JP2020161494A - 誘導加熱方法および誘導加熱制御装置 - Google Patents

誘導加熱方法および誘導加熱制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】誘導加熱においてワークが過度に加熱されることを防止する。【解決手段】誘導加熱方法は、ワークWを誘導加熱する加熱工程と、誘導加熱におけるコイル電流の実測値または誘導加熱におけるワークWの表面温度の実測値に基づいて、誘導加熱されているワークWの内部温度の解析値を求める解析工程と、解析値をワークWの監視温度と見なして、監視温度がワークWの上限温度を超えているか否かを判定する判定工程と、監視温度が上限温度を超えている判定がされたとき、加熱工程におけるワークWの温度を下げる制御をする制御工程と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、誘導加熱されるワークの温度を監視する技術に関する。
誘導加熱の用途の一つとして、金属の型鍛造がある。型鍛造の前にワーク(金属)が誘導加熱される。誘導加熱中、ワークの温度が所定範囲(例えば、1000℃〜1300℃)に制御される。ワークの温度が所定範囲より低くなると、型鍛造においてワークへのプレス荷重が大きくなり、この結果、型が損傷するおそれがある。ワークの温度が所定範囲を超えると、ワークの結晶粒が肥大化することにより、ワークの品質が劣化するおそれがある(ワークの品質劣化は、ワークが疲労破壊する原因となる)。
誘導加熱されるワークの温度を監視する技術として、例えば、特許文献1に開示された誘導加熱方法がある。この方法は、加熱すべき物体が、加熱中に1個または数個の熱記録カメラによって監視され、加熱は、前記物体について所望の温度条件が得られるまで加熱パラメータ或いは加熱条件を調整することにより制御されることを特徴としている。
特表2002−532836号公報
上述したように、誘導加熱中にワークが過度に加熱されると、ワークの材料の品質が劣化する。誘導加熱の原理上、ワークの温度のピーク値は、ワークの表面でなく内部に発生する。従って、ワークの表面温度に基づいて、温度制御すると、ワークが過度に加熱されるおそれがある。
ワークの表面温度の測定には、通常、非接触温度センサが用いられる。ワークの表面に酸化スケール等が発生すると、実際の温度より低い温度が測定されるので、ワークが過度に加熱されるおそれがある。
本発明の目的は、誘導加熱においてワークが過度に加熱されることを防止できる誘導加熱方法および誘導加熱制御装置を提供することである。
本発明の第1局面に係る誘導加熱方法は、ワークを誘導加熱する加熱工程と、前記誘導加熱におけるコイル電流の実測値または前記誘導加熱における前記ワークの表面温度の実測値に基づいて、前記誘導加熱されている前記ワークの内部温度の解析値を求める解析工程と、前記解析値を前記ワークの監視温度と見なして、前記監視温度が前記ワークの上限温度を超えているか否かを判定する判定工程と、前記監視温度が前記上限温度を超えている判定がされたとき、前記加熱工程における前記ワークの温度を下げる制御をする制御工程と、を備える。
本発明者らは、誘導加熱において、ワークの温度のピーク値が、ワークの表面でなく内部に発生する点、および、ワークの内部温度が非接触温度センサによって測定することができない点に着目した。本発明の第1局面に係る誘導加熱方法では、ワークの内部温度の解析値をワークの監視温度と見なし、監視温度がワークの上限温度を超えているか否かを判定し、監視温度が上限温度を超えているとき、ワークの温度を下げる制御をする。従って、本発明の第1局面に係る誘導加熱方法によれば、誘導加熱においてワークが過度に加熱されることを防止できる。
上記構成において、前記判定工程は、前記解析値のうち、前記内部温度のピーク値を前記監視温度と見なして、前記判定をする。
この構成によれば、ワークの内部温度のピーク値を監視温度と見なして、監視温度が上限温度を超えるか否かを判定するので、ワークが過度に加熱されることをより確実に防止することができる。
上記構成において、前記判定工程は、前記解析値と前記表面温度の前記実測値のうち、大きい方を前記監視温度と見なして、前記監視温度が前記上限温度を超えているか否かを判定する。
ワークの表面温度の実測値が解析値(例えば、内部温度のピーク値)より大きくなる可能性は排除できない。この構成によれば、解析値とワークの表面温度の実測値のうち、大きい方を監視温度と見なして、監視温度が上限温度を超えているか否かを判定するので、ワークの過度の加熱を防止することができる。
