイル10による誘導電流の浸透深さδが、焼鈍により除去すべきひずみの導入深さ相当であるため、ひずみ導入部分を高効率で局所的に加熱することができる。
また、本実施形態では、誘導コイル10の中心軸方向と同方向に延在するコア載置台15の回転軸を中心に被焼鈍モータコアMを回転させているため、以下の効果がある。すなわち、被焼鈍モータコアMを回転させない場合、誘導コイル10の巻き方によっては、誘導コイル10が発生させる磁束が、誘導コイル10の周方向すなわち被焼鈍モータコアMの周方向で不均一となることがある。このとき、上記磁束により被焼鈍モータコアM内に生じる誘導電流が当該被焼鈍モータコアMの周方向で不均一となり、その結果、上記誘導電流により加熱された被焼鈍モータコアMには周方向に温度差が生じることがある。それに対し、コア載置台15の回転軸を中心に被焼鈍モータコアMを回転させているため、誘導コイル10の巻き方に起因した被焼鈍モータコアMの周方向の温度差の発生を防ぐことができる。
なお、被焼鈍モータコアMの回転速度は、好ましくは、被焼鈍モータコアMのキュリー温度までの加熱時間及び被焼鈍モータコアMのキュリー温度から目標温度までの加熱時間の間に少なくとも1回転するような速度であり、好ましくは上記それぞれの加熱時間の間に10回転するような速度である。
また、被焼鈍モータコアMを上述のように回転させることに代えて、誘導コイル10を同様に回転させることによっても、誘導コイル10の巻き方に起因した被焼鈍モータコアMの周方向の温度差の発生を防ぐことができる。なぜならば、上記温度差の発生の防止には、被焼鈍モータコアMと誘導コイル10とを、当該誘導コイル10の軸方向且つ当該被焼鈍モータコアMの軸方向に延在する軸を中心に、相対的に回転させることが肝要であるからである。
なお、以上の例では、交流電源21からの交流電力の周波数を測定し、その測定結果に基づいて、被焼鈍モータコアMがキュリー温度に到達したことを検知していた。しかし、被焼鈍モータコアMがキュリー温度に到達したことを検知するために測定に用いる物理量は、この例に限られず、被焼鈍モータコアがキュリー温度に到達したときに変化するものであればよく、例えば、交流電源21からの交流電力の電圧値や電流値、交流電源21から見た共振回路のインダクタンスであってもよい。
また、以上の例では、被焼鈍モータコアMの初期温度Tは、予め記憶されているものとしたが、焼鈍装置1内に被焼鈍モータコアMの温度を測定する温度測定部を設け、この温度測定部を用いて、被焼鈍モータコアMの初期温度Tを測定するようにしてもよい。なお、被焼鈍モータコアMの初期温度Tを予め記憶する場合は、誘導加熱する前の被焼鈍モータコアMの状態(例えば、被焼鈍モータコアの保管場所の温度等)に応じて、被焼鈍モータコアMの初期温度Tを補正するようにしてもよい。
以上の例では、誘導コイル10は、軸方向の厚さが被焼鈍モータコアMと略同じであった。これに代えて、誘導コイル10を、軸方向の厚さが被焼鈍モータコアMより小さく形成し、誘導加熱時に、誘導コイル10と被焼鈍モータコアMとを当該被焼鈍モータコアMの軸方向に沿って相対的に移動させるようにしてもよい。この例では、誘導コイル10に交流電力を供給する交流電源21の電源容量を小さくすることができる。
以上の例では、被焼鈍モータコアMの内方に当該被焼鈍モータコアMと同心円状に配置される環状の部材である誘導コイル10を有していた。また、焼鈍対象である被焼鈍モータコアMは、固定子コアであり、その内周部にスロットやティースが形成されていた。
この例とは異なり、焼鈍対象である被焼鈍モータコアが、回転子コアであり、その外周部にスロットやティースが形成されている場合は、被焼鈍モータコアMの外方に当該被焼鈍モータコアMと同心円状に配置される環状の部材である別の誘導コイルが用いられる。なお、上記別の誘導コイルは、被焼鈍モータコアMの外周側と内周側のうち、スロットが形成された側と対向する側である外周側に設けられている、と説明することができる。
この例では、回転子コアである被焼鈍モータコアMのスロット形成部分すなわち外周部のみを焼鈍すればよい場合において、被焼鈍モータコアMの外方に配置される上記別の誘導コイルにより焼鈍する。そのため、この場合においても、少ない電力で且つ短時間で焼鈍を行うことができる。