上記構成において、前記誘導加熱における前記コイル電流の前記実測値または前記誘導加熱における前記ワークの前記表面温度の前記実測値をパラメータとし、前記誘導加熱における前記ワークの内部の発熱量を示す発熱項と、前記パラメータとの関係を示すデータを予め準備する準備工程と、前記加熱工程中に前記パラメータを測定する測定工程と、をさらに備え、前記解析工程は、測定された前記パラメータと対応する前記発熱項を前記データから取得し、前記誘導加熱における前記ワークの内部温度分布を示す式に、取得した前記発熱項を当てはめ、前記式を用いて、前記解析値を求める。
磁場と伝熱の連成解析によってワークの内部温度の解析値を求めることができる。この場合、磁場計算をし、計算した磁場を基にして発熱項を計算する必要があるので、解析値の計算に必要となる計算量が多くなる。この構成によれば、発熱項を予め準備しているので、ワークの内部温度の解析値を求める際に、磁場計算および発熱項の計算を省くことができる。これにより、解析値の計算に必要となる計算量を減らすことができ、解析値の計算時間を短くすることができる。
上記構成において、前記誘導加熱における前記コイル電流の前記実測値を連成解析のパラメータとし、前記加熱工程中に前記パラメータを測定する測定工程をさらに備え、前記解析工程は、磁場及び温度が前記ワークの径方向で変化し、前記ワークの軸方向で一定となる条件を満たす、前記ワークの箇所を前記連成解析の対象とし、前記ワークの径方向における一次元の磁場と伝熱の前記連成解析を用いて、前記解析値を求める。
一次元の磁場と伝熱の連成解析は、三次元や二次元の磁場と伝熱の連成解析と比べて、計算量を減らすことができる。従って、この構成によれば、ワークの内部温度の解析値の計算に必要となる計算量を減らすことができ、解析値の計算時間を短くすることができる。
本発明の第2局面に係る誘導加熱制御装置は、誘導加熱装置によって誘導加熱されているワークの内部温度の解析値を、前記誘導加熱におけるコイル電流の実測値または前記誘導加熱における前記ワークの表面温度の実測値に基づいて求める解析部と、前記解析値を前記ワークの監視温度と見なして、前記監視温度が前記ワークの上限温度を超えているか否かを判定する判定部と、前記監視温度が前記上限温度を超えている判定がされたとき、前記誘導加熱装置を制御して前記ワークの温度を下げる制御をする制御部と、を備える。
本発明の第2局面に係る誘導加熱制御装置は、本発明の第1局面に係る誘導加熱制御方法を装置の観点から規定しており、本発明の第1局面に係る誘導加熱制御方法と同様の作用効果を有する。
本発明によれば、誘導加熱においてワークが過度に加熱されることを防止できる。
実施形態に係る誘導加熱制御装置および誘導加熱装置の構成を示すブロック図である。 データベースに格納されたデータの一例を説明する説明図である。 データベースに格納されたデータの他の例を説明する説明図である。 実施形態に係る誘導加熱制御方法を説明するフローチャートである。 誘導加熱におけるワークの内部温度について、解析値と実測値とを比較するグラフである。 表面温度1100℃におけるワークの内部温度について、解析値と実測値とを比較するグラフである。 実施形態を用いて求められたワークの発熱項の解析値について、誘導加熱の開始から0秒後、1分後、5分後、30分後の解析値を示すグラフである。 ワークに発生する誘導電流の浸透深さを示すグラフである。 実施形態を用いて求められたワークの内部温度の解析値と、磁場と伝熱の連成解析の汎用ソフトウェアを用いて求められたワークの内部温度の解析値とを比較するグラフである。 実施形態の第2変形例に係る誘導加熱制御装置および誘導加熱装置の構成を示すブロック図である。 コイルが密に巻かれており、コイルの長さが十分に大きい状態において、コイルの長手方向の中央部における磁場を示す模式図である。 ワークの表面温度の初期値が20℃の場合に、実施形態の第2変形例および磁場と伝熱の連成解析の汎用ソフトウェアのそれぞれを用いて求められたワークの表面から内部への温度分布の解析値を示すグラフである。 ワークの表面温度の初期値が500℃の場合に、実施形態の第2変形例および磁場と伝熱の連成解析の汎用ソフトウェアのそれぞれを用いて求められたワークの表面から内部への温度分布の解析値を示すグラフである。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。各図において、同一符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その構成について、既に説明している内容については、その説明を省略する。
図1は、実施形態に係る誘導加熱制御装置1および誘導加熱装置2の構成を示すブロック図である。誘導加熱制御装置1は、誘導加熱装置2を制御する。誘導加熱装置2は、ワークWを誘導加熱する装置であり、搬送部21と、コイル22と、電源23と、温度計24と、電流計25と、を備える。ワークWは、例えば、直径200〜500mmである、円柱状の細長い金属部材である。搬送部21は、コイル22の一端から他端へ向かう矢印Aで示す方向にワークWを移動させることにより、ワークWをコイル22内に送り出す。コイル22の長さは、例えば、2000mm程度である。コイル22の長さがワークWの長さより短いので、ワークWのうち、コイル22内に位置する部分P(グレーで示す部分)が加熱対象となる。
電源23は、コイル22に交流電流を供給する。コイル22に流れる交流電流によって、コイル22の周りに磁束が発生する。これにより、ワークWのうち、コイル22内に位置する部分Pに渦電流が流れてジュール熱が発生し、その部分Pが所定時間加熱される。所定時間経過後、搬送部21は、ワークWを矢印A方向に移動させる。これにより、その部分Pが型鍛造工程へ送られ、ワークWのうち、コイル22内に位置する新たな部分Pが所定時間加熱される。以上の動作が繰り返される。
温度計24は、熱電対を用いた非接触温度センサであり、コイル22の長手方向の中央部に貫通された穴部を通して、ワークWの表面温度を測定する。コイル22内の熱は、コイル22の両端から外部に放出されるので、コイル22の両端部の温度よりもコイル22の中央部の温度が高くなる。従って、コイル22の中央部でワークWの表面温度が測定される。温度計24によって測定されたワークWの表面温度(表面温度の実測値)を示す温度データtdは、誘導加熱制御装置1へ送られる。
電流計25は、誘導加熱中にコイル22に流れる電流(コイル電流)を測定する。コイル電流(コイル電流の実測値)を示す電流データidは、誘導加熱制御装置1へ送られる。
誘導加熱制御装置1は、演算処理部11と、IF部12と、入力部13と、出力部14と、を備える。演算処理部11は、誘導加熱制御装置1の全体を統括し、誘導加熱制御装置1の動作に必要な処理をする。演算処理部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、および、HDD(Hard Disk Drive)等のハードウェア、演算処理部11の機能を実行するためのプログラムおよびデータ等によって実現される。
IF部12は、演算処理部11に接続され、演算処理部11の制御に従って、外部の機器との間で信号等を入出力する。例えば、IF部12は、温度計24から送られてきた温度データtdを受信し、これを演算処理部11へ送る。IF部12は、電流計25から送られてきた電流データidを受信し、これを演算処理部11へ送る。IF部12は、演算処理部11の温度制御部114が生成した制御信号s1を電源23へ送る。電源23は、制御信号s1に基づいて、コイル22に供給する交流電流を制御する。IF部12は、演算処理部11の搬送制御部115が生成した制御信号s2を搬送部21へ送る。搬送部21は、制御信号s2に基づいて、ワークWの矢印A方向への移動を制御する。IF部12は、入出力インターフェース回路によって実現される。
入力部13は、演算処理部11に接続され、ユーザが、各種の情報、データ、命令等を入力するための装置である。入力部13は、マウス、キーボード、タッチパネル等により実現される。出力部14は、演算処理部11に接続され、演算処理部11の制御に従って、入力部13から入力されたコマンド、データ等を出力する装置である。出力部14は、液晶ディスプレイ、OLEDディスプレイ(Organic Light Emitting Diode display)等により実現される。
演算処理部11は、機能ブロックとして、データベース111と、解析部112と、判定部113と、温度制御部114と、搬送制御部115と、を備える。
データベース111には、コイル電流と発熱項との関係を示すデータが表形式で格納されている。図2Aは、データベース111に格納されたデータの一例を説明する説明図である。発熱項は、誘導加熱におけるワークWの内部温度分布に対応する発熱量を示す。発熱項は、あるコイル電流の下でコイル22に発生する磁場について、磁場計算することによって予め求められている。例えば、コイル電流i1のとき発熱項q1であり、コイル電流i2のとき発熱項q2であり、コイル電流i3のとき発熱項q3である。
図1を参照して、解析部112は、電流計25から送られてきた電流データid(誘導加熱におけるコイル電流の実測値)に基づいて、誘導加熱されているワークWの内部温度の解析値を求める。詳しくは、解析部112は、電流計25から送られてきた電流データid(コイル電流の実測値)をパラメータとして、このパラメータ(コイル電流の実測値)と対応する発熱項をデータベース111から取得し、下記式1の発熱項ΔQに、取得した発熱項を当てはめ、式1を用いて、誘導加熱におけるワークWの径方向rの温度分布T(誘導加熱されているワークWの内部温度の解析値)を求める。