また、以上の例では、被焼鈍モータコアMと同心円状に配置される環状の部材である誘導コイルは、被焼鈍モータコアMの内方及び外方のいずれか一方に設けられていたが双方に設けてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、モータコアを構成する電磁鋼板の打ち抜きの際に生じたひずみや、打ち抜かれた複数の電磁鋼板を積層した状態でかしめやビス止め、溶接等により固着してモータコアを形成する際に生じたひずみを除去するために、モータコアを焼鈍する際に有用である。
1 焼鈍装置
10 誘導コイル
11 隔壁
11a 蓋部
11b 容器部
12 断熱材
13 ガス供給管
14 コイル載置台
14a 載置板
14b 脚部
15 コア載置台
15a 載置板
15b 脚部
16 回転駆動部
20 電源装置
21 電源
22 周波数測定部
30 制御部
M モータコア(被焼鈍モータコア)
Ma ティース部
Mb バックヨーク部
Mc スロット

Claims (7)

  1. 打ち抜き後の電磁鋼板を積層して形成されるモータコアを、当該モータコアのキュリー温度より高い目標温度まで誘導加熱し焼鈍する装置であって、
    前記モータコアと同心円状に配置され環状に形成された誘導コイルと、
    前記誘導コイルに交流電力を供給する交流電源と、
    前記モータコアが前記キュリー温度に到達したときに変化する、物理量を測定する測定部と、
    制御部と、を有し、
    前記制御部は、
    前記測定部での測定結果に基づいて、前記モータコアが前記キュリー温度に到達したことを検知すると共に、前記キュリー温度に到達するまでの時間に基づいて、前記モータコアを前記キュリー温度から前記目標温度まで加熱する際の前記交流電力の供給条件を決定することを特徴とする、モータコアの焼鈍装置。
  2. 前記物理量は前記交流電力の周波数であることを特徴とする、請求項1に記載のモータコアの焼鈍装置。
  3. 前記交流電力の供給条件は、当該交流電力の供給時間及び当該交流電力の大きさの少なくともいずれか一方であることを特徴とする、請求項1または2に記載のモータコアの焼鈍装置。
  4. 前記モータコアを内部に収容する焼鈍雰囲気調整用の隔壁と、
    前記隔壁の外方または内方を覆う断熱材と、をさらに有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のモータコアの焼鈍装置。
  5. 前記キュリー温度に到達するまでの前記交流電力の周波数Fは、前記モータコアの外周面及び/または内周面に導入されているひずみの導入深さに応じた下記式(1)における浸透深さδとなるように決定されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータコアの焼鈍装置。
    δ=503×(ρ/(μ・F))1/2 …(1)
    ここで、
    δ:誘導加熱を生じさせる渦電流の浸透深さ
    ρ:前記モータコアの体積抵抗率
    μ:前記モータコアの透磁率
    F:前記交流電力の周波数
  6. 打ち抜き後の電磁鋼板を積層して形成されるモータコアを、当該モータコアのキュリー温度より高い目標温度まで誘導加熱し焼鈍する方法であって、
    当該モータコアと同心円状に配置され環状に形成された誘導コイルに交流電力を供給し、前記モータコアを誘導加熱する誘導加熱工程を含み、
    前記誘導加熱工程は、
    前記モータコアが前記キュリー温度に到達したときに変化する、物理量を測定する測定工程と、
    前記測定工程での測定結果に基づいて、前記モータコアが前記キュリー温度に到達したことを検知する検知工程と、
    前記キュリー温度に到達するまでの前記交流電力の時間に基づいて、前記モータコアを前記キュリー温度から前記目標温度まで加熱する際の前記交流電力の供給条件を決定する決定工程と、を含む、ことを特徴とする、モータコアの焼鈍方法。
  7. 前記誘導加熱工程は、前記モータコアの内部の温度を500℃以下に抑えながら、ひずみが導入されている前記モータコアの外周面及び/または内周面を前記目標温度まで加熱することを特徴とする、請求項6に記載のモータコアの焼鈍方法。
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