式1は、ワークWの中心軸から半径方向にr離れた地点における、誘導加熱による温度の解析値を示している(誘導加熱におけるワークWの内部温度分布を示す式)。Tは解析値(温度)を示し、tは時間を示し、ρはワークWの密度を示し、cはワークWの比熱を示し、λはワークWの熱伝導率を示し、ΔQは発熱項を示す。発熱項は、ワークWの表面から内部への温度分布(発熱量)に対応している。
データベース111に格納されたデータの他の例を説明する。他の例は、ワークWの表面温度と発熱項との関係を示すデータである。図2Bは、他の例を説明する説明図である。発熱項は、誘導加熱におけるワークWの発熱量を示す。発熱項は、ワークWの表面温度の下でコイル22に発生する磁場について、磁場計算することによって予め求められている。例えば、表面温度t1のとき発熱項q1であり、表面温度t2のとき発熱項q2であり、表面温度t3のとき発熱項q3である。
データベース111の他の例の場合、解析部112は、温度計24から送られてきた温度データtd(誘導加熱におけるワークWの表面温度の実測値)に基づいて、誘導加熱されているワークWの内部温度の解析値を求める。詳しくは、解析部112は、温度計24から送られてきた温度データtd(表面温度の実測値)をパラメータとし、このパラメータ(表面温度の実測値)と対応する発熱項をデータベース111から取得し、式1の発熱項ΔQに、取得した発熱項を当てはめ、式1を用いて、誘導加熱におけるワークWの径方向rの温度分布T(誘導加熱されているワークWの内部温度の解析値)を求める。
判定部113は、解析部112によって求められたワークWの内部温度の解析値をワークWの監視温度と見なして、監視温度がワークWの上限温度を超えているか否かを判定する。ワークWの下限温度については、温度計24によって測定されたワークWの表面温度と比較される。すなわち、判定部113は、温度データtdが示す表面温度が下限温度より小さいか否かを判定する。
温度制御部114は、判定部113によって監視温度が上限温度を超えている判定がされたとき、誘導加熱されているワークWの温度を下げる制御をする制御信号s1を生成し、IF部12は制御信号s1を電源23へ送る。ここでの制御信号s1は、電源23をオフ状態にする信号である。
電源23がオフすることにより、コイル22に交流電流が供給されないので、誘導加熱が停止し、ワークWの温度が徐々に低下する。温度制御部114は、判定部113によって表面温度が下限温度より小さいと判定されたとき、ワークWの温度を上げる制御をする制御信号s1を生成し、IF部12は制御信号s1を電源23へ送る。ここでの制御信号s1は、電源23をオン状態にする信号である。
搬送制御部115は、制御信号s2を生成する。IF部12は、制御信号s2を搬送部21へ送る。搬送部21は、制御信号s2に基づいて、ワークWを矢印A方向に移動させることにより、ワークWをコイル内に搬送する。
実施形態に係る誘導加熱制御方法を説明する。図3は、これを説明するフローチャートである。データベース111に格納されたデータは、図2Aに示す例とする。ワークWのうちコイル22内に位置している部分P(グレーで示す部分)が誘導加熱される。部分Pの温度を所定範囲に制御するために、誘導加熱は、電源23がオンされて部分Pが加熱される加熱過程と、電源23がオフされて部分Pから放熱される放冷過程とを含む。誘導加熱は所定時間(例えば、60分)される。
図1および図3を参照して、ユーザは、入力部13を操作し、誘導加熱を開始する命令を入力する。温度計24は、ワークWの表面温度を逐次測定し、温度データtdを、IF部12を介して演算処理部11へ送る。電流計25は、コイル22に流れるコイル電流を逐次測定し、電流データidを、IF部12を介して演算処理部11へ送る。
温度制御部114は、上記所定時間を予め記憶しており、温度制御部114が有するタイマを作動させて、時間の計測を開始する。温度制御部114は、所定時間が経過したか否かを判断する(S1)。すなわち、温度制御部114は、誘導加熱の開始から所定時間が経過したか否かを判断する。
誘導加熱が開始した段階なので、温度制御部114は、所定時間が経過していないと判断し(S1でNo)、電源23をオンさせる制御信号s1を生成する。IF部12は、この制御信号s1を電源23へ送る。これにより、電源23がオンし、コイル22に交流電流が供給され、ワークWのうちコイル22内に位置している部分Pが加熱される(S2)。これが加熱過程である。
解析部112は、データベース111に格納された図2Aに示すデータを参照して、電流計25から送られてきた電流データidが示すコイル電流(コイル電流の実測値)に対応する発熱項を取得し、上記式(1)の発熱項ΔQに、取得した発熱項を当てはめ、式(1)を用いて、解析値(ワークWの内部温度分布)を求める。解析部112は、一定時間間隔で解析値を求める。
判定部113は、ワークWの上限温度を予め記憶しており、解析値のピーク値(ワークWの内部温度の最大値)を監視温度と見なして、解析値のピーク値が上限温度を超えているか否かを判断する(S3)。判定部113は、解析部112が一定時間間隔で求めた解析値に対して、この判断をする。判定部113が、解析値のピーク値が上限温度を超えていないと判断したとき(S3でNo)、処理S1へ戻る。
判定部113が、解析値のピーク値が上限温度を超えていると判断したとき(S3でYes)、温度制御部114は、上記所定時間が経過したか否かを判断する(S4)。温度制御部114は、所定時間が経過していないと判断したとき(S4でNo)、電源23をオフさせる制御信号s1を生成する。IF部12は、この制御信号s1を電源23へ送る。これにより、電源23がオフし、コイル22に交流電流が供給されなくなり、部分Pから放熱される(S5)。これが放冷過程である。
判定部113は、ワークWの下限温度を予め記憶しており、温度計24から送られてくる温度データtdが示す表面温度(表面温度の実測値)が下限温度より小さいか否かを判断する(S6)。判定部113は、表面温度が下限温度以上と判断したとき(S6でNo)、処理S4へ戻る。
判定部113は、表面温度が下限温度より小さいと判断したとき(S6でYes)、温度制御部114は、上記所定時間が経過したか否かを判断する(S7)。温度制御部114は、所定時間が経過していないと判断したとき(S7でNo)、処理S2へ戻る。温度制御部114は、所定時間が経過したと判断したとき(S7でYes、S1でYes、S4でYes)、加熱対象となる部分Pの誘導加熱が終了となる。搬送部21は矢印Aで示す方向にワークWを移動させて、その部分Pをコイル22外に送り出し、ワークWのうち、コイル22内に位置する新たな部分Pが加熱対象となる。
実施形態を用いて求められたワークWの内部温度の解析値は、ワークWの内部温度の実測値とほぼ同じになることを、図4および図5を用いて説明する。ワークWの内部温度の実測値は、ワークWの表面から内部に形成された穴に、温度計24の温度検知部(熱電対)が挿入された状態で測定された値である。図4は、誘導加熱におけるワークWの内部温度について、解析値と実測値とを比較するグラフである。グラフの横軸は、誘導加熱の時間を示す。グラフの縦軸は、内部温度を示す。実測値は、ワークWの表面から深さ68mmの地点の内部温度の実測値である。解析値は、実施形態を用いて求められた、ワークWの表面から深さ68mmの地点の内部温度の解析値である。解析値は実測値とほぼ同じとなることが分かる。
図5は、ワークWの表面温度1100℃におけるワークWの内部温度について、解析値と実測値とを比較するグラフである。グラフの横軸は、ワークWの表面からの深さを示す。グラフの縦軸は、内部温度を示す。丸形プロットは、コイル22の一方の端面からコイル22の長手方向に沿った距離d2(d2>d1)において、ワークWの深さ0mm、40mm、70mm、190mmの地点における内部温度の実測値を示す。解析値は、実施形態を用いて求められたワークWの内部温度の解析値である。解析値は実測値とほぼ同じとなることが分かる。
図6は、実施形態を用いて求められたワークWの発熱項の解析値について、誘導加熱の開始から0秒後、1分後、5分後、30分後の解析値を示すグラフである。誘導加熱の開始から0秒後、1分後、5分後、30分後のワークWの表面温度は、20℃、610.97℃、842.07℃、1006.5℃であった。グラフの横軸は、ワークWの表面からの深さを示す。グラフの縦軸は、ワークWの単位体積当たりの発熱量を示し、発熱項と対応する。
誘導加熱の開始当初(0秒後、1分後)は、ワークWの表面の発熱量が、ワークWの内部の発熱量より大きいが、誘導加熱の時間が経過すると(5分後、30分後)、ワークWの内部には、ワークWの表面よりも発熱量が大きい地点が発生していることが分かる。これを理論的に説明すると、以下の通りである。
図7は、ワークWに発生する誘導電流の浸透深さを示すグラフである。グラフの横軸は、ワークWの表面からの距離x(表面からの深さ)を示す。δが浸透深さである。グラフの縦軸は、誘導電流の電流密度を示す。
誘導加熱は、電磁誘導によりワークWに流れる電流に対する電気抵抗によって行われる。従って、誘導加熱による発熱分布は、電流密度分布に依存する。電流密度は、ワークWの表面で最も大きく、ワークWの内部にいくほど指数関数的に減少する分布となる。一般的に、電流密度i0から0まで連続して分布する全電流(|i|)は、幅の値がδ(浸透深さ)の導体が想定され、これに一様な電流密度i0の電流が流れると考える。浸透深さ(δ)は、図7中の式(2)で表わされる。
式(2)において、ρは、ワークWの抵抗率(μΩ・cm)であり、μは、ワークWの比透磁率であり(磁性材は、μ>1であり、非磁性材は、μ=1である)、fは、コイル電流の周波数(Hz)である。
式(2)から分かるように、浸透深さ(δ)は、ワークWの寸法に関係なく、ワークWの物性とコイル電流の周波数で与えられる。
炭素鋼の浸透深さを表1に示す。浸透深さは、コイル電流の周波数が低いほど大きくなり、非磁性域(キュリー点以上の温度の領域)で急増する。従って、発熱分布は、図6に示すように、誘導加熱の開始当初はワークWの温度が低いので、ワークWの表面のみの加熱となる。その後、表面の温度がキュリー点を越え、表面が非磁性域になると、表面での発熱量が低下するとともに、浸透深さが大きくなるために、発熱分布はワークWの内部にシフトしていく。
以上が、誘導加熱の時間が経過すると、ワークWの内部には、ワークWの表面よりも発熱量が大きい地点が発生する理論的説明である。
実施形態では、ワークWの内部温度の解析値をワークWの監視温度と見なし、監視温度がワークWの上限温度を超えているか否かを判定し(S3)、監視温度が上限温度を超えているとき(S3でYes)、ワークWの温度を下げる制御をする(S5)。従って、実施形態によれば、誘導加熱においてワークWが過度に加熱されることを防止できる。
図8は、実施形態を用いて求められたワークWの内部温度の解析値と、磁場と伝熱の連成解析の汎用ソフトウェアを用いて求められたワークWの内部温度の解析値とを比較するグラフである。グラフの横軸は、ワークWの表面からの深さを示す。グラフの縦軸は、ワークWの内部温度を示す。
(A)〜(G)の線は、実施形態を用いて求められたワークWの内部温度の解析値を示す。(A)の線は、誘導加熱の開始から20秒後の解析値を示す。(B)の線は、誘導加熱の開始から1分後の解析値を示す。(C)の線は、誘導加熱の開始から5分後の解析値を示す。(D)の線は、誘導加熱の開始から10分後の解析値を示す。(E)の線は、誘導加熱の開始から20分後の解析値を示す。(F)の線は、誘導加熱の開始から40分後の解析値を示す。(G)の線は、誘導加熱の開始から60分後の解析値を示す。
(a)〜(g)のプロットは、磁場と伝熱の連成解析の汎用ソフトウェアを用いて求められたワークWの内部温度の解析値を示す。(a)のプロットは、誘導加熱の開始から20秒後の解析値を示す。(b)のプロットは、誘導加熱の開始から1分後の解析値を示す。(c)のプロットは、誘導加熱の開始から5分後の解析値を示す。(d)のプロットは、誘導加熱の開始から10分後の解析値を示す。(e)のプロットは、誘導加熱の開始から20分後の解析値を示す。(f)のプロットは、誘導加熱の開始から40分後の解析値を示す。(g)のプロットは、誘導加熱の開始から60分後の解析値を示す。
実施形態を用いて求められたワークWの内部温度の解析値は、磁場と伝熱の連成解析の汎用ソフトウェアを用いて求められたワークWの内部温度の解析値とほぼ一致していることが分かる。
磁場と伝熱の連成解析の汎用ソフトウェアによってワークWの内部温度の解析値を求める場合、磁場計算をし、計算した磁場を基にして発熱項を計算する必要があるので、解析値の計算に必要となる計算量が多くなる。実施形態によれば、図2Aまたは図2Bに示すデータが格納されたデータベース111を用いることにより、ワークWの内部温度の解析値を求める際に、磁場計算および発熱項の計算を省くことができる。従って、ワークWの内部温度の解析値の計算に必要となる計算量を減らすことができるので、解析値の計算時間を短くすることができる。具体的には、実施形態を用いて求められたワークWの内部温度の解析値の計算時間は、1分程度であり、実用化に支障がない。
実施形態の第1変形例について説明する。第1変形例は、図3の処理S3が実施形態と異なる。第1変形例において、判定部113は、ワークWの内部温度の解析値とワークWの表面温度の実測値のうち、大きい方を監視温度と見なして、監視温度が上限温度を超えているか否かを判定する(処理S3)。ワークの表面温度の実測値は、解析値の算出に用いたコイル電流の実測値と同じタイミングで測定されたものである。
ワークWの表面温度の実測値がワークWの内部温度の解析値(例えば、内部温度のピーク値)より大きくなる可能性は排除できない。第1変形例によれば、ワークWの内部温度の解析値とワークWの表面温度の実測値のうち、大きい方を監視温度と見なして、監視温度が上限温度を超えているか否かを判定するので、ワークWの過度の加熱を防止することができる。
実施形態の第2変形例について説明する。第2変形例は、ワークWの内部温度の解析値の求め方が実施形態と異なる。図9は、実施形態の第2変形例に係る誘導加熱制御装置1aおよび誘導加熱装置2の構成を示すブロック図である。演算処理部11は、判定部113、温度制御部114および搬送制御部115に加えて、さらに解析部116を備える。
解析部116は、誘導加熱されているワークWにおける磁場と伝熱の連成解析を用いて、誘導加熱されているワークWの表面温度の解析値を求める。
ワークWの表面温度の解析値の求め方を説明する。解析部116は、磁場および温度がワークWの径方向で変化し、ワークWの軸方向で一定(ほぼ一定)となる条件を満たす、ワークWの箇所を連成解析の対象とし、ワークWの径方向における一次元の磁場と伝熱の連成解析を用いて、解析値を求める(一次元の磁場と伝熱の連成解析は、言い換えれば、軸対称モデルの中で、径方向の成分のみを用いて、磁場と伝熱の連成解析をすることである)。上記条件は、例えば、ワークWの直径に対してコイル22の長さが十分に大きく、かつ、コイル22が密に巻かれており、コイル22の長さが十分に大きい場合である。
詳しく説明する。ワークWの直径に対してコイル22の長さが十分に大きいとき、コイル22の長手方向の中央部において、ワークWの軸方向(コイル22の長手方向)におけるワークWの温度は、一定(ほぼ一定)となる。この場合、ワークWの径方向でワークWの温度が変化する。よって、ワークWの径方向にのみ温度分布(一次元の温度分布)が生じると見なすことができる。
図10は、コイル22が密に巻かれており、コイル22の長さが十分に大きい状態において、コイル22の長手方向の中央部における磁場を示す模式図である。点線が磁場を示している。コイル22が密に巻かれており、コイル22の長さが十分に大きいとき、コイル22の長手方向の中央部では、コイル22の長手方向(z)に磁場が発生し、コイル22の径方向(r)に磁場が発生しない。この場合、コイル22の径方向(r)でコイル22の長手方向(z)の磁場が変化する。よって、コイル22の径方向(ワークWの径方向)にのみ磁場分布(一次元の磁場分布)が生じると見なすことができる。
以上より、ワークWの直径に対してコイル22の長さが十分に大きく、かつ、コイル22が密に巻かれており、コイル22の長さが十分に大きい場合、磁場および温度がワークWの径方向で変化し、ワークWの軸方向で一定(ほぼ一定)となる条件を満たすことになる。
一次元の磁場と伝熱の連成解析について詳しく説明する。誘導加熱は、電磁誘導によりワークWに流れる電流に対する電気抵抗によって発生する。電磁誘導現象は、Maxwell方程式によって説明され、コイル22に流れるコイル電流の値、コイル22の巻き密度、および、ワークWの温度分布に基づいて磁場計算がされることにより、ワークW内の電流密度分布を求めることができる。具体的には、ワークWの中心軸から半径方向にr離れた地点における、コイル22の長手方向の中央部における磁場の強さHは、式(3)を解くことで得られる。σはワークWの電気伝導率を示し、μはワークWの比透磁率を示し、fはコイル電流の周波数を示し、jは虚数単位を示す。
式(3)は、0次のBesselの微分方程式と呼ばれ、一般解は式(4)で表される。
ここで、Iは第1種0次のBessel関数であり、Kは第2種0次のBessel関数であり、A及びBは定数である。式(4)を求める(すなわち、定数A及びBの値を求める)ための境界条件として、外部印加磁界Hを与える。外部印加磁界Hは、式(5)で表される。Iはコイル電流の値(コイル電流の実測値)を示し、Nはコイル22の巻き密度を示す。
コイル電流の値I(コイル電流の実測値)は時々刻々と変動する値であるため、電流計25から送らてくる電流データid(図9)を式(5)に反映することで、計算精度を向上させることが可能である。以上の式(3)〜(5)に基づいて、コイル22の長手方向の中央部における磁場の強さHを求めることができる。
磁場の成分をコイル22の長手方向(z方向)のみと仮定したとき、電場は円周方向成分のみが有効となり、Maxwell方程式を式変形することで、円周方向の電場成分Eφを示す式(6)が得られる。
このとき、渦電流密度iφは、式(7)で与えられるため、式(7)からワークW内部の電流密度分布を求めることができる。式(7)で求めた電流密度分布および式(8)を用いてワークW内部の発熱量qが得られる。

得られた発熱量qを式(9)の伝熱解析における発熱項ΔQとして、式(9)が計算されることにより、誘導加熱工程におけるワークWの表面から内部への温度分布の解析値が求められる。ρはワークWの密度を示し、cはワークWの比熱を示し、λ´はワークWの熱伝導率を示し、Tは解析値(温度)を示し、tは時間を示す。
連成解析の対象が、上述したように、磁場および温度がワークWの径方向で変化し、ワークWの軸方向で一定(ほぼ一定)となる条件を満たす、ワークWの箇所の場合、一次元の磁場と伝熱の連成解析であっても、ワークWの表面温度の解析値は十分に信頼性を有することを説明する。図11および図12は、実施形態の第2変形例を用いて求められたワークWの表面から内部への温度分布の解析値と、磁場と伝熱の連成解析の汎用ソフトウェアを用いて求められたワークWの表面から内部への温度分布の解析値とを比較するグラフである。コイル22を流れる電流の値(コイル電流の実測値)は4500Aとし、コイル22の巻き密度は31.5(1/m)とした。図11、図12は、それぞれワークWの表面温度の実測値の初期温度が20℃、500℃の場合を示す。グラフの横軸は、ワークWの表面からの距離(深さ)を示す。グラフの縦軸は、ワークWの温度の解析値を示す。ワークWの表面からの距離が0の場合、ワークの表面温度の解析値を示す。
図11および図12において、線で示すデータは、実施形態の第2変形例を用いて求められたワークWの表面から内部への温度分布の解析値を示し、プロットで示すデータは、磁場と伝熱の連成解析の汎用ソフトウェアを用いて求められたワークWの表面から内部への温度分布の解析値を示す。初期温度の計測から20秒経過後の解析値、1分経過後の解析値、5分経過後の解析値、10分経過後の解析値、20分経過後の解析値、40分経過後の解析値のいずれにおいても、線で示すデータは、プロットで示すデータと同様の結果が得られることが分かった。従って、実施形態の第2変形例によれば、磁場と伝熱の連成解析の汎用ソフトウェアと同様の解析値が得られるので、磁場と伝熱の連成解析の汎用ソフトウェアと同様の信頼性を有する。
実施形態の第2変形例では、一次元の磁場と伝熱の連成解析でワークWの表面温度の解析値を求めるので、計算量を減らすことができる。実際、実施形態の第2変形例を用いて求められたワークWの表面温度の解析値の計算時間は、数分程度であり、実用化に支障がない。
1、1a 誘導加熱制御装置
2 誘導加熱装置
22 コイル
24 温度計
W ワーク
P ワークのうち、コイル内に位置する部分(加熱対象となる部分)
td 温度データ
id 電流データ
s1 制御信号
s2 制御信号

Claims (6)

  1. ワークを誘導加熱する加熱工程と、
    前記誘導加熱におけるコイル電流の実測値または前記誘導加熱における前記ワークの表面温度の実測値に基づいて、前記誘導加熱されている前記ワークの内部温度の解析値を求める解析工程と、
    前記解析値を前記ワークの監視温度と見なして、前記監視温度が前記ワークの上限温度を超えているか否かを判定する判定工程と、
    前記監視温度が前記上限温度を超えている判定がされたとき、前記加熱工程における前記ワークの温度を下げる制御をする制御工程と、を備える、誘導加熱方法。
  2. 前記判定工程は、前記解析値のうち、前記内部温度のピーク値を前記監視温度と見なして、前記判定をする、請求項1に記載の誘導加熱方法。
  3. 前記判定工程は、前記解析値と前記表面温度の前記実測値のうち、大きい方を前記監視温度と見なして、前記監視温度が前記上限温度を超えているか否かを判定する、請求項1または2に記載の誘導加熱方法。
  4. 前記誘導加熱における前記コイル電流の前記実測値または前記誘導加熱における前記ワークの前記表面温度の前記実測値をパラメータとし、前記誘導加熱における前記ワークの内部の発熱量を示す発熱項と、前記パラメータとの関係を示すデータを予め準備する準備工程と、
    前記加熱工程中に前記パラメータを測定する測定工程と、をさらに備え、
    前記解析工程は、
    測定された前記パラメータと対応する前記発熱項を前記データから取得し、
    前記誘導加熱における前記ワークの内部温度分布を示す式に、取得した前記発熱項を当てはめ、前記式を用いて、前記解析値を求める、請求項1〜3のいずれか一項に記載の誘導加熱方法。
  5. 前記誘導加熱における前記コイル電流の前記実測値を連成解析のパラメータとし、前記加熱工程中に前記パラメータを測定する測定工程をさらに備え、
    前記解析工程は、磁場及び温度が前記ワークの径方向で変化し、前記ワークの軸方向で一定となる条件を満たす、前記ワークの箇所を前記連成解析の対象とし、前記ワークの径方向における一次元の磁場と伝熱の前記連成解析を用いて、前記解析値を求める、請求項1〜3のいずれか一項に記載の誘導加熱方法。
  6. 誘導加熱装置によって誘導加熱されているワークの内部温度の解析値を、前記誘導加熱におけるコイル電流の実測値または前記誘導加熱における前記ワークの表面温度の実測値に基づいて求める解析部と、
    前記解析値を前記ワークの監視温度と見なして、前記監視温度が前記ワークの上限温度を超えているか否かを判定する判定部と、
    前記監視温度が前記上限温度を超えている判定がされたとき、前記誘導加熱装置を制御して前記ワークの温度を下げる制御をする制御部と、を備える、誘導加熱制御装置。
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